JP2008032055A - 流体封入式防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】防振特性の切り替えを速やかに且つ安定して行うことの出来る、新規な構造の流体封入式防振装置を提供すること。
【解決手段】弾性ゴム膜104を主液室134、138側に凸となる略ドーム形状とする一方、該弾性ゴム膜104が負圧吸引せしめられる吸着面90を該主液室134,138側に凹となる湾曲面とした。更に、該吸着面90の外周部に、周方向に延びて圧力作用室122に開口せしめられた外周溝92を含む負圧吸引溝92,94を形成して、該圧力作用室122に対して負圧を作用せしめる負圧吸引孔96を該負圧吸引溝92,94と接続せしめることによって、該圧力作用室122に対して負圧を作用せしめた際に、該弾性ゴム膜104の外周部分を該外周溝92によって負圧吸引せしめるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、内部に封入された流体の流動作用に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式防振装置に係り、特に、流体が封入された流体室内に弾性ゴム膜を配し、かかる弾性ゴム膜の変形状態を切り替えることによって、防振特性を切り替えることの出来る流体封入式防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振支持体や防振連結体等の防振装置の一種として、内部に封入された非圧縮性流体の共振作用等の流動作用に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式防振装置が知られている。このような流体封入式防振装置は、一般に、第一の取付金具を筒状の第二の取付金具の一方の開口部側に配して、第一の取付金具と第二の取付金具を本体ゴム弾性体で弾性連結して第二の取付金具の一方の開口部を流体密に閉塞する一方、第二の取付金具の他方の開口部を可撓性膜で流体密に閉塞して、それら本体ゴム弾性体と可撓性膜の間に非圧縮性流体が封入された流体室を形成すると共に、本体ゴム弾性体と可撓性膜の間に仕切部材を配設して流体室を仕切ることにより、仕切部材を挟んだ両側において、壁部の一部が本体ゴム弾性体で構成された主液室と壁部の一部が可撓性膜で構成された副液室を形成し、それら両室をオリフィス通路で相互に連通せしめて構成されている。
そして、このような流体封入式防振装置は、オリフィス通路を流動せしめられる非圧縮性流体の流動作用によって、例えばエンジンシェイクのような低周波数域の振動に対して優れた防振効果を発揮せしめるようにされている。
ところが、かかる流体封入式防振装置においては、例えばエンジンシェイクのように、予めオリフィス通路がチューニングされた周波数域において優れた防振特性を発揮することが出来る一方、チューニング周波数域よりも高い例えばアイドリング振動や走行こもり音等の周波数域の振動に対しては、オリフィス通路が実質的に閉塞状態となって著しい高動ばね化を招くため十分な防振性能を発揮せしめることが困難であるという問題があった。
このような問題に対処するために、例えば特許文献1には、変形可能な弾性ゴム膜を配設して弾性ゴム膜の一方の面によって主液室の壁部の一部を構成する一方、弾性ゴム膜を挟んで主液室と反対側に圧力作用室を形成して、弾性ゴム膜の他方の面を圧力作用室内に位置せしめて、圧力作用室内の圧力を外部から制御することによって、防振特性を切り替えられるようにした流体封入式防振装置が提案されている。
このような流体封入式防振装置においては、オリフィス通路がチューニングされた周波数域の振動が入力された場合には、圧力作用室内に負圧を作用せしめて弾性ゴム膜を圧力作用室の吸着面に吸着せしめ、弾性ゴム膜の変形を制限する。これにより、オリフィス通路への流体流動量を確保して、高減衰効果を発揮せしめるようにされている。一方、オリフィス通路がチューニングされた周波数域よりも高い周波数域の振動が入力された場合には、圧力作用室内を大気圧に維持して、弾性ゴム膜の変形を許容することによって、振動入力に伴う圧力変動を吸収することが可能とされている。
したがって、特許文献1に記載の如き構造を備えた流体封入式防振装置において、優れた防振効果を得るためには、入力される振動に応じて防振特性が速やかに安定して切り替えられることが望ましい。即ち、圧力作用室内に負圧を作用せしめて弾性ゴム膜の変形を制限した状態と、圧力作用室内を大気圧に維持して弾性ゴム膜の変形を許容した状態とを、速やかに且つ安定して切り替えられることが要求されるのである。
ところが、特許文献1に記載の如き構造では、弾性ゴム膜と圧力作用室の吸着面との間に微小隙間が形成されるようになっている。それ故、圧力作用室内に負圧が及ぼされた場合でも、微小隙間が形成された部位において弾性ゴム膜の変形が許容されてしまう。これにより、液圧変化が弾性ゴム膜の変形によって吸収されて、オリフィス通路への流体流動量を十分に確保することが出来ず、オリフィス通路による高減衰効果が十分に発揮されないおそれがあった。
また、弾性ゴム膜が、圧力作用室に負圧を作用せしめる負圧吸引孔に近い部位から先に吸引されて、負圧吸引孔を早い段階で閉塞してしまうことによって、弾性ゴム膜の吸着面への吸着が十分に行われず、吸着面との間に大きな空気溜まりを形成してしまうおそれもあった。空気溜まりが形成されると、前記の微小隙間と同様に、弾性ゴム膜の変形が許容されてしまうことから、高減衰効果が十分に発揮されないおそれが生じる。
このように、特許文献1に記載の流体封入式防振装置においては、弾性ゴム膜の変形態様が不安定で、弾性ゴム膜の吸着状態と非吸着状態の切り替えを安定して行うことが出来ないことから、防振特性の切り替えを速やかに安定して行うことが困難であった。
特開平10−274279号公報
ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、防振特性の切り替えを速やかに且つ安定して行うことの出来る、新規な構造の流体封入式防振装置を提供することにある。
以下、前述の課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
(本発明の態様1)
本発明の態様1の特徴とするところは、第一の取付部材を筒状の第二の取付部材の一方の開口部側に配すると共に、それら第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結して該第二の取付部材の該一方の開口部を流体密に閉塞する一方、該第二の取付部材の他方の開口部を可撓性膜で閉塞して、それら本体ゴム弾性体と可撓性膜の対向面間に非圧縮性流体が封入された流体室を形成し、更に、該第二の取付部材によって仕切部材を支持せしめて該仕切部材で該流体室を仕切ることにより、壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成された主液室と、壁部の一部が該可撓性膜で構成された副液室を形成すると共に、それら主液室と副液室を連通するオリフィス通路を設ける一方、該主液室の壁部の一部を構成する弾性ゴム膜を設けると共に、該弾性ゴム膜を挟んで該主液室と反対側に圧力作用室を形成して、該圧力作用室に負圧を作用せしめることにより該弾性ゴム膜を変形せしめて該圧力作用室の吸着面に吸着せしめることが可能とされた流体封入式防振装置において、前記弾性ゴム膜を前記主液室側に凸となる略ドーム形状とする一方、前記吸着面を該主液室側に凹となる湾曲面とすると共に、該吸着面の外周部で周方向に延びて前記圧力作用室に開口せしめられた外周溝を含む負圧吸引溝を形成し、該圧力作用室に対して負圧を作用せしめる負圧吸引孔を該負圧吸引溝と接続せしめたことにある。
本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、弾性ゴム膜が主液室側に凸となる略ドーム形状とされていると共に、吸着面が主液室側に凹となる湾曲面形状とされていることによって、弾性ゴム膜に負圧吸引力が作用せしめられた場合には、弾性ゴム膜を主液室側に凹となる形状に変形せしめることが出来る。これにより、負圧吸引時と非吸引時における弾性ゴム膜の形状を明確に異ならせて、防振特性の切り替えを確実に行うことが出来る。そして、圧力作用室側へ突出変形せしめられた弾性ゴム膜は、吸着面に沿うようにして吸着せしめられることから、弾性ゴム膜の拘束状態を安定して保持することが出来る。一方、負圧吸引力が解除された場合には、弾性ゴム膜の復元力を積極的に用いて、弾性ゴム膜を主液室側に凸となる形状に速やかに復元せしめることが出来る。これにより、防振特性の切り替えを速やかに且つ安定して行うことが出来るのである。
ここにおいて、略ドーム形状の弾性ゴム膜を用いた場合には、突出先端部とされる弾性ゴム膜の中央部分は変位量が比較的大きいことから、吸着面に吸着せしめられ易いものの、弾性ゴム膜の外周部分は変位量が比較的小さいことから、吸着面との間に隙間を生じ易い。負圧吸引時に弾性ゴム膜と吸着面との間に隙間を生じると、かかる部位における弾性ゴム膜の自由な弾性変形が許容されてしまう。そして、かかる弾性変形に基づく液圧吸収作用に起因して、オリフィス通路への十分な流体流動量を得られず、防振特性の切り替えを安定して行えないという問題を生じ得る。
しかし、本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、吸着面の外周部を延びる外周溝を含んで構成される負圧吸引溝を形成したことによって、弾性ゴム膜の外周部分に負圧吸引力を及ぼすことが出来る。これにより、隙間を生じ易い弾性ゴム膜の外周部分を吸着面に吸着せしめることが出来て、弾性ゴム膜と吸着面との間に生じる微小隙間をより小さくすることが出来る。それ故、負圧吸引時における弾性ゴム膜の拘束状態をより高度に発現せしめることが可能となり、オリフィス通路への流体流動量を有利に確保することによって、より安定した防振特性の切り替えを行うことが可能とされているのである。
(本発明の態様2)
本発明の態様2の特徴とするところは、本発明の態様1に係る流体封入式防振装置において、前記負圧吸引孔を、前記外周溝に開口せしめたことにある。このようにすれば、負圧吸引孔から及ぼされる負圧吸引力を、直接的に外周溝に伝達することが出来ることから、弾性ゴム膜の外周部分をより強固に吸引せしめることが出来る。また、負圧吸引孔が吸着面の外周部分、即ち、仕切部材の外周部分に設けられることから、仕切部材を挟んで圧力作用室と反対側に形成される副液室の容積を有利に確保することが出来る。
(本発明の態様3)
本発明の態様3の特徴とするところは、本発明の態様1又は2に係る流体封入式防振装置において、前記吸着面の径方向に延びて前記圧力作用室に開口せしめられた径方向溝を形成すると共に、該径方向溝を前記外周溝と接続せしめることによって、該径方向溝及び該外周溝を含んで前記負圧吸引溝を構成したことにある。このようにすれば、弾性ゴム膜の外周部のみならず、中央部分にも負圧吸引力を及ぼすことが出来ることから、弾性ゴム膜をより速やかに且つ安定して吸着面に吸着せしめることが出来る。
(本発明の態様4)
本発明の態様4の特徴とするところは、本発明の態様3に係る流体封入式防振装置において、前記負圧吸引孔を、前記外周溝と前記径方向溝との接続部分に開口せしめたことにある。このようにすれば、負圧吸引孔から及ぼされる負圧吸引力を、外周溝と径方向溝の何れにも有効に伝達することが出来る。
(本発明の態様5)
本発明の態様5の特徴とするところは、本発明の態様3に係る流体封入式防振装置において、前記負圧吸引孔を、前記径方向溝の長手方向中央部分に開口せしめたことにある。このようにすれば、負圧吸引孔から径方向溝の両方向に向けて略均等に負圧吸引力が伝達されると共に、弾性ゴム膜の中央部分に強い吸引力を及ぼすことが出来ることから、弾性ゴム膜を安定して吸引せしめることが出来る。
(本発明の態様6)
本発明の態様6の特徴とするところは、本発明の態様1乃至5の何れか一つに係る流体封入式防振装置において、前記負圧吸引溝の深さ寸法を、前記負圧吸引孔に行くに連れて次第に深くなるように形成したことにある。このようにすれば、負圧吸引孔で急に負圧が及ぼされて、弾性ゴム膜の負圧吸引孔に近い部位が先に吸引せしめられることに起因して、弾性ゴム膜の略全体を吸着せしめる前に、負圧吸引孔が弾性ゴム膜で閉塞せしめられるようなことを回避することが出来る。これにより、弾性ゴム膜と吸着面との間に隙間を残すおそれを軽減して、安定して弾性ゴム膜を全体的に吸着面に吸着せしめることが出来る。
(本発明の態様7)
本発明の態様7の特徴とするところは、本発明の態様1乃至6の何れか一つに係る流体封入式防振装置において、前記弾性ゴム膜において、外周縁部から中央までは至らない長さで半径方向に延びる厚肉の補強リブを周方向で互いに独立して複数本形成して、それら複数本の補強リブにおいて互いに周方向で隣り合う二つの該補強リブ間に位置する領域を薄肉のゴム弾性体によって形成された薄肉部とすると共に、それら複数本の補強リブの先端部間に位置する該弾性ゴム膜の中央部分を該補強リブよりも薄肉で前記圧力作用室側に凸となる中央湾曲部としたことにある。
このようにすれば、圧力作用室に負圧が及ぼされていない場合には、薄肉に形成された薄肉部や中央湾曲部の弾性変形によって有効に液圧吸収効果を得ることが出来る一方、圧力作用室に負圧が及ぼされた場合には、補強リブによって薄肉に形成された薄肉部や中央湾曲部の負圧吸引溝への過剰な引き込みが防止されて、弾性ゴム膜の破損などを有利に回避することが出来る。
さらに、中央湾曲部が圧力作用室側に凸とされた湾曲形状とされていることから、負圧吸引時には中央湾曲部が速やかに弾性変形せしめられて、かかる中央湾曲部の弾性変形に伴って補強リブの先端部が圧力作用室側に引き込まれることとなるため、補強リブが十分に弾性変形せしめられる。一方、負圧解除時には、厚肉に形成された補強リブの復元力によって、元の形状に速やかに復元することが出来る。それ故、弾性ゴム膜の形状を速やかに切り換えることが出来る。
(本発明の態様8)
本発明の態様8の特徴とするところは、本発明の態様1乃至7の何れか一つに係る流体封入式防振装置において、前記仕切部材が第一の仕切部材と第二の仕切部材を含んで構成されており、該第一の仕切部材を挟んだ両側に前記主液室と前記副液室を形成すると共に、該第二の仕切部材によって該主液室が仕切られることにより、壁部の一部が前記本体ゴム弾性体によって構成されて振動入力時に圧力変動が生ぜしめられる受圧室と、壁部の一部が前記弾性ゴム膜によって構成される中間室が形成されており、それら受圧室と中間室により該主液室が構成されていると共に、該副液室が壁部の一部が前記可撓性膜で構成されて容積変化が容易に許容される平衡室により構成されている一方、前記オリフィス通路として、該受圧室と該平衡室を連通する第一のオリフィス通路と該中間室と該平衡室を連通する第二のオリフィス通路が形成されていることにある。
このようにすれば、例えば第一のオリフィス通路よりも第二のオリフィス通路のチューニング周波数を高く設定するなど、各オリフィス通路のチューニングを互いに異ならせることによって、各オリフィス通路の流体流動作用に基づいて、複数の乃至は広い周波数域の振動に対してより優れた防振効果が発揮され得る。
(本発明の態様9)
本発明の態様9の特徴とするところは、本発明の態様8に係る流体封入式防振装置において、変位乃至は変形が制限された可動部材を含んで前記第二の仕切部材を構成して、該可動部材で前記主液室を仕切ることによって、振動入力時に前記本体ゴム弾性体の弾性変形に伴う圧力変動が前記受圧室に対して直接に生ぜしめられるようにすると共に、該受圧室の圧力が該可動部材を介して前記中間室に及ぼされるようにしたことにある。
このようにすれば、走行こもり音などの高周波小振幅振動の入力時には、可動部材の変位乃至は変形に基づく液圧吸収作用が発揮せしめられる。これにより、高周波小振幅振動に対する良好な防振効果が発揮される。一方、エンジンシェイク等の低周波大振幅振動の入力時には、可動部材の変位乃至は変形が制限されることによって、受圧室の圧力変動が有効に及ぼされて、流体流動量が有効に確保される。これにより、より広い周波数域の振動に対して、より一層優れた防振効果が発揮され得る。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について説明する。先ず、図1〜2に、本発明における流体封入式防振装置の第一の実施形態としての自動車用エンジンマウント10を示す。このエンジンマウント10は、第一の取付部材としての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二の取付金具14が本体ゴム弾性体16で連結された構造とされており、第一の取付金具12がパワーユニット側に取り付けられると共に、第二の取付金具14が車両ボデー側に取り付けられることによって、パワーユニットがボデーに対して防振支持されるようになっている。ここにおいて、図1では、エンジンマウント10の自動車への非装着状態が示されているが、本実施形態では、装着状態において、パワーユニットの分担支持荷重がマウント軸方向(図1中、上下)に入力される。従って、マウント装着状態下では、防振すべき主たる振動は、略マウント軸方向に入力されて、本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づき第一の取付金具12と第二の取付金具14が軸方向で互いに接近する方向に変位せしめられることとなる。なお、以下の説明中において、特に断りのない限り、上下方向とは、図1中の上下方向をいうものとする。
より詳細には、第一の取付金具12は、下方に開口する略カップ形状を呈している。そして、第一の取付金具12の上底部の中央部分には、上方に開口する螺子穴を備えたナット部18が上方に突出して一体形成されている。
一方、第二の取付金具14は、大径の略段付き円筒形状を有しており、軸方向中間部分に形成された段差部20を挟んで、上方が大径筒部22とされている一方、下方が大径筒部22よりも径寸法が小さな小径筒部24とされている。また、第一の取付金具12が第二の取付金具14の一方(図1中、上)の開口部側に離隔配置されて、両金具12,14の中心軸が略同一線上に位置せしめられていると共に、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に、本体ゴム弾性体16が配設されている。
本体ゴム弾性体16は、大径の略円錐台形状を有しており、その小径側端面が、第一の取付金具12のナット部18を除く略全体を埋設した状態で、第一の取付金具12の外周面に加硫接着されている。また、本体ゴム弾性体16の大径側端部外周面が、第二の取付金具14の大径筒部22および段差部20の内周面に加硫接着されている。これにより、本体ゴム弾性体16は、第一の取付金具12と第二の取付金具14を備えた一体加硫成形品として形成されている。そして、第一の取付金具12と第二の取付金具14が、本体ゴム弾性体16によって相互に弾性的に連結されていると共に、第二の取付金具14の大径筒部22側における一方(図1中、上)の開口部が本体ゴム弾性体16で流体密に閉塞されている。また、本体ゴム弾性体16の大径側端面には、下方に開口する略すり鉢形状の大径凹所26が形成されている。更に、第二の取付金具14の小径筒部24の内周面には、本体ゴム弾性体16と一体形成された薄肉のシールゴム層28が、略一定の厚さ寸法で、全体に亘って被着形成されている。
そして、第一及び第二の取付金具12,14を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品には、第二の取付金具14の他方(図1中、下)の開口部側から仕切部材30が組み付けられている。仕切部材30は、図3に示すように、複数の部材を組み合わせてなる分割構造体とされており、上側仕切部材32や下側仕切部材34を含んで構成されている。
図4および図5に、上側仕切部材32を示す。上側仕切部材32は、全体として下方に開口する略カップ形状を有しており、上壁部を構成する中央上部が、薄肉の略円板形状とされると共に、全体の外径寸法が、第二の取付金具14の小径筒部24の内径寸法よりも小さくされている。なお、上側仕切部材32は、本実施形態においては、硬質の合成樹脂材を用いて形成されている。かかる上側仕切部材32には、凹所としての下面中央に開口する大径の中央凹所36が形成されており、中央凹所36の周壁部の内周面には、軸方向(深さ方向)の中間部分に位置して、軸直角方向外方に広がる円環形状の段差部38が形成されている。これにより、中央凹所36は、段差部38を挟んだ上底部側(図1中、上)の内径寸法が、段差部38を挟んだ開口部側(図1中、下)の内径寸法よりも小さくされている。
また、上側仕切部材32の周壁部には、外周面に開口して周方向に所定の長さ(例えば、本実施形態では一周弱)で延びる、周溝40が形成されている。周溝40は、一方の端部が上側仕切部材32の上端部に形成された切欠き状の連通窓42を通じて上方に開口せしめられていると共に、他方の端部が、上側仕切部材32の下端部に貫設された連通孔44を通じて下方に開口せしめられている。更に、周溝40の他方の端部は、上方に延び出されており、上側仕切部材32の周壁部に貫設された連通路46を通じて中央凹所36の周壁部内面に連通せしめられている。
さらに、上側仕切部材32の上壁部の上面には、上方に開口する浅底の上凹所47が形成されている。上凹所47の内径寸法は、中央凹所36における段差部38よりも上底部側(図1中、上)の内径寸法と略同じとされており、上凹所47の周壁部は、上方に向かって突出する円環形状の環状突部48とされている。
そして、上凹所47の上方から、蓋部材50が重ね合わされている。蓋部材50は、一方に開口する浅底の逆皿形状を有しており、合成樹脂材料等の硬質材で形成されている。蓋部材50は、上側仕切部材32の上面に対して、互いの開口が位置合わせされて重ね合わされており、上側仕切部材32の環状突部48と蓋部材50の外周壁部との各先端面が互いに重ね合わされて、溶着や接着などで固定されている。これにより、上側仕切部材32の上凹所47の底面と蓋部材50の上底面とが、円形の平坦面をもって上下方向で所定距離を隔てて平行に対向位置せしめられており、これらの対向面間において中空の拘束配設領域52が形成されている。
なお、拘束配設領域52の上下壁部を構成する上側仕切部材32の上凹所47の底壁部と蓋部材50の凹所の上底部には、何れも、多数の小孔からなる透孔54が厚さ方向に貫通して形成されている。これらの透孔54を通じて、拘束配設領域52が、軸方向上下の外部領域に連通せしめられている。即ち、本実施形態では、これら拘束配設領域52と上下壁部に形成された透孔54で協働して、後述する受圧室134及び中間室138とを互いに連通せしめる流体流路が構成されている。
さらに、拘束配設領域52には、可動部材としての可動板56が収容配置されている。可動板56は、ゴム弾性材料を用いて形成された薄肉の略円板形状とされており、拘束配設領域52の上下壁部の対向面間距離よりも小さな厚さ寸法を有すると共に、拘束配設領域52の内径寸法よりも小さな外形寸法とされている。また、特に本実施形態において、可動板56の上下両面は、それぞれ、複数の凹凸或いは複数の凹凸条が設けられることによって、目視出来る程度に大きな起伏面とされている。
さらに、可動板56の中央部分には、軸方向両側に突出する一対の中央軸部58,58が一体形成されている。そして、各中央軸部58、58が、上側仕切部材32と蓋部材50の各中心軸上に貫設された挿通孔60、60に対して、それぞれ変位可能に内挿されている。これにより、可動板56が、拘束配設領域52の略中央に位置せしめられて、可動板56の厚さ寸法と拘束配設領域52の高さ寸法との差に対応した距離だけ、拘束配設領域52内で軸方向に変位可能とされている。なお、可動板56の軸方向の変位量は、拘束配設領域52の上下内面に当接することで制限されるようになっており、かかる当接時には、可動板56自体の弾性に基づいて緩衝機能が発揮されて打音や衝撃が緩衝されるようになっている。
また、上側仕切部材32における中央凹所36の開口部周りの外周部分の下端面は、軸直角方向に広がる平坦面とされており、ここに係止突起62が下方に向かって突出するように一体形成されている。特に本実施形態においては、3つの係止突起62,62,62が、上側仕切部材32の外周部分に広げられた下端面の幅方向中央部分において、周方向で略等間隔に離隔して設けられている。また、係止突起62は、上側仕切部材32の下端部と一体形成された基端部から下方に向かって略一定のL字屈曲断面で延びる脚部64と、該脚部64の先端部分から上側仕切部材32の軸直角方向で略平板形状に広がって脚部64の先端を覆う頭部66を含んで構成されている。これにより、係止突起62の軸方向断面は、全体としてカギ状とされている。
また、上側仕切部材32には、軸方向下方から下側仕切部材34が重ね合わされて組み付けられている。下側仕切部材34は、図6〜7にも示されているように、上側仕切部材32と略等しい外形寸法を有する厚肉の略円板形状を有していると共に、硬質の合成樹脂材を用いて形成されている。かかる下側仕切部材34には、下面中央に開口する下側凹所68が形成されている。また、下側仕切部材34の上端部分の中央には、浅底皿状の中央突部70が一体形成されている。
中央突部70の基端部側の外周面には、周方向に全周に亘って延びる嵌着溝72が刻設されている。また、下側仕切部材34の外周部分には、上側仕切部材32に重ね合わされた際に連通孔44の開口部に対応する位置において、軸方向に貫通する連通孔74が形成されている。かかる連通孔74は、軸方向両側において、下側仕切部材34の上端面と、下側凹所68の内面とに、それぞれ開口せしめられている。
さらに、下側仕切部材34の外周面における軸方向上端部には、周方向の全周に亘って連続して延びる凹溝状の上側嵌着溝76が形成されている。一方、下側仕切部材34の外周面における軸方向下端部には、周方向の全周に亘って連続して延びる凹溝状の下側嵌着溝78が形成されている。
また、下側仕切部材34における中央突部70の外周側に広がる円環形状の上端面には、上側仕切部材32に重ね合わされた際に各係止突起62,62,62に対応する位置において、それぞれ、係止孔80、80、80が形成されている。これらの係止孔80,80,80は、下側仕切部材34を軸方向に貫通せしめられており、下側凹所68の内面に開口せしめられている。かかる係止孔80は、それぞれ、下側仕切部材34の周方向に所定長さで延びており、係止孔80に対して係止突起62が挿入され、更に周方向に所定量だけ相対変位せしめられ得るように、係止孔80の形状と大きさが設定されている。
さらに、係止孔80の外側周縁部における周方向一方の端部には、係止孔80の内方に向かって部分的に突出するように延び出す突出壁部82が一体形成されている。後述するように、突出壁部82は、上側仕切部材32に形成された係止突起62が係止孔80に挿通されて周方向に相対変位せしめられることによって、互いに係止されるようになっている。
更にまた、下側仕切部材34における各係止孔80の下方には、係止孔80の開口を下方から覆うようにしてカバー部84が一体形成されている。カバー部84は、係止孔80の開口周縁部から下方に向かって略一定の矩形枠状断面に延びる立上壁部86と、立上壁部86の先端部分から下側仕切部材34の径方向に屈曲して略平板形状に広がる蓋壁部88を含んで構成されている。
また、中央突部70の上端面には、下側仕切部材34の軸方向上方に向けて凹となる湾曲面形状とされた吸着面90が形成されている。吸着面90は、上面視において略円形状とされており、特に本実施形態においては、全面に亘って略一定の曲率の湾曲面とされている。そして、吸着面90の最外周縁部には、上方に開口せしめられて全周に亘って連続する環状の凹溝形状とされた外周溝92が形成されている。更に、特に本実施形態においては、吸着面90の径方向に延びて上方に開口する凹溝形状とされた径方向溝94が一条形成されており、かかる径方向溝94の長手方向両端部が、外周溝92と接続されている。これにより、本実施形態においては、外周溝92および径方向溝94を含んで、負圧吸引溝が構成されている。
そして、外周溝92と径方向溝94との接続部分における一方の側には、負圧吸引孔としての空気通路96が開口せしめられており、これら外周溝92および径方向溝94と連通せしめられている。空気通路96は、吸着面90の外周部分において、下側仕切部材34の内部を軸方向に延びて形成されており、一方の端部が外周溝92と径方向溝94との接続部分に開口せしめられる一方、他方の端部が、下側仕切部材34の外周面に開口せしめられたポート部98と連通せしめられている。かかるポート部98は、下側仕切部材34の軸方向下端部において、外周面に開口する円形の凹所内に円筒形状をもって突出形成されている。
さらに、特に本実施形態においては、空気通路96の吸着面90側の開口寸法が、径方向溝94の溝幅寸法よりも大きくされている。そして、径方向溝94における空気通路96付近の部位には、空気通路96に向けて溝幅寸法が次第に拡幅せしめられて、上面視において略三角形状とされた拡幅部100が形成されている。それと共に、径方向溝94における空気通路96の全周には、空気通路96に近づくに連れて溝深さ寸法が次第に深くされた傾斜部101が形成されている。なお、特に本実施形態においては、傾斜部101は、径方向の内側に位置する部位の深さ寸法が大きくされており、傾斜部101の径方向内側の部位は、空気通路96の深さ寸法と略等しい深さ寸法をもって、空気通路96と接続せしめられている。
そして、下側仕切部材34の上方には、中央突部70を覆うようにして、調圧部材102が配設されている。図8および図9に、調圧部材102を示す。調圧部材102は、弾性ゴム膜としての可動ゴム膜104の外周縁部に、嵌着リング106が加硫接着されて構成されている。
より詳細には、可動ゴム膜104は、全体として略円板形状とされており、僅かではあるが径方向中央側に向かって次第に軸方向上方に位置するようにされたテーパ状とされている。かかる可動ゴム膜104には、薄肉部としての可撓性ゴム膜部108が形成されている。可撓性ゴム膜部108は、薄肉の円形ゴム膜であって、その外周縁部が略円環形状とされた嵌着リング106の内周面に対して被着せしめられている。
また、可動ゴム膜104の互いに直交する径方向二方向において、各径方向でそれぞれ二本ずつ合計四本の補強リブ110が可撓性ゴム膜部108と一体的に形成されている。かかる補強リブ110は、可撓性ゴム膜部108に比して十分に厚肉とされており、可動ゴム膜104の径方向外周縁部から径方向内方に向かって延びていると共に、径方向中央までは至らない長さで形成されている。要するに、径方向一方向において、二本の補強リブ110が中央部分を挟んで相互に離隔して配置されている。また、補強リブ110は、テーパ状とされた可動ゴム膜104のテーパ面に沿って傾斜せしめられており、その長手方向である径方向で傾斜せしめられている。特に本実施形態においては、補強リブ110は、その径方向中央側が軸方向上方に持ち上げられるように傾斜せしめられており、その上面と下面が互いに略同一の傾斜角度で傾斜せしめられている。更に、本実施形態では、補強リブ110は、略一定の傾斜角度をもって傾斜せしめられており、全長に亘って略同一断面で略直線的に延びて形成されている。
また、補強リブ110の径方向内方の先端部間で、可動ゴム膜104の径方向中央部に形成された可撓性ゴム膜部108が、軸方向下方に凸となるように湾曲せしめられた中央湾曲部としての中央ゴム膜部112とされている。この中央ゴム膜部112によって径方向中央部分で離隔せしめられた補強リブ110が相互に連結せしめられている。
また、周方向で隣り合う補強リブ110の周方向間に形成されて略扇形とされた可撓性ゴム膜部108には、その略中央部に可撓性ゴム膜部108に比して十分に厚肉とされた中央厚肉部としての吸引阻止部114が形成されている。かかる吸引阻止部114は、補強リブ110,可動ゴム膜104の外周縁部,中央ゴム膜部112の何れからも離隔して形成されている。要するに、吸引阻止部114は、全周に亘って可撓性ゴム膜部108によって囲まれるように形成されている。特に本実施形態においては、可撓性ゴム膜部108の略中央に吸引阻止部114が形成されることにより、可撓性ゴム膜部108が吸引阻止部114の周囲を取り囲むように延びる溝状の領域に形成されている。
そして、このような形状とされた可動ゴム膜104の外周縁部に、嵌着リング106の内周面が被着せしめられている。嵌着リング106は、薄肉の略円筒形状を有しており、鉄やアルミニウム合金等の金属材料によって形成されている。かかる嵌着リング106の軸方向一方(本実施形態においては、上方)の端部には、全周に亘って径方向外方に広がるフランジ状部116が一体形成されていると共に、軸方向他方(本実施形態においては、下方)の端部には、全周に亘って径方向内方に広がる係止突部118が一体形成されている。
さらに、嵌着リング106の軸方向上端部には、軸方向上方に向かって突出するシールリップ120が被着形成されている。シールリップ120は、可動ゴム膜104と一体的に形成されており、全周に亘って略一定の山形断面形状をもって周方向に連続して形成されている。
このような構造とされた調圧部材102の嵌着リング106の軸方向下端部が下側仕切部材34の中央突部70に外挿されると共に、嵌着リング106の軸方向中間部分から下側部分に対して八方絞り等の縮径加工が施されることによって、係止突部118が中央突部70の嵌着溝72に係止固定されている。これにより、中央突部70の開口上方部分が可動ゴム膜104で覆われて、吸着面90の全面が可動ゴム膜104に対向せしめられており、中央突部70の底部である吸着面90と可動ゴム膜104の間に、圧力作用室としての作用空気室122が形成されている。
さらに、上側仕切部材32の下面に下側仕切部材34が重ね合わされることにより、嵌着リング106は、上側仕切部材32の中央凹所36に対して嵌め入れられている。また、嵌着リング106のフランジ状部116が、シールリップ120を、中央凹所36の段差部38に対して軸方向に押し付けている。これにより、嵌着リング106と上側仕切部材32の間は、全周に亘って、シールリップ120により、軸方向で流体密にシールされている。
このような上側仕切部材32と下側仕切部材34の軸方向での重ね合わせ状態で、上側仕切部材32に形成された係止突起62,62,62が、下側仕切部材34に形成された係止孔80,80、80に挿通されて、中心軸回りに上側仕切部材32と下側仕切部材34が相対的に回動せしめられる。これにより、各係止突起62が突出壁部82を備えた係止孔80に係止されて、上側仕切部材32と下側仕切部材34が軸方向に重ね合わせ状態に保持されており、シールリップ120がフランジ状部116と段差部38の間で軸方向に圧縮変形した状態に保持されている。即ち、シールリップ120の弾性力により、上側仕切部材32と下側仕切部材34の係止状態が保持され得るだけの摩擦力が及ぼされている。
而して、このように軸方向で重ね合わされた上側仕切部材32と下側仕切部材34を含んで構成された仕切部材30が、第二の取付金具14の小径筒部24側(図1中、下)に挿し入れられる。そして、第二の取付金具14の下側の端部に形成された内フランジ状の嵌着突部124の下端面が、下側仕切部材34の外周部分の上端面に重ね合わせられていることによって、これら上側仕切部材32および下側仕切部材34が、第二の取付金具14に対して軸方向に位置決めされる。かかる位置決め状態において、下側仕切部材34は、中央突部70から上方の部位だけが第二の取付金具14に嵌め入れられた状態とされており、ポート部98が形成された凹所は、第二の取付金具14から軸方向外方に突出して外部空間に露出せしめられている。
そして、第二の取付金具14の小径筒部24に対して八方絞り等の縮径加工が施されることによって、上下側仕切部材32,34の各外周面が小径筒部24の内周面に被着されたシールゴム層28を介して小径筒部24の内周面に流体密に重ね合わせられると共に、嵌着突部124が下側仕切部材34の上側嵌着溝76に嵌め入れられて係止固定される。これにより、仕切部材30が、第二の取付金具14に対して嵌着固定されている。
一方、第二の取付金具14から露出せしめられた下側取付部材34の下端部には、可撓性膜としてのダイヤフラム126が組み付けられている。ダイヤフラム126は、中央部分に十分な弛みをもたせて変形容易とした薄肉の略円板形状のゴム弾性膜によって構成されている。
ダイヤフラム126の外周縁部(本実施形態では、外周面)には、大径の円筒形状の固定金具128が加硫接着されている。固定金具128の上端開口部には、全周に亘って径方向内方にフランジ状に延びる嵌着突部130が一体形成されている。また、固定金具128の内周面には、ダイヤフラム126と一体形成された薄肉のシールゴム層が被着形成されており、ダイヤフラム126は、固定金具128から下方に向かって延び出している。
そして、固定金具128が軸方向下方から下側仕切部材34に外挿されて、その後、固定金具128に縮径加工が施される。これにより、固定金具128の上端部分の内周面が、シールゴム層を介して、第二の取付金具14から軸方向外方に突出した下側仕切部材34の軸方向他方(図1中、下)の端部の外周面に対して、固定的に外嵌固定されている。ここにおいて、固定金具128の嵌着突部130は、下側仕切部材34の下側嵌着溝78に嵌め入れられて係止固定されている。
これにより、下側仕切部材34の下側凹所68の開口がダイヤフラム126で流体密に覆蓋されると共に、第二の取付金具14の他方の開口部(図1中、下)が、ダイヤフラム126で流体密に閉塞される。更に、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム126の軸方向(図1中、上下)の対向面間に、仕切部材30が配設されることとなる。
ここにおいて、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム126の対向面間は、外部空間に対して密閉されており、かかる対向面間に非圧縮性流体が封入されることによって、流体室132が形成されている。なお、流体室132に封入される非圧縮性流体としては、例えば水やアルキレングリコール, ポリアルキレングリコール, シリコーン油等が採用されるが、特に流体の共振作用等の流動作用に基づく防振効果を有効に得るためには、0.1Pa・s以下の低粘性流体を採用することが望ましい。また、流体室132への非圧縮性流体の封入は、例えば第一及び第二の取付金具12,14を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に対する仕切部材30やダイヤフラム126の組み付けを非圧縮性流体中で行うこと等によって、有利に実現される。
さらに、流体室132は、その内部に仕切部材30が軸直角方向に拡がるように配設されていることによって軸方向で上下に二分されている。この仕切部材30を挟んだ軸方向一方(図1中、上)の側には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間への振動入力時に、本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づいて圧力変動が生ぜしめられる受圧室134が形成されている。一方、仕切部材30を挟んだ軸方向他方(図1中、下)の側には、壁部の一部がダイヤフラム126で構成されて、ダイヤフラム126の弾性変形に基づいて容積変化が容易に許容される平衡室136が形成されている。
さらに、上側仕切部材32の中央凹所36の開口が可動ゴム膜104によって覆蓋されることによって、上側仕切部材32と可動ゴム膜104との間に、内部空所が形成されており、この内部空所が、中間室138とされている。これにより、仕切部材30の内部には、可動ゴム膜104を挟んだ上方に中間室138が形成される一方、下方に作用空気室122が形成される。
このように、本実施形態におけるエンジンマウント10においては、中間室138を挟んで受圧室134と反対側に、平衡室136が形成されていると共に、作用空気室122が中間室138と平衡室136の間に形成されている。そして、中間室138には、受圧室134や平衡室136と同じく、非圧縮性流体が封入されている。このように、本実施形態においては、受圧室134と中間室138を含んで、本体ゴム弾性体16によって壁部の一部が構成された主液室が構成されていると共に、平衡室136によって、壁部の一部が可撓性膜で構成された副液室が構成されている。また、中間室138の壁部の一部が可動ゴム膜104で構成されていることから、主液室の壁部の一部は、可動ゴム膜104で構成されることとなる。そして、本実施形態においては、主液室と副液室の間に配設される下側仕切部材34を含んで第一の仕切部材が構成されると共に、主液室を構成する受圧室134と中間室138との間に配設される上側仕切部材32を含んで第二の仕切部材が構成されている。
更にまた、受圧室134と中間室138を仕切る隔壁部分を構成する仕切部材30の上底部には、前述の如く、拘束配設領域52が形成されて可動板56が板厚方向(図1中、上下)に所定量だけ変位可能に収容配置されている。このように、本実施形態においては、拘束配設領域52によって受圧室134と中間室138が仕切られており、受圧室134と中間室138とを仕切る第二の仕切部材は、より詳細には、上側仕切部材32に加えて、拘束配設領域52を形成する蓋部材50および可動板56を含んで構成されている。そして、可動板56の上面と下面には、各複数の透孔54を通じて受圧室134と中間室138の圧力がそれぞれ及ぼされるようになっており、振動入力時には、これら受圧室134と中間室138の相対的な圧力差の変動に基づいて、受圧室134の圧力変動を中間室138に逃がすようになっている。なお、可動板56の変位量ひいては受圧室134から中間室138に逃がされる圧力変動の大きさは、上側仕切部材32や蓋部材50への当接で可動板56の変位量が制限されることに基づいて、制限されることとなる。上述の説明からも明らかなように、本実施形態においては、拘束配設領域52や複数の透孔54からなる流体流路を通じての流体流動量を制限する手段が、可動板56を含んで構成されている。
また、上側仕切部材32の周溝40が、第二の取付金具14の小径筒部24の内周面に被着されたシールゴム層28を挟んで小径筒部24で流体密に覆蓋されることによって、第一のオリフィス通路140が形成されている。第一のオリフィス通路140の一方の端部は、上側仕切部材32の連通窓42を通じて、受圧室134に接続されている。また、第一のオリフィス通路140の他方の端部は、上側仕切部材32の連通孔44と下側仕切部材34の連通孔74を通じて平衡室136に接続されている。なお、上側仕切部材32には、蓋部材50が重ねあわされていることから、第一のオリフィス通路140は、連通窓42と、蓋部材50における連通窓42と重なり合う部位に貫設された貫通孔を通じて、受圧室134に接続されている。これにより、受圧室134と平衡室136が第一のオリフィス通路140で相互に接続されており、それら両室134,136間で、第一のオリフィス通路140を通じての流体流動が許容されるようになっている。
さらに、上側仕切部材32における周溝40の他方の端部に接続された連通路46が、周溝40と共に第二の取付金具14の小径筒部24によって流体密に覆蓋されている。これら周溝40と連通路46が協働して第二のオリフィス通路142を形成している。第二のオリフィス通路142は、一方の端部が連通路46を介して中間室138に接続されていると共に、他方の端部が上側仕切部材32の連通孔44および下側仕切部材34の連通孔74を通じて平衡室136に接続されている。これにより、中間室138と平衡室136が第二のオリフィス通路142で相互に連通されており、それら両室138,136間で、第二のオリフィス通路142を通じての流体流動が許容されるようになっている。
上述のように、本実施形態では、第一のオリフィス通路140や第二のオリフィス通路142が、上側仕切部材32と下側仕切部材34とによって協働して形成されている。なお、本実施形態においては、連通路46が周溝40の一部と接続されていることから、第二のオリフィス通路142が第一のオリフィス通路140の一部と協働して形成されているが、第一のオリフィス通路140と第二のオリフィス通路142では、そもそも通路長さが大きく異なることから、これら第一および第二のオリフィス通路140,142はそれぞれ、各別に後述する適当な周波数域にチューニングされている。即ち、本実施形態に係るエンジンマウント10では、図10にモデル的に示すように、非圧縮性流体が封入される流体室132が受圧室134や平衡室136、中間室138を含んで構成されており、受圧室134と中間室138が拘束配設領域52および複数の透孔54からなる流体流路を通じて相互に連通されていると共に、受圧室134と平衡室136が第一のオリフィス通路140を通じて相互に連通されており、更に中間室138と平衡室136が第二のオリフィス通路142を通じて相互に連通されているのである。
ここにおいて、特に本実施形態では、第一のオリフィス通路140を流動せしめられる流体の共振周波数が、該流体の共振作用に基づいてエンジンシェイク等に相当する10Hz前後の低周波数域の振動に対して有効な防振効果(高減衰効果)が発揮されるようにチューニングされている。また、第二のオリフィス通路142を流動せしめられる流体の共振周波数が、該流体の共振作用に基づいてアイドリング振動等に相当する20〜40Hz程度の中周波数域にチューニングされている。これにより、第二のオリフィス通路142が、第一のオリフィス通路140よりも高周波数域にチューニングされていると共に、中周波数域の振動入力時に、第二のオリフィス通路142を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて有効な防振効果(低動ばねによる振動絶縁効果)が発揮されるようになっている。なお、第一及び第二のオリフィス通路140,142のチューニングは、例えば、受圧室134や平衡室136,中間室138の各壁ばね剛性、即ちそれらの流体室を単位容積だけ変化させるのに必要な圧力変化量に対応する本体ゴム弾性体16やダイヤフラム126、可動板56、可動ゴム膜104の各弾性変形量に基づく特性値を考慮しつつ、それぞれのオリフィス通路140,142の通路長さと通路断面積を調節することによって行うことが可能であり、一般に、オリフィス通路140,142を通じて伝達される圧力変動の位相が変化して略共振状態となる周波数を、当該オリフィス通路140,142のチューニング周波数として把握することが出来る。
このような構造とされたエンジンマウント10は、第一の取付金具12のナット部18が図示しない固定ボルトを用いてパワーユニット側の取付部材に螺着固定されると共に、第二の取付金具14の大径筒部22等が図示しないアウタブラケットに固着されて、アウタブラケットが車両ボデー側の取付部材にボルト等で固定されるようになっている。これにより、エンジンマウント10が、パワーユニットと車両ボデーの間に装着されて、パワーユニットを車両ボデーに防振支持せしめるようになっている。
かかる装着状態下において、仕切部材30に形成された空気通路96のポート部98に空気管路144が接続されており、空気管路144を通じて、作用空気室122が切換バルブ146に接続されている。切換バルブ146は、例えば電磁バルブ等によって構成されており、作用空気室122を、大気中と所定の負圧源とに択一的に連通せしめるようになっている。また、切換バルブ146は、図示しない制御装置と接続されている。制御装置では、自動車に備え付けられた各種センサ等から、自動車の速度やエンジン回転数、減速機選択位置、スロットル開度など、自動車の状態を表す各種情報のうち、必要なものが入力されるようになっており、かかる情報に基づいて、予め設定されたプログラムに従って、マイクロコンピュータのソフトウエア等により、切換バルブ146を切換作動させるようになっている。そして、切換バルブ146を、自動車の走行状態等の各種条件下で入力される振動に応じて適当に切換制御することにより、目的とする防振効果を得るための作用空気室122の圧力制御が行われる。
ここでエンジンマウント10における具体的な作動態様の一つを示す。防振すべき振動として、(1)低周波大振幅振動であるエンジンシェイクや(2)高周波小振幅振動である走行こもり音、(3)中周波中振幅振動であるアイドリング振動の3種類の振動を考慮することとし、各振動に対する防振効果を以下に説明する。
(1)エンジンシェイクに対する防振効果
エンジンシェイク等の低周波大振幅振動の入力時には、受圧室134に対して非常に大きな振幅の圧力変動が惹起されることとなる。この圧力変動に際して可動板56が変位せしめられるが、可動板56の許容された可動距離範囲の変位では受圧室134の圧力変動が吸収され難いように、可動板56の可動距離が設定されている。これにより、可動板56の圧力吸収作用は実質的に機能し得ないようにされている。
すなわち、低周波大振幅振動の入力に際しては、可動板56や中間室138が殆ど機能し得ない。そして、かかる振動入力時に受圧室134と平衡室136の間に生ぜしめられる相対的な圧力変動により第一のオリフィス通路140を通じての流体流動量が効果的に確保されて、第一のオリフィス通路140を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、エンジンシェイクに対して有効な防振効果(高減衰効果)が発揮されるのである。
(2)走行こもり音等に対する防振効果
走行こもり音等の高周波小振幅振動の入力時には、受圧室134に対して小さな振幅の圧力変動が惹起されることとなる。この圧力変動に際して可動板56が有効に変位せしめられると共に、作用空気室122が大気中に開放されて、可動ゴム膜104の弾性変形が許容される。これにより、可動板56の可動距離範囲の変位によって、受圧室134の圧力変動が中間室138に対して効率的に伝達され、中間室138において可動ゴム膜104の弾性変形に基づく液圧吸収作用が発揮されるようになっている。要するに、高周波小振幅振動の入力時には、可動板56と中間室138と可動ゴム膜104の協働作用による液圧吸収機能が働いて、受圧室134の圧力変動が中間室138で吸収されることにより、エンジンマウント10の著しい高動ばね化が回避されることとなる。
なお、高周波小振幅振動の入力に際して、それよりも低周波数域にチューニングされた第一のオリフィス通路140や第二のオリフィス通路142は、何れも、***振的な作用によって流体流通抵抗が著しく大きくなって、実質的に閉塞状態とされる。
すなわち、かかる状態下では、受圧室134とその圧力が逃がされた中間室138は、何れも、平衡室136から独立した遮断状態となるが、中間室138の壁部の一部を構成する可動ゴム膜104は、その背後に形成された作用空気室122が大気中に開放されていることにより、弾性変形が比較的容易に許容された状態とされる。特に、可動ゴム膜104は、走行こもり音等の高周波小振幅振動の入力時に惹起される中間室138の圧力変動を、その弾性変形に基づいて十分に吸収せしめ得る程度に柔らかいばね特性に設定されている。それ故、第一及び第二のオリフィス通路140,142の実質的な閉塞化に起因する著しい高動ばね化が回避されて、高周波小振幅振動に対する良好な防振効果(低動ばね特性に基づく振動絶縁効果)が発揮されるのである。
(3)アイドリング振動に対する防振効果
アイドリング振動等の中周波中振幅振動の入力時には、受圧室134に対して或る程度の振幅の圧力変動が惹起されることとなる。この圧力変動に際して可動板56が変位せしめられ、可動板56の可動距離範囲の変位によって、受圧室134の圧力変動が中間室138に伝達されるようになっている。なお、中周波中振幅振動の入力に際して、それよりも低周波数域にチューニングされた第一のオリフィス通路140は、***振的な作用によって流体の流通抵抗が著しく大きくなって、実質的に閉塞状態とされる。
一方、作用空気室122には負圧が導入されて、可動ゴム膜104が作用空気室122の吸着面90側に引き込まれて拘束される。ここにおいて、本実施形態に従う構造とされた可動ゴム膜104では、作用空気室122に対して負圧が作用せしめられて可動ゴム膜104が吸引される場合に、先ず、薄肉のゴム膜によって形成された可撓性ゴム膜部108と中央ゴム膜部112が容易に弾性変形せしめられて負圧によって吸引される。このとき、可撓性ゴム膜部108の略中央に形成されて、周囲を可撓性ゴム膜部108によって囲まれている吸引阻止部114は、可撓性ゴム膜部108に比して厚肉とされており、可撓性ゴム膜部108に比べて弾性変形し難いことから、負圧吸引時においても殆ど弾性変形することなく、周囲を取り囲む可撓性ゴム膜部108の弾性変形に伴って軸方向に変位せしめられることとなる。このように容易に弾性変形せしめられる可撓性ゴム膜部108の略中央部に、比較的弾性変形し難い吸引阻止部114を形成したことにより、可撓性ゴム膜部108が空気通路96の作用空気室122側の開口部に必要以上に吸引されることを防ぐことが可能とされている。また、中央ゴム膜部112は、その外周部分の複数箇所(本実施形態では4箇所)が吸引阻止部114と同程度に厚肉とされた補強リブ110の径方向中央側の端部に連結されている。これにより、可撓性ゴム膜部108と同程度に薄肉のゴム膜によって形成されている中央ゴム膜部112が比較的弾性変形を生じ難い補強リブ110によって支持されることとなって、可動ゴム膜104が必要以上に弾性変形せしめられることにより空気通路96の作用空気室122側の開口内に引き込まれることを防止することが出来る。
そして、可撓性ゴム膜部108と中央ゴム膜部112が許容される限界量だけ弾性変形せしめられると、次に、比較的厚肉とされている補強リブ110が弾性変形せしめられる。即ち、補強リブ110は、径方向中央部で相互に離隔して配設された片持ち梁状の形態とされているため、径方向中央側は軸方向に比較的変位し易くされており、負圧吸引されることにより湾曲変形せしめられることとなる。しかも、中央ゴム膜部112が吸着面90側に凸とされた湾曲形状を有しているため、負圧によって中央ゴム膜部112が吸着面90側に吸引されると、補強リブ110の径方向中央側が中央ゴム膜部112の吸着面90側への変位に伴って吸着面90へ引き込まれることとなり、補強リブ110の弾性変形が促進されることとなる。なお、補強リブ110は所定量だけ吸着面90側へ吸引されて弾性変形せしめられるが、中央ゴム膜部112や可撓性ゴム膜部108のようには容易に変形せしめられるものではなく、補強リブ110の剛性によって可動ゴム膜104に適度な剛性が付与されている。
このように可動ゴム膜104が作用空気室122内に導入される負圧によって吸引されることによって、可動ゴム膜104は、全体として上方に凹となる形状に変形せしめられて、同じく上方に凹となる形状とされた吸着面90に沿うように吸着せしめられる。かかる状態下では、受圧室134と同様に有効な圧力変動が惹起される中間室138と容積可変の平衡室136が、中周波数域にチューニングされた第二のオリフィス通路142を通じて接続された構成となる。それ故、振動入力時に受圧室134および中間室138と平衡室136の間に生ぜしめられる相対的な圧力変動により第二のオリフィス通路142を通じての流体流動量が効果的に確保され得て、第二のオリフィス通路142を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、アイドリング振動に対して有効な防振効果(低動ばね特性に基づく振動絶縁効果)が発揮され得る。
ここにおいて、可動ゴム膜104は全体として上方に凸となる略円形ドーム形状とされており、負圧吸引時には全体として下方に凸となる形状に変形せしめられることから、可動ゴム膜104の外周縁部は、中央部分に比して上下方向の変位量が少ない。また、可動ゴム膜104の外周縁部には、近接した位置に硬質の嵌着リング106が被着せしめられたり、中央突部70の外周面が当接せしめられていることに起因して剛性が高められており、変形が容易に行われ難くなっている。それ故、可動ゴム膜104の外周縁部は、中央部分に比して吸着面90との間に隙間を生じ易い。このような隙間が生じてしまうと、かかる部位において可動ゴム膜104の自由な弾性変形が許容されてしまい、受圧室134および中間室138の圧力変動が可動ゴム膜104の弾性変形で吸収されてしまう。従って、第二のオリフィス通路142への流体流動量が減少せしめられて、振動減衰効果が阻害される原因となり得る。
ところが、本実施形態においては、吸着面90の最外周縁部に外周溝92が形成されている。これにより、図11(a)に示すように、作用空気室122が大気中に開放されている状態から、図11(b)に示すように、作用空気室122に負圧が導入された場合には、外周溝92によって可動ゴム膜104の外周縁部の全周に負圧吸引力を及ぼして、可動ゴム膜104の外周縁部を吸着面90に吸着せしめることが出来る。これにより、負圧吸引時に隙間が生じる部位をより小さくすることが可能となって、流体流動量をより有利に確保することが可能となるのである。
さらに、外周溝92に加えて、径方向溝94を形成したことによって、可動ゴム膜104の中央部分に対しても負圧吸引力を及ぼすことが可能とされている。これにより、可動ゴム膜104をより安定して吸着面90に吸着せしめることが可能とされている。
更にまた、本実施形態においては、空気通路96が、外周溝92と径方向溝94の接続部分に開口せしめられている。これにより、外周溝92および径方向溝94の何れにも負圧吸引力を安定して伝える事が可能とされている。
加えて、径方向溝94における空気通路96に近接した部位に拡幅部100および傾斜部101が形成されている。これにより、実質的に空気通路96の開口が作用空気室122に向けて滑らかに広くなる形状とされており、負圧導入時に空気通路96の開口部で急に負圧が作用するようなことが緩和されている。従って、空気通路96の開口部で急に負圧が及ぼされて、開口部付近の可動ゴム膜104が先に吸引されることによって、可動ゴム膜104の全体を吸着せしめる前に空気通路96の開口部を塞いでしまうようなおそれも軽減されており、可動ゴム膜104の全体を安定して吸着せしめることが可能とされているのである。
なお、作用空気室122に対して負圧が作用せしめられて可動ゴム膜104が拘束された状態から、作用空気室122が大気中に開放されて負圧が開放された際には、可撓性ゴム膜部108や中央ゴム膜部112は、十分に薄肉とされているため、復元力が小さく、即座に元の形状に戻ることが難しいが、本実施形態においては、補強リブ110が比較的厚肉とされて復元力が大きくされていることによって、元の形状に即座に復帰しようとする。ここで、補強リブ110は、その周方向両側に可撓性ゴム膜部108が一体形成されていると共に、その径方向中央側に中央ゴム膜部112が一体形成されている。それ故、補強リブ110の原形への素早い復元によって、可撓性ゴム膜部108および中央ゴム膜部112も直ちに元の形状に復帰することが出来て、入力振動の周波数などに応じて迅速且つ確実に可動ゴム膜104の膜剛性を切換制御することが可能とされている。
以上のように、本実施形態におけるエンジンマウント10においては、可動ゴム膜104が負圧が及ぼされていない状態で上方に凸となる形状とされていると共に、吸着面90が上方に凹となる形状とされていることによって、負圧が及ぼされた際には、可動ゴム膜104を上方に凹となる形状に変形せしめて、吸着面90に沿って吸着せしめることが可能とされており、可動ゴム膜104の非吸引状態と吸引状態を何れも安定して保持出来ると共に、かかる状態の切換を確実に行うことが出来る。これにより、防振特性の切り換えを安定して且つ確実に行うことが出来る。
そして、可動ゴム膜104の負圧吸引時において、外周溝92から負圧吸引力を及ぼすことによって、隙間が生じ易い可動ゴム膜104の外周縁部をより積極的に吸着面90に吸着せしめることが出来る。これにより、負圧吸引時において自由に弾性変形し得る部位をより小さくして、流体流動量を有効に確保することによって、防振特性の切り換えをより安定して行うと共に、防振性能をより向上せしめることも可能とされているのである。
なお、作用空気室122の接続状態は、要求される防振特性に応じて適宜に設定可能であって、それらを適宜に切り替える等しても良い。例えば、走行中に作用空気室122を負圧源と接続せしめて、可動ゴム膜104を吸着面90側に拘束せしめることによって、可動ゴム膜104による受圧室134の液圧吸収作用を抑えて、エンジンシェイクをより確実に抑えること等も可能である。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、かかる実施形態における具体的な記載によって、本発明は、何等限定されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様で実施可能であり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
例えば、前記実施形態においては、負圧吸引孔としての空気通路96は、吸着面90の外周部分に開口せしめられて、下側仕切部材34の外周部分を下方に延び出されて形成されることによって、下側仕切部材34の下方に形成される平衡室136の容積を広く確保出来るようにされていたが、空気通路96の開口位置は、前記実施形態に示す位置に限定されるものではない。前記実施形態と異なる部位に負圧吸引孔が形成及び開口せしめられた例として、図12に、本発明における流体封入式防振装置の第二の実施形態としてのエンジンマウント150を示す。なお、以下の説明において、第一の実施形態と実質的に同様の部材および部位については、前述の実施形態と同様の符号を付することによって、詳細な説明を省略する。
エンジンマウント150は、前述のエンジンマウント10と略同様の構造とされており、特に、エンジンマウント150においては、負圧吸引孔としての空気通路152が、下側仕切部材34における中央突部70の中央部分を、略一定の円形断面形状をもって軸方向下方に延びて形成されている。そして、図13に示すように、空気通路152の一方の端部が、径方向溝94の長手方向中央部分、即ち、吸着面90の中心部に開口せしめられている。ここにおいて、空気通路152の径寸法は、径方向溝94の溝幅寸法よりも大きくされている。更に、空気通路152の開口部は、全周に亘って、上方に行くに連れて次第に拡径せしめられた形状とされており、かかる空気通路152の開口部が、径方向溝94に接続されている。これにより、径方向溝94における空気通路152の開口部との接続部には、溝深さ寸法が空気通路152に行くに連れて次第に深くなる傾斜部153が形成されている。
また、空気通路152は、中央突部70の中央部分において、軸方向下方に略円筒形状をもって延び出されている。一方、本実施形態におけるダイヤフラム126の略中央部分には、略円筒形状を有する固定スリーブ154が流体密に固着せしめられている。そして、かかる固定スリーブ154が空気通路152の外周面に対して外挿状態で流体密に固定されている。これにより、下側仕切部材34の下側凹所68の開口がダイヤフラム126で流体密に覆蓋されて、平衡室136が形成される。それと共に、空気通路152における固定スリーブ154から外部に露出せしめられた部位が、ポート部として用いられて、切換バルブ146に接続される。
このような構造とされたエンジンマウント150においては、空気通路152が吸着面90の中央に開口せしめられていることから、可動ゴム膜104の中心部に負圧吸引力を及ぼしめることが出来て、可動ゴム膜104を安定して吸引せしめることが出来る。
なお、本実施形態から明らかなように、負圧吸引孔は、必ずしも外周溝92上に直接に開口せしめられている必要はないのであって、例えば本実施形態のように空気通路152を径方向溝94上に開口せしめて、径方向溝94を外周溝92と接続せしめることによって、空気通路152の負圧吸引力を、径方向溝94を介して外周溝92に伝達せしめる等しても良い。但し、本発明において、径方向溝は必ずしも必要ではない。
また、外周溝は、吸着面の外周部分に形成されていれば良いのであって、必ずしも吸着面の最外周縁部に形成されている必要はない。更に、外周溝や径方向溝を複数条形成する等しても良く、例えば、外周溝を同心円状に複数形成したり、径方向溝を放射線状に複数形成する等しても良い。但し、弾性ゴム膜の負圧吸引時に、外周溝および径方向溝と重なり合う部位において自由変形が許容される範囲を可及的に小さくするために、外周溝および径方向溝は、それぞれ1つとされることが好ましい。
更にまた、負圧吸引孔についても、必ずしも1つである必要はなく、例えば、前記第一の実施形態において、径方向溝94の両端部にそれぞれ空気通路96を開口せしめる等しても良い。但し、負圧吸引孔についても、上記外周溝や径方向溝と同様に、弾性ゴム膜の負圧吸引時に自由変形せしめられる範囲を小さくするために、1つとされることが好ましい。また、前記実施形態において径方向溝92に形成された拡幅部100は、必ずしも必要ではないが、例えば、前述の如き三角形状のみならず、矩形状などでも良い。
また、外周溝は、必ずしも吸着面の全周に亘って連続せしめられている必要はない。例えば、吸着面の外周部分で円弧状に延びる複数の円弧状凹溝によって外周溝を周方向で不連続に形成して、それぞれの円弧状凹溝毎に負圧吸引孔を開口せしめる等しても良い。
更にまた、弾性ゴム膜に形成される補強リブについても、前述の実施形態の如き本数に限定されない。例えば、前記第一の実施形態においては、補強リブ110は4本形成されていたが、可動ゴム膜104の周方向で等間隔に2本、3本や5本、6本形成する等しても良い。
また、前記第一、第二の実施形態における受圧室134や中間室138、平衡室136や、それらを接続する第一のオリフィス通路140および第二のオリフィス通路142などの形状や大きさ、構造、位置、数などの形態は、要求される防振特性や製作性などに応じて設定変更されるものであり、例示の如きものに限定されるものではない。例えば、中間室138や、第二のオリフィス通路142などは、本発明において必ずしも必要ではない。従って、例えば前記第一の実施形態における中間室138および第二のオリフィス通路142を形成することなく、受圧室134の壁部の一部を可動ゴム膜104によって構成するなどしても良い。
加えて、前記第一,第二の実施形態では、本発明を自動車用エンジンマウントに適用したものの具体例について説明したが、本発明は、自動車用ボデーマウントやデフマウント等の他、自動車以外の各種振動体の防振マウントに対して、何れも、適用可能であることは言うまでもない。
本発明の第一の実施形態としてのエンジンマウントの縦断面図であって、図2におけるI−I断面図。 図1におけるII−II断面図。 同エンジンマウントを構成する仕切部材の縦断面図。 同仕切部材を構成する上側仕切部材32の一側面図。 同上側仕切部材32の底面図。 同仕切部材を構成する下側仕切部材34の平面図。 同下側仕切部材34の底面図。 同仕切部材を構成する調圧部材の縦断面図であって、図9におけるVIII−VIII断面図。 同調圧部材の平面図。 同エンジンマウントにおける流体室の構造をモデル的に示す説明図。 同エンジンマウントにおける弾性ゴム膜の非吸引状態と吸引状態を示す要部拡大縦断面図。 本発明の第二の実施形態としてのエンジンマウントの縦断面図。 同エンジンマウントにおける下側仕切部材34の平面図。
符号の説明
10:エンジンマウント、12:第一の取付金具、14:第二の取付金具、16:本体ゴム弾性体、30:仕切部材、32:上側仕切部材、34:下側仕切部材、90:吸着面、92:外周溝、94:径方向溝、96:空気通路、104:可動ゴム膜、122:作用空気室、126:ダイヤフラム、134:受圧室、136:平衡室、138:中間室、140:第一のオリフィス通路、142:第二のオリフィス通路

Claims (9)

  1. 第一の取付部材を筒状の第二の取付部材の一方の開口部側に配すると共に、それら第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結して該第二の取付部材の該一方の開口部を流体密に閉塞する一方、該第二の取付部材の他方の開口部を可撓性膜で閉塞して、それら本体ゴム弾性体と可撓性膜の対向面間に非圧縮性流体が封入された流体室を形成し、更に、該第二の取付部材によって仕切部材を支持せしめて該仕切部材で該流体室を仕切ることにより、壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成された主液室と、壁部の一部が該可撓性膜で構成された副液室を形成すると共に、それら主液室と副液室を連通するオリフィス通路を設ける一方、該主液室の壁部の一部を構成する弾性ゴム膜を設けると共に、該弾性ゴム膜を挟んで該主液室と反対側に圧力作用室を形成して、該圧力作用室に負圧を作用せしめることにより該弾性ゴム膜を変形せしめて該圧力作用室の吸着面に吸着せしめることが可能とされた流体封入式防振装置において、
    前記弾性ゴム膜を前記主液室側に凸となる略ドーム形状とする一方、前記吸着面を該主液室側に凹となる湾曲面とすると共に、該吸着面の外周部で周方向に延びて前記圧力作用室に開口せしめられた外周溝を含む負圧吸引溝を形成し、該圧力作用室に対して負圧を作用せしめる負圧吸引孔を該負圧吸引溝と接続せしめたことを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記負圧吸引孔を、前記外周溝に開口せしめた請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記吸着面の径方向に延びて前記圧力作用室に開口せしめられた径方向溝を形成すると共に、該径方向溝を前記外周溝と接続せしめることによって、該径方向溝及び該外周溝を含んで前記負圧吸引溝を構成した請求項1又は2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記負圧吸引孔を、前記外周溝と前記径方向溝との接続部分に開口せしめた請求項3に記載の流体封入式防振装置。
  5. 前記負圧吸引孔を、前記径方向溝の長手方向中央部分に開口せしめた請求項3に記載の流体封入式防振装置。
  6. 前記負圧吸引溝の深さ寸法を、前記負圧吸引孔に行くに連れて次第に深くなるように形成した請求項1乃至5の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  7. 前記弾性ゴム膜において、外周縁部から中央までは至らない長さで半径方向に延びる厚肉の補強リブを周方向で互いに独立して複数本形成して、それら複数本の補強リブにおいて互いに周方向で隣り合う二つの該補強リブ間に位置する領域を薄肉のゴム弾性体によって形成された薄肉部とすると共に、それら複数本の補強リブの先端部間に位置する該弾性ゴム膜の中央部分を該補強リブよりも薄肉で前記圧力作用室側に凸となる中央湾曲部とした請求項1乃至6の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  8. 前記仕切部材が第一の仕切部材と第二の仕切部材を含んで構成されており、該第一の仕切部材を挟んだ両側に前記主液室と前記副液室を形成すると共に、該第二の仕切部材によって該主液室が仕切られることにより、壁部の一部が前記本体ゴム弾性体によって構成されて振動入力時に圧力変動が生ぜしめられる受圧室と、壁部の一部が前記弾性ゴム膜によって構成される中間室が形成されており、それら受圧室と中間室により該主液室が構成されていると共に、該副液室が壁部の一部が前記可撓性膜で構成されて容積変化が容易に許容される平衡室により構成されている一方、前記オリフィス通路として、該受圧室と該平衡室を連通する第一のオリフィス通路と該中間室と該平衡室を連通する第二のオリフィス通路が形成されている請求項1乃至7の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  9. 変位乃至は変形が制限された可動部材を含んで前記第二の仕切部材を構成して、該可動部材で前記主液室を仕切ることによって、振動入力時に前記本体ゴム弾性体の弾性変形に伴う圧力変動が前記受圧室に対して直接に生ぜしめられるようにすると共に、該受圧室の圧力が該可動部材を介して前記中間室に及ぼされるようにした請求項8に記載の流体封入式防振装置。



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