JP2008028920A - 画像複写装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 普通紙などの狭小ガマット使用時において、好ましい色再現色を実現し、尚且つ繰り返しコピーを行った場合においても、画像劣化を最小限に抑える。
【解決手段】 複写装置における色再現方法において、再現方法を下記3つの領域として、コピーを実行する。
・測色的一致領域
・ガマット圧縮領域
・加工かつ圧縮領域
【選択図】 図10
【解決手段】 複写装置における色再現方法において、再現方法を下記3つの領域として、コピーを実行する。
・測色的一致領域
・ガマット圧縮領域
・加工かつ圧縮領域
【選択図】 図10
Description
本発明は、複写装置における色再現方法に関するものである。
カラー画像複写装置では、入力装置部と出力装置部で構成される。入力装置部であるスキャナで光学的に入力原稿の読取りを行い、それに対し所定の画像処理を施した後、出力装置部で所定の記録方法により、印刷が実行される。
入力装置部では、蛍光管やLEDなどによる光照射の原稿からの反射をCCDで検出する方法、出力装置部では、電子写真やインクジェットなどによる記録方法を用いるものが一般的である。
色に着目すれば、入力原稿として読取られる色再現範囲は、写真や雑誌など、十分な色空間を有するものが多い。それに対し、出力装置の色再現能力は、印字に使用する紙種に依存し、様々なもの存在する。写真に適した光沢紙や印画紙、一般的に最も利用される普通紙、またその中でも環境に考慮したリサイクル用紙などがある。そうした中で、普通紙のように、入力原稿の色再現範囲に比べ、出力可能な色再現範囲が極めて小さいものも少なくない。
その場合に必要となってくるのが、ガマットマッピングと呼ばれる色空間の圧縮技術である。出力出来ない色再現範囲外にある色をどのように表現するのか、その圧縮による影響を色再現範囲内の色に対して、どのように波及させるかを規定するものである。その方法は、一般的には、大きく2つ、Colorimetric(測色的一致方法)とPerceptual(知覚重視方法)に分けられる。前者は色の再現性を優先し、再現可能な色は出来るだけ同じ色になるように表現し、再現出来ない色については、最も近い色になるようにマッピングを行う。この場合、再現可能な色の一致は十分に行われるが、反面再現出来ない複数の色が同一のある一点へとマッピングされるケースが発生し、階調性が損なわれるという問題がある。また、後者のPerceptualは、階調性を残すよう全体的なバランスを考慮し、知覚的に好ましい色再現を実現する。しかし、必ずしも測色的に一致しているわけでないので、再現出来るはずの色がずれてしまったり、入力と出力の色再現能力に極端な差がある場合に、彩度の低下した、くすんだ印字結果になってしまったりすることもある。
特開平4−196675では、色再現範囲の広いディスプレイの色を、プリンタの色域に圧縮するガマットマッピングに関する方法を記載している。この発明は、色再現範囲外の色を圧縮する方法で、所定範囲内の色については移動をさせずに測色的一致をさせ、それ以外の部分については、ある一定方向に対し、所定範囲と最大彩度/明度の内分比により圧縮を行うことを開示している。これによると、上述したColorimetricとPerceptualの弱点を補い、自然な色再現を行うガマットマッピングを実現している。
また、特開平2001−28694では、特開平4−196675からさらに出力の色再現範囲を有効に利用する方法が開示されている。出力の色再現範囲内にある入力データについては、出力ガマットを広く使用するように伸長処理を行い、色再現範囲外にある入力データについては、出力色再現範囲の色域が十分活用できるようなガマットマッピングを行うことにより、出力色再現範囲を少しでも広く使用する方法が記載されている。
特開平4−196675号公報
特開2001−28694号公報
特登録3190050号公報
しかしながら、特開平4−196675は、彩度低下による色のくすみの発生を測色的一致領域を設けることで軽減はしているが、入力色再現範囲に対し出力色再現範囲が極端に狭い場合は、激しい彩度低下を防ぐことが出来ず、コントラストのついた好ましい画像を得ることは難しい。
また、特開平2001−28694では、出力色再現範囲の色空間を有効に利用するようなガマットマッピングにより、好適な色再現を実現しているが、印字した出力物を原稿として複写を行う繰り返しコピーでは、それらが多重に施され、オリジナルの原稿からかけ離れた画像になってしまう。
特登録3190050は、繰り返しコピー(孫コピー)を考慮にいれ、なおかつ適切な画像を実現する手段を開示した発明である。この発明では、等色色再現系の色処理と、圧縮色再現系の色処理、拡大再現系の色処理の2つを保持し、入力原稿に基づいてそれらを選択する。入力画像の画素を累積し、出力色再現画素の累積値が全体画素の所定値以下であれば、等色色再現系の色処理が選択され、これにより孫コピーに対しても考慮された複写装置を実現する。しかし、特登録3190050に記載されている処理方法では、入力原稿の判定を行わねばならず、そのためにコピー開始前に予め原稿を読取るプレスキャンと呼ばれる動作が必要であったり、読取った入力画像全てを保持するメモリ容量が必要であったりする。その結果、コピー開始の命令を行ってから、実行するまでの時間を要することで、コピー時間が遅くなり使用者にストレスを与える恐れや、入力画像保持用の大容量メモリ搭載によるコストアップで、ユーザーに不利益を与える恐れがある。また、複数の処理を保持しておかねばならず、処理に容量の大きいテーブルを使用する場合などは、処理数分テーブルを保持するためのROM容量が必要となってしまう。さらに画質面においても、入力原稿の判定処理で、全てのケースにおいて誤判定を防ぐことは困難であり、その結果、思いもよらない印字結果が使用者の手元に渡る場合が考えられる。
本発明では、上記課題を解決するためになされたものであり、
入力原稿を読取り、その読取りデータに基づいて印字を行う場合の色再現特性において、前記入力原稿の色が出力色再現空間のある一定範囲内である部分においては、略測色的一致の特性をもった色再現とし、前記入力原稿の色が前記一定範囲以外かつ前記出力色再現空間内にある部分においては、ある規則に基づいた圧縮色再現とし、前記入力原稿の色が前記出力色再現空間外である部分においては、加工を伴った圧縮による色再現となる画像複写装置を実現することを特徴とする。
入力原稿を読取り、その読取りデータに基づいて印字を行う場合の色再現特性において、前記入力原稿の色が出力色再現空間のある一定範囲内である部分においては、略測色的一致の特性をもった色再現とし、前記入力原稿の色が前記一定範囲以外かつ前記出力色再現空間内にある部分においては、ある規則に基づいた圧縮色再現とし、前記入力原稿の色が前記出力色再現空間外である部分においては、加工を伴った圧縮による色再現となる画像複写装置を実現することを特徴とする。
また、上記の規則に基づいた圧縮色再現とは、一定明度方向に向かい圧縮することを特徴とし、さらに上記の加工を伴った圧縮とは、彩度・明度を上下させ、ある規則に基づき圧縮色再現の方向とは異なる向きの色にコントラスト強調を行うことを特徴とする。
以上、説明と実施例を挙げたとおり、本発明によれば入力原稿と出力原稿の再現範囲が異なる場合のコピーにおいても、大きな階調つぶれや、階調反転を起こすことなく色再現を行うことが可能である。さらに出力色再現範囲の極端に狭い普通紙などの場合に、コントラストのついた好適な画像も実現する。
また、複数回コピーを繰り返した場合においても、複写のたびに出力画像がオリジナル原稿から異なることを防止し、画像劣化に強い処理フローを可能にしている。さらにそれらをコストアップや、余分な時間となる前処理を行うことなしに実現しているので、ユーザーにとっても大きなメリットとなる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
[実施形態]
図12は、本発明の実施の形態に係る画像複写装置の概観斜視図である。この画像複写装置1は、ホストコンピュータ(PC)からデータを受信して印刷する通常のPCプリンタとしての機能、スキャナとしての機能を有し、さらには画像複写装置単体で動作する機能として、スキャナで読取った画像をプリンタで印刷するコピー機能、メモリカードなどの記憶媒体に記憶されている画像データを直接読取って印刷する機能、或いはデジタルカメラからの画像データを受信して印刷する機能を備えている。
図12は、本発明の実施の形態に係る画像複写装置の概観斜視図である。この画像複写装置1は、ホストコンピュータ(PC)からデータを受信して印刷する通常のPCプリンタとしての機能、スキャナとしての機能を有し、さらには画像複写装置単体で動作する機能として、スキャナで読取った画像をプリンタで印刷するコピー機能、メモリカードなどの記憶媒体に記憶されている画像データを直接読取って印刷する機能、或いはデジタルカメラからの画像データを受信して印刷する機能を備えている。
図12において、画像複写装置1はフラットベットスキャナなどの読取装置34、インクジェット式や電子写真式などによる印刷装置33、および表示パネル39や各種キースイッチ等を備える操作パネル35により構成されている。また、画像複写装置1の背面にはPCと通信するためのUSBポート(不図示)が設けられ、PCとの通信が行われる。上記の構成に加え各種メモリカードからデータを読み出すためのカードスロット42やデジタルカメラとデータ通信を行うためのカメラポート43、自動で原稿を原稿台にセットするためのオートドキュメントフィーダー(以下ADF)31などから画像複写装置1は構成されている。
図13において、CPU11は、画像処理装置が備える様々な機能を制御し、操作部15の所定の操作に従い、ROM16に記憶された画像処理のプログラムを実行する。
CCDを備える読取部14は、図12の読取装置34に対応し、原稿画像を読取り、赤(R)、緑(G)および青(B)色のアナログ輝度データを出力する。なお、読取部14は、CCDの代わりに密着型イメージセンサ(CIS)を備えてもよい。また、図12のようなADF31を備えれば、連続でオーダーシートを読取る事が出来更に簡便である。
また、カードインターフェイス22も図12のカードスロット42に対応し、例えばディジタルスチルカメラ(Digital Still Camere 以下DSC)で撮影され、メモリカードなどに記録された画像データを、操作部15の所定の操作に従い読み込む。なお、カードインターフェイス22を介して読み込まれた画像データの色空間は、必要ならば、画像処理部12により、DSCの色空間(例えばYCbCr)から標準的なRGB色空間(例えばNTSC−RGBやsRGB)に変換される。また、そのヘッダ情報に基づき、読み込まれた画像データは、有効な画素数への解像度変換など、アプリケーションに必要な様々な処理が必要に応じて施される。
また、カメラインターフェイス23も図12のカメラポート43に対応し、DSCに直接接続して画像データを読み込むためのものである。
画像処理部12においては、後述する読取り信号値のシェーディング補正や色変換、加工処理、ガマット圧縮処理、色分解、量子化等の画像処理等の画像処理が行われ、それによって得られるデータは、RAM17に格納される。そして、RAM17に格納された補正データが、図12の印刷装置33に対応する記録部13で記録するのに必要な所定量に達すると、記録部13による記録動作が実行される。
また、不揮発性RAM18は、バッテリバックアップされたSRAMなどで、画像処理装置に固有のデータなどを記憶する。また、操作部15は、図12の操作パネル35に相当し、記憶媒体に記憶された画像データを選択し、記録をスタートするためにフォトダイレクトプリントスタートキー、オーダーシートをプリントさせるキー、オーダーシートを読み込ますキー、モノクロコピー時やカラーコピー時におけるコピースタートキー、コピー解像度や画質などのモードを指定するモードキー、コピー動作などを停止するためのストップキー、並びに、コピー数を入力するテンキーや登録キーなどから構成される。CPU11は、これらキーの押下状態を検出し、その状態に応じて各部を制御する。
表示部19は図12の表示パネル39に対応し、ドットマトリクスタイプの液晶表示部(LCD)およびLCDドライバを備え、CPU11の制御に基づき各種表示を行う。また、記憶媒体に記録されていた画像データのサムネイルを表示する。記録部13は図12の印刷装置33に対応し、インクジェット方式のインクジェットヘッド、汎用ICなどによって構成され、CPU11の制御により、RAM17に格納されている記録データを読み出し、ハードコピーとしてプリント出力する。
駆動部21は、上述した読取部14および記録部13それぞれの動作における、給排紙ローラを駆動するためのステッピングモータ、ステッピングモータの駆動力を伝達するギヤ、および、ステッピングモータを制御するドライバ回路などから構成される。
センサ部20は、記録紙幅センサ、記録紙有無センサ、原稿幅センサ、原稿有無センサおよび記録媒体検知センサなどから構成される。CPU11は、これらセンサから得られる情報に基づき、原稿および記録紙の状態を検知する。
PCインターフェイス24はPCと画像複写装置1とのインターフェイスであり、画像複写装置はPCインターフェイス24を介してPCからのプリント、スキャンなどの動作を行う。
コピー動作時は、読取装置34で読取った画像データを画像複写装置内部でデータ処理し、印刷装置33で印刷する。
操作部15により、コピー動作が指示されると、読取部14は原稿台に置かれた原稿を読取る。読取られたデータは画像処理部12に送られ、後述する画像処理が施された後、記録部13に送られ印刷が行われる。
次に図13の画像処理部12で実行される画像複写処理時の画像処理について説明する。図1に画像処理のフローチャート図を示す。スキャニングにより読取られた画像信号値(inR, inG, inB)は、最初にSTEP101において、シェーディング補正が施される。これにより、入力読取り素子のばらつきを補正が行われ、(sR, sG, sB)に変換される。
次にSTEP102の入力色変換処理が施される。この処理では、入力デバイスに依存した信号値(sR, sG, sB)を、デイバスに非依存の色空間xRGBに変換することが目的である。xRGBとしては、一般的な色空間の例としては、sRGB、AdobeRGBなどが挙げられる(Adobeは登録商標です)。また特に一般的な色空間に限ることではなく、個別に最適な色空間を定義し、それを利用しても良い。
本実施例の場合、AdobeRGB色空間に変換するとして説明を続ける。これにより、入力画像は、(AdobeR1, AdobeG1, AdobeB1)へと変換される。尚、変換方法としては、下記色に示されるようなマトリクス変換を用いる。
また、マトリクス変換方法でなく、四面体を利用した補間方法でもよい。四面体補間では、事前にルックアップテーブル(以下、3D-LUT)を用意しておく。これらは、画像複写装置内にあるROM内に格納されている。3D-LUTは、図2に示すようなRGB値をそれぞれ16レベルずつに16分割した4913点に対応する変換後のデータ、本例では、AdobeR1, AdobeG1, AdobeB1の値が記述されている。(sR, sG, sB)の値に応じたAdobeR1, AdobeG1, AdobeB1値が参照され、(sR, sG, sB)値が16分割した間にある場合は、補間処理によって求める。
補間方法では、3次元空間の分割単位を四面体として、4つの格子点を用いる線形補間である。その手順として、まず図3(a)に示すように四面体への分割を行う。そして、ターゲットとなる点pが分割されたどの四面体に属するかを決定する。その四面体の4頂点をp0、p1、p2、p3とし、図3(b)に示すようにさらに細かい小四面体に分割される。また、拡張点の変換値をそれぞれf(p0)、f(p1)、f(p2)、f(p3)とすると、
次に、STEP103により加工テーブル適用処理が施される。後述する方法で作成された3D-LUTを用い、入力データ(AdobeR1, AdobeG1, AdobeB1)が、出力色再現範囲内にある場合は特に色変換が施されず、出力色再現範囲外にある場合は、所定の加工処理が施された値(AdobeR2, AdobeG2, AdobeB2)は、となっている。
STEP104では、加工テーブル適用処理が施された(AdobeR2, AdobeG2, AdobeB2)に対し、出力デバイスに依存したデータ(outR, outG, outB)に変換される。この変換処理では、出力デバイスの色再現能力を考慮し、それに適切な色再現となるよう、ガマット圧縮処理が実行される。処理方法は、STEP102および103と同様に3D-LUTによる四面体補間処理により変換される。このガマット圧縮用の3D-LUTの作成方法についての詳細は後述する。
STEP105では、104で求められたRGB形式のデータ(outR, outG, outB)を、実際の記録に使用されるインク色へと分解する。分解方法は、上記と同様に3D-LUTを用いた四面体補間処理を用いる。インクジェットプリンタを例に取ると、インクとしては、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックインク(以下、C、M、Y、K)を用いるのが、一般的である。最近の写真画質を重視したプリンタであれば、上記のインクの他に、濃度の低いフォトシアン、フォトマゼンタ(以下、PC、PM)のインクを用いる場合もあり、その場合の3D-LUTは、図4に示すようなテーブルとなる。
これにより、インク形式となったデータ(C1, M1, Y1, K1, PC1, PM1)はSTEP106において、量子化処理が実行される。この処理は、記録装置が出力可能な階調数へと変換を行うものである。本実施例のインクジェットプリンタの場合、インク滴のドットを打つか打たないかで、画像を形成するFMスクリーニング方式であり、ここでは量子化処理として2値化を例に説明する。量子化方法としては、誤差拡散方法を利用する。尚、入力信号は8ビットの0〜255とする。
図5は誤差拡散法における、誤差分配方法を示す図である。ターゲットピクセルの信号値をL(0≦L≦255)とした時、しきい値THと比較を行う。その大小により、
L>TH ・・・・・・ 1(記録)
L≦TH ・・・・・・ 0(非記録)
と判定される。その時に発生する誤差E(=L−TH)は、図5の分配係数に従い周囲のピクセルに分配される。この処理をすべてのピクセル、すべてのインク色C, M, Y K, PC, PMに対し、実行することで1ビットの画像データ(C2, M2, Y2, K2, PC2, PM2)を得ることが出来る。
L>TH ・・・・・・ 1(記録)
L≦TH ・・・・・・ 0(非記録)
と判定される。その時に発生する誤差E(=L−TH)は、図5の分配係数に従い周囲のピクセルに分配される。この処理をすべてのピクセル、すべてのインク色C, M, Y K, PC, PMに対し、実行することで1ビットの画像データ(C2, M2, Y2, K2, PC2, PM2)を得ることが出来る。
以上、フローチャートを用いて説明したようにSTEP101からSTEP106を実行することにより、読取られた画像データを記録する形式まで変換することが可能となる。
次に、本提案の特徴となる、画像複写処理後の色再現について説明する。上述した通り、色再現については、図1の加工処理STEP103およびガマット圧縮処理STEP 104により決定される。それらの処理は共に3D-LUTにより求められる。各3D-LUTの作成方法について説明を進める。尚、上記でも記載したが、3D-LUTは、8bit(0〜255)の入力RGB値をそれぞれ16刻みで、16分割したものである。それぞれのグリッド点gR, gG, gBは、
(0, 16, 32, 48, 64, 80, 96, 112, 128, 144, 160 , 176, 192, 208, 224, 240, 255)
の17点を表し、下記の説明では、0〜16として記述する。
(0, 16, 32, 48, 64, 80, 96, 112, 128, 144, 160 , 176, 192, 208, 224, 240, 255)
の17点を表し、下記の説明では、0〜16として記述する。
最初に、図1のSTEP103で実行される加工テーブルについてである。処理フローを図6に示す。STEP601では、初期化が行われ、グリッド点が全て0となる。STEP602およびSTEP603では、グリッドのループを行っている。これにより17グリッド×3=4913回のループが実行される。そのループ内で行われているSTEP604は、グリッドに相当するRGB信号値を割り出し、それをL*a*b*に変換している。具体的には、
R = (gR − 1)×16 (但し、R > 255の場合は、R=255)
G = (gG − 1)×16 (但し、G > 255の場合は、G=255)
B = (gB − 1)×16 (但し、B > 255の場合は、B=255)
から算出される。このRGB値をL*a*b*に変換する。変換方法は、最初にグリッド点gR, gG, gBをAdobeRGBのRGB値とみなし、想定する光源における三刺激値XYZ値に変換する。そのXYZ値を下記式に代入することにより、L*a*b*を得る。
R = (gR − 1)×16 (但し、R > 255の場合は、R=255)
G = (gG − 1)×16 (但し、G > 255の場合は、G=255)
B = (gB − 1)×16 (但し、B > 255の場合は、B=255)
から算出される。このRGB値をL*a*b*に変換する。変換方法は、最初にグリッド点gR, gG, gBをAdobeRGBのRGB値とみなし、想定する光源における三刺激値XYZ値に変換する。そのXYZ値を下記式に代入することにより、L*a*b*を得る。
Y/Yn > 0.008856
X/Xn > 0.008856
Z/Zn > 0.008856 のとき、
L* = 116(Y/Yn)^1/3 - 16
a* = 500{(X/Xn)^1/3 - (Y/Yn)^1/3}
b* = 200{(Y/Yn)^1/3 - (Z/Zn)^1/3}
となり、それ以外の場合は、上式を
(X/Xn)^1/3 → 7.787(X/Xn)+16/116
(Y/Yn)^1/3 → 7.787(Y/Yn)+16/116
(Z/Zn)^1/3 → 7.787(Z/Zn)+16/116
と置き換える。ここで、Xn、Yn、Znは完全反射面の三刺激値であり、Yn=100で規格化する。
X/Xn > 0.008856
Z/Zn > 0.008856 のとき、
L* = 116(Y/Yn)^1/3 - 16
a* = 500{(X/Xn)^1/3 - (Y/Yn)^1/3}
b* = 200{(Y/Yn)^1/3 - (Z/Zn)^1/3}
となり、それ以外の場合は、上式を
(X/Xn)^1/3 → 7.787(X/Xn)+16/116
(Y/Yn)^1/3 → 7.787(Y/Yn)+16/116
(Z/Zn)^1/3 → 7.787(Z/Zn)+16/116
と置き換える。ここで、Xn、Yn、Znは完全反射面の三刺激値であり、Yn=100で規格化する。
STEP605では、算出されたL*a*b*値を用いて、ガマットの内外判定を行う。内外判定の方法としては、予め出力デバイスのガマットデータを保持しておき、そのデータとの比較を行い判定する。具体的には、内外判定の対象となるL*の断面を取り出し、a*b*から色相を求め、その色相方向のそれぞれの彩度を比較すればよい。
内外判定で、ガマット内と判定されたグリッド点については、STEP606へと進み、L*a*b*値を再びRGB信号に変換する。変換はSTEP604の逆変換を行えばよい。その後、STEP607でSTEP606により求まったRGB値を3D-LUTのテーブル値に設定する。STEP605で、ガマット外と判定された場合は、STEP608へと進み、加工処理が施される。
加工処理では、明度・彩度を加工し、よりコントラストのあるメリハリのあるデータにする。ここでは、予め加工量を記述したテーブルを保持しておき、それに従い信号値を変更する。テーブルは、明度と彩度についての2種類、それぞれTABLE_L、TALBLE_Sが用意され、明度については、
出力L* =TABLE_L[入力L*]
により、求められる。彩度については、a*、b*により、
入力彩度S =(a*×a* + b*×b*)1/2
入力彩度Sが求められ、彩度補正係数wを、
w =TABLE_S[入力彩度S]
求める。このwをa*, b*に乗ずることにより、加工処理が施される。
出力L* =TABLE_L[入力L*]
により、求められる。彩度については、a*、b*により、
入力彩度S =(a*×a* + b*×b*)1/2
入力彩度Sが求められ、彩度補正係数wを、
w =TABLE_S[入力彩度S]
求める。このwをa*, b*に乗ずることにより、加工処理が施される。
出力a* = 入力a* × w
出力b* = 入力b* × w
これにより、新たに求められたL*a*b*値が、STEP606へと送られRGB変換が施され、STEP607でテーブルの値に設定される。これらの処理を4913点全てについて行い、加工テーブルが作成される。
出力b* = 入力b* × w
これにより、新たに求められたL*a*b*値が、STEP606へと送られRGB変換が施され、STEP607でテーブルの値に設定される。これらの処理を4913点全てについて行い、加工テーブルが作成される。
次に、図1のSTEP104で実行されるガマット圧縮のための3D-LUTについて説明する。最初に図7を用いて、ガマット圧縮方法について説明する。図7は、ある色相における色空間の断面図であるが、図中701は、AdobeRGBの色再現範囲、702出力装置の色再現範囲を示す。点線で示されている703は、予め設定してある測色的一致領域を表す。ガマット圧縮処理では、701の再現能力を持った色空間を、702へと写像する。測色的一致領域703内にある色は、圧縮されることなく等色点にマッピングされ、測色的一致領域703から色再現範囲701の範囲にある色は、測色的一致領域703と色再現範囲702に圧縮マッピングされる。この際の圧縮としては、ある明度点、例えばL*=50に向かった方向へと進められ、測色的一致領域703と色再現範囲702のいずれかにマッピングされる。線形的にマッピングするのであれば、圧縮前の色が、測色的一致領域703と色再現範囲701のうち、測色的一致領域703の最外点からのどの程度離れているかによって決定される。
Sorg :L*=50と圧縮前の色との距離
Scol :L*=50と測色的一致領域703との距離(L*=50と圧縮前の色の方向について)
Sgam :L*=50と色再現範囲702との距離(L*=50と圧縮前の色の方向について)
Smax :L*=50とAdobeRGB最大彩度701との距離(L*=50と圧縮前の色の方向について)
とした場合、下記式によりマッピングポイントMは決定される。
Scol :L*=50と測色的一致領域703との距離(L*=50と圧縮前の色の方向について)
Sgam :L*=50と色再現範囲702との距離(L*=50と圧縮前の色の方向について)
Smax :L*=50とAdobeRGB最大彩度701との距離(L*=50と圧縮前の色の方向について)
とした場合、下記式によりマッピングポイントMは決定される。
M = Scol+(Sgam − Scol)×(Sorg − Scol)/(Smax − Scol)
尚、上式では線形的マッピングを記述したが、この他に非線形にマッピングを行う方法もある。この場合、彩度低下を抑制するため、色再現範囲702に近い方にマッピングの重み付けをするのが、有効的である。その場合、係数g (<1)を用い、下記式で表される。
尚、上式では線形的マッピングを記述したが、この他に非線形にマッピングを行う方法もある。この場合、彩度低下を抑制するため、色再現範囲702に近い方にマッピングの重み付けをするのが、有効的である。その場合、係数g (<1)を用い、下記式で表される。
M = Scol+(Sgam − Scol)×{(Sorg − Scol)/(Smax − Scol)}g
また、計算によってMを求めずに、事前に用意しておいたテーブルを参照する方法でもよい。
また、計算によってMを求めずに、事前に用意しておいたテーブルを参照する方法でもよい。
図8にガマット圧縮用の3D-LUTの作成処理フローを示す。STEP801からSTEP804は、図6で示した加工テーブルの処理フローのSTEP601〜604と同等である。これにより、初期化とグリッド点のループと、L*a*b*値への変換が実行される。STEP805では、予め設定した測色的一致領域との内外判定を行う。判定方法は、加工テーブルの処理フローで示した方法と同様でよい。ここで、測色的一致領域内と判定された場合は、何も処理をせずに、STEP806へと進み、測色的一致領域外と判定された場合は、STEP808の圧縮マッピングが実行される。圧縮方法は上述した方法が実行され、新たにL*a*b*値求めた後、STEP806へと進む。STEP806では、対象となっているL*a*b*値を記録装置で出力する際の、RGB形式のデータ(outR, outG, outB)を求める。算出方法としては、予め保持してある、出力デバイスRGBと出力L*a*b*値との関係から導き出す。その際、全ての記録装置のRGB値(outRGB)に対応するL*a*b*値を保持することが不可能な場合は、決められたサンプル点だけのデータを保持し、その間を補間することにより求められる。STEP806により求められたoutRGBは、STEP807で、3D-LUTの格子点データとして、設定される。このようにして、ガマット圧縮用の3D-LUTが作成される。
この処理フローによって作成された3D-LUTを使用すれば、図9のような圧縮処理となる。図中L点にある、色再現範囲内にあるデータは、変換後も動かないのに対し、N点にある色再現範囲外にあるデータは、測色的一致領域と色再現範囲の間にマッピングされる。また、M点のようにもともと測色的一致領域と色再現範囲の間に位置していた点は、わずかに測色的一致領域の方向に向かう。尚、移動の際の方向は、所定の明度へと向かう方向となる。
このように、本実施例の図1に記載した色変換方法に従って、入力原稿の色再現を行うと、図10のような色再現特性を有することになる。図中の白丸は、原稿の色を表し、黒丸は本実施例に基づいたコピーによって実現される色である。また、灰色の丸は、入力と出力が測色的に一致している場合を示している。図中C点の色は、測色的一致がなされており、入力原稿色は測色的に維持される。図中B点は、記録装置で再現可能な色ではあるが、一定明度点に向かい若干圧縮される。図中A点は、記録装置で再現出来ない色であり、プリンタの色再現範囲内に圧縮されるが、その際、彩度や明度に加工処理が加えられ、画像のコントラストが強調されるようにマッピングされている。
さらに実例を用いて、本発明の特徴となっている色再現の特徴について説明する。本提案の色再現の特徴は、これから説明する手法により、確認することも可能である。図14は、事前に用意するカラーパッチで、白と黒とターゲットとする色を頂点とした三角形になっており、内部は等間隔で結んだ色としている。全ての領域について確認するために、このターゲット色の彩度は、記録装置の出力する媒体の色再現範囲よりも大きい方が好ましい。図11(a)中の点は、図14のカラーチャートの各パッチをプロットしたものであり、図中の線は媒体の色再現の最大範囲を示している。図11(b)は、そのカラーパッチを読取り、本提案の方法に従って画像処理を施し、記録媒体に出力した色圧縮の動きを示している。矢印の始点が入力原稿のカラーパッチデータ、終点が複写装置により出力されたデータとなる。色再現範囲外のものは、コントラストが付くように高彩度と低再度部分に割り振られており、その部分の色が濃くなっていることが分かる。また、内部の色再現範囲内では、最大色再現の近くでは、L*が50に向かって圧縮されており、それよりも内部では、矢印の長さがほとんどなく、色圧縮が施されないものになっていることが確認出来る。
尚、本提案書では、たびたび測色的一致と記載しているが、実際には測定誤差や、補間などの計算誤差、処理のビット精度などが原因で完全に測色的一致することはあり得ない。図11(b)においても、矢印の向きが異なっており、若干の誤差を含んでいる。そこで、下記に示す色差ΔE値において、一定以下の色は、測色的一致とみなすことが妥当であるとする。
ΔE = (ΔL*2 + Δa*2 + Δb*2)1/2
本明細書では、実際に同じ色とみなすことが出来るとされている、ΔEが5以下のものは、測色的一致していると考える。
本明細書では、実際に同じ色とみなすことが出来るとされている、ΔEが5以下のものは、測色的一致していると考える。
また、ターゲットとする色の中で、イエローに近いものやブルーに近いものは、明度値が極端に高かったり、低かったりする。さらに、記録装置の特性により記録時の色再現範囲が極端に広い色、狭い色が存在する。そうした場合を考慮し、全ての色について、本提案の色再現方法を用いるのではなく、ある決められた色についてのみ適用するとしても構わない。この場合は、下記に述べる発明によって得られる効果が色空間全てに対し得られるのではなく、限定的になってしまうが、その中では十分に効果を得ることが出来る。
Claims (6)
- 入力原稿を読取り、その読取りデータに基づいて印字を行う場合の色再現特性において、
前記入力原稿の色が出力色再現空間のある一定範囲内である部分においては、略測色的一致の特性をもった色再現とし、
前記入力原稿の色が前記一定範囲以外かつ前記出力色再現空間内にある部分においては、ある規則に基づいた圧縮色再現とし、
前記入力原稿の色が前記出力色再現空間外である部分においては、加工を伴った圧縮による色再現
となることを特徴とする画像複写装置。 - 前記ある規則に基づいた圧縮色再現とは、一定明度方向に向かい圧縮することを特徴とする請求項1に記載の画像複写装置。
- 前記加工を伴った圧縮とは、彩度・明度を上下させるコントラスト強調処理であることを特徴とする請求項1に記載の画像複写装置。
- 前記コントラスト強調処理では、前記ある規則に基づいた圧縮色再現の方向とは異なる向きの色に再現することを特徴とする請求項3に記載の画像複写装置。
- 前記略測色的一致の特性とは、L*a*b*均等色空間のΔEにおいて、5以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像複写装置。
- 前記入力原稿のある等色相の色再現特性において、請求項1乃至4に記載する特性を有することを特徴とする画像複写装置。
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JP2010093477A (ja) * | 2008-10-07 | 2010-04-22 | Fuji Xerox Co Ltd | 色処理装置及びプログラム |
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-
2006
- 2006-07-25 JP JP2006202069A patent/JP2008028920A/ja not_active Withdrawn
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