JP2007500696A - 有効性を高めるためにinvivoでPEG−rMETアーゼとともにPLPを使用すること - Google Patents

有効性を高めるためにinvivoでPEG−rMETアーゼとともにPLPを使用すること Download PDF

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Abstract

本発明は、ピリドキサール5’リン酸(PLP)依存性酵素の血清半減期を長くするように、宿主におけるin vivoメチオニン枯渇時間を長くするように、およびこの酵素の免疫原性が低下するように、前記酵素を修飾する方法に関する。修飾されるべき好ましいPLP依存性酵素はメチオニナーゼ、好ましくは組換えメチオニナーゼ(rMETアーゼ)である。本発明はさらに、修飾されたPLP依存性酵素を含んでなる組成物、およびそれを使用する方法に関する。

Description

連邦政府支援研究によってなされた発明に対する権利の記載
本研究は国立がん研究所助成金R43 CA86166-01により一部支援を受けた。
本発明は、ピリドキサール5’リン酸(PLP)依存性酵素の血清半減期を長くするように、宿主におけるin vivoメチオニン枯渇時間を長くするように、およびこの酵素の免疫原性が低下するように、前記酵素を修飾する方法に関するものである。修飾されるべき好ましいPLP依存性酵素はメチオニナーゼ、好ましくは組換えメチオニナーゼ(rMETアーゼ)である。本発明はさらに、修飾されたPLP依存性酵素を含んでなる組成物、およびそれを使用する方法に関する。
これまでの研究によって、広範囲のヒト腫瘍はin vitroでrMETアーゼに対して感受性があることが十分に立証されている。さまざまな癌細胞株に対するrMETアーゼの50%抑制濃度(IC50)は、非腫瘍性細胞と比べて数分の1に低かった。rMETアーゼ誘導感受性は、乳腺、腎臓、結腸、肺および前立腺細胞株に関して特に強かった(Tan, Y.ら、Protein Expr. Purif. (1997) 9:233-245、Tan, Y.ら、Clin. Cancer Res. (1999) 5:2157-2163)。その後、マウス異種移植モデルにおいてさまざまな腫瘍細胞株を評価することによって、rMETアーゼに対する同様の感受性が明らかになった。さらに、rMETアーゼによる血漿中のメチオニン枯渇の結果、いくつかの異なる化学療法薬に対する腫瘍の感受性が高まった。残念ながら、rMETアーゼの免疫原性および短い血清半減期が、この重要な治療薬の開発を制限している。
以下の説明は、rMETアーゼのようなPLP依存性酵素を、その血清半減期を延ばすように、宿主におけるin vivoメチオニン枯渇時間を長くするように、さらにその免疫原性が低下するように、修飾する方法に関する。本発明はさらに、修飾されたPLP依存性酵素を含んでなる組成物およびそれを使用する方法に関する。
メトキシポリエチレングリコールスクシンイミジルグルタレートPEG(MEGC-PEG)を用いて、新たな分子上および機能上の利点をrMETアーゼに付与した。rMETアーゼをPEG化することによって、効力を有する酵素の血清半減期、ならびにメチオニン枯渇の持続時間の著しい延長が達成された。酵素の免疫原性も、PEG化の結果として好都合なことに減少した。rMETアーゼのPEG化が、rMETアーゼが機能するために必要とされるコファクターであるピリドキサール5’リン酸(PLP)への酵素の依存性を低下させることも注目された。
本発明の他の特徴および利点は、下記の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
タンパク質のポリエチレングリコール(PEG)との結合は、さまざまな治療用タンパク質の血清半減期を増加させ、抗原性を減少させることが明らかになっている(Kozlowski, A.およびHarris, J. M., J. Control Release (2001) 72:217-224)。PEG結合タンパク質は溶解性の増加、抗原性の減少、タンパク質加水分解に対する感受性の低下、および腎クリアランス速度の減少を示した。PEGの結合は選択的腫瘍ターゲティングを強めることも明らかとなっている。
FDAは、タンパク質治療薬、アデノシンデアミナーゼ、アスパラギナーゼ、α-インターフェロン(IFN)、および成長ホルモン拮抗剤のPEG化型を承認している(Olson, K.ら、(1997) Poly(ethyleneglycol): Chemistry and Biological Applications (J. M. Harris, S. Zalipsky編), ACS Books, Washington, DC, pp. 170-181)。C型肝炎治療用PEG-α-IFN(Park, C. W. G.、およびChuo, M.、(1999) 米国特許第5,951,974号)は、最近2種類が承認された。不応性もしくは再発性急性リンパ芽球性白血病(ALL)患者は、PEG-アスパラギナーゼ、ならびにメトトレキサート、ビンクリスチンおよびプレドニゾンの併用で治療される(Aguayo, A.ら、Cancer (1999) 86:1203-1209)。酵素アデノシンデアミナーゼ(ADA)の遺伝的欠陥は、免疫系の発達を阻害する欠損症を引き起こし、ほとんどどのようなタイプの感染に対しても、患者を攻撃されやすくする。PEG-ADAはこうした患者の免疫系を相当強化した(Pool, R., Science (1990) 248:305;およびHershfield, M. S., Clin. Immunol. Immunopathol. (1995) 76:S228-S232)。
ポリエチレングリコールに加えて、いかなるポリアルキレングリコールも本発明とともに使用することができる。ポリ(アルキレングリコール)という用語は、化学式HO- -[(アルキル)O]y- -OHを有するポリマーを指すが、式中アルキルは、C1からC4までの直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を指し、これはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、およびイソブチルを包含するがそれに限定されない。Yは5以上の整数であり、典型的には8から500までであるが、より好ましくは40から500の間である。
いかなるPLP依存性酵素も本明細書の方法に使用することができる。使用できる酵素の例としては、シスタチオニンγ-リアーゼ;シスタチオニンγ-シンターゼ;O-アセチルホモシセリンO-アセチルセリンスルフヒドリラーゼ;アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ;好熱性アラニンラセマーゼ;好冷性アラニンラセマーゼ;L-メチオニンγ-リアーゼ(MGL);L-シスタチオニンβ-リアーゼ;L-シスタチオニンγ-シンターゼ;D-アミノ酸トランスアミナーゼ;D-アミノ酸アミノトランスフェラーゼ(D-AAT);ロイシンデヒドロゲナーゼ;アミノ酸ラセマーゼ;ω-アミノ酸トランスアミナーゼ;トリプトファンシンターゼβサブユニット様PLP依存性酵素;ニッケル-鉄ヒドロゲナーゼ;O-アセチルセリンスルフヒドリラーゼ;シスタチオニンβシンターゼ;ドーパデカルボキシラーゼ;1-アミノシクロプロパン-1-カルボキシラーゼ(ACC);L-スレオニンデヒドラターゼ;L-セリンデヒドラターゼ;およびメチオニナーゼがある。
PLP依存性酵素の組換え型も本明細書の方法に使用することができる。当業者に知られている技法を用いて、酵素のアミノ酸配列を変異させることによって、または酵素の一部を置き換える、もしくは不活化することによって、PLP依存性酵素の活性を変化させることができる。PLP依存性酵素は、Yoshimura, T.ら、Biosci. Biotechnol. Biochem. (1996) 2:181-187; Motoshima, H.ら、J. Biochem. (Tokyo) (2000) 3:349-354; Grabowski, R.ら、Trends Biochem Sci. (1993) 8:297-300; およびvan Ophem, P. W.ら、Biochemistry (1999) 4:1323-1331に記載されている。
好ましい実施形態において、組換えメチオニナーゼは本明細書に記載の方法で使用される。他の多くの細菌性ポリペプチドおよびタンパク質と同様にrMETアーゼは、高等動物において免疫原性であると考えられ、そのことにより、特に複数回投与では、rMETアーゼの有用性が制限される可能性がある。抗METアーゼ抗体はrMETアーゼクリアランスを促進し、結果的にその治療効果を低下させることが考えられる。こうした抗体はまた、酵素の活性部位もしくはその近傍に結合することによって酵素の能力を減少させるかもしれない。rMETアーゼに対する有害なアレルギー反応が起こる可能性もある。現在のデータは、PEG化型酵素の免疫原性の低下を明白に確認しており、このことは、ポリマー修飾による、タンパク質の抗原性部位のマスキングと関連するのかもしれない。機序にかかわらず、酵素の修飾は、臨床状況での治療上の効力を大いに増強する。
PEGをタンパク質に結合するために、まず、このポリマーを活性化する必要がある。これは、ポリマーのヒドロキシル末端を、主としてリジンおよびN末端アミノ基と反応することができる官能基に変えることによって行われる(Kozlowski, A.、上記(2001))。
PEG分子のそれぞれの酸化エチレン単位は2〜3個の水分子と会合している。こうした水との相互作用は、PEGで修飾されたタンパク質に、あたかも同等の分子量のタンパク質より5〜10倍大きいかのような挙動をもたらす(Kozlowski, A.、上記(2001))。PEG化タンパク質のクリアランス速度は、分子量に反比例する(同上)。in vivoで、分子量が約20,000以下の分子は概して比較的速やかに尿中に排出される。しかしながら、これより高分子量のPEG化タンパク質は、もっとゆっくり尿および糞便中に排出される(Yamaoka, T.ら、J. Pharm. Sci. (1994) 83:601-606)。
rMETアーゼのPEG化は、PEG誘導体を活性化し、そうした誘導体を標的rMETアーゼと反応させることによって行われる。酵素は市販品でよいが医薬品等級のものとすべきである。好ましい酵素はL-メチオニンα-デアミノγ-メルカプトメタンリアーゼ(メチオニナーゼ、METアーゼ)[EC4.4.1.11]であって、これは、シュードモナス属(Pseudomonas)、アエロモナス属(Aeromonas)、クロストリジウム属(Clostridium)、トリコモナス属(Trichomonas)、ニッポストロンギルス属(Nippostrongylus)、膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis)、ブラジル鉤虫(Nippostrongylus brasiliensis)、およびフゾバクテリウム属細菌(Fusobacterium sp.)には認められるが、酵母、植物、または哺乳動物には見られない。組換え型および非組換え型METアーゼを本明細書の方法に使用することができる。
活性化されたPEG誘導体をMETアーゼと結合して、修飾酵素を作製する。METアーゼに対するPEG誘導体のモル比が1:1より小さくなっても、PEG誘導体はMETアーゼに対してモル比として過剰に使用することが好ましい。しかしながら、好ましくは、この酵素のアミノ酸配列中に存在する遊離リジンに対するPEG誘導体の比は、およそ1:1から1000:1までである。特定のモル比の具体例としては、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、15:1、20:1、25:1、50:1、75:1、100:1、110:1、120:1、130:1、140:1、150:1、200:1、500:1、750:1、および1000:1が挙げられる。PEG誘導体の、酵素に対するもっと高いモル比も考慮される。
特定のMETアーゼ標品を修飾するために使用する反応条件は、酵素の起源および酵素修飾に用いられる個々のPEG誘導体に応じて変わりうる。好ましい実施形態において、一定量の活性化PEGは、段階的添加法によって、典型的には30分間隔でMETアーゼ溶液に加えられる。PEG化反応は、タンパク質を損傷することなく酵素の修飾を促進する温度で行われる。好ましい実施形態において、修飾反応は20-25℃にて緩やかに撹拌しつつ90分間行われる。
未反応の活性化PEG誘導体は通常、カラムクロマトグラフィーによって溶液から除去される。たとえば、好ましい実施形態において、修飾されたタンパク質は、ゲル濾過カラムクロマトグラフィーによって未反応誘導体から分離される。アフィニティクロマトグラフィーおよびイオン交換クロマトグラフィーといった、他のタイプのクロマトグラフィーも使用することができる。修飾後、PEG化酵素標品を医薬品規格となるまで精製し、治療投与に適するように製剤する。
医薬製剤および投与法
精製PEG化METアーゼは、それを必要としている生物を治療する医薬品に組み入れるのに適している。精製PEG化METアーゼは、製剤調製学の従来の方法にしたがって加工され、ヒトを含めた哺乳類被験体に投与するための薬剤となる。精製PEG化METアーゼをさらに改変して、医薬品に組み込むことができるが、これ以上改変することなく組み込むこともできる。本発明の薬理活性化合物をいくつかの経路で送達する医薬品もしくは治療薬を製造することは、本発明の態様である。例としてであって、限定するものではないが、意図するMETアーゼをコードする配列を有するDNA、RNA、およびウイルスベクターを用いて、本明細書の方法で使用するためのMETアーゼ(すなわちrMETアーゼ)を調製することができる。PEG化METアーゼを含んでなる医薬組成物は、単独で、もしくは、さまざまな腫瘍性疾患の治療に効果のあることがわかっているさまざまな化学療法薬のような、他の活性成分と併用して、投与することができる。
本発明の化合物を通常の賦形剤と混合して使用することができるが、この賦形剤はたとえば、好ましくは本発明の薬理活性成分と有害な反応をしない、非経口、経腸(たとえば、経口)もしくは局所適用に適した製薬上許容される有機もしくは無機担体物質である。適当な製薬上許容される担体には、水、食塩水、アルコール、アラビアゴム、植物油、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、乳糖、アミロースもしくはデンプンといった炭水化物、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、香油、脂肪酸モノグリセリドおよびジグリセリド、ペンタエリトリトール脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどがあるが、それらに限定されない。さらに多くの適当な賦形剤がRemington’s Pharmaceutical Sciences、第15版、Mack Publishing Co.、Easton, PA, 1405-1412ページおよび1461-1487ページ(1975) ならびにThe National Formulary XIV、第14版、Washington、米国薬剤師会(American Pharmaceutical Association) (1975)に記載されている。本明細書の医薬組成物は滅菌し、必要ならば補助剤と混合することができるが、この補助剤は、たとえば、潤滑剤、防腐剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与えるための塩類、緩衝剤、着色剤、着香剤および/または芳香剤などであって、好ましくは本発明の活性化合物と有害な反応をしないものである。
PEG化METアーゼを含んでなる特定の医薬製剤の有効な用量および投与法は、患者の個別の必要性、および求める治療もしくは予防措置に基づいて、変化してよい。このような化合物の治療上の有効性および毒性は、細胞培養もしくは実験動物における標準の薬学的方法、たとえばED50(母集団の50%に治療的効果のある用量)によって測定することができる。たとえば、本明細書に記載のPEG化METアーゼ標品をマウス異種移植モデルで検討することができる。血漿中のメチオニンレベル、腫瘍の大きさ、および他の化学療法薬に対する腫瘍の感受性に対する修飾酵素の効果を、そうしたモデル系で判断することができる。次に、これらのアッセイから得られたデータを、ヒトを含めた他の生物で用いるための用量範囲の定式化に使用する。このような化合物の用量は、好ましくは、毒性がなくED50を含む血中濃度の範囲内にある。用量は、たとえば、使用されるMETアーゼのタイプ、治療すべき新生物のタイプ、および投与経路を含めた、いくつかの変数に応じて、この範囲内で変動する。
PEG化METアーゼの標準用量は、約1から100,000ユニットまでの範囲でさまざまとすることができる。ある実施形態において、PEG化METアーゼの投与は、好ましくは、約40μMから10μM未満への血中メチオニンレベルの減少をもたらす。望ましい投与は、約1から10μMまでのメチオニン血中濃度をもたらす。
正確な用量は、治療を受ける患者を考慮して個別の主治医が選択する。用量および投与は、腫瘍のメチオニン利用可能性を低下させる望ましい効果を維持するのに十分なPEG修飾METアーゼ酵素レベルを与えるように、調整される。考慮に入れることができる、さらなる要因としては、疾患の重症度、患者の年齢および体重;食餌、投与時間および頻度、合剤、反応感度、ならびに治療に対する許容度/応答性が挙げられる。短時間作用型の医薬組成物は毎日投与されるのに対して、長時間作用型の医薬組成物は、2、3日から4日に1回、毎週、または2週間に1回投与される。個別の製剤の半減期およびクリアランスに応じて、本発明の医薬組成物は、1日あたり1、2、3、4、5、6、7、8、9、10回、もしくは11回以上投与される。
本発明の医薬品の投与経路は、局所、経皮、非経口、胃腸、経気管支、および経肺胞を包含するがそれらに限定されない。経皮投与は、薬理作用化合物を皮膚に浸透させることができるクリーム、リンス剤、ジェルなどを塗布することによってなされる。非経口投与経路には、中心静脈内への直接注入のような電気的もしくは直接的な注入、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮内、もしくは皮下注射があるが、それらに限定されない。胃腸投与経路には経口摂取および直腸があるが、それに限定されない。経気管支および経肺胞投与経路は、口または鼻からの吸入を含めるがそれに限定されない。
本明細書に記載のPEG化METアーゼを含んでなる薬理組成物は、直接皮膚に塗布され、または経皮用品(“経皮パッチ”)のような保護担体に組み込まれた、製薬上許容される懸濁液、油、クリームおよび軟膏のように、経皮もしくは局所投与に適している。適当なクリーム、軟膏などの例は、たとえばPhysician’s Desk Reference中に見出すことができる。適当な経皮用品の例は、たとえば、Chinenら、米国特許第4,818,540号、1989年4月4日発行、に記載されている。
非経口投与に適した、本明細書に記載のPEG化METアーゼを含んでなる薬理組成物としては、製薬上許容される無菌等張液があるが、それに限定されない。このような溶液には、中心静脈注射、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、皮内注射または皮下注射用の生理食塩水およびリン酸緩衝食塩水があるがそれに限定されない。
経気管支および経肺胞投与に適した、本明細書に記載のPEG化METアーゼを含んでなる薬理組成物には、さまざまなタイプの吸入用エアゾールがあるが、それに限定されない。これらの経気管支および経肺胞投与に適した器具も実施形態である。このような器具には噴霧器および気化器があるがこれらに限定されない。現在利用可能な噴霧器および気化器の多くの型を容易に、本発明の薬理作用化合物を有する組成物を送達するよう適合させることができる。
胃腸投与に適した本明細書に記載のPEG化METアーゼを含んでなる薬理組成物としては、製薬上許容される、経口摂取用の散剤、丸剤もしくは液剤、および直腸投与用の座剤があるが、それらに限定されない。使いやすいため、胃腸投与、特に経口投与は特に好ましい実施形態である。本明細書に記載のPEG化METアーゼを含んでなる医薬品が得られたならば、それを必要とする患者に投与することができる。
本明細書に記載の医薬組成物は、PEG化酵素を製薬上許容される担体中に含んでなる。状況に応じて、医薬組成物は追加の化合物を含んでなることができる。たとえば、さまざまな化学療法薬を本明細書に記載の医薬組成物中に含めることができる。適当な化学療法薬の例としては、カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、マイトマイシンC、ミトキサントロン、5-フルオロウラシル(5 FU)、ゲムシタビン、メトトレキサート、カンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、ブレオマイシン、ドセタキセル、エトポシド、パクリタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ゲニステイン、トラスツズマブ、ZD1839;細胞毒性薬;アポトーシス誘導薬、細胞周期制御阻害薬、ベラパミル、およびシクロスポリンAがある。
本発明を実施および使用する方法について完全な開示および説明を当業者に提供するために以下の実施例を示すが、実施例は、本発明者らが自らの発明と見なすものの範囲を限定することを意図するものではなく、下記の実験が実施されたすべてである、または実施されたのは下記の実験だけであることを示すことを目的としているのでもない。
PEG化rMETアーゼの調製および精製
組換えMETアーゼ(rMETアーゼ)は、塩野義製薬(大阪、ロット番号8Y003)から提供された。rMETアーゼの製造プロトコルはすでに記載されたとおりである(Tan, Y.、上記 (1997)、Yoshioka, T.ら、Cancer Research (1998) 58:2583-2587)。rMETアーゼは、10μM PLPを含有する50 mMリン酸ナトリウムバッファー、pH 7.2中で、タンパク質濃度31 mg/mlおよび比活性50.7 U/mgとなるよう調製した。HPLCからrMETアーゼの純度は95%より高く、テトラマー/オリゴマー比は96.7/3.3であり、エンドトキシンは0.06 EU/mgであった。
メトキシポリエチレングリコールスクシンイミジルグルタレート-5000(MEGC-50HS-PEGまたはMEGC-PEG)(日本油脂(NOF Corporation)、神奈川県川崎市、ロット番号M21514)は、多分散度1.02、置換94.2%、二量体含量0.84%および1H-NMRによる純度98.4%であった。平均分子量は5461 Daであった。MEGC-PEGの化学構造を図1に示す。
DEAE Sepharose FFは、AMERSHAM PHARMACIA BIOTECH (Piscataway, New Jersey, USA)より購入した。プレキャスト10%トリスグリシンゲルはNOVEX (San Diego, CA, USA)から入手した。リザーバー容量200μl、ポンプ流量1.0μl/時間、および持続期間7日のミニ浸透圧ポンプ(Model 2001)は、DURECT CORPORATION (Cupertino, CA, USA)から購入した。PLPおよび他の化学薬品はSIGMA (St. Louis, MO, USA)より購入した。
活性化されたPEG誘導体は、rMETアーゼ中の遊離リジン(rMETアーゼ分子あたり32個)に対してPEGがモル比で過剰となるように(1-5倍)使用され、これはrMETアーゼに対するPEGのモル比で30-120/1に相当する。それぞれの反応のために、100mMホウ酸バッファー中120 mg/mlのrMETアーゼを使用した。活性化PEG対rMETアーゼのモル比30-120/1(活性化PEG対rMETアーゼの重量比0.87-3.5/1に等しい)に基づいて、所定の量の活性化PEGをrMETアーゼ溶液に、30分間隔で3段階に分けて添加した。PEG化反応は、20-25℃にて90分間緩やかに撹拌して行った。
未反応の活性化PEGの過剰分を取り除くために、PEG化反応後ただちに、得られたPEG-rMETアーゼ複合体をSephacryl S 300 HRゲル濾過カラム (HIPREP 26/60, AMERSHAM PHARMACIA BIOTECH, Piscataway, NJ, USA)にかけた。PEG-rMETアーゼは、10μM PLPを含有し、80 mM塩化ナトリウムを含む10 mMリン酸ナトリウム、pH 7.4で、流速120 ml/時間で溶出された。
PEG-rMETアーゼ複合体を含有する画分をさらにDEAE Sepharose FFカラム (XK 16/15, AMERSHAM PHARMACIA BIOTECH, Piscataway, NJ, USA)で精製して、微量のPEG化されていないrMETアーゼを除去した。カラムは、10μM PLPを含有し、80 mM塩化ナトリウムを含む10 mMリン酸ナトリウム、pH 7.2で、流速180 ml/時間で平衡化して溶出させた。PEG-rMETアーゼ複合体を含有する画分はカラムを通過するので、それを集めた。最終精製PEG-rMETアーゼ溶液は、AMICON CENTRIPREP(登録商標)YM-30 (MILLIPORE CORP., Bedford, MA, USA)で濃縮し、0.22μMメンブランフィルター(FISHER SCIENTIFIC, Tustin, CA, USA)による濾過によって無菌とし、−80℃にて保存した。
タンパク質含量の測定
タンパク質は、Wako Protein Assay Kit (和光純薬、大阪)を用いて取扱説明書に従い、少し変更を加えて測定した(Watanabe, N.ら、Clin. Chem. (1986) 32:1551-1555)。各サンプルもしくは標準タンパク質(BSA)50μlを、発色液(ピロガロールレッド-モリブデン酸錯体)3 mlに添加し、ボルテックスで十分に撹拌した。この混合物を室温にて20分間振盪せずにインキュベートした後、600nmの吸光度を測定した。サンプルのタンパク質含量は、BSA検量線から決定した。
rMETアーゼ活性測定法
rMETアーゼ活性は、Tanaka, H.ら、Biochemistry (1977) 16:100-106の方法にしたがって、少し変更を加えて、L-メチオニンから生成するα-ケトグルタル酸に基づいて測定した。ガラス製試験管内で、0.01% DTT、1 mM EDTA Na2、10μM PLP および0.05% Tween 80を含有する100 mMリン酸カリウムバッファー、pH 8.0で希釈したサンプル0.5 mlを、100 mMリン酸カリウムバッファー、pH 8.0中に25 mM L-メチオニンおよび10μM PLPを含有する基質溶液0.5 mlと混合した。この反応混合物をただちにボルテックスで撹拌して、37℃で振盪せずに正確に10分間インキュベートした。50% TCA 0.5 mlの添加によって反応を止めた。この懸濁液を13,000 rpmで2分間遠心した。上清(0.5 ml)を、1M酢酸バッファーpH5.0、1 mlを入れたガラス試験管に集めた。次に、0.1% 3-メチル-2-ベンゾチアゾリノンヒドラゾン二塩酸塩一水和物(和光純薬、大阪)を含有するMBTH溶液0.4 mlをこの試験管に加え、よく混合して、50℃にて30分間インキュベートした。反応混合物の吸光度を320nmで測定した。アッセイは三連で行った。ΔEは、反応混合物の平均吸光度からブランクの平均吸光度を差し引いて算出した。酵素活性は、次の式から計算される:活性(U/ml) = 0.548 (1.07+2.2ΔE) ΔE。1ユニットの酵素は、L-メチオニン濃度を無限大としたときに、1分あたり1μMのα-ケトグルタル酸を生成する酵素の量として定義される。
SDS-電気泳動分析
PEG-rMETアーゼのSDS-RAGE分析は、取扱説明書にしたがって、SDSを含むNOVEXトリスグリシンバッファー中で10% NOVEXポリアクリルアミドプレキャスト トリスグリシンゲルを用いて実施した。ゲルはクマシーブリリアントブルーで染色した。
rMETアーゼのPEG化度の測定
PEG化rMETアーゼの修飾の程度を、フルオレスカミンアッセイ(Karr, L. J.ら、Methods Enzymol. (1994) 228:377-390)およびMALDIの両方で測定した。フルオレスカミンアッセイについては、さまざまな量のrMETアーゼおよびPEG化rMETアーゼを含む0.1 M リン酸ナトリウムバッファーpH 8.0、2 mlを、フルオレスカミン溶液1 ml(0.3 mg/mlアセトン)と混合し、室温にて5分間インキュベートした。その後、蛍光分光計を用いて390 nm励起および475 nm発光でサンプルをアッセイした。結果を濃度に対する蛍光単位としてプロットし、線の傾きは直線回帰によって決定された。PEG化された第一級アミンのパーセントは、下記の式にしたがって決定された:
1−(PEG化rMETアーゼの傾き/非修飾rMETアーゼの傾き)×100
非修飾rMETアーゼおよびPEG-rMETアーゼのMALDI分析は、スクリプス研究所にてPerSeptive Biosystems VOYAGER-ELITE質量分析計を用いて行った。
血漿メチオニン定量
血漿中のメチオニンレベルは、プレカラム誘導体化とそれに続くHPLC分離によって測定した(Jones, B. N.およびGilligan, J. P., J. Chromatogr. (1983) 266:471-482)。手短に述べると、血漿サンプルもしくはメチオニン標準物質10 μlをアセトニトリル30μlで沈澱させた後、10,000 rpmで5分間遠心した。上清10μlをフルオロアルデヒド誘導体試薬 、o-フタルジアルデヒド5μlと室温にて1分間混合した後、0.1 M 酢酸ナトリウム、pH 7.0、150μlを添加した。反応混合物20μlを逆相Supelcosil(商標名)LC - 18DBカラム(25 cm x 4.8 cm、粒径5μm (Supelco, Bellefonte, PA, USA))に加えた。1.5 ml/分の流速で溶液A (テトラヒドロフラン/メタノール0.1M酢酸ナトリウムpH 7.2; 5/95/900)中40-60% 溶液B (メタノール)の濃度勾配溶出を用いてアミノ酸誘導体を分離した。検出には蛍光分光光度計を使用した:励起350 nmおよび発光450 nm。メチオニン標準溶液の保持時間によって血漿メチオニンを同定し、メチオニン標準曲線によって定量した。
血漿ピリドキサール5’-リン酸の定量
移動相における亜硫酸水素ナトリウムによる誘導体化を用いて、血漿中のPLPをHPLCによって定量した(Deitrick, C. L.ら、J. Chromatogr B Biomed Sci Appl. (2001) 751:383-387)。簡単に述べると、血漿サンプルおよびPLP標準溶液を、除タンパク試薬として等量の0.8 M HCIO4と混合し、激しくボルテックスした。15000 rpmで5分間4℃にて遠心後、上清を取って新しいバイアルに移した。この上清50μlを逆相Cosmosil(商標名)5C18-AR-IIカラム (4.6 x 150、ナカライテスク、日本)に加えた。移動相A(0.1 M 過塩素酸ナトリウムおよび0.5 g/L 亜硫酸水素ナトリウムpH 3.0を含有する0.1 M リン酸二水素カリウムバッファー)中20-80% 移動相B(30% アセトニトリル/水 v/v)の濃度勾配溶出により、1.0 ml/分の流速でこのカラムを溶出した。測定には蛍光分光光度計を使用した:励起300 nmおよび発光400 nm。PLPピークはPLP標準物質の保持時間から同定した。血漿PLPの濃度は検量線によって算出した。
in vivoでの薬物動態およびメチオニン枯渇効果
4週齢(20-25g)の胸腺欠損ヌード(nu/nu)マウスを、4匹1群として本研究に使用した。250μl PLP (0.5g/ml)で満たした浸透圧ミニポンプを皮下に埋め込んだ。ポンプを埋め込んだ24時間後、80ユニットの非修飾rMETアーゼもしくはPEG-rMETアーゼを含む0.5 ml PBS, pH 7.4を、PLPポンプを有するマウス、またはPLPポンプなしのマウスに尾静脈から注射した。血液400 μlをそれぞれの動物の後眼窩静脈叢から、ヘパリン処理毛細管を用いて採取した。注射前および注射の1, 2, 4, 8, 24, 48, 72, 96および120時間後に採血した。血漿を分離し、小量に分割して−80℃にて保存した。さまざまな時点で採取された血漿中の酵素活性、メチオニン濃度およびPLPレベルを上記のように測定した。
血漿の抗rMETアーゼ抗体の測定
雄のBALB/cマウスを無作為に1群あたり5匹にグループ化した。それぞれのマウスは1週間間隔で、フロイント完全アジュバント(FCA)中に乳化した非修飾rMETアーゼもしくはPEG-rMETアーゼ0.2 ml(200μg)の腹腔内注射を3回受けた。最後の注射の2週間後、rMETアーゼまたはPEG-rMETアーゼのブースター注射をそれぞれのマウスに施した。ブースター注射の2週間後に血液サンプルを採取し、血漿を分離して−80℃で保存した。
血漿の抗rMETアーゼ抗体を、サンドイッチELISA法によって測定した。200μg/ml rMETアーゼ100μlを含むコーティング用0.1 M 炭酸バッファーpH 9.5を96ウェルマイクロプレートの各ウェルに加え、4℃にて一晩インキュベートした。そのプレートを、0.05% Tween-20を含有するPBS洗浄バッファーpH 7.4で3回洗浄し、10% FBSを含有するPBSアッセイバッファーpH 7.4、200μlで室温にて2時間ブロックした。3回洗浄後、血漿サンプルのPBSアッセイバッファーによる10倍連続希釈物100μl をしかるべきウェルに加え、室温で2時間インキュベートした後、洗浄した。最適希釈された、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ヤギ抗マウスIgGおよびIgMサブタイプ(SIGMA, St. Louis, MO, USA) 100μlを各ウェルに添加した。そのプレートを室温にて1時間インキュベートし、3回洗浄した。O-フェニレンジアミン二塩酸塩(OPD)および過酸化水素(SIGMA, St. Louis, MO, USA)を含有する基質溶液100μlを各ウェルに加えた後、室温で30分間インキュベートした。2N 硫酸50μlを各ウェルに加えて、呈色反応を止めた。各ウェルの吸光度を492 nmで測定した。免疫血漿のウェルで生じた492 nmの吸光度がネガティブコントロール血漿のウェルで生じた吸光度の2倍を上回る、最も高い血漿希釈率として、抗体価を決定した。
PEG化rMETアーゼのSDS-PAGE分析
PEG/rMETアーゼのモル比30/1、60/1および120/1を用いて、3つのrMETアーゼ複合体を調製した。rMETアーゼに対するPEG結合の程度、およびPEG化rMETアーゼ複合体の純度は、SDS-PAGEによって測定した(図2)。PEG化されていないrMETアーゼサブユニットはSDS-PAGEで検出されなかったので、上記のモル比を用いた場合、室温で90分反応後、すべてのrMETアーゼサブユニットがPEG化された(図2)。精製されたPEG化rMETアーゼを10% SDS-PAGEゲルで泳動した。SDS-PAGEから観察されるように、rMETアーゼに対するPEGのモル比を増加させるにつれて、より多くのPEG鎖がrMETアーゼと結合した(図2)。ゲルをクマシーブリリアントブルーで染色したが、右側の数字は分子量を示す。レーン1:分子量マーカー。レーン2:非修飾rMETアーゼ。レーン3:PEG/rMETアーゼ 30。レーン4:PEG/rMETアーゼ 60。レーン5:PEG/rMETアーゼ 120。ゲル上に幅広いバンドが観察されたが、これは低いPEG/rMETアーゼ比でのPEG化rMETアーゼ複合体の不均一性を示す。反応でもっと高いPEG/rMETアーゼ比を使用した場合、PEG化rMETアーゼ複合体の不均一性の減少が観察された。
フルオレスカミンアッセイおよびMALDIによるPEG化度の測定
3つのPEG化rMETアーゼ複合体のPEG化度を表1に示す。
Figure 2007500696
非修飾およびPEG化rMETアーゼのPEG化の程度は、上記のようにフルオレスカミンアッセイおよびMALDIを用いて測定した。フルオレスカミンアッセイの結果は、rMETアーゼ中のPEG化されたリジン基のパーセンテージとして表された。MALDIの結果は、PEG化rMETアーゼモノマーの全体としての分子量、およびrMETアーゼモノマー当たり結合したPEGポリマー数の計算値の両者で示された。rMETアーゼに結合した1つ1つのPEGポリマーは、PEG化rMETアーゼモノマーの総分子量に約5 kDの寄与をしている。
フルオレスカミンアッセイは、PEG/rMETアーゼ30、PEG/rMETアーゼ60およびPEG/rMETアーゼ120の比率である場合、それぞれrMETアーゼ中の遊離リジンの約33%、61%および81%がPEG鎖と結合していることを示した。示されたデータは、上記の結合比を用いて、各rMETアーゼサブユニット中それぞれ平均3、5および7個のPEG化リジンに相当する。
MALDI分析からも、用いられた3つの結合比についてそれぞれ、平均分子量64582、70591および87011 Daに、一連のシグナルピークが認められることが明らかになった(図3)。MALDI分析はPerSeptive Biosystems Voyager Elite質量分析計を用いて行った。48276-75271、59757-81027および82043-91895 Daにある最後の連続的なピークは、 それぞれ、非修飾rMETアーゼ、PEG/rMETアーゼ (30/1)、PEG/rMETアーゼ(60/1)およびPEG/rMETアーゼ (120/1) イオンシグナルに相当する。非修飾rMETアーゼおよびPEG-rMETアーゼピークの前の一連のピークは、上記の親イオンから誘導される二重荷電イオン種である。これらのデータは、使用された3つの比率に対してそれぞれ、平均4、6および8個のPEG単位が各rMETアーゼサブユニットに共有結合していることと合致する。MALDIスペクトルにおけるPEG化rMETアーゼの一連のピークは、rMETアーゼのPEG化から生じる分布の不均一性を反映している。PEG化度が高いほど、MALDIにおいて観察されるシグナルピークは少なくなり、より低い不均一性を示すことが明らかになった。たとえば、PEG/ rMETアーゼ120複合体は、不均一性が最も低い(図3)。MALDIおよびフルオレスカミンアッセイはいずれも、PEG化反応においてPEG / rMETアーゼモル比が増加すると、結果として、rMETアーゼサブユニットのPEG化が増加することを明らかにする。
PEG化rMETアーゼの血漿循環半減期
非修飾rMETアーゼの血漿中の酵素活性は速やかに減少し、マウス当たり80ユニットを注射した24時間後に、血液中で検出不能であった。しかしながら、PEG化rMETアーゼは、著しい薬物動態の改善を示した。PEG/ rMETアーゼ60およびPEG/ rMETアーゼ120を評価した場合、血漿酵素活性は72時間まで検出可能であった。PEG/rMETアーゼ30、PEG/rMETアーゼ60およびPEG/rMETアーゼ120の半減期がそれぞれ12時間、18時間および38時間であるのに対して、非修飾型rMETアーゼの半減期は2時間であった(図4、表2)。
Figure 2007500696
図4は、マウスにおける非修飾およびPEG化rMETアーゼの静脈内注射後の血漿酵素活性を示す。マウスは80ユニットの、非修飾rMETアーゼもしくは指示されたPEG化rMETアーゼの静脈内注射を受けた。さまざまな時点で血液サンプルを採取し、上記のように血漿酵素活性を測定した。
PEG化rMETアーゼの血漿メチオニン枯渇効果
血漿中のメチオニンは、80 Uの非修飾型および3つのPEG化複合体によって、ベースラインの40μMから5μM未満にまで1時間以内に枯渇した(図5)。しかしながら、PEG/rMETアーゼ30、PEG/rMETアーゼ60およびPEG/rMETアーゼ120は、それぞれ8時間、24時間および48時間にわたって、血漿メチオニンレベルを5μM未満に枯渇させたが、これは非修飾rMETアーゼよりも2倍、6倍および12倍長い(表3)。
Figure 2007500696
80 Uの非修飾もしくはPEG化rMETアーゼをPLPとともに、またはPLPなしで、それぞれのマウスに静脈内注射した。さまざまな時点で血液サンプルを採取して、酵素活性およびメチオニン濃度を、材料および方法の項に記載のように測定した。血漿中半減期は血漿酵素濃度-時間図から算出した(図4)。メチオニン枯渇5μM未満の最大時間は図5および7の血漿メチオニンレベルから算出した。
図5は、マウスにおいて非修飾およびPEG化rMETアーゼを静脈内注射した後の、血漿メチオニン枯渇を示す。マウスは80 Uの非修飾型もしくは指示されたPEG化rMETアーゼの静脈内注射を受けた。さまざまな時点で血液サンプルを採取し、上記のように血漿メチオニン濃度を測定した。
rMETアーゼのin vivo PLP依存性に対するPEG化の影響
PLPミニ浸透圧ポンプの埋め込みは、血漿中のPLP濃度を著しく増加させた(図6)。図6のデータをもたらした実験において、0.5g/ml PLP 250μlで満たしたミニ浸透圧ポンプをマウスの皮下に埋め込んだ後、非修飾型もしくはPEG化rMETアーゼを静脈内注射した。さまざまな時点で血液サンプルを採取し、材料および方法の項に記載のように、血漿PLP濃度を測定した。PLP-はPLPポンプなしの動物を示す。PLP+はPLPポンプを有する動物を示す。
図7は、PLPポンプ埋め込み、ならびに非修飾型およびPEG化rMETアーゼの静脈内注射後の、血漿メチオニン枯渇を示す。これらの実験において、埋め込まれたミニ浸透圧ポンプからのPLP補充のある動物およびない動物に80 Uの非修飾型もしくはPEG化rMETアーゼを静脈内注射した。さまざまな時点で血液サンプルを採り、血漿メチオニン濃度を測定した。PLP補充の場合の血漿メチオニン枯渇は、PLP補充のない場合のメチオニン枯渇(図5)と比較して有意に期間が長くなったが(図7)、このことはPEG-rMETアーゼのin vivoでのメチオニン枯渇効果に関するPLP依存性を示す。3つのPEG化rMETアーゼ複合体を枯渇させた血漿メチオニンレベルは、48時間の間2μM未満に維持され、PLPを補充したPEG/rMETアーゼ120の場合、72時間にわたって4μM未満に維持された(表3)。PEG/rMETアーゼ注射の120時間後でもなお、PEG/rMETアーゼ30、PEG/rMETアーゼ60およびPEG/rMETアーゼ120によって枯渇させた血漿メチオニンレベルは、依然として それぞれ正常ベースラインの40%、57%および22%にとどまった(表3)。
rMETアーゼのPLP依存性に対するPEG化の影響を数量化するために、PLP補充なしでPEG化rMETアーゼによって枯渇させた血漿メチオニン濃度(PLP-)(図5)の、PLP補充ありでPEG化rMETアーゼにより枯渇させた濃度(PLP+)(図7)に対する比をさまざまな時点で(図8)計算した。図8は、PLP補充あり、およびなしの場合の、指示されたPEG化rMETアーゼにより枯渇させた血漿メチオニンレベルの比を示す(オリジナルデータについては図5および7を参照されたい)。低い比の値はPLP-およびPLP+条件下で同じようなメチオニン枯渇であることを示しており、このことは、PEG化がrMETアーゼのPLP依存性を低下させる可能性があることを示す。これらの比は、PEG/rMETアーゼ60およびPEG/rMETアーゼ120がPEG/rMETアーゼ30より低いPLP依存性を有することを示し(図5、7および8)、rMETアーゼによるPLPの保持に対してPEG化が保護的に影響することを示唆する。
血漿の抗rMETアーゼ特異抗体に対するPEG化rMETアーゼの影響
非修飾およびPEG化rMETアーゼの抗原性は、フロイント完全アジュバント(FCA)存在下で非修飾もしくはPEG化rMETアーゼによって免疫したマウスにおいて、血漿の抗rMETアーゼ特異的IgGおよびIgM抗体を測定することにより評価した。表4に示すように、PEG/rMETアーゼ30、PEG/rMETアーゼ60およびPEG/rMETアーゼ120で免疫したマウスから得られた血漿のIgG抗体価は、非修飾rMETアーゼから得られた抗体価が10-8であるのに対して、それぞれ10-7、10-6および10-4であった。IgM抗体については、3つのPEG化rMETアーゼ複合体で免疫されたマウスで10-3の抗体価が検出されたが、この抗体価は非修飾rMETアーゼから得られた抗体価10-4より低かった。
Figure 2007500696
FCAの存在下で非修飾rMETアーゼもしくは指示されたPEG化rMETアーゼで免疫したマウスの血漿の、IgGおよびIgM 抗rMETアーゼ抗体価を、材料および方法の項に記載のようにELISAによって測定した。括弧内の数字はマウスの数を表す。
PEG化反応においてrMETアーゼ濃度が高いほど、rMETアーゼの修飾が大きくなることが明らかになった。したがって、rMETアーゼ濃度は120 mg/ml rMETアーゼとした。
PEG化rMETアーゼの不均一性は、SDS-PAGEおよびMALDIの両者によって観察した。PEGは合成ポリマーであって、多分散性であるが、それがPEG化複合体の不均一性の一因となる。理想的には、多分散度(Mw/Mn)はおおよそ低分子量オリゴマー(3 5 kD)の1.01から高分子量(20 kD)の1.2までの範囲にあることが、タンパク質およびペプチドのPEG化について予想される(Veronese, F. M., Biomaterials (2001) 22:405-417)。PEGの多分散性に加えて、PEG/rMETアーゼモル比が、結果として得られる複合体の不均一性に影響を及ぼし、PEG/rMETアーゼモル比が高いほど、結果としてPEG化rMETアーゼの不均一性は低くなることが明らかになった(図2、図3および表1)。
PEG化rMETアーゼ複合体の薬物動態データは、血漿中の循環時間がPEG化の程度に依存することを示した(図4)。M-SPA-PEGでPEG化されたrMETアーゼの血漿半減期40分(Motoshima, H.ら、J. Biochem. (2000) 128:349-354)と比較して、MEGC-PEGでPEG化されたrMETアーゼは、長い血中循環時間を示した。PEG/rMETアーゼ30、PEG/rMETアーゼ60およびPEG/rMETアーゼ120の半減期は、それぞれ12時間、18時間および38時間にまで長くなった(表2)。このような改善された薬物動態特性は、rMETアーゼに対するM-SPA-PEGよりも高いMEGC-PEG のPEG化効率を反映すると考えられる。
枯渇の終点レベルとして5μMの血漿メチオニン濃度を使用したが、これは、5μM未満の血漿メチオニン枯渇がヒト癌のマウスモデルによってrMETアーゼ効果の有効な治療レベルであることが報告されたためである(Kokkinakis, D. M., Cancer Research (2001) 61:4017-4023)。PLPの補充なしでは、このレベルのメチオニン枯渇はPEG/rMETアーゼ30によって8時間; PEG/rMETアーゼ60によって24時間;ならびにPEG/rMETアーゼ120によって48時間達成することができた。補充した場合、メチオニン5μM未満の枯渇は、PEG/rMETアーゼ30によって48時間;PEG/rMETアーゼ 60によって48時間; PEG/rMETアーゼ120によって72時間達成することができた。
rMETアーゼによる見かけ上のin vivo PLP保持に対するPEG化の保護的効果は、非修飾rMETアーゼおよび低PEG化rMETアーゼがin vivoでPLPを速やかに失ったので、予想外の結果であった。PLPはin vitroでrMETアーゼに比較的しっかりと結合している(Han, Q.ら、Clinical Chemistry (2002) 48:1560-1564)が、in vivoでのPLPは容易にrMETアーゼから解離すると思われる。酵素のin vivo安定化および保持の確証をもたらし、血漿メチオニンレベルの減少に関わる効果を長引かせるPLPの効果を認識することは、重要な治療上の懸案となりうる。rMETアーゼからのPLPの解離メカニズム、およびPEG化による解離の見かけの阻害は今後の研究で検討していく。
血漿中の抗rMETアーゼ特異抗体の定量から、PEG化rMETアーゼはマウスにおいてrMETアーゼの抗原性を低下させる可能性があることが明らかになった。血漿中のIgG抗体は、in vivoで異種タンパク質の過敏性反応および抗体中和に関わる、重要な抗体サブタイプである。PEG/rMETアーゼは、抗原性の有意な減少を示した。たとえば、血漿中の抗rMETアーゼIgG抗体価は非修飾rMETアーゼの10-8と比較して、PEG/rMETアーゼ120によって10-4にまで低下した。血漿IgG抗体の減少はPEG誘導体化されたアミノ基の数によって左右されるが、このことはPEG化rMETアーゼの抗原性の低下がポリマー修飾によるタンパク質抗原性部位のマスキングの結果であることを示している。このデータは、PEG化された形の本酵素の免疫原性の低下を確認するものであるが、このことはポリマー修飾によるタンパク質抗原性部位のマスキングと関連があると思われる。この修飾は臨床の場面で治療効果の可能性を大いに高めるはずである。
多様な腫瘍細胞のメチオニン依存性の下限の上昇が、正常細胞に対比して立証されている (Tan, Yら、上記(1997):Hoffman, R. M.およびErbe, R. W., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1976) 73:1523-1527;Hoffman, R. M., Biochem. Biophys. Acta (1984) 738:49-87;Mecham, J. O.ら、Biochem. Biophys. Res. Commun. (1983) 117:429-434;Guo, H. Y.ら、Cancer Res. (1993) 53:2479-2483;Kreis, W.およびGoodenow, M., Cancer Res. (1978) 38:2259-2262;Guo, H.ら、Cancer Res. (1993) 53:5676-5679;Goseki, N.ら、Jpn. J. Cancer Res. (1995) 86:484-489;Goseki, N.ら、Cancer (1992) 69:1865-1872;Lishko, V. K.ら、Protein Expression and Purification (1993) 4:529-533;Tan, Y.ら、Anticancer Res. (1996) 16:3931-3936;ならびにTan, Y.ら、Anticancer Res. (1996) 16:3937-3942)。腫瘍細胞のメチオニン依存性を標的として、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)起源のL-メチオニンα-デアミノγ-メルカプトメタンリアーゼ(メチオニナーゼ、METアーゼ) [EC 4.4.1.11]はすでに大腸菌(E. coli)においてクローニングされ、製造されている(Tay, Y.ら、上記(1997);Inoue, H.ら、J. Biochem. (1995) 117:1120-1125;ならびにHori, H.ら、Cancer Res. (1996) 56:2116-2122)。rMETアーゼは、シュードモナス属(Pseudomonas)(Pp)、アエロモナス属(Aeromonas)およびクロストリジウム属(Clostridium)には見出されるが、酵母、植物もしくは哺乳類には認められない(Motoshima, H.ら、上記(2000))。rMETアーゼはホモ四量体のピリドキサール5’-リン酸酵素で分子量は172kDaである。rMETアーゼによって触媒される生化学的反応を下記に示す:
Figure 2007500696
rMETアーゼはサブユニット当たり398個のアミノ酸残基を有する。rMETアーゼのアミノ酸配列は、α、γ-脱離およびγ-置換反応を触媒するγファミリーPLP酵素の、たとえばシスタチオニンγ-リアーゼ、シスタチオニンγ-シンターゼ、およびO-アセチルホモセリンO-アセチルセリンスルフヒドリラーゼと相同である(Inoue, H.ら、Biosci. Biotechnol. Biochem. (2000) 64:2336-2343)。rMETアーゼにおいて、チロシン114が基質のγ-脱離に重要であることが明らかになっている(Inoue, H.ら、上記(2000))。
rMETアーゼは結晶化された(Motoshima, H.ら、上記 (2000)、ならびにSridhar, V.ら、Acta Cryst. (2000) D56:1665-1667)。rMETアーゼの構造は、シンクロトロン放射光回折データによって1.7オングストロームの分解能で決定され、222対称性を有するホモ四量体であることがわかっている。2つの単量体が会合して活性二量体を構成する。空間的に折り畳まれたサブユニットは、機能的に異なる3つのドメインを有する。それらの4個1組の配置は、大腸菌由来のL-シスタチオニンβ-リアーゼおよびL-シスタチオニンγ-シンターゼに類似している(Motoshima, H.ら、上記 (2000))。
上記の出版物もしくは文献の引用は、前述のいずれかが関連先行技術であることを承認するつもりではなく、上記出版物もしくは文献の内容または年月日に関して何らかの承認をなすものでもない。
図1は、MEGC-50HS-PEG(メトキシポリエチレングリコールスクシンイミジルグルタレート-PEG)の化学構造を示す。 図2は、非修飾rMETアーゼおよびPEG化rMETアーゼのSDS-PAGEを示す。 図3は、非修飾rMETアーゼおよびPEG化rMETアーゼのMALDIスペクトル図の数個のプロットを示す。 図3は、非修飾rMETアーゼおよびPEG化rMETアーゼのMALDIスペクトル図の数個のプロットを示す。 図4は、マウスにおいて非修飾rMETアーゼおよびPEG化rMETアーゼを静脈内注射した後の、血漿中の酵素活性を示すグラフである。 図5は、非修飾rMETアーゼおよびPEG化rMETアーゼを静脈内注射した後の、血漿中のメチオニン枯渇を示すグラフである。 図6は、マウスにおいてPLPポンプを埋め込んだ場合、および埋め込まない場合の血漿中のPLP濃度を示すグラフである。 図7は、PLPポンプを埋め込んで、非修飾rMETアーゼおよびPEG化rMETアーゼを静脈内注射した後の、血漿中のメチオニン枯渇を示すグラフである。 図8は、PLPを補充した場合、および補充しない場合の、指示されたPEG化rMETアーゼによって枯渇した血漿メチオニンレベルの比を示す棒グラフである。オリジナルデータについては図5および7を参照されたい。

Claims (50)

  1. 血清メチオニンレベルの低下を必要とする被験体において血清メチオニンレベルを低下させることができる薬物を調製するための、有効量のポリアルケングリコール修飾メチオニナーゼの使用。
  2. 前記被験体が腫瘍性疾患にかかっている、請求項1に記載の使用。
  3. 前記腫瘍性疾患が、乳癌、腎臓癌、大腸癌、肺癌および前立腺癌からなる一群から選択される、請求項2に記載の使用。
  4. 前記薬物がさらに、有効量のピリドキサール5’-リン酸(PLP)を含んでなる、請求項1に記載の使用。
  5. 前記PLPがメチオニナーゼ製剤とは別に投与される、請求項4に記載の使用。
  6. 前記血清メチオニンレベルが5μM未満である、請求項1に記載の使用。
  7. 前記薬物が、少なくとも1回被験体に投与するために調製される、請求項1に記載の使用。
  8. 前記薬物が静脈内投与のために調製される、請求項1に記載の使用。
  9. 前記ポリアルケングリコールがポリエチレングリコールである、請求項1に記載の使用。
  10. 前記ポリエチレングリコールがメトキシポリエチレングリコールスクシンイミジルグルタレート-5000(MEGC-PEG-5000)である、請求項9に記載の使用。
  11. ポリアルケングリコールのメチオニナーゼに対するモル比が約30:1である、請求項9に記載の使用。
  12. ポリアルケングリコールのメチオニナーゼに対するモル比が約60:1である、請求項9に記載の使用。
  13. ポリアルケングリコールのメチオニナーゼに対するモル比が約120:1である、請求項9に記載の使用。
  14. 前記メチオニナーゼが組換えによって作製される、請求項1に記載の使用。
  15. 前記メチオニナーゼがL-メチオニンα-デアミノγ-メルカプトメタンリアーゼである、請求項1に記載の使用。
  16. 前記ポリアルケングリコール修飾メチオニナーゼが、非修飾メチオニナーゼと比較してメチオニナーゼの血清半減期の増加を特徴とする、請求項1に記載の使用。
  17. 組換えメチオニナーゼの半減期が、メチオニナーゼに結合するポリアルケングリコールの量を変えることによって調整される、請求項16に記載の使用。
  18. ポリアルケングリコールのメチオニナーゼに対するモル比が約30:1である、請求項17に記載の使用。
  19. ポリアルケングリコールのメチオニナーゼに対するモル比が約60:1である、請求項17に記載の使用。
  20. ポリアルケングリコールのメチオニナーゼに対するモル比が約120:1である、請求項17に記載の使用。
  21. 血清メチオニンレベルの減少が被験体において腫瘍細胞を感作する、請求項1に記載の使用。
  22. 前記薬物がさらに化学療法薬を含んでなる、請求項21に記載の使用。
  23. 前記化学療法薬が、カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、マイトマイシンC、ミトキサントロン、5-フルオロウラシル(5 FU)、ゲムシタビン、メトトレキサート、カンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、ブレオマイシン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エトポシド、パクリタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ゲニステイン、トラスツズマブ、ZD1839;細胞毒性薬;アポトーシス誘導薬、細胞周期制御阻害薬、ベラパミル、およびシクロスポリンAからなる一群から選択される、請求項22に記載の使用。
  24. ポリアルケングリコールと結合したメチオニナーゼを含んでなる製剤を、それを必要とする被験体に投与することを含んでなる、長期間血清メチオニンレベルを減少させる方法。
  25. 前記被験体が腫瘍性疾患にかかっている、請求項24に記載の方法。
  26. 前記腫瘍性疾患が、乳癌、腎臓癌、大腸癌、肺癌および前立腺癌からなる一群から選択される、請求項25に記載の方法。
  27. ピリドキサール5’-リン酸(PLP)を被験体に投与することをさらに含んでなる、請求項24に記載の方法。
  28. 前記PLPがメチオニナーゼ製剤とともに投与される、請求項27に記載の方法。
  29. 前記PLPがメチオニナーゼ製剤とは別に投与される、請求項27に記載の方法。
  30. 血清メチオニンレベルが5μM未満である、請求項24に記載の方法。
  31. 前記製剤が少なくとも1回被験体に投与される、請求項24に記載の方法。
  32. 前記製剤が静脈内に投与される、請求項24に記載の方法。
  33. 前記ポリアルケングリコールがポリエチレングリコールである、請求項24に記載の方法。
  34. 前記ポリエチレングリコールがメトキシポリエチレングリコールスクシンイミジルグルタレート-5000(MEGC-PEG-5000)である、請求項33に記載の方法。
  35. ポリアルケングリコールのメチオニナーゼに対するモル比が約30:1である、請求項33に記載の方法。
  36. ポリアルケングリコールのメチオニナーゼに対するモル比が約60:1である、請求項33に記載の方法。
  37. ポリアルケングリコールのメチオニナーゼに対するモル比が約120:1である、請求項33に記載の方法。
  38. 前記メチオニナーゼが組換えによって作製される、請求項24に記載の方法。
  39. 前記メチオニナーゼがL-メチオニンα-デアミノ-γ-メルカプトメタンリアーゼである、請求項24に記載の方法。
  40. メチオニナーゼをポリアルケングリコールと結合することによってメチオニナーゼの血清半減期を増加させる方法。
  41. 組換えメチオニナーゼの半減期が、メチオニナーゼに結合するポリアルケングリコールの量を変えることによって調整される、請求項40に記載の方法。
  42. ポリアルケングリコールのメチオニナーゼに対するモル比が約30:1である、請求項41に記載の方法。
  43. ポリアルケングリコールのメチオニナーゼに対するモル比が約60:1である、請求項41に記載の方法。
  44. ポリアルケングリコールのメチオニナーゼに対するモル比が約120:1である、請求項41に記載の方法。
  45. 前記メチオニナーゼが組換えによって作製される、請求項40に記載の方法。
  46. 前記メチオニナーゼがL-メチオニンα-デアミノγ-メルカプトメタンリアーゼである、請求項40に記載の方法。
  47. ポリアルケングリコールに結合したメチオニナーゼを被験体に投与することを含んでなる、腫瘍細胞を感作する方法。
  48. ピリドキサール5’-リン酸(PLP)の投与をさらに含んでなる、請求項47に記載の方法。
  49. 化学療法薬を投与することをさらに含んでなる、請求項48に記載の方法。
  50. 前記化学療法薬が、カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、マイトマイシンC、ミトキサントロン、5-フルオロウラシル(5 FU)、ゲムシタビン、メトトレキサート、カンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、ブレオマイシン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エトポシド、パクリタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ゲニステイン、トラスツズマブ、ZD1839;細胞毒性薬;アポトーシス誘導薬、細胞周期制御阻害薬、ベラパミル、およびシクロスポリンAからなる一群から選択される、請求項49に記載の方法。
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