JP2008061421A - モータ制御装置 - Google Patents

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守満 関本
Hitoshi Haga
仁 芳賀
Abdallah Mishi
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Reiji Kawashima
玲二 川嶋
Kenichi Sakakibara
憲一 榊原
Toshiyuki Maeda
敏行 前田
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Abstract

【課題】モータ電流に脈動成分が重畳されるようにモータ(30)を制御する脈動制御を行うモータ制御装置(10)において、脈動制御の制御量を増大させる。
【解決手段】モータ制御装置(10)は、複数のスイッチ素子(14)で構成されて、接続されるモータ(30)に交流を出力するインバータ回路(25)と、モータ(30)を流れるモータ電流に脈動成分が重畳されるようにインバータ回路(25)のスイッチ素子(14)を制御する脈動制御を行う制御部(41)とを備えている。モータ制御装置(10)は、スイッチ素子(14)がワイドバンドギャップ半導体素子である。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータを流れる電流に脈動成分が重畳されるようにモータを制御するモータ制御装置に関するものである。
従来より、モータを流れるモータ電流に脈動成分が重畳されるようにモータを制御するモータ制御装置が知られている。この種のモータ制御装置では、例えばモータの回転速度を一定に保つなどの一定の目的に従ってインバータ回路のスイッチ素子を制御すると、モータ電流に脈動成分が重畳される。この種のモータ制御装置の一例が、特許文献1に開示されている。
具体的に、特許文献1のモータ制御装置は、いわゆるトルク制御を行う圧縮機用モータの制御装置として構成されている。このモータ制御装置は、圧縮機における流体の圧縮過程で脈動するモータの負荷トルクの変動パターンに応じて印加する電圧を変化させる変換器を備えてている。このモータ制御装置では、変換器がモータの負荷トルクに応じてモータに印加する電圧を変化させてモータの出力トルクを変動させると、モータ電流にモータの負荷トルクの脈動成分が重畳される。
特開平2−17884号公報
ところで、モータ制御装置では、一般的に、全制御領域における電流の最大実効値を考慮してスイッチ素子の実効定格電流電流が決定される。そして、ハンダやモールド材など周囲の耐熱温度等を考慮して、実効定格電流からスイッチ素子の電流容量が決定される。また、スイッチ素子のピーク定格電流は、スイッチ素子の耐熱温度を超えないようにスイッチ素子の電流容量から決定される。スイッチ素子の耐熱温度はハンダやモールド材など周囲の耐熱温度等よりも高いのに、スイッチ素子のピーク定格電流がハンダやモールド材など周囲の耐熱温度ではなく素子自体の耐熱温度を超えないように決定されるのは、スイッチ素子の温度が瞬間的に上昇しても周囲の温度はそれほど大きく上昇しないためである。
一方、モータ電流に脈動成分が重畳されるモータ制御装置では、モータ電流に脈動成分が重畳されるようにモータを制御する脈動制御を行うと、脈動成分の山の波形が重畳される部分でモータ電流が増大し、モータ電流のピーク値が増大する。また、モータ制御装置は、スイッチ素子を流れる電流のピーク値がスイッチ素子のピーク定格電流を超えないように、モータ電流のピーク値がスイッチ素子のピーク定格電流に基づいて制御される。
しかし、従来のモータ制御装置は、インバータ回路のスイッチ素子がSi素子である。Si素子は、耐熱温度が約150℃の素子であり、実効定格電流から決定した電流容量ではピーク定格電流が比較的小さい。このため、モータ電流のピーク値が増大する脈動制御においては、スイッチ素子の電流のピーク値がそのピーク定格電流を超えないように制御すると、十分な脈動制御を行うことができない場合がある。つまり、脈動制御におけるモータ電流のピーク値がスイッチ素子のピーク定格電流により制限されて、100%の制御量で脈動制御を行うことができない場合がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、モータ電流に脈動成分が重畳されるようにモータを制御する脈動制御を行うモータ制御装置において、脈動制御の制御量を増大させることにある。
第1の発明は、複数のスイッチ素子(14)で構成されて、接続されるモータ(30)に交流を出力するインバータ回路(25)と、上記モータ(30)を流れるモータ電流に脈動成分が重畳されるように上記インバータ回路(25)のスイッチ素子(14)を制御する脈動制御を行う制御部(41)とを備えるモータ制御装置(10)を対象とする。そして、このモータ制御装置(10)は、上記スイッチ素子(14)が、ワイドバンドギャップ半導体素子である。
第1の発明では、インバータ回路(25)を構成するスイッチ素子(14)が、ワイドバンドギャップ半導体素子である。ワイドバンドギャップ半導体素子は、通常用いられるSi素子に比べてバンドギャップが大きい半導体素子であり、耐熱温度が高い半導体素子である。上述したように、スイッチ素子(14)のピーク定格電流は、スイッチ素子の耐熱温度を超えないように決定される。このため、耐熱温度が高いワイドバンドギャップ半導体素子は、ピーク定格電流を従来のSi素子に比べて大きくすることができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記制御部(41)が行う脈動制御が、上記モータ(30)の一回転中に発生する負荷トルクの脈動に応じて該モータ(30)の出力トルクを変動させるトルク制御である。
第2の発明では、制御部(41)が、モータ(30)の負荷トルクの脈動に応じてモータ(30)の出力トルクを変動させるトルク制御を脈動制御として行う。制御部(41)が、トルク制御を行うと、モータ電流にモータ(30)の負荷トルクの脈動成分が重畳されて、モータ電流のピーク値が増大する。
第3の発明は、上記第2の発明において、流体を圧縮するためのシリンダが1つの1シリンダ圧縮機(50)を駆動させるモータ(30)を制御する。
第3の発明では、制御部(41)が、1シリンダ圧縮機(50)を駆動させるモータ(30)に対してトルク制御を行う。1シリンダ圧縮機(50)は、複数シリンダの圧縮機に比べてモータ(30)の負荷トルクの脈動が大きく、トルク制御を行わなければ圧縮機(50)の振動が比較的大きくなるので、トルク制御の必要性が高い。
第4の発明は、上記第1の発明において、上記制御部(41)が行う脈動制御が、上記モータ(30)の軸出力トルクが平滑化されるように上記モータ電流を脈動させる軸出力平滑制御である。
第4の発明では、制御部(41)が、モータ(30)の軸出力トルクが平滑化されるようにモータ電流を脈動させる軸出力平滑制御を脈動制御として行う。軸出力平滑制御では、制御部(41)が、例えばコギングトルク、空間高調波、時間高調波などのモータ(30)側の脈動成分によるモータ(30)の軸出力トルクの脈動を平滑化するために、モータ電流を脈動させる。制御部(41)が、この軸出力平滑制御を行うと、モータ電流にモータ(30)側の脈動成分が重畳されて、モータ電流のピーク値が増大する。
第5の発明は、交流電源(31)からの交流電圧を整流する整流回路(20)と、上記整流回路(20)の出力を受けてコンデンサ(19)の両端から脈動を有する整流電圧を出力するコンデンサ回路(29)と、複数のスイッチ素子(14)で構成され、上記整流電圧を受けて交流電流をモータ(30)へ出力するインバータ回路(25)とを備えるモータ制御装置(10)を対象とする。そして、このモータ制御装置(10)は、上記スイッチ素子(14)が、ワイドバンドギャップ半導体素子である。
第5の発明では、インバータ回路(25)に、脈動を有する整流電圧がほとんど平滑化されずに整流回路(20)から入力される。インバータ回路(25)は、整流電圧を受けて交流電流をモータ(30)へ出力する。この第5の発明では、モータ電流に整流電圧の脈動成分が重畳されて、モータ電流のピーク値が増大する。
第6の発明は、上記第1乃至第5の何れか1つの発明において、上記スイッチ素子(14)が、SiC素子である。
第6の発明では、スイッチ素子(14)が、SiC素子である。SiC素子は、ワイドバンドギャップ半導体素子の一種である。
本発明では、スイッチ素子(14)がワイドバンドギャップ半導体素子であり、スイッチ素子(14)のピーク定格電流を従来のSi素子に比べて大きくすることができる。従って、モータ電流のピーク値がスイッチ素子(14)のピーク定格電流による制限を受けにくくなる。このため、脈動制御においてモータ電流のピーク値を増大させることができるので、脈動制御の制御量を増大させることができる。
また、上記第2の発明では、制御部(41)が、脈動制御としてトルク制御を行う。このモータ制御装置(10)では、上述したように、スイッチ素子(14)がワイドバンドギャップ半導体素子であるため、スイッチ素子(14)のピーク定格電流を大きくすることができる。従って、トルク制御においてモータ電流のピーク値を増大させることができるので、トルク制御の制御量を増大させることができる。
また、上記第3の発明では、制御部(41)が、トルク制御の必要性が高い1シリンダ圧縮機(50)のモータ(30)に対してトルク制御を行う。この第3の発明では、上述したように、トルク制御の制御量を増大させることができる。従って、トルク制御の必要性が高い1シリンダ圧縮機(50)の振動を、従来よりも抑制することができる。
また、上記第4の発明では、制御部(41)が、軸出力平滑制御を脈動制御として行う。このモータ制御装置(10)では、上述したように、スイッチ素子(14)がワイドバンドギャップ半導体素子であるため、スイッチ素子(14)のピーク定格電流を大きくすることができる。従って、軸出力平滑制御においてモータ電流のピーク値を増大させることができるので、軸出力平滑制御の制御量を増大させることができる。
また、上記第5の発明では、インバータ回路(25)に脈動電流が入力されるので、モータ電流に脈動電流の脈動成分が重畳される。このモータ制御装置(10)では、上述したように、スイッチ素子(14)がワイドバンドギャップ半導体素子であるため、スイッチ素子(14)のピーク定格電流を大きくすることができる。従って、モータ電流のピーク値を増大させることができるので、モータ制御装置(10)の制御量を増大させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。
本実施形態1に係るモータ制御装置(10)の概略構成図を図1に示す。本実施形態1のモータ制御装置(10)は、例えば空気調和装置の冷媒回路に接続される圧縮機(50)のモータ(30)に接続される。なお、以下では、先ず本実施形態1に係るモータ制御装置(10)が接続される圧縮機(50)の構造について説明し、次に本実施形態1に係るモータ制御装置(10)について説明する。
−圧縮機の構造−
本実施形態1に係るモータ制御装置(10)が接続される圧縮機(50)は、いわゆるロータリ圧縮機である。この圧縮機(50)は、流体を圧縮するためのシリンダ(37)を1つ有する1シリンダ圧縮機として構成されている。
圧縮機(50)は、図2に示すように、ケーシング(36)と圧縮機構(35)とモータ(30)とを備えている。ケーシング(36)は、密閉容器状に形成されている。また、ケーシング(36)には、後述するインバータ回路(25)が接続される給電端子(51)が設けられている。圧縮機構(35)は、揺動ピストン型のロータリ圧縮機として構成されている。この圧縮機構(35)では、ピストン(39)の外周面とシリンダ(37)の内周面との間に圧縮室(38)が形成されている。モータ(30)は、例えばDCブラシレスモータとして構成されている。
以上の構成により、モータ(30)が起動すると、クランク軸(33)の偏心部に摺動自在に外接するピストン(39)が、シリンダ(37)内で揺動運動を行う。この圧縮機(50)は、クランク軸(33)が1回転する間に、圧縮室(38)内に流体を吸い込み圧縮して吐出する。その際、モータ(30)の負荷トルクが、流体を吸い込み圧縮する過程で徐々に上昇し、圧縮した流体を吐出する過程で徐々に減少する。このように、この圧縮機(50)では、クランク軸(33)が1回転する時間を1周期として、モータ(30)の負荷トルクが周期的に脈動する。
−モータ制御装置の構成−
本実施形態1に係るモータ制御装置(10)は、モータ電流に脈動成分が重畳されるようにモータを制御する脈動制御としてトルク制御を行うように構成されている。モータ制御装置(10)は、図1に示すように、電力変換部(40)と制御部(41)と電流検出部(43)と負荷トルク検出部(42)とを備えている。また、電力変換部(40)は、整流回路(20)と平滑回路(22)とインバータ回路(25)とを備えている。
整流回路(20)は、交流電源(31)からの交流電圧を整流するためのものである。整流回路(20)は、4つのダイオード(12)がブリッジ状に接続されて構成されている。整流回路(20)は、入力側が交流電源(31)に接続される。また、整流回路(20)と平滑回路(22)との間の正極母線には、リアクタ(27)が設けられている。
平滑回路(22)は、整流回路(20)の出力側において正極母線と負極母線との間に接続されている。平滑回路(22)には、整流回路(20)の出力電圧を平滑化するためのコンデンサ(13)が2つ設けられている。2つのコンデンサ(13)は、直列に接続されている。2つのコンデンサ(13)の間は、整流回路(20)におけるダイオード(12)の間に接続されている。
インバータ回路(25)は、多相(本実施形態では三相交流)をモータ(30)に供給するためのものである。インバータ回路(25)では、2つのスイッチ素子(14)が直列に接続された3つの回路が、正極母線と負極母線との間に並列に接続されて構成されている。この3つの回路においてスイッチ素子(14)の間は、モータ(30)の三相コイル(uvw)の別々の端子に接続されている。また、各スイッチ素子(14)には、ダイオード(15)が並列に接続されている。スイッチ素子(14)には、例えばパワーMOSFET、IGBTなどが用いられる。また、スイッチ素子(14)は、ワイドバンドギャップ半導体素子の一種であるSiC素子として構成されている。SiC素子は、脈動制御を行うモータ制御装置に従来用いられていたSi素子に比べてバンドギャップが大きい半導体素子であり、耐熱温度が高い半導体素子である。
ここで、このモータ制御装置(10)では、スイッチ素子(14)の実効定格電流が、全制御領域における電流の最大実効値を考慮して決定されている。そして、スイッチ素子(14)の電流容量が、ハンダやモールド材など周囲の耐熱温度等を考慮して決定されている。また、スイッチ素子(14)のピーク定格電流は、スイッチ素子(14)の耐熱温度を超えないようにスイッチ素子(14)の電流容量から決定されている。スイッチ素子(14)はSi素子に比べて耐熱温度が高いSiC素子であるため、同じ電流容量のもので比較すると、SiC素子のピーク定格電流は従来のSi素子に比べて大きい。
電流検出部(43)は、モータ(30)の電流値であるモータ電流を検出するためのものである。電流検出部(43)は、常にモータ電流を検出することができるように、三相コイル(uvw)とインバータ回路(25)との間の3本の電線のうちの少なくとも2本に接続されている。
負荷トルク検出部(42)は、モータ(30)の負荷トルクを検出するためのものである。負荷トルク検出部(42)は、電流検出部(43)が検出するモータ電流に基づいてモータ(30)の負荷トルクを検出するように構成されている。
制御部(41)は、インバータ回路(25)のスイッチ素子(14)に駆動信号を出力してそのスイッチ素子(14)をON/OFFするように構成されている。制御部(41)は、スイッチ素子(14)をON/OFFすることによりモータ(30)の回転速度や出力トルクを調節する。制御部(41)によるスイッチ素子(14)の制御では、スイッチ素子(14)を流れる電流のピーク値がそのピーク定格電流を超えないようにするために、モータ電流のピーク値がピーク定格電流に基づく上限値を超えないように制限される。
また、制御部(41)は、例えばモータ(30)の低速運転時に、モータ(30)の負荷トルクに応じてモータ(30)の出力トルクを変動させるトルク制御を行うように構成されている。トルク制御動作では、モータ制御部(41)が、スイッチ素子(14)のキャリア周波数内におけるON時間が調節するために、モータ(30)の負荷トルク変動に応じて、駆動信号における電圧指令や電流指令の変動量を調節する。
−モータ制御装置の動作−
以下に、モータ制御装置(10)における制御部(41)のトルク制御について説明する。なお、制御部(41)には、負荷トルク検出部(42)が検出するモータ(30)の負荷トルクを表す負荷トルク信号と、電流検出部(43)が検出するモータ電流を表すモータ電流信号とが入力される。
まず、制御部(41)は、負荷トルク検出部(42)から負荷トルク信号に基づいて、モータ(30)の負荷トルク変動に応じてモータ(30)の出力トルクが変動するように、駆動信号における電圧指令や電流指令の変動量を調節する。その際は、制御部(41)は、電流検出部(43)からのモータ電流信号を監視しており、モータ電流が上記上限値を超えると判断すると、モータ電流が上記上限値を超えないように電圧指令や電流指令の変動量を補正する。そして、モータ制御部(41)は、電圧指令や電流指令の変動量を調節した(補正した)駆動信号を各スイッチ素子(14)へ出力し、各スイッチ素子(14)をON/OFFする。
以上のように、モータ制御装置(10)がトルク制御を行うと、モータ(30)の出力トルクは、図3に示すように、モータ(30)の負荷トルクに同期して変動する。モータ電流にはモータ(30)の負荷トルクの脈動が重畳されるので、モータ電流のピーク値はトルク制御を行わない場合に比べて増大する。
−実施形態1の効果−
本実施形態1では、スイッチ素子(14)がワイドバンドギャップ半導体素子であり、スイッチ素子(14)のピーク定格電流を従来のSi素子に比べて大きくすることができる。従って、モータ電流のピーク値がスイッチ素子(14)のピーク定格電流による制限を受けにくくなる。このため、トルク制御においてモータ電流のピーク値を増大させることができるので、トルク制御の制御量を増大させることができる。
なお、スイッチ素子(14)がSi素子であってもスイッチ素子(14)の電流容量を大きくするとスイッチ素子(14)のピーク定格電流が大きくなるので、トルク制御(脈動制御)の制御量を増大させることが可能である。しかし、スイッチ素子(14)の電流容量を大きくと、スイッチ素子(14)のコストが高くなる上に、スイッチ素子(14)の実効定格電流が大きくなり、電流の実効値に対するマージンが大きくなってしまう。従って、スイッチ素子(14)の電流容量が、電流の実効値に対しては無駄になってしまう。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。この実施形態2では、制御部(41)が行う脈動制御が、モータ(30)の軸出力トルクが平滑化されるようにモータ電流を脈動させる軸出力平滑制御である。モータ(30)の軸出力トルクは、この軸出力平滑制御を行わなければ、図5(A)に示すように、例えばコギングトルク、空間高調波、時間高調波などのモータ(30)側の脈動成分がモータ(30)の電流出力トルクに加わるために脈動する。軸出力平滑制御は、このモータ(30)の軸出力トルクの脈動を抑制するための制御である。軸出力平滑制御では、モータ(30)側の脈動成分に応じてモータ電流を脈動させることにより、モータ(30)の電力出力トルクを脈動させる。
具体的に、モータ制御装置(10)は、図4に示すように、電力変換部(40)の構成が上記実施形態1と同じである。モータ制御装置(10)は、負荷トルク検出部(42)を備えておらず、その代わりにモータ位相検出部(45)を備えている。モータ位相検出部(45)は、電流検出部(43)に接続され、電流検出部(43)が検出するモータ電流に基づいてモータ(30)の位相を検出するように構成されている。なお、モータ位相検出部(45)は、モータ(30)の電圧値に基づいてモータ(30)の位相を検出するように構成されていてもよいし、モータ(30)に取り付けられる位相検出センサにより構成されていてもよい。
制御部(41)は、モータ(30)側の脈動成分に応じてモータ電流を脈動させるように構成されている。制御部(41)がモータ電流を脈動させると、図5(B)に示すように、モータ(30)側の脈動成分に応じてモータの電力出力トルクが脈動して、モータ(30)の軸出力トルクが平滑化される。
具体的に、制御部(41)は、モータ(30)の位相に応じたモータ電流の補正値をテーブルとして保持している。制御部(41)は、モータ位相検出部(45)から入力されるモータ(30)の位相を表す位相信号に基づいて、モータ電流の補正値をテーブルから読み出す。そして、制御部(41)は、テーブルから読み出した補正値に基づいて補正した駆動信号を各スイッチ素子(14)に出力する。これにより、モータ電流とモータ(30)の電流出力トルクとが、モータ(30)側の脈動成分に応じて脈動する。
−実施形態2の効果−
本実施形態2では、制御部(41)が、軸出力平滑制御を脈動制御として行う。このモータ制御装置(10)では、上述したように、スイッチ素子(14)がワイドバンドギャップ半導体素子であるため、スイッチ素子(14)のピーク定格電流を比較的大きくすることができる。従って、軸出力平滑制御においてモータ電流のピーク値を増大させることができるので、軸出力平滑制御の制御量を増大させることができる。
《発明の実施形態3》
本発明の実施形態3について説明する。この実施形態3は、図6に示すように、電力変換部(40)が、電圧を一定にするための平滑回路(22)を備えておらず、その代わりに小容量コンデンサ回路(29)を備えている。
小容量コンデンサ回路(29)は、整流回路(20)の出力側において正極母線と負極母線との間に接続されている。小容量コンデンサ回路(29)には、小容量コンデンサ(19)が設けられている。小容量コンデンサ(19)は、従来のモータ制御装置に用いるコンデンサに比べて容量が小さいコンデンサである。小容量コンデンサ(19)の容量は、例えば1μF〜50μFである。
この実施形態3のモータ制御装置(10)では、整流回路(20)とインバータ回路(25)との間のコンデンサの容量が小さく、電圧を一定にするためのコンデンサがないに等しいため、交流電源(31)から整流回路(20)を介して入力する脈動電流が、図7に示すように、ほとんど平滑化されずにインバータ回路(25)へ入力される。このため、インバータ回路(25)へ入力される電流の脈動成分がモータ電流に重畳され、モータ電流のピーク値が増大する。
−実施形態3の効果−
本実施形態3では、インバータ回路(25)に脈動電流が入力されるので、モータ電流に脈動電流の脈動成分が重畳される。このモータ制御装置(10)では、上述したように、スイッチ素子(14)がワイドバンドギャップ半導体素子であるため、スイッチ素子(14)のピーク定格電流を比較的大きくすることができる。従って、モータ電流のピーク値を増大させることができるので、モータ制御装置(10)の制御量を増大させることができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態について、スイッチ素子(14)は、Si素子以外の他のワイドバンドギャップ半導体素子(例えばGaN素子、ダイヤモンド素子)であってもよい。なお、ワイドギャップ半導体素子は、Si素子に比べてバンドギャップが大きい半導体素子である。ワイドギャップ半導体素子は、少なくとも1.2eV以上、更には2.0eV以上のバンドギャップを有することが好ましい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、モータを流れる電流に脈動成分が重畳されるようにモータを制御するモータ制御装置について有用である。
本発明の実施形態1に係るモータ制御装置の概略構成図である。 本発明の実施形態1に係るモータ制御装置が接続されるモータを備える圧縮機の断面図である。 本発明の実施形態1に係るモータ制御装置のトルク制御を説明するための図表であり、(A)はモータの負荷トルクの変動状況を表す図表であり、(B)はモータの出力トルクとモータの電流値の変動状況を表す図表である。 本発明の実施形態2に係るモータ制御装置の概略構成図である。 本発明の実施形態2に係るモータ制御装置の軸出力平滑制御を説明するための図表であり、(A)は軸出力平滑制御を行わない場合の図表であり、(B)は軸出力平滑制御を行う場合の図表である。 本発明の実施形態3に係るモータ制御装置の概略構成図である。 本発明の実施形態3に係るモータ制御装置が接続されるモータの電流値の脈動状況を表すための図表である。
符号の説明
10 モータ制御装置
14 スイッチ素子
20 整流回路
25 インバータ回路
30 モータ
31 交流電源
41 制御部

Claims (6)

  1. 複数のスイッチ素子(14)で構成されて、接続されるモータ(30)に交流を出力するインバータ回路(25)と、
    上記モータ(30)を流れるモータ電流に脈動成分が重畳されるように上記インバータ回路(25)のスイッチ素子(14)を制御する脈動制御を行う制御部(41)とを備えるモータ制御装置であって、
    上記スイッチ素子(14)は、ワイドバンドギャップ半導体素子であることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 請求項1において、
    上記制御部(41)が行う脈動制御は、上記モータ(30)の一回転中に発生する負荷トルクの脈動に応じて該モータ(30)の出力トルクを変動させるトルク制御であることを特徴とするモータ制御装置。
  3. 請求項2において、
    流体を圧縮するためのシリンダが1つの1シリンダ圧縮機(50)を駆動させるモータ(30)を制御することを特徴とするモータ制御装置。
  4. 請求項1において、
    上記制御部(41)が行う脈動制御は、上記モータ(30)の軸出力トルクが平滑化されるように上記モータ電流を脈動させる軸出力平滑制御であることを特徴とするモータ制御装置。
  5. 交流電源(31)からの交流電圧を整流する整流回路(20)と、
    上記整流回路(20)の出力を受けてコンデンサ(19)の両端から脈動を有する整流電圧を出力するコンデンサ回路(29)と、
    複数のスイッチ素子(14)で構成され、上記整流電圧を受けて交流電流をモータ(30)へ出力するインバータ回路(25)とを備えるモータ制御装置であって、
    上記スイッチ素子(14)は、ワイドバンドギャップ半導体素子であることを特徴とするモータ制御装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか1つにおいて、
    上記スイッチ素子(14)は、SiC素子であることを特徴とするモータ制御装置。
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