JP2008060272A - 半導体レーザ装置の製造方法、および半導体レーザ装置 - Google Patents

半導体レーザ装置の製造方法、および半導体レーザ装置 Download PDF

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敏哉 福久
Hidetoshi Furukawa
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Abstract

【課題】同一基板上に、共振器長の異なる複数の半導体レーザ素子部を形成する。
【解決手段】半導体基板101上の第1素子形成領域に、エッチング促進層113、第1n型クラッド層102、第1活性層103、第1p型クラッド層104を堆積して第1積層構造を形成し、第2素子形成領域に、第2n型クラッド層108、第2活性層109、第2p型クラッド層110を堆積し、劈開により、第2素子形成領域上に両端面に反射鏡を有する第2レーザ素子部121を形成するとともに、第1素子形成領域上に、片面に反射鏡、他面に端面を有する第1レーザ素子部素材部を形成し、第1レーザ素子部素材部の端面から所定深さ、エッチング促進層113を除去し、その除去されたエッチング促進層113があった領域上にある第1積層構造の部分を劈開によって除去し、共振方向の長さが第2レーザ素子部121よりも短い第1レーザ素子部120を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体レーザ装置およびその製造方法に関する。例えば、DVD−RAM、DVD−R、DVD−RW、DVD+R、DVD+RW、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、CD−ROM、DVD−Video、CD−DA、VCDなどの光ディスク装置、あるいは光情報処理、光通信、光計測などに使用する半導体レーザ装置およびその製造方法に関するものである。
DVD−RAMなどの読み込み、書き込みピックアップ光源には波長650nm帯のAlGaInP系赤色レーザが用いられる。一方、CD−Rなどの読み込み、書き込みのためのピックアップ光源には波長780nm帯のAlGaAs系赤外レーザが用いられる。これらの両ディスクに対応するためには一つのドライブに赤色、赤外両方のレーザが必要となる。そのためDVD用とCD用の二つの光集積ユニットを具備したドライブが一般的に普及している。
しかし、近年の小型化、低コスト化、光学系組立工程の簡素化などの要請より、一つの光集積ユニットで対応できるよう、同一基板上に二つのレーザを集積した二波長レーザが実用化されつつある(例えば、特許文献1参照)。
図7(a)は、特許文献1に記載の二波長半導体レーザ装置の斜視図を示している。図7(b)は、図7(a)のA−A矢視断面図を示している。
この二波長半導体レーザ装置は、同一のGaAs基板201上の異なる領域に、赤外レーザ素子部220と赤色レーザ素子部221を備えている。
赤外レーザ素子部220は、赤外レーザn型クラッド層202、赤外レーザ活性層203、赤外レーザp型クラッド層204、電流ブロック層205、コンタクト層206、赤外レーザp側電極207、および赤色レーザ素子部221と共通のn側電極212で構成されている。また、赤色レーザ素子部221は、赤色レーザn型クラッド層208、赤色レーザ活性層209、赤色レーザp型クラッド層210、電流ブロック層205、コンタクト層206、赤色レーザp側電極211、および赤外レーザ素子部220と共通のn側電極212で構成されている。
赤外レーザ素子部220を構成している赤外レーザ活性層203には、AlGaAs系材料が用いられており、赤色レーザ素子部221を構成している赤色レーザ活性層209には、AlGaInP系材料が用いられている。
このように、GaAs基板上に650nm帯のAlGaInP系赤色レーザと780nm帯のAlGaAs系赤外レーザをモノリシックに集積して、一つの光集積ユニット上にDVD/CD用両方のレーザを備えた光ピックアップを実現している。
特開2000−11417号公報
しかしながら、特許文献1に記載のような同一基板上に複数のレーザ素子部を設けた構成の半導体レーザ装置では、各レーザ素子部毎に、共振器長を最適化することができなかった。この問題について、以下に説明する。
図7に示すような、同一の基板201上に複数のレーザ素子部220、221を設けた構成の二波長半導体レーザ装置の製造工程において、共振器を形成する際には、レーザ素子部を1つだけ設けた構成の従来のレーザ装置と同じく、劈開により共振器を形成する。その場合、複数のレーザ素子部220、221が共通の基板201上に設けられているために、複数のレーザ素子部220、221に対して、同時に同一の面で劈開することになる。各レーザ素子部の共振器長は両端の劈開位置により決まるため、赤色レーザ素子部221と赤外レーザ素子部220の共振器長は必然的に同一となる。
共振器長は最大光出力、発振閾値電流、効率などレーザ特性を左右するパラメータの一つであるが、図7に示すような二波長レーザ装置の場合、赤色レーザ素子部221と赤外レーザ素子部220とで独立に共振器長を最適化することができない、という制約があった。
図8(a)および(b)は、図7のような赤色レーザ素子部と赤外レーザ素子部をモノリシックに集積した二波長半導体レーザ装置において、共振器長を1000μmおよび1800μmとした場合の、それぞれの電流−光特性を示している。
図8(a)を見ると、共振器長が1000μmの場合には、赤色レーザ素子部では、360mW付近で熱飽和のため所望の光出力を得ることができないことがわかる。つまり、400mW以上の光出力を得るためには、赤色レーザ素子部の共振器長をさらに長くする必要がある。
そして、図8(b)に示すように共振器長を1800μmにした場合には、赤外レーザ素子部、赤色レーザ素子部のいずれも所望の光出力を得てはいるが、赤外レーザ素子部の動作電流が、活性層体積の増加に伴い、共振器長が1000μmの場合に比べて増加していることがわかる。これによる消費電力増加のため、電池駆動によるポータブル機器への搭載時における動作可能時間などが単体レーザに比べて不利となる。
このように、図7に示すような二波長半導体レーザ装置において、赤色レーザ素子部で400mW級の高出力を実現しようとした場合、共振器長は少なくとも1800μm以上必要であるが、赤外レーザ素子部の共振器長が1800μm以上になると、従来のレーザ素子部を1つだけ設けた構成のレーザ装置に比べて動作電流が大きく増加し、消費電力の増大、発熱による素子劣化の促進などの悪影響を及ぼす可能性がある。このような事情から、図7に示すような構成の二波長半導体レーザ装置では、高出力化が困難であった。
本発明は、上述した従来の課題を解決するもので、それぞれ最適な共振器長を有する複数の半導体レーザ素子部を同一基板上に備えた半導体レーザ装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、第1の本発明は、
半導体基板上の第1のレーザ素子形成領域に形成されたエッチング促進層の上に、第1の第1伝導型クラッド層、第1の活性層、および第1の第2伝導型クラッド層を順次堆積して第1の積層構造を形成する第1積層構造形成工程と、
前記半導体基板上の第2のレーザ素子形成領域に、第2の第1伝導型クラッド層、第2の活性層、および第2の第2伝導型クラッド層を順次堆積して第2の積層構造を形成する第2積層構造形成工程と、
劈開により、前記第2のレーザ素子形成領域上に、両端面に反射鏡を有する第2の半導体レーザ素子部を形成するとともに、前記第1のレーザ素子形成領域上に、片面に反射鏡、他面に端面を有する第1の半導体レーザ素子部素材部を形成する第1の劈開工程と、
前記第1の半導体レーザ素子部素材部の前記端面から所定深さ、前記エッチング促進層をエッチングにより除去する促進層エッチング工程と、
前記促進層エッチング工程により除去された前記エッチング促進層があった領域上にある、前記第1の積層構造の部分を、劈開によって除去し、前記第2の半導体レーザ素子部とは共振方向が平行で放出する波長が異なり、共振方向の長さが前記第2の半導体レーザ素子部よりも短い第1の半導体レーザ素子部を形成する第2の劈開工程と、を備えた半導体レーザ装置の製造方法である。
また、第2の本発明は、
前記第1積層構造形成工程は、前記半導体基板上に、前記エッチング促進層、前記第1の第1伝導型クラッド層、前記第1の活性層、および前記第1の第2伝導型クラッド層を順次堆積した後に、前記半導体基板上の前記第1のレーザ素子形成領域以外の領域上に堆積された、前記エッチング促進層、前記第1の第1伝導型クラッド層、前記第1の活性層、および前記第1の第2伝導型クラッド層を除去して前記第1の積層構造を形成する工程であり、
前記第2積層構造形成工程は、前記第1積層構造形成工程で形成した前記第1の積層構造を含む前記半導体基板の上から、前記第2の第1伝導型クラッド層、前記第2の活性層、および前記第2の第2伝導型クラッド層を順次堆積した後に、前記半導体基板上の前記第2のレーザ素子形成領域以外の領域上に堆積された、前記第2の第1伝導型クラッド層、前記第2の活性層、および前記第2の第2伝導型クラッド層を除去して前記第2の積層構造を形成する工程である、第1の本発明の半導体レーザ装置の製造方法である。
また、第3の本発明は、
前記エッチング促進層は、前記半導体基板および前記第1の第1伝導型クラッド層のいずれよりもエッチングレートが速く、
前記促進層エッチング工程では、除去する前記エッチング促進層の部分と、そこに隣接する前記半導体基板の一部および前記第1の第1伝導型クラッド層の一部とを除いた部分をマスクしてエッチングする、第1の本発明の半導体レーザ装置の製造方法である。
また、第4の本発明は、
前記エッチング促進層は、前記半導体基板および前記第1の第1伝導型クラッド層のいずれよりもAl組成比が大きい、第3の本発明の半導体レーザ装置の製造方法である。
また、第5の本発明は、
半導体基板と、
前記半導体基板上に順に積層された、第1の第1伝導型クラッド層、第1の活性層、および第1の第2伝導型クラッド層を有する第1の半導体レーザ素子部と、
前記半導体基板上に順に積層された、第2の第1伝導型クラッド層、第2の活性層、および第2の第2伝導型クラッド層を有し、前記第1の半導体レーザ素子部とは共振方向が平行で放出するレーザ光の波長が異なり、共振方向の長さが前記第1の半導体レーザ素子部よりも長い第2の半導体レーザ素子部と、を備えた半導体レーザ装置である。
また、第6の本発明は、
前記第1の半導体レーザ素子部は、前記半導体基板と前記第1の第1伝導型クラッド層との間に、前記半導体基板および前記第1の第1伝導型クラッド層のいずれよりもエッチングレートが速いエッチング促進層を有している、第5の本発明の半導体レーザ装置である。
本発明により、それぞれ最適な共振器長を有する複数の半導体レーザ素子部を同一基板上に備えた半導体レーザ装置およびその製造方法を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1(a)は、本発明の実施の形態における光出力400mW級の二波長高出力レーザ装置の斜視図を示している。図1(b)は、図1(a)の共振方向に垂直なA−A矢視断面図を示している。
本実施の形態の二波長高出力レーザ装置は、同一のn型GaAs基板101上に、780nm帯のAlGaAs系赤外レーザ光を放出する赤外レーザ素子部120と、650nm帯のAlGaInP系赤色レーザ光を放出する赤色レーザ素子部121を備えている。
赤外レーザ素子部120は、サイドエッチング促進層113、赤外レーザn型クラッド層102、赤外レーザ活性層103、赤外レーザp型クラッド層104、電流ブロック層105、コンタクト層106、赤外レーザp側電極107、および赤色レーザ素子部121と共通のn側電極112で構成されている。ここで、サイドエッチング促進層113は、基板101および赤外レーザn型クラッド層102のいずれよりもAl組成比が大きい材料で構成されている。
また、赤色レーザ素子部121は、赤色レーザn型クラッド層108、赤色レーザ活性層109、赤色レーザp型クラッド層110、電流ブロック層105、コンタクト層106、赤色レーザp側電極111、および赤外レーザ素子部120と共通のn側電極112で構成されている。
なお、本実施の形態の二波長高出力レーザ装置が、本発明の半導体レーザ装置の一例にあたり、赤外レーザ素子部120および赤色レーザ素子部121が、それぞれ、本発明の
第1の半導体レーザ素子部および第2の半導体レーザ素子部の一例にあたる。
また、サイドエッチング促進層113、赤外レーザn型クラッド層102、赤外レーザ活性層103、赤外レーザp型クラッド層104が、それぞれ本発明の、エッチング促進層、第1の第1伝導型クラッド層、第1の活性層、第1の第2伝導型クラッド層の一例にあたる。また、赤色レーザn型クラッド層108、赤色レーザ活性層109、赤色レーザp型クラッド層110が、それぞれ本発明の、第2の第1伝導型クラッド層、第2の活性層、第2の第2伝導型クラッド層の一例にあたる。
赤外レーザ素子部120および赤色レーザ素子部121の各層の材料、伝導型、膜厚、キャリア濃度は、表1のとおりである。
Figure 2008060272
赤外レーザ素子部120の赤外レーザ活性層103にはAlGaAs系材料を用いているのに対し、赤色レーザ素子部121の赤色レーザ活性層109にはAlGaInP系材料を用いている。
なお、赤外レーザp型クラッド層104および赤色レーザp型クラッド層110には、それぞれストライプ状メサ構造が形成されており、これらのメサの幅は上部1μm、下部3μmである。
赤外レーザ素子部120および赤色レーザ素子部121は、それぞれ1000μmおよび1800μmの異なる共振器長であり、互いに共振方向が平行になるように配置されている。なお、本発明において、「2つの半導体素子部の共振方向が平行」とは、±1度以下の範囲で平行であることが望ましい。
本実施の形態の二波長高出力レーザ装置の特徴は、赤外レーザ素子部120と赤色レーザ素子部121の共振器長が異なる点にある。
図6に、本実施の形態の二波長高出力レーザ装置の、赤外レーザ素子部120および赤色レーザ素子部121の、それぞれの電流−光特性を示す。
図8の従来の二波長半導体レーザ装置の電流−光特性と比較すると、本実施の形態の二波長高出力レーザ装置では、赤色レーザの光出力は400mWを達成しながら、赤外レーザの動作電流は共振器長1000μmの素子と遜色ない値を示していることがわかる。
次に、図2〜図5を用いて、本実施の形態の二波長高出力レーザ装置の製造方法について説明する。
図2〜図5は、本実施の形態の二波長高出力レーザ装置の製造工程を示す模式構造図である。それぞれ、図1(a)のA−A矢視断面図または斜視図で示している。
まず、図2(a)に示すように、n型GaAs基板101上に、サイドエッチング促進層113、赤外レーザn型クラッド層102、赤外レーザ活性層103、赤外レーザp型クラッド層104を順次積層する。
次に、図2(b)に示すように、基板101上の、赤外レーザ素子部120を形成させる領域(以下、赤外レーザ素子形成領域という)以外の領域において、サイドエッチング促進層113、赤外レーザn型クラッド層102、赤外レーザ活性層103、赤外レーザp型クラッド層104を除去する。
なお、赤外レーザ素子形成領域が、本発明の第1のレーザ素子形成領域の一例にあたり、図2(b)の赤外レーザ素子形成領域上に形成された積層構造が、本発明の第1の積層構造の一例にあたる。また、図2(a)および(b)に示す工程が、本発明の第1積層構造形成工程の一例にあたる。
次に、図2(c)に示すように、赤外レーザ素子形成領域も含めた基板101の上から、赤色レーザn型クラッド層108、赤色レーザ活性層109、赤色レーザp型クラッド層110を順次積層する。
次に、図3(d)に示すように、赤色レーザ素子部121を形成させる領域(以下、赤色レーザ素子形成領域という)以外の領域において、赤色レーザn型クラッド層108、赤色レーザ活性層109、赤色レーザp型クラッド層110を除去する。
なお、赤色レーザ素子形成領域が、本発明の第2のレーザ素子形成領域の一例にあたり、図3(d)の赤色レーザ素子形成領域上に形成された積層構造が、本発明の第2の積層構造の一例にあたる。また、図2(c)および図3(d)に示す工程が、本発明の第2積層構造形成工程の一例にあたる。
そして、図3(e)に示すように、赤外レーザp型クラッド層104および赤色レーザp型クラッド層110の一部をエッチングし、それぞれストライプ状メサ構造を形成する。
次に、図3(f)に示すように、メサ構造の上部以外の部分に電流ブロック層105の選択再成長を行った後、図4(g)に示すように、基板101の上から、コンタクト層106の再成長を行う。
次に、図4(h)に示すように、赤外レーザ素子形成領域と赤色レーザ素子形成領域の境界近傍を基板101までエッチングして素子分離を行った後、赤外レーザ素子形成領域および赤色レーザ素子形成領域のそれぞれのコンタクト層106上に、赤外レーザp側電極107および赤色レーザp側電極111を形成する。さらに、基板101の裏面にn側電極112を形成する。なお、図4(h)には、n側電極112を形成した後の斜視図も示している。
続いて、劈開により、赤外レーザ素子部120となる部分の積層構造および赤色レーザ素子部121となる部分の積層構造のそれぞれに、共振器長が1800μmとなるように、両端面を形成する。このときの劈開により、赤色レーザ素子部121となる部分の積層構造の両端面には反射鏡が形成されて、赤色レーザ素子部121は完成する。また、このときの劈開により、赤外レーザ素子部120となる部分の積層構造の光出射側の端面(図5(i)の左側の端面)にも反射鏡が形成される。
なお、ここでの劈開の処理が、本発明の第1の劈開工程の一例にあたる。また、劈開により両端面が形成された赤色レーザ素子部121となる部分の積層構造が、本発明の、第1の半導体レーザ素子部素材部の一例にあたる。
そして、図5(i)に示すように、赤外レーザ素子部120となる部分の積層構造の、光出射面の反対側のサイドエッチング促進層113およびそれに隣接するn型GaAs基板101と赤外レーザn型クラッド層102の一部を含む領域のみ露出するように、それ以外の領域をポリイミド塗布によりマスキングする。図5(i)および(j)の灰色で示した部分は、ポリイミドによりマスキングした部分を示している。
そして、図5(j)に示すように、HF:H=1:10の溶液に浸着することにより、赤外レーザ素子部120となる部分の積層構造の光出射面の反対側から共振器方向へ約900μm分、サイドエッチング促進層113のエッチングを行う。このとき、n型GaAs基板101と赤外レーザn型クラッド層102も溶液に曝されるが、よりAl組成の高いサイドエッチング促進層113のエッチング速度(エッチングレート)に比べて遅いため、サイドエッチング促進層113のみが選択的にエッチングされる。
なお、図5(j)のサイドエッチング促進層113をエッチングする処理が、本発明の促進層エッチング工程の一例にあたる。また、このときの光出射面の反対側からエッチングする距離900μmが、本発明のエッチングする所定深さの一例にあたる。
そして、図5(k)に示すように、ポリイミドを除去した後、赤外レーザ素子部120となる部分の積層構造の上部から、共振器長が1000μmになるようマイクロクリーブを行う。このマイクロクリーブによる劈開により、赤外レーザ素子部120となる部分の積層構造の光出射面の反対側に反射鏡が形成され、共振器長が1000μmの赤外レーザ素子部120が完成する。
マイクロクリーブとは、基板を分断することなく、積層の一部を劈開する技術のことである。劈開しようとする積層構造の下に形成させた層をエッチングにより取り除き、その取り除いた部分の上部の積層構造部分を劈開する方法であり、特開平5−243683号公報などにおいて開示されている。
なお、図5(k)における、マイクロクリーブによる劈開の処理が、本発明の第2の劈開工程の一例にあたる。
この後、チップ分離、パッケージングを施して、二波長高出力レーザ装置を完成させる。
本発明の半導体レーザ装置の製造方法は、赤色、赤外それぞれの光出射端の反対側に対して、マイクロクリーブ技術の活用により、異なる位置で劈開を行うので、それぞれの半導体レーザ素子部に最適な共振器長を設定でき、それぞれのレーザ特性を高めることが可能となる。
本発明の半導体レーザ装置は、このように複数の半導体レーザ素子部の共振器長をそれぞれ独立に制御することが可能なので、それぞれの半導体レーザ素子部の構造設計の自由度が増し、レーザ特性を高めることが可能となる。
本発明に係る半導体レーザ装置およびその製造方法は、同一基板上にそれぞれ最適な共振器長を有する複数の半導体レーザ素子部を備えているので、DVD/CDを中心とした光ディスクのピックアップ用光源、およびその他の光情報処理、光通信、光計測の光源等に用いる半導体レーザ装置およびその製造方法として有用である。
(a)本発明の実施の形態における二波長高出力レーザ装置の斜視図、(b)本発明の実施の形態における二波長高出力レーザ装置のA−A矢視断面図 (a)〜(c)本発明の実施の形態における二波長高出力レーザ装置の製造工程を示す模式構造図 (d)〜(f)本発明の実施の形態における二波長高出力レーザ装置の製造工程を示す模式構造図 (g)、(h)本発明の実施の形態における二波長高出力レーザ装置の製造工程を示す模式構造図 (i)〜(k)本発明の実施の形態における二波長高出力レーザ装置の製造工程を示す模式構造図 本発明の実施の形態における二波長高出力レーザ装置の電流−光出力特性を示す図 (a)従来の二波長半導体レーザ装置の斜視図、(b)従来の二波長半導体レーザ装置のA−A矢視断面図 (a)従来の共振器長1000μmの二波長レーザ装置の電流−光出力特性、(b)従来の共振器長1800μmの二波長レーザ装置の電流−光出力特性
符号の説明
101 基板
102 赤外レーザn型クラッド層
103 赤外レーザ活性層
104 赤外レーザp型クラッド層
105 電流ブロック層
106 コンタクト層
107 赤外レーザp側電極
108 赤色レーザn型クラッド層
109 赤色レーザ活性層
110 赤色レーザp型クラッド層
111 赤色レーザp側電極
112 n側電極
113 サイドエッチング促進層
120 赤外レーザ素子部
121 赤色レーザ素子部

Claims (6)

  1. 半導体基板上の第1のレーザ素子形成領域に形成されたエッチング促進層の上に、第1の第1伝導型クラッド層、第1の活性層、および第1の第2伝導型クラッド層を順次堆積して第1の積層構造を形成する第1積層構造形成工程と、
    前記半導体基板上の第2のレーザ素子形成領域に、第2の第1伝導型クラッド層、第2の活性層、および第2の第2伝導型クラッド層を順次堆積して第2の積層構造を形成する第2積層構造形成工程と、
    劈開により、前記第2のレーザ素子形成領域上に、両端面に反射鏡を有する第2の半導体レーザ素子部を形成するとともに、前記第1のレーザ素子形成領域上に、片面に反射鏡、他面に端面を有する第1の半導体レーザ素子部素材部を形成する第1の劈開工程と、
    前記第1の半導体レーザ素子部素材部の前記端面から所定深さ、前記エッチング促進層をエッチングにより除去する促進層エッチング工程と、
    前記促進層エッチング工程により除去された前記エッチング促進層があった領域上にある、前記第1の積層構造の部分を、劈開によって除去し、前記第2の半導体レーザ素子部とは共振方向が平行で放出する波長が異なり、共振方向の長さが前記第2の半導体レーザ素子部よりも短い第1の半導体レーザ素子部を形成する第2の劈開工程と、を備えた半導体レーザ装置の製造方法。
  2. 前記第1積層構造形成工程は、前記半導体基板上に、前記エッチング促進層、前記第1の第1伝導型クラッド層、前記第1の活性層、および前記第1の第2伝導型クラッド層を順次堆積した後に、前記半導体基板上の前記第1のレーザ素子形成領域以外の領域上に堆積された、前記エッチング促進層、前記第1の第1伝導型クラッド層、前記第1の活性層、および前記第1の第2伝導型クラッド層を除去して前記第1の積層構造を形成する工程であり、
    前記第2積層構造形成工程は、前記第1積層構造形成工程で形成した前記第1の積層構造を含む前記半導体基板の上から、前記第2の第1伝導型クラッド層、前記第2の活性層、および前記第2の第2伝導型クラッド層を順次堆積した後に、前記半導体基板上の前記第2のレーザ素子形成領域以外の領域上に堆積された、前記第2の第1伝導型クラッド層、前記第2の活性層、および前記第2の第2伝導型クラッド層を除去して前記第2の積層構造を形成する工程である、請求項1に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  3. 前記エッチング促進層は、前記半導体基板および前記第1の第1伝導型クラッド層のいずれよりもエッチングレートが速く、
    前記促進層エッチング工程では、除去する前記エッチング促進層の部分と、そこに隣接する前記半導体基板の一部および前記第1の第1伝導型クラッド層の一部とを除いた部分をマスクしてエッチングする、請求項1に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  4. 前記エッチング促進層は、前記半導体基板および前記第1の第1伝導型クラッド層のいずれよりもAl組成比が大きい、請求項3に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  5. 半導体基板と、
    前記半導体基板上に順に積層された、第1の第1伝導型クラッド層、第1の活性層、および第1の第2伝導型クラッド層を有する第1の半導体レーザ素子部と、
    前記半導体基板上に順に積層された、第2の第1伝導型クラッド層、第2の活性層、および第2の第2伝導型クラッド層を有し、前記第1の半導体レーザ素子部とは共振方向が平行で放出するレーザ光の波長が異なり、共振方向の長さが前記第1の半導体レーザ素子部よりも長い第2の半導体レーザ素子部と、を備えた半導体レーザ装置。
  6. 前記第1の半導体レーザ素子部は、前記半導体基板と前記第1の第1伝導型クラッド層との間に、前記半導体基板および前記第1の第1伝導型クラッド層のいずれよりもエッチングレートが速いエッチング促進層を有している、請求項5に記載の半導体レーザ装置。
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