JP2008014448A - 車輪用軸受装置およびその製造方法 - Google Patents

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哲也 橋本
Kazunori Kubota
和則 久保田
Kazuo Komori
和雄 小森
Hiroshi Fujimura
啓 藤村
Yasuhiro Aritake
恭大 有竹
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Abstract

【課題】軸受機能へ悪影響を及ぼすことなく、車両への組立工程における内輪抜けを防止でき、またこの内輪抜け防止のためのハブ輪の拡径加締加工により、内輪と外方部材との間の軸受空間を密封するシール部材に歪みを生じさせることなく、前記軸受空間の気密性や耐泥水性が良好な車輪用軸受装置、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】内輪10のインボード側の端面の内周縁に段差部16を設ける。ハブ輪9のインボード側端の外周に、内輪10の段差部16の軸方向に向く段面16bに係合する加締部9cを拡径加締により設ける。内輪10と外方部材1との間の軸受空間を、内輪10のインボード側端の外周に圧入したシール部材8により密封する。シール部材8は、加締部9cの拡径加締加工よりも後に内輪10に嵌合させる。
【選択図】図2

Description

この発明は、自動車等の車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置、およびその製造方法に関する。
従来、駆動輪支持用の車輪用軸受装置として、図9に示すものが提案されている(例えば特許文献1)。これは、外方部材31と内方部材32の対向する軌道面33,34間にボールからなる転動体35を複列に介在させ、上記内方部材32を、車輪取付用ハブフランジ39aを外周に有するハブ輪39と、このハブ輪39のインボード側端の外周に嵌合した内輪40とで構成した形式のものである。ハブ輪39の中央の貫通孔41には、等速ジョイントの外輪43のステム部43aが挿通されてスプライン嵌合され、等速ジョイント外輪43の段面43bが内輪40のインボード側端面40aに押し当てられる。この状態で、前記ステム部43a先端にナット44を螺合させることにより、等速ジョイント外輪43とナット44とで内方部材32が幅締めされる。
この提案例では、ハブ輪39のインボード側端部の外周に形成した段部状の内輪嵌合部45に内輪40を外嵌させると共に、内輪40のインボード側端部の内周に段差部46を形成し、ハブ輪39のインボード側端を外径側に拡径変形させて前記内輪40の段差部46を加締めている。これにより、車両への組付け時に発生する外力による内輪40の抜けを防止している。
特開平9−164803号公報
しかし、上記した車輪用軸受装置には、以下のような問題がある。
(1)ハブ輪39の加締部39cが大きいため、図9の一部を拡大して示す図10のように、内輪40のインボード側端部に形成する段差部46の径方向段差を、半径差で5〜7mm程度とする必要がある。このように段差部46の段差を大きくすると、内輪40のインボード側端面40aの面積が小さくなるので、等速ジョイント外輪43の段面43bとの接触面圧が大きくなる。そのため、摩耗や異音の発生原因となる。
(2)ハブ輪39の加締部39cを内輪40のインボード側端より内側(アウトボード側)に収めようとすると、図10のように内輪40の段差部46の軸方向長さを7〜8mm程度にする必要がある。このように内輪段差部46の軸方向長さが長くなると、転動体接触角θの延長線L上に内輪段差部46が位置する傾向があり、運転時の負荷荷重による内輪変形が大きくなって短寿命となる可能性がある。また、内輪段差部46の軸方向長さが長くなると、それだけハブ輪39に対する内輪40の嵌め合い長さ(面積)が減少するので、内輪クリープが発生し、軸受寿命が低下する可能性がある。これらの問題は、内輪40全体の幅寸法を長くすれば回避できるが、それでは幅方向に余分なスペースが必要になる。
(3)また、ハブ輪39の加締部39cが大きいことから、揺動加締加圧において、加締パンチが内輪40と干渉し、加工が困難である。
このような課題を解決するものとして、内輪40の段差部46を内輪端面40aの内周面に相当する深さとなる浅いものとすることを試みた。段差部46をこのような浅いものとしても、軸受の車両への組付け時に作用する抜け力に対する十分な耐力が得られる。
このような小さな段差部46に対する加締部39cであると、加締加工を行う場合、揺動加締によらなくても、プレス加工による比較的簡易な方法で塑性変形させることができる。その場合、例えば図11に示すように、軸受装置をインボード側が上向きとなる姿勢で固定し、その状態で、ハブ輪39のインボード側端の上に加締パンチ19を下降させて、ハブ輪39の加締部39cを全周にわたって拡径させる。
しかし、上記プレス加工による拡径加締では、加締パンチ19がハブ輪39のインボード側端に接触中、内輪40の外径のシール圧入部40bも拡径し、加締パンチ19がハブ輪39から離れた瞬間に、前記シール圧入部40bが収縮する。このため、外方部材31と内輪40間にシール手段38が圧入された状態で加締加工を行うと、シール手段38のうちの内輪40側に取付けられるシール部材38aの薄肉の芯金38aaに歪みが残り、内輪40との締代が減少し、気密性や耐泥水性が低下する。なお、図11のシール手段38は、内輪40の外周に嵌合する上記第1のシール部材38aと、外方部材31の内周に嵌合する第2のシール部材38bとからなり、第1のシール部材38aの芯金38aaがスリンガーとされている。
気密性を確保するには、シール部材38aの初期締代を大きくすればよいが、大き過ぎると圧入時のこじれ等でシール部材38aに不具合が発生する可能性がある。したがって、気密性と圧入時のこじれ等を考慮し、部品公差を厳密にする必要があり、コストアップにつながる。
この発明の目的は、軸受機能へ悪影響を及ぼすことなく、車両への組立工程における内輪抜けを防止でき、またこの内輪抜け防止のためのハブ輪の拡径加締加工により、内輪と外方部材との間の軸受空間を密封するシール部材に歪みを生じさせることなく、前記軸受空間の気密性や耐泥水性が良好な車輪用軸受装置、およびその製造方法を提供することである。
この発明の車輪用軸受装置は、内周に複列の軌道面を有する外方部材と、前記各軌道面に対向する軌道面を外周に有する内方部材と、これら対向する軌道面の間に介在した複列の転動体とを備え、前記内方部材が車軸取付用のフランジを外周に有し中心に貫通孔を有するハブ輪と、このハブ輪のインボード側部の外周に設けられた段部状の内輪嵌合部に嵌合した内輪とでなり、前記ハブ輪および内輪に各列の前記軌道面を有し、前記内輪のインボード側の端面の内周縁に段差部を設け、ハブ輪のインボード側端の外周に、前記内輪の前記段差部の軸方向に向く段面に係合する加締部を拡径加締により設け、前記内輪と外方部材との間の軸受空間を、内輪のインボード側端の外周に圧入したシール部材により密封したものである。
この車輪用軸受装置において、前記シール部材は、前記加締部の拡径加締加工よりも後に前記内輪に嵌合させたものであることを特徴とする。
この発明の車輪用軸受装置は、内輪の内周面に段差部を設け、ハブ輪の加締加工による加締部を前記段差部内に係合させているので、車両への組付工程において発生する外力による内輪のハブ輪からの抜けを防止できる。段差部は、内輪の内周縁というごく限られた範囲のものとしたため、内輪の抜け耐力を確保しながら、段差部をできるだけ小さなものとできる。このため、段差部を設けながら内輪の端面の面積の減少が少なく、等速自在継手の段面との接触面圧の増加が抑制され、内輪クリープ発生等による摩耗や異音の発生を防止できて軸受寿命低下を抑制できる。
また、シール部材は加締部の拡径加締加工よりも後に内輪に嵌合させるため、シール部材の芯金に拡径加締加工による歪みが生じず、気密性や耐泥水性の低下を防止できる。
この発明において、前記シール部材が、前記内輪に嵌合する円筒部およびこの円筒部のインボード側端から外径側へ延びる立板部を有する断面L字状の芯金を有し、このシール部材である第1のシール部材に対向する第2のシール部材を前記外方部材の内径面に圧入し、前記第2のシール部材に第1のシール部材の芯金に摺接するシールリップを設けたものとするのが良い。
この構成とすると、内輪と外方部材との間の軸受空間の気密性や耐泥水性を向上させられる。
この発明の車輪用軸受装置の製造方法は、上記車輪用軸受装置に適用されるものであって、前記シール部材は、前記加締部の拡径加締加工よりも後に前記内輪に嵌合させることを特徴とする。
この製造方法によれば、シール部材を加締部の拡径加締加工よりも後に内輪に嵌合させるため、シール部材の芯金に拡径加締加工による歪みを発生させることがなく、気密性や耐泥水性を低下させずに車輪用軸受装置を製造することができる。
この発明の車輪用軸受装置は、内周に複列の軌道面を有する外方部材と、前記各軌道面に対向する軌道面を外周に有する内方部材と、これら対向する軌道面の間に介在した複列の転動体とを備え、前記内方部材が車軸取付用のフランジを外周に有し中心に貫通孔を有するハブ輪と、このハブ輪のインボード側部の外周に設けられた段部状の内輪嵌合部に嵌合した内輪とでなり、前記ハブ輪および内輪に各列の前記軌道面を有し、前記内輪のインボード側の端面の内周縁に段差部を設け、ハブ輪のインボード側端の外周に、前記内輪の前記段差部の軸方向に向く段面に係合する加締部を拡径加締により設け、前記内輪と外方部材との間の軸受空間を、内輪のインボード側端の外周に圧入したシール部材により密封したものであって、前記シール部材は、前記加締部の拡径加締加工よりも後に前記内輪に嵌合させたものであることを特徴とするため、軸受機能へ悪影響を及ぼすことなく、車両への組立工程における内輪抜けを防止でき、またこの内輪抜け防止のためのハブ輪の拡径加締加工により、内輪と外方部材との間の軸受空間を密封するシール部材に歪みを生じさせることなく、前記軸受空間の気密性や耐泥水性が良好なものとすることができる。
また、この発明の車輪用軸受装置の製造方法は、内周に複列の軌道面を有する外方部材と、前記各軌道面に対向する軌道面を外周に有する内方部材と、これら対向する軌道面の間に介在した複列の転動体とを備え、前記内方部材が車軸取付用のフランジを外周に有し中心に貫通孔を有するハブ輪と、このハブ輪のインボード側部の外周に設けられた段部状の内輪嵌合部に嵌合した内輪とでなり、前記ハブ輪および内輪に各列の前記軌道面を有し、前記内輪のインボード側の端面の内周縁に段差部を設け、ハブ輪のインボード側端の外周に、前記内輪の前記段差部の軸方向に向く段面に係合する加締部を拡径加締により設け、前記内輪と外方部材との間の軸受空間を、内輪のインボード側端の外周に圧入したシール部材により密封した車輪用軸受装置を製造する方法であって、前記シール部材は、前記加締部の拡径加締加工よりも後に前記内輪に嵌合させることを特徴とするため、軸受機能へ悪影響を及ぼすことなく、車両への組立工程における内輪抜けを防止でき、またこの内輪抜け防止のためのハブ輪の拡径加締加工により、内輪と外方部材との間の軸受空間を密封するシール部材に歪みを生じさせることなく、前記軸受空間の気密性や耐泥水性が良好な車輪用軸受装置を製造することができる。
この発明の実施形態を図1ないし図4と共に説明する。この実施形態は、第3世代型の内輪回転タイプで、かつ駆動輪支持用の車輪用軸受装置に適用したものである。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向外側寄りとなる側をアウトボード側と呼び、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
この車輪用軸受装置は、内周に複列の軌道面3を形成した外方部材1と、これら各軌道面3に対向する軌道面4を形成した内方部材2と、これら外方部材1および内方部材2の軌道面3,4間に介在した複列のボールからなる転動体5とで構成される。この車輪用軸受装置は、複列外向きアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体5は各列毎に保持器6で保持されている。上記軌道面3,4は断面円弧状であり、各軌道面3,4は転動体接触角θが背中合わせとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、シール手段7,8によりそれぞれ密封されている。
外方部材1は固定側の部材となるものであって、車体の懸架装置(図示せず)におけるナックルに取付けるフランジ1aを外周に有し、全体が一体の部品とされている。
内方部材2は回転側の部材となるものであって、外周に車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に、前記各列の軌道面4が形成されている。ハブ輪9は中心に貫通孔11を有する。ハブ輪9の軌道面4は、焼入れ処理による表面硬化処理面とされている。内輪10は、表面から芯部まで全体が焼入れ処理により硬化させてある。
図2および図3の拡大断面図で示すように、ハブ輪9のインボード側端の外周には、ハブ輪9の他の部分の外周よりも小径となった段部状の内輪嵌合部15が形成され、この内輪嵌合部15に内輪10が嵌合している。内輪10のインボード側の端面の内周縁には段差部16が設けられている。すなわち、内輪10の内径面におけるインボード側端には、この内輪10のインボード側の端面10aまで続き、この端面10aの内周縁に相当する深さの段差部16が設けられている。この段差部16は、内輪10の軌道面4の転動体接触角θを成す直線Lよりもインボード側に位置する。段差部16の内面は、円筒面からなるストレート部16aと、軸方向に向く段面16bとでなる形状とされている。段面16bは、軸方向に沿う断面が直線または曲線となる傾斜面とされている。なお、段面16bは、軸方向に垂直な面であっても良い。
ハブ輪9のインボード側端には、加締加工により内輪10の段差部16の軸方向に向く段面16bに係合する加締部9cが設けてある。図2は加締部9cの加締加工前の状態を、図3は加締加工後の状態をそれぞれ示す。この加締部9cは、加締加工の前および後とも、内径面が他の部分よりも大径となって肉厚が薄くされている。加締部9cは、内輪10の端面10aから突出しないものとするが、内輪10の段差部16の内径面に接触しないものであっても、また接触するものであっても良い。図2に示すように、加締部9cの加締加工前にはインボード側のシール手段8は取付けられておらず、加締加工後、シール手段8が圧入により外輪1と内輪10間に取付けられて、図3に示す組立完成品の状態となる。加締加工およびシール手段圧入の方法については後で説明する。
ハブ輪9の貫通孔11の内周面は、スプライン溝11aaの形成された一般形部分11aを有する。また、この一般径部分11aよりもインボード側の部分は、インボード側端の大径段差部11bと、この大径段差部11bよりも小径で前記一般径部分11aのスプライン溝11aaの溝底径よりも大径となる中間径段差部11cとでなる2段の段付き形状とされている。大径段差部11bの外周壁部分が、前記加締めが行われる円筒状部分である。さらに、中間径段差部11cは、内輪10の段差部16の軸方向位置Aよりも軸方向に深い位置Bとされている。
図4に示すように、インボード側のシール手段8は、内輪10の外周に嵌合する第1のシール部材21と、この第1のシール部材21に対向し外方部材1の内周に嵌合する第2のシール部材24とで構成される。第1のシール部材21またはその芯金22がスリンガとなる。
磁気エンコーダを兼ねる第1のシール部材21は、芯金22と、この芯金22に固着されるエンコーダゴム23とでなる。芯金22は、圧入用の円筒状部22aと、この円筒状部22aの一端から外径側に延びる立板部22bとを有する断面L字状の金属製環体とされており、その円筒状部22aを内方部材2の内輪10の外径面に圧入嵌合することで、第1のシール部材21が内方部材2に取付けられる。エンコーダゴム23は、磁性粉とゴム材を混練してなるリング状の部材であり、前記芯金22の立板部22bの円筒状部22aの突出側とは反対側の側面(軸受外側を向く面)に加硫接着され、円周方向に並ぶ磁極が着磁される。この第1のシール部材21におけるエンコーダゴム23に対面して、図4のように磁気センサ27を配置することで、車輪回転速度の検出用の回転検出装置が構成される。
第2のシール部材24は、芯金25と、この芯金25に加硫接着された弾性体26とでなる。芯金25は、圧入用の円筒状部25aと、この円筒状部25aの一端から内径側に延びる立板部25bとを有する断面逆L字状の金属製環体とされており、その円筒状部25aを外方部材1の内径面に圧入嵌合することで外方部材1に取付けられる。第2のシール部材24は、第1のシール部材21の芯金立板部22bに摺接するサイドリップ26aと芯金円筒状部22aに摺接するラジアルリップ26b,26cとを一体に有する。これらシールリップ26a〜26cは、芯金25に加硫接着された弾性体26の一部として設けられている。第2のシール部材24は、芯金25の外方部材1との嵌合部に弾性体26を抱持したものとしてある。すなわち、弾性体26は、芯金25の円筒状部25aの内径面から先端部外径までを覆う先端覆い部26dを有するものとし、この先端覆い部26dが、芯金25と外方部材1との嵌合部に介在する。芯金25の円筒状部25aと第1のシール部材21の芯金立板部22bとは僅かな径方向隙間をもって対峙させ、その隙間でラビリンスシール28を構成している。
この車輪用軸受装置の車両への組付けにおいては、等速ジョイント12の片方の継手部材となる外輪13のステム部13aをハブ輪9の貫通孔11に挿通させ、ステム部13aの外周のスプライン13aaと貫通孔11の内周面のスプライン溝11aaとをスプライン嵌合させ、ステム部13aの先端に螺合するナット14の締め付けにより、等速ジョイント外輪13を内方部材2に結合する。このとき、等速ジョイント外輪13に設けられたアウトボード側に向く段面13bが、内輪10のインボード側に向く端面10aに押し付けられ、等速ジョイント外輪13とナット14とで内方部材2が幅締めされる。
車輪取付用のハブフランジ9aはハブ輪9のアウトボード側端に位置しており、このハブフランジ9aにブレーキロータを介して車輪(いずれも図示せず)がハブボルト17で取付けられる。
この構成の車輪用軸受装置によると、内輪10の内周面に段差部16を設け、ハブ輪9の加締加工により加締部9cを前記段差部16の軸方向を向く段面16bに係合させているので、車両への組付工程において発生する外力による内輪10のハブ輪9からの抜けを防止できる。段差部16は、内輪10の内周縁というごく限られた範囲のものとしたため、内輪10の抜け耐力を確保しながら、段差部16をできるだけ小さなものとできる。このため、段差部16を設けながら内輪10の端面10aの面積の減少が少なく、等速ジョイント外輪13の段面13bとの接触面圧の増加が抑制され、摩耗や異音の発生を防止できて、軸受寿命の低下を抑制できる。
また、段差部16の軸方向範囲を、内輪10の軌道面4の転動体接触角θを成す直線Lにかからないインボード側の位置に限定しているため、運転時の負荷荷重による内輪10の変形を小さくでき、それだけ長寿命化が可能となる。また、内輪10の段差部16のアウトボード側端の軸方向位置Aを、貫通孔11の中間径段差部11cのインボード側端の軸方向位置Bよりもよりも浅くして、内輪段差部16の軸方向長さを短くしているので、ハブ輪9に対する内輪10の嵌め合い長さ(面積)を十分に確保でき、内輪クリープの発生を抑えて、軸受寿命の長期化を図ることができる。
ハブ輪9の貫通孔11は、スプライン溝11aaが形成された一般径部分11aよりもインボード側の部分を、インボード側端の大径段差部11bと、この大径段差部11bよりも小径で前記一般径部分11aよりも大径となる中間径段差部11cとでなる2段の段付き形状としたため、中間径段差部11cが、等速ジョイント外輪13のステム部13aを挿入するときの案内となり、組立性がより向上する。
この車輪用軸受装置では、ハブ輪9における軌道面4を焼入れ処理した表面硬化処理面としているため、転動寿命が確保できる。加締部9cは非熱処理部としているため、加締加工が容易に行える。内輪10は、小部品であって軌道面4を有し、かつハブ輪9に内径面が嵌合することから、前記のように表面から芯部までの全体を焼入れ処理により硬化させたものとすることができ、転動寿命に優れ、かつ嵌合面の耐摩耗性に優れたものとなる。
図5〜図8に、ハブ輪9の加締部9cの加締工程、およびインボード側シール手段8の圧入工程を示す。先ず、図5のようにハブ輪9のハブフランジ9aをハブボルト17で受け台18に取付け、軸受装置をインボード側が上向きとなる姿勢で受け台18の上に固定する。このとき、インボード側のシール手段8は、外輪1と内輪10間に取付けられていない。
この固定状態で、図6に示すように、先端外周面19aがテーパ状になった加締パンチ19をハブ輪9のインボード側端の上に下降させ、外周面がテーパ状の先端部をハブ輪9の内周に押し込むことにより、ハブ輪9の加締部9cを全周にわたりプレス加工する。これにより、図6(A)の一部を拡大して示す図6(B)のように、ハブ輪9の加締部9cが内輪段差部16に加締められ、軸方向を向く段面16bに係合する。加締パンチ19の先端外周面19aはテーパ面とされるため、上記加締加工が円滑に行われる。
その後、ハブ輪9のインボード側端から加締パンチ19を退避させ、図7のように、シール圧入治具29により、第1のシール部材21および第2のシール部材24からなるシール手段8(図4参照)を外輪1と内輪10間のインボード側の端部に圧入する。図8は、シール手段8の圧入が完了した状態を示す。
このように、インボード側のシール手段8の取付けをハブ輪9の加締部9cの加締加工の後としているため、シール手段8を取付けた状態で加締加工を行なう場合の不具合を回避することができる。すなわち、シール手段8を取付けた状態で加締加工を行なうと、加締パンチ19がハブ輪9のインボード側端に接触中、内輪10のシール圧入部も拡径し、加締パンチ19がハブ輪9から離れた瞬間に、前記シール圧入部が収縮するため、内輪10に嵌合する第1のシール部材21の芯金22に歪みが残り、内輪10との締代が減少して、気密性や耐泥水性が低下する。しかし、この製造方法であれば、第1のシール部材21が加締加工の影響を受けないため、シール手段8の気密性や耐泥水性の低下を招くことがない。このため、第1のシール部材21の初期締代を大きくする必要がなく、また初期締代を大きくすることによる圧入時のこじれ等の不具合の発生も回避できる。
インボード側のシール手段8は、内輪10の外周に嵌合する第1のシール部材21と、外方部材1の内周に嵌合する第2のシール部材24とからなり、第2のシール部材24に、第1のシール部材21の断面L字状をした芯金22に摺接するシールリップ26a〜26cを設けたものとしたため、内輪10と外方部材1との間の軸受空間の気密性や耐泥水性が良好である。
この発明の実施形態にかかる車輪用軸受装置の断面図である。 同車輪用軸受装置のハブ輪加締加工前の部分拡大断面図である。 同車輪用軸受装置のハブ輪加締加工後の部分拡大断面図である。 同車輪用軸受装置のインボード側シール手段の拡大断面図である。 同車輪用軸受装置の加締加工およびシール手段圧入の工程図その1である。 (A)は同車輪用軸受装置の加締加工およびシール手段圧入の工程図その2、(B)はそのVIB部拡大図である。 同車輪用軸受装置の加締加工およびシール手段圧入の工程図その3である。 同車輪用軸受装置の加締加工およびシール手段圧入の工程図その4である。 車輪用軸受装置の従来例の断面図である。 同従来例の部分拡大断面図である。 (A)は従来の加締加工を示す説明図、(B)はそのXIB部拡大図である。
符号の説明
1…外方部材
2…内方部材
3…外方部材の軌道面
4…内方部材の軌道面
5…転動体
7,8…シール手段
9…ハブ輪
9a…ハブフランジ
9c…加締部
10…内輪
11…貫通孔
15…内輪嵌合部
16…内輪の段差部
16a…内輪段差部のストレート部
16b…内輪段差部の軸方向に向く段面
19…加締パンチ
21…第1のシール部材
22,25…芯金
22a,25a…円筒部
22b,25b…立板部
23…エンコーダゴム
24…第2のシール部材
26…弾性体
26a…サイドリップ(シールリップ)
26b,26c…ラジアルリップ(シールリップ)
29…シール圧入治具
θ…転動体接触角
L…転動体接触角を成す直線

Claims (3)

  1. 内周に複列の軌道面を有する外方部材と、前記各軌道面に対向する軌道面を外周に有する内方部材と、これら対向する軌道面の間に介在した複列の転動体とを備え、前記内方部材が車軸取付用のフランジを外周に有し中心に貫通孔を有するハブ輪と、このハブ輪のインボード側部の外周に設けられた段部状の内輪嵌合部に嵌合した内輪とでなり、前記ハブ輪および内輪に各列の前記軌道面を有し、前記内輪のインボード側の端面の内周縁に段差部を設け、ハブ輪のインボード側端の外周に、前記内輪の前記段差部の軸方向に向く段面に係合する加締部を拡径加締により設け、前記内輪と外方部材との間の軸受空間を、内輪のインボード側端の外周に圧入したシール部材により密封した車輪用軸受装置であって、
    前記シール部材は、前記加締部の拡径加締加工よりも後に前記内輪に嵌合させたものであることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 請求項1において、前記シール部材が、前記内輪に嵌合する円筒部およびこの円筒部のインボード側端から外径側へ延びる立板部を有する断面L字状の芯金を有し、このシール部材である第1のシール部材に対向する第2のシール部材を前記外方部材の内径面に圧入し、前記第2のシール部材に第1のシール部材の芯金に摺接するシールリップを設けた車輪用軸受装置。
  3. 内周に複列の軌道面を有する外方部材と、前記各軌道面に対向する軌道面を外周に有する内方部材と、これら対向する軌道面の間に介在した複列の転動体とを備え、前記内方部材が車軸取付用のフランジを外周に有し中心に貫通孔を有するハブ輪と、このハブ輪のインボード側部の外周に設けられた段部状の内輪嵌合部に嵌合した内輪とでなり、前記ハブ輪および内輪に各列の前記軌道面を有し、前記内輪のインボード側の端面の内周縁に段差部を設け、ハブ輪のインボード側端の外周に、前記内輪の前記段差部の軸方向に向く段面に係合する加締部を拡径加締により設け、前記内輪と外方部材との間の軸受空間を、内輪のインボード側端の外周に圧入したシール部材により密封した車輪用軸受装置を製造する方法であって、
    前記シール部材は、前記加締部の拡径加締加工よりも後に前記内輪に嵌合させることを特徴とする車輪用軸受装置の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102777500A (zh) * 2012-07-30 2012-11-14 湖北新火炬科技股份有限公司 具有四唇密封结构的轮毂轴承单元
CN109899402A (zh) * 2017-12-08 2019-06-18 斯凯孚公司 车轮轴承单元和预组装方法

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