JP2008008853A - 地点間距離変動検出装置及び方法 - Google Patents

地点間距離変動検出装置及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マイクロ波を用いて簡易に地表層の移動を検出する。
【解決手段】基準信号に基づいて発生した検出用電波を送信アンテナから送出し、受信アンテナの受信信号の位相と基準信号の位相との位相差を位相差−地点間距離変換モデルに従って地点間距離変動値に変換するようにしたことにより、地表層すべりの発生を簡易かつ地表層すべりの情況に応じて的確に検出することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は地点間距離変動検出装置及び方法に関し、特に地表層に生ずる地すべり等の災害の発生を予測する場合に適用して好適なものである。
従来地表層に生ずる地すべり等の災害の発生を予測する方法として、地表付近に設置されたワイヤが地盤の変動で伸びたことを検出するような手法のものが用いられているが、ワイヤの布設が危険な場合が多かったり、ワイヤの布設のために大掛りな手間と時間がかかるといった問題が多いために、衝撃的加速度を検出する多数のジャイロ式の検出機を埋め込む手法のもの(特許文献1参照)や、GPSを用いて観測地点の変動を検出する手法のもの(特許文献2参照)などが提案されている。
特開平11−230791号公報 第3532267号特許掲載公報
しかしながらこれらの従来の解決策は、災害現場に布設すべき検出装置の設置ないし維持管理が大掛りになったり、人工衛星からの電波を受信できないような場合があったりする問題がある。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、できるだけ設置ないし維持管理が簡易な構成の設備を用いることにより実用上十分な精度の検出結果が得られるようにした地点間距離変動検出装置及び方法を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、地表層すべり予測地域の地表層すべり地点3B及び非地表層すべり地点3Aのいずれか一方に設置した送信アンテナ4から、地表層すべり地点3B及び非地表層すべり地点3Aの他方に設置した受信アンテナ5に、基準信号S4に基づいて発生したマイクロ波でなる検出用電波S2を送出すると共に、受信アンテナ5の受信信号S3の位相と基準信号S4の位相との位相差Δθを検出する地点間距離変動検出装置本体6を有し、地点間距離変動検出装置本体6は、検出した位相差を位相差−地点間距離変換モデルに従って地点間距離変動値Δdに変換し、当該地点間距離変動値Δdが異常判定値を超えたとき異常報知情報を発生するようにする。
本発明によれば、基準信号に基づいて発生した検出用電波を送信アンテナから送出し、受信アンテナの受信信号の位相と基準信号の位相との位相差を位相差−地点間距離変換モデルに従って地点間距離変動値に変換するようにしたことにより、地表層すべりの発生を簡易かつ地表層すべりの情況に応じて的確に検出することができる。
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)第1の実施の形態
図1において、1は全体として地点間距離変動検出装置を示し、地表層の変動予測地域として、例えば崖崩れの発生が予測される地すべり予測地域2において、崖上において地すべりが発生しないことを予測できる非地すべり地点3Aに送信アンテナ4を設置すると共に、崖下のように崖崩れが発生したとき地すべりが生ずることを予測できる地すべり地点3Bに受信アンテナ5を設置する。
地すべりが発生しないことを予測できる非地すべり地点3Aの近傍には地点間距離変動検出装置本体6が設けられ、送信機6Aにおいて発生したマイクロ波検出信号S1を送信用同軸ケーブル11を介して送信アンテナ4に供給し、これにより送信アンテナ4からマイクロ波帯の周波数を有する検出用電波S2を受信アンテナ5に向けて送出させる。
かくして受信アンテナ5において得られる受信信号S3は、受信用同軸ケーブル12を介し、さらに地すべり地点3Bの近傍に設置された中継装置13を介して地点間距離変動検出装置本体6の変動検出回路6Bに入力され、当該受信信号S3の位相と、送信機6Aから与えられる基準信号S4との位相差の変動成分の有無に基づいて非地すべり地点3Aに対して地すべり地点3Bが変動することにより送信アンテナ4と受信アンテナ5との間の地点間距離に変動が生じたか否かを判定する。14A、14B及び15A、15Bはコネクタである。
地点間距離変動検出装置本体6の送信機6Aは、図2において図1との対応部分に同一符号化を付して示すように、検出信号発生回路21において1〜5〔GHz〕のマイクロ周波数帯域に含まれる発振周波数、例えば2.4〔GHz〕の発振出力S11を発生し、これを分配回路22を介してマイクロ波検出信号S1として送信アンテナ4に送出すると共に、分配回路22において発振出力S11の一部を基準信号S4として基準信号入力回路23を介して位相比較回路24に入力する。
受信アンテナ5において得られる受信信号S3は、中継装置13に設けられた増幅回路26において増幅されて変動検出回路6Bに伝送されて受信信号入力回路27を介して位相比較回路24に入力される。
位相比較回路24は、基準信号S4を基準として、当該基準信号S4の位相に対する受信信号S3の位相差を表する位相差出力S12を得、これを判定回路28に供給する。
かかる構成において、基準信号S4を基準にして、受信信号S3に生ずる位相差θは、送信アンテナ4及び受信アンテナ5間の地点間距離dと長さaの同軸ケーブル11及び12における波長短縮率(例えば0.67になる)とによって決まるので、次式
Figure 2008008853
として求めることができる。
従って基準信号S4に対する受信信号S3の位相差θから地点間距離dを求めると、次式
Figure 2008008853
のようになる。
この地点間距離dは地すべり地点3Bに地すべりが生ずれば、受信アンテナ5が移動することにより変動し、その変動量Δdは次式
Figure 2008008853
ここでΔθは、地すべりにより位相差θに生じた位相差変化である。
判定回路28は、(3)式における地点間距離dの変動量Δd(これを地点間距離変動値と呼ぶ)を観測することにより、当該地点間距離変動値Δdの予め設定した単位時間当たりの変化率が所定値(これを異常判定値と呼ぶ)を超えたとき、このとき異常、すなわち地すべりが発生したとして異常報知情報を発生する。
実際上異常判定値の判定レベルとして、第1に、「注意レベルL」は、次式
Figure 2008008853
のように、所定の観測時間Δt=Δt(=1〔日〕)における異常判定値Δdが設定され、これにより地点間距離変動値ΔdがΔt=1〔日〕の間に判定レベルLを超えたとき、判定回路28は異常報知情報として「注意報」を発生する。
また、異常判定値の判定レベルとして、第2に、「警報レベルL」は、次式
Figure 2008008853
のように、所定の観測時間Δt=Δt(=1〔時間〕)における異常判定値Δdが設定され、これにより判定回路28は地点間距離変動値ΔdがΔt=1〔時間〕の間に判定レベルLを超えたとき、異常報知情報として「警戒警報」を発生する。
ここで警報レベルLは次式
Figure 2008008853
のように、注意レベルLより大きい値に選定されており、これにより短時間の間に地すべり量が大きくなったとき警報レベルLに達したと判定する。
判定回路28は(4)式〜(6)式の判定を、図3に示す地点間距離変動判定処理手順RT1により実行する。
判定回路28は地点間距離変動判定処理手順RT1に入ると、まずステップSP1において開始時間の位相差θ((1)式)を検出してこれを基準データとして保存する。
続いて判定回路28は、次のステップSP2において(1)式に基づく位相差θを検出して基準位相差からの位相差変化Δθを求める。
続いて判定回路28は、次のステップSP3において、求めた位相差変化Δθを(3)式によって地点間距離dの変化Δdに変換した後、次のステップSP4においてその時間変化率L=Δd/Δt(Δt=1〔日〕)が注意レベルL((4)式)より大きいか否かの判断をする。
ここで否定結果が得られると、このことは地点間距離の1〔日〕における時間変化率が注意レベルLを超えていないこと(従って地すべりが生じていないこと)を意味し、このとき判定回路28は上述のステップSP2に戻って基準からの位相差変化Δθを求める処理サイクルを繰り返す。
かくして判定回路28は、ステップSP2−SP3−SP4−SP2の検出サイクルを繰り返すことにより、地すべり予測地域2に地すべりが発生していないことを確認し続ける。
これに対してステップSP4において肯定結果が得られると、このことは受信アンテナ5が地表層の移動と共に移動することにより地点間距離dが変化すると共に、そのΔt=1〔日〕の時間変化率L=Δd/Δtが注意レベルL以上になったことを意味し、このとき判定回路28はステップSP5に移って異常報知情報として「注意報」を出すような処理を実行する。
続いて判定回路28は、次のステップSP6において地点間距離dのΔt=1〔時間〕の時間変化率L=Δd/Δtが警報レベルL((5)式)を超えたか否かの判断をする。
ここで否定結果が得られると、このことは地すべり予測地域2において発生した地すべりは未だ警報レベルにまで達しない小さい時間変化率の状態にあることを意味し、このとき判定回路28は、上述のステップSP2に戻って以後ステップSP2−SP3−SP4−SP5−SP6−SP2の検出ループを実行することにより、引き続き異常報知情報として「注意報」を出し続ける。
これに対してステップSP6において肯定結果が得られると、このことはステップSP2において検出した位相差変化Δθに基づく地点間距離dの変化Δdの1〔時間〕における時間変化率L=Δd/Δtが警報レベルL((5)式)を超えたことを意味し、このとき判定回路28はステップSP7において異常報知情報として「警戒警報」を出す。
かくして判定回路28は、地すべり予測地域2における地すべりが比較的小さい注意レベルLの段階を経て大きい警報レベルLの状態に移行している状態を判定するような処理を実行し、かくしてステップSP8において地点間距離変動判定処理手順RT1を終了する。
以上の構成によれば、送信アンテナ4から受信アンテナ5にマイクロ波周波数の検出用電波S2を送出すると共に、その受信アンテナ5側の受信信号S3の位相の変化を検出することにより、非地すべり地点3Aに対する地すべり地点3Bの地すべりの発生及びその大きさを検出することができる。
かくするにつき、地すべり予測地域2に設置すべき設備として送信アンテナ4、受信アンテナ5及び並びに受信アンテナ5から地点間距離変動検出装置本体6に受信信号S3を使えるための受信用同軸ケーブル12を布設する程度の比較的簡易な構成のものを、比較的危険性が少ない設置作業によって容易に設置できる。
因に送信アンテナ4及び受信アンテナ5の設置構成としては、図4に示すように、非地すべり地点3A及び地すべり地点3Bに、先端にアンテナ素子4A及び5Aを取り付けてなる支柱4B及び5Bをそれぞれ地表層に打ち込むことにより植立すると共に、当該支柱4B及び5Bを例えば針金でなるステイ4C及び5Cによって支持するような比較的簡易な構成のものを適用できる。
(2)反射波対策
図1の場合には、送信アンテナ4から受信アンテナ5への検出用電波S2は直接波を用いた場合について述べたが、地すべり予測地域2の環境条件によっては、図5に示すように、送信アンテナ4から発射された直接波d1 が受信アンテナ5に到達すると同時に、地表30に反射率が大きい反射物体がある場合には、当該地表30からの反射波dr1も受信アンテナ5に到達する。
このような場合には、受信信号S3の基準信号S4に対する位相差θは、図6に示すように、反射波dr1がない場合の特性曲線K1(距離dに対して位相差θは直線的に大きくなる)に対して特性曲線K2で示すように直接波d1 の位相と反射波dr1の位相との合成位相によって特性曲線K1から上下に外れるような変化を呈する。
この位相差θに対して与えられる変化は、高い精度で地点間距離の変動を検出しようとする場合には誤差要因と考えなければならない。
この誤差要因の影響を軽減する方法として、図7に示すアンテナ適応設置処理手順RT2に従って、求められる測定精度に適応させるように受信アンテナ5の設置位置を選定する。
アンテナの設置位置を適応的に選定できるのは、図6及び図8に示す現象に基づくものである。
図6は送信アンテナ4と受信アンテナ5との間の地点間距離dと基準信号S4に対する受信信号S3の位相差θとの関係を示すもので、実験によれば、特性曲線K2には、地点間距離dに対して位相差θが線形変化するリニア特性曲線部K2Xが含まれており、当該リニア特性曲線部K2Xが存在する地点間距離dの範囲(これを直線変化範囲Dと呼ぶ)があることが分かった。
この直線変化範囲Dについて受信信号S3の受信強度値amを測定したところ、図8に示すように、当該直線変化範囲Dに、変化曲線K10の極大値波形部K10Xが生ずることが分かった。
この関係から受信信号S3の受信強度変化曲線K10のうち極大値波形部K10Xが生ずる直線変化範囲Dについて、地点間距離dから位相差θを、直線的な関係にあるものとして予測することができることが分かった。
この関係に基づいて、図3に示す地点間距離変動判定処理手順RT1を実行するに先立って、図7のアンテナ適応設置処理手順RT2によって受信アンテナ5の設定位置を決めると共に、当該受信アンテナ5の設定位置の決め方に応じて決まる変換モデルを用いて図3のステップSP3における位相差変化Δθから地点間距離dの変化Δdへの変換を行うようにする。
アンテナ適応設置処理手順RT2に入ると、測定者は、まずステップSP11において現在地点間距離変動検出装置1を設置しようとしている地すべり予測地域2について、高い測定精度が必要か否かを判断し、肯定結果が得られたときステップSP12に移り、地すべり地点3B側の受信アンテナ5について、水平方向又は垂直方向について連続測定ができるか否かの判断をする。
ここで肯定結果が得られると、このことは現在測定しようとしている地すべり予測地域2の情況は、地すべり地点3Bにおいて作業者が受信アンテナ5を水平方向又は垂直方向に連続的に移動させながら受信信号S3の受信強度や位相を連続的に測定できる条件にあることを意味する。
このとき測定者はステップSP13に移って検出用電波S2の数波長分の距離範囲で受信アンテナ5を移動して受信信号S3の受信強度と受信信号の位相とを連続的に測定する。
ここで受信アンテナ5を垂直方向に移動する方法としては、図9(A)に示すように、支柱5Bに対するアンテナ素子5Aの取付位置を矢印aで示す方向に移動して行く。
かくして受信アンテナ5を垂直に移動しながら連続測定できた受信信号S3の受信強度及び位相は、送信アンテナ4と受信アンテナ5との間の距離の変化に対応する直接波及び反射波の合成値として求めることができ(図5)、かかる測定結果には受信アンテナ5に入射した反射波について、送信アンテナ4及び受信アンテナ5間に存在する反射物体及び反射係数の情報を含んでいる。
そこで測定者は続くステップSP14において、当該反射物体の反射係数と、送信アンテナ4及び受信アンテナ5間に存在する反射物体の位置を計算により推定する。
この推定は、実測値に基づくものであるので、その推定精度は高いものとなる。
かくして測定者は、受信アンテナ5の移動に基づいて生ずる地点間距離dの変化について受信信号S3の受信強度の変化によってリニア特性曲線部K2Xに相当する極大値波形部K10X(図8)を測定することができる状態になる。
そこで測定者は、次のステップSP15において測定に基づいて特定した受信強度の極大位置に受信アンテナ5を設定する。
かくして測定者は、非地すべり地点3Aに設定した送信アンテナ4に介して、地すべり地点3Bにおける受信アンテナ5の受信強度の分布を細かく採集した測定値に基づいて、図6のリニア特性曲線部K2Xの変化を呈する直線変化範囲D内に受信アンテナ5を設置することができ、これに基づいて次のステップSP16において当該細かく求めた測定値R1でなるリニア特性曲線部K2Xを位相差−地点間距離変換モデルMD1に用いて、図10(A)に示すように、基準信号S4に対する受信信号S3の位相差θがθ1 からθ2 に変化したとき地すべり地点3Bへの地点間距離がd1 からd2 に変化したと推定する。
因に図6において、地すべり予測地域2に地すべりが発生して地すべり地点3Bに設置した受信アンテナ5が移動することにより受信信号S3の基準信号S4に対する位相差θがθ1 からθ2 に変化したとき、送信アンテナ4及び受信アンテナ5間の地点間距離dはリニア特性曲線部K2Xに応じて地点間距離d1 からd2 に変化する。
この地点間距離d1 からd2 への変化は、上述のステップSP13からSP16までの処理によって細かく求めた測定値によって表されるリニア特性曲線部K2Xから求めたものであるので、その精度は地すべり予測地域2の実情に適合した高いものになる。
次に、上述のステップSP12において否定結果が得られると、このことは水平又は垂直方向の連続測定ができないことを意味する。
この情況は、例えば地すべり予測地域2において作業員が地すべり地点3Bに長時間滞在することが危険であるような場合は、連続測定をするために必要な十分な時間は取れない情況にあることを意味する。
この場合測定者は、ステップSP21において、地すべり予測地域の地形を標準的な地形と考えて受信信号S3の受信強度が極大になる位置(図8)を予測し、ステップSP22において当該予測位置の前後に数本の受信アンテナを設定して受信信号の受信強度及び位相をそれぞれのアンテナから測定する。
ここでステップSP21における極大位置の予測は、検出用電波S2として用いているマイクロ波の波長が既知であるのに加えて、地すべり予測地域2の地形から直接波と反射波が合成された場合の受信信号S3のピーク値を予測する。
またステップSP22において垂直方向に複数のアンテナを設置する方法としては、例えば図9(B)に示すように、予測した極大位置に第1のアンテナ素子5A2を取り付けるのに対して、その上方位置及び下方位置にそれぞれ第2及び第3のアンテナ素子5A1及び5A3を取り付ける。
測定者は、かかる構成の受信アンテナ5の各アンテナ素子5A1〜5A3からそれぞれ得られる受信信号S3によって、そのそれぞれについて受信強度及び位相を測定する。
かくしてステップSP22において得られる測定結果は、ステップSP13について上述した測定結果と比較して、連続した位置ではなく離散的な3つの位置の測定結果である点においてステップSP13の場合と比べて粗い測定結果を得たことを意味する。
しかしながら当該粗い3つの測定結果であるとしても、送信アンテナ4と受信アンテナ5との間に存在する反射物体の位置とその反射係数とを推定することができる状態になる。
そこで測定者は、次のステップSP23において当該反射係数及び反射物***置を推定することにより、距離−位相差曲線のリニア特性曲線部K2Xが生ずる極大値波形部K10X(図8)の極大位置を3つの測定結果から計算によって求めることができる。
これにより測定者はステップSP24において計算に基づいて受信強度の極大位置を求めて当該極大位置に受信アンテナ5を設定する。
かくして受信アンテナ5を地すべり地点3Bに設置した後、測定者がステップSP25において3つの測定地点から得られた粗い測定データに基づいて、図6のリニア特性曲線部K2Xを位相差−地点間距離変換モデルとして求め、この位相差−地点間距離変換モデルに用いて、図10(B)に示すように、基準信号S4に対する受信信号S3の位相差θがθ1 からθ2 に変化したとき地すべり地点3Bの地点間距離がd1 からd2 に変化したと推定する。
次に上述のステップSP11において否定結果が得られたとき、このことは地すべり予測地域2の情況が高い予測精度が必要ないこと、例えばすぐにも地すべりが発生しそうで、受信アンテナ5を設置する位の余裕しかない情況にある場合に該当する。
このとき測定者はステップSP31において上述のステップSP21の場合と同様に標準的な地形における極大位置の予測をし、続くステップSP32において当該予測位置に受信アンテナ5を設置する。
このとき受信アンテナ5の設置に際して受信信号S3の受信強度及び位相を測定していないので、図10(C)に示すように、基準信号S4に対する受信信号S3の位相差θとして、標準地形において生ずる極大値波形部K10X(図8)に相当するリニア特性曲線部K2Xを予め単純予測モデルとして用意した位相差−地点間距離変換モデルMD3を用いて、受信信号S3の位相差θがθ1 からθ2 に変化したときの地点間距離d1 からd2 の変化をステップSP33において推定する。
かくして地すべり予測地域2の緊急性や必要性などの要請から、適応的に選択した精度で地すべりの発生を検出することができる。
(3)他の実施の形態
(3−1)図1の実施の形態においては、送信アンテナ4を非地すべり地点3Aに設置すると共に、受信アンテナ5を地すべり地点3Bに設置した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、地すべり地点3Bに送信アンテナ4を設置すると共に、非地すべり地点3Aに受信アンテナ5を設置するようにしても上述の場合と同様の作用効果を得ることができる。
(3−2)図9の実施の形態においては、受信信号の受信強度及び位相を測定するにつき、受信アンテナ5についてアンテナ素子5Aを矢印aの方向に移動し(図9(A))、又は垂直方向にアンテナ素子5A1〜5A3を取り付けるようにした場合について述べたが、これに代え図11(A)及び(B)に示すように、送信アンテナ4のアンテナ素子4Aを支柱4Bに沿って矢印aの垂直方向に移動させ又は図4(B)に示すように送信アンテナ4として支柱4Bに沿って複数のアンテナ素子4A1〜4A3を取り付けて受信信号の受信強度及び位相を測定するようにしても、上述の場合と同様の効果を得ることができる。
(3−3)図9及び図11の実施の形態においては、受信アンテナ5又は送信アンテナ4の位置を、垂直方向に、移動したり複数取り付けたりした場合について述べたが、これに代え、水平方向に移動したり、水平方向に複数設けることにより受信信号の受信強度及び位相を測定するようにしても上述の場合と同様の効果を得ることができる。
(3−4)上述の実施の形態においては、本発明を崖崩れなどの地すべりを検出する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、地面の地層や、地面堆積した石、砂、岩などの層や、地面に積もった雪、氷などの層(これらを地表層と呼ぶ)の一部がずれ動くような場合に適用しても良い。
(3−5)上述の実施の形態においては、検出用電波S2として周波数が2.4〔GHz〕のマイクロ波を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、1〜5〔GHz〕の周波数範囲のマイクロ波を適用できる。
(3−6)上述の実施の形態においては、検出用電波S2として、正弦波のものを用いるようにしたが、これに代え、例えば拡散スペクトル変調などの変調を与えたものを用いるようにしても良い。
本発明は地すべりなどの災害の予測装置に利用できる。
本発明の一実施の形態による地点間距離変動検出装置を示す略線的系統図である。 図1の信号処理系の詳細構成を示すブロック図である。 地点間距離変動判定処理手順を示すフローチャートである。 送信アンテナ及び受信アンテナの構成を示す略線的側面図である。 反射波の影響の説明に供する略線図である。 距離−位相差特性を示す特性曲線図である。 アンテナ適応設置処理手順を示すフローチャートである。 距離−受信強度特定を示す特性曲線図である。 極大位置へのアンテナの設置の説明に供する略線的側面図である。 位相差地点間距離変換モデルの説明に供する特性曲線図である。 図9の他の実施の形態を示す略線的側面図である。
符号の説明
1……地点間距離変動検出装置、2……地すべり予測地域、3A……非地すべり地点、3B……地すべり地点、4……送信アンテナ、5……受信アンテナ、6……地点間距離変動検出装置本体、6A……送信機、6B……変動検出回路、11……送信用同軸ケーブル、12……受信用同軸ケーブル、13……中継装置、21……検出信号発生回路、22……分配回路、23……基準信号入力回路、24……位相比較回路、26……増幅回路、27……受信信号入力回路、28……判定回路。

Claims (5)

  1. 地表層すべり予測地域の地表層すべり地点及び非地表層すべり地点のいずれか一方に設置した送信アンテナから、上記地表層すべり地点及び非地表層すべり地点の他方に設置した受信アンテナに、基準信号に基づいて発生したマイクロ波でなる検出用電波を送出すると共に、上記受信アンテナの受信信号の位相と上記基準信号の位相との位相差を検出する地点間距離変動検出装置本体を有し、
    上記地点間距離変動検出装置本体は、上記検出した位相差を位相差−地点間距離変換モデルに従って地点間距離変動値に変換し、当該地点間距離変動値の変化率が異常判定値を超えたとき異常報知情報を発生する
    ことを特徴とする地点間距離変動検出装置。
  2. 上記地点間距離変動検出装置本体は、上記送信アンテナ又は上記受信アンテナを相対的に連続的に移動させて上記受信アンテナの受信信号の受信強度及び上記位相差を測定し、上記受信強度が極大値になった上記送信アンテナ又は上記受信アンテナの移動位置近傍の複数の地点間位置と、上記測定した位相差との関係を第1の上記位相差−地点間距離変換モデルとして用いる
    ことを特徴とする請求項1に記載の地点間距離変動検出装置。
  3. 上記地点間距離変動検出装置本体は、上記送信アンテナ又は上記受信アンテナを相対的に間隔を置いた複数の位置に設定してそれぞれ上記受信アンテナの受信信号の受信強度及び上記位相差を測定し、上記受信強度が極大値になった上記送信アンテナ又は上記受信アンテナの移動位置近傍の複数の地点間位置と、上記測定した位相差との関係から予測した第2の上記位相差−地点間距離変換モデルを用いる
    ことを特徴とする請求項1に記載の地点間距離変動検出装置。
  4. 上記地点間距離変動検出装置本体は、上記受信アンテナの受信信号の受信強度が極大値になる地点間位置近傍の地点間位置と、当該複数の地点間位置に対応させて予測した上記位相差との関係から予測した第3の上記位相差−地点間距離変換モデルを用いる
    ことを特徴とする請求項1に記載の地点間距離変動検出装置。
  5. 地表層すべり予測地域の地表層すべり地点及び非地表層すべり地点のいずれか一方に設置した送信アンテナから、上記地表層すべり地点及び非地表層すべり地点の他方に設置した受信アンテナに、基準信号に基づいて発生したマイクロ波でなる検出用電波を送出するステップと、
    上記受信アンテナの受信信号の位相と上記基準信号の位相との位相差を検出するステップと、
    位相差−地点間距離変換モデルに従って上記検出した位相差を地点間距離変動値に変換し、当該地点間距離変動値が異常判定値を超えたとき異常報知情報を発生するステップと
    を具えることを特徴とする地点間距離変動検出方法。
JP2006181940A 2006-06-30 2006-06-30 地点間距離変動検出装置及び方法 Pending JP2008008853A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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