JP2010232614A - 半導体レーザ及びその製造方法 - Google Patents

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禎 高瀬
Hitoshi Tada
仁史 多田
Hiroaki Maehara
宏昭 前原
Junichi Horie
淳一 堀江
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Abstract

【課題】良好な動作特性を有するモノリシック型2波長半導体レーザを提供する。
【解決手段】n型GaAs基板10上に780nm帯波長レーザ12と650nm帯波長レーザ14が形成されている。780nm帯波長レーザ12のp型AlGaInP第2上クラッド層28はESL層26までエッチングされてリッジ導波路32が形成されている。650nm帯波長レーザ14のp型AlGaInP上クラッド層40は途中までエッチングされてリッジ導波路44が形成されている。少なくとも650nm帯波長レーザ14の出射端面側に窓領域が形成されている。p型AlGaInP上クラッド層40のAl組成比は、活性層38のバリア層及びガイド層の構成材料であるAlGaInPのAl組成比よりも高い。p型AlGaInP上クラッド層40の屈折率は、n型AlGaInP下クラッド層36の屈折率より高い。
【選択図】図2

Description

本発明は、窓領域を形成したリッジ型構造のモノリシック型2波長半導体レーザに関し、特に良好な動作特性を持つ半導体レーザに関する。
デジタル情報化技術の進展により、DVD−RやCD−Rなどの光学記録媒体が多用されている。近年では、デスクトップ型PCだけではなくノート型PCにも、DVD−RやCD−Rなどに対応した記録型光ディスクドライブが標準的に搭載されている。このため、記録型光ディスクドライブの主要構成部である光ピックアップの小型化、軽量化及び低コスト化が求められ、光学部品の削減や製造工程の簡素化が図られている。
従来、DVDとCDの両方の光ディスク記録に対応したドライブ用の光ピックアップの光源として、650nm帯波長の光を発振するDVD用半導体レーザと、780nm帯波長の光を発振するCD用半導体レーザの2つの別々の半導体レーザが使用されていた。近年では、光学部品の削減と製造工程の簡素化のメリットを併せ持つ2波長半導体レーザが用いられている。特に、1つの基板上に650nm帯波長レーザ及び780nm帯波長レーザを集積化したモノリシック型2波長半導体レーザは、2つの発光点の間隔や2つのレーザ光の出射方向の制御性が高いため使いやすく、製造方法も簡便であることから、現在、盛んに開発が行われている。
DVDやCDの記録速度向上のため、半導体レーザには高い光出力が要求されてきた。最近では青色半導体レーザ(405nm帯波長)を光源に用いる光ディスクの登場により、光ピックアップにおける光学損失が増加する傾向にある。このため、650nm帯波長レーザ及び780nm帯波長レーザにはこれまで以上に高い光出力が要求される。さらに、高温環境下でも動作し、出射光を光ピックアップにより効率よく光ディスク面に到達できる高い光結合効率の半導体レーザが要求される。この光結合効率の観点からも650nm帯及び780nm帯の2つのレーザ光の出射方向の制御性に優れるモノリシック型2波長半導体レーザは有用である。
従来は、リッジ導波路を形成する際のエッチングを精度良く停止するために、780nm帯波長レーザと650nm帯波長レーザの両方にエッチング停止層(以下ESL層という)を設けていた。このESL層のGaInPは、650nm帯波長レーザの活性層のウェル層のGaInPと同じ材料系であり、バンドギャップ及び屈折率が同等である。このため、650nm帯波長レーザの活性層で生じたレーザ光がESL層で吸収され、レーザの発光効率が低下し、高温環境下において動作電流が増大する問題があった。
また、p型AlGaInP第1上クラッド層とp型AlGaInP第2上クラッド層の間に、これらの層に比べてバンドギャップの小さいp型GaInPのESL層が有ると、上クラッド層から活性層へ注入される有効質量の重い正孔の流れが阻害されるため、半導体レーザの抵抗及び動作電圧が上昇する問題もあった。
また、半導体レーザの高出力化を目指す際、電流−光出力特性(I−L特性)は直線的であることが望ましい。このため、レーザ発振の定在状態である水平横モードにおける高次モードの発生に起因するI−L特性の屈曲(キンク)を抑制する必要がある。しかし、上記のようにESL層のGaInPが650nm帯波長レーザの活性層のウェル層のGaInPと同じ材料系であるため、650nm帯波長レーザの活性層で生じたレーザ光の光強度分布がESL層に引寄せられる。そして、リッジ導波路型の半導体レーザではリッジ導波路とその両脇に存在する屈折率の低い空気との屈折率差が大きい。従って、従来の半導体レーザでは、高次モードによるキンクが発生しやすいという問題があった。
これらの問題を解消するため、下クラッド層の屈折率を上クラッド層の屈折率よりも大きくして、光強度分布をESL側とは活性層を挟んで逆側の基板側にシフトする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、モノリシック型2波長半導体レーザにおいて、650nm帯波長レーザのESL層を省略し、780nm帯波長レーザのみにESL層を設けて、両レーザのリッジ形成時のドライエッチングを同時に停止する方法が提案されている(例えば、特許文献2の段落0014−0015、0026−0033参照)。
また、780nm帯レーザの第1上クラッド層をAlGaAsとし、第2上クラッド層をAlGaInPとし、AlGaAsとAlGaInPでエッチング選択性を持つエッチング液を用いて、エッチングを停止する方法が提案されている(例えば、特許文献3の段落0008−0014参照)。
また、別の問題として、レーザの高出力化を目指すに当たり、レーザ光出射端面での光学損傷(COD)が有る。この問題を解決するため、出射端面側にZnやSiなどの不純物を注入するか熱拡散することにより、出射端面側の活性層を無秩序化させてバンドギャップを広げ、レーザ光の吸収を防止する窓領域の形成が一般的に行われている。
特開平11−233883号公報 特開2007−48813号公報 特開平4−303986号公報
特許文献1のように下クラッド層の屈折率を上クラッド層よりも大きくすることに加え、窓領域を形成した場合、以下のような問題が生じる。活性層が無秩序化された窓領域では、活性層への光閉じ込め効果が弱まるので、上クラッド層よりも屈折率が高い下クラッド層側、即ち基板側へ光強度分布が引寄せられ、出射端面から出射されるレーザ光が基板側へ傾斜する。
さらに、リッジ型構造の半導体レーザでは、リッジ脇部の上クラッド層はリッジ導波路の上クラッド層に比べて薄く、リッジ脇部には半導体材料よりも屈折率が小さい空気が存在する。従って、下クラッド層と上クラッド層の屈折率が等しい場合でも、相対的に上クラッド側の屈折率が小さくなる。このため、窓領域では基板側へ光強度分布が引寄せられ、出射端面から出射されるレーザ光が基板側へ傾斜する。
しかし、レーザ光をディスク上へ投射する光ピックアップの設計及び製造上、光ピックアップのレンズ系との高い光結合効率を得るためには、レーザ光が出射端面に対してできるだけ垂直に出射されることが望ましい。従って、窓領域を形成した場合に高い光結合効率が得られない問題があった。
また、特許文献2の方法では、780nm帯波長レーザのESL層の層厚は通常数十um(好ましくは30um以下)であるため、このESL層のシグナル検出を逃し易く、エッチングを所望の位置で停止することができない。そして、650nm帯波長レーザにESL層を設けない場合、特許文献3のエッチング選択性を利用するウェットエッチングでは、650nm帯波長レーザのエッチングを所望の位置で停止することができない。従って、リッジ形成時のエッチング量の制御性を高めることが望まれている。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、第1の目的は良好な動作特性を持つ半導体レーザを得るものである。第2の目的はそのような半導体レーザを製造する方法において、リッジ形成時のエッチング量の制御性を高めることができる方法を得るものである。
第1の発明は、1つの基板上に第1半導体レーザと第2半導体レーザが形成され、前記第1半導体レーザは、前記基板上に順次形成された第1導電型の第1下クラッド層、第1活性層、第2導電型の第1上クラッド層、エッチングストップ層及び第2導電型の第2上クラッド層を有し、前記第2半導体レーザは、前記基板上に順次形成された第1導電型の第2下クラッド層、第2活性層及び第2導電型の第3上クラッド層を有し、前記第2上クラッド層は前記エッチングストップ層までエッチングされて第1リッジ導波路が形成され、前記第3上クラッド層は途中までエッチングされて第2リッジ導波路が形成され、少なくとも前記第2半導体レーザの出射端面側に窓領域が形成され、前記第3上クラッド層の構成材料であるAlGaInPのAl組成比は、前記第2活性層のバリア層及びガイド層の構成材料であるAlGaInPのAl組成比よりも高く、前記第3上クラッド層の構成材料の屈折率は、前記第2下クラッド層の構成材料の屈折率より高いことを特徴とする半導体レーザである。
第2の発明は、1つの基板上に第1半導体レーザと第2半導体レーザが形成され、前記第1半導体レーザは、前記基板上に順次形成された第1導電型の第1下クラッド層、第1活性層、第2導電型の第1上クラッド層及び第2導電型の第2上クラッド層を有し、前記第2半導体レーザは、前記基板上に順次形成された第1導電型の第2下クラッド層、第2活性層及び第2導電型の第3上クラッド層を有し、前記第1上クラッド層はAlGaAs系材料からなり、前記第2上クラッド層はAlGaInP系材料からなり、前記第2上クラッド層は前記第1上クラッド層までエッチングされて第1リッジ導波路が形成され、前記第3上クラッド層は途中までエッチングされて第2リッジ導波路が形成され、少なくとも前記第2半導体レーザの出射端面側に窓領域が形成され、前記第3上クラッド層の構成材料であるAlGaInPのAl組成比は、前記第2活性層のバリア層及びガイド層の構成材料であるAlGaInPのAl組成比よりも高く、前記第3上クラッド層の構成材料の屈折率は、前記第2下クラッド層の構成材料の屈折率より高いことを特徴とする半導体レーザである。
第3の発明は、第2の発明の半導体レーザを製造する方法であって、前記基板上の第1領域に前記第1下クラッド層、前記第1活性層、前記第1上クラッド層及び前記第2上クラッド層を順次形成する工程と、前記基板上の第2領域に前記第2下クラッド層、前記第2活性層及び前記第3上クラッド層を順次形成する工程と、前記第2上クラッド層と前記第3上クラッド層をドライエッチングして前記第1リッジ導波路と前記第2リッジ導波路を同時に形成する工程とを備え、前記第1リッジ導波路と前記第2リッジ導波路を形成する際に、前記第1上クラッド層のAlGaAs系材料と前記第2上クラッド層のAlGaInP系材料の違いを検出することでドライエッチングを停止することを特徴とする半導体レーザの製造方法である。
第4の発明は、第3の発明において、前記第1リッジ導波路と前記第2リッジ導波路を形成する際に、前記第1上クラッド層のAlGaAs系材料と前記第2上クラッド層のAlGaInP系材料の違いをInのプラズマ発光強度変化によって検出することでドライエッチングを停止することを特徴とする半導体レーザの製造方法である。
第1の発明又は第2の発明により、良好な動作特性を持つ半導体レーザを得ることができる。第3の発明又は第4の発明により、第2の発明の半導体レーザを製造する際に、リッジ形成時のエッチング量の制御性を高めることができる。
本発明の実施の形態1に係る半導体レーザを示す斜視図である。 図1のA−A’における断面図である。 図1のB−B’における断面図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体レーザの製造方法を説明するための斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体レーザの製造方法を説明するための斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体レーザの製造方法を説明するための斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体レーザの製造方法を説明するための斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体レーザの製造方法を説明するための斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体レーザの製造方法を説明するための斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体レーザの製造方法を説明するための斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体レーザの製造方法を説明するための斜視図である。 比較例に係る半導体レーザを示す断面図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体レーザを示す断面図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体レーザの製造方法を説明するための斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体レーザの製造方法を説明するための斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体レーザの製造方法を説明するための斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体レーザの製造方法を説明するための斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体レーザの製造方法を説明するための斜視図である。 In、P及びAsのプラズマ発光強度の時間変化を示す図である。
実施の形態1.
[構造]
図1は本発明の実施の形態1に係る半導体レーザを示す斜視図である。1つのn型GaAs基板10上に、780nm帯波長のレーザ光を発振するリッジ導波路型の780nm帯波長レーザ12と、650nm帯波長のレーザ光を発振するリッジ導波路型の650nm帯波長レーザ14がモノリシックに形成されている。780nm帯波長レーザ12と650nm帯波長レーザ14を電気的に絶縁するために、両者の間にn型GaAs基板10まで達する素子間分離溝16が形成されている。
図2は図1のA−A’における断面図である。780nm帯波長レーザ12は、n型GaAs基板10上に順次形成された、n型GaAsバッファ層18、n型AlGaInP下クラッド層20、活性層22、p型AlGaInP第1上クラッド層24、p型GaInPのESL層26、p型AlGaInP第2上クラッド層28、及びp型GaAsコンタクト層30を有する。p型AlGaInP第2上クラッド層28及びp型GaAsコンタクト層30は、ESL層26までエッチングされてリッジ導波路32が形成されている。活性層22は、GaAsウェル層及びAlGaAsバリア層により構成される量子井戸構造もしくは多重量子井戸構造と、それを上下から挟むAlGaAsガイド層を有する。
650nm帯波長レーザ14は、n型GaAs基板10上に順次形成された、n型GaAsバッファ層34、n型AlGaInP下クラッド層36、活性層38、p型AlGaInP上クラッド層40、及びp型GaAsコンタクト層42を有する。p型AlGaInP上クラッド層40及びp型GaAsコンタクト層42は、p型AlGaInP上クラッド層40の途中までエッチングされてリッジ導波路44が形成されている。活性層38は、GaInPウェル層及びAlGaInPバリア層により構成される量子井戸構造と、それを上下から挟むAlGaInPガイド層を有する。
この半導体積層構造の上面は、リッジ導波路32及びリッジ導波路44の上面以外、リッジ導波路32及びリッジ導波路44への電流を狭窄するために例えばSiOやSiNなどの絶縁膜46で覆われている。リッジ導波路32,44の上面にそれぞれp側電極48,50がオーミック接続している。n型GaAs基板10の下面全面にn側電極52がオーミック接続されている。
図3は図1のB−B’における断面図である。少なくとも650nm帯波長レーザ14の出射端面54側に、活性層38を無秩序化させてバンドギャップを広げた窓領域56が形成されている。なお、窓領域56は出射端面54から40umに亘る領域、より一般的には出射端面54から20umに亘る領域に形成される。少なくとも出射端面54側の活性層38が無秩序化できていれば、例えば出射端面から1umに亘る領域のみに窓領域56が形成されていてもよい。
また、p型AlGaInP上クラッド層40のAl組成比は、活性層38のバリア層及びガイド層の構成材料であるAlGaInPのAl組成比よりも高い。そして、p型AlGaInP上クラッド層40の構成材料の屈折率は、n型AlGaInP下クラッド層36の構成材料の屈折率より高い。
[製造方法]
本発明の実施の形態1に係る半導体レーザの製造方法について説明する。
まず、図4に示すように、MOCVD法やMBE法などのエピタキシャル成長により、n型GaAs基板10上に、n型GaAsバッファ層18、n型AlGaInP下クラッド層20、活性層22、p型AlGaInP第1上クラッド層24、p型GaInPのESL層26、p型AlGaInP第2上クラッド層28、及びp型GaAsコンタクト層30を擬似格子整合するように順次形成する。
次に、図5に示すように、後に780nm帯波長レーザ12となる領域(第1領域)以外のn型GaAsバッファ層18、n型AlGaInP下クラッド層20、活性層22、p型AlGaInP第1上クラッド層24、p型GaInPのESL層26、p型AlGaInP第2上クラッド層28、及びp型GaAsコンタクト層30をパターンエッチングにより部分的に除去する。
次に、図6に示すように、MOCVD法やMBE法などのエピタキシャル成長により、n型GaAsバッファ層34、n型AlGaInP下クラッド層36、活性層38、p型AlGaInP上クラッド層40、及びp型GaAsコンタクト層42を擬似格子整合するように順次形成する。
次に、図7に示すように、後に650nm帯波長レーザ14となる領域(第2領域)以外のn型GaAsバッファ層34、n型AlGaInP下クラッド層36、活性層38、p型AlGaInP上クラッド層40、及びp型GaAsコンタクト層42をパターンエッチングにより部分的に除去する。この際に、780nm帯波長レーザ12と650nm帯波長レーザ14の間にn型GaAs基板10まで達する素子間分離溝16を形成する。
次に、p型GaAsコンタクト層30及びp型GaAsコンタクト層42上に絶縁膜(不図示)を形成してパターニングする。その後、図8に示すように、端面の窓領域56を形成する部分の直上のp型GaAsコンタクト層30及びp型GaAsコンタクト層42を部分的に除去する。そして、上部から少なくとも活性層22,38を越えるように、ZnやSiなどの不純物を熱拡散や注入技術を用いることで添加し、窓領域56を形成する。その後、絶縁膜は除去する。なお、窓領域56の形成は、780nm帯波長レーザ12と650nm帯波長レーザ14で同時に行っても良いし、別々に行っても良い。
次に、フォトリソグラフィによりパターン(不図示)を形成する。ICP(Inductive Coupled Plasma)やECR(Electron Cyclotron Resonance)などのドライエッチングにより、上部からp型AlGaInP第2上クラッド層28、p型GaAsコンタクト層30、p型AlGaInP上クラッド層40及びp型GaAsコンタクト層42をエッチングすることで、図9に示すように、リッジ導波路32とリッジ導波路44を同時に形成する。
この際に、プラズマ発光モニター等で発光スペクトルをモニターして、780nm帯波長レーザ12のp型GaInPのESL層26までエッチングが達したことを検出(終点検出)すると、ドライエッチングを停止する。その後、フォトレジストを除去する。
次に、図10に示すように、780nm帯波長レーザ12及び650nm帯波長レーザ14の上部を覆うように絶縁膜46をCVD法により形成する。そして、両レーザのリッジ導波路32,44の直上の絶縁膜46の一部をエッチングにより除去する。そして、図11に示すように、リッジ導波路32,44の上面にp側電極48,50を形成し、n型GaAs基板10の下面全面にn側電極52を形成する。以上の工程により実施の形態1に係る半導体レーザが製造される。
[効果]
実施の形態1の効果について比較例と比較しながら説明する。図12は比較例に係る半導体レーザを示す断面図である。比較例では、実施の形態1のp型AlGaInP上クラッド層40の代わりに、p型AlGaInP第1上クラッド層58、ESL層60及びp型AlGaInP第2上クラッド層62が順次積層されている。ESL層60は、GaInPや、Al組成の低いAlGaInPからなる。
ESL層60はバンドギャップが狭いため、比較例では、650nm帯波長レーザ14の活性層38で生じたレーザ光がESL層60で吸収されて、レーザの発光効率が低下し、高温環境下において動作電流が増大する。そして、上クラッド層から活性層38へ注入される正孔の流れをESL層60が阻害するため、半導体レーザの抵抗及び動作電圧が上昇する。さらに、650nm帯波長レーザのESL層60で生じたレーザ光の光強度分布がESL層60に引寄せられ、高次モードによるキンクが発生しやすい。
一方、実施の形態1では、p型AlGaInP上クラッド層40のAl組成比は、活性層38のバリア層及びガイド層の構成材料であるAlGaInPのAl組成比よりも高い。このため、p型AlGaInP上クラッド層40は、バンドギャップが活性層38のバリア層及びガイド層よりも大きい。即ち、780nm帯波長レーザ12にはESL層26を設けるが、650nm帯波長レーザ14にはESL層を設けない。これにより、発光効率が改善し、高温環境下における動作電流の増大を抑制できる。そして、半導体レーザの抵抗及び動作電圧の上昇を防ぐことができる。さらに、高次モードによるキンクを防ぐこともできる。従って、キンク対策として、特許文献1のように下クラッド層の屈折率を上クラッド層よりも大きくして、光強度分布を基板側にシフトさせる必要はない。
また、課題の欄で説明したように、従来は、窓領域を形成したリッジ型構造の半導体レーザにおいて、出射端面から出射されるレーザ光が基板側へ傾斜するという問題があった。そこで、実施の形態1では、p型AlGaInP上クラッド層40の屈折率をn型AlGaInP下クラッド層36の屈折率よりも高くしている。これにより、レーザ光が基板側へ傾斜するのを防ぐことができるため、光ピックアップにおいて高い光結合効率を得ることができる。ただし、p型AlGaInP上クラッド層40の屈折率を高くしすぎると、キンクの発生やp型GaAsコンタクト層での光吸収の増加による動作電流上昇の問題が生じる。そこで、p型AlGaInP上クラッド層40とn型AlGaInP下クラッド層36の屈折率差△nを0<△n≦0.03にする。よって、実施の形態1に係る半導体レーザは良好な動作特性を持つ。
[その他]
なお、実施の形態1では、780nm帯波長レーザ12の活性層22のウェル層をGaAsとしたが、バリア層及びガイド層のAlGaAsよりも低いAl組成のAlGaAsをウェル層に用いてもよい。また、下クラッド層をn型AlGaAsとし、上クラッド層をp型AlGaAsとしてもよい。また、ESL層26は、複数のAlGaInP層とGaInP層とを交互に積層した多重量子井戸構造でもよいし、Al組成の高いAlGaAsでもよい。
また、ESL層26の厚みは、エッチング停止機能やESL層26までエッチングが到達したことを検知するシグナル検出感度の観点から1nm以上が好ましく、ESL層26のエピキタキシャル成長時間の観点から30nm以下が好ましい。
実施の形態2.
図13は本発明の実施の形態2に係る半導体レーザを示す断面図である。実施の形態1とは780nm帯波長レーザ12の構成が異なる。実施の形態1と同様の構成要素には同じ番号を付し、説明を省略する。
実施の形態2の780nm帯波長レーザ12は、n型GaAs基板10上に順次形成された、n型GaAsバッファ層18、n型AlGaInP第1下クラッド層64、n型AlGaAs第2下クラッド層66、活性層22、p型AlGaAs第1上クラッド層68、p型AlGaInP第2上クラッド層70、及びp型GaAsコンタクト層30を有する。p型AlGaInP第2上クラッド層70及びp型GaAsコンタクト層30はp型AlGaAs第1上クラッド層68までエッチングされてリッジ導波路32が形成されている。
本発明の実施の形態2に係る半導体レーザの製造方法について説明する。
まず、図14に示すように、MOCVD法やMBE法などのエピタキシャル成長により、n型GaAs基板10上に、n型GaAsバッファ層18、n型AlGaInP第1下クラッド層64、n型AlGaAs第2下クラッド層66、活性層22、p型AlGaAs第1上クラッド層68、p型AlGaInP第2上クラッド層70、及びp型GaAsコンタクト層30を擬似格子整合するように順次形成する。
次に、図15に示すように、後に780nm帯波長レーザ12となる領域(第1領域)以外のn型GaAsバッファ層18、n型AlGaInP第1下クラッド層64、n型AlGaAs第2下クラッド層66、活性層22、p型AlGaAs第1上クラッド層68、p型AlGaInP第2上クラッド層70、及びp型GaAsコンタクト層30をパターンエッチングにより部分的に除去する。
次に、図16に示すように、MOCVD法やMBE法などのエピタキシャル成長により、n型GaAsバッファ層34、n型AlGaInP下クラッド層36、活性層38、p型AlGaInP上クラッド層40、及びp型GaAsコンタクト層42を擬似格子整合するように順次形成する。
次に、図17に示すように、後に650nm帯波長レーザ14となる領域(第2領域)以外のn型GaAsバッファ層34、n型AlGaInP下クラッド層36、活性層38、p型AlGaInP上クラッド層40、及びp型GaAsコンタクト層42をパターンエッチングにより部分的に除去する。この際に、780nm帯波長レーザ12と650nm帯波長レーザ14の間にn型GaAs基板10まで達する素子間分離溝16を形成する。
次に、実施の形態1と同様に窓領域56を形成する。そして、フォトリソグラフィによりパターン(不図示)を形成する。ICPやECRなどのドライエッチングにより、上部からp型AlGaInP第2上クラッド層70、p型GaAsコンタクト層30、p型AlGaInP上クラッド層40及びp型GaAsコンタクト層42をエッチングすることで、図18に示すように、リッジ導波路32とリッジ導波路44を同時に形成する。
この際に、p型AlGaAs第1上クラッド層68のAlGaAs系材料とp型AlGaInP第2上クラッド層70のAlGaInP系材料の違いをプラズマ発光モニターによるIn、P又はAsのプラズマ発光強度変化によって検出して、780nm帯波長レーザ12のp型AlGaAs第1上クラッド層68までエッチングが達したことを検出(終点検出)すると、ドライエッチングを停止する。
その後、フォトレジストを除去し、実施の形態1と同様の工程を行うことで実施の形態2に係る半導体レーザが製造される。
実施の形態2の半導体レーザは、650nm帯波長レーザ14の構成が実施の形態1と同じであるため、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、実施の形態2の製造方法では、リッジ導波路32とリッジ導波路44を形成する際のドライエッチングにおいて、p型AlGaAs第1上クラッド層68とp型AlGaInP第2上クラッド層70の境界でエッチングを停止する。従って、材料系がAlGaInPからAlGaAsに完全に切り換わるので、実施の形態1のように薄いESL層26のシグナルを検出する方法に比べて、エッチングをより確実に停止することができる。よって、780nm帯波長レーザ12だけでなく、同時にエッチングを行う650nm帯波長レーザ14のリッジ脇部の深さ方向のエッチング量の制御性を高めることができる。これにより、出射されるレーザ光の水平方向ビーム広がり角のばらつきを抑えることができる。
図19は、In、P及びAsのプラズマ発光強度の時間変化を示す図である。この図から、Inのプラズマ発光波長451.5nmでの発光強度変化がAs及びPの発光強度変化よりも大きいことが分かる。従って、AlGaInP層からAlGaAs層への切り換わりを検知する場合は、Inの発光強度変化を検知してドライエッチングを停止することが好ましい。
なお、780nm帯波長レーザ12の下クラッド層は、本実施の形態2のように必ずしも2層構造とする必要は無く、下クラッド層をn型AlGaInP層のみ又はn型AlGaAs層のみとしてもよい。
10 n型GaAs基板(基板)
12 780nm帯波長レーザ(第1半導体レーザ)
14 650nm帯波長レーザ(第2半導体レーザ)
20 n型AlGaInP下クラッド層(第1下クラッド層)
22 活性層(第1活性層)
24 p型AlGaInP第1上クラッド層(第1上クラッド層)
26 ESL層(エッチングストップ層)
28 p型AlGaInP第2上クラッド層(第2上クラッド層)
32 リッジ導波路(第1リッジ導波路)
36 n型AlGaInP下クラッド層(第2下クラッド層)
38 活性層(第2活性層)
40 p型AlGaInP上クラッド層(第3上クラッド層)
44 リッジ導波路(第2リッジ導波路)
54 出射端面
56 窓領域
64 n型AlGaInP第1下クラッド層(第1下クラッド層)
66 n型AlGaAs第2下クラッド層(第1下クラッド層)
68 p型AlGaAs第1上クラッド層(第1上クラッド層)
70 p型AlGaInP第2上クラッド層(第2上クラッド層)

Claims (4)

  1. 1つの基板上に第1半導体レーザと第2半導体レーザが形成され、
    前記第1半導体レーザは、前記基板上に順次形成された第1導電型の第1下クラッド層、第1活性層、第2導電型の第1上クラッド層、エッチングストップ層及び第2導電型の第2上クラッド層を有し、
    前記第2半導体レーザは、前記基板上に順次形成された第1導電型の第2下クラッド層、第2活性層及び第2導電型の第3上クラッド層を有し、
    前記第2上クラッド層は前記エッチングストップ層までエッチングされて第1リッジ導波路が形成され、
    前記第3上クラッド層は途中までエッチングされて第2リッジ導波路が形成され、
    少なくとも前記第2半導体レーザの出射端面側に窓領域が形成され、
    前記第3上クラッド層の構成材料であるAlGaInPのAl組成比は、前記第2活性層のバリア層及びガイド層の構成材料であるAlGaInPのAl組成比よりも高く、
    前記第3上クラッド層の構成材料の屈折率は、前記第2下クラッド層の構成材料の屈折率より高いことを特徴とする半導体レーザ。
  2. 1つの基板上に第1半導体レーザと第2半導体レーザが形成され、
    前記第1半導体レーザは、前記基板上に順次形成された第1導電型の第1下クラッド層、第1活性層、第2導電型の第1上クラッド層及び第2導電型の第2上クラッド層を有し、
    前記第2半導体レーザは、前記基板上に順次形成された第1導電型の第2下クラッド層、第2活性層及び第2導電型の第3上クラッド層を有し、
    前記第1上クラッド層はAlGaAs系材料からなり、
    前記第2上クラッド層はAlGaInP系材料からなり、
    前記第2上クラッド層は前記第1上クラッド層までエッチングされて第1リッジ導波路が形成され、
    前記第3上クラッド層は途中までエッチングされて第2リッジ導波路が形成され、
    少なくとも前記第2半導体レーザの出射端面側に窓領域が形成され、
    前記第3上クラッド層の構成材料であるAlGaInPのAl組成比は、前記第2活性層のバリア層及びガイド層の構成材料であるAlGaInPのAl組成比よりも高く、
    前記第3上クラッド層の構成材料の屈折率は、前記第2下クラッド層の構成材料の屈折率より高いことを特徴とする半導体レーザ。
  3. 請求項2に記載の半導体レーザを製造する方法であって、
    前記基板上の第1領域に前記第1下クラッド層、前記第1活性層、前記第1上クラッド層及び前記第2上クラッド層を順次形成する工程と、
    前記基板上の第2領域に前記第2下クラッド層、前記第2活性層及び前記第3上クラッド層を順次形成する工程と、
    前記第2上クラッド層と前記第3上クラッド層をドライエッチングして前記第1リッジ導波路と前記第2リッジ導波路を同時に形成する工程とを備え、
    前記第1リッジ導波路と前記第2リッジ導波路を形成する際に、前記第1上クラッド層のAlGaAs系材料と前記第2上クラッド層のAlGaInP系材料の違いを検出することでドライエッチングを停止することを特徴とする半導体レーザの製造方法。
  4. 前記第1リッジ導波路と前記第2リッジ導波路を形成する際に、前記第1上クラッド層のAlGaAs系材料と前記第2上クラッド層のAlGaInP系材料の違いをInのプラズマ発光強度変化によって検出することでドライエッチングを停止することを特徴とする請求項3に記載の半導体レーザの製造方法。
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