JP2007332251A - 液晶性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 物性、特には相転移温度を自在に制御できる新規な液晶性組成物を提供する。
【解決手段】 光感応性異性化基及び環状脂肪族基を有する化合物の少なくとも一種と、液晶化合物の少なくとも一種とを含有する液晶性組成物である。好ましくは、前記光感応性異性化基及び環状脂肪族基を有する化合物が、下記一般式(1)で表される化合物である前記液晶性組成物である。
Figure 2007332251

【選択図】 なし

Description

本発明は、ディスプレイ、オプトエレクトロニクス及びフォトニクス分野において有用な新規な液晶性組成物に関する。
高度な情報化社会の進展に伴い、情報の伝送、処理、及び記録に対して光技術を用いる試みが多数なされている。そのような状況において、分子の配向状態の変化を利用することにより光を自在にマニピュレートできる液晶は、極めて有用な材料として多くの注目が集まっている。
液晶を利用した光学素子としては、文字や画像を表示するためのディスプレイが代表的なものであるが、その他にも、空間光変調器、調光材料、光学補償板、非線形光学材料等が知られており、また、光学機能の他にも特異な物性を反映して、導電性材料、光伝導性材料、高強度材料、トライボロジー材料、電気粘性流体等への応用が期待されている。
このような多種多様な用途に対し、それらの仕様を充分に満たすためには、基本となる液晶化合物の構造の多様化を図るのみならず、その液晶化合物を他の化合物と混合し、組成物として物性を自在に制御可能とすることが必要である。
例えば、非特許文献1に記載されている化合物は、ディスコティック液晶性を有しているものの、応用を考えた場合その取扱いは必ずしも満足のいくものではない場合もある。
例えば、用いたい支持体の耐熱温度が低い場合、液晶相の相転移温度を低下させた組成物が望ましいのであるが、それを達成しようとすることで、必要な液晶相を消失させてしまうこともしばしば生じる。従って、新たな観点からの物性を自在に制御できる新たな液晶性組成物の開発が望まれていた。
Polymer Journal, 36, 661-664(2004)
本発明の目的は、物性、特には相転移温度を自在に制御できる新規な液晶性組成物を提供することにある。また、本発明は、ディスプレイ、オプトエレクトロニクス及びフォトニクス分野において有用な新規な液晶性組成物を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
[1] 光感応性異性化基及び環状脂肪族基を含む化合物の少なくとも一種と、液晶化合物の少なくとも一種とを含有する液晶性組成物。
[2] 前記光感応性異性化基及び環状脂肪族基を有する化合物が、アゾ化合物である[1]の液晶性組成物。
[3] 前記アゾ化合物が、下記一般式(1)で表される化合物である[2]の液晶性組成物:
Figure 2007332251
式中、Ar11、Ar12、Ar21及びAr22はそれぞれ独立して、置換若しくは無置換の、芳香環又は複素環の残基を表し;X及びYはそれぞれ独立して、単結合又は二価の連結基を表し;R1は置換若しくは無置換の、環状脂肪族基を表し;R2は置換若しくは無置換の、環状脂肪族基、アルキル基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表し;n及びmはそれぞれ0〜3の整数を表し;oは、1〜4の整数を表し;及びpは、0〜4の整数を表す。
[4] 前記R1が、複数の環から構成される縮環構造を有する環状脂肪族基である[3]の液晶性組成物。
[5] 前記液晶化合物が、重合性基を有する液晶化合物である[1]〜[4]のいずれかの液晶性組成物。
[6] 前記液晶化合物が、複数の重合性基を有する液晶化合物である[5]の液晶性組成物。
[7] 前記液晶化合物が、棒状液晶化合物である[1]〜[6]のいずれかの液晶性組成物。
[8] 光照射により液晶相の相転移温度を変化させ得る[1]〜[7]のいずれかの液晶性組成物。
本発明では、液晶性組成物中に光感応性異性化基を有する分子を存在させて、該組成物の相転移温度を制御可能にするのみならず、光照射の制御により、立体異性化又は構造異性化を起こさせることにより、組成物の相転移温度を変化可能にしている。即ち、本発明によれば、相転移温度等の物性を広範囲に制御可能な液晶性組成物を提供することができる。
発明の実施の形態
以下に本発明の液晶性組成物について詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明の一態様は、液晶化合物を少なくとも一種、及び光感応性異性化基及び環状脂肪族基の双方を有する化合物の少なくとも一種を含有する液晶性組成物に関する。本発明では、組成物中の組成を変化させることにより、液晶相の転移温度を制御可能にし得ることに加え、組成物中に光感応性異性化基及び環状脂肪族基の双方を有する化合物を含有させることによって、光照射により光感応性異性化基を有する分子に、立体異性化又は構造異性化を起こさせて、液晶相の転移温度をさらに変化可能としている。また、環状構造を有することにより、相転移温度の変化をより大きくすることができ、その結果、本態様の液晶性組成物は、物性、特に相転移温度、を広範囲に制御可能である。
本発明の実施形態では、前記光感応性異性化基及び環状脂肪族基の双方を有する化合物は、アゾ化合物から選択されてもよい。また、前記光感応性異性化基及び環状脂肪族基の双方を有する化合物は、複数の環から構成される環状脂肪族基を有する化合物から選択されてもよい。前記液晶化合物は、重合性基を有する液晶化合物から選択されてもよい。いずれの実施形態においても、組成物中の組成を変化させることにより、物性、主には相転移温度、を制御可能にし得ることに加え、組成物中に光感応性異性化基及び環状脂肪族基の双方を有する化合物を含有させることによって、光照射により光感応性異性化基を有する分子に、立体異性化又は構造異性化を起こさせて、物性をさらに変化可能としている。
以下、本発明の組成物の調製に用いられる種々の材料について説明する。
[液晶化合物]
本発明の液晶性組成物に用いる液晶化合物は、棒状液晶化合物又は円盤状液晶化合物のいずれを用いてもよいが、棒状液晶化合物が好ましい。また、2つ以上の棒状液晶化合物、2つ以上の円盤状液晶化合物もしくは棒状液晶化合物と円盤状液晶化合物の混合物でもよい。本発明の組成物を、光学特性(例えば位相差)の大きさが、熱等の外部の環境に応じて変動しないのが好ましい光学補償フィルム等の作製に用いる場合には、液晶化合物は、重合性基を有しているのが好ましい。熱による変化をより小さくするために、重合性基は複数有している液晶化合物を用いるのがより好ましい。
[棒状液晶化合物]
本発明に使用可能な棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性化合物だけではなく、高分子液晶性化合物も用いることができる。上記高分子液晶性化合物は、低分子の反応性基を有する棒状液晶性化合物が重合した高分子化合物である。
棒状液晶化合物としては、上記以外にも低分子の重合性基を有する棒状液晶性化合物を用いることができる。好ましい重合性基を有する棒状化合物としては、下記一般式(RLC−1)で表される棒状液晶性化合物である。
一般式(RLC−1) : Q1−L1−A1−L3−M−L4−A2−L2−Q2
式中、Q1及びQ2はそれぞれ独立に、重合性基又は水素原子であり、L1、L2、L3及びL4はそれぞれ独立に、単結合又は二価の連結基を表す。A1及びA2はそれぞれ独立に、炭素原子数2〜20のスペーサー基を表す。Mはメソゲン基を表す。
以下に、上記一般式(RLC−1)で表される反応性基を有する棒状液晶性化合物についてさらに詳細に説明する。式中、Q1及びQ2は、それぞれ独立に、重合性基又は、水素原子である。重合性基は、付加重合(開環重合を含む)又は縮合重合可能であるのが好ましく、換言すれば、重合性基は付加重合反応又は縮合重合反応が可能な反応性基であることが好ましい。
1、L2、L3及びL4で表される二価の連結基としては、−CH2−、−O−、−S−、−CO−、−NR2−、−CO−O−、−O−CO−O−、−CO−NR2−、−NR2−CO−、−O−CO−、−O−CO−NR2−、−NR2−CO−O−、及びNR2−CO−NR2−からなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記R2は炭素原子数が1〜7のアルキル基又は水素原子である。この場合、L3及びL4の少なくとも一方は、−O−CO−(エステル基)、−O−CO−O−(カーボネート基)であることが好ましい。前記式(RLC−1)中、Q1及びQ2が重合性基の場合、Q1−L1及びQ2−L2−は、CH2=CH−CO−O−、CH2=C(CH3)−CO−O−及びCH2=C(Cl)−CO−O−CO−O−が好ましく、CH2=CH−CO−O−が最も好ましい。
1及びA2は、炭素原子数2〜20を有するスペーサー基を表す。A1及びA2は、炭素原子数2〜12の脂肪族基であるのが好ましく、特にアルキレン基が好ましい。スペーサー基は鎖状であることが好ましく、隣接していない酸素原子又は硫黄原子を含んでいてもよい。また、前記スペーサー基は、置換基を有していてもよく、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素)、シアノ基、メチル基、エチル基が置換していてもよい。
Mで表されるメソゲン基としては、すべての公知のメソゲン基が挙げられる。特に下記一般式(M−1)で表される基が好ましい。
一般式(M−1):−(−W1−L5n−W2
式中、W1及びW2は各々独立して、二価の環状脂肪族基、二価の芳香族基又は二価のヘテロ環基を表し、L5は単結合又は連結基を表し、連結基の具体例としては、前記式(M−1)中、L1〜L4で表される基の具体例、−CH2−O−、及び−O−CH2−が挙げられる。nは1、2又は3を表す。
1及びW2としては、1,4−シクロヘキサンジイル、1,4−フェニレン、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5ジイル、1,3,4−チアジアゾール−2,5−ジイル、1,3,4−オキサジアゾール−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイルが挙げられる。1,4−シクロヘキサンジイルの場合、トランス体及びシス体の構造異性体があるが、どちらの異性体であってもよく、任意の割合の混合物でもよい。トランス体であることがより好ましい。W1及びW2は、それぞれ置換基を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、シアノ基、炭素原子数1〜10のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基など)、炭素原子数1〜10のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基など)、炭素原子数1〜10のアシル基(ホルミル基、アセチル基など)、炭素原子数1〜10のアルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基など)、炭素原子数1〜10のアシルオキシ基(アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基など)、ニトロ基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基などが挙げられる。
[円盤状(ディスコティック)液晶化合物]
本発明では、液晶化合物としてディスコティック液晶化合物を用いてもよい。ディスコティック液晶化合物とは、ディスコティック液晶相を示し得る液晶化合物である。ディスコティック液晶相は、円盤状分子の中心コアが分子間力で柱状に積み重なった柱状相(columnar phase)と、円板状分子が乱雑に凝集したディスコティックネマティック相と、カイラルディスコティックネマティック相に大別できることが知られている。しかし、W.H.dejeu著のPhysical properties of liquidcrystalline materials(1980 by Gordon and Breach,Science Publishers)に記載されているように、柱状相はしばしば見出されるが、ディスコティックネマティック相は稀にしか見出されていない。一方、大面積で均一な配向を実現しようとすると、ディスコティックネマティック相が有用である。本発明に用いるディスコティック液晶化合物の種類については特に制限されないが、単独で又は他の液晶性及び/又は非液晶性化合物との併用により、ディスコティックネマティック相を示すことが可能な化合物を用いるのが好ましい。中でも、単独でディスコティックネマティック相に転移し得るディスコティック液晶性化合物を用いるのが好ましい。又、ディスコティックネマティック相に転移し得る2種以上のディスコティック液晶性化合物の混合物も、同様に好ましい。
ディスコティック液晶化合物は、上記した通り、円盤状の分子構造を有する。円盤状の分子の母核部分(コア部)をなす円盤状の形態的特徴は、例えば、その原形化合物である水素置換体について、以下のように表現され得る。まず、分子の大きさを以下のようにして求める。
1)該分子につき、できる限り平面に近い、好ましくは平面分子構造を構築する。この場合、結合距離、結合角としては、軌道の混成に応じた標準値を用いることが好ましく、例えば、日本化学会編、化学便覧改訂4版基礎編、第II冊15章(丸善 1993年刊)を参照することができる。
2)前記1)で得られた構造を初期値として、分子軌道法や分子力場法にて構造最適化する。方法としては例えば、Gaussian92、MOPAC93、CHARMm/QUANTA、MM3が挙げられ、好ましくはGaussian92である。
3)構造最適化された各原子にファンデルワールス半径で定義される球を付与し、これによって分子の形状を記述する。
4)前記3)で形状の得られた該分子部分が入り得る最少の直方体の3個の稜をa、b、cとする。任意性をより少なくするためには、上記3)以降を以下のように行うことが好ましい。
5)構造最適化によって得られた構造の重心を原点に移動させ、座標軸を慣性主軸(慣性テンソル楕円体の主軸)にとる。
6)各原子にファンデルワールス半径で定義される球を付与し、これによって分子の形状を記述する。
7)ファンデルワールス表面上で各座標軸方向の長さを計測し、それらそれぞれをa、b、cとする。
以上の手順により求められたa、b、cを用いて円盤状の形態を定義すると、a≧b>cかつa≧b≧a/2、好ましくはa≧b>cかつa≧b≧0.7aと表すことができる。また、b/2>cであることが好ましい。かかる関係を満足する分子構造を有する化合物を用いるのが好ましい。
また具体的化合物として挙げると、例えば前述の文献や、日本化学会編、季刊化学総説No.22 液晶の化学 第5章、第10章2節(学会出版センター 1994年刊)、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.Liq.Cryst.71巻、111頁(1981年)、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)、J.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Soc.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhang、J.S.Mooreらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.,116巻、2655頁(1994年)に記載の母核化合物の誘導体が挙げられる。 例えば、ベンゼン誘導体、トリフェニレン誘導体、トルキセン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、アントラセン誘導体、アザクラウン誘導体、シクロヘキサン誘導体、β−ジケトン系金属錯体誘導体、ヘキサエチニルベンゼン誘導体、ジベンゾピレン誘導体、コロネン誘導体及びフェニルアセチレンマクロサイクルであり、さらに、日本化学会編、"化学総説No.15 新しい芳香族の化学"(東京大学出版会 1977年刊)に記載の環状化合物及びそれらの複素原子置換等電子構造体を挙げることができる。これらの他、水素結合や配位結合により円盤状化合物が形成され得るものでもよい。これらを分子の中心の母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基等がその側鎖として放射状に置換された構造によりディスコティック液晶化合物が形成される。
本発明では、母核化合物として、ディスコティックネマティック(ND)相を形成する化合物を用いるのが好ましい。特に好ましくはトリフェニレン及びトルキセンが挙げられる。側鎖としては、例えばアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アシルオキシ基が挙げられ、側鎖中にアリール基、複素環基を含んでいてもよい。また、C.Hansch、A.Leo、R.W.Taft著、ケミカルレビュー誌(Chem.Rev.)1991年、91巻、165−195ページ(アメリカ化学会)に記載されている置換基で置換されていてもよく、代表例としてアルコキシ基、アルキル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子が挙げられる。更に側鎖中に、例えばエーテル基、エステル基、カルボニル基、チオエーテル基、スルホキシド基、スルホニル基、アミド基のような官能基を有していてもよい。
以下、側鎖について詳細に説明する。
側鎖部分としては、例えばアルカノイルオキシ基(例えば、ヘキサノイルオキシ、ヘプタノイルオキシ、オクタノイルオキシ、ノナノイルオキシ、デカノイルオキシ、ウンデカノイルオキシ)、アルキルスルホニル基(例えば、ヘキシルスルホニル、ヘプチルスルホニル、オクチルスルホニル、ノニルスルホニル、デシルスルホニル、ウンデシルスルホニル)、アルキルチオ基(例えば、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、ドデシルチオ)、アルコキシ基(例えば、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ)、2−(4−アルキルフェニル)エチニル基(例えば、アルキル基としてメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル)、末端ビニルアルコキシ基(例えば、4−ビニルブトキシ、5−ビニルペンチルオキシ、6−ビニルヘキシルオキシ、7−ビニルヘプチルオキシ、8−ビニルオクチルオキシ、9−ビニルノニルオキシ)、4−アルコキシフェニル基(例えばアルコキシ基として、前述のアルコキシ基で挙げたもの)、アルコキシメチル基(例えばアルコキシ基として、前述のアルコキシ基で挙げたもの)、アルキルチオメチル基(例えばアルキルチオ基として、前述のアルキルチオ基で挙げたもの)、2−アルキルチオメチル(例えばアルキルチオ基として、前述のアルキルチオ基で挙げたもの)、2−アルキルチオエトキシメチル(例えばアルキルチオ基として、前述のアルキルチオ基で挙げたもの)、2−アルコキシエトキシメチル基(例えばアルコキシ基として、前述のアルコキシ基で挙げたもの)、2−アルコキシカルボニルエチル基(例えばアルコキシ基として、前述のアルコキシ基で挙げたもの)、コレステリルオキシカルボニル、β−シトステリルオキシカルボニル、4−アルコキシフェノキシカルボニル基(例えばアルコキシ基として、前述のアルコキシ基で挙げたもの)、4−アルコキシベンゾイルオキシ基(例えばアルコキシ基として、前述のアルコキシ基で挙げたもの)、4−アルキルベンゾイルオキシ基(例えばアルキル基として、前述の2−(4−アルキルフェニル)エチニル基挙げたもの)、4−アルコキシベンゾイル基(例えばアルコキシ基として、前述のアルコキシ基で挙げたもの)が挙げられる。
また、前述のもののうち、フェニル基は他のアリール基(例えば、ナフチル基、フェナンスリル基、アントラセニル基)でもよいし、また前述の置換基に加えて更に置換されてもよい。また、該フェニル基は複素芳香環(例えば、ピリジル基、ピリミジル基、トリアジニル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基)であってもよい。上述のコア部と側鎖部の構造及び数との適当な組み合わせにより、及び/又はコア部と側鎖部の構造及び数との適当な組み合わせによって得られた類似化合物の混合によりディスコティック液晶性を示す化合物が形成される。これをディスコティック液晶化合物と呼ぶ。ディスコティック液晶化合物が重合性基を有する場合には、上述の側鎖部に水素原子と置き替わって有されており、末端にあることが好ましい。
本発明の液晶性組成物は、液晶化合物を複数種(例えば、複数種の棒状液晶化合物、複数種の円盤状液晶化合物、円盤状液晶化合物及び棒状液晶化合物の双方)を含有していてもよいし、1種又は複数種の液晶化合物と1種又は複数種の非液晶性の化合物とを含有していてもよい。
本発明に用いるディスコティック液晶化合物は、重合性基を有しているのが好ましい。本発明における重合性基とは、例えば村橋俊介編著「高分子化学」(共立出版 1966年刊)2〜5章に記された重合法に用いられる官能基であり、例えば多重結合(構成原子は、炭素原子、非炭素原子のいずれでもよい)、オキシラン、アジリジンなどの複素小員環、イソシアナートとそれに付加するアミンなど異種官能基の組合せが挙げられる。R.A.M.Hikmetらの研究報告〔Macromolecules,25巻,4194頁(1992)〕及び〔Polymer ,34巻,8号,1763頁(1993年)〕、D.J.Broerらの研究報告〔Macromolecules,26巻,1244頁(1993)〕に記載されているように、二重結合すなわち、アクリロイルオキシ基、メタアクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基及びエポキシ基が好ましい例として挙げられ、アクリロイルオキシ基が特に好ましい。
本発明では、ディスコティック液晶化合物として、トリフェニレン誘導体を用いるのが好ましく、中でも、ベンゾアート基を置換基として有するトリフェニレン誘導体を用いるのがディスコティックネマティック相発現性の高い点で好ましい。本発明における好ましいディスコティック液晶化合物の一般式を以下に例示する。
一般式(A−1)
Figure 2007332251
式中、R12はアルキル基を表し、Yはそれぞれ独立にハロゲン原子、炭素原子数1〜3のアルキル基又は炭素原子数1〜3のアルコキシ基を表す。但し、Yにより表されるアルキル基及びアルコキシ基の主鎖の原子数は、R12により表されるアルキル基の主鎖の原子数を越えることはない。m1は0又は1を表し、n1は0〜2の整数を表す。
一般式(A−1)について詳細に説明する。R12により表されるアルキル基は、無置換でも、例えばアルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素)等により置換されていてもよい。R12としては、例えば、アルキル基(例えば、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル)、アルコキシアルキル基(例えば、2−メトキシエチル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル、2−〔(2−メトキシエトキシ)−2−メトキシエトキシ〕エチル、2−n−ブトキシエチル、2−エトキシエチル、2−(2−エトキシエトキシ)エチル、3−メトキシプロピル、3−エトキシプロピル、3−n−プロピルオキシプロピル、3−ベンジルオキシプロピル)、アラルキル基(例えば、2−フェニルエチル、2−(4−n−ブチルオキシフェニル)オキシ)が挙げられる。R12において、主鎖をなす原子数は4〜22が好ましく、更に4〜12が好ましい。中でも、直鎖のものが好ましく、更にアルキル基が好ましい。
Yにより表されるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピルが挙げられる。アルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシが挙げられる。好ましくは、メチル、エチル、メトキシであり、更に好ましくはメチルである。m1は好ましくは0であり、n1は好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。R12及びYは、置換基として重合性基を有していてもよく、重合性基の位置は末端であることが好ましい。
また、本発明では、液晶化合物として、下記一般式(A−2)で表される円盤状液晶化合物を用いるのも好ましい。
一般式(A−2)
Figure 2007332251
一般式(A−2)中、Y11、Y12及びY13は、それぞれ独立にメチン又は窒素原子を表す。
11、Y12及びY13がそれぞれメチンの場合は、メチンは置換基を有していてもよい。メチンの置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子及びシアノ基を挙げることができる。これらの中では、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子及びシアノ基がさらに好ましく、炭素原子数は1〜12のアルキル基、炭素原子数は1〜12のアルコキシ基、炭素原子数は2〜12アルコキシカルボニル基、炭素原子数は2〜12アシルオキシ基、ハロゲン原子及びシアノ基がより好ましい。
11、Y12及びY13は、すべてメチンであることが好ましく、またメチンは無置換であるのがより好ましい。
一般式(A−2)中、L1、L2及びL3は、それぞれ独立に単結合又は二価の連結基である。L1、L2及びL3がそれぞれ表す二価の連結基としては、−O−、−S−、−C(=O)−、−NR7−、−CH=CH−、−C≡C−、二価の環状基及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記R7は、炭素原子数が1〜7のアルキル基又は水素原子であり、炭素原子数1〜4のアルキル基又は水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基又は水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
1、L2及びL3でそれぞれ表される二価の環状基とは、少なくとも1種類の環状構造を有する二価の連結基である。二価の環状基は5員環、6員環又は7員環であることが好ましく、5員環又は6員環であることがさらに好ましく、6員環であることが最も好ましい。環状基に含まれる環は、縮合環であってもよい。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。また、環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環及び複素環のいずれでもよい。芳香族環の例には、ベンゼン環及びナフタレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、ピリジン環及びピリミジン環が含まれる。環状基は、芳香族環及び複素環が好ましい。
1、L2及びL3でそれぞれ表される二価の環状基のうち、ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレンが好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,5−ジイル及びナフタレン−2,6−ジイルが好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレンであることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイルが好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイルが好ましい。
1、L2及びL3でそれぞれ表される二価の環状基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数が1〜16のアルキル基、炭素原子数が1〜16のアルケニル基、炭素原子数が1〜16のアルキニル基、炭素原子数が1〜16のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数が1〜16のアルコキシ基、炭素原子数が2〜16のアシル基、炭素原子数が1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数が2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数が2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数が2〜16のアルキル置換カルバモイル基及び炭素原子数が2〜16のアシルアミノ基が含まれる。
1、L2及びL3としては、単結合、*−O−CO−、*−CO−O−、*−CH=CH−、*−C≡C−、*−二価の環状基−、*−O−CO−二価の環状基−、*−CO−O−二価の環状基−、*−CH=CH−二価の環状基−、*−C≡C−二価の環状基−、*−二価の環状基−O−CO−、*−二価の環状基−CO−O−、*−二価の環状基−CH=CH−、*−二価の環状基−C≡C−が好ましい。特に、単結合、*−CH=CH−、*−C≡C−、*−CH=CH−二価の環状基−、*−C≡C−二価の環状基−が好ましく、単結合であるのがより好ましい。なお、*は一般式(A−2)中のY11、Y12及びY13を含む6員環に結合する位置を表す。
1、H2及びH3はそれぞれ独立に、下記一般式(DI−A)もしくは下記一般式(DI−B)を表す。
一般式(DI−A)
Figure 2007332251
一般式(DI−A)中、YA1及びYA2は、それぞれ独立にメチン又は窒素原子を表す。YA1及びYA2としては、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、両方が窒素原子であることがより好ましい。XAは酸素原子、硫黄原子、メチレン、又はイミノを表す。XAとしては、酸素原子であることがより好ましい。*はL1〜L3とそれぞれ結合する位置を表し、**はR1〜R3とそれぞれ結合する位置を表す。
一般式(DI−B)
Figure 2007332251
一般式(DI−B)中、YB1及びYB2は、それぞれ独立にメチン又は窒素原子を表す。YB1及びYB2としては、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、両方が窒素原子であることがより好ましい。XBは酸素原子、硫黄原子、メチレン、又はイミノを表す。XBとしては、酸素原子であることがより好ましい。*はL1〜L3と結合する位置を表し、**はR1〜R3と結合する位置を表す。
前記式(A−2)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に下記一般式(DI−R)を表す。
一般式(DI−R)
*−(−L21−Cy)n1−L22−L23−Q1
一般式(DI−R)中、*は一般式(DI−A)及び(DI−B)中の5員環に結合する位置を表す。
一般式(DI−R)中、L21は単結合又は二価の連結基であり、L21が二価の連結基の場合、−O−、−S−、−C(=O)−、−NR7−、−CH=CH−、−C≡C−、及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記R7は炭素原子数が1〜7のアルキル基又は水素原子であり、炭素原子数1〜4のアルキル基又は水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基又は水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることがより好ましい。
21は単結合、及び、**−O−CO−、**−CO−O−、**−CH=CH−、**−C≡C−(ここで、**は一般式(DI−R)中のL21の左側を表す)が好ましい。特に、単結合が好ましい。
一般式(DI−R)中、Cyは、少なくとも1種類の環状構造を有する二価の環状基である。Cyで表される二価の環状基は5員環、6員環、又は7員環であることが好ましく、5員環又は6員環であることがより好ましく、6員環であることがさらに好ましい。環状基に含まれる環は、縮合環であってもよい。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。また、環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、及び複素環のいずれでもよい。芳香族環の例には、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、ピリジン環及びピリミジン環が含まれる。
ベンゼン環を有する二価の環状基としては、1,4−フェニレンが好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイルナフタレン−2,7−ジイルが好ましい。シクロヘキサン環を有する二価の環状基としては、1,4−シクロへキシレンであることが好ましい。ピリジン環を有する二価の環状基としては、ピリジン−2,5−ジイルが好ましい。ピリミジン環を有する二価の環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイルが好ましい。Cyとしては、特に、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル及び1,4−シクロへキシレンが好ましい。
Cyで表される二価の環状基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数が1〜16のアルキル基、炭素原子数が1〜16のアルケニル基、炭素原子数が1〜16のアルキニル基、炭素原子数が1〜16のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数が1〜16のアルコキシ基、炭素原子数が2〜16のアシル基、炭素原子数が1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数が2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数が2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数が2〜16のアルキル置換カルバモイル基及び炭素原子数が2〜16のアシルアミノ基が含まれる。二価の環状基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子数が1〜6のハロゲン置換アルキル基が好ましく、さらに、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜4のアルキル基、炭素原子数が1〜4のハロゲン置換アルキル基が好ましく。特に、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基が好ましい。
一般式(DI−R)中、n1は、0〜4整数を表す。n1としては、1〜3の整数が好ましく。特に、1もしくは2が好ましい。
一般式(DI−R)中、L22は、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−、*−O−CO−O−、*−S−、*−NH−、*−SO2−、*−CH2−、*−CH=CH−、*−C≡C−、を表す。ここで、*は一般式(DI−R)中のCy(例えばベンゼン環)に結合する位置を表す。好ましくは、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−、*−O−CO−O−、*−CH2−、*−CH=CH−、*−C≡C−であり、特に、*−O−、*−O−CO−、*−O−CO−O−、*−CH2−が好ましい。上述の基が水素原子を含む基であるときは、該水素原子は置換基で置き換わってもよい。このような置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアルキルで置換されたカルバモイル基及び炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が好ましい例として挙げられ、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましい。
一般式(DI−R)中、L23は、−O−、−S−、−C(=O)−、−SO2−、−NH−、−CH2−、−CH=CH−、−C≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基である。ここで、−NH−、−CH2−、−CH=CH−の水素原子は、他の置換基に置き換えられていてもよい。他の置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子数が1〜6のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数が1〜6のアルコキシ基、炭素原子数が2〜6のアシル基、炭素原子数が1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数が2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数が2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数が2〜6のアルキル置換カルバモイル基及び炭素原子数が2〜6のアシルアミノ基が含まれる。特に、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜6のアルキル基が好ましい。これらの置換基に置き換えられることにより、液晶性組成物の調製をする際に、使用する溶媒に対する溶解性を向上させることができる。
23は、−O−、−C(=O)−、−CH2−、−CH=CH−及び−C≡C−から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせからなることが好ましい。L23は、炭素原子を1〜20個含有することが好ましく、炭素原子を2〜14個含有することが特に好ましい。さらに、L23は、−CH2−を1〜16個含有することが好ましく、−CH2−を2〜12個含有することがより好ましい。
一般式(DI−R)中、Q1はそれぞれ独立に、重合性基又は水素原子である。本発明の組成物を、光学特性(例えば位相差)の大きさが、熱等の外部の環境に応じて変動しないのが好ましい光学補償フィルム等の作製に用いる場合には、Q1は重合性基であることが好ましい。前記重合性基は、付加重合(開環重合を含む)又は縮合重合可能であることが好ましく、言い換えると、重合性基は、付加重合反応又は縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。重合性基は付加重合反応が可能な官能基であることが特に好ましい。そのような重合性基としては、重合性エチレン性不飽和基又は開環重合性基が好ましい。
開環重合性基として好ましいのは、環状エーテル基であり、中でもエポキシ基又はオキセタニル基がより好ましく、エポキシ基がさらに好ましい。
[光感応性異性化基及び環状脂肪族基を有する化合物]
本発明の組成物は、光感応性異性化基及び環状脂肪族基の双方を有する化合物の少なくとも一種を含有する。本明細書において「光感応性異性化基」とは、例えば、光により立体異性化又は構造異性化を起こすものであり、好ましくは、さらに別の波長の光又は熱によってその逆異性化を起こすものである。これらの化合物として一般的には、構造変化と共に可視域での色調変化を伴うものは、フォトクロミック化合物としてよく知られているものが多く、具体的には、アゾベンゼン系化合物、ベンズアルドキシム系化合物、アゾメチン系化合物、スチルベン系化合物、スピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化合物、フルギド系化合物、ジアリールエテン系化合物、ケイ皮酸系化合物、レチナール系化合物、ヘミチオインジゴ系化合物等が挙げられる。中でも、アゾ基を有するアゾ化合物が好ましい。
本明細書において「環状脂肪族基」とは、環状構造を有する脂肪族基のことであり、環構成原子である炭素原子(C、CH、CH2)が、酸素、硫黄、窒素などのヘテロ原子に1つ以上置換されたものも、環状脂肪族基に含まれる。炭素原子数3〜18の環構造を含む環状脂肪族基が好ましく、また、複数の環から構成される縮環構造を含む環状脂肪族基が好ましい。環状脂肪族基の具体例には、単環性若しくは縮環性のシクロアルキル基、環状エーテル基、環状スルフィド基、環状ジスルフィド基、環状アミノ基、ラクトン環基、ラクタム環基等の残基が挙げられ、中でも複数の環から構成される縮環構造を有する、アダマンチル基、ビシクロ[2,2,2]オクチル基、ビシクロ[3,2,2]ノニル基、デカヒドロナフタレニル基、2,6,7−トリオキサビシクロ[2,2,2]オクチル基,2,8,9−トリオキサアダマンチル基が好ましい例として挙げられる。これらの環状脂肪族基は、光感応性異性化基に直接結合していることが好ましい。
また、本発明に使用可能な光感応性異性化基を有する化合物は、低分子化合物でもポリマーでもよく、ポリマーの場合、光感応性異性化基が主鎖中でも側鎖中でも同様の機能を発揮できる。また、ポリマーはホモポリマーでも、コポリマーでもよく、コポリマーの共重合比は光異性化能、Tg等のポリマー物性を適切に調節すべく適宜好ましい値で用いられる。高分子の主鎖としては例えば、ポリスチレン、マロン酸ポリエステル、ポリアクリーレート、ポリメタアクリレート、ポリシロキサン、ポリアクリルアミド、ポリメタアクリルアミド、ポリオキシアルキレン、テレフタル酸ポリエステル、ポリアリルアミン、ポリジカルボン酸アミド、ポリウレタン、ポリオキシフェニレン、ポリビニルアルコール、ポリコ(塩化ビニリデン)(メタクリレート)が挙げられる。
また、これらの光感応性異性化基及び環状脂肪族基を有する化合物は、液晶化合物であってもよい。すなわち、液晶化合物の分子中に光感応性異性化基及び環状脂肪族基を含んでいてもよい。
本発明では、光感応性異性化基及び環状脂肪族基を有する化合物として、下記一般式(1)で表されるアゾ化合物を用いるのが好ましい。
一般式(1)
Figure 2007332251
前記式において、Ar11、Ar12、Ar21及びAr22はそれぞれ、置換基を有していてもよい、芳香環又は複素環の残基を表す。芳香環及び複素環の炭素原子数は特に制限されるものではないが、芳香環の炭素原子数は、好ましくは6〜10、より好ましくは6であり、複素環の炭素原子数は5〜10である。Ar11、Ar12、Ar21及びAr22はそれぞれ、置換もしくは無置換の、ベンゼン環、ナフタレン環、フラン環又はチオフェン環の残基であるのが好ましく、置換もしくは無置換のベンゼン環の残基であるのが特に好ましい。X及びYはそれぞれ、単結合又は二価の連結基を表す。X及びYはそれぞれ、単結合、又はC=C、C≡C、COO、OCO、CONH、NHCO、OCOO、OCONH及びNHCOOからなる群より選ばれる二価の連結基であるのが好ましく、単結合であるのがより好ましい。R1は置換若しくは無置換の、環状脂肪族基を表す。ここで、環状脂肪族基としては、酸素、硫黄、窒素などのヘテロ原子をその環構造に含む環状脂肪族基も含まれる。環状脂肪族基の意義及び好ましい範囲については、前述の説明の通りである。R2は置換若しくは無置換の環状脂肪族基、アルキル基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子等であるのが好ましく、置換若しくは無置換の環状脂肪族基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アルカノイルオキシ基又はシアノ基等であるのが特に好ましい。ここで、置換若しくは無置換の、環状脂肪族基の意義及び好ましい範囲については前記と同様である。
1及びR2は重合性基を含んでいるのが好ましい。好ましい重合性基の例としては、アクリロイルオキシ基、メタアクリロイルオキシ基、ビニル基、ビニルオキシ基、グリシジル基及びオキセタン基等を挙げることができる。さらに、R1及びR2はそれぞれ、高分子の主鎖に連結し、側鎖型高分子を形成していてもよい。
n及びmは独立して0〜3の整数を示す。好ましくはいずれも0の場合である。なお、mが2以上である場合、複数存在する−Ar11−X−は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、nが2以上である場合も同様に、複数ある−Y−Ar12−は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。oは1〜4の整数であり、好ましくは、1である。また、pは独立して0〜4の整数であり、好ましくは1である。なお、oが2以上である場合、複数存在するR1はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、pが2以上である場合も同様に、R2はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
又、本発明では、光感応性異性化基及び環状脂肪族基を有する化合物として、桂皮酸誘導体を用いてもよく、中でも下記一般式(C−1)で表される桂皮酸誘導体を用いるのが好ましい。
一般式(C−1)
Figure 2007332251
前記一般式(C−1)において、Ar11、Ar12、R1、R2、X、Y、m、n、o及びpはそれぞれ、前記一般式(1)中のそれぞれと同義であり、好ましい範囲も同様である。式中、R3及びR4はそれぞれ置換基を表し、q及びrは0〜4の整数を表す。R3及びR4としては、それぞれハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子数が1〜6のアルコキシル基、炭素原子数が1〜6のハロゲン置換アルキル基等であるのが好ましく、q及びrとしては、それぞれ0〜3が好ましい。
又、本発明では、光感応性異性化基及び環状脂肪族基を有する化合物として、スチリルピリジン誘導体を用いてもよく、中でも、下記一般式(C−2)で表されるスチリルピリジン誘導体を用いるのが好ましい。
一般式(C−2)
Figure 2007332251
前記一般式(C−2)において、Ar11、Ar12、R1、R2、R3、R4、X、Y、m、n、o、p、q及びrはそれぞれ、前記一般式(1)及び(C−1)中のそれぞれと同義であり、好ましい範囲も同様である。
本発明に使用可能な光感応性異性化基及び環状脂肪族基を有する化合物として、一般式(1)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明に使用可能な化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007332251
Figure 2007332251
また、上記例示化合物の構造中、アゾベンゼン骨格を桂皮酸骨格に置き換えた化合物、及びスチリルピリジン骨格に置き換えた化合物も、本発明に、光感応性異性化基及び環状脂肪族を有する化合物として使用可能な例示化合物に含まれる。
本発明の組成物は、少なくとも一種の液晶化合物と、少なくとも一種の光感応性異性化基及び環状脂肪族基の双方を有する化合物を含むことは必須であるが、これらを二種以上含むことは勿論、該組成物の液晶性発現を損なわない限り、重合開始剤(光、熱)、連鎖移動剤、架橋剤、界面活性剤、種々の低分子等、他の化合物等を含んでいてもよい。前記光感応性異性化基及び環状脂肪族基を有する化合物は、前記組成物中、0.3〜50質量%であるのが好ましく、1〜15質量%であるのがより好ましい。また、前記液晶化合物は、前記組成物中、45.9〜99.7質量%であるのが好ましく、84.5〜99質量%であるのがより好ましい。
本発明の組成物は、基板上、あるいは基板間に保持し、光学層の一部又は全部を構成することも可能である。この際用いる基板は限定されないが、平坦性の優れたものが好ましい。例えば、金属基板、シリコン基板、透明基板等が挙げられる。金属基板の好ましい例としては、金、銀、銅、アルミ等が挙げられ、透明基板の好ましい例としては、ガラスやプラスチック(ポリエチレンテレフタレート等)等の基板が挙げられる。基板上には、必要に応じて電極部を配してもよい。電極部にはITO、TCO等の透明電極部や金電極部などが好ましい例として挙げられるが、必要に応じて基板そのものを電極として用いることもできる。
基板、あるいは電極部上には配向部を設けてもよい。配向部の構築には種々の一般的な方法が採用できるが、各種ポリイミド系配向膜、ポリビニルアルコール系配向膜等の液晶配向膜を用いる方法が好ましい例として挙げられる。また、必要に応じて、界面活性剤処理等の配向処理、ラビングなどの配向処理を行ってもよい。また、基板上、及び一対の基板間には、必要に応じてスペーサーやシール剤等を用いてもよい。
前記光学層には、必要に応じて適切な重合開始剤、重合禁止剤、光増感剤、架橋剤、重合可能なモノマー、液晶配向助剤などを添加してもよい。これらの添加剤は必ずしも液晶性を有する必要はない。加える添加剤の量は特に限定されない。ただし、用いる添加剤の量は、その液晶性を損なわない量であることが好ましい。
前記光学層を基板上に設ける方法としては、周知の方法が採用される。例えば、前記組成物そのものを塗布する方法、前記組成物を適切な溶媒に溶解して塗布した後に乾燥する方法などが採用される。塗布する方式としては、公知の方法、例えばカーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法、印刷コーティング法等が採用される。また、一対の基板間に該構成成分を注入する方法も採用できる。注入する方式としては、ディスペンサー方式、ベルジャー法などの一般的な方法が採用される。
本発明の組成物は、光照射によって、物性、主には相転移温度、が変化し得る。光照射は、前記光感応性異性化基に光異性化を生じさせるのに充分な条件で行う。照射する光の波長の好ましい範囲は、用いる光感応性異性化基により異なり、その異性化に必要な波長であれば特に限定されるものではない。好ましくは、光照射に用いる光のピーク波長が200nm以上700nm以下であり、より好ましくは光のピーク波長が300nm以上700nm以下である。
光照射に用いる光源は、通常使われる光源、例えばタングステンランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ、水銀ランプ、水銀キセノンランプ、カーボンアークランプ等のランプ、各種のレーザー(例、半導体レーザー、ヘリウムネオンレーザー、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、YAGレーザー)、発光ダイオード、陰極線管などを挙げることができる。光照射は非偏光でも偏光でもよく、偏光を用いる場合は直線偏光を用いることが好ましい。さらに、フィルターや波長変換素子等を用いて必要とする波長の光のみを選択的に照射してもよい。
光照射の方法としては、基板に対して上面、あるいは裏面から基板に対して垂直、あるいは斜めから光を照射する方法が採用される。用いる光照射の波長、光源は前述の通りである。
本発明の組成物は、オプトエレクトロニクス材料、フォトニクス材料、ディスプレイ材料等の作製に用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
<合成例1>
D−1の合成
メカニカルスターラー、温度計を付けた2Lの三ツ口フラスコに、21.5gの4−シクロヘキシルアニリン、及び700mLの1mol/Lの塩酸を秤量し、氷冷下、8.5gの亜硝酸ナトリウムをゆっくりと加えた後、氷冷下30分間撹拌し、ジアゾニウム溶液を調製した。メカニカルスターラー、温度計を付けた5Lの三ツ口フラスコに、11.5gのフェノール、450mLの2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を秤量し、氷冷下撹拌し、フェノキシド溶液とした。このフェノキシド溶液に前述のジアゾニウム溶液を氷冷下ゆっくり滴下し、滴下後、氷冷下2時間撹拌し、さらに室温で3時間反応させた。反応混合物を大過剰の1mol/L塩酸中へ攪拌しながら投入し、吸引濾過、乾燥することで赤褐色固体を得た。得られた赤褐色固体をカラムクロマトグラフィーにて精製し、アゾフェノール中間体25gを得た(収率73%)。メカニカルスターラー、冷却管、温度計を付けた1Lの三ツ口フラスコに、25gのアゾフェノール中間体、7.6gの炭酸カリウム、14mLのノルマルヘキシルブロミド、300mLのN,N−ジメチルアセトアミドを秤量し、80℃にて6時間撹拌した。冷却後、無機塩を濾別し、酢酸エチルを加え、1Lの1mol/L塩酸、飽和食塩水で2回ずつ洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した後、濃縮して黄色固体を得た。得られた個体をアセトニトリルで再結晶し、目的の化合物D−1を25.9g得た(収率79%)。
<合成例2>
D−3の合成
4−アダマンチルアニリン、を用い、D−1と同様の操作を行い目的の化合物D−3を得た(アゾフェノール中間体収率56%、D−3収率70%)。
<合成例3>
D−10の合成
メカニカルスターラー、冷却管、温度計を付けた500mLの三ツ口フラスコに、10gの4−(4−ノルマルヘキシルオキシフェニルアゾ)安息香酸、5mLの塩化チオニル、0.1mLのN,N−ジメチルホルムアミド、100mLのトルエンを秤量し、70℃にて3時間撹拌した。冷却後、溶媒を減圧留去し、50mLの塩化メチレンを加え、酸クロリド溶液とした。メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートを付けた500mLの三ツ口フラスコに、3.4gの3−メチル−3−ヒドロキシオキセタン、3mLのピリジン及び150mLの塩化メチレンを秤量し、氷冷下前述の酸クロリド溶液をゆっくりと滴下後、室温に戻し、室温で6時間反応させた。反応終了後塩を濾別し、蒸留水、飽和食塩水で2回ずつ洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した後、濃縮して黄褐色色固体のエステル中間体を10.1g得た(収率80%)。メカニカルスターラー、温度計を付けた500mLの三ツ口フラスコに、10.1gのエステル中間体を秤量し、窒素雰囲気下50mLの脱水塩化メチレンを加え、−15℃に冷却した。そこへ0.8mLの3フッ化ホウ素 ジエチルエーテル錯体をゆっくり加え、−15℃で8時間反応させた。反応終了後、4mLのトリエチルアミンを加え不溶物を濾別後、濃縮して黄色固体を得た。カラムクロマトグラフィーにて精製し、目的の化合物D−10を8.6g得た(収率85%)。
[実施例1]
配向膜を塗布し、ラビング処理したITO透明電極部を有するガラス基板をアンチパラレルにセットした5μmの空隙を有する水平配向セル(KSPR−05/B511P7NSS イー.エッチ.シー社製)の空隙中に、下記組成物Ia〜Ibをそれぞれ充填して、セルをそれぞれ作製した。
次に、作製した試料を加熱装置(ホットステージFP82HT セントラルプロセッサーFP90 メトラー社製)上に置き、それを偏光顕微鏡(ECLIPSE E600WPOL ニコン社製)にて観察できるよう設置した。
まず、該顕微鏡のフィールドレンズ上にO54フィルター(HOYA製)を設置し、照明用光源(ハロゲンランプ 12V-100W PHILIP社製)から出射される光の光量を観察に必要最低限に絞った場合(条件A)につき、加熱して等方相になったことを確認した後、1℃/分にて降温し、ネマティック相に転移する温度を測定した。次いで、フィルターを設置せず照明用光源の光量を最大にした場合(条件B)につき、加熱して等方相になったことを確認した後、1℃/分にて降温し、光照射時に該液晶性組成物がネマティック相に転移する温度を測定した。
組成物Ia
4−シアノ−4’−ペンチルオキシビフェニル(和光純薬製) 90モル%
アゾベンゼン化合物 D−1 10モル%
組成物Ib
4−シアノ−4’−ペンチルオキシビフェニル(和光純薬製) 95モル%
アゾベンゼン化合物 D−1 5モル%
組成物Ic
4−シアノ−4’−ペンチルオキシビフェニル(和光純薬製) 95モル%
アゾベンゼン化合物 D−3 5モル%
[比較例1]
下記、組成物を用いて実施例1と同様に試料を調製し、実施例1と同様に測定を行った。
組成物I Ia
4−シアノ−4’−ペンチルオキシビフェニル(和光純薬製) 90モル%
アゾベンゼン(アルドリッチ製) 10モル%
組成物I Ib
4−シアノ−4’−ペンチルオキシビフェニル(和光純薬製) 95モル%
アゾベンゼン(アルドリッチ製) 5モル%
組成物I Ic
4−シアノ−4’−ペンチルオキシビフェニル(和光純薬製) 90モル%
4−メトキシ−4’−エチルアゾベンゼン 10モル%
組成物I Id
4−シアノ−4’−ペンチルオキシビフェニル(和光純薬製) 95モル%
4−メトキシ−4’−エチルアゾベンゼン 5モル%
実施例1及び比較例1の試料について、結果を表1にそれぞれ示す。
Figure 2007332251
[実施例2]
配向膜を塗布し、ラビング処理したITO透明電極部を有するガラス基板をアンチパラレルにセットした5μmの空隙を有する水平配向セル(KSPR−05/B511P7NSS イー.エッチ.シー社製)の空隙中に、下記組成物Ia〜Ibをそれぞれ充填して、セルをそれぞれ作製した。
次に、作製した試料を加熱装置(ホットステージFP82HT セントラルプロセッサーFP90 メトラー社製)上に置き、それを偏光顕微鏡(ECLIPSE E600WPOL ニコン社製)にて観察できるよう設置した。
まず、該顕微鏡のフィールドレンズ上にO54フィルター(HOYA製)を設置し、照明用光源(ハロゲンランプ 12V-100W PHILIP社製)から出射される光の光量を観察に必要最低限に絞った場合(条件A)につき、加熱して等方相になったことを確認した後、1℃/分にて降温し、ネマティック相に転移する温度を測定した。次いで、超高圧水銀ランプ電源装置(ModeLC−SHG1 ニコン社製)を該偏光顕微鏡に具備し、超高圧水銀灯(HBO 103W/2N オスムラ社製)から出射される波長365nmの光を照射した(条件C)につき、加熱して等方相になったことを確認した後、1℃/分にて降温し、光照射時に該液晶性組成物がネマティック相に転移する温度を測定した。
組成物Ic
4−シアノ−4’−ペンチルオキシビフェニル(和光純薬製) 95モル%
アゾベンゼン化合物 D−3 5モル%
組成物Id
4−シアノ−4’−オクチルオキシビフェニル(和光純薬製) 95モル%
アゾベンゼン化合物 D−3 5モル%
[比較例2]
下記、組成物を用いて実施例2と同様に試料を作製し、実施例2と同様に測定を行った。
組成物I Ib
4−シアノ−4’−ペンチルオキシビフェニル(和光純薬製) 95モル%
アゾベンゼン(アルドリッチ製) 5モル%
組成物I Ie
4−シアノ−4’−オクチルオキシビフェニル(和光純薬製) 95モル%
アゾベンゼン(アルドリッチ製) 5モル%
組成物I If
4−シアノ−4’−オクチルオキシビフェニル(和光純薬製) 95モル%
4−メトキシ−4’−エチルアゾベンゼン 5モル%
組成物I Ig
4−シアノ−4’−オクチルオキシビフェニル(和光純薬製) 95モル%
4−メトキシ−4’−エチルアゾベンゼン 5モル%
実施例2及び比較例2の試料について、結果を表2にそれぞれ示す。
Figure 2007332251
ディスコティック液晶を使用して同様の試験を行ったところ、同様の効果を確認することができた。
上記結果より、実施例の組成物は、併用する化合物を代えることによって相転移温度を変化させ得るとともに、光照射によって、さらに相転移温度を変化させ得ることが明らかとなった。即ち、液晶化合物と、光感応性異性化基及び環状脂肪族基の双方を有する化合物とを組み合わせることにより、広範囲に液晶相への転移温度を変化させ得ることが明らかとなった。したがって、本発明の組成物を利用することにより、所望の物性を示すオプトエレクトロニクス材料、フォトニクス材料、ディスプレイ材料等を、より精密に容易に作製することができる。

Claims (8)

  1. 光感応性異性化基及び環状脂肪族基を有する化合物の少なくとも一種と、液晶化合物の少なくとも一種とを含有する液晶性組成物。
  2. 前記光感応性異性化基及び環状脂肪族基を有する化合物が、アゾ化合物である請求項1に記載の液晶性組成物。
  3. 前記アゾ化合物が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項2に記載の液晶性組成物:
    Figure 2007332251
    式中、Ar11、Ar12、Ar21及びAr22はそれぞれ独立して、置換若しくは無置換の、芳香環又は複素環の残基を表し;X及びYはそれぞれ独立して、単結合又は二価の連結基を表し;R1は置換若しくは無置換の、環状脂肪族基を表し;R2は置換若しくは無置換の、環状脂肪族基、アルキル基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表し;n及びmはそれぞれ0〜3の整数を表し;oは、1〜4の整数を表し;及びpは、0〜4の整数を表す。
  4. 前記R1が、複数の環から構成される縮環構造を含む環状脂肪族基である請求項3に記載の液晶性組成物。
  5. 前記液晶化合物が、重合性基を有する液晶化合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶性組成物。
  6. 前記液晶化合物が、複数の重合性基を有する液晶化合物である請求項5に記載の液晶性組成物。
  7. 前記液晶化合物が、棒状液晶化合物である請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶性組成物。
  8. 光照射により液晶相の相転移温度を変化させ得る請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶性組成物。
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