JP2007510652A - ピリミジン−4−オン化合物、組成物、および方法 - Google Patents

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Abstract

KSPの活性をモジュレートすることにより細胞増殖性の疾患および障害を治療するのに有用である化合物を開示する。

Description

本出願は、2003年11月3日出願の米国仮特許出願第60/517,264号(あらゆる点において参照により本明細書に組み入れられるものとする)に基づく特典を請求する。
本発明は、有糸***キネシンKSPの阻害剤でありかつ細胞増殖性疾患(たとえば、癌、過形成、再狭窄、心臓肥大、免疫障害、真菌性障害、および炎症)の治療に有用である化合物に関する。
癌の治療に用いられる治療剤の中には、タキサンおよびビンカアルカロイドがあり、それらは微小管に作用する。微小管は、有糸***紡錘体の主要な構造要素である。有糸***紡錘体は、細胞***の結果として生じる2つの娘細胞のそれぞれにゲノムの複製コピーを分配する役割を担う。これらの薬剤により有糸***紡錘体が破壊されると癌細胞***が阻害され癌細胞死が誘導されると推測される。しかしながら、微小管は、神経突起中の細胞内輸送用通路をはじめとする他のタイプの細胞構造体を形成する。これらの薬剤は、有糸***紡錘体を特異的に標的にするわけではないので、副作用を有しており、それらの有用性は制限される。
これらの薬剤の投与に伴う副作用を低減させることができれば、治療上の利点が得られるので、癌の治療に用いられる薬剤の特異性を向上させることに、かなりの関心が払われている。伝統的には、癌の治療の劇的な改善は、新規な機序で作用する治療剤の特定に関連する。この例には、タキサンだけでなくカンプトテシン類のトポイソメラーゼI阻害剤も包含される。これらのいずれの観点からみても、有糸***キネシンは、新しい抗癌剤の魅力的な標的である。
有糸***キネシンは、有糸***紡錘体の集合および機能に不可欠な酵素であるが、一般的には、神経突起などにみられるような他の微小管構造体の一部分になることはない。有糸***キネシンは、すべての有糸***期で本質的な役割を果たす。これらの酵素は、ATPの加水分解により放出されるエネルギーを、微小管に沿った細胞カーゴの指向性運動を駆動する機械的な力に変換する「分子モーター」である。この作業を行うのに十分な触媒ドメインは、約340個のアミノ酸よりなるコンパクトな構造体である。有糸***時、キネシンは、有糸***紡錘体である双極構造体の形態に微小管を組織化する。キネシンは、紡錘体微小管に沿った染色体の運動を媒介するとともに、特定の有糸***期に関連付けられる有糸***紡錘体の構造変化をも媒介する。有糸***キネシンの機能を実験的に撹乱すると、有糸***紡錘体の形成異常または機能不全が誘導され、多くの場合、細胞周期停止および細胞死が引き起こされる。
特定された有糸***キネシンには、KSPが包含される。KSPは、逆平行ホモダイマーよりなる双極ホモテトラマーの形態に集合するプラス末端指向性微小管モーターの進化的に保存されたキネシンサブファミリーに属する。有糸***時、KSPは、有糸***紡錘体の微小管と一体化する。KSPに対する抗体をヒト細胞中にマイクロインジェクションすると、前中期に紡錘体極の分離が防止され、その結果、単極紡錘体が生成され、有糸***の停止およびプログラム細胞死の誘導が引き起こされる。KSPおよび他の非ヒト生物の関連キネシンは、逆平行微小管を束ねて互いにスライドさせることにより、2つの紡錘体極を分離させる。KSPはまた、後期Bにおける紡錘体の伸長および紡錘体極への微小管の集束を媒介しうる。
ヒトKSP(HsEg5とも呼ばれる)については、(Blangy, et al., Cell, 83:1159-69 (1995); Whitehead, et al., Arthritis Rheum., 39:1635-42 (1996); Galgio et al., J. Cell Biol., 135:339-414 (1996); Blangy, et al., J Biol. Chem., 272:19418-24 (1997); Blangy, et al., Cell Motil Cytoskeleton, 40:174-82 (1998); Whitehead and Rattner, J. Cell Sci., 111:2551-61 (1998); Kaiser, et al., JBC 274:18925-31 (1999); GenBank accession numbers: X85137, NM004523 and U37426)に記載されており、そしてKSP遺伝子の断片(TRIP5)については、(Lee, et al., Mol Endocrinol., 9:243-54 (1995); GenBank accession number L40372)に記載されている。Xenopus KSP相同体(Eg5)およびDrosophila KLP61 F/KRP1 30についても報告されている。
KSPを含めて、有糸***キネシンは、新規な抗有糸***化学療法剤の探索および開発の魅力的な標的である。したがって、本発明の目的は、KSPの阻害に有用な化合物、組成物、および方法を提供することである。
以上に概説した目的に従って、本発明は、細胞増殖性疾患を治療するために使用しうる化合物を提供する。化合物は、ヒトKSP阻害剤のようなKSP阻害剤である。本発明はまた、そのような化合物を含む組成物、および細胞増殖性疾患を治療するために使用しうるそのような化合物または組成物を利用する方法を提供する。
一態様において、本発明は、式I:
Figure 2007510652
で示される化合物、ならびにその製薬上許容される塩、溶媒和物、結晶形、ジアステレオマー、およびプロドラッグから選択される少なくとも1種の化学物質に関する。ただし、上記式中、
TおよびT'は、独立して、場合により置換されていてもよい低級アルキレンであるかまたは不在であり;
R1は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、および場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択され;
R2およびR2'は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、および場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択されるか;またはR2およびR2'は、一緒になって、場合により置換されていてもよい3〜7員の環を形成し;
R3は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-、-(CO)R7、および-SO2R7aから選択されるか;
またはR3は、R6およびそれらが結合されている窒素と一緒になって、場合により置換されていてもよい5〜12員の窒素含有ヘテロ環を形成し、このヘテロ環中には、N、O、およびSから選択される1〜2個の追加のヘテロ原子が場合により組み込まれていてもよく;
あるいはR6は、R2と一緒になって、場合により置換されていてもよい5〜12員の窒素含有ヘテロ環を形成し、このヘテロ環中には、N、O、およびSから選択される1〜2個の追加のヘテロ原子が場合により組み込まれていてもよく;
R4およびR5は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアルコキシ、アシル、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルキルスルホニル-、アルキルスルファニル-、アミノカルボニル-、場合により置換されていてもよいアミノ、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル、および場合により置換されていてもよいヘテロアリール-から選択され;
R6は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-、および場合により置換されていてもよいヘテロシクリル-から選択され;
R7は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-、R8O-、およびR14-NH-から選択され;
R7aは、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-、およびR14-NH-から選択され;
R8は、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、および場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択され;そして
R14は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、および場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択され;
前提条件として、
以下の基準の少なくとも1つは、満たされるものとする:
TおよびT'は、両方とも不在であることはない;または
R6は、R2と一緒になって、場合により置換されていてもよい5〜12員の窒素含有ヘテロ環を形成し、このヘテロ環中には、N、O、およびSから選択される1〜2個の追加のヘテロ原子が場合により組み込まれていてもよい;または
R3は、R6およびそれらが結合されている窒素と一緒になって、場合により置換されていてもよい5〜12員の窒素含有ヘテロ環を形成し、このヘテロ環中には、N、O、およびSから選択される1〜2個の追加のヘテロ原子が場合により組み込まれていてもよく、TおよびT'が両方とも不在であるときは、このヘテロ環は、イミダゾール環でもイミダゾリン環でもない。
したがって、いくつかの実施形態では、R1、R2、R2'、およびR3〜R6は、先に定義したとおりであり、かつTおよびT'のうちの一方は、場合により置換されていてもよい低級アルキレンであり、他方は、不在である。いくつかの実施形態では、R1、R2、R2'、およびR3〜R6は、先に定義したとおりであり、かつTおよびT'は、両方とも、場合により置換されていてもよい低級アルキレンである。
いくつかの実施形態では、T、T'、R1、R2'、およびR3〜R5、先に定義したとおりであり、かつR6は、R2と一緒になって、場合により置換されていてもよい5〜12員の窒素含有ヘテロ環を形成し、このヘテロ環中には、N、O、およびSから選択される1〜2個の追加のヘテロ原子が場合により組み込まれていてもよい。
いくつかの実施形態では、T、T'、R1、R2、R2'、R4、およびR5は、先に定義したとおりであり、かつR3は、R6およびそれらが結合されている窒素と一緒になって、場合により置換されていてもよい5〜12員の窒素含有ヘテロ環を形成し、このヘテロ環中には、N、O、およびSから選択される1もしくは2個のヘテロ原子が場合により組み込まれていてもよく、前提条件として、TおよびT'が両方とも不在あるときは、このヘテロ環は、イミダゾール環でもイミダゾリン環でもない。
本発明はまた、式Iで示される化合物ならびにその製薬上許容される塩、溶媒和物、結晶形、ジアステレオマー、およびプロドラッグから選択される治療上有効な量の少なくとも1種の化学物質と;1種以上の医薬賦形剤と;を含む医薬組成物に関する。他の態様において、組成物は、追加の化学療法剤をさらに含む。
一態様において、本発明は、式Iで示される化合物ならびにその製薬上許容される塩、溶媒和物、結晶形、ジアステレオマー、およびプロドラッグから選択される治療上有効な量の少なくとも1種の化学物質を投与することにより、細胞増殖性疾患およびKSPの阻害により治療しうる他の疾患を治療する方法に関する。そのような疾患および障害としては、癌、過形成、再狭窄、心臓肥大、免疫障害、真菌性障害、および炎症が挙げられる。
別な態様において、本発明は、KSPキネシンに結合する化合物(たとえば、本発明に係る化合物に代わってまたは本発明に係る化合物と競合して結合する化合物)をスクリーニングする方法を提供する。本方法は、本発明に係る標識化合物とKSPキネシンと少なくとも1種の候補薬剤とを組み合わせて、KSPキネシンへの候補薬剤の結合を測定することを含む。
さらなる態様において、本発明は、KSPキネシン活性のモジュレーターをスクリーニングする方法を提供する。本方法は、本発明に係る化合物とKSPキネシンと少なくとも1種の候補薬剤とを組み合わせて、KSPキネシン活性に及ぼす候補薬剤の影響を測定することを含む。
本明細書で使用する場合、以下の語句は、文脈上他の意味に解釈される場合を除いて、一般的には、以下に明記された意味を有するものとする。以下の略号および用語は、全体を通して、明示された意味を有する:
Ac=アセチル
BNB=4-ブロモメチル-3-ニトロ安息香酸
Boc=t-ブチルオキシカルボニル
Bu=ブチル
c-=シクロ
CBZ=カルボベンゾキシ=ベンジルオキシカルボニル
DBU=ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン
DCM=ジクロロメタン=メチレンクロリド=CH2Cl2
DCE=ジクロロエタン
DEAD=ジエチルアゾジカルボキシレート
DIC=ジイソプロピルカルボジイミド
DIEA=N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMAP=4-N,N-ジメチルアミノピリジン
DMF=N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキシド
DVB=1,4-ジビニルベンゼン
EEDQ=2-エトキシ-1-エトキシカルボニル-1,2-ジヒドロキノリン
Et=エチル
ETOH=エタノール
Fmoc=9-フルオレニルメトキシカルボニル
GC=ガスクロマトグラフィー
HATU=O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HMDS=ヘキサメチルジシラザン
HOAc=酢酸
HOBt=ヒドロキシベンゾトリアゾール
Me=メチル
メシル=メタンスルホニル
MTBE=メチルt-ブチルエーテル
NMO=N-メチルモルホリンオキシド
PEG=ポリエチレングリコール
Ph=フェニル
PhOH=フェノール
PfP=ペンタフルオロフェノール
PPTS=ピリジニウムp-トルエンスルホン酸塩
Py=ピリジン
PyBroP=ブロモ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
rt=部屋温度
sat'd=飽和
s-=第二級
t-=第三級
TBDMS=t-ブチルジメチルシリル
TES=トリエチルシリル
TFA=トリフルオロ酢酸
THF=テトラヒドロフラン
TMOF=トリメチルオルトホルメート
TMS=トリメチルシリル
トシル=p-トルエンスルホニル
Trt=トリフェニルメチル

アルキルという用語は、線状、分枝状、および環状の脂肪族炭化水素構造ならびにそれらの組合せを意味し、これらの構造は、飽和であっても不飽和であってもよい。いくつかの実施形態では、アルキル基はC20以下のものである。いくつかの実施形態では、アルキル基はC13以下のものである。アルキルは、アルカニル残基、アルケニル残基、およびアルキニル残基を包含し;たとえば、ビニル、アリル、イソプレニルなどを包含する。特定の炭素数を有するアルキル残基が指定された場合、その炭素数を有する幾何異性体はすべて包含され;したがって、たとえば、ブチルは、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、およびt-ブチルを意味し;プロピルは、n-プロピル、イソプロピル、およびc-プロピルを包含する。
低級アルキルという用語は、1〜5個の炭素原子、たとえば1〜4個の炭素原子のアルキル基を意味する。低級アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s-ブチル、t-ブチルなどが挙げられる。
シクロアルキルという用語は、3〜13個の炭素原子の環状脂肪族炭化水素基を意味し、アルキルのサブセットである。シクロアルキル基の例としては、c-プロピル、c-ブチル、c-ペンチル、ノルボルニル、アダマンチルなどが挙げられる。
シクロアルキル-アルキル-という用語は、非環状アルキルを介して親構造に結合されたシクロアルキルを意味し、アルキルの他のサブセットである。シクロアルキル-アルキル-の例としては、シクロヘキシルメチル、シクロプロピルメチル、シクロヘキシルプロピルなどが挙げられる。
アルキレン-、アルケニレン-、およびアルキニレン-は、アルキルのサブセットであり、アルキルと同一の残基を含むが、化学構造内に2つの結合点を有する。アルキレンの例としては、エチレン(-CH2CH2-)、プロピレン(-CH2CH2CH2-)、ジメチルプロピレン(-CH2C(CH3)2CH2-)、およびシクロヘキシルプロピレン(-CH2CH2CH(C6H13)-)が挙げられる。同様に、アルケニレンの例としては、エテニレン(-CH=CH-)、プロペニレン(-CH=CH-CH2-)、およびシクロヘキシルプロペニレン(-CH=CHCH(C6H13)-)が挙げられる。アルキニレンの例としては、エチニレン(-C≡C-)およびプロピニレン(-CH≡CH-CH2-)が挙げられる。
アルコキシまたはアルコキシルという用語は、酸素を介して親構造に結合された直線状、分枝状、もしくは環状の配置またはそれらの組合せのたとえば1〜8個の炭素原子を含むアルキル基(すなわち、アルキル-O-基)を意味する。例としては、メトキシ-、エトキシ-、プロポキシ-、イソプロポキシ-、シクロプロピルオキシ-、シクロヘキシルオキシ-などが挙げられる。低級アルコキシとは、1〜4個の炭素を含有するアルコキシ基を意味する。
アシルという用語は、カルボニル官能基を介して親構造に結合された直線状、分枝状、もしくは環状の配置またはそれらの組合せの1〜8個の炭素原子の基を意味する。そのような基は、飽和であっても不飽和であってもよく、脂肪族であっても芳香族であってもよい。親への結合点がカルボニルに残存するかぎり、アシル残基中の1個以上の炭素は、窒素、酸素、または硫黄と置き換わってもよい。例としては、アセチル、ベンゾイル、プロピオニル、イソブチリル、t-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどが挙げられる。
低級アシルという用語は、1〜4個の炭素を含有するアシル基を意味する。
アミノとは、NH2基を意味する。置換型されたアミノという用語は、NHR基またはNRR基を意味する。ただし、各Rは、独立して、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアルコキシ、場合により置換されていてもよいアミノカルボニル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロシクリル-、アシル-、アルコキシカルボニル-、スルファニル-、スルフィニル、およびスルホニル-、たとえば、ジエチルアミノ、メチルスルホニルアミノ、フラニルオキシスルホンアミノから選択される。置換されたアミノはまた、-NRcCORb基、-NRcCO2Ra基、および-NRcCONRbRc基をも包含する。ただし、
Raは、場合により置換されていてもよいC1〜C6アルキル-基、アリール-基、ヘテロアリール-基、アリール-C1〜C4アルキル-基、またはヘテロアリール-C1〜C4アルキル-基であり;
Rbは、H、または場合により置換されていてもよいC1〜C6アルキル-基、アリール-基、ヘテロアリール-基、アリール-C1〜C4アルキル-基、もしくはヘテロアリール-C1〜C4アルキル-基であり;そして
Rcは、水素またはC1〜C4アルキル-であり;さらに
場合により置換されていてもよいRb基は、それぞれ独立して、無置換であるか、またはC1〜C4アルキル-、アリール-、ヘテロアリール-、アリール-C1〜C4アルキル-、ヘテロアリール-C1〜C4アルキル-、C1〜C4ハロアルキル-、-OC1〜C4アルキル、-OC1〜C4アルキルフェニル、-C1〜C4アルキル-OH、-OC1〜C4ハロアルキル、ハロゲン、-OH、-NH2、-C1〜C4アルキル-NH2、-N(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキル)、-NH(C1〜C4アルキル)、-N(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキルフェニル)、-NH(C1〜C4アルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(ヘテロアリールに対する置換基として)、-CO2H、-C(O)OC1〜C4アルキル、-CON(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキル)、-CONH(C1〜C4アルキル)、-CONH2、-NHC(O)(C1〜C4アルキル)、-NHC(O)(フェニル)、-N(C1〜C4アルキル)C(O)(C1〜C4アルキル)、-N(C1〜C4アルキル)C(O)(フェニル)、-C(O)C1〜C4アルキル、-C(O)C1〜C4フェニル、-C(O)C1〜C4ハロアルキル、-OC(O)C1〜C4アルキル、-SO2(C1〜C4アルキル)、-SO2(フェニル)、-SO2(C1〜C4ハロアルキル)、-SO2NH2、-SO2NH(C1〜C4アルキル)、-SO2NH(フェニル)、-NHSO2(C1〜C4アルキル)、-NHSO2(フェニル)、および-NHSO2(C1〜C4ハロアルキル)から独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。
抗有糸***剤とは、たとえば中期停止を引き起こすことにより、有糸***を阻害または防止する薬剤を意味する。いくつかの抗腫瘍剤は、増殖を阻止するので、抗有糸***剤であるとみなされる。
アリールとは、6員芳香環;環系中の環の少なくとも1つが芳香族である二環式の9もしくは10員の芳香環系;および環系中の環の少なくとも1つが芳香族である三環式の12〜14員の芳香環系を意味する。芳香族の6〜14員の炭素環としては、たとえば、フェニル、ナフチル、インダニル、テトラリニル、およびフルオレニルが挙げられる。
ヘテロアリールとは、
O、N、またはSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5もしくは6員の芳香族ヘテロ環;
環系中の環の少なくとも1つが芳香族でありかつO、N、またはSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する二環式の9もしくは10員の環系;および
環系中の環の少なくとも1つが芳香族でありかつO、N、またはSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する三環式の12〜14員の環系;
を意味する。5〜10員の芳香族ヘテロ環(すなわち、ヘテロアリール基)としては、たとえば、イミダゾリル、ピリジニル、インドリル、チエニル、ベンゾピラノニル、チアゾリル、フラニル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、ピリミジニル、ピラジニル、テトラゾリル、およびピラゾリルが挙げられる。
アラルキルという用語は、アリール部分がアルキル残基を介して親構造に結合されている残基を意味する。例としては、ベンジル、フェネチル、フェニルビニル、フェニルアリルなどが挙げられる。
ヘテロアラルキルという用語は、ヘテロアリール部分がアルキル残基を介して親構造に結合されている残基を意味する。例としては、フラニルメチル、ピリジニルメチル、ピリミジニルエチルなどが挙げられる。
アラルコキシ-とは、-O-アラルキル基を意味する。同様に、ヘテロアラルコキシ-とは、-O-ヘテロアラルキル-基を意味し;アリールオキシ-とは、-O-アリール-基を意味し;アシルオキシ-とは、-O-アシル-基を意味し;ヘテロアリールオキシ-とは、-O-ヘテロアリール-基を意味し;そしてヘテロシクリルオキシ-とは、-O-ヘテロシクリル基(すなわち、アラルキル-、ヘテロアラルキル-、アリール-、アシル-、ヘテロシクリル-、またはヘテロアリールが、酸素を介して親構造に結合されている)を意味する。
アミノカルボニルとは、-CONRbRc基を意味する。ただし、
Rbは、H、または場合により置換されていてもよいC1〜C6アルキル-基、アリール-基、ヘテロアリール-基、アリール-C1〜C4アルキル-基、もしくはヘテロアリール-C1〜C4アルキル-基であり;そして
Rcは、水素またはC1〜C4アルキル-であり;さらに
場合により置換されていてもよいRb基は、それぞれ独立して、無置換であるか、またはC1〜C4アルキル-、アリール-、ヘテロアリール-、アリール-C1〜C4アルキル-、ヘテロアリール-C1〜C4アルキル-、C1〜C4ハロアルキル-、-OC1〜C4アルキル-、-OC1〜C4アルキルフェニル、-C1〜C4アルキル-OH、-OC1〜C4ハロアルキル、ハロゲン、-OH、-NH2、-C1〜C4アルキル-NH2、-N(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキル)、-NH(C1〜C4アルキル)、-N(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキルフェニル)、-NH(C1〜C4アルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(ヘテロアリールに対する置換基として)、-CO2H、-C(O)OC1〜C4アルキル、-CON(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキル)、-CONH(C1〜C4アルキル)、-CONH2、-NHC(O)(C1〜C4アルキル)、-NHC(O)(フェニル)、-N(C1〜C4アルキル)C(O)(C1〜C4アルキル)、-N(C1〜C4アルキル)C(O)(フェニル)、-C(O)C1〜C4アルキル、-C(O)C1〜C4フェニル、-C(O)C1〜C4ハロアルキル、-OC(O)C1〜C4アルキル、-SO2(C1〜C4アルキル)、-SO2(フェニル)、-SO2(C1〜C4ハロアルキル)、-SO2NH2、-SO2NH(C1〜C4アルキル)、-SO2NH(フェニル)、-NHSO2(C1〜C4アルキル)、-NHSO2(フェニル)、および-NHSO2(C1〜C4ハロアルキル)から独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。アミノカルボニルは、カルバモイル-;低級アルキルカルバモイル-;ベンジルカルバモイル-;フェニルカルバモイル;メトキシメチルカルバモイル-;などを包含するものとする。
ハロゲンまたはハロという用語は、フッ素(すなわちフルオロ)、塩素(すなわちクロロ)、臭素(すなわちブロモ)、またはヨウ素(すなわちヨード)を意味する。ジハロアリール、ジハロアルキル、トリハロアリールなどは、指定数の複数個のハロゲン(ここでは、それぞれ、2、2、および3個のハロゲン)で置換されたアリールおよびアルキルを意味するが、必ずしも複数個の同一のハロゲンで置換される必要はないので;4-クロロ-3-フルオロフェニルは、ジハロアリールの範囲内に包含される。
ヘテロシクリルとは、1〜4個の炭素が酸素、窒素、または硫黄のようなヘテロ原子で置き換えられているシクロアルキル残基を意味する。例としては、ピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、チアゾリジン、ピペリジン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、およびジオキサンが挙げられる。ヘテロシクリルはまた、不飽和の数および位置が基に芳香族性を付与するものでないかぎり、不飽和結合を含む環系をも包含する。例としては、イミダゾリン、オキサゾリン、テトラヒドロイソキノリン、ベンゾジオキサン、ベンゾジオキソール、および3,5-ジヒドロベンゾオキサジニルが挙げられる。
脱離基または脱離原子は、反応条件下で出発物質から切断されて指定の部位で反応を促進する任意の基または原子である。そのような基の好適な例は、とくに明記されていないかぎり、ハロゲン原子、メシルオキシ基、p-ニトロベンゼンスルホニルオキシ基、およびトシルオキシ基である。
場合により存在していてもよいまたは場合によりとは、続いて記載される事象または状況が起こっても起こらなくてもよいことを意味し、この記述は、該事象または状況が起こる場合と起こらない場合を包含する。たとえば、「場合により置換されていてもよいアルキル」は、本明細書中に定義される「アルキル」および「置換されたアルキル」を包含する。当業者には当然のことであろうが、1個以上の置換基を含有する任意の基に関して、そのような基は、立体的に非現実的および/または合成的に実行不可能および/または本質的に不安定であるいかなる置換も置換パターンも導入しないものとする。
置換されたアルコキシとは、アルキル成分が置換されているアルコキシ(すなわち、-O-(置換されたアルキル))を意味する。好適な置換されたアルコキシ基の1つは、「ポリアルコキシ」すなわち-O-(場合により置換されていてもよいアルキレン)-(場合により置換されていてもよいアルコキシ)であり、-OCH2CH2OCH3、およびポリエチレングリコールのようなグリコールエーテルの残基、ならびに-O(CH2CH2O)xCH3(ただし、xは、約2〜20、たとえば、約2〜10、約2〜5などの整数である)のような基を包含する。他の置換されたアルコキシ基は、ヒドロキシアルコキシすなわち-OCH2(CH2)yOH(ただし、yは、約1〜10、たとえば約1〜4の整数である)である。
置換されたアルキル-、アリール-、およびヘテロアリール-とは、それぞれ、1個以上(5個まで、たとえば、1、2、もしくは3個)の水素原子が、-Ra、-ORb、-O(C1〜C2アルキル)O-(アリール置換基として)、-SRb、グアニジン、1個以上のグアニジン水素が低級アルキル基で置き換えられているグアニジン、-NRbRc、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-CORb、-CO2Rb、-CONRbRc、-OCORb、-OCO2Ra、-OCONRbRc、-NRcCORb、-NRcCO2Ra、-NRcCONRbRc、-CONRbRc、-NRcCORa、-SORa、-SO2Ra、-SO2NRbRc、および-NRcSO2Raから独立して選択される置換基で置き換えられているアルキル-、アリール-、およびヘテロアリールを意味し、
ただし、Raは、場合により置換されていてもよいC1〜C6アルキル-基、アリール-基、ヘテロアリール-基、アリール-C1〜C4アルキル-基、またはヘテロアリール-C1〜C4アルキル-基であり;
Rbは、H、または場合により置換されていてもよいC1〜C6アルキル-基、アリール-基、ヘテロアリール-基、アリール-C1〜C4アルキル-基、もしくはヘテロアリール-C1〜C4アルキル-基であり;
Rcは、水素またはC1〜C4アルキル-であり;
場合により置換されていてもよいRa基およびRb基は、それぞれ独立して、無置換であるか、またはC1〜C4アルキル-、アリール-、ヘテロアリール-、アリール-C1〜C4アルキル-、ヘテロアリール-C1〜C4アルキル-、C1〜C4ハロアルキル-、-OC1〜C4アルキル-、-OC1〜C4アルキルフェニル-、-C1〜C4アルキル-OH、-OC1〜C4ハロアルキル-、ハロゲン、-OH、-NH2、-C1〜C4アルキル-NH2、-N(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキル)、-NH(C1〜C4アルキル)、-N(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキルフェニル)、-NH(C1〜C4アルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(ヘテロアリールに対する置換基として)、-CO2H、-C(O)OC1〜C4アルキル-、-CON(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキル)、-CONH(C1〜C4アルキル)、-CONH2、-NHC(O)(C1〜C4アルキル)、-NHC(O)(フェニル)、-N(C1〜C4アルキル)C(O)(C1〜C4アルキル)、-N(C1〜C4アルキル)C(O)(フェニル)、-C(O)C1〜C4アルキル-、-C(O)C1〜C4フェニル-、-C(O)C1〜C4ハロアルキル-、-OC(O)C1〜C4アルキル-、-SO2(C1〜C4アルキル)、-SO2(フェニル)、-SO2(C1〜C4ハロアルキル)、-SO2NH2、-SO2NH(C1〜C4アルキル)、-SO2NH(フェニル)、-NHSO2(C1〜C4アルキル)、-NHSO2(フェニル)、および-NHSO2(C1〜C4ハロアルキル)から独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。Tおよび/またはT'が置換されたアルキレンである式Iで示される化合物では、「置換された」という用語はまた、1個以上(1、2、もしくは3個のような1個以上、たとえば1個)の炭素原子が-CH2-S-CH2-のようにO、N、またはSから独立して選択されるヘテロ原子で置き換えられているアルキレン基をも意味する。
スルファニルとは、次の基:-S-(場合により置換されていてもよいアルキル)、-S-(場合により置換されていてもよいアリール)、-S-(場合により置換されていてもよいヘテロアリール)、およびS-(場合により置換されていてもよいヘテロシクリル)を意味する。
スルファニルとは、次の基:-S-(場合により置換されていてもよいアルキル)、-S-(場合により置換されていてもよいアリール)、-S-(場合により置換されていてもよいヘテロアリール)、およびS-(場合により置換されていてもよいヘテロシクリル)を意味する。
スルフィニルとは、次の基:-S(O)-H、-S(O)-(場合により置換されていてもよいアルキル)、-S(O)-(場合により置換されていてもよいアリール)、-S(O)-(場合により置換されていてもよいヘテロアリール)、-S(O)-(場合により置換されていてもよいヘテロシクリル);および-S(O)-(場合により置換されていてもよいアミノ)を意味する。
スルホニルとは、次の基:-S(O2)-H、-S(O2)-(場合により置換されていてもよいアルキル)、-S(O2)-(場合により置換されていてもよいアリール)、-S(O2)-(場合により置換されていてもよいヘテロアリール)、-S(O2)-(場合により置換されていてもよいヘテロシクリル)、-S(O2)-(場合により置換されていてもよいアルコキシ)、-S(O2)-場合により置換されていてもよいアリールオキシ)、-S(O2)-(場合により置換されていてもよいヘテロアリールオキシ)、-S(O2)-(場合により置換されていてもよいヘテロシクリルオキシ);およびS(O2)-(場合により置換されていてもよいアミノ)を意味する。
製薬上許容される塩とは、好適な酸または塩基を用いて生成される塩(遊離化合物の生物学的有効性を保持し、かつ生物学的に望ましくないものでもなければ製薬的使用上不適当なものでもない塩)を意味し、製薬上許容される酸付加塩および塩基付加塩が包含される。製薬上許容される酸付加塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などのような無機酸から誘導される塩、および酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などのような有機酸から誘導される塩が挙げられる。
製薬上許容される塩基付加塩としては、無機塩基から誘導される塩、たとえば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムの塩などが挙げられる。いくつかの実施形態では、製薬上許容される塩基付加塩は、選ばれたアンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウムの塩である。塩基付加塩としては、このほかに、製薬上許容される有機の無毒な塩基から誘導される塩、たとえば、第一級、第二級、および第三級アミン、置換されたアミン(天然に存在する置換されたアミンも包含される)、環状アミン、および塩基性イオン交換樹脂、具体的には、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノールアミンの塩が挙げられる。
保護基は、有機合成において慣例的にそれに関連付けられる意味を有する。すなわち、多官能性化合物中の1つ以上の反応部位を選択的にブロッキングして、他の無保護反応部位で化学反応を選択的に行えるようにする基であり、しかもその基は、選択的反応が終了した後で容易に除去しうるものでなければならない。たとえば、T.H. Greene and P. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, Third Edition, John Wiley & Sons, New York (1999)(参照によりその全体が本明細書に組み入れられるものとする)に、さまざまな保護基が開示されている。たとえば、ヒドロキシ保護形は、化合物中に存在するヒドロキシル基の少なくとも1つがヒドロキシ保護基で保護された状態である。同じようにして、アミンおよび他の反応性基を同様に保護しうる。
溶媒和物とは、溶媒と式Iで示される化合物またはその塩との相互作用により形成される化合物を意味する。式Iで示される化合物またはその塩の好適な溶媒和物は、製薬上許容される溶媒和物、たとえば水和物である。
本明細書に記載の化合物の多くは、1つ以上の不斉中心(たとえば、R2がR2'と異なるときにR2およびR2'が結合されている炭素)を含んでいるので、エナンチオマー、ジアステレオマー、および絶対立体化学により(R)-または(S)-として定義されうる他の立体異性形を生じる可能性がある。本発明には、ラセミ混合物、光学的純粋形、および中間的混合物を含めて、そのような可能性のある異性体がすべて包含されるものとする。光学活性な(R)-および(S)-異性体は、キラルなシントンもしくはキラルな試薬を用いて調製しうるか、または従来技術を用いて分割しうる。本明細書に記載の化合物がオレフィン性二重結合または他の幾何不斉中心を含んでいる場合、とくに明記されていないかぎり、化合物にはEおよびZ幾何異性体の両方が包含されるものとする。同様に、互変異性形や回転異性体もすべて包含されるものとする。
所望により、当業者に公知の方法により、たとえば、結晶化などにより分離しうるジアステレオマー塩もしくは錯体を形成することにより;結晶化、ガス-液体もしくは液体クロマトグラフィーなどにより分離しうるジアステレオマー誘導体を形成することにより;一方のエナンチオマーとエナンチオマー特異的試薬との選択的反応(たとえば、酵素的酸化もしくは還元)を行ってから改変エナンチオマーと未改変エナンチオマーとを分離することにより;またはキラルな環境で、たとえば、キラルな配位子が結合されたシリカのようなキラルな担体を用いて、もしくはキラルな溶媒の存在下で、ガス-液体もしくは液体クロマトグラフィーを行うことにより;R-およびS-異性体を分割しうる。当然のことであろうが、以上に記載した分離手順のうちの1つにより所望のエナンチオマーを他の化学物質に変換する場合、所望のエナンチオマー形を放出させるさらなる工程が必要になることもある。他の選択肢として、光学活性な試薬、基質、触媒、もしくは溶媒を用いて不斉合成を行うことにより、または不斉変換を用いて一方のエナンチオマーを他方のエナンチオマーに変換することにより、特定のエナンチオマーを合成しうる。
ピリミジノン誘導体として記述することが可能でありかつ1種以上の有糸***キネシンの阻害剤である新規な化合物類を提供する。他のキネシン(たとえば、輸送キネシン)を阻害することなく有糸***キネシンを阻害することにより、細胞増殖の特異的阻害が達成される。なんら理論により拘束しようとするものではないが、本発明では、有糸***キネシンの機能を撹乱させると、有糸***紡錘体の形成異常または機能不全を生じ、その結果、多くの場合、細胞周期停止および細胞死が起こるという知見を利用する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、有糸***キネシンKSP、たとえばヒトKSPを阻害する。いくつかの実施形態では、化合物は、有糸***キネシンKSPを阻害するとともに、HSET(米国特許第6,361,993号(参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい);MCAK(米国特許第6,331,424号(参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい);CENP-E(米国特許第6,645,748号(参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい);Kif4(米国特許第6,440,684号(参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい);MKLP1(米国特許第6,448,025号(参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい);Kif15(米国特許第6,355,466号(参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい);Kid(米国特許第6,387,644号(参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい);Mpp1、CMKrp、KinI-3(米国特許第6,461,855号(参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい);Kip3a(米国特許第6,680,369号(参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい);Kip3d(米国特許第6,492,151号(参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい);およびRabK6;から選択される1種以上のヒト有糸***キネシンをモジュレートする。
有糸***キネシンを阻害する本方法は、本発明に係る化合物をヒトキネシン(たとえばヒトKSP)などのキネシンまたはその断片および変異体に接触させることを含む。阻害は、KSPキネシンのATP加水分解活性および/または有糸***紡錘体形成活性の阻害でありうる。この場合、有糸***紡錘体が破壊される。減数***紡錘体が破壊される可能性もある。
本発明は、細胞増殖に関連付けられる障害を治療するためにKSP(たとえばヒトKSP)などの有糸***キネシンの阻害剤を提供する。本化合物、組成物、および方法は、細胞増殖の疾患(たとえば、癌、過形成、再狭窄、心臓肥大、免疫障害、真菌性障害、および炎症が挙げられるが、これらに限定されるものではない)を治療するために使用される。
したがって、本発明は、式I:
Figure 2007510652
で示される化合物、ならびにその製薬上許容される塩、溶媒和物、結晶形、ジアステレオマー、およびプロドラッグから選択される少なくとも1種の化学物質に関する。ただし、上記式中、
TおよびT'は、独立して、場合により置換されていてもよい低級アルキレンであるかまたは不在であり;
R1は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、および場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択され;
R2およびR2'は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、および場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択されるか;またはR2およびR2'は、一緒になって、場合により置換されていてもよい3〜7員の環を形成し;
R3は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-、-(CO)R7、および-SO2R7aから選択されるか;
またはR3は、R6およびそれらが結合されている窒素と一緒になって、場合により置換されていてもよい5〜12員の窒素含有ヘテロ環を形成し、このヘテロ環中には、N、O、およびSから選択される1〜2個の追加のヘテロ原子が場合により組み込まれていてもよく;
あるいはR6は、R2と一緒になって、場合により置換されていてもよい5〜12員の窒素含有ヘテロ環を形成し、このヘテロ環中には、N、O、およびSから選択される1〜2個の追加のヘテロ原子が場合により組み込まれていてもよく;
R4およびR5は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアルコキシ、アシル、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルキルスルホニル-、アルキルスルファニル-、アミノカルボニル-、場合により置換されていてもよいアミノ、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル、および場合により置換されていてもよいヘテロアリール-から選択され;
R6は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-、および場合により置換されていてもよいヘテロシクリル-から選択され;
R7は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-、R8O-、およびR14-NH-から選択され;
R7aは、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-、およびR14-NH-から選択され;
R8は、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、および場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択され;そして
R14は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、および場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択され;
前提条件として、
以下の基準の少なくとも1つは、満たされるものとする:
TおよびT'は、両方とも不在であることはない;または
R6は、R2と一緒になって、場合により置換されていてもよい5〜12員の窒素含有ヘテロ環を形成し、このヘテロ環中には、N、O、およびSから選択される1〜2個の追加のヘテロ原子が場合により組み込まれていてもよい;または
R3は、R6およびそれらが結合されている窒素と一緒になって、場合により置換されていてもよい5〜12員の窒素含有ヘテロ環を形成し、このヘテロ環中には、N、O、およびSから選択される1〜2個の追加のヘテロ原子が場合により組み込まれていてもよく、TおよびT'が両方とも不在であるときは、このヘテロ環は、イミダゾール環でもイミダゾリン環でもない。いくつかの実施形態では、R2およびR2'が結合されているステレオジェン中心は、R配置である。
式Iで示される化合物は、以下に記載されているように(たとえば、ISIS-DRAWまたはChemDrawでAutoNom version 2.1を用いて)命名および番号付けを行いうる。たとえば、化合物:
Figure 2007510652
すなわち、TおよびT'が不在であり、R1がベンジル-であり、R2がエチルであり、R2'が水素であり;R3が、R6およびそれらが結合されている窒素と一緒になって、2-(p-トリル-ピペラジン-1-イル)であり;R4がメチル-であり;かつR5がメチルであるときの式Iで示される化合物は、3-ベンジル-5,6-ジメチル-2-[1-(2-p-トリル-ピペラジン-1-イル)-プロピル]-3H-ピリミジン-4-オンと命名しうる
同様に、化合物
Figure 2007510652
すなわち、TおよびT'が不在であり、R1がベンジル-であり、R2がイソプロピルであり、R2'が水素であり;R3が、R6と一緒になって、ヘキサヒドロ-5H-1,4-ジアゼピン-5-オンを形成し、R4がシアノであり、かつR5がメチルであるときの式Iで示される化合物は、1-ベンジル-5-メチル-2-[2-メチル-1-(7-オキソ-[1,4]ジアゼパン-1-イル)-プロピル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-カルボニトリルと命名しうる。
式Iで示される化合物は、以下の反応スキームを参照して記述された手順に従って、調製可能である。
とくに明記されていないかぎり、「溶媒」、「不活性有機溶媒」、または「不活性溶媒」という用語は、それと関連して記述された反応条件下で不活性である溶媒を意味する[たとえば、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(「THF」)、ジメチルホルムアミド(「DMF」)、クロロホルム、メチレンクロリド(すなわちジクロロメタン)、ジエチルエーテル、メタノール、ピリジンなどが挙げられる]。相反する記載がないかぎり、本発明に係る反応に使用される溶媒は、不活性有機溶媒である。
一般的には、カルボン酸のエステルは、従来のエステル化手順により調製しうる。たとえば、アルキルエステルは、一般的には酸性条件下において、所要の活性化カルボン酸を適切なアルカノールで処理することにより、調製しうる。同様に、アミドは、従来のアミド化手順を用いて、調製しうる。たとえば、アミドは、活性化カルボン酸を適切なアミンで処理することにより、調製しうる。他の選択肢として、Tetrahedron Lett. 48, 4171-4173, (1977)に記載の手順に従って、場合によりトリメチルアルミニウムの存在下で、酸のメチルエステルのような低級アルキルエステルをアミンで処理することにより、所要のアミドを提供しうる。カルボキシル基は、アルキルエステル(たとえばメチルエステル)として保護しうる。このエステルは、従来の手順を用いて調製し除去しうる。カルボメトキシをカルボキシルに変換する便利な方法の1つは、水酸化リチウム水溶液を用いる方法である。
本明細書中に挙げられた化合物の塩および溶媒和物は、所要により、当技術分野で慣用される方法により生成可能である。たとえば、本発明に係る化合物が酸である場合、遊離酸を無機または有機の塩基(たとえば、アミン(第一級、第二級、もしくは第三級);アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物;など)で処理することにより、所望の塩基付加塩を調製しうる。好適な塩の実例としては、アミノ酸、たとえば、グリシンおよびアルギニン;アンモニア;第一級、第二級、および第三級アミン;たとえば、エチレンジアミン、および環状アミン、たとえば、シクロヘキシルアミン、ピペリジン、モルホリン、およびピペラジン;から誘導される有機塩;ならびにナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム、およびリチウムから誘導される無機塩が挙げられる。
化合物が塩基である場合、当技術分野で公知の任意の好適な方法により、たとえば、遊離塩基を、無機酸で、たとえば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などで、または有機酸で、たとえば、酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、ピラノシジル酸(たとえば、グルクロン酸またはガラクツロン酸)、アルファ-ヒドロキシ酸(たとえば、クエン酸または酒石酸)、アミノ酸(たとえば、アスパラギン酸またはグルタミン酸)、芳香族酸(たとえば、安息香酸またはケイ皮酸)、スルホン酸(たとえば、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸)などで、処理することにより、所望の酸付加塩を調製しうる。
所望により、任意の好適な分離手順または精製手順により、たとえば、濾過、抽出、結晶化、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、もしくは厚層クロマトグラフィー、またはこれらの手順の組合せにより、本明細書に記載の化合物および中間体の単離および精製を行うことが可能である。これ以降の実施例を参照することにより、好適な分離手順および単離手順の具体的な説明を行いうる。しかしながら、もちろん、他の等価な分離手順または単離手順を使用することも可能である。
式Iで示される化合物は、以下の反応スキームに基づく手順に従って、調製可能である。式101で示される場合により置換されていてもよいβ-ケトアミドおよび他の反応物は、たとえば、Aldrich Chemical Company, Milwaukee, WIから市販品として入手可能であるか、または広く利用されている合成方法を用いて当業者により容易に調製可能である。たとえば、PCT WO 03/39460、WO 03/49678、WO 03/50122、WO 03/49527、WO 03/49679、WO 03/50064、US 2004-0077662、US 2004-0077662、およびPCT/US03/13627(それぞれ、あらゆる点において参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい。
Figure 2007510652
式103の調製
反応スキーム1の工程1について説明する。不活性有機溶媒(たとえばキシレン)中の場合により置換されていてもよいアセトアセトアミド(式101で示される化合物)またはアセトアセテートエステルの混合物を、ドライアイス還流冷却器を備えたフラスコに添加する。得られた混合物を約3時間にわたり加熱して還流させかつ気体アンモニアで連続的にパージし、次に、室温に冷却する。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮する。場合により置換されていてもよいベータ-アミノクロトンアミド(式103で示される化合物)を単離し精製する。
式105の調製
反応スキーム1の工程2について説明する。生成させたばかりのナトリウムエトキシドを、エタノール中の式103で示される化合物とわずかに過剰(たとえば約1.1当量)の好適に保護されたアミノ酸エステル(たとえば、保護基PGがBocであるときの式104で示される化合物)との混合物に、添加する。得られた溶液を還流状態で数時間加熱する。生成物(式105で示されるピリミジノン)を単離し精製する。
式106の調製
反応スキーム1の工程3について説明する。室温に保持しながら、ジオキサンのような極性非プロトン性溶媒中の式105で示されるピリミジノンの溶液に、過剰(たとえば約1.2当量)の水素化リチウムを添加する。得られた懸濁液を約15分間攪拌し、続いて、構造R1-X(ここで、Xはトシレートのような脱離基であり、そしてR1は先に定義したとおりである)を有する化合物をわずかに過剰(たとえば約1.1当量)に添加する。反応混合物を還流状態で約20〜24時間加熱する。生成物(式106で示されるピリミジノン)を単離し精製する。
式107の調製
反応スキーム1の工程4について説明する。式106で示される化合物のアミノ保護基を除去する。たとえば、温度を約0℃に保持しながら、ジクロロメタンのような極性非プロトン性溶媒中の、アミノ保護基PGがBocであるときの式106で示されるピリミジノンの溶液に、トリフルオロ酢酸を添加する。次に、得られた溶液を室温で1時間攪拌し、そして真空中で濃縮する。生成物(式107で示される化合物)を単離し、そしてさらなる精製を行うことなく次の工程で使用する。当業者であれば、当技術分野で公知の条件を用いて他の保護基の除去を達成しうることは容易にわかるであろう。たとえば、前掲のGreene, et al.を参照されたい。
式109の調製
反応スキーム1の工程5について説明する。式107で示されるピリミジノンの溶液に、わずかに過剰(たとえば約1.2当量)のR6'含有アルデヒド(すなわち、式R6'CHO(ただし、R6'CH2-はR6と等価であり、そしてびR6は、先に記載したとおりであるかまたはそのような置換基に対する保護された前駆体である)を有する化合物、たとえば、(3-オキソ-プロピル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル)と、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリドのような還元剤と、を逐次的に添加する。得られた混合物を数時間攪拌する。生成物(式109で示されるピリミジノン)を単離し精製する。
式110の調製
反応スキーム1の工程6について説明する。ジクロロメタンのような極性非プロトン性溶媒中の式109で示されるピリミジノンおよびジイソプロピルエチルアミンのようなアミン塩基の溶液に、R7アシルクロリド(たとえば、R7が以上に記載したとおりであるときのCl-C(O)-R7)を添加する。得られた溶液を、窒素下、室温で数時間攪拌する。生成物(式110で示されるピリミジノン)を単離し精製する。
場合により、次に、式110で示される化合物に保護基があればそれを除去する。たとえば、R6が、保護基がBoc基であるときの保護されたアミンを含む場合、反応系をほぼ室温に保持しながら、ジクロロメタンのような極性非プロトン性溶媒中の式110で示されるピリミジノンの溶液にトリフルオロ酢酸を添加して処理することにより、Bocを除去することが可能である。TLCなどにより、反応を監視する。終了後、遊離アミンを単離し精製する。
式107で示される光学活性化合物の調製
本発明に係るいくつかの化合物では、R2が結合されているステレオジェン中心は、特定の立体配置(たとえば(R)異性体)であることが好ましいこともある。光学活性化合物は、当技術分野で公知の方法により調製可能である。たとえば、式107で示されるアミンを不活性有機溶媒(たとえばIPA)に溶解させ、そして60℃に加温する。別の槽で、分割剤(たとえばジベンゾイル-D-酒石酸)を溶解させ、次に、加温されたアミン溶液にすばやく添加する(攪拌しながら)。攪拌を継続した状態で16時間にわたり室温に冷却することにより、反応混合物を結晶化させる。所望の異性体(たとえば(R)異性体)を単離し精製する。
式Iで示される化合物の合成の残りの説明を簡潔にするために、単一の異性体または異性体の混合物のいずれを利用しても対応する生成物を与えうることを理解しなければならない。
Figure 2007510652
式203の調製
反応スキーム2の工程1について説明する。不活性有機溶媒(たとえばキシレン)中の場合により置換されていてもよい式201で示されるベータ-ケトアミドの混合物を、ドライアイス還流冷却器を備えたフラスコに添加する。得られた混合物を約5時間にわたり加熱して還流させかつ気体アンモニアで連続的にパージし、次に、室温に冷却する。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮する。生成物(場合により置換されていてもよい式203で示される化合物)を単離し、そしてさらなる精製を行うことなく次の工程で使用する。
式106の調製
反応スキーム2の工程2について説明する。生成させたばかりのナトリウムエトキシドを、エタノール中の式203で示される化合物とわずかに過剰(たとえば約1.1当量)の好適に保護されたアミノ酸エステル(204で示される化合物、たとえば、PGがBocであるときの式204で示される化合物)との混合物に、添加する。得られた溶液を還流状態で数時間加熱する。生成物(式106で示されるピリミジノン)を単離し精製する。
Figure 2007510652
反応スキーム3について説明する。ジクロロメタンのような極性非プロトン性溶媒中の式109で示されるピリミジノンおよびジイソプロピルエチルアミンのようなアミン塩基の溶液に、式Cl-S(O)2-R7aまたはO-(S(O)2-R7a)2(ただし、R7aは先に記載したとおりである)を有する化合物を添加する。得られた溶液を、窒素下、室温で数時間攪拌する。生成物(式302で示されるピリミジノン)を単離し精製する。
Figure 2007510652
反応スキーム4について説明する。ジクロロメタンのような極性非プロトン性溶媒中の式109で示されるピリミジノンおよびジイソプロピルエチルアミンのようなアミン塩基の溶液に、式X-R3(ただし、R7は先に記載したとおりであり、そしてXは、脱離基(たとえばハリド)である)を有する化合物を添加する。得られた溶液を、窒素下、室温でまたは熱を加えて、数時間攪拌する。生成物(式402で示されるピリミジノン)を単離し精製する。
Figure 2007510652
式503の調製
反応スキーム5の工程1について説明する。塩基(たとえば炭酸カリウム)の存在下で極性非プロトン性溶媒(たとえばDMF)に溶解された場合により置換されていてもよい式107で示される化合物に、1当量の場合により置換されていてもよい好適に保護されたアルデヒド(ただし、そのようなアルデヒドは、ハリドのような脱離基をさらに含む)を添加する。反応の終了を監視しながら(たとえばTLCにより)、溶液を還流状態で加熱する。反応混合物を冷却し、式503で示される対応する場合により置換されていてもよいピリミジノンを単離し精製する。
式505の調製
反応スキーム5の工程2について説明する。約1.5モル当量のアミン塩基(たとえばトリエチルアミン)の存在下で、不活性溶媒(たとえばジクロロメタン)中の場合により置換されていてもよい式503で示される化合物に、約1.5モル当量のCl-C(O)-R9のようなR9酸クロリド(ただし、R9は、本明細書に記載されるとおりである)を添加する。室温で攪拌しながら4〜24時間かけて反応を行う。TLCなどにより終了を監視する。対応する式505で示される化合物を単離し精製する。
式507の調製
反応スキーム5の工程3について説明する。酢酸中の式505で示される化合物および過剰のアンモニウムアセテートの溶液を還流状態で1〜4時間加熱する。TLCなどにより終了を監視する。対応する式507で示される化合物を単離し精製する。
Figure 2007510652
式603の調製
反応スキーム6の工程1について説明する。DMFのような極性非プロトン性溶媒中の式107で示される化合物、式R10(CO)CH2X(ただし、Xはハリドである)で示されるアルファ-ハロケトン試薬、および約1当量の塩基(たとえば炭酸カリウム)の懸濁液を、室温で攪拌する。反応系を水で希釈し、そしてさらなる精製を行うことなく、得られた固体(式603で示される化合物)を後続の工程で使用する。
式605の調製
反応スキーム6の工程2について説明する。メチレンクロリドのような有機溶媒中の式603で示される化合物、約1当量のアミン塩基(たとえばトリエチルアミン)、および約1当量の酸クロリド(たとえば、式R9-COClで示される化合物)の溶液を、室温で数時間攪拌する。TLCなどにより終了を監視する。対応する式605で示される化合物を単離し精製する。
式607の調製
反応スキーム6の工程3について説明する。ディーン・スタークトラップおよび凝縮器を用いて、酢酸中の式605で示される化合物および過剰のアンモニウムアセテートの溶液を、還流状態で加熱する。TLCなどにより終了を監視する。対応する式607で示される化合物を単離し精製する。
場合により、式607で示される化合物がフタルイミドとして保護されているとき、エタノールのような極性プロトン性溶媒中の式607で示される化合物および過剰の無水ヒドラジンの溶液を還流状態で加熱する。反応系を約5℃に冷却し、そして沈殿があればそれを濾別する。濾液を真空中で濃縮し、そして精製して遊離アミンを得る。
Figure 2007510652
式703の調製
反応スキーム7の工程1について説明する。ジクロロメタン中の式107で示される化合物および1当量の好適に保護されたアルデヒド(Seki et. al. Chem. Pharm. Bull. 1996, 44, 2061)の溶液に、わずかに過剰の還元剤(たとえばナトリウムトリアセトキシボロヒドリド)を添加する。得られた濁った混合物を周囲温度に保持する。TLCなどにより終了を監視する。対応する式703で示される化合物を単離し、そして精製することなく後続の工程で使用する。
式705の調製
反応スキーム4の工程2について説明する。ジクロロメタンのような極性非プロトン性溶媒中の式703で示される化合物の溶液に、トリフルオロ酢酸のような強酸を添加する。得られた溶液を周囲温度に一晩保持し、そして減圧下で濃縮する。残渣を単離して式705で示される化合物を与え、これを精製することなく後続の工程に使用する。
式707の調製
反応スキーム4の工程3について説明する。ジクロロメタンのような極性非プロトン性溶媒中の式705で示される化合物の溶液に、過剰(たとえば約2当量)のアミン塩基(たとえばトリエチルアミン)を添加し、続いて、約1当量もしくはわずかに過剰の酸クロリドを添加する。得られた溶液を周囲温度で約3時間攪拌する。TLCなどにより終了を監視する。対応する式707で示される化合物を単離し精製する。
式709の調製
反応スキーム7の工程4について説明する。過剰のオキシ塩化リン中の式707で示される化合物の溶液を還流状態で加熱する。8時間後、反応混合物を周囲温度に冷却し、そして減圧下で濃縮する。対応する式709で示される化合物を単離し精製する。
Figure 2007510652
式709の調製
反応スキーム7の工程3および4の代替手段として、中間体アミドを単離することなく、式705で示される第一級アミンのアシル化およびそれに続く酢酸媒介環化を進行させて、式709で示される目標化合物を提供することが可能である。この経路を反応スキーム8に示す。
より特定的には、ジクロロメタンのような極性非プロトン性溶媒中の式705で示される化合物の溶液に、過剰(たとえば約2当量)のアミン塩基(たとえばトリエチルアミン)を添加し、続いて、約1当量の酸クロリドを添加する。得られた溶液を周囲温度で2時間攪拌し、次に、減圧下でエバポレートする。得られた固体を氷酢酸で処理し、次に、得られた懸濁液を還流状態で約48時間加熱する。反応系を周囲温度に冷却し、次に、減圧下でエバポレートする。対応する式709で示される化合物を単離し精製する。
Figure 2007510652
式903で示される化合物の調製
反応スキーム9の工程1について説明する。テトラヒドロフランのような無水非極性非プロトン性溶媒中の式901で示される化合物および過剰(たとえば約1.4当量)のN-メチルモルホリンの0℃の溶液に、過剰(たとえば約1.3当量)のイソブチルクロロホルメートを添加する。得られた混合物を室温で約4時間攪拌する。次に、フラスコにドライアイス還流冷却器を装着し、そして気体アンモニアで連続的に約2時間パージする。次に、得られた反応混合物を室温で一晩攪拌する。生成物(式903で示される化合物)を単離し、そしてさらなる精製を行うことなく使用する。
式905で示される化合物の調製
反応スキーム9の工程2について説明する。ジオキサンのような非極性非プロトン性溶媒中の式903で示される化合物の室温溶液に、過剰(たとえば約2.5当量)のピリジンおよび過剰(たとえば約2当量)の無水トリフルオロ酢酸を逐次的に添加する。出発物質が存在しなくなるまで、得られた溶液を約4時間攪拌する。生成物(式905で示される化合物)を単離し精製する。
式907で示される化合物の調製
反応スキーム9の工程3について説明する。エチレングリコールのような極性プロトン性溶媒中の式905で示される化合物およびN-アセチルシステインの室温溶液に、固体アンモニウムアセテートを添加する。得られた溶液を約48時間にわたり約100℃に加熱する。ほとんどのエチレングリコールを真空中で蒸留する。生成物(式907で示される化合物)を単離し、そしてさらなる精製を行うことなく使用する。
Figure 2007510652
式909で示される化合物の調製
反応スキーム10の工程1について説明する。次に、メタノール中のナトリウムメトキシドの溶液(たとえば、約2当量の0.5M溶液)を、式905で示される化合物に添加する。得られた反応混合物に、過剰(たとえば約2当量)のヒドロキシルアミン塩酸塩を添加する。次に、反応混合物を約50℃に一晩加熱する。生成物(式909で示される化合物)を単離し、そしてさらなる精製を行うことなく使用する。
式907で示される化合物の調製
酢酸中の式909で示される化合物の室温溶液に、過剰(たとえば約1.5当量)の無水酢酸およびPd/Cを添加する。反応混合物を水素雰囲気下で約24時間攪拌し、次に、セライトに通して濾過する。生成物(式907で示される化合物)を単離し、そしてさらなる精製を行うことなく使用する。
Figure 2007510652
式1103で示される化合物の調製
反応スキーム11について説明する。式1102で示される化合物および式907で示される化合物の溶液に、メタノール中のナトリウムメトキシドの溶液(たとえば、約2.4当量の0.5M溶液)を添加する。得られた溶液を約30分間にわたり約60℃に加熱する。生成物(式1103で示される化合物)を単離し精製する。
Figure 2007510652
式1203で示される化合物の調製
反応スキーム12について説明する。無水エタノール中の式907で示される化合物および約1当量のジイソプロピルエチルアミンの室温溶液に、約1当量の式1202で示される化合物を添加する。得られた混合物を約16時間にわたり約70℃に加熱する。生成物(式1203で示される化合物)を単離し精製する。
Figure 2007510652
式1303で示される化合物の調製
反応スキーム13の工程1について説明する。エタノールのような極性プロトン性溶媒中の式1301で示される化合物の室温溶液に、濃厚アンモニア水を添加する。得られた混合物を室温で約24時間攪拌する。生成物(式1303で示される化合物)を単離し精製する。
式1305で示される化合物の調製
反応スキーム13の工程2について説明する。ピリジン中の式1303で示される化合物の室温溶液に、過剰のチオニルクロリドを添加する。生成物(式1305で示される化合物)を単離し精製する。
Figure 2007510652
式1403で示される化合物の調製
反応スキーム14の工程1について説明する。無水酢酸中の式1401で示されるメチルシアノアセテートおよび過剰(たとえば約1.1当量)のトリエチルオルトアセテートの溶液を、約3時間にわたり加熱して還流させる。生成物(式1403で示される化合物)を単離し、そしてさらなる精製を行うことなく使用する。
式1405で示される化合物の調製
反応スキーム14の工程2について説明する。メタノールのような極性プロトン性溶媒中の式1403で示される化合物および過剰(たとえば約3当量)の式907で示される化合物の溶液に、メタノール中のナトリウムメトキシドの溶液(たとえば0.5M溶液)を添加する。得られた溶液を窒素雰囲気下、約60℃で約30分間攪拌する。生成物(式1405で示される化合物)を単離し精製する。
式1405で示される化合物の代替的調製
反応スキーム14の工程2について説明する。他の選択肢では、エタノールのような極性プロトン性溶媒中の式907で示される化合物の攪拌溶液に、約1当量の式1403で示される化合物を添加する。反応系を約18時間還流させ、そして室温に冷却する。生成物(式1405で示される化合物)を単離し精製する。
Figure 2007510652
式1503で示される化合物の調製
反応スキーム15の工程1について説明する。メタノール中の場合により置換されていてもよい式1502で示される化合物(たとえば、ジアルキルマロネート)および過剰(たとえば約1.5当量)の式907で示される化合物の室温溶液に、メタノール中の過剰のナトリウムメトキシドの溶液(たとえば、メタノール中の0.5M溶液として)を添加する。得られた溶液を約4時間にわたり約60℃に加熱する。生成物(式1503で示される化合物)を単離し、そしてさらなる精製を行うことなく使用する。
式1505で示される化合物の調製
反応スキーム15の工程2について説明する。DMFのようなnonopolar非プロトン性溶媒中の式1503で示される化合物の溶液に、重炭酸ナトリウムおよびジメチルスルフェートを添加する。得られた溶液を約0℃で約4時間攪拌する。生成物(式1505で示される化合物)を単離し精製する。
Figure 2007510652
式1603で示される化合物の調製
反応スキーム16の工程1について説明する。メタノール中のメチルシアノアセテート(すなわち、式1401で示される化合物)および過剰(たとえば約1.5当量)の式907で示される化合物の室温溶液に、メタノール中のナトリウムメトキシドの溶液(たとえば、約1.8当量の0.5Mメタノール溶液)を添加する。得られた溶液を約4時間にわたり約60℃に加熱する。生成物(式1603で示される化合物)を単離し、そしてさらなる精製を行うことなく使用する。
式1605で示される化合物の調製
テトラヒドロフランのような非極性非プロトン性溶媒中の式1603で示される化合物の約0℃の溶液に、ジイソプロピルエチルアミンおよび過剰(たとえば約2当量)の酸クロリド(たとえばアセチルクロリド)を逐次的に添加する。得られた溶液を約0℃で約6時間攪拌する。生成物(式1605で示される化合物)を単離し精製する。
Figure 2007510652
式1703で示される化合物の調製
反応スキーム17の工程1について説明する。四塩化炭素中の式1701で示される化合物の室温溶液に、約1当量のN-ブロモスクシンイミドを添加する。得られた混合物を約1時間にわたり約85℃に加熱する。生成物(式1703で示される化合物)を単離し精製する。
式1705で示される化合物の調製
反応スキーム17の工程2について説明する。式1703で示される化合物、約0.2当量の2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、約0.1当量の酢酸パラジウム、過剰(たとえば約1.5当量)のフェニルボロン酸、および過剰(たとえば約3当量)のフッ化カリウムを、再シール可能なシュレンク管に入れる。管を減圧して窒素で再充填する処理を数回行う。次に、シリンジによりトルエンを添加し、得られた混合物を約72時間にわたり約80℃に加熱する。生成物(式1705で示される化合物)を単離し精製する。
式1705で示される化合物の代替的調製
反応スキーム17の工程2について再度説明する。10mL Smithマイクロ波反応バイアルに、式1703で示される化合物、約1当量の3-クロロボロン酸、Na2CO3、およびPdCl2(PPh3)2を仕込み、続いて、MeCN-H2O (1:1)を仕込む。混合物をアルゴンガスでパージし、約150℃で約5分間にわたりマイクロ波反応器で処理する。生成物(式1705で示される化合物)を単離し精製する。
Figure 2007510652
式1805で示される化合物の調製
反応スキーム18の工程1について説明する。肉厚ガラス管内の無水エタノール中の式1703で示される化合物の溶液に、約0.25当量の1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、過剰のトリエチルアミン、および約0.2当量の酢酸パラジウムを添加する。管を減圧して一酸化炭素で再充填する処理を3回行い、次に、一酸化炭素(約30psi)で加圧する。混合物を約48時間にわたり約70℃に加熱する。生成物(式1805で示される化合物)を単離し精製する。
式1807で示される化合物の調製
反応スキーム18の工程2について説明する。テトラヒドロフランおよびメタノール中の式1805で示される化合物の室温溶液に、水酸化カリウム水溶液を添加する。得られた混合物を約4時間にわたり約70℃に加熱する。生成物(式1807で示される化合物)を単離し、そしてさらなる精製を行うことなく使用する。
式1809で示される化合物の調製
反応スキーム18の工程3について説明する。無水テトラヒドロフラン中の式1807で示される化合物の室温溶液に、過剰(たとえば約3当量)のジイソプロピルエチルアミンおよび過剰(たとえば約1.2当量)のイソブチルクロロホルメートを逐次的に添加する。得られた混合物を窒素雰囲気下、室温で約3時間攪拌する。次に、反応系を約0℃に冷却し、気体アンモニアで約45分間パージする。次に、混合物を、さらに45分間にわたり室温に加温する。生成物(式1809で示される化合物)を単離し精製する。
式1811で示される化合物の調製
反応スキーム18の工程4について説明する。ピリジン中の式1809で示される化合物の室温溶液に、チオニルクロリドを添加する。反応混合物を室温で約16時間攪拌する。生成物(式1811で示される化合物)を単離し精製する。
式1813で示される化合物の調製
反応スキーム18の工程5について説明する。酢酸中の式1811で示される化合物の攪拌溶液に、10% PDd/Cを注意深く添加する。水素バルーン下、室温で約18時間かけて反応系に水素化処理を施し、粗製アミンを単離する。CH2Cl2のような非極性非プロトン性溶媒中の粗製アミンに、攪拌しながらトリエチルアミンような塩基および無水酢酸を添加する。室温で約2時間攪拌した後、生成物(式1813で示される化合物)を単離し精製する。
Figure 2007510652
式1903で示される化合物の調製
反応スキーム19について説明する。ジクロロメタンのような非極性非プロトン性溶媒中のトリエチルアミンのような塩基の存在下で、式109で示される化合物をわずかに過剰の式R8O(CO)Clで示される化合物と反応させる。生成物(式1903の化合物)を単離し精製する。
Figure 2007510652
式2003で示される化合物の調製
反応スキーム20について説明する。式109で示される化合物を、ジクロロメタンのような非極性非プロトン性溶媒中のトリエチルアミンのような塩基の存在下で、わずかに過剰のイソシアネートR14-N=C=Oで処理する。生成物(式2003で示される化合物)を単離し精製する。
Figure 2007510652
式2103で示される化合物の調製
反応スキーム21について説明する。CH2Cl2のような非極性非プロトン性溶媒中の式903で示される化合物の攪拌溶液に、過剰(たとえば約1.05当量)のトリエチルオキソニウムヘキサフルオロホスフェートを添加する。反応系を室温で約48時間攪拌し、分液漏斗中に注ぎ、洗浄し、脱水し、濾過し、そして真空下で濃縮する。残留する油に、式R1NH2で示される化合物およびエタノールのような極性プロトン性溶媒を添加する。反応系を約60℃で約24時間攪拌する。生成物(式2103で示される化合物)を単離し、そして精製することなく使用する。
Figure 2007510652
式2203で示される化合物の調製
反応スキーム22の工程1について説明する。メタノールのような極性プロトン性溶媒中の式2103で示される化合物の溶液に、約1当量の式2201で示される化合物(すなわち、ジメチルエチリデンマロネート)を添加する。反応系を約110℃に徐々に加熱し、溶媒を留去する。反応系を約110℃で約5時間攪拌し、次に、室温に冷却する。生成物(式2203で示される化合物)を単離し精製する。
式2205で示される化合物の調製
反応スキーム22の工程2について説明する。CCl4のような非極性非プロトン性溶媒中の式2203で示される化合物の攪拌溶液に、K2CO3、N-ブロモスクシンイミド、およびベンゾイルペルオキシドを添加する。反応系を約0.5時間還流させ、そして室温に冷却する。生成物(式2205で示される化合物)を単離し精製する。
Figure 2007510652
式2303で示される化合物の調製
反応スキーム23の工程1について説明する。CH2Cl2のような非極性非プロトン性溶媒中の式2103で示される化合物の攪拌溶液に、約0℃に冷却しながら、Et3Nのような塩基を添加し、続いて、過剰(たとえば約1.1当量)の式2301で示される化合物(たとえば、R5がメチルであるもの)を約15分間かけて滴下する。反応系を室温に加温し、そして約4時間攪拌する。生成物(式2303で示される化合物)を単離し精製する。
式2305で示される化合物の調製
反応スキーム23の工程2について説明する。式2303で示される化合物の攪拌溶液に、鉱油中のNaHの60%分散液を少しずつ添加する。室温で約15分間攪拌した後、過剰(たとえば約1.1当量)のN-フェニルトリフルオロメタンスルホンイミドを添加する。反応系を室温で約18時間攪拌する。生成物(対応するトリフレート)を単離し精製する。攪拌しながら、DMFのような非極性非プロトン性溶媒中の粗製トリフレートに、Zn(CN)2および(PPh3)4Pdを添加する。反応系を不活性雰囲気下、約90℃で約4時間加熱し、そして室温に冷却する。生成物(式2305で示される化合物)を単離し精製する。
Figure 2007510652
DMFのような非極性非プロトン性溶媒中の式2401で示される化合物の溶液に、1H-ピラゾール-1-カルボキサミジン塩酸塩およびジイソプロピルエチルアミンを添加する。反応系を室温で約16時間攪拌する。生成物(2403の化合物)を単離し精製する。
Figure 2007510652
式2503で示される化合物の調製
反応スキーム25の工程1について説明する。CH2Cl2のような非極性非プロトン性溶媒中の式107で示される化合物およびトリエチルアミンのような塩基に、式R7-(CO)Clで示される化合物を添加する。反応系を室温で約48時間攪拌する。生成物(式2503で示される化合物)を単離し精製する。
式111で示される化合物の調製
反応スキーム25の工程2について説明する。DMFのような非極性非プロトン性溶媒中の式2503で示される化合物に、水素化ナトリウムのような塩基を添加する。反応系を室温で約15攪拌し、次に、式R6-X(ただし、Xは脱離基(たとえばハリド)である)で示される化合物を添加する。反応系を室温で約24時間攪拌する。生成物(式111で示される化合物)を単離し精製する。
Figure 2007510652
式2603で示される化合物の調製
反応スキーム26の工程1について説明する。式107で示される化合物および過剰の式PG-N-CH2CHOで示される化合物(たとえば、2H-イソインドール-2-アセトアルデヒド)を、ジクロロエタンのような非極性非プロトン性溶媒に溶解させる。氷酢酸を添加し、続いて、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリドを添加する。反応系を窒素下、室温で約3.5時間攪拌する。生成物(式2603で示される化合物)を単離し精製する。
式2605で示される化合物の調製
反応スキーム26の工程2について説明する。わずかに過剰(たとえば約1.1当量)の式R9-(CO)-Clで示される化合物を、トルエンのような非極性非プロトン性溶媒に溶解させ、塩基で処理し、続いて、式2603で示される化合物で処理する。反応系を約110℃で約3時間攪拌する。反応系を室温に冷却する。生成物(式2605で示される化合物)を単離し精製する。
式709で示される化合物の調製
反応スキーム26の工程3について説明する。ジクロロメタンのような極性非プロトン性溶媒中の式2605で示される化合物の溶液に、トリフルオロ酢酸のような強酸を添加する。得られた溶液を周囲温度に一晩保持し、そして減圧下で濃縮する。残渣を単離して対応する遊離アミンを与え、これを精製することなく後続の工程に使用する。
過剰のオキシ塩化リン中の以上で調製した遊離アミンの溶液を還流状態で加熱する。8時間後、反応混合物を周囲温度に冷却し、そして減圧下で濃縮する。対応する式709で示される化合物を単離し精製する。
Figure 2007510652
式2703で示される化合物の調製
反応スキーム27の工程1について説明する。DMFのような非極性非プロトン性溶媒中の式107で示される化合物に、式X-CH2-(CO)-R10(ただし、Xはハリドのような脱離基である)で示される化合物およびN,N-ジイソプロピルエチルアミンのような塩基を添加する。反応系を室温で約16時間攪拌する。生成物を単離し、トリエチルアミンのような非極性非プロトン性溶媒および式R9-(CO)-Clで示される化合物に添加する。反応系を室温で約16時間攪拌する。生成物(式2703で示される化合物)を単離し精製する。
式609で示される化合物の調製
反応スキーム27の工程2について説明する。氷酢酸中の式2703で示される化合物にアンモニウムアセテートを添加し、反応系を還流状態で約16時間加熱する。生成物(式609で示される化合物)を単離し精製する。
Figure 2007510652
式2803で示される化合物の調製
反応スキーム28について説明する。トルエンのような非極性非プロトン性溶媒中の式1703で示される化合物に、式H-NRR'で示されるアミン、NaO-tBuのような塩基、Pd2DBA、および(S)-BINAPを添加する。反応系を約90℃で約72時間攪拌する。生成物(式2803で示される化合物)を単離し精製する。
Figure 2007510652
反応スキーム29について説明する。保護されたアミノプロピオン酸で107をアシル化し、対応するアミドを与える。アクリロイルクロリドによるアシル化、それ続く第一級アミドの脱保護および塩基媒介環化により、所望のジアゼパノンを得た。所望により、当業者に周知の条件下で塩基性アミンのさらなる官能化を達成することが可能である。
Figure 2007510652
反応スキーム30について説明する。(2-オキソ-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステルにより式107で示される化合物中の第一級アミノ基の還元的アミノ化を行い、対応する第二級アミドを得た。クロロピバロイルクロリドによるアシル化、それに続く第一級アミドの脱保護および塩基媒介環化により、所望のジアゼパノンを得た。所望により、当業者に周知の条件下で塩基性アミンのさらなる官能化を達成することが可能である。
Figure 2007510652
反応スキーム31について説明する。式3101で示される化合物、1/2当量の場合により置換されていてもよいピペラジンまたはジアゼパム(先に示したとおりであり、R32は、本明細書に記載されているとおりである)、および過剰の炭酸カリウムを、有機溶媒(たとえばアセトニトリル)中で組み合わせる。窒素雰囲気下、高温(たとえば100℃)で8時間、続いてより低い温度(たとえば60℃)で5日間、反応を行う。生成物(式3103で示される化合物)を単離し精製する。
場合により、R32がBocのようなアミン保護基であるとき、たとえば、TFA/水の95/5混合物で処理してから室温で1時間攪拌することにより、それを除去することが可能である。生成物(R32が水素であるときの式3103で示される化合物)を単離し精製することが可能である。所望により、当業者に周知の条件下で塩基性アミンのさらなる官能化を達成することが可能である。
Figure 2007510652
R6がR2と一緒になって場合により置換されていてもよい5〜12員の窒素含有ヘテロ環を形成するときの式Iで示される化合物の合成は、以上に示した一般的手順に従ってかつ反応スキーム2に記載されているように、達成することが可能である。
場合により、式Iで示される化合物を製薬上許容される酸または塩基に接触させて、対応する酸付加塩または塩基付加塩を形成する。
場合により、式Iで示される化合物の製薬上許容される酸付加塩を塩基に接触されて、式Iで示される対応する遊離塩基を形成する。
場合により、式Iで示される化合物の製薬上許容される塩基付加塩を酸に接触させて、式Iで示される対応する遊離酸を形成する。
TおよびT'
式Iで示される化合物が考慮の対象となる場合、Tは、場合により置換されていてもよいアルキレンであるかまたは不在であり;かつT'は、場合により置換されていてもよいアルキレンであるかまたは不在である。いくつかの実施形態では、TおよびT'のうちの一方は、不在であり、かつ他方は、場合により置換されていてもよいアルキレン(たとえば、場合により置換されていてもよいメチレン)である。いくつかの実施形態では、両方とも不在である。いくつかの実施形態では、両方とも場合により置換されていてもよいアルキレンである。
R1
式Iで示される化合物が考慮の対象となる場合、いくつかの実施形態では、R1は、水素、場合により置換されていてもよいC1〜C8アルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-、および場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルキル-から選択される。いくつかの実施形態では、R1は、水素、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-、場合により置換されていてもよいフェニル-C1〜C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4アルキル、場合により置換されていてもよいナフタレニルメチル-、場合により置換されていてもよいフェニル-、およびナフチル-から選択される。いくつかの実施形態では、R1は、場合により置換されていてもよいフェニル-C1〜C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいナフタレニルメチル-、場合により置換されていてもよいフェニル、またはナフチルである。
いくつかの実施形態では、R1は、ナフチル-、フェニル-、ブロモフェニル-、クロロフェニル-、メトキシフェニル-、エトキシフェニル-、トリル-、ジメチルフェニル-、クロロフルオロフェニル-、メチルクロロフェニル-、エチルフェニル-、フェネチル-、ベンジル-、ハロベンジル-(たとえば、クロロベンジルまたはブロモベンジル)、メチルベンジル-、メトキシベンジル-、シアノベンジル-、ヒドロキシベンジル-、ジクロロベンジル-、ジメトキシベンジル-、またはナフタレニルメチル-である。
いくつかの実施形態では、R1は、場合により置換されていてもよいフェニル-C1〜C4アルキルまたは場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4アルキルである。いくつかの実施形態では、R1は、ベンジル、ハロベンジル、メチルベンジル、ヒドロキシベンジル、シアノベンジル、メトキシベンジル、またはナフタレニルメチル-である。
いくつかの実施形態では、R1はベンジル-である。
R2およびR2'
式Iで示される化合物が考慮の対象となる場合、当業者であればわかるであろうが、本明細書に記載の化合物は、R2およびR2'が結合された炭素位置にキラル中心を有する可能性がある。R2およびR2'基は、同一であっても異なっていてもよく;異なる場合、化合物は、キラルである(すなわち、ステレオジェン中心を有する)。R2およびR2'が異なるとき、いくつかの実施形態では、R2'は水素であり、かつR2は水素以外である。本発明では、純粋なエナンチオマーおよびエナンチオマーの混合物(たとえばラセミ混合物)の使用が対象となるが、一般的には、実質的に光学的に純粋なエナンチオマーの使用が好ましいであろう。「実質的に純粋」という用語は、約1%超の単一不純物を含むことなく少なくとも約95%の化学純度を有することを意味する。「実質的に光学的に純粋」または「エナンチオマー的に純粋」という用語は、少なくとも約97.5%のエナンチオマー過剰率を有することを意味する。いくつかの実施形態では、R2およびR2'が結合されているステレオジェン中心は、R配置である。
式Iで示される化合物が考慮の対象となる場合、R2およびR2'は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアルコキシ、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、および場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択されるか;またはR2およびR2'は、一緒になって、場合により置換されていてもよい3〜7員の環を形成する。
いくつかの実施形態では、R2は、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-であり、かつR2'は、水素または場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-である。より好適には、R2'は、水素であり、かつR2は、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-である。いくつかの実施形態では、R2は、メチル-、エチル-、プロピル(たとえば、c-プロピルもしくはi-プロピル)、ブチル(たとえばt-ブチル)、メチルチオエチル-、メチルチオメチル-、アミノブチル-、(CBZ)アミノブチル-、シクロヘキシルメチル-、ベンジルオキシメチル-、メチルスルファニルエチル-、メチルスルファニルメチル-、およびヒドロキシメチル-から選択され、かつR2'は、水素である。いくつかの実施形態では、R2'は、水素であり、かつR2は、エチルまたはプロピル(たとえば、c-プロピルもしくはi-プロピル)である。いくつかの実施形態では、R2は、i-プロピルである。いくつかの実施形態では、R2およびR2'が結合されているステレオジェン中心は、R配置である。
いくつかの実施形態では、R2またはR2'のいずれが水素であるとき、他方は、水素ではない。いくつかの実施形態では、R2およびR2'は両方とも水素である。
R6と一緒になったR2
式Iで示される化合物が考慮の対象となる場合、いくつかの実施形態では、R2およびR6は、一緒になって、5〜12員環を形成し、この環は、N、O、およびSから選択される1もしくは2個の追加のヘテロ原子がヘテロ環中に場合により組み込まれていてもよく、次の基:アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、置換されたアルキル、置換されたアリール、置換されたアラルキル、置換されたヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノ、場合により置換されていてもよいアミノ、およびオキソのうちの1つ以上で場合により置換されていてもよい。
いくつかの実施形態では、R2およびR6は、一緒になって、式:
Figure 2007510652
で示される場合により置換されていてもよい環を形成する。ただし、上記式中、R41およびR41'は、独立して、水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、置換されたアルキル、置換されたアリール、置換されたアラルキル、および置換されたヘテロアリールから選択され;mは、0、1、2、または3であり;そしてT、T'、R3、およびR2'は、本明細書中に定義されるとおりである。いくつかの実施形態では、R41は、水素である。いくつかの実施形態では、R41およびR41'は両方とも水素である。いくつかの実施形態では、R3は、場合により置換されていてもよいアラルキル(たとえばベンジル)または場合により置換されていてもよいアシル(すなわち、R3は、-(CO)R7(ただし、R7は、本明細書中に定義されるとおりであり、たとえば、R7は、場合により置換されていてもよいフェニルである)である)である。たとえば、WO 2004/034972(あらゆる点において参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい。
いくつかの実施形態では、R2およびR6は、一緒になって、式:
Figure 2007510652
で示される場合により置換されていてもよい環を形成する。ただし、上記式中、R3、R2'、T、およびT'は、本明細書中に定義されるとおりであり;R51およびR51'は、独立して、水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、置換されたアルキル、置換されたアリール、置換されたアラルキル、および置換されたヘテロアリールから選択され;Uは、共有結合、CR'R"、またはNR'"であり;R'およびR"は、独立して、水素、ヒドロキシ、アミノ、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアルキルアミノ、場合により置換されていてもよいアルキル、および場合により置換されていてもよいアルコキシから選択され;そしてR'"は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアラルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、および場合により置換されていてもよいヘテロアラルキルから選択される。
いくつかの実施形態では、R51は、水素または場合により置換されていてもよい低級アルキルであり;いくつかの実施形態では、R51は、水素である。いくつかの実施形態では、R51'は、水素または場合により置換されていてもよい低級アルキルであり;いくつかの実施形態では、R51'は、水素である。
いくつかの実施形態では、R3は、場合により置換されていてもよいアリールまたは場合により置換されていてもよいアラルキルであり;いくつかの実施形態では、R3は、場合により置換されていてもよいフェニル、ベンジル、またはメチル-ベンジル(たとえば、ベンジルまたはメチル-ベンジル)である。
いくつかの実施形態では、Uは、CR'R"(ただし、R'および/またはR"は、水素である)である。いくつかの実施形態では、Uは、NR'"(ただし、R'"は、水素または場合により置換されていてもよいアルキルである)である。いくつかの実施形態では、R'"は、水素または場合により置換されていてもよいアミノ-低級アルキルである。たとえば、US 2004-0142949(あらゆる点において参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい。
R4およびR5
式Iで示される化合物が考慮の対象となる場合、いくつかの実施形態では、R4は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル、場合により置換されていてもよいアルコキシ、アシル、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、スルホニル、スルファニル、アミノカルボニル、場合により置換されていてもよいアミノ、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアラルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル、および場合により置換されていてもよいヘテロアリールから選択される。いくつかの実施形態では、R4は、水素、アシル、アルコキシ、シアノ、カルボキシ、場合により置換されていてもよいアミノ、アミノカルボニル、低級アルキル、次の置換基:ハロ、低級アルコキシ、もしくはヒドロキシのうちの1つ以上で置換された低級アルキル、フェニル、または次の置換基:ハロ、低級アルコキシ、もしくはヒドロキシのうちの1つ以上で置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、R4は、水素、シアノ、メチル、または次の置換基:ハロ、低級アルコキシ、もしくはヒドロキシのうちの1つ以上で置換されたメチル(たとえばハロ、具体的にはトリフルオロメチル)である。
式Iで示される化合物が考慮の対象となる場合、いくつかの実施形態では、R5は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル、場合により置換されていてもよいアルコキシ、アシル、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、スルホニル、スルファニル、アミノカルボニル、場合により置換されていてもよいアミノ、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアラルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル、および場合により置換されていてもよいヘテロアリールから選択される。
いくつかの実施形態では、R5は、水素、アシル、カルボキシ、アミノカルボニル、場合により置換されていてもよいアミノ、シアノ、低級アルキル(たとえば、メチルもしくはエチル)、ハロ(たとえば、ブロモ、クロロ、もしくはフルオロ)、ベンジル、ピペロニル、ナフチル、フリル、チエニル、インドリル、モルホリニル、フェニル、ベンゾジオキソリル、または次の置換基:場合により置換されていてもよいアミノ、アミノカルボニル、シアノ、ハロ、場合により置換されていてもよい低級アルキル-(たとえば、トリフルオロメチルおよびヒドロキシメチルのようにアルキルヒドロキシ)、場合により置換されていてもよい低級アルコキシ、場合により置換されていてもよい低級アルキルスルファニル(たとえば、メチルスルファニル)、ヒドロキシ、もしくはチオのうちの1つ以上で置換されたフェニルである。
いくつかの実施形態では、R5は、水素;メチル;エチル;ブロモ;カルボキシ;シアノ;フェニル;ハロフェニル;低級アルキルフェニル;トリフルオロメチルフェニル;低級アルコキシフェニル;ジ(低級アルコキシ)フェニル;ポリハロフェニル;ハロ低級アルキルフェニル(たとえば、ハロメチルフェニル);フリル;チエニル;低級アルキルスルファニルフェニル;チオフェニル;アミノフェニル;アミノカルボニルフェニル;シアノフェニル;ジ(低級アルキル)アミノフェニル;ジ(低級アルキル)フェニル;アセチルアミノフェニル;アミノ置換低級アルキルフェニル;ヒドロキシ置換低級アルキルフェニル(たとえば、メチルヒドロキシフェニル);ピペロニル;ナフチル;カルバモイル;低級アルキルカルバモイル(たとえば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、またはプロピルカルバモイル);ベンジルカルバモイル;フェニルカルバモイル;メトキシメチルカルバモイル;メトキシエチルカルバモイル;ヒドロキシメチルカルバモイル;ヒドロキシエチルカルバモイル;インドリル;モルホリニル;およびモルホリノカルボニルである。
いくつかの実施形態では、R5は、水素、メチル、またはシアノである。
R6と一緒になったR3
式Iで示される化合物が考慮の対象となる場合、いくつかの実施形態では、R3は、R6およびそれらが結合されている窒素と一緒になって、場合により置換されていてもよい5〜12員の窒素含有ヘテロ環を形成し、このヘテロ環は、N、O、およびSから選択される1〜2個の追加のヘテロ原子がヘテロ環中に場合により組み込まれていてもよく、次の基:アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、置換されたアルキル、置換されたアリール、置換されたアラルキル、置換されたヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノ、場合により置換されていてもよいアミノ、およびオキソのうちの1つ以上で場合により置換されていてもよい。
いくつかの実施形態では、TおよびT'が両方とも不在であるとき、R3は、R6およびそれらが結合されている窒素と一緒になっては、式:
Figure 2007510652
で示される場合により置換されていてもよいイミダゾリル環を形成する。ただし、上記式中、
R9は、水素、場合により置換されていてもよいC1〜C8アルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルコキシ、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルコキシ、および場合により置換されていてもよいヘテロアリール-から選択され;そして
R10およびR11は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいC1〜C8アルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、または場合により置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-である。たとえば、PCT/US03/14787(参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい。
いくつかの実施形態によれば、R9は、C1〜C4-アルキル-、C1〜C4-アルコキシ-、および/もしくはハロで置換されたフェニル;フェニル-;ベンジル-;チエニル-;またはC1〜C4-アルキル-、C1〜C4-アルコキシ-、および/もしくはハロで置換されたチエニルである。より好適には、R9は、1個以上のハロおよび/もしくはメチルで置換されたフェニルである。
いくつかの実施形態によれば、R11は、水素であり、かつR10は、置換されたC1〜C4アルキル-である。より好適には、R11は、水素であり、かつR10は、アミノメチル-、アミノエチル-、アミノプロピル-、アセチルアミノ-メチル-、アセチルアミノエチル-、ベンジルオキシカルボニルアミノ-メチル-、またはベンジルオキシカルボニルアミノ-エチル-である。
TおよびT'が両方とも不在であるときの式Iのいくつかの実施形態では、R3は、R6と一緒になって、式
Figure 2007510652
で示される場合により置換されていてもよいイミダゾリニル環を形成する。ただし、上記式中、
R9は、水素、場合により置換されていてもよいC1〜C8アルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルキル-から選択され;そして
R12、R12'、R13、およびR13'は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいC1〜C8アルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、および場合により置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-から選択される。
いくつかの実施形態では、R9は、メチレンジオキシフェニル-;フェニル-;C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、および/もしくはハロで置換されたフェニル;ベンジル-;C1〜C4アルキルで置換されたチエニル;ベンジル;チオフェニル-;またはC1〜C4-アルキル-、C1〜C4-アルコキシ-、および/もしくはハロで置換されたチオフェニル-である。より好適には、R9は、メチレンジオキシフェニル-;フェニル-;トリル-;メトキシフェニル-;またはハロメチルフェニル-である。
いくつかの実施形態では、R12、R12'、R13'、およびR13は、独立して、水素または場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-である。より好適には、R13'およびR13は、水素である。
式Iで示される化合物が考慮の対象となる場合、いくつかの実施形態では、R3は、R6と一緒になって、式:
Figure 2007510652
で示される場合により置換されていてもよいジアゼピノン環を形成する。ただし、上記式中、AおよびBは、それぞれ独立して、C(R20)(R21)、N(R22)、O、またはSから選択され、R20およびR21は、それぞれ独立して、H、場合により置換されていてもよいアルキル、場合により置換されていてもよいアリール、および場合により置換されていてもよいヘテロアリールから選択され;そしてR22は、H、場合により置換されていてもよいアルキル、場合により置換されていてもよいアラルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル、場合により置換されていてもよいアルキルカルボニル、場合により置換されていてもよいアリールカルボニル、場合により置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル、場合により置換されていてもよいアラルキルカルボニル、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキルカルボニル、場合により置換されていてもよいアルコキシカルボニル、場合により置換されていてもよいアリールオキシカルボニル、場合により置換されていてもよいヘテロアリールオキシカルボニル、場合により置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル、または場合により置換されていてもよいヘテロアラルキルオキシカルボニルである。いくつかの実施形態では、ジアゼピノン環は、次の基:場合により置換されていてもよいアルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいアラルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、および場合により置換されていてもよいヘテロアラルキルのうちの1つ以上でさらに置換される。
式Iで示される化合物のいくつかの実施形態では、AまたはBのうちの一方は、C(R20)(R21)であり、R20およびR21は、それぞれ独立して、HまたはC1〜C4アルキルから選択され、かつAまたはBのうちの他方は、N(R22)であり、R22は、H、C1〜C4アルキル、場合により置換されていてもよいアラルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル、C1〜C6アルキルカルボニル、場合により置換されていてもよいアリールカルボニル、場合により置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル、場合により置換されていてもよいアラルキルカルボニル、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキルカルボニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、場合により置換されていてもよいアリールオキシカルボニル、場合により置換されていてもよいヘテロアリールオキシカルボニル、場合により置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル、または場合により置換されていてもよいヘテロアラルキルオキシカルボニルであり、場合により置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールの基または部分は、無置換であるか、またはC1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、アミノ、C1〜C4アルキルアミノ、ジC1〜C4アルキルアミノ、カルボキシ、C1〜C4アルキルカルボニルオキシ、C1〜C4アルコキシカルボニル、カルボキサミド、C1〜C4アルキルカルボキサミド、アミノカルボニル、C1〜C4アルキルアミノカルボニル、ジ-C1〜C4アルキルアミノカルボニル、シアノ、C1〜C4アルキルカルボニル、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、およびニトロから選択される1個以上の置換基で置換されている。いくつかの実施形態では、Aは、C(R20)(R21)であり、R20およびR21は、それぞれ、HまたはC1〜C4アルキルであり、かつBは、N(R22)であり、R22は、H、C1〜C4アルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、C1〜C6アルキルカルボニル、アリールカルボニル、またはヘテロアリールカルボニルである。式Iで示される化合物のいくつかの実施形態では、Aは、CH2であり、かつBは、N(R22)であり、R22は、H、メチル、ベンジル、またはアセチル(-C(O)メチル)である。たとえば、WO 2004/
055008(あらゆる点において参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい。
式Iのいくつかの実施形態では、R3は、R6と一緒になって、式:
Figure 2007510652
で示される場合により置換されていてもよいピペラジンまたはジアゼパムを形成する。ただし、上記式中、R31およびR32は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、場合により置換されていてもよいアラルキル、および場合により置換されていてもよいヘテロアラルキルから選択され;そしてnは、1または2である。いくつかの実施形態では、R31は、アリール(たとえばフェニル)、置換されたアリール(たとえば、低級アルキル、低級アルコキシ、および/もしくはハロで置換されたフェニル)、アラルキル(たとえば、ベンジルおよびフェニルビニル)、ヘテロアラルキル、置換されたアラルキル(たとえば、置換されたベンジルおよび置換されたフェニルビニル)、または置換されたヘテロアラルキルであり;R32は、水素であり;そしてnは、1である。たとえば、US 2004-0048853(参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい。
R6
いくつかの実施形態では、R6は、水素、場合により置換されていてもよいC1〜C13アルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルキル-、および場合により置換されていてもよいヘテロシクリル-から選択される。いくつかの実施形態では、R6は、水素または場合により置換されていてもよいC1〜C13アルキルである。
いくつかの実施形態では、R6は、水素、C1〜C4アルキル-、シクロヘキシル、フェニル(ヒドロキシ、C1〜C4アルコキシ、またはC1〜C4アルキルで置換されている);ベンジル;およびR16-アルキレン-(ただし、R16は、ヒドロキシ、カルボキシ、(C1〜C4アルコキシ)カルボニル-、ジ(C1〜C4アルキル)アミノ-、(C1〜C4アルキル)アミノ-、アミノ、(C1〜C4アルコキシ)カルボニルアミノ-、C1〜C4アルコキシ-、場合により置換されていてもよいフラニル、または場合により置換されていてもよいN-ヘテロシクリル-(たとえば、アゼチジニル、モルホリニル、ピリジニル、インドリル、ピロリジニル、ピペリジニル、またはイミダゾリルであり、それぞれ、場合により置換されていてもよい)である)から選択される。
いくつかの実施形態では、R6は、場合により置換されていてもよい低級アルキル-、シクロヘキシル-;ヒドロキシ、低級アルコキシ、もしくは低級アルキル-で置換されたフェニル;ベンジル-;ヘテロアリールメチル-;ヘテロアリールエチル-;およびヘテロアリールプロピル-から選択される。
いくつかの実施形態では、R6は、メチル-、エチル-、プロピル-、ブチル、シクロヘキシル、カルボキシエチル、カルボキシメチル、メトキシエチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、ジエチルアミノエチル、ジエチルアミノプロピル、アミノプロピル、メチルアミノプロピル、2,2-ジメチル-3-(ジメチルアミノ)プロピル-、アミノエチル-、アミノブチル、アミノペンチル、アミノヘキシル、イソプロピルアミノプロピル、ジイソプロピルアミノエチル、1-メチル-4-(ジエチルアミノ)ブチル、(t-Boc)アミノプロピル、ヒドロキシフェニル、ベンジル、メトキシフェニル、メチルメトキシフェニル、ジメチルフェニル、トリル、エチルフェニル、(オキソピロリジニル)プロピル、(メトキシカルボニル)エチル、ベンジルピペリジニル、ピリジニルエチル、ピリジニルメチル、モルホリニルエチル、モルホリニルプロピル、ピペリジニル、アゼチジニルメチル、アゼチジニルエチル、アゼチジニルプロピル、ピロリジニルメチル、ピロリジニルエチル、ピロリジニルプロピル、ピペリジニルメチル、ピペリジニルエチル、イミダゾリルプロピル、イミダゾリルエチル、(エチルピロリジニル)メチル、(メチルピロリジニル)エチル、(メチルピペリジニル)プロピル、(メチルピペラジニル)プロピル、フラニルメチル、およびインドリルエチル-から選択される。
より好適には、R6は、R16-アルキレン-である。ただし、R16は、アミノ、C1〜C4アルキルアミノ-、ジ(C1〜C4アルキル)アミノ-、C1〜C4アルコキシ-、ヒドロキシ、またはN-ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、R16はアミノである。いくつかの実施形態では、R16-アルキレン-のアルキレン部分は、1〜6個の炭素原子を有する。
いくつかの実施形態では、R6は、アミノエチル、アミノプロピル、アミノブチル、アミノペンチル、アミノヘキシル、メチルアミノエチル、メチルアミノプロピル、メチルアミノブチル、メチルアミノペンチル、メチルアミノヘキシル、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、ジメチルアミノブチル、ジメチルアミノペンチル、ジメチルアミノヘキシル、エチルアミノエチル、エチルアミノプロピル、エチルアミノブチル、エチルアミノペンチル、エチルアミノヘキシル、ジエチルアミノエチル、ジエチルアミノプロピル、ジエチルアミノブチル、ジエチルアミノペンチル、またはジエチルアミノヘキシルであり、いくつかの実施形態では、アミノプロピルである。
R3
いくつかの実施形態では、R3は、場合により置換されていてもよいC1〜C13アルキル(たとえば、置換されたC1〜C4アルキル);場合により置換されていてもよいアラルキル(たとえば、場合により置換されていてもよいベンジルまたはナフチルメチル-);および場合により置換されていてもよいヘテロアラルキルから選択される。いくつかの実施形態では、R3は、ベンジル、または次の基:カルボキシ、アルコキシカルボニル、シアノ、ハロ、C1〜C4アルキル-、C1〜C4アルコキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、もしくはトリフルオロメチルのうちの1つ以上で置換されたベンジルである。
R3は-C(O)R7である
式Iで示される化合物が考慮の対象となる場合、いくつかの実施形態では、R3は-C(O)R7であり、R7は、場合により置換されていてもよいC1〜C8アルキル、場合により置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、場合により置換されていてもよいアリール、R8O-およびR14-NH-から選択され、R8は、場合により置換されていてもよいC1〜C8アルキルおよび場合により置換されていてもよいアリールから選択され、そしてR14は、水素、場合により置換されていてもよいC1〜C8アルキル、および場合により置換されていてもよいアリールから選択される。
いくつかの実施形態では、R7は、場合により置換されていてもよいC1〜C8アルキル、場合により置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、および場合により置換されていてもよいアリールから選択される。いくつかの実施形態では、R7は、
フェニル;
次の置換基:ハロ;C1〜C4アルキル;ヒドロキシで置換されたC1〜C4アルキル(たとえばヒドロキシメチル);C1〜C4アルコキシ;C1〜C4アルコキシ、ニトロ、ホルミル、カルボキシ、シアノ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、アシル(たとえばアセチル)、-N-アシル(たとえばN-アセチル)、またはトリフルオロメチルで置換されたC1〜C4アルキル;のうちの1つ以上で置換されたフェニル;
ベンジル;
フェノキシメチル-;
ハロフェノキシメチル-;
フェニルビニル-;
ヘテロアリール;
C1〜C4アルキルまたはハロで置換されたC1〜C4アルキル(たとえばCF3)で置換されたヘテロアリール-;
C1〜C4アルコキシ-で置換されたC1〜C4アルキル;および
ベンジルオキシメチル-;
から選択される。
いくつかの実施形態では、R7がR14NH-でもR8O-でもないとき、R7は、フェニル、ハロフェニル、ジハロフェニル、シアノフェニル、ハロ(トリフルオロメチル)フェニル、ヒドロキシメチルフェニル、メトキシメチルフェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、カルボキシフェニル、ホルミルフェニル、エチルフェニル、トリル、メチレンジオキシフェニル、エチレンジオキシフェニル、メトキシクロロフェニル、ジヒドロ-ベンゾジオキシニル、メチルハロフェニル、トリフルオロメチルフェニル、フラニル、C1〜C4アルキル置換フラニル、トリフルオロメチルフラニル、C1〜C4アルキル置換トリフルオロメチルフラニル、ベンゾフラニル、チオフェニル、C1〜C4アルキル置換チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアジアゾリル、ピリジニル、インドリル、メチルピリジニル、トリフルオロメチルピリジニル、ピロリル、キノリニル、ピコリニル、ピラゾリル、C1〜C4アルキル置換ピラゾリル、N-メチルピラゾリル、C1〜C4アルキル置換N-メチルピラゾリル、C1〜C4アルキル置換ピラジニル、C1〜C4アルキル置換イソオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、モルホリノメチル、メチルチオメチル、メトキシメチル、N-メチルイミダゾリル、およびイミダゾリルから選択される。いくつかの実施形態では、R7は、場合により置換されていてもよいフェニル(たとえば、トリル、ハロフェニル、メチルハロフェニル、ヒドロキシメチルフェニル、ハロ(トリフルオロメチル)フェニル-、メチレンジオキシフェニル、ホルミルフェニル、またはシアノフェニル)である。
いくつかの実施形態では、R7がR14NH-であるとき、R14は、水素;C1〜C4アルキル;シクロヘキシル;フェニル;およびフェニル(ハロ、C1〜C4アルキル、トリフルオロメチル、C1〜C4アルコキシ、またはC1〜C4アルキルチオで置換されている)から選択される。
いくつかの実施形態では、R7がR14NH-であるとき、R14は、水素、イソプロピル、ブチル、シクロヘキシル、フェニル、ブロモフェニル、ジクロロフェニル、メトキシフェニル、エチルフェニル、トリル、トリフルオロメチルフェニル、またはメチルチオフェニルである。
R7がR8O-であるときのいくつかの実施形態では、R8は、場合により置換されていてもよいC1〜C8アルキルおよび場合により置換されていてもよいアリールから選択される。
R3はSO2R7aである
式Iで示される化合物が考慮の対象となる場合、いくつかの実施形態では、R3が-SO2R7aであるとき、R7aは、C1〜C13アルキル;フェニル;ナフチル;フェニル(ハロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、シアノ、ニトロ、メチレンジオキシ、もしくはトリフルオロメチルで置換されている);ビフェニリル;およびヘテロアリールから選択される。いくつかの実施形態では、R7aは、ナフチルおよびフェニル(ハロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、シアノ、ニトロ、メチレンジオキシ、および/またはトリフルオロメチルで置換されている)から選択される。
塩の形態
本発明に係る化合物は、一般的には、酸付加塩を形成しうるであろう(すなわち、製薬上許容される酸と反応して酸付加塩を形成する部位を含むであろう)。本発明は、式Iで示される化合物の製薬上許容される酸付加塩を包含する。本発明に係る化合物の酸付加塩は、標準的な方法により好適な溶媒中で親化合物と過剰の酸(たとえば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、酢酸、マレイン酸、コハク酸、またはメタンスルホン酸)とから調製される。
式Iで示される化合物の製薬上許容されない塩および/もしくは溶媒和物は、式Iで示される化合物の製薬上許容される塩および/もしくは溶媒和物または式Iで示される化合物自体を調製する際の中間体として有用なこともあるので、そのようなものとして本発明の他の態様を形成する。
特定の部類の式Iで示される化合物では、
TおよびT'のうちの一方は、不在であり、他方は、場合により置換されていてもよいアルキレンであり;
R1は、ベンジル、ハロベンジル、メチルベンジル、ヒドロキシベンジル、シアノベンジル、メトキシベンジル、またはナフタレニルメチルであり;
R2は、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-であり;
R2'は、水素であり;
R4は、水素、シアノ、または場合により置換されていてもよいメチルであり;
R5は、水素、メチル、またはシアノであり;かつ
R3は、R6およびそれらが結合されている窒素と一緒になって、場合により置換されていてもよいイミダゾリル環を形成する。
特定の部類の式Iで示される化合物では、
TおよびT'は、独立して、場合により置換されていてもよいアルキレンであり;
R1は、ベンジル、ハロベンジル、メチルベンジル、ヒドロキシベンジル、シアノベンジル、メトキシベンジル、またはナフタレニルメチルであり;
R2は、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-であり;
R2'は、水素であり;
R4は、水素、シアノ、または場合により置換されていてもよいメチルであり;
R5は、水素、メチル、またはシアノであり;かつ
R3は、R6およびそれらが結合されている窒素と一緒になって、場合により置換されていてもよいイミダゾリル環を形成する。
特定の部類の式Iで示される化合物では、
TおよびT'のうちの一方は、不在であり、他方は、場合により置換されていてもよいアルキレンであり;
R1は、ベンジル、ハロベンジル、メチルベンジル、ヒドロキシベンジル、シアノベンジル、メトキシベンジル、またはナフタレニルメチルであり;
R2は、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-であり;
R2'は、水素であり;
R4は、水素、シアノ、または場合により置換されていてもよいメチルであり;
R5は、水素、メチル、またはシアノであり;かつ
R3は、R6と一緒になって、場合により置換されていてもよいイミダゾリニル環を形成する。
特定の部類の式Iで示される化合物では、
TおよびT'は、独立して、場合により置換されていてもよいアルキレンであり;
R1は、ベンジル、ハロベンジル、メチルベンジル、ヒドロキシベンジル、シアノベンジル、メトキシベンジル、またはナフタレニルメチルであり;
R2は、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-であり;
R2'は、水素であり;
R4は、水素、シアノ、または場合により置換されていてもよいメチルであり;
R5は、水素、メチル、またはシアノであり;かつ
R3は、R6と一緒になって、場合により置換されていてもよいイミダゾリニル環を形成する。
特定の部類の式Iで示される化合物では、
TおよびT'は、独立して、場合により置換されていてもよいアルキレンであるかまたは不在であり;
R1は、ベンジル、ハロベンジル、メチルベンジル、ヒドロキシベンジル、シアノベンジル、メトキシベンジル、またはナフタレニルメチルであり;
R2は、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-であり;
R2'は、水素であり;
R4は、水素、シアノ、または場合により置換されていてもよいメチルであり;
R5は、水素、メチル、またはシアノであり;かつ
R3は、R6と一緒になって、場合により置換されていてもよいピペラジン環またはジアゼパン環を形成する。
特定の部類の式Iで示される化合物では、
TおよびT'は、独立して、場合により置換されていてもよいアルキレンであるかまたは不在であり;
R1は、ベンジル、ハロベンジル、メチルベンジル、ヒドロキシベンジル、シアノベンジル、メトキシベンジル、またはナフタレニルメチルであり;
R2は、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキルであり;
R2'は、水素であり;
R4は、水素、シアノ、または場合により置換されていてもよいメチルであり;
R5は、水素、メチル、またはシアノであり;かつ
R3は、R6と一緒になって、場合により置換されていてもよいジアゼピノン環を形成する。
特定の部類の式Iで示される化合物では、
TおよびT'のうちの一方は、不在であり、他方は、場合により置換されていてもよいアルキレンであり;
R1は、ベンジル、ハロベンジル、メチルベンジル、ヒドロキシベンジル、シアノベンジル、メトキシベンジル、またはナフタレニルメチルであり;
R2は、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-であり;
R2'は、水素であり;
R4は、水素、シアノ、または場合により置換されていてもよいメチルであり;
R5は、水素、メチル、またはシアノであり;
R6は、R16-アルキレン-であり;
R16は、アミノ、C1〜C4アルキルアミノ-、ジ(C1〜C4アルキル)アミノ-、C1〜C4アルコキシ-、ヒドロキシ、またはN-ヘテロシクリルであり;
R3は、-C(O)R7であり;かつ
R7は、場合により置換されていてもよいフェニル(たとえば、トリル、ハロフェニル、メチルハロフェニル、ヒドロキシメチルフェニル、ハロ(トリフルオロメチル)フェニル-、メチレンジオキシフェニル、ホルミルフェニル、またはシアノフェニル)である。
特定の部類の式Iで示される化合物では、
TおよびT'は、独立して、場合により置換されていてもよいアルキレンであり;
R1は、ベンジル、ハロベンジル、メチルベンジル、ヒドロキシベンジル、シアノベンジル、メトキシベンジル、またはナフタレニルメチルであり;
R2は、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-であり;
R2'は、水素であり;
R4は、水素、シアノ、または場合により置換されていてもよいメチルであり;
R5は、水素、メチル、またはシアノであり;
R6は、R16-アルキレン-であり;
R16は、アミノ、C1〜C4アルキルアミノ-、ジ(C1〜C4アルキル)アミノ-、C1〜C4アルコキシ-、ヒドロキシ、またはN-ヘテロシクリルであり;
R3は、-C(O)R7であり;かつ
R7は、場合により置換されていてもよいフェニル(たとえば、トリル、ハロフェニル、メチルハロフェニル、ヒドロキシメチルフェニル、ハロ(トリフルオロメチル)フェニル-、メチレンジオキシフェニル、ホルミルフェニル、またはシアノフェニル)である。
特定の部類の式Iで示される化合物では、
TおよびT'は、独立して、場合により低級のアルキレンであるかまたは不在であり;
R1は、ベンジル、ハロベンジル、メチルベンジル、ヒドロキシベンジル、シアノベンジル、メトキシベンジル、またはナフタレニルメチルであり;
R2'は、水素であり;
R4は、水素、シアノ、または場合により置換されていてもよいメチルであり;
R5は、水素、メチル、またはシアノであり;
R6は、R16-アルキレン-であり;
R16は、アミノ、C1〜C4アルキルアミノ-、ジ(C1〜C4アルキル)アミノ-、C1〜C4アルコキシ-、ヒドロキシ、またはN-ヘテロシクリルであり;かつ
R6は、R2と一緒になって、場合により置換されていてもよい5〜12員の窒素含有ヘテロ環を形成し、このヘテロ環中には、N、O、およびSから選択される1〜2個の追加のヘテロ原子が場合により組み込まれていてもよい。
特定の化合物としては、
5,6-ジメチル-2-{1-[2-(4-メチルフェニル)-1-ピペラジニル]プロピル}-3-(フェニルメチル)-4(3H)-ピリミジノン;および
5-メチル-2-[2-メチル-1-(7-オキソヘキサヒドロ-1H-1,4-ジアゼピン-1-イル)プロピル]-6-オキソ-1-(フェニルメチル)-1,6-ジヒドロ-4-ピリミジンカルボニトリル;
が挙げられる。
調製後、本発明に係る化合物は、有糸***の改変を必要とするさまざまな用途に使用される。当業者であればわかるであろうが、有糸***は、さまざまな方法で改変しうる;すなわち、有糸***経路の成分の活性を増大させたりまたは低下させたりすることにより、有糸***に影響を及ぼしうる。別の言い方をすれば、特定の成分を阻害したりまたは活性化させたりしてい平衡を撹乱することにより、有糸***に影響を及ぼしうる(たとえば、破壊しうる)。類似の手法を用いて減数***を改変することも可能である。
いくつかの実施形態では、本発明に係る化合物は、有糸***紡錘体形成を阻害して有糸***状態で長期細胞周期停止を引き起こすべく使用される。これに関連して「阻害」とは、有糸***紡錘体形成の低減もしくは妨害または有糸***紡錘体機能不全の誘導を意味する。本明細書中では、「有糸***紡錘体形成」とは、有糸***キネシンによる双極構造体への微小管の組織化を意味する。本明細書中では、「有糸***紡錘体機能不全」とは、有糸***停止および単極紡錘体形成を意味する。
本発明に係る化合物は、有糸***キネシンKSPへの結合および/またはその活性の阻害に有用である。いくつかの実施形態では、KSPはヒトKSPであるが、他の生物に由来するKSPキネシンへの結合またはその活性の阻害に化合物を使用することも可能である。これに関連して「阻害」とは、紡錘体極分離の増大もしくは低減、有糸***紡錘体極の形成異常(すなわち、開帳)の誘導、またはそれ以外に有糸***紡錘体の形態学的撹乱の誘導を意味する。これらの目的では、KSPの変異体および/または断片もまたKSPの定義に包含される。米国特許第6,437,115号(その全体が参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい。本発明に係る化合物は、KSPに対して特異性を有することが判明した。しかしながら、本発明は、他の有糸***キネシンに結合させたりまたはそれをモジュレートしたりすべく本化合物を使用することを包含する。
本発明に係る化合物は、細胞増殖疾患を治療するために使用される。本明細書中に提供されている化合物、組成物、および方法により治療しうるそのような疾患状態としては、癌(以下でさらに論述する)、自己免疫疾患、真菌性障害、関節炎、移植片拒絶反応、炎症性腸疾患、医学的手順(たとえば、限定されるものではないが、手術、血管形成術など)の後で誘導される細胞増殖が挙げられるが、これらに限定されるものではない。治療は、細胞増殖の阻害を含む。場合によっては、細胞は異常な状態でないかもしれないが、それにもかかわらず治療の必要がみとめられる。したがって、いくつかの実施形態では、本発明は、このことを考慮して、これらの障害または状態のいずれか1つに罹患しているかまたは近いうちに罹患しそうな細胞または個体への適用を包含する。
本明細書中に提供されている化合物、組成物、および方法は、癌(たとえば、皮膚癌、乳癌、脳癌、子宮頚部癌、精巣癌などのような固形腫瘍)の治療に有用である。いくつかの実施形態では、本発明に係る化合物、組成物、および方法により治療しうる癌としては、次の癌が挙げられるが、これらに限定されるものではない:心臓:肉腫(血管肉腫、繊維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、繊維腫、脂肪腫、および奇形腫;肺:気管支原性癌(扁平上皮細胞癌、未分化小細胞癌、未分化大細胞癌、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨腫性過誤腫、中皮腫;胃腸:食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(膵管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経繊維腫、繊維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);尿生殖路:腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍(腎芽細胞腫)、リンパ腫、白血病)、膀胱および尿道(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(精上皮腫、奇形腫、胎生期癌、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、繊維腫、繊維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓:肝癌(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;骨:骨原性肉腫(骨肉腫)、繊維肉腫、悪性繊維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網細胞肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫、脊索腫、骨軟骨腫(骨軟骨性外骨症)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液繊維腫、類骨骨腫、および巨細胞腫;神経系:頭蓋骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(松果体腫)、多形膠芽腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽腫、先天性腫瘍)、脊髄(神経繊維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);婦人科系:子宮(子宮内膜癌)、子宮頸部(子宮頸部癌、前腫瘍性子宮頸部形成異常)、卵巣(卵巣癌(漿液性嚢胞腺癌、ムチン性嚢胞腺癌、未分類癌)、顆粒膜-卵胞膜細胞腫瘍、セルトリ・ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、繊維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、ファロピウス管(癌);血液系:血液(骨髄性白血病(急性および慢性)、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫);皮膚:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、黒子、異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚繊維腫、ケロイド、乾癬;ならびに副腎:神経芽細胞腫。したがって、本明細書中に提供される「癌細胞」という用語は、以上で特定した病状のいずれか1つに罹患している細胞を包含する。
KSPモジュレーション活性をアッセイする場合、一般的には、KSPまたは本発明に係る化合物のいずれかは、独立したサンプル受容領域を有する不溶性担体(たとえば、マイクロタイタープレート、アレイなど)に拡散不能に結合される。不溶性担体は、サンプルを結合させうる任意の組成物で作製可能であり、可溶性物質から容易に分離され、しかもそれ以外にスクリーニング方法全体に適合する。そのような担体の表面は、中実性であっても多孔性であってもよく、任意の便利な形状をとりうる。好適な不溶性担体の例としては、マイクロタイタープレート、アレイ、メンブレン、およびビーズが挙げられる。これらは、典型的には、ガラス、プラスチック(たとえばポリスチレン)、ポリサッカリド、ナイロンまたはニトロセルロース、TeflonTMなどで作製される。マイクロタイタープレートおよびアレイは、少量の試薬およびサンプルを用いて多数のアッセイを同時に行いうるので、便利である。本発明に係る試薬および方法全体に適合し、サンプルの活性を保持し、かつ非拡散性であるかぎり、特定のサンプル結合方式が決定的要因になることはない。特定の結合方法は、抗体(この抗体は、タンパク質を担体に結合させたときにリガンド結合部位および活性化配列のいずれをも立体的にブロッキングすることはない)の使用、「粘着性」またはイオン性の担体への直接的結合、化学架橋、表面上でのタンパク質または薬剤の合成などを含む。サンプルを結合させた後、過剰の未結合物質を洗浄により除去する。次に、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼイン、または他の無害のタンパク質もしくは他の部分と共にインキュベートすることにより、サンプル受容領域をブロッキングすることが可能である。
本発明に係る化合物は、KSPのような有糸***キネシンの活性を阻害すべく、単独で使用可能である。いくつかの実施形態では、本発明に係る化合物をKSPと組み合わせて、KSPの活性をアッセイする。キネシン(たとえばKSP)の活性は、当技術分野で公知であり、1つ以上のキネシン活性を包含する。キネシン活性としては、ATP加水分解への影響力;微小管結合;滑走および重合/解重合(微小管動力学への影響);紡錘体の他のタンパク質への結合;細胞周期制御に関与するタンパク質への結合;キナーゼまたはプロテアーゼのような他の酵素に対する基質としての作用;および紡錘体極分離のような特定のキネシン細胞活性が挙げられる。
運動性アッセイを行う方法については、当業者に周知である。(たとえば、Hall, et al. (1996), Biophys. J., 71: 3467-3476, Turner et al., 1996, AnaL Biochem. 242 (1):20-5; Gittes et al., 1996, Biophys. J. 70(l): 418-29; Shirakawa et al., 1995, J. Exp. BioL 198: 1809-15; Winkelmann et al., 1995, Biophys. J. 68: 2444-53; Winkelmann et al., 1995, Biophys. J. 68: 72S.を参照されたい)
ATPアーゼ加水分解活性を決定するための当技術分野で公知の方法を使用することも可能である。好適には、溶液系アッセイを利用する。米国特許第6,410,254号(その全体が参照により本明細書に組み入れられるものとする)には、そのようなアッセイが記載されている。他の選択肢では、従来の方法を使用する。たとえば、キネシンからのPi放出を定量化することが可能である。いくつかの実施形態では、0.3M PCA(過塩素酸)およびマラカイトグリーン試薬(8.27mMモリブデン酸二ナトリウム、0.33mMマラカイトグリーンシュウ酸塩、および0.8mM Triton X-1 00)をATPアーゼ加水分解活性のアッセイに利用する。アッセイを行うために、10Lの反応混合物を90Lの低温の0.3M PCA中でクエンチする。データをmM単位の無機リン酸放出量に変換できるように、リン酸標準を使用する。反応系および標準系がすべてPCA中でクエンチされた時点で、たとえばマイクロタイタープレート中の該当するウェルに100Lのマラカイトグリーン試薬を添加する。10〜15分間かけて混合物を発色させ、650nmにおけるプレートの吸光度を読み取る。リン酸標準を使用した場合、吸光度の読取り値をmM単位のPiに変換して、時間に対してプロットすることが可能である。このほかに、当技術分野で公知のATPアーゼアッセイとしては、ルシフェラーゼアッセイが挙げられる。
キネシンモータードメインのATPアーゼ活性もまた、薬剤の影響をモニターするために使用可能であり、当業者に周知である。いくつかの実施形態では、微小管の不在下でキネシンのATPアーゼアッセイを行う。いくつかの実施形態では、微小管の存在下でATPアーゼアッセイを行う。さまざまなタイプの薬剤を以上のアッセイで検出することが可能である。いくつかの実施形態では、薬剤の影響は、微小管やATPの濃度に依存しない。いくつかの実施形態では、キネシンATPアーゼに及ぼす薬剤の影響は、ATPの濃度、微小管の濃度、またはその両方を増大させることにより減少することもある。いくつかの実施形態では、薬剤の影響は、ATPの濃度、微小管の濃度、またはその両方を増大させることにより増大する。
次に、in vitroでKSPの生化学的活性を阻害する化合物をin vivoでスクリーニングすることが可能である。in vivoスクリーニング法としては、細胞周期分布、細胞生存能力、または有糸***紡錘体の存在、形態、活性、分布、もしくは数のアッセイが挙げられる。フローサイトメトリーなどにより細胞集団の細胞周期分布をモニターする方法は、当業者に周知であり、同様に、細胞生存能力を決定する方法も当業者に周知である。たとえば、米国特許第6,437,115号(その全体が参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい。紡錘体の形成および形成異常をモニターするための顕微鏡法は、当業者に周知である(たとえば、Whitehead and Rattner (1998), J. Cell Sci. 111:2551-61; Galgio et al, (1996) J. Cell Biol., 135:399-414(それぞれその全体が参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい)。
本発明に係る化合物は、KSPキネシンを阻害する。阻害を表す尺度の1つは、KSPの活性が対照に対して50パーセント減少するときの化合物の濃度として定義されるIC50である。いくつかの実施形態では、化合物は約1mM未満のIC50を有する。いくつかの実施形態では、化合物は約100μM未満のIC50を有する。いくつかの実施形態では、化合物は約10μM未満のIC50を有する。いくつかの実施形態では、化合物は約1μM未満のIC50を有する。いくつかの実施形態では、化合物は約100nM未満のIC50を有する。いくつかの実施形態では、化合物は約10nM未満のIC50を有する。IC50の測定は、本明細書に記載されているようなATPアーゼアッセイを用いて行われる。
阻害を表す他の尺度は、Kiである。1μM未満のIC50を有する化合物の場合、KiまたはKdは、本明細書に記載の化合物とKSPとの相互作用の解離速度定数として定義される。いくつかの実施形態では、化合物は約100μM未満のKiを有する。いくつかの実施形態では、化合物は約10μM未満のKiを有する。いくつかの実施形態では、化合物は約1μM未満のKiを有する。いくつかの実施形態では、化合物は約100nM未満のKiを有する。いくつかの実施形態では、化合物は約10nM未満のKiを有する。
化合物のKiは、3つの仮定およびミカエリス・メンテンの式に基づいてIC50から決定される。第1に、1個の化合物分子だけが酵素に結合し、協同性は存在しない。第2に、活性酵素および試験化合物の濃度は既知である(すなわち、調製物中に有意量の不純物や不活性形は存在しない)。第3に、酵素-阻害剤複合体の酵素的比率はゼロである。比率(すなわち化合物濃度)のデータは、式:
Figure 2007510652
にあてはめられる。ただし、Vは観測された比率であり、Vmaxは遊離酵素の比率であり、I0は阻害剤濃度であり、E0は酵素濃度であり、そしてKdは酵素-阻害剤複合体の解離定数である。
阻害を表す他の尺度は、細胞増殖率を50パーセント減少させる化合物の濃度として定義されるGI50である。いくつかの実施形態では、化合物は約1mM未満のGI50を有する。いくつかの実施形態では、化合物は約20μM未満のGI50を有する。いくつかの実施形態では、化合物は約10μM未満のGI50を有する。いくつかの実施形態では、化合物は約1μM未満のGI50を有する。いくつかの実施形態では、化合物はそれよりもさらに少ない約100nM未満のGI50を有する。いくつかの実施形態では、化合物は約10nM未満のGI50を有する。GI50の測定は、本明細書に記載されているような細胞増殖アッセイを用いて行われる。この類の化合物は細胞増殖を阻害することが判明した。
小分子阻害剤のin vitro効力は、たとえば、ヒト卵巣癌細胞(SKOV3)を9点希釈系列の化合物に72時間暴露した後の生存能力をアッセイすることにより決定される。細胞生存能力は、市販の試薬MTS/PMSの生物還元により形成される生成物であるホルマゾンの吸光度を測定することにより決定される。用量-応答曲線上の各点は、バックグラウンド吸収(完全な細胞死滅)を差し引いて72時間における未処理対照細胞を基準にしたパーセントとして計算される。
癌を治療するために診療に適用され成功を収めてきた抗増殖性化合物(癌化学療法剤)は、かなり異なるGI50を有する。たとえば、A549細胞において、パクリタキセルではGI50は4nMであり、ドキソルビシンでは63nMであり、5-フルオロウラシルでは1μMであり、ヒドロキシウレアでは500μMである(National Cancer Institute, Developmental Therapeutic Program, http://dtp.nci.nih.gov/により提供されたデータ)。したがって、阻害を示す濃度のいかんを問わず、細胞増殖を阻害する化合物は、臨床的有用性を有する可能性がある。
KSPキネシンに結合する化合物をスクリーニングする方法で本発明に係る化合物を使用するために、KSPを担体に結合させ、本発明に係る化合物をアッセイ系に添加する。他の選択肢では、本発明に係る化合物を担体に結合させ、KSPを添加する。新規な結合剤が探索される可能性のある化合物類としては、特異的抗体、化学ライブラリーのスクリーニング時に特定される非天然結合剤、ペプチド類似体などが挙げられる。この目的のために多種多様なアッセイを使用することが可能であり、例としては、標識化in vitroタンパク質-タンパク質結合アッセイ、電気泳動移動度シフトアッセイ、タンパク質結合イムノアッセイ、機能アッセイ(リン酸化アッセイなど)などが挙げられる。
KSPへの本発明に係る化合物の結合の測定は、いくつかの方法で行うことが可能である。いくつかの実施形態では、たとえば蛍光性部分または放射性部分を用いて化合物を標識化し、結合を直接測定する。たとえば、KSPの全部または一部分を固体担体に結合させ、標識化試験化合物(たとえば、少なくとも1個の原子が検出可能なアイソトープで置き換えられた本発明に係る化合物)を添加し、過剰の試薬を洗浄除去し、そして固体担体上に存在する標識の量を測定することにより、これを行うことが可能である。
「標識化」とは、本明細書中では、検出可能なシグナルを提供する標識(たとえば、ラジオアイソトープ、蛍光性タグ、酵素、抗体、磁性粒子のような粒子、化学発光性タグ、または特異的結合性分子など)により、直接的または間接的のいずれかで化合物を標識化することを意味する。特異的結合性分子としては、ビオチンとストレプトアビジン、ジゴキシンとアンチジゴキシンなどのようなペアが挙げられる。特異的結合性メンバーの場合、通常、以上に概説したように、既知の手順に従って、検出を可能にする分子で相補的メンバーが標識化されるであろう。標識により、検出可能なシグナルを直接的または間接的に提供することが可能である。
いくつかの実施形態では、成分のうちの1つだけを標識化する。たとえば、125Iを用いてまたは発蛍光団により、キネシンタンパク質をチロシン位置で標識化しうる。他の選択肢として、異なる標識により;たとえば、タンパク質に対して125Iを使用し、抗有糸***剤に対して発蛍光団を使用して、2つ以上の成分を標識化しうる。
本発明に係る化合物はまた、さらなる薬剤候補をスクリーニングするための競合剤として使用することも可能である。「候補薬剤」もしくは「薬剤候補」または本明細書中で使用される文字通りの意味が等価な表現は、生物活性の試験などの対象になる任意の分子、たとえば、タンパク質、オリゴペプチド、小有機分子、ポリサッカリド、ポリヌクレオチドなどを表す。それらは、細胞増殖の表現型または細胞増殖配列(核酸配列とタンパク質配列の両方が包含される)の発現を直接的または間接的に改変しうると思われる。他の場合には、細胞増殖タンパク質の結合および/または活性の変化をスクリーニングする。この種のスクリーニングは、微小管の存在下または不在下のいずれかで行いうる。タンパク質の結合または活性をスクリーニングする場合、いくつかの実施形態では、その特定のタンパク質に結合することがすでに知られている分子、たとえば、微小管のようなポリマー構造体およびATPのようなエネルギー源は、除外される。本明細書に記載のアッセイのいくつかの実施形態では、内因性天然状態の細胞増殖タンパク質に結合しない候補薬剤が含まれる。本明細書中では、それを「外因性」薬剤と称する。いくつかの実施形態では、外因性薬剤は、KSPに対する抗体をさらに除外したものである。
候補薬剤には、多くの化学物質類が包含されうるが、典型的には、それらは、100ダルトン超かつ約2,500ダルトン未満の分子量を有する小有機化合物である。候補薬剤は、タンパク質との構造的相互作用(とくに、水素結合および親油結合)に必要な官能基を含んでおり、典型的には、少なくともアミン基、カルボニル基、ヒドロキシル基、エーテル基、またはカルボキシル基を含み、多くの場合、少なくとも2つの官能性化学基を含む。候補薬剤は、多くの場合、1つ以上の上記の官能基で置換された環状炭素構造もしくはヘテロ環状構造および/または芳香族構造もしくはポリ芳香族構造を含む。候補薬剤はまた、生体分子、たとえば、ペプチド、サッカリド、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、それらの誘導体、構造類似体、または組合せの中にも見いだされる。
候補薬剤は、合成または天然の化合物のライブラリーを含めて多種多様な供給源から得られる。たとえば、ランダム化オリゴヌクレオチドの発現を含めて多種多様な有機化合物および生体分子のランダム合成および指令合成を行うために、多くの手段が利用可能である。他の選択肢では、細菌性、真菌性、植物性、および動物性の抽出物の形態の天然化合物のライブラリーが、利用可能であるかまたは容易に作製される。このほか、天然のまたは合成的に生成されたライブラリーおよび化合物は、従来の化学的、物理的、および生化学的な手段を介して容易に修飾される。既知の薬理剤を指令化学修飾またはランダム化学修飾(たとえば、アシル化、アルキル化、エステル化、および/またはアミド化)に付して、構造類似体を生成させることが可能である。
競合スクリーニングアッセイは、第1のサンプルでKSPと薬剤候補とを組み合わせることにより、行うことが可能である。第2のサンプルは、本発明に係る化合物とKSPと薬剤候補とを含む。これは、微小管の存在下または不在下のいずれかで行うことが可能である。両方のサンプルについて薬剤候補の結合を測定し、2つのサンプル間で結合の変化すなわち差異があれば、KSPに結合しうるおよびその活性を阻害する可能性のある薬剤候補の存在が示唆される。すなわち、薬剤候補の結合が第1のサンプルと第2のサンプルとで異なる場合、薬剤候補は、KSPに結合しうる。
いくつかの実施形態では、KSPへの候補薬剤の結合は、競合結合アッセイを用いて測定される。いくつかの実施形態では、競合剤は、抗体、ペプチド、結合性パートナー、リガンドなどのようにKSPに結合することが知られている結合性部分である。特定の状況下では、候補薬剤と結合性部分との間で結合の競合が起こり、結合性部分が候補薬剤と置き換わる可能性がある。
いくつかの実施形態では、候補薬剤を標識化する。結合が存在するのであれば、結合を生じさせるのに十分な時間で、最初に、候補薬剤もしくは競合剤のいずれか一方または両方をKSPに添加する。インキュベーションは、最適の活性が容易に得られる任意の温度(典型的には、4〜40℃)で行いうる。
インキュベーション時間は、最適な活性が得られるように選択されるが、迅速ハイスループットスクリーニングが容易に行えるように最適化することも可能である。典型的には、0.1〜1時間で十分であろう。過剰の試薬は、一般的には、除去されるかまたは洗い流される。次に、第2の成分を添加し、標識化成分の存在または不在に応じて、結合の有無を示す。
いくつかの実施形態では、競合剤を最初に添加し、続いて、候補薬剤を添加する。競合剤の置き換えが起これば、候補薬剤がKSPに結合していること、すなわち、KSPに結合してその活性を阻害できる可能性があることが示唆される。いくつかの実施形態では、いずれかの成分を標識化しうる。したがって、たとえば、競合剤を標識化した場合、洗浄溶液中に標識が存在するのであれば、薬剤による置き換えが示唆される。他の選択肢では、候補薬剤を標識化した場合、担体上に標識が存在するのであれば、置き換えが示唆される。
いくつかの実施形態では、候補薬剤を最初に添加し、インキュベーションおよび洗浄を行い、次に、競合剤を添加する。競合剤による結合の不在により、候補薬剤がより高い親和性でKSPに結合されることを示唆しうる。したがって、候補薬剤を標識化した場合、担体上の標識の存在(競合剤結合の欠如と結び付けられる)により、候補薬剤がKSPに結合可能であることを示唆しうる。
阻害は、KSPの活性を阻害しうる候補薬剤をスクリーニングすることにより試験される。この試験には、上述したように候補薬剤をKSPと組み合わせる工程と、KSPの生物活性の変化を測定する工程と、が含まれる。いくつかの実施形態では、候補薬剤は、KSPに結合し(これは必要でない可能性もあるが)、本明細書に定義されているその生物学的活性または生化学的活性を変化させるはずである。本方法には、以上に一般的に概説したように、細胞周期分布、細胞生存能力、または有糸***紡錘体の存在、形態、活性、分布、もしくは量の変化に関する細胞のin vitroスクリーニング方法およびin vivoスクリーニング方法の両方が包含される。
他の選択肢として、示差的スクリーニングを用いて、天然のKSPには結合するが改変されたKSPには結合できない薬剤候補を同定することが可能である。
正の対照および負の対照をアッセイに使用することが可能である。好適には、統計的に有意な結果が得られるように、すべての対照サンプルおよび試験サンプルを少なくとも三重反復試験方式で処理する。薬剤をタンパク質に結合させるのに十分な時間をかけて、すべてのサンプルのインキュベーションを行う。インキュベーション後、すべてのサンプルを洗浄して非特異的に結合された物質を除去し、結合された(一般的には、標識化された)薬剤の量を測定する。たとえば、放射性標識を利用した場合、シンチレーション計数管でサンプルの計数を行うことにより、結合された化合物の量を決定することが可能である。
さまざまな他の試薬をスクリーニングアッセイに組み込むことが可能である。これらの試薬としては、最適のタンパク質-タンパク質結合が得られるようにおよび/または非特異的なもしくはバックグラウンドの相互作用が低減されるように使用しうる塩、中性タンパク質(たとえば、アルブミン)、界面活性剤などのような試薬が挙げられる。また、プロテアーゼ阻害剤、ヌクレアーゼ阻害剤、抗微生物剤などのようにそれ以外にアッセイの効率を向上させる試薬を使用することも可能である。必要な結合を提供する成分の混合物は、任意の順序で添加可能である。
したがって、本発明に係る化合物は、細胞に投与される。「投与」とは、本明細書中では、細胞培養物の細胞または患者の細胞のいずれかに治療上有効な用量の本発明に係る化合物を投与することを意味する。「治療上有効な用量」とは、本明細書中では、投与の目的とする効果を生じる用量を意味する。正確な用量は、治療の目的に依存し、当業者であれば既知の方法を用いて確認可能であろう。当技術分野で公知のごとく、全身送達と局所送達との調整、年齢、体重、健康状態、性別、治療食、投与の時間、薬剤相互作用、および病状の重症度が必要になる可能性があり、当業者であれば通常の実験で確認可能であろう。「細胞」とは、本明細書中では、有糸***または減数***を改変させうる任意の細胞を意味する。
本発明の目的では、「患者」には、ヒトと他の動物(たとえば哺乳動物)の両方、さらには他の生物が包含される。したがって、本方法は、ヒト治療用途と獣医学的用途の両方に適用可能である。いくつかの実施形態では、患者は哺乳動物である。いくつかの実施形態では、患者はヒトである。
所望の薬理活性を有する本発明に係る化合物は、本明細書に記載されているように、たとえば、医薬賦形剤を含む製薬上許容される組成物として患者に投与することが可能である。導入方式に応じて、以下で論じられているようなさまざまな方法で化合物を製剤化することが可能である。製剤中の治療上有効な化合物の濃度は、約0.1〜100重量%の範囲内で変化させうる。
薬剤は、単独で投与することも可能であるし、あるいは他の治療(すなわち、放射線治療)または他の化学療法剤(たとえば、微小管形成に作用すると思われるタキサン類の薬剤、もしくはカンプトテシン類のトポイソメラーゼI阻害剤)との組合せで投与することも可能である。使用する場合、他の化学療法剤は、本発明に係る化合物の投与前、投与と同時、または投与後に投与することが可能である。本発明の一態様において、本発明に係る化合物は、1種以上の他の化学療法剤と共投与される。「共投与」とは、同時投与を含めて実際に化合物がいつ投与されたかにかかわらず、本発明に係る化合物および共投与された化合物が患者の血流中に同時に見いだされるように、本発明に係る化合物を患者に投与することを意味する。
本発明に係る化合物および組成物の投与は、さまざまな方法で、たとえば、限定されるものではないが、経口的に、皮下に、静脈内に、鼻腔内に、経皮的に、腹腔内に、筋肉内に、肺内に、経膣的に、経直腸的に、または眼内に、行うことが可能である。いくつかの場合には、たとえば、創傷および炎症を治療する場合には、化合物または組成物を溶液剤またはスプレー剤として直接適用することが可能である。
医薬製剤は、式Iで示される化合物、またはその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは塩の溶媒和物と、1種以上の医薬賦形剤と、を含む。当技術分野で公知のごとく、医薬賦形剤は、さまざまな製剤(たとえば:錠剤、カプセル剤、および液剤のような経口製剤;経皮製剤、経眼製剤、および経耳製剤のような局所製剤;坐剤;注射剤;吸入製剤など)中の薬剤すなわち医薬の送達を可能にしたりまたは増強させたりする働きをする二次成分である。医薬賦形剤としては、イナートなすなわち不活性な成分、共力剤、または活性成分の薬効に実質的に寄与する化学物質が挙げられる。たとえば、医薬賦形剤は、流動特性、製剤均一性、安定性、風味、もしくは外観を改良したり、取扱いおよび用量投与を容易にしたり、使用上の便宜を図ったり、または生物学的利用能を制御したりするように機能しうる。医薬賦形剤は一般にイナートすなわち不活性であるとして記述されるが、医薬賦形剤の性質とそれらを含有する製剤との間に関連性があることが当技術分野で認識されている。
担体または希釈剤として使用するのに好適な医薬賦形剤は、当技術分野で周知であり、さまざまな製剤で使用可能である。たとえば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, A. R. Gennaro, Editor, Mack Publishing Company (1990); Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition, A. R. Gennaro, Editor, Lippincott Williams & Wilkins (2000); Handbook of Pharmaceutical Excipients, 3rd Edition, A. H. Kibbe, Editor, American Pharmaceutical Association, and Pharmaceutical Press (2000); and Handbook of Pharmaceutical Additives, compiled by Michael and Irene Ash,Gower (1995)(それぞれ、あらゆる点において参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい。
錠剤のような経口固体製剤は、典型的には、1種以上の医薬賦形剤を含有するであろう。これらの賦形剤は、たとえば、満足すべき加工特性および圧縮特性を付与したりまたはさらなる望ましい物理特性を錠剤に付与したりするのに役立ちうる。そのような医薬賦形剤は、希釈剤、結合剤、流動促進剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤、風味剤、甘味剤、ポリマー、ワックス、または他の溶解遅延物質から選択されうる。
静脈内投与に供される組成物は、一般的には、静脈内輸液(すなわち、循環系により容易に運ばれて同化されうる糖、アミノ酸、または電解質のような単純化学物質の滅菌溶液)を含むであろう。そのような液は、注射用水USPを用いて調製される。
一般に使用される液は、Remington, the Science and Practice of Pharmacy [完全な引用は、先に提示した]に開示されており、次の物質を含む:
アルコール(たとえば、デキストロースおよび水(「D/W」)[たとえば5%デキストロース]中のアルコール、または通常生理食塩溶液(「NSS」)中のデキストロースおよび水[たとえば5%デキストロース]中のアルコール;たとえば5%アルコール);
Aminosyn、FreAmine、Travasolのような合成アミノ酸(たとえば、それぞれ、3.5または7;8.5;3.5、5.5、または8.5%);
塩化アンモニウム(たとえば2.14%);
NSS中のデキストラン40(たとえば10%)またはD5/W中のデキストラン40(たとえば10%);
NSS中のデキストラン70(たとえば6%)またはD5/W中のデキストラン70(たとえば6%);
デキストロース(グルコース、D5/W)(たとえば2.5〜50%);
デキストロースおよび塩化ナトリウム(たとえば、5〜20%デキストロースおよび0.22〜0.9% NaCl);
乳酸加リンゲル(ハートマン液)(たとえば、NaCl 0.6%、KCl 0.03%、CaCl2 0.02%);
乳酸塩(0.3%);
場合によりデキストロース(たとえば10%)またはNaCl(たとえば15もしくは20%)と組み合わされたマンニトール(たとえば5%);
電解質、デキストロース、フルクトース、転化糖リンゲル液をさまざまに組み合わせた多電解質溶液(たとえば、NaCl 0.86%、KCl 0.03%、CaCl2 0.033%);
重炭酸ナトリウム(たとえば5%);
塩化ナトリウム(たとえば、0.45、0.9、3、または5%);
乳酸ナトリウム(たとえば1/6 M);および
注射用滅菌水
そのような液のpHは、種々の値をとりうるが、典型的には、当技術分野で公知のごとく3.5〜8であろう。
以下の実施例は、以上に記載した本発明の使用方法をより完全に記述するとともに本発明の種々の態様の実施目的に合った最良の形態を明示するうえで、役に立つ。当然のことながら、これらの実施例は、なんら本発明の真の範囲を限定する役割を果たすものではなく、例示を目的として提示されたものである。本明細書に引用されているすべての刊行物、たとえば、限定されるものではないが、特許および特許出願は、あたかも個々の刊行物が具体的かつ個別的に表記されて完全に明記されたがごとく参照により本明細書に組み入れられているように、参照により本明細書に組み入れられるものとする。
無水溶媒はすべて、SureSeal(登録商標)容器に入った状態でAldrich Chemical Companyから購入したものである。
実施例1
5,6-ジメチル-2-{1-[2-(4-メチルフェニル)-1-ピペラジニル]プロピル}-3-(フェニルメチル)-4(3H)-ピリミジノン
a). 5,6-ジメチル-3-(フェニルメチル)-2-プロピル-4(3H)-ピリミジノン
室温において無水ジオキサン中で5,6-ジメチル-2-プロピル-4(1H)-ピリミジノン(Journal of the Chemical Society, 5642-59, 1963の抄録)を水素化リチウム(1.2当量)で処理する。泡立ちが止まったとき、無水ジオキサン中のベンジルトシレート(1.2当量)の溶液を添加し、得られた混合物を還流下で16時間加熱する。水を注意深く添加し、得られた混合物を水とエチルアセテートとの間で分配させる。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで脱水し、そして減圧下でエバポレートする。残渣をクロマトグラフィーにより精製し、以下の工程で使用する。
b). 2-(1-ブロモプロピル)-5,6-ジメチル-3-(フェニルメチル)-4(3H)-ピリミジノン
氷酢酸中の5,6-ジメチル-3-(フェニルメチル)-2-プロピル-4(3H)-ピリミジノンの溶液を、ナトリウムアセテート(1.2当量)と酢酸中の臭素の溶液(1.1当量)とで処理する。1〜2時間後、混合物を水で希釈し、さらに2時間攪拌する。沈殿生成物を単離し、水で十分に洗浄し、そして乾燥させる。
c). 5,6-ジメチル-2-{1-[2-(4-メチルフェニル)-1-ピペラジニル]プロピル}-3-(フェニルメチル)-4(3H)-ピリミジノン
ブロミドが消費されるまで、2-(1-ブロモプロピル)-5,6-ジメチル-3-(フェニルメチル)-4(3H)-ピリミジノンと1,1-ジメチルエチル-3-(4-メチルフェニル)-1-ピペラジンカルボキシレート(2-(4-メチルフェニル)ピペラジン[EP431991、DE 27184511]およびBOCアンヒドリドから調製した)との混合物をエタノール中、還流下で加熱する。混合物を真空中で濃縮し、残渣をジクロロメタンに溶解させる。aq.NaOHで洗浄してから有機層の脱水およびエバポレーションを行って粗生成物を与え、これをクロマトグラフィーにより精製する。この物質をジクロロメタンに溶解させ、そして過剰のトリフルオロ酢酸で3時間処理する。
反応混合物をエバポレートし、残渣をジクロロメタンに再溶解させる。溶液をaq. NaHCO3で洗浄し、脱水し(MgSO4)、濃縮し、所望の生成物の単離および精製を行う。
実施例2
5-メチル-2-[2-メチル-1-(7-オキソヘキサヒドロ-1H-1,4-ジアゼピン-1-イル)プロピル]-6-オキソ-1-(フェニルメチル)-1,6-ジヒドロ-4-ピリミジンカルボニトリル
a) Boc-D-バリンアミド
0℃でTHF(300mL)中のBoc-D-バニリン(25g, 115mMol)の攪拌溶液にN-メチルモルホリン(15mL, 136mMol)を添加し、続いて、5分間にわたりイソブチルクロロホルメート(18mL, 139mMol)を滴下した。反応系を0℃で30分間攪拌し、その後、30wt.%のNH4OHの溶液(50mL, 385mMol)を反応系中にすばやく注いだ。(激しい気体発生が見られ、数分後におさまった。)反応系を室温に加温し、4時間攪拌した。生成物のほとんどが沈殿する体積まで、反応系を回転蒸発器にかけて真空下で濃縮した。濃厚な白色のスラリーを同体積の水で希釈し、濾過し、水で濯ぎ、プレス乾燥させ、次に、真空下で乾燥させ、白色固体として標記化合物(22.56g, 91%)を得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ6.17 (br s, 1 H), 5.75 (br s, 1 H), 5.12 (d, 1 H), 4.00 (app. t, 1 H), 2.13 (m, 1 H), 1.44 (s, 9 H), 0.99 (d, 3 H), 0.94 (d, 3 H)。
b) [(R)-1-(N-ベンジル-カルバムイミドイル)-2-メチル-プロピル]-カルバミン酸t-ブチルエステル
CH2Cl2(200mL)中のBoc-D-バニリンアミド(10g, 46mMol)の攪拌溶液にトリエチルオキソニウムヘキサフルオロホスフェート(13.0g, 48mMol)を添加した。(反応系は、最初は懸濁液であったが、徐々に清澄化された。)反応系を室温で48時間攪拌し、分液漏斗中に注ぎ、1N Na2CO3で洗浄し、脱水し(Na2SO4)、濾過し、そして真空下で濃縮した。残留する油にベンジルアミン(5.0mL, 23mMol)およびEtOH(20mL)を添加した。反応系を60℃で24時間攪拌した。室温に冷却した後、反応系を真空下でエバポレートした。標記化合物(14.16g, LCMSによる純度>95%)を精製することなく淡黄色の油として得た(最終的には固化してワックス状固体になった):MS (ES) m/e 306.4 (M + H)+
c) [1-(3-ベンジル-5-メチル-6-ヒドロキシ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-ピリミジン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-カルバミン酸-t-ブチルエステル
0℃で冷却しながらCH2C12(150mL)中の[(R)-1-(N-ベンジル-カルバムイミドイル)-2-メチル-プロピル]カルバミン酸t-ブチルエステル(16.37g, 53.6mMol)の攪拌溶液にEt3N(9mL, 64.3mMol)を添加し、続いて、15分間にわたりは2-クロロカルボニル-プロピオン酸エチルエステル(10g, 60.8mMol)を滴下した。反応系を室温に加温し、4時間攪拌し、分液漏斗中に注ぎ、水、ブラインで洗浄し、脱水し(Na2SO4)、そして真空下で蒸発乾固させた。未精製アシルアミジン(LCMSによる純度約90%, MS (ES) m/e (M+H)+ 434.4)をDMF(150mL)に溶解させ、18時間にわたり攪拌しながら100℃に加熱した。反応系を真空下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー((90:10:1, CH2Cl2:EtOAc:HOAc)、次に(30:70:1, EtOAc:ヘキサン:HOAc))により精製し、灰白色の固体として標記化合物(8.42g, 41%)を得た:MS (ES) m/e 388.2 (M + H)+
d) [1-(3-ベンジル-5-メチル-6-シアノ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-ピリミジン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-カルバミン酸-t-ブチルエステル
DMF(150mL)中の[1-(3-ベンジル-5-メチル-6-ヒドロキシ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-ピリミジン-2-イル)-2-メチル-プロピル]カルバミン酸-t-ブチルエステル(8.42g, 21.7mMol)の攪拌溶液に、鉱油中のNaHの60%分散液(0.95g, 24mMol)を少しずつ添加した。室温で15分間攪拌した後、N-フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(8.6g, 24mMol)を添加した。反応系を室温で18時間攪拌し、真空下で濃縮し、EtOAcに溶解させ、sat. NH4Clで洗浄し、脱水し(MgSO4)、そして真空下でエバポレートした。フラッシュクロマトグラフィー((CH2Cl2中の0〜5% EtOAcのステップグラジエント)、次に(10% EtOAc/ヘキサン))により精製し、半精製されたトリフレート(11.70g)(MS (ES) m/e 520.2 (M + H)+, LCMSにより23% PhNHSO2CFを含有する)を白色固体として得た。DMF(150mL)中で攪拌しながら粗製トリフレートにZn(CN)2(2.6g, 22.2mMol)および(PPh3)4Pd(2.6g, 2.3mMol)を添加した。反応系をAr下、90℃で4時間加熱し、室温に冷却し、そして真空下でエバポレートした。フラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2中の0〜5% EtOAcのステップグラジエント)により精製し、白色固体として標記化合物(7.11g, 82%)を得た:MS (ES) m/e 520.2 (M + H)+
e) 2-(1-アミノ-2-メチルプロピル)-5-メチル-6-オキソ-1-(フェニルメチル)-1,6-ジヒドロ-4-ピリミジンカルボニトリル
室温でジクロロメタン(10mL)中の1-(3-ベンジル-5-メチル-6-シアノ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-ピリミジン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-カルバミン酸-t-ブチルエステル(0.12 mMol)の溶液にトリフルオロ酢酸(10mL)を添加する。得られた溶液を室温で1時間攪拌し、次に、減圧下で濃縮する。残渣を高真空下で乾燥させ、エチルアセテート(25mL)に溶解させる。それを飽和重炭酸ナトリウム水溶液(25mL)で中和し、水性相をエチルアセテート(3×25mL)で抽出する。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで脱水する。溶媒を蒸発させた後、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤としてNH4OH/MeOH/DCM 0.1:1:10)により精製する。所望の生成物を単離し、特性付けを行う。
f) (2-オキソ-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル
-78℃でCH2Cl2(40mL)中の塩化オキサリル(1.92mL, 22mMol)の攪拌溶液にDMSO(3.12mL, 44mMol)を滴下した。15分後、(CH2Cl2(20mL)中の(2-ヒドロキシ-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(3.22g, 20mMol)の溶液を添加した。そのさらに45分後、Et3N(13.9mL, 100mMol)を添加した。次に、反応混合物を室温に加温し、CH2Cl2(100mL)で希釈し、水、10% HCl、ブラインで洗浄し、脱水し、そして濃縮した。シリカゲル(ヘキサン中の10〜15% EtOAc)を用いてフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、透明な油として標記化合物(600mg)を得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ9.58 (S, 1 H), 5.16 (brs, 1 H), 4.02 (s, 2 H), 1.46 (s, 9 H)。
g) 1,1-ジメチルエチル[2-({1-[4-シアノ-5-メチル-6-オキソ-1-(フェニルメチル)-1,6-ジヒドロ-2-ピリミジニル]-2-メチルプロピル}アミノ))エチル]カルバメート
CH2Cl2中の2-(1-アミノ-2-メチルプロピル)-5 -メチル-6-オキソ-1-(フェニルメチル)-1,6-ジヒドロ-4-ピリミジンカルボニトリルおよび(2-オキソ-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(1.5当量)の溶液に、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(1.5当量)を添加する。得られた混合物を室温で一晩攪拌する。反応系をCH2Cl2で希釈し、ブラインで洗浄し、脱水し、そして真空下で濃縮する。シリカゲルを用いてフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物を得る。
h) 1,1-ジメチルエチル[2-(アクリロイル{1-[4-シアノ-5-メチル-6-オキソ-1-(フェニルメチル)-1,6-ジヒドロ-2-ピリミジニル]-2-メチルプロピル}アミノ)エチル]カルバメート
CH2Cl2中の1,1-ジメチルエチル[2-(1-[4-シアノ-5-メチル-6-オキソ-1-(フェニルメチル)-1,6-ジヒドロ-2-ピリミジニル]-2-メチルプロピル}アミノ)エチル]カルバメートおよびEt3N(2当量)に、アクリロイルクロリド(1.6当量)を添加する。得られた混合物を室温で一晩攪拌する。反応混合物をCH2Cl2で希釈し、ブラインで洗浄し、脱水し、そして真空下で濃縮する。シリカゲルを用いてフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物を得る。
i) N-(2-アミノエチル)-N-{1-[4-シアノ-5-メチル-6-オキソ-1-(フェニルメチル)-1,6-ジヒドロ-2-ピリミジニル]-2-メチルプロピル}-2-プロペンアミド
室温で1,1-ジメチルエチル[2-(アクリロイル{1-[4-シアノ-5-メチル-6-オキソ-1-(フェニルメチル)1,6-ジヒドロ-2-ピリミジニル]-2-メチルプロピル}アミノ)エチル]カルバメートをCH2Cl2中の50% TFAで処理する。2時間後、混合物を真空下で濃縮し、CH2Cl2に再溶解させ、10% NaHCO3、ブラインで洗浄し、脱水し、濃縮し、標記化合物を得る。
j) 5-メチル2-[2-メチル-1-(7-オキソヘキサヒドロ-1H-1,4-ジアゼピン1-イル)プロピル]-6-オキソ-1-(フェニルメチル)-1,6-ジヒドロ-4-ピリミジンカルボニトリル
MeOH中のN-(2-アミノエチル)-N-{1-{4-シアノ-5-メチル-6-オキソ-1-(フェニルメチル)-1,6-ジヒドロ-2-ピリミジニル]-2-メチルプロピル}-2-プロペンアミドの溶液をアルゴン下で一晩還流する。反応混合物を濃縮し、シリカゲルを用いてフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製し、標記化合物を得る。
実施例3
KSP阻害剤で処理された腫瘍細胞系における細胞の生存能力の阻害
材料および溶液:
・細胞:SKOV3, 卵巣癌(ヒト)
・培地:フェノールレッド非含有RPMI+5%ウシ胎仔血清+2mM L-グルタミン
・細胞生存能力を測定するための比色剤:Promega MTSテトラゾリウム化合物
・最大細胞死滅を得るための対照化合物:トポテカン, 1μM
手順:1日目 - 細胞プレーティング:
付着SKOV3細胞を10mLのPBSで洗浄し、続いて、2mLの0.25%トリプシンを添加し、37℃で5分間インキュベートする。8mLの培地(フェノールレッド非含有RPMI+5% FBS)を用いて細胞をフラスコから濯ぎ落とし、新しいフラスコに移す。Coulterカウンターを用いて細胞濃度を測定し、1000細胞/100μLが得られる細胞の適切な体積を計算する。100μLの培地細胞懸濁液(1000細胞/100μLに調整する)を96ウェルプレートのすべてのウェルに添加し、続いて、37℃、湿度100%、および5% CO2で18〜24時間インキュベートし、細胞をプレートに付着させる。
手順:2日目 - 化合物添加:
オートクレーブ処理されたアッセイブロックの1列のウェルに400×最大所望濃度で初期量2.5μLの試験化合物を添加する。1.25μLの400×(400μM)トポテカンを他のウェルに添加する(これらのウェルの光学濃度は、死滅細胞および媒体のバックグラウンド吸光度を差し引くために使用される)。DMSOを含まない培地500μLを試験化合物の入ったウェルに添加し、250μLをトポテカンウェルに添加する。250μLの培地+0.5% DMSOを、すべての残りのウェルに添加し、その中に試験化合物を逐次希釈する。行単位で、化合物含有培地をアッセイブロックから対応する細胞プレートにレプリカプレーティングする(2重反復試験方式で)。37℃、湿度100%、および5% CO2で、細胞プレートを72時間インキュベートする。
手順:4日目 - MTS添加およびOD読取り:
プレートをインキュベーターから取り出し、40μlのMTS/PMSをそれぞれのウェルに添加する。次に、37℃、湿度100%、5% CO2で、プレートを120分間インキュベートし、続いて、5秒間の振盪サイクルを行った後、96ウェル分光光度計により490nmでODを読み取る。
データ解析
対照の規格化%(吸光度 - バックグラウンド)を計算し、XLfitを用いて用量-応答曲線を作成する。この曲線から、生存能力を50%阻害するのに必要な化合物濃度を求める。本発明に係る化合物は、上述したように、この方法により試験したときに活性を示す。
実施例4
エナンチオマー分離
一般的には、先に記載の手順を用いれば、適切なR配置またはS配置の出発アミノ酸を選択することにより、実質的に純粋なまたは富化されたRエナンチオマーまたはSエナンチオマーを調製することが可能である。本発明に係るより好ましい化合物は、R2が結合されているステレオジェン中心がR配置をもつものである。R:S混合物は、当業者に周知の方法により、その構成成分の純粋エナンチオマーに分離することが可能である。これらには、ジベンゾイル酒石酸のような光学的に純粋な酸との反応により形成されるようなジアステレオマー誘導体の形成および分離が含まれる。他の選択肢として、たとえば、以下の条件を用いて、キラルクロマトグラフィーにより、分離を達成することが可能である:
カラム:Chiralcel OD 20×250 mm;
サンプル充填量 約100mg mL-1、0.01%イソプロピルアミンを含有する1:2エタノール:ヘキサン中;
クロマトグラフィー条件:0.01%イソプロピルアミンを含有する1:2エタノール:ヘキサンを用いて15mL min-1の流量でアイソクラティック溶出;
254nmでUV検出。
たとえば、富化された3:1 R:Sエナンチオマー混合物は、次の条件を有するキラルクロマトグラフィーにより、その純粋なエナンチオマーに分離された:Chiralpak AD, 250×4.6 mm (Diacel Inc.)。サンプル - 22.5mg/ml、1:1 i-PrOH:ヘキサン中。条件 - アイソクラティック条件(50% i-PrOH、ヘキサン中)で40分間、(S)エナンチオマーは18.35分で溶出し、(R)エナンチオマーは26.87分で溶出する。(R)エナンチオマーは、(S)エナンチオマーよりもかなり効力が高かった。
実施例5
KSP阻害剤適用後の単極紡錘体形成
ヒト腫瘍細胞Skov-3(卵巣)を1ウェルあたり4,000細胞の密度で96ウェルプレートにプレーティングし、24時間かけて付着させ、種々の濃度のピリミジノン誘導体で24時間処理した。4%ホルムアルデヒドで細胞を固定し、抗チューブリン抗体(続いて、蛍光標識化二次抗体を用いて識別した)およびHoechst染料(これはDNAを染色する)で染色した。
目視検査により、化合物が有糸***の前中期に細胞周期停止を引き起こすことを明らかにした。DNAが集合され、紡錘体形成が開始されたが、停止細胞が一様に単極紡錘体を示したことから、紡錘体極体分離の阻害が示唆される。抗KSP抗体のマイクロインジェクションによっても、有糸***停止が引き起こされ、停止細胞は単極紡錘体を呈する。
実施例6
KSP阻害剤で処理された腫瘍細胞系における細胞増殖の阻害
1000〜2500細胞/ウェル(96ウェルプレート)の密度で細胞を96ウェルプレートにプレーティングし、24時間かけて付着/増殖させた。次に、それらを種々の濃度の薬剤で48時間処理した。化合物を添加した時間をT0とみなす。試薬3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-5-(3-カルボキシメトキシフェニル)-2-(4-スルホフェニル)-2H-テトラゾリウム(MTS)(特許第5,185,450号)(Promega製品カタログ#G3580, CeIlTiter 96(登録商標) AQueous One Solution Cell Proliferation Assayを参照されたい)を用いるテトラゾリウムに基づくアッセイを利用して、T0における生細胞の数、および化合物暴露の48時間後に残存する細胞の数を求めた。48時間後に残存する細胞の数を薬剤添加時の生細胞の数と比較することにより、増殖阻害の計算を行うことが可能である。
媒体のみ(0.25% DMSO)で処理された対照ウェルにおける48時間にわたる細胞増殖を100%増殖とみなし、化合物を有するウェルにおける細胞の増殖をこれと比較する。
μM単位の化合物濃度vs処理ウェルにおける細胞増殖パーセントをプロットすることにより、Gi50を計算した。化合物に対して計算されたGi50は、対照と比較して増殖が50%阻害されるときの推定濃度である。すなわち、以下の式が成立するときの濃度である:
100×[(処理48 - T0) / (対照48 - T0)] = 50
ただし、処理48は、処理された細胞に対する48時間における値であり、対照48は、対照集団に対する48時間における値である。
化合物の濃度はすべて、2重反復試験方式で試験され、対照は、12ウェルにわたり平均される。非常によく似た96ウェルプレートレイアウトおよびGi50計算スキームが、National Cancer Institute (Monks, et al., J. NatI. Cancer Inst. 83:757-766 (1991)を参照されたい)で使用されている。しかしながら、National Cancer Instituteで用いられている細胞数の定量方法では、MTSは使用されておらず、その代わりに代替的な試薬または方法が利用されている。
以上の実施例の化合物1〜13は、ヒト卵巣腫瘍細胞系(SKOV-3)で細胞増殖を阻害した。
実施例7
IC50の計算:
KSP活性に対する化合物のIC50の測定では、ATPアーゼアッセイを使用する。次の溶液を使用する:溶液1は、3mMホスホエノールピルビン酸カリウム塩(Sigma P-7127)、2mM ATP(Sigma A-3377)、1mM IDTT(Sigma D-9779)、5μMパクリタキセル(Sigma T-7402)、10ppm消泡剤289(Sigma A-8436)、25mM Pipes/KOH pH6.8(Sigma P6757)、2mM MgC12(VWR JT400301)、および1mM EGTA(Sigma E3889)よりなる。溶液2は、1mM NADH(Sigma N8129)、0.2mg/ml BSA(Sigma A7906)、ピルビン酸キナーゼ7U/ml、L-乳酸デヒドロゲナーゼ10U/ml(Sigma P0294)、100nM KSPモータードメイン、50μg/ml微小管、1mM DTT(Sigma D9779)、5μMパクリタキセル(Sigma T-7402)、10ppm消泡剤(Sigma A-8436)、25mM Pipes/KOH pH6.8(Sigma P6757)、2mM MgC12(VWR JT4003-01)、および1mM EGTA(Sigma E3889)よりなる。化合物の逐次希釈(8〜12回の二倍希釈)は、溶液1を用いて、96ウェルマイクロタイタープレート(Corning Costar 3695)で行われる。逐次希釈の後、各ウェルは、50μlの溶液1を有する。反応は、50μlの溶液2を各ウェル添加することにより開始される。これは、手動によりまたは自動化液体ハンドリング装置により多チャンネルピペッターを用いて行いうる。次に、マイクロタイタープレートをマイクロプレート吸光度リーダーに移し、340nmにおける複数の吸光度を動力学的モードで各ウェルについて読み取る。次に、観測された変化率(これはATPアーゼの比率に比例する)を化合物濃度の関数としてプロットする。標準的なIC50測定では、非線形あてはめプログラム(たとえば、Grafit 4)を用いて、以下の4パラメーター式により、取得データのあてはめを行う:
Figure 2007510652
ただし、yは、観測された比率であり、xは、化合物濃度である。

Claims (61)

  1. 式I
    Figure 2007510652
    で示される化合物、ならびにその製薬上許容される塩、溶媒和物、結晶形、ジアステレオマー、およびプロドラッグから選択される少なくとも1種の化学物質:ただし、上記式中、
    TおよびT'は、独立して、場合により置換されていてもよい低級アルキレンであるかまたは不在であり;
    R1は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、および場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択され;
    R2およびR2'は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、および場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択されるか;またはR2およびR2'は、一緒になって、場合により置換されていてもよい3〜7員の環を形成し;
    R3は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-、-(CO)R7、および-SO2R7aから選択されるか;
    またはR3は、R6およびそれらが結合されている窒素と一緒になって、場合により置換されていてもよい5〜12員の窒素含有ヘテロ環を形成し、このヘテロ環中には、N、O、およびSから選択される1〜2個の追加のヘテロ原子が場合により組み込まれていてもよく;
    あるいはR6は、R2と一緒になって、場合により置換されていてもよい5〜12員の窒素含有ヘテロ環を形成し、このヘテロ環中には、N、O、およびSから選択される1〜2個の追加のヘテロ原子が場合により組み込まれていてもよく;
    R4およびR5は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアルコキシ、アシル、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルキルスルホニル-、アルキルスルファニル-、アミノカルボニル-、場合により置換されていてもよいアミノ、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル、および場合により置換されていてもよいヘテロアリール-から選択され;
    R6は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-、および場合により置換されていてもよいヘテロシクリル-から選択され;
    R7は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-、R8O-、およびR14-NH-から選択され;
    R7aは、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-、およびR14-NH-から選択され;
    R8は、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、および場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択され;そして
    R14は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、および場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択され;
    前提条件として、
    以下の基準の少なくとも1つは、満たされるものとする:
    TおよびT'は、両方とも不在であることはない;または
    R6は、R2と一緒になって、場合により置換されていてもよい5〜12員の窒素含有ヘテロ環を形成し、このヘテロ環中には、N、O、およびSから選択される1〜2個の追加のヘテロ原子が場合により組み込まれていてもよい;または
    R3は、R6およびそれらが結合されている窒素と一緒になって、場合により置換されていてもよい5〜12員の窒素含有ヘテロ環を形成し、このヘテロ環中には、N、O、およびSから選択される1〜2個の追加のヘテロ原子が場合により組み込まれていてもよく、TおよびT'が両方とも不在であるときは、このヘテロ環は、イミダゾール環でもイミダゾリン環でもない。
  2. R1が、水素、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-、場合により置換されていてもよいフェニル-C1〜C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4アルキル、場合により置換されていてもよいナフタレニルメチル-、場合により置換されていてもよいフェニル-、およびナフチル-から選択される、請求項1に記載の少なくとも1種の化学物質。
  3. R1が、場合により置換されていてもよいフェニル-C1〜C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいナフタレニルメチル-、場合により置換されていてもよいフェニル、またはナフチルである、請求項1に記載の少なくとも1種の化学物質。
  4. R1が、ナフチル-、フェニル-、ブロモフェニル-、クロロフェニル-、メトキシフェニル-、エトキシフェニル-、トリル-、ジメチルフェニル-、クロロフルオロフェニル-、メチルクロロフェニル-、エチルフェニル-、フェネチル-、ベンジル-、ハロベンジル-、メチルベンジル-、メトキシベンジル-、シアノベンジル-、ヒドロキシベンジル-、ジクロロベンジル-、ジメトキシベンジル-、またはナフタレニルメチル-である、請求項1に記載の少なくとも1種の化学物質。
  5. R1が、場合により置換されていてもよいフェニル-C1〜C4アルキルまたは場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4アルキルである、請求項1に記載の少なくとも1種の化学物質。
  6. R1が、ベンジル-、ハロベンジル、メチルベンジル、ヒドロキシベンジル-、シアノベンジル-、メトキシベンジル-、またはナフタレニルメチル-である、請求項1に記載の少なくとも1種の化学物質。
  7. R1がベンジル-である、請求項1に記載の少なくとも1種の化学物質。
  8. R2が、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-であり、かつR2'が、水素または場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-である、請求項1〜7のいずれかに記載の少なくとも1種の化学物質。
  9. R2'が水素であり、かつR2が、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-である、請求項1〜7のいずれかに記載の少なくとも1種の化学物質。
  10. R2が、メチル-、エチル-、プロピル、ブチル、メチルチオエチル-、メチルチオメチル-、アミノブチル-、(CBZ)アミノブチル-、シクロヘキシルメチル-、ベンジルオキシメチル-、メチルスルファニルエチル-、メチルスルファニルメチル-、およびヒドロキシメチル-から選択され、かつR2'が水素である、請求項1〜7のいずれかに記載の少なくとも1種の化学物質。
  11. R2'が水素であり、かつR2がエチルまたはプロピルである、請求項1〜7のいずれかに記載の少なくとも1種の化学物質。
  12. R2がi-プロピルである、請求項1〜7のいずれかに記載の少なくとも1種の化学物質。
  13. R2またはR2'が水素であり、かつ他方が水素ではない、請求項1〜7のいずれかに記載の少なくとも1種の化学物質。
  14. R2およびR6が、一緒になって、5〜12員の環を形成し、この環が、このヘテロ環中にN、O、およびSから選択される1もしくは2個の追加のヘテロ原子を場合により組み込んでなるものであってもよく、かつ次の基:アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、置換されたアルキル、置換されたアリール、置換されたアラルキル、置換されたヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノ、場合により置換されていてもよいアミノ、およびオキソのうちの1つ以上で場合により置換されていてもよい、請求項1〜7のいずれかに記載の少なくとも1種の化学物質。
  15. R4が、水素、アシル、アルコキシ、シアノ、カルボキシ、場合により置換されていてもよいアミノ、アミノカルボニル、低級アルキル、次の置換基:ハロ、低級アルコキシ、もしくはヒドロキシのうちの1つ以上で置換された低級アルキル、フェニル、または次の置換基:ハロ、低級アルコキシ、もしくはヒドロキシのうちの1つ以上で置換されたフェニルである、請求項1〜14のいずれかに記載の少なくとも1種の化学物質。
  16. R4が、水素、シアノ、メチル、または次の置換基:ハロ、低級アルコキシ、もしくはヒドロキシのうちの1つ以上で置換されたメチルである、請求項1〜14のいずれかに記載の少なくとも1種の化学物質。
  17. R5が、水素、アシル、カルボキシ、アミノカルボニル、場合により置換されていてもよいアミノ、シアノ、低級アルキル、ハロ、ベンジル、ピペロニル、ナフチル、フリル、チエニル、インドリル、モルホリニル、フェニル、ベンゾジオキソリル、または次の置換基:場合により置換されていてもよいアミノ、アミノカルボニル、シアノ、ハロ、場合により置換されていてもよい低級アルキル-、場合により置換されていてもよい低級アルコキシ、場合により置換されていてもよい低級アルキルスルファニル、ヒドロキシ、もしくはチオのうちの1つ以上で置換されたフェニルである、請求項1〜16のいずれかに記載の少なくとも1種の化学物質。
  18. R5が、水素;メチル;エチル;ブロモ;カルボキシ;シアノ;フェニル;ハロフェニル;低級アルキルフェニル;トリフルオロメチルフェニル;低級アルコキシフェニル;ジ(低級アルコキシ)フェニル;ポリハロフェニル;ハロ低級アルキルフェニル;フリル;チエニル;低級アルキルスルファニルフェニル;チオフェニル;アミノフェニル;アミノカルボニルフェニル;シアノフェニル;ジ(低級アルキル)アミノフェニル;ジ(低級アルキル)フェニル;アセチルアミノフェニル;アミノ置換低級アルキルフェニル;ヒドロキシ置換低級アルキルフェニル;ピペロニル;ナフチル;カルバモイル;低級アルキルカルバモイル;ベンジルカルバモイル;フェニルカルバモイル;メトキシメチルカルバモイル;メトキシエチルカルバモイル;ヒドロキシメチルカルバモイル;ヒドロキシエチルカルバモイル;インドリル;モルホリニル;およびモルホリノカルボニルである、請求項1〜16のいずれかに記載の少なくとも1種の化学物質。
  19. R5が、水素、メチル、またはシアノである、請求項1〜16のいずれかに記載の少なくとも1種の化学物質。
  20. TまたはT'のうちの一方が不在であり、かつ他方が、場合により置換されていてもよいアルキレンである、請求項1〜19のいずれかに記載の少なくとも1種の化学物質。
  21. TおよびT'が両方とも不在である、請求項1〜19のいずれかに記載の少なくとも1種の化学物質。
  22. R3が、R6およびそれらが結合されている窒素と一緒になって、場合により置換されていてもよい5〜12員の窒素含有ヘテロ環を形成し、このヘテロ環が、このヘテロ環中にN、O、およびSから選択される1〜2個の追加のヘテロ原子を場合により組み込んでなるものであってもよく、かつ次の基:アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、置換されたアルキル、置換されたアリール、置換されたアラルキル、置換されたヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノ、場合により置換されていてもよいアミノ、およびオキソのうちの1つ以上で場合により置換されていてもよい、請求項1〜13または15〜21のいずれかに記載の少なくとも1種の化学物質。
  23. TおよびT'が両方とも不在であることはなく、かつR3が、R6およびそれらが結合されている窒素と一緒になって、式:
    Figure 2007510652
    〔式中、
    R9は、水素、場合により置換されていてもよいC1〜C8アルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルコキシ、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルコキシ、および場合により置換されていてもよいヘテロアリール-から選択され;そして
    R10およびR11は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいC1〜C8アルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、または場合により置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-である〕
    で示される場合により置換されていてもよいイミダゾリル環を形成する、請求項22に記載の少なくとも1種の化学物質。
  24. TおよびT'が両方とも不在であることはなく、かつR3が、R6と一緒になって、式
    Figure 2007510652
    〔式中、
    R9は、水素、場合により置換されていてもよいC1〜C8アルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルキル-から選択され;そして
    R12、R12'、R13、およびR13'は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいC1〜C8アルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、および場合により置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-から選択される〕
    で示される場合により置換されていてもよいイミダゾリニル環を形成する、請求項22に記載の少なくとも1種の化学物質。
  25. R3が、R6と一緒になって、式:
    Figure 2007510652
    〔式中、AおよびBは、それぞれ独立して、C(R20)(R21)、N(R22)、O、またはSから選択され、R20およびR21は、それぞれ独立して、H、場合により置換されていてもよいアルキル、場合により置換されていてもよいアリール、および場合により置換されていてもよいヘテロアリールから選択され;そしてR22は、H、場合により置換されていてもよいアルキル、場合により置換されていてもよいアラルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル、場合により置換されていてもよいアルキルカルボニル、場合により置換されていてもよいアリールカルボニル、場合により置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル、場合により置換されていてもよいアラルキルカルボニル、場合により置換されていてもよいヘテロアラルキルカルボニル、場合により置換されていてもよいアルコキシカルボニル、場合により置換されていてもよいアリールオキシカルボニル、場合により置換されていてもよいヘテロアリールオキシカルボニル、場合により置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル、または場合により置換されていてもよいヘテロアラルキルオキシカルボニルである〕
    で示される場合により置換されていてもよいジアゼピノン環を形成する、請求項22に記載の少なくとも1種の化学物質。
  26. R3が、R6と一緒になって、式:
    Figure 2007510652
    〔式中、R31およびR32は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、場合により置換されていてもよいアラルキル、および場合により置換されていてもよいヘテロアラルキルから選択され;そしてnは、1または2である〕
    で示される場合により置換されていてもよいピペラジンまたはジアゼパムを形成する、請求項22に記載の少なくとも1種の化学物質。
  27. R6が、水素または場合により置換されていてもよいC1〜C13アルキルである、請求項1〜13または15〜21のいずれかに記載の少なくとも1種の化学物質。
  28. R6が、水素、C1〜C4アルキル-、シクロヘキシル、フェニル(ヒドロキシ、C1〜C4アルコキシ、もしくはC1〜C4アルキルで置換されている);ベンジル;およびR16-アルキレン-(ただし、R16は、ヒドロキシ、カルボキシ、(C1〜C4アルコキシ)カルボニル-、ジ(C1〜C4アルキル)アミノ-、(C1〜C4アルキル)アミノ-、アミノ、(C1〜C4アルコキシ)カルボニルアミノ-、C1〜C4アルコキシ-、場合により置換されていてもよいフラニル、または場合により置換されていてもよいN-ヘテロシクリル-である)から選択される、請求項1〜13または15〜21のいずれかに記載の少なくとも1種の化学物質。
  29. R6が、場合により置換されていてもよい低級アルキル-、シクロヘキシル-;フェニル(ヒドロキシ、低級アルコキシ、もしくは低級アルキル-で置換されている);ベンジル-;ヘテロアリールメチル-;ヘテロアリールエチル-;およびヘテロアリールプロピル-から選択される、請求項1〜13または15〜21のいずれかに記載の少なくとも1種の化学物質。
  30. R6が、メチル-、エチル-、プロピル-、ブチル、シクロヘキシル、カルボキシエチル、カルボキシメチル、メトキシエチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、ジエチルアミノエチル、ジエチルアミノプロピル、アミノプロピル、メチルアミノプロピル、2,2-ジメチル-3-(ジメチルアミノ)プロピル-、アミノエチル-、アミノブチル、アミノペンチル、アミノヘキシル、イソプロピルアミノプロピル、ジイソプロピルアミノエチル、1-メチル-4-(ジエチルアミノ)ブチル、(t-Boc)アミノプロピル、ヒドロキシフェニル、ベンジル、メトキシフェニル、メチルメトキシフェニル、ジメチルフェニル、トリル、エチルフェニル、(オキソピロリジニル)プロピル、(メトキシカルボニル)エチル、ベンジルピペリジニル、ピリジニルエチル、ピリジニルメチル、モルホリニルエチル、モルホリニルプロピル、ピペリジニル、アゼチジニルメチル、アゼチジニルエチル、アゼチジニルプロピル、ピロリジニルメチル、ピロリジニルエチル、ピロリジニルプロピル、ピペリジニルメチル、ピペリジニルエチル、イミダゾリルプロピル、イミダゾリルエチル、(エチルピロリジニル)メチル、(メチルピロリジニル)エチル、(メチルピペリジニル)プロピル、(メチルピペラジニル)プロピル、フラニルメチル、およびインドリルエチル-から選択される、請求項1〜13または15〜21のいずれかに記載の少なくとも1種の化学物質。
  31. R6が、R16-アルキレン-(ただし、R16は、アミノ、C1〜C4アルキルアミノ-、ジ(C1〜C4アルキル)アミノ-、C1〜C4アルコキシ-、ヒドロキシ、またはN-ヘテロシクリルである)である、請求項1〜13または15〜21のいずれかに記載の少なくとも1種の化学物質。
  32. R16がアミノである、請求項31に記載の少なくとも1種の化学物質。
  33. R6が、アミノエチル、アミノプロピル、アミノブチル、アミノペンチル、アミノヘキシル、メチルアミノエチル、メチルアミノプロピル、メチルアミノブチル、メチルアミノペンチル、メチルアミノヘキシル、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、ジメチルアミノブチル、ジメチルアミノペンチル、ジメチルアミノヘキシル、エチルアミノエチル、エチルアミノプロピル、エチルアミノブチル、エチルアミノペンチル、エチルアミノヘキシル、ジエチルアミノエチル、ジエチルアミノプロピル、ジエチルアミノブチル、ジエチルアミノペンチル、またはジエチルアミノヘキシルであり、いくつかの実施形態では、アミノプロピルである、請求項1〜13または15〜21のいずれかに記載の少なくとも1種の化学物質。
  34. R3が、場合により置換されていてもよいC1〜C13アルキル;場合により置換されていてもよいアラルキル;および場合により置換されていてもよいヘテロアラルキルから選択される、請求項1〜21または27〜33のいずれかに記載の少なくとも1種の化学物質。
  35. R3が-C(O)R7であり、R7が、場合により置換されていてもよいC1〜C8アルキル、場合により置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、場合により置換されていてもよいアリール、R8O-、およびR14-NH-から選択され、R8が、場合により置換されていてもよいC1〜C8アルキルおよび場合により置換されていてもよいアリールから選択され、かつR14が、水素、場合により置換されていてもよいC1〜C8アルキル、および場合により置換されていてもよいアリールから選択される、請求項1〜21または27〜33のいずれかに記載の少なくとも1種の化学物質。
  36. R3が-C(O)R7であり、かつR7が、場合により置換されていてもよいC1〜C8アルキル、場合により置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、および場合により置換されていてもよいアリールから選択される、請求項1〜21または27〜33のいずれかに記載の少なくとも1種の化学物質。
  37. R3が-C(O)R7であり、かつR7が、フェニル、ハロフェニル、ジハロフェニル、シアノフェニル、ハロ(トリフルオロメチル)フェニル、ヒドロキシメチルフェニル、メトキシメチルフェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、カルボキシフェニル、ホルミルフェニル、エチルフェニル、トリル、メチレンジオキシフェニル、エチレンジオキシフェニル、メトキシクロロフェニル、ジヒドロ-ベンゾジオキシニル、メチルハロフェニル、トリフルオロメチルフェニル、フラニル、C1〜C4アルキル置換フラニル、トリフルオロメチルフラニル、C1〜C4アルキル置換トリフルオロメチルフラニル、ベンゾフラニル、チオフェニル、C1〜C4アルキル置換チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアジアゾリル、ピリジニル、インドリル、メチルピリジニル、トリフルオロメチルピリジニル、ピロリル、キノリニル、ピコリニル、ピラゾリル、C1〜C4アルキル置換ピラゾリル、N-メチルピラゾリル、C1〜C4アルキル置換N-メチルピラゾリル、C1〜C4アルキル置換ピラジニル、C1〜C4アルキル置換イソオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、モルホリノメチル、メチルチオメチル、メトキシメチル、N-メチルイミダゾリル、およびイミダゾリルから選択される、請求項1〜21または27〜33のいずれかに記載の少なくとも1種の化学物質。
  38. R3が-C(O)R7であり、かつR7が、場合により置換されていてもよいフェニルである、請求項1〜21または27〜33のいずれかに記載の少なくとも1種の化学物質。
  39. R3が-C(O)R7であり、かつR7が、トリル、ハロフェニル、メチルハロフェニル、ヒドロキシメチルフェニル、ハロ(トリフルオロメチル)フェニル-、メチレンジオキシフェニル、ホルミルフェニル、またはシアノフェニルである、請求項1〜21または27〜33のいずれかに記載の少なくとも1種の化学物質。
  40. R3がSO2R7aであり、かつR7aが、C1〜C13アルキル;フェニル;ナフチル;フェニル(ハロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、シアノ、ニトロ、メチレンジオキシ、もしくはトリフルオロメチルで置換されている);ビフェニリル;およびヘテロアリールから選択される、請求項1〜21または27〜33のいずれかに記載の少なくとも1種の化学物質。
  41. TおよびT'のうちの一方が不在であり、他方が、場合により置換されていてもよいアルキレンであり;
    R1が、ベンジル、ハロベンジル、メチルベンジル、ヒドロキシベンジル、シアノベンジル、メトキシベンジル、またはナフタレニルメチルであり;
    R2が、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-であり;
    R2'が、水素であり;
    R4が、水素、シアノ、または場合により置換されていてもよいメチルであり;
    R5が、水素、メチル、またはシアノであり;かつ
    R3が、R6およびそれらが結合されている窒素と一緒になって、場合により置換されていてもよいイミダゾリル環を形成する;
    請求項1に記載の少なくとも1種の化学物質。
  42. TおよびT'が、独立して、場合により置換されていてもよいアルキレンであり;
    R1が、ベンジル、ハロベンジル、メチルベンジル、ヒドロキシベンジル、シアノベンジル、メトキシベンジル、またはナフタレニルメチルであり;
    R2が、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-であり;
    R2'が、水素であり;
    R4が、水素、シアノ、または場合により置換されていてもよいメチルであり;
    R5が、水素、メチル、またはシアノであり;かつ
    R3が、R6およびそれらが結合されている窒素と一緒になって、場合により置換されていてもよいイミダゾリル環を形成する;
    請求項1に記載の少なくとも1種の化学物質。
  43. TおよびT'のうちの一方が不在であり、他方が、場合により置換されていてもよいアルキレンであり;
    R1が、ベンジル、ハロベンジル、メチルベンジル、ヒドロキシベンジル、シアノベンジル、メトキシベンジル、またはナフタレニルメチルであり;
    R2が、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-であり;
    R2'が、水素であり;
    R4が、水素、シアノ、または場合により置換されていてもよいメチルであり;
    R5が、水素、メチル、またはシアノであり;かつ
    R3が、R6と一緒になって、場合により置換されていてもよいイミダゾリニル環を形成する;
    請求項1に記載の少なくとも1種の化学物質。
  44. TおよびT'が、独立して、場合により置換されていてもよいアルキレンであり;
    R1が、ベンジル、ハロベンジル、メチルベンジル、ヒドロキシベンジル、シアノベンジル、メトキシベンジル、またはナフタレニルメチルであり;
    R2が、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-であり;
    R2'が、水素であり;
    R4が、水素、シアノ、または場合により置換されていてもよいメチルであり;
    R5が、水素、メチル、またはシアノであり;かつ
    R3が、R6と一緒になって、場合により置換されていてもよいイミダゾリニル環を形成する;
    請求項1に記載の少なくとも1種の化学物質。
  45. TおよびT'が、独立して、場合により置換されていてもよいアルキレンであるかまたは不在であり;
    R1が、ベンジル、ハロベンジル、メチルベンジル、ヒドロキシベンジル、シアノベンジル、メトキシベンジル、またはナフタレニルメチルであり;
    R2が、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-であり;
    R2'が、水素であり;
    R4が、水素、シアノ、または場合により置換されていてもよいメチルであり;
    R5が、水素、メチル、またはシアノであり;かつ
    R3が、R6と一緒になって、場合により置換されていてもよいピペラジン環またはジアゼパン環を形成する;
    請求項1に記載の少なくとも1種の化学物質。
  46. TおよびT'が、独立して、場合により置換されていてもよいアルキレンであるかまたは不在であり;
    R1が、ベンジル、ハロベンジル、メチルベンジル、ヒドロキシベンジル、シアノベンジル、メトキシベンジル、またはナフタレニルメチルであり;
    R2が、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキルであり;
    R2'が、水素であり;
    R4が、水素、シアノ、または場合により置換されていてもよいメチルであり;
    R5が、水素、メチル、またはシアノであり;かつ
    R3が、R6と一緒になって、場合により置換されていてもよいジアゼピノン環を形成する;
    請求項1に記載の少なくとも1種の化学物質。
  47. TおよびT'のうちの一方が不在であり、他方が、場合により置換されていてもよいアルキレンであり;
    R1が、ベンジル、ハロベンジル、メチルベンジル、ヒドロキシベンジル、シアノベンジル、メトキシベンジル、またはナフタレニルメチルであり;
    R2が、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-であり;
    R2'が、水素であり;
    R4が、水素、シアノ、または場合により置換されていてもよいメチルであり;
    R5が、水素、メチル、またはシアノであり;
    R6が、R16-アルキレン-であり;
    R16が、アミノ、C1〜C4アルキルアミノ-、ジ(C1〜C4アルキル)アミノ-、C1〜C4アルコキシ-、ヒドロキシ、またはN-ヘテロシクリルであり;
    R3が、-C(O)R7であり;かつ
    R7が、場合により置換されていてもよいフェニルである;
    請求項1に記載の少なくとも1種の化学物質。
  48. TおよびT'が、独立して、場合により置換されていてもよいアルキレンであり;
    R1が、ベンジル、ハロベンジル、メチルベンジル、ヒドロキシベンジル、シアノベンジル、メトキシベンジル、またはナフタレニルメチルであり;
    R2が、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-であり;
    R2'が、水素であり;
    R4が、水素、シアノ、または場合により置換されていてもよいメチルであり;
    R5が、水素、メチル、またはシアノであり;
    R6が、R16-アルキレン-であり;
    R16が、アミノ、C1〜C4アルキルアミノ-、ジ(C1〜C4アルキル)アミノ-、C1〜C4アルコキシ-、ヒドロキシ、またはN-ヘテロシクリルであり;
    R3が、-C(O)R7であり;かつ
    R7が、場合により置換されていてもよいフェニルである;
    請求項1に記載の少なくとも1種の化学物質。
  49. TおよびT'が、独立して、場合により低級のアルキレンであるかまたは不在であり;
    R1が、ベンジル、ハロベンジル、メチルベンジル、ヒドロキシベンジル、シアノベンジル、メトキシベンジル、またはナフタレニルメチルであり;
    R2'が、水素であり;
    R4が、水素、シアノ、または場合により置換されていてもよいメチルであり;
    R5が、水素、メチル、またはシアノであり;
    R6が、R16-アルキレン-であり;
    R16が、アミノ、C1〜C4アルキルアミノ-、ジ(C1〜C4アルキル)アミノ-、C1〜C4アルコキシ-、ヒドロキシ、またはN-ヘテロシクリルであり;かつ
    R6が、R2と一緒になって、場合により置換されていてもよい5〜12員の窒素含有ヘテロ環を形成し、このヘテロ環中には、N、O、およびSから選択される1〜2個の追加のヘテロ原子が場合により組み込まれていてもよい;
    請求項1に記載の少なくとも1種の化学物質。
  50. 5,6-ジメチル-2-{1-[2-(4-メチルフェニル)-1-ピペラジニル]プロピル}-3-(フェニルメチル)-4(3H)-ピリミジノン;または
    5-メチル-2-[2-メチル-1-(7-オキソヘキサヒドロ-1H-1,4-ジアゼピン-1-イル)プロピル]-6-オキソ-1-(フェニルメチル)-1,6-ジヒドロ-4-ピリミジンカルボニトリル;
    である、請求項1に記載の少なくとも1種の化学物質。
  51. R2およびR2'が、それぞれ、R配置を有するステレオジェン中心に結合されている、請求項1〜50のいずれか1項に記載の化合物、またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
  52. 医薬賦形剤と請求項1〜51のいずれか1項に記載の少なくとも1種の化学物質とを含む医薬組成物。
  53. 前記組成物が化学療法剤をさらに含む、請求項52に記載の医薬組成物。
  54. 前記化学療法剤がタキサンから選択される、請求項53に記載の医薬組成物。
  55. 前記化学療法剤がビンカアルカロイドから選択される、請求項53に記載の医薬組成物。
  56. 前記化学療法剤がトポイソメラーゼI阻害剤から選択される、請求項53に記載の医薬組成物。
  57. KSPを阻害する方法であって、有効量の請求項1〜51のいずれか1項に記載の少なくとも1種の化学物質または請求項52〜56のいずれか1項に記載の医薬組成物にKSPを接触させることを含む、上記方法。
  58. 細胞増殖性疾患を治療する方法であって、それを必要とする被験者に請求項1〜51のいずれか1項に記載の少なくとも1種の化学物質または請求項52〜56のいずれか1項に記載の医薬組成物を投与することを含む、上記方法。
  59. 前記疾患が、癌、過形成、再狭窄、心臓肥大、免疫障害、および炎症から選択される、請求項58に記載の方法。
  60. 細胞増殖性疾患を治療するための医薬の製造における請求項1〜51のいずれか1項に記載の少なくとも1種の化学物質の使用。
  61. KSPキネシン活性に関連する障害を治療するための医薬を製造するための請求項60に規定される少なくとも1種の化学物質の使用。
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