JP2008075035A - 架橋性ゴム組成物の製造方法、架橋性ゴム組成物及び架橋成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤ用ゴムとして好適に用いることができる、強度及び低燃費性に優れた架橋性ゴム組成物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物とシランカップリング剤(A)とを混練して第1ゴム配合物を調製する第1工程、第1ゴム配合物と架橋活性化剤(B)とを混練して第2ゴム配合物を調製する第2工程、及び第2ゴム配合物と架橋剤(C)とを混練して架橋性ゴム組成物を調製する第3工程を有する架橋性ゴム組成物の製造方法。この製造方法により得られる架橋性ゴム組成物及び架橋成形体。
【選択図】なし
【解決手段】共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物とシランカップリング剤(A)とを混練して第1ゴム配合物を調製する第1工程、第1ゴム配合物と架橋活性化剤(B)とを混練して第2ゴム配合物を調製する第2工程、及び第2ゴム配合物と架橋剤(C)とを混練して架橋性ゴム組成物を調製する第3工程を有する架橋性ゴム組成物の製造方法。この製造方法により得られる架橋性ゴム組成物及び架橋成形体。
【選択図】なし
Description
本発明は、タイヤ用ゴム等として好適な強度及び低燃費性に優れた架橋性ゴム組成物の製造方法、この製造方法によって得られる架橋性ゴム組成物及びその架橋成形体に関する。
タイヤ用ゴム組成物において、補強剤としてシリカやカーボンブラックを配合することが広く行なわれている。シリカ又はシリカ及びカーボンブラックが配合されたタイヤ用ゴム組成物は、低燃費性とウエットグリップ性との両立が可能となることが見出され、タイヤトレッド用ゴム材料として注目されている。
補強剤をゴムに配合するに当っては、一般的にはバンバリーミキサーやニーダー等の混練機を用いて、ゴムと混練する乾式法が広く採用されている。
しかしながら、シリカは、表面がシラノール基によって覆われ強い自己凝集性を有しているために、ゴムとの親和性に乏しく、ゴム中に均一に分散させることが困難であり、この結果、得られるゴム材料は、強度や低燃費性に劣る。
補強剤をゴムに配合するに当っては、一般的にはバンバリーミキサーやニーダー等の混練機を用いて、ゴムと混練する乾式法が広く採用されている。
しかしながら、シリカは、表面がシラノール基によって覆われ強い自己凝集性を有しているために、ゴムとの親和性に乏しく、ゴム中に均一に分散させることが困難であり、この結果、得られるゴム材料は、強度や低燃費性に劣る。
そこで、アルコキシシリル基、アミノ基、ヒドロキシル基等の、シリカと親和性のある官能基が導入された共役ジエン系ゴムを用いることにより、シリカの分散性を向上させ加工性を改善させることが提案されている(特許文献1及び特許文献2)。
しかしながら、このような共役ジエン系ゴムを用いても、シリカの分散は不十分であり、強度や低燃費性の向上効果は、まだまだ不十分であった。
しかしながら、このような共役ジエン系ゴムを用いても、シリカの分散は不十分であり、強度や低燃費性の向上効果は、まだまだ不十分であった。
一方、ゴム中のシリカ分散状態を改善するために、共役ジエン系ゴムラテックスとシリカ分散液とを混合し、得られる混合液を酸や塩等の凝固剤を用いて「共凝固」させることによって、凝固したゴム中にシリカを均一に取り込む方法が提案されている。その共凝固の方法については、例えば、カチオン性樹脂で表面処理された沈殿珪酸を使用する方法(特許文献3)、ジエン系ゴムラテックスと珪酸塩水溶液との混合液を、カチオン系高分子やカチオン系界面活性剤等のジエン系ゴムと親和性のあるカチオン物質及び多価金属塩を含む電解質水溶液と、接触させる方法が開示されている(特許文献4及び特許文献5)。
しかしながら、これらの方法では、シリカの分散状態は改善されるものの、得られるゴム組成物の強度及び低燃費性は、まだ不十分である。
しかしながら、これらの方法では、シリカの分散状態は改善されるものの、得られるゴム組成物の強度及び低燃費性は、まだ不十分である。
更に、共凝固に用いるシリカを前処理することによってシリカの分散状態を改善することも検討されている。
例えば、特許文献6には、シリカを水性懸濁液中でケイ素含有カップリング剤で処理して得た「相溶化シリカスラリー」を使用することによって、ポリマーラテックス中にシリカを均一に分配したのち、ラテックスを凝固する方法が提案されている。
また、シリカを予めシリル化剤と接触させてシリカ表面の親水性部分を疎水化した後、ゴムラテックスにこれを分散し、次いで共凝固する方法が提案されている(特許文献7)。
これらの方法によれば、シリカの分散状態に優れたゴム組成物を得ることができるので、乾式法に比べてシリカを均一に分散させるための混練操作を繰り返し行なう必要がなく、生産効率に優れる。
しかしながら、このようにして得られた共凝固物を用いても、得られるゴム組成物の強度及び低燃費性は、まだ改善の余地を残している。
例えば、特許文献6には、シリカを水性懸濁液中でケイ素含有カップリング剤で処理して得た「相溶化シリカスラリー」を使用することによって、ポリマーラテックス中にシリカを均一に分配したのち、ラテックスを凝固する方法が提案されている。
また、シリカを予めシリル化剤と接触させてシリカ表面の親水性部分を疎水化した後、ゴムラテックスにこれを分散し、次いで共凝固する方法が提案されている(特許文献7)。
これらの方法によれば、シリカの分散状態に優れたゴム組成物を得ることができるので、乾式法に比べてシリカを均一に分散させるための混練操作を繰り返し行なう必要がなく、生産効率に優れる。
しかしながら、このようにして得られた共凝固物を用いても、得られるゴム組成物の強度及び低燃費性は、まだ改善の余地を残している。
従って、本発明の目的は、タイヤ用ゴムとして好適に用いることができる、強度及び低燃費性に優れた架橋性ゴム組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記強度及び低燃費性に優れた架橋性ゴム組成物の製造方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、この架橋性ゴム組成物を成形してなる成形体を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記強度及び低燃費性に優れた架橋性ゴム組成物の製造方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、この架橋性ゴム組成物を成形してなる成形体を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するべく鋭意研究の結果、共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物に、シランカップリング剤、特定の架橋活性化剤及び架橋剤を特定の方法で配合することにより、シランカップリング剤とシリカ表面のシラノール基との反応効率を高め、その結果、架橋性ゴム組成物の強度及び低燃費性を著しく向上させることができることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物とシランカップリング剤(A)とを混練して第1ゴム配合物を調製する第1工程、第1ゴム配合物と酸化亜鉛(B)とを混練して第2ゴム配合物を調製する第2工程、及び第2ゴム配合物と架橋剤(C)とを混練して架橋性ゴム組成物を調製する第3工程を有する架橋性ゴム組成物の製造方法が提供される。
本発明の架橋性ゴム組成物の製造方法において、第1工程における混練温度が130℃〜200℃であり、第2工程における混練温度が120℃〜160℃であることが好ましい。
また、本発明の架橋性ゴム組成物の製造方法において、共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物が、共役ジエン系ゴムの溶液又は水分散液とシリカとの混合物から、共役ジエン系ゴム及びシリカを共凝固させて得られるものであることが好ましい。
本発明の架橋性ゴム組成物の製造方法において、第1工程における混練温度が130℃〜200℃であり、第2工程における混練温度が120℃〜160℃であることが好ましい。
また、本発明の架橋性ゴム組成物の製造方法において、共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物が、共役ジエン系ゴムの溶液又は水分散液とシリカとの混合物から、共役ジエン系ゴム及びシリカを共凝固させて得られるものであることが好ましい。
また、本発明によれば、上記本発明の架橋性ゴム組成物の製造方法により得られる架橋性ゴム組成物が提供される。
更に、本発明によれば、上記本発明の架橋性ゴム組成物を架橋成形してなる架橋成形体が提供される。
更に、本発明によれば、上記本発明の架橋性ゴム組成物を架橋成形してなる架橋成形体が提供される。
本発明の架橋性ゴム組成物の製造方法によれば、共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物に各種配合剤を添加してなる架橋性ゴム組成物において、シリカとシランカップリング剤との反応効率を高めることができ、その結果、優れた強度及び低燃費性を有する架橋性ゴム組成物を得ることが可能となる。
従って、本発明の架橋性ゴム組成物及びこれから得られる成形体は、その特性を生かす各種用途、例えば、トレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウオール、ビード部等のタイヤ用部材;ホース、窓枠、ベルト、靴底、防振ゴム、自動車部品、免震ゴム等のゴム部材;耐衝撃性ポリスチレン、ABS樹脂等の樹脂強化ゴム部材;等に利用でき、なかでも、タイヤ用部材として好適である。
従って、本発明の架橋性ゴム組成物及びこれから得られる成形体は、その特性を生かす各種用途、例えば、トレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウオール、ビード部等のタイヤ用部材;ホース、窓枠、ベルト、靴底、防振ゴム、自動車部品、免震ゴム等のゴム部材;耐衝撃性ポリスチレン、ABS樹脂等の樹脂強化ゴム部材;等に利用でき、なかでも、タイヤ用部材として好適である。
本発明の架橋性ゴム組成物の製造方法は、共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物とシランカップリング剤(A)とを混練して第1ゴム配合物を調製する第1工程を有する。
共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物は、共役ジエン系ゴムとシリカとの混合物から、共役ジエン系ゴムを凝固させることによって、共役ジエン系ゴム中にシリカを分散させたものである。
共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物は、共役ジエン系ゴムとシリカとの混合物から、共役ジエン系ゴムを凝固させることによって、共役ジエン系ゴム中にシリカを分散させたものである。
本発明で使用する共役ジエン系ゴムは、共役ジエンの単独重合体若しくは共重合体又は共役ジエンとこれと共重合可能な単量体との共重合体である。
共役ジエン単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等が挙げられる。これらの中でも、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン等が好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。共役ジエン単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
共役ジエン単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等が挙げられる。これらの中でも、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン等が好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。共役ジエン単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
共役ジエン単量体と共重合可能な単量体としては、芳香族ビニル単量体、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体等を例示することができる。
芳香族ビニル単量体は、特に限定されないが、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノフルオロスチレン等が好ましく、スチレンがより好ましい。芳香族ビニル単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体の具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シアン化ビニリデン等を挙げることができる。
芳香族ビニル単量体は、特に限定されないが、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノフルオロスチレン等が好ましく、スチレンがより好ましい。芳香族ビニル単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体の具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シアン化ビニリデン等を挙げることができる。
共役ジエン系ゴムの具体例としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム等の共役ジエン単独重合体;ブタジエン−イソプレン共重合ゴム等の共役ジエン共重合体;スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合ゴム等の共役ジエン単量体とこれと共重合可能な単量体との共重合体;等が挙げられる。
これらのゴムは、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのゴムは、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの共役ジエン系ゴムは、目的のゴム組成物の用途に応じて適宜選択すればよいが、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム等のジエン系ゴムが好ましく、特にタイヤ用としては、共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体との共重合体が好ましい。
共役ジエン−芳香族ビニル共重合体において、共役ジエン単量体単位含有量は、好ましくは50〜85重量%、より好ましくは55〜82重量%、特に好ましくは60〜80重量%であり、芳香族ビニル単量体単位含有量は、好ましくは15〜50重量%、より好ましくは18〜45重量%、特に好ましくは20〜40重量%である。
また、共役ジエン−α,β−エチレン性不飽和ニトリル共重合体において、共役ジエン単量体単位含有量は、好ましくは40重量%以上、より好ましくは45重量%以上であり、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体の量は、好ましくは60重量%以下、より好ましくは55重量%以下である。
共役ジエン系ゴムにおいて、共役ジエン単量体以外の単量体量が多すぎると、発熱性が大きくなり、低温脆性も劣る。
共役ジエン−芳香族ビニル共重合体において、共役ジエン単量体単位含有量は、好ましくは50〜85重量%、より好ましくは55〜82重量%、特に好ましくは60〜80重量%であり、芳香族ビニル単量体単位含有量は、好ましくは15〜50重量%、より好ましくは18〜45重量%、特に好ましくは20〜40重量%である。
また、共役ジエン−α,β−エチレン性不飽和ニトリル共重合体において、共役ジエン単量体単位含有量は、好ましくは40重量%以上、より好ましくは45重量%以上であり、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体の量は、好ましくは60重量%以下、より好ましくは55重量%以下である。
共役ジエン系ゴムにおいて、共役ジエン単量体以外の単量体量が多すぎると、発熱性が大きくなり、低温脆性も劣る。
本発明で用いる共役ジエン系ゴムは、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシシリル基、アミノ基、エポキシ基等の極性基を有していてもよい。
極性基を有する共役ジエン系ゴムは、例えば、これらの極性基を有するビニル単量体を共役ジエン単量体と共重合させることによって得ることができる。
極性基を有する共役ジエン系ゴムは、例えば、これらの極性基を有するビニル単量体を共役ジエン単量体と共重合させることによって得ることができる。
本発明に用いる共役ジエン系ゴムは、20〜200のムーニー粘度(ML1+4,100℃)を有していることが好ましく、より好ましくは30〜150、特に好ましくは50〜120のムーニー粘度を有する。ムーニー粘度が小さいと、加工性に優れる反面、充分な発熱特性や耐摩耗性等を得るのが困難であり、逆に大きいと、耐摩耗性等に優れるが、配合物ムーニー粘度が高くなりすぎて、加工性が低下する。
共役ジエン系ゴムは、ラテックス、有機溶媒溶液、スラリー、分散液等のいずれの形態であってもよいが、共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物におけるシリカの分散を均一にするために、有機溶媒溶液又は水分散液の状態で用いることが好ましく、ラテックス状態で用いることが特に好ましい。
共役ジエン系ゴムの有機溶媒溶液は、通常、溶液重合で得ることができるが、他の重合法で得られたものを固形ゴムとし、これを溶媒に溶解することによっても得ることができる。
また、共役ジエン系ゴムのラテックスは、通常、乳化重合で得ることができるが、共役ジエン系ゴムの有機溶媒溶液を用いて乳化転相することによっても得ることができる。
また、共役ジエン系ゴムのラテックスは、通常、乳化重合で得ることができるが、共役ジエン系ゴムの有機溶媒溶液を用いて乳化転相することによっても得ることができる。
共役ジエン系ゴムのラテックスを得るには、公知の乳化重合法によればよく、そのために用いる乳化剤、重合開始剤、分子量調整剤、重合停止剤等の副資材も公知のものを用いればよい。
重合反応停止の際の重合転化率は、重合体のゲル化を防止する観点から、85重量%以下とすることが好ましく、50〜80重量%の範囲とすることがより好ましい。重合反応停止は、通常、所定の重合転化率に達した時点で、重合系に重合停止剤を添加することによって行われる。重合停止剤としては、例えば、ジエチルヒドロキシルアミンやヒドロキシルアミン等のアミン系化合物;ヒドロキノンやベンゾキノン等のキノン系化合物;亜硝酸ナトリウム;ソジウムジチオカーバメート;等が挙げられる。
重合反応停止の際の重合転化率は、重合体のゲル化を防止する観点から、85重量%以下とすることが好ましく、50〜80重量%の範囲とすることがより好ましい。重合反応停止は、通常、所定の重合転化率に達した時点で、重合系に重合停止剤を添加することによって行われる。重合停止剤としては、例えば、ジエチルヒドロキシルアミンやヒドロキシルアミン等のアミン系化合物;ヒドロキノンやベンゾキノン等のキノン系化合物;亜硝酸ナトリウム;ソジウムジチオカーバメート;等が挙げられる。
乳化重合反応停止後、得られた乳化重合反応液(ラテックス)から必要に応じて未反応単量体を除去し、次いで、必要に応じて硝酸、硫酸等の酸その他を添加混合してラテックスのpHを所定の値に調整して、共役ジエン系ゴムラテックスを調製する。
共役ジエン系ゴムは、老化防止剤を含有することが好ましい。
老化防止剤の具体例としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、オクタデシル−3−(3’,3’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートやスチレン化フェノール等のフェノール系老化防止剤;2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール等のイオウ系老化防止剤;N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン等のアミン系老化防止剤;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン等のキノリン系老化防止剤;ヒドロキノン系老化防止剤;リン系老化防止剤等が挙げられる。これらの中でも、フェノール系老化防止剤及びイオウ系老化防止剤が好ましい。
これらの老化防止剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
老化防止剤は、重合終了後の任意の時点で共役ジエン系ゴムに添加すればよい。また、老化防止剤は、共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物とシランカップリング剤とを混練するときに同時に混練することもできる。
老化防止剤の添加量は、共役ジエン系ゴム100重量部に対し、通常、0.05〜10.0重量部、好ましくは0.08〜6.0重量部、より好ましくは0.1〜4.0重量部である。
老化防止剤の具体例としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、オクタデシル−3−(3’,3’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートやスチレン化フェノール等のフェノール系老化防止剤;2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール等のイオウ系老化防止剤;N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン等のアミン系老化防止剤;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン等のキノリン系老化防止剤;ヒドロキノン系老化防止剤;リン系老化防止剤等が挙げられる。これらの中でも、フェノール系老化防止剤及びイオウ系老化防止剤が好ましい。
これらの老化防止剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
老化防止剤は、重合終了後の任意の時点で共役ジエン系ゴムに添加すればよい。また、老化防止剤は、共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物とシランカップリング剤とを混練するときに同時に混練することもできる。
老化防止剤の添加量は、共役ジエン系ゴム100重量部に対し、通常、0.05〜10.0重量部、好ましくは0.08〜6.0重量部、より好ましくは0.1〜4.0重量部である。
本発明においては、共役ジエン系ゴムとして伸展油を混合したものを使用することもできる。
伸展油としては、ゴム工業において通常用いられているものが使用でき、その具体例として、パラフィン系、芳香族系、ナフテン系の石油系軟化剤;植物系軟化剤;脂肪酸等を示すことができる。石油系軟化剤の場合には、多環芳香族の含有量が3%未満であることが好ましい。この含有量は、IP346の方法(英国のTHE INSTITUTE PETROLEUMの検査方法)により測定される。
伸展油の配合量は、共役ジエン系ゴム100重量部に対して、一般的には5〜100重量部、好ましくは15〜60重量部、特に好ましくは30〜50重量部である。
伸展油の添加時期は特に限定されないが、共役ジエン系ゴムの溶液又は水分散液に溶解又は分散させるのが好ましい。
また、伸展油は、共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物とシランカップリング剤とを混練するときに同時に混練することもできる。
伸展油としては、ゴム工業において通常用いられているものが使用でき、その具体例として、パラフィン系、芳香族系、ナフテン系の石油系軟化剤;植物系軟化剤;脂肪酸等を示すことができる。石油系軟化剤の場合には、多環芳香族の含有量が3%未満であることが好ましい。この含有量は、IP346の方法(英国のTHE INSTITUTE PETROLEUMの検査方法)により測定される。
伸展油の配合量は、共役ジエン系ゴム100重量部に対して、一般的には5〜100重量部、好ましくは15〜60重量部、特に好ましくは30〜50重量部である。
伸展油の添加時期は特に限定されないが、共役ジエン系ゴムの溶液又は水分散液に溶解又は分散させるのが好ましい。
また、伸展油は、共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物とシランカップリング剤とを混練するときに同時に混練することもできる。
本発明において用いるシリカは、その製法によって、特に制限されない。具体的には、一般的に四塩化珪素を酸水素炎中で燃焼させて得られる乾式シリカ、珪酸アルカリを酸で中和することによって得られる湿式シリカ、テトラメトキシシランやテトラエトキシシラン等の珪素のアルコキシドを酸性又はアルカリ性の含水有機溶媒中で加水分解することによって得られるゾル−ゲル法シリカ、珪酸アルカリ水溶液を電気透析により脱アルカリすることによって得られるコロイダルシリカ等を用いることができる。
これらのシリカは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明においては、生産性に優れる湿式シリカが好ましく、その中でも特にゲルを経ないで得られる沈降シリカが好ましい。
これらのシリカは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明においては、生産性に優れる湿式シリカが好ましく、その中でも特にゲルを経ないで得られる沈降シリカが好ましい。
シリカは、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)の吸着により測定した比表面積が、40〜300m2/gであるものが好ましく、50〜280m2/gであるものがより好ましく、60〜260m2/gであるものが最も好ましい。
また、シリカは、窒素吸着法により測定した比表面積(SBET)が50〜300m2/gであるものが好ましく、50〜290m2/gであるものがより好ましく、60〜280m2/gであるものが最も好ましい。
更に、上記シリカは、ジブチルフタレート吸油量(以下、単に「吸油量」という。)が100〜400ml/100gであるものが好ましく、110〜350ml/100gであるものがより好ましく、120〜300ml/100gであるものが最も好ましい。
上記の比表面積及び吸油量を有するシリカを用いると、強度や架橋成形物の耐摩耗性等に優れるシリカ含有ゴム組成物が得られ、シリカによる補強効果や低燃費性に優れたタイヤを得ることができる。
また、シリカは、窒素吸着法により測定した比表面積(SBET)が50〜300m2/gであるものが好ましく、50〜290m2/gであるものがより好ましく、60〜280m2/gであるものが最も好ましい。
更に、上記シリカは、ジブチルフタレート吸油量(以下、単に「吸油量」という。)が100〜400ml/100gであるものが好ましく、110〜350ml/100gであるものがより好ましく、120〜300ml/100gであるものが最も好ましい。
上記の比表面積及び吸油量を有するシリカを用いると、強度や架橋成形物の耐摩耗性等に優れるシリカ含有ゴム組成物が得られ、シリカによる補強効果や低燃費性に優れたタイヤを得ることができる。
シリカの平均粒子径は特に限定されず、目的とする用途を勘案して適宜決定すればよい。一般的には、0.1〜50μmの範囲が好ましい。
平均粒子径を0.1μm以上にすることにより、シリカの自己凝集性による分散不良を防ぐことができ、物性バランスがより良好なシリカ含有ゴム組成物が得られる。一方、平均粒子径を50μm以下とすることにより、ゴム中でのシリカの分散が良好となり、シリカによる補強効果や低燃費性が向上する。
本発明の架橋性ゴム組成物がタイヤに用いられる場合は、シリカの平均粒子径を1〜30μmとするのが好ましい。
平均粒子径を0.1μm以上にすることにより、シリカの自己凝集性による分散不良を防ぐことができ、物性バランスがより良好なシリカ含有ゴム組成物が得られる。一方、平均粒子径を50μm以下とすることにより、ゴム中でのシリカの分散が良好となり、シリカによる補強効果や低燃費性が向上する。
本発明の架橋性ゴム組成物がタイヤに用いられる場合は、シリカの平均粒子径を1〜30μmとするのが好ましい。
シリカの粒子径の調整は、特に制限なく公知の方法が使用できる。
具体的には、ジェットミル、ボールミル、ナラミル、ミクロミル等を使用して、目的とする粒子径が得られるように適宜調整する乾式粉砕法;ディスパー、ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、コロイドミル等を使用して、目的とする粒子径が得られるように適宜調整する湿式粉砕法;等の方法が挙げられる。また、湿式粉砕法によりシリカの粒子径を調整する場合は、水、有機溶媒、ゴムラテックス、又はこれらの混合溶液中で調整することができる。
具体的には、ジェットミル、ボールミル、ナラミル、ミクロミル等を使用して、目的とする粒子径が得られるように適宜調整する乾式粉砕法;ディスパー、ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、コロイドミル等を使用して、目的とする粒子径が得られるように適宜調整する湿式粉砕法;等の方法が挙げられる。また、湿式粉砕法によりシリカの粒子径を調整する場合は、水、有機溶媒、ゴムラテックス、又はこれらの混合溶液中で調整することができる。
シリカは、通常、水分散液の形態で用いる。シリカ水分散液は、例えば、シリカ湿ケーキと水とを、ホモジナイザー等の攪拌混合機を用いて、シリカ湿ケーキを粉砕しながら混合することによって得ることができる。
共役ジエン系ゴムとシリカとの混合物において、両者の比率は、共役ジエン系ゴム100重量部に対し、シリカが20〜200重量部であるのが好ましく、30〜150重量部であるのがより好ましく、40〜120重量部であるのが最も好ましい。シリカの量が20重量部未満の場合、得られる架橋性ゴム組成物において、強度、耐摩耗性等の補強性の改善効果が小さく、200重量部を超えると架橋性ゴム組成物が硬くなりすぎ、加工性が悪化する傾向にある。
共役ジエン系ゴムとシリカとの混合物の調製方法は、特に限定されないが、共役ジエン系ゴムラテックスとシリカ水分散液とを混合するのが好ましい。このようにして得られる混合物は、共凝固した際に、共役ジエン系ゴム中のシリカの分散が均一となるので好ましい。
共役ジエン系ゴムとシリカとの混合物に、カチオン性物質を含有させてもよい。共凝固に際し、カチオン性物質が存在することにより、共凝固物中におけるシリカの分散が、より均一となる。
カチオン性物質としては、具体的には、カチオン性界面活性剤やカチオン性高分子を挙げることができる。
カチオン性物質としては、具体的には、カチオン性界面活性剤やカチオン性高分子を挙げることができる。
カチオン性界面活性剤は、水に溶解した際にイオンに解離して親水基の部分が正に電離する界面活性剤であれば、何ら制限なく使用される。
カチオン性界面活性剤の具体例としては、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミンアセテート類;セチルアミン塩酸塩、ステアリルアミン塩酸塩等のアルキルアミン塩酸塩類;ラウリルトリメチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド等のアルキルアンモニウムハライド類;アルキルアミンオキサイド類;アルキルアリールアンモニウムハライド類;アルキルベタイン類;等を挙げることができる。
カチオン性界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、アルキルアンモニウムハライド類が好ましく、特にセチルトリメチルアンモニウムブロマイドが好ましい。
カチオン性界面活性剤の具体例としては、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミンアセテート類;セチルアミン塩酸塩、ステアリルアミン塩酸塩等のアルキルアミン塩酸塩類;ラウリルトリメチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド等のアルキルアンモニウムハライド類;アルキルアミンオキサイド類;アルキルアリールアンモニウムハライド類;アルキルベタイン類;等を挙げることができる。
カチオン性界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、アルキルアンモニウムハライド類が好ましく、特にセチルトリメチルアンモニウムブロマイドが好ましい。
共役ジエン系ゴムとシリカとの混合物にカチオン性界面活性剤を含有させるには、(1)共役ジエン系ゴムラテックス、シリカ水分散液及びカチオン性界面活性剤を同時に混合する、(2)カチオン性界面活性剤を乳化剤とする伸展油エマルションとシリカ水分散液とを予め混合し、次いで、これを共役ジエン系ゴムラテックスと混合する方法、(3)共役ジエン系ゴムラテックスとシリカ水分散液とを予め混合し、次いで、これをカチオン性界面活性剤を乳化剤とする伸展油エマルションと混合する方法、等を示すことができる。
通常、共役ジエン系ゴムとシリカとの混合物にカチオン性界面活性剤を含有させるには、カチオン性界面活性剤を乳化剤とする伸展油エマルションの形態で使用する上記(2)及び(3)の方法を用いる。
また、カチオン性高分子は、水に溶解した際に電離してカチオン性を示すものであれば、制限なく使用できる。その好適な具体例としては、1〜3級のアミノ基やそのアンモニウム塩基又は4級のアンモニウム塩基を有するモノマーを、場合によりその他のモノマーとともに、重合して得られるものをあげることができる。
カチオン性高分子の具体例としては、ポリジアリルメチルアミン;ジシアンジアミド・ホルマリン縮合物及びそれらのアンモニウム塩;エピクロロヒドリン・ポリアミン縮合物、エピクロロヒドリン・ジメチルアミン縮合物等のエピクロロヒドリン・アミン縮合物;ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリメタクリル酸エステルメチルクロライド等の4級アンモニウム塩基を有する高分子;等を挙げることができる。これらの中で、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド及びエピクロロヒドリン・アミン縮合物が好ましい。
カチオン性高分子の具体例としては、ポリジアリルメチルアミン;ジシアンジアミド・ホルマリン縮合物及びそれらのアンモニウム塩;エピクロロヒドリン・ポリアミン縮合物、エピクロロヒドリン・ジメチルアミン縮合物等のエピクロロヒドリン・アミン縮合物;ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリメタクリル酸エステルメチルクロライド等の4級アンモニウム塩基を有する高分子;等を挙げることができる。これらの中で、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド及びエピクロロヒドリン・アミン縮合物が好ましい。
カチオン性高分子の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜1,000,000、より好ましくは2,000〜900,000、最も好ましくは3,000〜800,000である。
重量平均分子量が1,000以上であると、架橋ゴムの強度や耐摩耗性等の補強性の改善効果が高くなり、また、重量平均分子量が1,000,000以下であると、ゴム中でのシリカ分散が良好となる。
また、カチオン性高分子のカチオン当量分子量の値は、コロイド滴定により得られる値で、好ましくは250以下、より好ましくは220以下、最も好ましくは200以下である。
カチオン性高分子は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カチオン性高分子は、予め水溶液としたものを使用しても、そのままで使用してもよい。
重量平均分子量が1,000以上であると、架橋ゴムの強度や耐摩耗性等の補強性の改善効果が高くなり、また、重量平均分子量が1,000,000以下であると、ゴム中でのシリカ分散が良好となる。
また、カチオン性高分子のカチオン当量分子量の値は、コロイド滴定により得られる値で、好ましくは250以下、より好ましくは220以下、最も好ましくは200以下である。
カチオン性高分子は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カチオン性高分子は、予め水溶液としたものを使用しても、そのままで使用してもよい。
共役ジエン系ゴムとシリカとの混合物にカチオン性高分子を含有させるには、(1)共役ジエン系ゴムラテックス、シリカ水分散液及びカチオン性高分子を同時に混合する、(2)カチオン性高分子とシリカとの水分散液を予め調製し、次いで、これを共役ジエン系ゴムラテックスと混合する方法、(3)共役ジエン系ゴムラテックスとシリカ水分散液とを予め混合し、次いで、これをカチオン性高分子と混合する方法、等を示すことができる。
共役ジエン系ゴムとシリカとの混合物から、共役ジエン系ゴムを凝固させることによって、共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物を得るには、共役ジエン系ゴムとシリカとの混合物に、硫酸、塩酸等の無機酸;蟻酸、酢酸、酪酸等の有機酸;硫酸アルミニウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム等の無機塩;等を、添加すればよい。
なお、共役ジエン系ゴムとシリカとの混合物にカチオン性界面活性剤やカチオン性高分子等のカチオン性物質を含有させる場合には、このカチオン性物質を配合することによって、凝固を起こさせることもできる。
なお、共役ジエン系ゴムとシリカとの混合物にカチオン性界面活性剤やカチオン性高分子等のカチオン性物質を含有させる場合には、このカチオン性物質を配合することによって、凝固を起こさせることもできる。
共役ジエン系ゴムラテックスとシリカ水分散液との混合物を共凝固することにより、共役ジエン系ゴムとシリカの混合物(以下、「クラム」ということがある。)の水分散液(スラリー)が生成する。クラムのろ過、水洗、脱水、乾燥等は、特に制限されることはなく、ゴムに一般的に用いられる方法を適宜使用すればよい。
共凝固によって生成するクラムと液体成分(以下、「セラム」ということがある。)とを分離して、得られたクラムを水洗し、ろ過後、スクイザー、遠心脱水やフィルタープレス等で水分を絞って脱水する。次いで、クラムを粒状に粉砕した後に押出乾燥機、熱風式乾燥機や撹拌翼を有する間接加熱乾燥機等で乾燥して、ペレット状又はブロック状に成形する。また、クラムとセラムとを分離することなく、噴霧乾燥することにより、クラムを粉状に成形することができる。
共凝固によって生成するクラムと液体成分(以下、「セラム」ということがある。)とを分離して、得られたクラムを水洗し、ろ過後、スクイザー、遠心脱水やフィルタープレス等で水分を絞って脱水する。次いで、クラムを粒状に粉砕した後に押出乾燥機、熱風式乾燥機や撹拌翼を有する間接加熱乾燥機等で乾燥して、ペレット状又はブロック状に成形する。また、クラムとセラムとを分離することなく、噴霧乾燥することにより、クラムを粉状に成形することができる。
このようにして得られる共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物において、共役ジエン系ゴムとシリカとの比率は、共役ジエン系ゴム100重量部に対し、シリカ20〜200重量部であるのが好ましく、30〜150重量部であるのがより好ましく、40〜120重量部であるのが最も好ましい。
第1ゴム配合物を調製するために共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物と混練するシランカップリング剤(A)は、特に限定されないが、その具体例としては、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−オクタチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピル−ジ(トリデシル−オリゴオキシアルキレン)エトキシシラン、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィド等が挙げられる。
これらの中でも、硫黄原子を1〜4個含有するシランカップリング剤が好ましい。硫黄原子を含有するシランカップリング剤の使用により、ゴムとして好適な強度が得られるが、硫黄原子の数が5個を超えるとシランカップリング剤混練時にスコーチを起こす傾向にある。
これらの中でも、硫黄原子を1〜4個含有するシランカップリング剤が好ましい。硫黄原子を含有するシランカップリング剤の使用により、ゴムとして好適な強度が得られるが、硫黄原子の数が5個を超えるとシランカップリング剤混練時にスコーチを起こす傾向にある。
これらのシランカップリング剤は、それぞれ1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
シリカ100重量部に対するシランカップリング剤の配合量は、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.5〜15重量部、最も好ましくは1〜10重量部である。
シリカ100重量部に対するシランカップリング剤の配合量は、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.5〜15重量部、最も好ましくは1〜10重量部である。
共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物とシランカップリング剤(A)とを混練するに際して、混練開始後、混練温度を徐々に上昇させ、一定時間後は混練終了まで所定の混練温度又は所定の混練温度範囲内(これらを総称して、「所定混練温度」ということがある。)に維持し、混練することが好ましい。第1工程における所定混練温度は、130〜200℃となるようにするのが好ましく、140〜170℃となるようにするのがより好ましい。
第1工程における所定混練温度を上記のようにすることによって、シランカップリング剤とシリカ表面のシラノール基との反応を十分に進行させることができる。第1工程における所定混練温度が上記よりも低い場合には、強度特性や低燃費性が悪化する恐れがあり、逆に上記範囲よりも高い場合は第1ゴム配合物が焼ける恐れがある。
第1工程において用いる混練機は、特に限定されず、ニーダー、ブラベンダー、バンバリーミキサー等の密閉式混練機、オープンロール、二軸押し出し機等を使用することができる。
第1工程における所定混練温度を上記のようにすることによって、シランカップリング剤とシリカ表面のシラノール基との反応を十分に進行させることができる。第1工程における所定混練温度が上記よりも低い場合には、強度特性や低燃費性が悪化する恐れがあり、逆に上記範囲よりも高い場合は第1ゴム配合物が焼ける恐れがある。
第1工程において用いる混練機は、特に限定されず、ニーダー、ブラベンダー、バンバリーミキサー等の密閉式混練機、オープンロール、二軸押し出し機等を使用することができる。
共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物とシランカップリング剤(A)とを所定混練温度に維持する時間は、好ましくは30秒以上、より好ましくは1分以上であり、混練時間の上限値は、好ましくは30分、より好ましくは25分であり、所定時間混練を行なった後、混練物(第1ゴム配合物)を混練機から排出するのが好ましい。
第1工程における所定混練時間を上記のようにすることによって、シランカップリング剤とシリカ表面のシラノール基との反応を十分に進行させることができる。
第1工程における所定混練時間を上記のようにすることによって、シランカップリング剤とシリカ表面のシラノール基との反応を十分に進行させることができる。
また、シランカップリング剤(A)は、予め、混練機内で共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物を混練して、その温度が好ましくは80℃以上となった時点、より好ましくは100℃以上となった時点で、これに添加するのが好ましい。
シランカップリング剤の添加時の温度を上記のようにすることにより、シランカップリング剤が過剰な熱履歴を受けることがなく、得られる第1ゴム配合物の粘度を低下させ、シランカップリング剤のスコーチを抑制することができる。このような第1ゴム配合物を使用すると、加工性に優れる架橋性ゴム組成物を得ることができる。
シランカップリング剤の添加時の温度を上記のようにすることにより、シランカップリング剤が過剰な熱履歴を受けることがなく、得られる第1ゴム配合物の粘度を低下させ、シランカップリング剤のスコーチを抑制することができる。このような第1ゴム配合物を使用すると、加工性に優れる架橋性ゴム組成物を得ることができる。
第1工程において調製された第1ゴム配合物は、混練終了後に混練機から排出し、降温させることが好ましい。降温させる温度は特に限定されないが、室温付近にまで降温させることが好ましい。このように十分に降温させれば、第2工程における混練時のせん断力をより高くすることができる。
第1ゴム配合物は、シリル化剤を含有していてもよい。
第1ゴム配合物にシリル化剤を含有させることにより、得られる架橋性ゴム組成物の補強性及び低燃費性が更に改善される。
シリル化剤の量は、第1ゴム配合物中のシリカ100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.5〜15重量部、最も好ましくは1〜10重量部である。
第1ゴム配合物にシリル化剤を含有させることにより、得られる架橋性ゴム組成物の補強性及び低燃費性が更に改善される。
シリル化剤の量は、第1ゴム配合物中のシリカ100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.5〜15重量部、最も好ましくは1〜10重量部である。
シリル化剤は、特に限定されないが、その具体例としては、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン等のクロロシラン化合物;フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ)シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物;ヘキサメチルジシラザン等のシラザン化合物;N−トリメチルシリルアセトアミド、N,N−(ビストリメチルシリル)アセトアミド等のシリル基含有アセトアミド類;N,N−(ビストリメチルシリル)ウレア等のシリル基含有尿素類;等が挙げられる。
これらのシリル化剤のうち、特にクロロシラン化合物、アルコキシシラン化合物及びシラザン化合物が好ましく用いられる。
これらのシリル化剤は、1種単独で用いてもよいし、任意の2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのシリル化剤のうち、特にクロロシラン化合物、アルコキシシラン化合物及びシラザン化合物が好ましく用いられる。
これらのシリル化剤は、1種単独で用いてもよいし、任意の2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第1ゴム配合物にシリル化剤を含有させる方法は、特に限定されず、共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物とシランカップリング剤とを混練する際に同時に混練する方法、共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物に添加する方法、共役ジエン系ゴムとシリカとの混合物から共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物を調製する際に添加する方法、共凝固前の共役ジエン系ゴムとシリカとの混合物に添加する方法、共役ジエン系ゴム−シリカ混合物調製前の共役ジエン系ゴムの溶液若しくは分散液又はシリカと混合する方法、等を挙げることができる。
これらのうち、共役ジエン系ゴムとシリカとの混合物を調製する前に、シリカと混合しておく方法が好ましい。これにより、シリカの表面の親水性部分が疎水化され、共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物中におけるシリカの分散が良好になるとともに、シリカ表面のシラノール基とシランカップリング剤との反応の効率を向上させる。
これらのうち、共役ジエン系ゴムとシリカとの混合物を調製する前に、シリカと混合しておく方法が好ましい。これにより、シリカの表面の親水性部分が疎水化され、共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物中におけるシリカの分散が良好になるとともに、シリカ表面のシラノール基とシランカップリング剤との反応の効率を向上させる。
更に、第1ゴム配合物は、オルガノポリシロキサンやポリエーテル系重合体を含有してもよい。これらの重合体を配合することにより、得られる架橋性ゴム組成物の補強性及び低燃費性が更に改善される。
オルガノポリシロキサンとしては、重合度3〜10,000のものが好ましく、メトキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルコキシ基、エポキシ基、カルボニル基、スルフィド基、スルホニル基、ニトリル基等の官能基を有するものであることが好ましい。
また、ポリエーテル系重合体は、アルキレンオキシド、エピハロヒドリン、不飽和エポキシド等のオキシラン化合物を重合して得られる、主鎖にエーテル結合を有する重合体である。ポリエーテル系重合体としては、分子量100〜10,000,000のものが好ましい。
オルガノポリシロキサンとしては、重合度3〜10,000のものが好ましく、メトキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルコキシ基、エポキシ基、カルボニル基、スルフィド基、スルホニル基、ニトリル基等の官能基を有するものであることが好ましい。
また、ポリエーテル系重合体は、アルキレンオキシド、エピハロヒドリン、不飽和エポキシド等のオキシラン化合物を重合して得られる、主鎖にエーテル結合を有する重合体である。ポリエーテル系重合体としては、分子量100〜10,000,000のものが好ましい。
オルガノポリシロキサンやポリエーテル系重合体の配合量は、特に限定されないが、シリカ100重量部に対して0.1〜50重量部の範囲が好ましい。
これらのオルガノポリシロキサンやポリエーテル系重合体は、それぞれ1種を単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
オルガノポリシロキサン及びポリエーテル系重合体の添加方法は特に制限されず、シリル化剤の添加方法と同様の方法を示すことができる。
これらのオルガノポリシロキサンやポリエーテル系重合体は、それぞれ1種を単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
オルガノポリシロキサン及びポリエーテル系重合体の添加方法は特に制限されず、シリル化剤の添加方法と同様の方法を示すことができる。
本発明の架橋性ゴム組成物の製造方法においては、第2工程において、共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物とシランカップリング剤(A)とを混練して調製した第1ゴム配合物と酸化亜鉛(B)とを混練して第2ゴム配合物を調製する。
酸化亜鉛の配合時期を、このように遅らせることにより、シランカップリング剤と共役ジエン−シリカ共凝固物との反応効率を高くすることができる。
酸化亜鉛の配合時期を、このように遅らせることにより、シランカップリング剤と共役ジエン−シリカ共凝固物との反応効率を高くすることができる。
酸化亜鉛は、架橋促進剤の活性を高める効果を有する架橋活性化剤であり、表面活性の高い粒度5μm以下のものを用いるのが好ましい。酸化亜鉛の具体例としては、粒度が0.05〜0.2μmの活性亜鉛華や0.3〜1μmの亜鉛華等を挙げることができる。
また、酸化亜鉛は、アミン系の分散剤や湿潤剤で表面処理されたものでもよい。
また、酸化亜鉛は、アミン系の分散剤や湿潤剤で表面処理されたものでもよい。
酸化亜鉛の配合量は、第1ゴム配合物中の共役ジエン系ゴム100重量部に対して、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.5〜2重量部である。
本発明の効果を損なわない限り、酸化亜鉛以外の架橋活性化剤を酸化亜鉛と併用することもできる。
酸化亜鉛以外の架橋活性化剤としては、脂肪酸とその誘導体、亜鉛以外の金属の酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、アミン等が挙げられる。
脂肪酸の具体例としては、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸等が挙げられ、その誘導体としては、ステアリン酸亜鉛等の金属塩、オレイン酸ジブチルアンモニウム等のアンモニウム塩等が挙げられる。
亜鉛以外の金属の酸化物の具体例としては、酸化マグネシウム、一酸化鉛等が挙げられる。
金属水酸化物の具体例としては、水酸化カルシウム、活性化水酸化カルシウム等が挙げられる。
金属炭酸塩の具体例としては、炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛等が挙げられる。
これらの酸化亜鉛以外の架橋活性化剤の配合割合は、架橋活性化剤の種類により適宜選択すればよいが、高級脂肪酸の場合、その配合量は、共役ジエン系ゴム100重量部に対して、好ましくは0.3〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。
これらの架橋活性化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
酸化亜鉛以外の架橋活性化剤としては、脂肪酸とその誘導体、亜鉛以外の金属の酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、アミン等が挙げられる。
脂肪酸の具体例としては、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸等が挙げられ、その誘導体としては、ステアリン酸亜鉛等の金属塩、オレイン酸ジブチルアンモニウム等のアンモニウム塩等が挙げられる。
亜鉛以外の金属の酸化物の具体例としては、酸化マグネシウム、一酸化鉛等が挙げられる。
金属水酸化物の具体例としては、水酸化カルシウム、活性化水酸化カルシウム等が挙げられる。
金属炭酸塩の具体例としては、炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛等が挙げられる。
これらの酸化亜鉛以外の架橋活性化剤の配合割合は、架橋活性化剤の種類により適宜選択すればよいが、高級脂肪酸の場合、その配合量は、共役ジエン系ゴム100重量部に対して、好ましくは0.3〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。
これらの架橋活性化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
第2工程における混練温度は、混練物のスコーチを抑制するために、120〜160℃の範囲にすることが好ましく、130℃〜150℃であることがより好ましい。
第1ゴム配合物と酸化亜鉛(B)とを混練するに際して、混練開始後、混練温度を、徐々に上昇させ、一定時間後は混練終了まで所定の温度又は温度範囲内(両者を総称して「所定混練温度」ということがある。)に維持し、所定混練温度で混練物(第2ゴム配合物)を混練機から排出するのが好ましい。
第2工程における所定混練温度は、120〜160℃となるようにするのが好ましく、130〜150℃となるようにするのがより好ましい。
第2工程における所定混練温度を上記のようにすることにより、シランカップリング剤のスコーチを抑制することができる。
また、酸化亜鉛は、混練開始時点で、第1ゴム配合物に添加すればよい。
所定混練温度に維持する時間は、好ましくは30秒以上、より好ましくは60秒以上であり、その上限値は、好ましくは30分、より好ましくは25分である。所定混練時間を上記のようにすることによって、第1ゴム配合物と酸化亜鉛を十分混練させることができる。
第2工程において用いる混練機は、特に限定されず、ニーダー、ブラベンダー、バンバリーミキサー等の密閉式混練機、オープンロール、二軸押し出し機等を使用することができる。
混練終了後、混練物(第2ゴム配合物)を排出し、好ましくは室温付近にまで降温させ、第2ゴム配合物を得る。
第2工程における所定混練温度は、120〜160℃となるようにするのが好ましく、130〜150℃となるようにするのがより好ましい。
第2工程における所定混練温度を上記のようにすることにより、シランカップリング剤のスコーチを抑制することができる。
また、酸化亜鉛は、混練開始時点で、第1ゴム配合物に添加すればよい。
所定混練温度に維持する時間は、好ましくは30秒以上、より好ましくは60秒以上であり、その上限値は、好ましくは30分、より好ましくは25分である。所定混練時間を上記のようにすることによって、第1ゴム配合物と酸化亜鉛を十分混練させることができる。
第2工程において用いる混練機は、特に限定されず、ニーダー、ブラベンダー、バンバリーミキサー等の密閉式混練機、オープンロール、二軸押し出し機等を使用することができる。
混練終了後、混練物(第2ゴム配合物)を排出し、好ましくは室温付近にまで降温させ、第2ゴム配合物を得る。
本発明の架橋性ゴム組成物の製造方法においては、第3工程において、上記第2ゴム配合物と架橋剤(C)とを混練して架橋性ゴム組成物を調製する。
架橋剤(C)は、共役ジエン系ゴムの架橋に通常用いるものであれば、特に限定されない。
架橋剤(C)の具体例としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄等の硫黄;一塩化硫黄、二塩化硫黄等のハロゲン化硫黄;ジクミルパーオキシド、ジターシャリブチルパーオキシド等の有機過酸化物;p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム等のキノンジオキシム;トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、4,4’−メチレンビス−o−クロロアニリン等の有機多価アミン化合物;メチロール基を有するアルキルフェノール樹脂;等が挙げられる。
これらの中でも、硫黄が好ましい。
これらの架橋剤(C)は、1種を単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。
架橋剤(C)の具体例としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄等の硫黄;一塩化硫黄、二塩化硫黄等のハロゲン化硫黄;ジクミルパーオキシド、ジターシャリブチルパーオキシド等の有機過酸化物;p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム等のキノンジオキシム;トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、4,4’−メチレンビス−o−クロロアニリン等の有機多価アミン化合物;メチロール基を有するアルキルフェノール樹脂;等が挙げられる。
これらの中でも、硫黄が好ましい。
これらの架橋剤(C)は、1種を単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。
架橋剤(C)の配合量は、共役ジエン系ゴム100重量部に対して、好ましくは0.3〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。
また、上記架橋剤(C)と共に架橋促進剤を第2ゴム配合物に配合してもよい。
架橋促進剤の具体例としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系架橋促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系架橋促進剤;ジエチルチオウレア等のチオウレア系架橋促進剤;2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩等のチアゾール系架橋促進剤;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等のチウラム系架橋促進剤;ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛等のジチオカルバミン酸系架橋促進剤;イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、ブチルキサントゲン酸亜鉛等のキサントゲン酸系架橋促進剤;等が挙げられる。
これらの架橋促進剤は、1種を単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの架橋促進剤のうち、スルフェンアミド系架橋促進剤を含むものが好ましい。
架橋促進剤の配合量は、共役ジエン系ゴム100重量部に対して、好ましくは0.3〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。
架橋促進剤の具体例としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系架橋促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系架橋促進剤;ジエチルチオウレア等のチオウレア系架橋促進剤;2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩等のチアゾール系架橋促進剤;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等のチウラム系架橋促進剤;ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛等のジチオカルバミン酸系架橋促進剤;イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、ブチルキサントゲン酸亜鉛等のキサントゲン酸系架橋促進剤;等が挙げられる。
これらの架橋促進剤は、1種を単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの架橋促進剤のうち、スルフェンアミド系架橋促進剤を含むものが好ましい。
架橋促進剤の配合量は、共役ジエン系ゴム100重量部に対して、好ましくは0.3〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。
第2ゴム配合物と架橋剤(C)とを混練するに際して、混練温度を、通常、80℃以下となるようにするのが好ましい。これにより、架橋性ゴム組成物が成形前に架橋してしまうのを防ぐことができる。
第3工程の混練時間は、通常、30秒〜10分である。
第3工程において、混練に用いる混練機は、特に限定されず、ニーダー、ブラベンダー、バンバリーミキサー等の密閉式混練機、オープンロール、二軸押し出し機等を使用することができる。
第3工程において、混練に用いる混練機は、特に限定されず、ニーダー、ブラベンダー、バンバリーミキサー等の密閉式混練機、オープンロール、二軸押し出し機等を使用することができる。
本発明の架橋性ゴム組成物の製造方法によれば、第1工程でシランカップリング剤と共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物とを十分に反応させた上で、第2工程で酸化亜鉛を混練し、次いで第3工程で架橋剤を配合することによって、強度特性及び低燃費性に優れた架橋性ゴム組成物を得ることができる。
本発明の架橋性ゴム組成物は、シリカ以外の充填剤を含有していてもよい。
充填剤の具体例としては、カーボンブラック、タルク、クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、コーンスターチ等を挙げることができる。
カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイト等を用いることができる。これらの中でも、特にファーネスブラックが好ましい。
また、カーボンブラックの表面にシリカを担持させたカーボン−シリカ・デュアルフェイズ・フィラーを配合してもよい。
充填剤の具体例としては、カーボンブラック、タルク、クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、コーンスターチ等を挙げることができる。
カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイト等を用いることができる。これらの中でも、特にファーネスブラックが好ましい。
また、カーボンブラックの表面にシリカを担持させたカーボン−シリカ・デュアルフェイズ・フィラーを配合してもよい。
本発明の架橋性ゴム組成物における充填剤の総量は、共役ジエン系ゴム100重量部に対して、20〜200重量部とするのが好ましく、この範囲内で、所望の濃度となるようにする。
充填剤の配合時期は、特に限定されず、第1〜第3工程のいずれにおいて行なってもよく、これらの工程の後で行なってもよい。
充填剤の配合時期は、特に限定されず、第1〜第3工程のいずれにおいて行なってもよく、これらの工程の後で行なってもよい。
本発明の架橋性ゴム組成物は、更に、活性剤、可塑剤又は滑剤を含有していてもよい。
活性剤の具体例としては、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、シリコーンオイル等を挙げることができる。
可塑剤の具体例としては、フタル酸モノエステル、フタル酸ジエステル等を挙げることができる。
滑剤の具体例としては、ワックス等を挙げることができる。
これらの配合量は、共役ジエン系ゴム100重量部に対して、1〜5重量部が好ましい。
これらの添加剤の配合時期は、特に限定されない。
活性剤の具体例としては、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、シリコーンオイル等を挙げることができる。
可塑剤の具体例としては、フタル酸モノエステル、フタル酸ジエステル等を挙げることができる。
滑剤の具体例としては、ワックス等を挙げることができる。
これらの配合量は、共役ジエン系ゴム100重量部に対して、1〜5重量部が好ましい。
これらの添加剤の配合時期は、特に限定されない。
また、本発明の架橋性ゴム組成物中に、本発明で用いる共役ジエン系ゴム以外のその他のゴムを含んでいてもよい。
その他のゴムとしては、例えば、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム等のポリエーテルゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム及びウレタンゴム等が挙げられる。
これらのゴムは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の架橋性ゴム組成物中における共役ジエン系ゴムの割合は、本発明の効果を損なわない範囲にする必要があるが、ゴム成分の全量に対して5重量%以上とするのが好ましく、10重量%以上とすることがより好ましく、20重量%以上とするのが特に好ましい。
その他のゴムとしては、例えば、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム等のポリエーテルゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム及びウレタンゴム等が挙げられる。
これらのゴムは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の架橋性ゴム組成物中における共役ジエン系ゴムの割合は、本発明の効果を損なわない範囲にする必要があるが、ゴム成分の全量に対して5重量%以上とするのが好ましく、10重量%以上とすることがより好ましく、20重量%以上とするのが特に好ましい。
本発明の架橋性ゴム組成物は、これを架橋成形して成形体とすることができる。
架橋成形の方法は特に限定されず、例えば、金型中に架橋性ゴム組成物を充填して加熱することにより成形と同時に架橋してもよく、予め成形しておいた未架橋ゴム組成物を加熱して架橋してもよい。
これらの架橋成形の方法は、架橋成形物の性状、大きさ等に応じて適宜選択すればよい。
架橋温度は、好ましくは120〜200℃、より好ましくは100〜190℃、最も好ましくは120〜180℃である。
本発明の架橋成形体は、特にタイヤ用として好適である。
架橋成形の方法は特に限定されず、例えば、金型中に架橋性ゴム組成物を充填して加熱することにより成形と同時に架橋してもよく、予め成形しておいた未架橋ゴム組成物を加熱して架橋してもよい。
これらの架橋成形の方法は、架橋成形物の性状、大きさ等に応じて適宜選択すればよい。
架橋温度は、好ましくは120〜200℃、より好ましくは100〜190℃、最も好ましくは120〜180℃である。
本発明の架橋成形体は、特にタイヤ用として好適である。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を、より具体的に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものではないことは言うまでもない。なお、実施例及び比較例における部及び%は、特に断りの無い限り質量基準である。また、実施例及び比較例における各種物性は、下記の方法により測定した。
(1)シリカの平均粒子径の測定
光散乱回折式の粒度分布測定装置(コールター社製、商品名「LS−230」)を用いて測定した体積基準中位径の値を採用する。
光散乱回折式の粒度分布測定装置(コールター社製、商品名「LS−230」)を用いて測定した体積基準中位径の値を採用する。
(2)セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)の吸着によるシリカの比表面積(SCTAB)の測定
シリカ湿ケークを乾燥器(120℃)に入れて乾燥した後、ASTM D3765−92記載の方法を下記のように改良した方法で得られた値を採用する。
即ち、カーボンブラックの標準品であるIRTB(83.0m2/g)に代えて、別途にCTAB標準液を調製し、これによってエアロゾルOT溶液の標定を行い、シリカ表面に対するCTAB1分子あたりの吸着断面積を35平方オングストロームとしてCTABの吸着量から比表面積を算出する。
シリカ湿ケークを乾燥器(120℃)に入れて乾燥した後、ASTM D3765−92記載の方法を下記のように改良した方法で得られた値を採用する。
即ち、カーボンブラックの標準品であるIRTB(83.0m2/g)に代えて、別途にCTAB標準液を調製し、これによってエアロゾルOT溶液の標定を行い、シリカ表面に対するCTAB1分子あたりの吸着断面積を35平方オングストロームとしてCTABの吸着量から比表面積を算出する。
(3)窒素吸着量によるシリカの比表面積(SBET)の測定、
シリカ湿ケークを乾燥器(120℃)に入れて乾燥した後、マイクロメリティクス社製測定器、商品名「アサップ2010」を使用して、窒素吸着量を測定し、相対圧0.2における1点法の値を採用する。
(4)シリカの吸油量
JIS K6220に準じて求める。
(5)共重合体中のスチレン単位量
JIS K6383(屈折率法)に準じて測定する。
シリカ湿ケークを乾燥器(120℃)に入れて乾燥した後、マイクロメリティクス社製測定器、商品名「アサップ2010」を使用して、窒素吸着量を測定し、相対圧0.2における1点法の値を採用する。
(4)シリカの吸油量
JIS K6220に準じて求める。
(5)共重合体中のスチレン単位量
JIS K6383(屈折率法)に準じて測定する。
(6)シリカ含有率
熱分析装置TG/DSC(セイコー電子工業社製、商品名「TG/DTA320」)を用いて、乾燥試料の空気中での熱分解後の燃焼残分率及び150℃までの重量減少率を測定し、下記式を用いて算出し、共役ジエン系ゴム100重量部に対する量(重量部)に換算して示す。
なお、測定条件は、空気中で昇温速度20℃/min、到達温度600℃での保持時間20分とする。
シリカ含有率(%)=燃焼残分率/(100−(150℃までの重量減少率))×100
熱分析装置TG/DSC(セイコー電子工業社製、商品名「TG/DTA320」)を用いて、乾燥試料の空気中での熱分解後の燃焼残分率及び150℃までの重量減少率を測定し、下記式を用いて算出し、共役ジエン系ゴム100重量部に対する量(重量部)に換算して示す。
なお、測定条件は、空気中で昇温速度20℃/min、到達温度600℃での保持時間20分とする。
シリカ含有率(%)=燃焼残分率/(100−(150℃までの重量減少率))×100
(7)300%伸張応力
JIS K6251に準じて、商品名「ストログラフAE−CT」(東洋精機製作所社製)を用い、300%伸張時の応力を測定する。この数値が大きいほど、シリカ分散性が良好で機械的強度や補強性に優れる。
(8)低燃費性
ARES粘弾性測定装置(ティー・エー・インスツルメント社製)を用い、0.5%ねじり、20Hzの条件で60℃におけるtanδを測定する。測定結果について基準試料の測定値を100とする指数で表す(なお、本実施例では、比較例1を基準とした)。この数値が小さいほど、低燃費性に優れることを示す。
JIS K6251に準じて、商品名「ストログラフAE−CT」(東洋精機製作所社製)を用い、300%伸張時の応力を測定する。この数値が大きいほど、シリカ分散性が良好で機械的強度や補強性に優れる。
(8)低燃費性
ARES粘弾性測定装置(ティー・エー・インスツルメント社製)を用い、0.5%ねじり、20Hzの条件で60℃におけるtanδを測定する。測定結果について基準試料の測定値を100とする指数で表す(なお、本実施例では、比較例1を基準とした)。この数値が小さいほど、低燃費性に優れることを示す。
(9)シリカ分散性
ARES粘弾性測定装置(ティー・エー・インスツルメント社製)を用い、1Hzの条件で、60℃におけるねじれ量を0.05%から10%とした範囲で測定する。0.5%ねじれでのG’の値と、3%ねじれでのG’の差(=(0.5%ねじれでのG’の値)−(3%ねじれでのG’の値))をΔG’として求めた。測定結果について基準試料の測定値を100とする指数で表す(なお、本実施例では、比較例1を基準とした)。この数値が小さいほど、シリカ分散性が良好で、低燃費性に優れることを示す。
ARES粘弾性測定装置(ティー・エー・インスツルメント社製)を用い、1Hzの条件で、60℃におけるねじれ量を0.05%から10%とした範囲で測定する。0.5%ねじれでのG’の値と、3%ねじれでのG’の差(=(0.5%ねじれでのG’の値)−(3%ねじれでのG’の値))をΔG’として求めた。測定結果について基準試料の測定値を100とする指数で表す(なお、本実施例では、比較例1を基準とした)。この数値が小さいほど、シリカ分散性が良好で、低燃費性に優れることを示す。
(ゴムラテックスの製造例)
攪拌機付き耐圧反応器に、脱イオン水200部、ロジン酸石鹸1.5部、脂肪酸石鹸2.1部、1,3−ブタジエン57.5部及びスチレン42.5部からなる単量体、並びにt−ドデシルメルカプタン0.09部を仕込んだ。反応器温度を10℃とし、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド0.1部及びソディウム・ホルムアルデヒド・スルホキシレート0.06部からなる重合開始剤、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.014部並びに硫酸第二鉄0.02部を反応器に添加して重合を開始した。重合転化率が45%に達した時点で、t−ドデシルメルカプタン0.05部を添加し、更に反応を継続させた。重合転化率が70%に達した時点で、ジエチルヒドロキシルアミンを0.05部添加して反応を停止させた。
未反応単量体を水蒸気蒸留により除去した後、重合体100部に対して、老化防止剤として、スチレン化フェノール0.45部及び2,4−ビス(n−オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール0.15部を添加し、固形分濃度が23%のゴムラテックスを得た。
このゴムラテックスの一部を取り出し、硫酸でpH3〜5になるように調整しながら、塩化ナトリウムにより、50℃でゴムラテックスを凝固し、クラム状のゴムを得た。このクラムを80℃の熱風乾燥機で乾燥し、固形ゴムを得た。
また、上記ゴムラテックスの一部を取り出し、ゴムラテックス中のゴム100部に対して、伸展油(ブリティッシュペトロリアム社製、商品名「Enerthene1849A」)を脂肪酸石鹸により66%乳化水溶液として、37.5部を添加した。その後、硫酸でpH3〜5になるように調整しながら、塩化ナトリウムにより、伸展油を含むゴムラテックスを60℃で凝固し、クラム状のゴムを得た。このクラムを80℃の熱風乾燥機で乾燥して固形ゴムを得た。得られたゴムのスチレン単位含有量は35%、ムーニー粘度は70であった。得られた固形ゴムは、比較例1〜3に用いた。
攪拌機付き耐圧反応器に、脱イオン水200部、ロジン酸石鹸1.5部、脂肪酸石鹸2.1部、1,3−ブタジエン57.5部及びスチレン42.5部からなる単量体、並びにt−ドデシルメルカプタン0.09部を仕込んだ。反応器温度を10℃とし、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド0.1部及びソディウム・ホルムアルデヒド・スルホキシレート0.06部からなる重合開始剤、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.014部並びに硫酸第二鉄0.02部を反応器に添加して重合を開始した。重合転化率が45%に達した時点で、t−ドデシルメルカプタン0.05部を添加し、更に反応を継続させた。重合転化率が70%に達した時点で、ジエチルヒドロキシルアミンを0.05部添加して反応を停止させた。
未反応単量体を水蒸気蒸留により除去した後、重合体100部に対して、老化防止剤として、スチレン化フェノール0.45部及び2,4−ビス(n−オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール0.15部を添加し、固形分濃度が23%のゴムラテックスを得た。
このゴムラテックスの一部を取り出し、硫酸でpH3〜5になるように調整しながら、塩化ナトリウムにより、50℃でゴムラテックスを凝固し、クラム状のゴムを得た。このクラムを80℃の熱風乾燥機で乾燥し、固形ゴムを得た。
また、上記ゴムラテックスの一部を取り出し、ゴムラテックス中のゴム100部に対して、伸展油(ブリティッシュペトロリアム社製、商品名「Enerthene1849A」)を脂肪酸石鹸により66%乳化水溶液として、37.5部を添加した。その後、硫酸でpH3〜5になるように調整しながら、塩化ナトリウムにより、伸展油を含むゴムラテックスを60℃で凝固し、クラム状のゴムを得た。このクラムを80℃の熱風乾燥機で乾燥して固形ゴムを得た。得られたゴムのスチレン単位含有量は35%、ムーニー粘度は70であった。得られた固形ゴムは、比較例1〜3に用いた。
(シリカの製造例)
温度調整器付きの1m3ステンレス製反応容器に、珪酸ナトリウム水溶液(SiO2濃度:10g/L、モル比:SiO2/Na2O=3.41)150Lを投入し、95℃に昇温した。次いで、22%硫酸78Lと珪酸ナトリウム水溶液(SiO2濃度:90g/L、モル比:SiO2/Na2O=3.41)461Lとを同時に190分かけて投入した。10分間熟成後、22%硫酸15Lを15分かけて投入し、反応液のpHが3.1のシリカスラリーを得た。なお、上記反応は、反応液温度を95℃に保持し、反応液を常時攪拌しながら行なった。シリカスラリーをフィルタープレスで水洗、ろ過し、シリカ固形分含有量が27%のシリカ湿ケークを得た。
ここで、得られたシリカ湿ケークの一部を乾燥し、シリカ粉末を得た。このシリカ粉末のBET比表面積(SBET)、CTAB比表面積(SCTAB)、吸油量及び含水率を測定した。その結果、BET比表面積(SBET)は100m2/g、CTAB比表面積(SCTAB)は93m2/g、吸油量は165ml/100g、含水率は4.5%であった。得られたシリカ粉末は、比較例1〜3に用いた。
温度調整器付きの1m3ステンレス製反応容器に、珪酸ナトリウム水溶液(SiO2濃度:10g/L、モル比:SiO2/Na2O=3.41)150Lを投入し、95℃に昇温した。次いで、22%硫酸78Lと珪酸ナトリウム水溶液(SiO2濃度:90g/L、モル比:SiO2/Na2O=3.41)461Lとを同時に190分かけて投入した。10分間熟成後、22%硫酸15Lを15分かけて投入し、反応液のpHが3.1のシリカスラリーを得た。なお、上記反応は、反応液温度を95℃に保持し、反応液を常時攪拌しながら行なった。シリカスラリーをフィルタープレスで水洗、ろ過し、シリカ固形分含有量が27%のシリカ湿ケークを得た。
ここで、得られたシリカ湿ケークの一部を乾燥し、シリカ粉末を得た。このシリカ粉末のBET比表面積(SBET)、CTAB比表面積(SCTAB)、吸油量及び含水率を測定した。その結果、BET比表面積(SBET)は100m2/g、CTAB比表面積(SCTAB)は93m2/g、吸油量は165ml/100g、含水率は4.5%であった。得られたシリカ粉末は、比較例1〜3に用いた。
(シリカ水性懸濁液の製造例)
上記シリカの製造例で得られたシリカ湿ケーク及び純水を、水性懸濁液中のシリカ固形分含有量が15%になるように、ホモジナイザーを用いてシリカ湿ケークを粉砕しながら混合し、次いでカチオン性高分子(ポリジアリルメチルアンモニウムクロライド(重量平均分子量2万、カチオン当量分子量148))をシリカ固形分100部に対して3部となるように混合し、カチオン性高分子含有シリカ水性懸濁液を得た。シリカ水性懸濁液のシリカ粒子径は15μmであった。
上記シリカの製造例で得られたシリカ湿ケーク及び純水を、水性懸濁液中のシリカ固形分含有量が15%になるように、ホモジナイザーを用いてシリカ湿ケークを粉砕しながら混合し、次いでカチオン性高分子(ポリジアリルメチルアンモニウムクロライド(重量平均分子量2万、カチオン当量分子量148))をシリカ固形分100部に対して3部となるように混合し、カチオン性高分子含有シリカ水性懸濁液を得た。シリカ水性懸濁液のシリカ粒子径は15μmであった。
(共凝固物の製造例)
ゴムラテックス製造例で得られたゴムラテックス3.91部と、脂肪酸石鹸により66%乳化水溶液とした伸展油(ブリティッシュペトロリアム社製、商品名「Enerthene1849A」)0.51部とを混合した。得られた混合液を純水8.0部で希釈し、60℃に昇温した。次いで、混合液に上記シリカ水性懸濁液製造例で得られたシリカ水性懸濁液液4.2部を攪拌しながら添加した。次いで、これに10%硫酸を添加し、重合体ラテックスとシリカとを完全に共凝固した。混合液の最終的なpHは6.8であった。なお、各操作は、混合液の温度を60℃に維持して行なった。
得られた共凝固物をろ過し、70℃で真空乾燥して、重合体ゴム、伸展油及びシリカを含有するクラム状の共凝固物1.8部を得た。共凝固物中のシリカ含有量は、重合体ゴム固形分100部に対して70部であり、共凝固物の含水率は0.2%であった。得られた共凝固物は、実施例1〜2及び比較例4〜5で用いた。
ゴムラテックス製造例で得られたゴムラテックス3.91部と、脂肪酸石鹸により66%乳化水溶液とした伸展油(ブリティッシュペトロリアム社製、商品名「Enerthene1849A」)0.51部とを混合した。得られた混合液を純水8.0部で希釈し、60℃に昇温した。次いで、混合液に上記シリカ水性懸濁液製造例で得られたシリカ水性懸濁液液4.2部を攪拌しながら添加した。次いで、これに10%硫酸を添加し、重合体ラテックスとシリカとを完全に共凝固した。混合液の最終的なpHは6.8であった。なお、各操作は、混合液の温度を60℃に維持して行なった。
得られた共凝固物をろ過し、70℃で真空乾燥して、重合体ゴム、伸展油及びシリカを含有するクラム状の共凝固物1.8部を得た。共凝固物中のシリカ含有量は、重合体ゴム固形分100部に対して70部であり、共凝固物の含水率は0.2%であった。得られた共凝固物は、実施例1〜2及び比較例4〜5で用いた。
(架橋性ゴム組成物及び架橋成形体の調製)
表1に示す配合処方及び混練方法を用いて、架橋性ゴム組成物及び架橋成形体を得た。
なお、表1に示す各種ゴム成分及び配合剤は、以下のとおりである。
・共凝固物:上記共凝固物の製造例によって得た(ゴム100部/シリカ70部/伸展油37.5部)
・スチレンブタジエンゴム(ESBR):ゴムラテックスの製造例によって得られたゴムラテックスを凝固、脱水及び乾燥して得た固形ゴム(ゴム:100部/伸展油:37.5部)
・シリカ:シリカの製造例によって得られたシリカ粉末(BET比表面積(SBET):100m2/g、CTAB比表面積(SCTAB):93m2/g、吸油量:165ml/100g)
・シランカップリング剤:ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(デグサ社製、商品名「Si69」)
・プロセスオイル:商品名「Enerthene1849A」(ブリティッシュペトロリアム社製)
・カーボンブラック:東海カーボン社製、商品名「シースト7HM」
・ステアリン酸
・酸化亜鉛:亜鉛華1号
・老化防止剤:N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(大内新興化学工業社製、商品名「ノクラック6C」)
・硫黄:サルファー#325
・架橋促進剤:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(大内新興化学工業社製、商品名「ノクセラーCZ」)
表1に示す配合処方及び混練方法を用いて、架橋性ゴム組成物及び架橋成形体を得た。
なお、表1に示す各種ゴム成分及び配合剤は、以下のとおりである。
・共凝固物:上記共凝固物の製造例によって得た(ゴム100部/シリカ70部/伸展油37.5部)
・スチレンブタジエンゴム(ESBR):ゴムラテックスの製造例によって得られたゴムラテックスを凝固、脱水及び乾燥して得た固形ゴム(ゴム:100部/伸展油:37.5部)
・シリカ:シリカの製造例によって得られたシリカ粉末(BET比表面積(SBET):100m2/g、CTAB比表面積(SCTAB):93m2/g、吸油量:165ml/100g)
・シランカップリング剤:ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(デグサ社製、商品名「Si69」)
・プロセスオイル:商品名「Enerthene1849A」(ブリティッシュペトロリアム社製)
・カーボンブラック:東海カーボン社製、商品名「シースト7HM」
・ステアリン酸
・酸化亜鉛:亜鉛華1号
・老化防止剤:N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(大内新興化学工業社製、商品名「ノクラック6C」)
・硫黄:サルファー#325
・架橋促進剤:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(大内新興化学工業社製、商品名「ノクセラーCZ」)
〔実施例1〕
(第1工程)
バンバリーミキサー(東洋精機社製、「ラボプラストミル」型式100C、商品名「ミキサータイプB−250」)を用いて、混練温度80℃、ローター回転数70rpmとして、共凝固物の製造例で得た共凝固物207.5部を混練し、これにシランカップリング剤4.2部を添加した後、混練した。次いで、2分経過後に、プロセスオイル2.5部、カーボンブラック5部及びステアリン酸2部を添加して混練を続け、5分経過後に混練物を排出して、放冷して室温まで降下させ、第1ゴム配合物を得た。なお、混練温度が160℃に達した時点でローター回転数を50rpmとして、混練温度を160℃に3分間維持した。
(第2工程)
バンバリーミキサーに第1ゴム配合物221.2部、酸化亜鉛3部及び老化防止剤2部を添加し、混練開始温度80℃、ローター回転数70rpmとして混練した。そして3分経過後に混練物を排出して第2ゴム配合物を得た。また、混練温度が145℃に達した時点でローター回転数を50rpmとして、混練温度を145℃に2分間維持した。そして、バンバリーミキサーより排出した第2ゴム配合物は、放冷して室温まで降下させた。
(第3工程)
50℃のオープンロールに、第2ゴム配合物226.2部、硫黄2部及び架橋促進剤1.5部を添加して混練した後、シート状の架橋性ゴム組成物1を得た。
(架橋成形による架橋成形体の製造)
次いで、上記架橋性ゴム組成物1を、160℃で15分間プレス加硫し、架橋成形体1を得た。
(第1工程)
バンバリーミキサー(東洋精機社製、「ラボプラストミル」型式100C、商品名「ミキサータイプB−250」)を用いて、混練温度80℃、ローター回転数70rpmとして、共凝固物の製造例で得た共凝固物207.5部を混練し、これにシランカップリング剤4.2部を添加した後、混練した。次いで、2分経過後に、プロセスオイル2.5部、カーボンブラック5部及びステアリン酸2部を添加して混練を続け、5分経過後に混練物を排出して、放冷して室温まで降下させ、第1ゴム配合物を得た。なお、混練温度が160℃に達した時点でローター回転数を50rpmとして、混練温度を160℃に3分間維持した。
(第2工程)
バンバリーミキサーに第1ゴム配合物221.2部、酸化亜鉛3部及び老化防止剤2部を添加し、混練開始温度80℃、ローター回転数70rpmとして混練した。そして3分経過後に混練物を排出して第2ゴム配合物を得た。また、混練温度が145℃に達した時点でローター回転数を50rpmとして、混練温度を145℃に2分間維持した。そして、バンバリーミキサーより排出した第2ゴム配合物は、放冷して室温まで降下させた。
(第3工程)
50℃のオープンロールに、第2ゴム配合物226.2部、硫黄2部及び架橋促進剤1.5部を添加して混練した後、シート状の架橋性ゴム組成物1を得た。
(架橋成形による架橋成形体の製造)
次いで、上記架橋性ゴム組成物1を、160℃で15分間プレス加硫し、架橋成形体1を得た。
〔実施例2〕
実施例1で使用したと同じバンバリーミキサーを使用して共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物の混練を行い、混練開始から2分経過後(混練温度155℃)の時点で、シランカップリング剤を、カーボンブラック及びステアリン酸と共に添加して混練した以外は、実施例1と同様にして、架橋成形体2を得た。
実施例1で使用したと同じバンバリーミキサーを使用して共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物の混練を行い、混練開始から2分経過後(混練温度155℃)の時点で、シランカップリング剤を、カーボンブラック及びステアリン酸と共に添加して混練した以外は、実施例1と同様にして、架橋成形体2を得た。
〔実施例3〕
第1工程及び第2工程における混練時のバンバリーミキサーのローター回転数を、いずれも混練開始から混練終了まで50rpmに変更するほかは、実施例1と同様にして、架橋成形体3を得た。なお、第1工程において、混練温度を140℃に3分間維持した。また、第2工程において、混練温度を125℃に2分間維持した。
第1工程及び第2工程における混練時のバンバリーミキサーのローター回転数を、いずれも混練開始から混練終了まで50rpmに変更するほかは、実施例1と同様にして、架橋成形体3を得た。なお、第1工程において、混練温度を140℃に3分間維持した。また、第2工程において、混練温度を125℃に2分間維持した。
〔比較例1〕
(第1工程)
ゴムラテックスの製造例により得た固形ゴム(ESBR)137.5部をバンバリーミキサーに投入し、混練開始温度80℃、ローター回転数50rpm一定として混練した。次いで、30秒経過後に、混練開始温度が100℃になった後シリカ50部及びシランカップリング剤4.2部を添加して混練を続け、次いで2分経過後に、シリカ20部、プロセスオイル2.5部、カーボンブラック5部、ステアリン酸2部、酸化亜鉛3部及び老化防止剤2部をそれぞれ添加して更に混練を続け、5分経過後に混練物を排出して“第1ゴム配合物”を得た。第1工程における所定混練温度は140℃であった。そして、バンバリーミキサーより排出した“第1ゴム配合物”は、放冷して室温まで降下させた。
(第2工程)
次に、バンバリーミキサーに“第1ゴム配合物”226.2部を投入し、混練開始温度80℃、ローター回転数50rpm一定として混練した。この時に追加の配合剤は一切添加しなかった。3分経過後に混練物を排出して、放冷して室温まで降下させて“第2ゴム配合物”を得た。第2ゴム配合物排出時の混練温度は125℃であった。
(第3工程)及び(架橋成形による架橋成形体の製造)
実施例1と同様の操作を行い、架橋成形体C1を得た。
(第1工程)
ゴムラテックスの製造例により得た固形ゴム(ESBR)137.5部をバンバリーミキサーに投入し、混練開始温度80℃、ローター回転数50rpm一定として混練した。次いで、30秒経過後に、混練開始温度が100℃になった後シリカ50部及びシランカップリング剤4.2部を添加して混練を続け、次いで2分経過後に、シリカ20部、プロセスオイル2.5部、カーボンブラック5部、ステアリン酸2部、酸化亜鉛3部及び老化防止剤2部をそれぞれ添加して更に混練を続け、5分経過後に混練物を排出して“第1ゴム配合物”を得た。第1工程における所定混練温度は140℃であった。そして、バンバリーミキサーより排出した“第1ゴム配合物”は、放冷して室温まで降下させた。
(第2工程)
次に、バンバリーミキサーに“第1ゴム配合物”226.2部を投入し、混練開始温度80℃、ローター回転数50rpm一定として混練した。この時に追加の配合剤は一切添加しなかった。3分経過後に混練物を排出して、放冷して室温まで降下させて“第2ゴム配合物”を得た。第2ゴム配合物排出時の混練温度は125℃であった。
(第3工程)及び(架橋成形による架橋成形体の製造)
実施例1と同様の操作を行い、架橋成形体C1を得た。
〔比較例2〕
第1工程における混練時のバンバリーミキサーのローター回転数を、混練開始時に70rpm、混練温度が160℃に達した時点で50rpmとし、第2工程における混練時のバンバリーミキサーのローター回転数を、混練開始時に70rpmとし、混練温度が145℃に達した時点で50rpmとするほかは、比較例1と同様にして、架橋成形体C2を得た。
第1工程における混練時のバンバリーミキサーのローター回転数を、混練開始時に70rpm、混練温度が160℃に達した時点で50rpmとし、第2工程における混練時のバンバリーミキサーのローター回転数を、混練開始時に70rpmとし、混練温度が145℃に達した時点で50rpmとするほかは、比較例1と同様にして、架橋成形体C2を得た。
〔比較例3〕
第1工程において、ゴムラテックスの製造例により得た固形ゴム137.5部、シリカ50部、シランカップリング剤4.2部及びプロセスオイル2.5部、を添加して混練を続け、次いで2分経過後に、シリカ20部、カーボンブラック5部及びステアリン酸2部を添加し、第2工程において酸化亜鉛3部及び老化防止剤2部を添加した以外は、比較例2と同様にして、架橋成形体C3を得た。
第1工程において、ゴムラテックスの製造例により得た固形ゴム137.5部、シリカ50部、シランカップリング剤4.2部及びプロセスオイル2.5部、を添加して混練を続け、次いで2分経過後に、シリカ20部、カーボンブラック5部及びステアリン酸2部を添加し、第2工程において酸化亜鉛3部及び老化防止剤2部を添加した以外は、比較例2と同様にして、架橋成形体C3を得た。
〔比較例4〕
(第1工程)
共凝固物207.5部に、シランカップリング剤4.2部を添加した後、バンバリーミキサーに投入し、混練開始温度80℃、ローター回転数50rpm一定で混練した。そして2分経過後に、プロセスオイル2.5部、カーボンブラック5部、ステアリン酸2部、酸化亜鉛3部及び老化防止剤2部を添加して混練を続け、5分経過後に混練物を排出して第1ゴム配合物を得た。第1ゴム配合物排出時の混練温度は140℃であった。バンバリーミキサーより排出した第1ゴム配合物は、放冷して室温まで降下させた。
(第2工程)
バンバリーミキサーに第1ゴム配合物226.2部を添加し、混練開始温度80℃、ローター回転数50rpm一定で混練した。この時に、追加の配合剤は添加しなかった。3分経過後に混練物を排出して第2ゴム配合物を得た。その時の混練温度は125℃であった。
バンバリーミキサーより排出した第2ゴム配合物は、放冷して室温まで降下させた。
(第3工程)及び(架橋成形による架橋成形体の製造)
実施例1と同様の操作を行い、架橋成形体C4を得た。
(第1工程)
共凝固物207.5部に、シランカップリング剤4.2部を添加した後、バンバリーミキサーに投入し、混練開始温度80℃、ローター回転数50rpm一定で混練した。そして2分経過後に、プロセスオイル2.5部、カーボンブラック5部、ステアリン酸2部、酸化亜鉛3部及び老化防止剤2部を添加して混練を続け、5分経過後に混練物を排出して第1ゴム配合物を得た。第1ゴム配合物排出時の混練温度は140℃であった。バンバリーミキサーより排出した第1ゴム配合物は、放冷して室温まで降下させた。
(第2工程)
バンバリーミキサーに第1ゴム配合物226.2部を添加し、混練開始温度80℃、ローター回転数50rpm一定で混練した。この時に、追加の配合剤は添加しなかった。3分経過後に混練物を排出して第2ゴム配合物を得た。その時の混練温度は125℃であった。
バンバリーミキサーより排出した第2ゴム配合物は、放冷して室温まで降下させた。
(第3工程)及び(架橋成形による架橋成形体の製造)
実施例1と同様の操作を行い、架橋成形体C4を得た。
実施例1〜3及び比較例1〜4で、それぞれ、得た架橋成形体1〜3及びC1〜C4について各物性を測定した。結果を表1に示す。
表1から、以下のようなことが分かる。
従来から行なわれている、共役ジエン系ゴムとシリカの乾式法による混練混合では、シリカ分散性が不十分なために、特に強度、低燃費性に劣る(比較例1)。
比較例2のように混練条件を変更することによって、比較例1に対して若干の物性の向上が見られるが、まだ不十分である。
比較例3のように酸化亜鉛及び老化防止剤の添加方法を、本発明と同様にした場合、比較例1に対して若干の物性の向上が見られるが、まだ不十分である。
比較例4のように、共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物を用いても、第1工程で、シランカップリング剤及び酸化亜鉛を同時に混練した場合は、比較例1〜3に比較して、強度と低燃費性に優れるものの、まだ不十分である。
従来から行なわれている、共役ジエン系ゴムとシリカの乾式法による混練混合では、シリカ分散性が不十分なために、特に強度、低燃費性に劣る(比較例1)。
比較例2のように混練条件を変更することによって、比較例1に対して若干の物性の向上が見られるが、まだ不十分である。
比較例3のように酸化亜鉛及び老化防止剤の添加方法を、本発明と同様にした場合、比較例1に対して若干の物性の向上が見られるが、まだ不十分である。
比較例4のように、共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物を用いても、第1工程で、シランカップリング剤及び酸化亜鉛を同時に混練した場合は、比較例1〜3に比較して、強度と低燃費性に優れるものの、まだ不十分である。
これに対して、本発明に規定する製造方法によって得た架橋性ゴム組成物から成形された架橋成形体は、強度、低燃費性及びシリカ分散性に優れることがわかる(実施例1〜3)。
Claims (5)
- 共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物とシランカップリング剤(A)とを混練して第1ゴム配合物を調製する第1工程、第1ゴム配合物と酸化亜鉛(B)とを混練して第2ゴム配合物を調製する第2工程、及び第2ゴム配合物と架橋剤(C)とを混練して架橋性ゴム組成物を調製する第3工程を有する架橋性ゴム組成物の製造方法。
- 第1工程における混練温度が130℃〜200℃であり、第2工程における混練温度が120℃〜160℃である請求項1に記載の架橋性ゴム組成物の製造方法。
- 共役ジエン系ゴム−シリカ共凝固物が、共役ジエン系ゴムの溶液又は水分散液とシリカとの混合物から、共役ジエン系ゴム及びシリカを共凝固させて得られるものである請求項1又は2に記載の架橋性ゴム組成物の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法により得られる架橋性ゴム組成物。
- 請求項4に記載の架橋性ゴム組成物を架橋成形してなる架橋成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006258290A JP2008075035A (ja) | 2006-09-25 | 2006-09-25 | 架橋性ゴム組成物の製造方法、架橋性ゴム組成物及び架橋成形体 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006258290A JP2008075035A (ja) | 2006-09-25 | 2006-09-25 | 架橋性ゴム組成物の製造方法、架橋性ゴム組成物及び架橋成形体 |
Publications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017119874A (ja) * | 2017-02-01 | 2017-07-06 | 株式会社カネカ | 流動性を改善した熱硬化性樹脂組成物及びそれを用いた半導体のパッケージ |
-
2006
- 2006-09-25 JP JP2006258290A patent/JP2008075035A/ja active Pending
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