JP2016109253A - 転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
Description
この特許文献1に開示の転がり軸受は、内輪と外輪の間に複数個の転動体が組み込まれてなるラジアル転がり軸受であり、その特徴とするところは、例えば、大径の転動体と小径の転動体が周方向にわたって交互に組み込まれ、その大径の転動体の内部すきま(ラジアルすきま)を負すきまとするとともに、小径の転動体の内部すきま(ラジアルすきま)を正すきまとして構成している点にある。
大小径の異なる転動体が組み込まれ、かつそれぞれの転動体は正すきまをもって組み込まれており、
軽荷重時は径の大きな転動体のみで荷重を負荷し、
不意の衝撃荷重や高荷重が掛かったときには径の大きい転動体に加え、径の小さい転動体でも荷重を負荷することを特徴とする転がり軸受としたことである。
第一実施形態乃至第五実施形態はラジアルニードル軸受、第六実施形態乃至第九実施形態はスラストニードル軸受に採用した実施の形態を図示している。
なお、本明細書及び図面にて説明する実施形態は本発明の一実施形態にすぎず何等限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内で設計変更可能である。
図1は、本発明の第一実施形態に係る転がり軸受の概略を示し、本実施形態では、中央列の針状ころ軸受3と、左側列(図1に向かって左側の列)の針状ころ軸受9及び右側列(図1に向かって右側列)の針状ころ軸受15が、それぞれ別体の保持器4,10,16と針状ころ8,14,20で構成されている複列で別体のC&R(ケージ&ローラ)仕様のラジアルニードル軸受の一形態を採用している。
中央列の針状ころ軸受3と、左側の針状ころ軸受9と、右側の針状ころ軸受15は、回転可能に構成されている第一部材(回転軸)1の外径1aと、前記第一部材(回転軸)1と相対回転可能に配設されている第二部材(外輪又はハウジング)2の内径2aとの間に組み込まれている。
そして、それぞれのころ8,14,20は、それぞれの内部すきま(ラジアルすきま)a,b,bが正すきまである。
また、本実施形態では、中央列のころ8と左列のころ14と右列のころ20は、それぞれ、軸方向で同一位置に配設されるように構成されている。
針状ころの径は、特に限定解釈されるものではなく、それぞれの第一部材1と第二部材2との間に組み込まれた際にそれぞれのころ8,15,20が正すきまa,bをもって組み込み可能な程度の大きさ(径)とすればよい。
なお、保持器(ケージ)4(10,16)の構成は図示形態に限定されることなく、周知一般の保持器(ケージ)が本発明の範囲内において採用可能である。
大径ころ8と回転軸1の正すきまをa、小径ころ14,20と回転軸1との正すきまをb、大径ころ8の径をc、左右の小径ころ14,20の径をdとすると、内部すきま(ラジアルすきま)の設定は次の式によって表すことができる。
a<b、b=a+ラジアル変位
c>d、d=c−ラジアル変位
なお、ラジアル変位量は、大径ころ8が負荷することができる限界荷重から机上検討を行い算出する。
このように、径の異なるころ8,14,20を組み込むことにより、軽荷重時(通常時)には転がり軸受としての機能を発揮しつつ、衝撃荷重のような不意に掛かる荷重や、使用上モードにより掛かる過大荷重に対し、軸受容量が大きくなるため、軸受の過大面圧や寿命低下を防ぐことができる。
また、軽荷重時(通常時)には、大径ころ8のみで荷重を受けているためトルクも低く抑えることができる。
さらに、相手部材(例えば軸又はハウジングや外輪内径)の軌道面に段差をつける必要性がないため、軸及びハウジング(外輪内径)への加工手間もない。
また、本実施形態のように、左列の小径の針状ころ軸受9と右列の小径の針状ころ軸受15で中央列の大径の針状ころ軸受3を挟むような形態を採用したため、回転軸(ハウジング)1への組み込み時にミスアライメント状態であったとしても面圧分担にもなる。
また、本実施形態では、それぞれの列には同一径のころを組み込んでいるが、それぞれの列において例えば周方向で交互に大径のころと小径のころを組み込む形態であってもよく本発明の範囲内である。
さらに、本実施形態では、中央列のころ8と左列のころ17と右列のころ20は、それぞれ、軸方向で同一位置に配設されるように構成されているが、それぞれ軸方向で互い違い(千鳥状)に配設されるように構成されるものであってもよく本発明の範囲内である。
本実施形態では三列の実施の一形態をもって説明したが、二列であっても四列以上であってもよく特に限定解釈されるものではない。
また、第一部材1と第二部材2は、本発明の範囲内で適宜選択されるものであり、広く適用可能である。
図3は本発明の第二実施形態を示す。
第二実施形態は、第一実施形態における中央列のころ8に、保持器を有さない総ころ形態を採用した実施の一形態である。
その他の構成及び本実施形態の作用効果は第一実施形態と同じである。
図4は本発明の第三実施形態を示す。
第三実施形態は、第一実施形態と異なり、一つの保持器21でそれぞれの列のころ(中央列のころ8、左列のころ14、右列のころ20)を保持する一体型の軸受形態を採用した実施の一形態である。
保持器21は、円環状に形成されるとともに、周方向で所定の間隔毎に複数個設けられたポケット22が形成されている。本実施形態では、中央列に大径ころ8を組み込むためのポケット22が周方向に複数個形成され、左列と右列には小径ころ14,20を組み込むためのポケット22,22がそれぞれ周方向に複数個形成されている。
その他の構成及び本実施形態の作用効果は第一実施形態と同じである。
図5は本発明の第四実施形態を示す。
第四実施形態は、単列のラジアルニードル軸受に本発明を適用した実施の一形態である。
本実施形態は、単一の円環状の保持器23と、保持器23に組み込まれる複数個のころ25,26で…構成されている。保持器23には周方向に所定間隔をあけて複数個のポケット24が形成され、各ポケット24は周方向にわたって大径ころ25と小径ころ26が交互に組み込まれている。
a<b、b=a+ラジアル変位
c>d、d=c−ラジアル変位
その他の構成及び本実施形態の作用効果は第一実施形態と同じである。
図6は本発明の第五実施形態を示す。
第五実施形態は、シェル形のラジアルニードル軸受に本発明を適用した実施の一形態である。
本実施形態では、薄い鋼板からなるシェル形外輪27に、第一実施形態の複列のラジアルニードル軸受を組み込んだ実施の一形態である。
本実施形態では開放形の一例を示すが、一端密閉形であっても良く適宜選択使用可能である。
なお、シェル形の外輪に代えて、ソリッド(削り出し)の外輪に第一実施形態乃至第四実施形態の軸受を組み込んだソリッド形のラジアルニードル軸受としてもよく本発明の範囲内である。さらに、内輪付きの形態であっても構わない。
その他の構成及び本実施形態の作用効果は第一実施形態乃至第四実施形態と同じである。
図7は本発明の第六実施形態で、本発明を第一部材(例えばレース)1と第二部材(例えば図示しないレース)との間に配設されるスラストニードル軸受に適用した実施の一形態の概略を示す。
本実施形態では、内側列(図7に向かって右側の列)の針状ころ軸受28と外側列(図6に向かって左側の列)の針状ころ軸受35が、それぞれ別体の保持器(ケージ)30,37と針状ころ34,41で構成されている複列で別体のC&R(ケージ&ローラ)仕様のスラストルニードル軸受の一形態を採用している。
そして、それぞれのころ34,41は、それぞれの内部すきま(ラジアルすきま)a,b,bが正すきまである。
また、本実施形態では、外側列のころ41と内側列のころ34は、それぞれ、軸心A1方向(径方向)で同一位置に配設されるように構成されている。
針状ころの径は、特に限定解釈されるものではなく、それぞれ第一部材1と第二部材との間に組み込まれた際にそれぞれのころ34,41が正すきまをもって組み込み可能な程度の大きさ(径)とすればよい。
第一ケージ37と第二ケージ30はそれぞれ大きさ(径方向大きさ)が異なるだけでその他は同一であるため、本実施形態では第一ケージ37についてのみ説明し第二ケージ30については符合のみ記載してその説明は省略する。
一方、第二円環部39(32)は、第一円環部38(31)と同じく、環状板部39a(32a)と、環状板部39a(32a)の内外縁からそれぞれ鉛直方向に連続して設けられた環状外壁部39b(32b)と環状内壁部39c(32c)で構成された断面視で略コの字状に形成され、環状板部39a(32a)の周方向に所定間隔をあけて複数個の貫通孔39d(32d)が形成されている。
第二円環部39(32)は、第一円環部38(31)の環状外壁部38b(31b)と環状内壁部38c(31c)との間の空間に収まる程度に第一円環部38(31)と比して小さく形成されている。
そして、前記貫通孔38d,39d(31d,32d)で形成されたポケット340(33)にて、各ころ41(34)が転動可能に保持されている。
なお、保持器(ケージ)構成は図示形態に限定されることなく、周知一般の保持器(ケージ)が本発明の範囲内において採用可能である。
a<b、b=a+ラジアル変位
c>d、d=c−ラジアル変位
また、本実施形態では、それぞれの列には同一径のころを組み込んでいるが、それぞれの列において例えば周方向で交互に大径のころと小径のころを組み込む形態であってもよく本発明の範囲内である。
さらに、本実施形態では、外側列のころ41と内側列のころ34は、それぞれ、軸心A1方向(径方向)で同一位置に配設されるように構成されているが、それぞれ軸方向で互い違い(千鳥状)に配設されるように構成されるものであってもよく本発明の範囲内である。
本実施形態では、軸心A1方向(径方向)で二列の実施の一形態をもって説明したが、三列以上であってもよく特に限定解釈されるものではない。
その他の構成及び作用効果は第一実施形態と同じである。
図8は本発明の第七実施形態を示す。
第七実施形態は、第六実施形態と異なり、一つの保持器(ケージ)42でそれぞれの列のころ(外側列のころ46、内側列のころ47)を保持する一体型の軸受形態を採用した実施の一形態である。
一方、第二円環部44は、第一円環部43と同じく、環状板部44aと、環状板部44aの内外縁からそれぞれ鉛直方向に連続して設けられた環状外壁部44bと環状内壁部44cで構成された断面視で略コの字状に形成され、前記第一円環部43の貫通孔43dと同一位置に複数個の貫通孔44dが形成されている。
第二円環部44は、第一円環部43の環状外壁部43bと環状内壁部43cとの間の空間に収まる程度に第一円環部43と比して小さく形成されている。
そして、前記貫通孔43d,44dで形成されたポケット45にて、各ころが46,47転動可能に保持されている。本実施形態では第七実施形態と同様に外側列に大径のころ46、内側列に小径のころ47が組み込まれている。
なお、保持器(ケージ)構成は図示形態に限定されることなく、周知一般の保持器(ケージ)が本発明の範囲内において採用可能である。
その他の構成及び本実施形態の作用効果は第一実施形態及び第六実施形態と同じである。
図9は、本発明の第八実施形態を示す。
第八実施形態は、単列のラジアルニードル軸受に本発明を適用した実施の一形態である。
本実施形態は、単一の円環状の保持器48と、保持器48に組み込まれる複数個のころ52,53で構成されている。保持器48は第七実施形態と同様に第一円環部49と第二円環部50で構成されているが、保持器48には単列で、周方向にわたって所定間隔毎に複数個のポケット51が形成され、ころは周方向にわたって大径ころ52と小径ころ53が交互に組み込まれている。
一方、第二円環部50は、第一円環部49と同じく、環状板部50aと、環状板部50aの内外縁からそれぞれ鉛直方向に連続して設けられた環状外壁部50bと環状内壁部50cで構成された断面視で略コの字状に形成され、前記第一円環部49の貫通孔49dと同一位置に複数個の貫通孔50dが形成されている。
第二円環部50は、第一円環部49の環状外壁部49bと環状内壁部49cとの間の空間に収まる程度に第一円環部49と比して小さく形成されている。
そして、前記貫通孔49d,50dで形成されたポケット51にて、各ころ52,53が転動可能に保持されている。本実施形態では第七実施形態と同様に外側列に大径のころ52、内側列に小径のころ53が組み込まれている。
なお、保持器(ケージ)構成は図示形態に限定されることなく、周知一般の保持器(ケージ)が本発明の範囲内において採用可能である。
a<b、b=a+ラジアル変位
c>d、d=c−ラジアル変位
なお、ラジアル変位量は、大径ころ8が負荷することができる限界荷重から机上検討を行い算出する。
そして、それぞれのころ52,53は、それぞれの内部すきま(ラジアルすきま)a,bが正すきまである。
その他の構成及び本実施形態の作用効果は第一実施形態、第六実施形態及び第七実施形態と同じである。
図10は、本発明の第九実施形態を示す。
第九実施形態は、第八実施形態の単列のラジアルニードル軸受を外側レース(外輪)54と内側レース(内輪)55で覆って一体化した実施の一形態である。
なお、第六実施形態第八実施形態のスラストニードル軸受を適用することも可能で本発明の範囲内である。
その他の構成及び作用効果は第一実施形態、第六実施形態乃至第八実施形態と同じである。
また、本実施形態では針状ころ軸受をもって説明したが、玉軸受にも利用可能である。
2 第二部材
8 中央列のころ
14 左列のころ
20 右列のころ
a 隙間(大径ころと第一部材との隙間)
b 隙間(小径ころと第一部材との隙間)
c ころ径(大径ころの径)
d ころ径(小径ころの径)
Claims (2)
- 相対回転可能な第一部材と第二部材との間に配される転がり軸受であって、
大小径の異なる転動体が組み込まれ、かつそれぞれの転動体は正すきまをもって組み込まれており、
軽荷重時は径の大きな転動体のみで荷重を負荷し、
不意の衝撃荷重や高荷重が掛かったときには径の大きい転動体に加え、径の小さい転動体でも荷重を負荷することを特徴とする転がり軸受。 - 転動体が複列で組み込まれており、一の列に組み込まれる転動体と他の列に組み込まれる転動体の径が異なっていることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。
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- 2014-12-09 JP JP2014249067A patent/JP2016109253A/ja active Pending
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