JP2008060028A - 蓄電デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄電デバイスにおける高エネルギー密度及び高出力/高率充電特性への要求レベルは高く、プリドープによる高容量化、高電圧化によるエネルギー密度の向上、高出力化の実現に向け、製造が容易で、かつ、短時間で均一にプリドープできる、実用的なプリドープが可能な蓄電デバイスを提供する。
【解決手段】リチウムを吸蔵、放出可能な正極活物質を含む正極、リチウムを吸蔵、放出可能な負極活物質を含む負極、リチウム塩を非水系溶媒に溶解した電解液を有する非水系蓄電デバイスにおいて、正極集電体あるいは負極集電体のいずれか一方が表裏面を貫通する孔を有することを特徴とする蓄電デバイスである。
【選択図】図1

Description

本発明は、簡便、かつ、実用的なプリドープ技術に基づき製造することが可能な、高エネルギー密度、高出力特性を有する蓄電デバイスに関する。
近年、携帯電話に代表される小型携帯機器用の電源、深夜電力貯蔵システム、太陽光発電に基づく家庭用分散型蓄電システム、電気自動車のための蓄電システムなどに関連して、各種の高エネルギー密度電池の開発が精力的に行われている。特に、リチウムイオン電池は、350Wh/lを超える体積エネルギー密度を有すること、金属リチウムを負極として用いるリチウム二次電池に比べて、安全性、サイクル特性などの信頼性が優れることなどの理由により、小型携帯機器用の電源として、その市場が飛躍的に拡大している。リチウムイオン電池は、正極としてLiCoO、LiMnなどに代表されるリチウム含有遷移金属酸化物を用い、負極として黒鉛に代表される炭素系材料を用いている。現在、リチウムイオン電池のより一層の高容量化が進められているが、正極酸化物及び負極炭素系材料の改良による高容量化は、ほぼ限界に達しており、機器側からの高エネルギー密度に対する要求を満たすことは困難である。また、高効率エンジンと蓄電システムとの組み合わせ(例えば、ハイブリッド電気自動車)、あるいは燃料電池と蓄電システムとの組み合わせ(例えば、燃料電池電気自動車)において、エンジンあるいは燃料電池が最大効率で運転するためには、一定出力での運転が必須であり、負荷側の出力変動あるいはエネルギー回生に対応するために、蓄電システム側には高出力放電特性、高率充電特性が要求されている。この要求に対応するため、蓄電システムにおいては高エネルギー密度を特徴とするリチウムイオン電池の高出力化あるいは高出力を特徴とする電気二重層キャパシタの高エネルギー密度化に向けた研究開発が実施されている。
一方、リチウムイオン電池あるいはキャパシタなどの蓄電デバイスにおいて、活物質にあらかじめリチウムイオンを担持させること(以下、プリドープと呼ぶ)により、蓄電デバイスの高容量化、高電圧化する技術が注目されている。例えば非特許文献1、特許文献1、非特許文献2、非特許文献3などに記載されているポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体などの高容量材料に対し、このプリドープを適用することにより、非特許文献4に記載されているように、その特徴(高容量)を充分に活かした蓄電デバイス設計が可能となり、上記蓄電デバイスの高エネルギー密度化あるいは高出力化の要求に応えることが可能となる。プリドープは古くから実用化されている技術であり、例えば、非特許文献5、特許文献2には、リチウムを負極活物質であるポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体にプリドープさせた、高電圧かつ高容量な蓄電デバイスが開示されている。プリドープに関しては、あらかじめリチウムを担持させた電極を用いて蓄電デバイスに組み込む方法、リチウム金属などを電極成形時に混合する方法などが知られているが、簡便かつ実用的なプリドープ法に関しては、活物質を含有する電極にリチウム金属箔を接触させる方法がある。この技術は電極数が少なく、比較的厚い電極を用いるコイン型などに有効であるが、薄い電極を複数枚積層する積層型構造電池、あるいは、巻回型構造電池においては、工程が煩雑になる、あるいは、薄型リチウム金属の取り扱いなどに課題があり、簡便かつ実用的なプリドープ法が必要であった。
この問題を解決する方法として、特許文献3には、表裏面を貫通する孔を備え、負極活物質がリチウムを可逆的に担持可能であり、負極由来のリチウムが負極あるいは正極と対向して配置されたリチウムとの電気化学的接触により担持され、かつ、該リチウムの対向面積が負極面積の40%以下であることを特徴とする有機電解質電池が開示されている。この電池では貫通孔を備えた集電体上に電極層を形成し、電池内に配置されたリチウム金属と負極を短絡することにより、リチウムイオンが集電体の貫通孔を通過し、すべての負極にドープされる。特許文献3の実施例には、貫通孔を備えた集電体にエキスパンドメタルを用い、正極活物質にLiCoO、負極活物質にポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体を用いた有機電解質電池が開示されており、該負極活物質には、電池内に配置されたリチウム金属からリチウムイオンを簡便にプリドープすることができる。
特許文献4には、空隙率1%〜30%の表裏面を貫通する孔を有する集電体を用いることにより集電体からの電極の脱落は減少させることが開示されている。特許文献5には正極に比表面積が1900m/gのポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体、負極にポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体を用い、これら活物質を、貫通孔を備えた集電体上に形成し、電池内に配置されたリチウム金属からリチウムイオンを負極活物質にプリドープしたキャパシタが開示されている。特許文献6には貫通孔を備えた集電体の孔を埋めることにより、電極層形成が容易であり、かつ、電極の脱落も防止できることが開示されている。特許文献3〜6の先行技術においては、複数の正極、負極をリチウムが透過しプリドープが進行させるため、正極及び負極の両方に貫通孔を備えた集電体を用いる必要があり、均一にプリドープさせるために必要な時間もかなり長いものである。(特許文献6にはプリドープ終了の確認まで14日間の放置)。
上記のように簡便かつ実用的なプリドープ法として、貫通孔を備えた集電体上に電極層を形成し、電池内に配置されたリチウム金属と負極を短絡することにより、リチウムイオンが正極及び負極の集電体の貫通孔を通過し、電極活物質に担持させる技術が開示されている。しかし、製造上の観点から考えれば、特殊な貫通孔を備えた集電体の使用を控え、かつ、より短時間で均一にプリドープできる手法が望まれている。短時間で均一にプリドープするためには、実用的にはプリドープする活物質を含む電極表面全部にリチウム金属を貼付ける方法が好ましいが、上述の様に薄型リチウム金属が必要なこと、その取り扱いが難しいことなどの問題点を有していた。
T.Yamabe,M.Fujii,S.Mori,H.Kinoshita,S.Yata:Synth.Met.,145,31(2004) 特開昭59−3806号公報 S.Yata,Y.Hato,K.Sakurai,T.Osaki,K.Tanaka,T.Yamabe:Synth.Met.,18,645(1987) S.Yata,H.Kinoshita,M.Komori,N.Ando,T.Kashiwamura,T.Harada,K.Tanaka,T.Yamabe:Synth.Met.,62,153(1994) S.Yata,Y.Hato,H.Kinoshita,N.Ando,A.Anekawa,T.Hashimoto,M.Yamaguchi, K.Tanaka,T.Yamabe:Synth.Met.,73,273(1995) 矢田静邦,工業材料,Vol.40,No.5,32(1992) 特開平3−233860号公報 WO98/33227号公報 WO00/07255号公報 WO03/003395号公報 WO04/097867号公報
リチウムイオン電池、キャパシタなどの蓄電デバイスにおける高エネルギー密度及び高出力への要求レベルは高い。この要求に応えるためには、高容量材料へのリチウムプリドープによる高容量化、あるいは、高電圧化によるエネルギー密度の向上、高出力化が今後の蓄電デバイス開発に必須技術であると考えられる。上記の貫通孔を備えた集電体を用いたプリドープ技術は、正極及び負極の両方に貫通孔を備えた集電体を用いる必要はあるものの、蓄電デバイスにおける高エネルギー密度及び高出力に貢献するものではある。しかし、製造上の観点から考えれば、特殊な貫通孔を備えた集電体の使用を控え、かつ、より短時間で均一にプリドープできる手法が望まれている。短時間で均一にプリドープするためには、実用的にはプリドープする活物質を含む電極表面全部にリチウム金属を貼付ける方法が好ましいが、上記のように薄型リチウム金属が必要なこと、その取り扱いが難しいことなどの問題点を有していた。従って、本発明はリチウム金属の貼付けによるプリドープ方法が適用可能であり、製造が容易で、かつ、短時間で均一にプリドープできる、実用的なプリドープが可能な蓄電デバイスを提供することにある。
本発明者は、上記の様な従来技術の問題点に留意しつつ、研究を進めた結果、表裏面を貫通する孔を有する集電体を正極あるいは負極のいずれか一方のみに用いることにより、リチウム金属を貼付けによるプリドープ方法が適用可能であり、製造が容易で、かつ、短時間で均一にプリドープできることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記請求項1に記載の蓄電デバイスは、リチウムを吸蔵、放出可能な正極活物質を含む正極、リチウムを吸蔵、放出可能な負極活物質を含む負極、リチウム塩を非水系溶媒に溶解した電解液を有する非水系蓄電デバイスにおいて、正極集電体が表裏面を貫通する孔を有さず、負極集電体が表裏面を貫通する孔を有することを特徴としている。
上記請求項2に記載の蓄電デバイスは、リチウムを吸蔵、放出可能な正極活物質を含む正極、リチウムを吸蔵、放出可能な負極活物質を含む負極、リチウム塩を非水系溶媒に溶解した電解液を有する非水系蓄電デバイスにおいて、正極集電体が表裏面を貫通する孔を有し、負極集電体が表裏面を貫通する孔を有さないことを特徴としている。
上記請求項1あるいは2の構成によれば、リチウム金属を貼付けによるプリドープ方法が適用可能であり、製造が容易で、かつ、短時間で均一にプリドープすることが可能となる。
上記請求項3に記載の蓄電デバイスは、上記請求項1あるいは2に記載の貫通する孔を有する集電体の空隙率が10%以上90%以下であることを特徴としている。
本発明の蓄電デバイスは、表裏面を貫通する孔を有する集電体を正極あるいは負極のいずれか一方のみに用いることにより、リチウム金属の貼付けによるプリドープ方法が適用可能であり、製造が容易で、かつ、短時間で均一にプリドープできるという効果を奏する。
本発明の一実施形態について、説明すれば以下の通りである。
本発明の蓄電デバイスは表裏面を貫通する孔を有する集電体を正極あるいは負極のいずれか一方のみに用いる。請求項1に記載する構成は正極集電体が表裏面を貫通する孔を有さず、負極集電体が表裏面を貫通する孔を有する。また、請求項2に記載する構成は正極集電体が表裏面を貫通する孔を有し、負極集電体が表裏面を貫通する孔を有さない。
本発明における表裏面を貫通する孔を有する集電体は、上記特許文献3〜6に記載されているが、集電体の表裏面を貫通する孔を備えており、例えば、パンチング、エッチングなどによる表裏面を貫通する孔を加工した導電性基体(パンチング箔、エッチング箔、穿孔箔など)、発泡導電性基体、導電性材料の網、導電性材料の不織布などが挙げられ、例えば、50μm以下、更には30μm以下のパンチング箔、エッチング箔、穿孔箔であることが好ましい。集電体の材質は金属、炭素などの高い導電性を有するものであり、例えば、集電体の導電性は10S/cm以上と電極の電気伝導性に比べ充分に高い電気伝導性を有するものである。集電体の材質は、本発明の蓄電デバイスの電圧・出力設計、集電体上に形成する電極層に含まれる活物質・導電材・バインダーの種類あるいは電解液などにより適宜決定されるものであり、特に限定しないが、請求項1に記載のように負極集電体が表裏面を貫通する孔を有する場合、すなわち、負極集電体としては銅が一般的であり、請求項2に記載のように正極集電体が表裏面を貫通する孔を有する場合、すなわち、正極集電体としてはアルミニウムが一般的である。
本発明における表裏面を貫通する孔の形状は、特に限定されないが、表面あるいは裏面に見える形が、円、楕円、長方形、多角形など種々の形状が可能であり、孔は集電体中を直線的、曲線的、3次元的など種々の形状をもって集電体表裏面を貫通させることが可能である。
本発明における表裏面を貫通する孔を有する集電体の空隙率は、特に限定されないが、10%以上90%以下、更に好ましくは、30%を越え60%以下である。本発明で空隙率とは、集電体体積に占める表裏面を貫通する孔の体積割合を言う。具体的には、集電体面積をA(cm)、マイクロメータ、のぎすなどで測定可能な集電体厚みをB(cm)、集電体重量をW(g)、集電体材質の比重ρ(g/cm)とした場合、空隙率は「1−W/(A×B×ρ)」×100%であり、従来技術においては、貫通孔の割合、気孔率と呼ばれることもある。この空隙率は、プリドープの速度を速めるあるいはプリドープの均一性を高めるためには大きく設定することが好ましいが、大きすぎる場合、集電体上への電極層形成の容易さ、電極強度の観点から好ましくない。
本発明における表裏面を貫通する孔の幅は、特に限定しないが、1mm以下が好ましく、更に好ましくは0.7mm以下、特に好ましくは0.4mm以下である。孔の幅が大きすぎる場合、高出力負荷特性が得られにくくなる。また、下限については好ましくは0.05mm以上、更に好ましくは0.1mm以上であり、小さすぎる場合、集電体の製造が難しくなる。上記孔の幅とは、孔中のすべての点から集電体までの最短距離を考え、その中の最大値の2倍を本発明においては孔の幅と定義する。孔の断面が円の場合、孔中の点から集電体までの最短距離の最大値は半径となり、孔の幅は半径の2倍、すなわち、直径となる。孔の断面が長方形の場合、孔中の点から集電体までの最短距離の最大値は短辺の長さの1/2となり、孔の幅は孔の短辺の長さとなる。孔の断面が楕円の場合、孔中の点から集電体までの最短距離の最大値は短軸半径となり、孔の幅は短軸直径となる。また、不定形な孔である場合、各断面において上記のように孔の幅を求め、その80%以上が上記範囲に入ることが好ましい。
本発明の正極あるいは負極は、表裏面を貫通する孔を有する集電体上には活物質を含む電極層を形成されている。電極層は、貫通する孔を有する集電体の両面あるいは片面に形成され、集電体の孔中にも形成することができる。電極層とは活物質を主成分とし、必要に応じ、導電材、バインダーを用いて成形することができる。バインダーの種類は、特に限定されるものではないが、ポリフッ化ビニリデン、ポリ四フッ化エチレンなどのフッ素系樹脂類、フッ素ゴム、SBR、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類などが例示される。バインダー量は、特に限定されず、活物質の平均粒径、形状などにより適宜決定されるものであるが、例えば、活物質の重量の1%〜30%程度の割合とすることが好ましい。また、導電材の種類、量は、特に限定されるものではなく、活物質の電子伝導性、平均粒径、形状などにより適宜決定されるものであるが、材料としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛などの炭素材料、金属材料が例示される。導電材量は、特に限定されず、後述の電極の電気伝導性を得るために必要な量が添加される。本発明の蓄電デバイス用電極は、上記活物質、必要に応じ、導電材、バインダーを用いて、塗布成形、プレス成形、ロール成形など、公知の電極成形法を用いて、集電体上に形成し、製造することが可能である。
本発明における表裏面を貫通する孔を有さない集電体は、例えば、従来のリチウムイオン電池、キャパシタなどに一般的に用いられる箔状、板状などの集電体であり、また、表面を粗面化する目的でエッチングした凹凸を有していても孔が表裏面を貫通していなければ用いることができる。表裏面を貫通する孔を有さない集電体に位置決め等の目的で、その一部に表裏面を貫通する孔が開いていても集電体の大部分に表裏面を貫通する孔を有さない場合、本発明において表裏面を貫通する孔を有さない集電体とすることができる。表裏面を貫通する孔を有さない集電体の材質は、本発明の蓄電デバイスの電圧・出力設計、集電体上に形成する電極層に含まれる活物質・導電材・バインダーの種類あるいは電解液などにより適宜決定されるものであり、特に限定しないが、請求項1に記載のように正極集電体が表裏面を貫通する孔を有さない場合、すなわち、正極集電体としてはアルミニウムが一般的であり、請求項2に記載のように負極集電体が表裏面を貫通する孔を有さない場合、すなわち、負極集電体としては銅が一般的である。
上記表裏面を貫通する孔を有さない集電体上には活物質を含む電極層を形成されている。電極層は、表裏面を貫通する孔を有さない集電体上の両面あるいは片面に形成される。電極層とは活物質を主成分とし、必要に応じ、導電材、バインダーを用いて成形することができる。バインダーの種類は、特に限定されるものではないが、ポリフッ化ビニリデン、ポリ四フッ化エチレンなどのフッ素系樹脂類、フッ素ゴム、SBR、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類などが例示される。バインダー量は、特に限定されず、活物質の平均粒径、形状などにより適宜決定されるものであるが、例えば、活物質の重量の1%〜30%程度の割合とすることが好ましい。また、導電材の種類、量は、特に限定されるものではなく、活物質の電子伝導性、平均粒径、形状などにより適宜決定されるものであるが、材料としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛などの炭素材料、金属材料が例示される。導電材量は、特に限定されず、後述の電極の電気伝導性を得るために必要な量が添加される。本発明の蓄電デバイス用電極は、上記活物質、必要に応じ、導電材、バインダーを用いて、塗布成形、プレス成形、ロール成形など、公知の電極成形法を用いて、集電体上に形成し、製造することが可能である。
本発明の蓄電デバイスのリチウムを吸蔵、放出可能な正極活物質は、特に限定されるものではないが、例えば、活性炭、ポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体などの有機半導体、リチウムを吸蔵、放出可能な金属酸化物、金属硫化物など公知のものを用いることができる。金属酸化物としては、リチウム複合コバルト酸化物、リチウム複合ニッケル酸化物、リチウム複合マンガン酸化物、あるいはこれらの混合物、更にはこれら複合酸化物に異種金属元素を一種以上添加した系などのリチウムを含む金属酸化物だけでなく、五酸化バナジウム、二酸化マンガン、二硫化モリブデンなどのリチウムを吸蔵、放出可能であるがリチウムを含まない金属酸化物も、蓄電デバイスにおいて正極あるいは負極にリチウムをプリドープすることにより本発明に用いることが可能となる。
本発明の蓄電デバイスのリチウムを吸蔵、放出可能な負極活物質は、特に限定されるものではないが、例えば、活性炭、ポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体などの有機半導体、黒鉛系物質、炭素系物質、錫酸化物、ケイ素酸化物、錫、ケイ素などの材料が挙げられる。特に、活性炭、ポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体は出力特性に優れることから好ましい材料の一例である。
本発明の請求項1に記載の蓄電デバイスはリチウムを吸蔵、放出可能な正極活物質を含む正極、リチウムを吸蔵、放出可能な負極活物質を含む負極、リチウム塩を非水系溶媒に溶解した電解液を有する非水系蓄電デバイスにおいて、正極集電体が表裏面を貫通する孔を有さず、負極集電体が表裏面を貫通する孔を有することを特徴とする。図1には、本発明の請求項1に記載の蓄電デバイスを説明するための具体的な基本構成の一例を示している。図1中、負極集電体11は表裏面を貫通する孔を有し、その集電体上には負極活物質を含む電極層13が形成されている。図1では表裏面を貫通する孔を有する負極集電体11の両面に電極層13が形成されているが、負極集電体の片面に電極層を形成したものを2枚用いても構わない。一方、正極集電体12は表裏面を貫通する孔を有さず、その集電体上には正極活物質を含む電極層15が形成されている。図1では正極集電体12の片面に電極層15が形成されているが、集電体上に正極活物質を含む電極層を両面に形成し、図1に示す基本構成に基づき、正極、セパレータ、負極等から構成される電極ユニットを積層あるいは巻回し、蓄電デバイスを得ることもできる。
請求項1に記載の構成における、リチウムのプリドープの具体例について説明する。請求項1に記載の構成によれば負極集電体のみが表裏面を貫通する孔を有しており、リチウムは負極集電体を通過することができる。例えば、図1において負極電極層13(両面分)に含まれる負極活物質にリチウムをプリドープする場合、両面分のプリドープに必要な所定量のリチウム金属を負極電極層13の片面のみに貼付け、デバイスを組み立て、電解液を注入すると、負極電極層13の片面に貼付けたリチウム金属は貼付けた側の電極層に含まれる負極活物質にプリドープされるとともに、表裏面を貫通する孔を有する負極集電体11を通過し、リチウム金属を貼付けていない電極層に含まれる負極活物質にもプリドープされる。また、貫通する孔を有する負極集電体の片面に電極層を形成したものを2枚用いる場合、1枚の負極集電体にリチウム金属を貼付けることも可能である。この場合、負極集電体はリチウムと合金化などの反応を生じない材料を選定することが望ましい。
請求項1に記載の構成において、図1において負極集電体11上に電極層が形成された負極の両側に配置された正極電極層15に含まれる正極活物質にリチウムをプリドープする場合、両側分の正極活物質へのプリドープに必要な所定量のリチウム金属を、正極電極層15のいずれか一方のみに貼付、デバイスを組み立て、電解液を注入すると、一方の正極電極層15に貼付けたリチウム金属は貼付けた側の電極層に含まれる正極活物質にプリドープされるとともに、表裏面を貫通する孔を有する負極集電体11を通過し、リチウム金属は貼付けていない電極層に含まれる正極活物質にもプリドープすることが可能である。当然のことながら負極集電体11上に電極層が形成された負極の両側に配置された各々の正極集電体12は電気的に接続されている。
いずれの場合も、リチウムは1層の表裏面を貫通する孔を有する負極集電体を通過するのみであり、特許文献3〜6に記載されているように、複数層の表裏面を貫通する孔を有する集電体を通過する場合に比べ、短時間で均一にプリドープできる。また、負極が表裏面を貫通する孔を有さない場合に比べ、リチウム金属の厚みは2倍の厚みのものが使用でき、リチウム金属の取り扱い、製造面で容易となる。更には、特殊な貫通孔を有する集電体を負極側のみに用いるため、特許文献3〜6に記載されている正極と負極の両極に用いる場合に比べ、コスト上、製造上の観点からも有利となる。
本発明の請求項2に記載の蓄電デバイスはリチウムを吸蔵、放出可能な正極活物質を含む正極、リチウムを吸蔵、放出可能な負極活物質を含む負極、リチウム塩を非水系溶媒に溶解した電解液を有する非水系蓄電デバイスにおいて、正極集電体が表裏面を貫通する孔を有し、負極集電体が表裏面を貫通する孔を有さないことを特徴とする。図2には、本発明の請求項2に記載の蓄電デバイスを説明するための具体的な基本構成の一例を示している。図2中、正極集電体22は表裏面を貫通する孔を有し、その集電体上には正極活物質を含む電極層25が形成されている。図2では表裏面を貫通する孔を有する正極集電体22の両面に電極層25が形成されているが、正極集電体の片面に電極層を形成したものを2枚用いても構わない。一方、負極集電体21は表裏面を貫通する孔を有さず、その集電体上には負極活物質を含む電極層23が形成されている。図2では負極集電体21の片面に電極層23が形成されているが、集電体上に負極活物質を含む電極層を両面に形成し、図2に示す基本構成に基づき、正極、セパレータ、負極等から構成される電極ユニットを積層あるいは巻回し、蓄電デバイスを得ることもできる。
請求項2に記載の構成における、リチウムのプリドープの具体例について説明する。請求項2に記載の構成によれば正極集電体のみが表裏面を貫通する孔を有しており、リチウムは正極集電体を通過することができる。例えば、図2において正極電極層25(両面分)に含まれる正極活物質にリチウムをプリドープする場合、両面分のプリドープに必要な所定量のリチウム金属を正極電極層25の片面のみに貼付、デバイスを組み立て、電解液を注入すると、正極電極層25の片面に貼付けたリチウム金属は貼付けた側の電極層に含まれる正極活物質にプリドープされるとともに、表裏面を貫通する孔を有する正極集電体22を通過し、リチウム金属は貼付けていない電極層に含まれる正極活物質にもプリドープされる。また、貫通する孔を有する正極集電体の片面に電極層を形成したものを2枚用いる場合、1枚の正極集電体にリチウム金属を貼付けることも可能である。この場合、正極集電体はリチウムと合金化などの反応を生じない材料を選定することが望ましい。
請求項2に記載の構成において、図2において正極集電体22上に電極層が形成された正極の両側に配置された負極電極層23に含まれる負極活物質にリチウムをプリドープする場合、両側分の負極活物質へのプリドープに必要な所定量のリチウム金属を、負極電極層23のいずれか一方のみに貼付け、デバイスを組み立て、電解液を注入すると、一方の負極電極層23に貼付けたリチウム金属は貼付けた側の電極層に含まれる負極活物質にプリドープされるとともに、表裏面を貫通する孔を有する正極集電体22を通過し、リチウム金属は貼付けていない電極層に含まれる負極活物質にもプリドープすることが可能である。当然のことながら正極集電体22上に電極層が形成された正極の両側に配置された各々の負極集電体21は電気的に接続されている。
請求項2に記載の構成においても、リチウムは1層の表裏面を貫通する孔を有する正極集電体を通過するのみであり、特許文献3〜6に記載されているように、複数層の表裏面を貫通する孔を有する集電体を通過する場合に比べ、短時間で均一にプリドープできる。また、正極が表裏面を貫通する孔を有さない場合に比べ、リチウム金属の厚みは2倍の厚みのものが使用でき、リチウム金属の取り扱い、製造面で容易となる。更には、特殊な貫通孔を有する集電体を負極側のみに用いるため、特許文献3〜6に記載されている正極と負極の両極に用いる場合に比べ、コスト上、製造上の観点からも有利となる。
請求項1に記載の構成あるいは請求項2に記載の構成のいずれを選択するかは、蓄電デバイス設計、期待するエネルギー密度、出力密度などにより適宜決定されるが、表裏面を貫通する孔を有する集電体を用いる場合、電極の電気伝導度は高い程、出力特性が向上することから、正極活物質、負極活物質を比較して、活物質の電気伝導性が高い極に表裏面を貫通する孔を有する集電体を用いる構成を選択することが好ましい。
本発明の蓄電デバイスに用いるリチウム塩を非水系溶媒に溶解した電解液は、正極材料の種類、負極材料の性状、充電電圧などの使用条件などに対応して、適宜決定される。リチウム塩を含む非水系電解液としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClOなどのリチウム塩をプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、酢酸メチル、蟻酸メチルなどの1種又は2種以上からなる有機溶媒に溶解したものを用いることができる。また、電解液の濃度は、特に限定されるものではないが、一般的に0.5〜2mol/l程度が実用的である。電解液は、当然のことながら、水分が100ppm以下のものを用いることが好ましい。また、公知のゲル電解質、固体電解質を用いることも可能である。
本発明の蓄電デバイスにおいて、正極、負極の間に絶縁、電解液保持の目的でセパレータが配置される場合、このセパレータは、特に限定されるものではなく、ポリエチレン微多孔膜、ポリプロピレン微多孔膜、あるいはポリエチレンとポリプロピレンの積層膜、セルロース、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリアクリルニトリル繊維などからなる織布、あるいは不織布などがあり、その目的と状況に応じ、適宜決定することが可能である。
本発明の蓄電デバイスの形状は特に限定されるものではなく、コイン型、円筒型、角型、フィルム型など、その目的に応じ、適宜決定することが可能である。
以下に実施例を示し、本発明の特徴とするところをさらに明確化するが、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
(1)フェノール樹脂硬化体301gをステンレス製皿に入れ、この皿を角型炉(400mm×400mm×400mm)内に配置して、熱反応に供した。熱反応は、窒素雰囲気下で行い、窒素流量は5リットル/分とした。熱反応は、1℃/分の速度で、炉内温が室温から630℃となるまで昇温し、同温度で4時間保持した後、自然冷却により、60℃まで冷却し、皿を炉から取り出し、本発明の不溶不融性基体を得た。収量は180gであった。
(2)得られたポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体を遊星型ボールミルを用いて平均粒径5.4μmまで粉砕した。得られた不溶不融性基体材料について、元素分析(測定使用機:パーキンエルマー社製元素分析装置「PE2400シリーズII」、CHNS/O)を行った。元素分析において水素原子/炭素原子の原子比が0.27であった。
(3)次いで、上記のポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体66.7重量部及び導電材アセチレンブラック19重量部及びPVdF(ポリフッ化ビニリデン)14.3重量部をNMP(N−メチル−2−ピロリドン)230重量部と混合し、負極合材スラリーを得た。このスラリーを孔径0.3mm(円形であり本発明における孔の幅に相当する)、空隙率50%、厚さ14μmの銅のパンチング箔(本発明の貫通孔を備えた集電体)の両面に塗布し、乾燥した後、プレス加工して電極を得た。電極の厚みは62μmであり、電極層の密度は0.79g/cmであった。得られた銅のパンチング箔の両面に電極層を形成した電極の電極表裏面を厚み方向に、銅製の直径2mmΦの円柱状の端子で挟み、2Kgf/cmの圧力を印加し、上下端子間に電圧1Vを印加した時に流れる電流を測定し(以下、電気伝導度はこの方法で測定)、電極の電気伝導度を求めたところ1.0×10−1S/cmであった。
(4)市販活性炭93重量部及び導電材ケッチェンブラック7重量部及びPVdF17重量部をNMP355重量部と混合し、正極合材スラリーを得た。黒鉛系導電性塗料を予め塗布した厚さ30μmのアルミ箔(貫通孔を有さない集電体)に、正極合材スラリーを片面に塗布し、乾燥した後、プレス加工して、電極の厚み105μm、電極層密度0.60g/cmの電極を得た。電極の電気伝導度は1.2×10−1S/cmであった。
(5)上記ポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体を活物質とした電極層を、貫通孔を有する集電体上に両面に形成した電極を負極とし、上記活性炭電極2枚を正極とし、図1に示すような基本構造を有する蓄電デバイスを組み立てた。ここで、ポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体を活物質とした電極層の片側に厚さ30μmのリチウム金属(ポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体に対し、950mAh/g相当)を貼付けている。電解液としてエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを3:7(体積比)で混合した溶媒に1mol/lの濃度にLiPFを溶解した溶液を注液後、2日後セルを解体したところ貼付けたリチウム金属は完全に無くなっていた。特許文献6には正極及び負極の両方に貫通孔を備えた集電体を用いる場合、プリドープ終了の確認まで14日間の放置が必要とされているのに対し、本発明では短時間でプリドープを完了させることが可能となった。
(6)同様に作製したセルを500mAの定電流で4.0Vまで充電した後、10mAの電流で2.0Vまで放電した。この時の容量は、9.89mAhであった。続いて、上記と同様の充電後、100Cに相当する1Aの電流で放電した場合、容量は6.07mAhであった。
(7)次に比較として、上記のポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体を66.7重量部及び導電材アセチレンブラック19重量部及びPVdF(ポリフッ化ビニリデン)14.3重量部をNMP(N−メチル−2−ピロリドン)230重量部と混合し、負極合材スラリーを得た。このスラリーを厚さ14μmの銅箔(貫通孔を有していない集電体)の両面に塗布し、乾燥した後、プレス加工して電極を得た。電極の厚みは61μmであり、電極層の密度は0.8g/cmであった。得られた電極の電気伝導度を求めたところ1.1×10−1S/cmであった。
(8)上記で得られた電極は貫通孔を有していない集電体を用いているため、ポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体に対し950mAh/g相当のリチウムをリチウム金属を用いる貼付けプリドープする場合、厚さ15μmの金属リチウムを集電体両側の電極層に貼り付ける必要があるが、厚さ15μmの金属リチウムは製造することが難しく、また、試験的に得たリチウム金属で電極層に貼り付けることを試みたが強度的に弱く取り扱いが困難であった。そこで比較とし、貫通孔を有していない集電体の両面に電極層を形成した電極の両側にリチウム金属を配置し、電解液としてエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを3:7(体積比)で混合した溶媒に1mol/lの濃度にLiPFを溶解した溶液を用いて、電気化学セルを作製した。このセルを用いて活物質であるポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体の重量あたり1000mAh/gに相当する量をプリドープした。
(9)上記でプリドープしたポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体を活物質とした電極層を貫通孔を有さない集電体上に両面に形成した電極を負極とし、上記で得られた厚さ106μm、電極層密度0.60g/cmの活性炭電極2枚を正極(貫通孔を有さない集電体上に電極層が形成されている)を負極の両側に配置した。電解液としてエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを3:7(体積比)で混合した溶媒に1mol/lの濃度にLiPFを溶解した溶液を用いて、電気化学セル(比較セル)を作製した。
(10)作製した比較セルを、同様に、500mAの定電流で4.0Vまで充電した後、10mAの電流で2.0Vまで放電した。この時の容量は、10.0mAhであった。続いて、上記と同様の充電後100Cに相当する1Aの電流で放電した場合、容量は6.57mAhであった。
負極集電体に貫通孔を有する集電体を用いた場合でも、集電体が貫通孔を有さない集電体を用いた電極に対し、同等の容量、出力が得られていることを確認した。
(1)市販活性炭93重量部及び導電材ケッチェンブラック7重量部及びPVdF17重量部をNMP355重量部と混合し、正極合材スラリーを得た。このスラリーを黒鉛系導電性塗料を予め塗布した孔径0.3mm(円形であり本発明における孔の幅に相当する)、空隙率50%、厚さ20μmのアルミのパンチング箔(本発明の貫通孔を備えた集電体)の両面に塗布し、乾燥した後、プレス加工して電極を得た。電極の厚みは105μmであり、電極層の密度は0.60g/cmであった。電極の電気伝導度は1.0×10−1S/cmであった。
(2)実施例1のポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体66.7重量部及び導電材アセチレンブラック19重量部及びPVdF(ポリフッ化ビニリデン)14.3重量部をNMP(N−メチル−2−ピロリドン)230重量部と混合し、負極合材スラリーを得た。厚さ14μmの銅箔(貫通孔を有さない集電体)に、負極合材スラリーを片面に塗布し、乾燥した後、プレス加工して電極を得た。電極の厚みは61μmであり、電極層の密度0.80g/cmであった。電極の電気伝導度は1.1×10−1S/cmであった。
(3)上記、活性炭電極層を、貫通孔を有する集電体上に両面に形成した電極を正極とし、上記ポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体を活物質とした電極2枚を負極とし、図2に示すような基本構造を有する蓄電デバイスを組み立てた。ここで、ポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体を活物質とした電極層の片側に厚さ30μmのリチウム金属(ポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体に対し、950mAh/g相当)を貼付けている。電解液としてエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを3:7(体積比)で混合した溶媒に1mol/lの濃度にLiPFを溶解した溶液を注液後、セルを室温で放置した。2日間放置したセルを解体したところ、貼付けたリチウム金属は完全に無くなっていた。
(4)同様に作製したセルを500mAの定電流で4.0Vまで充電した後、10mAの電流で2.0Vまで放電した。この時の容量は、9.95mAhであった。続いて、上記と同様の充電後、100Cに相当する1Aの電流で放電した場合、容量は5.95mAhであった。
正極集電体に貫通孔を有する集電体を用いた場合でも、集電体が貫通孔を有さない集電体を用いた電極に対し、同等の容量、出力が得られていることを確認した。
本実施例は、正極に活性炭、負極にポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体を用いた蓄電デバイスを例示しているが、本発明の蓄電デバイスの活物質を限定するものではない。
本発明の蓄電デバイス用電極及び蓄電デバイスは、例えば、携帯機器用電源、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、燃料電池電気自動車などに用いられる蓄電デバイスの高エネルギー密度化及び高出力/高率充電特性への要求に応えるものであり、簡便かつ実用的なプリドープ法を可能とし、蓄電デバイスの高容量化、高電圧化によるエネルギー密度の向上、高出力化に貢献するものである。
本発明の請求項1の一実施の形態に係る蓄電デバイスの基本構成を示す説明図である。 本発明の請求項2の一実施の形態に係る蓄電デバイスの基本構成を示す説明図である。
符号の説明
11 負極集電体(貫通孔を有する)
12 正極集電体(貫通孔を有さない)
13 負極電極層
14 セパレータ
15 正極電極層
21 負極集電体(貫通孔を有さない)
22 正極集電体(貫通孔を有する)
23 負極電極層
24 セパレータ
25 正極電極層

Claims (3)

  1. リチウムを吸蔵、放出可能な正極活物質を含む正極、リチウムを吸蔵、放出可能な負極活物質を含む負極、リチウム塩を非水系溶媒に溶解した電解液を有する非水系蓄電デバイスにおいて、正極集電体が表裏面を貫通する孔を有さず、負極集電体が表裏面を貫通する孔を有することを特徴とする蓄電デバイス。
  2. リチウムを吸蔵、放出可能な正極活物質を含む正極、リチウムを吸蔵、放出可能な負極活物質を含む負極、リチウム塩を非水系溶媒に溶解した電解液を有する非水系蓄電デバイスにおいて、正極集電体が表裏面を貫通する孔を有し、負極集電体が表裏面を貫通する孔を有さないことを特徴とする蓄電デバイス。
  3. 表裏面を貫通する孔を有する集電体の空隙率が10%以上90%以下であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の蓄電デバイス。
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