JP2005538062A - 化合物、組成物、および方法 - Google Patents

化合物、組成物、および方法 Download PDF

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Abstract

KSPの活性を変調することにより細胞増殖疾患または障害を治療するのに有用な化合物が開示される。

Description

本発明は、有糸***キネシンKSPの阻害物質であり、細胞増殖性疾患、例えば癌、過形成、再狭窄、心臓肥大、免疫障害、真菌性障害、および炎症の治療に有用である化合物に関する。
癌を治療するのに使用される治療薬のなかで、微小管に作用するものとしてはタキサン系抗癌剤とビンカアルカロイド系抗癌剤がある。微小管は、有糸***紡錘体の一次構造要素である。有糸***紡錘体は、細胞***の結果生じる2つの娘細胞のそれぞれにゲノムの複製コピーを分配するという役割を担う。上記の薬で有糸***紡錘体を混乱させると癌細胞の***が阻害され、その結果癌細胞の死が誘発されると考えられている。しかしながら、微小管は、神経突起における細胞内輸送のためのトラック(路)などの他のタイプの細胞構造も形成している。上記の薬は、有糸***紡錘体を特異的には標的としないので、これらには副作用があり、これがその有用性に限界をつくっている。
もし上記の薬の投与に伴う副作用が減らされた場合に実現されると考えられる治療効果から、癌を治療するのに使用される薬の特異性における改良には相当なる関心がもたれている。
歴史的には、癌の治療における劇的な改良には、新しい機序により作用する治療薬の同定が伴なっている。この例としては、タキサン系抗癌剤のみならず、トポイソメラーゼI阻害物質であるカンプトテシン類が挙げられる。上記2つの視点から、有糸***キネシンは、新しい抗癌薬についての興味をそそる標的である。
有糸***キネシンは、有糸***紡錘体の組み立ておよび機能に必須の酵素であるが、一般に、神経突起などにおける他の微小管構造体の一部ではない。有糸***キネシンは、有糸***の全ての相において重要な役割を演じる。この酵素は、ATPの加水分解により放出されたエネルギーを、微小管に沿っての細胞積荷の方向運動を駆動する機械的力に変換する「分子モーター」である。この任務に十分な触媒ドメインは、約340のアミノ酸からなるコンパクトな構造体である。有糸***の際、キネシンは、微小管を、有糸***紡錘体である二極構造体に編成する。キネシンはまた、紡錘体微小管に沿っての染色体の動き、同様に有糸***の特定の相に伴なって起る有糸***微小管の構造変化にも介在している。有糸***キネシンの作用を実験的に摂動すると有糸***紡錘体の奇形または機能障害を引き起こし、多くの場合細胞周期の停止および細胞死に至る。
有糸***キネシンの内これまでに同定されているのがKSPである。KSPは、逆平行性のホモダイマーからなる二極性のホモテトラマーに組み立てられるプラス末端指向性微小管モーターの進化的に保存されたキネシンサブファミリーに属する。有糸***の間、KSPは有糸***紡錘体の微小管に関与する。KSPに対して指向された抗体をヒト細胞の中に微量注入すると前中期における紡錘体の極分離が妨げられて単極紡錘体の増加が生じ、有糸***の停止が起こり、プログラム細胞死の誘発が起る。KSP、および他の非ヒト生物における関係するキネシンは逆平行性の微小管を束ね、それを互いに対してずらし、その結果2つの紡錘体極を強制的に離す。KSPはまた有糸***後期Bの紡錘体伸長および微小管の紡錘体極への焦点化に介在していると考えられている。
ヒトKSP(HsEg5とも呼ばれる)はこれまでに(Blangy, et al., Cell, 83:1159-69 (1995); Whitehead, et al., Arthritis Rheum., 39:1635-42 (1996); Galgio et al., J. Cell Biol., 135:339-414 (1996); Blangy, et al., J Biol. Chem., 272:19418-24 (1997); Blangy, et al., Cell Motil Cytoskeleton, 40:174-82 (1998); WhiteheadおよびRattner, J. Cell Sci., 111:2551-61 (1998); Kaiser, et al., JBC 274:18925-31 (1999); GenBank受入番号:X85137、NM004523およびU37426)に記載されており、KSP遺伝子(TRIP5)断片はこれまでに(Lee, et al., Mol Endocrinol., 9:243-54 (1995); GenBank受入番号L40372)に記載されている。Xenopus(ツメガエル属のカエル)のKSP相同体(Eg5)、同様にDrosophila(ショウジョウバエ)のKLP61 F/KRP1 30もこれまでに報告されている。
KSPも含めた有糸***キネシンは、新規な抗有糸***の化学療法薬の発見および開発にとって興味をそそる標的である。
本発明の目的は、KSPを阻害するのに有用な化合物、組成物、および方法を提供することにある。
上記に要約されている目的に従って、本発明は、細胞増殖性疾患を治療するのに使用することができる化合物を提供する。その化合物は、KSP阻害物質、特にヒトKSP阻害物質である。本発明はまた、そのような化合物を含む組成物、および、細胞増殖性疾患を治療するのに使用することができるそのような化合物または組成物を利用する方法も提供する。1つの態様では、本発明は、細胞増殖性疾患の治療方法、およびKSPの活性を阻害することによる疾患の治療方法に関する。
上記方法は、次式Iにより表わされる化合物
Figure 2005538062
[式中、
R1は、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-、および置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選ばれ、
R2およびR2'は、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-、および置換されていてもよいヘテロアラルキル-から独立に選ばれるか、あるいはR2およびR2'は一緒になって置換されていてもよい3〜7員環を形成しており、
R12は、置換されていてもよいイミダゾリル-、置換されていてもよいイミダゾリニル-、-NHR4;-N(R4)(COR3);-N(R4)(SO2R3a);および-N(R4)(CH2R3b)からなる群から選択され、
R3は、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-、置換されていてもよいヘテロアラルキル-、R15O-およびR17-NH-から選ばれ、
R3aは、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-、置換されていてもよいヘテロアラルキル-、およびR17-NH-から選ばれ、
R3bは、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-、および置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選ばれ、
R4は、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロシクリル-、および置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選ばれ、
R5、R6、R7およびR8は、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アルキルスルホンアミド、アルキルチオ、カルボキシアルキル、カルボキサミド、アミノカルボニル、置換されていてもよいアリールおよび置換されていてもよいヘテロアリールから独立に選ばれ、
R15は、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-、または置換されていてもよいヘテロアラルキル-であり、
R17は、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアラルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、および置換されていてもよいヘテロアラルキルから選ばれる]、
(式Iは、単一の立体異性体および立体異性体の混合物を包含する)、
式Iの化合物の医薬的に許容される塩、
式Iの化合物の医薬的に許容される溶媒和物、または、
式Iの化合物の医薬的に許容される塩の医薬的に許容される溶媒和物、
を用いる。
1つの態様では、本発明は、式Iの化合物;式Iの化合物の医薬的に許容される塩;式Iの化合物の医薬的に許容される溶媒和物;式Iの化合物の医薬的に許容される塩の医薬的に許容される溶媒和物;の治療的に有効な量を投与することによる、KSPを阻害することにより治療することができる細胞増殖性疾患およびその他の障害の治療方法に関する。そのような疾病および疾患には、癌、過形成、再狭窄、心臓肥大、免疫障害、真菌性障害および炎症が挙げられる。本方法には、上記した化合物の1種または複数種を用いることができることは理解されるところである。
別の態様では、本発明は、KSPキネシンを阻害するのに有用な化合物に関する。そのような化合物は、式Iに示されている構造をもつ化合物;式Iの化合物の医薬的に許容される塩;式Iの化合物の医薬的に許容される溶媒和物;および式Iの化合物の医薬的に許容される塩の医薬的に許容される溶媒和物;から選択される。本発明はまた、式Iの化合物;式Iの化合物の医薬的に許容される塩;式Iの化合物の医薬的に許容される溶媒和物;または式Iの化合物の医薬的に許容される塩の医薬的に許容される溶媒和物;の治療的に有効な量、および1種または複数種の医薬賦形剤を含む医薬組成物にも関する。上記組成物には、上記した化合物の1種または複数種を用いることができることは理解されよう。別の態様では、本組成物はさらに、本発明の化合物以外の化学療法薬を含む。
さらなる態様で、本発明は、KSPキネシンに結合すると考えられる化合物、例えば本発明の化合物が結合するのに取って代わるまたはそれと競合する化合物のスクリーニング方法を提供する。その方法は、本発明の標識化合物、KSPキネシン、および少なくとも1つの候補薬を一緒にすること、および、その候補薬のKSPキネシンへの結合を測定することを含んでなる。
さらなる態様で、本発明は、KSPキネシン活性のモジュレーター(変調物質)のスクリーニング方法を提供する。その方法は、本発明の化合物、KSPキネシン、および少なくとも1つの候補薬を一緒にすること、および、その候補薬のKSPキネシン活性への影響を測定することを含んでなる。
用語の定義
本明細書で使用される場合、以下の語句は、それらが使用されている部分にそうでないと示されている場合を除いて、通常以下に示す意味をもつ。以下の略記号および用語は、本明細書を通して、以下に示す意味を有する。
Ac = アセチル
BNB = 4-ブロモメチル-3-ニトロ安息香酸
Boc = t-ブチルオキシカルボニル
Bu = ブチル
c- = シクロ
CBZ = カルボベンゾキシ = ベンジルオキシカルボニル
DBU = ジアザビシクロ [5.4.0]ウンデク-7-エン
DCM = ジクロロメタン = 塩化メチレン = CH2Cl2
DCE = ジクロロエタン
DEAD = ジエチル アゾジカルボキシレート
DIC = ジイソプロピルカルボジイミド
DIEA = N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMAP = 4-N,N-ジメチルアミノピリジン
DMF = N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO = ジメチルスルホキシド
DVB = 1,4-ジビニルベンゼン
EEDQ = 2-エトキシ-1-エトキシカルボニル-1,2-ジヒドロキノリン
Et = エチル
Fmoc = 9-フルオレニルメトキシカルボニル
GC = ガスクロマトグラフィー
HATU = O-(7-アザベンゾトリアゾl-1-yl)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロフォスフェート
HMDS = ヘキサメチルジシラザン
HOAc = 酢酸
HOBt = ヒドロキシベンゾトリアゾール
Me = メチル
メシル = メタンスルホニル
MTBE = メチル t-ブチルエーテル
NMO = N-メチルモルホリンオキシド
PEG = ポリエチレングリコール
Ph =フェニル
PhOH = フェノール
PfP = ペンタフルオロフェノール
Pht = フタリル
PPTS = ピリジニウムp-トルエンスルホネート
Py = ピリジン
PyBroP = ブロモ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロフォスフェート
rt = 室温
sat'd = 飽和
s- = 二級
t- = 三級
TBDMS = t-ブチルジメチルシリル
TES = トリエチルシリル
TFA = トリフルオロ酢酸
THF-テトラヒドロフラン
TMOF = トリメチルオルトホルメート
TMS = トリメチルシリル
tosyl = p-トルエンスルホニル
Trt = トリフェニルメチル。
アルキルには、直鎖状、分岐状、または環状の脂肪族炭化水素構造およびそれらの組み合せが含まれ、その構造は飽和でも不飽和でもよい。低級アルキルは、1〜15個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子のアルキル基を意味する。低級アルキル基の例としては、メチル-、エチル-、プロピル-、イソプロピル-、ブチル-、s-ブチルおよびt-ブチルなどが挙げられる。好ましいアルキル基は、C20またはそれ以下のものである。より好ましいアルキル基は、C13またはそれ以下のものである。シクロアルキルはアルキルのサブセットであり、3〜13個の炭素原子の環状脂肪族炭化水素基が含まれる。シクロアルキル基の例としては、c-プロピル-、c-ブチル-、c-ペンチル-、ノルボルニル-、アダマンチルなどが挙げられる。シクロアルキル-アルキル-はアルキルのもう1つのサブセットであり、親構造に非環状アルキル-を貫いて結合しているシクロアルキルを意味する。シクロアルキル-アルキル-の例としては、シクロヘキシルメチル-、シクロプロピルメチル-、シクロヘキシルプロピル-などが挙げられる。本出願明細書では、アルキルには、アルカニル-、アルケニルおよびアルキニル残基が含まれ;またビニル-、アリル-、イソプレニルなども含まれる。ある特定の炭素数をもつアルキル残基が指定された場合、その炭素数をもつ全ての幾何異性体も包含される。従って、例えば、「ブチル」には、n-ブチル-、s-ブチル-、イソブチルおよびt-ブチル-が含まれ;「プロピル」には、n-プロピル-、イソプロピル-、およびc-プロピル-が含まれる。
アルキレン-、アルケニレン-、およびアルキニレン-はアルキル-の他のサブセットであり、アルキル-と同じ残基を含むが化学構造内に2つの結合ポイントをもつ。アルキレンの例としては、エチレン(-CH2CH2-)、プロピレン(-CH2CH2CH2-)、ジメチルプロピレン(-CH2C(CH3)2CH2-)、およびシクロヘキシルプロピレン(-CH2CH2CH(C6H13)-)が挙げられる。同様に、アルケニレンの例としては、エチニレン(-CH=CH-)、プロペニレン(-CH=CH-CH2-)、およびシクロヘキシルプロペニレン(-CH=CHCH(C6H13)-)が挙げられる。アルキニレンの例としては、エチニレン(-C≡C-)およびプロピニレン(-CH≡CH-CH2-)が挙げられる。
シクロアルケニルはアルキルの1つのサブセットであり、3〜13個の炭素原子からなる不飽和環状炭化水素基を含んでいる。シクロアルケニル基の例としては、c-ヘキセニル-、c-ペンテニルなどが挙げられる。
アルコキシまたはアルコキシルは、親構造に1個の酸素を貫いて結合している(すなわち、アルキル-O-基)直鎖状、分岐状、または環状構造、もしくはこれらの組み合せをもつ、好ましくは1〜8個の炭素原子を含むアルキル基を意味する。例としては、メトキシ-、エトキシ-、プロポキシ-、イソプロポキシ-、シクロプロピルオキシ-、シクロヘキシルオキシ-などが挙げられる。低級アルコキシは、1個〜4個の炭素を含んでいるアルコキシ基を意味する。
アシルは、親構造にカルボニル官能基を貫いて結合している直鎖状、分岐状、または環状構造もしくはこれらの組み合せの、1〜8個の炭素原子からなる基を意味する。そのような基は、飽和でも不飽和でもよいし、また脂肪族でも芳香族でもよい。アシル残基中の1個または複数個の炭素は、親構造への結合ポイントがそのカルボニルに留まるかぎり、酸素、窒素(例えば、カルボキサミド)、または硫黄で置換されていてもよい。例としては、アセチル-、ベンゾイル-、プロピオニル-、イソブチリル-、オキサリル-、t-ブトキシカルボニル-、ベンジルオキシカルボニル、モルホリニルカルボニルなどが挙げられる。低級アシルは、1個〜4個の炭素を有しているアシル基を意味する。
アミノは、基-NH2を意味する。用語「置換アミノ」は、基-NHRまたは-NRRを意味し、この場合各Rは、次の群:置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアミノカルボニル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいヘテロアリール-、置換されていてもよいヘテロシクリル-、アシル-、アルコキシカルボニル-、スルファニル-、スルフィニルおよびスルホニル-、例えばジエチルアミノ、メチルスルホニルアミノ、フラニル-オキシ-スルホンアミノから独立に選択される。
アミノカルボニル-は基-NRcCORb、-NRcCO2Ra、or-NRcCONRbRcを意味し、ここで
Raは、置換されていてもよいC1〜C6アルキル-、アリール-、ヘテロアリール-、アリール-C1〜C4アルキル-、またはヘテロアリール-C1〜C4アルキル-基であり、
Rbは、Hまたは置換されていてもよいC1〜C6アルキル-、アリール-、ヘテロアリール-、アリール-C1〜C4アルキル-、またはヘテロアリール-C1〜C4アルキル-基であり、
Rcは、水素、アルキル-;アリール-またはヘテロアリール-;であり、
この場合各置換されていてもよいRb基は、C1〜C4アルキル-、アリール-、ヘテロシクリル-、アリール-C1〜C4アルキル-、ヘテロアリール-C1〜C4アルキル-、C1〜C4ハロアルキル-、-OC1〜C4アルキル、-OC1〜C4アルキルフェニル、-C1〜C4アルキル-OH、-OC1〜C4ハロアルキル、ハロゲン、-OH、-NH2、-NRcC(NRb)(NRbRc)(すなわちグアニジン)、-NRcCRbNRbRc、-CNRcNRbRc、-C1〜C4アルキル-NH2、-N(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキル)、-NH(C1〜C4アルキル)、-N(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキルフェニル)、-NH(C1〜C4アルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(ヘテロアリールに対する置換基として)、-CO2H、-C(O)OC1〜C4アルキル-、-CON(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキル)、-CONH(C1〜C4アルキル)、-CONH2、-NHC(O)(C1〜C4アルキル)、-NHC(O)(フェニル)、-N(C1〜C4アルキル)C(O)(C1〜C4アルキル)、-N(C1〜C4アルキル)C(O)(フェニル)、-C(O)C1〜C4アルキル-、-C(O)C1〜C4フェニル-、-C(O)C1〜C4ハロアルキル-、-OC(O)C1〜C4アルキル-、-SO2(C1〜C4アルキル)、-SO2(フェニル)、-SO2(C1〜C4ハロアルキル)、-SO2NH2、-SO2NH(C1〜C4アルキル)、-SO2NH(フェニル)、-NHSO2(C1〜C4アルキル)、NHSO2(フェニル)、および-NHSO2(C1〜C4ハロアルキル)から独立に選択される1個または複数個の置換基で独立に不置換または置換される。
抗有糸***物質は、例えば有糸***中期の停止を引き起こすことにより有糸***を阻害または防止するための薬を意味する。増殖を遮断する抗腫瘍薬があるが、抗有糸***物質と考えられている。
アリールおよびヘテロアリールは、O、NまたはSから選択されるそれぞれ0または1〜14個のヘテロ原子を含んでいる5員または6員芳香族またはヘテロ芳香族環;O、NまたはSから選択されるそれぞれ0または1〜14(またはもっと)個のヘテロ原子を含んでいる二環式9員または10員芳香族またはヘテロ芳香族環系;または、O、NまたはSから選択されるそれぞれ0または1〜14(またはもっと)個のヘテロ原子を含んでいる三環式12員または14員芳香族またはヘテロ芳香族環系を意味する。芳香族6〜14員カルボキシル環としては、例えばフェニル-、ナフチル-、インダニル-、テトラリニル-、およびフルオレニルが挙げられ、5〜10員芳香族ヘテロ環式環としては、例えばイミダゾリル-、ピリジニル-、インドリル-、チエニル-、ベンゾピラノニル-、チアゾリル-、フラニル-、ベンズイミダゾリル-、キノリニル-、イソキノリニル-、キノキサリニル-、ピリミジニル-、ピラジニル-、テトラゾリルおよびピラゾリル-が挙げられる。
アラルキル-は、親構造にアルキル残基を介してアリール部分構造が結合している残基を意味する。例としては、ベンジル-、フェネチル-、フェニルビニル-、フェニルアリルなどが挙げられる。ヘテロアラルキル-は、親構造にアルキル残基を介してヘテロアリール部分構造が結合している残基を意味する。例としては、フラニルメチル-、ピリジニルメチル-、ピリミジニルエチルなどが挙げられる。
アラルコキシ-は、基-O-アラルキルを意味する。同様に、ヘテロアラルコキシ-は基-O-ヘテロアラルキルを意味し;アリールオキシ-は基-O-アリール-を意味し;アシルオキシ-は基-0-アシル-を意味し;ヘテロアリールオキシ-は基-O-ヘテロアリール-を意味し;ヘテロシクリルオキシ-は基-O-ヘテロシクリルを意味する(すなわち、親構造に酸素を介してアラルキル-、ヘテロアラルキル-、アリール-、アシル-、ヘテロシクリル-、またはヘテロアリールが結合している)。
カルボキシアルキル-は基-アルキル-COOHを意味する。
カルボキサミドは基-CONRbRcを意味し、ここで
Rbは、Hまたは置換されていてもよいC1〜C6アルキル-、アリール-、ヘテロアリール-、アリール-C1〜C4アルキル-、またはヘテロアリール-C1〜C4アルキル-基であり、
Rcは、水素、アルキル-;アリール-またはヘテロアリール-;であり、
この場合、各置換されていてもよいRb基は、C1〜C4アルキル-、アリール-、ヘテロシクリル-、アリール-C1〜C4アルキル-、ヘテロアリール-C1〜C4アルキル-、C1〜C4ハロアルキル-、-OC1〜C4アルキル-、OC1〜C4アルキルフェニル-、-C1〜C4アルキル-OH、-OC1〜C4ハロアルキル-、ハロゲン、-OH、-NH2、-C1〜C4アルキル-NH2、-N(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキル)、-NH(C1〜C4アルキル)、-N(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキルフェニル)、-NH(C1〜C4アルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(ヘテロアリールに対する置換基として)、-CO2H、-C(O)OC1〜C4アルキル-、-CON(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキル)、-CONH(C1〜C4アルキル)、-CONH2、-NHC(O)(C1〜C4アルキル)、-NHC(O)(フェニル)、-N(C1〜C4アルキル)C(O)(C1〜C4アルキル)、-N(C1〜C4アルキル)C(O)(フェニル)、-C(O)C1〜C4アルキル-、-C(O)C1〜C4フェニル-、-C(O)C1〜C4ハロアルキル-、-OC(O)C1〜C4アルキル-、-SO2(C1〜C4アルキル)、-SO2(フェニル)、-SO2(C1〜C4ハロアルキル)、-SO2NH2、-SO2NH(C1〜C4アルキル)、-SO2NH(フェニル)、-NHSO2(C1〜C4アルキル)、-NHSO2(フェニル)、および-NHSO2(C1〜C4ハロアルキル)から独立に選択される1つまたは複数の置換基で独立に不置換または置換される。カルボキサミドには、カルバモイル-;低級アルキルカルバモイル-;ベンジルカルバモイル-;フェニルカルバモイル-;メトキシメチル-カルバモイル-なども含まれる。
ハロゲンまたはハロとは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。フッ素、塩素および臭素が好ましい。ジハロアリール-、ジハロアルキル-、トリハロアリールなどは、表示されている複数のハロゲン(ここでは、それぞれ、2個、2個、3個)で置換されたアリールおよびアルキルを意味するが、必ずしも同じハロゲンが複数個ではない。従って、4-クロロ-3-フルオロフェニルはジハロアリール-の中に含まれる。
ヘテロシクリルとは、1〜4個の炭素が、酸素、窒素または硫黄などのヘテロ原子で置換されているシクロアルキルまたはアリール残基を意味する。本発明の範囲内に入るヘテロ環の例としては、アゼチジニル-、イミダゾリニル-、ピロリジニル-、ピラゾリル-、ピロリル-、インドリル-、キノリニル-、イソキノリニル-、テトラヒドロイソキノリニル-、ベンゾフラニル-、ベンゾジオキサニル-、ベンゾジオキシル(置換基として生じる場合は、一般にメチレンジオキシフェニル-と呼ばれる)、テトラゾリル-、モルホリニル-、チアゾリル-、ピリジニル-、ピリダジニル-、ピペリジニル-、ピリミジニル-、チエニル-、フラニル-、オキサゾリル-、オキサゾリニル-、イソオキサゾリル-、ジオキサニル-、テトラヒドロフラニルなどが挙げられる。
「N-ヘテロシクリル」とは、窒素含有へテロ環を意味する。用語ヘテロシクリルには、ヘテロシクリル-のサブセットであるヘテロアリール-も包含される。N-ヘテロシクリル残基の例としては、アゼチジニル-、4-モルホリニル-、4-チオモルホリニル-、1-ピペリジニル-、1-ピロリジニル-、3-チアゾリジニル-、ピペラジニルおよび4-(3,4-ジヒドロベンゾオキサジニル)が挙げられる。置換ヘテロシクリルの例としては、4-メチル-l-ピペラジニルおよび4-ベンジル-l-ピペリジニル-が挙げられる。
脱離基または原子は、脱離反応条件下で、その出発物質から脱離し、その結果特定された部位における反応を促進する基または原子である。そのような基の好適な例は、特に断らない限り、ハロゲン原子、メシルオキシ基、p-ニトロベンゼンスルホニルオキシ基およびトシルオキシ基である。
任意のまたは場合によりとは、後に記載される事象または状況が起る場合もあるし起らない場合もあることを意味し、またその表現には、そのような事象または状況が起こる場合と、起らない場合が含まれる。例えば、「置換されていてもよいアルキル」には、本明細書で定義した「アルキル」および「置換アルキル」が含まれる。1つ以上の置換基を含む基に関して、そのような基は、立体的に非現実的であるおよび/または合成の点から実現可能でないおよび/または本質的に不安定である置換または置換パターンを導入することを意図するものではないことは、当業者なら理解すると思われる。
置換アルコキシとは、アルキル構成要素が置換されたアルコキシ[すなわち、-0-(置換アルキル)]を意味する。1つの好適な置換アルコキシ基は「ポリアルコキシ」または-O-(置換されていてもよいアルキレン)-(置換されていてもよいアルコキシ)であり、-OCH2CH20CH3などの基、およびポリエチレングリコールなどのグリコールエーテルの残基、および-O(CH2CH2O)xCH3[式中xは、凡そ2〜20、好ましくは凡そ2〜10、より好ましくは凡そ2〜5の整数である]が含まれる。もう1つの好適な置換アルコキシ基は、ヒドロキシアルコキシまたは-OCH2(CH2)yOH[式中yは、凡そ1〜10、好ましくは凡そ1〜4の整数である]である。
置換アルキル-、アリール-、およびヘテロアリール-とは、それぞれ、1つまたは複数(最大凡そ5まで、好ましくは最大凡そ3まで)の水素原子が、次に示す基から独立に選択される置換基により置換されているアルキル-、アリール-、およびヘテロアリールを意味する。すなわちその基とは:-Ra、-ORb、-O(C1〜C2アルキル)O-(アリール置換基として)、-SRb、-NRbRc、-NRcC(NRb)(NRbRc)(すなわちグアニジン)、-NRcCRbNRbRc、-CNRcNRbRc、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-CORb、-CO2Rb、-CONRbRc、-OCORb、-OCO2Ra、-OCONRbRc、-NRcCORb、-NRcCO2Ra、-NRcCONRbRc、-OC2Rb-、-CONRbRc、-NRcCORb、-SORa、-SO2Ra、-SO2NRbRc、および-NRcSO2Raであり[式中Raは、置換されていてもよいC1-C6アルキル-、アリール-、ヘテロアリール-、アリール-C1〜C4アルキル-、またはヘテロアリール-C1〜C4アルキル-基であり;Rbは、Hまたは置換されていてもよいC1-C6アルキル-、アリール-、ヘテロアリール-、アリール-C1〜C4アルキル-、またはヘテロアリール-C1-C4アルキル-基であり;Rcは、水素、アルキル-、アリール-またはヘテロアリール-である];この場合各置換されていてもよいRa基およびRb基は、C1-C4アルキル-、アリール-、ヘテロシクリル-、アリール-C1〜C4アルキル-、ヘテロアリール-C1〜C4アルキル-、C1〜C4ハロアルキル-、-OC1〜C4アルキル-、-OC1〜C4アルキルフェニル-、-C1〜C4アルキル-OH、-OC1〜C4ハロアルキル-、ハロゲン、-OH、-NH2、-C1〜C4アルキル-NH2、-N(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキル)、-NH(C1〜C4アルキル)、-N(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキルフェニル)、-NH(C1〜C4アルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(ヘテロアリールに対する置換基として)、-CO2H、-C(O)OC1〜C4アルキル-、-CON(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキル)、-CONH(C1〜C4アルキル)、-CONH2、-NHC(O)(C1〜C4アルキル)、-NHC(O)(フェニル)、-N(C1〜C4アルキル)C(O)(C1〜C4アルキル)、-N(C1〜C4アルキル)C(O)(フェニル)、-C(O)C1〜C4アルキル-、-C(O)C1〜C4フェニル-、-C(O)C1〜C4ハロアルキル-、-OC(O)C1〜C4アルキル-、-SO2(C1〜C4アルキル)、-SO2(フェニル)、-SO2(C1〜C4ハロアルキル)、-SO2NH2、-SO2NH(C1〜C4アルキル)、-SO2NH(フェニル)、-NHSO2(C1〜C4アルキル)、-NHSO2(フェニル)、および-NHSO2(C1〜C4ハロアルキル)から独立に選択される1つまたは複数の置換基で独立に不置換または置換される。
スルファニルは、基:-S-(置換されていてもよいアルキル)、-S-(置換されていてもよいアリール)、-S-(置換されていてもよいヘテロアリール)、および-S-(置換されていてもよいヘテロシクリル)を意味する。
スルフィニルは、基:-S(O)-H、-S(O)-(置換されていてもよいアルキル)、-S(O)-(置換されていてもよいアリール)、-S(O)-(置換されていてもよいヘテロアリール)、-S(O)-(置換されていてもよいヘテロシクリル)、および-S(O)-(置換されていてもよいアミノ)を意味する。
スルホニルは、基:-S(O2)-H、-S(O2)-(置換されていてもよいアルキル)、-S(O2)-(置換されていてもよいアリール)、-S(O2)-(置換されていてもよいヘテロアリール)、-S(O2)-(置換されていてもよいヘテロシクリル)、-S(O2)-(置換されていてもよいアルコキシ)、-S(O2)-置換されていてもよいアリールオキシ)、-S(O2)-(置換されていてもよいヘテロアリールオキシ)、-S(O2)-(置換されていてもよいヘテロシクリルオキシ)、および-S(O2)-(置換されていてもよいアミノ)を意味する。
医薬的に許容される塩は、適切な酸または塩基と一緒に形成された塩であって、その遊離の化合物の生物学的有効性が保持され、また医薬使用にとって生物学的に望ましくないまたは適していないものではない塩を意味し、それらとしては、医薬的に許容される酸付加塩および塩基付加塩が挙げられる。
医薬的に許容される酸付加塩としては、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸から誘導されるもの、および酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、シンナム酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サルチル酸などの有機酸から誘導されるものが挙げられる。
医薬的に許容される塩基付加塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩、アルミニウム塩などの無機塩(基)から誘導されるものが挙げられる。特定の実施形態は、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、およびマグネシウム塩である。塩基付加塩としては、医薬的に許容される非毒性有機塩基から誘導されるものも挙げられ、それらには、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノールアミンなどの、第一級アミン、第二級アミン、および第三級アミンの塩;天然に存在する置換アミンを含めた置換アミンの塩;環状アミンの塩;および塩基性イオン交換樹脂が挙げられる。
保護基は、有機合成で通常に使われている意味、すなわち、多官能化合物の1つまたは複数の反応部位を選択的にブロックする基であって、保護されていない他の反応部位で化学反応を選択的に行い、その選択的反応が完結した後容易に脱離させることができる基を意味する。例えば、T. H. Greene and P. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, Third Edition, John Wiley & Sons, New York (1999)[この文献はその全体が参照により本明細書に組み込まれる]には、色々な保護基が開示されている。例えば、ヒドロキシ保護形では、化合物中に存在するヒドロキシル基の少なくとも1個がヒドロキシ保護基で保護されている。同様に、アミンや他の反応性基を同じように保護することができる。
溶媒和物は、溶媒と、式Iの化合物またはその塩との相互作用により生成する化合物を意味し、当業者には理解されるように、例えば結晶構造の中に、溶媒が一緒に取り込まれている化合物または塩である。式Iの化合物またはその塩の好適な溶媒和物は、水和物(すなわち、溶媒が水であるもの)などの、医薬的に許容される溶媒で生成されたものである。
本明細書に記載されている化合物の多くは1つまたは複数の不斉中心を有しており(例えば、R2とR2'が異なる場合のR2とR2'が結合している炭素)、従って、(R)-または(S)-のように、純粋立体化学から定義することができる鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および他の立体異性体の生成があり得る。本発明には、ラセミ混合物、光学的純粋体および中間混合物も含めた全てのそのような考えられ得る異性体が含まれる。光学的に活性な(R)-および(S)-異性体はキラルシントンまたはキラル試薬を用いて調製することができ、あるいは在来の手法を用いて分割することができる。本明細書に記載される化合物がオレフィン性二重結合またはその他の幾何不斉中心をもつ場合、そうでないと断らないかぎり、その化合物はEおよびZ幾何異性体の両方を含むこととする。同様に、全ての多形体および回転異性体も含まれることとする。
望まれる場合は、R-およびS-異性体は、当業者に知られている方法により分割することができ、例えば、ジアステレオ異性体の塩または錯体を生成させることにより(これは、例えば、結晶化により分離することができる);ジアステレオ異性体の誘導体を生成させることにより(これは、例えば、結晶化、ガス・液体クロマトグラフィーまたは液体クロマトグラフィーにより分離することができる);1つの鏡像異性体と鏡像異性体特異的試薬を選択的に反応させ(例えば酵素酸化または還元)その後得られた変性鏡像異性体と無変性鏡像異性体を分離することにより;あるいは、キラル環境での(例えば、キラルリガンドが結合されているシリカなどのキラル支持体上での、あるいはキラル溶媒の存在下での)ガス・液体クロマトグラフィーまたは液体クロマトグラフィーにより;分割することができる。
所望の鏡像異性体を上記した分離方法の内の1つにより別の化学単体に変換する場合は、その所望鏡像異性体形体を遊離させるのにはさらなる工程が必要とされるかも知れないことは解ると思われる。別の方法として、特定の鏡像異性体は、光学的に活性な試薬、支持体、触媒、または溶媒を用いる不斉合成により、あるいは不斉変換により1つの鏡像異性体を他の鏡像異性体に変換することにより合成することができる。
本発明の化合物
本発明は、イソキノロン誘導体と呼ぶことができ、1つまたは複数のキネシン系タンパク質の阻害物質でもある新規な化合物の群に関する。有糸***キネシンは阻害するが他のキネシン(例えば、輸送キネシン)は阻害しないことにより、細胞増殖の特異的阻害が達成される。理論に縛られることを意図するものではないが、本発明は、有糸***のキネシンの作用の摂動により有糸***紡錘体の奇形または機能障害が引き起こされ、多くの場合細胞周期の停止と細胞死に至るという発見に基づくものである。本発明の1つの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、有糸***キネシン、KSP、特にヒトKSPを阻害する。別の実施形態では、本化合物は、HSET(参照:米国特許第6,361,993号;参照により本明細書に組み入れる);MCAK(参照:米国特許第6,331,424号;参照により本明細書に組み入れる);CENP-E(参照:PCT公開第WO 99/13061号;参照により本明細書に組み入れる);Kif4(参照:米国特許第6,440,684号;参照により本明細書に組み入れる);MKLP1(参照:米国特許第6,448,025号;参照により本明細書に組み入れる);Kifl5(参照:米国特許第6,355,466号;参照により本明細書に組み入れる);Kid(参照:米国特許第6,387,644号;参照により本明細書に組み入れる);Mpp1、CMKrp、KinI-3(参照:米国特許第6,461,855号;参照により本明細書に組み入れる);Kip3a(参照:PCT公開第WO 01/96593号;参照により本明細書に組み入れる);Kip3d(参照:米国特許第6,492,151号;参照により本明細書に組み入れる);およびRabK6;からなる群から選択されるヒト有糸***キネシン系タンパク質の1つまたは複数をモジュレート(変調)するのと同じくらいに、有糸***キネシンであるKSPを阻害する。
有糸***キネシンの阻害方法は、本発明の阻害物質と、キネシン、詳細にはヒトキネシン、より詳細にはヒトKSPまたはその断片および変形体とを接触させることを含んでなる。上記阻害は、KSPキネシンのATP加水分解活性および/または有糸***紡錘体形成活性の阻害であることができ、その結果その有糸***紡錘体が乱される。減数***紡錘体も乱される。
本発明は、細胞増殖が関与する疾患を治療するための、有糸***キネシン系タンパク質、詳細にはKSPで特にヒトKSPの阻害薬を提供するものである。本明細書に記載される化合物、組成物、および方法は、その選択性が異なることはあり得るが、限定するものではないが、癌、過形成、再狭窄、心臓肥大、免疫障害、真菌性障害、および炎症などを含めた細胞増殖疾患を治療するのに使用される。
つまり、本発明は、次式I
Figure 2005538062
[式中、
R1は、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-、および置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選ばれ、
R2およびR2'は、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-、および置換されていてもよいヘテロアラルキル-から独立に選ばれるか、あるいはR2およびR2'は一緒になって置換されていてもよい3〜7員環を形成しており、
R12は、置換されていてもよいイミダゾリル-、置換されていてもよいイミダゾリニル-、-NHR4;-N(R4)(COR3);-N(R4)(SO2R3a);および-N(R4)(CH2R3b)からなる群から選択され、
R3は、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-、置換されていてもよいヘテロアラルキル-、R15O-およびR17-NH-から選ばれ、
R3aは、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-、置換されていてもよいヘテロアラルキル-、およびR17-NH-から選ばれ、
R3bは、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-、および置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選ばれ、
R4は、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロシクリル-、および置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選ばれ、
R5、R6、R7およびR8は、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アルキルスルホンアミド、アルキルチオ、カルボキシアルキル、カルボキサミド、アミノカルボニル、置換されていてもよいアリールおよび置換されていてもよいヘテロアリールから独立に選ばれ、
R15は、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-、または置換されていてもよいヘテロアラルキル-であり、
R17は、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアラルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、および置換されていてもよいヘテロアラルキルから選ばれ、
個々の立体異性体および立体異性体の混合物も含まれる]により表わされる化合物、
式Iの化合物の医薬的に許容される塩、
式Iの化合物の医薬的に許容される溶媒和物、または、
式Iの化合物の医薬的に許容される塩の医薬的に許容される溶媒和物、
を用いる方法に関する。ある特定の実施形態では、R2およびR2'が結合している立体中心はR配置のものである。
命名法
式Iの化合物は、以下に記載されるように(例えば、ISIS-DRAWにおけるAutoNom version 2.1、またはChemDrawを用いて)命名および付番される。例えば、次の化合物:
Figure 2005538062
すなわち、R1がベンジル-であり、R2がプロピル(またはi-プロピル)であり、R2'が水素であり;R12が置換イミダゾリニルであり[この場合、R10およびR10'はメチルであり、R11およびR11'は水素であり、R14はp-トリルである];R5、R6、およびR8が水素であり;R7がクロロである式Iにより表わされる化合物は、2-ベンジル-6-クロロ-3-[1-(4,4-ジメチル-2-p-トリル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル)-2-メチル-プロピル]-2H-イソキノリン-1-オンと命名することができる。
同様に、次の化合物:
Figure 2005538062
すなわち、R1がベンジル-であり、R2がプロピル(またはi-プロピル)であり、R2'が水素であり;R12が-N(R4)(COR3)[式中、R4は3-アミノプロピル-であり、R3はp-トリルである]であり;R5、R6、およびR8が水素であり;R7がクロロである式Iにより表わされる化合物は、N-(3-アミノ-プロピル)-N-[1-(2-ベンジル-6-クロロ-1-オキソ-1,2-ジヒドロ-イソキノリン-3-イル)-2-メチルプロピル]-4-メチル-ベンズアミドと命名することができる。
合成反応のパラメーター
式Iの化合物は、以下の反応図式に記載されている手順を追うことにより調製することができる。
特に断らない限り、用語「溶媒」、「不活性有機溶媒」、または「不活性溶媒」は、記載されている関連の反応の条件下で不活性である溶媒を意味する[例えば、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(「THF」)、ジメチルホルムアミド(「DMF」)、クロロホルム、塩化メチレン(またはジクロロメタン)、ジエチルエーテル、メタノール、ピリジンなどが挙げられる]。そうでないと断らない限り、本発明の反応で用いられる溶媒は、不活性有機溶媒である。
用語「q. s.」は、記述されている作用を達成するのに十分な量を加えること、例えば、所望の容量(すなわち、100%)に溶液をもってくること、を意味する。
一般にカルボン酸のエステルは慣用のエステル化法により調製することができ、例えばアルキルエステルは、通常酸性の条件の下、エステル化する必要のあるカルボン酸を適切なアルカノールで処理することにより調製することができる。同様に、アミドは慣用のアミド化法により調製することができ、例えばアミドは、活性カルボン酸を適切なアミンで処理することにより調製することができる。別の方法として、Tetrahedron Lett. 48, 4171-4173, (1977)に記載されている方法に従って、場合によってはトリメチルアルミニウムの存在下に、上記酸のメチルエステルなどの低級アルキルエステルをアミンで処理して必要とされるアミドを得ることができる。カルボキシル基はアルキルエステルとして、タンパク質メチルエステルとして保護することができ、このエステルは慣用の方法を用いて調製および脱離することができ、カルボメトキシをカルボキルに変換する1つの都合のよい方法は水酸化リチウム水溶液を使用する方法である。
本明細書に記載される化合物の塩および溶媒和物は、必要に応じて、当技術分野で慣用の方法によりつくることができる。例えば、本発明の化合物が酸である場合、所望の塩基付加塩は、その遊離の酸を、アミン(第一級、第二級、または第三級);アルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物;などの無機塩基または有機塩基で処理することにより調製することができる。好適な塩の例示としては、グリシンおよびアルギニンなどのアミノ酸;アンモニア;第一級アミン、第二級アミン、および第三級アミン;エチレンジアミンなど、およびシクロヘキシルアミン、ピペリジン、モルホリン、およびピペラジンなどの環状アミン;から誘導された有機塩、ならびに、ナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム、およびリチウムから誘導された無機塩が挙げられる。
化合物が塩基である場合、所望の酸付加塩は、当技術分野で知られている適当な方法により調製することができ、例えばその遊離の塩基を無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などで処理する方法、あるいは有機酸、例えば酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サルチル酸、グルクロン酸またはガラクツロン酸などのピラノシジル酸、クエン酸または酒石酸などのα-ヒドロキシ酸、アスパラギン酸またはグルタミン酸などのアミノ酸、安息香酸またはシンナム酸などの芳香族酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸などのスルホン酸などで処理する方法が挙げられる。
本明細書に記載される化合物および中間体の単離および精製は、望まれる場合は、例えば濾過、抽出、結晶化、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィーまたは厚層クロマトグラフィー、あるいはこれらの方法の組み合せなどの適切な分離または精製方法により行うことができる。適切な分離および単離の方法の具体的な説明は、後に示す実施例を参照することでみることができる。しかしながら、他の同等の分離または単離の方法も当然用いることができる。
式Iの化合物の合成
式Iの化合物は、米国特許出願第10/366,828号および対応のPCT出願第US03/04713号;および、PCT公開第WO 01/30768号および第WO 01/98278号に記載の方法に従うことにより調製することができる。これらそれぞれは、以下の反応図式[Reaction Scheme]に関連して、あらゆる目的のために、参照により、本明細書に組み込まれる。
反応図式の簡単な説明
反応図式1は、式Iの化合物の合成における中間体(すなわち、式113で表わされる化合物)の合成を説明するものである。
反応図式2は、式113で表わされる化合物から、R12が-N(R4)(COR3)である式Iの化合物の合成を説明するものである。
反応図式3は、式203の化合物から、R12が-N(R4)(SO2R3a)である式Iの化合物の合成を示すものである。
反応図式4は、式203の化合物から、R12が-N(R4)(CH2R3b)である式Iの化合物の合成を示すものである。
反応図式5は、式113の化合物から、R12が置換されていてもよいイミダゾリルである式Iの化合物の合成を示すものである。
反応図式6は、式113の化合物から、R12が置換されていてもよいイミダゾリルである式Iの化合物の合成を示すものである。
反応図式7は、式113の化合物から、R12が置換されていてもよいイミダゾリニルである式Iの化合物の合成を示すものである。
反応図式8は、式705で表わされる化合物から、R12が置換されていてもよいイミダゾリニルである式Iの化合物の合成を示すものである。
反応図式9は、式203で表わされる化合物から、R12が-N(R4)(COR3)であり、R3が-OR15である式Iの化合物の合成を示すものである。
反応図式10は、式203の化合物から、R12が-N(R4)(COR3)であり、R3が-NHR17である式Iの化合物の合成を示すものである。
反応図式11は、R12が置換されていてもよいイミダゾリルである式Iの化合物の合成を示すものである。
反応図式12は、式113の化合物から、R12が置換されていてもよいイミダゾリニルである式Iの化合物の合成を示すものである。
出発原料
式101で表わされる置換されていてもよい安息香酸、およびその他の反応体は、例えばAldrich Chemical Company(Milwaukee, WI)から、市販されているか、または、普通に用いられる合成方法を用いて、当業者が容易に調製することができる。
反応図式1
Figure 2005538062
Figure 2005538062
式103で表わされる化合物の調製
反応図式1のステップ1[Step 1]を見てみるに、式101で表わされる置換されていてもよいカルボン酸を、適切な保護基で保護する。例えば、次の方法を用いて、上記カルボン酸のエステルを調製する。式101の化合物と塩化チオニルの極性非プロトン性溶媒(DMFなど)溶液を、その混合物が均質になるまで温める。得られた溶液を濃縮する。メタノールなどの低級アルカノールを次に加える。得られた、置換されていてもよい式103の化合物を単離し、精製する。
式105で表わされる化合物の調製
反応図式1のステップ2を見てみるに、式103の化合物を、式104の化合物にカップリングさせる。色々な反応条件を用いて、この反応を行わせることができる。例えば、(ジフェニルホスフィンフェロセニル)ジクロロパラジウムまたはトリス(ジベンジリデンアセトン)-ジパラジウムなどのパラジウム触媒;炭酸セシウムまたはトリエチルアミンなどの塩基;および、トリフェニルアルシンまたはトリフェニルホスフィンなどのリガンド;を用いるSonogashiraカップリング条件、トリス(ジベンジリジンアセトン)-ジパラジウムなどのパラジウム触媒;塩化リチウム;および、トリフェニルアルシン;を用いるStille条件、あるいは式104の化合物を、カテコールボランまたは9-ボラビシクロ [3.3.1]ノナンなどのボランで処理し、得られた2つのフラグメントを、上記したものなどのパラジウム触媒、炭酸セシウムなどの塩基、およびトリフェニルアルシンを用いてカップリングさせるSuzukiカップリング条件などである。
1つの実施形態によれば、式103で表わされる化合物;少し過剰量(好ましくは約1.1当量)の式104で表わされるアセチレン化合物;ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(n)などのパラジウム触媒で好ましくはその触媒約0.025当量;および、トリエチルアミンなどの塩基中のヨウ化銅;の混合物を約50℃で加熱する。得られた、置換されていてもよい式105の化合物を単離し、精製する。
式107で表わされる化合物の調製
反応図式1のステップ3を見てみるに、上記保護基をこの後上記カルボン酸から脱離させる。保護基が低級アルキルエステルである場合は、高温でアルコール性塩基水溶液で処理することにより脱離させることができる。例えば、メチルエステルは、そのエステルを、約50℃で30分間、水酸化カリウムのメタノール、THF、およびアルコールの1:1:1溶液で処理することにより、対応するカルボン酸に変換することができる。得られた、置換されていてもよい式107の化合物を単離し、さらなる精製なしに用いる。
式109で表わされる化合物の調製
反応図式1のステップ4を見てみるに、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(約0.050当量)を、式107の化合物と、トリエチルアミンなどの塩基との、THFなどの非極性、非プロトン性溶媒の溶液に加える。得られた溶液を、高温、好ましくは約50℃に維持する。得られた対応の、置換されていてもよい式109で表わされるイソクロメン-1-オンを単離し、精製する。
式111で表わされる化合物の調製
反応図式1のステップ5を見てみるに、式109のイソクロメン-1-オンと、式R1NH2で表わされる過剰量(好ましくは約3当量)の第一級アミンとの、トルエンなどの非極性溶媒溶液を、還流で、好ましくは約140℃で加熱する。得られたアミドを単離し、メタノールなどの極性、プロトン性溶媒に溶解させる。得られた溶液に、酸水溶液、好ましくは約5%の塩化水素酸水溶液を加え、これをこの後約50℃に加熱する。反応を完結させるために、必要な場合は、さらなるアルコール性酸水溶液を加えることができる。得られた対応の、式111で表わされる置換されていてもよい2H-イソキノリン-l-オンを単離し、精製する。
式113で表わされる化合物の調製
反応図式1のステップ6を見てみるに、上記保護基が第一級アミンから脱離される。好ましい実施形態では、保護基はBocであり、その脱離は、室温にてTFA水溶液で処理することにより達成することができる。得られた生成物、すなわち式113で表わされる化合物を単離するが、これはさらなる精製なしに用いることができる。
本発明の一部の化合物では、R2置換基に対して、(R)異性体のような特定の立体配置が好まれることがあるが、これらは得ることができる。式113で表わされるアミンを、不活性有機溶媒(IPAなど)に溶解させ、60℃に温める。別の容器で、溶解剤(ジベンゾイル-D-酒石酸など)を、好ましくは上記と同じ温かい溶媒に溶解させ、次いで(撹拌しながら)上記の温かいアミン溶液に素早く加える。得られた反応混合物をそのまま撹拌を続けながら16時間かけて室温まで冷却させることにより結晶化させる。得られた所望の異性体、例えば(R)異性体を、通常のやり方で単離し、精製する。
式Iの化合物の合成についてのこれ以降の明細書が短くなるために記すが、単一の異性体、または異性体の混合物、のどちらを用いても対応する生成物を得ることができることは理解されるべきである。
反応図式2
Figure 2005538062
Figure 2005538062
式203の調製
反応図式2のステップ1を見てみるに、式113の化合物の溶液に、R4'(すなわち、式R4'CHO[式中R4'CH2-はR4に等しく、R4は上記で説明した通りであるか、または、そのような置換基に対する保護前駆体、例えば(3-オキソ-プロピル)-カルバミン酸t-ブチルエステル、である)を有している若干の過剰量(好ましくは約1.2当量)のアルデヒドと、トリアセトキシホウ水素化ナトリウムなどの還元剤を連続して加える。得られた混合物を数時間撹拌する。得られた生成物、すなわち式203で表わされる化合物を単離し、精製する。
式205の調製
反応図式2のステップ2を見てみるに、式203の化合物と、ジイソプロピルエチルアミンなどのアミン塩基の、ジクロロメタンなどの非極性、非プロトン性溶媒溶液に、R3塩化アシル(C1〜C(O)-R3[式中R3は上記で説明したとおりである]など)を加える。得られた溶液を、窒素下、室温で、数時間撹拌する。得られた生成物、すなわち式205の化合物を単離し、精製する。
式207の調製
場合によっては、式205で表わされる化合物上の保護基を、この後脱離させる。例えば、R4が、保護基がBoc基である保護されたアミンを有する場合、このBoc基は、式205で表わされる化合物を、反応をおよそ室温に維持しながら、ジクロロメタンなどの非極性、非プロトン性溶媒中で、トリフルオロ酢酸などの酸で処理することにより脱離させることができる。反応を、例えばTLCにより、追跡する。反応が完結したら、得られた生成物、すなわち式207で表わされる化合物を単離し、精製する。
反応図式3
Figure 2005538062
反応図式3を見てみるに、式203で表わされる化合物と、ジイソプロピルエチルアミンなどのアミン塩基の、ジクロロメタンなどの非極性、非プロトン性溶媒の溶液に、式Cl-S(0)2-R3aまたは0-(S(0)2-R3a)2[式中R3aは上記で説明したとおりである]を有する化合物を加える。得られた溶液を、窒素下、室温で、数時間撹拌する。得られた生成物、すなわち式303で表わされる化合物を単離し、精製する。
反応図式4
Figure 2005538062
反応図式4を見てみるに、式203で表わされる化合物と、ジイソプロピルエチルアミンなどのアミン塩基の、ジクロロメタンなどの非極性、非プロトン性溶媒の溶液に、式C1〜CH2-R3b[式中R3bは上記で説明したとおりである]を有する化合物を加える。得られた溶液を、窒素下、室温でもしくは加熱しながら、数時間撹拌する。得られた生成物、すなわち式403で表わされる化合物を単離し、精製する。
反応図式5
Figure 2005538062
Figure 2005538062
式503の調製
反応図式5のステップ1を見てみるに、塩基(炭酸カリウムなど)の存在下に極性、非プロトン性溶媒(DMFなど)に溶解させた式113で表わされる置換されていてもよい化合物に、保護されたアルデヒドが脱離基、好ましくはハライドをさらに有している置換されていてもよい適切に保護されたアルデヒドの1当量を加える。得られた溶液を還流で加熱し、反応の完結を追跡する(例えば、TLCにより)。得られた反応混合物を冷却させ、得られた対応の、式503で表わされる置換されていてもよい化合物を単離し、精製する。
式505の調製
反応図式5のステップ2を見てみるに、アミン塩基(トリエチルアミンなど)約1.5モル当量の存在下の不活性溶媒(ジクロロメタンなど)中の式503で表わされる置換されていてもよい化合物に、C1〜C(O)-R9[式中、R9は上記で説明したとおりである]などのR9酸塩化物の約1.5モル当量を加える。反応を、撹拌しながら、室温で、4〜24時間行わせる。反応の完結を、例えばTLCにより追跡する。得られた対応する式505で表わされる化合物を単離し、精製する。
式507の調製
反応図式5のステップ3を見てみるに、式505で表わされる化合物および過剰量の酢酸アルミニウムの酢酸溶液を、還流で1〜4時間加熱する。反応の完結を、例えばTLCにより追跡する。得られた対応する式507で表わされる化合物を単離し、精製する。
反応図式6
Figure 2005538062
Figure 2005538062
式603の調製
反応図式6のステップ1を見てみるに、DMFなどの極性、非プロトン性の溶媒中の、式113で表わされる化合物、式R13'(CO)CH2X[式中Xは脱離基(ハライドなど)であり、R13'は上記で説明したとおりである]で表わされるα-ハロケトン試薬、および約1当量の炭酸カリウムなどの塩基、の懸濁液を室温で撹拌する。得られた反応液を水で希釈し、その結果得られる固形物、すなわち式603で表わされる化合物を、これ以上精製することなく、次のステップで用いる。
式605の調製
反応図式6のステップ2を見てみるに、式603の化合物、凡そ1当量のトリエチルアミンなどのアミン塩基、および凡そ1当量の酸塩化物(式R9-COClで表わされる化合物など)の、塩化メチレンなどの有機溶媒溶液を室温で数時間撹拌する。反応完結を、例えばTLCにより追跡する。得られた対応の式605で表わされる化合物を単離し、精製する。
式607の調製
反応図式6のステップ3を見てみるに、式605の化合物および過剰量の酢酸アンモニウムの酢酸溶液を、Dean-Starkのトラップとコンデンサーを使用して還流で加熱する。反応完結を、例えばTLCにより追跡する。得られた対応の式607で表わされる化合物を単離し、精製する。
式609の調製
場合によっては、基R13'が、保護基をもつ官能基を有している場合、その保護基を脱離させる。つまり、R13'が、Pht基をもつアミンをさらに有している場合、その保護基を、反応図式6のステップ4に示されているように脱離させる。式607の化合物および過剰量の無水ヒドラジンの、エタノールなどの極性、プロトン性溶媒溶液を還流で加熱する。エタノール反応液を約5℃に冷却させ、沈殿物を全て濾過除去する。得られた濾液を真空中で濃縮し、精製することによって式609で表わされる化合物を得る。
反応図式7
Figure 2005538062
Figure 2005538062
式703の調製
反応図式7のステップ1を見てみるに、置換されていてもよいアルデヒド含有カルバミン酸エステル(Seki et. al. Chem. Pharm. Bull. 1996, 44、2061)を用いての、式113で表わされるアミン(WO 0130768に記載されているように調製した)の還元的アミン化によりウレタン中間体を得る。Boc保護基の脱離により、式705で表わされるアミンを得る。
より具体的には、式113の化合物および当量の適切に保護されたアルデヒド(Seki et. al. Chem. Pharm. Bull. 1996, 44、2061)の溶液に、若干の過剰量の、アセトキシホウ水素化ナトリウムなどの還元剤を加える。結果として得られた曇った混合物を周囲温度に維持する。反応完結を、例えばTLCにより追跡する。得られた対応の式703で表わされる化合物を単離し、精製することなく次のステップで用いる。
式705の調製
反応図式7のステップ2を見てみるに、アミン保護基であるPGを次に脱離させる。例えば、PGがBocである場合、式703で表わされる化合物の、ジクロロメタンなどの非極性、非プロトン性溶媒溶液に、トリフルオロ酢酸などの強酸を加える。結果として得られた溶液を、周囲温度に一晩維持し、減圧下で濃縮する。得られた残留物を単離して、式705で表わされる化合物を得たが、これは精製することなく次のステップで用いた。
式707の調製
反応図式7のステップ3を見てみるに、式705で表わされる化合物の、ジクロロメタンなどの非極性、非プロトン性溶媒溶液に、先ず過剰量の、好ましくは約2当量の、トリエチルアミンなどのアミン、次いで凡そ当量または若干の過剰量の式R14COClで表わされる酸塩化物を加える。結果として得られた溶液を周囲温度で凡そ3時間撹拌する。反応完結を、例えばTLCにより追跡する。得られた対応の式707で表わされる化合物を単離し、精製する。
式709の調製
反応図式7のステップ4を見てみるに、式707で表わされる化合物の、過剰量のオキシ塩化リン溶液を還流で加熱する。8時間後、得られた反応混合物を周囲温度まで冷却させ、減圧下で濃縮する。得られた対応の式709で表わされる化合物を単離し、精製する。
反応図式8
Figure 2005538062
式709の調製
反応図式7のステップ3および4に代わるものとして、先ず式705で表わされる第一級アミンのアシル化、その後の酢酸介在の環化は、中間体アミドを単離することなく進めることができ、式709で表わされる目的化合物が得られる。この反応経路は反応図式8に示されている。
より具体的には、式705で表わされる化合物の、ジクロロメタンなどの非極性、非プロトン性溶媒溶液に、先ず過剰量の、好ましくは凡そ2当量の、トリエチルアミンなどのアミン塩基、次いで凡そ当量の式R14COClで表わされる酸塩化物を加える。結果として得られた溶液を周囲温度で2時間撹拌し、次いで減圧下で蒸発させる。結果として得られた固形物を氷酢酸で処理し、次いで結果として得られた懸濁液を還流で凡そ48時間加熱する。得られた反応液を周囲温度まで冷却させ、その後減圧下で蒸発させる。得られた対応の式709で表わされる化合物を単離し、精製する。
反応図式9
Figure 2005538062
反応図式9を見てみるに、ジクロロメタンなどの非極性、非プロトン性溶媒中で、トリエチルアミンなどの塩基の存在下に、式203で表わされる化合物を、若干の過剰量の式R15O(CO)Clで表わされる化合物と反応させる。得られた生成物、すなわち式903で表わされる化合物を単離し、精製する。
反応図式10
Figure 2005538062
反応図式10を見てみるに、ジクロロメタンなどの非極性、非プロトン性溶媒中で、トリエチルアミンなどの塩基の存在下に、式203で表わされる化合物を、若干の過剰量のイソシアネートR17-N=C=Oで処理する。得られた生成物、すなわち式1003で表わされる化合物を単離し、精製する。
反応図式11
Figure 2005538062
式1103で表わされる化合物の調製
反応図式11を見てみるに、式1101で表わされる化合物の、DMFなどの非極性、非プロトン性溶媒溶液に、先ずトリエチルアミンなどの塩基および過剰量(好ましくは、凡そ1.5当量)のイミダゾール、次いで凡そ1当量のヨウ化テトラブチルアンモニウムを加える。結果として得られた溶液を凡そ90℃に加熱し、18時間撹拌し、室温まで冷却させた。得られた生成物、すなわち式1103で表わされる化合物を単離し、精製する。
反応図式12
Figure 2005538062
Figure 2005538062
式1203で表わされる化合物の調製
反応図式12のステップ1を見てみるに、式113で表わされる化合物および過剰量の置換されていてもよい、(S)-4-ベンジルオキシカルボニルアミノ-1-ホルミル-ブチル)-カルバミン酸t-ブチルエステルなどのアルデヒド含有カルバミン酸エステルの、CH2Cl2などの非極性、非プロトン性溶媒溶液に、アセトキシホウ水素化ナトリウムを加える。得られた混合物を一晩撹拌する。得られた生成物、すなわち式1203で表わされる化合物を単離し、精製する。
式1205で表わされる化合物の調製
反応図式12のステップ2を見てみるに、式1203で表わされる化合物の、トルエンなどの非極性、非プロトン性溶媒溶液に、先ずトリエチルアミンなどの塩基を加え、次いで過剰量の、式R14-COClで表わされる酸塩化物を滴下で加える。得られた反応混合物を80℃に凡そ18時間、その後還流で凡そ4時間加熱する。得られた生成物、すなわち式1205で表わされる化合物を単離し、精製する。
式1207で表わされる化合物の調製
反応図式12のステップ3を見てみるに、式1205で表わされる化合物の、CH2Cl2/TFA(好ましくは、凡そ4:1 CH2Cl2/TFA)などの溶媒溶液を室温で撹拌する。得られた反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残留物を、CH2Cl2などの非極性、非プロトン性溶媒で希釈し、塩基水溶液で洗う。得られた水性層を、CH2Cl2などの非極性、非プロトン性溶媒で抽出し、合わせた抽出液を脱水し、濾過し、減圧下で濃縮する。得られた残留物を、THFなどの非極性、非プロトン性溶媒および塩基水溶液(好ましくは、飽和NaHCO3水溶液)で希釈する。得られた混合物を室温で10日間撹拌する。得られた生成物、すなわち式1207で表わされる化合物を単離し、精製する。
特別の処理と最後のステップ
式203:
Figure 2005538062
(上記式中、R4は場合によっては保護されていてもよい)で表わされる化合物と、若干のモル過剰量のR3塩化物[Cl〜C(O)-R3、Cl-S(O)2-R3a、Cl〜CH2-R3b、Cl〜C(O)-O-R15、およびCl-S(O)2-NH-R3aなど]またはイソシアネート(O=C=N-R17など)または無水物(O[C(O)R15]2またはO[S(O)2R3a]2など)を接触させて、対応する保護されていてもよい式Iの化合物を得る。
式505、605、705、または707で表わされる化合物は、場合により酸介在の環化により環化される。
式Iで表わされる化合物の異性体のラセミ混合物は場合によりクロマトグラフィーカラム上に置かれ、(R)と(S)の鏡像異性体に分離される。
式Iで表わされる化合物は、場合により医薬的に許容される酸または塩基と接触させて、対応する酸または塩基付加塩を生成させる。
式Iの化合物の医薬的に許容される酸付加塩は、場合により塩基と接触させて、対応する式Iの遊離塩基を生成させる。
式Iの化合物の医薬的に許容される塩基付加塩は、場合により酸と接触させて、対応する式Iの遊離酸を生成させる。
本発明の化合物の特定の実施形態
R 1 について
式Iで表わされる化合物を考察するに、1つの実施形態では、R1は、水素、置換されていてもよいC1〜C8アルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいヘテロアリール-、置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-、および置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルキル-(より特定的には置換されていてもよいアリールおよび置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-)から選択される。より特定の実施形態では、R1は、水素、置換されていてもよいC1〜C4アルキル-、置換されていてもよいフェニル-C1〜C4-アルキル-、置換されていてもよいナフタレニルメチル-、置換されていてもよいフェニル-、およびナフチル-から選択される。なおより特定的には、R1は、置換されていてもよいフェニル-C1〜C4-アルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルキル-、またはナフタレニルメチル-である。
なおより特定的には、R1は、ナフチル-、フェニル-、ブロモフェニル-、クロロフェニル-、メトキシフェニル-、エトキシフェニル-、トリル-、ジメチルフェニル-、クロロフルオロフェニル-、メチルクロロフェニル-、エチルフェニル-、フェネチル-、ベンジル-、クロロベンジル-、メチルベンジル-、メトキシベンジル-、シアノベンジル-、ヒドロキシベンジル-、ジクロロベンジル-、ジメトキシベンジル-、またはナフタレニルメチル-である。より好適には、R1は、ベンジル-、シアノベンジル-、メトキシベンジル-、またはナフタレニルメチル-である。最も特定的には、R1は、ベンジル-である。
R 2 およびR 2' について
式Iで表わされる化合物を考察するに、また当業者には解るように、本明細書に記載される化合物は、R2およびR2'が結合している炭素において、潜在的にキラルな中心をもつ。このR2基およびR2'基は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。異なる場合は、その化合物はキラルである(すなわち、立体中心をもつ)。R2およびR2'が異なる場合は、特定の実施形態において、R2は水素であり、R2'は水素以外である。本発明は、純粋な鏡像異性体、および、ラセミ混合物も含めた鏡像異性体の混合物を使用することを意図するものであるが、実質的に光学的に純粋な鏡像異性体の使用が一般に好ましいと考えられる。用語「実質的に純粋な」とは、全ての不純物が凡そ1%以下で少なくとも凡そ95%の化学純度をもつことを意味する。用語「実質的に光学的に純粋な」または「鏡像異性体的に純粋な」とは、少なくとも凡そ97.5%の鏡像異性過剰をもつことを意味する。ある特定の実施形態では、R2およびR2'が結合している立体中心は、R配置のものである。
式Iで表わされる化合物を考察するに、1つの実施形態では、R2およびR2'は、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-、および置換されていてもよいヘテロアラルキル-から独立に選ばれる。
もう1つの実施形態では、R2およびR2'は一緒になって、次の基:ヒドロキシル、ハロゲン(特にクロロおよびフルオロ)、置換されていてもよいC1〜C4アルキル-(特にメチル-)、C1〜C4アルコキシ(特にメトキシ)、シアノ、アミノ、置換アミノ、またはカルバミル-の1つ以上で置換されていてもよい3〜7員環を形成している。
1つの実施形態では、R2は、置換されていてもよいC1〜C4アルキル-であり、R2'は、水素または置換されていてもよいC1〜C4アルキル-である。より好適には、R2'は水素であり、R2は置換されていてもよいC1〜C4アルキル-である。最も特定的な実施形態では、R2は、メチル-、エチル-、プロピル(特に、c-プロピルまたはi-プロピル)、ブチル(特に、t-ブチル)、メチルチオエチル-、メチルチオメチル-、アミノブチル-、(CBZ)アミノブチル-、シクロヘキシルメチル-、ベンジルオキシメチル-、メチルスルファニルエチル-、メチルスルファニルメチル-、およびヒドロキシメチル-から選ばれ、R2'は水素である。特に選ばれる実施形態は、R2が水素であり、R2がエチルまたはプロピル(特に、c-プロピルまたはi-プロピル)である場合である。なおより特定的には、R2はi-プロピルである。なおより特定的には、R2およびR2'が結合している立体中心は、R配置のものである。
1つの実施形態では、R2またはR2'のどちらかが水素である場合は、もう1つの方は水素ではない。他の実施形態では、R2およびR2'のいずれもが水素である。
R 5 、R 6 、R 7 、およびR 8 について
他の実施形態において、R5、R6、R7、およびR8は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン(特にクロロおよびフルオロ)、置換されていてもよいC1〜C4アルキル-(特にメチル-)、C1〜C4アルコキシ(特にメトキシ)、シアノ、アミノ、置換アミノ、またはカルバミル-から独立に選ばれる。より特定的には、R5、R6、R7、およびR8は、メトキシ、メチル、トリフルオロメチル、シアノ、水素またはハロである。特定の実施形態では、R5は水素またはハロであり;R6は水素、置換されていてもよいC1〜C4アルキル-(特に、メチル-)またはハロであり;R7は水素、ハロ、置換されていてもよいC1〜C4アルキル-(特に、メチル-またはトリフルオロメチル-)、C1〜C4アルコキシ(特に、メトキシ)、シアノ、置換アミノ、またはカルバミル-であり;R8は水素、C1〜C4アルキル-(特に、メチル-)、C1〜C4アルコキシ(特に、メトキシ)、ヒドロキシ、またはハロである。なおより特定的には、R5、R6、R7、およびR8の内の1つだけが水素でない、特にR7が水素でない化合物である。
R 12 が置換されていてもよいイミダゾリルである化合物について
R12が置換されていてもよいイミダゾリル-である場合、特定の実施形態において、R12は次の式:
Figure 2005538062
[式中、
R9は、水素、置換されていてもよいC1〜C8アルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4アルキル-、置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルコキシ、置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルコキシ、および置換されていてもよいヘテロアリール-から選ばれ、
R13およびR13'は独立に水素、置換されていてもよいC1〜C8アルキル-、置換されていてもよいアリール-、または置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-である]
を有する。
1つの実施形態によれば、R9は、低級アルキル;置換されていてもよいC1〜C4-アルキル-、C1〜C4-アルコキシ-、および/またはハロで置換されたフェニル;フェニル-;ベンジル-;チオフェニル-;または、C1〜C4-アルキル-、C1〜C4-アルコキシ-、および/またはハロで置換されたチオフェニル;である。より好適には、R9は、低級アルキル;フェニル-;または、次の基:メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、またはハロの1つ以上で置換されたフェニル;である。
別の実施形態によれば、R13は水素であり、R13'は置換C1〜C4アルキル-である。より好適には、R13は水素であり、R13'はアミノメチル-、アミノエチル-、アミノプロピル-、アセチルアミノ-メチル-、アセチルアミノエチル-、ベンジルオキシカルボニルアミノ-メチル-またはベンジルオキシカルボニルアミノ-エチル-である。
R 12 が置換されていてもよいイミダゾリニルである化合物について
R12が置換されていてもよいイミダゾリニルである場合、1つの実施形態において、R12は次の式
Figure 2005538062
[式中、
R14は、水素、置換されていてもよいC1〜C8アルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-、置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルキル-から選ばれ、
R10、R10'、R11およびR1'は、水素、置換されていてもよいC1〜C8アルキル-、置換されていてもよいアリール-、および置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-から独立に選ばれる]
を有する。
1つの実施形態では、R14は、低級アルキル-;メチレンジオキシフェニル-;フェニル-;置換されていてもよいC1〜C4アルキル-、C1〜C4アルコキシ-、および/またはハロで置換されたフェニル;ベンジル-;C1〜C4アルキルで置換されたチエニル;ベンジル;チオフェニル-;または、C1〜C4-アルキル-、C1〜C4-アルコキシ-、および/またはハロで置換されたチオフェニル;である。より好適には、R14は、低級アルキル;フェニル-;または、次の基:メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、またはハロの1つ以上で置換されたフェニル;である。
1つの実施形態では、R10、R10'、R11'、およびR11は独立に水素または置換されていてもよいC1〜C4アルキル-である。より好適には、R11'およびR11は水素である。
R 12 が-NHR 4 、-NR 4 (COR 3 )、NR 4 (SO 2 R 3a )、または-NR 4 (CH 2 R 3b )R 4 である化合物について
1つの実施形態において、R4は、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアラルキル-、および置換されていてもよいヘテロシクリル-から選ばれる。より好適には、R4はR16-アルキレン-であり、R16は、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、グアニジン、ヒドロキシル-、およびN-ヘテロシクリル-から選ばれる。
より特定的な実施形態では、R4は、置換されていてもよい低級アルキル-、置換されていてもよいシクロヘキシル-;ヒドロキシ、低級アルコキシまたは低級アルキル-で置換されたフェニル;ベンジル-;ヘテロアリールメチル-;ヘテロアリールエチル-;および、ヘテロアリールプロピル-;から選択される。
最も特定的な実施形態では、R4は、メチル-、エチル-、プロピル-、ブチル-、シクロヘキシル-、カルボキシエチル-、カルボキシメチル-、メトキシエチル-、ヒドロキシエチル-、ヒドロキシプロピル-、ジメチルアミノエチル-、ジメチルアミノプロピル-、ジエチルアミノエチル-、ジエチルアミノプロピル-、アミノプロピル-、メチルアミノプロピル-、2,2ジメチル-3-(ジメチルアミノ)プロピル-、1-シクロヘキシル-4-(ジエチルアミノ)ブチル-、アミノエチル-、アミノブチル-、アミノペンチル-、アミノヘキシル-、アミノエトキシエチル-、イソプロピルアミノプロピル-、ジイソプロピルアミノエチル-、1-メチル-4-(ジエチルアミノ)ブチル-,(tBoc)アミノプロピル-、ヒドロキシフェニル-、ベンジル-、メトキシフェニル-、メチルメトキシフェニル-、ジメチルフェニル-、トリル-、エチルフェニル-,(オキソピロリジニル)プロピル-,(メトキシカルボニル)エチル-、ベンジルピペリジニル-、ピリジニルエチル-、ピリジニルメチル-、モルホリニルエチルモルホリニルプロピル-、ピペリジニル-、アゼチジニルメチル-、アゼチジニルエチル-、アゼチジニルプロピル-、ピロリジニルメチル-、ピロリジニルエチル-、ピロリジニルプロピル-,(メチルピペラジニル)プロピル-、グアニジノ-メチル-、グアニジノ-エチル-、グアニジノ-プロピル-、フラニルメチルおよびインドリルエチル-(最も特にはアミノプロピル)から選ばれる。
R 3 について
式Iで表わされる化合物を考察するに、ある特定の実施形態において、R3は、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-、置換されていてもよいアリール-、R15O-およびR17-NH-[式中、R15は、置換されていてもよいアルキルおよび置換されていてもよいアリールから選ばれ、R17は、水素、置換されていてもよいアルキルおよび置換されていてもよいアリール-から選ばれる]から選択される。
より特定的な実施形態において、R3がR17NH-でもR15O-でもない場合、R3は、置換されていてもよいアルキル-;アリール-(フェニル-、ビフェニル-、およびナフチル-を含めて);置換アリール-(シアノ、ハロ、低級アルキル-、低級アルコキシ、ヒドロキシ-低級アルキル-、ニトロ、カルボキシ、メチレンジオキシ、トリフルオロメトキシ、またはトリフルオロメチル-の1つ以上で置換されたフェニルを含めて);ベンジル-;および、置換されていてもよいヘテロアリール-;から選ばれる。
最も特定的な実施形態において、R3がR17NH-でもR15O-でもない場合、R3は、エチル-、プロピル-、クロロプロピル-、ブトキシ、ヘプチル-、ブチル-、オクチル-、トリデカニル-,(エトキシカルボニル)エチル-、ジメチルアミノエチル-、ジメチルアミノメチル-、フェニル-、ナフチル-、ハロフェニル-、ポリハロフェニル-、シアノフェニル-、ヒドロキシメチルフェニル-、ハロ(トリフルオロメチル)フェニル-、クロロフェノキシメチル-、メトキシフェニル-、カルボキシフェニル-、エチルフェニル-、トリル-、ヒドロキシメチルフェニル-;エチルフェニル-;ビフェニリル-、メチレンジオキシフェニル-、メチルスルホニルフェニル-、メトキシクロロフェニル-、クロロナフチル-、アセチルフェニル-、メチルハロフェニル-、トリフルオロメチルフェニル-、トリフルオロメトキシフェニル-、ブチルフェニル-、ペンチルフェニル-、メチルニトロフェニル-、フェノキシメチル-、ジメトキシフェニル-、フェニルビニル-、ニトロクロロフェニル-、ニトロフェニル-、ジニトロフェニル-、ビス(トリフルオロメチル)フェニル-、ベンジルオキシメチル-、ベンジル-、フラニル-、ベンゾフラニル-、ピリジニル-、ピリジル-、インドリル-、メチルピリジニル-、メチルピリジル-,(3-カルバモイル)ピリジニル-[ニコチンアミド]、3-カルバモイル-6-メチルピリジニル-、キノリニル-、ピコリニル-、ピラゾリル-、ピラジニル-、メチルピラジニル-、モルホリノメチル-、メチルチオメチル-、メトキシメチル-、イミダゾリル-;イソオキサゾリル-、メチル-イソオキサゾリル-;ベンゾチアジアゾリル-;メチレンジオキシフェニル-、チエニル-、メチルチエニル-、メチル-ニコチンアミジル-;メチル-ピラジニル;ベンゾジオキソリル;および、メチル-チオフェニル-;から選ばれる。
より好適には、R3は、トリル-、ハロフェニル-、ハロメチルフェニル-、ヒドロキシメチルフェニル-、メチレンジオキシフェニル-、ホルミルフェニルまたはシアノフェニル-である。
別の特定の実施形態において、R3がR17NH-である場合、R17は、低級アルキル-;シクロヘキシル-;フェニル-;および、ハロ、低級アルキル-、低級アルコキシ、または低級アルキルスルファニル-で置換されたフェニル;から選ばれる。
別の特定の実施形態において、R3がR17NH-である場合、R17は、イソプロピル-、ブチル-、シクロヘキシル-、フェニル-、ブロモフェニル-、ジクロロフェニル-、メトキシフェニル-、エチルフェニル-、トリル-、トリフルオロメチルフェニルまたはメチルチオフェニル-である。
ある特定の実施形態において、RaがR15O-である場合、R15は、低級アルキル-;シクロヘキシル-;フェニル-;および、ハロ、低級アルキル-、低級アルコキシ、または低級アルキルスルファニル-で置換されたフェニル;から選ばれる。
ある最も特定的な実施形態において、R3がR15O-である場合、R15は、イソプロピル-、ブチル-、シクロヘキシル-、フェニル-、ブロモフェニル-、ジクロロフェニル-、メトキシフェニル-、エチルフェニル-、トリル-、トリフルオロメチルフェニルまたはメチルチオフェニル-である。
R 3a について
R12が-NR4(SO2R3a)である場合、R4は上記で説明したとおりであり、R3aは、C1〜C13アルキル-;フェニル-;ナフチル-;シアノ、ハロ、低級アルキル-、低級アルコキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、またはトリフルオロメチル-で置換されたフェニル;ビフェニリルおよびヘテロアリール-;から選ばれる。より好適には、R3aは、ハロ、低級アルキル-、低級アルコキシ、シアノ、ニトロ、メチレンジオキシ、またはトリフルオロメチル-で置換されたフェニル;および、ナフチル-;から選ばれる。
R 3b について
R12が-NR4(CH2R3b)である場合、R4は上記で説明したとおりであり、R3bは、C1〜C13アルキル-;置換低級アルキル-;フェニル-;ナフチル-;シアノ、ハロ、低級アルキル-、低級アルコキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、またはトリフルオロメチル-で置換されたフェニル;ビフェニリル-、ベンジルおよびヘテロシクリル-;から選ばれる。最も好適には、R3bは、1つ以上のハロ、メチル-、シアノ、トリフルオロメチル-、トリフルオロメトキシ、カルボキシ、またはメトキシカルボニル基で置換されたフェニル;ピペリジニル-;および、ナフチル-;から選ばれる。
なおより好適には、R3bは、ハロフェニル-、メチルハロフェニル-、ポリハロフェニル-、トリル-、ジメチルフェニル-、メトキシフェニル-、ジメトキシフェニル-、シアノフェニル-、トリフルオロメチルフェニル-、トリフルオロメトキシフェニル-、ビス(トリフルオロメチル)フェニル-、カルボキシフェニル-、t-ブチルフェニル-、メトキシカルボニルフェニル-、ピペリジニル-、およびナフチル-である。
特定の下位群について
式Iで表わされる化合物のある特定の下位群では、
R1は、置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルキル-、またはナフタレニルメチルであり、
R2は、置換されていてもよいC1〜C4-アルキル-であり、
R2'は、水素であり、
R7は、水素、メチル、またはシアノであり、
R5、R6、およびR8は水素であり、
R12は、置換されていてもよいイミダゾリル-、置換されていてもよいイミダゾリニル-、-NHR4;-N(R4)(COR3);-N(R4)(SO2R3a);または、-N(R4)(CH2R3b)である。
R12が置換されていてもよいイミダゾリル-である式Iで表わされる化合物のある特定の下位群では、
R1、R2、R2'、R5、R6、R7、およびR8は、上記で定義したとおりであり、
R9は、低級アルキル;フェニル-;または、次の基:メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、またはハロの1つ以上で置換されたフェニル;であり、
R13は水素であり、R13'は置換C1〜C4アルキル-(特に、アミノメチル-、アミノエチル-、アミノプロピル-、アセチルアミノ-メチル-、アセチルアミノエチル-、ベンジルオキシカルボニルアミノ-メチル-またはベンジルオキシカルボニルアミノ-エチル-)である。
R12が置換されていてもよいイミダゾリニル-である式Iで表わされる化合物のある特定の下位群では、
R1、R2、R2'、R5、R6、R7、およびR8は、上記で定義したとおりであり、
R14は、低級アルキル;フェニル-;または、次の基:メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、またはハロの1つ以上で置換されたフェニル;であり、
R10、R10'、R11'、およびR11は独立に水素または置換されていてもよいC1〜C4アルキル-である。より特定的には、R11'およびR11は水素である。
R12が-NHR4である式Iで表わされる化合物のある特定の下位群では、
R1、R2'、R2、R5、R6、R7、およびR8は、上記で定義したとおりであり、
R4は、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアラルキル-、および置換されていてもよいヘテロシクリル-から選ばれる。
R12が-NR4(COR3)である式Iで表わされる化合物のある特定の下位群では、
R1、R2'、R2'、R5、R6、R7、およびR8は、上記で定義したとおりであり、
R4は、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアラルキル-、および置換されていてもよいヘテロシクリル-から選ばれ、
R3は、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-、置換されていてもよいアリール-、R15O-およびR17-NH-[式中、R15は置換されていてもよいアルキルおよび置換されていてもよいアリールから選ばれ、R17は水素、置換されていてもよいアルキルおよび置換されていてもよいアリールから選ばれる]から選択される。
より特定的には、R1、R2、R2'、R5、R6、R7、およびR8は、上記で定義したとおりであり、
R4は、置換されていてもよい低級アルキル-、置換されていてもよいシクロヘキシル-;ヒドロキシ、低級アルコキシ、または低級アルキル-で置換されたフェニル;ベンジル-;ヘテロアリールメチル-;ヘテロアリールエチル-;ヘテロアリールプロピル-;から選択され(特にR4はR16-アルキレン-であり、R16は、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、ヒドロキシル-、およびN-ヘテロシクリル-から選ばれる)、
R3は、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-、置換されていてもよいアリール-、R15O-およびR17-NH-[式中、R15は置換されていてもよいアルキルおよび置換されていてもよいアリールから選ばれ、R17は水素、置換されていてもよいアルキルおよび置換されていてもよいアリールから選ばれる]から選択される。
R12が-NR4(COR3)である式Iで表わされる化合物のある特定の下位群では、
R1、R2、R2'、R5、R6、R7、およびR8は、上記で定義したとおりであり、
R4は、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアラルキル-、および置換されていてもよいヘテロシクリル-から選ばれ、
R3は、置換されていてもよいアルキル-;アリール-;置換アリール-;ベンジル-;および、置換されていてもよいヘテロアリール-;から選択される。
R12が-NR4(COR3)である式Iで表わされる化合物のある特定の下位群では、
R1、R2、R2'、R5、R6、R7、およびR8は、上記で定義したとおりであり、
R3は、トリル-、ハロフェニル-、ハロメチルフェニル-、ヒドロキシメチルフェニル-、メチレンジオキシフェニル-、ホルミルフェニルまたはシアノフェニル-であり、
R4は、置換されていてもよい低級アルキル-、置換されていてもよいシクロヘキシル-;ヒドロキシ、低級アルコキシまたは低級アルキル-で置換されたフェニル;ベンジル-;ヘテロアリールメチル-;ヘテロアリールエチル-;または、ヘテロアリールプロピル-である(特にR4はR16-アルキレン-であり、R16はアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、グアニジン、ヒドロキシル、またはN-ヘテロシクリル-である)。
R12が-N(R4)(CH2R3b)である式Iで表わされる化合物のある特定の下位群では、
R1、R2、R2'、R5、R6、R7、およびR8は、上記で定義したとおりであり、
R4は、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアラルキル-、および置換されていてもよいヘテロシクリル-から選ばれ、
R3bは、1つ以上のハロ、メチル-、シアノ、トリフルオロメチル-、トリフルオロメトキシ、カルボキシ、またはメトキシカルボニル基で置換されたフェニル;ピペリジニル-;および、ナフチル-から選ばれる。
R12が-NR4(SO2R3a)である式Iで表わされる化合物のある特定の下位群では、
R1、R2'、R2'、R5、R6、R7、およびR8は、上記で定義したとおりであり、
R4は、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアラルキル-、および置換されていてもよいヘテロシクリル-から選ばれ、
R3aは、ハロ、低級アルキル-、低級アルコキシ、シアノ、ニトロ、メチレンジオキシ、またはトリフルオロメチル-で置換されたフェニル;および、ナフチル-から選ばれる。
特定の化合物としては以下のものが挙げられる:
N-(3-アミノ-プロピル)-N-[1-(2-ベンジル-4-メトキシ-1-オキソ-1,2-ジヒドロ-イソキノリン-3-イル)-2-メチル-プロピル]-4-メチル-ベンズアミド;
N-(3-アミノ-プロピル)-N-[1-(2-ベンジル-4-メトキシ-1-オキソ-1,2-ジヒドロ-イソキノリン-3-イル)-2-メチル-プロピル]-2-メトキシ-アセトアミド;
3-(1-アミノ-2-メチル-プロピル)-2-ベンジル-6-クロロ-2H-イソキノリン-1-オン;
N-(3-アミノ-プロピル)-N-[1-(2-ベンジル-6-クロロ-1-オキソ-1,2-ジヒドロ-イソキノリン-3-イル)-2-メチル-プロピル]-4-メチル-ベンズアミド;
N-(3-アミノ-プロピル)-N-[1-(2-ベンジル-6-クロロ-1-オキソ-1,2-ジヒドロ-イソキノリン-3-イル)-2メチル-プロピル]-2-メトキシ-アセトアミド;
N-(3-アミノ-プロピル)-N-[1-(2-ベンジル-6-クロロ-1-オキソ-1,2-ジヒドロ-イソキノリン-3-イル)-2-メチル-プロピル]-4-ブロモ-ベンズアミド;
2-ベンジル-6-クロロ-3-[1-(4,4-ジメチル-2-p-トリル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル)-2-メチル-プロピル]-2H-イソキノリン-1-オン;
2-ベンジル-6-クロロ-3-{1-[2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-2H-イソキノリン-1-オン;
2-ベンジル-6-クロロ-3-{1-[2-(3,4-ジクロロ-フェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-2H-イソキノリン-1-オン;
2-ベンジル-6-クロロ-3-[1-(4,4-ジメチル-2-m-トリル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル)-2-メチル-プロピル]-2H-イソキノリン-1-オン;
2-ベンジル-6-クロロ-3-1-[4,4-ジメチル-2-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-2H-イソキノリン-1-オン;
2-ベンジル-6-クロロ-3-{1-[2-(3-フルオロ-フェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-2H-イソキノリン-1-オン;
2-ベンジル-6-クロロ-3-1-[2-(3-フルオロ-4-メチル-フェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-2H-イソキノリン-1-オン;
2-ベンジル-6-クロロ-3-[1-(2-イソプロピル-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル)-2-メチル-プロピル]-2H-イソキノリン-1-オン;
2-ベンジル-6-クロロ-3-{1-[2-(4-メトキシ-フェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-2H-イソキノリン-l-オン;および
2-ベンジル-3-{1-[2-(4-ブロモ-フェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-6-クロロ-2H-イソキノリン-1-オン。
用途、試験、および投与について
一般的用途について
一旦つくられると、本発明の化合物は、有糸***の変調を行うことを伴なう色々な適用に用途がある。当業者なら解ると思われるが、有糸***は色々な方法で変調することができる。すなわち、有糸***の経路にあるある成分の活性を増大させるか減少させることで有糸***に影響を与えることができる。別の言い方をすると、特定の成分を阻害するか活性化することによって平衡を乱すことで有糸***に影響を与える(例えば混乱させる)ことができる。同じようなやり方を用いて、減数***を変調することもできる。
ある特定の実施形態では、本発明の化合物は有糸***の紡錘体形成を阻害するのに用いられ、その結果有糸***における長期に渡る細胞周期の停止が引き起こされる。ここにおける「阻害」とは、有糸***の紡錘体形成を減少させるまたは妨害すること、あるいは有糸***紡錘体の機能障害を起させることを意味する。ここでの「有糸***の紡錘体形成」とは、有糸***キネシンによる微小管の二極構造への組織化を意味する。「有糸***紡錘体の機能障害」とは、有糸***の停止と単極紡錘体の形成を意味する。
本発明の化合物は、有糸***キネシンであるKSPと結合させるのに、および/またはその活性を阻害するのに有用である。1つの実施形態では、このKSPはヒトKSPであるが、本化合物は、他の生物由来のKSPキネシンと結合させるのにまたはその活性を阻害するのに用いることができる。ここにおいて、「阻害」とは、紡錘体の極分離を増大させるか減少させることで、有糸***紡錘体極の異常形成、すなわち扇形化[splaying]が起ること、または、そうでなければ有糸***紡錘体の形態的な摂動が生じることを意味する。上記におけるKSPの定義には、KSPの変形体および/または断片も含まれる。米国特許第6,437,115号を参照されたい(この文献はその全体が参照によりここに組み込まれる)。本発明の化合物はKSPに対する特異性をもつことが示されている。しかしながら本発明は、他の有糸***キネシンに結合するまたはそれを変調する化合物の使用も包含する。
本発明の化合物は細胞の増殖性疾患を治療するのに用いられる。ここに提供される化合物、組成物、および方法により治療することができるそのような疾患状態としては、限定するものではないが、癌(後でさらに論じる)、自己免疫疾患、真菌性障害、関節炎、移殖拒絶反応、炎症性腸疾患、限定するものではないが外科手術、血管形成術などの医療処置の後に誘発される細胞増殖が挙げられる。治療には、細胞増殖を阻害することが含まれる。場合によっては、細胞は異常状態にはないが、なお治療を必要とすることがあることは解るところである。つまり、1つの実施形態において、ここでの本発明には、上記の疾患または状態のどれか1つに冒された、またはそれによる差し迫った病気の苦痛にさらされている細胞または個体に適用することも含まれる。
ここに提供される化合物、組成物、および方法は特に、皮膚癌、乳癌、脳腫瘍などの充実性腫瘍;子宮頚癌;精巣癌などの治療に有用であると思われる。より詳細には、本発明の化合物、組成物、および方法により治療を行うことができる癌は、限定するものではないが、次のものが挙げられる。心臓関係では:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫、および奇形腫;肺関係では:気管支原性癌(扁平上皮細胞癌、未分化小細胞癌、未分化大細胞癌、腺癌)、肺胞性(気管支)癌、気管支腺腫、気管支肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫;胃腸関係では:食道関係(扁平細胞癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃関係(胃癌、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓関係(腺管性腺癌、インスリノーマ、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸関係(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポージ癌、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸関係(腺癌、管腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);尿生殖路関係では:腎臓関係(腺癌、ウイルムス腫瘍[腎芽細胞腫]、リンパ腫、白血病)、膀胱および尿道関係(扁平細胞癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺関係(腺癌、肉腫)、精巣関係(精上皮腫、奇形腫、胎児性癌、奇形癌、絨毛癌、肉腫、精巣細胞癌、線維腫、線維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓関係では:肝腫(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;骨関係では:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性筋肉腫、悪性巨細胞脊索腫、骨軟骨肉腫(骨軟骨外骨腫症)、良性軟骨腫、軟骨肉芽腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫、および巨細胞腫瘍;神経系では:頭蓋骨関係(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜関係(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳関係(星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、上衣細胞腫、胚細胞腫(松果体細胞腫)、多形性膠芽腫、乏突起膠腫、シュワン細胞種、網膜芽腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、神経肉腫);産婦人科関係では:子宮関係(子宮内膜癌)、子宮頚部(子宮頚癌、前腫瘍子宮頚管形成異常症)、卵巣関係(卵巣癌[漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類癌)、卵胞膜細胞腫、セルトーリ・ライディヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性顆粒膜)、外陰関係(扁平上皮細胞癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣関係(明細胞癌、扁平上皮細胞癌、ブドウ状癌(胚性横紋筋癌)、ファロピウス管癌);血液関係では:血液関係(骨髄性白血病[急性および慢性])、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性筋腫、骨髄異形性症候群)、ホジキンス病、非ホジキンスリンパ腫(悪性リンパ腫);皮膚関係では:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、カポージ肉腫、異常形成母斑、リンパ腫、管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬;および、副腎関係では:神経芽腫。つまり、ここで言う用語「癌性細胞」には、上記に記載された病状のどれかによって冒された細胞が含まれる。
試験について
KSP変調活性のアッセイには、一般にKSPか、本発明による化合物が、互いに孤立したサンプル受入領域を有する非溶解性の支持体(例えば、微量滴定プレート、アレイなど)に、拡散しないような方法で結合される。この非溶解性支持体は、サンプルを結合させることができる材料ならどんなものからできていてもよく、溶解性の物質を容易に離し、ほかの点ではスクリーニング方法の全体と適合性があるものである。そのような支持体の表面は固形質または多孔質であってよく、また都合のよいどのような形状であってもよい。好適な非溶解性支持体の例としては、微量滴定プレート、アレイ、メンブレン、ビーズなどが挙げられる。これらは、典型的には、ガラス、プラスチック(例えば、ポリスチレン)、多糖類、ナイロン、あるいはニトロセルロース、Teflonなどからできている。微量滴定プレートおよびアレイは、少量の試薬およびサンプルを用いて数多くのアッセイを同時に行うことができるので特に便利なものである。サンプル結合のその具体的なやり方は、それが、本発明の試薬および全体方法と適合性があり、サンプルの活性を維持し、非拡散的なやり方である限り、臨界的なものでない。結合の具体的な方法としては、抗体(これは、タンパク質が支持体に結合されるとき、リガンド結合部位も活性化配列も立体的にブロックしないもの)の使用、「粘着性の[sticky]」またはイオン性の支持体への直接結合、化学的架橋、支持体表面でのタンパク質または作用物質の合成などが挙げられる。サンプルを結合した後、余剰の未結合物質は洗浄により除去される。サンプル受入領域は次に、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼインもしくは他の無害タンパク質またはその他の構造のものを用いたインキュベーションによりブロックすることができる。
本発明の化合物はそれ自体、有糸***キネシン、特にKSPの活性を阻害することができる。1つの実施形態において、本発明の化合物はKSPと組み合せられ、KSPの活性がアッセイされる。キネシン(KSPを含む)活性は当技術分野では知られており、それには1つ以上のキネシン活性が含まれる。キネシン活性には、ATP加水分解;微小管結束;滑り移動および重合/解重合(微小管運動力学への影響);紡錘体の他のタンパク質への結合;細胞周期の調節に関与するタンパク質への結合;キナーゼまたはプロテアーゼなどの他の酵素に対する基質としての役割;および、紡錘体極分離などの特定のキネシンの細胞活性;に影響を及ぼす能力が含まれる。
運動性アッセイの実施方法は、当業者には周知である(例えば、Hall, et al. (1996), Biophys. J., 71:3467-3476;Turner et al., 1996, Anal Biochem. 242(1): 20-5;Gittes et al., 1996, Biophys. J. 70(1): 418-29;Shirakawa et al., 1995, J. Exp. Biol 198:1809-15;Winkelmann et al., 1995, Biophys. J. 68:2444-53;Winkelmann et al., 1995, Biophys. J. 68:72S;を参照されたい)。
当技術分野で知られているATPアーゼ加水分解活性を測定するための方法を用いることもできる。好適には、溶液に基づくアッセイが用いられる。そのようなアッセイは、米国特許第6,410,254号に記載されている(その全体が参照によりここに組み込まれる)。別の方法として、慣用の方法が用いられる。例えば、キネシンからのPi放出を定量することができる。1つの実施形態において、上記ATPアーゼ加水分解活性アッセイでは、0.3M PCA(過塩素酸)およびマラカイトグリーン試薬(モリブデン酸IIナトリウム8.27mM、マラカイトグリーンオキサレート0.33mM、およびトリトンX-1 00 0.8mM )が用いられる。このアッセイを行うには、反応混合物10μLが冷0.3M PCA 90μL中にクエンチされる。データを、放出された無機フォスフェートのmMに変換できるように、フォスフェート標準物質が使用される。全ての反応物および標準物質をPCA中にクエンチしたら、例えば微量滴定プレート中の適切なウェルにマラカイトグリーン試薬100μLを加える。得られた混合物を10〜15分間展開させ、プレートの650nmにおける吸収を測定する。フォスフェート標準物質を用いた場合は、吸収測定値はmM Piに変換することができ、また時間に対してプロットすることもできる。加えるに、当技術分野で知られているATPアーゼアッセイには、ルシフェラーゼアッセイも含まれる。
作用物質の影響を追跡するのにはキネシンモータードメインのATPアーゼ活性を用いることもでき、これは当業者には周知である。1つの実施形態において、微小管の不存在下にキネシンのATPアーゼアッセイが行われる。別の実施形態では、微小管の存在下にこのATPアーゼアッセイが行われる。上記のアッセイでは、異なるタイプの作用物質を検出することができる。ある1つの実施形態では、作用物質の影響は、微小管およびATPの濃度に依存しない。別の実施形態では、キネシンATPアーゼに対するその作用物質の影響は、ATP、微小管またはこの両者の濃度を上げることで小さくすることができる。なおもう1つの実施形態では、この作用物質の影響は、ATP、微小管またはこの両者の濃度を上げることで大きくなる。
インビトロでKSPの生物化学活性を阻害する化合物は、次にインビボでスクリーニングされる。インビボスクリーニング法には、細胞周期分布のアッセイ、細胞成育能力のアッセイ、または有糸***紡錘体の存在、形態、活動、分布、または数のアッセイが含まれる。例えばフローサイトメトリーによるある細胞集団の細胞周期分布を追跡するための方法は、当業者には周知であり、細胞成育能力の測定方法もそうである。例えば、米国特許第6,437,115号を参照されたい(ここに、その全体が参照により組み込まれる)。紡錘体形成および異常形成を追跡するための顕微鏡による方法も当業者には周知である(例えば、Whitehead and Rattner (1998), J. Cell Sci. 111:2551-61;Galgio et al, (1996) J. Cell Biol., 135:399-414[それぞれのその全体を参照によりここに組み入れる]を参照されたい)。
本発明の化合物はKSPキネシンを阻害する。阻害の1つの尺度はIC50であり、これはKSPの活性がある参照と比較して50パーセント下げられるときの化合物の濃度として定義される。好ましい化合物のIC50は凡そ1mM未満であり、好ましい実施形態のIC50は凡そ100μM未満であり、より好ましい実施形態のIC50は10μM未満であり、特に好ましい実施形態のIC50は凡そ1μM未満であり、特別に好ましい実施形態のIC50は凡そ100nM未満であり、最も好ましい実施形態のIC50は凡そ10nM未満である。IC50の測定は、ここで説明したようなATPアーゼアッセイを用いて行われる。
阻害のもう1つの尺度はKiである。IC50が1μM未満である化合物にたいしては、KiまたはKdは、ここに記載される化合物とKSPとの相互作用についての解離速度定数と定義される。好ましい化合物のKiは凡そ100μM未満であり、好ましい実施形態のKiは凡そ10μ未満であり、特に好ましい実施形態のKiは凡そ1μM未満であり、特別に好ましい実施形態のKiは凡そ100nM未満であり、最も好ましい実施形態のKiは凡そ10nM未満である。
ある化合物についてのKiは、三つの仮定およびMichaelis-Mentenの式に基づいて上記のIC50から求められる。第1に、酵素には1つの化合物分子だけが結合し、協同性がない。第2に、活性酵素の濃度および試験される化合物の濃度が分っている(すなわち、試料中には有意な量の不純物または不活性形態物がない)。第3に、酵素・阻害物質複合体の酵素反応速度はゼロである。得られた速度(すなわち、化合物濃度)データは、次の式に対して近似される。
Figure 2005538062
ここで、Vは観測速度であり、Vmaxは遊離酵素の速度であり、Ioは阻害物質濃度であり、Eoは酵素濃度であり、Kdは酵素・阻害物質複合体の解離定数である。
阻害のもう1つの尺度はGI50であり、これは、50パーセントの細胞増殖速度の低下を生じる化合物の濃度と定義される。好ましい化合物のGI50は凡そ1mM未満であり、GI50が凡そ20μM未満のものがより好ましく;GI50が凡そ10μM未満のものはよりそうであり;GI50が凡そ1μM未満のものはよりそうであり;GI50が凡そ100nM未満のものはよりそうであり;G150が10nM未満のものはなお一層そうである。GI50の測定は、ここに記載されたような細胞増殖アッセイを用いて行われる。本発明の化合物群は、細胞増殖を阻害することが見出された。
小分子阻害物質のインビトロ薬効は、例えば、ヒト卵巣癌細胞(SKOV3)を、化合物の9段階希釈列に72時間曝露した後、生育能力についてアッセイすることにより決定される。細胞の成育能力は、市販されている試薬であり、またMTS/PMSの生物的還元により生成された生成物であるフォルマゾンの吸収を測定することにより決定される。投与量・応答曲線上の各点は、72時間における未処理参照細胞引く、バックグランド吸収(完全な細胞死滅)のパーセントとして計算される。
臨床おいて癌治療(癌化学療法)に応用することに成功した抗増殖性化合物のGI50は大きく変わる。例えば、A549細胞では、パクリタキセルのGI50は4nMであり、ドキソルビシンは63nMであり、5-フルオロウラシルは1μMであり、ヒドロキシ尿素は500μMである(データは、National Cancer Institute, Developmental Therapeutic Program, http://dtp.nci.nih.gov/により提供されている)。従って、細胞の増殖を阻害する化合物は、阻害を示すその濃度とは無関係に、臨床において有用であるとの可能性を有する。
KSPキネシンに結合する化合物のためのスクリーニング方法において本発明の化合物を用いるには、KSPを支持体に結合させ、そのアッセイに本発明の化合物を加える。あるいは、本発明の化合物を支持体に結合させ、それからKSPを加える。捜し求める新規な化合物が結合することができる化合物の群としては、特異的抗体、化学物質ライブラリーのスクリーンで明らかにされている非天然結合性作用物質、ペプチド類似体などが挙げられる。特に有益なのは、ヒト細胞に対して毒性が低い、候補作用物質のためのスクリーニングアッセイである。この目的のためには、色々なアッセイを用いることができ、標識化インビトロタンパク質・タンパク質結合アッセイ、電気泳動度シフトアッセイ、タンパク質結合免疫アッセイ、機能アッセイ(リン酸化アッセイなど)などが挙げられる。
本発明の化合物のKSPへの結合の測定は、数多くの方法で行うことができる。1つの実施形態では、化合物は、例えば蛍光性または放射性構造をもつもので標識され、それから結合が直接測定される。例えば、これは、KSPの全部または一部を固形質支持体に付け、標識化された試験化合物(例えば、少なくとも1個の原子が検出可能な放射性同位元素で置換された本発明の化合物)を加え、余剰試薬を洗い出し、固形質支持体上にどれだけの量の標識が存在するかを測定することにより行うことができる。
ここにおける「標識化」とは、化合物を、例えば放射性同位元素、蛍光性タグ、酵素、抗体、磁性粒子などの粒子、化学発光タグ、あるいは特異的結合分子などの検出可能な信号を出す標識で直接的か間接的に標識することを意味する。特異的結合分子としては、ビオチンとストレプトアビジン、ジゴキシンと抗ジゴキシンなどのような対が挙げられる。特異的に結合するメンバーに対して、その相補的なメンバーが通常、上記で説明した既知の方法に従って、検出ができる分子で標識化される。標識は、検出可能な信号を直接的または間接的に出す。
一部の実施形態において、成分の1つだけが標識化される。例えば、キネシンタンパク質を、125Iを用いて、あるいは蛍光分子[fluorophore]で、チロシン位置において標識化することができる。あるいは、2つ以上の成分を異なる標識で、例えばタンパク質に対しては125Iを、抗有糸***作用物質に対しては蛍光分子を用いて標識化することができる。
本発明の化合物は、さらなる薬物候補をスクリーニングするための競争体として用いることもできる。ここで用いる「候補作用物質」または「薬物候補」または文法的同等表現は、生物活性について試験されることになる分子、例えばタンパク質、オリゴペプチド、小有機分子、多糖類、ポリヌクレオチドなどを表わす。これらは、細胞増殖の表現型、または核酸配列およびタンパク質配列の両方を含めた細胞増殖配列の発現を、直接的または間接的に変調することができることがある。他のケースでは、細胞増殖タンパク質の結合および/または活性の変調がスクリーニングされる。この種のスクリーニングは、微小管の存在下か不存在下に行なうことができる。タンパク質の結合または活性がスクリーニングされる場合、特定の実施形態では、その特定のタンパク質に結合すると既に知られている分子、例えば微小管などのポリマー構造物やATPなどのエネルギー源は除外される。ここでのアッセイの特定の実施形態には、ここで「外因性」作用物質と呼ばれる、この細胞増殖タンパク質をその内因性の自然状態に縛らない候補作用物質が含まれる。別の実施形態では、外因性作用物質には、KSPに対する抗体が除外される。
候補作用物質には多数の化学物質の郡が含まれるが、典型的にはそれらは生体分子であり、好ましくはそれらは分子量が100ダルトンより大きく2,500ダルトンより小さい小生体分子である。
候補作用物質は、タンパク質との構造的相互作用、特に水素結合や脂質親和性結合に必要な官能基を含んでおり、典型的には少なくとも1つのアミン、カルボニル-、ヒドロキシル-、エーテル、またはカルボキシル基、好ましくはこれら官能化学基の少なくとも2つを含んでいる。候補作用物質は多くの場合、上記官能基の1つ以上で置換された環状炭素またはヘテロ環式構造および/または芳香族もしくはポリ芳香族構造を含んでいる。候補作用物質は、ペプチド、糖類、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、これらの誘導体、構造的類似体、あるいはこれらの組み合せを含めた生体分子の中にも見られる。
候補作用物質は、合成のまたは天然の化合物のライブラリーを含めた各種の情報源から得られる。例えば、多数の手段が、無作為化されたオリゴヌクレオチドの発現を含めた種々の有機化合物および生体分子のランダム合成および指定合成に対して利用可能である。あるいは、細菌、真菌、植物および動物の抽出物の形態での天然化合物のライブラリーが利用可能であるし、あるいは容易につくり出される。さらには、天然にまたは合成的につくり出されたライブラリーおよび化合物は、慣用の化学的、物理的、および生物化学的手段により容易に変性される。既知の薬理作用物質を、アシル化、アルキル化、エステル化、および/またはアミド化などの指定またはランダム化学変性を受けさせて、構造的類似体をつくり出すこともできる。
競合的スクリーニングアッセイは、KSPと作用物質候補を第1のサンプル中に組み合せることにより行なうことができる。第2のサンプルは、本発明の化合物、KSP、および作用物質候補を含んでいる。これは、微小管の存在下でも不存在下でも行なうことができる。作用物質候補の結合を両方のサンプルに対して測定し、変化、またはその2つのサンプル間における結合の差があると、KSPに結合することができまたその活性を阻害する可能性をもつ薬物候補が存在していることを示す。すなわち、薬物候補の結合が、第1のサンプルと比較して第2のサンプルにおいて異なる場合は、その薬物候補はKSPに結合することができる。
ある特定の実施形態では、候補作用物質のKSPへの結合は競合的結合アッセイを用いることにより測定される。この実施形態では、その競争体は、抗体、ペプチド、結合性パートナー、リガンドなどの、KSPに結合することが知られている結合性部分構造体である。特定の状況下では、候補作用物質と結合性部分構造との間で、結合性部分構造が候補作用物質を置き換えるという競合的結合がある場合がある。
1つの実施形態では、候補作用物質は標識化されている。候補作用物質か競争体のどちらか、またはその両方が、もし存在する場合に、結合させるのに十分な時間だけ、最初にKSPに加えられる。インキュベーションは、最適な活性を促進する温度、典型的には4〜40℃で行なうことができる。
インキュベーション時間は最適活性の点から選択されるが、迅速ハイスループットスクリーニングを促進するように最適化することもできる。典型的には0.1〜1時間が十分であると思われる。過剰の試薬は一般に除去されるか洗い流される。第2の成分がこの後加えられ、結合をみるために、標識化合物の存在または不存在が追跡される。
別の実施形態では、競争体が最初に加えられ、その後に候補作用物質が加えられる。この競争体の置き換えが、候補作用物質がKSPに結合しつつあるという、つまりKSPに結合する能力があり、KSPの活性を阻害する可能性があるという指標である。この実施形態では、どちらかの成分を標識化することができる。従って、例えば、競争体が標識化される場合は、洗浄液に標識が存在することは、作用物質による置き換えを示す。あるいは、候補作用物質が標識化される場合は、標識が支持体上に存在することが置き換えを示す。
代わりとなる実施形態では、候補作用物質が最初に加えられてインキュベーションおよび洗浄が行なわれ、その後に競争体が加えられる。競争体による結合がないことは、候補作用物質がより大きな親和力をもってKSPに結合されていることを表わし得る。
つまり、候補作用物質が標識化される場合、競争体の結合がないことと相俟ってその標識が支持体上に存在することは、候補作用物質がKSPに結合することができることを表わし得る。
上記のように、候補作用物質とKSPを組み合せるステップと、KSPの生物活性における変調を測定するステップを含んでなる、KSPの活性を阻害することができる候補作用物質についてスクリーニングすることにより、阻害は試験される。
つまり、この実施形態では、上記候補作用物質は、KSPに結合し(尤もこれは必要でない場合もあるが)且つここで定義されたその生物的または生化学的活性を変調すると考えられる。この方法には、上記で一般的に概説したように、インビトロのスクリーニング方法と、細胞周期分布、細胞生活能力における変調についての、あるいはその存在、形態、活性、分布、または有糸***紡錘体の量についてのインビボの細胞スクリーニングの両方が含まれる。
別の方法として、微分スクリーニングを用いることで、天然KSPには結合するが変性KSPには結合することができない薬物候補を見分けることもできる。
アッセイにおいて、正の参照および負の参照を用いることもできる。統計的に有意な結果を得るには、好適には、全ての参照サンプルおよび試験サンプルは少なくとも3つの組で行なわれる。全てのサンプルのインキュベーションは、作用物質がタンパク質に結合するのに十分な時間だけ行なわれる。インキュベーションの後、全てのサンプルは、非特異的に結合している物質がなくなるまで洗われ、結合した量、一般には標識化された作用物質が測定される。例えば、放射線標識が用いられる場合、サンプルをシンチレーションカウンターでカウントして、結合された化合物の量を測定することができる。
上記のスクリーニングアッセイには各種の他の試薬を入れることもできる。それらには、塩、中性タンパク質例えばアルブミン、洗浄・しゃ下薬などのような試薬が挙げられ、これらは、最適なタンパク質・タンパク質結合を促進するのに、および/または非特異的なまたはバックグランドの相互作用を減らすのに用いることができる。また、プロテアーゼ阻害物質、ヌクレアーゼ阻害物質、抗細菌剤などのアッセイの効率を逆に改善する試薬も用いることができる。成分の混合物は、必要な結合を与えるならどのような順序ででも加えることができる。
投与について
よって、本発明の化合物は細胞に投与される。
ここでの「投与した」とは、細胞培養か患者の細胞に、本発明の化合物の治療的に有効な用量を投与することを意味する。ここでの「治療的に有効な用量」とは、化合物が投与される目的の治療効果を生み出す用量を意味する。正確な用量は治療の目的によって決まるものであり、当業者なら既知の手法を用いて確かめることができるものである。当技術分野では知られているように、全身的対局所的送達、年齢、体重、健康状態、性別、食事、投与の時間、薬物相互作用、および病状の深刻度についての調整が必要な場合があり、これは、当業者なら日常的な検査で確かめることができる。ここでの「細胞」とは、有糸***または減数***が変調されることが可能である細胞を意味する。
本発明で言う「患者」には、ヒトおよび他の動物特に哺乳動物、ならびに生物が含まれる。つまり本方法は、ヒトの治療および獣医用途のいずれにも適用可能である。ある特定の実施形態では、患者は哺乳動物であり、より特定的には患者はヒトである。
所望の薬理活性をもつ本発明の化合物は、ここで論じたように、一般に、医薬賦形剤を含んでなる医薬的に許容される組成物として、患者に投与することができる。薬の導入の方法に応じて、本化合物は、以下で論じるように様々な方法で製剤化することができる。製剤中の治療的に活性な化合物の濃度は、約0.1〜100重量%で変化し得る。
本作用物質は単独で投与することもできるし、あるいは他の治療、すなわち放射線治療、または微小管形成に作用すると思われるタキサン類の薬剤またはカンプトテシン類のトポイソメラーゼI阻害剤などの他の化学療法剤との組み合せで投与することもできる。使用する場合は、本発明の化合物の投与の前、同時、または後に他の化学療法剤を投与することができる。本発明の1つの態様において、本発明の化合物は、1つまたは複数の他の化学療法剤と一緒に同時投与される。「同時投与する」とは、本発明の化合物ならびに同時投与された化合物が、同時を含めて、実際いつ投与されたかに関係なくそれら化合物を患者の血流中に同時に見ることができるように本発明の化合物を患者に投与することを意味する。
本発明の化合物および組成物の投与は色々な方法で行なうことができ、それらには、限定するものではないが、経口、皮下、静脈内、鼻腔内、経皮、腹腔内、筋肉内、肺内、経膣、経直腸、または眼内投与が挙げられる。一部の例においては、例えば創傷および炎症の治療においては、本発明の化合物または組成物は、溶液またはスプレーとして直接適用することができる。
医薬投与形体中には、式Iの化合物もしくはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、または塩の溶媒和物と、1つまたは複数の医薬賦形剤が含まれる。当技術分野で知られているように、医薬賦形剤は二次的な成分であって、これらは、色々な投与形体(例えば:タブレット、カプセル、液体などの経口用形体;皮膚用形体、眼用形体、耳用形体などの局所用形体;座剤;注射剤;吸入用形体など)にある薬物または医薬の送達を可能にするようまたは向上させるよう機能する。医薬賦形剤としては、本活性成分の医療効果に実質的に寄与する不活性または非作用性成分、相乗作用剤、または薬品が挙げられる。例えば、医薬賦形剤は、流動特性、製品均一性、安定性、味、または外観を改善するよう、使用の便宜のために投与量の取り扱いおよび投与を容易にするよう、あるいはバイオアベイラビリティ(生物学的利用能)を調節するよう機能することができる。医薬賦形剤を不活性または非作用性であると一般的に述べたが、医薬賦形剤の特性と、それを含有している投与形体との間にはある何らかの関係があることは当技術分野で解っている。
担体または希釈剤として使用するのに好適な医薬賦形剤は当技術分野で周知であり、様々な製剤において用いることができる。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, A. R. Gennaro, Editor, Mack Publishing Company (1990);Remington:The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition, A. R. Gennaro, Editor, Lippincott Williams & Wilkins (2000);Handbook of Pharmaceutical Excipients, 3rd Edition, A. H. Kibbe, Editor, American Pharmaceutical Association, and Pharmaceutical Press (2000);および、Handbook of Pharmaceutical Additives, compiled by Michael and Irene Ash, Gower (1995)を参照されたい[これらそれぞれを、あらゆる目的のために、参照によりここに組み入れる]。
タブレットなどの経口用固形投与形体は典型的には1つまたは複数の医薬賦形剤を含むことになると思われ、これらは、例えばタブレットに、満足のいく加工特性や圧縮特性を与えるうえで助けとなることができるか、あるいはさらなる望ましい物理特性を与えることができる。そのような医薬賦形剤は、希釈剤、結合剤、滑択剤、潤滑剤、崩壊剤、着色剤、芳香剤、甘味剤、ポリマー、ワックス、または他の溶解遅延性物質から選択することができる。
静脈内投与用の組成物は一般に、循環系によって容易に運ばれ且つ吸収されることができる静脈内用の液、すなわち糖、アミノ酸、電解質などの単純化学物質の滅菌溶液を含む。そのような液はUSP(米国薬局方)注射用水で調製される。
広く静脈内(IV)用途に使用される液は、Remington, the Science and Practice of Pharmacy[全索引は前に記載]に開示されており、これらの中のものとしては以下が挙げられる。
アルコール(例えば、デキストロースと水(「D/W」)[例えば、5%デキストロース]、または塩規定溶液(「NSS」)中のデキストロースと水[例えば、5%デキストロース]中の;例えば5%アルコール);
アミノシン[Aminosyn]、フレアミン[FreAmine]、トラバソール[Travasol]などの合成アミノ酸、例えばそれぞれ3.5または7;8.5;3.5、5.5または8.5%;
塩化アンモニウムで、例えば2.14%;
デキストラン40で、NSS中例えば10%またはD5/W中例えば10%;
デキストラン70で、NSS中例えば6%またはD5/W中例えば6%;
デキストロース(グルコース、D5/W)で、例えば2.5〜50%;
デキストロースおよび塩化ナトリウムで、例えばデキストロース5〜20%とNaCl0.22〜0.9%;
乳酸加リンガー液(Hartmann's)で、例えばNaCl 0.6%、KCl0.03%、CaCl20.02%;
乳酸0.3%;
マンニトール、例えば5%、場合によりデキストロース例えば10%またはNaCl例えば15または20%との組み合せで;
電解質、デキストロース、フルクトース、転化糖リンガー液の色々な組み合せをもつ複数電解質溶液、例えばNaCl0.86%、KCl0.03%、CaCl20.033%;
ナトリウムビカルボネート、例えば5%;
塩化ナトリウム、例えば0.45、0.9、3、または5%;
乳酸ナトリウム、例えば1/6M;および、
注射用滅菌水。
このような液のpHは変わることがあるが、当技術分野で知られているように、典型的には3.5〜8である。
以下の実施例は、上記した発明の使用方法をより詳しく説明するのに、また本発明の色々な態様を実施する上で想致される最良の形態を示すのに役立つ。これらの実施例は決して本発明の正確な範囲を限定するものではなく、むしろ説明の目的のために提供されることは理解されるところである。本明細書で引用された、限定するものではないが特許および特許出願を含めた全ての文献は、あたかも各個々の文献がまるで全部記載されているがごとくに参照によりここに組み込まれると具体的且つ個別的に記されているがごとくに参照によりここに組み込まれる。
実施例1
化合物の合成
Figure 2005538062
Figure 2005538062
4-クロロ-2-ヨード安息香酸1(25g、88.7ミリモル)、SOCl2(100mL)、およびDMF(数滴)の溶液を、この混合物が均質になるまで(15min[分])ヒートガンで穏やかに加温した。得られた溶液を23℃にさらに30分間維持し、その後この溶液を濃縮した。得られた粗製残留物にMeOH(200mL)を加え、得られた溶液を23℃に30分間維持した。この溶液を濃縮し、得られた粗製残留物を次に10:1のヘキサン:EtOAcに溶解させ、シリカゲルプラグを通過させた。得られた溶離液を濃縮してエステル2を26.2g(100%)無色の油状物として得たが、これは高真空(0.1 Torr[トール])下に静置しておいたら固まった。
エステル2(2.35g、7.94ミリモル)、アセチレン31(1.72g、8.7ミリモル)、Pd(PPh3)Cl2(140mg、0.20ミリモル)、CuI(19mg、0.1ミリモル)、およびTEA(35mL)の混合物を50℃に1h[時間]維持した。得られた反応混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(100mL)その後ブライン(100mL)で洗った。得られた有機層を乾燥させ(MgS04)、濃縮した。得られた粗製残留物をフラッシュクロマトグラフィー(10:1のヘキサン:EtOAc)により精製して4を2.88g(100%)得た。
エステル4(2.88g、7.94ミリモル)、KOH(930mg、16.5ミリモル)、MeOH(15mL)、THF(15mL)、およびH20(15mL)を50℃に丁度30分間維持した。この反応物をEtOAc(100mL)で希釈し、1N HCl(20mL)およびブライン(20mL)で洗った。得られた有機層を乾燥させ(MgS04)、濃縮して酸5(99%)を2.76g得たが、これはこれ以上精製することなく用いた。
Pd(MeCN)2Cl2(98mg、0.39ミリモル)を、上記粗製酸5(2.76g、7.87ミリモル)、TEA(3.3mL)およびTHF(54mL)の溶液に加えた。得られた溶液を50℃に30分間維持した。この反応溶液をヘキサン(150mL)で希釈し、シリカゲルプラグを通過させた。このプラグを(5:1のヘキサン:EtOAc)で濯いだ。得られた濾液を濃縮した。この粗製残留物にヘキサン(50mL)を加えると純粋な6が溶液から沈殿した。この沈殿した物質は濾過して、これ以上精製することなく用いた。得られた濾液をこの後濃縮して、残った残留物をシリカゲル上で乾燥させ(CH2Cl2)、フラッシュカラムクロマトグラフィー(10:1のヘキサン:EtOAc;5:1のヘキサン:EtOAc;3:1のヘキサン:EtOAc)により精製して6(77%、2ステップ[two steps])を合わせて2.22g得た。
イソクロメノン6(2.1g、6.0ミリモル)、BnNH2(1.96mL、17.9ミリモル)、およびPhMe(3.0mL)の溶液を140℃に1.5時間維持した。この反応混合物を23℃に冷やし、EtOAc(50mL)で希釈し、1N HCl(20mL)およびブライン(20mL)で洗った。得られた有機層を乾燥させ(MgS04)、濃縮した。得られた粗製残留物はこれ以上精製することなく用いた。この粗製残留物、5% HCl(3.4mL)およびMeOH(17mL)の溶液を50℃に1.5時間維持した。生成物7が、この反応溶液から5分たつと白色固形物として沈殿し始める。30分後、さらなる量のMeOH(5mL)および5%HCl(1mL)を加え、この反応混合物をさらに1時間維持した。この反応混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、1N NaOH(50mL)その後ブライン(20mL)で洗った。得られた有機層を乾燥させて(MgS04)、濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(5:1のヘキサン:EtOAc)により精製して、ラセミ化合物7(68%、2ステップ[two steps])を1.8g得た。
イソキノロン7(2.50g、5.68ミリモル)およびTFA:H20(97.5:2.5;25mL)の溶液を23℃に1時間維持した。得られた溶液を濃縮した。得られた粗製残留物をEtOAc(75mL)で希釈し、1N NaOH(20mL)、次いでブライン(20mL)で洗った。得られた有機層を乾燥させ(MgS04)、濃縮して、アミン9(95%)1.83gを白色固形物として得た。
イソキノロン8(131mg、0.34ミリモル)、アルデヒド9(115mg、0.56ミリモル)、Na(OAc)3BH(291mg、1.38ミリモル)、およびCH2Cl2(1.1mL)を23℃に3時間維持した。この反応混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、1N NaOH(5mL)およびブライン(5mL)で洗った。得られた有機層を乾燥させ(MgS04)、濾過し、濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(3:1のヘキサン:EtOAc)により精製して、10を150mg(85%)得た。
イソキノロン10(143mg、0.28ミリモル)、POCl3(0.45mL、4.8ミリモル)、およびPhMe(14mL)を110℃に加熱した。6時間後、この反応混合物をEtOAc(40mL)で希釈し、1N NaOH(20mL)およびブライン(10mL)で洗った。これの有機層を乾燥させ(MgS04)、濾過し、濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(20:1のCHCl3:MeOH)により精製して、11を99mg(70%)白色固形物として得た。
実施例2
化合物の合成
Figure 2005538062
Figure 2005538062
イソキノロン8(515mg、1.47ミリモル)、アルデヒド12(255mg、1.47ミリモル)、NaCN(OAc)3BH(420mg、1.98ミリモル)、およびCH2Cl2(4.1mL)を23℃に2時間維持した。CH2Cl2(0.6mL)中の12のさらなる部分(225mg、1.30ミリモル)をこの後加えた。さらに3時間後、この反応混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、1N NaOH(5mL)およびブライン(5mL)で洗った。これの有機層を乾燥させ(MgS04)、濾過し、濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(3:1のヘキサン:EtOAc;1:1のヘキサン:EtOAc)により精製して、13を630mg(86%)得た。
23℃にあるイソキノロン13(85mg、0.17ミリモル)、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA、0.12mL、0.68ミリモル)、およびCH2Cl2(0.6mL)の溶液に塩化p-トルオイル(45μL、0.34ミリモル)を加えた。4時間後、この反応混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(5mL)およびブライン(5mL)で洗った。これの有機層を乾燥させ(MgS04)、濾過し、濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(3:1のヘキサン:EtOAc)により精製して、14を83mg(80%)得た。
イソキノロン14(80mg、0.13ミリモル)およびTFA:H20(97.5:2.5、2mL)を23℃に1時間維持した。この反応混合物を濃縮した。その残留物をEtOAc(20mL)に溶解させ、1N NaOH(5mL)およびブライン(5mL)で洗った。これの有機層を乾燥させ(MgS04)、濾過し、濃縮して、15を65mg(98%)白色の固形物として得たが、これは1HNMRおよびLCMS分析により>95%の純度と判断された。
実施例3
実施例1および2で例示した本発明の方法を用いて、以下の化合物を調製した。
Figure 2005538062
Figure 2005538062
Figure 2005538062
Figure 2005538062
実施例4
イソキノロンKSP阻害剤の適用に追随して起る単極紡錘体の形成
ヒト腫瘍細胞株Skov-3(卵巣)を96ウェルプレート中1ウェル当たり4,000個の細胞密度で平板培養し、24時間付着させ、それから色々な濃度のイソキノロン化合物で24時間処理した。細胞を4%ホルムアルデヒド中で固定し、抗チューブリン抗体(後に蛍光標識された二次抗体を用いて認識される)およびヘキスト[Hoechst]染料(これはDNAを染色する)で染色した。
目視による検査により、本化合物は、有糸***の前中期段階で細胞周期停止を引き起こすことが明らかとなった。DNAは濃縮され、紡錘体形成は開始されるが、停止した細胞は、単極の紡錘体を一様に呈したが、これは紡錘体極体分離の妨害があったことを示すものである。抗KSP抗体の微量注入も有糸***停止を引き起こし、停止した細胞は単極の紡錘体を見せる。
実施例5
KSP阻害剤で処理された腫瘍細胞株における細胞増殖の阻害
96ウェルプレート中、1000〜2500個の細胞/96ウェルプレートの1ウェルの密度で細胞を平板培養し、24時間付着/増殖させた。これらを、次に色々な濃度の薬物で48時間処理した。化合物を加えた時間をT0とする。試薬3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-5-(3-カルボキシメトキシフェニル)-2-(4-スルホフェニル)-2H-テトラゾリウムを用いるテトラゾリウム系アッセイ(MTS)(I.S > 特許第5,185,450号)(Promega製品カタログ番号G3580、CeIlTiter 96[登録商標]AQueousOne Solution Cell Proliferation Assayを参照)を用いて、T0における生育可能な細胞の数および48時間の化合物への曝露の後残っている細胞の数を測定する。48時間の後残っている細胞の数を、薬物を加えた時点における生育可能な細胞の数と比較することで、増殖阻害の計算が可能である。
媒体のみ(0.25% DMSO)で処理された参照用ウェル中の細胞の48時間に渡る増殖を100%増殖とみなし、化合物の入ったウェルにおける細胞の増殖をこれと比べる。KSP阻害物質は、ヒト卵巣腫瘍細胞株(SKOV-3)において細胞増殖を阻害する。
Gi50は、μMでの化合物の濃度対、処置したウェル中での細胞増殖の細胞増殖パーセントをプロットすることにより計算される。化合物に対して計算されたこのGi50が、参照と比較しての増殖が50%阻害される推定濃度である。すなわち、100 x [(Treated48-T0)/(Control48-T0)] = 50となる濃度である(Treated = 処置;Control = 参照)。
全ての化合物の濃度は2つで試験され、参照については12個のウェルが平均される。非常によく似た96ウェルプレートのレイアウトおよびGI50の計算方式がNational Cancer Institute[(米)国立がん研究所]により使用されている[Monks, et al., J. NatI. Cancer Inst. 83:757-766 (1991)を参照]。しかしながら、National Cancer Instituteが細胞数を定量する方法はMTSを使用せず、代わりに別の方法を用いている。
実施例6
IC 50 の計算
KSP活性に対する化合物のIC50の測定にはATPアーゼアッセイを用いる。次の溶液が使用される。3mMのホスホエノールピルビン酸カリウム塩(Sigma P-7127)、2mMのATP(Sigma A-3377)、1mMのIDTT(Sigma D-9779)、5Mのパクリタキセル(Sigma T-7402)、10ppmの消泡剤289(Sigma A-8436)、25mMのPipes/KOH pH 6.8(Sigma P6757)、2mMのMgCl2(VWR JT400301)、および1mMのEGTA(Sigma E3889)からなる溶液1。1mMのNADH(Sigma N8129)、0.2mg/mLのBSA(Sigma A7906)、ピルビン酸キナーゼ7U/mL、L-乳酸デヒドロゲナーゼ10 U/mL(Sigma P0294)、100nMのKSPモータードメイン、50μg/mLの微小管、1mMのDTT(Sigma D9779)、5μMのパクリタキセル(Sigma T-7402)、10ppmの消泡剤289(Sigma A-8436)、25mMのPipes/KOH pH 6.8(Sigma P6757)、2mMのMgCl2(VWRJT4003-01)、および1mMのEGTA(Sigma E3889)からなる溶液2。溶液1を用いて96ウェル微量滴定プレート(Corning Costar 3695)中で本化合物の順次希釈液(8〜12回の2倍希釈液)をつくる。順次希釈の後、各ウェルには溶液1が50μLある。各ウェルに溶液2を50μL加えることで反応を開始させる。これは、多チャンネルピペットを用いてマニュアルか自動液体取扱装置で行うことができる。微量滴定プレートをこの後マイクロプレート吸収読取装置に移し、各ウェルに対して反応速度モードで、340nmにおける複数の吸収データを同時に読み取る。次にATPアーゼの速度に比例する観測された変化速度を、化合物濃度の函数としてプロットする。標準的なIC50の求め方は、得られたデータを、非線型近似プログラム(例えば、Grafit 4)を用いて以下に示す4つのパラメーターの方程式により近似する。
Figure 2005538062
上記式中、yは観測された速度であり、xは化合物濃度である。

Claims (48)

  1. 次の式Iにより表わされる構造をもつ化合物
    Figure 2005538062
    [式中、
    R1は、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-、および置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選ばれ、
    R2およびR2'は、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-、および置換されていてもよいヘテロアラルキル-から独立に選ばれるか、あるいはR2およびR2'は一緒になって置換されていてもよい3〜7員環を形成しており、
    R12は、置換されていてもよいイミダゾリル-、置換されていてもよいイミダゾリニル-、-NHR4;-N(R4)(COR3);-N(R4)(SO2R3a);および-N(R4)(CH2R3b)からなる群から選択され、
    R3は、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-、置換されていてもよいヘテロアラルキル-、R15O-およびR17-NH-から選ばれ、
    R3aは、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-、置換されていてもよいヘテロアラルキル-、およびR17-NH-から選ばれ、
    R3bは、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-、および置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選ばれ、
    R4は、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロシクリル-、および置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選ばれ、
    R5、R6、R7およびR8は、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アルキルスルホンアミド、アルキルチオ、カルボキシアルキル、カルボキサミド、アミノカルボニル、置換されていてもよいアリールおよび置換されていてもよいヘテロアリールから独立に選ばれ、
    R15は、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-、または置換されていてもよいヘテロアラルキル-であり、
    R17は、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアラルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、および置換されていてもよいヘテロアラルキルから選ばれる]、
    式Iの化合物の医薬的に許容される塩、
    式Iの化合物の医薬的に許容される溶媒和物、または、
    式Iの化合物の医薬的に許容される塩の医薬的に許容される溶媒和物。
  2. R1が、水素、置換されていてもよいC1〜C8アルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいヘテロアリール-、置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-、および置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルキル-から選択される、請求項1に記載の化合物。
  3. R1が、水素、置換されていてもよいC1〜C4アルキル-、置換されていてもよいフェニル-C1〜C4-アルキル-、置換されていてもよいナフタレニルメチル-、置換されていてもよいフェニル-、およびナフチル-から選択される、請求項2に記載の化合物。
  4. R1が、置換されていてもよいフェニル-C1〜C4-アルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルキル-、またはナフタレニルメチル-である、請求項3に記載の化合物。
  5. R1が、ナフチル-、フェニル-、ブロモフェニル-、クロロフェニル-、メトキシフェニル-、エトキシフェニル-、トリル-、ジメチルフェニル-、クロロフルオロフェニル-、メチルクロロフェニル-、エチルフェニル-、フェネチル-、ベンジル-、クロロベンジル-、メチルベンジル-、メトキシベンジル-、シアノベンジル-、ヒドロキシベンジル-、ジクロロベンジル-、ジメトキシベンジル-、またはナフタレニルメチル-である、請求項4に記載の化合物。
  6. R1が、ベンジルである、請求項5に記載の化合物。
  7. R2およびR2'が、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-、および置換されていてもよいヘテロアラルキル-から独立に選ばれるか、またはR2およびR2'が一緒になって置換されていてもよい3〜7員環を形成している、請求項1に記載の化合物。
  8. R2が置換されていてもよいC1〜C4アルキル-であり、R2'が水素または置換されていてもよいC1〜C4アルキル-である、請求項7に記載の化合物。
  9. R2'が水素であり、R2が置換されていてもよいC1〜C4アルキル-である、請求項8に記載の化合物。
  10. R2'が水素であり、R2がエチルまたはプロピルである、請求項9に記載の化合物。
  11. R2がi-プロピルである、請求項10に記載の化合物。
  12. R2またはR2'のどちらかが水素である場合、もう一方が水素ではない、請求項1に記載の化合物。
  13. R5、R6、R7、およびR8が、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、置換されていてもよいC1〜C4アルキル-、C1〜C4アルコキシ、シアノ、アミノ、置換アミノ、またはカルバミル-から独立に選ばれる、請求項1に記載の化合物。
  14. R5、R6、R7、およびR8が独立にメトキシ、メチル、トリフルオロメチル、シアノ、水素またはハロである、請求項13に記載の化合物。
  15. R5、R6、R7、およびR8の内の1つだけが水素ではない、請求項14に記載の化合物。
  16. R12が、次の式
    Figure 2005538062
    [式中、
    R9は、水素、置換されていてもよいC1〜C8アルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルキル-、置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルコキシ、置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルコキシ、および置換されていてもよいヘテロアリール-から選ばれ、
    R13およびR13'は独立に水素、置換されていてもよいC1〜C8アルキル-、置換されていてもよいアリール-、または置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-である]
    をもつ置換されていてもよいイミダゾリル-である、請求項1に記載の化合物。
  17. R9が、低級アルキル;フェニル-;または、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、またはハロの群の1つ以上で置換されたフェニル-である、請求項16に記載の化合物。
  18. R13が水素であり、R13'が置換されていてもよい置換C1〜C4アルキル-である、請求項16に記載の化合物。
  19. R12が次の式
    Figure 2005538062
    [式中、
    R14は、水素、置換されていてもよいC1〜C8アルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-、置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルキル-から選ばれ、
    R10、R10'、R11およびR11'は、水素、置換されていてもよいC1〜C8アルキル-、置換されていてもよいアリール-、および置換されていてもよいアリールC1〜C4-アルキル-から独立に選ばれる]
    をもつ置換されていてもよいイミダゾリンである、請求項1に記載の化合物。
  20. R10、R10'、R11、およびR11'が独立に水素または置換されていてもよいC1〜C4アルキル-である、請求項19に記載の化合物。
  21. R12が-NHR4、-NR4(COR3)、NR4(SO2R3a)、または-NR4(CH2R3b)であり、R4がR16-アルキレン-であり、R16がアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、グアニジン、ヒドロキシル-、およびN-ヘテロシクリル-から選ばれる、請求項1に記載の化合物。
  22. R12が-NR4(COR3)であり、R3が、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-、置換されていてもよいアリール-、R15O-およびR17-NH-[式中、R15は置換されていてもよいアルキルおよび置換されていてもよいアリールから選ばれ、R17は水素、置換されていてもよいアルキルおよび置換されていてもよいアリール-から選ばれる]から選択される、請求項1に記載の化合物。
  23. R12が-NR4(COR3)であり、R3がトリル-、ハロフェニル-、ハロメチルフェニル-,ヒドロキシメチルフェニル-、メチレンジオキシフェニル-、ホルミルフェニルまたはシアノフェニル-である、請求項22に記載の化合物。
  24. R3aが、C1〜C13アルキル-;フェニル-;ナフチル-;シアノ、ハロ、低級アルキル-、低級アルコキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、またはトリフルオロメチル-で置換されたフェニル;ビフェニリルおよびヘテロアリール-から選ばれる、請求項21に記載の化合物。
  25. R3bが、C1〜C13アルキル-;置換低級アルキル-;フェニル-;ナフチル-;シアノ、ハロ、低級アルキル-、低級アルコキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、またはトリフルオロメチル-で置換されたフェニル;ビフェニリル-、ベンジルおよびヘテロシクリル-;から選ばれる、請求項21に記載の化合物。
  26. R1が、置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルキル-、またはナフタレニルメチルであり、
    R2が、置換されていてもよいC1〜C4-アルキル-であり、
    R2'が、水素であり、
    R7が、水素、メチル、またはシアノであり、
    R5、R6、およびR8が、水素であり、
    R12が、置換されていてもよいイミダゾリル-、置換されていてもよいイミダゾリニル-、-NHR4;-N(R4)(COR3);-N(R4)(SO2R3a);または-N(R4)(CH2R3b)である、
    請求項1に記載の化合物。
  27. R12が、次の式
    Figure 2005538062
    [式中、
    R9は、低級アルキル;フェニル-;または、次の基:メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、またはハロの1つ以上で置換されたフェニル-であり、
    R13は、水素であり、
    R13'は、置換C1〜C4アルキル-である]
    をもつ置換されていてもよいイミダゾリル-である、請求項26に記載の化合物。
  28. R12が、次の式
    Figure 2005538062
    「式中、
    R14は、低級アルキル;フェニル-;または、次の基:メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、またはハロの1つ以上で置換されたフェニル-であり、
    R10、R10'、R11'、およびR11は独立に水素または置換されていてもよいC1〜C4アルキル-である]
    をもつ置換されていてもよいイミダゾリニル-である、請求項26に記載の化合物。
  29. R12が-NHR4であり;R4が、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアラルキル-、および置換されていてもよいヘテロシクリル-から選ばれる;請求項26に記載の化合物。
  30. R3が、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアリール-、置換されていてもよいアリール-、R15O-およびR17-NH-[式中、R15は置換されていてもよいアルキルおよび置換されていてもよいアリールから選ばれ、R17は、水素、置換されていてもよいアルキルおよび置換されていてもよいアリールから選ばれる]から選ばれる、請求項26に記載の化合物。
  31. R4がR16-アルキレン-であり、R16が、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、ヒドロキシル-、およびN-ヘテロシクリル-から選ばれる、請求項30に記載の化合物。
  32. R4が、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアラルキル-、および置換されていてもよいヘテロシクリル-から選ばれ、
    R3が、置換されていてもよいアルキル-;アリール-;置換アリール-;ベンジル-;および、置換されていてもよいヘテロアリール-から選択される、
    請求項31に記載の化合物。
  33. R3が、トリル-、ハロフェニル-、ハロメチルフェニル-、ヒドロキシメチルフェニル-、メチレンジオキシフェニル-,ホルミルフェニルまたはシアノフェニル-である、請求項32に記載の化合物。
  34. R12が-N(R4)(CH2R3b)であり、
    R4が、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアラルキル-、および置換されていてもよいヘテロシクリル-から選ばれ、
    R3bが、1つ以上のハロ、メチル-、シアノ、トリフルオロメチル-、トリフルオロメトキシ、カルボキシ、またはメトキシカルボニル基で置換されたフェニル;ピペリジニル-;およびナフチル-から選ばれる、
    請求項26に記載の化合物。
  35. R12が、-NR4(SO2R3a)であり、
    R4が、水素、置換されていてもよいアルキル-、置換されていてもよいアリール-、置換されていてもよいアラルキル-、置換されていてもよいヘテロアラルキル-、および置換されていてもよいヘテロシクリル-から選ばれ、
    R3aが、ハロ、低級アルキル-、低級アルコキシ、シアノ、ニトロ、メチレンジオキシ、またはトリフルオロメチル-で置換されたフェニル;および、ナフチル-から選ばれる、
    請求項1に記載の化合物。
  36. R2およびR2'が、それぞれR-配置をもつ立体中心に結合している、請求項1〜35のいずれか1項に記載の化合物。
  37. 請求項1〜36のいずれか1項に記載の化合物、塩、またはその溶媒和物と、医薬賦形剤を含む組成物。
  38. 前記組成物がさらに、式Iの化合物もしくはその塩、溶媒和物、またはその塩の溶媒和物以外の化学療法薬を含む、請求項37に記載の組成物。
  39. 前記組成物がさらにタキサンを含む、請求項38に記載の組成物。
  40. 前記組成物がさらにビンカアルカロイドを含む、請求項38に記載の組成物。
  41. 前記組成物がさらにトポイソメラーゼI阻害薬を含む、請求項38に記載の組成物。
  42. KSPキネシンに、請求項1〜41のいずれか1項に記載の化合物の有効量を接触させることを含んでなる、KSPキネシン活性の変調方法。
  43. KSPキネシンに、請求項1〜41のいずれか1項に記載の化合物の有効量を接触させることを含んでなる、KSPの阻害方法。
  44. 細胞増殖性疾患の治療を必要とする患者に、請求項1〜41のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含んでなる、細胞増殖性疾患の治療方法。
  45. 細胞増殖性疾患の治療を必要とする患者に、請求項42〜44のいずれか1項に記載の組成物を投与することを含んでなる、細胞増殖性疾患の治療方法。
  46. 前記疾患が、癌、過形成、再狭窄、心臓肥大、免疫障害、および炎症からなる群から選択される、請求項44または45に記載の方法。
  47. 細胞増殖性疾患を治療するための医薬の製造における、請求項1〜41のいずれか1項に記載の化合物の使用。
  48. KSPキネシン活性が関連する疾患を治療するための医薬の製造のための、請求項47に記載の化合物の使用。
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