JP2007509054A - 血管健康を促進するシリルフェノール - Google Patents

血管健康を促進するシリルフェノール Download PDF

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Abstract

本発明は、一般的に血管健康を改善するための治療的および予防的な方法ならびに組成物に関する。1つの具体例において、本発明方法は、処置を必要とする対象に治療的または予防的に有効な量の少なくとも1つの本発明の化合物を投与することを含み、ここに、該量は主要心臓有害事象、血管アクセス機能不全または男性***不全の治療または予防に治療的または予防的に有効なものである。

Description

発明の詳細な説明
関連出願の相互参照
本願は、2003年10月17日に出願された米国仮特許出願第60/511,654号、2003年10月17日に出願された米国仮特許出願第60/511,663号、2003年10月17日に出願された米国仮特許出願第60/511,670号、2004年1月20日に出願された米国仮特許出願第60/537,233号、2004年1月20日に出願された米国仮特許出願第60/537,250号、2004年1月20日に出願された米国仮特許出願第60/537,286号(それらの各々をここに出典明示してそれらの全てを本明細書の一部とみなす)の利益を主張する。
発明の分野
本発明は、主要心臓有害事象を治療および予防する方法、血管アクセス機能不全を治療および予防する方法、ならびに男性***不全を治療および予防する方法を含めた血管の健康を改善するための治療方法および予防方法ならびに組成物に関する。
発明の背景
血管の健康は、多数の疾患および障害の状態ならびに様式に関係している。かかる疾患および障害は主要心臓有害事象、血管アクセス機能不全および男性***不全を含む。
主要心臓有害事象
限定されるものではないが、大動脈冠動脈バイパス術移植手術および経皮的な冠状動脈の介在(PCI)のごとき心臓死、致命的ではない心筋梗塞、不安定狭心症、発作または介入手順を含めた主要心臓有害事象(MACE)は、長期的な血液透析患者における主要な死亡原因である。血液透析で処置された末期腎臓病(ESRD)患者におけるMACEによる毎年の死亡率は、一般集団におけるかかる心疾患による死亡率より、年齢で階層化される場合、10〜20倍高い(階層化されない場合は30倍高い)。国立腎臓財団、心疾患に関する専門調査会、www.kidney.org/professionals/pysfile/cardiointro.cfm (1998年10月)からのLevey ASらの報告、「慢性腎疾患における心疾患の流行の制御」。また、糖尿病は、心臓病およびMACEについての主要な独立危険因子である。心臓疾患の全体としての罹患率は、成人の糖尿病患者間で55%の高さである。
伝統的に、異脂肪血症の治療はMACEの治療および予防の第1の標的である。それでもなお、この問題の膨大さもかかわらず、末期腎臓病または糖尿病に苦しむ患者における主要心臓有害事象の治療または予防のための有効な療法は現在存在していない。スタチンおよびフィブレートのごとき伝統的な抗−アテローム性動脈硬化治療は、これらの患者集団におけるMACEの危険性の低下には大部分は有効ではないことをが判明した。これは、低密度リポタンパク質(LDL)の上昇のごとき、アテローム性動脈硬化および血管閉塞性疾患の公知の機序がこれらの集団における第1の危険因子ではないことを示唆している。従って、MACEの治療および予防に有効な療法の大きな必要性が存在したままである。
血管アクセス機能不全
血管アクセス機能不全は、血液透析集団における罹患の単一の最も重要な原因である。United States Renal Data System: Annual Report, Minneapolis, MN (2002)。より詳細には、末期腎臓病(ESRD)患者集団において、血液透析で処置された50%の患者が、配置の最初の年以内に血管のアクセス不全を経験し、75%が配置の2年以内に不全を経験している。Roy-Chaudhuryら, Kidney International, 59:2325-2334 (2001).
ESRDおよび慢性血液透析患者において、米国内で行われる最も一般的な形態の血管アクセス手順は動静脈シャントの配置である。シャント血栓症は、この患者集団における大部分の血管アクセス機能不全の原因であり、90%を超える血栓症の移植において、潜在的な病理学は、静脈の吻合部での狭窄または下流の(近位)静脈における狭窄のいずれかである。同上。
この問題の膨大さにもかかわらず、この標的集団における血管アクセス機能不全の治療または予防のための有効な療法は現在存在しない。スタチンおよびフィブレートのごとき伝統的な抗−アテローム性動脈硬化治療は、ESRD患者集団の治療において大部分は効果がなことが判明した。これは、低密度リポタンパク質(LDL)の上昇のごときアテローム性動脈硬化および血管機能不全の公知の機序がESRD患者集団において観察された血管アクセス機能不全の原因である増殖性および狭窄性のプロセスに関与しないことを示唆する。
最近の研究が、移植狭窄における平滑筋細胞、細胞間マトリックス蛋白質、マクロファージおよびある種のサイトカインの役割を研究したが、血液透析患者における血管アクセス機能不全の潜在的な機序は依然として不明確である。従って、血管アクセス機能不全の治療および予防に有効な療法の大きな必要性が存在したままである。
***不全
***不全は、***の成功に十分な陰茎***を達成するための医学的状態の不能を示す。「不能」なる用語は、この一般的な状態を記載するのにしばしば使用される。***不全は、ホルモン不全症および糖尿病のごとき臨床状態に二次的なものを含めた様々な原因に起因する。加えて、***不全は、前立腺癌、もしくは例えば、クロミプラミンまたは選択的セロトニン再吸収阻害剤(SSRI)を含めた、薬物、アルコールおよび他の薬物の使用と関係する副作用のごとき臨床状態の治療と関係した副作用として生じ得る。世界中で約1億4000万人の男性、および国立衛生研究所の研究によれば、3000万人の米国の男性が、不能または***不全に苦しんでいる。後者の数は2000年までに4700万人に上昇し得ると推定されている。米国20030176413A1参照。
マサチューセッツ男性加齢研究から、最小、中等度および完全な不能が、40〜70歳の年齢の男性において52%であることが判明した。同一研究において、完全な不能の罹患率は、40歳での5%から70歳の15%に増加した。H.A. Feldmanら, “Impotence And Its Medical And Psychosocial Correlates: Results Of The Massachusetts Male Aging Study,” J. Urol. 151(1): 54-61 (1994)参照。より最近の研究において、***不全の罹患率が50〜59歳の男性において約20%であると推測された。C. B. Johannes,ら, “Incidence of erectile dysfunction in men 40 to 69 years old: Longitudinal Results from The Massachusetts Male Aging Study,” J. Urol. 163: 460-63 (2000)参照。この状態の頻繁な発生にもかかわらず、既存の治療代替物が一様に好ましくなかったために、少数の患者だけが治療を受けた(考察について、“ABC of Sexual Health,” Brit. Med. J. 318: 387-390 (1999)参照)。
最小の非侵襲性のこれらの処置代替物の1つの真空ポンプは、***を生成するために陰茎に真空狭窄装置の使用を必要とする。陰茎の生理学は、皮膚表面付近の静脈を通って血液が流出しつつ、組織内の深部の動脈を通って血液が流れるようなものである。陰茎の軸部上にプラスチックシリンダを配置し、陰茎からの静脈血流を拘束するように真空ポンプを使用することにより、陰茎海綿体(corpus cavernosum penile)組織は捕捉された血液で充血し、次いで***が生成される。共通の患者の苦情は、この装置が性的行為に破壊的で、短期間の有効性を有し、陰茎の斑状出血のごとき結果を含めた陰茎に組織損傷を引き起こし得ることである。壊死のごとき陰茎により重度の組織損傷が拡張使用で生じ得る。
人工陰茎移植は***不全の代替的治療であり、それは陰茎内部に機械的装置を外科的に移植することを要する(例えば、Zumanowshkyへの米国特許第5,065,744号参照)。移植片は、***を達成するために患者により操作できる、半剛性の適応性のある棒または流動性の膨張したチューブになり得る。この方法は放尿、***もしくはオルガスムを有する能力に影響しないが、人工器官を移植するのに必要な手術は、疼痛、感染および傷跡が残ることに導きかねない。
陰茎***の生理的な機序に対する最近の洞察は、***不全治療用の他療法の開発に導いた。研究は、性的興奮の間に、一酸化窒素(NO)分子が、陰茎において、神経終末および内皮細胞から周囲組織に放出されることを示した。一酸化窒素分子は、酵素グアニル酸シクラーゼに影響して、細胞内カルシウムレベルを低下させて、平滑筋細胞の弛緩させる(サイクリックグアノシンモノホスフェート(cGMP)を生成する。陰茎において、海綿体平滑筋細胞の弛緩は、海綿空間への血流の増加を可能とし、海綿間圧力および陰茎の剛性に導く。
cGMPの分解を阻害する医薬は、性的刺激中に陰茎***を増強および延長し得る。シルデナフィル(VIAGRA、Pfizer社)は、経口摂取される場合、このように成功を示した1つのかかる医薬である(Terrett, N. K.ら Bioorg. Med. Chem. Lett. 1996, 6, 1819-1824)。シルデナフィルは、V型ホスホジエステラーゼ(PDE−5)、サイクリックGMP特異的なホスホジエステラーゼアイソザイムの選択的阻害薬である(R. B. Morelandら, “Sildenafil: A Novel Inhibitor of Phosphodiesterase Type 5 in Human Corpus Cavernosum Smooth Muscle Cells,” Life Sci., 62: 309-318 (1998)参照)。経口的なシルデナフィルが、それを服用する約70%の男性に有効であることが報告されている。UK−114542(Pfizer)、IC-351(ICOS社)、M-54033およびM-54018(Mochida Pharmaceutical Co.)およびE-4010(Eisai)を含めたいくつかのさらなる選択的PDE−5阻害物質が、臨床試験中である。
***不全の治療に対する他の薬理学的アプローチが記載されている(“Latest Findings on the Diagnosis and Treatment of Erectile Dysfunction,” Drug News & Perspect., 9: 572-575 (1996); “Oral Pharmacotherapy in Erectile Dysfunction,” Cur. Opin. in Urology, 7: 349-353 (1997)参照)。例えば、Zonagenによる臨床開発下の製品は、Vasomaxの商標下でのα-アドレナリン受容体アンタゴニストのフェントラミンメシレートの経口製剤である。
発明の概要
本発明は、血管の健康を改善する治療的および予防的な方法および組成物に関する。1つの具体例において、処置を必要とする対象に治療上または予防上有効な量の少なくとも1つの本発明の化合物を投与することを含む方法が提供され、該量は、主要心臓有害事象、血管アクセス機能不全または男性***不全の治療または予防に治療上または予防上有効である。
より詳細には、もう一つのある態様において、本発明は、特に、血液透析、ESRDおよび糖尿病患者のごとき酸化的負担の増加または酸化的ストレスの上昇を持つ患者における主要心臓有害事象(MACE)の予防的または治療的な処置のための方法に指向される。本発明方法は、特に、血液透析、ESRDおよび糖尿病患者における主要心臓有害事象の治療処置および予防に適している。加えて、本発明方法は、高密度リポ蛋白質(HDL)コレステロールレベルまたはQTc間隔延長の抑制のごとき有害な副作用なくして主要心臓有害事象の予防的または治療的な処置に有効である。
もう一つの態様において、本発明は、特にスタチンおよび/またはフィブレート治療に難治性の患者、例えば、ESRDに苦しむものにおける血管アクセス機能不全の予防的または治療的な処置に関する。本発明方法は、特に、血液透析を受けている対象における動静脈シャント狭窄の治療および予防に適している。加えて、本発明方法は、高密度リポ蛋白質(HDL)コレステロールレベルまたはQTc間隔延長の抑制のごとき有害な副作用なくして血管アクセス機能不全の予防的および治療的な処置に有効である。
さらにもう一つの態様において、本発明は、男性患者における***不全の予防的または治療的な処置に関する。陰茎動脈および海綿体の神経原性の障害および内皮依存性弛緩は、糖尿病のごとき血管の機能不全に関連する疾患と関係している。複数の機序は、血管組織中で、内皮および一酸化窒素作動性神経により放出された一酸化窒素(NO)の消滅に導く活性酸素種の過剰生成を含めた、糖尿病と関連する血管の機能不全に関連している。本発明方法および組成物は、***不全、特に糖尿病に関連した***不全に関連する機序の有害作用の制限に指向される。
1つの具体例において、本発明方法は、処置を必要とする対象、例えば、酸化的負担の増加または酸化的ストレスの上昇を有する対象、かくして、主要心臓有害事象の危険性がある対象、血管アクセスシャントまたは移植を有する対象、あるいは糖尿病に苦しみ***不全を経験するか、もしくは予防的処置を求める対象に、該処置に治療上または予防上有効である量の式(I)の化合物を投与することを含む:
Figure 2007509054
[式中、XおよびXは独立して、オキシおよびジアルキル置換シリルよりなる群から選択され、
はアルキル;
およびRは、Hおよびアルキルよりなる群から独立して選択され;
、R、RおよびRは、H、メトキシおよび分岐鎖または直鎖のアルキルよりなる群から独立して選択され;および
およびRは独立して、水素、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ハライド、アミン、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルカノイル、アリーロイル、ヘテロアリーロイル、−O(アルキル)、−OCO−(Hもしくはアルキル)、−OCO−(アルケニル)、−OCO−(アリール)、−OCO−(ヘテロアリール)、−(アルキル)−COOH、−(アルケニル)−COOH、−OCO−(アルキル)−COOH、−OCO−(アルケニル)−COOH、−CO−(アルキル)−COOHおよび−CO−(アルケニル)COOHよりなる群から選択され;
ここに、RまたはRの置換基が、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルカノイル、アリーロイル、ヘテロアリーロイル、−O(アルキル)、−OCO−(Hもしくはアルキル)、−OCO−(アルケニル)、−OCO−(アリール)、−OCO−(ヘテロアリール)、−(アルキル)−COOH、−(アルケニル)−COOH、−OCO−(アルキル)−COOH、−OCO−(アルケニル)−COOH、−CO−(アルキル)−COOHまたは−CO−(アルケニル)−COOHである場合、それらは独立して、C−Cアルキル、ハロゲン、−OH、−OCH、−OCHCH、ハロメチル、ジハロメチル、トリハロメチル、−NH、アルキル置換アミノ、−NO、−CN、−NC、-C(=NH)(NH) (すなわち、アミジン)、−SH、−COOH、−COOCHおよび−COOCHCHよりなる群から独立して選択される1以上の官能基で置換されてもよい]。
好ましい具体例において、該方法は、式(I)[式中、XおよびXは独立して、オキシおよびジアルキル置換シリルよりなる群から選択され、
はC−Cアルキル;
およびRは、HおよびC−Cアルキルよりなる群から独立して選択され;
、R、RおよびRは、H、メトキシおよび分岐鎖または直鎖のC−Cアルキルよりなる群から独立して選択され;および
およびRは独立して、水素、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ハライド、アミン、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルカノイル、アリーロイル、ヘテロアリーロイル、−O(C−Cアルキル)、−OCO−(HもしくはC−Cアルキル)、−OCO−(C−Cアルケニル)、−OCO−(アリール)、−OCO−(ヘテロアリール)、−(C−Cアルキル)−COOH、−(C−Cアルケニル)−COOH、−OCO−(C−Cアルキル)−COOH、−OCO−(C−Cアルケニル)−COOH、−CO−(C−Cアルキル)−COOHおよび−CO−(C−Cアルケニル)COOHよりなる群から選択され;
ここに、RまたはRの置換基は、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルカノイル、アリーロイル、ヘテロアリーロイル、−O(C−Cアルキル)、−OCO−(HもしくはC−Cアルキル)、−OCO−(C−Cアルケニル)、−OCO−(アリール)、−OCO−(ヘテロアリール)、−(C−Cアルキル)−COOH、−(C−Cアルケニル)−COOH、−OCO−(C−Cアルキル)−COOH、−OCO−(C−Cアルケニル)−COOH、−CO−(C−Cアルキル)−COOHまたは−CO−(C−Cアルケニル)−COOHである場合、それらは独立して、C−Cアルキル、ハロゲン、−OH、−OCH、−OCHCH、ハロメチル(ジハロメチル、トリハロメチル、−NH、アルキル置換アミノ、−NO、−CN、−NC、-C(=NH)(NH)(すなわち、ジアミン)、−SH、−COOH、−COOCHおよび−COOCHCHよりなる群から独立して選択される1以上の官能基で置換されてもよい]で表される化合物を処置を必要とする対象に投与することを含む。
もう一つの具体例において、本発明方法は、処置を必要とする対象、例えば、酸化的負担の増加または酸化的ストレスの上昇を有する対象、かくして、主要心臓有害事象の危険性がある対象、血管のアクセスシャントまたは移植を有する対象、あるいは糖尿病に苦しみ***不全を経験するか、もしくは予防的処置を求める対象に、該処置に治療上または予防上有効である量の式(II)の化合物を投与することを含む:
Figure 2007509054
[式中、XおよびXは独立して、チオ、オキシおよびジアルキル置換シリルよりなる群から選択され、
はC−Cアルキル;
およびRは、HおよびC−Cアルキルよりなる群から独立して選択され;
、R、RおよびRは、H、メトキシおよび分岐鎖または直鎖のアルキルよりなる群から独立して選択され;および
およびRは独立して、水素、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ハライド、アミン、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルカノイル、アリーロイル、ヘテロアリーロイル、−O(アルキル)、−OCO−(Hもしくはアルキル)、−OCO−(アルケニル)、−OCO−(アリール)、−OCO−(ヘテロアリール)、−(アルキル)−COOH、−(アルケニル)−COOH、−OCO−(アルキル)−COOH、−OCO−(アルケニル)−COOH、−CO−(アルキル)−COOHおよび−CO−(アルケニル)−COOHよりなる群から選択され;
ここに、RまたはRの置換基は、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルカノイル、アリーロイル、ヘテロアリーロイル、−O(アルキル)、−OCO−(Hもしくはアルキル)、−OCO−(アルケニル)、−OCO−(アリール)、−OCO−(ヘテロアリール)、−(アルキル)−COOH、−(アルケニル)−COOH、−OCO−(アルキル)−COOH、−OCO−(アルケニル)−COOH、−CO−(アルキル)−COOHおよび−CO−(アルケニル)−COOHである場合、それらは独立して、C−Cアルキル、ハロゲン、−OH、−OCH、−OCHCH、ハロメチル、ジハロメチル、トリハロメチル、−NH、アルキル置換アミノ、−NO、−CN、−NC、-C(=NH)(NH)(すなわち、アミジン)、−SH、−COOH、−COOCHおよび−COOCHCHよりなる群から独立して選択される1以上の官能基で置換されてもよい]。
好ましい具体例において、該方法は、式(II)[式中、XおよびXは独立して、チオ、オキシおよびジアルキル置換シリルよりなる群から選択され、
はC−Cアルキル;
およびRは、HおよびC−Cアルキルよりなる群から独立して選択され;
、R、RおよびRは、H、メトキシおよび分岐鎖または直鎖のC−Cアルキルよりなる群から独立して選択され;および
およびRは独立して、水素、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ハライド、アミン、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルカノイル、アリーロイル、ヘテロアリーロイル、−O(C−Cアルキル)、−OCO−(HもしくはC−Cアルキル)、−OCO−(C−Cアルケニル)、−OCO−(アリール)、−OCO−(ヘテロアリール)、−(C−Cアルキル)−COOH、−(C−Cアルケニル)−COOH、−OCO−(C−Cアルキル)−COOH、−OCO−(C−Cアルケニル)−COOH、−CO−(C−Cアルキル)−COOHおよび−CO−(C−Cアルケニル)COOHよりなる群から選択され;
ここに、RまたはRの置換基は、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルカノイル、アリーロイル、ヘテロアリーロイル、−O(C−Cアルキル)、−OCO−(HもしくはC−Cアルキル)、−OCO−(C−Cアルケニル)、−OCO−(アリール)、−OCO−(ヘテロアリール)、−(C−Cアルキル)−COOH、−(C−Cアルケニル)−COOH、−OCO−(C−Cアルキル)−COOH、−OCO−(C−Cアルケニル)−COOH、−CO−(C−Cアルキル)−COOHまたは−CO−(C−Cアルケニル)−COOHである場合、それらは独立して、C−Cアルキル、ハロゲン、−OH、−OCH、−OCHCH、ハロメチル(ジハロメチル、トリハロメチル、−NH、アルキル置換アミノ、−NO、−CN、−NC、-C(=NH)(NH)(すなわち、アミジン)、−SH、−COOH、−COOCHおよび−COOCHCHよりなる群から独立して選択される1以上の官能基で置換されてもよい]で表される化合物を処置を必要とする対象に投与することを含む。
さらにもう一つの具体例において、処置を必要とする対象、例えば、酸化的負担の増加または酸化的ストレスの上昇を有する対象、かくして、主要心臓有害事象の危険性がある対象、血管のアクセスシャントまたは移植を有する対象、あるいは糖尿病に苦しみ***不全を経験するか、もしくは予防的処置を求める対象に、該処置に治療上または予防上有効である量の式(V)の化合物を投与することを含む方法が提供される:
Figure 2007509054
[式中、Gは
Figure 2007509054
(式中、Yは−H、C−CアルキルまたはC−Cアルケニル;
は、−H、C−Cアルキル、またはC−Cアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アリーロイル、アルカノイルまたはヘテロアリーロイル;
は、−H、−CNおよびC−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリールまたはヘテロアリール;
は、(CH)(ここに、nは0〜4)またはC−Cアルケニル;
は、NH、(CH2)(ここに、nが0〜4)またはC−Cアルケニル;
は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールまたはアルキルヘテロアリール;
は、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールまたはアルキルヘテロアリール、あるいはNH Y;
は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールまたはアルキルヘテロアリール;
は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリールまたはヘテロアリール;
10は、H、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールまたはアルキルヘテロアリール;
11は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、−O−または−N−(Y);
LはC−CアルキルまたはC−Cアルケニルである)
よりなる群から選択され;および
Gは独立して、-F、−Cl、−Br、-I、−NH、アルキル置換アミノ、−OH、−CN、−SH、−CH、−CHCH、−CF、−OCH、−OCHCH、−COOH、−COOCHおよび−COOCHCHよりなる群から選択される1以上の置換基でさらに置換されていてもよい)
よりなる群から選択される]。
本発明のもう一つの態様において、本発明方法に有用な本発明の化合物、特に、式Vの化合物、ならびにかかる化合物の代謝物質およびかかる化合物を含む医薬組成物が提供される。
本発明の態様は、以下の図および詳細な記載に基づき当業者に明らかになるであろう。
本発明のもう一つの態様において、本発明方法に有用な本発明の化合物、特に、式Vの化合物、ならびにかかる化合物の代謝物質およびかかる化合物を含む医薬組成物が提供される。
本発明の態様は、以下の図および詳細な記載に基づき当業者に明らかになるであろう。
発明の詳細な記載
本発明は、一般に、血管の健康を改善するための治療的および予防的な方法ならびに組成物に関する。本発明による血管の健康に寄与する因子は、限定されるものではないが、VCAM−1の発現低下;TNF−α、ROSのクエンチング(quenching)、または炎症および炎症性サイトカインにより引き起こされるNO活性の損失の防止;ヘムオキシゲナーゼ−1(HMOX−1)の発現の誘導;血管損傷後の新生内膜の肥厚および血管損傷後の内膜−対−中膜比(intimal-to-medial ratio)の低下;または血管損傷もしくは苦痛の部位に対する白血球動員の阻害を含み得る。かかる血管の健康因子に関係する疾患状態および疾患は、主要心臓有害事象、血管アクセス機能不全および男性***不全を含む。
より詳細には、主要心臓有害事象(MACE)は、ESRDに苦しむもののごとき長期的な血液透析患者における死亡の主要原因である。また、糖尿病は心臓疾患およびMACEについての主な独立危険因子である。アテローム性動脈硬化は、これらの患者におけるMACEの発生の基礎をなす病理学的機序に寄与しつつ、さらなる危険因子が重要な役割を果たす。これは、血液透析、ESRDおよび糖尿病患者集団におけるMACEの発生の危険性が、スタチンおよびフィブレートのごとき伝統的な抗−アテローム性動脈硬化治療に大きくは影響されないという事実に支持される。さらに、LDLコレステロールのごとき従来の脂質危険因子は、これらの患者集団に観察されたMACEの圧倒的な発生を十分には説明しない。
血液透析集団、特にESRD患者における罹患率および入院のもう一つの主要原因は、血管アクセス機能不全である。血管アクセス機能不全または狭窄は、アテローム性動脈硬化とは基本的に異なり、移植に依存して、非常に異なった血流力学により特徴づけることができる(例えば、静脈への動脈のシャントは、動脈源から高圧血流から典型的に低圧力の静脈源まで連結する)。アテローム性動脈硬化および血管アクセス機能不全は、炎症応答のごときある種の基礎をなす病理学的機序を共有し得るが、それらは、同じ身体的状況において媒介されない (例えば、血管アクセス移植またはシャントにおける炎症応答は、アテローム斑において発生する炎症応答とは異なる)。これは、血液透析患者集団における血管アクセス機能不全が、スタチンおよびフィブレートのごとき従来の抗−アテローム性動脈硬化治療に大きくは影響されないという事実により再度支持される。さらに、LDLコレステロールのごとき従来の脂質危険因子は、血液透析患者集団において観察された血管アクセス機能不全の圧倒的な発生を十分には説明しない。
現在の研究は、酸化に対するリポタンパク質抵抗性を減少させる酸化ストレスの増加に曝露された血液透析患者が、コントロールと比較して、より高レベルの血漿VCAM−1を有して血管炎症を示し、内皮依存性血管拡張の減少を有し、低NO産生を有することを示唆している。Annukら, J Am Soc Nephrol, 12:2747-2752 (2001); Boltonら, Nephrol Dial Transplant, 16:1189-1197 (2001); Schmidtら, Kidney Int, 58:1261-1266 (2000)。アテローム性動脈硬化管において、ヘムオキシゲナーゼ−一酸化炭素シグナル経路がアテローム性動脈硬化管における血管緊張および健康の維持に生理的な役割を果たすことが示唆されている。Siow,ら, Cardiovascular Res., 41:385-94 (1999)。
本発明より、理論により制限されることなく、アテローム性動脈硬化は、血液透析、ESRDおよび糖尿病患者におけるMACEの罹患に対する原因因子であるが、前記の非LDLコレステロール関連機序はこの患者集団におけるMACEの発生を実質的に助長すると考えられる。さらに、血管アクセス機能不全および狭窄は、アテローム性動脈硬化とは異なり、本発明より、理論により制限されることなく、前記の非LDLコレステロール関連機序は、ESRD患者集団における血管アクセス機能不全に実質的に寄与すると考えられる。
従って、本発明の1つの態様において、これらの機序を標的とする特定の薬理学的特性を有する化合物および医薬組成物は、本発明方法と組み合わせた使用のために同定された。より詳細には、本願明細書に開示された化合物は、これらの非LDLコレステロール関連機序を標的とし、それにより、血液透析、ESRDおよび糖尿病患者のごとき酸化的負担の増加または酸化的ストレスの上昇を持つ患者におけるMACEおよび/または血管アクセス機能不全の危険発生の治療、予防および低下のための新規なアプローチを提供することが示された。
本発明のもう一つの態様において、本発明の化合物および方法は、糖尿病のごとき疾患に二次的な***不全を治療する安全、有効でかつ便利な方法を提供する。該化合物は、相加効果または相乗効果を達成するために***性応答を増加させることが知られた他の活性剤またはデバイスと組み合わせて投与し得る。現在の研究は、陰茎の平滑筋細胞の弛緩に導き、それにより動脈血で拡張するようになり、***応答を生起するシグナル経路に直接的に影響する薬物の使用を通じて様々な疾患に二次的な***不全が治療され得ることを示す。***不全の治療に使用される最も顕著な化合物は商標VIAGRA下で販売されるシルデナフィルである。シルデナフィルおよび他のPDE−5阻害物質はcGMP分解の阻害を介して作用する。
本明細書に用いた「主要心臓有害事象」または「MACE」は、限定されるものではないが、当業者に認識されるように、大動脈冠動脈バイパス移植手術および経皮的冠動脈形成術(PCI)のごとき、心臓死、非致死性心筋梗塞、不安定狭心症、発作または介入手順を含む。
本明細書に用いた血液透析のための「血管アクセス」は、自然または人工的なデバイスのいずれかで、血液透析中に用いられるいずれかのインラインまたは動脈‐対‐静脈の連絡を意味する。この文脈における「シャント」は、自然または人工的な材料(例えば、しばしばPTFE)により作成された補綴の血管アクセス移植またはデバイスを意味する。「血管アクセス機能不全」とは、限定されるものではないが、患者についての狭小化、狭窄、閉塞、弱まり、血栓形成もしくは感染に対する感受性、痛みまたは不快等を含めた透析中に適切に機能する移植片またはデバイスの能力を障害するか、あるいは患者に対して病的状態の危険性を増加させるいずれかの欠陥をいう。
本願明細書に用いた「***不全」は、十分な剛性、期間または十分な剛性および期間の***を得るための不能を意味する。十分な剛性および期間の程度は、***の成功に十分な陰茎***を達成するのに必要なものである。
A. 本発明方法
1つの態様において、本発明は、血液透析、ESRDおよび糖尿病患者のごとき、特に酸化的負担の増加もしくは酸化的ストレスの上昇を持った患者における、主要心臓有害事象(MACE)の予防的または治療的な処置のための方法に指向される。本発明方法は、血液透析、ESRDおよび糖尿病患者における主要心臓有害事象の治療的処置および予防に特に適している。加えて、本発明方法は、高密度リポ蛋白質(HDL)コレステロールレベルまたはQTc間隔延長の抑制のごとき有害な副作用なくして主要心臓有害事象の予防的および治療的な処置に有効である。
本発明のかかる方法は、一般的に、主要心臓有害事象についての処置を必要とする、またはかかる発生の危険性がある対象(特に、血液透析、ESRDおよび糖尿病患者のごとき酸化的負担の増加または酸化的ストレスの上昇を有するもの)に治療上または予防上有効な量の少なくとも1つの本発明の化合物を投与することを含む。理論により制限されることなく、VCAM−1の発現低下;TNF−α、ROSのクエンチング(quenching)、または炎症および炎症性サイトカインにより引き起こされるNO活性の損失の防止;ヘムオキシゲナーゼ−1(HMOX−1)の発現の誘導、血管損傷後の新生内膜の肥厚および血管損傷後の内膜−対−中膜比の低下;および血管損傷の部位に対する白血球動員の阻害を含めた可能な組み合わせの機序を介して作用すると考えられる。
もう一つの具体例において、本発明のかかる方法は、酸化的負担の増加または酸化的ストレスの上昇を持つ対象を同定し、該対象に本発明の化合物を投与することを含む。熟練した臨床医は、酸化的負担およびストレスレベルを測定する方法を理解するであろう。本発明方法において、対象は、任意に通常の脂質レベルまたは標準化された脂質レベル(すなわち、従来の薬物、食事および/または運動を介して標準化された脂質レベル)を有してもよい。
もう一つの態様において、本発明は、特に、ESRDに苦しむものまたはスタチンおよび/またはフィブレート治療に難治性である患者における血管アクセス機能不全の治療および予防のための方法に指向される。本発明方法は、特に、血液透析を受けている対象における動静脈シャント狭窄の治療および予防に適している。加えて、本発明方法は、高密度リポ蛋白質(HDL)コレステロールレベルまたはQTc間隔延長の抑制のごとき有害な副作用なくして血管アクセス機能不全の予防または治療に有効である。
本発明のかかる方法は、一般的に、血管アクセス機能不全についての治療を必要とする、または血管アクセス機能不全の危険性のある患者(例えば、血液透析のための血管アクセスを有するいずれのもの、または特に血管アクセス機能不全、狭窄または閉塞の先の病歴を有するもの)に治療上または予防上有効な量の少なくとも1つの本発明の化合物を投与することを含む。理論により制限されることなく、おそらくVCAM−1の発現低下;TNF−αにより惹起されたNO活性の損失の防止;ヘムオキシゲナーゼ−1(HMOX−1)の発現の誘導; 血管外傷後の新生内膜の肥厚および内膜−対−中膜比の低下;および血管損傷部位に対する白血球動員の阻害を含めた機序の組合せを介して作用すると考えられる。
さらにもう一つの態様において、本発明は、特に糖尿病に苦しむもののごとき患者において、***不全の予防的および治療的な処置のための方法に指向される。本発明方法は、特に、便利で、有効で、無痛でかつ目立たない結果、***不全の予防的および治療的な処置に適している。本発明方法に関連した作用機序は、PDE−5阻害物質のごとき公知の処置と区別され、真空収縮デバイスのごときデバイスの使用に関連した組織損傷の可能性から安全でかつそれらがない。加えて、本発明方法は、外科的人工陰茎移植に関連した危険性を回避する。
本発明方法は、一般的に、***不全のための治療を必要とする、または***不全を発生する危険性のある対象(例えば、糖尿病に苦しむ個人)に治療上または予防上有効な量の少なくとも1つの本発明の化合物を投与することを含む。理論により制限されることなく、おそらくVCAM−1の発現低下;TNF−α、ROSのクエンチング(quenching)、または炎症および炎症性サイトカインにより引き起こされるNO活性の損失の防止;ヘムオキシゲナーゼ−1(HMOX−1)の発現の誘導;および血管損傷もしくは苦痛の部位に対する白血球動員の阻害を含めた血管健康を促す機序の組合せを介して作用すると考えられる。
1つの具体例において、治療上または予防上有効な量の少なくとも1つの本発明の化合物を処置を必要とする対象に投与する方法が提供され、ここに、該量は、主要心臓有害事象、血管アクセス機能不全または男性***不全の治療または予防において治療上または予防上有効である。
本発明の化合物は、当該技術分野において知られたいずれかのドラッグデリバリー経路を介して対象に投与し得る。特定の典型的な投与経路は、経口、眼内、膣、直腸、バッカル、局所的、経鼻、眼、皮下、筋肉内、静脈内(ボーラスおよび注射)、大脳内、経皮的および肺を含む。かかる化合物を投与するための好ましい処方は、Self-Emulsifying Drug Delivery Systems for Hydrophobic Therapeutic Compoundsと題する、代理人事件整理番号第18528.737号の国際出願番号[シリアル番号未決定](ここに、引用することにより本願明細の一部とみなす)に記載されている。
1つの具体例において、熟練した臨床医により決定されるように、本発明の化合物は、酸化的負担の増加または酸化的ストレスの上昇によりMACEの発生の危険性の増加の決定後に予防上有効な量にて投与される。もう一つの具体例において、本発明の化合物は、MACEの第1の適応、例えば、心筋梗塞または経皮的冠動脈形成術(PCI)手順に際して治療上有効な量で投与される。
もう一つの具体例において、本発明の化合物は、熟練した臨床医により決定されるように、血管アクセスデバイスの配置に先立ち、同時に、それに引き続いていつでも投与し得る。例えば、血管アクセス移植またはデバイスの部位でいずれかの存在している局所的な炎症を低下するために1日から1か月またはそれより長期間に血管アクセスデバイスの取り付けに先立ち患者に事前処置することが望ましいであろう。さらに、移植/シャント狭窄の発生を防止または低下するために、進行中または慢性の予防的処置を早くも最初のシャント配置に開始できると考えられる。あるいは、処置は、シャント狭窄または機能不全の連続上のいずれの時点でも開始し得る。より詳細には、1つの具体例において、本発明の化合物は、血液透析(あるいは他の血管アクセス事象)の開始の直後に予防上有効な量で投与される。他の具体例において、本発明の化合物は、血管アクセス機能不全、例えば、狭窄、閉塞、障害の第1の適応に際して治療上有効な量で投与される。
さらにもう一つの具体例において、本発明の化合物は、***不全の症状の発生に先行するいずれかの時点にて、糖尿病のごとき血管の機能不全に関連した心臓の病気または疾患に苦しむ患者のごとき危険性があると考えられる個体に予防的に投与し得る。予防的処置は、実際に、個人を***不全に苦しむ危険性に置くと考えられる診断および疾患の処置と同時に開始し得る。あるいは、疾患を改善するか、または***を達成し持続する能力のさらなる損失を防止もしくは低下させるために***不全の症状の発生に続いて個体を処置することが可能である。より詳細には、1つの具体例において、本発明の化合物は、症状の発生に先立ち予防上有効な量において***不全になる危険性がある個体に投与される。もう一つの具体例において、本発明の化合物は、***不全の第1の適応に際して、例えば、陰茎***を維持するために糖尿病患者による不能の初期の発生に際して、治療上有効な量で投与される。
本明細書に用いた治療的または予防的に有効な量なる用語は、発生の危険性の低下を含めた、同定された病気または疾患を治療、改善、または予防するか、あるいは検出可能な治療的または予防的な効果を示すための医薬の量をいう。その効果は、例えば、MACE、シャント狭窄または障害のごとき測定可能な事象に対する化学的マーカー、抗原レベルまたは時間、あるいは***の期間または海綿体内圧により検出できる。また、治療効果は、血管の炎症のごとき身体的な症状における低下を含む。対象についての正確な有効量は、対象の体重、サイズ、および健康、疾患の性質および範囲、ならびに投与につき選択された治療または治療の組合せに依存するであろう。所与の状況についての治療的または予防的に有効な量は、臨床医の技量および判断内にあるルーチン実験により決定できる。
いずれの化合物についても、治療的または予防的に有効な量は、例えば、新生細胞の細胞培養、動物モデル、通常、マウス、ウサギ、イヌまたはブタにおいてのいずれかで、最初に見積もることができる。また、動物モデルを用いて、適切な濃度範囲および投与経路を決定し得る。次いで、かかる情報を用いて、ヒトにおける投与につき有用な用量および経路を決定できる。治療的/予防的な効力および毒性は、細胞培養または実験動物における標準的な医薬手順、例えば、ED50(集団の50%に治療上有効な用量)、LD50(集団の50%に対する致死用量)により決定し得る。治療および毒性効果間の用量比は治療係数であり、それはED50/LD50比として表わすことができる。大きな治療係数を示す医薬組成物が好ましい。細胞培養アッセイおよび動物試験から得られたデータは、ヒトの使用のための用量範囲を処方するのに用いてもよい。かかる組成物に含有される量は、好ましくは、殆どまたは全く毒性のないED50を含む循環濃度の範囲内にある。その投与量は、使用された投薬形態、患者の感受性および投与経路に依存してこの範囲内で変化する。
より詳細には、本発明の化合物に関して観察された濃度−生物学的効果関係は、約5μg/mL〜約100μg/mL、約10μg/mL〜約50μg/mL、または約10μg/mL〜約25μg/mLの範囲にある最初の標的血漿中濃度を示す。かかる血漿濃度を達成するために、本発明の化合物は、投与経路に依存して、0.1μg〜100,000mgで変化する用量で投与し得る。特定の投与法および送達方法に関するガイダンスは、当該技術分野における実践者に一般的に入手可能な文献において提供される。しかしながら、一般的に、用量は、約50〜約100kgの体重の患者について、単回、分割または連続用量にて、約1mg/日〜約10g/日、または約0.1g/日〜約3g/日、または約0.3g/日〜約3g/日、または約0.5g/日〜約2g/日の範囲である(用量はこの体重範囲を超えてまたは未満の患者につき調整し得る)。
正確な投与量は、処置を必要とする対象と関係する因子に徴して実践者により決定されるであろう。用法および用量を調整して、十分なレベルの活性剤を提供するか、または所望の効果を維持する。考慮され得る因子は、例えば、その疾患状態の重篤度、対象の一般的な健康、対象の年齢、体重および性別、食事、投与の時期および頻度、薬物コンビネーション、反応感受性および処置に対する寛容性/応答を含む。長時間作用型医薬組成物は、特定の処方の半減期およびクリアランスに依存して、3〜4日毎、毎週、または2週間に一度投与され得る。
B. 本発明の化合物
本発明のもう一つの態様において、MACE、血管アクセス機能不全、または男性***不全の予防または治療に有用な化合物が提供される。本発明の化合物は、一般的に、HDLコレステロールレベルまたはQTc間隔延長の抑制のごとき有害な副作用なくして、MACE、血管アクセス機能不全、または男性***不全の予防的もしくは治療的な処置に有効であるt−ブチルフェノール化合物である。
本発明の化合物は、血管障害の治療に関連する複数の生化学的機序を標的とするように見え、それを用いて、MACE、血管アクセスデバイスの配置に起因する血管の機能不全、または特に酸化的負担の増加または酸化的ストレスの上昇を持った患者における男性***不全の発生の危険性を治療するか、または予防的に防止もしくは低下させ得る。より詳細には、本発明の化合物は、血液透析、ESRDおよび糖尿病患者の治療に特に有用である。
本発明の化合物は、プロブコール、2,[3]-tert−ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、2,6-ジ-tert−ブチルメチルフェノール(BHT)、および当該技術分野において知られた他の2,6-ジ-アルキルフェノールに構造上関連する。本発明方法に有用な本発明の好ましい化合物は、以下に示す式(I)のものである:
Figure 2007509054
[式中、XおよびXは独立して、オキシおよびジアルキル置換シリルよりなる群から選択され、
はアルキル;RおよびRは、Hおよびあるアルキルよりなる群から独立して選択され;
、R、RおよびRは、H、メトキシおよび分岐鎖または直鎖のアルキルよりなる群から独立して選択され;および
およびRは独立して、水素、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ハライド、アミン、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルカノイル、アリーロイル、ヘテロアリーロイル、−O(アルキル)、−OCO−(Hもしくはアルキル)、−OCO−(アルケニル)、−OCO−(アリール)、−OCO−(ヘテロアリール)、−(アルキル)−COOH、−(アルケニル)−COOH、−OCO−(アルキル)−COOH、−OCO−(アルケニル)−COOH、−CO−(アルキル)−COOHおよび−CO−(アルケニル)COOHよりなる群から選択され;
ここに、RまたはRの置換基が、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルカノイル、アリーロイル、ヘテロアリーロイル、−O(アルキル)、−OCO−(Hもしくはアルキル)、−OCO−(アルケニル)、−OCO−(アリール)、−OCO−(ヘテロアリール)、−(アルキル)−COOH、−(アルケニル)−COOH、−OCO−(アルキル)−COOH、−OCO−(アルケニル)−COOH、−CO−(アルキル)−COOHまたは−CO−(アルケニル)−COOHである場合、それらは独立して、C−Cアルキル、ハロゲン、−OH、−OCH、−OCHCH、ハロメチル、ジハロメチル、トリハロメチル、−NH、アルキル置換アミノ、−NO、−CN、−NC、-C(=NH)(NH)(すなわち、アミジン)、−SH、−COOH、−COOCHおよび−COOCHCHよりなる群から独立して選択される1以上の官能基で置換されてもよい]。
1つの具体例において、その方法は、処置を必要とする対象に、式(I):
[式中、XおよびXは独立して、オキシおよびジアルキル置換シリルよりなる群から選択され、
はC−Cアルキル;
およびRは、HおよびC−Cアルキルよりなる群から独立して選択され;
、R、RおよびRは、H、メトキシおよび分岐鎖または直鎖のC−Cアルキルよりなる群から独立して選択され;および
およびRは独立して、水素、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ハライド、アミン、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルカノイル、アリーロイル、ヘテロアリーロイル、−O(C−Cアルキル)、−OCO−(HもしくはC−Cアルキル)、−OCO−(C−Cアルケニル)、−OCO−(アリール)、−OCO−(ヘテロアリール)、−(C−Cアルキル)−COOH、−(C−Cアルケニル)−COOH、−OCO−(C−Cアルキル)−COOH、−OCO−(C−Cアルケニル)−COOH、−CO−(C−Cアルキル)−COOHおよび−CO−(C−Cアルケニル)COOHよりなる群から選択され;
ここに、RまたはRの置換基が、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルカノイル、アリーロイル、ヘテロアリーロイル、−O(C−Cアルキル)、−OCO−(HもしくはC−Cアルキル)、−OCO−(C−Cアルケニル)、−OCO−(アリール)、−OCO−(ヘテロアリール)、−(C−Cアルキル)−COOH、−(C−Cアルケニル)−COOH、−OCO−(C−Cアルキル)−COOH、−OCO−(C−Cアルケニル)−COOH、−CO−(C−Cアルキル)−COOHおよび−CO−(C−Cアルケニル)−COOHである場合、それらは独立して、C−Cアルキル、ハロゲン、−OH、−OCH、−OCHCH、ハロメチル、ジハロメチル、トリハロメチル、−NH、アルキル置換アミノ、−NO、−CN、−NC、-C(=NH)(NH)(すなわち、アミジン)、−SH、−COOH、−COOCHおよび−COOCHCHよりなる群から独立して選択される1以上の官能基で置換されてもよい]
で表される化合物を投与することを含む。
式(I)の特定の化合物は、RおよびRがtert−ブチル、Rがヒドロキシであるものである。式(I)のさらなる化合物は、XおよびXがオキシおよびジメチル−シリルよりなる群から独立して選択され;Rがメチレン;RおよびRが水素であり、R、R、RおよびRが独立して、水素およびtert−ブチルよりなる群から選択され;RおよびRが、ヒドロキシおよびメトキシよりなる群から独立して選択されるものである。
もう一つの具体例において、本発明の化合物は以下に示す式(II)のものを含む。
Figure 2007509054
[式中、XおよびXは独立して、チオ、オキシおよびジアルキル置換シリルよりなる群から選択され、
はC−Cアルキル;
およびRは、HおよびC−Cアルキルよりなる群から独立して選択され;
、R、RおよびRは、H、メトキシおよび分岐鎖または直鎖のアルキルよりなる群から独立して選択され;および
およびRは独立して、水素、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ハライド、アミン、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルカノイル、アリーロイル、ヘテロアリーロイル、−O(アルキル)、−OCO−(Hもしくはアルキル)、−OCO−(アルケニル)、−OCO−(アリール)、−OCO−(ヘテロアリール)、−(アルキル)−COOH、−(アルケニル)−COOH、−OCO−(アルキル)−COOH、−OCO−(アルケニル)−COOH、−CO−(アルキル)−COOHおよび−CO−(アルケニル)COOHよりなる群から選択され;
ここに、RまたはRの置換基が、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルカノイル、アリーロイル、ヘテロアリーロイル、−O(アルキル)、−OCO−(Hもしくはアルキル)、−OCO−(アルケニル)、−OCO−(アリール)、−OCO−(ヘテロアリール)、−(アルキル)−COOH、−(アルケニル)−COOH、−OCO−(アルキル)−COOH、−OCO−(アルケニル)−COOH、−CO−(アルキル)−COOHおよび−CO−(アルケニル)−COOHである場合、それらは独立して、C−Cアルキル、ハロゲン、−OH、−OCH、−OCHCH、ハロメチル、ジハロメチル、トリハロメチル、−NH、アルキル置換アミノ、−NO、−CN、−NC、-C(=NH)(NH)(すなわち、アミジン)、−SH、−COOH、−COOCHおよび−COOCHCHよりなる群から独立して選択される1以上の官能基で置換されてもよい]。
1つの具体例において、該方法は、式(II)[式中、XおよびXは独立して、チオ、オキシおよびジアルキル置換シリルよりなる群から選択され、
はC−Cアルキル;
およびRは、HおよびC−Cアルキルよりなる群から独立して選択され;
、R、RおよびRは、H、メトキシおよび分岐鎖または直鎖のC−Cアルキルよりなる群から独立して選択され;および
およびRは独立して、水素、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ハライド、アミン、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルカノイル、アリーロイル、ヘテロアリーロイル、−O(C−Cアルキル)、−OCO−(HもしくはC−Cアルキル)、−OCO−(C−Cアルケニル)、−OCO−(アリール)、−OCO−(ヘテロアリール)、−(C−Cアルキル)−COOH、−(C−Cアルケニル)−COOH、−OCO−(C−Cアルキル)−COOH、−OCO−(C−Cアルケニル)−COOH、−CO−(C−Cアルキル)−COOHおよび−CO−(C−Cアルケニル)COOHよりなる群から選択され;
ここに、RまたはRの置換基が、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルカノイル、アリーロイル、ヘテロアリーロイル、−O(C−Cアルキル)、−OCO−(HもしくはC−Cアルキル)、−OCO−(C−Cアルケニル)、−OCO−(アリール)、−OCO−(ヘテロアリール)、−(C−Cアルキル)−COOH、−(C−Cアルケニル)−COOH、−OCO−(C−Cアルキル)−COOH、−OCO−(C−Cアルケニル)−COOH、−CO−(C−Cアルキル)−COOHおよび−CO−(C−Cアルケニル)−COOHである場合、それらは独立して、C−Cアルキル、ハロゲン、−OH、−OCH、−OCHCH、ハロメチル、ジハロメチル、トリハロメチル、−NH、アルキル置換アミノ、−NO、−CN、−NC、-C(=NH)(NH)(すなわち、アミジン)、−SH、−COOH、−COOCHおよび−COOCHCHよりなる群から独立して選択される1以上の官能基で置換されてもよい]で表される化合物を処置を必要とする対象に投与することを含む。
再び、特定の化合物は、RおよびRがtert−ブチル、Rがヒドロキシであるものである。より詳細には、式(II)の好ましい化合物は、XおよびXがチオ;Rがメチレン;RおよびRがメチル;R、R、RおよびRがtert−ブチル;Rがヒドロキシ;およびRが、ブタンジオアートであるもの(すなわち、コハク酸モノ-{2,6-ジ-tert−ブチル-4-[1-(3,5-ジ-tert−ブチル-4-ヒドロキシ-フェニルスルファニル)−1-メチル-エチルスルファニル]フェニル}エステル)である。
他の具体例は、XおよびXがチオおよびジメチル−シリルよりなる群から独立して選択され;Rがメチレン;RおよびRが、水素およびメチルよりなる群から独立して選択され;R、R、RおよびRが、水素およびtert−ブチルよりなる群から独立して選択され;ならびにRおよびRが、水素、ヒドロキシ、メトキシおよびブタンジオアートよりなる群から独立して選択され;但し、XおよびXの双方がチオである場合、RおよびRの双方が共にヒドロキシではないものを含む。
本発明のもう一つの態様において、本発明方法に有用な化合物は、以下に示す式(III)を有する様々なフェノール系抗酸化剤の1以上を含む。かかるフェノール化合物は、米国特許第5,155,250号;第5,532,400号;第5,962,435号;および第5,677,291号(ここに出典明示してそれらの全てを本明細書の一部とみなす)に開示されている。具体的には、フェノール系抗酸化剤は、一般式(III)を有する2,6-ジ-アルキル-4−シリル-フェノールを含む。
Figure 2007509054
[式中、R10、R11、R12およびR13は各々独立して、C−Cアルキル基;
Zはチオ、オキシまたはメチレン基;
AはC−Cアルキレン基;および
14はC−Cアルキルまたは−(CH)-(Ar)、ここに、nは整数0、1、2または3;
Arは、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシル、クロロ、フルオロまたはC−Cアルキル基よりなる群から選択される1〜3個の置換基で置換されていないか、または置換されたフェニルまたはナフチルである]。
式(III)の化合物は、当業者に知られた方法および米国特許第5,155,250号、特に第3欄、第12行〜第8欄、第44行に開示された方法により調製できる。かかる化合物は、血管の保護特性を有し、例えば、抗酸化特性が望ましい他の治療用途を有する。
2,6-ジ-アルキル-4-シリル-フェノールの特定の例は、限定なくして以下を含む:
2,6-ジ-t-ブチル-4[(トリエチルシリル)メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[(ジエチルフェニルシリル)メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[{ジエチル-(4-メトキシフェニル)シリル}メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[{ジエチル-(2-メトキシフェニル)シリル}メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[(トリプロピルシリル)メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[(ジプロピルフェニルシリル)メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[{ジプロピル(4-エトキシフェニル)シリル}メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[{ジプロピル(2-エトキシフェニル)シリル}メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[(トリイソプロピルシリル)メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[(ジイソプロピルフェニルシリル)メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[{ジイソプロピル-(4-メトキシフェニル)シリル}メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[{ジイソプロピル-(2-メトキシフェニル)シリル}メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[(トリブチルシリル)メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[(ジブチルフェニルシリル)メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[{ジブチル-(4-エトキシフェニル)シリル}メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[{ジブチル-(2-エトキシフェニル)シリル}メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[(トリイソブチルシリル)メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[(ジイソブチルフェニルシリル)メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[{ジイソブチル-(4-メトキシフェニル)シリル}メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[{ジイソブチル-(2-メトキシフェニル)シリル}メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[(トリ-t-ブチルシリル)メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[(ジ-t-ブチルフェニルシリル)メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[{ジ-t-ブチル(4-エトキシフェニル)シリル}メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[{ジ-t-ブチル(2-エトキシフェニル)シリル}メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-メチル-4[(トリメチルシリル)メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-メチル-4[(ジメチルフェニルシリル)メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-メチル-4[{ジメチル-(4-メトキシフェニルシリル)}メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-メチル-4[{ジメチル-(2-メトキシフェニルシリル)}メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-メチル-4[(ジブチルフェニルシリル)メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-メチル-4[{ジブチル-(4-エトキシフェニル)シリル}メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-メチル-4[{ジブチル-(2-エトキシフェニル)シリル}メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-メチル-4[(トリ-t-ブチルシリル)メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-メチル-4[(ジ-t-ブチルフェニルシリル)メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-メチル-4[{ジ-t-ブチル-(4-メトキシフェニル)シリル}メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-メチル-4[{ジ-t-ブチル-(2-メトキシフェニル)シリル}メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-エチル-4[(トリメチルシリル)メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-エチル-4[(ジメチルフェニルシリル)メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-エチル-4[(トリ-t-ブチルシリル)メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-エチル-4[(ジ-t-ブチルフェニルシリル)メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-エチル-4[{ジ-t-ブチル-(4-メトキシフェニル)シリル}メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-エチル-4[{ジ-t-ブチル-(2-メトキシフェニル)シリル}メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-プロピル-4[(トリメチルシリル)メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-プロピル-4[(ジメチルフェニルシリル)メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-プロピル-4[(トリメチルシリル)メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-プロピル-4[(ジメチルフェニルシリル)メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-プロピル-4[{ジメチル-(4-エトキシフェニル)シリル}メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-プロピル-4[{ジメチル-(2-エトキシフェニル)シリル}メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-ブチル-4[(トリメチルシリル)メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-ブチル-4[(ジメチルフェニルシリル)メチルチオ]フェノール
2,6-ジ-メチル-4[(トリメチルシリル)メチルオキシ]フェノール
2,6-ジ-メチル-4[(ジメチルフェニルシリル)メチルオキシ]フェノール
2,6-ジ-メチル-4[{ジメチル-(4-エトキシフェニル)シリル}メチルオキシ]フェノール
2,6-ジ-メチル-4[{ジメチル-(2-エトキシフェニル)シリル}メチルオキシ]フェノール
2,6-ジ-ブチル-4[(トリエチルシリル)メチルオキシ]フェノール
2,6-ジ-ブチル-4[(ジエチルフェニルシリル)メチルオキシ]フェノール
2,6-ジ-ブチル-4[{ジエチル(4-メトキシフェニル)シリル}メチルオキシ]フェノール
2,6-ジ-ブチル-4[{ジエチル(2-メトキシフェニル)シリル}メチルオキシ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[(トリメチルシリル)メチルオキシ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[(ジメチルフェニルシリル)メチルオキシ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[{ジメチル(4-メトキシフェニル)シリル}メチルオキシ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[{ジメチル(2-メトキシフェニル)シリル}メチルオキシ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[{ジメチル-(4-エトキシフェニル)シリル)メチルオキシ]フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4[{ジメチル-(2-エトキシフェニル)シリル)メチルオキシ]フェノール
2,6-ジ-メチル-4[(トリメチルシリル)メチルオキシ]フェノール
2,6-ジ-メチル-4[(ジメチルフェニルシリル)メチルオキシ]フェノール
2,6-ジ-ブチル-4[(トリエチルシリル)メチルオキシ]フェノール
2,6-ジ-ブチル-4[(ジエチルフェニルシリル)メチルオキシ]フェノール。
前記の化合物は、本発明方法において用いてもよい例を単に提供するためにリストされる。本開示に基づいて、当業者ならば、本願明細書に引用された方法に有用である現在特許請求される本発明の範囲内に含まれることを意図する他の化合物が含まれることを認識するであろう。
本発明の別法の方法において、以下に示される式(IV)の化合物の定義内にもない式(I)または式(II)の化合物を使用することは有利で有り得る。
Figure 2007509054
[式中、R10およびR15は各々独立してC−Cアルキル;
11、R12およびR13は各々独立して、水素またはC−Cアルキル;
Rは水素または−C(O)−(CH)−Q(ここに、Qは水素または−COOHであって、mは整数1、2、3または4である);
Zはチオ、オキシまたはメチレン基;
AはC−Cアルキレン基;
14およびR16は各々独立して、C−Cアルキルまたは−(CH)−(Ar)(ここに、nは整数0、1、2または3である);およびArは、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシル、ハロゲン、トリフルオロメチル、C−Cアルキルもしくは−NR1718(ここに、R17およびR18は各々独立して、水素またはC−Cアルキルである)よりなる群から選択される1〜3個の置換基で置換されていないか、または置換されたフェニルまたはナフチルであり;但し、R11またはR14もしくはR16の少なくとも1つがC−Cアルキルであって、Arがトリフルオロメチルまたは−NR1718で置換されていない場合、Rは−C(O)−(CH)−Qである]で表される化合物またはその医薬上許容される塩。
もう一つの具体例において、RまたはRの少なくとも1つが、トリフルオロメチル、Br、アミノ、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルカノイル、アリーロイル、ヘテロアリーロイル、−O(C−Cアルキル)、−OCO−(HもしくはC−Cアルキル)、−OCO−(C−Cアルケニル)、−OCO−(アリール)、−OCO−(ヘテロアリール)、−(C−Cアルキル)−COOH、−(C-Cアルケニル)−COOH、−OCO−(C−Cアルキル)−COOH、−OCO−(C-Cアルケニル)−COOH、−CO−(C−Cアルキル)−COOHおよび−CO−(C-Cアルケニル)−COOH;またはそのいずれかの組合せよりなる群から独立して選択される式(I)または式(II)の化合物を使用することは有利で有り得る。本発明方法に有用な他の別法の具体例において、但し、XおよびXの双方が共にチオである場合、RおよびRの双方が共にヒドロキシ、エステルまたはエーテルから独立して選択されないと制限され、あるいは但し、XおよびXの双方が共にチオである場合、RおよびRの双方が共にヒドロキシではないと制限される式(II)の化合物を使用することは有利で有り得る。
式(IV)の化合物でなく、XおよびXの双方が共にチオである場合、RおよびRの双方が共にヒドロキシ、エステルまたはエーテルから独立して選択されないという制限に付されるか、あるいは、XおよびXの双方が共にチオである場合、RおよびRの双方が共にヒドロキシではないという制限に付される式(II)の化合物を使用することはさらに有利で有り得る。
もう一つの具体例において、RまたはRの少なくとも1つが、トリフルオロメチル、Br、アミノ、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルカノイル、アリーロイル、ヘテロアリーロイル、−O(C−Cアルキル)、−OCO−(HもしくはC−Cアルキル)、−OCO−(C−Cアルケニル)、−OCO−(アリール)、−OCO−(ヘテロアリール)、−(C−Cアルキル)−COOH、−(C-Cアルケニル)−COOH、−OCO−(C−Cアルキル)−COOH、−OCO−(C-Cアルケニル)−COOH、−CO−(C−Cアルキル)−COOHおよび−CO−(C-Cアルケニル)−COOH;またはそのいずれかの組合せよりなる群から独立して選択される制限に付され;XおよびXの双方が共にチオである場合、RおよびRの双方が共にヒドロキシ、エステルまたはエーテルから独立して選択されないという制限に付されるか、あるいは、XおよびXの双方が共にチオである場合、RおよびRの双方が共にヒドロキシではないという制限に付された式(II)の化合物を使用することは有利で有り得る。
さらなる具体例において、以下に示す式(V)の化合物が提供される。式(V)の化合物は、血管アクセス機能不全の予防的または治療的な処置のための方法において使用し得る新規な組成物の調製に有用である。
Figure 2007509054
[式中、Gは、
Figure 2007509054
(式中、Yは、−H、C−CアルキルまたはC−Cアルケニル;
は、−H、C−Cアルキル、またはC−Cアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アリーロイル、アルカノイルまたはヘテロアリーロイル;
は、−H、−CNおよびC−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリールまたはヘテロアリール;
は (CH)(ここに、nが0〜4である)、またはC−Cアルケニル;
はNH(CH)(ここにnが0〜4である)、またはC-Cアルケニル;
は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールまたはアルキルヘテロアリール;
は、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールまたはアルキルヘテロアリールあるいはNH-Y;
は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールまたはアルキルヘテロアリール;
は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリールまたはヘテロアリール;
10は、H、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールまたはアルキルヘテロアリール;
11はC−Cアルキル、C−Cアルケニル、−O−あるいは−N−(Y);
LはC−CアルキルまたはC-Cアルケニルである)
よりなる群から選択され;
ここに、Gは、−F、−Cl、−Br、-I、−NH、アルキル置換アミノ、−OH、−CN、−SH、−CH、−CHCH、−CF、−OCH、−OCHCH、−COOH、−COOCHおよび−COOCHCHよりなる群から独立して選択された1以上の置換基でさらに置換されていてもよい]。
式(V)の1つの具体例において、Gはいずれのグアニジン基も含まない。あるいは、式(V)の好ましい具体例において、Gは、
Figure 2007509054
から選択される。
本発明のある種の好ましい化合物は、以下を含む:
Figure 2007509054
Figure 2007509054
Figure 2007509054
本発明の他の好ましい化合物は、以下を含む:
Figure 2007509054
Figure 2007509054
Figure 2007509054
Figure 2007509054
Figure 2007509054
Figure 2007509054
Figure 2007509054
Figure 2007509054
Figure 2007509054
Figure 2007509054
Figure 2007509054
Figure 2007509054
本発明の目的のために、R〜R14、Y〜Y10、L、Z、AおよびArを包含する1以上の官能基が、式(I)〜(V)の分子に組み入れられ、式(I)−(V)の構造内のいずれかの位置にて出現する各官能基は独立して選択されてもよく、適切なように独立して置換され得る。
より一般的な置換基が、本発明の分子におけるいずれかの位置に記載される場合、一般的な置換基がより具体的な置換基と取り替えられてもよく、得られた分子は、本発明の分子の範囲内にあると理解される。かくして、例えば、置換基が、アルキル基として引用される場合、C−Cアルキルに制限された置換基を有する分子および分子の群は、本発明の一部であると理解される。同様に、1を超える置換基が一般的に引用される場合、各々はより具体的に引用された置換基と取り替えられてもよく、得られた分子は、本発明の分子の範囲内にある。かくして、例えば、分子がアルケニルとしての第1の置換基およびアルキルアリールとしての第2の置換基を引用するならば、第1の置換基は、例えば、−(C−C10アルケニル)に限定されていてもよく、第2の置換基は、例えば、−(C−Cアルキル)−ナフタリンに限定されていてもよいと理解される。
本願明細書に用いた「アルキル」なる用語は、一般的に、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert−ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、シクロヘキシル、n-ヘプチル、オクチル、n-オクチル等を含めた直線、分岐および環状の配置の飽和炭化水素基をいう。2置換アルキルは、一般的に、少なくとも2つの置換基、RおよびRを持つコア上で置換されたヒドロカルビル基をいう。いくつかの具体例において、アルキル置換基は、C−C20アルキル、C−C10アルキル、C−Cアルキル、C−CアルキルまたはC−C10アルキルを含み得る。
本願明細書に用いたハロメチル、ジハロメチルまたはトリハロメチルなる用語は、各々、1、2または3個のハロゲン置換を担うメチル基をいう。
「C−Cアルキレン」なる用語は、1〜4個の炭素原子から構成された直線または分岐配置の飽和したヒドロカルビルジイル基をいう。この用語の範囲内に含まれるのは、メチレン、1,2-エタン-ジイル、1,1-エタン-ジイル、1,3-プロパン-ジイル、1,2-プロパンジイル、1,3-ブタン-ジイル、1,4-ブタン-ジイル等である。
本願明細書に用いたアルケニルなる用語は、一般的に、シスまたはトランス配列のいずれかにおける、またはシスおよびトランス異性体の混合物として、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する直線、分岐または環状の配置のヒドロカルビル基(すなわち、アルケンの基)をいう。アルケニルの範囲に含まれるのは、3〜約8個の炭素原子(C−Cアルケニル)、4〜6個の炭素原子(C−Cアルケニル)、または5〜約10個の炭素(C−C10アルケニル)を有する置換基である。アルケニル置換基の例は、−CHCH基(すなわち、エチレン)、プロペン−1−イル基、プロペン−2−イル基、およびトランス−CHCHCHCH基(すなわち、トランス-2-ブテン)を含む。
本願明細書に用いたアリールとは、炭素環式の芳香環構造をいう。アリール基の範囲に含まれるのは、6〜20個の炭素原子を有する芳香環である。いくつかの具体例において、それらは10〜20個の炭素原子を有してもよく、他において、14〜24個の炭素原子を有し得る。置換基として組み込まれ得るアリール基の例は、フェニル、フェナントリル(すなわち、フェナントレン)およびナフチル(すなわち、ナフタレン)環構造を含む。
本願明細書に用いたヘテロアリールとは、環状の芳香環構造をいい、ここに、その環中の1以上の原子、ヘテロ原子が、炭素以外の元素である。ヘテロ原子は典型的には、O、SまたはN原子である。ヘテロアリールの範囲に含まれ、独立して選択できるのは、O、N、SおよびPヘテロアリール環構造である。いくつかの具体例において、ヘテロアリール基は、2以上のヘテロ原子、3以上のヘテロ原子、または4以上のヘテロ原子を含むヘテロアリール基から選択し得る。ヘテロアリール環構造は、5以上の原子、6以上の原子または8以上の原子を含むものから選択し得る。置換基として組み込まれ得るヘテロ芳香族環構造の例は、限定されるものではないが:アクリジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾフラン、1,3-ジアジン、1,2-ジアジン、1,2-ジアゾール、1,4-ジアザナフタレン、フラン、フラザン、イミダゾール、インドール、イソオキサゾール、イソキノリン、イソチアゾール、オキサゾール、プリン、ピリダジン、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピロール、キノリン、キノキサリン、チアゾール、チオフェン、1,3,5-トリアジン、1,2,4-トリアジン、1,2,3-トリアジン、テトラゾールおよびキナゾリンを含む。
本明細書に用いた−O(アルキル)なる構造は、アルキルが前記定義に同じであるアルキルエーテルを表す。アルキルエーテル置換基の範囲内に含まれるのは、−O(C−Cアルキル)、−O(C-Cアルキル)および−O(C-C10アルキル)である。アルキルエーテルの例は、メトキシ(すなわち、−OCH)、エトキシ(すなわち、−、−OCHCH)、およびtert−ブチルエーテル(すなわち、−OC(CH))を含む。
本願明細書に用いた−OCO−(Hもしくはアルキル)なる構造は、アルキルが前記定義に同じであるアルキルエステルを表す。該構造が−OCO−(H)である場合、その置換基は蟻酸エステルとなるであろう。アルキルエステルの範囲に含まれるのは、−OCOである−(HもしくはC−Cアルキル)、−OCO−(HもしくはC−Cアルキル)、−OCO−(C−Cアルキル)、および−OCO−(C−Cアルキル)である。アルキルエステルの例は、−OCOCH(すなわち、アセトキシ)、−OCOCHCH(すなわち、プロピオン酸エステル)を含む。
本願明細書に用いた−OCO−(アルケニル)なる構造は、アルケニルが前記定義に同じであるアルケニルエステル基を表わす。アルケニルエステルの範囲に含まれるのは、−OCO−(C-Cアルケニル)、−OCO−(C-Cアルケニル)および−OCO−(C-Cアルケニル)である。アルケニルエステルは、シスまたはトランス異性体、またはシスおよびトランス異性体の双方の混合物で有り得る。アルケニルエステルの例は、−OCOCHCHCH(すなわち、2-ブテノアート)、−OCOCHCHCHCH(すなわち、2-ペンタノアート)を含む。
本願明細書に用いた−(アルキル)−COOHなる構造は、一般的に、直線、分岐または環状の配置の飽和ヒドロカルボキシル基(アルキルカルボン酸)をいい、−(C−Cアルキル)−COOH基は合計で1〜9個の炭素原子を有する。アルキルエステルの範囲に含まれるのは、1〜9個の炭素原子を有する−(アルキル)−COOH基の−(C−Cアルキル)COOH、または5〜12個の炭素原子を有する−(C−C11アルキル)COOHである。かかるヒドロカルボキシル基は、メタン酸、エタン酸、プロパン酸、ブタン酸、2−メチルプロパン酸、ペンタン酸、3−メチルブタン酸、2,2−ジメチルプロパン酸等を含む。同様に、−(アルケニル)−COOHなる構造は、一般的に、アルケニルが前記定義に同じである飽和ヒドロカルボキシル基をいう。前記の−(アルキル)−COOHの範囲に含まれるものとして引用されたそれらのアルキルエステルに加えて、いくつかの具体例において、その基は3〜9個の炭素原子を有する構造−(C-Cアルケニル)−COOHから選択でき、他の具体例において、その基は5〜10個の炭素原子を有する構造−(C−Cアルケニル)−COOHから選択できる。
本願明細書に用いた−OCO−(アルキル)−COOH(アルキルジカルボン酸) なる構造は、一般的に、直線、分岐または環状の配置の飽和ヒドロ−ジカルボキシル基をいい、−OCO−(C−Cアルキル)−COOHは、一般的に、2〜8個の炭素原子を有するジカルボン酸をいう。アルキルジカルボン酸は、構造−OCO(C−Cアルキル)−COOH、−OCO−(C−Cアルキル)−COOHおよび−OCO −(C−C10アルキル)−COOHを含めた−OCO (アルキル)−COOHの範囲内の構造から選択し得る。アルキルジカルボン酸は、エタン二酸、プロパン二酸、ブタン二酸 (例えば、コハク酸、2-メチルプロパン二酸、ペンタン二酸(すなわち、グルタル酸)、3-メチルブタン二酸、ヘキサン二酸等)を含む。
本願明細書に用いた−OCO−(アルケニル)−COOHなる構造とは、一般的に、直線、分岐または環状の配置の少なくとも1つの炭素炭素二重結合を有するヒドロ-ジカルボキシル基をいう。炭素炭素二重結合はシスまたはトランス配置であり得、またはシスおよびトランス異性体の混合物として存在し得る。アルケニルオキシジカルボニル (アルケニルジカルボン酸)は、8個までの炭素原子を有する−OCO−(C-Cアルケニル)−COOHなる構造および12個までの炭素原子を有する−OCO−(C−C10アルケニル)−COOHなる構造を含めた−OCO−(アルケニル)−COOHの範囲内に含まれた構造から選択できる。アルケニルオキシジカルボニルは、トランス-2-ブタン二酸(例えば、フマル酸、シス-2-ブテン二酸(すなわち、マレイン酸)、2-ペンテン二酸、3-メチル-2-ペンテン二2-ペンテン二ブタン二酸、ヘキサン二酸等)を含む。
本願明細書に用いた−CO−(アルキル)−COOHおよび−CO−(アルケニル)−COOHは、アルキルおよびアルケニルが前記定義に同じである直線、分岐または環状の配置の飽和および不飽和のケトカルボン酸基を表わす。ケトカルボン酸は、構造−CO-(アルキル)−COOHおよび−CO−(アルケニル)−COOHなる構造の範囲内に含まれた構造から独立して選択し得る。アルキルケトカルボン酸は、−CO−(C−Cアルキル)−COOHおよび−CO−(C−Cアルキル)COOHから選択できる。アルキルケトカルボン酸は、−CO−(C-Cアルキル)−COOHおよび−CO−(C-Cアルキル)−COOHから選択できる。アルケニルケトカルボン酸は、−CO−(C-Cアルケニル)−COOHおよび−CO−(C-C10アルケニル)−COOHから選択できる。形態−CO−(アルキル)-COOHのケトアルキルカルボン酸は、6-ケト−ヘキサン酸、5-ケト-ペンタン酸、5-ケト-3-メチル-ペンタン酸、3-ケト-プロパン酸および2-ケト-エタン酸を含む。形態−CO-(アルケニル)−COOHのケトアルケニルカルボン酸は、4-ケト-2-ブテン酸、5-ケト-3-ペンテン酸、6-ケト-3-ヘキセン酸および6-ケト-3-メチル-2,4-ヘキサジエン酸を含む。
本願明細書に用いたアルカノイルは、一般的に、アルキルが前記定義に同じである−CO−(Hもしくはアルキル)なる構造を持つ基をいう。その基が形態-COHのものである場合、その基はアルデヒドになるであろう。−CO-(Hもしくはアルキル)の構造内に含まれるアルカノイル基は、1〜20個の炭素を持つ−CO−(C-C20アルキル)を含む。他の具体例において、アルカノイル基は、3〜20個の炭素原子を持つもの、CO-(C-C20アルキル)、または5〜20個の炭素原子のCO-(C-C20アルキル)、7〜12個の炭素原子のCO-(C-C20アルキル)から選択し得る。
本願明細書に用いたアリーロイルとは、アリールが前記定義に同じである形態−CO−(アリール)の構造をいう。同様に、ヘテロアリーロイルとは、ヘテロアリールが前記定義に同じである式−CO−(ヘテロアリール)の基をいう。アリーロイルおよびヘテロアリール基は、前記のアリールおよびヘテロアリール基を含むように独立して選択し得る。アリーロイルおよびヘテロアリーロイル基の例は、以下の構造を含む:
Figure 2007509054
本願明細書に用いた構造−OCO−(アリール)および−OCO−(ヘテロアリール)は、一般的に、アリールおよびヘテロアリールが前記定義に同じであるエステル置換基として存在する芳香性およびヘテロ芳香族のカルボン酸官能基(アリールオキシおよびヘテロアリールオキシ)付加をいう。−OCO-(アリール)および−OCO-(ヘテロアリール)基は、前記に引用されたアリールおよびヘテロアリール基を含むように独立して選択し得る。アリールカルボン酸は、−OCO−フェニル(すなわち、安息香酸塩エステル)等を含む。ヘテロ芳香族カルボン酸官能基は、2-カルボキシピリジン、2-カルボキシピロールおよび2-カルボキシフランを含む。
本発明の目的のために、ハロ置換基は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素およびアスタチンのごときハロゲンから独立して選択し得る。
また、本発明の範囲内に含まれるのは、本発明の化合物の医薬上許容される塩、水和物、溶媒和物、クラスレート、ラセミ体、立体異性体または多形体である。
C. 本発明の化合物の調製
本発明の化合物は、当該技術分野において知られたいずれかの方法で生成し得る。前記のように、本発明の化合物は、構造上、プロブコール、2,[3]-tert−ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、2,6-ジ-tert−ブチルメチルフェノール(BHT)および当該技術分野において知られた他の2,6-ジ-アルキルフェノールに関連している。従って、本発明の化合物は、2,6-ジ-アルキルフェノールの合成のための当該技術分野において知られたものに類似するいずれかの方法で合成し得る(例えば、米国特許第5,155,250号および第5,677,291号(ここに出典明示してそれらの内容の全てを本明細書の一部とみなす))。
例として、本発明のある種の好ましい化合物は、以下の一般的な反応図式に従い調製し得る。
本発明のベンジルアルコール誘導体は、反応図式1および2に従い次の通り一般的に合成し得る:
Figure 2007509054
反応図式1
Figure 2007509054
反応図式2
本発明のベンジルアミン誘導体は、反応図式3、4、5および6に従い以下のように一般的に合成し得る:
Figure 2007509054
反応図式3
Figure 2007509054
Figure 2007509054
反応図式5
Figure 2007509054
反応図式6
本発明のN−メチルベンジルアミン誘導体は、反応図式7、8および9に従い以下のように一般的に合成し得る:
Figure 2007509054
反応図式7
Figure 2007509054
反応図式8
Figure 2007509054
反応図式9
本発明のフェノール誘導体は、反応図式10、11、12および13に従い以下のように一般的に合成し得る:
Figure 2007509054
反応図式10
Figure 2007509054
反応図式11
Figure 2007509054
反応図式12
Figure 2007509054
反応図式13
本発明のN−メチルベンジルアミド誘導体は、反応図式14に従い一般的に以下のように合成し得る:
Figure 2007509054
反応図式14
本発明のスルホンアミド誘導体は、反応図式15に従い一般的に以下のように合成し得る:
Figure 2007509054
反応図式15
D. 本発明の化合物の代謝物質
また、本発明の範囲以内にあるのは、本願明細書に記載された化合物のin vivo代謝生成物である。かかる生成物は、例えば、主として酵素プロセスにより、投与された化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、エステル化等に起因し得る。従って、本発明は、その代謝生成物を得るのに十分な期間本発明の化合物と哺乳動物とを接触させることを含むプロセスにより生成された化合物を含む。かかる生成物は、典型的には、放射標識(例えば、C14またはH)した本発明の化合物を調製し、ラット、マウス、モルモット、サルのごとき哺乳動物またはヒトに検出可能な用量(例えば、約0.5mg/kgを超える)にてそれを投与して、代謝が発生するのに十分な時間(典型的には約30秒〜30時間)を生じさせ、尿、血液または他の生体試料からその転換生成物を単離することにより同定される。これらの生成物は、それらが標識されるので、これらの生成物は容易に単離される(他のものは、代謝物質に残存するエピトープに結合できる抗体の使用により単離される)。代謝物質の構造は、従来の方法、例えば、MSまたはNMR分析により決定される。一般的に、代謝物質の分析は当業者によく知られた従来の薬物代謝研究と同一の方法でなされてもよい。その転換生成物は、それらがin vivoにて見出されない限りは、それらがそれら自身の生物学的活性を所有しなくても、本発明の化合物の処置投与についての診断アッセイに有用である。
E.本発明の医薬組成物
本発明の化合物はそのままで投与することができるが、医薬組成物として化合物を処方することが好ましいであろう。従って、本発明のさらなるもう一つの態様において、血管アクセス機能不全の予防または治療的な処置に有用な医薬組成物が提供される。本発明の医薬組成物は、特定の投与様式および投薬形態に依存して、担体、溶媒、安定剤、補助剤、希釈剤等のごとき医薬上許容される賦形剤と共に処方し得る。医薬組成物は、生理学的適合性pHを達成するために一般的に処方されるべきであり、処方および投与経路に依存して約pH3〜約pH11、または約pH3〜約pH7の範囲内に有り得る。別法の具体例において、pHが約pH5.0〜約pH8.0の範囲に調節されることが好ましい。
より詳細には、本発明の医薬組成物は、1以上の医薬上許容される賦形剤と一緒に、本発明の治療的または予防的に有効な量の少なくとも1つの化合物を含む。所望ならば、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物の組合せを含んでもよく、または血管アクセス機能不全の治療的または予防的処置に有用な第2の有効成分を含み得る。
例えば、非経口または経口投与用の本発明の処方は、最も典型的には、固体、溶液、乳剤または懸濁剤であるが、肺投与用の吸入可能な処方は一般的に液体または粉末であり、粉末処方が一般的に好ましい。また、本発明の医薬組成物は、投与に先立ち生理学的適合性の溶媒で再構成される凍結乾燥固体として処方し得る。本発明のさらなる医薬組成物は、シロップ剤、クリーム剤、軟膏剤、錠剤等として処方し得る。
「医薬上許容される賦形剤」なる用語は、本発明の化合物のごとき医薬の投与のための賦形剤をいう。その用語は、不適当な毒性なくして投与し得るいずれかの医薬賦形剤をいう。医薬上許容される賦形剤は、組成物を投与されるべき具体的な組成物ならびに、その組成物を投与するのに用いた具体的な方法により、部分的に決定される。結果的に、本発明の医薬組成物の広範囲の様々な適当な処方が存在する(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences参照)。
適当な賦形剤は、蛋白質、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、高分子アミノ酸、アミノ酸共重合体および不活性ウィルス粒子のごとき大きく、徐々に代謝される高分子を含む担体分子で有り得る。他の例示的な賦形剤は、アスコルビン酸のごとき抗酸化剤;EDTAのごときキレート剤;デキストリン、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロースおよびステアリン酸のごとき炭水化物;油、水、セーライン、グリセロールおよびエタノールのごとき液体;湿潤剤または乳化剤;pH緩衝物質等を含む。また、リポソームは、医薬上許容される賦形剤の定義内に含まれる。
本発明の医薬組成物は、意図した投与方法に適したいずれかの様式で処方し得る。
経口的使用を意図する場合、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性または油性懸濁剤、非水性溶液、分散粉末もしくは顆粒(微粉化された粒子状物質またはナノ粒子状物質を含む)、乳剤、硬もしくは軟カプセル剤、シロップ剤またはエリキシル剤を調製し得る。経口使用を意図した組成物は、医薬組成物の製造のための当該技術分野に知られたいずれかの方法により調製でき、かかる組成物は、心地よい製剤を提供するために甘味剤、矯味剤、着色剤および保存剤を含めた1以上の剤を含有し得る。
錠剤と組み合わせた使用に特に適した医薬上許容される賦形剤は、例えば、セルロース、炭酸カルシウムもしくは炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムもしくはリン酸ナトリウムのごとき不活性の希釈剤;クロスカルメロースナトリウム、架橋ポビドン、トウモロコシデンプンまたはアルギン酸のごとき崩壊剤;ポビドン、デンプン、ゼラチンまたはアラビアゴムのごとき結合剤;およびステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクのごとき滑沢剤を含む。錠剤は、コーティングされていなくても、または胃腸管中の分解および吸着を遅延させて、それによりより長時間にわたり持続作用を提供するマイクロカプセル化を含めた公知技術によりコーティングされてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリンまたはグリセリルジステアレートのごとき時間遅延材料を単独でまたはワックスと共に使用し得る。
また、経口使用のための処方は、有効成分が不活性固体の希釈剤、例えば、セルロース、ラクトース、リン酸カルシウム、カオリンと混合された硬ゼラチンカプセルとして、または有効成分がグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ラッカセイ油、流動パラフィンまたはオリーブ油のごとき非水性または油媒体と混合された軟ゼラチンカプセルとして示すことができる。
もう一つの具体例において、本発明の医薬組成物は、懸濁剤の製造に適した少なくとも1つの医薬上許容される賦形剤との混合物中に本発明の化合物を含む懸濁剤として処方し得る。さらにもう一つの具体例において、本発明の医薬組成物は、適当な賦形剤の添加による懸濁剤の調製に適した分散粉末および顆粒として処方し得る。
懸濁剤と関連した使用に適した賦形剤は、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアラビアゴムのごとき懸濁化剤;自然発生のリン脂質(例えば、レシチン)、脂肪酸とのアルキレンオキシドの縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、長鎖脂肪族アルコールとのエチレンオキシドの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、および脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来する部分的なエステルとのエチレンオキシドの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)のごとき分散剤または湿潤剤;およびカルボマー、密蝋、固形パラフィンおよびセチルアルコールのごとき増粘剤を含む。また、その懸濁剤は、酢酸、メチルおよび/またはn-プロピルp-ヒドロキシベンゾエートのごとき1以上の防腐剤;1以上の着色剤;1以上の矯味剤;およびショ糖またはサッカリンのごとき1以上の甘味剤を含む。
また、本発明の医薬組成物は、水中油型乳剤の形態で有り得る。油相はオリーブ油またはラッカセイ油のごとき植物油;流動パラフィンのごとき鉱油;またはこれらの混合物で有り得る。適当な乳化剤は、アラビアゴムおよびトラガカントゴムのごとき自然発生のゴム;脂肪酸に由来する大豆レシチン、エステルまたは部分的エステルのごとき自然発生のリン脂質;ソルビタンモノオレアートのごときヘキシトール無水物;およびポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートのごときエチレンオキサイドとのこれらのエステルの縮合生成物で有り得る。また、乳剤は甘味剤および矯味剤を含有し得る。シロップ剤およびエリキシル剤は、グリセロール、ソルビトールまたはショ糖のごとき甘味剤と処方し得る。また、かかる処方は、粘滑剤、保存剤、矯味剤または着色剤を含み得る。
加えて、本発明の医薬組成物は、無菌注射水性乳剤または油性懸濁剤のごとき無菌注射製剤の形態で有り得る。この乳剤または懸濁剤は、前記に記載された、それらの適当な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて公知技術により処方し得る。また、無菌注射製剤は、1,2-プロパンジオール中の溶液のごとき非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌注射溶液または懸濁剤で有り得る。また、無菌注射製剤は、凍結乾燥粉末として調製し得る。使用し得る許容されるビヒクルおよび溶媒には、水、リンゲル液および等張食塩溶液がある。加えて、無菌の不揮発性油は溶媒または懸濁媒体として使用し得る。この目的のために、いずれのブランドの不揮発性油も、合成のモノ−またはジグリセリドを含めて使用し得る。加えて、オレイン酸のごとき脂肪酸は、注射剤の調製に同様に用いられてもよい。
一般的に、本発明方法に有用な本発明の化合物は、水中に実質的に不溶性で、かつ大部分の医薬上許容されるプロトン性溶媒および植物油中にやや溶けにくい。しかしながら、該化合物は、中鎖脂肪酸(例えば、カプリル酸およびカプリン酸)またはトリグリセリド中に一般的に可溶で、かつ中鎖脂肪酸のプロピレングリコールエステル中に高溶解度を有する。また、本発明で考えられるのは、例えば、エステル化、糖化、PEG化等により、それらを送達(例えば、増加溶解度、生物活性、心地よさ(palatability)、副作用の減少)により適当とする化学的または生物学的な部分の置換または付加により修飾した化合物である。
1つの具体例において、本発明の化合物は、自己乳化(self-emulsifying)ドラッグデリバリーシステム(SEDDS)における経口投与のために処方し得る。SEDDSのごとき脂質ベースの処方は、低可溶性の化合物に特に適し、かかる化合物の経口バイオアべイラビリティを一般的に増強できる。従って、本発明の医薬組成物は、治療的または予防的に有効な量の本発明の化合物を、中鎖脂肪酸、そのプロピレングリコールエステル(例えば、カプリルおよびカプリン脂肪酸のごとき食用脂肪酸のプロピレングリコールエステル)、およびポリオキシル40硬化ヒマシ油のごとき医薬上許容される界面活性剤よりなる群から選択される少なくとも1つの医薬上許容される賦形剤と一緒に含む[例えば、前記のSEDDS適用に記載された処方]。
別法の好ましい具体例において、シクロデキストリンは水性の可溶性エンハンサーとして添加し得る。シクロデキストリンは、α−、β−およびγ−シクロデキストリンのヒドロキシプロピル、ヒドロキシエチル、グルコシル、マルトシルおよびマルトトリオシル誘導体を含む。特定のシクロデキストリン可溶性エンハンサーは、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPBC)であり、それを上記の組成物のいずれかに添加して、さらに本発明の化合物の水溶解性特性を改善し得る。1つの具体例において、該組成物は、0.1%〜20%のヒドロキシプロピル−β-シクロデキストリン、1%〜15%のヒドロキシプロピル−β-シクロデキストリンまたは2.5%〜10%のヒドロキシプロピル−β-シクロデキストリンを含む。使用された可溶性エンハンサーの量は、組成物中の本発明の化合物量に依存するであろう。
F.コンビネーション療法
また、治療を必要とする対象に同時または引き続いての投与を意図した単回投与形態または別々の投与形態にて、化合物を含む、MACE、血管アクセス機能不全または男性***不全の予防的または治療的な処置に有用な1以上の他の有効成分と本発明の化合物とを組み合わせることができる。連続投与した場合、組合せは、2以上の投与に投与し得る。別法の具体例において、異なる経路により本発明の化合物およびさらなる有効成分を投与することができる。
当業者は、本発明の化合物に対する対象の応答を増大するかまたは相乗的に増強するように作用し得る本発明の化合物と組み合わせて様々な有効成分を投与し得ることを認識するであろう。例えば、通常の陰茎***反応は、酵素NO合成酵素(NOS)およびグアニリルシクラーゼの活性を上昇させ、NOおよびサイクリックグアノシンものホスフェート(cGMP)の増加に導く一連の事象から生じるために、これらの酵素のための基質またはNOの阻害物質のいずれか、およびcGMP分解を使用して、***性応答を増強し得る。かくして、本発明の化合物は、ホスホジエステラーゼタイプ5(PDE5)を選択的に抑制し、かくしてcGMPの現状を防止するシルデナフィルまたは類似化合物(バルデナフィル(vardenafil))と組み合わせて、またはNO−合成酵素のための基質であるL−アルギニン、またはシルデナフィルおよびL−アルギニンの双方と組み合わせて投与し得る。本発明の化合物と共に投与し得る他の有効成分は、NOS補助因子NAD(P)Hまたはテトラヒドロビオプテリン;アミノ酸L-シトルリン、L-オリニチン、L-リジン、L‐システインまたはそれらの塩もしくはエステル;フラボイノイド;または限定されるものではないが、イチョウおよびビオフラボノイドを含めた植物抽出物を含む。
本発明方法により、有効成分の組合せは:(1)組み合わせた処方において、共同処方、同時投与または同時送達される;(2)別個の処方として交互にまたは並列に送達される;または(3)当該技術分野に知られたいずれかの他のコンビネーション療法により送達される。別法の療法にて送達する場合、本発明は、例えば、別個の溶液、乳剤、懸濁剤、錠剤、丸剤またはカプセル剤で、または別個の注射器中の異なる注射剤により有効成分を連続して投与または送達することを含み得る。一般的に、別法の療法の間に、各有効成分の有効量が順次、すなわち、連続的に投与され、一方、同時の療法において、2以上の有効成分の有効投与量を一緒に投与される。また、種々の配列の断続的なコンビネーション療法を用いてもよい。
実施例
薬理学的試験は、血液透析、ESRDおよび糖尿病患者のごとき酸化的負担の増加および酸化的ストレスの上昇を持つ患者における主要心臓有害事象を担うと考えられる作用機序に焦点を合わせて行なってもよい。また、薬理学的試験は、血管アクセス機能不全において観察されたもののごとき、スタチンおよびフィブレートの屈折性血管閉塞を担うと考えられる作用機序に焦点を合わせて行なってもよい。さらに、薬理学的試験は、***不全を担うと考えられる作用機序に焦点を合わせて行なってもよい。潜在的な機序は、限定されるものではないが、血清抗酸化剤レベルの増加、VCAM−1のサイトカイン誘導発現の阻害、通常の血管拡張性応答の保持、腫瘍壊死因子アルファ(TNF−α)により惹起されたまたはROSにより消火された通常のNO活性損失の予防、HMOX−1発現の誘導、炎症の変調、および血管損傷または苦痛に対する応答を含む。
本発明の化合物を含む組成物は、本明細書に記載のごとく処方でき、適切な場合にプロブコールのごとき類似して構築されたt−ブチルフェノール化合物と比較できる。
また、***不全に対するおよびラット糖尿病性モデルにおける本発明の化合物の効果を直接的に測定する動物試験を使用し得る。加えて、ヒト海綿体組織を使用して本発明の化合物を評価することができる。
これらの試験の全体にわたって、本発明の化合物を含む医薬組成物を本明細書に記載のごとく処方でき、適切な場合、プロブコールのごとき同様に構築したt−ブチルフェノール化合物と比較できる。
実施例1:経口投与後のin vivo抗酸化活性
また、本発明の化合物は、種々の量の本発明の化合物をチオバルビツール酸反応物質(TBARS)アッセイを用いて、食事中の混合物として対象に投与されるin vivo試験を通じて血清抗酸化活性を増加させることが示される。TBARSは、試料中の脂質酸化の定性的な指標である。このアッセイにおいて、血清脂質酸化は、マロンジアルデヒド(MDA)のごときアルデヒドの形成を生じるCuSOで開始される。チオバルビツール酸とのインキュベーションに際して、アルデヒドの吸光度は530−540nmにて検出できる。コントロール血清値より低いTBARS値は、酸化を抑制する本発明の化合物の相対的な能力を示す。
TBARSは以下のように測定されてもよい:ウサギ血清(Hb 9.16mg/dl)をEquitech-Bio社(Kerrville、TX)から購入し、凍結した50mLアリコートとして受け入れる。血清を到着に際して解凍し、5.0mLアリコートに分離し、使用まで−20℃にて貯蔵する。アッセイにて、1.68μlの5mM化合物(DMSO中)を、丸底ガラスフラスコに含まれた1.6mLの解凍ウサギ血清で希釈する。混合物を80μLの100mM CuSOでスパイクし、短くボルテックスして、CuSOを溶液にもたらす。フラスコを雰囲気に開いて、37℃水浴中で懸濁して低速にて撹拌して、化合物の酸化および混合を促す。アッセイ期間に光曝露を制限することに注意する。
時間0およびその後の引き続いての時点にて、26.5μLアリコートをフラスコから取り出し、ポリプロピレンエッペンドルフチューブに移し、それらを250μL 20%(w/v)のTCAで沈殿させ、ボルテックスし、4℃の暗所にて貯蔵する。一旦、試料をすべて集めると、25μLの10%SDS溶液を添加し、試料を再びボルテックスし、次いで、5分間13,200rpmでペレット残骸に遠心する。上清を新たなポリプロピレンエッペンドルフチューブに移し、0.05N NaOH中の250μL 0.67%TBAと混合する。次いで、試料を45分間85℃にてインキュベートし、室温に冷却し、次いで遠心して、いずれの残りの残骸もぺレットとする。200マイクロリットルの得られた上清を透明底96ウェルプレートに移し、吸光度を540nmにて読み取る。
本発明のある種の好ましい化合物に対するTBARS値を以下の表に示す(Δt1/2 = t1/2 (cmpd) t1/2 (DMSO) : t1/2は、TBARS形成が最大の2分の1である時間である):
Figure 2007509054
Figure 2007509054
Figure 2007509054
Figure 2007509054
Figure 2007509054
あるいは、TBARS値は、以下のように測定し得る。100μlの血清を400μlの5mM CuSO溶液と混合し、37℃にて3時間インキュベートする。その反応を1.0mLの20%トリクロロ酢酸の添加により停止する。次いで、0.05N水酸化ナトリウム中の1.0mLの0.067%チオバルビツール酸を添加、混合し、その試料を90℃にて30分間インキュベートする。試料は、短く遠心して、溶解しない物質をペレットとし、上清を96ウェルプレートに移す。吸光度をマイクロプレートリーダを用いて、540nmにて測定する。生成されたMDAのナノモルは、マロンアルデヒドビス(ジメチルアセタール)から調製されたMDAの1〜10ナノモルの標準曲線から計算する。処理した割合からの血清試料をコントロールラットからの血清試料と比較する。
本発明のある種の化合物に対するTBARS値を以下の表に示す:
Figure 2007509054
好ましい化合物をそれらの飼料を介してウサギに投与したin vivo試験の最後の70日間の特定の実施例において、本発明の化合物は、用量依存性に血清脂質の銅誘導脂質過酸化についてのラグ相を延長することが示される。図1に示すラグ相の増加は、式IIIの好ましいt−ブチルフェノール化合物、AC3056の血清濃度に比例する。また、血清中の抗酸化活性の増加はAC3056を含む飼料を与えたラットにおいて観察され、17.7μg/mLの平均血清濃度を達成する。
実施例2:サイトカイン誘導VCAM−1発現の阻害
また、本発明の化合物は、培養ヒト血管細胞中のVCAM−1のサイトカイン誘導発現を阻害することが示される。ヒト冠状動脈平滑筋細胞(CASMC)において、インターロイキン4(IL-4、100nmol/L)は、細胞表面VCAM−1をコントロールの538%に増加させる。図2に示すように、本発明の化合物は、用量依存性にIL−4誘導VCAM−1発現を阻害し、最大の半分抑制は、約10μmol/Lにて観察された。プロブコールは、この系において本発明の化合物より一般的に有効ではない(図2)。
同様に、本発明の化合物は、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)中のVCAM−1発現におけるサイトカイン誘導(例えば、腫瘍壊死因子-α(TNF-α))増加を阻害することが示されるが、プロブコールは、一般的に、同様の濃度範囲にて有効ではない(図2)。サイトカイン誘導VCAM−1発現に対する本発明の化合物の全体的な効果は、細胞間接着分子−1(ICAM−1)(IC50>100μmol/L)のサイトカイン誘導発現を阻害する必要があるかなり高濃度の化合物により証明されるように、このクラスの接着分子に比較的に選択的なようである。
実施例3:カルバコール誘導血管拡張に対する効果
カルバコール誘導血管拡張(末梢コンダクタンスにおける内皮依存性増加)に対する本発明の化合物の効果を、コレステロールを飼料とするアテローム性動脈硬化ウサギにおいて調べる。コレステロールの供給は、コレステロールがない飼料を与えた未処置の動物と比較する場合に、カルバコール誘導血管拡張を抑制するであろう。図3に示すように、70日間の300mg/日の本発明の化合物を含むコレステロールを餌とするウサギの処置は、カルバコールの血管拡張作用の損失を防止することが示される。これは、本発明の化合物が高コレステロール/高脂肪食に曝露された動物における内皮機能を改善することを示唆する。
実施例4: ブタの大動脈内皮細胞におけるTNF−αにより惹起されたNO活性に対する効果
また、本発明の化合物は、腫瘍壊死因子アルファ(TNF−α)により惹起されたNO活性の損失を防止することが示される。例えば、本発明の化合物は、Ca2+選択的イオンイオノフォアで刺激した培養物中のブタ大動脈内皮細胞におけるTNF−αにより引き起こされたNO活性の損失を防止する。NO活性は、環状グアノシンモノホスフェート(cGMP)濃度の増加として測定する。図4に示すように、1ng/mLのTNF−αによるNO活性の阻害は、4μg/mL(10μmol/L)の本発明の好ましい化合物によりブロックされる。
実施例5:ヘムオキシゲナーゼ−1(HMOX−1)の誘導発現
また、本発明の化合物は、HMOX−1の発現を誘導することが示される。より詳細には、本発明の化合物は、全血核酸抽出および精製後のQPCRを含む当該技術分野において知られた多数の方法を用いて、遺伝子発現に対する効果につき調べられる。例えば、図5および6に示すように、本発明の化合物は、10および50μg/mLの濃度にて6時間にわたり未刺激の全血およびLPS刺激(1ng/mL)全血においてHMOX−1の発現を誘導する。
実施例6:血管損傷に対する炎症および応答の変調
本発明の化合物は、実験的血管損傷後に新生内膜肥厚に影響することが示される。より詳細には、本発明の化合物は、後記の機械的損傷のマウスモデルにおけるマウス頚動脈損傷後の白血球動員、細胞増殖および新生内膜肥厚の阻害に対するそれらの効果を決定するために調べることができる。
Fishmanら, Lab Invest., 32:339-351 (1975)の空気乾燥ラットモデルに基づく完全な内皮浸食ならびにコントロールされた動脈ストレッチングを達成するように設計された機械的損傷のマウスモデルを利用して、本発明の化合物の効果を調べる。このマウスモデルは、血管損傷の広範囲で試験され特徴付けられた実験モデルと多くを共有し、マウス系の遺伝的多様性を駆使する。それは、血管内アプローチを介する内皮および中膜の損傷の双方を確実に達成し、経時的に進行性の内膜性の肥厚を生じる能力において、血管内ワイヤー擦過(Lindnerら, Circ Res., 73:792-796 (1993))、血管周囲のカッフィング(cuffing)(Moroiら, J Clin Invest., 101:1225-1232 (1998))、同側頚動脈結紮(Kumarら, Arterioscler Thromb Vasc Biol., 17:2238-2244 (1997))および電気−(Carmeliet ら, Am J Pathol., 150:761-776 (1997))またはローズベンガル/青色光−(Rose Bengal/green light)(Kikuchiら, Atrioscler Thromb Vasc Bio., 18:1069-1078 (1998))誘導損傷を含めた従前に報告された動脈損傷のマウスモデルとは基本的に異なる。
本マウスモデルにおいて、内膜および中膜の肥厚は、未損傷および28日後の外弾性板の半径測定により決定された損傷血管における進行性の血管拡張または「ポジティブな再構築」に伴う。さらに、新血管内膜の肥厚の増強は、機械的損傷を12週間の1.25%コレステロールを補足した高脂肪飼料を与えたApo E欠損(ApoE-/-)マウスを用いてアテローム性動脈硬化の背景で行う場合に明白である。炎症細胞は、第28日の細胞の合計の34%を含むこの新血管内膜の重要な成分である。
12週間1.25%のコレステロールを補足した高脂肪飼料を供給したApoE-/-マウスにおける内皮の侵食および頚動脈拡張の(前記の)マウスモデルは以下を利用する。病原体除去バリアー中のC57Bl/6JApoE-/-マウスの繁殖コロニーを確立し、損傷に先立ち18時間および損傷後に毎日そのコロニーのマウスは、本発明の化合物またはビヒクルコントロールを受ける。血管損傷後の第1、3、7および28日にて、麻酔を投与し、胸腔を開き、動物を右動脈の放血により犠牲する。22ゲージのバタフライカテーテルを1分間の0.9%セーラインで100mHgでのin situ圧力灌流のために左心室に挿入し、続いて10分間、0.1Mリン酸緩衝液、pH7.3中の4%パラホルムアルデヒドで固定した。右左総頚動脈を切除し、緩衝されたパラホルムアルデヒド中に浸漬する。また、3つの化合物で処置したおよびコントロール動物からの脾臓および小腸を、免疫組織化学用のコントロール組織として得る。全動物は、好ましくは、犠牲前の18時間および1時間に腹腔内に50mg/kg BrdUを受ける。
頚動脈を包埋し、2つの断面を500mm間隔で切断する。次いで、断面をヘマトキシリン‐エオジンおよびVerhoeff組織エラスチン染色で染色する。次いで、動物遺伝子型または薬物療法を知らされていない組織学者が、NIHイメージv1.60ソフトウェアを実行するコンピューターに接続されたCCDカメラを装備した顕微鏡を用いて、個々の横断面の内腔、内膜および中膜面積を測定する。各動脈の2つの面についての結果を平均する。免疫組織化学について、マウスCD45(リンパ球共通抗原、Pharmigen)、MOMA-2(マウスマクロファージ、Serotec) BrdU(DAKO)およびSMCアクチン(DAKO)につき標準的アビジンビオチン手順を用いる。免疫染色した部分をパーセント陽性(関連抗原についての免疫染色陽性細胞数/核の合計数)として定量化する。
血管壁への管腔の血小板および白血球付着に対する本発明の化合物の効果を評価するために、さらなる動物を損傷1日後に走査型電子顕微鏡用に調製する。これらのマウスにおいて得た血管損傷および組織を、修飾Ito-Karovsky固定液を灌流および浸漬固定に用い得る以外は前記のごとく行なう。次いで、組織は、4℃の0.1Mカコジル酸塩緩衝液中で一晩すすぎ、厳重な乾燥および金でのスパッタコーティング(sputter coating)を受け、次いで、Cambridge Instruments StereoScan 240で画像化される。
例えば、図7(a)は,損傷に先立ち12週間1.25%のコレステロールで補足した高脂肪飼料を与えたApoE-/-雄性オスにおける機械的損傷モデルにおける典型的な定量的形態測定を示し、図7(b)は、典型的な血管内膜−対−中膜比を示す。テストマウスは、本発明の好ましいt−ブチルフェノール化合物(AC3056)またはビヒクルコントロールを28日間の損傷の18時間前および損傷後毎日受ける。IEL=内弾性板;EEL=外弾性板;I/M=内膜−対−中膜比;NS=有意差なし。図7(a)および7(b)に示されるように、本発明の化合物は平均の新血管内膜の厚みが低下する、平均の内腔厚みが増加するおよび内膜/中膜の比が低下するという点で、実験血管損傷後の新血管内膜の肥厚に影響する。
図8は、損傷に先立って12週間、1.25%のコレステロールで補足された高脂肪食を与えられたApoE−/−雄性マウスにおける機械的損傷モデルにおける頚動脈の新生内膜および中膜における典型的なパーセントのCD45陽性細胞(CD45の免疫染色した陽性細胞数/核の合計数)を示す。再び、テストマウスは、本発明のt−ブチルフェノール化合物(AC3056)またはビヒクルコントロールを28日間の損傷の18時間前および損傷後毎日受ける。NS=有意差なし。図8に示すように、本発明の化合物は血管損傷後の新血管内膜空間への白血球動員を阻害する。
図9は、損傷に先立って12週間、1.25%のコレステロールで補足された高脂肪食を与えられたApoE−/−雄性マウスにおける機械的損傷モデルにおける頚動脈の新生内膜および中膜中で典型的なパーセントBrdu陽性細胞(Brdu免疫染色した陽性細胞数/核の合計数)を示す。再び、テストマウスは、本発明のt−ブチルフェノール化合物(AC3056)またはビヒクルコントロールを28日間の損傷の18時間前および損傷後毎日受ける。NS=有意差なし。
薬理学的データは、本発明の化合物が抗アテローム性動脈硬化の特性を持つ強力な抗酸化剤として作用するという証拠を提供する。また、化合物は、実験的血管損傷後に、ウサギにおける合計およびLDLコレステロール濃度を低下させ、VCAM−1発現を減少させ、ヒト血管細胞におけるHMOX−1発現を増加させ、ならびに新血管内膜肥厚を低下させ、リンパ球動員を阻害する。かくして、本発明の化合物は血管アクセス機能不全の処置における臨床的有用性を有する。
実施例7:雄性ラットにおける***不全の予防および反転
雄性Sprague-Dawleyラットを糖尿病性***不全の試験のためのモデルとして用いる。インスリン非依存性糖尿病を0.1Mクエン酸/クエン酸三ナトリウム緩衝液(pH4〜4.5)中で溶解されたストレプトゾトシン(40mg/kg i.p.)の単回注射により12週齢のラットに引き起こす。ストレプトゾトシンのこの低用量は、テストステロンレベルにかなりには影響せず血中グルコースを増加させることが示された。コントロール(非糖尿病)動物は、同等の体積のクエン酸塩緩衝液を受ける。1週後に、尾部血液試料を得、グルコース濃度をAcccutrendR glucometer(Boehringer Mannheim、Germany)を用いて測定する。血糖症が200mg/dl(11mM)より高い場合、糖尿病誘導は成功したと考えられる。
海綿体神経刺激に対する***性応答は、ケタミン(60mg/kg)およびジアゼパム(4mg/kg)で麻酔したラットにおいて行なう。外科的手順は、会陰横切開を通じて、陰茎クラ(cura)の腹部正中切開および露出を介して右海綿神経の切開および単離からなる(CNES)。海綿体内圧(ICP)測定は、使い捨ての圧力トランスデューサ(Abbott、Sligo、Ireland)およびデータ収集システム(AD Instruments, Castle Hill, Australia)に接続された23ゲージ針の右脚への挿入により達成する。一定の血圧測定およびセーライン注入のために左頚動脈および右外頚静脈にそれぞれカテーテルを挿入する。電気刺激をスティムレーターおよび電流増幅器(Cribertec CS-9, Madrid, Spain)に接続した精巧な半金双極ホック電極により印加する。電気刺激のパラメーターは、1分間、1ミリセカンドの期間および1.5mAの電流強度を持つパルスからなる。頻度応答曲線は、3分間隔で、1、3および10Hzの刺激を印加することにより行なう。
ラット海綿体神経刺激に対する***性応答は、平均動脈圧(MAP)値により標準化されたピークICP増加の測定により決定し、そのICP増加の曲線下面積(AUC)をMAP値により標準化する。完全な頻度応答曲線を2元ANOVAテストにより比較する。
代表的なt−ブチルフェノール化合物は、トウモロコシ油に溶解した0.3%の化合物を含むラット飼料の調製により経口投与する。ラットはこの飼料に自由にアクセスを有する。予防的治療群に含まれたラットは、糖尿病状態の誘導の開始から代表的な化合物を受け、***性応答は8週間後測定する。糖尿病のコントロール動物に、8週の期間にトウモロコシ油を補足した通常のラット食餌を与える。回復処置群に含まれたラットは、糖尿病の最初の8週間、通常の食餌を受け、さらに4週間本発明の0.3%の代表的な化合物を含む飼料を受ける。回復処置のための糖尿病コントロール動物に、12週間、トウモロコシ油で補足された通常のラット飼料を与える。
ストレプトゾトシンでの糖尿病の誘導は、ラットにおける血中グルコース濃度の持続的な増加を引き起こし、それは試験期間を通じて維持される。図10および11は、0.3%の化合物での処置が、予防的または回復的かにかかわらず、血中グルコースレベルを修飾しないことが示される。
心臓血管のパラメーターおよび***性応答に対する本発明の代表的な化合物での予防的処置の効果は、ストレプトゾトシンでの糖尿病性誘導の8週間後に比較する。8週間の糖尿病は、糖尿病ラットにおけるMAPレベルを変更しない(図12A)。糖尿病ラットにおける心拍度数のかなりの減少がある。この効果は、本発明の化合物での処置により部分的に予防される(図12B)。
本発明の化合物での予防的処置は、糖尿病ラットにおける***性応答をかなり改善する。未処置の糖尿病ラットと比較する場合、本発明の代表的な化合物で処置した糖尿病ラットは***性応答の増加を示す。応答を海綿体神経刺激に対するICP応答のAUCとして示す場合、この増強効果は有意であり(図13)、また、応答が各刺激後にICPのピーク増加として示される場合、有意である(図14)。
心臓血管パラメーターに対する本発明の化合物での回復処置および***性応答の効果は、ストレプトゾトシンでの糖尿病誘導の12週間後に比較する。12週間の糖尿病誘導はMAPレベルを変更しない。本発明の代表的な化合物での回復処置は、糖尿病ラットにおけるMAPレベルを修飾しない(図15A)。糖尿病ラットにおいて心拍度数に有意な減少がある。この効果は、本発明の化合物での回復処置により変更されない(図15B)。
本発明の化合物での回復処置は、糖尿病ラットにおける***性応答をかなり改善する。12週間の未処置の糖尿病患者ラットと比較する場合、8週間の未処置の糖尿病後に4週間の本発明の代表的な化合物で処置した糖尿病ラットは、***性応答の増加を示す。応答が海綿体神経刺激に対するICP応答のAUCとして示される場合、この増強効果は有意である(図16)。応答が海綿体神経刺激後のICPのピーク増加として示される場合、未処置の糖尿病ラットと、本発明の代表的な化合物で処置されたラットとの間に有意差はない(図17)。
実施例8: 糖尿病患者からの海綿体の内皮依存性弛緩
ヒト海綿体標本を、従前に記載されたごとく、人工陰茎移植の時点にてインポテンスの男性から得る(Angulo,ら, J. Pharm. Exp. Ther., 295: 586-593 (2000))。組織を除去の時点にて、氷冷M−400溶液(pH7.4; 400mOsm/kg。組成4.19%マニトール、0.2% KHPO、0.97%のKHPO・3 HO、0.11% KClおよび0.08%NaHCO)中に入れ、16時間以内に利用のために研究所へ輸送する。
小柱組織に対する効果を評価するために、ヒト海綿体の細片を、pH7.4を維持するように95%O/5% CO混合物で連続的に泡立てた生理的食塩水を含む8mlの組織浴(37℃) 中の圧力トランスデューサに取り付ける。細片は0.5μMフェニレフリンで収縮させ、弛緩反応は、チャンバーへのテストまたはビヒクルコントロールの化合物の累積的な添加により評価する。貫壁性電気刺激(TES)は、刺激装置および電流増幅器に接続した組織の各側面の2つの電極により適用する。TESの通常のパラメーターは、75mAの電流を得るように調整したた電圧で20秒間、0.5ミリセカンドの方形波になるであろう。
ヒト海綿体の内皮依存性弛緩に対する抗酸化処置の急性効果の測定について、海綿体細片はフェニレフリンで収縮させ、累積的な濃度のアセチルコリンに曝露する。一旦、十分な濃度‐応答曲線が得られると、その組織を広範囲に洗浄し、30分間ビヒクルまたはAC3056抗酸化剤(10μM)に曝露する。組織を再び収縮させ、アセチルコリンに曝露する。(各群につきn=6〜8)。
一酸化窒素作動性神経の貫壁性電気刺激により誘導した弛緩に対する抗酸化剤処置の急性効果を以下のように測定する。グアネチジン(10μM)およびアトロピン(0.1μM)で処置した細片を収縮させ、貫壁性電気刺激を種々の頻度(0.5、1、2、6および12Hz)で適用する。次いで、組織を30分間洗浄し、ビヒクルコントロールまたはAC3056抗酸化剤に曝露する。組織を再び収縮させ、次いで頻度−応答曲線は繰り返す。(各群についてn=6〜8)。
実施例9:本発明の化合物の調製
A ベンジルアルコール誘導体の調製:
本発明の以下の化合物および類似化合物は、反応図式1により一般的に調製し得る。
(4-ブロモベンジルオキシ)(tert−ブチル)ジメチルシラン(2) の合成
イミダゾール(12g、0.182mol)を乾燥CHCl(60mL)中の(4-ブロモフェニル)メタノール(1)(17g、0.091mol)の溶液に添加し、反応物を0℃で撹拌する。CHCl(30mL)中のTBDMSCl (20.87g、0.13mol)の溶液を30分間にわたり反応物にゆっくり添加し、同じ温度にてさらに4時間撹拌する。その反応物を水(50mL)で急冷し、CHCl(3×50mL)で抽出する。合わせた有機層を飽和NaHCO(2×50mL)水溶液、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥(無水NaSO)、ろ過および蒸発させる。粗製物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、84%(23g)の収率で無色油として純粋な(4-ブロモベンジルオキシ)(tert−ブチル)ジメチルシラン(2)を得る。
(クロロメチル)4-(((tert−ブチル)ジメチルシリル)ベンジルオキシ)ジメチルシラン(3)
化合物(2)(20g、0.067mol)をN雰囲気下、乾燥THF(70mL)に溶解し、ドライアイスおよびエタノール浴を用いて、−78℃に冷却する。反応フラスコに取り付けた滴下漏斗において、n−BuLi(ヘキサン中の62.5mLの1.6M、0.1mol)を1時間にわたりゆっくり添加し、得られた溶液をさらに1.5時間-78℃にて撹拌する。THF(20mL)中のクロロ(クロロメチル)ジメチルシラン(9.7mL、0.073mol)の溶液を30分間にわたりゆっくり添加し、反応物をさらに2時間撹拌する。飽和NHCl水溶液(100mL)を添加し、反応物を室温に温める。THFは真空下蒸発させ、残留物をEtOAc(200mL)に溶解する。有機相を水(2×50mL)、ブライン(50mL))で洗浄し、乾燥(無水NaSO)、ろ過、蒸発させる。生成物は溶離剤として5%EtOAc/ヘキサンを用いて、シリカゲルカラムにより精製する。純粋な生成物を86%(19 gm)の収率で無色油として得る。
(ヨードメチル)4-(((tert−ブチル)ジメチルシリル)ベンジルオキシ)ジメチルシラン(4)
乾燥CHCN(30mL)中の(クロロメチル)4-(((tert−ブチル)ジメチルシリル)ベンジルオキシ)ジメチルシラン(3)(14g、0.049mol)の撹拌溶液に、NaI(36.5g、0.25mol)を添加し、得られた溶液を70℃の油浴で加熱する。
6時間後、CHCNをすべて減圧下で除去し、残留物をCHCl(100mL)に溶解し、ろ過し、CHCl(3×20mL)で洗浄する。合わせた有機部分を水(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥(無水NaSO)、ろ過、蒸発させる。粗製物質は溶離剤として、5%EtOAc/ヘキサンでシリカゲルカラムにより精製する。純粋な生成物を97%(20 gm)の収率で淡黄色油として得る。
2,6-ジ-tert−ブチル−1,4−ビスフェノール(5)
前記した実験条件によりビスフェノール(5)を2,6-ジ-tert−ブチルシクロヘキサ-2,5-ジエン−1,4-ジオンおよびZn/HClから合成する。ビスフェノール(5)の精製はTLCにより確認し、真空下完全に乾燥し、N雰囲気下で貯蔵する。
4-(((4-(ヒドロキシベンジル)ジメチルシリル)メトキシ)-2,6-ジ-tert−ブチルフェノール(C1)
雰囲気下、CSCO(8.78g、0.027mol)を乾燥DMF(15mL)中のビスフェノール(5)(5g、0.023mol)の撹拌溶液に添加する。不均一系反応混合物を60℃で1時間撹拌する。DMF(15mL)中の(ヨードメチル)4-(((tert−ブチル)ジメチルシリル)ベンジルオキシ)ジメチルシラン(4)(11.4g、0.027mol)の溶液を1時間にわたりゆっくり添加し、得られた反応液は、60℃で1時間撹拌する。すべての溶媒を真空下除去し、残留物はEtOAc(100mL)および飽和NHCl水溶液(50mL)溶液の間で分配させる。有機相を取り出し、水(2×50mL)、ブライン(50mL)で十分に洗浄し、乾燥(無水NaSO)、ろ過、蒸発させる。粗製物質は、溶離剤として5−10%のEtOAc/ヘキサンを用いて、シリカゲルカラムにより精製して約85%(13.5g)純度の半固形材料として生成物(6)を得る。
MeOH(10mL)に溶解した前記生成物(13.5g、約85%)に、乾燥HCl(MeOH中の2Mの33.5mL、0.067mol)を添加し、溶液を2時間0℃で撹拌する。すべての溶媒を除去し、残留物をEtOAc(150mL)に溶解する。有機部分を水(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥(無水NaSO)、ろ過、蒸発させる。粗製物質は溶離剤として、15-20%のEtOAc/ヘキサンを用いるシリカゲルカラムにより精製する。純粋な生成物(C1)を、2工程で、73%(6.5 gm)の収率で無色固体として得る。
1H NMR: (CDCl3, 300MHz) δ; 7.63 (d, J = 4.75 Hz, 2H), 7.39 (d, J = 4.84 Hz, 2H), 6.81 (s, 2H), 4.73 (s, 1H), 4.71 (s, 2H), 3.73 (s, 2H), 1.43 (s, 18H), 0.43 (s, 6H);
分析的HPLC: (C18, 15分間0.1%TFA/H2O中の20-90%CH3CN) Rt =11.05;
LCMS: 計算値 C24H36O3Si = 400.24; 実測値= 401.2 [M+H]+
本発明の以下の化合物および類似化合物は、反応図式2により調製し得る。
4-(((4-ベンジルオキシカルボニル)プロパン酸)ジメチルシリル)メトキシ)-2,6-ジ-tert−ブチルフェノール(C2)
CHCl(5mL)中の4-(((4-(ヒドロキシベンジル)ジメチルシリル)メトキシ)-2,6-ジ-tert−ブチルフェノール(I)(0.5g、0.0013mol)の溶液に、ピリジン(0.32mL、0.0038mol)、無水コハク酸(0.15g、0.0015mol)および触媒量のDMAP(4mg)を添加し、得られた溶液を0℃で撹拌する。
2時間後、反応物を水(30mL)を添加することにより急冷し、CHCl(50mL)で希釈する。有機相を分離し、水(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥(無水NaSO)、ろ過、蒸発させる。粗製物質は溶離剤として、2-5%のMeOH/CHClを用いるシリカゲルカラムにより精製する。純粋な生成物(C2)は、80%(0.5g)の収率で無色固体として得る。
1H NMR: (CDCl3, 300MHz) δ; 7.62 (d, J = 4.80 Hz, 2H), 7.36 (d, J = 4.80 Hz, 2H), 6.80 (s, 2H), 5.15 (s, 2H), 4.75 (s, 1H), 3.73 (s, 2H), 2.70 (m, 4H), 1.43 (s, 18H), 0.43 (s, 6H);
分析的HPLC: (C18, 15分間0.1%TFA/H2O中の20-90%CH3CN) Rt =11.16;
LCMS: 計算値 C28H40O6Si = 500.26; 実測値= 501.3 [M+H]+
4-(((3,5-ジ-tert−ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)メチル)ジメチルシリル)ベンジル 2-(ジメチルアミノ)アセテート(C3)
4:1v/vのCHCl: DMF(5mL)に溶解した化合物4-(((4-(ヒドロキシベンジル)ジメチルシリル)メトキシ)-2,6-ジ-tert−ブチルフェノール(C1)(0.23g、0.575mmol)に、DMAP(0.07g、0.58mmol)、N,N−ジメチルグリシン塩酸塩(0.121g、0.86mmol)およびDCC (0.355g、1.73mmol)を添加し、得られた溶液を0℃で一晩撹拌する。その反応物を水(50mL)で急冷し、CHCl(50mL)で希釈する。有機相を分離し、水(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥(無水NaSO)、ろ過、蒸発させる。粗製物質は溶離剤として、30-60%のEtOAc/ヘキサンを用いるシリカゲルカラムにより精製する。純粋な生成物(C3)は、89%(0.25g)の収率で軽い無色固体として得る。
1H NMR: (CDCl3, 300MHz) δ; 7.62 (d, J = 4.79 Hz, 2H), 7.37 (d, J = 4.80 Hz, 2H), 6.80 (s, 2H), 5.18 (s, 2H), 4.75 (s, 1H), 3.73 (s, 2H), 3.23 (s, 2H), 2.37 (s, 6H), 1.43 (s, 18H), 0.42 (s, 6H);
分析的HPLC: (C18, 15分間0.1%TFA/H2O中の20-90%CH3CN) Rt =9.42;
LCMS: 計算値 C28H43NO4Si = 485.3; 実測値= 486.3 [M+H]+
B. ベンジルアミン誘導体の調製
本発明の以下の化合物および類似化合物を反応図式3により調製し得る。
4-(((3,5-ジ-tert−4-ヒドロキシフェノキシ)メチル)ジメチルシリル)ベンジルメタンスルホネート(7)
雰囲気下、0℃の乾燥CHCl(10mL)中のアルコール(I)(4.2g、0.0105mol)の撹拌溶液に、EtN(4.4mL、0.031mol)およびDMAP(0.256g、0.0021mol)を添加する。乾燥CHCl(5mL)中のMeSOCl (1.26mL、0.0158mol)の溶液を10分間にわたりゆっくり添加し、さらに2時間攪拌する。その反応物をCHCl(50mL)で希釈し、水(20mL)で急冷する。有機相を分離し、水(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥(無水NaSO)、ろ過、蒸発させる。粗製物質は溶離剤として、5%EtOAc/ヘキサンでシリカゲルカラムにより精製する。純粋なメシル化生成物(7)を80%(4.0g)の収率で軽い無色固体として得る。
LCMS: 計算値 C25H38O5SSi = 478.22; 実測値= 479.3 [M+H]+
4-(((4-アジドメチル)フェニル)ジメチルシリル)メトキシ)-2,6-ジ-tert-ブチルフェノール(8)
メシレート(7)(3g、0.0063mol)をCHCN(10mL)に溶解し、NaN (1.63g、0.0251mol)を添加した。不均一系反応混合物を6時間80℃の油浴で加熱する。すべての溶媒を除去し乾燥する。残留物をCHCl(50mL)に溶解し、ろ過し、繰り返しCHCl(5×20mL)で洗浄する。合わせた有機部分を水(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥(無水NaSO)、ろ過、蒸発させる。粗製のアジド化合物は、溶離剤として5−10%のEtOAc/ヘキサンを用いて、シリカゲルカラムで精製する。純粋な物質(8)を96%(2.55g)の収率で無色固体として得る。
LCMS: 計算値 C24H35N3O2Si = 425.25; 実測値= 426.2 [M+H]+
4-(((4-アミノメチル)フェニル)ジメチルシリル)メトキシ)-2,6-ジ-tert-ブチルフェノール(9)
THF(10mL)、5%HO中のアジド化合物(8)(2.2g、0.052mol)の溶液に、トリフェニルホスフィン(1.63g、0.0062mol)を添加し、得られた溶液に、最初に0℃にて2時間攪拌した後、室温で一晩撹拌する。すべての溶媒を真空中で除去し、残留物を直接的にシリカゲルカラムに負荷し、50-90%のEtOAc/ヘキサンを用いて溶出し、無極性の不純物をすべて除去した後、5−10%のMeOH/CHClを用いて生成物を単離する。純粋なアミン(9)を95%(1.95g)の収率で無色の軽い固体として得る。
LCMS: 計算値 C24H37NO2Si = 399.26; 実測値= 400.2 [M+H]+
(4-(((3,5-ジ-tert−4-ヒドロキシフェノキシ)メチル)ジメチルシリル)ベンジル)(N,N,ジ-tert−ブチルオキシカルボニル)グアニジン(11)
アミン(9)(0.6g、0.0015mol)、DMF(10mL)およびEtN(0.62mL、0.0045mol)をN雰囲気下のフラスコ中に取り、触媒量のHgCl(20mg)に続けて、1,3-ビス(tert−ブトキシカルボニル)-2-メチル-2-チオプソイド尿素 (10) (0.654g、0.0023mol)を添加する。その不均一系反応物を4時間撹拌する。その反応物をHO(20mL)で急冷し、DMFを真空下除去する。残留物をろ過し、CHCl(4×10mL)で繰り返して洗浄する。合わせた有機部分を水(50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥(無水NaSO)、ろ過、蒸発させる。粗製物質は溶離剤として5−10%のEtOAc/ヘキサンを用いて、シリカゲルカラムにより精製する。純粋なグアニジン誘導体(11)は、94%(0.9g)の収率で白色固体として得る。
LCMS: 計算値 C35H55N3O6Si = 641.39; 実測値= 642.4 [M+H]+
(4-(((3,5-ジ-tert−4-ヒドロキシフェノキシ)メチル)ジメチルシリル)ベンジル)グアニジン(C9)
0℃のCHCl(2mL)中の化合物(11)(0.45g、0.72mmol)の撹拌溶液に、TFA(2.8mL、0.014mol)を添加し、溶液を0℃にて2時間撹拌する。すべての溶媒を真空下除去し、残留物をCHCl(30mL)に溶解する。
有機部分を飽和NaHCO水溶液(2×20mL)、水(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥(無水NaSO)、ろ過、蒸発させる。粗製物質は溶離剤として5−10%のMeOH/CHClを用いて、シリカゲルカラムにより精製する。
純粋なグアニジン(C9)を86%(0.26g)の収率で無色の軽い固体として得る。
1H NMR: (CDCl3, 300MHz) δ; 8.36 (m, 1H), 7.60 (d, J = 4.76 Hz, 2H), 7.24 (d, J = 4.73 Hz, 2H), 6.79 (s, 2H), 4.74 (s, 1H), 4.27 (d, J = 3.48 Hz, 2H), 3.72 (s, 2H), 1.41 (s, 18H), 0.40 (s, 6H);
分析的HPLC: (C18, 15分間0.1%TFA/H2O中の15-90%CH3CN) Rt = 9.39;
LCMS: 計算値 C25H39N3O2Si = 441.28; 実測値= 442.2 [M+H]+
本発明の以下の化合物および類似化合物を反応図式4により調製し得る。
(4-(((3,5-ジ-tert−4-ヒドロキシフェノキシ)メチル)ジメチルシリル)ベンジル)2-シアノグアニジン(C10)
アミン塩酸塩(12)(0.45g、1mmol)(乾燥HCl/MeOH、真空中の乾燥を用いて、対応するアミンから調製)およびナトリウム ジシアナミド(0.12g、1.34mmol)をiPrOH(5mL)中の5%のHOに溶解する。その溶液をNで十分にフラッシングし、120℃にて5時間密閉管中で加熱する。室温に冷却後、すべての溶媒を真空下除去し、残留物をEtOAc(50mL)に溶解する。有機部分を飽和NHCl水溶液(2×20mL)、水(2×20mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、乾燥(無水NaSO)、ろ過、蒸発させる。粗製物質は溶離剤として5−10%のMeOH/CHClを用いて、シリカゲルカラムにより精製する。純粋な生成物(C10)を62%(0.3g)の収率で無色の軽い固体として得る。
1H NMR: (CDCl3, 300MHz) δ; 7.60 (d, J = 4.67 Hz, 2H), 7.26 (d, J = 4.62 Hz, 2H), 6.79 (s, 2H), 5.18 (bd, s, 2H), 4.75 (s, 1H), 4.35 (d, J = 3.38 Hz, 2H), 3.72 (s, 2H), 1.40 (s, 18H), 0.41 (s, 6H);
分析的HPLC: (C18, 15分間0.1%TFA/H2O中の15-90%CH3CN) Rt =10.52;
LCMS: 計算値 C26H38N4O2Si = 466.28; 実測値= 467.3 [M+H]+
(クロロメチル)(4-(ジエトキシメチル)フェニル)ジメチルシラン(14)
化合物(13)(25g、0.097mol)をN雰囲気下で乾燥THF(70mL)に溶解し、ドライアイス/エタノール浴を用いて-78℃に冷却する。反応フラスコに取り付けた滴下漏斗において、n−BuLi(ヘキサン中の1.6Mの121.1mL、0.195mol)を1時間にわたりゆっくり添加し、得られた溶液をさらに1.5時間-78℃で撹拌する。THF(10mL)中のクロロ(クロロメチル)ジメチルシラン(16.6mL、0.116mol)の溶液を30分間にわたりゆっくり添加し、反応物を-78℃でさらに2時間で撹拌する。飽和NHCl水溶液(100mL)を添加し、反応物を室温に温める。THFを真空下蒸発させ、残留物をEtOAc(200mL)に溶解する。有機相を水(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥(無水NaSO)、ろ過、蒸発させる。生成物は溶離剤として3−10%のEtOAc/ヘキサンを用いて、シリカゲルカラムにより精製する。純粋な生成物(14)を65%(18 gm)の収率で無色油として得る。
本発明の以下の化合物および類似化合物を反応図式5により調製し得る。
(ヨードメチル)(4-(ジエトキシメチル)フェニル)ジメチルシラン(15)
乾燥CHCN(30mL)中の(クロロメチル)(4-(ジエトキシメチル)フェニル)ジメチルシラン(14)(19g、0.066mol)の撹拌溶液に、NaI(49.5g、0.33mol)を添加し、得られた溶液を70℃に油浴で加熱する。6時間後、CHCNをすべて減圧下で除去し、残留物をCHCl(100mL)に溶解し、ろ過し、CHCl(3×20mL)で洗浄する。合わせた有機部分を水(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥(無水NaSO)、ろ過、蒸発させる。粗製物質は溶離剤として、5%EtOAc/ヘキサンを用いるシリカゲルカラムにより精製する。純粋なヨード生成物(15)を96%(24 gm)の収率で淡黄色油として得る。
4-(((3,5-ジ-tert−ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)メチル)ジメチルシリル)ベンズアルデヒド(17)
雰囲気下、CSCO(10.54g、0.032mol)を乾燥DMF(15mL)中のビスフェノール(5)(6g、0.027mol)の撹拌溶液に添加し、不均一系反応混合物を60℃で1時間撹拌する。DMF(5mL)中の(ヨードメチル)(4-(ジエトキシメチル)フェニル)ジメチルシラン(15)(12.55g、0.032mol)の溶液を1時間にわたりゆっくり添加し、得られた反応液を60℃で1時間撹拌する。すべての溶媒を真空下除去し、得られた反応混合物を60℃にて1時間撹拌する。すべての溶媒を真空下で除去し、残留物をEtOAc 100mLとNHCl水溶液(50mL)との間に分配させる。有機相を除去し、水(2×50mL)、ブライン(50mL)で十分に洗浄、乾燥(無水NaSO)、ろ過、蒸発させる。粗製物質は、溶離剤として5−10%のEtOAc/ヘキサンを用いて、シリカゲルカラムにより精製して。約94%(13.5g)の純度にて生成物を単離する。
MeOH(15mL)中の前記混合物(MeOH(15ml)中の13.5g、約94%純度)に、乾燥HCl(MeOH中の2Mの85mL、0.17mol)を添加し、得られた溶液を12時間0℃で撹拌する。すべての溶媒を除去し、残留物をEtOAc(150mL)に溶解する。有機部分を水(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥(無水NaSO)、ろ過、蒸発させる。粗製物質は溶離剤として、15-20%のEtOAc/ヘキサンでシリカゲルカラムにより精製する。純粋な生成物(17)を71%(7.6g)で無色固体として得る。
LCMS: 計算値 C24H34O3Si = 398.23; 実測値= 399.2[M+H+]
本発明の以下の化合物および類似化合物を反応図式6により調製し得る。
(4-(((3,5-ジ-tert−4-ヒドロキシフェノキシ)メチル)ジメチルシリル)ベンジル)アミノグアニジン(C5)
MeOH(5mL)中のアルデヒド(17)(0.05g、0.126mol)の冷蔵(0℃)および撹拌した溶液に、ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(0.08g、0.377mol)を添加する。5分後、アミノグアニジン(0.021g、1.88mmol)を添加し、0℃で2時間撹拌し、室温に一晩温める。すべての溶媒を真空下除去し、残留物をEtOAc(50mL)に溶解し、飽和NHCl(50mL)水溶液で処理する。有機相を分離し、水(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥(無水NaSO)、ろ過、蒸発させる。粗製物質は溶離剤として5%のMeOH/CHClを用いて、シリカゲルカラムにより精製する。純粋なアミノのグアニジン生成物(C5)を67%(0.038 gm)の収率で淡黄色油として得る。
1H NMR: (CDCl3, 300MHz) δ; 7.67 (s, 1H), 7.64 (d, J = 4.73 Hz, 2H), 7.31 (d, J = 4.73 Hz, 2H), 6.80 (s, 2H), 6.37 (bd. S, 2H), 6.04 (bd. S, 2H), 4.75 (s, 1H), 4.23 (t, J = 3.38 HZ, 1H), 3.96 (d, J = 3.4 HZ, 2H), 3.74 (s, 2H), 1.43 (s, 18H), 0.43 (s, 6H);
分析的HPLC: (C18, 15分間0.1%TFA/H2O中の20-90%CH3CN) Rt = 9.18;
LCMS: 計算値 C25H40N4O2Si = 456.29; 実測値= 457.3 [M+H]+
(4-(((3,5-ジ-tert−4-ヒドロキシフェノキシ)メチル)ジメチルシリル)ベンジル)N-ヒドロキシアミノベンジリデン(C6)
MeOH(5mL)中のアルデヒド(17)(0.05g、0.126mol)の冷蔵(0℃)および撹拌した溶液に、ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(0.08g、3.77mmol)を添加する。5分後、ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.013g、1.88mmol)を添加し、0℃にて2時間撹拌し、室温に一晩温める。すべての溶媒を真空下除去し、残留物をEtOAc(50mL)に溶解し、飽和NHCl水溶液(50mL)で処理する。有機相を分離し、水(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥(無水NaSO)、ろ過、蒸発させる。生成物は溶離剤として2-5%のMeOH/CHClを用いて、シリカゲルカラムにより精製する。純粋な生成物(C6)を60%(0.03 gm)の収率で白色固体として得る。
1H NMR(CDCl3, 300MHz) δ; (CDCl3, 300MHz) δ; 8.13 (s, 1H), 7.63 (d, J = 4.85 Hz, 2H), 7.56 (d, J = 4.81 Hz, 2H), 6.79 (s, 2H), 4.73 (s, 1H), 3.73 (s, 2H), 1.43 (s, 18H), 0.43 (s, 6H);
分析的HPLC: (C1815分間0.1%TFA/H2O中の15-90%CH3CN) Rt =11.41;
LCMS: 計算値 C24H35NO3Si = 413.24; 実測値= 414.2 [M+H]+
C. N−メチルベンジルアミン誘導体の調製
本発明の以下の化合物および類似化合物を反応図式7により調製し得る。
4-((ジメチル(4-((メチルアミノ)メチル)フェニル)シリル)メトキシ)-2,6-ジ-tert-ブチルフェノール(18)
MeOH(20mL)中のアルデヒド(17)(4.0g、0.010mol)の冷蔵(0℃)および撹拌した溶液に、ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(6.36g、0.030mol)を添加し、0℃で撹拌する。5分後、メチルアミン塩酸塩(1.02g、0.015mol)を添加し、0℃にて2時間撹拌し、一晩室温とする。すべての溶媒を真空下除去し、残留物をEtOAc(100mL)に溶解し、飽和NHCl水溶液(50mL)で処理する。有機相を分離し、水(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥(無水NaSO)、ろ過、蒸発させる。生成物は溶離剤として5−10%のMeOH/CHClを用いて、シリカゲルカラムにより精製する。純粋なメチルアミン誘導体を95%(3.95 gm)の収率にて紫色の軽い固体として得る。
LCMS: 計算値 C25H39NO2Si = 413.28; 実測値= 414.2 [M+H]+
(4-(((3,5-ジ-tert−4-ヒドロキシフェノキシ)メチル)ジメチルシリル)ベンジル)(1,3-ビス(tert−ブチオキシカルボニル)(メチル)グアニジン(19)
雰囲気下のアミン(18)(0.5g、1.21mmol)、DMF(10mL)およびEtN(0.49mL、3.63mmol)の溶液に、触媒量のHgCl(20mg)に続いて1,3-ビス(tert−ブトキシカルボニル)-2-メチル-2-チオプソイド尿素(10) (0.53g、1.82mmol)を添加する。その不均一系反応物を4時間撹拌する。その反応物はHO(20mL)で急冷し、DMFを真空下除去する。残留物をCHCl(4×10mL)でトリチュレートし、濾過し、CHCl(20mL)で繰り返て洗浄する。合わせた有機部分を水(50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥(無水NaSO)、ろ過、蒸発させる。粗製物質は溶離剤として5−10%のEtOAc/ヘキサンを用いて、シリカゲルカラムにより精製する。純粋な生成物(19)を86%(0.68g)の収率で無色固体として得る。
LCMS: 計算値 C36H57N3O6Si = 655.4; 実測値= 656.4 [M+H]+
(4-(((3,5-ジ-tert−4-ヒドロキシフェノキシ)メチル)ジメチルシリル)ベンジル)(メチル)グアニジン(C4)
CHCl(2mL)中の化合物(19)(0.45g、0.68mmol)の冷蔵(0℃)溶液に、TFA(2.8mL、0.014mol)を添加し、溶液を2時間攪拌する。すべての溶媒を真空下除去し、残りの残留物をCHCl(30mL)に溶解する。有機部分を飽和NaHCO水溶液(2×20mL)、水(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥(無水NaSO)、ろ過、蒸発させる。粗製物質は溶離剤として5−10%のMeOH/CHClを用いて、シリカゲルカラムにより精製する。純粋な生成物(C4)を94%(0.29g)の収率で無色の軽い固体として得る。
1H NMR: (5%CD3OD in CDCl3, 300MHz) δ; 7.61 (d, J = 4.76 Hz, 2H), 7.16 (d, J = 4.80 Hz, 2H), 6.76 (s, 2H), 4.47 (s, 2H), 3.70 (s, 2H), 3.00 (s, 3H), 1.39 (s, 18H), 0.39 (s, 6H);
分析的HPLC: (C18, 15分間0.1%TFA/H2O中の20-90%CH3CN) Rt =9.17;
LCMS: 計算値 C26H41N3O2Si = 455.3; 実測値= 456.3 [M+H]+
(4-(((3,5-ジ-tert−4-ヒドロキシフェノキシ)メチル)ジメチルシリル)ベンジル)-2-シアノ(メチル)グアニジン(C7)
アミン塩酸塩(20)(0.3g、0.67mmol)(乾燥HCl/MeOHを用いて、真空中で乾燥して対応するアミンから調製)およびナトリウム ジシアナミド(0.0773g、0.87mmol)をiPrOH(5mL)中の5%のHOに溶解する。その溶液をNで十分にフラッシングし、120℃にて5時間密閉管中で加熱する。室温に冷却後、すべての溶媒を真空下除去し、残留物をEtOAc(50mL)に溶解する。
有機部分を飽和NHCl水溶液(2×20mL)、水(2×20mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、乾燥(無水NaSO)、ろ過、蒸発させる。粗製物質は溶離剤として5−10%のMeOH/CHClを用いて、シリカゲルカラムにより精製する。純粋な生成物(C7)を63%(0.2g)の収率で無色の軽い固体として得る。
1H NMR: (CDCl3, 300MHz) δ; 7.61 (d, J = 4.78 Hz, 2H), 7.23 (d, J = 4.82 Hz, 2H), 6.79 (s, 2H), 5.27 (bd. S, 2H), 4.73 (s, 1H), 4.58 (s, 2H), 3.72 (s, 2H), 3.00 (s, 3H), 1.42 (s, 18H), 0.41 (s, 6H);
分析的HPLC:(C18, 15分間0.1%TFA/H2O中の15-90%CH3CN) Rt =10.91;
LCMS: 計算値 C27H40N4O2Si = 480.29; 実測値= 481.3 [M+H]+
本発明の以下の化合物および類似化合物を反応図式8により調製し得る。
(4-(((3,5-ジ-tert−4-ヒドロキシフェノキシ)メチル)ジメチルシリル)ベンジル) (メチル)ビグアニジン(C8)
アミン塩酸塩(20)(0.3g、0.67mmol)(乾燥HCl/MeOHを用いて、真空中で乾燥して対応するアミンから調製)およびジシアナジイミド (0.073g、0.87mmol)をiPrOH(5mL)中の5%のHOに溶解する。その溶液をNで十分にフラッシングし、120℃にて密閉管中で4時間加熱する。室温に冷却後、すべての溶媒を真空下除去し、残りの残留物をEtOAc(50mL)に溶解する。有機部分を飽和NHCl水溶液(2×20mL)、水(20mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、乾燥(無水NaSO)、ろ過、蒸発させる。粗製物質は溶離剤として10-20%のMeOH/CHClを用いて、シリカゲルカラムにより精製する。純粋な生成物(C8)を46%(0.15g)の収率で無色の軽い固体として得る。
1H NMR: (5% CD3OD in CDCl3, 300MHz) δ; 7.56 (d, J = 4.80 Hz, 2H), 7.18 (d, J = 4.78 Hz, 2H), 6.75 (s, 2H), 4.60 (s, 2H), 3.68 (s, 2H), 2.96 (s, 3H), 1.37 (s, 18H), 0.37 (s, 6H);
分析的HPLC: (C18, 15分間0.1%TFA/H2O中の15-90%CH3CN) Rt =9.41;
LCMS: 計算値 C27H43N5O2Si = 497.32; 実測値= 498.3 [M+H]+
3-(N-(4-(((3,5-ジ-tert−ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)メチル)ジメチルシリル)ベンジル)-N−メチルカルバモイル)プロパン酸(C11)
CHCl(5mL)中のアミン(18)(0.2g、0.484mmol)の溶液に、DMAP(0.059g、0.48mmol)および無水コハク酸(0.058g、0.58mmol)を添加し、得られた溶液を0℃で撹拌する。2時間後、反応物を水(20mL)を添加することにより急冷し、CHCl(40mL)で希釈する。有機相を分離し、水(50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥(無水NaSO)、ろ過、蒸発させる。粗製物質は溶離剤として、5−10%のMeOH/CHClでシリカゲルカラムにより精製する。純粋な生成物(C11)を63%(0.15g)の収率で無色固体として得る。
1H NMR: (CDCl3, 300MHz) (大部分のNMRシグナルは、1:1.4の強度比を有する2つの理論的セットに分かれる) δ; 7.62および7.57 (d, J = 4.73 Hz, 2H), 7.23および7.17 (d, J = 4.80 Hz, 2H), 6.79 (s, 2H), 4.75 (bd. s, 1H), 4.60および4.56 (s, 2H), 3.73および3.71 (s, 2H), 2.99および2.97 (s, 3H), 2.73および2.71 (m, 4H), 1.42 (s, 18H), 0.41 (s, 6H);
分析的HPLC: (C18, 15分間0.1%TFA/H2O中の15-90%CH3CN) Rt =10.8;
LCMS: 計算値 C29H43NO5Si = 513.29; 実測値= 514.3 [M+H]+
D. フェノール誘導体の調製:
本発明の以下の化合物および類似化合物を反応図式9、10、11および12により調製し得る。
1-ブロモ-4-(メトキシメトキシ)ベンゼン(22)
4-ブロモフェノール(8.65g、50mmol)、ジメトキシメタン(40mL(450mmol))、p-トルンスルホン酸の一水和物(100mg)を50gのタイプ3Aモレキュラーシーブを含む500-mLソックスレー(Soxhlet)抽出器中の200mLの無水CHClに溶解し、その溶液をアルゴン下一晩還流する。反応液を冷却させ、、減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、3%のEtOAc/ヘキサン)を介して精製して、所望の生成物(22)を無色油(5.78g、53%)として得る: 1H-NMR (CDCl3, 300MHz) δ 7.38 (d, J = 5.4Hz, 2H), 6.92 (d, J = 5.4Hz, 2H), 5.14 (s, 2H), 3.47 (s, 3H).
(クロロメチル) (4-(メトキシメトキシ)フェニル)ジメチルシラン(23)
1-ブロモ-4-(メトキシメトキシ)ベンゼン(22)(9.51g、44mmol)を500-mL丸底フラスコ中の150mL無水エチルエーテルに溶解し、その溶液を-78℃に冷却する。アルゴン下連続的な撹拌で、75mL tert−ブチルリチウム(ヘキサン中の1.7M、127mmol)をシリンジを介して滴下し、反応物はさらに30分間-78℃に保つ。18mL クロロ(クロロメチル)ジメチルシラン(133mmol)をシリンジを介して反応フラスコに注意深く滴下し、反応混合物を室温までゆっくり一晩温める。反応物を100mL飽和NHClで急冷し、有機相を分離し、無水NaSOで乾燥する。溶媒を蒸発させ、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、3%EtOAc/ヘキサン)により精製して、所望の生成物(23)を無色油(10.57g、98%)として得る: 1H-NMR (CDCl3, 300MHz) δ 7.48 (d, J = 5.1Hz, 2H), 7.06 (d, J = 5.1Hz, 2H), 5.20 (s, 2H), 3.48 (s, 3H), 2.93 (s, 2H), 0.40 (s, 6H).
(ヨードメチル) (4-(メトキシメトキシ)フェニル)ジメチルシラン(24)
500-mL丸底フラスコに、(クロロメチル) (4-(メトキシメトキシ)フェニル)ジメチルシラン(23)(10.57g、43mmol)、NaI(19.4g、130mmol)、200mLの無水CHCNを入れ、反応混合物をアルゴン下で一晩還流する。その溶液を室温に冷却させ、冷却で発生した沈澱物を濾去する。濾過液を真空下蒸発させ、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、5%EtOAc/ヘキサン)により精製して、所望の生成物(24)を無色油(10.68g、74%)として得る:
1H-NMR (CDCl3, 300MHz) δ 7.47 (d, J = 5.1Hz, 2H), 7.06 (d, J = 5.1Hz, 2H), 5.20 (s, 2H), 3.48 (s, 3H), 2.16 (s, 2H), 0.42 (s, 6H)
4-(((4-(メトキシメトキシ)フェニル)ジメチルシリル)メトキシ)-2,6-ジ-tert-ブチルフェノール(C12)
250-mLフラスコに、2,6-ジ-tert−ブチル−1,4−ビスフェノール(5)(6.93g、31mmol)、(ヨードメチル)(4-(メトキシメトキシ)フェニル)ジメチルシラン(24)(10.60g、31mmol)、CSCO(11.25g、35mmol)、無水CHCNを添加し、その混合物をアルゴンの一定流下80℃で一晩撹拌する。反応物を50mLの飽和NHClで急冷し、100mLのCHClで抽出する。有機相を分離し、100mLブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥する。溶媒を蒸発させ、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン)で精製して、わずかに黄色の固体(11.35g、85%)として所望の生成物(C12)を得る:
1H-NMR (CDCl3, 300MHz) δ 7.54 (d, J = 5.1Hz, 2H), 7.06 (d, J = 5.1Hz, 2H), 6.80 (s, 2H), 5.20 (s, 2H), 4.72 (s, 1H), 3.70 (s, 2H), 3.48 (s, 3H), 1.43 (s, 18H), 0.40 (s, 6H); RP-HPLCにおける保持時間 (C18, 7分間にわたる0.1% TFA/H2O 中の30-95% CH3CN)は5.02; 計算された質量 C25H43O6Siについて (M+2H2O+H)+ 467.3, LC-MSによる実測値 467.3; 元素分析 C25H38O4Siについて 計算値: C, 69.72; H, 8.89; O, 14.86; Si, 6.52; 実測値: C, 69.35; H, 8.64; N, 0.20.
4-(((4-フェノール)ジメチルシリル)メトキシ)-2,6-ジ-tert−ブチルフェノール(25)
500-mL丸底フラスコにおける200mL p-ジオキサン中の4-(((4-(メトキシメトキシ)フェニル)ジメチルシリル)メトキシ)-2,6-ジ-tert-ブチルフェノール(C12)(6.23g、14mmol)の溶液に、50mL 2.0N HClを添加し、混合物を室温にてアルゴン下で3日間撹拌する。その溶液を200mL EtOAcで抽出し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、5%EtOAc/ヘキサンに続いて10%EtOAc/ヘキサン)により精製して、無色液体(2.73g)として所望の生成物(25)および少しの黄色の固体(2.70g)として回収された出発原料を得る。無色の液体は、室温での静置に際して、白色固体に変わる。計算された収率は50%である: 1H-NMR (CDCl3, 300MHz) δ 7.49 (d, J = 5.1Hz, 2H), 6.86 (d, J = 5.1Hz, 2H), 6.80 (s, 2H), 4.81 (s, 1H), 4.72 (s, 1H), 3.70 (s, 2H), 1.43 (s, 18H), 0.39 (s, 6H); 元素分析 C23H34O3Si, 計算値: C, 71.46; H, 8.86; O, 12.42; Si, 7.26; 実測値: C, 70.33; H, 8.96; N, 0.08.
コハク酸4-(((3,5-ジ-tert−ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)メチル)ジメチルシリル)フェノールエステル(C13)
10-mL丸底フラスコに、4-(((4-フェノール)ジメチルシリル)メトキシ)-2,6-ジ-tert−ブチルフェノール(25)(0.150g、0.388mmol)、無水コハク酸(0.388g、3.88mmol)、N−メチルモルホリン(0.645mL、5.82mmol)、5mLの無水CHClを加え、得られた混合物を室温で一晩撹拌する。その溶液を減圧下で蒸発させ乾燥する。残留物を8mL CHCN中の再溶解し、次いで逆相HPLCカラム(C18、10-95%のCHCN/0.1% TFA水勾配)に適用して、白色粉末(110mg、60%収率)として所望の生成物(C13)を得る:1H-NMR (CDCl3, 300MHz) δ 7.62 (d, J = 5.0Hz, 2H), 7.10 (d, J = 5.0Hz, 2H), 6.80 (s, 2H), 4.74 (s, 1H), 3.72 (s, 2H), 2.89 (t, J = 3.9Hz, 2H), 2.81 (t, J = 3.9Hz, 2H), 1.43 (s, 18H), 0.41 (s, 6H); RP-HPLCにおける保持時間 (C18, 7分間にわたる0.1% TFA/H2O 中の30-95% CH3CN)は4.54; 計算された質量 C27H39O6Siについて (M+H)+ 487.3, LC-MSによる実測値 487.3; 元素分析 C27H38O6Si 計算値: C, 66.63; H, 7.87; O, 19.73; Si, 5.77; 実測値: C, 66.23; H, 7.48; N, 0.15.
4-(((3,5-ジ-tert−ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)メチル)ジメチルシリル)フェニル 2-(ジメチルアミノ)アセテート(C14)
15-mL丸底フラスコに、4-(((4-フェノール)ジメチルシリル)メトキシ)-2,6-ジ-tert−ブチルフェノール(25)(0.200g、0.52mmol)、N,N−ジメチルグリシンHCl塩(0.109g、0.78mmol)、PS-カルボジイミド(2.1mmol/g、0.37 g 0.78mmol、N−メチルモルホリン(0.087mL(0.78mmol))、DMAP(6.5 mg、0.052mmol)、10mL無水CHClを添加し、得られた混合物を室温で一晩撹拌する。樹脂を濾去し、その溶液を減圧下蒸発させて乾燥する。残留物を8mL CHCN中に再溶解し、次いで、逆相HPLCカラム(C18、10-95%のCHCN/0.1% TFA水勾配)に適用して、白色粉末(205mg、76%収率)として所望の生成物(C14)を得る: 1H-NMR (CDCl3, 300MHz) δ 7.66 (d, J = 5.0Hz, 2H), 7.13 (d, J = 5.0Hz, 2H), 6.79 (s, 2H), 4.73 (s, b, 1H), 4.18 (s, 2H), 3.72 (s, 2H), 3.05 (s, 6H), 1.43 (s, 18H), 0.42 (s, 6H); RP-HPLCにおける保持時間 (C18, 7分間にわたる0.1% TFA/H2O 中の30-95% CH3CN)は3.94; 計算された質量 C27H42O4Siについて(M+H)+ 472.3, LC-MSによる実測値 472.3; 元素分析 C29H42F3NO6Si (M+TFA) 計算値: C, 59.47; H, 7.23; F, 9.73; N, 2.39; O, 16.39; Si, 4.79; 実測値: C, 58.46; H, 6.30; N, 2.42.
4-(((3,5-ジ-tert−ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)メチル)ジメチルシリル)フェニル 4-メチルピペラジン−1-カルボキシレート(C15)
10-mL丸底フラスコに、4-(((4-フェノール)ジメチルシリル)メトキシ)-2,6-ジ-tert−ブチルフェノール(25)(0.250g、0.65mmol)、p-ニトロフェノールクロロホルマート(0.203g、0.97mmol)、N−メチルモルホリン(0.216mL(1.95mmol))、5mL無水CHClを添加し、得られた混合物を3時間室温で撹拌する。1-メチルピペラジン(0.22mL、1.95mmol)を引き続いて添加し、撹拌を一晩続ける。反応液を減圧下で蒸発させ乾燥させる。残留物を8mL CHCNに再溶解し、逆相HPLCカラム(C18、10-95%のCHCN/0.1% TFA水勾配)に適用して、軽い白色粉末(211mg、64%収率)として所望の生成物(C15)を得る:
1H-NMR (CDCl3, 300MHz) δ 7.62 (d, J = 5.0Hz, 2H), 7.10 (d, J = 5.0Hz, 2H), 6.90 (s, 2H), 4.72 (s, b, 1H), 4.41 (s, b, 2H), 3.71 (s, 2H), 2.92 (s, 3H), 2.88 (s, b, 2H), 2.63 (s, b, 4H), 1.43 (s, 18H), 0.41 (s, 6H); RP-HPLCにおける保持時間 (C18, 7分間にわたる0.1% TFA/H2O 中の30-95% CH3CN)は4.04; 計算された質量 C29H45N2O4Siについて (M+H)+ 513.3, LC-MSによる実測値 513.3.; 元素分析 C31H45F3N2O6Si (M+TFA) 計算値: C, 59.40; H, 7.24; F, 9.09; N, 4.47; O, 15.32; Si, 4.48; 実測値: C, 58.25; H, 6.67; N, 4.57.
メチル2-(4-((3,5-ジ-tert−ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)ジメチルシリル)フェノキシ)アセテート(C16)
15-mL丸底フラスコに、4-(((4-フェノール)ジメチルシリル)メトキシ)-2,6-ジ-tert−ブチルフェノール(25)(0.120g、0.31mmol)、メチルブロモアセテート(0.60mL、0.62mmol)、CSCO(0.202g、0.62mmol)、5mL無水CHCNを添加し、得られた混合物を室温で一晩撹拌する。その溶液を減圧下で蒸発させ乾燥し、残留物をまずヘキサンに続いて、5%EtOAc/ヘキサンで溶出されるシリカゲルカラムに適用して、白色粉末(87mg、61%収率)として所望の生成物(C16)を得る:
1H-NMR (CDCl3, 300MHz) δ 7.54 (d, J = 5.1Hz, 2H), 6.92 (d, J = 5.1Hz, 2H), 6.80 (s, 2H), 4.72 (s, 1H), 4.75 (s, 2H), 3.81 (s, 3H), 3.69 (s, 2H), 1.42 (s, 18H), 0.40 (s, 6H); RP-HPLCにおける保持時間 (C18, 7分間にわたる0.1% TFA/H2O 中の30-95% CH3CN)は4.82; 計算された質量 C26H39O5Siについて (M+H)+ 459.3, LC-MSによる実測値 459.3; 元素分析 C26H38O5Si 計算値: C, 68.08; H, 8.35; O, 17.44; Si, 6.12; 実測値: C, 67.70; H, 8.04; N, 0.11.
イソプロピル2-(4-((3,5-ジ-tert−ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)ジメチルシリル)フェノキシ)-2-メチルプロピオナート(C17)
5-mL反応ガラスバイアルに、4-(4-フェノール)ジメチルシリル)メトキシ)-2,6-ジ-tert−ブチルフェノール(25)(0.220g、0.57mmol)、イソプロピル2-ブロモ-2-メチルプロピオナート(1.0mL、5.65mmol)、CSCO(0.375g、1.14mmol)を添加し、ガラスバイアルをキャップし、得られた混合物を145℃に一晩加熱する。室温に冷却後、その溶液を50mL EtOAcで抽出し、飽和NHClで洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で蒸発させ乾燥させる。残留物をまず2%EtOAc/ヘキサンに続いて5%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカゲルカラムに適用して、わずかに黄色の油(172mg、59%収率)として所望の生成物(C17)を得る:
1H-NMR (CDCl3, 300MHz) δ 7.46 (d, J = 5.0Hz, 2H), 6.83 (d, J = 5.0Hz, 2H), 6.80 (s, 2H), 5.08 (p, J = 3.8Hz, 1H), 4.72 (s, 1H), 3.68 (s, 2H), 1.60 (s, 6H), 1.43 (s, 18H), 1.21 (d, J = 3.8Hz, 6H), 0.38 (s, 6H); RP-HPLCにおける保持時間 (C18, 12分間にわたる0.1% TFA/H2O中の5-100% CH3CN)は11.20; 計算された質量 C30H47O5Siについて (M+H)+ 515.3, LC-MSによる実測値515.3; 元素分析 C30H48O6Si (M+H2O) 計算値: C, 67.63; H, 9.08; O, 18.02; Si, 5.27; 実測値: C, 66.22; H, 7.28; N, 0.34.
本発明の以下の化合物および類似化合物を反応図式13により調製し得る。
4-(((4-(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)フェニル)ジメチルシリル)メトキシ)-2,6-ジ-tert−ブチルフェノール(C18)
10-mLガラスバイアルに、4-(((4-フェノール)ジメチルシリル)メトキシ)-2,6-ジ-tert−ブチルフェノール(25)(0.33g、0.85mmol)、2-(2-メトキシエトキシ)エチルトシレート (1.16g、4.25mmol)、CSCO(0.277g、0.85mmol)、2mL無水DMFを添加し、得られた混合物をキャップし、2時間60℃で撹拌する。50mL飽和NHCl溶液を添加し、その混合物を75mL EtOAcで抽出する。有機相を分離し、ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させる。次いで、その溶液を減圧下で蒸発し乾燥させ、残留物をまず20%のEtOAc/ヘキサンに続いて、10%のEtOAc/ヘキサンにより溶出するシリカゲルカラムに適用して、白色結晶性固体(251mg、61%収率)として所望の生成物(C18)を得る:
1H-NMR (CDCl3, 300MHz) δ 7.52 (d, J = 4.1 Hz, 2H), 6.94 (d, J = 4.1Hz, 2H), 6.80 (s, 2H), 4.72 (s, 1H), 4.16 (t, J = 3.0Hz, 2H), 3.87 (t, J = 3.0Hz, 2H), 3.73 (t, J = 2.8Hz, 2H), 3.70 (s, 2H), 3.58 (t, J = 2.8Hz, 2H), 3.39 (s, 3H), 1.43 (s, 18H), 0.39 (s, 6H); RP-HPLCにおける保持時間 (C18, 5分間にわたる0.1% TFA/H2O中の30-95% CH3CN)は4.29; 計算された質量 C28H45O5Siについて (M+H)+ 489.3, LC-MSによる実測値 489.3; 元素分析 C28H44O5Siについて 計算値: C, 68.81; H, 9.07; O, 16.37; Si, 5.75; 実測値: C, 67.50; H, 8.92.
E.N−メチルベンジルアミド誘導体の調製:
本発明の以下の化合物および類似化合物を反応図式14により調製し得る。
2-(2-メトキシエトキシ)-N-4-(((3,5-ジ-tert−ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)メチル)ジメチルシリル)ベンジル)-N−メチルアセトアミド(C20)
HOBt(35mg、0.25mmol)、HBTU(98mg、0.25mmol)、DIEA(0.090mL、0.516mmol)、2-(2-メトキシエトキシ)酢酸(35mg、26mmol)およびDMF(4mL)の溶液は、DMF(1mL)中の18(0.035g、0.086mmol)の溶液に添加する。均一溶液を一晩撹拌し、水(50mL)で急冷する。有機物質をEtOAc(3×20mL)で抽出し、水(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥 (無水NaSO)、ろ過、蒸発させる。生成物を溶離剤として30-50%のEtOAc/ヘキサンを用いて、シリカゲルカラムにより精製する。純粋な生成物(C20)を78%(0.035 gm)の収率で淡黄色油として得る。
1H NMR: (CDCl3, 300MHz) (大部分のNMRシグナルは、1:1.4の強度比を有する2つの理論的セットに分かれる) δ; 7.59および7.56 (d, J = 4.60 Hz, 2H), 7.24および7.18 (d, J = 4.70 Hz, 2H), 6.79 (s, 2H), 4.73 (s, 1H), 4.58および4.49 (s, 2H), 4.27および4.26 (s, 2H), 3.70 (m, 3H), 3.60 (m, 2H), 3.59 (m, 1H), 3.38および3.33 (s, 3H), 2.93および2.91 (s, 3H), 1.42 (s, 18H), 0.41 (s, 6H);
分析的HPLC: (C1815分間 0.1%TFA/H2O中の20-90% CH3CN) Rt =10.91;
LCMS: 計算値 C30H47NO5Si = 529.32; 実測値= 530.3 [M+H]+
2-(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)-N-(4-(((3,5-ジ-tert−ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)メチル)ジメチルシリル)ベンジル)-N−メチルアセトアミド(C19)
C20の合成に記載された同一手順に従い、DMF(5mL)中の18(0.035g、0.086mmol)、HOBt(35mg、0.25mmol)、HBTU(98mg、0.25mmol、DIEA(0.090mL(0.516mmol))および2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸(46mg、26mmol)間の反応は、74%収率(0.036g)で淡黄色油として所望のアミド(C19)を与えた。
1H NMR (CDCl3, 300MHz) (大部分のNMRシグナルは、1:1.4の強度比を有する2つの理論的セットに分かれる) δ; 7.59および7.56 (d, J = 4.60 Hz, 2H), 7.24および7.18 (d, J = 4.70 Hz, 2H), 6.79 (s, 2H), 4.73 (s, 1H), 4.58および4.55 (s, 2H), 4.27および4.26 (s, 2H), 3.76 (m, 1H), 3.71 (m, 3H), 3.65 (m, 2H), 3.64 (m, 2H), 3.54 (m, 1H), 3.38および3.36 (m, 1H), 3.34 (m, 1H), 2.93および2.91 (s, 3H), 1.42 (s, 18H), 0.41 (s, 6H);
分析的HPLC: (C1815分間 0.1%TFA/H2O中の20-90% CH3CN) Rt =10.89;
LCMS: 計算値 C32H51NO6Si = 573.35; 実測値= 574.3 [M+H]+
F. スルホンアミド誘導体の調製:
本発明の以下の化合物および類似化合物を反応図式15により調製し得る。
N-(4-(((3,5-ジ-tert−ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)メチル)ジメチルシリル)ベンジル)-4-メトキシ-N-メチルベンゼンスルホンアミド(C21)
乾燥CHCl(4mL)中の化合物18(0.035g、0.086mmol)の溶液に、EtN(0.024mL、0.172mmol)を添加し、反応物を0℃に冷却する。CHCl(1mL)中の4-メトキシベンゼンスルホニルクロリド(0.022mg、0.106mmol)の溶液をゆっくり添加し、その溶液を6時間撹拌する。すべての溶媒を真空下除去し、残留物をEtOAc(50mL)に溶解し、飽和NHCl水溶液(50mL)で処理する。有機相を分離し、水(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥(無水NaSO)、ろ過、蒸発させる。生成物を溶離剤として20-50%のEtOAc/ヘキサンを用いて、シリカゲルカラムにより精製する。純粋な生成物(C21)を70%(0.035 gm)の収率で無色固体として得る。
1H NMR(CDCl3, 300MHz) δ; (CDCl3, 300MHz) δ; 7.78 (d, J = 6 Hz, 2H), 7.56 (d, J = 4.81 Hz, 2H), 7.31 (d, J = 4.8 Hz, 2H), 7.03 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 6.79 (s, 2H), 4.73 (s, 1H), 4.12 (s, 2H), 3.89 (s, 3H), 3.71 (s, 2H), 2.58 (s, 3H), 1.42 (s, 18H), 0.41 (s, 6H);
分析的HPLC: (C1815分間 0.1%TFA/H2O中の20-90% CH3CN) Rt =12.73;
LCMS: 計算値 C32H45NO5SSi = 583.3; 実測値= 584.3 [M+H]+
N-(4-(((3,5-ジ-tert−ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)メチル)ジメチルシリル)ベンジル)-2,4-ジクロロ-N−メチルベンゼンスルホンアミド(C22)
C21の合成に記載された同一手順に従い、18(0.035g、0.086mmol)、EtN(0.024mL、0.172mmol)、2,4-ジクロロベンゼンスルホニルクロリド(0.026mg、0.106mmol)およびCHCl(5mL)間の反応は、94%収率(0.050g)で半固形物として所望のスルホンアミド(C22)を与えた。
1H NMR δ; 8.04 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 4.81 Hz, 2H), 7.55 (s, 1H), 7.38 (m, 1H), 7.34 (m, 2H), 6.79 (s, 2H), 4.73 (s, 1H), 4.40 (s, 2H), 3.72 (s, 2H), 2.76 (s, 3H), 1.42 (s, 18H), 0.41 (s, 6H);
分析的HPLC: (C18 15分間にわたる0.1%TFA/H2O中の40-90% CH3CN) Rt =11.76;
LCMS: 計算値 C31H41Cl2NO4SSi = 621.19; 実測値= 622.3 [M+H]+
N-(4-(((3,5-ジ-tert−ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)メチル)ジメチルシリル)ベンジル)-4-フルオロ-N−メチルベンゼンスルホンアミド(C23)
XXIの合成に記載された同一手順に従い、18(0.035g、0.086mmol)、EtN(0.024mL、0.172mmol)、4-フルオロベンゼンスルホニルクロリド(0.020mg、0.106mmol)およびCHCl(5mL)の間の反応は、、62%収率(0.030g)で無色固体として所望のスルホンアミド(C23)を与えた。
1H NMR δ; (CDCl3, 300MHz) δ; 7.58 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 7.30 (d, J = 4.5 Hz, 2H), 7.23 (m, 4H), 6.79 (s, 2H), 4.73 (s, 1H), 4.15 (s, 2H), 3.71 (s, 2H), 2.60 (s, 3H), 1.42 (s, 18H), 0.41 (s, 6H);
分析的HPLC: (C1815分間 0.1%TFA/H2O中の20-90% CH3CN) Rt =12.45;
LCMS: 計算値 C31H42FNO4SSi = 571.26; 実測値= 572.3 [M+H]+
N-(4-(((3,5-ジ-tert−ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)メチル)ジメチルシリル)ベンジル)-N−メチルメチルスルホンアミド(C24)
XXIの合成に記載された同一手順に従い、18(0.035g、0.086mmol)、EtN(0.024mL、0.172mmol)、メタンスルホニルクロリド(0.0085mg、0.106mmol)およびCHCl(5mL)間の反応は、48%収率(0.020g)で淡黄色油として所望のスルホンアミド(XXIV)を与えた。
1H NMR(CDCl3, 300MHz) (大部分のNMRシグナルは、1:1.4の強度比を有する2つの理論的セットに分かれる) δ; 7.61および7.56 (d, J = 4.60 Hz, 2H), 7.22および7.04 (d, J = 4.70 Hz, 2H), 6.79 (s, 2H), 4.73および4.72 (s, 1H), 4.58および4.52 (s, 2H), 3.72および3.71 (s, 2H), 2.95および2.93 (s, 3H), 2.18および2.15 (s, 3H), 1.42 (s, 18H), 0.41 (s, 6H);
分析的HPLC: (C18 15分間0.1%TFA/H2O中の12-90% CH3CN) Rt =12.46;
LCMS: 計算値 C26H41NO4SSi = 491.25; 実測値= 492.3 [M+H]+
本明細書に引用された全ての刊行物および特許出願を、各個々の刊行物および特許出願を出典明示して本明細書の一部とみなすように具体的でかつ個別に示す同一の範囲まで出典明示して本明細書の一部とみなす。
ある種の具体例が前記に詳細に記載されたが、当業者ならば、多数の修飾がその教示に逸脱することなく具体例において可能であることを明確に理解するであろう。かかる全ての修飾は、特許請求した発明内に包含されることを意図する。
図1は、本発明のt−ブチルフェノール化合物の経口投与後のエクスビボでの抗酸化活性:70日間0.5%のコレステロール/10%トウモロコシ油食餌を供給したウサギから分離された血清の銅誘導酸化を示す。 図2は、プロブコールと比較した本発明のt−ブチルフェノール化合物によるヒト冠状動脈平滑筋細胞(CASMC)、およびヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)におけるサイトカイン誘導VCAM−1発現の阻害を示す。 図3は、 (70日の間の300mg/日にて)本発明のt−ブチルフェノール化合物で処置された対照群ウサギおよびテスト群ウサギにおける静脈内カルバコール(1、5、10、20mg/kg)に応じた合計の末梢コンダクタンス(TPC)の変化を示す。 図4は、t−ブチルフェノール化合物およびTNF−αの機能としての内皮細胞NO活性を示す。 図5は、未刺激全血における本発明のt−ブチルフェノール化合物によるHMOX−1発現の誘導を示す。 図6は、LPS刺激全血における本発明のt−ブチルフェノール化合物によるHMOX−1発現の誘導を示す。 図7は、プラセボまたは本発明の代表的な化合物で処置し、損傷に先立って12週間、1.25%のコレステロールで補足された高脂肪食を与えたApoE−/−雄性マウスにおける機械的損傷モデルにおける(a)定量的形態測定および(b) 新生内膜−対−中膜比を示す。 図8は、プラセボまたは本発明の代表的な化合物で処置し、損傷に先立って12週間、1.25%のコレステロールで補足した高脂肪食を与えたApoE−/−雄性マウスにおける機械的損傷モデルにおける頚動脈の新生内膜および中膜におけるパーセントCD45陽性細胞(CD45免疫染色した陽性細胞数/核の合計数)を示す。 図9は、プラセボまたは本発明の代表的な化合物で処置し、損傷に先立って12週間、1.25%のコレステロールで補足された高脂肪食を与えたApoE−/−雄性マウスにおける機械的損傷モデルにおける頚動脈の新生内膜および中膜におけるパーセントBrdu陽性細胞(Brdu免疫染色した陽性細胞数/核の合計数)を示す。 図10は、糖尿病ラット、ならびに本発明の代表的な化合物で処置(ラット飼料中0.3%)または処置していない8週間ストレプトゾトシン誘導ラットにおける血中グルコースレベルの時間的経過を示す。午前の血中グルコースレベルは覚醒ラットから得た尾静脈血液試料を使用して決定する。データを平均±SEM(平均値の標準誤差)として表す。使用した動物数は、nにより示す。血中グルコースレベルは、処置および処置していない糖尿病動物においてかなり増加する。有意差は処置および処置していない糖尿病動物間に観察されない。 図11は、非糖尿病ラット、12週間ストレプトゾトシン誘導の処置がされていない糖尿病ラット、および8週間処置されず、さらに4週間、本発明の代表的な化合物で処置(ラット飼料中0.3%)された糖尿病ラットにおける血中グルコースレベルの時間的経過を示す。午前の血中グルコースレベルは覚醒ラットから得た尾静脈血液試料を使用して決定する。データを平均±SEM(平均値の標準誤差)として表す。使用した動物数は、nにより示す。血中グルコースレベルは、糖尿病動物においてかなり増加する。有意差は処置および処置していない糖尿病動物間に観察されない。 図12は、非糖尿病ラットおよび本発明の代表的な化合物で処置(ラット飼料中の0.3%)および処置されていない8週間ストレプトゾトシン誘導された糖尿病ラットのパネルA中の平均動脈圧(MAP)値およびパネルB中の心拍度数(HR)を示す。MAPおよびHRは、海綿体神経刺激に対する***性応答の評価前に麻酔したラットにおいて測定した。データは平均±SEMとして示す。使用した動物の数をnにより示す。一元ANOVA後のスチューデント−ニューマン-ケウルスポストホックテスト(Student-Newman-Keuls post hoc test)による糖尿病なしに対する***p<0.005。 図13は、麻酔した8週間ストレプトゾトシン誘導した糖尿病性雄性ラットにおける***性応答に対する本発明の代表的な化合物(ラット飼料中の0.3%)での予防的処置の効果を示す。データは、各刺激の時間でのMAP値により標準化された海綿体神経電気刺激に、海綿体内圧(ICP)増加の曲線下面積(mm Hg x秒)の平均±SEMとして示す。*** 2元ANOVAテストによる未処置の糖尿病ラットにおける頻度応答曲線に対するp<0.005。 図14は、麻酔した8週間ストレプトゾトシン誘導した糖尿病性雄性ラットにおける***性の応答に対する本発明の代表的な化合物(ラット飼料中0.3%)での予防的処置の効果を示す。データは、各刺激の時間でのMAP値により標準化された海綿体神経電気刺激に対するICP増加のピーク増分 (mm Hg)の平均±SEMとして示す。*** 2元ANOVAテストによる未処置の糖尿病ラットにおける頻度応答曲線に対するp<0.005。 図15は、非糖尿病ラット、12週間ストレプトゾトシン誘導未処置糖尿病ラット、および8週間未処置で、さらに4週間本発明(ラット飼料中の0.3%)の代表的な化合物で処置した糖尿病ラットの平均動脈圧(MAP)値(左パネル)および心拍度数(HR)レベル(右パネル)を示す。MAPおよびHRは、海綿体神経刺激に対する***性応答の評価前に麻酔したラットにおいて測定した。データは平均±SEMとして示す。使用した動物の数をnにより示す。*** 一元ANOVA後のスチューデント−ニューマン-ケウルスポストホックテスト(Student-Newman-Keuls post hoc test)による糖尿病なしに対するp<0.005。 図16は、麻酔した12週間ストレプトゾトシン誘導した未処置ラット、および8週間未処置で、次いでさらに4週間本発明の代表的な化合物(ラット飼料中の0.3%)で処置した糖尿病ラットにおける***性応答を示す。データは、各刺激の時間でのMAP値により標準化された海綿体神経電気刺激に対するICP増加の曲線下面積(mm Hg x秒)の平均±SEMとして示す。** 2元ANOVAテストによる未処置の糖尿病ラットにおける頻度応答曲線に対するp<0.01。 図17は、麻酔した12週間ストレプトゾトシン誘導した未処置の糖尿病雄性ラット、および8週間未処置で、次いでさらに4週間本発明の代表的な化合物(ラット飼料中の0.3%)で処置した糖尿病ラットにおける***性応答を示す。データは、各刺激の時間でのMAP値により標準化された海綿体神経電気刺激に対するICP増加のピーク増分(mm Hg)の平均±SEMとして示す。** 2元ANOVAテストによる未処置の糖尿病ラットにおける頻度応答曲線に対するp<0.01。

Claims (34)

  1. 血管の健康に関連した疾患または障害を処置するための有効な量の式(I):
    Figure 2007509054
    [式中、XおよびXは独立して、オキシおよびジアルキル置換シリルよりなる群から選択され、
    はC−Cアルキル;
    およびRは、HおよびC−Cアルキルよりなる群から独立して選択され;
    、R、RおよびRは、H、メトキシおよび分岐鎖または直鎖のC−Cアルキルよりなる群から独立して選択され;および
    およびRは独立して、水素、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ハライド、アミン、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルカノイル、アリーロイル、ヘテロアリーロイル、−O(C−Cアルキル)、−OCO−(HもしくはC−Cアルキル)、−OCO−(C−Cアルケニル)、−OCO−(アリール)、−OCO−(ヘテロアリール)、−(C−Cアルキル)−COOH、−(C−Cアルケニル)−COOH、−OCO−(C−Cアルキル)−COOH、−OCO−(C−Cアルケニル)−COOH、−CO−(C−Cアルキル)−COOHおよび−CO−(C−Cアルケニル)COOHよりなる群から選択され;
    ここに、RまたはRの置換基は、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルカノイル、アリーロイル、ヘテロアリーロイル、−O(C−Cアルキル)、−OCO−(HもしくはC−Cアルキル)、−OCO−(C−Cアルケニル)、−OCO−(アリール)、−OCO−(ヘテロアリール)、−(C−Cアルキル)−COOH、−(C−Cアルケニル)−COOH、−OCO−(C−Cアルキル)−COOH、−OCO−(C−Cアルケニル)−COOH、−CO−(C−Cアルキル)−COOHまたは−CO−(C−Cアルケニル)−COOHである場合、それらは独立して、C−Cアルキル、ハロゲン、−OH、−OCH、−OCHCH、ハロメチル(ジハロメチル、トリハロメチル、−NH、−NO、−CN、−NC、-C(=NH)(NH)、−SH、−COOH、−COOCHおよび−COOCHCHよりなる群から独立して選択される1以上の官能基で置換されてもよく;
    但し、式(I)で表される該化合物は式(IV):
    Figure 2007509054
    (式中、R10およびR15は各々独立してC−Cアルキル;
    11、R12およびR13は各々独立して、水素またはC−Cアルキル;
    Rは水素または−C(O)−(CH)−Q(ここに、Qは水素または−COOHであって、mは整数1、2、3または4である);
    Zはチオ、オキシまたはメチレン基;
    AはC−Cアルキレン基;
    14およびR16は各々独立して、C−Cアルキルまたは−(CH)−(Ar)(ここに、nは整数0、1、2または3;およびArは、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシル、ハロゲン、トリフルオロメチル、C−Cアルキルもしくは−NR1718(ここに、R17およびR18は各々独立して、水素またはC−Cアルキルである)よりなる群から選択される1〜3個の置換基で置換されていないか、または置換されたフェニルまたはナフチルであり;但し、R11またはR14もしくはR16の少なくとも1つがC−Cアルキルであって、Arがトリフルオロメチルまたは−NR1718で置換されていない場合、Rは−C(O)−(CH)−Qである))で表される化合物ではない]で表される化合物またはその医薬上許容される塩をかかる処置を必要とする対象に投与することを特徴とする血管の健康に関連した疾患または障害の予防的または治療的な処置のための方法。
  2. およびXが独立して、オキシおよびジメチル−シリルよりなる群から選択され;Rがメチレン;RおよびRが水素、R、R、RおよびRが独立して、水素およびtert−ブチルよりなる群から選択され;およびRおよびRが独立して、ヒドロキシおよびメトキシよりなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. およびRがtert−ブチルあって、Rがヒドロキシであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 血管の健康に関連した疾患または障害を処置するための有効な量の式(II):
    Figure 2007509054
    [式中、XおよびXは独立して、チオ、オキシおよびジアルキル置換シリルよりなる群から選択され、
    はC−Cアルキル;
    およびRは、HおよびC−Cアルキルよりなる群から独立して選択され;
    、R、RおよびRは、H、メトキシおよび分岐鎖または直鎖のC−Cアルキルよりなる群から独立して選択され;および
    およびRは独立して、水素、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、ハライド、アミン、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルカノイル、アリーロイル、ヘテロアリーロイル、−O(C−Cアルキル)、−OCO−(HもしくはC−Cアルキル)、−OCO−(C−Cアルケニル)、−OCO−(アリール)、−OCO−(ヘテロアリール)、−(C−Cアルキル)−COOH、−(C−Cアルケニル)−COOH、−OCO−(C−Cアルキル)−COOH、−OCO−(C−Cアルケニル)−COOH、−CO−(C−Cアルキル)−COOHおよび−CO−(C−Cアルケニル)−COOHよりなる群から選択され;
    ここに、RまたはRの置換基が、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルカノイル、アリーロイル、ヘテロアリーロイル、−O(C−Cアルキル)、−OCO−(HもしくはC−Cアルキル)、−OCO−(C−Cアルケニル)、−OCO−(アリール)、−OCO−(ヘテロアリール)、−(C−Cアルキル)−COOH、−(C−Cアルケニル)−COOH、−OCO−(C−Cアルキル)−COOH、−OCO−(C−Cアルケニル)−COOH、−CO−(C−Cアルキル)−COOHまたは−CO−(C−Cアルケニル)−COOHである場合、それらは独立して、C−Cアルキル、ハロゲン、−OH、−OCH、−OCHCH、ハロメチル(ジハロメチル、トリハロメチル、−NH、−NO、−CN、−NC、-C(=NH)(NH)、−SH、−COOH、−COOCHおよび−COOCHCHよりなる群から独立して選択される1以上の官能基で置換されてもよく;
    但し、式(I)で表される該化合物は式(IV):
    Figure 2007509054
    (式中、R10およびR15は各々独立してC−Cアルキル;
    11、R12およびR13は各々独立して、水素またはC−Cアルキル;
    Rは水素または−C(O)−(CH)−Q(ここに、Qは水素または−COOHであって、mは整数1、2、3または4である);
    Zはチオ、オキシまたはメチレン基;
    AはC−Cアルキレン基;
    14およびR16は各々独立して、C−Cアルキルまたは−(CH)−(Ar)、ここに、nは整数0、1、2または3;およびArは、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシル、ハロゲン、トリフルオロメチル、C−Cアルキルもしくは−NR1718(ここに、R17およびR18は各々独立して、水素またはC−Cアルキルである)よりなる群から選択される1〜3個の置換基で置換されていないか、または置換されたフェニルまたはナフチルであり;但し、R11またはR14もしくはR16の少なくとも1つがC−Cアルキルであって、Arがトリフルオロメチルまたは−NR1718で置換されていない場合、Rは−C(O)−(CH)−Qである)で表される化合物ではない]
    で表される化合物またはその医薬上許容される塩をかかる処置を必要とする対象に投与することを特徴とする血管の健康に関連した疾患または障害の予防的または治療的な処置のための方法。
  5. およびXが独立して、チオおよびジメチル−シリルよりなる群から選択され;Rがメチレン;RおよびRが独立して、水素およびメチルよりなる群から選択され;R、R、RおよびRが独立して、水素およびtert−ブチルよりなる群から選択され;およびRおよびRが独立して、水素、ヒドロキシ、メトキシおよびブタンジオアートよりなる群から選択され;但し、XおよびXが共にチオである場合、RおよびRは共にヒドロキシではないことを特徴とする請求項4記載の方法。
  6. およびRがtert−ブチルあって、Rがヒドロキシであることを特徴とする請求項4記載の方法。
  7. およびXがチオ;Rがメチレン;RおよびRがメチル;R、R、RおよびRがtert−ブチル;Rがヒドロキシであって;Rがブタンジオアートであることを特徴とする請求項4記載の方法。
  8. 血管の健康に関連した疾患または障害を処置するための有効な量の式(V):
    Figure 2007509054
    [式中、Gは:
    Figure 2007509054
    (式中、Yは−H、C−CアルキルまたはC−Cアルケニル;
    は、−H、C−Cアルキル、またはC−Cアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アリーロイル、アルカノイルまたはヘテロアリーロイル;
    は、−H、−CNおよびC−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリールまたはヘテロアリール;
    は、(CH)(ここに、nは0〜4)またはC−Cアルケニル;
    は、NH、(CH2)(ここに、nが0〜4)またはC−Cアルケニル;
    は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールまたはアルキルヘテロアリール;
    は、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールまたはアルキルヘテロアリール、あるいはNH Y;
    は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールまたはアルキルヘテロアリール;
    は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリールまたはヘテロアリール;
    10はアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールまたはアルキルヘテロアリール;
    LはC−CアルキルまたはC−Cアルケニルである)
    よりなる群から選択され;および
    Gは独立して、-F、−Cl、−Br、-I、−NH、−OH、−CN、−SH、−CH、−CHCH、−CF、−OCH、−OCHCH、−COOH、−COOCHおよび−COOCHCHよりなる群から選択される1以上の置換基でさらに置換されていてもよい]
    で表される化合物をかかる処置を必要とする対象に投与することを特徴とする血管の健康に関連した疾患または障害の予防的または治療的な処置のための方法。
  9. 血管の健康に関連した該疾患または障害が、主要心臓有害事象、血管アクセス機能不全および男性***不全よりなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1記載の方法。
  10. 前記対象が、血液透析患者、末期腎臓病患者または糖尿病患者よりなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1記載の方法。
  11. 該対象が、酸化的負担の増加または酸化的ストレスの上昇を有する対象、血管のアクセスシャントまたは移植を有する対象、または糖尿病に苦しみかつ***不全を経験するか、もしくは予防的な療法を求める対象であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1記載の方法。
  12. 該対象がヒトであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1記載の方法。
  13. 該化合物が対象に経口投与されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1記載の方法。
  14. 約1mg〜約10gの該化合物を、単回、分割または連続的用量にて該対象に1日当たり投与して、該処置に治療上有効である該化合物の血漿濃度を達成することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1記載の方法。
  15. 約0.1g〜約3gの該化合物を、単回、分割または連続的用量にて該対象に1日当たり投与して、該処置に治療上有効である該化合物の血漿濃度を達成することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1記載の方法。
  16. 血管の健康に関連した該疾患または障害が、主要心臓有害事象であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1記載の方法。
  17. 該対象が、酸化的負担の増加または酸化的ストレスの上昇を有する対象であることを特徴とする請求項16記載の方法。
  18. 処置が、該主要心臓有害事象の発生の危険性の低下を含むことを特徴とする請求項16記載の方法。
  19. 該方法が、酸化的負担の増加または酸化的ストレスの上昇を有すると対象を同定することを特徴とする請求項16記載の方法。
  20. 該対象が、通常の脂質レベルまたは標準化された脂質レベルを有することを特徴とする請求項16記載の方法。
  21. 血管の健康に関連した該疾患または障害が、血管アクセス機能不全であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1記載の方法。
  22. 該対象が血液透析患者であって、該化合物が血液透析後に直接的に投与されることを特徴とする請求項21記載の方法。
  23. 該対象が、末期腎臓病に苦しむことを特徴とする請求項21記載の方法。
  24. 該血管アクセス機能不全が、動静脈シャント狭窄に関係していることを特徴とする請求項21記載の方法。
  25. 血管の健康に関連した該疾患または障害が***不全であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1記載の方法。
  26. 該対象が、***不全からの糖尿病性苦痛であることを特徴とする請求項25記載の方法。
  27. 該処置が、予防的に与えられることを特徴とする請求項25記載の方法。
  28. 該処置が、第2の有効成分としてホスホジエステラーゼ阻害薬を含むコンビネーション処置であることを特徴とする請求項25記載の方法。
  29. 式(V):
    Figure 2007509054
    [式中、Gは:
    Figure 2007509054

    (式中、Yは−H、C−CアルキルまたはC−Cアルケニル;
    は、−H、C−Cアルキル、またはC−Cアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アリーロイル、アルカノイルまたはヘテロアリーロイル;
    は、−H、−CN、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリールまたはヘテロアリール;
    は、(CH)(ここに、nは0〜4である)またはC−Cアルケニル;
    は、NH、(CH2)(ここに、nが0〜4である)またはC−Cアルケニル;
    は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールまたはアルキルヘテロアリール;
    は、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、もしくはアルキルヘテロアリール、またはNH Y;
    は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールまたはアルキルヘテロアリール;
    は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリールまたはヘテロアリール;
    10は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールまたはアルキルヘテロアリール;
    Lは、C−CアルキルまたはC−Cアルケニル;および
    Gは独立して、−F、−Cl、−Br、−I、−NH、−OH、−CN、−SH、−CH、−CHCH、−CF、−OCH、−OCHCH、−COOH、−COOCHおよび−COOCHCHよりなる群から選択される1以上の置換基でさらに置換されていてもよい)より選択される]で表される化合物またはその塩もしくは塩酸塩ならびに医薬上許容される賦形剤を含む医薬組成物。
  30. 式(V)の該化合物が、自己乳化ドラッグデリバリーシステムにおける経口投与のために処方される請求項29記載の医薬組成物。
  31. ラクトース、リン酸カルシウム、カオリン、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ラッカセイ油、流動パラフィン、オリーブ油、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、アラビアゴム、分散剤、湿潤剤および増粘剤よりなる群のうちの1またはメンバーをさらに含む請求項29記載の医薬組成物。
  32. 主要心臓有害事象の予防的または治療的処置に有用な1以上の他の有効成分をさらに含む請求項29〜31のいずれか1記載の医薬組成物。
  33. 血管アクセス機能不全の予防的または治療的処置に有用な1以上の他の有効成分をさらに含む請求項29〜31のいずれか1記載の医薬組成物。
  34. ***不全の予防的または治療的処置に有用な1以上の他の有効成分をさらに含む請求項29〜31のいずれか1記載の医薬組成物。
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