JP2008014207A - エンジンの燃料噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの動力性能等に影響を与えることなく、コモンレール圧を速やかに低下させて、ノック音を防止可能なエンジンの燃料噴射装置を提供する。
【解決手段】燃料噴射弁と、該燃料噴射弁から噴射する燃料を蓄えるコモンレールと、エンジン運転状態に応じた目標コモンレール圧を設定する目標コモンレール圧設定手段(コントロールユニット)と、前記コモンレールに、実コモンレール圧が、前記目標コモンレール圧設定手段で設定された目標コモンレール圧となるように燃料を供給する燃料供給手段(高圧燃料ポンプ、コントロールユニット)とを備えたエンジンの燃料噴射装置であって、減速時、主噴射後の所定のタイミングでポスト噴射を実行する噴射制御手段(コントロールユニット)を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、燃料噴射弁からコモンレールに蓄えられた高圧燃料を噴射するように構成されたエンジンの燃料噴射装置に関し、エンジンの燃料噴射制御の技術分野に属する。
一般に、エンジンの燃料噴射装置は、エンジン負荷とエンジン回転数とから求まる基本燃料噴射量を冷却水温や吸気温等で補正して目標燃料噴射量を算出すると共に、この目標燃料噴射量及びそのときの燃料圧力に基づいて燃料噴射弁の開弁時間を設定し、燃料噴射弁を駆動するように構成されている。
この燃料噴射装置は、前記燃料噴射弁に加え、前記燃料噴射弁から噴射する燃料を蓄えるコモンレールと、該コモンレールに燃料タンク等から燃料を供給する高圧燃料ポンプと、エンジン負荷等のエンジン運転状態に応じた目標コモンレール圧を設定すると共に、実コモンレール圧が目標コモンレール圧となるように高圧燃料ポンプを制御するコントロールユニット等を有しており、例えば、エンジン負荷が大きく目標燃料噴射量が多い場合には目標コモンレール圧が高く設定されて、実コモンレール圧が高くなるように燃料ポンプが制御され、目標燃料噴射量が少ない場合には目標コモンレール圧が低く設定されて、実コモンレール圧力が低くなるように燃料ポンプが制御されるようになっている。
しかし、このような構成の場合、以下のような問題が生じる虞がある。すなわち、アクセルペダルが比較的大きく踏み込まれてエンジン負荷が大きな状態においては、実コモンレール圧が比較的高くなるように制御される。一方、この状態においてアクセルペダルの踏み込みが急速に解除されると、エンジン負荷の急減により目標燃料噴射量が少なく設定されると共に、これに伴って目標コモンレール圧が低く設定されるが、仮に前記燃料ポンプを停止させてもコモンレール内に残留している燃料の影響により実コモンレール圧は急速には低下しないので、燃料噴射期間が極端に短くなり、その結果、短時間で大きな熱発生を伴う急速燃焼が発生してノック音が生じる場合がある。
この問題に対処するものとして、例えば、特許文献1には、主噴射を分割して、一部の燃料をパイロット噴射に当てることにより、燃焼を緩慢にさせて、ノック音の発生を抑制するようにしたものが開示されている。
特開2004−169633号公報
しかし、特許文献1に記載のように主噴射を分割してパイロット噴射を行うと、エンジントルク等の動力性能に影響を与える虞がある。
そこで、本発明は、エンジンの動力性能等への影響を抑制しつつ、コモンレール圧を速やかに低下させて、ノック音の発生を抑制可能なエンジンの燃料噴射装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、燃料噴射弁と、該燃料噴射弁から噴射する燃料を蓄えるコモンレールと、エンジン運転状態に応じた目標コモンレール圧を設定する目標コモンレール圧設定手段と、前記コモンレールに、実コモンレール圧が、前記目標コモンレール圧設定手段で設定された目標コモンレール圧となるように燃料を供給する燃料供給手段とが備えられたエンジンの燃料噴射装置であって、減速時、主噴射後の所定のタイミングでポスト噴射を実行する噴射制御手段が備えられていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載のエンジンの燃料噴射装置において、前記噴射制御手段は、減速時における実コモンレール圧が所定圧以上のときに、ポスト噴射を実行することを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1に記載のエンジンの燃料噴射装置において、前記噴射制御手段は、減速時における実コモンレール圧が第1所定圧以上で第2所定圧未満のときは、主噴射前の所定のタイミングでパイロット噴射を実行し、第2所定圧以上のときに、ポスト噴射を実行することを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項1に記載のエンジンの燃料噴射装置において、前記噴射制御手段は、減速時における実コモンレール圧が第1所定圧以上で第2所定圧未満のときは、主噴射前の所定のタイミングでパイロット噴射を実行し、第2所定圧以上のときに、パイロット噴射及びポスト噴射の両方を実行することを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項1に記載のエンジンの燃料噴射装置において、前記噴射制御手段は、減速時における実コモンレール圧が、前記目標コモンレール圧設定手段で設定された目標コモンレール圧に対して所定圧以上高いときに、ポスト噴射を実行することを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記請求項1から請求項5のいずれかに記載のエンジンの燃料噴射装置において、前記ポスト噴射は、複数回に分割して行われることを特徴とする。
次に、本発明の効果について説明する。
まず、請求項1に記載の発明によれば、減速時、主噴射後の所定のタイミングでポスト噴射が実行されるので、このポスト噴射の分多く燃料が噴射されることとなり、実コモンレール圧が速やかに低下することとなる。したがって、ポスト噴射を行わない場合と比較して、ノック音の発生が抑制されることとなる。
その場合に、ポスト噴射は、パイロット噴射とは異なり、燃料トルクに寄与しないため、動力性能に与える影響が少ないので、燃料の噴射量を比較的大きな量に設定することができる。したがって、パイロット噴射の場合よりも、実コモンレール圧をより速やかに低下させつつ、ノック音の発生を効果的に抑制することができる。
ところで、このようにポスト噴射を行うと、ポスト噴射を行わない場合よりも、燃料をよけいに噴射することとなり、燃費に悪影響を与えることとなるが、本発明者たちの研究によれば、ノック音は、実コモンレール圧が低い場合には発生しにくいことがわかった。
そこで、請求項2に記載の発明においては、減速時における実コモンレール圧が所定圧以上のときに、ポスト噴射を実行するようにしたものであり、これによれば、燃費の悪化を抑制しつつ、実コモンレール圧を迅速に低下させて、ノック音の発生を抑制することができる。
ところで、ポスト噴射は、前述のようにパイロット噴射よりも動力性能に与える影響が少ないので、パイロット噴射よりも燃料の噴射量を大きな量に設定することができるが、その一方で、燃費が悪化しやすいという問題がある。
そこで、請求項3に記載の発明においては、減速時における実コモンレール圧が第1所定圧以上で第2所定圧未満のときは、パイロット噴射を実行し、第2所定圧以上のときに、ポスト噴射を実行するようにしたものである。つまり、減速時における実コモンレール圧が、パイロット噴射では十分に低下させることができないほど高い場合に限り、燃料噴射量の大きなポスト噴射を実行するようにしたものであり、これにより、燃費の悪化を抑制しつつ、ノック音の発生を抑制することができる。なお、パイロット噴射は、実コモンレール圧が第2所定圧未満のとき、すなわち実コモンレール圧がある程度下り、ノック音の発生のピークが過ぎてから行われるので、このパイロット噴射の燃料噴射量は、ポスト噴射の燃料噴射量よりも少なくてよい。つまり、パイロット噴射において大量に燃料噴射を行うと、エンジンの運転状態に影響を与える虞があるが、実コモンレール圧が第2所定圧未満となってからパイロット噴射を行うので、実コモンレール圧が第2所定圧以上のときからパイロット噴射を行う場合よりも、パイロット噴射の燃料噴射量が少なくてすみエンジンの運転状態に与える影響が少なくてすむ。すなわち、動力性能に与える影響を抑制しつつ、実コモンレール圧を速やかに低下させて、ノック音の発生を効果的に抑制することができる。
また、請求項4に記載の発明においては、減速時における実コモンレール圧が第1所定圧以上で第2所定圧未満のときは、パイロット噴射を実行し、第2所定圧以上のときに、パイロット噴射及びポスト噴射の両方を実行するようにしたものである。これによれば、請求項4の場合と比べ、減速時における実コモンレール圧が第2所定圧以上のときは、ポスト噴射に加えてパイロット噴射も実行されるので、より確実に実コモンレール圧を速やかに低下させることができる。また、請求項3と同様の理由により、パイロット噴射によるエンジン運転状態による影響は少なくてすむ。
また、請求項5に記載の発明においては、減速時における実コモンレール圧が目標コモンレール圧に対して所定圧以上高いときに、ポスト噴射を実行するようにしたものである。すなわち、減速時においては、目標コモンレール圧は、比較的急速に低下設定されるが、減速時における実コモンレール圧と目標コモンレール圧との差が所定圧以内となった場合には、実コモンレール圧はほぼ予定のところまで低下したわけであるから、この場合、そのままポスト噴射を継続して急激にコモンレール圧を低下させる必要性が少ない。そこで、このような場合には、ポスト噴射を取りやめるようにしたものであり、これにより、燃費の悪化を抑制することができる。なお、この場合においても、実コモンレール圧と目標コモンレール圧との差が所定圧以内となるまでの間は、ポスト噴射が行われるので、当然ながら、実コモンレール圧を速やかに低下させて、ノック音の発生を抑制することができる。
また、請求項6に記載の発明によれば、ポスト噴射は、複数回に分割して行われるので、1回当たりの噴射量を少量とすることができ、コモンレール圧の制御性が良好なものとなる。
以下、本発明の実施の形態に係るエンジンの燃料噴射装置について説明する。
本実施形態においては、本発明は、図1に示すディーゼルエンジン1に適用されている。このエンジン1は、例えば4気筒エンジンであって、エンジン本体2のシリンダボア内を上下動するピストン3が4つ備えられている(図1には1つのみ図示)。エンジン本体2のシリンダヘッドには気筒毎にインジェクタ4が備えられている。インジェクタ4はピストン3が画成する気筒内燃焼室に燃料を直接噴射する。図外の燃料タンクとインジェクタ4との間の燃料供給経路上に高圧燃料ポンプ5及びコモンレール6が配置されている(同経路上の矢印は燃料の流れを示す)。ポンプ5は燃料タンクからコモンレール6に燃料を圧送し、コモンレール6は圧送された燃料を蓄積する。インジェクタ4が開弁すると、コモンレール6に蓄積された燃料がインジェクタ4の噴口から高圧で噴射される。このとき、インジェクタ4の開弁時間とコモンレール6内の燃料の圧力を制御することにより(高圧ポンプ5を制御することにより)燃料噴射量が制御可能である。また、インジェクタ4の開弁時期を制御することにより燃料噴射時期(噴射タイミング)が制御可能である。
吸気通路10には、図示しないエアクリーナ、エアフロメータ、過給機のコンプレッサ、インタークーラ、スロットル弁、吸気温センサ、吸気圧センサ、及び吸気弁18等が備えられている。排気通路20には、排気弁21、図示しない過給機のタービン、排気温センサ、酸化触媒、排気圧力センサ、パティキュレートフィルタ等が備えられている。その他、エンジン本体2のクランクケースにはエンジン回転数センサ41が、またシリンダブロックには水温センサ42が設けられている。コモンレール6には、該コモンレール6内の燃料の圧力を検出するコモンレール圧センサ43が設けられている。以下、コモンレール圧センサ43で検出された燃料の圧力を「実コモンレール圧」という。車室にはアクセルペダル44の踏み込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ45が設けられている。
このエンジン1のコントロールユニット(ECU)50は、前記各センサで検出される吸気量、吸気温、吸気圧、排気温、排気圧力、エンジン回転数、冷却水温、コモンレール6の実コモンレール圧、並びにエンジン負荷等に基づいて、インジェクタ4及び高圧燃料ポンプ5に制御信号を出力する。
ECU50による通常の燃料噴射制御はおよそ次のようである。ECU50はエンジン負荷とエンジン回転数とから求められる基本燃料噴射量を冷却水温や吸気温等で補正して目標燃料噴射量Qを算出する。一方、図2に示すような特性(ECU50のメモリに予め格納されている)を参照し、エンジン回転数及びエンジン負荷に基づいて、パイロット噴射を実行するか否かを判定すると共に、パイロット噴射を実行する場合は、パイロット噴射の回数を設定する。ここで、パイロット噴射とは、周知のように、圧縮上死点近傍で燃料を噴射する主噴射に先立って圧縮行程中に燃料を噴射することをいう。通常の燃料噴射制御におけるパイロット噴射の目的は、過度に高い燃焼温度に起因するNOx発生の低減である。
ここで、図2に示す特性マップについて簡単に説明すると、高負荷・高回転領域Eではパイロット噴射は実行されない。これは、目標燃料噴射量Qの全量を主噴射で短時間で噴射することにより、十分な出力を確保するためである。これに対し、低負荷・低回転領域Aでは、主噴射に加えてパイロット噴射が3回に分割して行われ、低負荷・中回転領域Bでは、主噴射に加えてパイロット噴射が2回に分割して行われ、低負荷・高回転領域Cでは、主噴射に加えてパイロット噴射が1回だけ行われる。すなわち、低負荷・低回転領域ほどパイロット噴射回数を増加させる。これは、低負荷・低回転領域ほど、静粛性が増して騒音問題が目立ちやすくなるので、急激な燃焼を避けて、燃焼騒音を低下させるためである。また、NOxの低減のためである。高負荷・低回転領域Dでは、パイロット噴射は進角状態で1回だけ実行される。高負荷・低回転領域Dではすすが発生しやすくなるので、予混によりすすの低減を図るものである。
また、ECU50は、目標燃料噴射量Q、エンジン回転数、冷却水温、吸気温等に基づいて目標コモンレール圧を算出し、この目標コモンレール圧が実現されるように高圧燃料ポンプ5に制御信号を出力する。
ところで、背景技術でも説明したように、アクセルペダル44が比較的大きく踏み込まれてエンジン負荷が大きな状態においては、実コモンレール圧が比較的高くなるように制御される。一方、この状態においてアクセルペダル44の踏み込みが急速に解除されると、エンジン負荷の急減により目標燃料噴射量が少なく設定されると共に、これに伴って目標コモンレール圧が低く設定されるが、仮に高圧燃料ポンプ5を停止させてもコモンレール6内に残留している燃料の影響により実コモンレール圧は急速には低下しないので、燃料噴射期間が極端に短くなり、その結果、短時間で大きな熱発生を伴う急速燃焼が発生してノック音が生じることがあり、これは、NVH上好ましくない問題である。この対策として、特許文献1に記載のもののように、主噴射を分割して、一部の燃料をパイロット噴射に当てることにより、燃焼を緩慢にさせて、ノック音の発生を防止することが考えられるが、このように主噴射を分割してパイロット噴射を行うと、エンジントルク等の動力性能に影響を与える虞がある。
また、別の対策として、例えば、コモンレールに減圧弁を設け、減速時に該減圧弁を作動させて、コモンレール圧を低下させることが考えられるが、この場合、エンジンのコストが高くなるという問題がある。
そこで、本実施の形態においては、ECU50は、前記通常の燃料噴射制御の他、減速時における所定の条件を満たしたときに、ポスト噴射(圧縮上死点近傍で燃料を噴射する主噴射より後の膨張行程中に燃料を噴射)を実行するように構成されており、以下、図3に示すフローチャートを用いて、本発明に係る燃料噴射制御の一例を説明する。
まず、ステップS1で、前記各種センサで検出された各種信号を読み込む。そして、ステップS2では、減速中か否かを判定する。ここで、減速中か否かは、アクセル開度センサで検出されたアクセル開度が5%以下か否かに基づいて、5%以下であれば減速中と判定し、それ以外であれば減速中でないと判定する。また、ステップS3では、現在の実コモンレール圧(図6では実圧と表記)が所定圧Pa以上か否かを判定する。ここで、この所定圧Paは、これ以上になるとノック音が発生しやすくなるときの値であり、例えば50MPa程度の値である。なお、この所定圧Paが、特許請求の範囲の請求項2における所定圧に対応する。また、ステップS4では、現在の実コモンレール圧から目標コモンレール圧(図6ではもく目標圧と表記)を減算した値が、所定圧Po以上か否かを判定する。ここで、この所定圧Poは、例えば5MPa程度の値であり、特許請求の範囲の請求項5における実コモンレール圧と目標コモンレール圧との差圧に関する所定圧に対応する。
そして、ステップS2〜S3の判定がいずれか1つでもNOのときは、すなわち、減速中でなく、または実コモンレール圧が所定圧Pa以上でなく、または実コモンレール圧から目標コモンレール圧を減算した値が所定圧Po以上でないときは、ステップS5で、図2に示すマップに基づく噴射制御を行う。
一方、ステップS2〜S4の判定がYESのとき、すなわち、減速中で、実コモンレール圧が所定圧Pa以上で、かつ実コモンレール圧から目標コモンレール圧を減算した値が所定圧Po以上のときは、ステップS6で、主噴射に加えて、ポスト噴射を行う。ここで、この具体例について説明すると、図4(a)に示すように、主噴射は、圧縮上死点(クランク角0°)においてアクセル開度に応じた量の燃料が噴射される。ポスト噴射は、4段噴射で行われ、第1段〜第4段のポスト噴射Po1,Po2,Po3,Po4は、例えば圧縮上死点後10°,43°,90°,98°のタイミングで、それぞれ1mQ(ミリキュービック)噴射される。ポスト噴射を4mQの1回噴射とせず、複数回に分割して行うのは、1回当たりの噴射量を少量とすることができ、実コモンレール圧の制御性を良好なものとすることができるからである。なお、図4は、例えばエンジン回転数が1000rpm程度の場合の例を示しているが、ポスト噴射Po1,Po2,Po3,Po4の各タイミング、及び噴射量は、エンジン回転数やエンジン負荷等に応じて例えばマップ等を参照することにより変更可能としてもよい。
次に、本実施の形態の作用について説明する。すなわち、図5に示すように、車両の走行中に、乗員のアクセルペダル操作によりアクセル開度が5%以下となると、目標コモンレール圧(図7では目標圧と示している)が低下する。そして、この目標コモンレール圧が例えば所定圧Paよりも小さい値に設定され、このときの実コモンレール圧が所定圧Pa以上のときは、所定圧Pa未満となるまでの間、主噴射に加えてポスト噴射が実行され(図4(a)に示す態様)、所定圧Pa未満となると、図2のマップに基づく通常制御が行われる。すなわち、減速開始してから実コモンレール圧が所定圧Pa未満となるまでの間は、このポスト噴射の分多く燃料が噴射されることとなり、実コモンレール圧が、従来(点線で示す)と比較して、ノック音の発生しにくいPa未満の状態にまで速やかに低下することとなる。換言すれば、減速開始後における実コモンレール圧がPa以上となっている時間が短くなり、つまりノック音の発生し得る時間が短くなり、ノック音の発生が抑制されることとなる。
その場合に、ポスト噴射は、パイロット噴射とは異なり、燃料トルクに寄与しないため、動力性能に与える影響が少ないので、燃料の噴射量を比較的大きな量に設定することができ、パイロット噴射を行う場合よりも、実コモンレール圧を速やかに低下させて、ノック音の発生を効果的に抑制することができる。
ところで、このようにポスト噴射を行うと、ポスト噴射を行わない場合よりも、燃料をよけいに噴射することとなり、燃費に悪影響を与えることとなるが、本発明者たちの研究によれば、ノック音は、実コモンレール圧が低い場合には発生しにくいことがわかった。そこで、本実施の形態においては、実コモンレール圧が所定圧Pa以上のときに限り、ポスト噴射を実行するようにしたものであり、これによれば、燃費の悪化を抑制しつつ、実コモンレール圧を迅速に低下させて、ノック音の発生を抑制することができる。
また、前述したように、本実施の形態においては、減速時における実コモンレール圧が目標コモンレール圧に対して所定圧Po以上高いときに、ポスト噴射を実行するようにしたものである。すなわち、減速時においては、目標コモンレール圧は、図5に示すように、比較的急速に低下設定されるが、減速時における実コモンレール圧と目標コモンレール圧との差が所定圧以内となった場合には、実コモンレール圧はほぼ予定のところまで低下したわけであるから、この場合、そのままポスト噴射を継続して急激にコモンレール圧を低下させる必要性が少ない。そこで、このような場合には、ポスト噴射を取りやめるようにしたものであり、これにより、燃費の悪化を抑制することができる。なお、この場合においても、実コモンレール圧と目標コモンレール圧との差圧が所定圧Po以内となるまでの間は、ポスト噴射が行われるので、当然ながら、実コモンレール圧を速やかに低下させて、ノック音の発生を抑制することができる。
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、基本構成については、第1の実施の形態で説明した図1と同様の構成であるので説明は省略し、図6に示すフローチャートの説明から行う。
まず、ステップS11で、前記各種センサで検出された各種信号を読み込む。そして、ステップS12〜S15で、各種の判定を行う。すなわち、ステップ1S2では、減速中か否かを判定する。ここで、減速中か否かは、アクセル開度センサで検出されたアクセル開度が5%以下か否かに基づいて、5%以下であれば減速中と判定し、それ以外であれば減速中でないと判定する。また、ステップS13では、現在の実コモンレール圧が第1所定圧Pa以上か否かを判定する。ここで、この第1所定圧Paは、これ以上になるとノック音が発生しやすくなるときの値であり、例えば50MPa程度の値である。なお、この第1所定圧Paが、特許請求の範囲の請求項3における第1所定圧に対応する。また、ステップS14では、実コモンレール圧から目標コモンレール圧を減算した値が、所定圧Po以上か否かを判定する。ここで、この所定圧Poは、例えば5MPa程度の値であり、特許請求の範囲の請求項5における実コモンレール圧と目標コモンレール圧との差圧に関する所定圧に対応する。また、ステップS15では、実コモンレール圧が第2所定圧Pb以上か否かを判定する。ここで、この第2所定圧Pbは、第1所定圧Paよりも大きな例えば100MPa程度の値であり、特許請求の範囲の請求項3における第2所定圧に対応する。
そして、ステップS12〜S14の判定がいずれか1つでもNOのときは、すなわち、減速中でなく、または実コモンレール圧が第1所定圧Pa以上でなく、または実コモンレール圧から目標コモンレール圧を減算した値が所定圧Po以上でないときは、ステップS16で、図2に示すマップに基づく噴射制御を行う。
一方、ステップS12〜S15の判定の全てがYESのとき、すなわち、減速中で、実コモンレール圧が第1所定圧Pa以上で、実コモンレール圧から目標コモンレール圧を減算した値が所定圧Po以上で、かつ実コモンレール圧が第2所定圧Pb以上のときは、ステップS17で、主噴射に加えて、ポスト噴射を行う。ここで、このポスト噴射の具体内容は、第1の実施の形態において図4(a)により説明した通りである。
一方、ステップS12〜S14の判定がYESで、ステップS15の判定がNOのとき、すなわち、減速中で、実コモンレール圧が第1所定圧Pa以上だが第2所定圧Pb未満で、実コモンレール圧から目標コモンレール圧を減算した値が所定圧Po以上のときは、ステップS18で、主噴射に加えて、パイロット噴射を行う。ここで、この具体例について説明すると、図4(b)に示すように、主噴射は、圧縮上死点(クランク角0°)において、アクセル開度に応じた量の燃料が噴射される。パイロット噴射は、2段噴射で行われ、第1段、第2段のパイロット噴射Pi1,Pi2は、例えば圧縮上死点(クランク角0°)前26°,15°のタイミングで、それぞれ1mQ(ミリキュービック)噴射される。なお、減速時にパイロット噴射を行ったとしても、減速初期においては、実コモンレール圧が比較的高く、かつエアも十分に取り込まれるため、スモーク発生の虞は少ない。
ここで、パイロット噴射Pi1,Pi2、及びポスト噴射Po1,Po2,Po3,Po4の各タイミング、噴射量は、エンジン回転数やエンジン負荷等に基づいて例えばマップを参照することにより変更可能としてもよい。
次に、第2の実施の形態の作用について説明する。すなわち、図7に示すように、車両の走行中に、乗員のアクセルペダル操作によりアクセル開度が5%以下となると、目標コモンレール圧が低下する。そして、この目標コモンレール圧が例えば第1所定圧Paよりも小さい値に設定され、このときの実コモンレール圧が第2所定圧Pb以上のときは、第2所定圧Pb未満となるまでの間、主噴射に加えてポスト噴射が実行され(図4(a)に示す態様)、実コモンレール圧が第2所定圧Pb未満となると、第1所定圧Pa未満となるまでの間、主噴射に加えてパイロット噴射が実行され(図4(b)に示す態様)、実コモンレール圧が第1所定圧Pa未満となると、図2のマップに基づく通常制御が行われる。したがって、実コモンレール圧が、従来(点線で示す)と比較して、ノック音の発生しにくいPa未満の状態にまで速やかに低下する。換言すれば、減速開始後における実コモンレール圧がPa以上となっている時間が短くなり、つまりノック音の発生し得る時間が短くなり、ノック音の発生が抑制されることとなる。
なお、パイロット噴射は、実コモンレール圧が第2所定圧Pb未満のとき、すなわち実コモンレール圧がある程度下り、ノック音の発生のピークが過ぎてから行われるので、このパイロット噴射の燃料噴射量は、ポスト噴射の燃料噴射量よりも少なくてよい。つまり、パイロット噴射において大量に燃料噴射を行うと、エンジン1の運転状態に影響を与える虞があるが、実コモンレール圧が第2所定圧Pb未満となってからパイロット噴射を行うので、第2所定圧Pb以上のときからパイロット噴射を行う場合よりも、パイロット噴射の燃料噴射量が少なくてすみ、エンジン1の運転状態に与える影響が少なくてすむ。すなわち、動力性能に与える影響を抑制しつつ、実コモンレール圧を速やかに低下させて、ノック音の発生を効果的に抑制することができる。
また、これを別の観点からとらえると、第2所定圧Pb以上のときに限り、つまり、実コモンレール圧をパイロット噴射では十分に低下させることができないほど高い場合に限り、ポスト噴射が実行されるので、燃費の悪化を抑制しつつ、実コモンレール圧を速やかに低下させて、ノック音の発生を抑制することができることともなる。
また、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態同様、減速時における実コモンレール圧が目標コモンレール圧に対して所定圧Po以上高いときに、ポスト噴射を実行するようにしており、これにより、第1の実施の形態で説明したのと同様の作用効果が得られることとなる。
なお、第2の実施の形態においては、ステップS15において実コモンレール圧が第2所定圧Pb以上のとき(ステップS15)は、ステップS18において主噴射に加えてポスト噴射のみを追加するようにしたが、図4(c)に示すように、パイロット噴射、主噴射、ポスト噴射の全てを実行するようにしてもよい。これによれば、減速時に、パイロット噴射の分、より多くの燃料が噴射されることとなり、実コモンレール圧が一層速やかにかつ確実に低下することとなる。
本発明は、燃料噴射弁からコモンレールに蓄えられた高圧燃料を噴射するように構成されたエンジンの燃料噴射装置に広く適用することができる。
本発明の実施の形態に係るエンジンのシステム構成図である。 本エンジンの通常燃料噴射制御のマップである。 第1の実施の形態に係る噴射制御の具体的1例を示すフローチャートである。 本噴射制御における噴射パターンの説明図である。 第1の実施の形態に係る噴射制御の作用の説明用タイムチャートである。 第2の実施の形態に係る噴射制御の具体的1例を示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る噴射制御の作用の説明用タイムチャートである。
符号の説明
1 エンジン
4 インジェクタ(燃料噴射弁)
5 高圧燃料ポンプ(燃料供給手段)
6 コモンレール
50 コントロールユニット(目標コモンレール圧設定手段、燃料供給手段、噴射制御手段)
Pa 所定圧、第1所定圧
Pb 第2所定圧
Po 所定圧

Claims (6)

  1. 燃料噴射弁と、該燃料噴射弁から噴射する燃料を蓄えるコモンレールと、エンジン運転状態に応じた目標コモンレール圧を設定する目標コモンレール圧設定手段と、前記コモンレールに、実コモンレール圧が、前記目標コモンレール圧設定手段で設定された目標コモンレール圧となるように燃料を供給する燃料供給手段とが備えられたエンジンの燃料噴射装置であって、
    減速時、主噴射後の所定のタイミングでポスト噴射を実行する噴射制御手段が備えられていることを特徴とするエンジンの燃料噴射装置。
  2. 前記請求項1に記載のエンジンの燃料噴射装置において、
    前記噴射制御手段は、減速時における実コモンレール圧が所定圧以上のときに、ポスト噴射を実行することを特徴とするエンジンの燃料噴射装置。
  3. 前記請求項1に記載のエンジンの燃料噴射装置において、
    前記噴射制御手段は、減速時における実コモンレール圧が第1所定圧以上で第2所定圧未満のときは、主噴射前の所定のタイミングでパイロット噴射を実行し、第2所定圧以上のときに、ポスト噴射を実行することを特徴とするエンジンの燃料噴射装置。
  4. 前記請求項1に記載のエンジンの燃料噴射装置において、
    前記噴射制御手段は、減速時における実コモンレール圧が第1所定圧以上で第2所定圧未満のときは、主噴射前の所定のタイミングでパイロット噴射を実行し、第2所定圧以上のときに、パイロット噴射及びポスト噴射の両方を実行することを特徴とするエンジンの燃料噴射装置。
  5. 前記請求項1に記載のエンジンの燃料噴射装置において、
    前記噴射制御手段は、減速時における実コモンレール圧が、前記目標コモンレール圧設定手段で設定された目標コモンレール圧に対して所定圧以上高いときに、ポスト噴射を実行することを特徴とするエンジンの燃料噴射装置。
  6. 前記請求項1から請求項5のいずれかに記載のエンジンの燃料噴射装置において、
    前記ポスト噴射は、複数回に分割して行われることを特徴とするエンジンの燃料噴射装置。
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JP2020175711A (ja) * 2019-04-16 2020-10-29 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車両およびハイブリッド車両の制御方法

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