JP2008031316A - カチオン重合性組成物、それを用いた記録物及び画像形成方法、並びに、インクセット及びインクジェット記録方法 - Google Patents

カチオン重合性組成物、それを用いた記録物及び画像形成方法、並びに、インクセット及びインクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】硬化性に優れ且つ低粘度なカチオン重合性インク組成物を提供すること。更に、該カチオン重合性インク組成物を用いた、画像形成方法、記録物、インクセット、及び吐出安定性に優れたインクジェット記録方法を提供すること。
【解決手段】無置換のメチル基を有するオキセタン化合物と、無置換のメチル基を有するオキシラン化合物と、を少なくとも1種ずつ含有することを特徴とするカチオン重合性組成物、該カチオン重合性組成物を用いた画像形成方法及び記録物、並びに、インクセット及びインクジェット記録方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、低粘度で硬化性に優れたカチオン重合性組成物、それを用いた記録物及び画像形成方法、並びに、インクセット及びインクジェット記録方法に関する。
近年、地域広告や大型ポスターのような部数の限られた印刷物の製造には、印刷版を利用しないインクジェットプリンターによる印刷が利用されるようになってきた。
インクジェット用インクとしては、一般に、水性インク、溶剤系インク、紫外線硬化型のインクが用いられている。
水性のインクジェットインクは、普通紙に印字した場合には耐水性が劣り、滲みが生じ易く、さらにプラスチックなど非吸水性の被記録媒体に印字した場合には、インク液滴の付着が悪いために画像形成不良が発生し易く、また、溶剤の乾燥が極めて遅いために、印字直後には記録物を重ねずに乾燥させる必要があるという欠点があった。
溶剤系インクは、プラスチックなどの非吸水性の被記録媒体への印字適性はあるが、溶剤を乾燥させる必要があるため、乾燥に時間がかかるだけでなく、有機溶剤を揮発させるため、排気設備や溶剤回収機構を設けなければならないという欠点があった。
非吸水性の被記録媒体への印刷に適するものとして、被記録媒体との接着性に優れた多官能モノマーを用いた紫外線硬化型インクが開発され、インク溶媒の揮発ではなく放射線によって固化して画像を形成するインクジェット用インクが開発されている。
一般に、放射線硬化型の重合性化合物における、放射線に対する感度を高める方法として、種々の重合開始系を使用することが開示されている(例えば、非特許文献1参照。)。また、例えば、特許文献1〜3には、重合性基を有するモノマーと油溶性染料とを含むインクが開示されている。また、特許文献4には、光重合可能な化合物と光重合開始剤とを含む光重合性組成物が開示されている。しかし、これらの紫外線硬化型インクはラジカル重合型であるため、酸素により重合が阻害され、空気中では硬化不良が発生し易く改善が望まれていた。
酸素の影響を受けない系としては、カチオン重合を用いたインク組成物が開示されている。例えば、特許文献5〜7には、オキシラン及びオキセタンを有する活性エネルギー線硬化型組成物が開示されている。しかし、これらの文献に開示されるインク組成物は、粘度が高い上に硬化性が充分ではないため、吐出力が高い特殊なプリントヘッドと高照度の紫外線ランプが必要となり、プリント装置が大掛かりなものになってしまうという難点があった。
インクジェット用インクには、インクジェットプリンタに適用した際の吐出性も要求される。インクジェットプリンタにおけるインク吐出性の向上させるインクとしては、例えば、特許文献8には、光反応性のモノマーを有する樹脂液と着色剤とを有するインクであって、該樹脂液の粘度を低く調整したものが開示される。しかしながら、このインクは、感度が低く、硬化時の収縮が起こり易いという欠点があった。
特開2003−221528号公報 特開2003−221532号公報 特開2003−221530号公報 特開2001−222105号公報 特開2000−169552号公報 特開2001−220526号公報 特開2002−317139号公報 特開2001−288387号公報 ブルース M.モンロー(Bruce M. Monroe)ら著、ケミカル レビュー(Chemical Revue)、第93巻、(1993年)、P.435−448
本発明は、前記従来における問題点に鑑みなされたものであり、硬化性に優れ且つ低粘度なカチオン重合性組成物を提供することを目的とする。更に、本発明は、該カチオン重合性インク組成物又はインク組成物を用いた、画像形成方法、記録物、インクセット、及び吐出安定性に優れたインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 無置換のメチル基を有するオキセタン化合物と、無置換のメチル基を有するオキシラン化合物と、を少なくとも1種ずつ含有し、活性エネルギー線の照射により硬化することを特徴とするカチオン重合性組成物である。
<2> 前記無置換のメチル基を有するオキシラン化合物が、オキシラン環を2個以上有することを特徴とする前記<1>に記載のカチオン重合性組成物である。
<3> 前記無置換のメチル基を有するオキセタン化合物が、オキセタン環を2個以上有することを特徴とする前記<1>又は<2>に記載のカチオン重合性組成物である。
<4> 更に、前記無置換のメチル基を有するオキセタン化合物、及び、無置換のメチル基を有するオキシラン化合物以外の、単官能のオキシラン化合物及び/又は単官能のオキセタン化合物を含むことを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のカチオン重合性組成物である。
<5> さらに、着色剤を含有することを特徴とする前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のカチオン重合性組成物である。
<6> 画像形成に用いるインク組成物であることを特徴とする前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載のカチオン重合性組成物である。
<7> 前記<1>〜<6>のいずれか1項に記載のカチオン重合性組成物を用いてなることを特徴とする記録物である。
<8> 被記録媒体上に、前記<1>〜<6>のいずれか1項に記載のカチオン重合性組成物を画像様に付与する付与工程と、
前記被記録媒体上に付与されたカチオン重合性組成物に活性エネルギー線を照射して硬化させる硬化工程と、
を含むことを特徴とする画像形成方法である。
<9> 前記付与工程において、前記カチオン重合性組成物をインクジェットノズルから吐出させることを特徴とする前記<8>に記載の画像形成方法である。
<10> 前記活性エネルギー線の照射光源が、発光ダイオード又は半導体レーザーであることを特徴とする<8>又は<9>に記載の画像形成方法である。
<11> 画像を形成するための重合性もしくは架橋性材料を含有する液体Aと、液体Aと組成が異なる第2の液体Bとを少なくとも含んで構成されるインクセットであって、前記液体A及び液体Bの少なくとも1つが、前記<1>〜<6>のいずれか1項に記載のカチオン重合性組成物であることを特徴とするインクジェット記録用インクセットである。
<12> 前記<11>に記載のインクセットを用い、画像を形成するための重合性もしくは架橋性材料を含有する液体Aを少なくとも第1の液滴a1及び第2の液滴a2にて被記録媒体に打滴することで所望の画像を記録するインクジェット記録方法であって、液体Aと組成が異なる第2の液体Bを前記液体Aで形成される前記画像と同一もしくは該画像よりも広い範囲に予め前記被記録媒体に付与した後に、前記液滴a1と前記液滴a2とを重なり部分をもって打滴することを特徴とするインクジェット記録方法である。
本発明によれば、硬化性に優れ且つ低粘度なカチオン重合性組成物を提供することができる。更に、本発明によれば、該カチオン重合性インク組成物を用いた、画像形成方法、記録物、インクセット、及び吐出安定性に優れたインクジェット記録方法を提供することができる。
[カチオン重合性組成物]
本発明のカチオン重合性組成物は、無置換のメチル基を有するオキセタン化合物と、無置換のメチル基を有するオキシラン化合物と、を少なくとも1種ずつ含有し、活性エネルギー線の照射により硬化することを特徴とする。
本発明のカチオン重合性組成物は、上記構成とすることにより、硬化性に優れ且つ低粘度なカチオン重合性インク組成物とすることができる。
以下、本発明のカチオン重合性組成物に含有される各成分について順次説明する。
<無置換のメチル基を有するオキセタン化合物>
本発明のカチオン重合性組成物は、無置換のメチル基を有するオキセタン化合物(以下、適宜、「特定オキセタン化合物」と称する。)を含有する。
特定オキセタン化合物は、1個以上のオキセタン環と、無置換のメチル基と、を少なくとも有してなる。
特定オキセタン化合物における無置換のメチル基の置換位置は、特に限定されないが、オキセタン環上であることが好ましく、オキセタン環中の酸素原子に対して3位であることが特に好ましい。
また、特定オキセタン化合物における無置換のメチル基の数としては、1分子当たり1乃至4個が好ましく、1乃至2個が特に好ましい。
特定オキセタン化合物におけるオキセタン環の数としては、2個以上であることが好ましく、粘度および重合反応性の点からは、2〜4個であることがより好ましく、2個であること(即ち、2官能であること。)が特に好ましい。
特定オキセタン化合物が2個以上のオキセタン環を有する場合には、特定オキセタン化合物は、該オキセタン環同士を連結する連結基、及び無置換のメチル基を少なくとも有してなる。
特定オキセタン化合物が2個以上のオキセタン環を有する場合に、該オキセタン環同士を連結する連結基としては、鎖状構造の連結基、及び環状構造の連結基のいずれも好ましいが、鎖状構造の連結基であることがより好ましい。
特定オキセタン化合物の好適な態様である、2官能の特定オキセタン化合物において、オキセタン環同士を連結する鎖状構造の連結基としては、下記一般式(I)で表される基であることが好ましい。
一般式(I) −X−(L)n−Y−
一般式(I)において、Lは、−O−、−S−、及び−NR−からなる群から選ばれる2価の連結基を表し、Rは、水素原子又は置換基を表す。Lとしては、−O−、及び−S−が好ましく、−O−が特に好ましい。
X及びYは、各々独立に、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、メチレン基が特に好ましい。
一般式(I)において、X−L−Yを構成する原子数は3又は4が好ましく、より好ましくは3である。
nは0又は1を表す。
特定オキセタン化合物は、導入可能な場合には、オキセタン環同士を連結する連結基、及び無置換のメチル基以外の、他の置換基を有していてもよい。該他の置換基としては、ビニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、等が挙げられ、更に置換基を有していてもよい。
低粘度のカチオン重合性組成物を得る点からは、特定オキセタン化合物は、2個のオキセタン環、該オキセタン環同士を連結する2価の連結基、及び無置換のメチル基のみからなることが好ましい。
本発明の特定オキセタン化合物の分子量としては、重量平均分子量で、150〜500が好ましく、150〜300がさらに好ましい。
本発明における特定オキセタン化合物の具体例((a)〜(f))を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない、
Figure 2008031316
特定オキセタン化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
硬化膜の柔軟性向上の観点から、2官能の特定オキセタン化合物と単官能の特定オキセタン化合物の併用も好ましい。
特定オキセタン化合物の含有量としては、カチオン重合性組成物の全質量に対し、10質量%〜90質量%が好ましく、15質量%〜80質量%がより好ましく、20質量%〜60重量%が更に好ましい。
<無置換のメチル基を有するオキシラン化合物>
本発明のカチオン重合性組成物は、無置換のメチル基を有するオキシラン化合物(以下、適宜、「特定オキシラン化合物」と称する。)を含有する。
特定オキシラン化合物は、1個以上のオキシラン環と、無置換のメチル基と、を少なくとも有してなる。
特定オキシラン化合物における無置換のメチル基の置換位置は、特に限定されないが、オキシラン環上であることが好ましい。
また、特定オキシラン化合物における無置換のメチル基の数としては、1分子当たり1乃至3個が好ましく、1乃至2個が特に好ましい。
特定オキシラン化合物におけるオキシラン環の数としては、2個以上が好ましく、粘度および重合反応性の点からは、2〜4個であることがより好ましく、2個であること(即ち、2官能であること。)が特に好ましい。
特定オキシラン化合物が2個以上のオキシラン環を有する場合には、特定オキシラン化合物は、該オキシラン環同士を連結する連結基、及び無置換のメチル基を少なくとも有してなる。
特定オキセタン化合物が2個以上のオキシラン環を有する場合に、該オキシラン環を連結する連結基としては、鎖状構造の連結基、及び環状構造の連結基のいずれも好ましい。
特定オキシラン化合物の好適な態様である、2官能の特定オキシラン化合物において、オキシラン環同士を連結する鎖状構造の連結基としては、アルキレン基、及び前記一般式(I)で表される基であることが好ましい。
上記鎖状構造の連結基がアルキレン基である場合、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基であることがさらに好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基が特に好ましい。
オキシラン環同士を連結する環状構造の連結基としては、芳香族環、脂肪族環のいずれも好ましい。該芳香族環の好ましい例としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、などが挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。該脂肪族環の好ましい例としては、例えば、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロオクタン、ノルボルナンなどが挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
環状構造の連結基とオキシラン環の結合の形態は、縮環、単結合、スピロ結合が挙げられ、同一分子中に複数のオキシラン環が存在する場合には、それぞれが異なる結合形態をとることも好ましい。
特定オキシラン化合物は、導入可能な場合には、オキシラン環同士を連結する連結基、及び無置換のメチル基以外の、他の置換基を有していてもよい。該他の置換基としては、ビニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、等が挙げられ、更に置換基を有していてもよい。
低粘度のカチオン重合性組成物を得る点からは、特定オキセタン化合物は、2個のオキセタン環と、該オキセタン環同士を連結する2価の連結基、及び無置換のメチル基のみからなることが好ましく、環状の連結基上にオキシラン環が縮環又は化学結合手により結合していることが好ましい。
本発明のオキシラン化合物の分子量としては、重量平均分子量で、150〜500が好ましく、150〜300がさらに好ましい。
本発明における特定オキシラン化合物の具体例(ME−1〜ME−6)を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない、
Figure 2008031316
特定オキシラン化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
特定オキシラン化合物のカチオン重合性組成物中における含有量としては、カチオン重合性組成物の全質量に対し、10質量%〜70質量が好ましく、15質量%〜55質量%がより好ましく、20質量%〜45質量%が更に好ましい。
また、特定オキセタン化合物に対する特定オキシラン化合物の質量比は、0.1〜5であることが好ましく、より好ましくは0.2〜3.0、特に好ましくは0.3〜1.0である。
<他の重合性化合物>
本発明のカチオン重合性組成物は、組成物の硬化後における膜の柔軟性の観点から、特定オキセタン化合物及び特定オキシラン化合物の以外の、単官能の重合性化合物を含有することが好ましい。単官能の重合性化合物としては、単官能のオキシラン化合物及び単官能のオキセタン化合物が好ましい。単官能の重合性化合物としては、例えば、以下に示す(A−1)〜(A−9)が挙げられる
Figure 2008031316
他の重合性化合物は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
他の重合性化合物は、特定オキセタン化合物及び特定オキシラン化合物に対して、0〜900質量%含まれることが好ましく、30〜400質量%含まれることがより好ましい。
本発明のカチオン重合性組成物中に存在する、全てのオキシラン環の数とオキセタン環の数の比は、0.1〜10であることが好ましく、より好ましくは0.2〜5、更に好ましくは0.5〜2、特に好ましくは0.8〜1.2である。
<重合開始剤>
本発明のカチオン重合性組成物は、重合開始剤を含有することが好ましい。
重合開始剤としては、活性エネルギー線により酸を発生する光重合開始剤が好適に挙げられる。光重合開始剤は、活性エネルギー線の波長領域に吸収を有し、活性エネルギー線に曝されたときに既述の重合性化合物に作用して重合硬化を促進し得るものである。また、光酸発生剤は、活性エネルギー線の作用、又は、後述する増感剤の電子励起状態との相互作用を経て化学変化を生じ、酸を生成する化合物である。なお、本発明に適用しうる活性エネルギー線については後述する。
光重合開始剤(光酸発生剤)としては、任意のものを使用することができ、例えば、Bruce M. Monroeら著、Chemical Revue,93,435(1993).や、R.S.Davidson著、Journal of Photochemistry and biology A :Chemistry,73.81(1993).や、J. P. Faussier ”Photoinitiated Polymerization−Theory and Applications” :Rapra Review vol.9, Report, Rapra Technology(1998).や、M.Tsunooka et al.,Prog.Polym.Sci.,21,1(1996).に多く、記載されている。また、(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)に化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が多く、記載されている。さらには、F. D.Saeva,Topics in Current Chemistry,156,59(1990).、G. G. Maslak, Topics in Current Chemistry,168,1(1993).、H. B. Shuster et al, JACS, 112, 6329(1990).、I. D. F.Eaton et al, JACS, 102,3298(1980).等に記載されているような、増感色素の電子励起状態との相互作用を経て、酸化的もしくは還元的に結合解裂を生じる化合物群も知られる。
また、市販の化合物を使用することもでき、例えば、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製Irgacure250、1870(いずれも商品名)等を使用することもできる。
好ましい光重合開始剤としては(a)芳香族ケトン類、(b)芳香族オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(e)ケトオキシムエステル化合物、(f)ボレート化合物、(g)アジニウム化合物、(h)メタロセン化合物、(i)活性エステル化合物、(j)炭素ハロゲン結合を有する化合物等が挙げられる。
本発明においては、(4−イソブチルフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスファートの、特にプロピレンカーボナートに溶解した形態で用いることが好ましい。
本発明の組成物に、このようなヨードニウム塩光開始剤の2個以上の混合物を使用することも好ましい。
本発明のカチオン重合性組成物には、(a)電子吸引性基を置換基として有するアリール骨格を1つ以上有するトリアリールスルホニウム塩重合開始剤(以下、適宜、「特定重合開始剤」と称する。)を含有することが好ましい。
特定重合開始剤としては、トリアリールスルホニウム塩構造を有し、且つアリール骨格に結合する置換基のハメット値の総和が0.46より大きい重合開始剤であることが特に好ましい。
−トリアリールスルホニウム塩構造−
トリアリールスルホニウム塩構造を有する化合物は、例えば、J.Amer.Chem.Soc.第112巻(16)、1990年;pp.6004−6015、J.Org.Chem.1988年;pp.5571−5573、WO02/081439A1パンフレット、或いは欧州特許(EP)第1113005号明細書等に記載の方法により容易に合成することが可能である。
−アリール骨格に結合する置換基−
特定重合開始剤は、電子吸引性基を置換基として有するアリール骨格を1つ以上有する。ここで、電子吸引性基とは、ハメット値(Hammet置換基定数σ)が0より大きい置換基を意味する。本発明においては、高感度化の観点から、特定重合開始剤中のアリール骨格に結合する置換基のハメット値の総和が0.18以上であることが好ましく、0.46より大きいことがより好ましく、0.60より大きいことが更に好ましい。
また、ハメット値は、トリアリールスルホニウム塩構造を有するカチオンの電子吸引性の程度を表すものであり、高感度化の観点からは特に上限値はないが、反応性と安定性との観点からは、0.46を超え4.0未満であることが好ましく、より好ましくは0.50を超え、3.5未満であり、特に好ましくは0.60を超え3.0未満の範囲である。
なお、本発明におけるハメット値は、稲本直樹 編、化学セミナー10 ハメット則−構造と反応性−(1983年、丸善(株)発行)に記載の数値を用いている。
重合開始剤のカチオン重合性組成物中における含有量としては、特定オキセタン化合物、特定オキシラン化合物、及び所望により用いられる他の重合性化合物の総量に対して、2〜12質量%の範囲が好ましく、3〜6質量%の範囲がより好ましい。重合開始剤の含有量を特に上記範囲とすることで、充分な重合硬化効果を得ることができる。
<増感剤>
本発明のカチオン重合性組成物は、さらに、重合硬化を促進させるために、増感剤を含有してもよい。増感剤としては、置換基を有していてもよいアントラセンが挙げられる。
前記アントラセンが置換基を有する場合、該置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、などが挙げられ、中でも特に、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましい。また、アントラセンの置換基の個数は、1〜4個であることが好ましく、1〜2個であることがより好ましい。特に、1置換の場合の置換基の位置としては9位であることが好ましく、2置換の場合の置換基の位置としては9,10位であることが好ましい。この中でも特に、2置換の場合の9,10位である、9,10−置換アントラセン化合物であることが好ましい。
本発明のカチオン重合性組成物における増感剤の含有量は、前記重合開始剤の35〜100質量%であることが好ましく、40〜80質量%であることがより好ましく、44〜75質量%であることがさらに好ましい。
また、既述の重合開始剤の好ましい含有量と、上記アントラセン化合物の好ましい含有量は同時にその範囲内とすることが好ましい。
<界面活性剤>
本発明のカチオン重合性組成物には、公知の界面活性剤を含有させることが好ましい。公知の界面活性剤としては、例えば、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。具体的には、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、前記公知の界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)および固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
<着色剤>
本発明のカチオン重合性組成物には、着色の必要に応じて、さらに着色剤を含有していてもよい。着色剤を含有することで、例えば、本発明のカチオン重合性組成物を可視画像の形成等に適用することができる。
本発明のカチオン重合性組成物に用いることのできる着色剤は、特に制限はなく、用途に応じて公知の種々の色材、(顔料、染料)を適宜選択して用いることができる。例えば、耐候性に優れた画像を形成する場合には、顔料が好ましい。また、染料としては、水溶性染料および油溶性染料のいずれも使用できるが、油溶性染料が好ましい。
−顔料−
先ず、本発明における着色剤として好ましく使用される顔料について述べる。
前記顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料および無機顔料、または顔料を、分散媒として不溶性の樹脂等に分散させたもの、或いは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等を用いることができる。また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。
これらの顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W.Herbst,K.Hunger「Industrial Organic Pigments」、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
本発明において使用できる有機顔料および無機顔料の具体例としては、例えば、イエロー色を呈するものとしては、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG等),C.I.ピグメントイエロー74の如きモノアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー12(ジスアジイエローAAA等)、C.I.ピグメントイエロー17の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー180の如き非ベンジジン系のアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー100(タートラジンイエローレーキ等)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95(縮合アゾイエローGR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー115(キノリンイエローレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー18(チオフラビンレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、フラバントロンイエロー(Y−24)の如きアントラキノン系顔料、イソインドリノンイエロー3RLT(Y−110)の如きイソインドリノン顔料、キノフタロンイエロー(Y−138)の如きキノフタロン顔料、イソインドリンイエロー(Y−139)の如きイソインドリン顔料、C.I.ピグメントイエロー153(ニッケルニトロソイエロー等)の如きニトロソ顔料、C.I.ピグメントイエロー117(銅アゾメチンイエロー等)の如き金属錯塩アゾメチン顔料等が挙げられる。
赤またはマゼンタ色を呈するものとしては、C.I.ピグメントレッド3(トルイジンレッド等)の如きモノアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド38(ピラゾロンレッドB等)の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントレッド53:1(レーキレッドC等)やC.I.ピグメントレッド57:1(ブリリアントカーミン6B)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントレッド144(縮合アゾレッドBR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド174(フロキシンBレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド81(ローダミン6G’レーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド177(ジアントラキノニルレッド等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド88(チオインジゴボルドー等)の如きチオインジゴ顔料、C.I.ピグメントレッド194(ペリノンレッド等)の如きペリノン顔料、C.I.ピグメントレッド149(ペリレンスカーレット等)の如きペリレン顔料、C.I.ピグメントバイオレット19(無置換キナクリドン)、C.I.ピグメントレッド122(キナクリドンマゼンタ等)の如きキナクリドン顔料、C.I.ピグメントレッド180(イソインドリノンレッド2BLT等)の如きイソインドリノン顔料、C.I.ピグメントレッド83(マダーレーキ等)の如きアリザリンレーキ顔料等が挙げられる。
青またはシアン色を呈する顔料としては、C.I.ピグメントブルー25(ジアニシジンブルー等)の如きジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー15(フタロシアニンブルー等)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントブルー24(ピーコックブルーレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー1(ビクロチアピュアブルーBOレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー60(インダントロンブルー等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントブルー18(アルカリブルーV−5:1)の如きアルカリブルー顔料等が挙げられる。
緑色を呈する顔料としては、C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン)、C.I.ピグメントグリーン36(フタロシアニングリーン)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントグリーン8(ニトロソグリーン)等の如きアゾ金属錯体顔料等が挙げられる。
オレンジ色を呈する顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ66(イソインドリンオレンジ)の如きイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ51(ジクロロピラントロンオレンジ)の如きアントラキノン系顔料が挙げられる。
黒色を呈する顔料としては、カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック等が挙げられる。
白色顔料の具体例としては、塩基性炭酸鉛(2PbCO3Pb(OH)2、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO2、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)などが利用可能である。
ここで、酸化チタンは他の白色顔料と比べて屈折率が大きく化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きく、更に、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れている。したがって、白色顔料としては酸化チタンを利用することが好ましい。もちろん、必要に応じて他の白色顔料(列挙した白色顔料以外であってもよい。)を使用してもよい。
顔料の分散には、例えばボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル等の分散装置を用いることができる。
カチオン重合性組成物中の顔料粒子の体積平均粒径は、0.02〜0.60μmであることが好ましく、より好ましくは0.02〜0.15μmである。但し、白色顔料の体積平均粒径は0.10から0.27μmが好ましい。また、最大粒径は3μm以下が好ましく、さらに好ましくは1μm以下であり、そのような範囲となるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定する。
このような粒径管理をすることによって、例えば、カチオン重合性組成物が、その好適な態様であるインクジェット記録用インクに適用された場合であれば、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。
<分散剤>
顔料の分散を行う際には、分散剤を添加することも可能である。
分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリアクリレート、脂肪族多価カルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、顔料誘導体等を挙げることができる。また、ルーブリゾール社のSolsperseシリーズなどの市販の高分子分散剤を用いることも好ましい。
本発明において、特に好ましく用いられる分散剤としては、下記一般式(II)で表される繰り返し単位を含む重合体が挙げられる。
Figure 2008031316
一般式(II)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Jは、−CO−、−COO−、−CONR−、−OCO−、メチレン基、又はフェニレン基を表し、Rは水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。Wは、単結合又は2価の連結基を表す。Pは、着色剤を形成する複素環残基を表す。nは、0又は1を表す。
一般式(II)において、Pは、キナクリドン、ベンズイミダゾロン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、及びアントラキノンから選ばれることが好ましい。
一般式(II)で表される繰り返し単位を含む重合体は、共重合単位として、末端にエチレン性不飽和2重結合を有する重合性オリゴマー(マクロモノマー)に由来の繰り返し単位を更に含むグラフト共重合体であることが好ましい。
また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤及び分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。
本発明のカチオン重合性組成物においては、顔料などの諸成分の分散媒として、溶剤を添加してもよく、また、無溶媒で、低分子量成分である前記重合性化合物を分散媒として用いてもよいが、本発明のカチオン重合性組成物を、放射線硬化型のインクとする場合であれば、インクを被記録媒体上に適用後、硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。これは、硬化されたインク画像中に、溶剤が残留すると、耐溶剤性が劣化したり、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound)の問題が生じたりするためである。このような観点から、分散媒としては、重合性化合物を用い、中でも、最も粘度が低いカチオン重合性モノマーを選択することが分散適性や組成物のハンドリング性向上の観点から好ましい。
<その他の成分>
本発明のカチオン重合性組成物は、上記した各成分の他、所望により他の成分を含有してもよい。他の成分としては、例えば、貯蔵安定剤、導電性塩類、ポリマー、表面張力調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、pH調整剤、等の公知の添加剤が挙げられる。
−カチオン重合性組成物の好ましい物性−
本発明のカチオン重合性組成物の粘度としてはは、25℃において3〜35mPa・sであることが好ましく、5〜25mPa・sがより好ましく、7〜15mPa・sであることが特に好ましい。
ここで、本明細書における粘度は、RE80型粘度計(東機産業株式会社製)を用いて、液温25℃にて測定した粘度である。
また、本発明のカチオン重合性組成物の表面張力は、25℃において24〜35mN/mであることが好ましく、25〜30mN/mであることが特に好ましい。
ここで、本明細書における表面張力は、自動表面張力計CBVP−Z(協和界面科学株式会社製)を用いて、液温25℃にて測定した表面張力である。
本発明のカチオン重合性組成物は、例えば、紫外線硬化型インク等の画像形成に用いるインク組成物、塗料、接着剤、等として有用である。
特に、本発明のカチオン重合性組成物は、インクジェット用インク組成物として好適に用いることができる。かかるインクジェット用インク組成物は、硬化性に優れ且つ低粘度であることから、照射光源として発光ダイオード(LED)や半導体レーザ等を用いた場合であっても実用的な速度で硬化させることができるとともに、吐出力が弱い汎用のインクヘッドでも吐出でき、得られる画像に欠陥が発生することがないという優れた効果を発揮する。
[記録物]
本発明の記録物は、本発明のカチオン重合性組成物を用いてなるものであり、被記録媒体上に形成された画像部の硬化性に優れた記録物である。
[画像形成方法]
本発明の画像形成方法は、被記録媒体上に、既述した本発明のカチオン重合性組成物を、画像様に付与する付与工程と、被記録媒体上に付与されたカチオン重合性組成物に活性エネルギー線を照射して硬化させる硬化工程とを含むものである。
本発明の画像形成方法では、被記録媒体上にカチオン重合性組成物を画像様に付与した0.001秒〜1秒以内に、該カチオン重合性組成物に対して活性エネルギー線の照射を行なうことによって、重合性化合物の重合硬化が進行し、良好に硬化した画像を形成することができる。
前記付与工程において、被記録媒体上へカチオン重合性組成物の付与は、塗布装置による塗布、インクジェットノズルからの吐出(噴射)など、いかなる方法で行ってもよい。
インクジェットノズルによる噴射の方式(インクジェット記録方式)としては、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、インクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式、等の公知の方式が好適である。
なお、インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
活性エネルギー線の付与は、活性光の照射によって好適に行なうことができる。活性光としては、例えば、紫外線、可視光線など、並びにα線、γ線、X線、電子線などが使用できる。これらのうち、紫外線、可視光線を用いることがコスト及び安全性の点で好ましく、紫外線が特に好ましい。
活性光の照射における具体的な光源としては、例えば、LD、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ、蛍光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ケミカルランプなどを適用することができる。
好ましい光源には、LED、半導体レーザ、高圧水銀灯、メタルハライドランプが挙げられる。特に、本発明においては、LED又は半導体レーザを照射光源とした場合においても、優れた硬化画像を得ることができる。
硬化反応に必要なエネルギー量は、重合開始剤の種類や含有量などによって異なるが、一般には1〜500mJ/cm2程度である。
−被記録媒体−
被記録媒体としては、非浸透性ないし緩浸透性の記録媒体を用いる。
非浸透性の記録媒体としては、例えば、合成樹脂、ゴム、樹脂コート紙、ガラス、金属、陶器、木材等が挙げられる。また、機能付加の目的で、これら材質を複数組み合わせて複合化した基材も使用できる。
前記合成樹脂としては、いかなる合成樹脂も使用可能であるが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブタジエンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等、ジアセテート、トリアセテート、ポリイミド、セロハン、セルロイド等が挙げられる。合成樹脂を用いた場合の厚みや形状としては、フィルム状、カード状、ブロック状のいずれでもよく、特に限定されるものではなく、透明又は不透明のいずれであってもよい。
前記合成樹脂の使用形態としては、いわゆる軟包装に用いられるフィルム状にして用いることも好ましく、各種非吸収性のプラスチックス及びそのフィルムを用いることができる。プラスチックスフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、PNyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルム等が挙げられる。その他プラスチックスとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などを使用できる。
前記樹脂コート紙としては、例えば、透明ポリエステルフィルム、不透明ポリエステルフィルム、不透明ポリオレフィン樹脂フィルム、及び紙の両面をポリオレフィン樹脂でラミネートした紙支持体等が挙げられる。特に好ましいのは、紙の両面をポリオレフィン樹脂でラミネートした紙支持体である。
前記金属としては、特に制限はなく、例えば、アルミニウム、鉄、金、銀、銅、ニッケル、チタン、クロム、モリブデン、シリコン、鉛、亜鉛等、又はステンレス等、及びこれらの複合材料が好適である。
また更に、CD−ROM、DVD−ROM等の読み出し専用光ディスク、CD−R、DVD−R等の追記型光ディスク、更には書き換え型光ディスク等を用いることも可能であり、レーベル面側にインク受容層および光沢付与層を付与することもできる。
[インクジェット記録用インクセット、及び、インクジェット記録方法]
本発明のカチオン重合性組成物は、既述のごとく、インクジェット用インク組成物として好適に用いられる。
以下、本発明のカチオン重合性組成物を適用したインクジェット記録用インクセット、及び、該インクセットを用いたインクジェット記録方法の好適な態様について説明する。
本発明のインクセットは、画像を形成するための重合性もしくは架橋性材料を含有する液体Aと、液体Aと組成が異なる第2の液体Bとを少なくとも含んで構成されるインクセットであって、前記液体A及び液体Bの少なくとも1つが、本発明のカチオン重合性組成物であることを特徴とするインクジェット記録用インクセットであることを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクセットを用い、画像を形成するための重合性もしくは架橋性材料を含有する液体Aを少なくとも第1の液滴a1及び第2の液滴a2にて被記録媒体に打滴することで所望の画像を記録するインクジェット記録方法であって、液体Aと組成が異なる第2の液体Bを前記液体Aで形成される前記画像と同一もしくは該画像よりも広い範囲に予め前記被記録媒体に付与した後に、前記液滴a1と前記液滴a2とを重なり部分をもって打滴することを特徴とする。
本発明のインクセットにおいては、前記液体A及び液体Bのいずれか一方が本発明のカチオン重合性組成物であっても、双方が本発明のカチオン重合性組成物であってよく、硬化性や膜強度の点からは、液体A及び液体Bの両方が本発明のカチオン重合性組成物であることが好ましい。
本発明のインクセットにおける液体A及び/又は液体Bとして、本発明のカチオン重合性組成物が適用される場合、液体A及び/又は液体Bは、重合性材料として、前記した特定オキセタン化合物、及び特定オキシラン化合物を含有してなり、更に必要に応じて、着色剤、重合開始剤、増感剤、その他の成分を用いて構成することができる。
液体A及び/又は液体Bに適用しうる各成分については、本発明のカチオン重合性組成物に適用しる成分として既述のものが同様に適用される。
液体A及び液体Bの双方が本発明のカチオン重合性組成物である場合には、両液体は異なる組成で調製される。例えば、液体Aのみに着色剤を含有させる態様、液体Bのみに開始剤を含有させる態様、液体Aに比べて液体Bの界面活性剤量が多い態様などにより、両液体の組成を異なるものにすることができる。
また、液体Bはsp値が35以下であると共に、液体Aと液体Bとの間のsp値の差が10以下であることが好ましい。
液体Bはsp値が35以下であると、本発明のインクセットを本発明のインクジェット記録方法に適用した場合において、第1の液体A(液滴a1、液滴a2・・・)との間の親和性が増大し、第1の液滴a1及び液滴a2を互いに重なり部分を有して付与したときの液滴同士の合一を抑止でき、画像の滲み及び画像中の細線などの線幅バラツキの発生を効果的に防止することができる。
液体Bにおいて、前記sp値としては、30以下がより好ましく、25以下が特に好ましい。また、第1の液体Aと第2の液体Bとの間のsp値の差としては、5以下がより好ましい。
また、液体Aと液体Bとの間のsp値の差が前記範囲内であると、互いに溶解しやすく、液滴a1は液滴a2との間よりも液滴Bとの間の方が接触面積が大きいため第2の液体Bとの間で親和性が良好になり、したがって例えば、互いに重なり部分を有して付与される液滴a1、液滴a2、・・・が着色剤を含有する場合に、液滴a1及び液滴a2間で色滲みや混色を起こしたり、着色された線像の線幅バラツキの回避に効果的である。
sp値の調製は、親油性溶剤を用いて好適に行なえる。
親油性溶剤の化合物例、及び合成方法については、例えば、米国特許第2,322,027号、同第2,533,514号、同第2,772,163号、同第2,835,579号、同第3,594,171号、同第3,676,137号、同第3,689,271号、同第3,700,454号、同第3,748,141号、同第3,764,336号、同第3,765,897号、同第3,912,515号、同第3,936,303号、同第4,004,928号、同第4,080,209号、同第4,127,413号、同第4,193,802号、同第4,207,393号、同第4,220,711号、同第4,239,851号、同第4,278,757号、同第4,353,979号、同第4,363,873号、同第4,430,421号、同第4,430,422号、同第4,464,464号、同第4,483,918号、同第4,540,657号、同第4,684,606号、同第4,728,599号、同第4,745,049号、同第4,935,321号、同第5,013,639号、欧州特許第276,319A号、同第286,253A号、同第289,820A号、同第309,158A号、同第309,159A号、同第309,160A号、同第509,311A号、同第510,576A号、東独特許第147,009号、同第157,147号、同第159,573号、同第225,240A号、英国特許第2,091,124A号等の各明細書、特開昭48−47335号、同50−26530号、同51−25133号、同51−26036号、同51−27921号、同51−27922号、同51−149028号、同52−46816号、同53−1520号、同53−1521号、同53−15127号、同53−146622号、同54−91325号、同54−106228号、同54−118246号、同55−59464号、同56−64333号、同56−81836号、同59−204041号、同61−84641号、同62−118345号、同62−247364号、同63−167357号、同63−214744号、同63−301941号、同64−9452号、同64−9454号、同64−68745号、特開平1−101543号、同1−102454号、同2−792号、同2−4239号、同2−43541号、同4−29237号、同4−30165号、同4−232946号、同4−346338号等の各公報に記載されている。
好ましい調整態様の一つとして、親油性溶剤を液体Bの全質量の50質量%以上100質量%以下の範囲で含有する構成とすることができる。
親油性溶剤は、画像の滲み及び画像中の細線などの線幅バラツキの発生防止に効果的であると共に、液体Bのsp値を既述の範囲に調整することができる。
ここで「親油性」とは、水100mLに対して1g以下の溶解性を有する化合物をいう。
なお、親油性溶剤は、液体Bに含有すると共にあるいは含有せずに、既述の液体Aに含有することもできる。
親油性溶剤としては、高沸点有機溶媒、重合性材料などが挙げられ、高沸点有機溶剤が好ましい。高沸点有機溶媒としては、特開2004−101959号、同2004−123838号、同2004−175874号、同2006−36932号、等の各公報、特願2005−289362号明細書等に記載の高沸点有機溶剤を好適に用いることができる。
sp値は、種々の溶剤、溶質に対して定義されるものであり、溶剤/溶剤間、溶剤/溶質間における溶けやすさを示す値である。この値は、溶剤と溶剤とが混ざり合う場合、溶剤に溶質が溶ける場合のエネルギーの変化から算出されるものであり、本発明で用いたsp値は、具体的には、東北大学 R.L.smithによるsp値計算プログラムにより計算して得られるものである。計算に際しては、25℃を基準とし、炭素原子を含まない化合物を除き、ポリマーやポリエチレン鎖等の構成単位については結合手を持つ飽和の繰り返し単位(例えばスチレンの場合は−CH−CH(C)−)とし、水(HO)は47.8として計算される。
液体A及び液体Bのいずれか一方のみに本発明のカチオン重合性組成物が適用される場合、本発明のカチオン重合性組成物ともにインクセットを構成しうる他の液体としては、例えば、 特開平11−231120号、特開2005−67138号、同2005−74904号、同2005−111836号、同2005−178294号、同2005−254521号、同2006−28405号、同2006−160916号、などに記載の重合性化合物を含む液体を好適に用いることができる。
本発明のインクジェット記録方法は、上述した本発明のインクセットを用い、非浸透性ないし緩浸透性の被記録媒体の上に、インクジェットプリンタにおけるインク吐出口(ヘッド)から、第1の液体Aに基づく第1の液滴a1、液滴a2、・・・を吐出し、所望の画像を形成するものである。所望の画像を形成するために、第1の液体Aは少なくとも重合性もしくは架橋性材料を含んでなり、高い画像濃度を得るために、前記液滴a1及び前記液滴a2の付与前に予め、前記液体Aと組成の異なる第2の液体Bを前記被記録媒体上における前記所望の画像と同一領域もしくは該画像より広い領域に付与した後、打滴の際に第1の液滴a1と液滴a2とを重なり部分を有するように打滴するようにする。
本発明のインクジェット記録方法では、被記録媒体として、非浸透性ないし緩浸透性の記録媒体が用いられる。このような液体吸収性の低い被記録媒体に画像記録を行なうときには、高い画像濃度を得るために、互いに重なり部分を有して付与された隣接の液滴(第1の液滴a1と液滴a2)が乾燥前に媒体上に留まって接触していると、互いに合一して画像の滲みや細線の線幅が不均一になって先鋭な画像の形成性が損なわれやすいが、第1の液滴a1及び液滴a2の打滴前に、予め液体Bを付与することにより、液滴a1及び液滴a2が互いに重なり部分を有して付与されても液滴a1及び液滴a2間の合一を抑えて、画像の滲み及び画像中の細線などの線幅バラツキの発生が効果的に防止されるため、高画像濃度の画像解像度を確保しつつ、均一幅で先鋭なライン形成が可能であり、高品質の画像を記録することができる。また、ベタツキがなく擦過性にも優れる。
ここで、非浸透性の記録媒体とは、実質的に液滴が浸透しない媒体をいう。「実質的に浸透しない」とは、1分後の液滴の浸透率が5%以下であることをいう。また、緩浸透性記録媒体とは、10pl(ピコリットル)の液滴を被記録媒体上に滴下した場合に、全液量が浸透するまでの時間が100m秒以上である媒体をいい、具体的にはアート紙などが挙げられる。非浸透性ないし緩浸透性の記録媒体の詳細については前述した通りである。
なお、浸透性の記録媒体は、10plの液滴を被記録媒体上に滴下した場合に全液量が浸透するまでの時間が100m秒以下である媒体であり、具体的には普通紙、多孔質紙などである。
上記の被記録媒体上には、第1の液滴a1を打滴した後、後続の第1の液滴a2を前記液滴a1と重なり部分を有するように打滴する。そして、第1の液滴a1及び液滴a2の付与前には予め、第1の液体Aと組成の異なる第2の液体Bを、被記録媒体上における前記液滴a1及び前記液滴a2で打滴形成される画像と同一領域もしくは該画像より広い領域に付与する。
本発明においては、画像を形成するための液体として、第1の液滴a1及び液滴a2を含む第1の液体Aと、これと組成の異なる第2の液体Bとを用いる。ここで、第1の液滴a1及び液滴a2は、単一の第1の液体Aを用いてインク吐出口から打滴される液滴a1、n2、n3、・・・nxにおける液滴であって重なり合って打滴されるものを意味する。打滴が同時である液滴であってもよいし、先行打滴と後続打滴の関係である先行液滴と後続液滴であってもよく、先行液滴と後続液滴であることが好ましい。第1の液体Aと第2の液体Bとは組成が異なる液体である。
また、本発明においては、既述のごとく、液体Bのsp値が前記範囲内にあるものを用いることが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法においては、既述の第1の液滴a1及び液滴a2を、インクジェットノズル等を用いて打滴するようにし、第2の液体Bについては、必ずしもインクジェットノズルを用いた噴射による付与に限られず、塗布等の他の手段によって付与することもできる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
また、以下においては、本発明のカチオン重合性化合物として、インク組成物を例に説明行うが、本発明のカチオン重合性化合物はこれに限定されるものではない。
<顔料分散体の作製>
まず、表1に示す顔料と分散剤とをボールミルに入れて、直径0.6mmのジルコンビーズを使用して、16時間分散して顔料分散体を得た。顔料分散体の平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)で測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2008031316
Figure 2008031316
なお、上記分散剤D−1における下記部分構造は、東亜合成(株)製の「AX−707S」に由来するものである。
Figure 2008031316
[比較例1−1]
以下の成分を撹拌混合し、5.0μmのメンブランフィルターでろ過してシアンインク(試料100)を得た。
<試料101:インク組成物成分>
・モノマーA:(セロキサイド2021:ダイセル・ユーシービー製) …20g
・モノマーB:ビス〔1−エチル(3−オキセタニル)〕メチルエーテル …43g
(アロンオキセタンOXT-221 東亜合成製)
・モノマーC:3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン…30g
(アロンオキセタンOXT-212 東亜合成製)
・顔料分散体:表1に記載の顔料分散体−1 …10g
・光重合開始剤:S−1(下記構造) …6.0g
・増感剤:9,10−ジブトキシアントラセン …3.0g
・界面活性剤:BYK307(BYK Chemie社製) …0.2g
[実施例1−1〜1−7、比較例1−2〜1−8]
比較例1において、モノマーA、モノマーB、及びモノマーCを、表2に示すモノマーに置き換えた以外は、比較例1と同様にして、実施例1−1〜1−7、比較例1−2〜1−8のシアンインク(試料100〜114)を調製した。
また、表2に示す2官能型オキセタン化合物の量は、顔料分散体に含まれる2官能型オキセタン化合物の量も含む量である。
Figure 2008031316
表2に示す2官能型オキセンタン化合物中、「ME−1」及び「ME−2」は特定オキシラン化合物であり、「MO−1」は特定オキセタン化合物である。
以下に、S−1(光重合開始剤)、ME−1(特定オキシラン化合物)、ME−2(特定オキシラン化合物)、MO−1(特定オキセタン化合物)、モノマーDの詳細を示す。
Figure 2008031316
<評価>
1.印字、露光テスト
実施例及び比較例で得られたインクをピエゾ方式のヘッド(東芝テック製、CA−3)を用いて打滴を行った。印字、露光テストの条件は以下の通りである。
ヘッドは25.4mmあたり150のノズル密度で、メディア上にはノズル配列方向に25.4mmあたり150滴打滴される。
ヘッド及びインク液の温度を25℃±1℃にして打滴を行った。
ヘッドからのインク吐出は、ヘッドに付与されるピエゾ駆動信号により制御され、一滴あたり6〜42plの吐出が可能であって、本実施例ではヘッドの下1mmの位置でメディアが搬送されながらヘッドより打滴される。搬送速度は50〜200mm/sの範囲で設定可能である。本実施例及び比較例では、搬送速度90mm/s、インク吐出量24plで5g/m2の打滴を行い、ベタ印字画像を得た。
各試料は、打滴された後、露光部に搬送され紫外発光ダイオード(UV−LED)により露光される。本実施例及び比較例ではUV−LEDは日亜化学製NCCU033を用いた。本LEDは1チップから波長365nmの紫外光を出力するものであって、約500mAの電流を通電することにより、チップから約100mWの光が発光される。これを7mm間隔に複数個配列し、メディア表面で0.3W/cm2のパワーが得られる。打滴後露光されるまでの時間及び露光時間は、メディアの搬送速度及びヘッドとLEDの搬送方向の距離により変更可能である。本実施例及び比較例では、着弾後、約0.5秒後に露光される。
露光パワー、露光エネルギーの測定にはウシオ電機製スペクトロラディオメータURS−40Dを用い、波長220nmから400nmの間を積分した値を用いた。
本実施例及び比較例では、メディアとして厚み100μmのPETフィルムを使用し、印字及び露光テストは23℃、R.H.60%の環境で実施した。硬化した画像の厚みは4μmであった。
2.硬化性評価
露光直後の印字サンプルに上質紙を重ね、圧力ローラー(50kg/cm2)を通したときの色材の上質紙への転写の程度により次のように評価した。評価結果を表3に示す。
○:まったく転写せず。
△:一部転写する。
×:ほとんど全量転写する。
3.硬化膜の折り曲げ評価
各インクで最も低エネルギーで全く転写しなかったプリントサンプルをウェザーメーターで10日間暴露した後に180°に折り曲げて硬化膜の割れの有無を観察し、次のように評価した。評価結果を表3に示す。
◎:全く割れなし
○:試料中央の折り曲げ部分に割れはないが、端部でわずかに割れが生じる。
△:折り曲げ部分中央にわずかに割れが生じる。
×:折り曲げ部分で硬化膜が剥離する
4.ノズル吐出性評価
上記1.の印字条件でメディアをインクジェットペーパー(富士写真フイルム製、「画彩」光沢仕上げ)に換えて格子状の線画パターンを1時間印字した後の格子画像を観察し、ノズルからの吐出不良を評価した。吐出不良率は、全てのノズルから正常に吐出された場合のドット数に対する、不吐出のト゛ット数の比率(%)である。
○:線画の吐出不良率が0%〜5%。
△:線画の5%〜20%が吐出されない。
×:線画の吐出不良率が20%を超える。
5.インク粘度評価
インク粘度は、RE80型粘度計(東機産業株式会社製)を用いて、液温25℃にてローターを2分間回転させて安定させた後に測定した。
Figure 2008031316
表3に示されるように、本発明のカチオン重合性組成物を用いた、実施例1−1〜1−7のインク組成物(試料番号104〜108、113及び114)は、インク粘度が低く抑えられており、ノズルからの吐出不良が大幅に減少し、吐出安定性に優れていた。さらにLEDの少ない露光エネルギーでの硬化性も良好であった。
また、実施例1−1〜1−7のインク組成物は、硬化膜の折り曲げ耐性も良好で、特に単官能型モノマー(モノマーC又はモノマーD)を添加した実施例1−1〜1−5のインク組成物は、硬化性を損なわずに、折り曲げ時の割れを防ぐ効果に優れることがわかる。
[実施例2−1〜2−7、比較例2−1〜2−8]
実施例1−1〜1−7及び比較例1−1〜1−8において、顔料分散体−1を顔料分散体−2に置き換えた以外は、実施例1−1〜1−7及び比較例1−1〜1−8と同様にして、実施例2−1〜2−7及び比較例2−1〜2−8マゼンタインク(試料200〜214)を作製し、前記の評価方法・評価基準により評価した。その結果を表4に示す。
Figure 2008031316
表4に示されるように、本発明のカチオン重合性組成物を用いた、実施例2−1〜2−7のインク組成物(試料番号204〜208、213及び214)は、インク粘度が低く抑えられており、ノズルからの吐出不良が大幅に減少し、吐出安定性に優れているとの結果を得た。
また、実施例2−1〜2−7のインク組成物は、硬化膜の折り曲げ耐性も良好で、特に単官能型モノマー(モノマーC又はモノマーD)を添加した実施例2−1〜2−5のインク組成物は、硬化性を損なわずに、折り曲げ時の割れを防ぐ効果に優れることがわかる。
[比較例3−1]
(I液の調製)
比較例1−1で得た試料100と同じ重合性組成物を作製し、I液とした。
(II液の調製)
比較例1−1で得た試料100から顔料を抜いた重合性組成物を作製し、II液とした。(粘度21mPa・s)
(画像記録及び評価)
調製したインクジェット記録用液体I液及びII液をインクジェットプリンタ(マイクロジェット社製実験機IJET1000R2ヘッド型、打滴周波数:1kHz、ノズル数:64、2列配列、液滴サイズ:約70pl)に装填し、2つのヘッドのそれぞれからライン状に吐出した。このとき、被記録媒体として、厚さ60μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート(商品名:PPL/レーザープリンタ用ゼロックスフィルム OHP FILM、富士ゼロックス(株)製)を用いた。
吐出は、II液とインクジェット記録用液体I液とを打滴する際の打滴間隔を400m秒とし、まずII液(第2の液体B)を吐出後、II液に重ねてインクジェット記録用液体I液(第1の液体A)を吐出した。このとき、吐出周波数を調整して、II液については隣接する液滴間の重なり率が5%になるように、インクジェット記録用液体I液については隣接する液滴(第1の液滴a1と第1の液滴a2)間の重なり率が50%になるようにした。
吐出後、メタルハライドランプを用いて365nmの波長にて紫外線量〜500mJ/cm2で紫外線を照射し、画像を記録した。
上記I液を、実施例1−1で得た試料104、又は、実施例1−2で得た試料105に置き換えて、同様にII液とI液を打滴し、画像を記録した。
I液、II液をライン状に重ね打ち、得られた画像についてラインの品質を観察した。
I液に試料100を用いた場合(比較例1−1)は、吐出されたドット形状とライン状の並びに乱れが見られた。これに対し、I液に試料104又は105(本発明のカチオン重合性組成物)を用いた場合は、ドット形状とライン形状共に乱れが少なく、良好な画像が得られた。

Claims (12)

  1. 無置換のメチル基を有するオキセタン化合物と、無置換のメチル基を有するオキシラン化合物と、を少なくとも1種ずつ含有することを特徴とするカチオン重合性組成物。
  2. 前記無置換のメチル基を有するオキシラン化合物が、オキシラン環を2個以上有することを特徴とする請求項1に記載のカチオン重合性組成物。
  3. 前記無置換のメチル基を有するオキセタン化合物が、オキセタン環を2個以上有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカチオン重合性組成物。
  4. 更に、前記無置換のメチル基を有するオキセタン化合物及び無置換のメチル基を有するオキシラン化合物以外の、単官能のオキシラン化合物及び/又は単官能のオキセタン化合物を含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のカチオン重合性組成物。
  5. さらに、着色剤を含有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のカチオン重合性組成物。
  6. 画像形成に用いるインク組成物であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のカチオン重合性組成物。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のカチオン重合性組成物を用いてなることを特徴とする記録物。
  8. 被記録媒体上に、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のカチオン重合性組成物を画像様に付与する付与工程と、
    前記被記録媒体上に付与されたカチオン重合性組成物に活性エネルギー線を照射して硬化させる硬化工程と、
    を含むことを特徴とする画像形成方法。
  9. 前記付与工程において、前記カチオン重合性組成物をインクジェットノズルから吐出させることを特徴とする請求項8に記載の画像形成方法。
  10. 前記活性エネルギー線の照射光源が、発光ダイオード又は半導体レーザーであることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の画像形成方法。
  11. 画像を形成するための重合性もしくは架橋性材料を含有する液体Aと、液体Aと組成が異なる第2の液体Bとを少なくとも含んで構成されるインクセットであって、前記液体A及び液体Bの少なくとも1つが、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のカチオン重合性組成物であることを特徴とするインクジェット記録用インクセット。
  12. 請求項11に記載のインクセットを用い、画像を形成するための重合性もしくは架橋性材料を含有する液体Aを少なくとも第1の液滴a1及び第2の液滴a2にて被記録媒体に打滴することで所望の画像を記録するインクジェット記録方法であって、液体Aと組成が異なる第2の液体Bを前記液体Aで形成される前記画像と同一もしくは該画像よりも広い範囲に予め前記被記録媒体に付与した後に、前記液滴a1と前記液滴a2とを重なり部分をもって打滴することを特徴とするインクジェット記録方法。
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