JP2008052454A - 無線タグ通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高価なデータベースや通信インフラ等を使うことなく、比較的安価に物品の管理を行う。
【解決手段】無線タグ通信装置200は、書籍を載せる書棚及び操作者に設けられるタグラベルにそれぞれ備えられる無線タグ回路素子To−B,To−Mとの間で無線通信により信号の授受を行うアンテナ10及び高周波回路201と、書籍Bに設けられたバーコードCの情報を光学的に検出するバーコードリーダ203と、制御回路202とを有する。制御回路202は、バーコードリーダ203によるバーコード情報の検出結果に応じて、アンテナ10及び高周波回路201を介し、書籍Bの管理用に設けた無線タグ回路素子To−BのIC回路部151に対し書籍Bの各種作業情報を書き込む機能を有している。
【選択図】図2
【解決手段】無線タグ通信装置200は、書籍を載せる書棚及び操作者に設けられるタグラベルにそれぞれ備えられる無線タグ回路素子To−B,To−Mとの間で無線通信により信号の授受を行うアンテナ10及び高周波回路201と、書籍Bに設けられたバーコードCの情報を光学的に検出するバーコードリーダ203と、制御回路202とを有する。制御回路202は、バーコードリーダ203によるバーコード情報の検出結果に応じて、アンテナ10及び高周波回路201を介し、書籍Bの管理用に設けた無線タグ回路素子To−BのIC回路部151に対し書籍Bの各種作業情報を書き込む機能を有している。
【選択図】図2
Description
本発明は、対象物に備えられた無線タグ回路素子に対し無線通信により情報送受信を行う無線タグ通信装置に関する。
物品管理を行う際に、管理対象の物品に情報保持部(バーコード等)を設け、その保持された情報を非接触で読み取る情報読み取り装置が既に知られている。
このような情報読み取り装置の従来技術として、例えば在庫管理を行うための在庫管理装置がある(例えば、特許文献1参照)。この従来技術では、ハンディーターミナルに接続されたバーコードリーダにより、各部品毎に設置したバーコードを読み取る。読み取ったバーコード情報は、ハンディターミナルより無線通信を介してコンピュータに送信され、コンピュータ側で集計を行うことでリアルタイムに在庫数データの更新や発注書の発行等を行えるようになっている。
上記従来技術の情報読み取り装置においては、バーコードリーダにより読み取ったバーコード情報は必ずコンピュータ側へと無線を介して送信され、コンピュータ側にて全部品についてのすべての情報の集計を行う。このため、全部品についての情報集計が可能な大容量で高価なデータベースや、上記ハンディターミナルやコンピュータの通信モデムを含む通信インフラ等が必要となり、全体として高価なシステムとならざるを得なかった。
本発明の目的は、高価なデータベースや通信インフラ等を使うことなく、比較的安価に物品の管理を行える無線タグ通信装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、管理対象の物品に設けられた光学識別子を光学的に検出する光学検出手段と、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するアンテナとを備えた無線タグ回路素子と無線通信を行うための通信手段と、前記光学検出手段による前記光学識別子の検出結果に応じて、前記通信手段を介し、前記物品の管理用に設けた第1無線タグ回路素子に備えられた前記IC回路部に対し前記物品の保管状態に係わる各種作業情報を書き込む書き込み制御手段とを有することを特徴とする。
本願第1発明においては、管理対象の物品に対し、出荷、入荷、棚卸し、移動、廃却等の各種作業が行われその保管状態に変化が生じた(又は変化がなくてもチェックの必要が生じた)場合には、当該物品に設けられた光学識別子を光学検出手段で検出することで、書き込み制御手段がその検出結果に応じ、通信手段を介して物品管理用の第1無線タグ回路素子のIC回路部に物品の保管状態に係わる各種作業情報を書き込む。このようにして、光学的に検出した保管状態の変化等を無線タグ回路素子への情報書き込みによって電子的に管理することができる。この結果、高価なデータベースや通信インフラ等を使わなくても、光学識別子及びこれを検出する光学検出手段と、無線タグ回路素子及び通信手段とで管理システムを比較的に安価に構成することができる。また、物品の管理用に第1無線タグ回路素子を設け、これに光学検出手段の検出結果に基づき各種作業情報を書き込む構成とすることで、各物品1つ1つに無線タグ回路素子を設ける必要がなくこれによってもコストを低減することができる。また、棚や箱、パレット等に無線タグ回路素子を設けることで、そのような棚・箱・パレット等の単位で容易に管理することができ、このとき1つの無線タグ回路素子にその管理単位に含まれる全物品の情報を記憶させているので、容易に集計が可能という効果もある。
第2発明は、上記第1発明において、前記書き込み制御手段は、前記光学検出手段による検出結果と前記無線タグ通信装置の作業モードとに応じて、前記各種作業情報を書き込むことを特徴とする。
管理対象の物品に対し、出荷、入荷、棚卸し、移動、廃却等の各種作業が行われた場合に、当該物品に設けられた光学識別子を光学検出手段で検出し、この検出結果と、その各種作業に対応した作業モードとに応じて書き込み制御手段が第1無線タグ回路素子のIC回路部に物品の各種作業情報を書き込むことにより、光学的に検出した物品の保管状態の変動を無線タグ回路素子への情報書き込みによって電子的に管理することができる。
第3発明は、上記第2発明において、前記書き込み制御手段は、前記光学検出手段による検出結果と前記無線タグ通信装置の作業モードとに応じて、前記第1無線タグ回路素子の前記IC回路部における前記物品の数量情報を減少又は増加させることを特徴とする。
管理対象の物品に対し、出荷、入荷、棚卸し等の各種作業が行われた場合に、書き込み制御手段が物品の数量情報を減少させる(又は増加させる)ことで、1つの第1無線タグ回路素子に対応した1つの管理単位における物品数の推移を確実に反映させつつ電子的に管理することができる。
第4発明は、上記第2又は第3発明において、前記書き込み制御手段は、前記光学検出手段による検出結果と前記無線タグ通信装置の作業モードとに応じて、前記第1無線タグ回路素子の前記IC回路部に記憶された前記物品の数量履歴情報を更新することを特徴とする。
管理対象の物品に対し、出荷、入荷、棚卸し等の各種作業が行われた場合に、書き込み制御手段が物品の数量履歴情報を更新することで、1つの第1無線タグ回路素子に対応した1つの管理単位における物品数の過去の推移情報を確認しつつ、管理することができる。
第5発明は、上記第2乃至第4発明のいずれかにおいて、前記光学検出手段による前記光学識別子の検出時における環境情報を検出する環境情報検出手段を有し、前記書き込み制御手段は、前記光学検出手段による前記光学識別子の検出時において、前記環境情報検出手段で検出した前記環境情報を、前記物品の各種作業情報とともに前記第1無線タグ回路素子の前記IC回路部に対し書き込むことを特徴とする。
管理対象の物品に対し、出荷、入荷、棚卸し、移動、廃却等の各種作業が行われ光学識別子で検出が行われた場合に、環境情報を併せて第1無線タグ回路素子に書き込むことにより、環境情報も加味した多様な観点からの物品管理を行うことができ、管理者側の利便性がさらに向上する。
第6発明は、上記第1発明において、前記光学検出手段による検出結果と前記無線タグ通信装置の作業モードとに応じて、前記通信手段を介し、前記物品の管理用に設けた第1無線タグ回路素子に備えられた前記IC回路部に記憶された、前記物品の前記各種作業情報を読み取る読み取り制御手段と、この読み取り制御手段で読み取った前記各種作業情報を集計し出力する集計出力手段とを有することを特徴とする。
管理対象の物品に対し、棚卸しや移動等が行われた場合に、当該物品に設けられた光学識別子を光学検出手段で検出し、これに応じて読み取り制御手段が既に第1無線タグ回路素子のIC回路部に記憶された物品の各種作業情報を読み取り、さらにこれを集計出力手段で集計し出力することにより、物品の在庫確認を行うことができる。
第7発明は、上記第1乃至第6発明のいずれかにおいて、前記通信手段を介し、操作者権限確認用に設けた第2無線タグ回路素子に備えられた前記IC回路部に記憶した操作権限情報を取得する権限情報取得手段を有し、前記書き込み制御手段は、前記権限情報取得手段で取得した前記操作権限情報に応じて前記第1無線タグ回路素子の前記IC回路部に対し前記各種作業情報の書き込みを行うことを特徴とする。
権限情報取得手段で第2無線タグ回路素子より取得した操作権限情報に応じて、書き込み制御手段の書き込みを行うことにより、操作権限を有する操作者のみが物品管理を可能とするとともに、操作権限を有さない操作者には物品管理を禁止することができるので、さらにセキュリティーの高い安全な物品管理を行うことができる。
第8発明は、上記第7発明において、当該複数種類の操作権限のうちいずれかを選択する選択操作信号を入力する信号入力手段を有し、前記書き込み制御手段は、前記信号入力手段で入力した前記選択操作信号に応じて、前記各種作業情報の書き込みを行うことを特徴とする。
これにより、複数種類のうち操作者が選択したいずれかの操作権限に関して物品管理を行うようにすることができる。
第9発明は、上記第8発明において、前記権限情報取得手段で取得した前記操作権限情報と、前記信号入力手段で入力した前記選択操作信号に対応した操作権限とを照合する照合手段を有することを特徴とする。
操作者が選択した操作権限と、当該操作者に許されている操作権限とを照合し、照合が合致する場合にのみ物品管理を可能とし、合致しない場合には警告報知等を行うようにすることができる。
第10発明は、上記第1乃至第9発明のいずれかにおいて、前記通信手段及び前記光学検出手段の両方を備えた一体的な装置として構成したことを特徴とする。
無線タグ回路素子との通信機能及び光学識別子の検出機能の両者を一体的に備えた装置構成とすることで、操作者による操作性や取り扱い性を向上することができる。
第11発明は、上記第1乃至第10発明のいずれかにおいて、前記第1又は第2無線タグ回路素子を備えたタグ媒体を搬送する搬送手段を有し、前記書き込み制御手段は、前記通信手段を介し、前記各種作業情報又はこれに対応する情報を、前記第1又は第2無線タグ回路素子に備えられた前記IC回路部に書き込むことを特徴とする。
無線タグ通信装置に、第1又は第2無線タグ回路素子を備えた無線タグラベルの作成機能を付加することで、ラベル作成からその後の情報読み取りを介した物品管理まで当該無線タグ通信装置で行うことができ、利便性を大きく向上することができる。
本発明によれば、高価なデータベースや通信インフラ等を使うことなく、比較的安価に物品の管理を行うことができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、本発明の無線タグ通信装置を例えば書籍の在庫管理システムに適用した例である。
図1は、書籍の在庫管理システムにおいて、操作者(作業者)Mが書籍Bを出荷または入荷する操作を行う様子を示す図である。
図1に示すように、各書籍Bには、当該書籍固有のバーコード(光学識別子)Cが設けられている。また、当該書棚Sに載せられる各書籍Bを管理するためのタグID(識別情報)が書き込まれた無線タグ回路素子To−B(図2参照)を有するタグラベルTBが、この例では書棚Sに設けられている。さらに、操作者Mは、操作者固有のタグIDが書き込まれた無線タグ回路素子To−M(図2参照)を有するタグラベル(但しタグカード等でも良い)TMを身に着けている。
操作者Mが書籍Bに対し、保管状態に係わる各種作業(出荷、入荷、棚卸し、移動等)を行うときには、ハンディ型の無線タグ通信装置(ハンディスキャナ)200を書籍Bに近づけ、この書籍Bに設けられたバーコードCの情報の読み取りを行う。また、ハンディスキャナ200を用いて、操作者Mが身に着けたタグラベルTMに備えられる無線タグ回路素子To−M(図2参照)の情報の読み取りを行うと共に、書棚Sに設けられたタグラベルTBに備えられる無線タグ回路素子To−B(図2参照)との間で情報の読み取り及び書き込みを行う(詳細は後述)。
図2は、本実施形態のハンディスキャナ200を有する在庫管理システムの全体構成を表すシステム構成図である。
図2において、ハンディスキャナ200は、タグラベルTB,TMにそれぞれ備えられる無線タグ回路素子To−B,To−Mの各アンテナ151との間で無線通信により信号の授受を行うアンテナ10と、このアンテナ10を介し上記無線タグ回路素子To−B,To−Mの各IC回路部150へ無線通信によりアクセスするとともに、その無線タグ回路素子To−B,To−Mから読み出された信号を処理する高周波回路201と、書籍Bに設けられたバーコードCの情報(書籍の種類や単位数など)を光学的に検出するバーコードリーダ203と、高周波回路201及びバーコードリーダ203と接続された制御回路202とを有する。
このようにハンディスキャナ200は、無線タグ回路素子To−B,To−Mとの通信を行うための高周波回路201及びアンテナ10とバーコードリーダ203とを一体的に備えており、これによって操作者Mによる操作性や取り扱い性を向上することができる。
タグラベルTB,TMに備えられる無線タグ回路素子To−B,To−Mは、情報を記憶するIC回路部150と、このIC回路部150に接続されたアンテナ151とをそれぞれ備えている。アンテナ151は、例えば周知のダイポールアンテナである。
図3は、本実施形態のハンディスキャナ200の全体概略構造を表す正面図である。図3において、このハンディスキャナ200は、筐体4と、この筐体4の上部(図3中手前側)の大部分を占めるように配設され、各種情報の内容や警告等の表示を行う表示部5と、筐体4の側面に配設され、情報の読み込みや書き込みを行う際に操作者Mが操作を行う操作部6(例えばボタン、スイッチ等)と、情報の読み取りや書き込みがうまくいかなかった場合に報知を行う例えばスピーカ等の音声報知手段7とを備えている。また、筐体4には、上記のアンテナ10とバーコードリーダ203とが取り付けられている。
図4は、タグラベルTB,TMに備えられた上記無線タグ回路素子To−B,To−Mの機能的構成の一例を表すブロック図である。
図4において、無線タグ回路素子To−B,To−Mは、ハンディスキャナ200のアンテナ10と非接触で信号の送受信を行う上記アンテナ151と、このアンテナ151に接続された上記IC回路部150とをそれぞれ有している。
IC回路部150は、アンテナ151により受信された搬送波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された搬送波のエネルギを蓄積しIC回路部150の駆動電源とするための電源部153と、上記アンテナ151により受信された搬送波からクロック信号を抽出して後述する制御部157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶部として機能するメモリ部155と、上記アンテナ151に接続された変復調部156と、上記整流部152、クロック抽出部154及び変復調部156等を介して上記無線タグ回路素子To−B,To−Mの作動を制御するための制御部157とを備えている。
変復調部156は、アンテナ151により受信された上記ハンディスキャナ200のアンテナ10からの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部157からの返信信号に基づき、アンテナ151が受信した搬送波を変調し、アンテナ151より反射波として再送信する。制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部156により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
クロック抽出部154は受信した信号からクロック成分を抽出して制御部157にクロックを抽出するものであり、受信した信号のクロック成分の速度に対応したクロックを制御部157に供給する。
図5は、上記ハンディスキャナ200の制御系の構成を表す機能ブロック図である。
図5において、高周波回路201は、アンテナ10を介し無線タグ回路素子To−B,To−Mに対して信号を送信する送信部212と、アンテナ10により受信された無線タグ回路素子To−B,To−Mからの反射波を入力する受信部213と、送受分離器214とから構成される。
送信部212は、無線タグ回路素子To−B,To−MのIC回路部150の無線タグ情報を読み取るための搬送波を発生させる水晶振動子230、制御回路202の制御により所定の周波数の信号を発生させるPLL(Phase Locked Loop)231、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)232と、上記制御回路202から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例では制御回路202からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路216(但し「TX_ASK信号」の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路216により変調された変調波を増幅(この例では制御回路202からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定される増幅)する可変送信アンプ217とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、好適にはUHF帯、マイクロ波帯、あるいは短波帯の周波数を用いており、上記送信アンプ217の出力は、送受分離器214を介しアンテナ10に伝達されて、無線タグ回路素子To−B,To−MのIC回路部150に供給される。なお、無線タグ情報は上記のように変調した信号に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
受信部213は、アンテナ10で受信された無線タグ回路素子To−B,To−Mからの反射波と上記発生させられた搬送波とを乗算して復調する受信第1乗算回路218と、その受信第1乗算回路218の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第1バンドパスフィルタ219と、この第1バンドパスフィルタ219の出力を増幅する受信第1アンプ221と、この受信第1アンプ221の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第1リミッタ220と、上記アンテナ10で受信された無線タグ回路素子To−B,To−Mからの反射波と上記発生された後に移相器227により位相を90°遅らせた搬送波とを乗算する受信第2乗算回路222と、その受信第2乗算回路222の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第2バンドパスフィルタ223と、この第2バンドパスフィルタ223の出力を増幅する受信第2アンプ225と、この受信第2アンプ225の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第2リミッタ224とを備えている。そして、上記第1リミッタ220から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ224から出力される信号「RXS−Q」は、上記制御回路202に入力されて処理される。
また、受信第1アンプ221及び受信第2アンプ225の出力は、強度検出手段としてのRSSI(Received Signal Strength Indicator)回路226にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が制御回路202に入力されるようになっている。このようにして、本実施形態のハンディスキャナ200では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子To−B,To−Mからの反射波の復調が行われる。
一方、バーコードリーダ203は制御回路202に接続されており、バーコードリーダ203により光学的に検出された書籍Bのバーコード情報が制御回路202に送出される。
また、制御回路202は、操作部6からの操作信号を入力するとともに、表示部5への表示制御信号、音声報知手段7への報知信号等を出力する。
図6は、上記制御回路202の詳細機能を表す機能ブロック図である。
図6において、制御回路202は、いわゆるマイクロコンピュータであり、中央演算処理装置であるCPU202A、ROM202B、RAM202C、高周波回路201との信号送受を行う回路制御部202D等から構成され、RAM202Cの一時記憶機能を利用しつつROM202Bに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。
以上において、本実施形態の特徴は、バーコードリーダ203による書籍Bに付されたバーコードCの検出結果に応じて、書籍Bの管理用として書棚Sに設けたタグラベルTBに備えられた無線タグ回路素子To−BのIC回路部150に対し、書籍Bの物品の保管状態に係わる各種作業情報(又は、この各種作業情報に対応づけられたタグID等。各種作業情報がサーバに格納されており、タグIDとひもづけられている場合等)を書き込むようにしたことにある。以下、その詳細手順を、図7を用いて順を追って説明する。
図7は、上記制御回路202が実行する制御手順を表すフローチャートである。例えばハンディスキャナ200の電源が投入されることによって、このフローが開始される。
まずステップS10では、操作者Mにより実施される作業が出荷作業であるかどうかを判定する。ハンディスキャナ200には、予め、上記保管状態に係わる各種作業の態様にそれぞれ応じた、複数の作業モードが設定されている。この例では、出荷作業に対応した出荷モードと、入荷作業に対応した入荷モードとの2つが設けられており、いずれのモードを選ぶかを操作者Mが上記操作部6(例えばボタン、スイッチ等)による指示操作で選択できるようになっている。したがって、このステップS10における作業の判定は、上記モード選択によりいずれが選ばれているかによって行う。なお、操作部6による指示操作以外に、作業指示情報を内蔵したバーコードや無線タグ回路素子の読み取り等の方法によってモード選択を行うようにしてもよい。
実施される作業が出荷作業であるときはステップS10の判定が満たされて、ステップS15に移り、実施される作業が出荷作業でないときは判定が満たされず、入荷作業であるとみなしてステップS20に移る。
ステップS15では、操作者Mが身に着けているタグラベルTMに備えられる無線タグ回路素子To−Mの情報を読み取る。具体的には、上記送信部212に読み取り制御信号を送信することにより、無線タグ回路素子To−MのIC回路部150に対して読み取り信号を送信させ、上記読み取り信号に対応した応答信号として無線タグ回路素子To−Mの情報を受信部213を介して受信する。なお、無線タグ回路素子To−Mに記憶された情報には、例えば当該操作者Mが所属する会社・部門情報、出荷・入荷権限といった操作権限情報、その他操作者Mに関する情報などが含まれている。
次いでステップS25において、読み取った無線タグ回路素子To−Mに基づいて、操作者Mが身に着けるタグラベルTMが有効であるかどうか(故障していないか、予め想定したタイプであるか等)を判定する。当該操作者MのタグラベルTMが有効であるときは判定が満たされて、ステップS30に移り、当該操作者MのタグラベルTMが有効でないときは判定が満たされずに、ステップS45に移る。
ステップS30では、読み取った無線タグ回路素子To−Mに基づいて、操作者Mが出荷部門の人間であるかどうかを判定する。当該操作者Mが出荷部門の人間であるときは判定が満たされて、ステップS35に移り、当該操作者Mが出荷部門の人間でないときは判定が満たされずに、ステップS45に移る。
ステップS35では、読み取った無線タグ回路素子To−Mに基づいて、操作者Mが出荷権限を有しているかどうかを更に判定する。当該操作者Mが出荷権限を有しているときは判定が満たされて、ステップS40に移り、当該操作者Mが出荷権限を有していないときは判定が満たされずに、ステップS45に移る。
ステップS40では、出荷モード処理(後述)を実行する。ステップS45では、操作者Mが身に着けるタグラベルTMが有効でない、操作者Mが出荷部門の人間でない、操作者Mが出荷権限を有していないことの何れかを理由として、出荷モード処理を実行しない旨を表示部5に警告表示させる。
ステップS20では、操作者Mが身に着けるタグラベルTMに備えられる無線タグ回路素子To−Mの情報を読み取る。この無線タグ回路素子To−Mの情報読み取り手順は、上記のステップS15と同様である。
次いでステップS50において、読み取った無線タグ回路素子To−Mに基づいて、操作者Mが身に着けるタグラベルTMが有効であるかどうかを判定する。当該操作者MのタグラベルTMが有効であるときは判定が満たされて、ステップS55に移り、当該操作者MのタグラベルTMが有効でないときは判定が満たされずに、ステップS70に移る。
ステップS55では、読み取った無線タグ回路素子To−Mに基づいて、操作者Mが入荷部門の人間であるかどうかを判定する。当該操作者Mが入荷部門の人間であるときは判定が満たされて、ステップS60に移り、当該操作者Mが入荷部門の人間でないときは判定が満たされずに、ステップS70に移る。
ステップS60では、読み取った無線タグ回路素子To−Mに基づいて、操作者Mが入荷権限を有しているかどうかを判定する。当該操作者Mが入荷権限を有しているときは判定が満たされて、ステップS65に移り、当該操作者Mが入荷権限を有していないときは判定が満たされずに、ステップS70に移る。
ステップS65では、入荷モード処理(後述)を実行する。ステップS70では、操作者Mが身に着けるタグラベルTMが有効でない、操作者Mが入荷部門の人間でない、操作者Mが入荷権限を有していないことの何れかを理由として、入荷モード処理(後述)を実行しない旨を表示部5に警告表示させる。
図8は、上述したステップS40における出荷モード処理の詳細手順を表すフローチャートである。
図8において、まずステップS100では、出荷する書籍Bのバーコード情報(書籍の種類や単位数など)をバーコードリーダ203で光学的に読み取る。
次いでステップS110において、書棚Sに貼られているタグラベルTBに備えられる無線タグ回路素子To−Bの情報(各書籍の種類情報、数量情報、日時情報など)を読み取る。具体的には、上記送信部212に読み取り制御信号を送信することにより、無線タグ回路素子To−BのIC回路部150に対して読み取り信号を送信させ、上記読み取り信号に対応した応答信号として無線タグ回路素子To−Bの情報を受信部213を介して受信する。
次いでステップS120において、出荷する書籍Bに該当する当該種類の書籍の在庫数(数量情報)を単位数分(通常は1)だけ減少させる演算を行う。
そしてステップS130において、書棚Sに貼られているタグラベルTBに備えられる無線タグ回路素子To−Bに対し、出荷する書籍Bの種類について上記ステップS120にて数量情報を減算した後の新たな情報を書き込む。具体的には、上記送信部212に書き込み制御信号を送信することにより、無線タグ回路素子To−BのIC回路部150に対して書き込み情報を送信させる。これにより、無線タグ回路素子To−BのIC回路部150に記憶された書籍Bの在庫数が更新されることになる。なお、このように減算したものを上書きして書き込むのに限られず、(例えば無線タグ回路素子To自体が演算機能を備えている場合等においては)無線タグ回路素子Toに対し1つ減算処理を行う旨のデータを送信し、無線タグ回路素子To内において減算上書きするようにしても良い。また、これらのように数値を随時上書き更新する(以前の数値は消去する)のでなく、時間経過に沿ってすべての数値情報変動履歴を蓄積していく(過去の数値も残す)ようにしてもよい。さらに、書籍の種類及び在庫数等に加え、操作者のデータを無線タグ回路素子To−Bに記録してもよい。
図9は、上述したステップS65における入荷モード処理の詳細手順を表すフローチャートである。
図9において、まずステップS200では、入荷する書籍Bのバーコード情報(書籍の種類や単位数など)をバーコードリーダ203で光学的に読み取る。
次いでステップS210において、書棚Sに貼られているタグラベルTBに備えられる無線タグ回路素子To−Bの情報(各書籍の種類情報、数量情報、日時情報など)を読み取る。この無線タグ回路素子To−Bの情報読み取り手順は、上記のステップS110と同様である。
次いでステップS220において、入荷する書籍Bの在庫数(数量情報)を単位数分(通常は1)だけ加算する演算を行う。
そしてステップS230において、書棚Sに貼られているタグラベルTBに備えられる無線タグ回路素子To−Bに対し、入荷する書籍Bの種類について上記ステップS220にて数量情報を加算した後の新たな情報を書き込む。この無線タグ回路素子To−Bへの情報書き込み手順は、上記のステップS130と同様である。これにより、無線タグ回路素子To−BのIC回路部150に記憶された書籍Bの在庫数が履歴情報として更新されることになる。なお、前述と同様、このように減算したものを上書きして書き込むのに限られず、(例えば無線タグ回路素子To自体が演算機能を備えている場合等においては)無線タグ回路素子Toに対し1つ加算処理を行う旨のデータを送信し、無線タグ回路素子To内において加算上書きするようにしても良い。また、これらのように数値を随時上書き更新する(以前の数値は消去する)のでなく、時間経過に沿ってすべての数値情報変動履歴を蓄積していく(過去の数値も残す)ようにしてもよい。また、書籍の種類及び在庫数等に加え、操作者のデータを無線タグ回路素子To−Bに記録してもよい。
以上において、制御回路202が実行する図7のフローのステップS40,S65は、各請求項記載の、光学検出手段(バーコードリーダ203)による光学識別子(バーコードC)の検出結果に応じて、通信手段(アンテナ10)を介し、物品(書籍B)の管理用に設けた第1無線タグ回路素子To−Bに備えられたIC回路部151に対し物品の保管状態に係わる各種作業情報を書き込む書き込み制御手段を構成する。
また、制御回路202が実行する図7のフローのステップS15,S20は、通信手段(アンテナ10)を介し、操作者権限確認用に設けた第2無線タグ回路素子To−Mに備えられたIC回路部151に記憶した操作権限情報を取得する権限情報取得手段を構成する。
以上のように本実施形態においては、書籍Bの保管状態に変化が生じた(この例では出荷作業又は入荷作業が行われた)場合、書籍Bに設けられたバーコードCの情報をバーコードリーダ203で光学的に検出する。そして、書籍Bを出荷するときには当該書籍Bの在庫数を減算し、書籍Bを入荷するときには当該書籍Bの在庫数を加算する。そして、書籍管理用として書棚Sに貼られているタグラベルTBの無線タグ回路素子To−BのIC回路部151に、出荷後または入荷後の在庫数を書き込む。これにより、1つの無線タグ回路素子To−Bに対応した1つの管理単位における在庫数の推移を確実に反映させつつ、書籍Bの保管状態の変動を電子的に管理することができる。
従って、特に高価なデータベースや通信インフラ等を使わなくても、在庫管理システムを比較的に安価に構成することができる。また、書籍の管理用に無線タグ回路素子To−Bを設け、これにバーコードリーダ203の検出結果に基づき各種作業情報(この例では出荷及び入荷作業情報)を書き込む構成としたので、各書籍1冊1冊に無線タグ回路素子を設ける必要がなく、これによってもコストを低減することができる。
さらに、書棚Sに無線タグ回路素子To−Bを設けることで、書籍Bの上記各種作業情報を1つの無線タグ回路素子To−Bに対応した1つの管理単位である書棚単位で容易に管理することができ、特に、無線タグ回路素子To−Bに記憶された書籍Bの在庫数履歴情報が更新されることで、書棚Sごとの在庫数の過去の推移情報を確認することができる。
また、タグラベルTMに備えられる無線タグ回路素子To−Mの情報を読み取ることで、操作者Mの操作権限情報を取得し、その操作権限情報に応じてタグラベルTBの無線タグ回路素子To−Bに書き込みを行うようにしたので、操作権限を有する操作者Mのみが書籍管理を可能とするとともに、操作権限を有さない操作者には書籍管理を禁止することができる(図7のステップS45、ステップS70参照)。これにより、セキュリティーの高い安全な管理を行うことができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られず、その趣旨と技術思想の範囲を逸脱しない範囲で更に種々の変形が可能である。以下その変形例を説明する。
(1)無線タグ回路素子に集計情報を書き込む場合
上記実施形態においては、各種作業情報として、タグラベルTBの無線タグ回路素子To−Bに出荷情報または入荷情報を書き込むようにしたが、これに限られず、棚卸し集計情報を書き込むようにしてもよい。
上記実施形態においては、各種作業情報として、タグラベルTBの無線タグ回路素子To−Bに出荷情報または入荷情報を書き込むようにしたが、これに限られず、棚卸し集計情報を書き込むようにしてもよい。
図10は、本変形例における上記制御回路202が実行する制御手順を表すフローチャートである。図10において、ステップS10〜ステップS70は、前述の図7に示すフローと同様である。
ステップS10において、実施される作業が出荷作業でないと判定されると、ステップS305に移り、実施される作業が入荷作業であるかどうかを判定する。この作業の判定は、前述のステップS10と同様、操作者Mのモード選択に基づいて行う。すなわちこの例では、ハンディスキャナ200に、上記出荷モード及び入荷モードに加え、棚卸し作業に対応した棚卸しモードの合計3つが設けられており、いずれのモードを選ぶかを操作者Mが上記操作部6(例えばボタン、スイッチ等)による指示操作で選択できるようになっている。
実施される作業が入荷作業であるときはステップS305の判定が満たされて、前述のステップS20に移り、実施される作業が入荷作業でないときは判定が満たされず、棚卸し集計作業であるとみなしてステップS310に移る。
ステップS310では、操作者Mが身に着けているタグラベルTMに備えられる無線タグ回路素子To−Mの情報を読み取る。この無線タグ回路素子To−Mの情報読み取り手順は、上記のステップS15と同様である。
次いでステップS315において、読み取った無線タグ回路素子To−Mに基づいて、操作者Mが身に着けるタグラベルTMが有効であるか(故障していないか、予め想定したタイプであるか等)を判定する。当該操作者MのタグラベルTMが有効であるときは判定が満たされて、ステップS320に移り、当該操作者MのタグラベルTMが有効でないときは判定が満たされずに、ステップS335に移る。
ステップS320では、読み取った無線タグ回路素子To−Mに基づいて、操作者Mが集計部門の人間であるかどうかを判定する。当該操作者Mが集計部門の人間であるときは判定が満たされて、ステップS325に移り、当該操作者Mが集計部門の人間でないときは判定が満たされずに、ステップS335に移る。
ステップS325では、読み取った無線タグ回路素子To−Mに基づいて、操作者Mが集計権限を有しているかどうかを判定する。当該操作者Mが集計権限を有しているときは判定が満たされて、ステップS330に移り、当該操作者Mが集計権限を有していないときは判定が満たされずに、ステップS335に移る。
ステップS330では、集計モード処理(後述)を実行する。ステップS335では、操作者Mが身に着けているタグラベルTMが有効でない、操作者Mが集計部門の人間でない、操作者Mが集計権限を有していないことの何れかを理由として、集計モード処理(後述)を実行しない旨を表示部5に警告表示させる。
図11は、上述したステップS330における集計モード処理の詳細手順を表すフローチャートである。
図11において、まずステップS400では、棚卸し作業を行う書籍Bのバーコード情報(書籍の種類や単位数など)をバーコードリーダ203で光学的に読み取る。
次いでステップS410において、書棚Sに貼られているタグラベルTBに備えられる無線タグ回路素子To−Bの情報(各書籍の種類情報、数量情報、日時情報など)を読み取る。この無線タグ回路素子To−Bの情報読み取り手順は、上記のステップS110等と同様である。
次いでステップS420において、上記ステップS410で無線タグ回路素子To−Bから読み取った情報のうち、上記ステップS400で読み取った対象物品である書籍Bに関し棚卸し処理(在庫確認)のチェック済みとする。
そしてステップS430において、書棚Sに貼られているタグラベルTBに備えられる無線タグ回路素子To−Bに対し、上記ステップS420でチェック済みとした後の新たな情報を書き込む。この無線タグ回路素子To−Bへの情報書き込み手順は、上記のステップS130等と同様である。これにより、無線タグ回路素子To−BのIC回路部150に記憶された書棚Sの棚卸し状況が更新されることになる。
その後、ステップS440に移り、操作者Mによる操作部6を介した集計出力指示があったかどうかを判定する。指示がなければ判定が満たされず、ステップS400に戻って同様の手順を繰り返す。集計出力指示があればステップS440の判定が満たされ、ステップS450へ移る。
ステップS450では、これまでにステップS400〜ステップS440の繰り返しにより行った棚卸し作業の各種数量をすべて集計し、その集計結果を所定の形式で出力(表示部5又はその他接続された外部の表示手段に表示しても良いし、外部に接続された印刷手段によってプリントアウトしてもよい)し、このフローを終了する。
以上において、制御回路202が実行する図10のフローのステップS40,S65,S330は、各請求項記載の、光学検出手段(バーコードリーダ203)による光学識別子(バーコードC)の検出結果に応じて、通信手段(アンテナ10)を介し、物品(書籍B)の管理用に設けた第1無線タグ回路素子To−Bに備えられたIC回路部151に対し物品の保管状態に係わる各種作業情報を書き込む書き込み制御手段を構成する。
また、制御回路202が実行する図10のフローのステップS15,S20,S310は、通信手段(アンテナ10)を介し、操作者権限確認用に設けた第2無線タグ回路素子To−Mに備えられたIC回路部151に記憶した操作権限情報を取得する権限情報取得手段を構成する。
また、制御回路202が実行する図10のフローのステップS400は、物品の管理用に設けた第1無線タグ回路素子To−Bに備えられたIC回路部151に記憶された、物品の各種作業情報を読み取る読み取り制御手段を構成し、ステップS450が、読み取り制御手段で読み取った各種作業情報を集計し出力する集計出力手段を構成する。
上記構成の本変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。また、無線タグ回路素子To−BのIC回路部151に記憶された書籍Bの情報を読み取り、これを集計し出力することにより、書籍Bの在庫確認を行うことができる。なお、複数の書棚S,S間で書籍Bを移動させる場合も同様の手法で確認を行うことができる。
(2)無線タグ回路素子に廃却情報を書き込む場合
上記実施形態においては、タグラベルTBの無線タグ回路素子To−Bに出荷情報または入荷情報を書き込むようにしたが、これに限られず、更に廃却情報を書き込むようにしてもよい。
上記実施形態においては、タグラベルTBの無線タグ回路素子To−Bに出荷情報または入荷情報を書き込むようにしたが、これに限られず、更に廃却情報を書き込むようにしてもよい。
図12は、本変形例における上記制御回路202が実行する制御手順を表すフローチャートである。図12において、ステップS10〜ステップS70及びステップS305〜ステップS335は、前述の図10に示すフローと同様である。
ステップS305において、実施される作業が入荷作業でないと判定されると、ステップS340に移り、実施される作業が棚卸し集計作業であるかどうかを判定する。この作業の判定は、前述のステップS10と同様にして行う。すなわちこの例では、ハンディスキャナ200に、上記出荷モード、入荷モード、棚卸しモードに加え、廃却作業に対応した廃却モードの合計3つが設けられており、いずれのモードを選ぶかを操作者Mが上記操作部6(例えばボタン、スイッチ等)による指示操作で選択できるようになっている。
実施される作業が棚卸し集計作業であるときは判定が満たされて、前述のステップS310に移り、実施される作業が棚卸し集計作業でないときは判定が満たされず、廃却作業であるとみなしてステップS345に移る。
ステップS345では、操作者Mが身に着けているタグラベルTMに備えられる無線タグ回路素子To−Mの情報を読み取る。この無線タグ回路素子To−Mの情報読み取り手順は、上記のステップS15等と同様である。
ここで、上記読み取られる無線タグ回路素子To−Mの情報の一例を図13に表す。図13において、この例では、無線タグ回路素子To−Mに、作業者(操作者)コードと、出荷権限、入荷権限、集計権限、及び廃却権限の操作権限情報コードと、会社・部門コードとが記憶されている。
会社・部門コードは、上述したステップS30、ステップS55、ステップS320、及び後述のステップS355等において当該操作者Mの属する部門を判定するのに用いられるものである。この判定のときに併せて作業者コードを用いるようにしてもよい。
操作権限コードは、上述したステップS35、ステップS60、ステップS325、及び後述のステップS360等において当該操作者Mの属する部門を判定するのに用いられるものである。なお、図示のように、1人の操作者Mに複数種類の操作権限が与えられる場合もある。
図12に戻り、ステップS345が終了した後はステップS350に移り、読み取った無線タグ回路素子To−Mに基づいて、操作者Mが身に着けるタグラベルTMが有効であるか(故障していないか、予め想定したタイプであるか等)どうかを判定する。当該操作者MのタグラベルTMが有効であるときは判定が満たされて、ステップS355に移り、当該操作者MのタグラベルTMが有効でないときは判定が満たされずに、ステップS370に移る。
ステップS355では、読み取った無線タグ回路素子To−Mに基づいて、操作者Mが廃却部門の人間であるかどうかを判定する。当該操作者Mが廃却部門の人間であるときは判定が満たされて、ステップS360に移り、当該操作者Mが廃却部門の人間でないときは判定が満たされずに、ステップS370に移る。
ステップS360では、読み取った無線タグ回路素子To−Mに基づいて、操作者Mが廃却権限を有しているかどうかを更に判定する。当該操作者Mが廃却権限を有しているときは判定が満たされて、ステップS365に移り、当該操作者Mが廃却権限を有していないときは判定が満たされずに、ステップS370に移る。
ステップS365では、廃却モード処理を実行する。具体的には、書棚Sに貼られているタグラベルTBに備えられる無線タグ回路素子To−Bに対して所定の無効化信号を送信し、無線タグ回路素子To−Bのデータのうち、有効/無効フラグを「無効」に書き換える。これにより、当該無線タグ回路素子To−Bに対しては情報の読み取り及び書き込みが一切できなくなる。
ステップS370では、操作者Mが身に着けているタグラベルTMが有効でない、操作者Mが廃却部門の人間でない、操作者Mが廃却権限を有していないことの何れかを理由として、廃却モード処理を実行しない旨を表示部5に警告表示させる。
(3)タグラベル作成機能を有する無線タグ通信装置を用いる場合
上記実施形態において、無線タグ通信装置(ハンディスキャナ)200の通信相手である無線タグ回路素子To−Bを備えたタグラベルTBを作成する機能を、当該無線タグ通信装置に併せて備えさせるようにしてもよい。このようにタグラベル作成機能を備えさせる場合、上記のように携帯可能なハンディタイプでなく、定置式の無線タグ通信装置としてもよい。
上記実施形態において、無線タグ通信装置(ハンディスキャナ)200の通信相手である無線タグ回路素子To−Bを備えたタグラベルTBを作成する機能を、当該無線タグ通信装置に併せて備えさせるようにしてもよい。このようにタグラベル作成機能を備えさせる場合、上記のように携帯可能なハンディタイプでなく、定置式の無線タグ通信装置としてもよい。
図14は、上記定置式とした本変形例の無線タグ通信装置300を用いて、操作者Mが書籍Bの出荷作業(または入荷作業)を行っている様子を示す図である。この図14に示すように、本変形例においては、例えば棚Nの上に無線タグ通信装置300が設置されている。この場合、操作者Mは、出荷または入荷する書籍Bを持って無線タグ通信装置300の所まで行き、その書籍Bを無線タグ通信装置300に近接させることで、書籍Bに設けられたバーコードCの情報読み取りを行い、その後この読み取り結果に応じて前述の無線タグ通信装置200と同様の処理を行う。
図15は、上記ラベル作成機能を備えた本変形例の無線タグ通信装置300の全体構成を含む、システム構成図である。
図15において、無線タグ通信装置300は、上記のように無線タグラベル作成機能を備えており、その無線タグラベル作成機能以外の機能は、上記無線タグ通信装置200と同等のものである。すなわち、無線タグ通信装置300は、前述の高周波回路201、アンテナ10、及びバーコードリーダ203と、所定間隔で無線タグ回路素子To−Bが備えられたタグテープ303(タグ媒体)を巻回したタグテープロール304と、このタグテープロール304から繰り出されたタグテープ303のうち各無線タグ回路素子To−Bに対応した領域に所定の印字を行う印字ヘッド305と、タグテープ303を搬送する搬送ローラ308(搬送手段)と、無線タグ回路素子To−Bとの間で無線通信により情報の送受信を行うアンテナ306及び高周波回路301と、タグテープ303への印字及び無線タグ回路素子To−Bへの情報書き込みが終了したタグテープ303を所定の長さに切断して前述の無線タグラベルTBとするカッタ307と、高周波回路201,301、バーコードリーダ203、印字ヘッド305、搬送ローラ408、及びカッタ307の制御を行う制御回路302とを有する。
高周波回路301は、詳細な説明を省略するが、上記ハンディスキャナ200の高周波回路201とほぼ同等の機能を備えている。
制御回路302は、上記ハンディスキャナ200の制御回路202と同じ機能に加え、無線タグ回路素子To−BのIC回路部150へのアクセス情報を生成し、このアクセス情報を高周波回路301及びアンテナ306を介して無線タグ回路素子To−Bへ送信し、無線タグ回路素子To−BのIC回路部150へ情報書き込みを行う(書き込み制御手段として機能)。このとき、無線タグ回路素子To−Bに書き込む情報は、前述と同様の書籍Bの各種作業情報(出荷情報、入荷情報、棚卸し情報等)であり、この無線タグ回路素子T書き込み終了後、カッタ307で所定長さに切断されることで無線タグラベルTBが形成される。
本変形例においては、無線タグ回路素子To−Bを備えた無線タグラベルTBの作成機能が付加された無線タグ通信装置300とすることで、ラベル作成からその後の情報読み取りを介した物品管理まで当該無線タグ通信装置300で行うことができ、利便性を大きく向上することができる。なお、上記と同様にして前述の無線タグラベルTAを作成可能としても良い。
(4)その他
(A)環境情報検出
以上において、各種作業時(詳細にはバーコードリーダ203による読み取り時)における環境情報(例えば周囲温度等)を検出する温度センサ等の環境情報検出手段を無線タグ通信装置に設け、書棚に貼られているタグラベルTBの無線タグ回路素子To−Bに各種作業情報を書き込むときに、上記検出した環境情報を各種作業情報とともに書き込んでもよい。これにより、環境情報も加味した多様な観点からの在庫管理を行うことができ、管理者側の利便性がさらに向上する。
(A)環境情報検出
以上において、各種作業時(詳細にはバーコードリーダ203による読み取り時)における環境情報(例えば周囲温度等)を検出する温度センサ等の環境情報検出手段を無線タグ通信装置に設け、書棚に貼られているタグラベルTBの無線タグ回路素子To−Bに各種作業情報を書き込むときに、上記検出した環境情報を各種作業情報とともに書き込んでもよい。これにより、環境情報も加味した多様な観点からの在庫管理を行うことができ、管理者側の利便性がさらに向上する。
(B)操作者が複数の操作権限を有している場合
以上においては、操作者Mが身につける無線タグラベルTMに備えられた無線タグ回路素子To−Mより操作者Mの権限情報を取得し、この操作権限がこれから行おうとする各種作業モードと合致するかどうかを、図7、図10、図12のステップS35、ステップS60、ステップS325、ステップS360において判定した。ここで、前述の図13に一例を示したように、操作者Mが複数種類の操作権限を有している場合がある。このような場合に、操作者Mによる操作部6を介した適宜の選択操作によって当該複数の操作権限のうちどれを用いて作業を行うかを操作入力させるようにし(制御回路202等でこの選択操作信号を入力する手順が、複数種類の操作権限のうちいずれかを選択する選択操作信号を入力する信号入力手段を構成する)、この選択に応じて、無線タグ回路素子To−Bに各種作業情報の書き込みを行うようにしてもよい。
以上においては、操作者Mが身につける無線タグラベルTMに備えられた無線タグ回路素子To−Mより操作者Mの権限情報を取得し、この操作権限がこれから行おうとする各種作業モードと合致するかどうかを、図7、図10、図12のステップS35、ステップS60、ステップS325、ステップS360において判定した。ここで、前述の図13に一例を示したように、操作者Mが複数種類の操作権限を有している場合がある。このような場合に、操作者Mによる操作部6を介した適宜の選択操作によって当該複数の操作権限のうちどれを用いて作業を行うかを操作入力させるようにし(制御回路202等でこの選択操作信号を入力する手順が、複数種類の操作権限のうちいずれかを選択する選択操作信号を入力する信号入力手段を構成する)、この選択に応じて、無線タグ回路素子To−Bに各種作業情報の書き込みを行うようにしてもよい。
あるいはさらに、上記選択された操作権限と、図7、図10、図12のステップS15、ステップS20、ステップS310、ステップS345での読み取り結果に基づく操作権限情報とが合致するかどうかを、制御回路202等で照合するようにしてもよい(照合手段)。この場合、操作者Mが選択した操作権限と、無線タグ回路素子To−Mから読み取られた操作者Mに許されている操作権限とが合致する場合にのみ物品管理を可能とし、合致しない場合には警告報知等を行うようにすることも可能である。
なお、以上においては、管理対象物品として書籍の在庫管理を例にとって説明したが、管理する物品としては、特にこれに限られない。また、物品の管理情報が書き込まれた無線タグ回路素子を有するタグラベルが設けられる場所は、棚、箱、容器、パレット等でもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
10 アンテナ(通信手段)
150 アンテナ
151 IC回路部
200 ハンディスキャナ(無線タグ通信装置)
201 高周波回路
202 制御回路(書き込み手段、権限情報取得手段)
203 バーコードリーダ(光学検出手段)
300 無線タグ通信装置
301 高周波回路
302 制御回路(書き込み手段)
303 タグテープ(タグ媒体)
304 タグテープロール(搬送手段)
306 アンテナ(通信手段)
B 書籍(管理対象の物品)
C バーコード(光学識別子)
To−B 無線タグ回路素子(第1無線タグ回路素子)
To−M 無線タグ回路素子(第2無線タグ回路素子)
150 アンテナ
151 IC回路部
200 ハンディスキャナ(無線タグ通信装置)
201 高周波回路
202 制御回路(書き込み手段、権限情報取得手段)
203 バーコードリーダ(光学検出手段)
300 無線タグ通信装置
301 高周波回路
302 制御回路(書き込み手段)
303 タグテープ(タグ媒体)
304 タグテープロール(搬送手段)
306 アンテナ(通信手段)
B 書籍(管理対象の物品)
C バーコード(光学識別子)
To−B 無線タグ回路素子(第1無線タグ回路素子)
To−M 無線タグ回路素子(第2無線タグ回路素子)
Claims (11)
- 管理対象の物品に設けられた光学識別子を光学的に検出する光学検出手段と、
情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するアンテナとを備えた無線タグ回路素子と無線通信を行うための通信手段と、
前記光学検出手段による前記光学識別子の検出結果に応じて、前記通信手段を介し、前記物品の管理用に設けた第1無線タグ回路素子に備えられた前記IC回路部に対し前記物品の保管状態に係わる各種作業情報を書き込む書き込み制御手段と
を有することを特徴とする無線タグ通信装置。 - 請求項1記載の無線タグ通信装置において、
前記書き込み制御手段は、
前記光学検出手段による検出結果と前記無線タグ通信装置の作業モードとに応じて、前記各種作業情報を書き込むことを特徴とする無線タグ通信装置。 - 請求項2記載の無線タグ通信装置において、
前記書き込み制御手段は、
前記光学検出手段による検出結果と前記無線タグ通信装置の作業モードとに応じて、前記第1無線タグ回路素子の前記IC回路部における前記物品の数量情報を減少又は増加させることを特徴とする無線タグ通信装置。 - 請求項2又は3記載の無線タグ通信装置において、
前記書き込み制御手段は、
前記光学検出手段による検出結果と前記無線タグ通信装置の作業モードとに応じて、前記第1無線タグ回路素子の前記IC回路部に記憶された前記物品の数量履歴情報を更新することを特徴とする無線タグ通信装置。 - 請求項2乃至4のいずれか1項記載の無線タグ通信装置において、
前記光学検出手段による前記光学識別子の検出時における環境情報を検出する環境情報検出手段を有し、
前記書き込み制御手段は、
前記光学検出手段による前記光学識別子の検出時において、前記環境情報検出手段で検出した前記環境情報を、前記物品の各種作業情報とともに前記第1無線タグ回路素子の前記IC回路部に対し書き込むことを特徴とする無線タグ通信装置。 - 請求項1記載の無線タグ通信装置において、
前記光学検出手段による検出結果と前記無線タグ通信装置の作業モードとに応じて、前記通信手段を介し、前記物品の管理用に設けた第1無線タグ回路素子に備えられた前記IC回路部に記憶された、前記物品の前記各種作業情報を読み取る読み取り制御手段と、この読み取り制御手段で読み取った前記各種作業情報を集計し出力する集計出力手段とを有することを特徴とする無線タグ通信装置。 - 請求項1乃至6のいずれか1項記載の無線タグ通信装置において、
前記通信手段を介し、操作者権限確認用に設けた第2無線タグ回路素子に備えられた前記IC回路部に記憶した操作権限情報を取得する権限情報取得手段を有し、
前記書き込み制御手段は、前記権限情報取得手段で取得した前記操作権限情報に応じて前記第1無線タグ回路素子の前記IC回路部に対し前記各種作業情報の書き込みを行うことを特徴とする無線タグ通信装置。 - 請求項7記載の無線タグ通信装置において、
当該複数種類の操作権限のうちいずれかを選択する選択操作信号を入力する信号入力手段を有し、
前記書き込み制御手段は、前記信号入力手段で入力した前記選択操作信号に応じて、前記各種作業情報の書き込みを行う
ことを特徴とする無線タグ通信装置。 - 請求項8記載の無線タグ通信装置において、
前記権限情報取得手段で取得した前記操作権限情報と、前記信号入力手段で入力した前記選択操作信号に対応した操作権限とを照合する照合手段を有する
ことを特徴とする無線タグ通信装置。 - 請求項1乃至9のいずれか1項記載の無線タグ通信装置において、
前記通信手段及び前記光学検出手段の両方を備えた一体的な装置として構成したことを特徴とする無線タグ通信装置。 - 請求項1乃至10のいずれか1項記載の無線タグ通信装置において、
前記第1又は第2無線タグ回路素子を備えたタグ媒体を搬送する搬送手段を有し、
前記書き込み制御手段は、前記通信手段を介し、前記各種作業情報又はこれに対応する情報を、前記第1又は第2無線タグ回路素子に備えられた前記IC回路部に書き込む
ことを特徴とする無線タグ通信装置。
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