JP2008001566A - アルミナセメント、アルミナセメント組成物及びそれを用いた不定形耐火物。 - Google Patents

アルミナセメント、アルミナセメント組成物及びそれを用いた不定形耐火物。 Download PDF

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【課題】高温条件であっても良好な作業性及び強度発現性を得ることのできるアルミナセメント、アルミナセメント組成物及びそれを用いた不定形耐火物を提供すること。
【解決手段】カルシウムアルミネート原料粉末を高温火炎中に投入し、溶融及び/又は軟化させることにより球状化させてなり、平均球形度が0.8以上であるカルシウムアルミネートを主成分とするアルミナセメントであり、カルシウムアルミネートが、BET測定法による比表面積が0.7〜1.2m/g、平均粒子径が5〜20μmの範囲にあり、鉱物組成中の非晶質が50質量%以上であることを特徴とするアルミナセメントである。さらに、カルシウムアルミネートとアルミナ微粉末を混合してなるアルミナセメント組成物であり、耐火骨材を配合してなる不定形耐火物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルミナセメント、アルミナセメント組成物及びそれを用いた不定形耐火物に関する。
アルミナセメントは、一般に、CaO原料として石灰石や生石灰を、Al2O3原料として精製アルミナ、ばん土頁岩、ボーキサイト及びアルミ残灰等を使用し、焼成法又は溶融法により製造したカルシウムアルミネートを主成分とするクリンカーを単独で粉砕、或いは、クリンカーにアルミナや各種添加剤を添加して混合粉砕することにより製造される。一般的なアルミナセメントの製造方法及びその特性は、広く知られている(非特許文献1)。
行平安雄、佐藤正孝、「アルミナセメントの諸特性について」、耐火物、耐火物技術協会、昭和52年、第29巻、第7号、pp.368−374
アルミナセメントは、高炉や電気炉を中心とした鉄鋼分野、焼却炉及びセメントキルン等の耐火物用バインダーの他に、化学プラントや下水道管等、耐食性が要求される箇所へのライニング材、及び土木建築分野等へ利用されている。アルミナセメントに要求される性能としては、良好な流動性、適度な可使時間といった作業性、硬化後の強度、耐火性及び耐食性等が挙げられる。
アルミナセメントは、製鉄用不定形耐火物のバインダーとして活用されている。不定形耐火物の利用頻度が高い施工方法の一つとして、アルミナセメント、耐火骨材及び水を混合した不定形耐火物材料を型枠へ流し込む、いわゆる流し込み施工が行われているが、流し込みの際の充填不良や鋳込み不良を防止しなければならないという課題があった。
不定形耐火物の作業性、可使時間、並びに硬化時間は、アルミナセメント、使用する骨材及び施工時の温度条件等による影響を受けやすく、一定の使用水量でもフロー等がばらつき、流動性が低下して作業性が取れなくなり、混練物を十分に充填できずに施工不良を起こす場合がある。逆に、凝結時間、硬化時間が遅延し、型枠を外すのに必要な強度が得られない場合も発生する。
夏場等の高温時には、作業性、充填性を確保するため、加水や添加剤の使用により作業性を確保することが行われている。その結果として、養生した後の強度発現が安定せず、十分な強度を得ることができない場合が起こる等の課題があった。
また、溶鋼取鍋用不定形耐火物では、マグネシア等の骨材や乾燥時の爆裂を防止する為の有機繊維等の添加により、尚一層、作業性が悪化する傾向があった。そこで、これらの課題を解決するため、夏場は硬化遅延剤を添加し、作業性、可使時間、硬化時間、及び強度発現性のバランスを取ることが行われていた。しかしながら、それでも作業性が取れなかったり、可使時間が短くなったりして、流し込みによる適切な施工が実施できないという課題があった。
本発明の目的は、上記の状況に鑑み、高温条件であっても良好な作業性及び強度発現性を得ることのできるアルミナセメント及びそれを用いた不定形耐火物を提供することである。
即ち、本発明は、カルシウムアルミネート原料粉末を高温火炎中に投入し、溶融及び/又は軟化させることにより球状化させてなり、平均球形度が0.8以上であるカルシウムアルミネートを主成分とするアルミナセメントであり、カルシウムアルミネートが、BET測定法による比表面積が0.7〜1.2m/g、平均粒子径が5〜20μmの範囲にあり、鉱物組成中の非晶質が50質量%以上であることを特徴とするアルミナセメントであり、
アルミナセメントとアルミナ微粉末を混合してなるアルミナセメント組成物である。さらに、アルミナセメント又はアルミナセメント組成物と耐火骨材を配合してなる不定形耐火物である。
本発明のアルミナセメント、アルミナセメント組成物及び不定形耐火物は、高温条件下であっても良好な作業性及び強度発現性が得られ、施工時のトラブルの発生を減らすことができる。
カルシウムアルミネートの原料粉末としては、Al2O3原料として、ばん土頁岩やボーキサイト等の天然原料やバイヤープロセス等の精製法により精製して得られる高アルミナ質、精製アルミナ及びアルミ残灰等を使用することができる。CaO原料としては、石灰石、生石灰、炭酸カルシウム、貝殻等を用いることが可能である。所定の割合で混合した原料を、電気炉、反射炉、平炉等、シャフトキルン及びロータリーキルンにて溶融又は焼成し、カルシウムアルミネートクリンカーを得る。クリンカー中の鉱物組成としては、CA、CA2、C12A7及びこれらの非晶質のうち、1種もしくは2種以上を含有するのが一般的である。その他、SiO2、TiO2、Fe2O3等を本発明の効果を損なわない程度に含むものの使用も可能である。また、原料に由来する不可避的不純物により、2CaO・Al2O3・SiO2、4CaO・Al2O3・Fe2O3及びCaO・TiO2等の鉱物又はそれらの非晶質を含む場合がある。
上述したカルシウムアルミネートクリンカーを、所定の平均粒子径になるよう粉砕機を用いて粉砕し、球状化用の原料粉末を得る。粉砕機の種類は特に限定されず、例えば、チューブミル、振動ミル、ジェットミル、及びローラーミル等の使用が可能である。
高温火炎よって球状化されるカルシウムアルミネートは、原料粉末の粒子径を粉砕の程度により調整することで、任意の粒子径に製造することが可能であり、その平均粒子径は5〜20μmであることが好ましい。平均粒子径が20μmより大きい場合、比表面積が小さくなり、水との混練後の水和反応が大幅に遅れる場合がある他、硬化後の強度が低くなる場合がある。一方、平均粒子径が5μmより小さい場合、比表面積の値が大きくなり、本発明の効果が得ることができない場合がある他、原料粉末の粉砕にコストがかかり、経済的でない。
球状化処理後のカルシウムアルミネートの比表面積は、水と接する面積を適正化し、高温条件下であっても良好な作業性及び可使時間を得る為、0.7〜1.2m/gであることが好ましい。
カルシウムアルミネート粉体の比表面積が、1.2m/gを超えると、高温条件下での作業性が低下する他、可使時間が短くなり本発明の効果が得られない場合がある。一方、0.7m/gより小さい場合には、硬化時間が大きく遅延し、強度発現性が低下する場合がある。
原料粉末を高温火炎中に投入した場合、加熱されて各粒子が溶融又は軟化し、表面張力により球状化する。その後、自然落下やブロアー等によって吸引されることにより火炎から遠のき、冷却され固化することにより、球形度の高いカルシウムアルミネート粉体を得ることができる。ここでの高温火炎とは、原料カルシウムアルミネート粉末の融点以上の温度となる火炎と定義する。火炎の温度は、火炎中の最高温度が原料カルシウムアルミネート粉末の融点温度+0〜500℃の範囲であることが好ましく、+100〜300℃の範囲であることがより好ましい。火炎の温度が原料カルシウムアルミネート粉末の融点より低い場合は、所定の平均球形度が得られない場合がある。また、火炎の温度が、原料カルシウムアルミネート粉末の融点より500℃を超えて高い場合は、製造コストが増大する他、炉体等の製造設備の劣化を早めてしまう為好ましくない。火炎の生成方法は特に限定されないが、プロパンやブタン等の液化石油ガスと、助燃ガスとして酸素を混合し燃焼させたものが、経済的かつ容易に高温を得られる他、CO2、SOxおよびNOx等のガスの発生量が、他の燃料と比較して少ない為好ましい。
原料粉末の火炎への投入方法は特に限定されないが、例えば、円柱形の炉体頭頂部にあるバーナーへ、キャリアガス(酸素)と共にカルシウムアルミネート原料粉末を投入し、液化天然ガスと酸素を燃焼させた火炎中を通過させることにより球状化を行う方法が挙げられる。
球形度は、火炎中に吹き込む原料カルシウムアルミネート粉末の分散の程度、並びに、火炎の温度及び長さの状態を調整することにより、制御が可能である。原料カルシウムアルミネート粉末のフィード量を減じたり、キャリアガス流量を増加する等して分散性を向上させた場合、粒子を溶融及び/又は軟化した際に、粒子同士が融着せず球形度が増加する傾向がある。また、燃料ガスの種類を燃焼性の高いものに切り替えたり、流量を増したりすることで、火炎の温度や長さを調整し、原料粉末が溶融及び/又は軟化する火炎領域を広げることにより、粒子を完全に溶融させ球形度の高い粒子を得ることが可能である。本発明では、比表面積を適正化させること及びボールベアリング効果を得て流動性を向上せしめる為、平均球形度は0.8以上である事が望ましく、0.9以上であることがより望ましい。平均球形度が0.8未満である場合、十分な流動性を得ることができない他、所定の平均粒子径及び比表面積を満足させることができない場合がある。
平均球形度は、実体顕微鏡(例えばニコン社製モデル「SMZ−10型」)、走査型電子顕微鏡等にて撮影した粒子像を画像解析装置(例えば日本アビオニクス社製)に取り込み、次のようにして測定することができる。この方法以外にも、粒子像分析装置(例えばシスメックス社製「FPIA−1000」)にて定量的に自動計測された個々の粒子の真円度から、式、球形度=(真円度)2により換算して求めることもできる。
すなわち、粒子像から粒子の投影面積(A)と周囲長(PM)を測定する。周囲長(PM)に対応する真円の面積を(B)とすると、その粒子の真円度はA/Bとして表示できる。そこで、試料粒子の周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円を想定すると、PM=2πr、B=πr2であるから、B=π×(PM/2π)2となり、個々の粒子の球形度は、球形度=(A/B)=A×(4π/(PM)22=A×16π2/(PM)4として算出することができる。このようにして得られた任意の粒子200個の球形度を求め、その平均値を平均球形度とする。
カルシウムアルミネート原料粉末を高温火炎中に投入し、溶融及び/又は軟化させることにより球状化させたカルシウムアルミネートの非晶質含有量は、溶融及び/又は軟化後の粒子の冷却速度により制御が可能である。溶融及び/または軟化後、冷却空気の取り込み等により溶融炉内温度を低下させ、粒子を急冷させた場合には非晶質含有量が高くなる。一方、溶融炉内を加熱もしくは保温し、粒子を徐冷した場合には非晶質含有量は低くなる。本発明では、非晶質含有量は50質量%以上であることが、水和反応を適正化させ、高温条件下であっても良好な作業性、可使時間が得ることができる為好ましい。
本発明に係る球状化させたカルシウムアルミネートを主成分とするアルミナセメントに、耐火性及び耐食性を向上させる目的でアルミナを添加することは好ましい。ここでいうアルミナは、水酸化アルミニウムや仮焼アルミナなどのAl2O3源を、ロータリーキルン等の焼成装置やガス化溶融炉等の溶融装置によって、焼結又は溶融したものであり、その平均粒子径が1〜10μm程度の微粉タイプの使用が、不定形耐火物に使用した際にアルミナセメント水和物との結合性及び焼結性に優れ、高耐火性及び高耐食性を付与することが出来る為好ましい。アルミナセメント組成物に混合するアルミナ微粉末を、以下添加用アルミナと称す。その鉱物組成としては、α- Al2O3やβ- Al2O3などと示される酸化アルミニウムで、焼結アルミナ、仮焼アルミナ、及び易焼結アルミナ等と呼ばれるものである。通常、化学的に安定、融点が高い、機械的強度が大きい、硬度が高い等の特性を持つα- Al2O3が添加用アルミナとして最も好ましい。
更に本発明では、流動性を改善する目的で、通常、不定形耐火物に配合される硬化遅延剤や硬化促進剤等の添加剤を併用することが可能である。
硬化促進剤は特に限定されないが、例えば、Li2CO3、Ca(OH)2、 NaOH、KOH等のリチウム塩や水酸化物が挙げられ、中でも、リチウム塩は硬化促進作用が強く好ましい。また、硬化遅延剤も特に限定されないが、例えば、カルボン酸類、硼酸類、ポリアクリル酸類、ポリメタクリル酸類及びヘキサメタ燐酸、トリポリ燐酸、ピロ燐酸等のアルカリ塩類が挙げられる。
添加剤の配合方法は、特に限定されるものではなく、例えば、各添加剤を所定の割合になるように配合し、V型ブレンダー、コーンブレンダー、ナウターミキサー、パン型ミキサー、及びオムニミキサー等の混合機を用いて不定形耐火物と均一混合したり、混練水に溶解させて添加する方法をとる事が可能である。
本発明に係る耐火骨材は、通常、不定形耐火物に使用されている耐火骨材が使用可能であって、具体的には、溶融マグネシア、焼結マグネシア、天然マグネシア、及び軽焼マグネシア等のマグネシア、溶融マグネシアスピネルや焼結マグネシアスピネルなどのマグネシアスピネル、溶融アルミナ、焼結アルミナ、軽焼アルミナ、及び易焼結アルミナ等のアルミナ、シリカヒューム、コロイダルシリカ、軽焼アルミナ、及び易焼結アルミナ等の超微粉、その他、溶融シリカ、焼成ムライト、酸化クロム、ボーキサイト、アンダルサイト、シリマナイト、シャモット、ケイ石、ロー石、粘土、ジルコン、ジルコニア、ドロマイト、パーライト、バーミキュライト、煉瓦屑、陶器屑、窒化珪素、窒化ホウ素、炭化珪素、窒化珪素鉄等の使用が可能である。
さらに、本発明の不定形耐火物は、その硬化体を乾燥する際に発生し易い爆裂を防止する目的で金属アルミニウムやシリコン合金などの金属粉末、ビニル繊維やポリプロピレン等の有機繊維、窒素含有ガス生成物、およびデキストリン等の爆裂防止剤を必要に応じて配合することができる。爆裂防止剤の使用量は目的とする耐爆裂性に応じて適宜決定すべきもので、一義的に決定することはできないが、一般的には、不定形耐火物100質量部に対して、0.05〜5質量部程度配合することが好ましく、1〜4質量部配合することがより好ましい。0.05質量部未満では爆裂防止効果が得られない場合があり、5質量部を超えると流動性が低下する場合がある。
本発明に係る不定形耐火物は、耐食性、耐用性、及び耐火性の面から、マグネシア、マグネシアスピネル、シャモット、アルミナ、炭化珪素、及び超微粉、更にはオイルピッチ、タール、鱗状黒鉛等のカーボン質骨材の中から選ばれた一種又は二種以上の耐火骨材を配合して、耐火骨材99〜92質量部、アルミナセメント組成物の添加量が1〜8質量部の低セメントキャスタブルに使用することが好ましい。
本発明に係る不定形耐火物の製造方法は、特に限定されるものではなく、通常の不定形耐火物の製造方法に準じ、各構成原料を所定の割合になるように配合し、V型ブレンダー、コーンブレンダー、ナウターミキサー、パン型ミキサー、及びオムニミキサー等の混合機を用いて均一混合するか、あるいは、所定の割合で混練り施工する際、混練り機に直接秤込むことも可能である。
Al2O3源として高アルミナ質アルミナ、CaO源として酸化カルシウムを用い、CaO/Al2O3 mol比が所定の割合になるように原料を配合し、ガス化溶融炉にて1650℃で溶融後、溶融物を冷却してカルシウムアルミネートクリンカーを作製した。次に、得られたクリンカーをバッチ式ボールミルにて所定の時間粉砕し、原料粉末となるカルシウムアルミネート粉末を作製した。この際、粉砕の程度を調整して、平均粒子径の異なる原料カルシウムアルミネート粉末を作製した。表1に作製したカルシウムアルミネート粉末の物性を示す。
<使用材料>
(1) Al2O3源:日本軽金属社製商品名「A11」
(2)CaO源:酸化カルシウム、純度98.0質量%
<評価方法>
(1)比表面積:ユアサアイオニクス社製「カンタソーブQS−19型」を用い測定した。
(2) 平均粒子径:エタノール溶媒中に超音波によりサンプルを分散後、日機装株式会社製「マイクロトラック粒度分布測定装置」を用い測定した。
(3)平均球形度:シスメックス社製フロー式粒子像分析装置(商品名「FPIA-1000」)を用い、作製したカルシウムアルミネート粉体の平均球形度を測定した。
(4)鉱物組成:日本電子社製「JDX−3500」を用い、粉末X線回折法により測定した回折図形をリートベルト法によって解析・定量した。
非晶質:既知量のα−Quartzと試料の混合粉末を、日本電子社製「JDX−3500」を用いてX線回折法により測定し、回折図形をリートベルト法によって解析・定量した。
次に、実施例1で作製したカルシウムアルミネート粉末10.0kg/hを、円柱形の炉体頭頂部にあるバーナーで形成される、可燃ガス(プロパン2.4Nm3/h)及び助燃ガス(酸素5.0Nm3/h)からなる下向きの火炎中に、キャリアガス(酸素8.0Nm3/h)と共に噴射投入し、サイクロン及びバッグフィルターで捕集することで、球状化されたカルシウムアルミネート粉末を得た。またその際、炉体上部にある冷却用空気取り入れ口の開度を調節し、鉱物の非晶質化を調整した。作製した球状化カルシウムアルミネート粉末の物性を表2に示す。各物性の評価は実施例1と同様に行った。
実施例1及び実施例2で作製したカルシウムアルミネート粉末75質量部と、添加用アルミナ25質量部を混合し、アルミナセメント組成物を作製した。作製したアルミナセメント組成物を7質量部、耐火骨材として電融アルミナ45質量部、焼結アルミナ42質量部、添加材として、マグネシア6.0質量部、シリカフラワー0.5質量部及びビニロン繊維0.3質量部、並びに、添加剤として、トリポリ燐酸ナトリウム0.05質量部及びほう酸0.03質量部を配合して、不定形耐火物を製造した。次に、水を混練直後のフロー値が150mm程度になるよう調整し加えて、モルタルミキサーにて5分間混練り後、35℃における特性を評価した。結果を表3に示す。
<使用材料>
(1)添加用アルミナ:昭和電工社製商品名「AL-170」
(2)焼結アルミナ:アルマティス社製商品名「T−60」、日本軽金属社製商品名「MM−22B」、昭和電工社製商品名「A−172」
(3)電融アルミナ:日本軽金属社製商品名「ニッケイランダムWAG1」及び「ニッケイランダムNR200F−T」
(4)シリカフラワー:エルケム社製商品名「971−U」
(5)マグネシア:宇部化学社製商品名「U99S」
(6)ビニロン繊維:クラレ社製商品名「ビニロン」
(7)トリポリ燐酸ナトリウム:関東化学社製試薬1級
(8)ほう酸:石津製薬社製試薬1級
(9)水:上水道水
<評価方法>
(1)フロー値:JIS R 2521に準じて測定。35℃恒温室内に混練物を所定時間放置した後、15回タッピングした場合のフロー値を測定した。
(2)可使時間:35℃恒温室内で、混練物をポリエチレン製の袋に移し取り、触指にて硬化するまでに要した時間を測定し、可使時間とした。
(3) 硬化時間:35℃恒温室内にて混練物を入れたポリビーカーを断熱容器に入れ、測温抵抗体を差し込み、温度記録計を用いて発熱曲線を測定し、注水から発熱曲線がピークに達するまでの時間を測定して硬化時間とした。
(4)養生圧縮強度:JIS R 2521に準じて測定。40×40×160mmの型枠に混練物を詰め、35℃恒温室内で24時間養生した後、試験片の圧縮強度を測定した。
(5) 乾燥圧縮強度:JIS R 2521に準じて測定。40×40×160mmの型枠に混練物を入れ、35℃恒温室内で24時間養生した後、更に110℃にて24時間乾燥して、試験片の圧縮強度を測定した。
表3に示すように、本発明のアルミナセメント組成物を使用した不定形耐火物は、高温条件下であっても流動性に優れ、適度な可使時間及び良好な強度を得ることができる。
本発明の球状化アルミナセメントの製造装置の一例を示す概略図
符号の説明
1 原料フィーダー
2 バーナー
3 縦型炉
4 サイクロン
5 バッグフィルター
6 ブロワー
7 冷却用空気取入口
8 製品抜出口

Claims (5)

  1. カルシウムアルミネート原料粉末を高温火炎中に投入し、溶融及び/又は軟化させることにより球状化させてなり、平均球形度が0.8以上であるカルシウムアルミネートを主成分とするアルミナセメント。
  2. カルシウムアルミネートのBET測定法による比表面積が0.7〜1.2m/g、平均粒子径が5〜20μmの範囲にあり、鉱物組成中の非晶質が50質量%以上であることを特徴とする請求項1記載のアルミナセメント。
  3. 請求項1又は2記載のアルミナセメントとアルミナ微粉末を混合してなるアルミナセメント組成物。
  4. 請求項1又は2記載のアルミナセメントと耐火骨材を配合してなる不定形耐火物。
  5. 請求項3記載のアルミナセメント組成物と耐火骨材を配合してなる不定形耐火物。
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