JP2007335175A - 非水電解質電池の電極合剤層用塗料組成物の製造方法、非水電解質電池用電極及び非水電解質電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】混練工程の好適条件を数値で判断でき、得られる電池の性能を向上させ得る非水電解質電池の電極合剤層用塗料組成物の製造方法、これにより得られる非水電解質電池用電極及び非水電解質電池を提供すること。
【解決手段】少なくとも電極活物質、導電剤及び結着剤を混練し、次いで、得られた電極合剤層用混練組成物に少なくとも溶剤を加えて分散させる非水電解質電池の電極合剤層用塗料組成物の製造方法である。電極合剤層用混練組成物につき、混練直後のゼータ電位の絶対値(ζ0)と混練後24〜27時間経過後のゼータ電位の絶対値(ζ1)で規定されるゼータ電位変化率(ζ1/ζ0×100)を110%以下に制御する。
【選択図】なし
【解決手段】少なくとも電極活物質、導電剤及び結着剤を混練し、次いで、得られた電極合剤層用混練組成物に少なくとも溶剤を加えて分散させる非水電解質電池の電極合剤層用塗料組成物の製造方法である。電極合剤層用混練組成物につき、混練直後のゼータ電位の絶対値(ζ0)と混練後24〜27時間経過後のゼータ電位の絶対値(ζ1)で規定されるゼータ電位変化率(ζ1/ζ0×100)を110%以下に制御する。
【選択図】なし
Description
本発明は、非水電解質電池の電極合剤層用塗料組成物の製造方法、非水電解質電池用電極及び非水電解質電池に係り、更に詳細には、電極合剤層用混練組成物のゼータ電位変化率を所定範囲に設定した非水電解質電池の電極合剤層用塗料組成物の製造方法、これを用いて得られる非水電解質電池用電極及び非水電解質電池に関する。
リチウムイオン二次電池では、従来の金属リチウムを負極とする非水二次電池とは異なり、電極活物質を結着剤などとともに溶剤中に分散させて電極塗料を調製し、その塗料を集電体としての作用を兼ねる導電性基体に塗布し、乾燥して活物質を含有する塗膜状の合剤層を形成し、帯状の正負極を製造する。
正極塗料は正極活物質、結着剤及び導電剤を含有する。かかる正極塗料の調製方法では、混練容器内で撹拌羽根が自転しながら公転するタイプの混練機を使用して、混練、分散の工程を経て、正極塗料を得る(例えば、特許文献1参照。)。
その中で、混練は、正極活物質、結着剤及び導電剤を高濃度で練りこむ工程である。それにより、粉体の二次粒子が解砕され、及び粉体が溶剤に濡れることにより、分散効率を上げることが可能となる。
分散後の塗料は、固形分濃度がある程度低くなるため、レオロジー的測定手法により、分散状態が数値として確認できる。
特開平4−253157号公報
正極塗料は正極活物質、結着剤及び導電剤を含有する。かかる正極塗料の調製方法では、混練容器内で撹拌羽根が自転しながら公転するタイプの混練機を使用して、混練、分散の工程を経て、正極塗料を得る(例えば、特許文献1参照。)。
その中で、混練は、正極活物質、結着剤及び導電剤を高濃度で練りこむ工程である。それにより、粉体の二次粒子が解砕され、及び粉体が溶剤に濡れることにより、分散効率を上げることが可能となる。
分散後の塗料は、固形分濃度がある程度低くなるため、レオロジー的測定手法により、分散状態が数値として確認できる。
しかしながら、混練においては高濃度で練りこむため、粘度が著しく高い。そのため、粘度計では測定することができず、レオロジー的手法による評価が困難である。
従来の混練における評価手法は、混練中の撹拌羽根にかかるトルク電流値で判断することが多い。ただし、この手法では塗料状態を直接的に判断できない。そのため、混練後塗料の判断は視覚による判断に頼る場合が多い。
このように、数値で判断できる指標がなかったため、好適な混練条件が解明できず、この結果、得られる電池性能との因果関係も十分には解明されていなかった。
従来の混練における評価手法は、混練中の撹拌羽根にかかるトルク電流値で判断することが多い。ただし、この手法では塗料状態を直接的に判断できない。そのため、混練後塗料の判断は視覚による判断に頼る場合が多い。
このように、数値で判断できる指標がなかったため、好適な混練条件が解明できず、この結果、得られる電池性能との因果関係も十分には解明されていなかった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、混練工程の好適条件を数値で判断でき、得られる電池の性能を向上させ得る非水電解質電池の電極合剤層用塗料組成物の製造方法、これにより得られる非水電解質電池用電極及び非水電解質電池を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、ゼータ電位に着目し、電極合剤層用混練組成物のゼータ電位を測定したところ、ゼータ電位が変化する際のゼータ電位変化率を所定範囲内に設定すると、得られるリチウムイオン二次電池の放電容量維持率が向上することなどを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の非水電解質電池の電極合剤層用塗料組成物の製造方法は、少なくとも電極活物質、導電剤及び結着剤を混練し、次いで、得られた電極合剤層用混練組成物に少なくとも溶剤を加えて分散させる非水電解質電池の電極合剤層用塗料組成物の製造方法において、上記電極合剤層用混練組成物につき、混練直後のゼータ電位の絶対値(ζ0)と混練後24〜27時間経過後のゼータ電位の絶対値(ζ1)で規定されるゼータ電位変化率(ζ1/ζ0×100)を110%以下に制御する、ことを特徴とする。
また、本発明の非水電解質電池用電極は、電極活物質、導電剤、結着剤及び溶剤を含有する電極合剤層用塗料組成物を電極集電体に塗布し、乾燥して成る非水電解質電池用電極において、上記電極合剤層用塗料組成物が、少なくとも電極活物質、導電剤及び結着剤を混練して得られる電極合剤層用混練組成物に、少なくとも溶剤を加え、分散させて得られるものであり、上記電極合剤層用混練組成物は、混練直後のゼータ電位の絶対値(ζ0)と混練後24〜27時間経過後のゼータ電位の絶対値(ζ1)とから規定されるゼータ電位変化率(ζ1/ζ0×100)が110%以下であることを特徴とする。
更に、本発明の非水電解質電池は、正極及び負極と、非水電解質と、セパレータと、これらを収容する外装部材を備え、上記正極及び負極が電極集電体上に形成した電極合剤層を有する非水電解質電池において、上記正極及び負極の少なくとも一方の電極合剤層の形成に電極合剤層用塗料組成物が用いられ、上記電極合剤層用塗料組成物が、少なくとも電極活物質、導電剤及び結着剤を混練して得られる電極合剤層用混練組成物に、少なくとも溶剤を加え、分散させて得られるものであり、上記電極合剤層用混練組成物は、混練直後のゼータ電位の絶対値(ζ0)と混練後24〜27時間経過後のゼータ電位の絶対値(ζ1)で規定されるゼータ電位変化率(ζ1/ζ0×100)が110%以下であることを特徴とする。
本発明によれば、ゼータ電位が変化する際のゼータ電位変化率を所定範囲内に設定することなどとしたため、混練工程の好適条件を数値で判断でき、得られる電池の性能を向上させ得る非水電解質電池の電極合剤層用塗料組成物の製造方法、これにより得られる非水電解質電池用電極及び非水電解質電池を提供することができる。
以下、本発明の非水電解質電池の電極合剤層用塗料組成物の製造方法について詳細に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を表すものとする。
上述の如く、本発明の非水電解質電池の電極合剤層用塗料組成物の製造方法は、少なくとも電極活物質、導電剤及び結着剤を混練して、電極合剤層用混練組成物を得、次いで、得られた電極合剤層用混練組成物に少なくとも溶剤を加え、分散させて電極合剤層用塗料組成物を得る電極合剤層用塗料組成物の製造方法である。
そして、この製造方法において、かかる電極合剤層用混練組成物は、混練直後のゼータ電位の絶対値(ζ0)と混練後24〜27時間経過後のゼータ電位の絶対値(ζ1)とから規定されるゼータ電位変化率(ζ1/ζ0×100)が110%以下となるように制御される。
このような電極合剤層用混練組成物を得る混練工程を経る電極合剤層用塗料組成物の製造方法は、これを用いて作製される塗料組成物を利用した電極及び電池の性能を向上させ得る。また、例えばリチウムイオン二次電池に適用した場合に、繰り返し放充電時の放電容量維持率を向上させることができる。
上述の如く、本発明の非水電解質電池の電極合剤層用塗料組成物の製造方法は、少なくとも電極活物質、導電剤及び結着剤を混練して、電極合剤層用混練組成物を得、次いで、得られた電極合剤層用混練組成物に少なくとも溶剤を加え、分散させて電極合剤層用塗料組成物を得る電極合剤層用塗料組成物の製造方法である。
そして、この製造方法において、かかる電極合剤層用混練組成物は、混練直後のゼータ電位の絶対値(ζ0)と混練後24〜27時間経過後のゼータ電位の絶対値(ζ1)とから規定されるゼータ電位変化率(ζ1/ζ0×100)が110%以下となるように制御される。
このような電極合剤層用混練組成物を得る混練工程を経る電極合剤層用塗料組成物の製造方法は、これを用いて作製される塗料組成物を利用した電極及び電池の性能を向上させ得る。また、例えばリチウムイオン二次電池に適用した場合に、繰り返し放充電時の放電容量維持率を向上させることができる。
ここで、「電極合剤層用混練組成物」とは、電極活物質、導電剤及び結着剤を混練して得られるものであり、若干の溶剤を含有しているものも含まれる。
また、「電極合剤層用塗料組成物」とは、電極活物質、導電剤、結着剤及び溶剤を含有しているものである。
また、「電極合剤層用塗料組成物」とは、電極活物質、導電剤、結着剤及び溶剤を含有しているものである。
また、使用可能な電極活物質としては、電極反応、即ち正極反応又は負極反応を進行させ得るものであれば、特に限定されるものではなく、種々のものを挙げることができるが、詳細については後述する。
更に、使用可能な導電剤としては、電極の使用時における導電性を維持することができれば、特に限定されるものではないが、例えば従来公知のグラファイトやカーボンブラック、炭素繊維(VGCF)などを挙げることができる。
また、使用可能な結着剤としては、電極の作製乃至使用時における形状維持性を発揮することができれば、特に限定されるものではないが、例えば従来公知のポリビニルピロリドンやポリフッ化ビニリデン(PVdF)などのフッ素樹脂、スチレンブタジエン樹脂などを挙げることができる。
更にまた、使用可能な溶剤としては、電極合剤層用混練組成物及び電極合剤層用塗料組成物の作製時において、それぞれ十分な混練及び分散をさせること、及び電極の作製時において十分に乾燥させることができれば、特に限定されるものではないが、例えば従来公知のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などを挙げることができる。
更に、使用可能な導電剤としては、電極の使用時における導電性を維持することができれば、特に限定されるものではないが、例えば従来公知のグラファイトやカーボンブラック、炭素繊維(VGCF)などを挙げることができる。
また、使用可能な結着剤としては、電極の作製乃至使用時における形状維持性を発揮することができれば、特に限定されるものではないが、例えば従来公知のポリビニルピロリドンやポリフッ化ビニリデン(PVdF)などのフッ素樹脂、スチレンブタジエン樹脂などを挙げることができる。
更にまた、使用可能な溶剤としては、電極合剤層用混練組成物及び電極合剤層用塗料組成物の作製時において、それぞれ十分な混練及び分散をさせること、及び電極の作製時において十分に乾燥させることができれば、特に限定されるものではないが、例えば従来公知のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などを挙げることができる。
また、「混練直後のゼータ電位の絶対値(ζ0)」とは、混練工程終了後、すみやかに所定の手順によって測定されたゼータ電位の絶対値(ζ0)である。
更に、「混練後24〜27時間経過後のゼータ電位の絶対値(ζ0)」とは、混練工程終了後24〜27時間(例えば、24時間など)静置し、その後、すみやかに所定の手順によって測定されたゼータ電位の絶対値(ζ1)である。
本発明の製造方法においては、例えば電極合剤層用混練組成物を分取し、分取した一の試料のゼータ電位変化率を算出すればよい。また、必要に応じて所定のゼータ電位変化率を実現し得る混練やその他の処理の条件をフィードバックして2回目以降のゼータ電位測定を省略してもよい。
なお、上記の「所定の手順」とは、混練工程終了後、又は混練工程を終了し所定時間(例えば24時間)静置後の試料を溶媒中に投入し、撹拌し、ゼータ電位計で測定することをいう。例えば、ゼータ電位計(マイクロテック・ニチオン社製、ZEECOM)を用いる場合には、試料5mgを200mLのNMP中に投入し、フラスコ内の液色が均一になるまで撹拌しながら測定すればよいが、本発明においては、必ずしもこれに限定されるものではない。
更に、「混練後24〜27時間経過後のゼータ電位の絶対値(ζ0)」とは、混練工程終了後24〜27時間(例えば、24時間など)静置し、その後、すみやかに所定の手順によって測定されたゼータ電位の絶対値(ζ1)である。
本発明の製造方法においては、例えば電極合剤層用混練組成物を分取し、分取した一の試料のゼータ電位変化率を算出すればよい。また、必要に応じて所定のゼータ電位変化率を実現し得る混練やその他の処理の条件をフィードバックして2回目以降のゼータ電位測定を省略してもよい。
なお、上記の「所定の手順」とは、混練工程終了後、又は混練工程を終了し所定時間(例えば24時間)静置後の試料を溶媒中に投入し、撹拌し、ゼータ電位計で測定することをいう。例えば、ゼータ電位計(マイクロテック・ニチオン社製、ZEECOM)を用いる場合には、試料5mgを200mLのNMP中に投入し、フラスコ内の液色が均一になるまで撹拌しながら測定すればよいが、本発明においては、必ずしもこれに限定されるものではない。
そして、電極合剤層用混練組成物において、上述のゼータ電位の絶対値(ζ0)とゼータ電位の絶対値(ζ1)とから規定されるゼータ電位変化率(ζ1/ζ0×100)は110%以下であることを要するが、100〜110%であることが好ましく、100〜105%であることがより好ましい。
また、本発明の非水電解質電池の電極合剤層用塗料組成物の製造方法においては、特に限定されるものではないが、混練を70〜90分間行うことが好ましい。
混練時間が70分間未満の場合には、混練が十分になされないことがあり、混練時間が90分間を超える場合には、過剰な混練によって電極活物質が割れるおそれがあり、電池性能が低下する可能性がある。
混練時間が70分間未満の場合には、混練が十分になされないことがあり、混練時間が90分間を超える場合には、過剰な混練によって電極活物質が割れるおそれがあり、電池性能が低下する可能性がある。
更に、本発明の非水電解質電池の電極合剤層用塗料組成物の製造方法においては、特に限定されるものではないが、分散を35〜360分間行うことが好ましく、45〜120分間行なうことがより好ましい。
分散時間が35分間未満の場合には、充放電サイクル特性の劣化、あるいは低温時の容量低下が起こる可能性がある、分散時間が360分間を超える場合には、活物質の割れによる安全性(加熱など)が低下するおそれがある。
分散時間が35分間未満の場合には、充放電サイクル特性の劣化、あるいは低温時の容量低下が起こる可能性がある、分散時間が360分間を超える場合には、活物質の割れによる安全性(加熱など)が低下するおそれがある。
更にまた、本発明の非水電解質電池の電極合剤層用塗料組成物の製造方法においては、特に限定されるものではないが、得られる電極合剤層用塗料組成物のチクソトロピー値が12,000Pa/s以下であることが好ましい。
チクソトロピー値が12,000Pa/sを超える場合には、充放電サイクル特性の劣化、あるいは低温時の容量低下となることがある。
なお、「チクソトロピー値」は、例えば並行円盤型粘度計(レオメータ)によるヒステリシスループから測定すればよい。
チクソトロピー値が12,000Pa/sを超える場合には、充放電サイクル特性の劣化、あるいは低温時の容量低下となることがある。
なお、「チクソトロピー値」は、例えば並行円盤型粘度計(レオメータ)によるヒステリシスループから測定すればよい。
次に、本発明の非水電解質電池用電極について詳細に説明する。
上述の如く、本発明の非水電解質電池用電極は、電極活物質、導電剤、結着剤及び溶剤を含有する電極合剤層用塗料組成物を電極集電体に塗布し、乾燥して成る。
そして、かかる電極合剤層用塗料組成物は、少なくとも電極活物質、導電剤及び結着剤を混練して、混練直後のゼータ電位の絶対値(ζ0)と混練後24〜27時間経過後のゼータ電位の絶対値(ζ1)とから規定されるゼータ電位変化率(ζ1/ζ0×100)が110%以下である電極合剤層用混練組成物を得、次いで、得られた電極合剤層用混練組成物に少なくとも溶剤を加え、分散させて得られるものである。
このような電極は、これを用いて得られる電池の性能を向上させ得る。また、例えばリチウムイオン二次電池に適用した場合に、繰り返し放充電時の放電容量維持率を向上させることができる。
上述の如く、本発明の非水電解質電池用電極は、電極活物質、導電剤、結着剤及び溶剤を含有する電極合剤層用塗料組成物を電極集電体に塗布し、乾燥して成る。
そして、かかる電極合剤層用塗料組成物は、少なくとも電極活物質、導電剤及び結着剤を混練して、混練直後のゼータ電位の絶対値(ζ0)と混練後24〜27時間経過後のゼータ電位の絶対値(ζ1)とから規定されるゼータ電位変化率(ζ1/ζ0×100)が110%以下である電極合剤層用混練組成物を得、次いで、得られた電極合剤層用混練組成物に少なくとも溶剤を加え、分散させて得られるものである。
このような電極は、これを用いて得られる電池の性能を向上させ得る。また、例えばリチウムイオン二次電池に適用した場合に、繰り返し放充電時の放電容量維持率を向上させることができる。
次に、本発明の電池につき、リチウムイオン二次電池を例に採って詳細に説明する。
図1は、本発明の電池、特にリチウムイオン二次電池の一実施形態であって、ラミネート型電池の一例を示す分解斜視図である。
同図において、この二次電池は、正極端子11と負極端子12が取り付けられた電池素子20をフィルム状の外装部材30の内部に封入して構成されている。正極端子11及び負極端子12は、外装部材30の内部から外部に向かって、例えば同一方向にそれぞれ導出されている。正極端子11及び負極端子12は、例えばアルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)又はステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成される。
図1は、本発明の電池、特にリチウムイオン二次電池の一実施形態であって、ラミネート型電池の一例を示す分解斜視図である。
同図において、この二次電池は、正極端子11と負極端子12が取り付けられた電池素子20をフィルム状の外装部材30の内部に封入して構成されている。正極端子11及び負極端子12は、外装部材30の内部から外部に向かって、例えば同一方向にそれぞれ導出されている。正極端子11及び負極端子12は、例えばアルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)又はステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成される。
外装部材30は、例えばナイロンフィルム、アルミニウム箔及びポリエチレンフィルムをこの順に張り合わせた矩形状のラミネートフィルムにより構成されている。外装部材30は、例えばポリエチレンフィルム側と電池素子20とが対向するように配設されており、各外縁部が融着又は接着剤により互いに接合されている。
外装部材30と正極端子11及び負極端子12との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム31が挿入されている。密着フィルム31は、正極端子11及び負極端子12に対して密着性を有する材料により構成され、例えば正極端子11及び負極端子12が上述した金属材料から構成される場合には、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレン又は変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されることが好ましい。
外装部材30と正極端子11及び負極端子12との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム31が挿入されている。密着フィルム31は、正極端子11及び負極端子12に対して密着性を有する材料により構成され、例えば正極端子11及び負極端子12が上述した金属材料から構成される場合には、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレン又は変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されることが好ましい。
なお、外装部材30は、上述したラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム、ポリプロピレンなどの高分子フィルム又は金属フィルムなどにより構成してもよい。
ここで、外装部材の一般的な構成は、外装層/金属箔/シーラント層の積層構造で表すことができ(但し、外装層及びシーラント層は複数層で構成されることがある。)、上記の例では、ナイロンフィルムが外装層、アルミニウム箔が金属箔、ポリエチレンフィルムがシーラント層に相当する。
なお、金属箔としては、耐透湿性のバリア膜として機能すれば十分であり、アルミニウム箔のみならず、ステンレス箔、ニッケル箔及びメッキを施した鉄箔などを使用することができるが、薄く軽量で加工性に優れるアルミニウム箔を好適に用いることができる。
ここで、外装部材の一般的な構成は、外装層/金属箔/シーラント層の積層構造で表すことができ(但し、外装層及びシーラント層は複数層で構成されることがある。)、上記の例では、ナイロンフィルムが外装層、アルミニウム箔が金属箔、ポリエチレンフィルムがシーラント層に相当する。
なお、金属箔としては、耐透湿性のバリア膜として機能すれば十分であり、アルミニウム箔のみならず、ステンレス箔、ニッケル箔及びメッキを施した鉄箔などを使用することができるが、薄く軽量で加工性に優れるアルミニウム箔を好適に用いることができる。
外装部材として、使用可能な構成を(外装層/金属箔/シーラント層)の形式で列挙すると、Ny(ナイロン)/Al(アルミニウム)/CPP(無延伸ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)/Al/CPP、PET/Al/PET/CPP、PET/Ny/Al/CPP、PET/Ny/Al/Ny/CPP、PET/Ny/Al/Ny/PE(ポリエチレン)、Ny/PE/Al/LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、PET/PE/Al/PET/LDPE(低密度ポリエチレン)、及びPET/Ny/Al/LDPE/CPPなどがある。
図2は、図1に示した電池素子20のI−I線に沿った断面図である。同図において、電池素子20は、正極21と負極22とが非水電解質の一例である非水電解質組成物層23及びセパレータ24を介して対向して位置し、巻回されているものであり、最外周部は保護テープ25により保護されている。また、正極21及び負極22の少なくとも一方は、本発明の非水電解質電池用電極から成る。
ここで、正極21は、例えば対向する一対の面を有する正極集電体21Aの両面又は片面に正極合剤層21Bが被覆された構造を有している。正極集電体21Aには、長手方向における一方の端部に正極合剤層21Bが被覆されずに露出している部分があり、この露出部分に正極端子11が取り付けられている。
正極集電体21Aは、例えばアルミニウム箔、ニッケル箔又はステンレス箔などの金属箔により構成される。
正極集電体21Aは、例えばアルミニウム箔、ニッケル箔又はステンレス箔などの金属箔により構成される。
正極合剤層21Bは、正極活物質として、リチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な正極材料のいずれか1種又は2種以上を含んでおり、更に導電材及び結着剤を含んでいる。
リチウムを吸蔵及び放出することが可能な正極材料としては、例えば硫黄(S)や、二硫化鉄(FeS2)、二硫化チタン(TiS2)、二硫化モリブデン(MoS2)、二セレン化ニオブ(NbSe2)、酸化バナジウム(V2O5)、二酸化チタン(TiO2)及び二酸化マンガン(MnO2)などのリチウムを含有しないカルコゲン化物(特に層状化合物やスピネル型化合物)、リチウムを含有するリチウム含有化合物、並びに、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアセチレン及びポリピロールなどの導電性高分子化合物が挙げられる。
リチウムを吸蔵及び放出することが可能な正極材料としては、例えば硫黄(S)や、二硫化鉄(FeS2)、二硫化チタン(TiS2)、二硫化モリブデン(MoS2)、二セレン化ニオブ(NbSe2)、酸化バナジウム(V2O5)、二酸化チタン(TiO2)及び二酸化マンガン(MnO2)などのリチウムを含有しないカルコゲン化物(特に層状化合物やスピネル型化合物)、リチウムを含有するリチウム含有化合物、並びに、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアセチレン及びポリピロールなどの導電性高分子化合物が挙げられる。
これらの中でも、リチウム含有化合物は、高電圧及び高エネルギー密度を得ることができるものがあるので好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えばリチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物や、リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物が挙げられるが、より高い電圧を得る観点からは、特にコバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、チタン(Ti)又はこれらの任意の混合物を含むものが好ましい。
かかるリチウム含有化合物は、代表的には、次の一般式(1)又は(2)
LixMIO2…(1)
LiyMIIPO4…(2)
(式中のMI及びMIIは1種類以上の遷移金属元素を示し、x及びyの値は電池の充放電状態によって異なるが、通常0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10である。)で表され、(1)式の化合物は一般に層状構造を有し、(2)式の化合物は一般にオリビン構造を有する。
LixMIO2…(1)
LiyMIIPO4…(2)
(式中のMI及びMIIは1種類以上の遷移金属元素を示し、x及びyの値は電池の充放電状態によって異なるが、通常0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10である。)で表され、(1)式の化合物は一般に層状構造を有し、(2)式の化合物は一般にオリビン構造を有する。
また、リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物の具体例としては、リチウムコバルト複合酸化物(LixCoO2)、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO2)、これらの固溶体(Li(NixCoyMnz)O2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(LiNi1−zCozO2(z<1))、スピネル型構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn2O4)及びこれらの固溶体(Li(Mn2−xNiy)O4)などが挙げられる。
リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物の具体例としては、例えばオリビン構造を有するリチウム鉄リン酸化合物(LiFePO4)又はリチウム鉄マンガンリン酸化合物(LiFe1−vMnvPO4(v<1))が挙げられる。
リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物の具体例としては、例えばオリビン構造を有するリチウム鉄リン酸化合物(LiFePO4)又はリチウム鉄マンガンリン酸化合物(LiFe1−vMnvPO4(v<1))が挙げられる。
一方、負極22は、正極21と同様に、例えば対向する一対の面を有する負極集電体22Aの両面又は片面に負極合剤層22Bが設けられた構造を有している。負極集電体22Aには、長手方向における一方の端部に負極合剤層22Bが設けられず露出している部分があり、この露出部分に負極端子12が取り付けられている。
負極集電体22Aは、例えば銅箔、ニッケル箔又はステンレス箔などの金属箔により構成される。
負極集電体22Aは、例えば銅箔、ニッケル箔又はステンレス箔などの金属箔により構成される。
負極合剤層22Bは、負極活物質として、リチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な負極材料、金属リチウムのいずれか1種又は2種以上を含んでおり、更に導電材及び結着剤を含んでいる。
リチウムを吸蔵及び放出することが可能な負極材料としては、例えば炭素材料、金属酸化物及び高分子化合物が挙げられる。炭素材料としては、難黒鉛化炭素材料、人造黒鉛材料や黒鉛系材料などが挙げられ、より具体的には、熱分解炭素類、コークス類、黒鉛類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭及びカーボンブラックなどがある。
このうち、コークス類にはピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークスなどがあり、有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。また、金属酸化物としては、酸化鉄、酸化ルテニウム及び酸化モリブテンなどが挙げられ、高分子化合物としてはポリアセチレンやポリピロールなどが挙げられる。
リチウムを吸蔵及び放出することが可能な負極材料としては、例えば炭素材料、金属酸化物及び高分子化合物が挙げられる。炭素材料としては、難黒鉛化炭素材料、人造黒鉛材料や黒鉛系材料などが挙げられ、より具体的には、熱分解炭素類、コークス類、黒鉛類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭及びカーボンブラックなどがある。
このうち、コークス類にはピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークスなどがあり、有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。また、金属酸化物としては、酸化鉄、酸化ルテニウム及び酸化モリブテンなどが挙げられ、高分子化合物としてはポリアセチレンやポリピロールなどが挙げられる。
更に、リチウムを吸蔵及び放出することが可能な負極材料としては、リチウムと合金を形成可能な金属元素及び半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む材料も挙げられる。この負極材料は金属元素又は半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、またこれらの1種又は2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。
なお、本発明において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物又はこれらのうちの2種以上が共存するものがある。
なお、本発明において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物又はこれらのうちの2種以上が共存するものがある。
このような金属元素又は半金属元素としては、例えばスズ(Sn)、鉛(Pb)、アルミニウム、インジウム(In)、ケイ素(Si)、亜鉛(Zn)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、銀(Ag)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)及びイットリウム(Y)が挙げられる。
中でも、長周期型周期表における14族の金属元素又は半金属元素が好ましく、特に好ましいのはケイ素又はスズである。ケイ素及びスズは、リチウムを吸蔵及び放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。
中でも、長周期型周期表における14族の金属元素又は半金属元素が好ましく、特に好ましいのはケイ素又はスズである。ケイ素及びスズは、リチウムを吸蔵及び放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。
スズの合金としては、例えばスズ以外の第2の構成元素として、ケイ素、マグネシウム(Mg)、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン(Ti)、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモン及びクロム(Cr)から成る群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
ケイ素の合金としては、例えばケイ素以外の第2の構成元素として、スズ、マグネシウム、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモン及びクロムから成る群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
ケイ素の合金としては、例えばケイ素以外の第2の構成元素として、スズ、マグネシウム、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモン及びクロムから成る群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
スズの化合物又はケイ素の化合物としては、例えば酸素(O)又は炭素(C)を含むものが挙げられ、スズまたはケイ素に加えて、上述した第2の構成元素を含んでいてもよい。
また、非水電解質組成物層23は、例えば電解質を非水媒体に分散乃至溶解したもの、及び固体電解質をいい、電解質をプロピレンカーボネートなどの非水溶媒に溶解した非水電解液の外、電解質をゲル状をなす非水分散媒(ポリフッ化ビニリデンなどのポリマー)に溶解したもの、及びリチウムイオン伝導性を有する固体電解質をいうものとする。
なお、かかる非水電解質は、電解質を非水溶液に溶解した非水電解液と、電解質をゲル状をなす非水分散媒に溶解したゲル状電解質と、固体電解質とに大別できる。
なお、かかる非水電解質は、電解質を非水溶液に溶解した非水電解液と、電解質をゲル状をなす非水分散媒に溶解したゲル状電解質と、固体電解質とに大別できる。
ここで、非水溶媒に溶解させ又はゲル状非水分散媒に分散させる電解質としては、各種リチウム塩、例えば、LiCl、LiBr、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiCH3SO3、LiCF3SO3、Li(CF3SO2)2、LiN(CF3SO2)2、LiC(CF3SO2)3又はLiB(C6H5)4及びこれらを任意に組合わせた混合物などを使用でき、このうちでも特にLiPF6やLiBF4を使用することが望ましい。
また、非水溶媒としては、従来の非水系リチウム電池と同様に非プロトン性溶媒、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタン、スルホラン、メチルスルホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、プロピオン酸メチル、酪酸メチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、プロピオニトリル、アセトニトリル、アニソール、ジエチルエーテル、酢酸エステル、酪酸エステル及びプロピオン酸エステル等を挙げることができる。
特に、電圧安定性の観点からは、例えば、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネート等の環状カーボネート、ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート、γ−ブチロラクトン及びγ−バレロラクトン等の環状エステル、酢酸エチル及びプロピオン酸メチル等の鎖状エステル、テトラヒドロフラン及び1,2−ジメトキシエタン等のエーテル等を使用することが望ましい。
また、これら非水溶媒は1種を単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
特に、電圧安定性の観点からは、例えば、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネート等の環状カーボネート、ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート、γ−ブチロラクトン及びγ−バレロラクトン等の環状エステル、酢酸エチル及びプロピオン酸メチル等の鎖状エステル、テトラヒドロフラン及び1,2−ジメトキシエタン等のエーテル等を使用することが望ましい。
また、これら非水溶媒は1種を単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
一方、ゲル状をなす非水分散媒としては、上記非水電解液を吸収してゲル化するものであれば種々の高分子が利用できる。例えば、ポリビニリデンフルオロライドやポリビニリデンフルオロライド−CO−ヘキサフルオロプロピレンなどのフッ素系高分子、ポリエチレンオキサイドや同架橋体などのエーテル系高分子、またポリアクリロニトリルなどを使用できる。特に酸化還元安定性から、フッ素系高分子を用いることが望ましい。これらポリマーの分子量としては、30万〜80万程度が適当である。
なお、ポリマーへの電解質の分散は、代表的には、電解質を非水溶媒に溶解した非水電解液にポリフッ化ビニリデン等のポリマーを溶解させ、ゾル化させることにより行うことができる。
なお、ポリマーへの電解質の分散は、代表的には、電解質を非水溶媒に溶解した非水電解液にポリフッ化ビニリデン等のポリマーを溶解させ、ゾル化させることにより行うことができる。
更に、固体電解質としては、リチウムイオン導電性を有する材料であれば無機固体電解質、高分子固体電解質のいずれも用いることができる。無機固体電解質としては、窒化リチウム(Li3N)、ヨウ化リチウム(LiI)などの結晶質固体電解質や、LiI・Li2S・P2S6系ガラス及びLiI・Li2S・B2S6系ガラスなどリチウムイオン伝導性ガラスなどに代表される非晶質固体電解質等が挙げられる。また、高分子固体電解質としては、電解質塩とそれを溶解する高分子化合物から成り、その高分子化合物はポリエチレンオキサイドや同架橋体などのエーテル系高分子、ポリメタクリレートエステル系、アクリレート系などを単独又は分子中に共重合、混合して用いることができる。
また、セパレータ24は、例えばポリプロピレン若しくはポリエチレンなどのポリオレフィン系の合成樹脂から成る多孔質膜、又はセラミック製の不織布などの無機材料から成る多孔質膜など、イオン透過度が大きく、所定の機械的強度を有する絶縁性の薄膜から構成されており、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造としてもよい。特に、ポリオレフィン系の多孔質膜を含むものは、正極21と負極22との分離性に優れ、内部短絡や開回路電圧の低下をいっそう低減できるので好適である。
次に、上述した二次電池の製造方法の一例につき説明する。
上記ラミネート型二次電池は、以下のようにして製造することができる。
まず、上述の如き電極合剤層用塗料塗料組成物の製造方法によって、ゼータ電位の変化率を指標にして、正極用の電極合剤層用塗料組成物を作製する。
次いで、この正極用の電極合剤層用塗料組成物を正極集電体21Aに塗布し乾燥させ、圧縮成型して正極合剤層21Bを形成して、正極21を作製する。
上記ラミネート型二次電池は、以下のようにして製造することができる。
まず、上述の如き電極合剤層用塗料塗料組成物の製造方法によって、ゼータ電位の変化率を指標にして、正極用の電極合剤層用塗料組成物を作製する。
次いで、この正極用の電極合剤層用塗料組成物を正極集電体21Aに塗布し乾燥させ、圧縮成型して正極合剤層21Bを形成して、正極21を作製する。
また、上述の如き電極合剤層用塗料塗料組成物の製造方法によって、上記正極の場合と同様にして、負極用の電極合剤層用塗料組成物を作製する。
次いで、この負極用の電極合剤層用塗料組成物を負極集電体22Aに塗布し乾燥させ、圧縮成型して負極合剤層22Bを形成して、負極22を作製する。
次いで、この負極用の電極合剤層用塗料組成物を負極集電体22Aに塗布し乾燥させ、圧縮成型して負極合剤層22Bを形成して、負極22を作製する。
次いで、正極21に正極端子11を取り付けるとともに、負極22に負極端子12を取り付けた後、セパレータ24、正極21、セパレータ24及び負極22を順次積層して巻回し、最外周部に保護テープ25を接着して巻回電極体を形成する。更に、この巻回電極体を外装部材30で挟み、一辺を除く外周縁部を熱融着して袋状とする。
しかる後、上述した非水電解質を準備し、外装部材30の開口部から巻回電極体の内部に注入して、外装部材30の開口部を熱融着し封入する。これにより、非水電解質組成物層23が形成され、図1及び図2に示した二次電池が完成する。
なお、この二次電池は次のようにして製造してもよい。
例えば、巻回電極体を作製してから非水電解質組成物を注入するのではなく、正極21及び負極22の上、又はセパレータ24に非水電解質組成物を塗布した後に巻回し、外装部材30の内部に封入するようにしてもよい。
例えば、巻回電極体を作製してから非水電解質組成物を注入するのではなく、正極21及び負極22の上、又はセパレータ24に非水電解質組成物を塗布した後に巻回し、外装部材30の内部に封入するようにしてもよい。
以上に説明した二次電池では、充電を行うと、正極合剤層21Bからリチウムイオンが放出され、非水電解質組成物層23を介して負極合剤層22Bに吸蔵される。放電を行うと、負極合剤層22Bからリチウムイオンが放出され、非水電解質組成物層23を介して正極合剤層21Bに吸蔵される。
ここで、電極における電極合剤層は混合状態が優れている。従って、充放電に際し、この二次電池の電池性能は大きく劣化することはなく、繰り返し充放電時の放電容量維持率が向上している。
ここで、電極における電極合剤層は混合状態が優れている。従って、充放電に際し、この二次電池の電池性能は大きく劣化することはなく、繰り返し充放電時の放電容量維持率が向上している。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
具体的には、以下の各例に記載したような操作を行い、筒型電池を作製し、その性能を評価した。
具体的には、以下の各例に記載したような操作を行い、筒型電池を作製し、その性能を評価した。
(実施例1)
ミキサー(浅田鉄工社製、PVM−1600−2Dプラネタリーデスパ)に、導電剤であるカーボンブラック(嵩比重:22〜35g/L)(0.76質量部)を投入し、次いで、予め作製した結着剤溶液であるPVdFのNMP溶液(濃度:13%)(17.44質量部)を投入し、しかる後、予備混練(予備混練時間:20分間)を行なった。
予備混練後、導電剤であるカーボンブラック(見掛密度:0.09〜0.13g/cm3)(0.76質量部)と電極活物質であるリチウムコバルト酸複合酸化物(71.78質量部)を更に投入し、しかる後、混練(混練時間:90分間)を行なって、電極合剤層用混練組成物を得た。
そして、混練直後の電極合剤層用混練組成物のゼータ電位をゼータ電位計(マイクロテック・ニチオン社製、ZEECOM)で測定したところ、常温(温度23℃)で、−160mVであった。なお、混練して1日(24時間)経過後の電極合剤層用混練組成物のゼータ電位を同様に測定したところ、常温(温度23℃)で、−162mVであった。
したがって、電極合剤層用混練組成物のゼータ電位変化率は、101.3%であった。
得られた電極合剤層用混練組成物に溶剤であるNMP(7.08質量部)を加え、分散(分散時間:45分間)を行なって、電極合剤層用塗料組成物を得た。
なお、電極合剤層用塗料組成物のチクソトロピー値をレオメータ(HAAKE社製)で測定したところ、0‐300(1/s)、60s/300‐0(1/s)、60sで、10950Pa/sであった。
ミキサー(浅田鉄工社製、PVM−1600−2Dプラネタリーデスパ)に、導電剤であるカーボンブラック(嵩比重:22〜35g/L)(0.76質量部)を投入し、次いで、予め作製した結着剤溶液であるPVdFのNMP溶液(濃度:13%)(17.44質量部)を投入し、しかる後、予備混練(予備混練時間:20分間)を行なった。
予備混練後、導電剤であるカーボンブラック(見掛密度:0.09〜0.13g/cm3)(0.76質量部)と電極活物質であるリチウムコバルト酸複合酸化物(71.78質量部)を更に投入し、しかる後、混練(混練時間:90分間)を行なって、電極合剤層用混練組成物を得た。
そして、混練直後の電極合剤層用混練組成物のゼータ電位をゼータ電位計(マイクロテック・ニチオン社製、ZEECOM)で測定したところ、常温(温度23℃)で、−160mVであった。なお、混練して1日(24時間)経過後の電極合剤層用混練組成物のゼータ電位を同様に測定したところ、常温(温度23℃)で、−162mVであった。
したがって、電極合剤層用混練組成物のゼータ電位変化率は、101.3%であった。
得られた電極合剤層用混練組成物に溶剤であるNMP(7.08質量部)を加え、分散(分散時間:45分間)を行なって、電極合剤層用塗料組成物を得た。
なお、電極合剤層用塗料組成物のチクソトロピー値をレオメータ(HAAKE社製)で測定したところ、0‐300(1/s)、60s/300‐0(1/s)、60sで、10950Pa/sであった。
得られた電極合剤層用塗料組成物を正極集電体となる厚み20μmのアルミニウム箔上の両面に均一に塗布、乾燥して片面当たり40mg/cm2の正極合剤層を形成した。これを幅50mm、長さ300mmの形状に切断して正極を作製し、更に正極端子を取り付けた。
次に、負極活物質として黒鉛97質量部、結着剤としてPVdFを3質量部とを均質に混合してNMPを添加し負極合剤層用塗料組成物を得た。次いで、得られた負極合剤層用塗料組成物を負極集電体となる厚み15μmの銅箔上の両面に均一に塗布、乾燥して片面当たり20mg/cm2の負極合剤層を形成した。これを幅50mm、長さ300mmの形状に切断して負極を作製し、更に負極端子を取り付けた。
次に、負極活物質として黒鉛97質量部、結着剤としてPVdFを3質量部とを均質に混合してNMPを添加し負極合剤層用塗料組成物を得た。次いで、得られた負極合剤層用塗料組成物を負極集電体となる厚み15μmの銅箔上の両面に均一に塗布、乾燥して片面当たり20mg/cm2の負極合剤層を形成した。これを幅50mm、長さ300mmの形状に切断して負極を作製し、更に負極端子を取り付けた。
この正極及び負極と、厚み20μmの微多孔性ポリプロピレンフィルムから成るセパレータとを用意し、負極、セパレータ、正極、セパレータの順に積層して多数巻回し、巻回電極体を作製した。巻回電極体を作製した後、巻回電極体を一対の絶縁板で挟み、負極端子を電池缶の底部に溶接すると共に、正極端子を安全弁機構の突起部に溶接し、ニッケルめっきした鉄製の電池缶の内部に収納した。次いで、電池缶の内部に非水電解質を注入した。非水電解質には、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを1対1の体積比で混合した溶媒に電解質塩としてLiPF6を1mol/lの割合で溶解させたものを用いた。しかる後、絶縁封口ガスケットを介して電池蓋を電池缶にかしめ、安全弁機構、熱感抵抗素子並びに電池蓋を固定して、本例の筒型電池を得た。
(実施例2)
混練時間を70分間とした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の筒型電池を得た。
なお、電極合剤層用混練組成物のゼータ電位変化率は、105.2%であった。
また、電極合剤層用塗料組成物のチクソトロピー値は、11457Pa/sであった。
混練時間を70分間とした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の筒型電池を得た。
なお、電極合剤層用混練組成物のゼータ電位変化率は、105.2%であった。
また、電極合剤層用塗料組成物のチクソトロピー値は、11457Pa/sであった。
(比較例1)
混練時間を50分間とした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の筒型電池を得た。
なお、電極合剤層用混練組成物のゼータ電位変化率は、120.5%であった。
また、電極合剤層用塗料組成物のチクソトロピー値は、13263Pa/sであった。
混練時間を50分間とした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の筒型電池を得た。
なお、電極合剤層用混練組成物のゼータ電位変化率は、120.5%であった。
また、電極合剤層用塗料組成物のチクソトロピー値は、13263Pa/sであった。
(比較例2)
混練時間を30分間とした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の筒型電池を得た。
なお、電極合剤層用混練組成物のゼータ電位変化率は、240.0%であった。
また、電極合剤層用塗料組成物のチクソトロピー値は、18210Pa/sであった。
上記各例における電極合剤層用塗料組成物の仕様を表1に示す。
混練時間を30分間とした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の筒型電池を得た。
なお、電極合剤層用混練組成物のゼータ電位変化率は、240.0%であった。
また、電極合剤層用塗料組成物のチクソトロピー値は、18210Pa/sであった。
上記各例における電極合剤層用塗料組成物の仕様を表1に示す。
[性能評価]
各例の筒型電池を23℃の環境下2.2mAで4.2Vを上限として2時間充電し、その後、30分間休止し、2.2mAで2.5Vに達するまで放電することを繰り返した後の放電容量を測定した。500サイクル後の放電容量及び1サイクル後の放電容量からの500サイクル後の放電容量維持率を算出し、得られた結果を表1に併記する。
各例の筒型電池を23℃の環境下2.2mAで4.2Vを上限として2時間充電し、その後、30分間休止し、2.2mAで2.5Vに達するまで放電することを繰り返した後の放電容量を測定した。500サイクル後の放電容量及び1サイクル後の放電容量からの500サイクル後の放電容量維持率を算出し、得られた結果を表1に併記する。
表1から、混練時間が長いほどゼータ電位の絶対値が大きいことが分かった。また、ゼータ電位の変化により、分散性の違いがチクソトロピー値に表れた。
混練時間毎のゼータ電位の変化は、混練により、粒子同士が濡れ、静電的に反発がゼータ電位として表れたためである。また、ゼータ電池の絶対値が大きい順に充放電時の容量維持率が良好である。更に、比較例1及び2において急激な容量維持率の低下が確認された。
混練直後と1日(24時間)経過後の電極合剤層用混練組成物のゼータ電位変化率を比較した場合、本発明の範囲に含まれる実施例1及び2に対して、本発明外の比較例1及び2の方が著しく高くなっている。このことは、混練中に材料が溶剤に濡れなかったため、経時することにより、材料が濡れ、ゼータ電位の絶対値が上がったためと考えられる。
以上から、少なくとも電極活物質、導電剤及び結着剤を混練して、電極合剤層用混練組成物を得、次いで、得られた電極合剤層用混練組成物に少なくとも溶剤を加え、分散させて電極合剤層用塗料組成物を得る電極合剤層用塗料組成物の製造方法において、得られる電極合剤層用混練組成物の混練直後のゼータ電位の絶対値(ζt0)と混練後24〜27時間経過後のゼータ電位の絶対値(ζt1)とから規定されるゼータ電位変化率(ζt1/ζt0×100)を110%以下とするなどして、混練工程を規定することにより、得られる電池の性能を向上させ得る。また、例えばリチウムイオン二次電池に適用した場合に、繰り返し放充電時の放電容量維持率を向上させることができる。
なお、材料や溶媒等によって、ゼータ電位の絶対値はいろいろな値となり得るが、混練が十分になると、材料や溶媒に関わらず、経時変化は少なくなる。
また、電極合剤層用混練組成物の固形分濃度は、通常83%以上であり、83〜85%であることが好ましい。更に、電極合剤層用塗料組成物の固形分濃度は、通常77%以下であり、74〜77%であることが好ましい。
混練時間毎のゼータ電位の変化は、混練により、粒子同士が濡れ、静電的に反発がゼータ電位として表れたためである。また、ゼータ電池の絶対値が大きい順に充放電時の容量維持率が良好である。更に、比較例1及び2において急激な容量維持率の低下が確認された。
混練直後と1日(24時間)経過後の電極合剤層用混練組成物のゼータ電位変化率を比較した場合、本発明の範囲に含まれる実施例1及び2に対して、本発明外の比較例1及び2の方が著しく高くなっている。このことは、混練中に材料が溶剤に濡れなかったため、経時することにより、材料が濡れ、ゼータ電位の絶対値が上がったためと考えられる。
以上から、少なくとも電極活物質、導電剤及び結着剤を混練して、電極合剤層用混練組成物を得、次いで、得られた電極合剤層用混練組成物に少なくとも溶剤を加え、分散させて電極合剤層用塗料組成物を得る電極合剤層用塗料組成物の製造方法において、得られる電極合剤層用混練組成物の混練直後のゼータ電位の絶対値(ζt0)と混練後24〜27時間経過後のゼータ電位の絶対値(ζt1)とから規定されるゼータ電位変化率(ζt1/ζt0×100)を110%以下とするなどして、混練工程を規定することにより、得られる電池の性能を向上させ得る。また、例えばリチウムイオン二次電池に適用した場合に、繰り返し放充電時の放電容量維持率を向上させることができる。
なお、材料や溶媒等によって、ゼータ電位の絶対値はいろいろな値となり得るが、混練が十分になると、材料や溶媒に関わらず、経時変化は少なくなる。
また、電極合剤層用混練組成物の固形分濃度は、通常83%以上であり、83〜85%であることが好ましい。更に、電極合剤層用塗料組成物の固形分濃度は、通常77%以下であり、74〜77%であることが好ましい。
以上、本発明を若干の実施形態及び実施例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、複数の正極と負極とを積層した積層型の電池素子を備える場合について説明したが、一対の正極と負極とを積層した平板状の電池素子、又は正極及び負極を積層して巻回した電池素子を備える場合についても、本発明を適用することができる。
また、上記の実施形態では、フィルム状の外装部材30を用いる場合や外装部材30に缶を用いたいわゆる円筒型の形状を有する電池について説明したが、外装部材に缶を用いたいわゆる角型、コイン型、ボタン型などの他の形状を有する電池についても同様に本発明を適用することができる。更に、二次電池に限らず一次電池についても適用可能である。
例えば、上記の実施形態では、複数の正極と負極とを積層した積層型の電池素子を備える場合について説明したが、一対の正極と負極とを積層した平板状の電池素子、又は正極及び負極を積層して巻回した電池素子を備える場合についても、本発明を適用することができる。
また、上記の実施形態では、フィルム状の外装部材30を用いる場合や外装部材30に缶を用いたいわゆる円筒型の形状を有する電池について説明したが、外装部材に缶を用いたいわゆる角型、コイン型、ボタン型などの他の形状を有する電池についても同様に本発明を適用することができる。更に、二次電池に限らず一次電池についても適用可能である。
更に、上述の如く、本発明の電池として、電極反応物質としてリチウムを用いる電池を例示して説明したが、本発明の技術的思想は、ナトリウム(Na)若しくはカリウム(K)などの他のアルカリ金属、マグネシウム(Mg)若しくはカルシウム(Ca)などのアルカリ土類金属、又はアルミニウムなどの他の軽金属を用いる場合についても適用することが可能である。
11…正極端子、12…負極端子、20…電池素子、21…正極、21A…正極集電体、21B…正極合剤層、22…負極、22A…負極集電体、22B…負極合剤層、23…非水電解質組成物層、24…セパレータ、25…保護テープ、30…外装部材、31…密着フィルム
Claims (6)
- 少なくとも電極活物質、導電剤及び結着剤を混練し、次いで、得られた電極合剤層用混練組成物に少なくとも溶剤を加えて分散させる非水電解質電池の電極合剤層用塗料組成物の製造方法において、
上記電極合剤層用混練組成物につき、混練直後のゼータ電位の絶対値(ζ0)と混練後24〜27時間経過後のゼータ電位の絶対値(ζ1)で規定されるゼータ電位変化率(ζ1/ζ0×100)を110%以下に制御する、
ことを特徴とする非水電解質電池の電極合剤層用塗料組成物の製造方法。 - 上記混練を70〜90分間行うことを特徴とする請求項1に記載の電極合剤層用塗料組成物の製造方法。
- 上記分散を35〜360分間行うことを特徴とする請求項1に記載の電極合剤層用塗料組成物の製造方法。
- 上記電極合剤層用塗料組成物のチクソトロピー値が12,000Pa/s以下であることを特徴とする請求項1に記載の電極合剤層用塗料組成物の製造方法。
- 電極活物質、導電剤、結着剤及び溶剤を含有する電極合剤層用塗料組成物を電極集電体に塗布し、乾燥して成る非水電解質電池用電極において、
上記電極合剤層用塗料組成物が、少なくとも電極活物質、導電剤及び結着剤を混練して得られる電極合剤層用混練組成物に、少なくとも溶剤を加え、分散させて得られるものであり、
上記電極合剤層用混練組成物は、混練直後のゼータ電位の絶対値(ζ0)と混練後24〜27時間経過後のゼータ電位の絶対値(ζ1)とから規定されるゼータ電位変化率(ζ1/ζ0×100)が110%以下である
ことを特徴とする非水電解質電池用電極。 - 正極及び負極と、非水電解質と、セパレータと、これらを収容する外装部材を備え、上記正極及び負極が電極集電体上に形成した電極合剤層を有する非水電解質電池において、
上記正極及び/又は負極の電極合剤層の形成に電極合剤層用塗料組成物が用いられ、
上記電極合剤層用塗料組成物が、少なくとも電極活物質、導電剤及び結着剤を混練して得られる電極合剤層用混練組成物に、少なくとも溶剤を加え、分散させて得られるものであり、
上記電極合剤層用混練組成物は、混練直後のゼータ電位の絶対値(ζ0)と混練後24〜27時間経過後のゼータ電位の絶対値(ζ1)で規定されるゼータ電位変化率(ζ1/ζ0×100)が110%以下である
ことを特徴とする非水電解質電池。
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- 2006-06-14 JP JP2006164178A patent/JP2007335175A/ja active Pending
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