JP2008019298A - 難燃性を付与した植物由来プラスチック材料及び成形体 - Google Patents

難燃性を付与した植物由来プラスチック材料及び成形体 Download PDF

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Mariko Kato
真理子 加藤
Takafumi Kawaguchi
隆文 川口
Hironori Sakamoto
浩規 阪本
Hiroyuki Nishimura
寛之 西村
Yoshikazu Kondo
義和 近藤
Houtetsu Kin
奉哲 金
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Abstract

【課題】改善された物性値を有し且つ難燃性に優れる植物由来プラスチック材料、及びその植物由来プラスチック材料を用いた成形体を提供する。
【解決手段】植物由来ポリマー(a)と、前記ポリマー(a)以外の他のポリマー(b)と、アイオノマー樹脂、オキサゾリン系相溶化剤、エラストマー系相溶化剤、反応性相溶化剤、及び共重合体系相溶化剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の相溶化剤(c)と、リン系難燃剤(d)とを含む、植物由来プラスチック材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、改善された物性値を有し且つ難燃性に優れる植物由来プラスチック材料、及びその植物由来プラスチック材料を用いた成形体に関する。
近年、地球環境保護、従来の石油資源由来のプラスチックの廃棄物処理問題などの観点から、植物を原料とする植物由来プラスチック材料及び植物由来プラスチック成形体の開発が行われている。
特開2005−248160号公報には、生分解性ポリマー(ポリブチレンサクシネート、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリ乳酸等)と、生分解性ポリマー以外のポリマーと、相溶化剤とを含む生分解性プラスチック材料が開示されている。
特開2005−42045号公報には、生分解性ポリエステル樹脂とポリブチレンテレフタレート樹脂とからなる混合ポリエステルと、(メタ)アクリル酸エステル化合物と、さらに層状珪酸塩とを含有するポリエステル樹脂組成物が開示されている。
特開2004−277706号公報には、ポリ乳酸と、ポリ乳酸以外のポリエステルと、難燃剤として水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムの少なくとも一方とを含有するプラスチック組成物が開示されている。
特開2005−60637号公報には、ポリ乳酸に難燃剤としてリン酸エステルに含有させた生分解性樹脂組成物が開示されている。
特開2005−248160号公報 特開2005−42045号公報 特開2004−277706号公報 特開2005−60637号公報
しかしながら、改善された物性値を有し且つ難燃性に優れる植物由来プラスチック材料は知られていない。
本発明者らは、植物由来ポリマーに、植物由来ポリマー以外のポリマーと相溶化剤(Compatibilizer)とリン系難燃剤とを配合することによって、物性値が改善され且つ難燃性が付与された植物由来ポリマー材料が得られることを見いだした。
本発明の目的は、改善された物性値を有し且つ難燃性に優れる植物由来プラスチック材料、及びその植物由来プラスチック材料を用いた成形体を提供することにある。
本発明には、以下の発明が含まれる。
(1) 植物由来ポリマー(a)と、前記ポリマー(a)以外の他のポリマー(b)と、アイオノマー樹脂、オキサゾリン系相溶化剤、エラストマー系相溶化剤、反応性相溶化剤、及び共重合体系相溶化剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の相溶化剤(c)と、リン系難燃剤(d)とを含む、植物由来プラスチック材料。
(2) 前記ポリマー(b)は、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ナイロン系樹脂、スチレン系樹脂、及びポリオレフィン系樹脂からなる群から選ばれる、上記(1)に記載の植物由来プラスチック材料。
(3) 前記リン系難燃剤(d)は、ポリリン酸塩化合物である、上記(1)又は(2)に記載の植物由来プラスチック材料。
(4) 植物由来ポリマー(a)20〜100重量部と、前記ポリマー(b)5〜100重量部と、前記植物由来ポリマー(a)と前記ポリマー(b)の合計100重量部に対して前記相溶化剤(c)1〜30重量部と、前記植物由来ポリマー(a)と前記ポリマー(b)の合計100重量部に対して前記難燃剤(d)1〜50重量部とを含む、上記(1)〜(3)のうちのいずれかに記載の植物由来プラスチック材料。
(5) 上記(1)〜(4)のうちのいずれかに記載の植物由来プラスチック材料から構成されたプラスチック成形体。
本発明によれば、植物由来ポリマー(a)に、前記ポリマー(a)以外のポリマー(b)と相溶化剤(c)とリン系難燃剤(d)とを配合することによって、植物由来プラスチック材料の物性値を向上させ且つ難燃性を付与することができる。
本発明において、植物由来ポリマー(a)としては、特に限定されることなく公知の種々の石油以外を原料とする脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂が挙げられる。脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂としては、例えば、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)等のポリ(α−ヒドロキシ酸); ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリエチレンサクシネート(PES)等のポリアルキレンアルカノエート等が挙げられる。これらの樹脂は、単独重合体であってもよく、共重合可能な成分との共重合体であってもよい。これらの樹脂は、公知の方法により合成することができる。なお、これらの樹脂の重量平均分子量は、例えば少なくとも5万、好ましくは少なくとも7万、さらに好ましくは10万〜30万である。
これら樹脂のなかでも、ポリ乳酸(PLA)は、石油資源を使用しないという観点に加えて、最も大量に製造可能でコストも安く成形性にも優れているという観点において好ましい。ポリ乳酸(PLA)として、ポリL−乳酸(PLLA)、ポリD−乳酸(PDLA)、乳酸モノマーやラクチドと共重合可能な成分との共重合体、これらのブレンドポリマーを用いることができる。
前記ポリマー(a)以外のポリマー(b)としては、特に限定されることなく公知の種々のポリマーを用いることができる。代表的なものを例示すれば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレートの共重合体、ポリブチレンテレフタレートの共重合体、ポリエチレンナフタレートの共重合体等のポリエステル系樹脂; ポリカーボネート(PC)系樹脂; ナイロン系樹脂; ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)等のスチレン系樹脂; ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂が挙げられる。ポリエチレンには、極低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンが含まれる。
前記ポリマー(b)の含有により、植物由来ポリマー(a)の脆さ等の実用上の問題が改善される。特にポリオレフィン系樹脂を含有させると、物性的にもポリ乳酸樹脂の欠点である脆性を改善でき、疎水的効果が得られ、植物由来ポリマー(a)の耐加水分解性の向上や水分透過率の抑制が可能となるので好ましい。
相溶化剤(c)としては、アイオノマー樹脂(A)、オキサゾリン系相溶化剤(B)、エラストマー系相溶化剤(C)、反応性相溶化剤(D)、及び共重合体系相溶化剤(E)からなる群から選ばれる少なくとも1種の相溶化剤を用いることができる。相溶化剤(c)は、前記ポリマー(a)及びポリマー(b)以外のものである。
相溶化剤(c)の含有により、植物由来ポリマー(a)と前記ポリマー(b)との相溶性が向上し、前記ポリマー(b)の作用がより効果的になる。
アイオノマー樹脂(A)としては、種々のタイプのものが含まれる。典型的なアイオノマーは、(i)ホスト高分子の主鎖に部分的に側鎖イオン基が存在するものである(側鎖型)。別のタイプのアイオノマーは、(ii)両末端に例えばカルボン酸基が存在するホスト高分子あるいはオリゴマーに金属イオンが中和することより高分子化したものである(テレケリック型)。また別のタイプのアイオノマーは、(iii) 主鎖に陽イオンを有し、そこに陰イオンが結合したものである(アイオネン)。
ホスト高分子のイオン基に対する対イオンとしては、Li+ 、Na+ 、K+ 等のアルカリ金属イオン、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+等のアルカリ土類金属イオン、Zn2+、Cu2+、Mn2+、Ni2+、Co2+、Co3+、Fe3+、Cr3+等の遷移金属イオンが用いられる。また、陽イオンホスト高分子に対しては、Cl- 、Br- 、I- 等の陰イオンが用いられる。
このようなアイオノマー樹脂としては、特に限定されないが、例えば、エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー、エチレン―アクリル酸共重合体アイオノマー、プロピレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー、プロピレン−アクリル酸共重合体アイオノマー、ブチレン−アクリル酸共重合体アイオノマー、エチレン−ビニルスルホン酸共重合体アイオノマー、スチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー、スルホン化ポリスチレンアイオノマー、フッ素系アイオノマー、テレケリックポリブタジエンアクリル酸アイオノマー、スルホン化エチレン−プロピレン−ジエン共重合体アイオノマー、水素化ポリペンタマーアイオノマー、ポリペンタマーアイオノマー、ポリ(ビニルピリジウム塩)アイオノマー、ポリ(ビニルトリメチルアンモニウム塩)アイオノマー、ポリ(ビニルベンジルホスホニウム塩)アイオノマー、スチレン−ブタジエンアクリル酸共重合体アイオノマー、ポリウレタンアイオノマー、スルホン化スチレン−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンサルフェイトアイオノマー、酸−アミンアイオノマー、脂肪族系アイオネン、芳香族系アイオネン等が挙げられる。
これらアイオノマー樹脂のうち、エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体アイオノマーが好ましく用いられる。エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマーとして、より具体的には、ハイミラン1554、ハイミラン1555、ハイミラン1557、ハイミラン1601、ハイミラン1605、ハイミラン1650、ハイミラン1652、ハイミラン1652 SR 、ハイミラン1652 SB 、ハイミラン1702、ハイミラン1705、ハイミラン1706、ハイミラン1707、ハイミラン1855、ハイミラン1856(以上、三井・デュポンポリケミカル株式会社製)が挙げられる。
これらアイオノマー樹脂のうちの1種のみを用いてもよく、必要に応じて2種以上を混合して用いてもよい。
オキサゾリン系相溶化剤(B)としては、例えば、次のB1〜B3の各タイプが挙げられる。
B1タイプとして、ビスオキサゾリン/スチレン/無水マレイン酸共重合体(OXZ;三国製薬製)等が挙げられる。
B2タイプとして、ビスオキサゾリン/無水マレイン酸変性ポリエチレン〔OXZ(三国製薬製)/ユーメックス2000(三洋化成製)〕等が挙げられる。
B3タイプとして、ビスオキサゾリン/無水マレイン酸変性ポリプロピレン〔OXZ(三国製薬製)/ユーメックス1010(三洋化成製)〕等が挙げられる。
これらオキサゾリン系相溶化剤のうちの1種のみを用いてもよく、必要に応じて2種以上を混合して用いてもよい。
エラストマー系相溶化剤(C)としては、例えば、次のC1〜C4の各タイプが挙げられる。
C1タイプとして、スチレンエチレンブタジエン共重合体(SEB;旭化成工業製、タフテック)等が挙げられる。
C2タイプとして、スチレンエチレンブタジエンスチレン共重合体(SEBS;旭化成工業製)等が挙げられる。
C3タイプとして、水添スチレンイソプロピレンスチレン共重合体(H−SIS)等が挙げられる。
C4タイプとして、芳香族系樹脂、石油樹脂(新日本石油製のネオポリマー)等が挙げられる。
これらエラストマー系相溶化剤のうちの1種のみを用いてもよく、必要に応じて2種以上を混合して用いてもよい。
反応性相溶化剤(D)は、二重結合、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基などを有する化合物(低分子化合物又はポリマー)であって、成形加工工程で相溶化させようとするポリマーの一方または両方と反応してグラフトまたはブロック構造に基づく界面活性剤的な働きをして相溶化剤として機能するものである(参考文献:「ポリマーアロイ」基礎と応用、高分子学会編、1993年発行)。反応性相溶化剤(D)としては、例えば、次のD1〜D6の各タイプが挙げられる。
D1タイプ:
エチレングリシジルメタクリレート共重合体(E−GMA;共重合重量組成、例えばE/GMA=100/6〜12)、エチレングリシジルメタクリレート−ビニルアルコール共重合体(E−GMA−VA;共重合重量組成、例えばE/GMA/VA=100/3〜12/8〜5)、エチレングリシジルメタクリレート−メタクリレート共重合体(E−GMA−MA;共重合重量組成、例えばE/GMA/MA=100/3〜12/30)等が挙げられる。具体的には、住友化学製、ボンドファーストE、ボンドファースト2C;日本ポリオレフィン製、レクスパールRA、レクスパールET、レクスパールRCが挙げられる。
D2タイプ:
エチレン無水マレイン酸エチルアクリレート共重合体(E−MAH−EA;住友化学製、ボンダイン)等が挙げられる。
D3タイプ:
エチレングリシジルメタクリレート−アクリロニトリルスチレン(EGMA−AS;共重合重量組成、例えばEGMA/AS=70/30)、エチレングリシジルメタクリレート−ポリスチレン(EGMA−PS;共重合重量組成、例えばEGMA/PS=70/30)、エチレングリシジルメタクリレート−ポリメチルメタクリレート(EGMA−PMMA、例えばEGMA/PMMA=70/30)等が挙げられる。具体的には、日本油脂製、モディパーが挙げられる。
D4タイプ:
酸変性型ポリエチレンワックス(APEW;三井化学製、ハイワックス)等が挙げられる。
D5タイプ:
COOH化ポリエチレングラフトポリマー、COOH化ポリプロピレングラフトポリマー等が挙げられる。
D6タイプ:
イソシアネート基を5〜30重量%含むポリイソシアネート。具体的には、デグサ(degussa) 社製、 VESTANAT T1890)が挙げられる。
これら反応性相溶化剤のうちの1種のみを用いてもよく、必要に応じて2種以上を混合して用いてもよい。
共重合体系相溶化剤(E)としては、例えば、ポリエチレン−ポリアミドグラフト共重合体(PE−PA GP)、ポリプロピレン−ポリアミドグラフト共重合体(PP−PA GP)等が挙げられる。また、アルコキシ基、アミノ基、メルカプト基、ビニル基、エポキシ基、アセタール基、マレイン酸基、オキサゾリン基及びカルボン酸基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を含み、メルトフローレートが1以上の低粘度の共重合体ポリマーが挙げられ、具体的には、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、EVA・PVC・グラフト共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、水添スチレン−イソプロピレン−ブロック共重合体等が挙げられる。具体的には、三井・デュポンポリケミカル製、エルバロイが例示される。
これら共重合体系相溶化剤のうちの1種のみを用いてもよく、必要に応じて2種以上を混合して用いてもよい。
リン系難燃剤(d)は、ポリリン酸塩化合物、有機リン酸化合物等のリン系難燃剤から選ばれる。ポリリン酸塩化合物としては、ポリリン酸アンモニウム(APP)、ポリリン酸メラミン等が挙げられる。有機リン酸化合物としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート等の芳香族リン酸エステル類; 芳香族縮合リン酸エステル類; トリスジクロロプロピルホスフェート、トリス−クロロプロピルホスフェート等の含ハロゲンリン酸エステル類; 含ハロゲン縮合リン酸エステル類等が挙げられる。これらの中でも、植物由来ポリマー(a)、前記ポリマー(b)及び相溶化剤(c)相互の相溶性を維持しつつ、難燃性を付与できる点でポリリン酸アンモニウムが好ましい。
本発明において、さらに、炭化や発泡チャー生成による形状保持効果、難燃剤との組み合わせによる相乗効果を得るために、難燃助剤を配合してもよい。難燃助剤としては、例えば、シリカ系化合物、デキストリン、ペンタエリスリトール、アモニウム塩、メラミン等等が挙げられる。ポリリン酸アンモニウム(APP)とペンタエリスリトールとの組み合わせによる難燃効果は高い。
本発明において、植物由来プラスチック材料は、例えば、植物由来ポリマー(a)20〜100重量部と、前記ポリマー(b)5〜100重量部と、前記植物由来ポリマー(a)と前記ポリマー(b)の合計100重量部に対して前記相溶化剤(c)1〜30重量部と、前記植物由来ポリマー(a)と前記ポリマー(b)の合計100重量部に対して前記難燃剤(d)1〜50重量部とを含む。前記植物由来ポリマー(a)、前記ポリマー(b)、前記相溶化剤(c)、又は前記リン系難燃剤(d)を複数種用いる場合には、それらの合計量が前記範囲となるようにするとよい。
前記植物由来ポリマー(a)が20重量部未満であると、グリーンプラスチックとしての本来性能が得られにくい。
前記ポリマー(b)の配合量が5重量部未満であると、ポリマー(b)による改善効果が得られにくい。一方、ポリマー(b)が100重量部を超えると、相対的に植物由来ポリマー(a)の配合が減るので、植物由来プラスチック材料における植物由来度合いが低下する。植物由来プラスチック材料の用途を考慮して、ポリマー(b)の使用量を適宜決めるとよい。
前記相溶化剤(c)の配合量が(a)と(b)の合計100重量部に対して1重量部未満であると、植物由来ポリマー(a)と前記ポリマー(b)との相溶化効果が得られにくく、前記ポリマー(b)による改善効果が発現されにくい。一方、相溶化剤が(a)と(b)の合計100重量部に対して30重量部を超えると、相溶化効果は飽和し、得られる植物由来プラスチック材料としての植物由来度合いが低下する。植物由来プラスチック材料の用途を考慮して、相溶化剤の使用量を適宜決めるとよい。
前記リン系難燃剤(d)の配合量が(a)と(b)の合計100重量部に対して1重量部未満であると、難燃性付与効果が得られにくい。一方、難燃剤(d)が(a)と(b)の合計100重量部に対して50重量部を超えると、植物由来プラスチック材料の物性が低下するし、また、この範囲の配合量で難燃剤(d)の実用上十分な難燃性付与効果が得られる。
本発明において、植物由来プラスチック材料は、植物由来ポリマー(a)20〜100重量部と、前記ポリマー(b)5〜70重量部と、(a)と(b)の合計100重量部に対して前記相溶化剤(c)1〜30重量部と、(a)と(b)の合計100重量部に対して前記リン系難燃剤(d)1〜50重量部とを含むことが好ましく、植物由来ポリマー(a)30〜100重量部と、前記ポリマー(b)5〜60重量部と、(a)と(b)の合計100重量部に対して前記相溶化剤(c)1〜15重量部と、(a)と(b)の合計100重量部に対して前記難燃剤(d)15〜40重量部とを含むことがより好ましい。難燃助剤を配合する場合の量は、(a)と(b)の合計100重量部に対して1〜15重量部程度とするとよい。
本発明において、植物由来プラスチック材料には、さらに他の添加剤、例えば、有機又は無機フィラー、アンチブロッキング剤、結晶化促進剤、ガス吸着剤、老化防止剤(エステル、アミド等)、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、粘着付与剤、可塑剤(ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸又はそれらの金属塩等)、軟化剤(鉱物油、ワックス、パラフィン類等)、安定剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、変性剤、着色剤、カップリング剤、防腐剤、防カビ剤等の添加剤を適宜配合してもよい。
植物由来プラスチック材料を得るための配合方法は、特に限定されることなく、通常の溶融混練方法により行うことができる。例えば、植物由来ポリマー(a)、前記ポリマー(b)、前記相溶化剤(c)、前記リン系難燃剤(d)及びその他の任意成分を、ロールニーダー、バンバリーミキサー、インターミックス、1軸押出機、2軸押出機などの混練機で混練すると良い。混練は、前記混練機のうちから選ばれる1種の混練機を用いて行ってもよく、又は2種以上の混練機を用いて行ってもよい。
植物由来ポリマー(a)、前記ポリマー(b)、前記相溶化剤(c)及び前記リン系難燃剤(d)を含む植物由来プラスチック材料を常法により成形して各種成形品とする。また、前記植物由来プラスチック材料にさらに必要に応じて添加剤を加えて、被覆材料、コーティング材料又は接着材料とすることも可能である。
前記植物由来プラスチック材料からの各種成形品は、常法の成形法により製造することができる。例えば、押出成形品、射出成形品、ブロー成形品、Tダイから押出成形されたシート或いはフィルム、インフレーションフィルム、溶融紡糸法によるマルチフィラメント、モノフィラメント、フラットヤーン、ステープルファイバー、スパンボンド不織布、フラッシュ紡糸不織布等の繊維状構造物、各種発泡成形品が得られる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
ポリ乳酸 PLA(レイシアH100、三井化学製)30重量部、ポリカーボネート PC(パンライトL1225L、帝人化成株式会社製)70重量部、相溶化剤I(反応性相溶化剤、LOTADER F0206、アルケマ製)5重量部、及びポリリン酸アンモニウム(エクソリットAP422、クラリアント社製)10重量部を、2軸押出機(株式会社テクノベル製、KZW15−30MG)を用いて、250℃にて常法にて溶融混練し、約3mmの直径で水中に押し出し・固化し、次いで3mm長に切断し、樹脂チップを得た。この際の押出条件は以下の通りであった。
<押出条件>
温度設定:フィード 230℃、混練部 250℃、ヘッド 250℃
回転数:600rpm
[実施例2〜5、比較例1〜2]
表1に示す配合とした以外は、実施例1と同様にして樹脂チップを得た。実施例5においては、難燃助剤としてSiO2 (エアロジル50、日本エアロジル社製)8重量部を2軸押出機に添加し溶融混練した。
[植物由来プラスチック材料の評価]
(難燃性試験)
1.LOI法
JIS K7201に準拠して、上部点火の際の難燃性測定を実施した。このLOI試験には、上記各実施例及び比較例において2軸押出機から押し出し・固化した直径約3mmのストランドをそのまま使用した。
2.UL−94V法
上記各実施例及び比較例において得られたチップをプレス成形(プレス成形機:株式会社神藤金属工業所製)して、UL−94V法用の難燃性試験片(10mm×120mm×3mm)を作製した。UL−94規格に準拠して、下部点火の際の難燃性測定を実施した。
以上の測定結果を表1に示す。
[実施例6]
ポリ乳酸 PLA(レイシアH100、三井化学製)30重量部、ポリブチレンテレフタレート PBT(C7000 NN、帝人化成株式会社製)70重量部、相溶化剤I(反応性相溶化剤、LOTADER F0206、アルケマ製)5重量部、及びポリリン酸アンモニウム(エクソリットAP422、クラリアント社製)20重量部を、2軸押出機(株式会社テクノベル製、KZW15−30MG)を用いて、230℃にて常法にて溶融混練し、約3mmの直径で水中に押し出し・固化し、次いで3mm長に切断し、樹脂チップを得た。この際の押出条件は以下の通りであった。
<押出条件>
温度設定:フィード 210℃、混練部 230℃、ヘッド 230℃
回転数:600rpm
[実施例6、比較例3〜4]
表2に示す配合とした以外は、実施例6と同様にして樹脂チップを得た。
植物由来プラスチック材料の評価を上述したのと同様に行った。

Claims (5)

  1. 植物由来ポリマー(a)と、前記ポリマー(a)以外の他のポリマー(b)と、アイオノマー樹脂、オキサゾリン系相溶化剤、エラストマー系相溶化剤、反応性相溶化剤、及び共重合体系相溶化剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の相溶化剤(c)と、リン系難燃剤(d)とを含む、植物由来プラスチック材料。
  2. 前記ポリマー(b)は、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ナイロン系樹脂、スチレン系樹脂、及びポリオレフィン系樹脂からなる群から選ばれる、請求項1に記載の植物由来プラスチック材料。
  3. 前記リン系難燃剤(d)は、ポリリン酸塩化合物である、請求項1又は2に記載の植物由来プラスチック材料。
  4. 植物由来ポリマー(a)20〜100重量部と、前記ポリマー(b)5〜100重量部と、前記植物由来ポリマー(a)と前記ポリマー(b)の合計100重量部に対して前記相溶化剤(c)1〜30重量部と、前記植物由来ポリマー(a)と前記ポリマー(b)の合計100重量部に対して前記難燃剤(d)1〜50重量部とを含む、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の植物由来プラスチック材料。
  5. 請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の植物由来プラスチック材料から構成されたプラスチック成形体。
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