JP2008015200A - カラーフィルタ用着色組成物、およびそれを用いたカラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ用着色組成物、およびそれを用いたカラーフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】微細化処理した顔料を用いても、現像性が良好で、感度が高く、且つ形成されるフィルタセグメントのパターン形状が優れたカラーフィルタ用着色組成物、および優れたパターン形状のフィルタセグメントを具備するカラーフィルタの提供。
【解決手段】透明樹脂およびその前駆体からなる顔料担体と、顔料と、2〜4個の水酸基を有する光重合開始剤とを含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物、および該着色組成物から形成されるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラー液晶表示装置、カラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用着色組成物およびこれを用いて形成されるカラーフィルタに関する。
液晶表示装置は、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示を行う表示装置であり、ツイストネマチック(TN)型液晶を用いるタイプが主流となっている。液晶表示装置は、2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設けることによりカラー表示が可能となり、近年、テレビやパソコンモニタなどに用いられるようになったことから、カラーフィルタに対して高輝度化、高コントラスト化の要求が高まっている。
カラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメントを平行または交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したものからなっている。フィルタセグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
一般的に、カラー液晶表示装置では、カラーフィルタの上に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極および配向膜の性能を充分に得るには、その形成を一般に200℃以上、好ましくは230℃以上の高温で行う必要がある。このため、現在、カラーフィルタの製造方法としては、耐光性、耐熱性に優れる顔料を着色剤とする顔料分散法と呼ばれる方法が主流となっている。
しかし、一般に顔料を分散したカラーフィルタは、顔料による光の散乱等により、液晶が制御した偏光度合いを乱してしまうという問題がある。すなわち、光を遮断しなければならないとき(OFF状態)に光が漏れたり、光を透過しなければならないとき(ON状態)に透過光が減衰したりするため、ON状態とOFF状態における表示装置上の輝度の比(コントラスト比)が低いという問題がある。
カラーフィルタの高輝度化、高コントラスト化を実現させるため、これまでは、フィルタセグメント中に含まれる顔料を微細化処理することが行われていた。
しかし、顔料を微細化すると、現像性が悪化する等の問題が発生する。このような問題を解決するため、感光性着色組成物の現像性を向上させるが必要であり、一般的には、(1)樹脂の酸価および分子量の選択、(2)モノマーの選択あるいは増量が行われる。
特開2000−72814号公報 特開2004−19979号公報
しかし、樹脂の酸価アップや分子量ダウンおよびモノマーの選択や増量だけでは、現像性向上には限界がある。特に、モノマーを増量すると、タック等の問題が生じる。
そこで、本発明は、微細化処理した顔料を用いても、現像性が良好で、感度が高く、且つ形成されるフィルタセグメントのパターン形状が優れたカラーフィルタ用着色組成物の提供を目的とする。
また、本発明は、優れたパターン形状のフィルタセグメントを具備するカラーフィルタの提供を目的とする。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、透明樹脂およびその前駆体からなる顔料担体と、顔料と、2〜4個の水酸基を有する光重合開始剤とを含有することを特徴とする。
また、本発明のカラーフィルタは、本発明の着色組成物から形成されるフィルタセグメントを具備することを特徴とする。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、光重合開始剤として、2〜4個の水酸基を有する光重合開始剤を用いているため、微細化された顔料を含む場合であっても、現像性が良好であり、感度も高く、優れたパターン形状のフィルタセグメントを形成することができる。
まず、本発明のカラーフィルタ用着色組成物について説明する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、透明樹脂およびその前駆体からなる顔料担体と、顔料と、2〜4個の水酸基を有する光重合開始剤とを含有する。
2〜4個の水酸基を有する光重合開始剤としては、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−フェノキシ]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−(4−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−エチル}−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−(4−{1−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−1,1−ジメチル}−フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン等が挙げられる。
2〜4個の水酸基を有する光重合開始剤の中では1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オンが、現像速度向上の点で好適に用いられる。
本発明の着色組成物には、上記光重合開始剤と共に、他の光重合開始剤を用いることができる。
他の光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、1,2-オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6− (2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系光重合開始剤、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系光重合開始剤、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤等が用いられる。これらの光重合開始剤は1種または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
前記光開始剤の中では、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、1,2-オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6− (2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドが、感度を保つという点で好適に用いられる。
2〜4個の水酸基を有する光重合開始剤と、他の光重合開始剤とは、重量比で好ましくは1:99〜60:40、より好ましくは5:95〜50:50の割合で含有される。2〜4個の水酸基を有する光重合開始剤の配合量が上記範囲よりも少なければ、現像性が充分に改善されず、逆に上記範囲よりも多いと、感度が低下したり、形成されるフィルタセグメントのパターン形状が悪くなる可能性がある。
光重合開始剤は、合計して、着色組成物中の顔料100重量部に対して、5〜200重量部、好ましくは10〜150重量部の量で用いることができる。
本発明の着色組成物には、増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン等を含有させることもできる。増感剤は、光重合開始剤100重量部に対して、0.1〜150重量部の量で用いることができる。
顔料としては、形成するフィルタセグメントの色相の顔料が用いられる。
赤色フィルタセグメントを形成する場合には、赤色顔料を含有する本発明の着色組成物が用いられる。赤色顔料としては、下記一般式(1)〜(3)で表される顔料を用いることができる。
Figure 2008015200
(上記式(1)、(2)において、Aは、それぞれ独立に、水素原子または置換基を有してもよいアルキル基もしくはアリール基を表す。(3)において、Bは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい飽和もしくは不飽和のアルキル基、シアノ基、置換基を有してもよいアリール基、またはハロゲン基を示す。)
一般式(1)で表される赤色顔料としては、C.I.Pigment Red 177が挙げられ、一般式(2)で表される赤色顔料としては、C.I.Pigment Red 89が挙げられるが、色相、分光特性の点から、C.I.Pigment Red 177が好ましい。
一般式(3)で表される赤色顔料としては、C.I.Pigment Red 254、264等が挙げられるが、色相、分光特性の点から、C.I.Pigment Red 254が好ましい。
赤色顔料としては、上記一般式(1)〜(3)で表される赤色顔料のほか、C.I.Pigment Red 7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、81:4、146、184、185、187、200、202、208、210、246、255、270、272、279等を用いることもできる。
赤色顔料を含有する着色組成物には、C.I.Pigment Orange 36、43、51、55、59、61、71、73等の橙色顔料を併用することができる。
また、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214等の黄色顔料を併用することもできる。
本発明の着色組成物に含まれる赤色顔料の比表面積は、85〜130m2/gであることが好ましい。
赤色顔料の比表面積が85m2/gより低い場合には、カラーフィルタの輝度やコントラスト比が低くなるため好ましくない。また、赤色顔料の比表面積が130m2/gより高い場合には、着色組成物として安定性を保ち、流動性を確保することが困難になると共に、カラーフィルタの輝度やコントラスト比の特性が極端に悪化する可能性がある。
緑色フィルタセグメントを形成する場合には、緑色顔料を含有する本発明の着色組成物が用いられる。緑色顔料としては、下記一般式(4)で表される顔料を用いることができる。
Figure 2008015200
(上記式(4)において、aは0〜16の整数を表し、bは0〜16の整数を表し、14≦a+b≦16である。)
一般式(4)で表される緑色顔料としては、C.I.Pigment Green 7、15、36、37が挙げられるが、色相、分光特性の点から、C.I.Pigment Green 7および/またはC.I.Pigment Green 36が好ましい。
緑色顔料としては、上記一般式(4)で表される緑色顔料のほか、C.I.Pigment Green 4、10、15、37等の緑色顔料を用いることもできる。
また、緑色顔料を含有する着色組成物には、色度調色のために、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214等の黄色顔料を併用することができる。
本発明の着色組成物に含まれる緑色顔料の比表面積は、60〜100m2/gであることが好ましい。
緑色顔料の比表面積が60m2/gより低い場合には、カラーフィルタの輝度やコントラスト比が低くなるため好ましくない。また、緑色顔料の比表面積が100m2/gより高い場合には、着色組成物として安定性を保ち、流動性を確保することが困難になると共に、カラーフィルタの輝度やコントラスト比の特性が極端に悪化する可能性がある。
青色フィルタセグメントを形成する場合には、青色顔料を含有する本発明の着色組成物が用いられる。青色顔料としては、下記一般式(5)で表される顔料を用いることができる。
Figure 2008015200
(上記式(5)において、cは0≦c≦1である。)
一般式(5)で表される青色顔料としては、C.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、等が挙げられるが、色相、分光特性の点から、C.I.Pigment Blue 15:6が好ましい。
青色顔料としては、上記一般式(5)で表される青色顔料のほか、C.I.Pigment Blue 16、22、60、64等の青色顔料を用いることもできる。
青色顔料を含有する着色組成物には、、C.I.Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができる。
本発明の着色組成物に含まれる青色顔料の比表面積は、90〜140m2/gであることが好ましい。
青色顔料の比表面積が90m2/gより低い場合には、カラーフィルタの輝度やコントラスト比が低くなるため好ましくない。また、青色顔料の比表面積が140m2/gより高い場合には、着色組成物として安定性を保ち、流動性を確保することが困難になると共に、カラーフィルタの輝度やコントラスト比の特性が極端に悪化する可能性がある。
顔料の比表面積を制御する手段としては、顔料を機械的に粉砕して比表面積を制御する方法(磨砕法と呼ぶ)、良溶媒に溶解したものを貧溶媒に投入して所望の比表面積の顔料を析出させる方法(析出法と呼ぶ)、および合成時に所望の比表面積の顔料を製造する方法(合成析出法と呼ぶ)等がある。使用する顔料の合成法や化学的性質等により、個々の顔料について適当な方法を選択して行うことができる。
以下にそれぞれの方法について説明するが、本発明の着色組成物に含まれる顔料の比表面積の制御方法は、上記方法のいずれを用いてもよい。
磨砕法は、顔料をボールミル、サンドミルまたはニーダーなどを用いて、食塩等の水溶性の無機塩などの磨砕剤およびそれを溶解しない水溶性有機溶剤とともに機械的に混練(以下、この工程をソルトミリングと呼ぶ)した後、無機塩と有機溶剤を水洗除去し、乾燥することにより所望の比表面積の顔料を得る方法である。ただし、ソルトミリング処理により、顔料が結晶成長する場合があるため、処理時に上記有機溶剤に少なくとも一部溶解する固形の樹脂や顔料分散剤を加えて、結晶成長を防ぐ方法が有効である。
顔料と無機塩の比率は、無機塩の比率が多くなると顔料の微細化効率は良くなるが、顔料の処理量が少なくなるために生産性が低下する。一般的には、顔料が100重量部に対して無機塩を100〜3000重量部、好ましくは200〜2000重量部用いるのが好適である。また、上記水溶性有機溶剤は、顔料と無機塩とが均一な固まりとなるように加えるもので、顔料と無機塩との配合比にもよるが、顔料100重量部に対して500〜3000重量部が用いられる。
上記ソルトミリングについてさらに具体的には、顔料と水溶性の無機塩の混合物に湿潤剤として少量の水溶性有機溶剤を加え、ニーダー等で強く練り込んだ後、この混合物を水中に投入し、ハイスピードミキサー等で攪拌しスラリー状とする。次に、このスラリーを濾過、水洗して乾燥することにより、所望の比表面積の顔料を得ることができる。
析出法は、顔料を適当な良溶媒に溶解させたのち、貧溶媒と混ぜ合わせて、所望の比表面積の顔料を析出させる方法で、溶媒の種類や量、析出温度、析出速度などにより比表面積の大きさが制御できる。一般に顔料は溶媒に溶けにくいため、使用できる溶媒は限られるが、例として濃硫酸、ポリリン酸、クロロスルホン酸などの強酸性溶媒または液体アンモニア、ナトリウムメチラートのジメチルホルムアミド溶液などの塩基性溶媒などが知られている。
本法の代表例としては、酸性溶剤に顔料を溶解させた溶液を他の溶媒中に注入し、再析出させて微細粒子を得るアシッドペースティング法がある。工業的にはコストの観点から硫酸溶液を水に注入する方法が一般的である。硫酸濃度は特に限定されないが、95〜100%が好ましい。顔料に対する硫酸の使用量は特に限定されないが、少ないと溶液粘度が高くハンドリングが悪くなり、逆に多すぎると顔料の処理効率が低下するため、顔料に対して3〜10重量倍の硫酸を用いることが好ましい。なお、顔料は完全溶解している必要はない。溶解時の温度は0〜50℃が好ましく、これ以下では硫酸が凍結するおそれがありかつ溶解度も低くなる。高温すぎると副反応が起こりやすくなる。注入される水の温度は1〜60℃が好ましく、この温度以上で注入を始めると硫酸の溶解熱で沸騰して作業が危険である。これ以下の温度では凍結してしまう。注入にかける時間は顔料1部に対して0.1〜30分が好ましい。時間が長くなるほど比表面積は小さくなる傾向がある。
本発明の着色組成物に含まれる顔料の比表面積の制御は、アシッドペースティング法などの析出法とソルトミリング法などの磨砕法を組み合わせた手法を選択することにより、顔料の整粒度合を考慮しつつ行うことができ、さらにはこのとき分散体としての流動性も確保できることからより好ましい。
ソルトミリング時あるいはアシッドペースティング時には、比表面積制御に伴う顔料の凝集を防ぐために、下記に示す誘導体や樹脂型顔料分散剤、界面活性剤等の分散助剤を併用することもできる。また、比表面積制御を2種類以上の顔料を共存させた形で行うことにより、単独では分散が困難な顔料であっても安定な分散体として仕上げることができる。
特殊な析出法としてロイコ法がある。フラバントロン系、ペリノン系、ペリレン系、インダントロン系等の建染染料系顔料は、アルカリ性ハイドロサルファイトで還元すると、キノン基がハイドロキノンのナトリウム塩(ロイコ化合物)になり水溶性になる。この水溶液に適当な酸化剤を加えて酸化することにより、水に不溶性の比表面積の大きな顔料を析出させることができる。
合成析出法は、顔料を合成すると同時所望の比表面積の顔料を析出させる方法である。しかし、生成した微細顔料を溶媒中から取り出す場合、顔料粒子が凝集して大きな二次粒子になっていないと一般的な分離法である濾過が困難になるため、通常、二次凝集が起きやすい水系で合成されるアゾ系等の顔料に適用されている。
さらに、顔料の比表面積を制御する手段として、顔料を高速のサンドミル等で長時間分散すること(粉砕助剤および有機液体の不存在下で顔料を乾式粉砕する、いわゆるドライミリング法)により、顔料の比表面積を大きくすると同時に分散することも可能である。
本発明の着色組成物に含まれる顔料を分散させる顔料担体は、透明樹脂およびその前駆体により構成される。透明樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および活性エネルギー線硬化性樹脂が含まれ、その前駆体には、活性エネルギー線照射により硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。
透明樹脂は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、20〜400重量部、好ましくは50〜250重量部の量で用いることができる。また、透明樹脂の前駆体は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、10〜300重量部、好ましくは10〜200重量部の量で用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
透明樹脂の前駆体であるモノマー、オリゴマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1, 6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられ、これらを単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
本発明の着色組成物は、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストの形態で調整することができる。着色レジストは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または活性エネルギー線硬化性樹脂とモノマーを含む顔料担体中に顔料を分散させたものであり、1種または2種以上の顔料を、必要に応じて光重合開始剤と共に、顔料担体中に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。また、本発明の着色組成物は、各々の顔料を別々に顔料担体に分散したものを混合して製造することもできる。
顔料を顔料担体中に分散する際には、適宜、顔料誘導体、樹脂型顔料分散剤、界面活性剤等の分散助剤を用いることができる。分散助剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて顔料を顔料担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。
顔料誘導体は、下記一般式(6)で示される化合物であり、塩基性置換基を有するものと酸性置換基を有するものとがある。
式(6)
A−B
A:有機顔料残基
B:塩基性置換基または酸性置換基
式(6)中、Aの有機顔料残基を構成する有機顔料としては、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料等が挙げられる。
式(6)中、Bの塩基性置換基としては、下記式(7)、式(8)、式(9)、および式(10)で示される置換基が挙げられ、酸性置換基としては、式(11)、式(12)、および式(13)で示される置換基が挙げられる。
Figure 2008015200
X:−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2−または直接結合を表す。
n:1〜10の整数を表す。
1、R2:それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1〜36のアルキル基、置換されていてもよい炭素数2〜36のアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、またはR1 とR2 とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む、置換されていてもよい複素環を表す。
3:置換されていてもよい炭素数1〜36のアルキル基、置換されていてもよい炭素数2〜36のアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
4、R5、R6、R7:それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜36のアルキル基、置換されていてもよい炭素数2〜36のアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
Y:−NR8−Z−NR9−または直接結合を表す。
8、R9:それぞれ独立に水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜36のアルキル基、置換されていてもよい炭素数2〜36のアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
Z:置換されていてもよい炭素数1〜36のアルキレン基、置換されていてもよい炭素数2〜36のアルケニレン基、または置換されていてもよいフェニレン基を表す。
R:式(14)で示される置換基または式(15)で示される置換基を表す。
Q:水酸基、アルコキシル基、式(14)で示される置換基または式(15)で示される置換基を表す。なお、式(14)および式(15)において、R1〜R7およびnは、式(7)〜式(9)におけるR1〜R7およびnと同じである。
Figure 2008015200
Figure 2008015200
M:水素原子、カルシウム原子、バリウム原子、ストロンチウム原子、マンガン原子またはアルミニウム原子を表す。
i:Mの価数を表す。
10、R11、R12、R13:それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜36のアルキル基、置換されていてもよい炭素数2〜36のアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基またはポリオキシアルキレン基を表す。
式(7)〜式(10)および式(14)、式(15)で示される置換基を形成するために使用されるアミン成分としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N,N−エチルイソプロピルアミン、N,N−エチルプロピルアミン、N,N−メチルブチルアミン、N,N−メチルイソブチルアミン、N,N−ブチルエチルアミン、N,N−tert−ブチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N,N−sec−ブチルプロピルアミン、ジブチルアミン、ジーsec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N,N−イソブチル−sec−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、ジオクチルアミン、N,N−メチルオクタデシルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン、N,N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N,N−メチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノアミルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−メチルーラウリルアミノプロピルアミン、N,N−エチルーヘキシルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノエチルアミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノブチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニコペチン酸メチル、イソニコペチン酸エチル、2−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン等が挙げられる。
式(13)のスルホン酸アミン塩を形成するために使用されるアミン成分は1級、2級、3級、4級のいずれのアミンでもよく、例えば、1級アミンとしては、側鎖を有していてもよいへキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ラウリルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、エオコシルアミン等のアミン、もしくはそれぞれの炭素数に対応する不飽和アミンが挙げられる。
2級、3級および4級アミンとしては、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジラウリルモノメチルアミン、トリオクチルアミン、ジメチルジラウリルアンモニウムクロリド、ジメチルジオレイルアンモニウムクロリド、ジメチルジデシルアンモニウムクロリド、ジメチルジオクチルアンモニウムクロリド、トリメチルステアリルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド、トリメチルデシルアンモニウムクロリド、トリメチルヘキサデシルアンモニウムクロリド、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロリド、ジメチルラウリルテトラデシルアンモニウムクロリド、ジメチルヘキサデシルオクタデシルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
また、式(9)におけるR10、R11、R12、R13のいずれかがポリオキシアルキレン基を表す場合、その例としてはポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基等が挙げられる。
樹脂型顔料分散剤は、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、顔料担体と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の顔料担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型顔料分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などの油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
本発明の着色組成物には、顔料を充分に顔料担体中に分散させ、ガラス基板等の透明基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために溶剤を含有させることができる。溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。
溶剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、800〜4000重量部、好ましくは1000〜2500重量部の量で用いることができる。
また、本発明の着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、トリエチルホスフィン、トリフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを有するカラーフィルタである。カラーフィルタには、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメント、および少なくとも1つの青色フィルタセグメントを具備する加法混色型、および少なくとも1つのマゼンタ色フィルタセグメント、少なくとも1つのシアン色フィルタセグメント、および少なくとも1つのイエロー色フィルタセグメントを具備する減法混色型のものがある。本発明のカラーフィルタは、少なくとも一色のフィルタセグメントが本発明の着色組成物を用いて形成されたものである。他のフィルタセグメントは、2〜4個の水酸基を有する光重合開始剤以外の光重合開始剤のみを含有する着色組成物を用いて形成してもよい。
赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメントおよび青色フィルタセグメントは、上記の赤色顔料を含有する着色組成物、緑色顔料を含有する着色組成物、および青色顔料を含有する着色組成物を用いて、それぞれ形成することができる。
マゼンタ色フィルタセグメントは、例えば、C.I.Pigment Violet 1、19、C.I.Pigment Red 144、146、177、169、81等の紫色顔料および赤色顔料を含有するマゼンタ色着色組成物を用いて形成することができる。
また、シアン色フィルタセグメントは、例えば、C.I.Pigment Blue 15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、81等の青色顔料を含有するシアン色着色組成物を用いて形成することができる。
また、イエロー色フィルタセグメントは、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214等の黄色顔料を含有するイエロー色着色組成物を用いて形成することができる。
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、本発明の着色組成物を用いて透明基板上に各色のフィルタセグメントを形成することにより製造することができる。
透明基板としては、ガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。
印刷法による各色フィルタセグメントの形成は、上記各種の印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の板上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
フォトリソグラフィー法により各色フィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストとして調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジストの重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジストを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物は、いずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、透明基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめカラーフィルタ層を形成しておき、このカラーフィルタ層を所望の透明基板に転写させる方法である。
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は、「重量部」を表す。
まず、実施例および比較例で用いたアクリル樹脂溶液の調製について説明する。樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
[アクリル樹脂溶液の調製]
反応容器にシクロヘキサノン370部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でメタクリル酸20.0部、メチルメタクリレート10.0部、n−ブチルメタクリレート55.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、共重合体溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加して感光性樹脂溶液を調製した。得られた感光性樹脂の重量平均分子量は40000であった。
次に、下記の方法で処理顔料を製造した。
顔料粒子の比表面積は、窒素吸着によるBET法で求めた。なお、測定には、自動蒸気吸着量測定装置(日本ベル社製「BELSORP18」)を用いた。
(赤色処理顔料1の調製)
赤色顔料C.I.Pigment Red 177(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタルレッド A2B」、比表面積65m2/g):500部、塩化ナトリウム:3500部、およびジエチレングリコール:250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、赤色処理顔料1を得た。赤色処理顔料1の比表面積は90m2/gであった。
(赤色処理顔料2の調製)
赤色顔料C.I.Pigment Red 254(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガフォアレッド B−CF」、比表面積80m2/g):500部、塩化ナトリウム:5000部、およびジエチレングリコール:250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、赤色処理顔料2を得た。赤色処理顔料2の比表面積は95m2/gであった。
(緑色処理顔料1の調製)
緑色顔料C.I.Pigment Green 36(東洋インキ製造株式会社製「リオノールグリーン 6YK」、比表面積55m2/g):500部、塩化ナトリウム:750部、およびジエチレングリコール:250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で4時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、緑色処理顔料1を得た。緑色処理顔料1の比表面積は69m2/gであった。
(緑色処理顔料2の調製)
緑色顔料C.I.Pigment Green 36(東洋インキ製造株式会社製「リオノールグリーン 6YK」、比表面積55m2/g):500部、塩化ナトリウム:750部、およびジエチレングリコール:250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、緑色処理顔料2を得た。緑色処理顔料2の比表面積は78m2/gであった。
(緑色処理顔料3の調製)
緑色顔料C.I.Pigment Green 36(東洋インキ製造株式会社製「リオノールグリーン 6YK」、比表面積55m2/g):500部、塩化ナトリウム:1500部、およびジエチレングリコール:250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、緑色処理顔料3を得た。緑色処理顔料3の比表面積は85m2/gであった。
(青色処理顔料1の調製)
青色顔料C.I.Pigment Blue 15:6(東洋インキ製造社製「リオノールブルーES」、比表面積80m2/g):500部、塩化ナトリウム:2500部、およびジエチレングリコール:250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で12時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、青色処理顔料1を得た。青色処理顔料1の比表面積は99m2/gであった。
(赤色顔料分散体1の調製)
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合し、直径1mmのガラスビーズを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し赤色顔料分散体を作製した。
赤色処理顔料1 12.0部
アントラキノン系顔料誘導体 1.0部
Figure 2008015200
アクリル樹脂溶液 40.0部
シクロヘキサノン 48.0部
(赤色顔料分散体2の調製)
顔料を赤色処理顔料2に、顔料誘導体を下記構造のジケトピロロピロール系顔料誘導体に変更した以外は、赤色顔料分散体1と同様にして赤色顔料分散体2を作製した。
Figure 2008015200
(緑色顔料分散体1の調製)
顔料を緑色顔料(C.I. Pigment Green 36) (東洋インキ製造社製「リオノールグリーン6YK」)7.1部及びモノアゾ系顔料(C.I. Pigment Yellow 150)(ランクセス社製「E4GN」)3.9部に、顔料誘導体を下記構造のアゾ系顔料誘導体に変更した以外は、赤色顔料分散体1と同様にして緑色顔料分散体1を作製した。
Figure 2008015200
(緑色顔料分散体2の調製)
緑色顔料を緑色処理顔料1に変更した以外は、緑色顔料分散体1と同様にして緑色顔料分散体2を作製した。
(緑色顔料分散体3の調製)
緑色顔料を緑色処理顔料2に変更した以外は、緑色顔料分散体1と同様にして緑色顔料分散体3を作製した。
(緑色顔料分散体4の調製)
緑色顔料を緑色処理顔料3に変更した以外は、緑色顔料分散体1と同様にして緑色顔料分散体4を作製した。
(青色顔料分散体1の調製)
顔料を青色処理顔料1に、顔料誘導体を下記構造のフタロシアニン系顔料誘導体に変更した以外は、赤色顔料分散体1と同様にして青色顔料分散体1を作製した。
Figure 2008015200
[実施例1〜10および比較例1〜8](着色組成物の調整)
表1に示す配合組成で、混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、各色着色組成物を得た。
Figure 2008015200
モノマー :トリメチロールプロパントリアクリレート
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤A:1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ −2−メチル−1−プロパン−1−オン
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア 2959」)
光重合開始剤B:2−ヒドロキシ−1−(4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル− プロピオニル)−ベンジル]−フェニル)−2−メチル−プロパン−1 −オン
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア 127」)
光重合開始剤C:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア 184」)
光重合開始剤D:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル) −ブタノン−1
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア 369」)
実施例及び比較例で得られた着色組成物について、下記の方法で現像性、感度、パターニング性およびコントラスト比を評価した。
(現像性評価)
実施例1〜10、比較例1〜8で得られた着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコートにより、2μmなるような膜厚に塗布した。70℃で20分間のプリベークを行った後、23℃のアルカリ現像液にて赤色及び青色の着色組成物塗布基板の場合は30秒間、緑色の着色組成物塗布基板の場合は60秒間現像した後、イオン交換水で洗浄し、風乾した。なお、アルカリ現像液としては、炭酸ナトリウム1.5重量% 炭酸水素ナトリウム0.5重量% 陰イオン系界面活性剤(花王社製「ペリレックスNBL」)8.0重量%および水90重量%からなるものを用いた。
現像後の塗膜の膜厚を触針式表面形状測定器(Veeco社製「Dektak8」)で測定し、4段階で評価した。
○:現像後の塗膜なし
△:0μm<現像後の膜厚<0.2μm
×:0.2μm≦現像後の膜厚<0.7μm
××:0.7μm≦現像後の膜厚
(感度評価)
着色組成物を100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、厚さ2.0μmの塗膜を形成した。次に、70℃で20分間のプリベークを行った後、50μmの細線パターンを備えたマスクを介して紫外線露光を行った。その後、この基板を23℃の現像性評価で用いたものと同様のアルカリ現像液を用いてスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、風乾した。形成されたフィルタセグメントのパタ−ンがフォトマスクの画像寸法とおりに仕上がる照射露光量をもって着色組成物の感度とした。評価のランクは次の通りである。
○:100mJ/cm2未満
△:100mJ/cm2以上300mJ/cm2未満
×:300mJ/cm2以上
(パターニング性評価)
感度評価において、紫外線の露光量を飽和露光量+50mJ/cm2、アルカリ現像液での現像時間をそれぞれのレジスト塗膜の未露光部を洗い流すのに適正な時間とした以外は、同様の方法で基板を作成後、230℃で60分間加熱処理をし、その細線パターンの形状を、(1)パタ−ンの直線性、(2)パタ−ンの断面形状により評価した。
(1)については、500倍の光学顕微鏡を用いて目視評価を行った。評価のランクは、次の通りである。
○:直線性良好
△:部分的に直線性良好
×:直線性不良
(2)については、1万倍の走査型電子顕微鏡(SEM)により断面を観察して評価を行った。評価のランクは次の通りである。
○:順テーパー形状。
△:ノンテーパー形状。
×:逆テーパー形状。
(コントラスト比の評価)
着色組成物塗布基板について、図1に示す測定装置を用いて、下記の方法でコントラスト比を測定した。結果を表1に示す。
着色組成物塗布基板を2枚の偏光板の間に挟み、一方の偏光板側から液晶ディスプレー用バックライトユニット(7)を用いて光を照射する。バックライトユニットから出た光は、1枚目の偏光板(6)を通過して偏光され、ついで着色組成物塗布基板(4)(5)を通過し、2枚目の偏光板(3)に到達する。1枚目の偏光板と2枚目の偏光板の偏光面が平行であれば、光は1枚目の偏光板を透過するが、偏光面が直行している場合には光は2枚目の偏光板により遮断される。しかし、1枚目の偏光板によって偏光された光が、レジスト材塗布基板を通過するときに、顔料粒子による散乱等が起こり偏光面の一部にずれを生じると、偏光板が平行のときは2枚目の偏光板を透過する光量が減り、偏向板が直行のときは2枚目の偏光板を光の一部が透過する。この透過光の輝度を偏光板上の輝度計(1)にて測定し、偏光板が平行のときの輝度と直行のときの輝度との比をコントラスト比とする。
コントラスト比=(平行のときの輝度)/(直行のときの輝度)
従って、着色組成物塗布膜中の顔料により散乱が起こると、平行のときの輝度が低下し、かつ直行のときの輝度が増加するため、コントラスト比が低くなる。
なお、輝度計は株式会社トプコン社製「色彩輝度計BM−5A」、偏光板はサンリツ社製「偏光フィルムLLC2−92−18」を用いた。なお、測定に際しては、不要光を遮断するために、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色のマスクを当てた。
Figure 2008015200
表2に示すように、2〜4個の水酸基を有する光重合開始剤を用いた実施例1〜10の着色組成物は、現像性が良好であり、感度、得られたパタ−ンの直線性および断面形状も良好であったのに対し、2〜4個の水酸基を有する光重合開始剤を用いていない比較例1〜8の着色組成物は、現像性、感度、パタ−ンの直線性および断面形状のいずれかが不良であり、全てが良好となるものは得られなかった。
着色組成物塗布基板のコントラスト比を測定する装置の概念図である。
符号の説明
(1)輝度計
(2)マスク
(3)偏光板
(4)レジスト材塗膜
(5)ガラス
(6)偏光板
(7)バックライトユニット

Claims (8)

  1. 透明樹脂およびその前駆体からなる顔料担体と、顔料と、2〜4個の水酸基を有する光重合開始剤とを含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
  2. 顔料が、比表面積85〜130m2/gの赤色顔料であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  3. 赤色顔料が、C.I.Pigment Red 177および/またはC.I.Pigment Red 254であることを特徴とする請求項2記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  4. 顔料が、比表面積60〜100m2/gの緑色顔料であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  5. 緑色顔料が、C.I.Pigment Green 7および/またはC.I.Pigment Green 36であることを特徴とする請求項4記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  6. 顔料が、比表面積90〜140m2/gの青色顔料であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  7. 青色顔料が、C.I.Pigment Blue 15:6であることを特徴とする請求項6記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  8. 請求項1ないし7いずれか1項に記載の着色組成物から形成されるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
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