JP2007331667A - エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エアバッグの乗員の拘束力を高めて衝突時の移動を規制し、かつエアバッグからのガス排気を確実化して乗員への衝撃を低下させる。
【解決手段】隔壁11でエアバッグ10をインフレータ2側の第1室10Aと乗員側の第2室10Bに区画する。隔壁11にガス通路22を形成し、そこに第1室10Aから第2室10Bにのみガスを通す逆止弁25を設ける。第1室10Aの開口部23に、エアバッグ10内のガスを排気するベントホールをガス排気状態と非排気状態とに切替可能な排気状態切替部材30を設け、テザーベルト12で隔壁11と連結する。テザーベルト12は、エアバッグ10膨張時に隔壁11の移動を規制して第2室10Bを膨張させ、かつ排気状態切替部材30に張力を作用させてベントホールを閉じ、第2室10Bで乗員を受け止めた時には、前記張力を解放してベントホールを開放する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両衝突時等に膨張して乗員を保護するエアバッグ装置に関し、特に、エアバッグ内を複数の室に区画して乗員の保護機能の向上等を図ったエアバッグ装置に関する。
車両の衝突時等の緊急時に運転席や助手席の乗員等を保護するため、近年、例えば車両のステアリングホイールやインストルメントパネルにエアバッグ装置を搭載した自動車が広く普及している。このエアバッグ装置は、車両の衝突を検知したとき等に、インフレータを起動してエアバッグの内部にガスを供給して膨張させ、車両の前側に向かって移動する乗員の頭部等を膨張展開したエアバッグで受け止めて拘束し、衝突の衝撃等から保護する装置である。
従って、このようなエアバッグ装置においては、車両の衝突時等には迅速にエアバッグを膨張展開させて、充分な乗員の頭部等の拘束力(拘束性能)を発揮し得る状態にする必要がある。一方、膨張展開したエアバッグで乗員を受け止めた後には、エアバッグ内のガスを外部に排気して乗員をエアバッグで柔らかく受け止め、衝突により乗員に加わる衝撃を吸収する必要がある。そこで、従来、エアバッグ内を複数の室に区画するとともに、エアバッグにベントホールを形成して、上記した各要求等に応えるようにしたエアバッグ装置が提案されている(特許文献1参照)。
図10は、この従来のエアバッグ装置のエアバッグが膨張展開した状態を示す斜視図である。
このエアバッグ装置100は、図示のように、側面視略扇形状に形成された袋状のエアバッグ110と、エアバッグ110下面のガス導入口120に設けられたインフレータ(図示せず)等を有し、インフレータからガス導入口120を通して供給されるガスにより、エアバッグ110を乗員の位置する方向(図では斜め右上方向)に向かって広げるように膨張展開させて乗員を受け止めるようになっている。
エアバッグ110は、略矩形状の上面部111及び下面部112と、これら各部111、112の両縁部間に設けられた略扇状の一対の側面部113と、エアバッグ110の外側に向かって湾曲し、エアバッグ110の乗員側に位置する正面部114との、5つの面から構成されている。また、このエアバッグ110は、以上の各部111〜114で区画された内部空間に、エアバッグ110内をインフレータ側の第1室110Aと乗員側の第2室110Bとに区画する隔壁115、及び隔壁115とエアバッグ110の第1室110A側とを連結する所定長さの連結帯116を備えている。
隔壁115は、側面視略L字状をなし、第1室110Aが側面視略V字状に、第2室110Bが側面視略扇状になるようにエアバッグ110内を区画するとともに、第1室110Aと第2室110Bとの間でガスの移動を可能とする複数の連通孔121を有する。また、第2室110B側の両側面部113には、エアバッグ110内のガスを排気するベントホール122が設けられており、ガス導入口120から供給されたガスは、エアバッグ110の第1室110Aを膨張させた後、次に、連通孔121を通って第2室110Bを膨張させてベントホール122から排気されるようになっている。このとき、このエアバッグ110では、連結帯116によりエアバッグ110の乗員側への突出距離及び突出圧力を抑制してエアバッグ110の展開特性を向上させている。
従って、このエアバッグ装置100によれば、膨張展開した第2室110Bにより乗員の頭部等を受け止めてその移動を規制することができる等、乗員の拘束力を向上させることができる。また、乗員を受け止めた後には、エアバッグ110内のガスがベントホール122から排気されるため、衝突時に乗員に加わる衝撃をある程度吸収することもできる。
しかしながら、この従来のエアバッグ装置100では、ベントホール122からのガスの排気により、乗員の頭部等を拘束する第2室110Bの内圧が徐々に低下するのに伴い、拘束した乗員が動きやすくなる等、第2室110B及びエアバッグ110の発揮する乗員の動きを規制する拘束力も徐々に低下する傾向がある。従って、このようなエアバッグ装置100では、乗員に対するより大きな拘束力が要求される場合等への対応が難しく、場合によっては、乗員の拘束力が不充分になる恐れがある等、乗員の保護機能のさらなる改善を図る必要がある。また、このエアバッグ装置100では、エアバッグ110の製造に必要な部品数が多いことに加えて、その内部の所定位置に隔壁115や連結帯116を配置して互いに接合する必要がある等、比較的構成が複雑で、縫い合わせ等の製造の作業性が低いという問題がある。
更に、このエアバッグ装置100では、ベントホール122を乗員側の第2室110B側に設けたため、乗員のエアバッグ110への衝突位置や衝突の仕方、或いは衝突時の第2室110Bの膨張の程度等によっては、例えばベントホール122が乗員と隔壁115との間に挟まれる等し、ベントホール122からのガス排気が阻害される恐れがある。このような場合には、乗員を受け止めたときのエアバッグ110のガスの排気量が不足して衝撃の吸収性能が低下し、衝突時に乗員の受ける衝撃が大きくなるという問題が生じる。これは、特に、乗員がエアバッグ装置100側に接近して着座していたり、通常の乗車姿勢よりも前傾した姿勢で着座している等、非正常な乗車姿勢の乗員がエアバッグ110に接触し、その接触位置やタイミング等がズレた場合等に生じ易い。従って、乗員への衝撃を抑制してより安全に保護するためには、このような場合でもエアバッグ110からのガスの排気を確実に行えるようにし、エアバッグ110の衝撃の吸収性能を向上させる必要がある。
特開2000−159045号公報
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、エアバッグの乗員の頭部等の拘束力を高めて衝突時の移動をより確実に規制するとともに、エアバッグからのガスの排気をより確実に行えるようにして乗員への衝撃を低下させ、エアバック装置の乗員の保護機能の向上を図ることである。
請求項1の発明は、ガスの導入により膨張展開可能なエアバッグと、該エアバッグにガスを供給するインフレータと、を備えたエアバッグ装置であって、前記エアバッグ内を前記インフレータ側の第1室と乗員側の第2室とに区画するとともに、該第1室と第2室との間でのガスの流通を可能とするガス通路を有する隔壁と、前記エアバッグの第1室側に設けられ、前記エアバッグ内のガスを排気するベントホールを有するとともに、該ベントホールを前記エアバッグ内のガスを排気する状態と非排気の状態とに切替可能な排気状態切替部材と、一端が前記排気状態切替部材に他端が前記隔壁に連結され、前記エアバッグの膨張時に前記隔壁の前記第2室側への移動を規制して前記第2室を膨張展開させる連結部材と、を備え、前記連結部材は、前記インフレータ作動時に前記エアバッグが膨張展開した状態では、前記排気状態切替部材に前記隔壁側への張力を作用させて前記ベントホールを閉じるとともに、前記膨張展開したエアバッグが侵入した人を受け止めて変形したときは、前記排気状態切替部材への前記隔壁側への張力を解放して前記ベントホールを開放することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載されたエアバッグ装置において、前記排気状態切替部材は、一対の帯状部材の一端部を前記エアバッグに設けた開口部に取り付けるとともに、前記一対の帯状部材の他端部同士を接合して前記開口部を覆い、前記一対の帯状部材の一端部と他端部間の両側開口を前記ベントホールにしたものであることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載されたエアバッグ装置において、前記隔壁のガス通路に、前記第1室から前記第2室へガスを流入させるとともに、前記第2室内のガスが前記第1室へ流出するのを阻止する逆止弁を備えたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載されたエアバッグ装置において、隔壁用基布片をエアバッグ用基布片に重ね合わせ、前記隔壁用基布片を前記エアバッグ用基布片に接合することにより、前記隔壁用基布片と前記エアバッグ用基布片との間に前記第2室を形成したことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載されたエアバッグ装置において、前記第2室は、前記エアバッグの膨張展開時に侵入する頭部を受け止めて拘束する頭部拘束部であることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載されたエアバッグ装置において、前記排気状態切替部材が、膨張展開形態における前記エアバッグの側方部分に設けられていることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載されたエアバッグ装置において、前記ベントホールが、前記排気状態切替部材の前記エアバッグへの取付部から離れた位置に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、エアバッグの乗員の頭部等の拘束力が高くなり、衝突時の乗員の移動をより確実に規制できるとともに、エアバッグからのガスの排気がより確実化して乗員への衝撃を低下させることができ、エアバック装置の乗員の保護機能の向上を図ることができる。
以下、本発明のエアバッグ装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
このエアバッグ装置は、例えば車両のステアリングホイールやインストルメントパネル等に取り付けられる運転席や助手席用等のエアバッグ装置であり、以下の実施形態では、助手席用のエアバッグ装置を例に採り説明する。
図1は、本実施形態のエアバッグ装置のエアバッグが膨張展開した状態を示す斜視図であり、図2は、膨張展開後のエアバッグにより乗員を受け止めた状態を示す斜視図である。
このエアバッグ装置1は、図示のように、ガスの導入により膨張展開可能なエアバッグ10と、エアバッグ10下面のガス導入口20に取り付けられたインフレータ2等を備える。インフレータ2は、所定の態様に折り畳まれたエアバッグ10とともに車両に取り付けられており、車両の衝突時等には、ガス導入口20を通してエアバッグ10内にガスを供給し、エアバッグ10を乗員の位置する方向(図1では斜め右上方向、図2では略右方向)等に向かって膨張展開させる。
エアバッグ10は、膨張展開形状が側面視略楕円形状の袋状に形成されており、例えば1枚の基布片の両端部を縫合、接着、溶着等により接合して筒状にし、その両側開口の周縁部に一対の側布片を接合して側面部を閉塞する等して形成される。エアバッグ10内には、その内部空間を分割する隔壁11と、エアバッグ10の膨張時に隔壁11の移動を規制する規制部材であるテザーベルト12とが、それぞれ所定位置に設けられ、エアバッグ10の後述する第1室10A側には、内外を連通して形成された開口部23が設けられている。また、このエアバッグ10は、開口部23部分に、その状態によりエアバッグ10内のガスの排気状態を切替可能なスイッチベントホール機構(排気状態切替部材30)を備え、テザーベルト12により排気状態切替部材30と隔壁11とを連結している。
隔壁11は、膨張展開時のエアバッグ10内をインフレータ2側の第1室10Aと、乗員側の第2室10Bとに区画するためのものであり、ここでは、第2室10Bを、エアバッグ10の膨張展開時に主に侵入する乗員の頭部を受け止めて拘束する頭部拘束部とし、かつ第1室10Aに比べて容積の小さな小気室になるように区画している。この第2室10Bは、本実施形態では、隔壁11用基布片をエアバッグ10用基布片に重ね合わせ、隔壁11用基布片をエアバッグ10用基布片に接合することにより、それら各基布片の間に形成される。
即ち、第2室10Bは、隔壁11を構成する隔壁11用基布片(例えばシリコンコート基布片)を、エアバッグ10を構成するエアバッグ10用基布片の第2室10Bを形成すべき部分(エアバッグ10の乗員と対向する正面部10C)に重ね合わせ、その重ね合わせた各基布片のエアバッグ10と隔壁11との境界に対応する部分を互いに接合して形成されている。従って、エアバッグ10は、例えば、基布をエアバッグ10の正面部10Cと略同じ形状、又は、それに近い形状に裁断して隔壁11用基布片を形成して、袋状に接合する前の平面状のエアバッグ10用基布片と重ね合わせ、平らな状態で隔壁11用基布片の周縁部をエアバッグ10用基布片に縫い合わせた後、他の基布片と接合する等して袋状に形成される。
また、隔壁11には、第1室10Aと第2室10Bとの間のガスの流通を可能とするガス通路22(略円形の連通孔等)が、隔壁11の略中央部の上方よりの位置に形成されるとともに、ガス通路22にガスの流通を制御する逆止弁25が取り付けられている。この逆止弁25は、第1室10Aから第2室10Bへのガスの流入は許容するが、第2室10B内に流入したガスが第1室10Aへ流出するのを阻止する一方向弁であり、例えばガス通路22を閉鎖可能な大きさの基布片を、第2室10B側からガス通路22を覆うようにして被せ、その周囲の数カ所を隔壁11に接合して固定する等してガス通路22に設置される。
なお、この隔壁11により区画されるエアバッグ10の第2室10Bは、後述するように、車両衝突時に乗員を受け止めて拘束等するためのものである。従って、隔壁11は、乗員の拘束すべき部分(ここでは乗員の頭部)やエアバッグ10全体の大きさ及び膨張展開形状等に応じて、第2室10Bが膨張展開した状態で充分な拘束力等を発揮し得る大きさ及び形状に、かつ安全に乗員を受け止め得る位置になるよう、適切な大きさ及び形状に形成されて適切な位置に設けられる。
開口部23は、エアバッグ10の第1室10A側に設けられた、例えば横長な長孔状の貫通孔であり、エアバッグ10が膨張展開した状態で、隔壁11に対向する面のガス導入口20の斜め上方位置(助手席前のフロントウインドと対向する位置)に形成されている。
ここで、膨張前のエアバッグ10が折り畳まれた状態では、隔壁11のガス通路22は、ガス導入口20と対向するガス供給方向の下流側に位置するため、エアバッグ10の膨張時に、ガス導入口20から供給されるガスが入り易くなっている。これに対し、ガス導入口20に比較的近い開口部23は、ガス供給方向の上流側に位置することになるが、このような位置に形成された貫通孔は、エアバッグ10の膨張途中において、ガス導入口20からのガスが流出し難いことに加えて、膨張初期には、エアバッグ10内のガスの流れに引かれて、エアバッグ10の外部から内部に向かって空気が流れ込もうとする傾向がある。そのため、この開口部23の形成位置は、エアバッグ10の膨張展開時にはガスが抜け難く、かつ、膨張展開後のガス排気時には、エアバッグ10の正面部10Cに接触する乗員に押されて、エアバッグ10内のガスが開口部23方向に向かって押されるため、その際のガスが抜け易い位置となっている。
排気状態切替部材30は、エアバッグ10内のガスを排気するためのベントホール31H(図2参照)を有する部材であり、図1に示すように、エアバッグ10が膨張展開した状態では、ベントホール31H形成部分とともにエアバッグ10内に導入されて開口部23を閉塞するように覆い、インフレータ2作動時におけるエアバッグ10内のガス排気を抑制する非排気状態となる。一方、膨張展開したエアバッグ10で乗員を受け止めた状態では、図2に示すように、排気状態切替部材30は、ベントホール31H形成部分とともにエアバッグ10外に導出され、ベントホール31Hを通じてエアバッグ10内のガスを排気可能な排気状態となる。本実施形態の排気状態切替部材30は、テザーベルト12からの張力やエアバッグ10の内圧に応じて、ベントホール31Hをこれら両状態間で状態変更させる、即ち、エアバッグ10内のガスを排気する状態と非排気の状態とに切替可能に構成されている。
なお、排気状態切替部材30は、上記した非排気状態において、エアバッグ10内からのガスを完全に防止する必要はなく、ある程度の量のガスが排気されるような状態であってもよい。従って、本発明において、非排気状態又は非排気の状態というときは、ガスの排気を防止し得る状態に加えて、ガスの排気を抑制し得る状態を含む。
以下、この排気状態切替部材30等について、より具体的に説明する。
図3及び図4は、非排気状態にある排気状態切替部材30を拡大して示す図であり、図3は側面図、図4は平面図である。また、図5及び図6は、排気状態にある排気状態切替部材30を拡大して示す図であり、図5は側面図、図6は平面図である。
排気状態切替部材30は、図3〜6に示すように、開口部23を覆うように上下方向に重ねて設けられた一対の帯状部材(帯状布)31を有し、図3及び図5では、これら上方及び下方の帯状部材31の側面から見た各上下面部分に斜線を付して示す。この一対の帯状部材31のエアバッグ10側に位置する一端部(基端部)は、それぞれエアバッグ10の内面又は外面(ここでは内面)に、開口部23の周縁部を囲むように縫い合わせる等して接合(図の接合部31B)されている。一方、その他端部(先端部)は、その幅方向に沿って略全体に亘って互いに接合(図の接合部31C)されている。また、その両側部は、エアバッグ10側の基端部付近だけ互いに接合(図の接合部31D)されており、他の部分、即ち、接合部31Dから先端部の接合部31Cまでの部分は、接合されていない開口状態(非接合部)となっている。従って、エアバッグ10の内外は、この一対の帯状部材31両側部の非接合部を介して連通しており、本実施形態では、この非接合部を囲む一対の帯状部材31の両側部分をもって、排気状態切替部材30のベントホール31Hを形成している。
なお、一対の帯状部材31の両側部は、エアバッグ10側の基端部付近が所定長さに亘って接合(接合部31D)されているため、ベントホール31Hとエアバッグ10の開口部23とは連続した位置関係になく、接合部31Dを挟んで互いに離れた位置に設けられている。また、一対の帯状部材31は、エアバッグ10の開口部23の幅よりも幅広に形成されており、従って、排気状態切替部材30の幅も開口部23の幅よりも広くなっている。その結果、この排気状態切替部材30(帯状部材31)は、エアバッグ10の内部(図1参照)から外部(図2参照)へ向かって、又はその逆に移動する際に、その幅方向に縮小するように変形しつつ開口部23内をくぐり抜けるように移動する。その為、排気状態切替部材30には、開口部23部分を移動する際に所定の抵抗が作用し、この抵抗により、後述する所定以上のテザーベルト12による張力やエアバッグ10の内圧が作用していないとき等に、排気状態切替部材30が不用意に移動して排気状態と非排気状態との間で状態変更するのを防止している。
テザーベルト12は、排気状態切替部材30と隔壁11とを互いに連結する所定長さの連結部材であり、エアバッグ10等と同様な基布を略帯状又は紐状に切断する等して形成される。ここでは、テザーベルト12を、細長い帯状部材の先端が略Y字状(図4、6参照)に広がる形状に、かつ略Y字状の先端部の幅を排気状態切替部材30の先端部と略同じ幅になるように形成している。また、テザーベルト12の帯状部の一端(図1、2参照)を、隔壁11の開口部23と対向する略中央部のガス通路22よりも下方となる位置に縫い合わせる等して接合している。一方、テザーベルト12の他端側の略Y字状の両先端部は、排気状態切替部材30先端部(図4、6参照)の両側部に接合(図の接合部31C)し、排気状態切替部材30先端部の両側部を引っ張るようにして、排気状態切替部材30に張力や引込力等を作用させる。
このように排気状態切替部材30と隔壁11に連結されるテザーベルト12は、エアバッグ10の膨張時に隔壁11の第2室10B側への移動を規制する機能を有し、これにより第2室10Bの膨張展開を可能にして促進させている。同時に、テザーベルト12は、インフレータ2の作動時にエアバッグ10が膨張展開した状態では、排気状態切替部材30に隔壁11側への張力を作用させてベントホール31Hを閉じるとともに、膨張展開したエアバッグ10が侵入した人を受け止めて変形したときは、排気状態切替部材30への隔壁11側への張力を解放してベントホール31Hを開放し、それら両状態間で状態変更させる機能を有する。
即ち、テザーベルト12は、インフレータ2が作動してエアバッグ10が正規形状に膨張展開した状態(図1参照)では、インフレータ2からのガス供給による膨張展開力を受けて隔壁11と排気状態切替部材30との間で引っ張られる。テザーベルト12は、その状態で、袋状の第2室10Bをほぼ膨張展開させるとともに、排気状態切替部材30を、インフレータ2からのガス供給によるエアバッグ10の内圧に抗してエアバッグ10内(図3、4参照)に引き込んで略直線状に引っ張り、ベントホール31Hを閉じて非排気状態にする長さに設定されている。
従って、このテザーベルト12は、エアバッグ10が膨張展開するのに伴い、一端側に連結され排気状態切替部材30に引っ張られて他端側に連結された隔壁11を前記一端側に徐々に引っ張り、隔壁11を第1室10A内に引き込むようにその移動を規制して、隔壁11(第2室10B)を第1室10A内に膨出させる。このとき、テザーベルト12は、隔壁11の膨張展開時に最も第1室10A側に突出する略中央部を引っ張り、第2室10Bを第1室10A側に向かって均等に膨張させる。同時に、排気状態切替部材30に隔壁11側への張力を作用させ、膨張展開完了前の膨張途中においても、ベントホール31Hを閉鎖させて非排気状態に状態変更させるようになっている。
また、膨張展開したエアバッグ10が乗員を受け止めて変形した状態(図2参照)では、内圧を保持する第2室10B全体が開口部23側に移動するとともに、乗員を包み込むように変形して、第2室10B及び隔壁11が第1室10A側に凸状に変形する。その結果、第1室10Aの内圧が徐々に上昇すると同時に、エアバッグ10の開口部23と隔壁11のテザーベルト12の接合部との間の距離が短くなり、テザーベルト12が隔壁11と排気状態切替部材30との間で弛んだ状態となって隔壁11側への張力が解放される。テザーベルト12は、その状態で、排気状態切替部材30がエアバッグ10の内圧を受けてエアバッグ10外に導出(図5、6参照)され、ベントホール31Hを開放して排気状態に状態変更するのを許容する長さに設定されている。
次に、以上説明した本実施形態のエアバッグ装置1の作動時における各部の働き等について説明する。
このエアバッグ装置1は、エアバッグ10をインフレータ2と合体組み付けした状態で、車両の助手席前の所定位置に取り付けられており、この状態では、エアバッグ10は、排気状態切替部材30をエアバッグ10内に導入した状態で、所定の態様に折り畳まれている。その状態から、車両の衝突時等には、インフレータ2を起動(図1参照)してガス導入口20からエアバッグ10内にガスを供給し、エアバッグ10の第1室10Aを膨張させる。同時に、第1室10Aから隔壁11のガス通路22を通してガスを第2室10Bに導入し、第2室10Bを膨張展開させつつ、エアバッグ10全体を膨張展開させる。
このとき、エアバッグ10が膨張展開するのに従って、テザーベルト12が徐々に引っ張られて隔壁11の移動が規制され、第2室10Bの膨張が補助されて膨張展開が進行する。同時に、エアバッグ10内の排気状態切替部材30に強い張力が作用し、排気状態切替部材30がベントホール31Hをほぼ閉じた状態(図3、4参照)でエアバッグ10内で開口部23を閉塞するように覆う。この非排気状態をテザーベルト12の張力により維持して、エアバッグ10内からのガス排気を抑制し、ガスの漏出をなるべく少なくして迅速にエアバッグ10を膨張展開させる。また、エアバッグ10及び第2室10Bの膨張展開がほぼ完了すると、テザーベルト12により排気状態切替部材30がエアバッグ10の内側方向により強く引っ張られた状態となる。この強い張力により、排気状態切替部材30をエアバッグ10内の内圧に抗して非排気状態に確実に維持する。
その状態で、車両衝突の衝撃で前方に向かって移動する乗員の頭部等がエアバッグ10の正面部10Cに接する(図2参照)と、エアバッグ10(第2室10B)で乗員を受け止めて、膨張展開したエアバッグ10全体が変形する。このとき、第2室10Bが、乗員を包み込むように凹状に変形するとともに、逆止弁25により内部からのガスの流出が防止され、その凹状の変形形状を維持して乗員を確実に拘束する。同時に、第1室10A内のガスが圧縮されてその内圧が上昇するとともに、第2室10B全体が開口部23側に移動し、かつ隔壁11が凸状に変形してテザーベルト12に弛みが生じ、排気状態切替部材30に作用する隔壁11側への張力が解放される。その結果、排気状態切替部材30が、第1室10Aの内圧によってエアバッグ10外に押し出されるように導出(図5、6参照)され、ベントホール31Hが開いて第1室10Aの内外が連通する。排気状態切替部材30は、以上のようにして非排気状態(図1参照)から排気状態(図2参照)に状態変更し、第1室10A内のガスを開口部23から排気状態切替部材30内を通してベントホール31Hから外部に排気する。これにより第1室10Aを徐々に萎ませて乗員をエアバッグ10で柔らかく受け止め、乗員に加わる衝突の衝撃を吸収・緩和して保護する。
ここで、乗員が非正常な乗車姿勢で着座する等して、通常よりも早期にエアバッグ10に接触した場合には、エアバッグ10は、膨張展開する途中形態で乗員に接し、その膨張展開が妨げられることになる。このような場合でも、このエアバッグ10では、テザーベルト12が弛んだままの状態で第1室10Aの内圧が上昇し、排気状態切替部材30が内圧によって第1室10A外に導出されて排気状態に状態変更するため、ベントホール31Hからのガスの排気が可能である。
以上説明したように、本実施形態のエアバッグ装置1では、開口部23をエアバッグ10の膨張時にガスが抜け難い位置に形成するとともに、排気状態切替部材30を非排気状態に維持して膨張時におけるエアバッグ10内からのガスの排気を抑制するため、エアバッグ10を迅速に膨張展開させることができる。その結果、エアバッグ10を早期に充分な乗員の拘束力を発揮し得る状態にすることができる。これにより、例えば乗員がエアバッグ装置1側に接近し、又は通常の乗車姿勢よりも前傾した姿勢で着座している等、乗員が非正常な乗車姿勢で着座し、通常よりも早期にエアバッグ10に接触した場合等でも乗員の保護を図ることができる。
また、このエアバッグ装置1では、隔壁11のガス通路22から第2室10B側へガスが入り易いことに加えて、テザーベルト12により隔壁11の第2室10B側への移動を規制して第2室10Bを膨張させるため、第2室10Bの膨張展開(隔壁11の第1室10A内への膨出)をより早期に、かつ確実に行うことができる。同時に、テザーベルト12により、エアバッグ10の膨張時における隔壁11(第2室10B)の乗員側への突出距離及び突出圧力の制御等も可能となるため、エアバッグ10の展開特性及び乗員の保護機能の向上等も図ることができる。加えて、このエアバッグ装置1では、第2室10B側にガスを排気するベントホールを設けず、かつ隔壁11のガス通路22に逆止弁25を設けたため、膨張展開した第2室10Bで乗員の頭部等を受け止めた後でも第2室10Bからガスが逃げず、その内圧を保つことができる。これにより、乗員を受け止めて変形した第2室10Bの変形形状を維持し、衝突後の乗員の頭部等の移動をより強く規制することができる等、第2室10B(エアバッグ10)の乗員の拘束力を向上させることができる。
更に、このエアバッグ装置1では、開口部23をエアバッグ10の乗員と接しない第1室10A側に設けたため、膨張展開後のエアバッグ10で乗員を受け止めたときに、排気状態切替部材30の導出(排気状態への状態変更)を確実に行うことができ、第1室10Aから安定して大量のガスを確実に排気できる。その結果、エアバッグ10からの充分なガスの排気量を確保でき、エアバッグ10の衝撃の吸収性能を向上させることができる。同時に、テザーベルト12の一端を第2室10Bを区画する隔壁11に取り付けたため、乗員がエアバッグ10の第2室10B側の何れの位置に接触しても、第2室10B全体が開口部23側へ移動し、又は、第2室10Bが変形して隔壁11を凸状に変形させて、テザーベルト12に弛みを生じさせることができる。その結果、乗員の受け止め位置に関わらず、排気状態切替部材30の排気状態を切り替えることができ、その衝突時の応答性を向上させることができる。また、膨張展開途中で乗員を受け止めたときにも、第1室10Aからのガスの排気が可能となり、そのような状態での乗員への衝撃を低下させることもできる。
加えて、この排気状態切替部材30では、ベントホール31Hと開口部23との間に接合部31Dを設け、ベントホール31Hを、排気状態切替部材30のエアバッグ10への取付部(開口部23)から離れた位置に形成したため、非排気状態で、ベントホール31Hのエアバッグ10側の基端部(主に両接合部31D間の周辺部分)が、エアバッグ10の内圧により密着して重なり合う状態になる。その結果、このベントホール31Hの密着部分が一種の弁作用を果たし、開口部23を通ってベントホール31Hからガスが漏れ難くなり、非排気状態でのガスの排気をより確実に抑制できる。また、排気状態切替部材30先端部の両側部がテザーベルト12に引っ張られるため、エアバッグ10内で排気状態切替部材30の姿勢を安定させることができ、非排気状態を確実かつ安定して維持することもできる。
従って、本実施形態のエアバッグ装置1によれば、車両衝突時等に、エアバッグ10の乗員の拘束力が高くなり、乗員の頭部等を第2室10Bにより確実に拘束して衝突時の乗員の移動をより確実に規制できる。また、排気状態切替部材30により、エアバッグ10からのガスの排気がより確実化して乗員への衝撃を低下させることができ、エアバック装置1の乗員の保護機能の向上を図ることができる。これは、第2室10Bを、保護する必要性がより高い乗員の頭部を拘束するエアバッグ10の頭部拘束部とした場合に、特に効果的である。加えて、隔壁11を気密性が高いシリコンコート基布で形成した場合に、より高い効果を得ることができる。
更に、このエアバッグ10は、製造に必要な部品数が比較的少ないことに加えて、例えば第2室10Bを、上記したように隔壁11用基布片をエアバッグ10用基布片に重ね合わせて互いに接合して形成できる等、その構成も比較的単純である。また、排気状態切替部材30についても、一対の帯状部材31の一端部をエアバッグ10の開口部23に取り付けるとともに、その他端部同士を接合して開口部23を覆い、その両側開口をベントホール31Hにしたものであり、比較的簡易な構造で実現できる。このように、本実施形態のエアバッグ10は、その機能に比して構成及び構造が簡易であり、縫い合わせ等の製造の作業性及び生産性を高めることができ、低コストでエアバッグ10を製造することができる。
なお、本実施形態では、テザーベルト12を、エアバッグ10の膨張展開時に各連結部間で略直線状に延びる長さに形成したが、テザーベルト12は、膨張展開時に多少の弛み等があっても隔壁11の移動を規制し、かつ排気状態切替部材30を非排気状態に維持する効果を発揮し得る。従って、テザーベルト12は、その長さに、ある程度の長短があってもよい。
また、隔壁11のガス通路22とエアバッグ10の開口部23及び排気状態切替部材30のベントホール31Hの大きさ等の態様は、エアバッグ10や隔壁11(第2室10B)の形態や、エアバッグ10に要求される膨張及び排気速度等の各膨張及び排気パターン等に応じて、それぞれ適切な大きさ等に設定すればよい。同様に、ここでは、隔壁11にガス通路22を1個のみ形成したが、ガス通路22は、複数箇所に複数個形成する等、必要な位置に必要な個数形成すればよい。
更に、本実施形態では、ガス通路22に逆止弁25を設けたが、ガス通路22とベントホール31Hの大きさ等によっては、逆止弁25を設けなくてもよい。但し、この場合には、ベントホール31Hに対して、ガス通路22の大きさを相対的に小さくする等、ベントホール31Hからのガス排気量に比べて、ガス通路22(第2室10B)からのガス導出量を少なくすると、乗員との接触時に、第2室10Bがより潰れ難くなって上記した各効果を相対的に大きくできるため、より好ましい。
以上に加えて、本実施形態では、エアバッグ10の開口部23を横長な長孔状に形成したが、開口部23は、例えば縦長な長孔状や、円孔状、多角形孔状等、排気状態切替部材30の配置方向等の各形態に合わせて、他の形状に形成してもよい。更に、このエアバッグ10では、排気状態切替部材30のみにベントホール31Hを設けたが、例えば、展開形態におけるエアバッグ10の第1室10A側の両側方部分に孔状のベントホールを形成する等、第1室10A側に他のベントホールを形成してもよい。この場合には、他のベントホールによる排気と、排気状態切替部材30を介した排気態様との組み合わせにより、多彩な排気パターンの設定が可能となる。
また、排気状態切替部材30は、エアバッグ装置1の作動前に、エアバッグ10外に導出された状態で、エアバッグ10とともに折り畳まれていてもよい。このような場合であっても、排気状態切替部材30は、膨張展開の途中からテザーベルト12による張力(エアバッグ10内への引込力)によりエアバッグ10内に導入されて非排気状態となるため、ガス排気を抑制してエアバッグを迅速に膨張展開させることができる。また、上記した非正常な姿勢の乗員が通常よりも早期にエアバッグ10に接触したときにも、排気状態切替部材30が非排気状態から排気状態に状態変更する過程を省略してエアバッグ10内のガスを排気できるため、より早い段階で大量のガスを排気することができ、乗員への衝撃をより緩和することもできる。
ここで、エアバッグ10の開口部23と排気状態切替部材30は、膨張展開完了したエアバッグ10や膨張途中のエアバッグ10が乗員を受け止めた場合等に、排気状態切替部材30が排気状態となり、その排気が妨げられない位置に設けられていればよく、エアバッグ10の第1室10A側の他の位置に設けてもよい。同様に、テザーベルト12も、隔壁11及び排気状態切替部材30(帯状部材31)の先端部の一部に取り付けられていれば、排気状態切替部材30の排気状態の切り替えや隔壁11の移動の規制を行えるため、テザーベルト12の両端を、それらの他の位置に取り付けてもよい。即ち、排気状態切替部材30が取り付けられた開口部23の位置と、テザーベルト12の隔壁11への取付位置が、膨張展開したエアバッグ10により乗員を受け止めたときに、それらの間の距離がより近くなるような位置関係にあればよい。
例えば、開口部23と排気状態切替部材30を膨張展開形態におけるエアバッグ10の第1室10A側の側方部分(図1、2の10D部分)に設けた場合でも、エアバッグ10が膨張展開するときには、テザーベルト12が排気状態切替部材30をエアバッグ10内に引き込んで非排気状態にできる。一方、エアバッグ10が乗員を受け止めたときには、テザーベルト12が弛んで排気状態切替部材30がエアバッグ10外に導出されて排気状態となり、上記と同様の動作を実現できる。特に、このように開口部23と排気状態切替部材30をエアバッグ10の側方部分10Dに設けた場合には、排気状態切替部材30が排気状態に移行してエアバッグ10外に飛び出したときでも、車両のフロントガラスやインダッシュパネル等に干渉するのを防止でき、より安定したガス排気を行うことができる。
次に、排気状態切替部材の他の例について説明する。
図7は、排気状態切替部材の第1の変形例を示す模式図であり、図7Aは側面図、図7Bは平面図である。
この排気状態切替部材50は、図示のように、一対の略台形状部材51を有し、その長辺側である各底辺51Bをエアバッグ10の開口部23の周囲に縫い合わせる等して接合して取り付けるとともに、その短辺側である上辺51C同士を接合している。また、一対の略台形状部材51の上辺51Cの接合部に長尺状のテザーベルト55の一端部を連結し、一対の略台形状部材51の傾斜した両斜辺51Dで囲まれる両側部分により一対のベントホール51H(図では太線で示す)を形成している。
図8は、排気状態切替部材の第2の変形例を示す模式図であり、図8Aは側面図、図8Bは平面図である。
この排気状態切替部材60は、図示のように、一対の略台形状部材61を有し、その長辺側である各底辺61Bをエアバッグ10の開口部23の周囲に接合して取り付けるとともに、その傾斜した両斜辺61D同士を接合している。また、一対の略台形状部材61の短辺側である各上辺61Cに長尺状のテザーベルト65の一端部を連結し、一対の略台形状部材61の上辺61C同士で囲まれる部分によりベントホール61H(図では太線で示す)を形成している。
図9は、排気状態切替部材の第3の変形例を示す模式図であり、図9Aは側面図、図9Bは平面図である。
この排気状態切替部材70は、図示のように、一対の略台形状部材71を有し、その長辺側である各底辺71Bをエアバッグ10の開口部23の周囲に接合して取り付けるとともに、その短辺側である両上辺71C同士及び傾斜した両斜辺71D同士を接合している。また、一対の略台形状部材71の各上辺71Cに長尺状のテザーベルト75の一端部を連結し、一対の略台形状部材71の一方又は双方に略円形孔を形成してベントホール71Hとしている。
これら排気状態切替部材の第1から第3の変形例でも、上記した排気状態切替部材30と同様に、排気状態切替部材50、60、70がエアバッグ10内に導入され、又は導出されることで、非排気状態と排気状態との間で状態変更が可能である。
本実施形態のエアバッグ装置のエアバッグが膨張展開した状態を示す斜視図である。 図1の膨張展開後のエアバッグにより乗員を受け止めた状態を示す斜視図である。 図1の非排気状態にある排気状態切替部材を拡大して示す側面図である。 図1の非排気状態にある排気状態切替部材を拡大して示す平面図である。 図2の排気状態にある排気状態切替部材を拡大して示す側面図である。 図2の排気状態にある排気状態切替部材を拡大して示す平面図である。 排気状態切替部材の第1の変形例を示す模式図である。 排気状態切替部材の第2の変形例を示す模式図である。 排気状態切替部材の第3の変形例を示す模式図である。 従来のエアバッグ装置のエアバッグが膨張展開した状態を示す斜視図である。
符号の説明
1・・・エアバッグ装置、2・・・インフレータ、10・・・エアバッグ、10A・・・第1室、10B・・・第2室、10C・・・正面部、10D・・・側方部分、11・・・隔壁、12・・・テザーベルト、20・・・ガス導入口、22・・・ガス通路、23・・・開口部、25・・・逆止弁、30・・・排気状態切替部材、31・・・帯状部材、31B・・・接合部、31C・・・接合部、31D・・・接合部、31H・・・ベントホール、50・・・排気状態切替部材、51・・・略台形状部材、51B・・・底辺、51C・・・上辺、51D・・・斜辺、51H・・・ベントホール、55・・・テザーベルト、60・・・排気状態切替部材、61・・・略台形状部材、61B・・・底辺、61C・・・上辺、61D・・・斜辺、61H・・・ベントホール、65・・・テザーベルト、70・・・排気状態切替部材、71・・・略台形状部材、71B・・・底辺、71C・・・上辺、71D・・・斜辺、71H・・・ベントホール、75・・・テザーベルト。

Claims (7)

  1. ガスの導入により膨張展開可能なエアバッグと、該エアバッグにガスを供給するインフレータと、を備えたエアバッグ装置であって、
    前記エアバッグ内を前記インフレータ側の第1室と乗員側の第2室とに区画するとともに、該第1室と第2室との間でのガスの流通を可能とするガス通路を有する隔壁と、
    前記エアバッグの第1室側に設けられ、前記エアバッグ内のガスを排気するベントホールを有するとともに、該ベントホールを前記エアバッグ内のガスを排気する状態と非排気の状態とに切替可能な排気状態切替部材と、
    一端が前記排気状態切替部材に他端が前記隔壁に連結され、前記エアバッグの膨張時に前記隔壁の前記第2室側への移動を規制して前記第2室を膨張展開させる連結部材と、を備え、
    前記連結部材は、前記インフレータ作動時に前記エアバッグが膨張展開した状態では、前記排気状態切替部材に前記隔壁側への張力を作用させて前記ベントホールを閉じるとともに、前記膨張展開したエアバッグが侵入した人を受け止めて変形したときは、前記排気状態切替部材への前記隔壁側への張力を解放して前記ベントホールを開放することを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 請求項1に記載されたエアバッグ装置において、
    前記排気状態切替部材は、一対の帯状部材の一端部を前記エアバッグに設けた開口部に取り付けるとともに、前記一対の帯状部材の他端部同士を接合して前記開口部を覆い、前記一対の帯状部材の一端部と他端部間の両側開口を前記ベントホールにしたものであることを特徴とするエアバッグ装置。
  3. 請求項1または2に記載されたエアバッグ装置において、
    前記隔壁のガス通路に、前記第1室から前記第2室へガスを流入させるとともに、前記第2室内のガスが前記第1室へ流出するのを阻止する逆止弁を備えたことを特徴とするエアバッグ装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載されたエアバッグ装置において、
    隔壁用基布片をエアバッグ用基布片に重ね合わせ、前記隔壁用基布片を前記エアバッグ用基布片に接合することにより、前記隔壁用基布片と前記エアバッグ用基布片との間に前記第2室を形成したことを特徴とするエアバッグ装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載されたエアバッグ装置において、
    前記第2室は、前記エアバッグの膨張展開時に侵入する頭部を受け止めて拘束する頭部拘束部であることを特徴とするエアバッグ装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載されたエアバッグ装置において、
    前記排気状態切替部材が、膨張展開形態における前記エアバッグの側方部分に設けられていることを特徴とするエアバッグ装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載されたエアバッグ装置において、
    前記ベントホールが、前記排気状態切替部材の前記エアバッグへの取付部から離れた位置に形成されていることを特徴とするエアバッグ装置。
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