JP2008087242A - フッ素樹脂塗装鋼板 - Google Patents

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Abstract

【課題】プレッシャーマークの発生を防止することができるフッ素樹脂塗装鋼板を提供する。
【解決手段】フッ素樹脂塗装鋼板に関する。フッ素樹脂とアクリル樹脂の質量比が75:25〜90:10であるフッ素樹脂塗膜2が鋼板1の表面に形成されている。ガラス転移温度が10〜20℃であるポリエステル樹脂塗膜3が鋼板1の裏面に形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、屋根・壁・看板等の建築材料等に用いられるフッ素樹脂塗装鋼板に関するものである。
フッ素樹脂塗装鋼板は、耐候性や耐熱性等に優れているので、様々な分野において利用されており、これまでに多くのものが提供されている。例えば、特許文献1に記載されたフッ素樹脂被覆物は、フッ素樹脂を主成分とするフィルムをアルミニウム等の基材に被覆することによって形成されており、非粘着性、耐摩耗性、耐腐食性の向上が図られている。
特開平6−133855号公報
しかしながら、従来のフッ素樹脂塗装鋼板にあっては、コイル状に巻き取られることによって鋼板の表裏に大きな圧力が加わると、化粧面である表面にプレッシャーマーク(圧迫跡)が発生し、外観が損なわれてしまうものであった。しかも一旦このようにプレッシャーマークが発生してしまうと、コイルを解いて放置しておいても、時間の経過では消えないものであった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、プレッシャーマークの発生を防止することができるフッ素樹脂塗装鋼板を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係るフッ素樹脂塗装鋼板は、フッ素樹脂とアクリル樹脂の質量比が75:25〜90:10であるフッ素樹脂塗膜2が鋼板1の表面に形成されていると共に、ガラス転移温度が10〜20℃であるポリエステル樹脂塗膜3が鋼板1の裏面に形成されていることを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係るフッ素樹脂塗装鋼板によれば、フッ素樹脂塗膜におけるフッ素樹脂とアクリル樹脂の総量100質量部に対してフッ素樹脂の比率が75質量部以上であることによって、フッ素樹脂塗膜の結晶化が促進され、圧迫による塑性変形を抑制することができ、また、ポリエステル樹脂塗膜のガラス転移温度が20℃以下であることによって、ポリエステル樹脂塗膜が軟化し、クッション性を高めることができ、その結果、コイリング等により上記フッ素樹脂塗膜とポリエステル樹脂塗膜とが圧接しても、フッ素樹脂塗膜の表面にプレッシャーマークが発生するのを防止することができるものである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明に係るフッ素樹脂塗装鋼板は、図1に示すように、鋼板1の表面にプライマー層4、フッ素着色層5、フッ素クリヤー層6をこの順に積層すると共に、鋼板1の裏面にプライマー層4、ポリエステル樹脂塗膜3をこの順に積層することによって形成することができる。また、図2に示すように、フッ素クリヤー層6は形成しなくてもよい。ただし、最表面に位置するフッ素樹脂塗膜2(通常はフッ素クリヤー層6であるが、これを形成しない場合はフッ素着色層5)におけるフッ素樹脂とアクリル樹脂の質量比は75:25〜90:10である。また、ポリエステル樹脂塗膜3のガラス転移温度(Tg)は10〜20℃である。
本発明において鋼板1としては、特に限定されるものではないが、例えば、溶融アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板等のめっき鋼板や、ステンレス鋼板等を用いることができる。
この鋼板1の両面には、プライマー層4の形成に先立って化成処理層(図1では図示省略)を形成することができる。化成処理層としては、例えば、クロメート(クロム酸塩)処理層、リン酸塩処理層、複合酸化皮膜等を挙げることができる。
クロメート(クロム酸塩)処理層は、6価クロムと硫酸等の無機酸とを含む水溶液を用いて鋼板1の表面を処理することによって、3価クロム及び6価クロムを含む水和酸化物からなる層として形成することができる。また、リン酸塩処理層とは、第1リン酸塩とリン酸とを含む水溶液を用いて鋼板1の表面を処理することによって形成された第3リン酸塩からなる層である。リン酸塩の種類としては、リン酸亜鉛、リン酸マンガン、リン酸鉄等を挙げることができる。なお、化成処理層の厚みは、リン酸塩処理層の場合には、1〜2μmが一般的である。
プライマー層4は、塗膜の密着性を向上させたり、防錆性を付与したりするなどの目的のために下塗りとして鋼板1の表面(化成処理層を形成する場合にあっては、化成処理層の表面)に形成することができる。プライマー層4を形成するための下塗り塗料(プライマー)としては、例えば、エポキシ樹脂系塗料、ポリウレタン樹脂系塗料等を用いることができ、また、これには必要に応じてクロム酸塩を主体とする防錆顔料等を含有させることができる。そして、スプレー、バーコーター、ローラーカーテンコーター、カーテンフローコーター、ロールコーター等を用いて下塗り塗料を鋼板1の表面に塗布した後、これを熱風乾燥炉や誘電加熱装置等に通して加熱して乾燥硬化させることによって、プライマー層4を形成することができる。プライマー層4は、化成処理層をあらかじめ形成してある場合にはこの化成処理層に密着するように形成することができ、化成処理層を形成していない場合には鋼板1に直接密着するように形成することができる。またこのとき、プライマー層4として組成の異なる二種以上のものを順次積層して二層以上の多層のプライマー層4を形成してもよい。下塗り塗料の塗布量やプライマー層4の膜厚は適宜に調整することができるが、プライマー層4の膜厚は1〜10μmであることが好ましい。
フッ素着色層5を形成するための中塗り塗料としては、無機焼成顔料、有機顔料、アクリル樹脂を含有するフッ素樹脂塗料を用いることができる。このフッ素樹脂塗料に用いられるフッ素樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリ三フッ化塩化エチレン、ポリ四フッ化エチレン等を挙げることができ、溶剤としては、例えば、キシレン・イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサン、DBE(二塩基酸エステル)、ソレベッソ等を挙げることができる。ここで、フッ素クリヤー層6を形成しない場合にはフッ素着色層5が最表面に位置するフッ素樹脂塗膜2となるので、このフッ素樹脂塗膜2におけるフッ素樹脂とアクリル樹脂の質量比が75:25〜90:10となるように、中塗り塗料におけるフッ素樹脂の配合量をあらかじめ調整しておくものである。
また、無機焼成顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、鉛白等の白色顔料、酸化鉄黄、黄鉛、カドミウムイエロー等の黄色顔料、モリブデートオレンジ等の橙色顔料、べんがら、カドミウムレッド、鉛丹、朱、酸化鉄レッド等の赤色顔料、酸化クロム、クロムグリーン等の緑色顔料、紺青、群青、コバルトブルー等の青色顔料、マンガンバイオレット等の紫色顔料、鉄黒、黒鉛、カーボンブラック等の黒色顔料等のほか、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アルミナホワイト、グロスホワイト等を用いることができる。このような無機焼成顔料のフッ素着色層5における含有量は10〜35質量%であることが好ましい。
また、有機顔料としては、例えば、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、レーキレッドC、ブリリアントカーミン6B、キナクリドンレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等を用いることができる。このような有機顔料のフッ素着色層5における含有量は10〜30質量%であることが好ましい。
そして、スプレー、バーコーター、ローラーカーテンコーター、カーテンフローコーター、ロールコーター等を用いて中塗り塗料をプライマー層4の表面に塗布した後、これを熱風乾燥炉や誘電加熱装置等に通して加熱して乾燥硬化させることによって、フッ素着色層5を形成することができる。中塗り塗料の塗布量やフッ素着色層5の膜厚は適宜に調整することができるが、フッ素着色層5の膜厚は10〜20μmであることが好ましい。
フッ素クリヤー層6を形成するための上塗り塗料としては、フッ素樹脂及びアクリル樹脂を含有するフッ素樹脂塗料を用いる。このフッ素樹脂塗料に用いられるフッ素樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリ三フッ化塩化エチレン、ポリ四フッ化エチレン等を挙げることができ、溶剤としては、例えば、キシレン・イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサン、DBE(二塩基酸エステル)、ソレベッソ等を挙げることができる。ここで、フッ素クリヤー層6を形成する場合にはフッ素クリヤー層6が最表面に位置するフッ素樹脂塗膜2となるので、このフッ素樹脂塗膜2におけるフッ素樹脂とアクリル樹脂の質量比が75:25〜90:10となるように、上塗り塗料におけるフッ素樹脂の配合量をあらかじめ調整しておくものである。なお、上塗り塗料に顔料は含有されていない。
そして、スプレー、バーコーター、ローラーカーテンコーター、カーテンフローコーター、ロールコーター等を用いて上塗り塗料をフッ素着色層5の表面に塗布した後、これを熱風乾燥炉や誘電加熱装置等に通して加熱して乾燥硬化させることによって、フッ素クリヤー層6を形成することができる。
このようにして、フッ素樹脂とアクリル樹脂の質量比が75:25〜90:10であるフッ素樹脂塗膜2を鋼板1の表面に形成することができるが、フッ素樹脂とアクリル樹脂の総量100質量部に対してフッ素樹脂の比率が75質量部未満であると、フッ素樹脂塗膜2の結晶化を促進することができず、圧迫による塑性変形を抑制することができないものであり、逆に、フッ素樹脂とアクリル樹脂の総量100質量部に対してフッ素樹脂の比率が90質量部を超えると、フッ素着色層5又はプライマー層4との密着性が低下するものである。
ここで、上塗り塗料の塗布は、フッ素着色層5を形成する中塗り塗料が乾燥硬化した後に行ってもよいが、乾燥硬化する前の中塗り塗料の表面に上塗り塗料を塗布した後、中塗り塗料及び上塗り塗料を同時に焼付け乾燥して仕上げる、いわゆるウェットオンウェット(ツーコートワンベーク)を使用してもよい。この工法を使用すると、フッ素着色層5とフッ素クリヤー層6との間の密着性をさらに向上させることができる。また、フッ素クリヤー層6の膜厚は5〜10μmであることが好ましい。このようにフッ素クリヤー層6の膜厚が5μm以上であることによって、耐候性及び光沢をさらに高めることができるものである。しかし、フッ素クリヤー層6が過度に厚くなる場合には、わき(あわ)が発生するおそれがあるので、フッ素クリヤー層6の膜厚の上限は上記のように10μmとなる。
一方、鋼板1の裏面にはプライマー層4を介してポリエステル樹脂塗膜3が形成される。鋼板1の裏面におけるプライマー層4の形成は、鋼板1の表面におけるプライマー層4の形成と同様に行うことができる。ポリエステル樹脂塗膜3を形成するためのポリエステル樹脂塗料としては、例えば、テレフタル酸等の二塩基酸(直鎖状モノマー)と1,6−ヘキサンジオール等の二価アルコール(直鎖状モノマー)とを重縮合させて得られるポリエステル樹脂を含有する塗料等を用いることができ、溶剤としては、例えば、キシレン・イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサン、DBE(二塩基酸エステル)、ソレベッソ、ケトン類、芳香族炭化水素等を用いることができる。ポリエステル樹脂塗料には、架橋剤として、メラミン樹脂、着色顔料として、既述の無機焼成顔料や有機顔料、艶消し剤として、シリカ粉、添加剤として、表面調整剤や硬化触媒等が含有されていてもよい。ここで、ポリエステル樹脂塗料に含有されるポリエステル樹脂の分子量をあらかじめ6000〜10000に調整しておくと、ポリエステル樹脂塗膜3のガラス転移温度を容易に10〜20℃に設定することができる。そして、スプレー、バーコーター、ローラーカーテンコーター、カーテンフローコーター、ロールコーター等を用いてポリエステル樹脂塗料を鋼板1の裏面に塗布した後、これを熱風乾燥炉や誘電加熱装置等に通して加熱して乾燥硬化させることによって、ポリエステル樹脂塗膜3を形成することができる。ポリエステル樹脂塗料の塗布量やポリエステル樹脂塗膜3の膜厚は適宜に調整することができるが、ポリエステル樹脂塗膜3の膜厚は5〜15μmであることが好ましい。
このようにして、ガラス転移温度が10〜20℃であるポリエステル樹脂塗膜3を鋼板1の裏面に形成することができるが、ガラス転移温度が10℃未満であると、タック性(粘着性)が大きくなってしまう。そうすると、例えば、フッ素樹脂塗装鋼板をコイル状に巻き取った場合には、後にこのコイルを解くのが非常に困難となり、また、所定の大きさに切断された複数のフッ素樹脂塗装鋼板を重ねた場合には、後に一枚ずつ剥がすのが非常に困難となる。逆に、ガラス転移温度が20℃を超えると、ポリエステル樹脂塗膜3を軟化させることができず、クッション性を高めることができないものである。
以上のようにして図1に示すようなフッ素樹脂塗装鋼板を製造することができる。このようにして製造されるフッ素樹脂塗装鋼板にあっては、従来のものと比較して、次のような有利な効果を得ることができる。すなわち、フッ素樹脂塗装鋼板の表面に形成されているフッ素樹脂塗膜2におけるフッ素樹脂とアクリル樹脂の総量100質量部に対してフッ素樹脂の比率が75質量部以上であることによって、フッ素樹脂塗膜2の結晶化が促進され、圧迫による塑性変形を抑制することができるものである。また、フッ素樹脂塗装鋼板の裏面に形成されているポリエステル樹脂塗膜3のガラス転移温度が20℃以下であることによって、ポリエステル樹脂塗膜3が軟化し、クッション性を高めることができるものである。その結果、コイリング等により上記フッ素樹脂塗膜2とポリエステル樹脂塗膜3とが圧接しても、フッ素樹脂塗膜2の表面にプレッシャーマークが発生するのを防止することができるものである。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
鋼板1としては、厚み0.40mmの溶融55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板を用いた。この鋼板1の両面には、塗布クロメート液(日本パーカライジング(株)製「ZM−1300AN」)を用いて化成処理層を形成した。そしてこの化成処理層の表面に下塗り塗料(プライマー)を塗布した後、これを45秒間、最終到達温度190℃に加熱して乾燥硬化させることによって、膜厚5μmのプライマー層4を鋼板1の両面に形成した。
ここで、前記下塗り塗料としては、エポキシ樹脂プライマー(日本ファインコーティングス(株)製「ファインタフDプライマーGL64P」)を用いた。
次に、一方のプライマー層4の表面に中塗り塗料を塗布した後、これを45秒間、最終到達温度250℃に加熱して乾燥硬化させることによって、膜厚20μmのフッ素着色層5を形成した。
ここで、前記中塗り塗料としては、フッ素樹脂塗料(日本ファインコーティングス(株)製「ディックフローEF」)に有機顔料及び無機焼成顔料を下記[表1]のように配合したものを用いた。
Figure 2008087242
次に、フッ素着色層5の表面に上塗り塗料を塗布した後、これを45秒間、最終到達温度250℃に加熱して乾燥硬化させることによって、膜厚5μmのフッ素クリヤー層6を形成した。
ここで、前記上塗り塗料としては、フッ素樹脂塗料(日本ファインコーティングス(株)製「ディックフローEFクリヤー」)を用いた。最表面に位置するフッ素樹脂塗膜2(フッ素クリヤー層6)におけるフッ素樹脂とアクリル樹脂の質量比は75:25である。
一方、鋼板1の裏面のプライマー層4にポリエステル樹脂塗料を塗布した後、これを45秒間、最終到達温度250℃に加熱して乾燥硬化させることによって、膜厚5μmのポリエステル樹脂塗膜3を形成して、図1に示すようなフッ素樹脂塗装鋼板を製造した。
ここで、前記ポリエステル樹脂塗料としては、日本ファインコーティングス(株)製「NSC833−20」を用いた。ポリエステル樹脂塗膜3のガラス転移温度は20℃である。
(実施例2)
フッ素クリヤー層6におけるフッ素樹脂とアクリル樹脂の質量比を80:20とした以外は、実施例1と同様にして、フッ素樹脂塗装鋼板を製造した。
(実施例3)
フッ素クリヤー層6におけるフッ素樹脂とアクリル樹脂の質量比を80:20とし、ポリエステル樹脂塗膜3のガラス転移温度を10℃とした以外は、実施例1と同様にして、フッ素樹脂塗装鋼板を製造した。
なお、ポリエステル樹脂塗膜3を形成するためのポリエステル樹脂塗料としては、日本ファインコーティングス(株)製「NSC833−10」を用いた。
(実施例4)
フッ素クリヤー層6におけるフッ素樹脂とアクリル樹脂の質量比を90:10とし、ポリエステル樹脂塗膜3のガラス転移温度を15℃とした以外は、実施例1と同様にして、フッ素樹脂塗装鋼板を製造した。
なお、ポリエステル樹脂塗膜3を形成するためのポリエステル樹脂塗料としては、日本ファインコーティングス(株)製「NSC833−15」を用いた。
(実施例5)
鋼板1としては、厚み0.40mmの溶融55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板を用いた。この鋼板1の両面には、塗布クロメート液(日本パーカライジング(株)製「ZM−1300AN」)を用いて化成処理層を形成した。そしてこの化成処理層の表面に下塗り塗料(プライマー)を塗布した後、これを45秒間、最終到達温度190℃に加熱して乾燥硬化させることによって、膜厚5μmのプライマー層4を鋼板1の両面に形成した。
ここで、前記下塗り塗料としては、エポキシ樹脂プライマー(日本ファインコーティングス(株)製「ファインタフDプライマーGL64P」)を用いた。
次に、一方のプライマー層4の表面に中塗り塗料を塗布した後、これを45秒間、最終到達温度250℃に加熱して乾燥硬化させることによって、膜厚20μmのフッ素着色層5を形成した。
ここで、前記中塗り塗料としては、フッ素樹脂塗料(日本ファインコーティングス(株)製「ディックフローEF」)に有機顔料及び無機焼成顔料を上記[表1]のように配合したものを用いた。最表面に位置するフッ素樹脂塗膜2(フッ素着色層5)におけるフッ素樹脂とアクリル樹脂の質量比は75:25である。
一方、鋼板1の裏面のプライマー層4にポリエステル樹脂塗料を塗布した後、これを45秒間、最終到達温度250℃に加熱して乾燥硬化させることによって、膜厚5μmのポリエステル樹脂塗膜3を形成して、図2に示すようなフッ素樹脂塗装鋼板を製造した。
ここで、前記ポリエステル樹脂塗料としては、日本ファインコーティングス(株)製「NSC833−20」を用いた。ポリエステル樹脂塗膜3のガラス転移温度は20℃である。
(実施例6)
フッ素着色層5におけるフッ素樹脂とアクリル樹脂の質量比を80:20とした以外は、実施例5と同様にして、フッ素樹脂塗装鋼板を製造した。
(実施例7)
フッ素着色層5におけるフッ素樹脂とアクリル樹脂の質量比を80:20とし、ポリエステル樹脂塗膜3のガラス転移温度を10℃とした以外は、実施例5と同様にして、フッ素樹脂塗装鋼板を製造した。
なお、ポリエステル樹脂塗膜3を形成するためのポリエステル樹脂塗料としては、日本ファインコーティングス(株)製「NSC833−10」を用いた。
(実施例8)
フッ素着色層5におけるフッ素樹脂とアクリル樹脂の質量比を90:10とし、ポリエステル樹脂塗膜3のガラス転移温度を15℃とした以外は、実施例5と同様にして、フッ素樹脂塗装鋼板を製造した。
なお、ポリエステル樹脂塗膜3を形成するためのポリエステル樹脂塗料としては、日本ファインコーティングス(株)製「NSC833−15」を用いた。
(比較例1)
フッ素クリヤー層6におけるフッ素樹脂とアクリル樹脂の質量比を70:30とし、ポリエステル樹脂塗膜3のガラス転移温度を10℃とした以外は、実施例1と同様にして、フッ素樹脂塗装鋼板を製造した。
なお、ポリエステル樹脂塗膜3を形成するためのポリエステル樹脂塗料としては、日本ファインコーティングス(株)製「NSC833−10」を用いた。
(比較例2)
フッ素クリヤー層6におけるフッ素樹脂とアクリル樹脂の質量比を70:30とし、ポリエステル樹脂塗膜3のガラス転移温度を35℃とした以外は、実施例1と同様にして、フッ素樹脂塗装鋼板を製造した。
なお、ポリエステル樹脂塗膜3を形成するためのポリエステル樹脂塗料としては、日本ファインコーティングス(株)製「ディックフローリメン用(グリーン色)」を用いた。
(比較例3)
フッ素クリヤー層6におけるフッ素樹脂とアクリル樹脂の質量比を80:20とし、ポリエステル樹脂塗膜3のガラス転移温度を35℃とした以外は、実施例1と同様にして、フッ素樹脂塗装鋼板を製造した。
なお、ポリエステル樹脂塗膜3を形成するためのポリエステル樹脂塗料としては、日本ファインコーティングス(株)製「ディックフローリメン用(グリーン色)」を用いた。
(比較例4)
フッ素クリヤー層6におけるフッ素樹脂とアクリル樹脂の質量比を95:5とし、ポリエステル樹脂塗膜3のガラス転移温度を10℃とした以外は、実施例1と同様にして、フッ素樹脂塗装鋼板を製造した。
なお、ポリエステル樹脂塗膜3を形成するためのポリエステル樹脂塗料としては、日本ファインコーティングス(株)製「NSC833−10」を用いた。
(プレッシャーマーク促進ラボ試験)
各フッ素樹脂塗装鋼板について、プレッシャーマーク促進ラボ試験を行った。この試験は次のようにして行った。すなわち、5cm×5cmの大きさに切断したフッ素樹脂塗装鋼板のサンプルを2枚重ねた後、この重ねたものにプレス機で4.9MPa(50kg/cm)の荷重を24時間かけた。そして、サンプルを一枚ずつ剥がし、各サンプルのフッ素樹脂塗膜2(フッ素クリヤー層6)の外観を目視により観察し、下記の基準で評価した。結果を下記[表2]に示す。
「○」:プレッシャーマークが発生しなかったもの。
「△」:プレッシャーマークが若干発生したもの。
「×」:プレッシャーマークが発生したもの。
(硬度)
各フッ素樹脂塗装鋼板について、JIS G 3322の13.2.3に基づく鉛筆硬度試験を行い、硬度を評価した。結果を下記[表2]に示す。
(加工性)
各フッ素樹脂塗装鋼板について、JIS G 3322の13.2.2に基づく曲げ試験を行い、折り曲げ部におけるクラックの有無を10倍ルーペで観察することによって、加工性を評価した。結果を下記[表2]に示す。なお、下記[表2]中の「2T」は、曲げの内側間隔が表示厚さ(T:0.40mm)の板2枚の場合に、クラックが発生しないことを意味する。
(SST)
各フッ素樹脂塗装鋼板について、JIS Z 2371に基づく塩水噴霧試験(SST)を行った。結果を下記[表2]に示す。
Figure 2008087242
上記[表2]にみられるように、いずれの実施例のフッ素樹脂塗装鋼板もプレッシャーマークが発生しなかったことが確認される。
本発明の実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明の実施の形態の他の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 鋼板
2 フッ素樹脂塗膜
3 ポリエステル樹脂塗膜

Claims (1)

  1. フッ素樹脂とアクリル樹脂の質量比が75:25〜90:10であるフッ素樹脂塗膜が鋼板の表面に形成されていると共に、ガラス転移温度が10〜20℃であるポリエステル樹脂塗膜が鋼板の裏面に形成されていることを特徴とするフッ素樹脂塗装鋼板。
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