JP2008008431A - 真空断熱材と発泡ポリスチレンとからなる一体成形した複合断熱材とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面にホットメルト系接着剤を塗布した真空断熱材を配置した金型内で発泡性ポリスチレン粒子を発泡成形することにより、又は、貫通孔及び/又は切欠部を有する真空断熱材を配置した金型内で発泡性ポリスチレン粒子を発泡成形することによって得られる真空断熱材と発泡ポリスチレンとからなる複合断熱材。発泡ポリスチレンは真空断熱材の全表面を覆っていても良いし、その一部を覆っていても良い。
【選択図】図1
Description
しかしながら、例えば保冷車、冷蔵庫に用いられる断熱材は、省エネルギーの観点から断熱性能の向上が要求されているが、硬質ウレタンフォームを断熱材として使用する場合には断熱性能を高めるためには断熱材の厚みを大きくしなければならず、このため収納容量が低下し、また、重量が増加するために燃費も悪くなると言う問題があった。
特許文献4に記載のものを図7に示した。図7(a)は平面図であり、図7(b)は図7(a)のF−F断面図である。
すなわち、本発明は以下に記載するとおりの複合断熱材及びその製造方法である。
(2)真空断熱材が貫通孔及び/又は切欠部を有し、該貫通孔及び/又は切欠部内に発泡成形された発泡ポリスチレンが存在することを特徴とする上記(1)に記載の複合断熱材。
(3)貫通孔及び/又は切欠部を有する真空断熱材と該真空断熱材の外表面並びに貫通孔及び/又は切欠部内で発泡成形された発泡ポリスチレンとからなる複合断熱材。
(4)真空断熱材が板状体であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の複合断熱材。
(5)真空断熱材の全表面が発泡ポリスチレンによって覆われていることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の複合断熱材。
(6)真空断熱材の表面の一部が発泡ポリスチレンによって覆われていることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の複合断熱材。
(7)真空断熱材と発泡ポリスチレンとからなる複合断熱材の製造方法であって、
原料粒子を予備発泡させ、発泡性ポリスチレン粒子とする工程
ホットメルト系接着剤を真空断熱材の表面に塗布する工程、
前記真空断熱材を金型に設置する工程、
発泡性ポリスチレン粒子を金型に充填する工程、
金型を密閉して蒸気加熱することにより金型内部でポリスチレン粒子を発泡させて、複合断熱材を形成する工程
及び
金型から複合断熱材を脱型する工程
を含む複合断熱材の製造方法。
(8)真空断熱材と発泡ポリスチレンとからなる複合断熱材の製造方法であって、
原料粒子を予備発泡させ、発泡性ポリスチレン粒子とする工程
貫通孔及び/又は切欠部を有する真空断熱材を金型に設置する工程、
発泡性ポリスチレン粒子を金型に充填する工程、
金型を密閉して蒸気加熱することにより金型内部でポリスチレン粒子を発泡させて、複合断熱材を形成する工程
及び
金型から複合断熱材を脱型する工程
を含む複合断熱材の製造方法。
・真空断熱材と発泡ポリスチレンとがホットメルト系接着剤により接着されていることにより、真空断熱材のカバー率を高めることができ、かつ、強度物性を向上させることができる。また、真空断熱材の片面のみに発泡ポリスチレンを一体成形しても真空断熱材と発泡ポリスチレンとが外れにくく、複雑な形状に対しても真空断熱材と発泡ポリスチレンとの間に隙間がなくなる。
・真空断熱材に貫通孔及び切欠部を設けて複合断熱材の上下面を発泡スチロールでつなげることにより、真空断熱材のカバー率を高めることができ、かつ、強度物性を更に向上させることができると共に反りを低減することができる。
真空断熱材に貫通孔及び切欠部を設けて複合断熱材の上下面発泡スチロールでつなげることにより、ホットメルトなしでも、ある程度の曲げ強度を保ちながら、配管や配線など設計上の自由度を高めることが可能となる。
本発明の複合断熱材は真空断熱材と発泡ポリスチレンとが接着しているので真空断熱材と発泡ポリスチレンとの間での空気の対流が少なくなり、優れた断熱性能を有する。
本発明で使用するホットメルト系接着剤は熱可塑性接着剤であるため、真空断熱材の表面に接着処理を行った後、反応硬化型接着剤のようにすぐに発泡成形する必要がなく、また、粘着タイプの接着剤では不可能な重ね置きや横持ちが可能となる。
本発明の複合断熱材は種々の形状にして用いることができるが、以下では断熱パネル、冷凍庫、冷蔵庫、保冷車、コンテナー、保温保冷箱、建築物の床・天井・壁、風呂蓋等に用いられる平板型の複合断熱材を例にして本発明を説明する。
(1)原料粒子を予備発泡させ、発泡性ポリスチレン粒子とする工程
(2)ホットメルト系接着剤を加熱溶融して真空断熱材の表面に塗布する工程
(3)前記真空断熱材を金型に設置する工程
(4)発泡性ポリスチレン粒子を金型に充填する工程
(5)金型を密閉して蒸気加熱することにより金型内部でポリスチレン粒子を発泡させて、複合断熱材を形成する工程
(6)金型から複合断熱材を脱型する工程
上記(4)の工程において真空断熱材の表面に塗布されたホットメルト接着剤は溶融し、発泡成形されたポリスチレンと真空断熱材とがホットメルト系接着剤によって接着される。
本発明で用いるホットメルト系接着剤の材料としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリアミド(PA)、ポリオレフィン共重合物(PP)を挙げることができ、軟化点が80〜170℃のものが好適である。より好ましくは、EVA系、PP系で、軟化点が100℃〜140℃である。
ホットメルト系接着剤の真空断熱材表面への塗布厚さは100〜200μmが好ましい。塗布厚さが薄すぎると良好な接着力が得られず、また、塗布厚さが厚すぎると発泡性ポリスチレン粒子の充填性が悪く、良好な複合断熱材が得られない。また接着剤の厚さが厚くなると、断熱性能の悪化につながる恐れがある。
真空断熱材としては圧縮強度が0.05N/mm2以上(100℃)のものを用いることが好ましい。
複合プラスチックラミネートフィルムの一例としてはポリエチレンテルフタレートフィルム/ナイロンフィルム/アルミ箔/ポリエチレンフィルム(熱溶着層)の4層構造のラミネートフィルムやポリエチレンテルフタレートフィルム/アルミ箔/高密度ポリエチレンフィルム(熱溶着層)の3層構造のラミネートフィルムを挙げることができる。
熱溶着層のポリエチレンフィルムとしては、上記の高密度ポリエチレン(HDPE)を用いることができ、またポリエチレンフィルムに代えてCPP、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等を用いることができる。
更に、貫通孔や切欠部にもホットメルト系接着剤を塗布しておくことにより複合断熱材の強度を更に向上させることができる。
(1)原料粒子を予備発泡させ、発泡性ポリスチレン粒子とする工程
(2)貫通孔及び/又は切欠部を有する真空断熱材を金型に設置する工程
(3)発泡性ポリスチレン粒子を金型に充填する工程
(4)金型を密閉して蒸気加熱することにより金型内部でポリスチレン粒子を発泡させて、複合断熱材を形成する工程
(5)金型から複合断熱材を脱型する工程
例えば、真空断熱材と発泡ポリスチレンを箱形の形状に一体成形したものは断熱箱、クーラーボックスとして使用することができる。
円盤形状・円筒形状に一体成形したものは貯湯タンク、配管カバー、保冷保温水筒などの円筒形容器・蓋として使用することができる。
半円筒形状に一体成形したものは貯湯タンク、配管カバー、保冷保温水筒などの円筒状容器の構成部材として用いることができる。
三角錐、四角錐、円錐などの錐体状としたものは、貯湯タンク、タンクローリー、保冷保温水筒などの円筒形容器の鏡板として用いることができる。
また、発泡ポリスチレンを真空断熱材の全面に一体成形してもよいし、一部の面にのみ一体成形してもよい。
<VIP及びVIPスチロール寸法>
・VIPサイズ:4.6t×70×90(mm)
・VIPスチロールサイズ:10t×90×120(mm)
<サンプル作成・試験方法>
(1)原料粒子(粒径0.8mm)を予備発泡させ、発泡性ポリスチレン粒子(粒径1.5mm)にする。
(2)VIPを作製する。
(3)VIPにホットメルトを塗布する。
(4)VIPを金型下面に設置し、金型に接した面を除いたVIP表面に発泡性ポリスチレン粒子を配置する。
(5)金型を蒸気加熱(約120℃)して、VIPを発泡スチロールと一体成形させる。
(6)曲げ試験サンプルサイズにサンプリングする。
(7)曲げ試験(JIS K 7221−2)に準じた方法で、曲げ試験を行う。
なお接着性は、一体成形後のVIPの外れやすさによって評価した。
表1に示すホットメルト剤を用いて図3に示すような実施例1〜3のサンプルを作製し、得られたサンプルについて接着性、曲げ強度を評価した。評価結果を表1に示す。
[実施例4]
図5に示すような2つの貫通孔(孔径10mm)を設けたVIPを作製し、これを用いてホットメルト系接着剤を用いることなく、発泡スチロールを一体成形した。
[比較例1、2]
ホットメルト系接着剤に代えて表1に示す接着剤を用いたこと以外は実施例1と同様にしてサンプルを作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
[比較例3]
ホットメルト系接着剤を用いなかったこと以外は実施例1と同様にしてサンプルを作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
(但し、PA系は一般的に軟化点(120〜180℃)の高いタイプが多く、再融着しづらいものもある。)
また、実施例4のサンプルは、ホットメルト系接着剤を使用しないため、重ね置き、横持ちが可能であり、VIPに貫通孔を設けたためホットメルト系接着剤を使用しなくても発泡スチロールとVIPとが外れにくくなる。
比較例2のようにエポキシ系接着剤を用いたものでは、接着剤が反応硬化型タイプなので、塗布後の保管状態が悪い。つまり、塗布直後すぐに一体成形しなければならない。
また、接着剤が硬化した後、発泡スチロールと一体成形しても、反応が終わっており、未接着となり、容易にVIPが外れてしまう。
比較例3ように接着剤を使用しないものではVIPと発泡スチロールが接着していないので、容易にVIPが外れてしまい、曲げ強度が低い。
2、2’ 外被材
3 芯材
4 熱溶着部
5 発泡ポリスチレン
6 ホットメルト接着部
7 柱状部分
8 硬質ウレタンフォーム
Claims (8)
- 表面にホットメルト系接着剤を塗布した真空断熱材を配置した金型内で発泡性ポリスチレン粒子を少なくとも片面に発泡成形して得られる、真空断熱材と発泡ポリスチレンとがホットメルト系接着剤によって接着されてなる複合断熱材。
- 真空断熱材が貫通孔及び/又は切欠部を有し、該貫通孔及び/又は切欠部内に発泡成形された発泡ポリスチレンが存在することを特徴とする請求項1に記載の複合断熱材。
- 貫通孔及び/又は切欠部を有する真空断熱材と該真空断熱材の外表面並びに貫通孔及び/又は切欠部内で発泡成形された発泡ポリスチレンとからなる複合断熱材。
- 真空断熱材が板状体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複合断熱材。
- 真空断熱材の全表面が発泡ポリスチレンによって覆われていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の複合断熱材。
- 真空断熱材の表面の一部が発泡ポリスチレンによって覆われていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の複合断熱材。
- 真空断熱材と発泡ポリスチレンとからなる複合断熱材の製造方法であって、
原料粒子を予備発泡させ、発泡性ポリスチレン粒子とする工程
ホットメルト系接着剤を真空断熱材の表面に塗布する工程、
前記真空断熱材を金型に設置する工程、
発泡性ポリスチレン粒子を金型に充填する工程、
金型を密閉して蒸気加熱することにより金型内部でポリスチレン粒子を発泡させて、複合断熱材を形成する工程
及び
金型から複合断熱材を脱型する工程
を含む複合断熱材の製造方法。 - 真空断熱材と発泡ポリスチレンとからなる複合断熱材の製造方法であって、
原料粒子を予備発泡させ、発泡性ポリスチレン粒子とする工程
貫通孔及び/又は切欠部を有する真空断熱材を金型に設置する工程、
発泡性ポリスチレン粒子を金型に充填する工程、
金型を密閉して蒸気加熱することにより金型内部でポリスチレン粒子を発泡させて、複合断熱材を形成する工程
及び
金型から複合断熱材を脱型する工程
を含む複合断熱材の製造方法。
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