JP4984495B2 - モータ駆動用インバータ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、小容量リアクタおよび小容量コンデンサを用いたモータ駆動用インバータ制御装置に関するものである。
汎用インバータなどで用いられている一般的なモータ駆動用インバータ制御装置として、図13に示すようなモータ駆動用インバータ制御装置がよく知られている。
図13において、主回路は直流電源装置113と、インバータ3とモータ4とから構成されており、直流電源装置113については、交流電源1と、整流回路2と、インバータ3の直流電圧源のために電気エネルギーを蓄積する平滑コンデンサ112と、交流電源1の力率改善用リアクタ111から構成されている。
一方、制御演算部では、外部から与えられたモータ4の速度指令に基づいてモータ4の各相電圧指令値を作成するモータ電圧作成手段14と、モータ電圧作成手段14から作成された各相電圧指令値に基づいてインバータ3のPWM信号を生成するPWM制御手段18から構成されている。
ここで、交流電源1が220V(交流電源周波数50Hz)、インバータ3の入力が1.5kW、平滑コンデンサ112が1500μFのとき、力率改善用リアクタ111が5mHおよび20mHの場合における交流電源電流の高調波成分と交流電源周波数に対する次数との関係を図14に示す。図14はIEC(国際電気標準会議)規格と併せて示したもので、力率改善用リアクタ111が5mHの場合には特に第3高調波成分がIEC規格のそれを大きく上回っているが、20mHの場合には40次までの高調波成分においてIEC規格をクリアしていることがわかる。
そのため特に高負荷時においてもIEC規格をクリアするためには力率改善用リアクタ111のインダクタンス値をさらに大きくするなどの対策を取る必要があり、インバータ装置の大型化や重量増加、さらにはコストUPを招くという不都合があった。
そこで、力率改善用リアクタ111のインダクタンス値の増加を抑え、電源高調波成分の低減と高力率化を達成する直流電源装置として、図15に示すような直流電源装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図15において、交流電源1の交流電源電圧を、ダイオードD1〜D4をブリッジ接続してなる全波整流回路の交流入力端子に印加し、その出力をリアクトルLinを介して中間コンデンサCに充電し、この中間コンデンサCの電荷を平滑コンデンサCDに放電して、負荷抵抗RLに直流電圧を供給する。この場合、リアクトルLinの負荷側と中間コンデンサCを接続する正負の直流電流経路にトランジスタQ1を接続し、このトランジスタQ1をベース駆動回路G1で駆動する構成となっている。
また、ベース駆動回路G1にパルス電圧を印加するパルス発生回路I1、I2と、ダミー抵抗Rdmとをさらに備えており、パルス発生回路I1、I2は、それぞれ交流電源電圧のゼロクロス点を検出する回路と、ゼロクロス点の検出から交流電源電圧の瞬時値が中間コンデンサCの両端電圧と等しくなるまでダミー抵抗Rdmにパルス電流を流すパルス電流回路とで構成されている。
ここで、パルス発生回路I1は交流電源電圧の半サイクルの前半にてパルス電圧を発生させ、パルス発生I2は交流電源電圧の半サイクルの後半にてパルス電圧を発生させるよ
うになっている。
なお、トランジスタQ1をオン状態にしてリアクトルLinに強制的に電流を流す場合、中間コンデンサCの電荷がトランジスタQ1を通して放電することのないように逆流防止用ダイオードD5が接続され、さらに、中間コンデンサCの電荷を平滑コンデンサCDに放電する経路に、逆流防止用ダイオードD6と、平滑効果を高めるリアクトルLdcが直列に接続されている。
上記の構成によって、交流電源電圧の瞬時値が中間コンデンサCの両端電圧を超えない位相区間の一部または全部においてトランジスタQ1をオン状態にすることによって、装置の大型化を抑えたままで、高調波成分の低減と高力率化を達成することができる。
特開平9−266674号公報
しかしながら、上記従来の構成では、容量の大きな平滑用コンデンサCDとリアクトルLin(特許文献1では1500μF、6.2mH時のシミュレーション結果について記載されている)とを依然として有したままであり、さらに中間コンデンサCとトランジスタQ1とベース駆動回路G1とパルス発生回路I1、I2とダミー抵抗Rdmと逆流防止用ダイオードD5、D6と平滑効果を高めるリアクトルLdcとを具備することで、装置の大型化や部品点数の増加に伴うコストUPを招くという課題を有していた。
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、交流電源電流の高調波成分を抑制した小型・軽量・低コストなモータ駆動用インバータ制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、交流電源を入力とする整流回路と、直流電力から交流電力に変換するインバータと、モータと、前記インバータに印加される電圧によってモータ指令電圧を補正しながら前記インバータの動作をコントロールする制御演算部とを備え、前記整流回路はダイオードブリッジと、前記インバータの直流電圧がゼロになり得るように容量が設定された、前記ダイオードブリッジの直流出力側に接続される極めて小容量のリアクタ及び前記インバータの直流母線間に接続される極めて小容量のコンデンサを設け、前記コンデンサの容量は、前記インバータの直流電圧が脈動によりゼロになり得る容量とし、前記制御演算部は、前記インバータの直流電圧値を検出するPN電圧検出手段と、前記PN電圧を補正するPN電圧補正手段と、モータ指令電圧補正手段と、波形改善電圧演算手段と、を備え、
前記制御演算部では前記モータに印加した電圧よりモータ印加電圧位相を導出するとともに前記インバータの電気周波数における奇数次周波数の交流成分とする波形改善電圧前記モータ印加電圧位相に基づいて演算、前記波形改善電圧が前記インバータに印加される電圧によって補正されたモータ指令電圧補正値に重畳されていることを特徴としたものである。そして、前記波形改善電圧を演算する波形改善電圧演算手段は、前記モータの出力に比例して交流成分の振幅量を大きくする振幅量を調整する振幅調整手段と、前記モータへ最終的に印加される電圧指令値に重畳する位相を調整する位相調整手段の少なくともどちらか一方を有する。
これによって、小容量コンデンサおよび小容量リアクタを用いることで小型・軽量・低コストなモータ駆動用インバータ制御装置を実現し、波形改善電圧を演算することで装置に供給される電流、すなわち、交流電源電流の高調波成分が抑制される。
本発明のモータ駆動用インバータ制御装置は、小容量リアクタおよび小容量コンデンサを用いることで小型・軽量・低コストなモータ駆動用インバータ制御装置を実現でき、さらに交流電源電流の高調波成分を抑制することができ、システムの信頼性向上が図れるという効果を奏する。
第1の発明は、交流電源を入力とする整流回路と、直流電力から交流電力に変換するインバータと、モータと、前記インバータに印加される電圧によってモータ指令電圧を補正しながら前記インバータの動作をコントロールする制御演算部とを備え、前記整流回路はダイオードブリッジと、前記インバータの直流電圧がゼロになり得るように容量が設定された、前記ダイオードブリッジの直流出力側に接続される極めて小容量のリアクタ及び前記インバータの直流母線間に接続される極めて小容量のコンデンサを設け、前記コンデンサの容量は、前記インバータの直流電圧が脈動によりゼロになり得る容量とし、前記制御演算部は、前記インバータの直流電圧値を検出するPN電圧検出手段と、前記PN電圧を補正するPN電圧補正手段と、モータ指令電圧補正手段と、波形改善電圧演算手段と、を備え、前記制御演算部では前記モータに印加した電圧よりモータ印加電圧位相を導出するとともに、前記インバータの電気周波数における奇数次周波数の交流成分とする波形改善電圧前記モータ印加電圧位相に基づいて演算、前記波形改善電圧が前記インバータに印加される電圧によって補正されたモータ指令電圧補正値に重畳されていることにより、モータ電流波形の歪みが軽減され、小型・軽量・低コストでありながら交流電源電流の高調波成分を抑制したモータ駆動用インバータ制御装置を実現するとともに、容易な演算処理によって波形改善電圧を決定することができる。
さらに波形改善電圧を演算する波形改善電圧演算手段は、前記モータの出力に比例して交流成分の振幅量を大きくする振幅調整手段と、前記モータへ最終的に印加される電圧指令値に重畳する位相を調整する位相調整手段の少なくともどちらか一方を有することにより、モータの種類や運転状況などが変化した場合においても交流電源電流の高調波成分を抑制することができる。
の発明は、特に、第1の発明のモータ駆動用インバータ制御装置において、小容量リアクタと、小容量コンデンサとの共振周波数を交流電源周波数の40倍よりも大きくなるように、前記小容量リアクタおよび前記小容量コンデンサの組み合わせを決定するものであり、交流電源電流の高調波成分を抑制し、IEC規格をクリアすることができる。





























































































































































































































































































以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の第1の実施の形態を示すモータ駆動用インバータ制御装置のシステム構成図を図1に示す。
図1において、主回路は交流電源1と、交流電力を直流電力に変換するダイオードブリッジ2と、2mH以下の小容量リアクタ11と、100μF以下の小容量コンデンサ12と、直流電力を交流電力に変換するインバータ3と、インバータ3により変換された交流電力により駆動するモータ4から構成されている。
一方、制御演算部では、モータ4の速度指令ω*に基づいてモータ4の電圧指令値を作成するモータ電圧作成手段14と、インバータ3の直流電圧値を検出するPN電圧検出手段15と、予め設定されたインバータ3の直流電圧基準値をPN電圧検出手段15から得られるインバータ3の直流電圧検出値で除算することによりPN電圧補正係数を導出し、直流電圧検出値が0以下の場合には、PN電圧補正係数に予め設定されたPN電圧補正係数の最大値を設定するPN電圧補正手段16と、モータ指令電圧作成手段14から得られる電圧指令値とPN電圧補正手段16の出力値であるPN電圧補正係数とを乗算することにより電圧指令値の補正を行なうモータ指令電圧補正手段17と、モータ電流波形が歪のないものとするための波形改善電圧を演算する波形改善電圧演算手段19と、モータ指令電圧補正手段17の演算結果と波形改善電圧演算手段19の演算結果を加算した電圧がモータ4に印加されるようなインバータ3のPWM信号を生成するPWM制御手段18から構成されている。
以下では、具体的な方法について説明する。
モータ指令電圧作成手段14では式1で表される演算により電圧指令値vu*、vv*、vw*を作成する。
Figure 0004984495
ここで、Vmはモータ電圧値であり、θ1はモータ4のロータの位置情報として表される位相である。
また、図2は本発明に係るPN電圧補正手段16の第1の実施例を示した図で、PN電圧補正手段16では予め設定されたインバータ3の直流電圧基準値Vpn0とPN電圧検出手段15から得られるインバータ3の直流電圧検出値vpnを用いて式2のようにPN電圧補正係数kpnを導出する。
Figure 0004984495
ここで、本発明では小容量コンデンサを用いているため、直流電圧検出値vpnが0となる場合が生じるので、0割防止のための微小項δ0を設定しておく必要がある。
なお、式2の微小項δ0の代わりに、直流電圧検出値vpnが0以下の場合においてPN電圧補正係数kpnに予め設定されたPN電圧補正係数の最大値を設定することでゼロ割防止を図ることができる。
即ち、式3のようにPN電圧補正係数kpnを導出しても良い。
Figure 0004984495
ここで、kpn-maxは予め設定されたPN電圧補正係数の最大値である。
また、モータ指令電圧補正手段17では電圧指令値vu*、vv*、vw*とPN電圧補正係数kpnを用いて式4のようにモータ指令電圧補正値vuh*、vvh*、vwh*を導出する。
Figure 0004984495
以上により、小容量リアクタおよび小容量コンデンサを用いることで小型・軽量・低コストなモータ駆動用インバータ制御装置を実現でき、インバータ直流電圧が大幅に変動してモータの駆動が困難あるいは不可能となる場合でも、モータに印加する電圧がほぼ一定
となるようにインバータを動作させ、モータの駆動を維持することが可能となる。
図3は、本発明のモータ駆動用インバータ制御装置の第1の動作結果であるが、本発明におけるコンデンサ12は、極めて容量の小さいものを用いているためインバータ直流電圧は交流電源周波数fs(=50Hz)の2倍の周波数で大きく脈動している様子がわかる。また交流電源電流に関しては、コンデンサ12が小容量で充放電時間が極めて短いため電流休止期間がほとんどなく、高力率を実現している。
図4は、本発明のモータ駆動用インバータ制御装置の第2の動作結果であり、交流電源周波数が50Hzにおいて、6極の3相モータを4000rpmで駆動したときの波形を示す。ここで交流電源電流に関してさらに詳しく観測すると、インバータ3のキャリア成分よりも大きい周期Tの脈動が現れており、この交流電源電流の脈動とモータ4の相電流との関係を見てみると、矢印で示すモータ相電流の歪み箇所と交流電源電流の落ち込みタイミングとが一致しているのが分かる。
このモータ相電流の歪みの主要因として、インバータ3の上下アームの短絡防止用に設けられたデッドタイム期間中に、スイッチング素子に逆並列接続された環流ダイオードの不完全ターンオンに起因するものがあげられ、これによってモータ相電流のゼロクロス点付近で出力電圧が不連続になり、モータ相電流の歪みとなって現れるものである。
本発明のモータ駆動用インバータ制御装置においては、極めて小容量のリアクタとコンデンサを用いていることから、上述したモータ相電流の歪みが交流電源電流の脈動として現れやすくなっているのである。
次に、交流電源電流の高調波規制について考える。
高調波電流とは、交流電源の正弦波波形の整数倍の周波数成分を持つ電流のことを示すが、エレクトロニクス機器においては、その高調波電流に対して規制値が設けられている。
これまで説明してきた交流電源電流の脈動が、交流電源の正弦波波形の整数倍の周波数となれば規制値を満足できない可能性がでてくる。
そこで、制御演算部に波形改善電圧演算手段19を設け、各相における波形改善電圧vud*、vvd*、vwd*を求め、モータ指令電圧補正手段17で導出されたモータ指令電圧補正値vuh*、vvh*、vwh*に加算することによってモータ相電流のゼロクロス点付近における歪みを抑制し、交流電源電流の脈動を抑えるようにした。
インバータ3を介してモータ4へ最終的に印加される電圧指令値V*、V*、V*は、式5で表される。
Figure 0004984495
図5は、本発明のモータ駆動用インバータ制御装置の第3の動作結果である。波形については、中央が交流電源電流で下側がモータ相電流を示し、双方とも波形改善電圧vud*、vvd*、vwd*が加算された結果で動作しているものである。
図4で示した動作結果と比較し、波形改善電圧演算手段19を設け、モータ相電流のゼ
ロクロス点付近における歪みを緩和したことによって、交流電源電流の脈動、すなわち、高調波電流の発生を抑えられている。
制御演算部の波形改善電圧演算手段19で求めた波形改善電圧vud*、vvd*、vwd*は、式6で表される演算により求めている。
Figure 0004984495
ここで、Vmdは波形改善電圧の振幅を示す。θはモータ指令電圧位相を示し、式7で表されるようにモータ4へ最終的に印加される電圧指令値V*、V*、V*の符号に応じた6パターンの演算により求めた。
Figure 0004984495
式7におけるVdcmは式8に表すとおりである。
Figure 0004984495
制御演算部における演算の様子を図6にて説明すると、(a)は実施の形態1で説明したモータ指令電圧補正手段17から求まるU相におけるモータ指令電圧補正値vuh*を示す。
(b)は波形改善電圧演算手段19で求めたU相における波形改善電圧vud*であり、(a)に示したモータ指令電圧補正値vuh*の5倍の周波数の交流成分としている。
(c)は上記両者を加算したものであり、モータ4へ最終的に印加されるU相における電圧指令値V*である。
もともと、波形改善電圧演算手段19で求めた波形改善電圧vud*をモータ指令電圧補正手段17から求まるモータ指令電圧補正値vuh*に加算しなかった場合、(d)に示すような歪んだ波形のモータ相電流となることから、この歪み分を補償するような波形、すなわち、モータ指令電圧補正値vuh*の5倍の周波数交流成分の波形を波形改善電圧vud*とした。
これにより、比較的容易な演算処理にてモータ相電流の歪みを緩和、ひいては高調波電流の発生を抑えることが可能となった。
なお、上記説明では波形改善電圧vud*をモータ指令電圧補正値vuh*の5倍の周波数成分
の波形、すなわち5次の交流成分としたが、5次と7次を組み合わせるといったように奇数次同士の組み合わせ波形とすると、さらにきめ細かい波形改善電圧を作成できる。
さらに、モータ指令電圧位相θに関して図7と図8を用いて説明する。図7は、モータ4の減速時における最終的に印加される電圧指令値V*、V*、V*であり、時間軸において振幅が小さくなるにつれて電圧変化の周期が長くなっていく様子を表している。
図8は、ロータの位相θと、図7のモータ4へ最終的に印加される電圧指令値V*、V*、V*における式7と式8から求めたモータ指令電圧位相θとの比較である。モータ4の最終的に印加される電圧指令値V*、V*、V*の周期変化が、電気一周期内において徐々に長くなっているため、モータ指令電圧位相θは実線のとおり、放物線上の変化となる一方、点線で示したロータの位相θは、電気一周期のような短い期間においては機械的なイナーシャの影響によって直線的な変化を示す。
前述した交流電源電流の脈動は、モータ相電流の歪みによるものであり、インバータ3の出力に起因するものであるため、波形改善電圧演算手段19で求める波形改善電圧vud*、vvd*、vwd*は、ロータの位相θではなく、インバータ3の出力であるモータ4の最終的に印加される電圧指令値V*、V*、V*から求めるモータ指令電圧位相θとした。
これによって、モータ4が急速な加減速を行っているような過渡状態や、コンデンサ12が極めて小容量であるがゆえのインバータ直流電圧の脈動状態などにおいても適正な波形改善電圧を算出することができた。
(実施の形態2)
本発明の第2の実施の形態を示すモータ駆動用インバータ制御装置のシステム構成図を図9に示す。
本発明の実施の形態2では、実施の形態1のモータ駆動用インバータ制御装置において、波形改善電圧の交流成分の振幅量を調整する波形改善電圧振幅調整手段20と位相を調整する波形改善電圧位相調整手段21を付加した。
図10と図11は、本発明のモータ駆動用インバータ制御装置の第4と第5の動作結果で、波形改善電圧vud*、vvd*、vwd*を加算していない状態での波形である。
図10も図11も同じ回転数3300rpmでモータ4が動作して状態だが、図10はモータ出力が650W、図11はモータ出力が850Wのものであり、このようにモータ4が同じ回転数で動作していてもモータ出力が大きいほど交流電源電流の脈動(図中Ip)が大きくなる。
この差に対応すべく、波形改善電圧振幅調整手段21における特性を図12に示すように、モータ出力に比例して波形改善電圧の交流成分の振幅量を大きくするようなものとした。
これによって波形改善電圧vud*、vvd*、vwd*の過不足がないようにすることができる。
また、波形改善電圧vud*、vvd*、vwd*の位相に関しても運転回転数などによって波形改善電圧位相調整手段21で調整可能にすることで、微小なタイミングのずれをなくし、波形改善の効果を減退させることなく最大限に引き出すことが可能となる。
本実施の形態においては、波形改善電圧演算手段19で波形改善電圧vud*、vvd*、vwd*を求めるにあたって、その振幅や位相をモータ4の種類や速度、負荷状態などによって調整できるようにすることによって、より高い信頼性を確保したモータ駆動用インバータ制御装置を実現している。
(実施の形態3)
本発明に係る小容量コンデンサおよび小容量リアクタの仕様決定に関する具体的な方法について以下に説明する。
本発明のモータ駆動用インバータ制御装置では、交流電源電流の高調波成分を抑制してIEC規格をクリアするために、小容量コンデンサと小容量リアクタとの共振周波数fLC(LC共振周波数)を交流電源周波数fsの40倍よりも大きくなるように小容量コンデンサと小容量リアクタの組み合わせを決定する。
ここで、小容量コンデンサの容量をC[F]、小容量リアクタのインダクタンス値をL[H]とすると、LC共振周波数fLCは式9のように表される。
Figure 0004984495
即ち、fLC>40fsを満たすように小容量コンデンサと小容量リアクタの組み合わせを決定するものである。(IEC規格では交流電源電流の高調波成分において第40次高調波まで規定されているため)
以上により、小容量コンデンサおよび小容量リアクタの組み合わせを決定することで、交流電源電流の高調波成分を抑制して、IEC規格をクリアすることが可能となる。
なお、実施の形態1から実施の形態3で説明した本発明は、インバータ回路を使用してモータを駆動するモータ駆動用インバータ制御装置に適用できる。例えば、インバータ回路を搭載した空気調和機、冷蔵庫、電気洗濯機、電気乾燥機、電気掃除機、送風機、ヒートポンプ給湯器等である。いずれの製品についても、モータ駆動用インバータ装置を小型化、軽量化することで、製品の設計の自由度が向上し、安価な製品を提供することができる。
以上のように、本発明にかかるモータ駆動用インバータ制御装置は、小容量リアクタおよび小容量コンデンサを用いることで小型・軽量・低コストなモータ駆動用インバータ制御装置を実現でき、インバータ直流電圧が大幅に変動してモータの駆動が困難あるいは不可能となる場合でも、PN電圧補正手段によりモータに印加する電圧をほぼ一定にすることでモータの駆動を維持することが可能となり、さらに交流電源電流の高調波成分を抑制することができ、システムの信頼性向上が図れるため、空気調和機における圧縮機駆動モータなどのようにパルスジェネレータ等の速度センサを使用することができない場合に限らず、サーボドライブなどのように速度センサを具備することができる場合においても本発明は適用できる。
本発明の第1の実施形態を示すモータ駆動用インバータ制御装置のシステム構成図 本発明の第1の実施形態におけるPN電圧補正係数の導出方法を示す図 本発明の第1の実施形態における第1の動作結果を示す図 本発明の第1の実施形態における第2の動作結果を示す図 本発明の第1の実施形態における第3の動作結果を示す図 本発明の第1の実施形態における各種演算値のタイミングチャート 本発明の第1の実施形態における電圧指令値の時間的変化の様子を示す図 本発明の第1の実施形態における位相の時間的変化の様子を示す図 本発明の第2の実施形態を示すモータ駆動用インバータ制御装置のシステム構成図 本発明の第2の実施形態における第4の動作結果を示す図 本発明の第2の実施形態における第5の動作結果を示す図 本発明の第2の実施形態における波形改善電圧振幅調整手段の特性図 一般的なモータ駆動用インバータ制御装置のシステム構成図 図13のモータ駆動用インバータ装置における交流電源電流の高調波成分と交流電源周波数に対する次数との関係を示した線図 装置の大型化を抑制したままで高調波成分の低減と高力率化を達成することのできる従来の直流電源装置のシステム構成図
符号の説明
1 交流電源
2 整流回路
3 インバータ
4 モータ
11 小容量リアクタ
12 小容量コンデンサ
14 モータ指令電圧作成手段
15 PN電圧検出手段
16 PN電圧補正手段
17 モータ指令電圧補正手段
18 PWM制御手段
19 波形改善電圧演算手段
20 波形改善電圧振幅調整手段
21 波形改善電圧位相調整手段
111 リアクタ
112 平滑コンデンサ
113 直流電源装置
Lin、Ldc リアクトル
D1〜D6 ダイオード
Q1 トランジスタ
G1 ベース駆動回路
I1、I2 パルス発生回路
C 中間コンデンサ
CD 平滑コンデンサ
RL 負荷抵抗
Rdm ダミー抵抗

Claims (2)

  1. 交流電源を入力とする整流回路と、直流電力から交流電力に変換するインバータと、モータと、前記インバータに印加される電圧によってモータ指令電圧を補正しながら前記インバータの動作をコントロールする制御演算部とを備え、前記整流回路はダイオードブリッジと、前記インバータの直流電圧がゼロになり得るように容量が設定された、前記ダイオードブリッジの直流出力側に接続される極めて小容量のリアクタ及び前記インバータの直流母線間に接続される極めて小容量のコンデンサを設け、
    前記コンデンサの容量は、前記インバータの直流電圧が脈動によりゼロになり得る容量とし、
    前記制御演算部は、前記インバータの直流電圧値を検出するPN電圧検出手段と、前記PN電圧を補正するPN電圧補正手段と、モータ指令電圧補正手段と、波形改善電圧演算手段と、を備え、
    前記制御演算部では前記モータに印加した電圧よりモータ印加電圧位相を導出するとともに前記インバータの電気周波数における奇数次周波数の交流成分とする波形改善電圧を前記モータ印加電圧位相に基づいて演算し、前記波形改善電圧が前記インバータに印加される電圧によって補正されたモータ指令電圧補正値に重畳され、かつ、
    前記波形改善電圧を演算する波形改善電圧演算手段は、前記モータの出力に比例して交流成分の振幅量を大きくする振幅調整手段と、前記モータへ最終的に印加される電圧指令値に重畳する位相を調整する位相調整手段の少なくともどちらか一方を有することを特徴とするモータ駆動用インバータ制御装置。
  2. 小容量リアクタと、小容量コンデンサとの共振周波数を交流電源周波数の40倍よりも大きくなるように、前記小容量リアクタおよび前記小容量コンデンサの組み合わせを決定することを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動用インバータ制御装置。
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