JP2008070441A - 光学シート、及び該光学シートの製造方法 - Google Patents

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博 関口
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Abstract

【課題】いずれの方向にも拡散角度を大きくとることができる光学シート、及び容易に再利用に供することが可能である光学シートを提供する。
【解決手段】入光側からレンチキュラーレンズ層11と、遮光層15とを備える光学シート10であって、レンチキュラーレンズ層が、1枚のベースシート14の一方の面に複数のレンチキュラーレンズ12a、12a、…が並列される入光側レンチキュラーレンズ部12と、ベースシートの他方の面に、入光側レンチキュラーレンズと直交する向きで複数のレンチキュラーレンズ13a、13a、…が並列される出光側レンチキュラーレンズ部13とを有し、遮光層が、出光側レンチキュラーレンズ部の出光側面上に、遮光部16、16、…、及び入光側レンチキュラーレンズ部のレンチキュラーレンズの焦点位置に近接して設けられる透過開口17、17、…を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、リアプロジェクションテレビ等の透過型スクリーンに適用されるレンチキュラーレンズを有する光学シート、及びその製造方法に関する。
リアプロジェクションテレビは、プロジェクターからの映像光をスクリーンで制御して観察者に適切な映像を提供する装置である。図8にリアプロジェクションテレビ100の内部構成を模式的に示した。紙面右が観察者側である。また、図8にはプロジェクター102から投射された映像光がスクリーン104を介して観察者側に投射されるまでの映像光の経路を一点鎖線の矢印で例示した。
リアプロジェクションテレビ100は、筐体101の内側に、映像光を投射するプロジェクター102と、該プロジェクター102からの映像光を観察者側に反射する反射鏡103とを有し、さらに反射鏡103からの光を適切に映像として分配して透過させるスクリーン104とを主要に備えている。
スクリーン104は、光源側に配置されてプロジェクター102からの映像光を所定の範囲に絞るフレネルレンズシート、及び観察者側に配置されてフレネルレンズシートを透過した映像光を制御して適切に観察者に提供する光学シートを備えている。
光学シートは、上記のようにフレネルレンズシートからの映像光を制御して観察者に適切な映像光を提供するものであるが、一方で、外光を遮断する機能も有している。そのため光学シートの1つの例として、入光側に複数のマイクロレンズ(凸状の3次元レンズ)が配列されたマイクロレンズシートと、該マイクロレンズシートの観察者側に積層され、マイクロレンズの略焦点位置に透過開口を有する遮光層とを備えたものがある。これによればマイクロレンズに入光した映像光は、遮光層の透過開口近傍で焦点を結ぶ。そして、該焦点の観察者側では映像光は水平、垂直及びその間の斜め方向のいずれの方向にも拡散する。従って観察者側はどの位置からも適切に映像を観察することができる。さらに遮光層の透過開口以外の部分では外光を吸収し、外光が映像光に影響を与えることを抑制することができるので、コントラストを向上させることができる。
しかし、かかるマイクロレンズは近年における光学シートの高精度、高密度化に伴い、その製造の困難性が増しており、容易に製造することができる光学シートが求められていた。
これに対して、凸状の2次元レンズであるレンチキュラーレンズが採用された光学シートがある。これは、入光側に複数のレンチキュラーレンズを並列させるとともに、その焦点位置近傍に透過開口を有する遮光層を備えるというものである。これによって光学シートの製造に関しては、マイクロレンズを有するものに比べて容易となった。しかし、レンチキュラーレンズは2次元形状のレンズであるため、水平方向、又は垂直方向のような1方向にしか光を拡散させることができず、それと直角の方向に拡散させるためには遮光層の出光側面に光拡散剤を有する層(光拡散層)を積層する必要があった。当該光拡散層は、光を拡散させることができるが、同時に迷光も生じるので過渡の拡散機能を備えさせることは、映像光に不具合を生じることもあった。加えてコントラストの低下を招く問題もあった。
また、通常は上記レンチキュラーレンズにより水平方向の拡散角度を大きく確保し、垂直方向を上記光拡散層により拡散させていた。しかし、上記迷光やコントラストの観点で光拡散剤の添加量には限界があるため、光拡散層による垂直方向の光拡散では、十分な拡散角度を得ることができない場合があった。
そこで、特許文献1には2種類の並列したレンチキュラーレンズを有するレンチキュラーレンズ層を備えた光学シートが開示されている。これは、いわゆるクロスレンチキュラーレンズと呼ばれ、入光側に垂直方向を長手方向として並列されたレンチキュラーレンズと、その出光側に水平方向を長手方向として並列されたレンチキュラーレンズとを備えている。そしてさらにその出光側に積層された樹脂層と、該樹脂層の出光側に積層され、上記レンチキュラーレンズの略焦点位置に透過開口を有する遮光層とを具備している。加えて該遮光層の出光側には映像光の拡散を補助するための光拡散層(前面板)が設けられている。これによれば依然拡散層は必要であるものの、該拡散層の拡散剤量を低く抑えることができ、上記の迷光を抑制し、コントラストの低下を防止して映像への悪影響を減じることが可能となる。
特開2004−246352号公報
しかし、特許文献1に記載の光学シートでは、垂直視野角は向上したものの、さらなる向上をはかる必要があった。また、出光側のレンズ面と遮光層との間に樹脂層が厚く形成され、近年における高密度化、高精細化の要求に応えるための改善が必要であった。
加えて、近年における社会的な資源再利用の傾向から、光学シートにおいてもレンチキュラーレンズ層と拡散層とを剥離し、再利用に供したいという要望があった。しかし、特許文献1に記載の光学シートの1態様として記載されているように、従来ではレンチキュラーレンズ層と拡散層とは、紫外線硬化樹脂等によって接着され、再利用に供することは困難であった。また、一度接着してしまうと剥離することができず、接着間違いを修正することができなかった。
一方で、特許文献1には、上記拡散層は独立して設けられる旨も開示されているが、これによりホコリ等の異物混入や経時変化による位置ずれ等の虞があり、より信頼性の高い光学シートを提供するためには接着することが必要であった。
そこで本発明では、いずれの方向にも拡散角度を大きくとることができる光学シート、及び容易に再利用に供することが可能である光学シートを提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、入光側からレンチキュラーレンズ層(11)と、遮光層(15)とを備える光学シート(10)であって、レンチキュラーレンズ層が、1枚のベースシート(14)の一方の面に複数のレンチキュラーレンズ(12a、12a、…)が並列される入光側レンチキュラーレンズ部(12)と、ベースシートの他方の面に、入光側レンチキュラーレンズと直交する向きで複数のレンチキュラーレンズ(13a、13a、…)が並列される出光側レンチキュラーレンズ部(13)とを有し、遮光層が、出光側レンチキュラーレンズ部の出光側面上に、遮光部(16、16、…)、及び入光側レンチキュラーレンズ部のレンチキュラーレンズの焦点位置に近接して設けられる透過開口(17、17、…)を有する光学シートを提供することにより前記課題を解決する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光学シート(10)の入光側レンチキュラーレンズ部(12)、及び出光側レンチキュラーレンズ部(13)の少なくとも一方が紫外線硬化樹脂からなることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の光学シート(10)の入光側レンチキュラーレンズ部(12)、及び出光側レンチキュラーレンズ部(13)の少なくとも一方が熱可塑性樹脂からなることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学シート(10)の遮光層(15)のさらに出光面側に、接着剤層(20)と、光拡散層(25)とを備え、接着剤層が、遮光層と、前記光拡散層との間に、該光拡散層の外周端部に沿って配置されたホットメルト接着剤層であることを特徴とする。
ここで、「外周端部」とは光学シートのテレビへの取り付け部等の、映像提供に寄与しない端部を意味する。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の光学シート(10)の遮光層(15)、光拡散層(25)、及びホットメルト接着剤層(20)により囲まれた部位が負圧とされていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学シート(10)を製造する方法であって、ベースシート(14)の表裏に入光側レンチキュラーレンズ部(12)及び出光側レンチキュラーレンズ部(13)を成型する工程と、出光側レンチキュラーレンズ部の表面に遮光層(15)を形成する工程とを含む光学シートの製造方法を提供することにより前記課題を解決する。
請求項7に記載の発明は、請求項4又は5に記載の光学シートを製造する方法であって、ベースシート(14)の表裏に入光側レンチキュラーレンズ部(12)及び出光側レンチキュラーレンズ部(13)を成型する工程と、出光側レンチキュラーレンズ部の表面に遮光層(15)を形成する工程と、遮光層の外周端部に沿ってホットメルト接着剤層(20)を設ける工程と、ホットメルト接着剤層の遮光層とは反対側に光拡散層(25)を積層させる工程と、ホットメルト接着剤に対して高周波交番磁界を付加する工程と、を含む光学シートの製造方法を提供することにより前記課題を解決する。
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の光学シートの製造方法の出光側レンチキュラーレンズ部(13)の表面に遮光層(15)を形成する工程が、出光側レンチキュラーレンズ部の全面に遮光部(16、16、…)を形成する材料を供給する工程と、入光側レンチキュラーレンズ部(12)側から光を照射する工程と、を含み、該照射のアブレーション作用により透過開口(17、17、…)に対応する部分に存する遮光部を形成する材料を除去して透過開口が形成されることを特徴とする。
本発明の光学シート、及び該光学シートの製造方法により、入光側レンチキュラーレンズと遮光層の透過開口とが近くに配置されている。これにより、透過開口に近接した位置にレンズの焦点を形成したとき、大きな角度をもって集光させることができる。すなわち遮光部の割合を多く、コントラストを高く維持しつつ、拡散角度を大きくとることが可能となる。加えて、出光側レンチキュラーレンズのレンズ面が透過開口に接し、ここは空気又は負圧とされた層なので、屈折率差を大きくし、ここでも拡散角度を大きくとることができる。以上より、水平、垂直、及びその間の斜め方向のいずれの方向にも大きな拡散角度を取ることができる光学シートを提供することが可能となる。
さらには、拡散層の接着が再溶融可能であるホットメルト接着剤によりされているので、容易に剥離することができ、再利用に供することが可能な光学シートとすることができる。また、容易に剥離することができることにより、貼り直しが可能となり、製造の歩留まりを向上させることもできる。そして、該接着剤が光学シートの映像提供には寄与しない部分にのみ配置されている。従って、接着、及び剥離が繰り返されても光学的な機能を低下させるような損傷を各層に与えることがないので、繰り返しの使用においても品質を維持し、その信頼性を向上させることが可能である。
本発明のこのような作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の1つの実施形態にかかる光学シート10の一部分を示した分解斜視図、図2は水平断面図、図3は垂直断面図である。そして図1〜図3では光学シート10の特に端部に注目して層構成を示した。図1では紙面左上が光源側でフレネルレンズシートが配置されている。紙面右下が観察者側である。図2、及び図3では紙面左が光源側、紙面右が観察者側である。図3では、一点鎖線の上下で異なる部位の断面を示している。具体的には後述するように一点鎖線の上側は遮光部16を含む断面、一点鎖線の下側は透過開口17を含む断面である。また、図1〜3では見易さのため繰り返しとなる符号の一部を省略して示している。図1〜図3を参照しつつ光学シート10の構成について説明する。
光学シート10は、光源側からレンチキュラーレンズ層11と、遮光層15と、ホットメルト接着剤層20と、光拡散層25とをこの順に備えている。以下各々について説明する。
レンチキュラーレンズ層11は、ベースシート14と、該ベースシート14の光源側に配置される入光側レンチキュラーレンズ部12と、ベースシート14の観察者側に配置される出光側レンチキュラーレンズ部13とを有している。
ベースシート14は、入光側及び出光側レンチキュラーレンズ部12、13の基礎となるシートで、光を透過させる材料により形成されている。このような材料であれば特に限定されるものではないが、これには例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー、酸変性ポリオレフィン、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリアセタール、ポリメチルメタクリレート、ポリフェニレンオキシド、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート(略称として「PET」と記載することがある。)、ポリブタジエンテレフタレート、ナイロン等の単体、又は混合体(共押出フィルム等)、及びラミネート品等を挙げることができる。
ベースシート14の厚さは、通常、後述する入光側レンチキュラーレンズ部12のレンチキュラーレンズ12a、12a、…が有する焦点距離により決定される。これは、後述のように当該焦点が、遮光層15の透過開口17に近接した位置に具備されることが好ましいからである。従ってベースシート14の厚さは特に限定されるものではないが、通常30〜200μmであり、高精細である光学シートにおいては30μm程度が好ましい。
また、ベースシート14は、使用する材料により態様が異なり、特に限定されるものではないが、PETを用いることが好ましく、その屈折率は1.60程度である。
入光側レンチキュラーレンズ部12は、ベースシート14の光源側に配置される。そして、該光源側を凸に、垂直方向を長手方向にした複数のレンチキュラーレンズ12a、12a、…が水平方向に並列されている。レンチキュラーレンズ12a、12a、…は通常のレンチキュラーレンズを用いることができるが、例えば高さが20〜100μmであるレンチキュラーレンズ12a、12a、…をピッチ50〜250μmで配列することにより入光側レンチキュラーレンズ部12を形成することができる。
レンチキュラーレンズ12a、12a、…には光を透過させることできる材料が適用される。これには例えばポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(PMMA等)、ポリスチレン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂や、不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン系アクリレート等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。また、それぞれ単独、又は上記熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とを混合して使用することができる。
また、これら熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂には、ラジカル重合性不飽和基を有する熱成形性物質、又はこれらにラジカル重合性不飽和単量体を加えて電離放射線、非電離放射線硬化性を向上させても良い。また、さらに紫外線吸収剤や光開始剤を配合して、特に紫外線硬化性を向上させたいわゆる紫外線硬化樹脂を使用することができる。これにより、例えばレンチキュラーレンズ12a、12a…を半溶融した上記樹脂で形を形成し、紫外線を照射することにより硬化させてベースシート14にレンチキュラーレンズ12a、12a…を配置することが可能となる。
かかる材料により形成されたレンチキュラーレンズ12a、12a、…の屈折率は、1.4〜1.6程度であることが好ましい。具体的な値は当該屈折率及び上記ベースシート14の厚さ等との関係により、レンチキュラーレンズ12a、12a、…の焦点が遮光層15の透過開口17に近接して形成されるように決定する。
出光側レンチキュラーレンズ部13は、ベースシート14の観察者側に配置される。そして、該観察者側を凸に、水平方向を長手方向にした複数のレンチキュラーレンズ13a、13a、…が垂直方向に並列されている。レンチキュラーレンズ13a、13a、…は通常のレンチキュラーレンズを用いることができるが、例えば高さが5〜40μmであるレンチキュラーレンズ13a、13a、…をピッチ20〜100μmで配列することにより出光側レンチキュラーレンズ部13を形成することができる。
レンチキュラーレンズ13a、13a、…には、光を透過させることできる材料が適用される。これには例えばポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(PMMA等)、ポリスチレン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂や、不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン系アクリレート等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。また、それぞれ単独、又は上記熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とを混合して使用することができる。
また、これら熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂には、ラジカル重合性不飽和基を有する熱成形性物質、又はこれらにラジカル重合性不飽和単量体を加えて電離放射線、非電離放射線硬化性を向上させても良い。また、さらに紫外線吸収剤や光開始剤を配合して、特に紫外線硬化性を向上させたいわゆる紫外線硬化樹脂を使用することができる。これにより、例えばレンチキュラーレンズ13a、13a…を半溶融した上記樹脂で形を形成し、紫外線を照射することにより硬化させてベースシート14にレンチキュラーレンズ13a、13a…を配置することが可能となる。
レンチキュラーレンズ13a、13a、…に用いられる材料は、上記したレンチキュラーレンズ12a、12a、…に用いられる材料と異なるものであっても良い。ただし、取り扱い、コスト等の観点から同じであることが好ましい。
かかる材料により形成されたレンチキュラーレンズ13a、13a、…の屈折率は、1.4〜1.6μm程度であることが好ましい。これにより後述する透過開口17に存する空気又は負圧空気層との屈折率差を大きくとることができ、これにともなって拡散角度を大きくすることが可能となる。
以上のような構成のレンチキュラーレンズ層11により、後述するようにフルネルレンズを透過した映像光を水平方向、及び垂直方向のみでなく、その間の斜めのいずれの方向にも拡散することができる光学シート10を提供することが可能となる。
引き続き光学シート10の構成について説明する。遮光層15は、上記レンチキュラーレンズ層11の出光側レンチキュラーレンズ部13上に直接形成される。そして、当該遮光層15は、遮光機能を有するとともに所定の部分では光の透過が許容されている。具体的には、遮光層15は、入光側のレンチキュラーレンズ12a、12a、…の焦点位置に対応した部位に透過開口17、17、…を有するとともに、それ以外の部分は遮光機能を具備する遮光部16、16、…とされている。レンチキュラーレンズ12a、12a、…の焦点は該レンチキュラーレンズ12a、12a、…の長手方向に平行に形成されるので、本実施形態において遮光層15は、遮光部16、16、…と透過開口17、17、…とが縦のストライプ状になる。ここで遮光部16、16、…と透過開口17、17、…との割合は光学シート10の観察者側からの正面視で、透過開口17、17、…が、遮光部16、16、…の面積に対して30%以下であることが好ましい。
このように形成された遮光層15により、プロジェクターからの映像光を適切に観察者側に投射するとともに、外光がレンチキュラーレンズ層11内に入ることを抑制して、コントラストの良い映像を提供することのできる光学シート10となる。
また、レンチキュラーレンズ層11、及び遮光層15において、本発明の光学シート10では、従来のように、出光側レンチキュラーレンズ部13と遮光層15との間に例えば樹脂層等のような他の層が挿入されていない。これにより、当該他の層を形成するための材料、及び製造工程をなくすことができ、光学シート10の構成の簡素化、及びコストダウンが可能となる。
さらには、入光側レンチキュラーレンズ12a、12a、と遮光層15の透過開口17、17、…とが近くに配置されている。これにより、透過開口17、17、…に近接した位置にレンズの焦点を形成したとき、大きな角度をもって集光させ、その後拡散させることができる。すなわち遮光部の割合を多く、コントラストを高く維持しつつ、拡散角度を大きくとることが可能となる。加えて、出光側レンチキュラーレンズ13a、13a、…のレンズ面が透過開口17、17、…に接し、ここは空気又は負圧とされた層なので、屈折率差を大きくし、ここでも拡散角度を大きくとることができる。本来、出光側を凸とする場合には拡散角度を大きくとることが困難であったが、上記構成によりこれが可能となった。以上より、水平、垂直、及びその間の斜め方向のいずれの方向にも大きな拡散角度を取ることができる光学シートを提供することが可能となる。具体的に光路については後で説明する。
遮光層15の遮光部16は、バインダーに遮光性のある物質及び/又は光吸収性のある物質が混入されることにより形成される。バインダーとしては、例えばモノマーとしての酢酸ビニル、ビニルアルコール、スチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル(メタクリル酸メチル等)、フッ素含有(メタ)アクリル酸誘導体、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン等のオレフィン等から選ばれる少なくとも1種類のモノマーを重合させた重合体を挙げることができる。
また、他にもセルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートブチレート、エチルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース誘導体や、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、加えてポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、フェノール系樹脂、石油系樹脂、天然ゴム類、合成ゴム類(ブタジエン系ゴム等)、シリコン樹脂、フッ素樹脂等のポリマーから選ばれた透明樹脂を挙げることができる。
さらにはバインダーとして、ワックス類を使用しても良い。これには、鯨ロウ、蜜ロウ、カルナバロウ、キャンデリラロウ、木ロウ、モンタンロウ、ラノリンロウ等の天然ワックスや、パラフィンロウ、マイクロクリスタリンワックス、エステルワックス、酸化ワックス、低分子量ポリエチレンワックス、モンタンワックス、塩化パラフィン等の合成ワックス、さらにはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、フロメン酸、ベヘニン酸等の高級脂肪酸や、エステル類(ショ糖の脂肪酸エステル、スルビタンの脂肪酸エステル等)、アミド類(ステアリンアミド、オレインアミド等)を挙げることができる。
以上に示したバインダーとして使用されることができる物質は単独でも、2種以上が組み合わされても、いずれによっても使用可能である。
また、バインダーには、酸化剤として硝酸アンモニウム、硝酸カリウム、又は過塩素酸カリウムを加えても良い。これによりレーザー照射時の燃焼性を向上させることができる。
遮光性物質としては、例えばカーボンブラック、暗色系顔料、染料等を挙げることができる。これは光を遮る効果が大きく、かつ、画像の表示の妨げにならないような色相を有していることが好ましい。これには例えば黒色、灰色、白を挙げることができるが、外反射を伴わない黒色であることがさらに好ましい。
光吸収物質は、レーザー照射工程においてレーザー光のエネルギーを効率よく熱エネルギーに変換することができる物質を使用することができる。これにより上記透過開口17、17、…をアブレーションにより形成することができるからである。具体的には例えば、近赤外光(波長700〜2000nm)の範囲のレーザー光に対するものとしては、銅又は鉄を含有する化合物の微粉体や錯体、カーボンブラック、アントラキノン化合物、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、クロム、コバルト金属錯塩化合物、六塩タングステンと塩化スズをメチルメタクリレート(MMA)シロップに溶解させ重合させた物質、ジチオール系の金属錯体(主にニッケル錯体)、スクアリリウム化合物、アセチレン系ポリマーに酸化剤を気相又は液相でドーピングした物質、チオ尿素に硫化第二銅を作用させた物質、イモニウム系材料等の多くの無機錯体や有機化合物を挙げることができる。
また、可視光(波長400〜700nm)の範囲のレーザー光に対するものとしては、カーボンブラックや、ニトロソ染料、ニトロ染料、アゾ染料、スチルベンアゾ染料、ケトイミン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、キノリン染料、メチン、ポリメチン染料、チアゾール染料、インダミン、インドフェノール染料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料、硫化染料、アミノケトン、オキシケトン染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、もしくはフタロシアニン染料等の有機顔料、さらには、Zn、Cu、Al、Pb、Cr、Cd、Fe、Co、K、Na、Ti、Hg、Sr、Ca、Ba、Si、S等の単体、合金、酸化物、水酸化物、またはこれらの複合体、等の無機化合物等を挙げることができる。
以上に説明した遮光性物質及び光吸収性物質は、遮光層中に合計で、1〜70質量%程度含有される。含有量が1質量%未満であると、遮光層の透過開口の形成精度が低下する虞がある。また、含有量が70質量%を超えると、配合の効果が飽和する。
さらに光学シート10の構成について説明する。ホットメルト接着剤層20は、遮光層15の観察者側に該遮光層15の外周端部で、映像の提供に寄与しない部分に枠状に設けられた層である。当該ホットメルト接着剤層20の接着剤により、遮光層15と、光拡散層25とが接着される。ここで、レンチキュラーレンズ層11と、光拡散層25との間で、かつ、ホットメルト接着剤層20の枠状である内側に形成される空間は、空気層であっても負圧とされた層であってもよい。実際には、レンチキュラーレンズ層11及び光拡散層25は、所定の弾性を有している。従って、ホットメルト接着剤層20がある程度の厚みを有して存在しても、図2及び図3に示したようにホットメルト接着層20以外の部分では、遮光部16、16、…の観察者側面と、光拡散層25の光源側面とは密着する。これにより、上記空気、又は負圧とされた層に該当する大部分は透過開口17、17、…である。
以上のように、本発明の光学シート10では熱可塑性樹脂を含有するホットメルト接着剤により形成されているので、再度の加熱により該接着剤を再溶融させて剥離することが可能である。これにより、光拡散層25とそれ以外の層とを剥離することができ、いずれも再利用に供することができる。また、再利用のみでなく、製造工程において貼り直しをすることもでき、貼り間違いを修正することができる。これにより歩留まりを向上させることも可能となる。
また、ホットメルト接着剤層15が上記のように外周端部にのみ設けられているので、接着、剥離に際して、レンチキュラーレンズ層11及び遮光層15の主要部分には全く熱的負荷が及ばない。これにより、該レンチキュラーレンズ層11及び遮光層15は、接着、剥離によっても損傷を受けることがなく品質を維持することができる。具体的な接着手順等については後に説明する。映像光が透過する部位に接着剤層が存在せず、接着剤層に起因する映像の劣化を防止することができる。また、このように遮光層15と拡散層25とを接着剤層15によって接着することにより、上記空気、又は負圧である部分を安定して維持することができる。
ホットメルト接着剤層20に用いられているホットメルト接着剤は、熱可塑性樹脂に導電性粉粒物を含有させたものとする。熱可塑性樹脂の種類は限定されるものではないが、例えばポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(PMMA等)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート等を挙げることができる。導電性粉粒物としては、交番磁界により発熱する物質であれば特に限定されるものではないが、これには鉄粉、カーボン粉、導電性樹脂等を挙げることができる。
光拡散層25は、拡散剤が含有された層で、具体的には母材に該母材と異なる屈折率を有する光拡散粒子が混入された層である。母材としては、光を透過させることのできる材料であればよく、限定されるものではないが、これには例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー、酸変性ポリオレフィン、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリアセタール、ポリメチルメタクリレート、ポリフェニレンオキシド、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート(略称として「PET」と記載することがある。)、ポリブタジエンテレフタレート、ナイロン等の単体、又は混合体(共押出フィルム等)、及びラミネート品等を挙げることができる。
光拡散粒子は、上記のように母材と異なる屈折率を有する光透過性の粒子である。その材質は当該性質を有するものであれば特に限定されるものではないが、無機微粒子(ガラスビーズ、シリカ、水酸化アルミ等)、有機高分子微粒子(メチルメタアクリレート系架橋重合体微粒子等)等を挙げることができる。その中でも、有機高分子微粒子は共重合組成を適宜選択する事により屈折率を所定の値とすることができ、透明性の良いものも手に入れやすいので好ましい。粒子径は、平均粒子径が5〜30μmの範囲が好ましくさらに好ましくは、10〜20μmである。
以上のような構成の光学シート10により光拡散層25を容易に剥離することが可能となる。また、その接着、及び剥離の際にはレンチキュラーレンズ層11や遮光層15に熱的な負荷を与えることがないので当該各層に損傷を生じることがない。従って、再利用についても接着・剥離による製品劣化が生じることのない光学シートとすることができる。
上記光学シートには、観察者側にさらに機能性シートが積層されていてもよい。これには例えばAR、AS、AGの機能を有する各種層を挙げることができる。ここで、「AR」とは「アンチリフレクション」の略で光の反射率を抑える機能を、「AS」とは「アンチスタティック」の略で帯電防止機能を意味する。また「AG」は「アンチグレア」の略で表面のぎらつきを防止することができる機能である。
次に図4、図5を参照しつつ光路について説明する。図4は、水平断面における光路の例を一点鎖線の矢印により示した図、図5は、垂直断面における光路の例を一点鎖線の矢印により示した図である。図4、及び図5ともに紙面左が光源側、紙面右が観察者側である。図4に示したように、入光側レンチキュラーレンズ部12のレンチキュラーレンズ12a、12a、…により映像光は集光される。このとき、遮光層15の透過開口17、17、…に近接した位置で焦点を結ぶ。そして該焦点の観察者側で光は拡散される。従って、プロジェクター側からの主要な映像光はその強度を概ね維持したまま遮光層15を透過することが可能である。これにより観察者に明るい映像を提供することができる。さらに本発明の光学シート10では、遮光層15と、レンチキュラーレンズ12a、12a、…との間にベースシート14以外には他の層を有しない。従って、レンチキュラーレンズ12a、12a、…を短焦点とし、遮光部16、16、…を大きく、透過開口17、17、…を小さく抑えても該透過開口17、17、…に近接した位置で大きな角度を有して焦点を結ばせることができる。これにより、映像光の拡散角度を大きく取るとともに良好なコントラストを得ることができる。
一方、図5に示したように、出光側レンチキュラーレンズ部13のレンチキュラーレンズ13a、13a、…により、レンチキュラーレンズ12a、12a、…からの映像光が観察者側で集光される。そしてレンチキュラーレンズ13a、13a、…の観察者側で焦点を結び、該焦点の観察者側で映像光は拡散される。このとき、レンズ面は空気層、又は負圧とされた空気層と接しているので、屈折率の差が大きく、大きな屈折角度を得ることができる。従ってレンチキュラーレンズ13a、13a、…を透過した映像光は全て観察者側に大きく拡散されつつ投影されるので、拡散角度を大きく、明るい映像を提供できる。このとき、レンチキュラーレンズ13a、13a、…に入光する映像光は、すでにレンチキュラーレンズ12a、12a、…により水平方向に拡散される要素を含有した映像光である。従って、レンチキュラーレンズ13a、13a、…から投射される映像光は垂直方向、水平方向のみでなく、いずれの方向にも拡散成分を有する映像光となる。
次に、光学シート10の製造方法の一例を説明する。光学シート10を製造する方法は、ベースシート14の表裏に入光側レンチキュラーレンズ部12及び出光側レンチキュラーレンズ部13を成型する工程と、出光側レンチキュラーレンズ部13の表面に遮光層15を形成する工程とを備えている。さらに、当該製造方法は、遮光層15の観察者側外周端部に沿ってホットメルト接着剤を設ける工程と、該ホットメルト接着剤の遮光層15とは反対側に光拡散層25を積層させる工程とを備えている。そして上記積層された各層のレンチキュラーレンズ層11、又は、光拡散層25のいずれか側からホットメルト接着剤層20が磁界中に含有されるように高周波交番磁界をかける工程をさらに備えている。以下に各工程について説明する。
ベースシート14の表裏に入光側レンチキュラーレンズ部12及び出光側レンチキュラーレンズ部13を成型する工程は、例えば図6に模式的に示した成型装置30により成型される。該成型装置30は、入光側レンチキュラーレンズ12a、12a、…に対応する型が形成された第一成型ロール31と、出光側レンチキュラーレンズ13a、13a、…に対応する型が形成された第二成型ロール32と、第一成型ロール31、及び第二成型ロール32のそれぞれの表面に照射可能に設けられた紫外線照射装置33、34とを備えている。また、第一成型ロール31と所定の間隙を有してニップロール35が設けられている。
はじめにベースシート14が成型装置30の前工程側(図6の紙面左側)から供給される。成型製造30に供給されたベースシート14は矢印Aで示した方向に進み、ニップロール35と第一成型ロール31との間に挟まれて第一成型ロール31に密着する。
一方、第一成型ロール31の表面には、上記ベースシート14が密着する前に紫外線硬化樹脂が供給されている。そして該紫外線硬化樹脂は、ベースシート14と密着して第一成型ロール31のレンズ形状がベースシート14の一方の面に転写される。この状態で第一成型ロール31が矢印Cで示した方向に回転して紫外線照射装置33の紫外線照射範囲内に入ることにより紫外線が照射される。これにより紫外線硬化樹脂が硬化し、レンチキュラーレンズ12a、12a、…がベースシート14の一方の面に成型される。
その後レンチキュラーレンズが一方の面に成型されたベースフィルム14は、第一成型ロール31の回転によって該第一成型ロール31と第二成型ロール32との間に移動される。このとき、第二成型ロール32の表面には、上記ベースシート14が密着する前に紫外線硬化樹脂が供給されている。紫外線硬化樹脂は、第一成型ロール31と第二成型ロール32との間に設けられた樹脂だまりから供給される。
そしてベースシート14と紫外線硬化樹脂とが密着し、上記したように既に成型されたレンチキュラーレンズ12a、12a、…とは直交する方向のレンチキュラーレンズがベースシート14の他方の面に転写される。この状態で第二成型ロール32が矢印Dで示した方向に回転して紫外線照射装置34の紫外線照射範囲内に入ることにより紫外線が照射される。これにより紫外線硬化樹脂が硬化してレンチキュラーレンズ13a、13a、…がベースシート14の他方の面に成型される。以上によりレンチキュラーレンズ層11が成型され矢印Bに従って後工程へと送られる。
出光側レンチキュラーレンズ部13の表面に遮光層15を形成する工程としては、次の例を挙げることができる。上記の方法により成型されたレンチキュラーレンズ層11の出光側レンチキュラーレンズ部13側面の全面に光吸収剤が含有された紫外線硬化樹脂を塗布する。次に、該塗布した部位に紫外線を照射して硬化させる。その後、図7に示したように入光側レンチキュラーレンズ部12側からレーザーを照射する。これにより、該入光側レンチキュラーレンズ部12を透過して集光されたレーザーがEで示した位置に存する上記硬化された塗布層に照射され、アブレーションの作用によりこれが除去される。従って、当該除去により、遮光層15の透過開口17、17、…が形成される。一方、除去されなかった部分は、遮光部16、16、…として残存する。ここでは、レーザーの照射を硬化後に行ったが、必ずしもこれに限定されることはない。具体的には、硬化前にレーザー照射をしても上記透過開口を形成することが可能である。
遮光層15の外周端部に沿ってホットメルト接着剤を設ける工程は、光学シート10のうち、例えば取り付け端部のように映像を提供すること寄与しない外周端部にホットメルト接着剤を配置する工程である。ホットメルト接着剤は、通常に流通しているものを用いることができる。従って、テープ状のものであっても、液体状のものであっても良い。配置の方法は、選択した種類に応じて適宜選択する。
ホットメルト接着剤の遮光層15の反対側に光拡散層25を積層させる工程は、ホットメルト接着剤層20と光拡散層25とを当接させて積層させれば良い。このとき、当該積層を負圧とされた雰囲気中で行ってもよい。これにより遮光層15の遮光部16、16、…と光拡散層25とを適切に密着させることができ、ホコリ等の異物混入や、密着ムラを生じ難くすることが可能となる。
高周波交番磁界をかける工程は、高周波発信機により、ホットメルト接着剤層に高周波交番磁界をかける工程である。これによりホットメルト接着剤層に含有される導電性材料が加熱され、その周囲の接着剤が溶融して接着力を発現させる。従って、接着剤層のみが加熱されるので、他の層に熱的な負荷を大きくかけることなく接着させることが可能である。また、ホットメルト接着剤の上述した性質により、再度の高周波交番磁界の付加により再度溶融させることができる。これにより、剥離することができ、再利用に供したり、貼り直ししたりすることが可能である。高周波発信機には市販されたものを適用することができる。その種類は特に限定されるものではなく、据え置き型であっても、携帯可能型であっても良い。
以上、現時点において、最も、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う光学シート、及びその製造方法も本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本発明の1つの実施形態にかかる光学シートの分解斜視図である。 本発明の1つの実施形態にかかる光学シートの端部における水平断面図である。 本発明の1つの実施形態にかかる光学シートの端部における垂直断面図である。 光学シートの水平断面において、光路の例を説明するための図である。 光学シートの垂直断面において、光路の例を説明するための図である。 レンチキュラーレンズ層を成型する成型装置の模式図である。 アブレーション作用を利用した透過開口の形成方法を説明するための図である。 プロジェクションテレビの構造を模式的に示した図である。
符号の説明
10 光学シート
11 レンチキュラーレンズ層
12 入光側レンチキュラーレンズ部
13 出光側レンチキュラーレンズ部
14 ベースシート
15 遮光層
16 遮光部
17 透過開口
20 ホットメルト接着剤層
25 光拡散層
30 成型装置
31 第一成型ロール
32 第二成型ロール
33 紫外線照射装置
34 紫外線照射装置
35 ニップロール

Claims (8)

  1. 入光側からレンチキュラーレンズ層と、遮光層とを備える光学シートであって、
    前記レンチキュラーレンズ層が、
    1枚のベースシートの一方の面に複数のレンチキュラーレンズが並列される入光側レンチキュラーレンズ部と、
    前記ベースシートの他方の面に、前記入光側レンチキュラーレンズと直交する向きで複数のレンチキュラーレンズが並列される出光側レンチキュラーレンズ部と、を有し、
    前記遮光層が、
    前記出光側レンチキュラーレンズ部の出光側面上に、遮光部、及び前記入光側レンチキュラーレンズ部の前記レンチキュラーレンズの焦点位置に近接して設けられる透過開口を有する光学シート。
  2. 前記入光側レンチキュラーレンズ部、及び前記出光側レンチキュラーレンズ部の少なくとも一方が紫外線硬化樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の光学シート。
  3. 前記入光側レンチキュラーレンズ部、及び前記出光側レンチキュラーレンズ部の少なくとも一方が熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の光学シート。
  4. 前記遮光層のさらに出光面側に、接着剤層と、光拡散層とを備え、
    前記接着剤層が、
    前記遮光層と、前記光拡散層との間に、該光拡散層の外周端部に沿って配置されたホットメルト接着剤層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学シート。
  5. 前記遮光層、前記光拡散層、及び前記ホットメルト接着剤層により囲まれた部位が負圧とされていることを特徴とする請求項4に記載の光学シート。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学シートを製造する方法であって、
    前記ベースシートの表裏に前記入光側レンチキュラーレンズ部及び前記出光側レンチキュラーレンズ部を成型する工程と、
    前記出光側レンチキュラーレンズ部の表面に前記遮光層を形成する工程と、を含む光学シートの製造方法。
  7. 請求項4又は5に記載の光学シートを製造する方法であって、
    前記ベースシートの表裏に前記入光側レンチキュラーレンズ部及び前記出光側レンチキュラーレンズ部を成型する工程と、
    前記出光側レンチキュラーレンズ部の表面に前記遮光層を形成する工程と、
    前記遮光層の外周端部に沿って前記ホットメルト接着剤層を設ける工程と、
    前記ホットメルト接着剤層の前記遮光層とは反対側に前記光拡散層を積層させる工程と、
    前記ホットメルト接着剤に対して高周波交番磁界を付加する工程と、を含む光学シートの製造方法。
  8. 前記出光側レンチキュラーレンズ部の表面に前記遮光層を形成する工程が、
    前記出光側レンチキュラーレンズ部の全面に前記遮光部を形成する材料を供給する工程と、
    前記入光側レンチキュラーレンズ部側から光を照射する工程と、を含み、
    該照射のアブレーション作用により前記透過開口に対応する部分に存する前記遮光部を形成する材料を除去して前記透過開口が形成されることを特徴とする請求項6又は7に記載の光学シートの製造方法。
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JPWO2016136827A1 (ja) * 2015-02-26 2017-07-13 大日本印刷株式会社 透過型スクリーン及びそれを用いたヘッドアップディスプレイ装置
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