JP2008085097A - 半田ボールおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】半田付けの際にコアの溶融を防止できると共に、機械的な衝撃や熱応力がかかった場合でも、コアが半田から剥離しにくい半田ボールおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】結晶粒3が間隙を有した状態で集合した多孔質構造からなるコア2と、該コアの表面を被覆するとともに該結晶粒3の間隙の内部まで含浸した半田7とを有することで、コア2と半田7が強固に密着し、機械的な衝撃や熱応力がかかった場合でも、半田7がコア2から剥離しにくい半田ボール1となる。
【選択図】図1

Description

本発明は半田ボールおよびその製造方法に関し、特に、半導体チップまたは半導体パッケージなどの電子部品をフリップチップ方式、あるいはBGA方式により基板へ実装するために用いる半田ボールおよびその製造方法に関するものである。
従来、半導体チップを基板に実装する方法として、ワイヤーボンディング法や、半田バンプ法によるフリップチップ方式の実装方法が用いられている。近年、電子部品は小型化、高機能化されてきており、その高密度実装化に伴い、半導体チップの実装面積を縮小することができる点で有利な半田バンプ法の使用が増加している。この半田バンプ法によるフリップチップ方式は、半導体チップに形成した半田バンプを、半田ボールを介して基板側の電極パッドと接合する方法である。
半田ボールを用いた他の接合方法として、BGA(ボール・グリッド・アレイ)方式の接合方法が知られている。BGA方式の接合方法は、半導体チップが搭載されたBGA基板の裏面に形成された電極パッドと、この電極バッドに接合するプリント基板とを、半田ボールを介して接合する方法である。
フリップチップ方式、BGA方式の接合方法ともに、半田ボールは、互いに電気的に絶縁された複数の電極パッドにそれぞれ形成されている。近年の電子部品の小型化・高密度化に伴い、これらの電極パッドの間隔(ピッチ)が狭くなりつつある。
従来の半田ボールとしては、特許文献1,2に示すものがある。
特許文献1には、金属、樹脂、セラミックス又はガラスからなる微細なコア上に、無電解メッキ法によるPd系メッキ被膜が形成された半導体チップ接合用の半田ボールが提案されており、セラミックからなるコアの材質として、Al、SiO、サファイア、AlN、Si、BNが例示されている。ここで一般的にセラミックスのコアに対して半田ははじかれてしまうために内部まで含浸しない。
特許文献2には、図7のように外面に複数の窪みが形成されたコアと、これら複数の窪みの内部を充填しながらコアの外面を覆う半田とを備える半田ボールが記載されている。
特開平8−191073号公報 特開2003−101207号公報
しかしながら、特許文献1,2の半田ボールを用いると次のような問題が生じるおそれがあった。
特許文献1の半導体チップ接合用の半田ボールは、セラミック等からなるコア上に、Pdメッキ皮膜を形成しているものの、コアが緻密な材質からなる場合は、Pd系メッキをコアに強固に密着させることができないので、衝撃や熱応力がかかった場合に、コアに形成されたPd系メッキが剥がれるおそれがあった。また、コアが緻密な材質であっても、コアの表面に凹凸が殆どない場合には、Pd系メッキをコアに強固に密着させることができなかったため、衝撃や熱応力がかかった場合に、コアに形成されたPd系メッキが剥がれるおそれがあった。このように、特許文献1に記載された半田ボールは、衝撃や熱応力がかかった際に、コアからメッキが剥がれるおそれがあるという問題があった。
特許文献2の半田ボールは、コアの外面に形成された複数の窪みに半田を充填することによるアンカー効果(窪みにも半田が入り込んだ状態でコアと半田が接合されることで、半田が窪みに入らない場合に比べて、半田がコアと強固に密着する効果)があると考えられるが、コアの外面だけにある窪みにだけ半田を入り込ませても、十分なアンカー効果を出すことは困難であったため、半田がコアから剥がれるおそれがあるという問題があった。特に、コアが金属の場合は、コアが大きく熱膨張・収縮しようとするので繰り返し大きな熱応力が発生して、半田がコアから剥がれやすいという問題があった。また、コアがセラミックの場合は、コアと半田の熱膨張率の差が大きくなるため、この問題は特に顕著に起こる可能性があった。
本発明は上記問題に鑑みなされたもので、その目的は、半田付けの際にコアの溶融を防止できると共に、機械的な衝撃や熱応力がかかった場合でも、コアが半田から剥離しにくい半田ボールおよびその製造方法を提供することを目的とする。
上記に鑑みて本発明の半田ボールは、多孔質構造からなるコアと、該コアの表面を被覆するとともに該コアの内部まで含浸した半田とを有することを特徴とする。
さらに、前記コアがセラミックを主成分とすることを特徴とする。
さらに、前記セラミックの結晶粒の平均粒径が1〜5μmの範囲であることを特徴とする。
さらに、前記コアのボイド率が5〜30体積%であることを特徴とする。
さらに、前記コアに半田が含浸する割合が前記コアの全体積の5〜30体積%であることを特徴とする。
さらに、前記コアが半導電性または導電性を有することを特徴とする。
さらに、前記コアの材質が、酸化アルミニウムと炭化チタンとの複合セラミック、導電性フォルステライト、炭化珪素のいずれかを主成分とすることを特徴とする。
さらに、前記コアのセラミックの結晶粒上に導電層を形成したことを特徴とする。
さらに、上記半田ボールの製造方法であって、前記コアを減圧された半田槽内で溶融半田に浸漬させることにより、前記コアの結晶粒上に半田を含浸させることを特徴とする。
また、上記半田ボールの製造方法であって、前記コアを減圧されたメッキ槽内でメッキ液に浸漬させることにより、前記コアの結晶粒上に導電層をメッキすることを特徴とする。
半田がコアの外表面だけでなく結晶粒間にも含浸して形成されているので、コアと半田が強固に密着し、その結果、機械的な衝撃や熱応力がかかった場合でも、半田がコアから剥離しにくい半田ボールとすることができる。
さらにセラミックからなるコアは、半田材料に比べて融点が高く、比剛性も高いため、加熱接合による半田付けの際にコアの溶融を防止できると共に、コアの変形、潰れを防止することができる。
さらに前記結晶粒の平均粒径が1〜5μmであり、前記結晶粒間に貫通気孔を有する半田ボールは、貫通気孔にも導電層が含浸して形成されていることでコアと導電層がアンカー効果のはたらきにより強固に密着しているため、機械的な衝撃や熱応力がかかった場合でも、半田がコアから導電層からさらに剥離しにくい半田ボールとすることができる。
さらに前記多孔質セラミックのボイド率を5〜30体積%とすることで、コアと半田、または、コアと導電層を強固に密着させつつコアの機械的強度を高く保持することができるので、機械的な衝撃や熱応力がかかった場合でも、半田が導電層からさらに剥離しにくい半田ボールとすることができる。
さらにコアに半田が含浸する割合が前記コアの全体積の5〜30体積%とすることで、コアと半田、または、コアと導電層を強固に密着させつつコアの機械的強度を高く保持することができるので、機械的な衝撃や熱応力がかかった場合でも、半田が導電層からさらに剥離しにくい半田ボールとすることができる。
さらに前記多孔質セラミックが半導電性または導電性を有することにより、製造過程でのコアの凝集が防止できることにより、導電層をコアに均一に被着することができると共に、製造コストを安くすることができる。
さらに前記多孔質セラミックが導電性フォルステライト、炭化珪素、アルミナ/炭化チタン複合セラミックのうちいずれかであることにより、コアに静電気が発生しにくくなるので、半田ボールの製造過程でコアが凝集したり、静電付着したりすることが抑制できる。
さらに前記コアのセラミックの結晶粒上に導電層を形成したことで、導電層とコアの密着強度が高くなり、半田が剥離しなくなる。
さらに半田ボールの製造方法であって、前記コアを減圧された半田槽内で溶融半田に浸漬させることにより、前記コアの結晶粒上に半田を含浸させることにより、前記結晶粒間に半田を含浸させる工程を有する半田ボールの製造方法とすることにより、コアを構成する結晶粒間に溶融半田が効果的に含浸するので、コアに対して半田の含浸率が高い半田ボールを製造することができる。
また半田ボールの製造方法であって、前記コアを減圧されたメッキ槽内でメッキ液に浸漬させることにより、前記コアの結晶粒上に導電層をメッキすることにより、コアを構成する結晶粒間にメッキ液が効果的に含浸するので、導電層とコアの密着強度が高く、同時に、導電層の厚みばらつきが小さい半田ボールを製造することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1、図5は本発明の半田ボールの構成を示す断面図、図2は本発明の半田ボールの一部を構成する多孔質セラミックの模式図、図3は本発明の半田ボールの一部を構成する多孔質セラミックの断面図、図4は本発明の半田ボールの一部を構成する多孔質セラミックの拡大断面図である。
図1に示すように、本発明の半田ボール1は、多孔質構造からなるコアと、該コアの表面を被覆するとともに該コアの内部まで含浸した半田とを有するものであり、好ましくは前記コアがセラミックを主成分とするものである。
結晶粒3が間隙を有した状態で集合した多孔質構造からなるコア2と、結晶粒3の間隙に介在する半田7とからなることが重要である。これにより、半田7がコア2の外表面だけでなく結晶粒3間(間隙)にも含浸して形成されているので、コア2と半田7が強固に密着し、その結果、機械的な衝撃や熱応力がかかった場合でも、半田7がコア2から剥離しにくい半田ボール1とすることができる。
また、コア2がセラミックの場合は、半田材料に比べて融点が高く、比剛性も高いため、加熱接合による半田付けの際にコア2の溶融を防止できると共に、コア2の変形、潰れを防止することができる。コア2の大きさは、半田ボールの用途に応じて選定することができ、例えば、フリップチップ方式の接合に用いる場合には直径50〜1000μmの略球状のコア2を選定すれば良く、BGA方式の接合に用いる場合には直径200〜5000μmの略球状のコア2とすれば良い。特に、コア2の大きさが直径2000μm以下の小さな球体であるほど、本発明の効果が得られやすい。
ここで、図2は導電層6および半田7を取除いた状態のコア2を示したもので、コア2は多孔質セラミックからなり、結晶粒3が集合したものである。結晶粒3とは一粒の結晶粒子のことであり、その形状は球状のものから針状のものまで多様であり、多数の結晶粒3はその粒界4に存在するガラス成分等により互いに集合し、コア2の外側表面には、結晶粒3の間に開気孔が形成されている。図3,4に示すように、コア2は多孔質セラミックの内部にある結晶粒3の間に、コア2の外側表面にある開気孔と繋がっている多数の貫通気孔5を有することが好ましい。導電層6は、貫通気孔5の内部(コア2の内部にある結晶粒3の表面)にも形成されていることが密着性の点で好ましく、図5の半田ボール1は、貫通気孔5内に導電層6が形成された状態を示している。
半田ボール1は、結晶粒3が集合した多孔質セラミックからなるコア2の結晶粒3表面に形成された導電層6が、結晶粒3間に含浸して形成されているので、コア2と導電層6が強固に密着していること、および、さらにこの導電層6上に半田7が形成されているので、導電層6と半田7が強固に接合していることにより、機械的な衝撃や熱応力がかかった場合でも、半田7が導電層6から剥離しにくいものとすることができる。また、多孔質セラミックからなるコア2は、半田7に比べて融点が高く、比剛性も高いため、加熱接合による半田付けの際にコア2の溶融を防止できると共に、コア2の変形、潰れを防止することができる。
次に、上記の構成を持つ半田ボール1を用いた電子部品の実装状態について説明する。図6は本発明の半田ボールを用いて電子部品を基板に実装した状態を示す断面図である。ここでは、基板21の表面に形成した複数の電極パッド22上と、電子部品23の表面に形成した複数の接続パッド24とを、半田ボール1を介して加熱接合した状態を例にして説明する。半田ボール1の半田7は接合時の加熱により一旦溶解した後に凝固し、半田7が電極パッド22,接続パッド24の表面に固着されている。
このような半田ボール1とするために、結晶粒3の平均粒径が1〜5μmの範囲であることが好ましい。この理由は、結晶粒3間に貫通気孔5を有する半田ボール1は、貫通気孔5内にも導電層6が含浸して形成されていることで、コア2と導電層6がアンカー効果のはたらきにより強固に密着し、機械的な衝撃や熱応力がかかった場合でも、半田7がコア2または導電層6からさらに剥離しにくい半田ボール1とすることができるからである。但し、平均結晶粒径が1μmよりも小さいと、結晶粒3の間に形成される貫通気孔5を2μm以上の十分な大きさとすることが困難となり、貫通気孔5が細くなり過ぎて半田1または導電層6が貫通気孔5に含浸しにくいので好ましくない。平均結晶粒径が5μmよりも大きいと、ボイド率が大きくなりすぎるために強度の点からコア2として不適切である。より好ましくは、コア2を構成する結晶粒3の結晶平均粒径を、コア2の直径の10分の1以下とすることが、コア2を球状に保つことができることから好ましい。
結晶粒3の平均結晶粒径は例えば次のようにして測定することができる。半田ボール1の断面を鏡面加工し、鏡面加工した面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて倍率500〜2000倍程度で観察して写真に撮り、この写真に写っている結晶粒3の粒径を平均して平均結晶粒径とする。好ましくは、30個以上の結晶粒3の粒径を平均して平均結晶粒径を求める。
さらに、本発明の半田ボール1においては、コア2に半田7が含浸する割合は、コア2のボイド率と同じ範囲であることが好ましく、具体的には、前記コアのボイド率が5〜30体積%であること、及び、前記コアに半田が含浸する割合が前記コアの全体積の5〜30体積%であることが好ましい。この理由は、次の通りである。コア2を覆うように形成した導電層6が貫通気孔5の内部にも含浸して形成することで、導電層6がコア2と強固に密着するアンカー効果を得ることができる。このアンカー効果により導電層6をコアにより強固に密着できるので、半田ボール1の信頼性が向上する。コア2に半田7が含浸する割合が5体積%未満では、アンカー効果が小さいので導電層6をコア2により強固に密着できないおそれがある。割合が30%より大きいとコア2の機械的強度が十分高くないので、半田付けによる接合時にかかる荷重によりコア2が潰れるおそれがあり、また、コア2を球状に保つことが難しい。
コア2に半田7が含浸する割合は例えば次のようにして測定する。半田ボール1の断面を鏡面加工して表面観察できる状態とした後、金属顕微鏡の画像をCCDカメラで取込み、LUZEX画像解析装置を用いて倍率200倍、測定面積2.5×10−3mmの条件にて計20回、コア2に半田7が含浸している割合を測定し、これらの値を平均した値をコア2に半田7が含浸した割合とする。一般にセラミックスは半田材に比べ比重が小さいが、コアを多孔質セラミックで構成することにより、比重を小さくすることができる。また、セラミックを多孔質とすると熱膨張率が小さくなることで、耐熱衝撃性が向上する。そのため、半田7を溶融させて接合する際に温度が変化してもコア2が熱応力で破壊することを防止することができる。
さらに、多孔質セラミックからなるコア2の材質は、アルミナ、シリカ、フォルステライト、ステアタイト、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウムなどを用いることができる。なお、球状なコア2を得るためには、多孔質セラミック中のガラス成分を10%以下とすることが好ましい。特に、ガラス成分の含有率が1%以下であることがより好ましい。多孔質セラミック中のガラス成分が多いと、結晶粒3の粒界4に含まれるガラス成分が多くなり、結晶粒3が集合したコア2が粒界4を介して凝集するために、後述する本発明の製造方法でコア2を一粒ごとに分離して分級することが困難になる。
コア2が非導電性の多孔質セラミックである場合は、コア2の表面を導電層6で覆った後、半田7を形成する段階を経るが、コア2の材質は半導電性または導電性である場合には、導電層6は不要でも良い。
コア2の多孔質セラミックの材質は、半導電性または導電性を有することが好ましく、特に、導電性フォルステライト、炭化珪素、アルミナ/窒化チタンの複合セラミックを用いることがより好ましい。コア2が半導電性または導電性のセラミックであると、コア2に帯電する静電気を除電することが容易となるので、コア2の凝集が防止できる。結晶粒3の表面に形成する導電層6の材質は、半田7よりも溶融の高いニッケル、銅、金、銀などの導電性金属およびその合金が好ましい。これらのうち、ニッケル、銅は安価で製造が容易なことから好ましく、金、銀は導電性に優れていることから好ましい。そして、導電層6上に形成された半田7の厚みは、接合の用途に応じて選定することができ、例えば、半田7の厚みは、フリップチップ方式の接合に使用する場合は厚さ10〜100μmとすることが好ましく、BGA方式の接合に使用する場合は厚さ10〜1000μmとすることが好ましい。そして、半田7の材質は溶融温度が150℃〜250℃の任意のものを用いれば良く、半田7を形成して得られた半田ボール1の形状は略球状であることが好ましく、球状が特に好ましい。
上記半田ボールの製造方法は、前記コアを減圧された半田槽内で溶融半田に浸漬させることにより、前記コアの結晶粒上に半田を含浸させること、また、前記コアを減圧されたメッキ槽内でメッキ液に浸漬させることにより、前記コアの結晶粒上に導電層をメッキすることを特徴とするものであり、具体的には次の通りである。
まず、多孔質セラミックからなるコア2を作製する。出発原料として、コア2のセラミック原料粉末と、水とをミル(例:ボールミル)に投入して湿式で混合・粉砕し、得られた粉砕スラリーに有機バインダーを添加・混合し、バインダー含有スラリーを作製する。バインダー含有スラリーをスプレードライヤーにて噴霧乾燥させることにより、粉末顆粒を得る。この粉末顆粒を加圧することなく、粉末顆粒のまま焼結することにより多孔質セラミック体を得る。ここで加圧せずに焼成するのは、加圧して焼成すると多孔質セラミック体が得られにくいだけでなく、粉末顆粒同士が強固に焼結してしまうので、後述する解砕、分級を行っても、焼成した粉末顆粒を一粒ずつ分級することができないからである。得られる多孔質セラミック体は、粉末顆粒の一部が軽く焼結し合ったもので、コアよりも大きな塊となっている。そして多孔質セラミック体を解砕し、さらに、所定範囲の大きさに分級することにより略球状のコア2を得る。得られたコア2は、結晶粒3が集合したものからなる。
例えば、多孔質セラミックがアルミナからなる場合は、出発原料としてアルミナ粉末と、シリカ、マグネシア等の焼結助剤とを適量調合し、調合した出発原料を湿式粉砕し、得られた粉砕スラリーに有機バインダーとして例えばPVA(ポリビニルアルコール)等の有機バインダーを添加・混合し、スプレードライヤーにてスラリーを霧状に噴霧・乾燥させることにより、粉末顆粒を得る。この粉末顆粒を加圧することなく、そのまま、大気中1500〜1800℃の温度で焼成し、多孔質アルミナ体を得る。この多孔質アルミナ体を粉砕、分級することにより、大きさが所定範囲の略球状なコア2を得ることができる。
また、多孔質セラミックが窒化アルミニウムからなる場合、窒化アルミニウム粉末と、酸化イットリウム、酸化エルビウム、酸化セリウム等の希土類酸化物のうち少なくとも一種からなる焼結助剤粉末とを適量調合し、調合した出発原料を湿式粉砕し、得られた粉砕スラリーに有機バインダーとして例えばPVA(ポリビニルアルコール)等の有機バインダーを添加・混合し、スプレードライヤーにてスラリーを霧状に噴霧・乾燥させることにより、粉末顆粒を得る。この粉末顆粒を加圧することなく、そのまま、窒化ガス中1600〜2100℃で焼成し、多孔質窒化アルミニウム体を得る。この多孔質窒化アルミニウム体を粉砕、分級することにより、大きさが所定範囲の略球状なコア2を得ることができる。
また、多孔質セラミックが炭化珪素からなる場合、炭化ケイ素粉末と、アルミナ、イットリア、酸化セリウム等の焼結助剤粉末とを出発原料とするか、または、炭化ケイ素粉末と、酸化ホウ素粉末、炭素粉末からなる焼結助剤粉末とを出発原料とし、同様に湿式粉砕、噴霧乾燥し、得られた顆粒粉末をアルゴンガス中2000〜2100℃で焼成して多孔質炭化ケイ素体を得る。この多孔質炭化珪素体を粉砕、分級することにより、大きさが所定範囲の略球状なコア2を得ることができる。
このようにして得られたコア2を用いて半田ボール1を次のようにして作製する。
得られた略球状のコア2を溶融半田が入っている半田槽に浸漬することでコア2の結晶粒3の間および貫通気孔5に半田を含浸させる。浸漬後、コア2を半田槽から取り出し、冷却して、半田ボール1を製造する。ここで、半田槽にコア2を浸漬中に、溶融半田の周囲を大気圧よりも減圧することで、結晶粒3の間や貫通気孔5内に介在していた気体が脱気され、さらに、溶融した半田が結晶粒3の間、特に貫通気孔5に十分に含浸するので好ましい。
コア2と半田7の密着性が悪い場合は、次のようにしてコア2の結晶粒3の表面に導電層6を形成後、半田7を形成する。
得られた略球状なコア2に、電解メッキ法または無電解メッキ法によりニッケル、銅などの導電層6をコア2の結晶粒3の表面に被膜する。メッキ被膜の条件は、コア2の種類や、被膜する導電層6の種類に応じて適宜選択することができる。
特に、コア2をメッキ液に浸漬させた状態で、メッキ液の周囲を大気圧よりも低い圧力に減圧することで、結晶粒3の間や貫通気孔5内に介在していた気体が脱気され、さらに、メッキ液が結晶粒3の間、特に貫通気孔5内に十分含浸する。このように貫通気孔5内にメッキ液が入り込んだ状態でメッキすることによって導電層6を形成することで、多孔質セラミックからなるコア2を構成する結晶粒3の間、特に貫通気孔5に接する結晶粒3の表面にも導電層6が十分形成される。これにより、導電層6とコア2の密着強度をより高めることができ、同時に、導電層6の厚みばらつきを小さくすることができる。
そして、得られた導電層6の外面に、所定の方法により、半田7を覆うことで、半田ボール1を得ることができる。例えば、導電層6を形成したコア2を溶融半田槽に浸漬、取り出し、冷却して半田ボール1を得る。この場合、導電層6を形成したコア2を溶融半田槽に浸漬する際、溶融半田槽を上記のようにベルジャーに入れて減圧することによって、コア2の貫通気孔5内に気体を残留させることなく導電層6の上に半田7を形成することができる。これにより、半田7の剥離を特に抑制できる半田ボール1を製造することができる。
まず、多孔質セラミックからなるコア2を作製した。出発原料として、コア2のセラミック原料粉末と、水とをボールミルに投入して湿式で混合・粉砕し、得られた粉砕スラリーに有機バインダーとしてPVAを添加・混合し、バインダー含有スラリーを作製した。バインダー含有スラリーをスプレードライヤーにて噴霧乾燥させることにより、略球状の粉末顆粒を得た。この粉末顆粒を加圧することなく、粉末顆粒のまま焼成することにより、略球状の多孔質セラミック体の凝集体を得た。得られた凝集体を解砕して各多孔質セラミック体の凝集をなくし、さらに、直径70〜90μm(平均80μm)の大きさの多孔質セラミック体だけを分級して取り出すことにより略球状のコア2を得た。ここで、コア2の材質がアルミナからなる場合は、出発原料としてアルミナ粉末99.5質量%、シリカ粉末0.25質量%、マグネシア粉末0.25質量%からなる混合粉末を用い、1750℃で焼成した。
得られたコア2を用いて半田ボール1を次のようにして作製した。得られたコア2を溶融したSn−Pb半田(Sn63質量%、Pb37質量%)が入っている半田槽に浸漬し、さらに半田槽をベルジャーに入れてベルジャー内の気体を真空ポンプで排気することで、コア2の結晶粒3の間および貫通気孔5に半田を含浸させた。その後、ベルジャー内を大気圧に戻し、コア2を半田槽から取り出し、冷却して、試料No.1からなる半田ボール1を作製した。
また、メッキからなる導電層6が形成されたコア2を、溶融したSn−Pb半田(Sn63質量%、Pb37質量%)が入っている半田槽に各条件で減圧して浸漬し、取出し、冷却して、導電層6の上に半田が形成された半田ボール1からなる試料No.2〜14を作製した。
なお、試料2については緻密なセラミックでありボイド率が0%であるため、半田7が含浸せず本発明の範囲外となるものである。また、試料3についてはガラスでポーラス体を作製することができず評価できず本発明の範囲外となるものである。また、試料14は半田7がコアに対してはじかれてしまい半田7が含浸せず本発明の範囲外となるものである。
また、試料No.15〜19として、上記コア2の材質を上記の純度99.5質量%のアルミナだけでなく、純度96%のアルミナ、フォルステライト、導電性フォルステライト、炭化珪素、アルミナ/炭化チタンとしたコア2を作製した。ここで、コア2の材質が純度96質量%アルミナからなる場合は、出発原料としてアルミナ粉末96質量%、シリカ粉末1.5質量%、マグネシア粉末1.5質量%、酸化カルシウム1質量%からなる混合粉末を用い、1600℃で焼成した。コアの材質がフォルステライトからなる場合は、出発原料として酸化マグネシウム粉末と、シリカ粉末のモル比が2対1となるようにこれらの粉末の質量比を調整した混合粉末を用い、1250℃で焼成した。コア2の材質が導電性フォルステライトからなる場合は、出発原料として酸化マグネシウム粉末と、シリカ粉末のモル比が2対1となるようにこれらの粉末の質量比を調整した混合粉末70質量%に対して、酸化鉄粉末30質量%添加した粉末を用い、1250℃で焼成した。コア2の材質が炭化珪素からなる場合は、出発原料として炭化ケイ素粉末95質量%、アルミナ3質量%、イットリア2質量%からなる粉末を用い、アルゴンガス中2050℃で焼成した。コア2の材質がアルミナ(酸化アルミニウム)と炭化チタンの複合体(アルミナ/炭化チタン)からなる場合は、出発原料としてアルミナ粉末70質量%と、炭化チタン粉末30質量%からなる混合粉末を用い、アルゴンガス中2050℃で焼成した。
得られたコア2は、上記と同様に直径70〜90μm(平均80μm)の大きさに分級した。分級したコア2をNiメッキ液を入れたメッキ槽に浸漬し、さらにメッキ槽をベルジャーに入れてベルジャー内の気体を真空ポンプで排気することで、コア2の結晶粒3の間および貫通気孔5にメッキ液を含浸させた。その後、ベルジャー内を大気圧に戻し、無電解メッキ法によりニッケルからなる導電層6をコア2の結晶粒3の表面に被膜した。
以上のように作製された試料1〜19を以下のように測定した
コア2の平均結晶粒径は、上述したSEMを用いた測定方法において倍率1000倍で30個の結晶粒3の粒径を平均して求めた。コア2を構成する結晶粒3の直径は、半田ボール1の断面を鏡面加工して表面観察できる状態とした後、金属顕微鏡を用いて得た倍率200倍の断面写真より、コア2の外径を30個測定した平均値とした。また、この断面写真より導電層6部分の厚み、半田7の膜厚を測定した。
このようにして得られた半田ボール1を用いて、次の試験を行った。
コアが溶融しないかどうかの評価として、表1の半田ボールを用いて、ガラエポからなるプリント基板とセラミックパッケージからなる電子部品を実装した後、セラミックパッケージプリント基板とセラミックパッケージの隙間を測定する試験を行った。ここで、実装条件のリフローピーク温度は215℃とし、プリント基板とセラミックパッケージの隙間が80〜100μmであったものをコア2が変形も溶融もしなかったとして○の評価とし、隙間が80〜100μmの範囲でも場所により10μmを超えた隙間のバラツキがある場合にはコアの一部が使用可能な程度に潰れたと判断して評価△とし、隙間が80μmよりも小さくなった場合にはコア2が溶融はコアが潰れた考え×と評価した。
半田の密着度の評価として、上記の試験で得られた実装部品を用いて、20℃〜120℃〜20℃を1サイクルとする熱サイクルの負荷を計2000回行った熱加速試験を実施した後、半田ボールの接合部におけるクラック発生の有無を双眼顕微鏡(×20倍)で観察して調べた。観察状態の結果、クラックの発生が全く観察できなかったものを◎、一部の半田ボール接合部にクラックが一部発生していた場合は○、半田ボールの接合部にクラックが使用可能な程度に発生していた場合は△、半田ボールの接合部が剥離していた場合は×とした。
以上の結果を表1に示す。
Figure 2008085097
表1において、得られたコア2の見掛け密度とは一定容積中に占めるコアの容積、すなわち固体、内部空隙および外部空隙を含んだ単位容積中に占めるコアの容積のことであり、JIS K5101−12に準拠して、顆粒状コア(集合した粉体)をシュートに通してゆっくりと測定用容器に落下させて、その重さと体積から算出した値である。
表1からわかるように、本発明の試料はコア2が溶融せず、半田7の密着度が高く、耐衝撃性も優れていたが、比較例の試料は、コア2の溶融し、半田7の密着度が低く、耐衝撃性が低く、半田ボール1として使用できないことがわかった。
本発明の半田ボールの構成を示す断面図である。 図1の半田ボールに用いられるコアを示す模式図である。 図2のコアの構成を示す断面図である。 図3のコアの断面を拡大した断面図である。 本発明の第2の実施形態である半田ボールの構成を示す断面図である。 図1の半田ボールを用いて実装された電子部品と基板の接合状態を示す断面図である。 従来の半田ボールの断面図である。
符号の説明
1:半田ボール
2:コア
3:結晶粒
4:粒界
5:貫通気孔
6:導電層
7:半田
21:基板
22:電極パッド(基板側)
23:電子部品
24:電極パッド(電子部品側)

Claims (10)

  1. 多孔質構造からなるコアと、該コアの表面を被覆するとともに該コアの内部まで含浸した半田とを有することを特徴とする半田ボール。
  2. 前記コアがセラミックを主成分とすることを特徴とする請求項1に記載の半田ボール。
  3. 前記セラミックの結晶粒の平均粒径が1〜5μmの範囲であることを特徴とする請求項2に記載の半田ボール。
  4. 前記コアのボイド率が5〜30体積%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半田ボール。
  5. 前記コアに半田が含浸する割合が前記コアの全体積の5〜30体積%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半田ボール。
  6. 前記コアが半導電性または導電性を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の半田ボール。
  7. 前記コアの材質が、酸化アルミニウムと炭化チタンとの複合セラミック、導電性フォルステライト、炭化珪素のいずれかを主成分とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の半田ボール。
  8. 前記コアのセラミックの結晶粒上に導電層を形成したことを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載の半田ボール。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の半田ボールの製造方法であって、前記コアを減圧された半田槽内で溶融半田に浸漬させることにより、前記コアの結晶粒上に半田を含浸させることを特徴とする半田ボールの製造方法。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の半田ボールの製造方法であって、前記コアを減圧されたメッキ槽内でメッキ液に浸漬させることにより、前記コアの結晶粒上に導電層をメッキすることを特徴とする半田ボールの製造方法。
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