JP2007531715A - グリコール結合fgf−21化合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、少なくとも1個のポリエチレングリコール分子、又はその誘導体に共有結合したFGF−21化合物を提供し、これにより、生物活性のポリペプチドは、非ポリペプチドと比較して延長された除去半減期及び遅いクリアランスを有する。これらのEG化FGF−21化合物と組成物は、糖尿病、肥満症、及びメタボリック症候群の治療に有用である。

Description

本発明は、1個又は2個以上のポリエチレングリコール分子に共有結合した神経芽細胞成長因子21化合物、並びに2型糖尿病、肥満症及びメタボリック症候群の治療に有用な方法に関する。
神経芽細胞成長因子は、発達中の組織及び成人組織で幅広く発現する巨大なポリペプチドであり(Baird等、Cancer Cells、3:239−243、1991)、血管新生、有糸***誘発、パターン形成、細胞分化、代謝調節及び組織損傷の修復を含む多数の生理学的機能において重要な役割を果たしている(McKeehan等、Prog.Nucleic Acid Res.Mol.Biol.59:135−176、1998)。刊行された文献によれば、FGFファミリーは、現在、22のメンバーから構成されている(Reuss等、Cell Tissue Res.313:139−157(2003))。
神経芽細胞成長因子21(FGF−21)は、肝臓で優位に発現することが報告されており(Nishimura等、Biochimica et Biophysica Acta、1492:203−206、(2000)、特許文献1及び特許文献2)、虚血性血管疾患、創傷治癒、及び肺、気管支又は肺胞の細胞機能の損失に関連した疾患、並びに他の多数の疾患の治療に用いることが説明されている。より最近になって、FGF−21は、マウス3T3−L1脂肪細胞内でインシュリンの存在及び不在下で糖取り込みを刺激し、ob/ob及びdb/dbマウス並びに8週齢のZDFラットにて、栄養が補給された及び空腹時の血糖、トリグリセリド及びグルカゴン値を用量依存的に低下させることによる、糖尿病及び肥満症の治療法としてのFGF−21使用の基礎を示した(特許文献3)。加えて、FGF−21は、重篤な疾病患者の死亡率および罹患率の低下に有効であることが示されている(特許文献4)。
国際公開第01/36640号パンフレット 国際公開第01/18172号パンフレット 国際公開第03/011213号パンフレット 国際公開第03/059270号パンフレット
本発明は、FGF−21化合物の特定の残基に1個又は2個以上のPEG分子を共有結合させると、天然のFGF−21のそれと比較して除去半減期が延長しクリアランスが低下した、生物活性を有するPEG化FGF−21化合物が形成されるという発見に基づくものである。
本発明のPEG化FGF−21化合物は、天然FGF−21の生物学的活性の全部又は一部を維持し、尚かつ天然FGF−21と比較して延長された作用時間を有するため、天然FGF−21を使用する場合と比較して治療法として非常に有用であり、また利便性が高い。
従って、本発明のPEG化FGF−21化合物は、持続的な暴露を要因とする効力の増大、及び必要な投与量の低下により、これらの治療を必要とする患者の利便性、及び投与要求に関する患者のコンプライアンスの容易さの両方が増す可能性を有するという特定の利益を備え、2型糖尿病、肥満症、及びメタボリック症候群を含むがこれらに限定されない疾患に罹患する対象者の治療に有用である。
本願に記載する本発明は、1個又は2個以上のポリエチレングリコール(PEG)分子、又はその誘導体に共有結合したFGF−21化合物を提供し、ここで各PEGはポリペプチドのシステイン又はリシンアミノ酸残基において結合し、非PEG化FGF−21化合物と比較して延長された作用時間を有するPEG化FGF−21化合物を形成する。
本発明の一実施態様は、配列番号1に示すようなFGF−21のアミノ酸配列を含むPEG化FGF−21化合物であり、ここで少なくとも1個のPEG分子がシステイン残基において結合し、D25C、D38C、L58C、K59C、P60C、K69C、D79C、H87C、E91C、E101C、D102C、L114C、L116C、K122C、R126C、P130C、P133C、又はP140Cからなる群から選択された位置にて天然残基を置換している。
本発明の別の一実施態様は、56、59、69及び122位からなる群から選択された1個又は2個のリシン残基においてPEG分子に共有結合した、配列番号1に示すようなアミノ酸配列を含むPEG化FGF−21化合物である。
更に本発明の別の一実施態様は、PEG化FGF−21化合物からなる医薬組成物と、2型糖尿病、肥満症、インシュリン抵抗性、抗インシュリン血症、耐糖能障害、高血糖、又はメタボリック症候群に罹患した患者を治療する方法であって、該患者に治療的有効量のPEG化FGF−21化合物を投与することを含む方法とを包含する。
詳細な説明
本願に開示され特許請求される本発明のために、以下の用語を以下のように定義する。
FGF−21は、27個のアミノ酸からなるリーダー配列を含む208個のアミノ酸からなるポリペプチドである。ヒトFGF−21は、マウスFGF−21(アミノ酸同定〜79%)及びラットFGF−21(アミノ酸同定〜80%)と高度に一致する。ヒトFGF−21は本発明の好ましいポリペプチドであるが、当業者は本願に記載する用途には、ヒトFGF−21の類似体,突然変異タンパク質、若しくは誘導体、又は代替的な哺乳動物のFGF−21ポリペプチド配列を容易に使用できることを認識されよう。
本発明のアミノ酸の位置は、以下に示す(配列番号1)成熟した、野生型又は天然ヒト181アミノ酸FGF−21ポリペプチドから決定される。
Figure 2007531715
成熟した、野生型又は天然ヒト181アミノ酸FGF−21ポリペプチドに対応するDNAコードは、(配列番号2)である。
CACCCCATCCCTGACTCCAGTCCTCTCCTGCAATTCGGGGGCCAAGTCCGGCAGCGGTACCTCTACACAGATGATGCCCAGCAGACAGAAGCCCACCTGGAGATCAGGGAGGATGGGACGGTGGGGGGCGCTGCTGACCAGAGCCCCGAAAGTCTCCTGCAGCTGAAAGCCTTGAAGCCGGGAGTTATTCAAATCTTGGGAGTCAAGACATCCAGGTTCCTGTGCCAGCGGCCAGATGGGGCCCTGTATGGATCGCTCCACTTTGACCCTGAGGCCTGCAGCTTCCGGGAGCTGCTTCTTGAGGACGGATACAATGTTTACCAGTCCGAAGCCCACGGCCTCCCGCTGCACCTGCCAGGGAACAAGTCCCCACACCGGGACCCTGCACCCCGAGGACCAGCTCGCTTCCTGCCACTACCAGGCCTGCCCCCCGCACTCCCGGAGCCACCCGGAATCCTGGCCCCCCAGCCCCCCGATGTGGGCTCCTCGGACCCTCTGAGCATGGTGGGACCTTCCCAGGGCCGAAGCCCCAGCTACGCTTCC
本発明の方法にて有用なFGF−21は、配列番号1に示すようなヒトFGF−21、以下、総合的にFGF化合物と称するその類自体、突然変異タンパク質、及び誘導体が好ましい。FGF−21化合物はFGF−21と十分な相同性を有するため、FGF−21受容体に結合して、糖取り込み刺激、又は本願に記載する他の生理学的効果を生じるシグナル伝達経路を開始させる能力を有する。例えば、FGF−21化合物は、実施例1に記載した細胞ベースのアッセイによって、糖取り込み活性について試験することができる。
用語「PEG化」とは、本発明のFGF−21化合物について言及する場合、1個若しくは2個以上のポリエチレングリコール分子、又はその誘導体との共有結合により化学修飾されたFGF−21化合物を意味する。また、用語「PEG」は、当該技術分野にて周知のポリエチレングリコール又はその誘導体を意味することを意図する(例えば、米国特許第5、900、461号明細書、米国特許第5、932、462号明細書、米国特許第6、436、386号明細書、米国特許第6、448、369号明細書、米国特許第6、437、025号明細書、米国特許第6、448、369号明細書、米国特許第6、495、659号明細書、米国特許第6、515、100号明細書及び米国特許第6、514、491号明細書参照)。場合により、PEG分子はリンカー又はスペーサー分子(典型的なスペーサー分子は、米国特許第6、268、343号明細書を参照)を介してFGF−21化合物に結合していてもよい。
「対象者」又は「患者」は、哺乳動物、好ましくはヒトである。
2型糖尿病は、利用可能なインシュリン量に対して過剰な糖産生、及び不十分な糖クリアランスの結果として過剰に高い状態に維持された血糖値により特徴付けられる。
糖不耐症は、糖に対する並外れた感受性と定義することができる。
高血糖は、血中の過剰な糖(ブドウ糖)と定義する。
低血糖は、血糖値が低下し過ぎて、身体活動にとって十分なエネルギーを提供し得ない場合に発生する。
高インシュリン血は、正常値よりも高い血中インシュリン濃度と定義する。
インシュリン抵抗性は、正常な量のインシュリンが、正常以下の生物学的反応を引き起こす状態と定義する。
メタボリック症候群は、以下の徴候の中の少なくとも3つの集まりと定義し得る。
腹部脂肪−ウエスト約101.6cm(40インチ)以上(ほとんどは男性)
高血糖−110ミリグラム/デシリットル(mg/dl)以上(断食後)
高トリグリセリド−少なくとも150mg/dL以上(血流中)
低HDL−40mg/dl未満
血圧−130/85以上
天然又は野生型とは、配列番号1に示すような、成熟したヒトの181アミノ酸からなるFGF−21ポリペプチドを指す。
用語「アミノ酸」は、本願において最も広い意味で使用され、天然に存在するアミノ酸、並びにアミノ酸変異体及び誘導体を含む天然に存在しないアミノ酸が含まれる。当業者は、この広い定義を考慮すれば、本願に引用されるアミノ酸には、例えば、天然に存在するタンパク新生L−アミノ酸、D−アミノ酸、例えばアミノ酸変異体及び誘導体のような化学修飾アミノ酸、例えばノルロイシン、β−アラニン、オルニチン等の天然に存在する非タンパク新生アミノ酸、並びにアミノ酸の特徴として当該技術分野にて知られている性質を有する、化学合成された化合物を含むことが認識されよう。天然に存在しないアミノ酸の例は、α−メチルアミノ酸(例、α−メチルアラニン)、D−アミノ酸、ヒスチジン様アミノ酸(例、2−アミノ−ヒスチジン、β−ヒドロキシ−ヒスチジン、ホモヒスチジン、α−フルオロメチル−ヒスチジン及びα−メチル−ヒスチジン)、側鎖内に余分のメチレンを有するアミノ酸(「ホモ」アミノ酸)、並びに側鎖内のカルボン酸官能基が、スルホン酸基で代替されたアミノ酸(例、システイン酸)を含む。しかしながら、本発明のFGF−21化合物は、本願に別に特に提供される以外、天然に存在するアミノ酸のみを含むことが好ましい。
FGF−21化合物を示すために本願に使用される命名法において、アミノ酸は、三文字コード、又は代替的に標準的な一文字コードを用いて識別される。突然変異は、元のアミノ酸の三文字コード、続くアミノ酸番号、続く代替アミノ酸の三文字コードで示す。各突然変異タンパク質の数による指定は、成熟した、野生型のヒトFGF−21の181個のアミノ酸配列を基準とする。例えば、第59位のリシン(即ち、Lys59)のシステイン(Cys)による置換は、Lys59Cys又はK59Cと指定する。同様に、第152位のイソロイシン及び第163位のセリン(Ile152、Ser163)の負電荷アミノ酸、グルタメート(Glu)による二重置換は、Ile152Glu/Ser163Glu又はI152E/S163Eと指定する。
用語「天然」又は「野生型」は、天然に見出されるアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを意味する。用語「天然」又は「野生型」は、問題のポリペプチドの対立遺伝子変異体を包含することを意図する。
本願で使用される「インビトロ効力」は、細胞ベースのアッセイにおけるPEG化FGF−21化合物の糖取り込みの測定値、及びFGF−21化合物の生物学的効力の測定値を意味する。インビトロ効力は「EC50」として表され、これは単一用量反応実験において50%活性を示す化合物の有効濃度である。本発明の目的において、インビトロ効力は3T3−L1細胞を使用した糖取り込みアッセイにより決定される(実施例1)。
用語「血漿半減期」は、浄化前、半分の関連した分子が血漿中を循環するまでの時間を指す。代替的に使用される用語は、「除去半減期」である。血漿半減期又は除去半減期の文脈にて使用される用語「延長された作用時間」又は「より長い作用時間」は、類似した条件下で測定して、PEG化FGF−21化合物の半減期が、基準分子(例、ポリペプチドの非PEG化形態、又は天然ポリペプチド)の半減期と比較して有意に延長していることを示す。本発明のPEG化FGF−21化合物は、類似した非PEG化FGF−21化合物の除去半減期よりも長い除去半減期を有することが好ましい。本願の実施例5に報告されている半減期は除去半減期であり、これは除去の末期の対数線形の割合(terminal log−linear rate)に相当する。当業者は、半減期がクリアランス及び分布容積の両方の関数として変化する誘導パラメータであることを理解されよう。
クリアランスは、身体が薬物を除去する能力の測定値である。例えば薬物に対する修飾を要因としてクリアランスが低下するにつれて、半減期が延長することが期待されよう。しかしながら、この相反的な関係は、分布容積に変化がない場合にのみ正確である。末期の対数線形半減期(t1/2)、クリアランス(C)、及び分布容積(V)間の便利な概算的関係は、式:t1/2≒0.693(V/C)により提供される。クリアランスは、除去される薬物の量を示すのではなく、薬物が完全に解放されるために必要な血液又は血漿のような生物学的流体の容積を示す。クリアランスは、単位時間当たりの容積として表される(実施例5参照)。
本発明は、除去半減期を延長、及び/又はクリアランスを低下させるFGF−21化合物の修飾について記載する。ペプチドの特定のアミノ酸部位内に1個又は2個のCys残基を組み込むと、ポリエチレングリコール(PEG)又はPEG誘導体が共有結合してPEG化FGF−21化合物を形成し得るチオール基が提供される。更に、本発明の類似体又は断片のリシン残基は、1個又は2個以上のPEG分子又はPEG誘導体分子に共有結合して、延長された除去半減期及び/又は低下されたクリアランスを伴う分子を形成し得る。
ヒトFGF−21突然変異タンパク質は、野生型の成熟タンパク質の少なくとも1個のアミノ酸が、別の一アミノ酸で置換されているヒトFGF−21を含むものと定義する。FGF−21突然変異タンパク質の例は、参照により本願に組み入れられる米国特許出願公開第60/528、582号明細書に記載されている。一般的には、突然変異タンパク質は、野生型タンパク質のある変更された性質、構造又は機能を有する。例えば、突然変異タンパク質は、好ましい生物活性プロファイルを保持する一方で、濃縮溶液中で向上された又は改良された物理学的安定性(例、疎水性により仲介される凝集が少ない)を有し得る。突然変異タンパク質は(例えば、m−クレゾール、フェノール、ベンジルアルコールのような)薬剤保存剤に対する適合性がより高い場合があり、そのため貯蔵中にタンパク質の生理化学的性質及び生物学的活性が維持される保存医薬製剤を調製することができる。従って、野生型FGF−21と比較して高い薬剤的安定性を有する突然変異タンパク質は、生理学的条件下、及び保存医薬製剤条件下で、生物学的効力を維持しながら、濃縮溶液中で改良された物理学的安定性を有する。本願に使用されているように、これらの用語は限定的なものではなく、所定の突然変異タンパク質が、野生型タンパク質の1個又は2個以上の変更された性質を持つことは全く可能である。
従って、本発明は、FGF−21の突然変異タンパク質のリシン残基若しくはシステイン残基におけるpeg化、又はその生物学的に活性なペプチドを提供する。向上した薬剤的安定性を有するFGF−21突然変異タンパク質の例は、以下の1個又は2個以上のアミノ酸の、電荷アミノ酸及び/又は極性非電荷アミノ酸による置換を含む。
グリシン42、グルタミン54、アルギニン77、アラニン81、ロイシン86、フェニルアラニン88、リシン122、ヒスチジン125、アルギニン126、プロリン130、アルギニン131、ロイシン139、アラニン145、ロイシン146、イソロイシン152、アラニン154、グルタミン156、グリシン161、セリン163、グリシン170、又はセリン172
但し、アミノ酸番号は配列番号1に基づく。
薬理学的に安定性を増した、更なるFGF−21の突然変異タンパク質は、以下の位置における2個以上のアミノ酸残基に対するシステインの置換基を有するFGF−21を含む。
アルギニン19、チロシン20、ロイシン21、チロシン22、スレオニン23、アスパルテート24、アスパルテート25、アラニン26、グルタミン27、グルタミン(lutamine)28、アラニン31、ロイシン33、イソロイシン35、ロイシン37、バリン41、グリシン42、グリシン43、グルタメート50、グルタミン54、ロイシン58、バリン62、ロイシン66、グリシン67、リシン69、アルギニン72、フェニルアラニン73、グルタミン76、アルギニン77、アスパルテート79、グリシン80、アラニン81、ロイシン82、グリシン84、セリン85、プロリン90、アラニン92、セリン94、フェニルアラニン95、ロイシン100、アスパルテート102、チロシン104、チロシン107、セリン109、グルタメート110、プロリン115、ヒスチジン117、ロイシン118、プロリン119、アスパラギン121、リシン122、セリン123、プロリン124、ヒスチジン125、アルギニン126、アスパルテート127、アラニン129、プロリン130、グリシン132、アラニン134、アルギニン135、ロイシン137、プロリン138、又はロイシン139
但し、アミノ酸番号は配列番号1に基づく。
Cys75−Cys93において自然発生するFGF−21に加えて、操作されたジスルフィド結合を有するFGF−21の特定の突然変異タンパク質は以下の通りである。
Gln76Cys−Ser109Cys、Cys75−Ser85Cys、Cys75−Ala92Cys、Phe73Cys−Cys93、Ser123Cys−His125−Cys、Asp102Cys−Tyr104Cys、Asp127Cys−Gly132Cys、Ser94Cys−Glu110Cys、Pro115Cys−His117Cys、Asn121Cys−Asp127Cys、Leu100Cys−Asp102Cys、Phe95Cys−Tyr107Cys、Arg19Cys−Pro138Cys、Tyr20Cys−Leu139Cys、Tyr22Cys−Leu137Cys、Arg77Cys−Asp79Cys、Pro90Cys−Ala92Cys、Glu50Cys−Lys69Cys、Thr23Cys−Asp25Cys、Ala31Cys−Gly43Cys、Gln28Cys−Gly43Cys、Thr23Cys−Gln28Cys、Val41Cys−Leu82Cys、Leu58Cys−Val62Cys、Gln54Cys−Leu66Cys、Ile35Cys−Gly67Cys、Gly67Cys−Arg72Cys、Ile35Cys−Gly84Cys、Arg72Cys−Gly84Cys、又はArg77Cys−Ala81Cys
但し、アミノ酸番号は配列番号1に基づく。
好ましい操作されたジスルフィド結合を有する突然変異タンパク質は、以下の通りである。
Tyr22Cys−Leu139Cys、Asp24Cys−Arg135Cys、Leu118Cys−Gly132Cys、His117Cys−Pro130Cys、His117Cys−Ala129Cys、Leu82Cys−Pro119Cys、Gly80Cys−Ala129Cys、Gly43Cys−Pro124Cys、Gly42Cys−Arg126Cys、Gly42Cys−Pro124Cys、Gln28Cys−Pro124Cys、Gln27Cys−Ser123Cys、Ala26Cys−Lys122Cys、又はAsp25Cys−Lys122Cys
最も好ましい操作されたジスルフィド結合を有する突然変異タンパク質は、以下の通りである。
Leu118Cys−Ala134Cys、Leu21Cys−Leu33Cys、Ala26Cys−Lys122Cys、Leu21Cys−Leu33Cys/Leu118CysAla134Cys
本発明の目的において、突然変異タンパク質を人工的なジスルフィド結合でpeg化した場合、システイン残基は、常に唯一の更なる位置で置換及びPEG化され得る。これは、2つ又は3つ以上の位置をシステインで置換した場合にポリペプチドの該位置をpeg化する能力を排除する鎖間ジスルフィド結合が形成され得ることによる。
FGFタンパク質のファミリーは、結晶学により同定した結果、共通のβ−トレフォイル又はβシート構造を有する(Harmer等、Biochemistry 43:629−640(2004))。このようなFGF−21の解析によって、タンパク質の三字構造内に埋まったアミノ酸残基と対比して、表面に露出したアミノ酸残基を決定することができることを当業者は認識する。従って、表面露出残基であるアミノ酸残基のみをシステイン残基で置換することは、本発明の一実施態様である。システインで代替されているアミノ酸残基の位置は、Accelrysソフトウエア(Incyte)を使用した相同性モデリングにより決定される。この方法を用いて、各残基をシステインに変異させ、エネルギーを最小にして計算を行うことにより、異なる溶媒半径について残基に対するアクセシビリティが決定される。通常、1.4Å〜7.0Åが、使用される溶媒半径である(1.4Åは、水分子のおよその半径である)。好ましくは、上記の相同性の方法によって決定されるシステイン置換基は、以下の位置における1またはそれ以上のアミノ酸残基に組み込まれる。
アルギニン19、ロイシン21、アラニン26、グルタミン28、スレオニン29、グルタメート30、アルギニン36、グリシン39、グリシン42、グルタメート50、リシン56、グリシン61、グルタミン64、イソロイシン65、バリン68、スレオニン70、セリン71、アルギニン77、アラニン81、セリン85、ロイシン86、プロリン90、アラニン92、セリン94、ロイシン98、チロシン107、グルタミン108、ヒスチジン112、グリシン113、セリン123、又はプロリン124
より好ましくは、システイン置換基は以下の位置に組み込まれる。
アスパルテート24、グルタミン27、グルタメート37、スレオニン40、アラニン44、アスパルテート46、プロリン49、アラニン57、フェニルアラニン88、アスパルテート89、バリン106、グルタミン酸(glutamae)110、アラニン111、プロリン115、グリシン120、又はロイシン139
さらに好ましくは、システイン置換基は以下の位置に組み込まれる。
グルタミン18、アラニン45、グルタミン47、セリン48、プロリン78、チロシン83、ロイシン99、グリシン103、ヒスチジン125、プロリン128、アルギニン131、グリシン132、又はプロリン138
最も好ましくは、システイン置換基は以下の位置に組み込まれる。
アスパルテート25、アスパルテート38、ロイシン58、リシン59、プロリン60、リシン69、アスパルテート79、ヒスチジン87、グルタメート91、グルタメート101、アスパルテート102、ロイシン114、ロイシン116、リシン122、アルギニン126、プロリン130、プロリン133、又はプロリン140
得られたFGF−21化合物を、置換Cysアミノ酸にてPEG化して、非修飾化合物又は天然化合物の半減期よりも長い半減期を有する一方、生物学的活性の全部又は一部が維持された修飾分子が形成され得る。
代替的に、本発明では、第56、59、69及び122位の1個、2個又は3個のリシン残基にてPEG化されたFGF−21化合物を提供する。得られた分子はリシンアミノ酸にてPEG化されており、非修飾分子又は天然分子と比較して延長された作用時間を有する一方、生物学的活性の全部又は一部が維持された修飾分子が形成されている。
FGF−21化合物は「FGF−21誘導体」も含み、これはFGF−21又はFGF−21類似体のアミノ酸配列を有するが、更にそのアミノ酸側方基、α−炭素原子、末端アミノ基、又は末端カルボン酸基の1個又は2個以上に化学修飾を有する分子として定義される。化学修飾は、化学部分(chemical moiety)の付加、新たな結合の形成、及び化学部分の除去を含むが、これらに限定されるものではない。
アミノ酸側方基の修飾は、リシンε−アミノ基のアシル化、アルギニン、ヒスチジン又はリシンのN−アルキル化、グルタミン酸又はアスパラギン酸のカルボン酸基のアルキル化、及びグルタミン又はアスパラギンの脱アミドを含むが、これらに限定されるものではない。末端アミノ基の修飾は、デスアミノ、N−低級アルキル、N−ジ−低級アルキル、及びN−アシル修飾を含むが、これらに限定されるものではない。末端カルボキシル基の修飾は、アミド、低級アルキルアミド、ジアルキルアミド及び低級アルキルエステル修飾を含むが、これらに限定されるものではない。更に、1個若しくは2個以上の側方基、又は末端基は、タンパク質の化学者に周知の保護基により保護し得る。アミノ酸のα−炭素は、モノ又はジメチル化され得る。
本発明に使用されるポリペプチドを調製及び精製すると、ポリペプチドを少なくとも一つのPEG分子をCys若しくはLys残基、又はアミノ−末端アミノ酸に共有結合させることにより修飾する。繊細なポリペプチド又はタンパク質分子に対して、それらの機能を損失させずにポリマーを結合して適切な新しい性質を付与することは困難である。当該技術分野では、PEGに共有結合するための非常に様々な方法が説明されており、本発明に使用する特定の方法は、本発明を限定することを意図するものではない(再考にはRoberts、M.等、Advanced Drug Delivery Reviews、54:459−476、2002を参照のこと)。タンパク質のPEG化は、治療にペプチド又はタンパク質を使用することに関連した多数の薬理学的、毒物学的/免疫学的問題を克服し得る。しかしながら、任意の個々のポリペプチドについて、ポリペプチドのPEG化形態の生物活性が、そのポリペプチドの非PEG化形態と比較して有意に損失されるか否かは不明確である。
PEG化タンパク質の生物活性は、例えばi)PEG分子のサイズ、ii)特定の結合部位、iii)修飾の程度、iv)好ましくない結合条件、v)結合にリンカーが使用されるか、又は直接ポリマーが結合されるか、vi)有害な副生物の生成、vii)活性化ポリマーが与える損傷、又はviii)電荷の保存等の要因の影響を受け得る。使用する結合反応に依存して、特にサイトカインのポリマー修飾は、生物活性を劇的に低下させる結果となっている[Francis、G.E.等、(1998)PEGylation of cytokines and other therapeutic proteins and peptides:the importance of biological optimization of coupling techniques、Intl.J.Hem.68:1−18]。
本発明のPEG化FGF−21化合物は、天然FGF−21と同様又はより低いインビトロでの生物学的活性を有する。本発明のPEG化FGF−21化合物の数個は、特定のアッセイで測定した結果によれば、天然FGF−21より低い生物学的活性を有し得る。この活性の低下は、その化合物の延長された半減期及び/又はより低いクリアランス値により補償され、延長された除去半減期を有するFGF−21化合物にとってはむしろ好ましい特性であり得る。
ポリペプチド修飾に最も有用な代表的な形態において、PEGは末端ヒドロキシル基を有する線状ポリマーであり、式:CH3O−(CH2CH2O)n−CH2CH2−OH(式中、nは約8〜約4000である)を有する。末端水素は、例えばアルキル又はアルカノール基のような保護基で置換されてもよい。PEGは少なくとも1個のヒドロキシ基を有することが好ましく、該ヒドロキシ基は最も好ましくは末端ヒドロキシ基である。このヒドロキシ基が活性化されてポリペプチドと反応することが好ましい。本発明に有用なPEGには、多数の形態が存在する。当該技術分野にて非常に多数のPEG誘導体が存在し、これらは本発明に使用するに適している(Zalipsky、S.Bioconjugate Chem. 6:150−165、 1995)。本発明にてFGF−21化合物に共有結合するPEG分子は、特定のタイプに限定されるものではない。PEGの分子量は500〜100、000ダルトンであることが好ましく、10.000〜80、000ダルトンであることがより好ましく、20、000〜60、000ダルトンであることが更に好ましく、20、000〜40、000ダルトンであることが最も好ましい。PEGは線状であっても又は分岐していてもよく、本発明のPEG化FGF−21化合物は、ペプチドに結合した1、2、3、4、5又は6個のPEG分子を有し得る。1個のPEG化FGF−21化合物分子につき1個のPEG分子が存在することが最も好ましい。しかしながら、1個のペプチド分子につき2個以上のPEG分子が存在する場合、PEG分子は6個以上存在しないことが好ましい。
本発明は、1個又は2個以上のPEG分子が共有結合したFGF−21化合物を提供する。システイン残基上をPEG化するために、例えばPEG−マレイミド、ビニルスルホン、ヨードアセトアミド、及び/又はオルトピリジルジスルフィドのようなPEG誘導体が開発されている(Goodson等、Biotechnology 8:343−346 (1990)、Kogan等、Synth.Commun.22:2417−2424(1992)、Morpurgo等、Bioconjug.Chem.7:363−368(1996)、及びWoghiren等、Bioconjug.Chem.4:314−318(1993))。本発明のPEG化FGF−21化合物を製造する好ましい方法では、PEG−マレイミドを使用して、PEGをペプチドのチオール基に直接結合させる。チオール官能基の導入は、ポリペプチドの上述した位置上又は位置内にCys残基を付加又は挿入して達成され得る。チオール官能基は、ペプチドの側鎖上にも導入することができる(例、リシンのε−アミノ基をチオール含有酸でアシル化)。本発明のPEG化プロセスでは、Michael付加反応を用いて安定なチオエーテルリンカーを形成する。反応は高度に特異的であり、他の官能基の存在下で、穏やかな条件下で実施される。PEGマレイミドは、明確に定義された、生物活性を有するPEG−タンパク質複合体を製造するための反応性ポリマーとして使用されている。この手法ではPEGマレイミドに対して過剰モルのチオール含有FGF−21化合物を使用して、反応を完了させることが好ましい。反応はpH4.0〜9.0間にて室温で15〜40時間行われることが好ましい。過剰の非PEG化チオール含有ペプチドは、従来の分離方法を用いてPEG化生成物から容易に分離される。FGF−21化合物のPEG化に必要な典型的な条件を、実施例2及び実施例3に示す。システインPEG化は、PEGマレイミド又は分岐PEGマレイミドを使用して行われ得る。
本発明のFGF−21化合物は、例えばSambrook等、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、NY(1989)に記載されているような任意の手段により生成及び/又は単離され得る。
多様なタンパク質精製法を使用することができ、これらの方法は当該技術分野にて周知であり、例えば、Deutscher、Methods in Enzymology 182:83−9(1990)及びScopes、Protein Purification:Principles and Practice、Springer−Verlag、NY(1982)に記載されている。選択される精製ステップ(一つ又は複数)は、FGF−21に使用する製造プロセスの種類に依存するであろう。
FGF−21化合物は、多様な生物学的活性を有する。FGF−21は特に、NIDDM治療法が有するような低血糖の危険性を有さないため、インシュリン非依存型糖尿病(NIDDM、2型)の治療法として期待できる。FGF−21は肥満症及びメタボリック症候群の治療手段としても想定される。
本発明のPEG化FGF−21化合物の使用は、2型糖尿病、肥満症及びメタボリック症候群を治療する医薬品の製造における使用を含むことが想定される。FGF−21化合物のPEG化を、FGF−21の半減期を延長する他の周知の修飾と組み合わせることによって、PEG化のみ又は他の修飾のみと比較して更に化合物の半減期を延長し得る。
本願で使用されているように、用語「FGF−21化合物」は、本願に記載する化合物の薬剤的に許容される塩も含む。本発明のFGF−21化合物は、十分な酸性、十分な塩基性、又はその双方を有する官能基を含むことができ、従って多くの無機塩基、並びに無機及び有機酸のいずれとも反応して塩を形成する。
本発明のPEG化FGF−21化合物は、非経口投与に特に適しており、また経口、鼻腔内投与、又は吸入によっても送達され得る。非経口投与は、例えば筋内、静脈内、皮下注射等による全身投与を含み得る。PEG化FGF−21化合物は、上述した疾病の治療のために、医薬組成物の一部としての許容可能な医薬担体、希釈剤又は賦形剤と併せて対象者に投与され得る。医薬組成物は、FGF−21の溶液、又は非経口的に投与される場合、懸濁液であってもよい。適切な医薬担体は、ペプチド又はペプチド誘導体と相互作用を起こさない不活性成分を含み得る。Remington’s Pharmaceutical Sciences、 Mack Publishing Company Easton、PAに記載されているような標準的な製剤処方技術を使用することができる。非経口投与のための適切な医薬担体は、例えば、滅菌水、生理食塩水、静菌性生理食塩水(約0.9%mg/mlのベンジルアルコールを含有する生理食塩水)、リン酸緩衝生理食塩水、Hank’s溶液、乳酸リンゲル液及び同様物を含む。数個の適切な賦形剤の例は、乳糖、右旋糖、ショ糖、トレハロース、ソルビトール、及びマンニトールを含む。
本発明のPEG化FGF−21化合物は、血漿濃度が延長された期間有効な範囲を維持するように、投与用に調製されてもよい。
PEG化FGF−21化合物の「治療的有効量」は、対象者に投与された際に、許容不可能な副作用を起こすことなく、所望の治療的及び/又は予防的効果を供する量を意味する。「所望の治療的効果」は、以下の一つ又は二つ以上を含む。1)疾病又は状態に関連した症状(一つ又は複数)の改善、2)疾病又は状態に関連した症状の発症の遅延、3)治療しなかった場合と比較して長い寿命、及び4)治療しなかった場合と比較して高い生活の質。例えば、2型糖尿病治療のためのPEG化FGF−21化合物の「有効量」は、治療しなかった場合と比較して血糖濃度がより良く制御され、従って例えば網膜症、神経障害又は腎臓病のような糖尿病性合併症の発症が遅延される量を意味する。糖尿病予防のためのPEG化FGF−21化合物の「有効量」は、予防しなかった場合と比較して、例えばスルホニル尿素、チアゾリシンジオン、インシュリン及び/又はビスグアニジンのような抗−血糖降下薬による治療を必要とする血糖値上昇の開始を遅延させる量を意味する。また、対象者に投与されるPEG化FGF−21化合物の「治療的有効量」は、疾病のタイプ及び重症度、並びに例えば全身の健康状態、年齢、性別、体重及び薬物耐性のような対象者の特質にも依存するものと思われる。
当業者は、良い医療行為及び個々の患者の臨床的状態から、PEG化FGF−21化合物を含有する治療組成物の薬剤的に有効な用量と、投与計画とを容易に最適化し得る。本発明のPEG化FGF−21化合物の典型的な用量は、成人では約0.01mg/日〜約1000mg/日の範囲に亘るであろう。用量は約0.1mg/日〜約100mg/日、より好ましくは約1.0mg/日〜約10mg/日の範囲に亘ることが好ましい。用量は約1〜5mg/日が最も好ましい。投与されるPEG化FGF−21化合物の適切な用量は、血糖値を低下させ、また糖をより速くより有効に利用することによりエネルギー消費を増大させ、従って2型糖尿病、肥満症及びメタボリック症候群の治療に有用である。
本発明を詳細に説明してきたが、本発明は、本発明を例示するために本願に含まれ、本発明を限定することを意図しない以下の実施例によってより明確に理解されるであろう。
本願に引用する全特許文献及び刊行物は、参照により明白に本願に組み入れられる。
調製1
E.coliにおけるFGF−21化合物の発現及び精製
この実施例では、細菌発現のために細菌発現ベクターpET30a(Novagen、Inc.、Madison、Wisconsin))を使用した。pET30aはカナマイシン抗生物質耐性遺伝子をコードし、細菌の複製起点(「ori」)、強力なT7ファージ−IPTG誘導性プロモーター、リボソーム結合部位(「RBS」)、及び多数の独特の制限エンドヌクレアーゼ切断部位を伴う適切なMCSを有する。精製目的に都合のよいことに、ベクターはN−末端ペプチド融合のためのHis−及びS−タグ、並びにC−末端融合のためのHis−タグをコードし得る。しかしながら、本発明の目的において、FGF−21化合物をコードするcDNAは、制限部位NdeIとBamHIとの間に挿入され、得られた構造は前記したタグのいずれも利用していない。
リーダー配列を欠くが、メチオニン残基で置換されたFGF−21化合物をコードする核酸配列を、オープンリーディングフレームの5’及び3’末端にアニールするPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、cDNAクローンから増幅する。制限酵素NdeI及びBamHIの認識部位を含む更なるヌクレオチドを、各々、5’及び3’配列に追加する。
当該技術分野にて周知の方法によれば、クローン化のために、5’フォワードPCRプライマー及び3’リバースPCRプライマーは、FGF−21化合物をコードする核酸のコード配列部分と一致する又は相補的なヌクレオチドを有する。当業者は、プライマーが開始するポリヌクレオチド配列内の地点は、変更可能であることを理解されよう。
増幅された核酸断片及びベクターpET30aを、NdeI及びBamHI制限酵素で消化し、次いで精製した消化されたDNA断片を互いに連結する。FGF−21化合物をコードするDNAを制限pET30aベクター内に挿入して、FGF−21化合物ポリペプチドをコードする領域を、その関連する終止コドンと共にIPTG−誘導性プロモーターの下流に、かつ開始ATGコドンとインフレームで配置する。関連する終止コドン、TAGは、挿入地点の下流の6−ヒスチジンコドンの翻訳を阻止する。
Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley&Sons、Inc.)に記載されているような標準的手法を用いて、ライゲーション混合物をコンピテントE.coli細胞内に形質転換する。
形質転換反応物をLB/カナマイシンプレート上にてプレーティングし、一夜増殖させた後、形質転換体をプラスミド調製のために選択し、又はPCRによるスクリーニングのためにインシトゥで溶解する。制限解析と、続くDNA配列解析により、所望のFGF−21化合物挿入断片を含有するポジティブな組み換えプラスミドを同定する。これらのプラスミドを、次いでタンパク質産生のための発現株の形質転換に使用する。
FGF−21化合物の発現のために、E.coli株BL21(DE3)、BL21(DE3)STAR又はBL21(DE3)RPを使用する。これらの株は、FGF−21化合物を発現するに適切な多数の株のうちの一部に過ぎず、各々、Novagen、Inc.、Invitrogen and Stratagenから商業的に入手可能である。形質転換体は、カナマイシン存在下にてLBプレート上で増殖する能力により同定される。
所望の構造を含有するクローンを、カナマイシン(30μg/ml)で補充したLB培地の液体培地中で一夜(o/n)増殖させる。o/n培地を使用して、約1:25〜1:250の希釈にて大きい培地を植菌する。細胞を600nmでの光学密度0.6(「OD600」)まで増殖させる。次いでイソプロピル−b−D−チオガラクトピラノシド(「IPTG」)を加えて最終濃度を1mMとし、lacIリプレッサーを不活性化することにより、lacリプレッサー感受性プロモーターからの転写を誘導する。その後、細胞を更に3〜12時間インキュベートする。次に細胞を遠心分離により回収して、ペレットを50mM Trisバッファー、pH8.0で洗浄し、精製まで−20℃で保管する。FGF−21は、不溶性分画、即ちE.coliの封入体(又は顆粒)内に発現する。FGF−21化合物に関して一般に観察される発現レベルは、50mg/Lである。続く精製プロセスは、顆粒の可溶化、及び変異体の再折り畳みから開始し、4つのクロマトグラフィーステップが続く。
E.coliからFGF−21化合物を精製するために、顆粒を50mM Tris、pH9.0、7M尿素及び1mM DTT中で、室温で1時間撹拌しながらpHをpH11.0に傾斜させることにより可溶化する。次いで、上記と同一のバッファーを使用してQ−セファロースカラム上にてタンパク質を捕獲し、直線状に傾斜させた0〜400mM NaClで溶出する。次いでQ−セファロースのプールを10mM DTTにより2時間、RTで処理して、ジスルフィド結合の全てを還元する。その後、プールを10倍に希釈し、従ってバッファーは以下の濃度となる。50mM Tris、pH9.0、7M尿素、10mMシステイン、1mM DTT、タンパク質濃度約250〜500μg/ml。室温にて還元条件下で更に2時間インキュベートして、ジスルフィド結合がないタンパク質の形態を得た後、プールを約48時間、20mMグリシン、pH9.0中に透析して正確なジスルフィド結合を形成させる。
最初の精製ステップとして、Vydac C18カラム上の逆相HPLCクロマトグラフィーと、移動相としての0.1%TFA/0〜50%CH3CNとを使用する。このカラムを使用してFGF−21化合物を濃縮し、汚染エンドトキシンを除去する。
次の精製ステップは、1XPBSバッファー、pH7.4中で実施されるSuperdex35/600カラム上のサイズ排除クロマトグラフィーである。このステップにおいて、FGF−21化合物の純度は〜95%である。最終ステップは、50mM Tris、pH8.0中のMonoQクロマトグラフィーであり、直線状に傾斜させた0〜300mM NaClで溶出し、ここで通常、純度>97%のタンパク質が得られる。
調製2
HEK293EBNA細胞におけるFGF−21化合物の発現及び精製
代替的に、HEK293EBNA細胞(EdgeBiosystems、Gaiethersburg、MD)を使用して哺乳動物細胞発現系でFGF−21化合物を生成する。FGF−21化合物を、商業的に入手可能なpEAK10の改変を表す独自に開発した発現ベクター内の、MCS内のNheIとXbaI制限部位間にサブクローニングする。FGF−21化合物をコードするcDNA配列をIgκリーダー配列と共にフレーム内に融合して、組織培地内における所望の生成物の分泌を高める。発現は、強力なウイルスCMVプロモーターにより駆動される。HEK293EBNA細胞を、例えばFugene(Roche Diagnostics、Indianapolis IN、USA)のような標準的なトランスフェクション試薬と、適量の組み換えプラスミドとを、単層又は懸濁培地として用いて、十分な細胞密度にて過渡的にトランスフェクトする。細胞を無血清培地内で37℃及び5%C02にてインキュベートし、5日間、毎日収集物を作成する。一般に、HEK293EBNA懸濁培地中の発現レベルは、〜30mg/Lである。哺乳動物細胞におけるFGF−21化合物の発現では、HPIP、即ちN−末端にメチオニン残基を含まない天然N−末端配列が得られる。
HEK293EBNA細胞からFGF−21化合物を精製するために、濃縮した細胞培地の上澄みを、20mM Tris pH7.5で平衡化した10ml Fast Flow Qセファロースカラム(Amersham Biosciences AB、Uppsala、Sweden)に負荷し、直線状に傾斜させた0〜300mM NaClを用いてタンパク質を溶出する。適切な分画をプールし、アセトニトリルを加えて最終濃度を10%とし、0.1%TFA水溶液で平衡化した10×250mm、10μm、C4RP−HPLCカラム(Vydac、Hesperia CA、USA)に材料を負荷する。直線状に傾斜させた10〜60%アセトニトリルを用いて、タンパク質を溶出する。
関連した分画をプールし、1×PBS pH7で平衡化したSuperdex 200 26/60カラム(Amersham Biosciences AB、Uppsala、Sweden)に負荷する。適切な分画をプールし、濃縮する。タンパク質調製物の完全性を確認する最終的な解析は、MALDI質量分析及びN−末端配列解析を用いる。精製したタンパク質をアリコートし、将来の使用のために−20℃で保管する。
調製3
イーストにおけるFGF−21化合物の発現
FGF−21化合物を生成させる更なる別の発現系は、例えばPichia pastoris、Pichia methanolica又はSaccharomyces cerevisiaeのようなイーストである。Pichia pastoris内で生成させるために、商業的に入手可能なシステム(Invitrogen、Carlsbad、CA)は、組み換えタンパク質を高いレベルで発現させる強力なAOX1(アルコールオキシダーゼ)プロモーターを伴うベクターを使用する。代替的に、高いレベルの恒常的発現のために、GAP遺伝子(グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ)からのプロモーターを使用するベクターを利用することもできる。多コピーPichia発現ベクターによって、ゲノム内に組み込まれた関心遺伝子の多コピーを伴う株を得ることができる。組み換えPichia株内の関心遺伝子のコピー数を増大させることにより、タンパク質発現レベルを上昇させることができる。
<実施例1>
マウス3T3−L1脂肪細胞における糖取り込み
3T3−L1細胞をAmerican Type Culture Collection(ATCC、Rockville、MD)から入手した。Dulbeccoの修飾Eagle培地中に、鉄を加えた10%ウシ胎児血清を含有する増殖培地(GM)中で細胞を培養した。標準的な脂肪細胞分化のために、細胞が密集(confluency)に到達した2日後(0日目と称す)に、細胞を10%ウシ胎児血清、10μg/mlインシュリン、1μMデキサメタゾン、及び0.5μMイソブチルメチルキサンチンを含有する分化培地(DM)に48時間暴露した。次いで、細胞を10%ウシ胎児血清、及び10μg/mlのインシュリンを含有する後分化培地(post differentiation medium)内で維持した。
糖輸送アッセイ−−0.1mM 2−デオキシ−D−[14C]糖の蓄積によりアッセイされる六炭糖取り込みを、以下のように測定した。12−ウエルプレート内の3T3−L1脂肪細胞を、37℃に暖めた、0.2%BSAを含有するKRPバッファー(136mM NaCl、4.7mM KCl、10mM NaPO4、0.9mM CaCl2、0.9mM MgSO4、pH7.4)で2回洗浄し、0.2%BSAを含有するLeibovitzのL−15培地中において室内空気中37℃で2時間インキュベートし、0.2%BSAを含有するKRPバッファーで再度2回洗浄し、ワートマニンの不在下(Me2SOのみ)又は存在下で0.2%BSAを含有するKRPバッファー中で、室内空気中37℃で30分間インキュベートした。次いでインシュリンを15分間加えて最終濃度100nMとし、2−デオキシ−D−[14C]糖の取り込みを最後の4分間測定した。10μMサイトカラシンBの存在下で測定した非特異的取り込みを、全部の値から減じた。タンパク質濃度をPierceのビシンコニン酸アッセイにより決定した。各実験につき、取り込みを常規的に三重又は四重に測定した。
インビトロ効力(EC50)を、野生型FGF−21のインビトロ活性と比較した。本発明のPEG化FGF−21化合物のインビトロ効力を、表1にて野生型FGF−21と比較した。表1に示すように、本発明のPEG化FGF−21化合物は、野生型FGF−21と比較して、様々な程度でインビトロ効力を低下させている。しかしながら、インビトロ効力の低下は、PEG化FGF−21化合物の持続時間(血漿半減期)の延長により補償されると思われる。
表1
Figure 2007531715
*40kDa ポリエチレングリコール−マレイミド(PEG−マレイミド)
<実施例2>
40kDa−PEG−マレイミドのFGF−21化合物との反応
マレイミド−活性化分岐40kDa mPEG(Nektar Therapeutics)を使用して、例えばK59C及びK122CのようなFGF−21化合物を、導入したシステイン残基において選択的にPEG化した。PEG化反応のために、PEG化するべきペプチドをpH8.0の100mM TRISバッファー中に溶解し、1.25倍の過剰モルの40kDa−mPEG塊を加えた。反応物を室温で2〜3時間撹拌した後、約5℃の10mMクエン酸塩、10mMリン酸塩、pH7.4に対して一夜透析した(7kDa膜)。PEG化FGF−21化合物を、中性pHの傾斜させたNaClを使用したMono−Qカラム上の陰イオン交換クロマトグラフィー(Amersham Biosciences Corp、Piscataway、NJ)により精製した。
<実施例3>
20kDa−PEG−マレイミドのFGF−21化合物との反応
マレイミド−活性化線状20kDa mPEG(Nektar Therapeutics)を使用して、例えばK59C、K122C、又はK59CK122CのようなFGF−21化合物を、人工的なシステイン残基において選択的にPEG化した。PEG化反応のために、PEG化するべきペプチドをpH8.0の100mM TRISバッファー中に溶解し、1.25倍の過剰モル(スルフヒドリルに対して)の40kDa−mPEG塊を加えた。反応物を室温で2〜3時間撹拌した後、約5℃の10mMクエン酸塩、10mMリン酸塩、pH7.4に対して一夜透析した(7kDa膜)。PEG化FGF−21化合物を、中性pHの傾斜させたNaClを使用したMono−Qカラム上の陰イオン交換クロマトグラフィー(Amersham Biosciences Corp、Piscataway、NJ)により精製した。例えばFGF−21 K59C K122Cのような二重にPEG化された分子のために、中性pHのバッファーを使用したSuperdex 200上のサイズ排除クロマトグラフィー(Amersham Biosciences Corp.、Piscataway、NJ)により、二重PEG化種から単一PEG化種を分離した。
<実施例4>
PEG化FGF−21化合物の薬物動態学的分析
PEG化FGF−21化合物を、静脈内(IV)又は皮下(SC)経路で、0.4mg/kgの投与量にてCD−1マウスに投与した。投薬後、0〜336時間の様々な時間にて動物を採血した。各サンプルから血漿を収集して、ラジオイムノアッセイにより分析した。モデル依存(IVデータ)法及びモデル非依存(SCデータ)法(WinNonlin Pro)を使用して薬物動態学的パラメータを計算し、下の表2に報告した。IV投与により、天然FGF−21の0.5時間の除去半減期に対して、PEG化FGF−21化合物は約32.1時間の除去半減期を有した。SC投与により、天然FGF−21の0.6時間の除去半減期に対して、PEG化FGF−21化合物は約30.2時間の除去半減期を有した。両方の投与経路により、PEG化FGF−21化合物は天然FGF−21と比較した場合、長期の作用時間を示した。
表2
Figure 2007531715
a 観察される最大血漿濃度
b 最大血漿濃度の観察時間
c 0から無限大において測定した血漿濃度−時間曲線下の面積
d 除去半減期
e バイオアベイラビリティの機能としての全身クリアランス
f バイオアベイラビリティ(%)
別の一研究では、PEG化FGF−21化合物又は天然FGF−21を、0.5mg/kgの投与量にてボーラス静脈注射(IV)によりカニクイザルに投与した。投薬後、0〜160時間の様々な時間にて動物を採血した。各サンプルから血漿を収集して、ラジオイムノアッセイにより分析した。モデル依存(IVデータ)法(WinNonlin Pro)を使用して薬物動態学的パラメータを計算し、下の表3に報告した。天然FGF−21が2時間の除去半減期を有する一方、PEG化FGF−21は約75時間の除去半減期を有し、本発明のPEG化FGF−21化合物の延長された作用時間が示された。更に、当業者はPEG化FGF−21化合物の延長された作用時間は、PEG部分の効果であり、FGF−21化合物のPEG部分の位置に依存しないことを認識する。従って、リシン残基又はシステイン残基を介してPEG部分を結合させることによって、延長された作用時間を有するという特徴を備えたPEG化FGF−21化合物が形成されて、長時間に亘ってPEG化FGF−21化合物の高い血中濃度を維持しながら、該化合物の投与量を少なくすることが可能となる。
表3
Figure 2007531715
a 0から無限大において測定した血漿濃度−時間曲線下の面積
b 除去半減期(日)
c バイオアベイラビリティの機能としての全身クリアランス
<実施例5>
ob/obマウスモデル
ob/obマウスモデルは、高血糖、インシュリン抵抗性及び肥満症の動物モデルである。雄のob/obマウスを使用して、PEG化FGF−21化合物による処理後の血漿中ブドウ糖濃度及びトリグリセリド濃度を、FGF−21単独の場合と比較して監視した。雄のob/obマウス(7週齢)の試験グループは、(1)FGF−21、5μg/日、7日間、(2)FGF−21、2.55nM、0日目のみ投与、(3)PEG化FGF−21 2.55nM、0日目のみ投与、及び(4)s.c.ビヒクルコントロール(0.9%NaCl、0.1ml/マウス)、7日間であった。PEG化FGF−21及びFGF−21は、0.1mlにてs.c.投与された。
グループ(1)及び(4)の動物は7日間、毎日投薬され、グループ(2)及び(3)の動物は、0日目のみ投薬された。標準的なプロトコールを使用して、投薬から1時間後の血中ブドウ糖濃度を毎日、10日間測定した。PEG化FGF−21の延長された作用時間を表4に示す。0日目の単回投薬は、血中ブドウ糖濃度を10日間低下させている。
表4
Figure 2007531715
* 投与1時間後に測定したブドウ糖レベル
別の実験では、雄のob/obマウスを使用して、PEG化FGF−21化合物の単回処置後の血漿中ブドウ糖濃度を、FGF−21単独の連続注入と比較して監視した。雄のob/obマウス(7週齢)の試験グループは、(1)ビヒクルコントロール(0.9%NaCl)、7日間の連続注入(Alzet pumps 1007D、100mcl、0.5mcl/h)、(2)FGF−21、3.4nM、7日間の連続注入、(3)PEG化FGF−21 3.4nM、0.1mlを0日目のみs.c.投与、及び(4)PEG化FGF−21化合物K59C(システインPEG化)3.4nM、0.1mlを0日目のみs.c.投与、(5)PEG化FGF−21化合物K122C(システインPEG化)3.4nM、0.1mlを0日目のみs.c.投与であった。
グループ(1)及び(2)の動物は7日間、連続注入により投薬され、グループ(3)及び(5)の動物は、0日目のみ投薬された。標準的なプロトコールを使用して、投薬から1時間後の血中ブドウ糖濃度を毎日、7日間測定した。PEG化FGF−21化合物K122Cの卓越的に延長された作用時間を、表5に示す。0日目の単回投薬は、血中ブドウ糖濃度を7日間低下させている。表5に示すように、PEG化FGF−21及びPEG化FGF−21化合物K59Cも同様に、血中ブドウ糖低下効果を示した。
表5
Figure 2007531715
* 投与1時間後に測定したブドウ糖レベル
<実施例6>
FGF−21化合物K59C及びK122CをコードするDNAの構成
pJB02は、哺乳動物細胞ライン内でタンパク質を十分分泌させる人工的なリーダーペプチドを伴う発現ベクターである。組み換えプラスミド、pJB02/FGF21(P16820参照)は、野生型FGF−21をコードするcDNAがAgeIとXbaI間に挿入され、部位特異的突然変異を導入してSOE(Strand Overlapping Extension)PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)によりFGF−21のK59C及びK122C変異体を生成するテンプレートとして使用した。PCR増幅の一般的な条件は、以下のようなものであった。95℃で5分間変成、次いで95℃で1分間の変成を25サイクル、55℃で1分間アニーリング及び72℃で1〜2分間伸長、次いで72℃で7分間の最終的な伸長、並びに4℃で反応物を冷却した。
以下の内部の突然変異誘発性プライマー(C+及びB−)をK59Cに関して使用した。
フォワードプライマー(5’,C+):GTCTCCTGCAGCTGAAAGCCTTGTGCCCGGGAGTTATTCAAATCTTGGG
リバースプライマー(3’,B−):CCCAAGATTTGAATAACTCCCGGGCACAAGGCTTTCAGCTGCAGGAGAC
以下の内部の突然変異誘発性プライマー(C+及びB−)をK122Cに関して使用した。
フォワードプライマー(5’,C+):
CGGCCTCCCGCTGCACCTGCCCGGGAACTGCTCCCCACACCGGGACCCTGCAC
リバースプライマー(3’,B−):
GTGCAGGGTCCCGGTGTGGGGAGCAGTTCCCGGGCAGGTGCAGCGGGAGGCCG
両方の構造に関する外部の増幅プライマー(A+及びD−)は以下の通りである。
フォワードプライマー(5’,A+):GGACTTACCGGTCACCCCATCCCTGACTCCAGTCCTCTCCTGCAATTCGG
リバースプライマー(3’,D−):
CTGTCTCTAGATCGAAGCTTTTATCAGGAAGCGTAGCTGGGGCTTCGGCCCTGGGAAGGTCCCACCATGC
以下のようにSOE PCRを実施した。
pJB02/FGF21をテンプレートとして使用して、一方の反応にはプライマーA+及びB−を、他方の反応にはプライマーC+及びD−を使用して2種のPCRを実施した。PCRは2個の断片、即ちK59C及びK122Cに関して各々212及び400bp(塩基対)のAB断片、K59C及びK122Cに関して各々418及び234bpのCD断片を生成した。続くPCRにて、ほぼ等モル数のAB及びCDを重複テンプレートとして加え、外部プライマー、A+及びDにより増幅した。FGF−21K59C又はFGF−21K122Cを含むAD断片と指定される所望の581bpPCR生成物を得た。最終的なPCR生成物を制限エンドヌクレアーゼ、AgeI及びXbaIで消化し、予備的なアガロースゲル電気泳動で精製し、適切に消化されたベクターpJB02断片に結合して、組み換えプラスミド、pJB02/FGF−21K59C又はFGF−21K122Cを生成した。両方の挿入配列をDNA配列解析により確認した。

Claims (40)

  1. 少なくとも1個のPEG分子に共有結合したFGF−21化合物を含むPEG化FGF−21化合物であって、該各PEGが、システインアミノ酸残基又はリシンアミノ酸残基においてFGF−21化合物に結合し、該PEG化FGF−21化合物が、非PEG化FGF−21化合物と比較して延長された作用時間を有するPEG化FGF−21化合物。
  2. 56、59、69及び122位のリジンからなる群から選択された1またはそれ以上の残基において該PEG分子に共有結合した、配列番号1に示すようなアミノ酸配列を含む請求項1記載のPEG化FGF−21化合物。
  3. 該配列番号1に示すようなアミノ酸配列を含み、1またはそれ以上の表面に露出したアミノ酸残基がシステイン残基で置換され、該システイン残基が該PEG分子に共有結合する請求項1記載のPEG化FGF−21化合物。
  4. 該置換アミノ酸残基が、D25C、D38C、L58C、K59C、P60C、K69C、D79C、H87C、E91C、E101C、D102C、L114C、L116C、K122C、R126C、P130C、P133C、又はP140Cからなる群から選択される請求項3記載のPEG化FGF−21化合物。
  5. 該置換アミノ酸残基が、K59C、及びK122Cからなる群から選択される請求項4記載のPEG化FGF−21化合物。
  6. FGF−21[Leu118Cys−Ala134Cys]であり、アミノ酸番号が配列番号1に基づく請求項1記載のPEG化FGF−21化合物。
  7. 該PEG分子が、約20,000〜40,000ダルトンの分子量を有する請求項1記載のPEG化FGF−21化合物。
  8. 該PEG分子が、約20,000〜40,000ダルトンの分子量を有する請求項2記載のPEG化FGF−21化合物。
  9. 該PEG分子が、約20,000〜40,000ダルトンの分子量を有する請求項3記載のPEG化FGF−21化合物。
  10. 該PEG分子が、約20,000〜40,000ダルトンの分子量を有する請求項5記載のPEG化FGF−21化合物。
  11. 該PEG分子が、約20,000〜40,000ダルトンの分子量を有する請求項6記載のPEG化FGF−21化合物。
  12. (a)治療的有効量の請求項1記載のPEG化FGF−21化合物と、
    (b)許容可能な医薬担体と、を含み、
    肥満症、2型糖尿病、インシュリン抵抗性、抗インシュリン血症、耐糖能障害、高血糖、又はメタボリック症候群に罹患した患者の治療に有効な医薬組成物。
  13. (a)治療的有効量の請求項2記載のPEG化FGF−21化合物と、
    (b)許容可能な医薬担体と、を含み、
    肥満症、2型糖尿病、インシュリン抵抗性、抗インシュリン血症、耐糖能障害、高血糖、又はメタボリック症候群に罹患した患者の治療に有効な医薬組成物。
  14. (a)治療的有効量の請求項3記載のPEG化FGF−21化合物と、
    (b)許容可能な医薬担体と、を含み、
    肥満症、2型糖尿病、インシュリン抵抗性、抗インシュリン血症、耐糖能障害、高血糖、又はメタボリック症候群に罹患した患者の治療に有効な医薬組成物。
  15. (a)治療的有効量の請求項4記載のPEG化FGF−21化合物と、
    (b)許容可能な医薬担体と、を含み、
    肥満症、2型糖尿病、インシュリン抵抗性、抗インシュリン血症、耐糖能障害、高血糖、又はメタボリック症候群に罹患した患者の治療に有効な医薬組成物。
  16. (a)治療的有効量の請求項6記載のPEG化FGF−21化合物と、
    (b)許容可能な医薬担体と、を含み、
    肥満症、2型糖尿病、インシュリン抵抗性、抗インシュリン血症、耐糖能障害、高血糖、又はメタボリック症候群に罹患した患者の治療に有効な医薬組成物。
  17. 治療的有効量の請求項1記載のFGF−21の突然変異タンパク質を、治療を必要とする患者に投与することを含む、肥満症、2型糖尿病、インシュリン抵抗性、抗インシュリン血症、耐糖能障害、高血糖、又はメタボリック症候群に罹患した患者の治療方法。
  18. 該患者が、2型糖尿病に罹患している請求項17記載の方法。
  19. 該患者が、肥満症に罹患している請求項17記載の方法。
  20. 該患者が、メタボリック症候群に罹患している請求項17記載の方法。
  21. 治療的有効量の請求項2記載のFGF−21の突然変異タンパク質を、治療を必要とする患者に投与することを含む、肥満症、2型糖尿病、インシュリン抵抗性、抗インシュリン血症、耐糖能障害、高血糖、又はメタボリック症候群に罹患した患者の治療方法。
  22. 該患者が、2型糖尿病に罹患している請求項21記載の方法。
  23. 該患者が、肥満症に罹患している請求項21記載の方法。
  24. 該患者が、メタボリック症候群に罹患している請求項21記載の方法。
  25. 治療的有効量の請求項3記載のFGF−21の突然変異タンパク質を、治療を必要とする患者に投与することを含む、肥満症、2型糖尿病、インシュリン抵抗性、抗インシュリン血症、耐糖能障害、高血糖、又はメタボリック症候群に罹患した患者の治療方法。
  26. 該患者が、2型糖尿病に罹患している請求項25記載の方法。
  27. 該患者が、肥満症に罹患している請求項25記載の方法。
  28. 該患者が、メタボリック症候群に罹患している請求項25記載の方法。
  29. 治療的有効量の請求項4記載のFGF−21の突然変異タンパク質を、治療を必要とする患者に投与することを含む、肥満症、2型糖尿病、インシュリン抵抗性、抗インシュリン血症、耐糖能障害、高血糖、又はメタボリック症候群に罹患した患者の治療方法。
  30. 該患者が、2型糖尿病に罹患している請求項29記載の方法。
  31. 該患者が、肥満症に罹患している請求項29記載の方法。
  32. 該患者が、メタボリック症候群に罹患している請求項29記載の方法。
  33. 治療的有効量の請求項6記載のFGF−21の突然変異タンパク質を、治療を必要とする患者に投与することを含む、肥満症、2型糖尿病、インシュリン抵抗性、抗インシュリン血症、耐糖能障害、高血糖、又はメタボリック症候群に罹患した患者の治療方法。
  34. 該患者が、2型糖尿病に罹患している請求項33記載の方法。
  35. 該患者が、肥満症に罹患している請求項33記載の方法。
  36. 該患者が、メタボリック症候群に罹患している請求項33記載の方法。
  37. 肥満症、2型糖尿病、インシュリン抵抗性、抗インシュリン血症、耐糖能障害、高血糖、又はメタボリック症候群を治療する医薬品の製造における、請求項1〜6のいずれかに記載のPEG化FGF−21化合物の使用。
  38. 該医薬品が、2型糖尿病を治療するために使用される請求項37記載の使用。
  39. 該医薬品が、肥満症を治療するために使用される請求項37記載の使用。
  40. 該医薬品が、メタボリック症候群を治療するために使用される請求項37記載の使用。
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