JP2008082560A - 加湿器 - Google Patents

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忠幸 佐藤
Tatatomi Tanimoto
忠臣 谷本
Masayuki Kayamori
雅之 萱森
Akihiko Kobayashi
昭彦 小林
Tadashi Sakai
正 坂井
Yuichi Itami
裕一 伊丹
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Abstract

【課題】気化フィルタ上の水垢の堆積を抑制することのできる加湿器を提供する。
【解決手段】気化フィルタ2と、気化フィルタ2へ給水する給水手段たる水槽3及び給水タンク4と、気化フィルタ2へ送風する送風手段たる送風ファン5とを備えた加湿器1において、気化フィルタ2は珪酸ナトリウム溶液を含浸させ乾燥してなる。気化フィルタ2に含浸させた珪酸ナトリウム溶液の含浸量は、気化フィルタ2に対して0.1〜5.0質量%であり、気化フィルタ2に含浸させた珪酸ナトリウム溶液は、35〜38質量%の二酸化珪素と、17〜19質量%の酸化ナトリウムとを含有するのが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、気化手段へ送風し、気化手段から水を気化させることで空気を加湿する加湿器に関する。
従来の加湿器における加湿方法としては、吸水させた気化手段へ送風して水を気化させる方法が知られている。
この方法は、一般に、繊維を所定形状に形成して気化手段とし、この気化手段を水に浸漬して、水を吸い上げた気化手段に空気を送って、気化手段から水を気化させる仕組みになっている。
しかし、気化手段へ供給する水に含まれている物質が気化手段に水垢として蓄積し、この水垢が原因で気化手段の通風抵抗が上昇するとともに吸水性も低下し、その結果、加湿能力が低下してしまう虞があった。
また、この水垢を中心に雑菌が繁殖しやすくなり、カビが発生して臭気を生じたり、カビの胞子が放出されたりするという、衛生上の問題が生じていた。
この問題を解決するための方法として、例えば特許文献1に開示されているように、抗菌剤、防カビ剤を気化手段につける方法が知られている。
特開2001−37863号公報
しかし、この方法は気化手段上の水垢の堆積を防止するものではなく、この水垢を中心とした雑菌の繁殖、カビの発生を有効に抑制することはできなかった。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、気化手段上の水垢の堆積を抑制することのできる加湿器を提供することを目的とする。
請求項1における加湿器では、気化フィルタは珪酸ナトリウム溶液を含浸させ乾燥してなるものであることによって、珪酸ナトリウムの作用により気化フィルタ上の水垢の堆積を抑制することができる。
請求項2における加湿器では、気化フィルタに含浸させた珪酸ナトリウム溶液の含浸量は、気化フィルタに対して0.1〜5.0質量%であることによって、珪酸ナトリウム溶液の含浸量を適量にして、効果的に気化フィルタ上の水垢の堆積を抑制することができる。
請求項3における加湿器では、気化フィルタに含浸させた珪酸ナトリウム溶液が35〜38質量%の二酸化珪素と、17〜19質量%の酸化ナトリウムとを含有することによって、珪酸ナトリウム溶液の組成を適切にして、さらに効果的に気化フィルタ上の水垢の堆積を抑制することができる。
請求項4における加湿器では、気化フィルタに含浸させた珪酸ナトリウム溶液が抗菌作用を有する金属イオンを含有することによって、抗菌作用を有する金属イオンが気化フィルタに固着され、長期にわたって気化フィルタ上の雑菌の繁殖、カビの発生を抑制することができる。
請求項5における加湿器では、気化フィルタに含浸させた珪酸ナトリウム溶液が無機粉末又は無機粉末成分を含有することによって、珪酸ナトリウムが気化フィルタに固着されやすくなり、長期にわたり効果的に気化フィルタ上の水垢の堆積を抑制することができるとともに、気化フィルタの吸水性を向上させることができる。
請求項6における加湿器では、気化フィルタがセルロース繊維にポリオレフィン繊維又はポリエステル繊維を混紡した繊維から形成されたことによって、セルロース繊維の加水分解による気化フィルタの強度低下を防止することができる。
請求項7における加湿器では、気化フィルタが波形のシート形状の吸水材を渦巻き状に巻回して形成されたことによって、容易かつ安価に、高い耐久性を有する回転式の気化フィルタを製造することができる。
請求項8における加湿器では、気化フィルタが円柱形状であって、外周部にスポンジ状の吸水材を備えたことによって、回転式の気化フィルタの乾燥を抑制することができる。
請求項1の加湿器によれば、珪酸ナトリウムの作用により気化フィルタ上の水垢の堆積を抑制することができる。
請求項2における加湿器によれば、珪酸ナトリウム溶液の含浸量を適量にして、効果的に気化フィルタ上の水垢の堆積を抑制することができる。
請求項3における加湿器によれば、珪酸ナトリウム溶液の組成を適切にして、さらに効果的に気化フィルタ上の水垢の堆積を抑制することができる。
請求項4における加湿器によれば、抗菌作用を有する金属イオンが気化フィルタに固着され、長期にわたって気化フィルタ上の雑菌の繁殖、カビの発生を抑制することができる。
請求項5における加湿器によれば、珪酸ナトリウムが気化フィルタに固着されやすくなり、長期にわたり効果的に気化フィルタ上の水垢の堆積を抑制することができるとともに、気化フィルタの吸水性を向上させることができる。
請求項6における加湿器によれば、セルロース繊維の加水分解による気化フィルタの強度低下を防止することができる。
請求項7における加湿器によれば、容易かつ安価に、高い耐久性を有する回転式の気化フィルタを製造することができる。
請求項8における加湿器によれば、回転式の気化フィルタの乾燥を抑制することができる。
以下、本発明における好ましい実施例について、添付した図面を参照しながら説明する。なお、各実施例に共通する部分には共通の符号を付し、共通する部分の説明は重複するため省略する。
図1〜3は、本発明の実施例1を示すものである。加湿器の全体構成を示す図1及び図2において、本実施形態の加湿器1は、水を気化する気化手段としての気化フィルタ2と、気化フィルタ2に水を供給する給水手段としての水槽3及び給水タンク4と、気化フィルタ2へ風を送る送風手段としての送風ファン5を備えている。そして、これら気化フィルタ2、水槽3、給水タンク4、送風ファン5は、外郭前部6a及び外郭後部6bとにより構成された加湿器1の本体である外郭6内に収容されている。なお、本実施形態の加湿器1は、送風ファン5により送られる風を加熱するための送風加熱手段たるヒータ7も備えている。
次に、本実施形態の気化フィルタ2について説明する。本実施形態の気化フィルタ2は、加湿器1の下部に配置されており、吸水性を有する繊維を加熱プレスして平坦なシート形状の平板8と、波形のシート形状の波板9と形成し、これを交互に積層させ、バインダで接着することによって、気化フィルタ2が形成されている。
また、気化フィルタ2は、珪酸ナトリウム溶液を含浸させ乾燥してなるものである。ここで用いられる珪酸ナトリウム溶液は水ガラスと呼ばれ、二酸化珪素(SiO)と酸化ナトリウム(NaO)からなる。
気化フィルタ2に含浸させる珪酸ナトリウム溶液の含浸量は、気化フィルタ2の全体の質量に対して、0.1〜5.0質量%となっている。なお、珪酸ナトリウム溶液の含浸量は、気化フィルタ2に要求される寿命、気化フィルタ2の表面積などに基づいて決定すればよいが、気化フィルタ2の全体の質量に対して0.1質量%未満であると水垢の堆積を抑制する効果が得られず好ましくない。また、珪酸ナトリウム溶液の含浸量が5.0質量%を超えると、製造時の乾燥処理が困難になるので好ましくない。
さらに、より効果的に水垢を発生しにくくするために、好ましくは、ナトリウム分が多くアルカリ性が高い、35〜38質量%の二酸化珪素と、17〜19質量%の酸化ナトリウムとを含有する、JIS K1408に示される第1号の珪酸ナトリウム溶液が用いられている。
また、気化フィルタ2に含浸させる珪酸ナトリウム溶液は、抗菌作用を有する金属イオンを含有している。この金属イオンとしては、銀イオンが好適に用いられるが、抗菌作用を有していればこれに限らず、銅イオン、亜鉛イオンなどを用いることができる。銀イオンを気化フィルタ2に含浸させる珪酸ナトリウム溶液に含有させておくことによって、珪酸ナトリウム溶液に含浸させた気化フィルタ2を乾燥処理する際に形成される多孔質性の珪酸塩に銀イオンが包含される。このため、銀イオンが気化フィルタ2に固着される。したがって、銀イオンが流れ出すことがなく、銀イオンの抗菌効果が長期にわたって持続するようになっている。
また、気化フィルタ2に含浸させた珪酸ナトリウム溶液は、無機粉末又は無機粉末成分を含有している。無機粉末としては、ゼオライト微粉末やアパタイト微粉末などの多孔質体が好適に用いられる。ゼオライト微粉末などの無機粉末を珪酸ナトリウム溶液中でスラリー状にして、気化フィルタ2を珪酸ナトリウム溶液に含浸させて乾燥することによって、気化フィルタ2に無機粉末が付着する。或いは、ゼオライトなどの無機粉末成分を珪酸ナトリウム溶液中に溶解しておき、乾燥時に気化フィルタ2に無機粉末の結晶が析出するように処理をしてもよい。このように気化フィルタ2に無機粉末を固着させることによって、珪酸ナトリウムが気化フィルタ2に固定されやすくなり、水垢の堆積の抑制効果が向上するようになっている。また、抗菌作用を有する銀イオンなどの金属イオンが固定されやすくなり、抗菌効果が向上するようになっている。さらに、ゼオライト微粉末などの親水性の高い無機粉末を用いることによって気化フィルタ2の表面の親水性が増すため、気化フィルタ2の吸水性、吸水速度が向上し、加湿器の加湿効率が向上するようになっている。また、気化フィルタ2には、ポリビニルアルコールなどの親水性樹脂を含浸させたり、さらに親水性を向上させるために界面活性剤などの成分を含浸させたりしてもよい。
また、気化フィルタ2は、セルロース繊維にポリオレフィン繊維又はポリエステル繊維を混紡した繊維から形成されている。気化フィルタ2の材料としては、親水性が高いセルロース繊維が好適に用いられるが、アルカリ性の強い珪酸ナトリウム溶液を用いると加水分解により気化フィルタ2の強度が低下する虞がある。そこで、本実施例では、加水分解による劣化に強いポリオレフィン繊維又はポリエステル繊維を混紡した繊維から気化フィルタ2を形成している。このように、ポリオレフィン繊維又はポリエステル繊維を混紡することによって、加水分解による強度の低下がほとんど起こらないようになっている。ポリオレフィン繊維としては、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維を用いることができる。なお、ポリオレフィン繊維又はポリエステル繊維の混紡量は、多くしすぎると親水性が低下するため、50質量%以下とするのが好ましい。
次に、各部について説明する。気化フィルタ2の下方には、水槽3が配置されており、その水槽3の内部に所定量の所定量の水Wを入れたときに、気化フィルタ2の下部が浸漬するようになっている。また、水槽3の一端には、着脱可能な給水タンク4が、吸水キャップ10を下にして配置されており、水槽3の水位が常に一定に保たれるようになっている。なお、給水タンク4と気化フィルタ2との間に、例えば袋状の不織布に銅繊維を入れ形成した抗菌手段11を設けてもよい。
気化フィルタ2に風を送る装置すなわち送風ファン5は、シロッコファン等のファン本体12と、ファン本体12の回転駆動源であるモータ13とにより構成されたものである。また、ファン本体12に臨んで外郭前部6aには吸気口14が形成されており、当該吸気口14から空気を取り込んで、送風ファン5の下方にある気化フィルタ2の上流側の送風経路21に送風するように配置されている。
ヒータ7は、送風ファン5と気化フィルタ2との間の送風経路21に設けられており、例えば電熱線7aを備え、この電熱線7aを通電して加熱し、当該電熱線7a近傍を通過する空気を加熱するものである。なお、15は外郭6の内部空間を給水タンク4の収容部16と、空気の流れを生じさせる流動部17とに区画するための仕切板である。また、外郭6の上部には加湿器1の外部へと通じる加湿空気の吹出し部たる吹出し口18が設けられている。
次に、上記構成についてその作用を説明する。まず給水タンク4に水Wを入れて、水槽3の一側に給水タンク4を倒立状態で設置する。すると、給水タンク4内の水Wは、給水キャップ10から流出し、水槽3を一定の水位にして流出を停止する。気化フィルタ2の下部は水槽3内の水に浸り、気化フィルタ2が水Wを吸い上げる。水槽3内の水Wは、気化フィルタ2に吸い上げられてその水位が下がると、給水タンク4の中に空気が入り、所定水位まで給水タンク4から水が供給され、常に一定の水位が保たれる。これによって、気化フィルタ2の浸漬位置は一定となり、気化フィルタ2による吸水速度は一定に保たれる。
こうして、気化フィルタ2に水Wを吸い上げさせた後に、操作表示パネルの運転スイッチ(図示せず)をオンにすると、送風ファン5のモータ13が作動してファン本体12が回転し始め、またヒータ7の電熱線7aが加熱される。ファン本体12の回転により、吸気口14から外郭6の内部に空気が取り込まれ、その取り込まれた空気は、下方のヒータ7の方向に放出され、電熱線7aを通過して加熱され、気化フィルタ2の上流側の送風経路21から当該気化フィルタ2に当たる。気化フィルタ2の平板8と波板9の間の隙間は、送風経路21に向けて開口しており、ヒータ7で加熱された空気は気化フィルタ2の平板8と波板9の間の隙間を通過する。これにより、気化フィルタ2に吸い上げられた水Wは気化し、平板8と波板9の間の隙間を通過した空気は、加湿空気となって気化フィルタ2の下流側の送風経路22に沿いながら、加湿器1の外郭後部6bの内側を上昇する(図1の矢印参照)。そして、送風通路22を通過する加湿空気は、吹き出し口18から外に吹き出す。
水Wに含まれる水垢の原因となる無機分の析出は、気化フィルタ2に含まれる珪酸ナトリウムの作用によって抑制される。すなわち、珪酸ナトリウムのアルカリ性と、珪酸イオンとナトリウムイオンの作用によって、水垢の原因となる珪酸カルシウムや珪酸マグネシウムなどの溶解度が増加し、その結果、無機分の析出が抑制される。
また、気化フィルタ2は抗菌作用を有する金属イオンを含有しており、この金属イオンは珪酸ナトリウム溶液に含浸させた気化フィルタ2を乾燥処理する際に形成される多孔質性の珪酸塩に包含されるため、金属イオンが流れ出すことがなく、金属イオンの抗菌効果が長期にわたって持続する。
また、気化フィルタ2は、無機粉末を含有しており、珪酸ナトリウムがこの無機粉末を介して気化フィルタ2上に固定されることで、珪酸ナトリウムがより確実に気化フィルタ2上に固定され、水垢の堆積の抑制効果が向上する。また、無機粉末を介して抗菌作用を有する金属イオンが固定されることで、抗菌効果が向上する。さらに、無機粉末の高い親水性によって、気化フィルタ2の表面の親水性が増すため、気化フィルタ2の吸水性、吸水速度が向上し、加湿器の加湿効率が向上する。
また、気化フィルタ2は、親水性が高いセルロース繊維に、加水分解による劣化に強いポリオレフィン繊維又はポリエステル繊維を混紡した繊維から形成されているため、アルカリ性の珪酸ナトリウムの加水分解による強度の低下がほとんど起こらない。
本実施例における加湿器1は、水Wを含ませた気化フィルタ2に送風ファン5から取込んだ風をそのまま当てて加湿する「気化式」と、ヒータ7を通電することにより送風ファン5から取込んだ空気を温風にして気化フィルタ2に当てる「温風気化式」の各機能を備えた「ハイブリッド式」を採用している。すなわち、運転スイッチのオン直後である加湿初期には、ヒータ7を通電する「温風気化式」によって、加湿器1を設置した室内を素早く加湿する一方で、図示しない湿度センサにより室内が設定湿度に達したのを検知すると、自動的にヒータ7を非通電に切り換えて、「気化式」による室内の加湿を継続する。こうして、ヒータ7の通電を必要最小限に抑えることで、消費電力の低減化を図ることが可能になる。
実際に、気化フィルタの全体の質量に対して2質量%のJIS K1408に示される第1号の珪酸ナトリウム溶液を、気化フィルタに含浸させて乾燥した。そして、水道水40Lを気化フィルタ2から蒸発させた。その結果、図4の左に示す写真のとおり、気化フィルタにはほとんど水垢の付着はみられなかった。これに対し、珪酸ナトリウム溶液を含浸させていない未処理の気化フィルタを用いて同じ条件で水道水を蒸発させた場合は、図4の右に示す写真のとおり、気化フィルタの中央部に白い水垢の付着が観察された。なお、珪酸ナトリウム溶液の含浸処理の有無によって、気化フィルタの質量の増加分に差は生じなかった。これは、珪酸ナトリウム溶液の含浸処理を行うことによって、水道水に含まれる無機分が気化フィルタ全体に均一に分散し、無機分の局在化した析出が抑制されたことを示している。
また、水道水40Lを蒸発させる前後の圧力損失を測定した。珪酸ナトリウム溶液の含浸処理を行わない場合は、圧力損失が28Pa(2.5m/秒)から48Paに大幅に増加したのに対し、珪酸ナトリウム溶液の含浸処理を行った場合は、28Paから32Paとわずかに増加しただけであった。
上記のとおり、珪酸ナトリウム溶液の含浸処理を行うことによって、気化フィルタへの水垢の付着が抑制され、気化フィルタの圧力損失の増加も防止されることが確認された。
以上のように、本実施例では、気化フィルタ2と、気化フィルタ2へ給水する給水手段たる水槽3及び給水タンク4と、気化フィルタ2へ送風する送風手段たる送風ファン5とを備えた加湿器1において、気化フィルタ2は珪酸ナトリウム溶液を含浸させ乾燥してなるものであり、珪酸ナトリウムの作用により気化フィルタ上の水垢の堆積を抑制することができる。
また、気化フィルタ2に含浸させた珪酸ナトリウム溶液の含浸量は、気化フィルタ2に対して0.1〜5.0質量%であり、珪酸ナトリウム溶液の含浸量を適量にして、効果的に気化フィルタ上の水垢の堆積を抑制することができる。
また、気化フィルタ2に含浸させた珪酸ナトリウム溶液は、35〜38質量%の二酸化珪素と、17〜19質量%の酸化ナトリウムとを含有し、珪酸ナトリウム溶液の組成を適切にして、さらに効果的に気化フィルタ上の水垢の堆積を抑制することができる。
また、気化フィルタ2に含浸させた珪酸ナトリウム溶液は、抗菌作用を有する金属イオンを含有し、抗菌作用を有する金属イオンが気化フィルタに固着され、長期にわたって気化フィルタ上の雑菌の繁殖、カビの発生を抑制することができる。
また、気化フィルタ2に含浸させた珪酸ナトリウム溶液は、無機粉末又は無機粉末成分を含有し、珪酸ナトリウムが気化フィルタに固着されやすくなり、長期にわたり効果的に気化フィルタ上の水垢の堆積を抑制することができるとともに、気化フィルタの吸水性を向上させることができる。
さらに、気化フィルタ2は、セルロース繊維にポリオレフィン繊維又はポリエステル繊維を混紡した繊維から形成され、セルロース繊維の加水分解による気化フィルタの強度低下を防止することができる。
本実施例の気化フィルタは、実施例1の気化フィルタ2に光触媒を含有させたものである。そのほかの構成は、実施例1と共通している。
気化フィルタ2を水槽3から取り出して、日光や光の当たる場所に置くことにより、光触媒の作用により気化フィルタ2に付着した不純物やカルキが浮いてきて除去しやすくなる。
従って、従来よりも不純物やカルキを多く除去することができ、気化フィルタ2の手入れが簡単になる。その結果、気化フィルタ2の汚れに起因する加湿効率の低下を防ぐことができるとともに、気化フィルタ2の寿命を長くすることができる。さらに、気化フィルタ2からの雑巾臭の発生も防止することができる。
本実施例の加湿器は、気化フィルタの構成を除いて、実施例1の加湿器と構成が共通している。以下、実施例1と共通する部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
図5に示すように、本実施例の気化フィルタ31は、吸水性を有する繊維を加熱プレスして形成したコルゲート形状、すなわち波形のシート形状の吸水材32と、平坦なシート形状の吸水材33とを、それぞれ1枚ずつ重ねて、渦巻き状に巻回して、バインダで接着することによって、円柱形状に形成したものである。そして、気化フィルタ31の下方には、水槽3が配置されており、その水槽3の内部に所定量の所定量の水Wを入れたときに、気化フィルタ31の一部が浸漬するようになっている。また、円柱形状の気化フィルタ31は、円柱の中心軸が略水平になるように配置され、図示しない回転手段による駆動によって、円柱の中心軸を軸として一定の速度で回転するように構成されている。
上記構成についてその作用を説明する。なお、実施例1と共通する部分については、図1、2を参照しながら説明する。
まず給水タンク4に水Wを入れて、水槽3の一側に給水タンク4を倒立状態で設置する。すると、給水タンク4内の水Wは、給水キャップ10から流出し、水槽3を一定の水位にして流出を停止する。気化フィルタ31の一部は水槽3内の水に浸り、気化フィルタ31が水Wを吸い上げる。気化フィルタ2の下部は水槽3内の水に浸り、気化フィルタ2が水Wを吸い上げる。水槽3内の水Wは、気化フィルタ31に吸い上げられてその水位が下がると、給水タンク4の中に空気が入り、所定水位まで給水タンク4から水が供給され、常に一定の水位が保たれる。これによって、気化フィルタ31の浸漬位置は一定となり、気化フィルタ2による吸水速度は一定に保たれる。
こうして、気化フィルタ31に水Wを吸い上げさせながら、操作表示パネルの運転スイッチ(図示せず)をオンにすると、気化フィルタ31は、図示しない回転手段による駆動によって、円柱の中心軸を軸として一定の速度で回転する。このように、気化フィルタ31が回転することによって、気化フィルタ31の全体に水が行き渡る。また、送風ファン5のモータ13が作動してファン本体12が回転し始め、またヒータ7の電熱線7aが加熱される。ファン本体12の回転により、吸気口14から外郭6の内部に空気が取り込まれ、その取り込まれた空気は、下方のヒータ7の方向に放出され、電熱線7aを通過して加熱され、気化フィルタ31の上流側の送風経路21から当該気化フィルタ31に当たる。気化フィルタ31の波形のシート形状の吸水材32と、平坦なシート形状の吸水材33の間の隙間は、送風経路21に向けて開口しており、ヒータ7で加熱された空気は気化フィルタ31の吸水材32、33の間の隙間を通過する。これにより、気化フィルタ31に吸い上げられた水Wは気化し、吸水材32、33の間の隙間を通過した空気は、加湿空気となって気化フィルタ31の下流側の送風経路22に沿いながら、加湿器1の外郭後部6bの内側を上昇する(図1の矢印参照)。そして、送風通路22を通過する加湿空気は、吹き出し口18から外に吹き出す。
以上のように、本実施例では、気化フィルタ31は、波形のシート形状の吸水材32を渦巻き状に巻回して形成されたものであり、容易かつ安価に、高い耐久性を有する回転式の気化フィルタを製造することができる。そして、製造性が良いため、製造コストを低減することができる。
また、本実施例の気化フィルタ31は回転するように構成されているため、気化フィルタ31の全体に水が吸い上げられ、効率よく水が気化し、加湿効率を向上させることができる。
また、気化フィルタ31は円柱形状であるため、狭いスペースで回転が可能であり、加湿器本体を大型化する必要がなく、十分に加湿能力を発揮することができる。或いは、加湿能力を低下させることなく、加湿器本体を小型化、又は薄型化できる。
本実施例の加湿器は、気化フィルタの構成を除いて、実施例3の加湿器と構成が共通している。以下、実施例3と共通する部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
図6に示すように、本実施例の気化フィルタ41は、実施例3の気化フィルタ31の外周部にスポンジ状の吸水材42を備えたものである。このスポンジ状の吸水材42は、吸水性に富むスポンジなどの発泡素材からなり、気化用の素材である吸水材32、33からなる実施例3の気化フィルタ31の外周に密着して固定されている。
上記のように構成することによって、気化フィルタ41が回転することによって、水Wに浸った部分から気化フィルタ41へ水が吸い上げられて気化フィルタ41の全体に水が行き渡るとともに、水Wに浸っていない部分においては、水を吸い込んだ吸水材42から吸水材32、33へ水が供給される。したがって、気化フィルタ41は全体的に湿った状態が好適に維持される。
以上のように、本実施例では、気化フィルタ41は、円柱形状であって、外周部にスポンジ状の吸水材42を備え、気化フィルタ41が回転して水Wに没している部分が上昇する際に、吸水材42から滲み出る水が気化フィルタ41の内側の気化用の素材である吸水材32、33に浸透し、常に吸水材32、33を十分に湿った状態にしておくことができる。
このように、回転式の気化フィルタの乾燥を抑制することで、小さな体積の気化フィルタで高加湿容量を実現できる。また、気化フィルタの乾燥する部分がなくなるため、カルシウム等の無機分の析出が抑えられ、気化フィルタの寿命が長くなり、経済的である。さらに、気化フィルタを小型化できるため、加湿器を小型化でき、安価に製造することができる。
なお、本発明は上記各実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。
本発明の実施例1における加湿器の一方向縦断面図である。 同上、図1と垂直な方向の縦断面図である。 同上、気化フィルタの斜視図である。 同上、左は珪酸ナトリウム溶液を含浸させて乾燥した気化フィルタから水道水40Lを蒸発させたときの気化フィルタの写真、右は珪酸ナトリウム溶液を含浸させない場合の写真である。 本発明の実施例3における気化フィルタの正面図である。 本発明の実施例4における気化フィルタの斜視図である。
符号の説明
1 加湿器
2,31,41 気化フィルタ
3 水槽(給水手段)
4 給水タンク(給水手段)
5 送風ファン(送風手段)
32,42 吸水材

Claims (8)

  1. 気化手段と、この気化手段へ給水する給水手段と、前記気化手段へ送風する送風手段とを備えた加湿器において、前記気化手段は珪酸ナトリウムを含んだものであることを特徴とする加湿器。
  2. 前記気化手段に含まれた珪酸ナトリウム溶液の量は、前記気化手段に対して0.1質量%以上又は5質量%以下であることを特徴とする請求項1記載の加湿器。
  3. 前記気化手段に含まれた珪酸ナトリウムは、35質量%以上又は38質量%以下の二酸化珪素と、17質量%以上又は19質量%以下の酸化ナトリウムとを含有することを特徴とする請求項1又は2記載の加湿器。
  4. 前記気化手段に含浸させた珪酸ナトリウム溶液は、金属イオンを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の加湿器。
  5. 前記気化手段に含浸させた珪酸ナトリウム溶液は、無機物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の加湿器。
  6. 前記気化手段は、所定繊維と異なった繊維を組合せた繊維から形成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の加湿器。
  7. 前記気化手段は、吸水材を渦巻き状に巻回して形成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の加湿器。
  8. 前記気化手段は、円柱形状であって、外周部にスポンジ状の吸水材を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の加湿器。
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