JP2007330393A - 内視鏡および内視鏡の製造方法 - Google Patents

内視鏡および内視鏡の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】分解・組立作業を容易に行うことができ、かつ、高温高圧蒸気滅菌を施した場合でも、良好な気密性(液密性)を維持し得る信頼性の高い内視鏡、およびかかる内視鏡を容易に製造し得る内視鏡の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の内視鏡は、術者が把持して内視鏡全体を操作する操作部3を有している。操作部3は、操作部本体37と、この操作部本体37に設けられ、内視鏡内に配設された吸引チャンネルの流路を開閉するための吸引ボタン10と、操作部本体37に設けられた窓部38と、この窓部38を覆うように設けられた蓋体39とを有している。また、蓋体39は、その縁部に固着した封止部材391を有しており、封止部材391は、窓部38に設けられた段差部382に密接している。これにより、窓部38と蓋体39との間が気密的(液密的)に封止されている。
【選択図】図8

Description

本発明は、内視鏡および内視鏡の製造方法に関するものである。
近年、医療の分野で、検査や診断に内視鏡が使用されている。
内視鏡検査では、内視鏡の挿入部を、例えば、胃、十二指腸、小腸あるいは大腸といった体腔の深部まで挿入する必要がある。
ところで、医療用の内視鏡は、体腔内に挿入して使用された際に、生体組織、血液、病原菌等によって汚染される。このため、検査・処理終了後、内視鏡には、洗浄、消毒、滅菌処理等が施される。この内視鏡の滅菌処理には、高温高圧蒸気滅菌等が考えられる。
このような医療用の内視鏡は、曲がった体腔内に挿入され、これに体腔内の形状に追従できるよう、可撓性を有する可撓管(内視鏡用可撓管)を備えている。そして、この可撓管の内部には、内視鏡の各種機能を担う種々の部品が設けられている。例えば、挿入部の先端側には、体腔内を撮像する撮像素子や、体腔内に配光するライトガイド等が設けられており、体腔内を適切に撮像し得るようになっている。これらの部品は、水分や体液に曝されると故障するおそれがあるため、各部品に水分等が接触して内視鏡の機能が損なわれることのないよう、可撓管には十分な気密性(液密性)が要求される。
かかる背景から、内視鏡の押圧動作や回転動作等の動作を伴う可動部においては、Oリング(パッキン)等を用いて液密性の確保が図られている(例えば、特許文献1参照)。
このOリングは、一般に、部品に設けられた溝に嵌め込まれている。ところが、洗浄等を行うために内視鏡を分解した際、この溝からOリングが外れてしまい、再び取り付けるために多大な手間を要するという問題が生じる。かかる問題は、特に、細い管状または柱状の部材の外周部に設けた溝にOリングを嵌め込む場合において、特に顕著な問題である。
また、気密性(液密性)を確保するため、部材に対して、表面粗さが小さい、すなわち平滑性の高い溝を加工する必要があり、これが部材の設計上の制約となっている。
さらに、可動部の動作に伴い、Oリングがねじれて、溝とOリングとの間に隙間が生じ易い。このような状態の内視鏡が高温高圧蒸気滅菌に供された場合、この隙間を介して、可撓管の内部に水分が浸入するおそれがある。
特開平7−184827号公報
本発明の目的は、分解・組立作業を容易に行うことができ、かつ、高温高圧蒸気滅菌を施した場合でも、良好な気密性(液密性)を維持し得る信頼性の高い内視鏡、およびかかる内視鏡を容易に製造し得る内視鏡の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(12)の本発明により達成される。
(1) 内視鏡を構成する複数の内視鏡部品同士が、封止部材を介して気密的に接続されて構成され、高温高圧蒸気滅菌に供されたときに内部の気密を維持し得る内視鏡であって、
前記封止部材は、前記複数の内視鏡部品のうちの一方に固着されていることを特徴とする。
これにより、分解・組立作業を容易に行うことができ、かつ、高温高圧蒸気滅菌を施した場合でも、良好な気密性(液密性)を維持し得る信頼性の高い内視鏡が得られる。
(2) 前記封止部材は、弾性材料の成形体で構成されている上記(1)に記載の内視鏡。
これにより、封止部材は、その密接している部材の接触面の形状に対する追従性に優れたものとなる。したがって、特に気密性(液密性)に優れた内視鏡が得られる。
(3) 前記弾性材料は、フッ素ゴムおよびシリコーンゴムの少なくとも一方を主成分とするものである上記(2)に記載の内視鏡。
これらの弾性材料は、耐熱性および耐候性に特に優れているため、高温高圧蒸気滅菌処理に繰り返し曝されても、十分な弾性を維持する。したがって、このような弾性材料で構成された封止部材を備えた内視鏡は、高温高圧蒸気滅菌処理に対して、特に信頼性の高いものとなる。
(4) 前記封止部材は、熱硬化性樹脂材料の発泡体で構成されている上記(1)に記載の内視鏡。
これにより、封止部材は、熱硬化性樹脂に由来した特性、すなわち比較的耐熱性および耐薬品性に優れたものである。このため、高温高圧蒸気滅菌処理に繰り返し曝されても、封止部材が変質・劣化するのを確実に防止することができる。また、このような封止部材は、発泡体が内包する空孔が収縮・復元を繰り返すことにより、発泡体全体に弾力性を示すこととなり、特に弾性に富んだものとなる。このため、封止部材は、密接している内視鏡部品の接触面の形状に対する追従性に優れたものとなる。これにより、特に気密性(液密性)に優れた内視鏡が得られる。
(5) 前記熱硬化性樹脂材料は、ポリウレタンを主成分とするものである上記(4)に記載の内視鏡。
ポリウレタンは、発泡体を形成した際に、熱硬化性樹脂材料の中でも優れた弾力性を示す。このため、封止部材は、密接している内視鏡部品の接触面の形状に対する追従性に特に優れたものとなり、これにより、気密性(液密性)に特に優れた内視鏡が得られる。
(6) 前記発泡体が内包する複数の空孔は、互いに独立している上記(4)または(5)に記載の内視鏡。
これにより、封止部材に圧縮力を付与した際に、空孔中の気体を閉じ込め、気体が封止部材の外部に放出されるのを防止する。このため、圧縮され収縮した状態の封止部材から前記圧縮力を取り除くと、空孔が元の体積に確実に戻る(復元する)ことができる。その結果、封止部材も圧縮前の体積に回復することとなり、特に優れた弾力性を得ることができる。
(7) 前記封止部材は、該封止部材を構成する封止部材組成物の未硬化物を、前記一方の内視鏡部品に供給するとともに成形して成形体を得、該成形体を硬化してなるものである上記(2)ないし(6)のいずれかに記載の内視鏡。
これにより、複雑な形状をなす内視鏡部品に対しても、封止部材を容易に固着させることができる。
(8) 前記成形体の硬化は、熱処理によりなされる上記(7)に記載の内視鏡。
これにより、簡易な設備で効率よく硬化処理を行うことができる。
(9) 前記一方の内視鏡部材は、その少なくとも前記封止部材が固着する領域に、前記封止部材の固着力を向上させる下地処理を施されたものである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の内視鏡。
これにより、内視鏡部品と封止部材との固着力が増大し、内視鏡部品から封止部材が脱落するのをより確実に防止することができる。
(10) 前記複数の内視鏡部品のうちの他方は、前記一方の内視鏡部品に対して相対的に変位するよう構成されており、
前記封止部材は、前記他方の内視鏡部品と摺接する上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の内視鏡。
これにより、一方の内視鏡部品に対して他方の内視鏡部品が相対的に変位して、封止部材に過度の荷重が加わった場合でも、一方の内視鏡部品から封止部材が浮き上がったり、隙間が生じたりするのを確実に防止して、内視鏡の気密性(液密性)を確実に維持することができる。
(11) 内視鏡を構成する複数の内視鏡部品同士が、封止部材を介して気密的に接続されて構成され、高温高圧蒸気滅菌に供されたときに内部の気密を維持し得る内視鏡を製造する方法であって、
前記封止部材を構成する封止部材組成物の未硬化物を、前記複数の内視鏡部品のうちの一方に、環状に供給して成形体を得る第1の工程と、
該成形体を硬化させ、前記一方の内視鏡部品に固着した前記封止部材を得る第2の工程と、
前記一方の内視鏡部品に対して、前記封止部材に密接するように前記複数の内視鏡部品のうちの他方を接続する第3の工程とを有することを特徴とする内視鏡の製造方法。
これにより、信頼性の高い内視鏡を容易に製造することができる。
(12) 前記封止部材組成物の未硬化物は、互いに独立した複数の空孔を内包したものである上記(11)に記載の内視鏡の製造方法。
これにより、互いに独立した空孔を内包した発泡体を確実に得ることができる。
本発明によれば、内視鏡部品と封止部材とが固着しているので、内視鏡を分解して洗浄等する場合、内視鏡部品から封止部材が脱落するのを防止することができる。このため、再び内視鏡を組み立てる際に、内視鏡部品に封止部材を取り付ける手間を省略することができ、洗浄作業を容易に行い得る内視鏡が得られる。
また、内視鏡部品と封止部材とが固着しているので、これらが密接しつつ摺動する場合、潤滑性によらず、内視鏡部品と封止部材との間に隙間が生じ難い。したがって、内視鏡に対して高温高圧蒸気滅菌処理を施した場合でも、内視鏡の気密性(液密性)を確実に維持することができる。すなわち、高温高圧蒸気滅菌処理に対して十分な耐久性を有する内視鏡が得られる。
以下、本発明の内視鏡を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の内視鏡の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の内視鏡の第1実施形態を示す全体図、図2は、図1に示す内視鏡における全体配管を示す概略図、図3は、図2に示す内視鏡が備える接眼部の構成を示す縦断面図、図4は、図1に示す内視鏡が備える操作ノブの構成を示す縦断面図、図5は、図1に示す内視鏡が備える吸引ボタンの待機状態(第1の状態)を示す縦断面図、図6は、図1に示す内視鏡が備える吸引ボタンの操作状態(第2の状態)を示す縦断面図である。なお、以下では、図1〜図3、図5および図6中の下側を「先端」、上側を「基端」として説明する。また、図4では、図が煩雑になるのを避けるため、一部断面を示す斜線を省略して示す。
図1に示す内視鏡(ファイバースコープ)1は、可撓性を有する長尺の可撓管部21と可撓管部21の先端側に設けられた湾曲部22とを備える挿入部可撓管2と、挿入部可撓管2の基端側に設けられ、術者が把持して内視鏡1全体を操作する操作部3と、該操作部3の基端側に設けられ、被写体の像を直接観察する接眼部4と、光源装置(図示せず)に着脱可能に装着される差込部6と、操作部3と差込部6とを接続する可撓性を有する長尺の接続部可撓管5とを備えている。以下、各部の構成について説明する。
これらの各部のうち、挿入部可撓管2は、生体等の管腔内に挿入される挿入部を構成するものである。挿入部可撓管2の内部(中空部)には、例えば、光ファイバー、電線ケーブル、ワイヤー(いずれも図示せず)や、図2に示す吸引チャンネル7を構成するチューブ類等の内蔵物が配置、挿通されている。
可撓管部21と接続部可撓管5とは、それぞれ、中空部を有する(管状の)芯材の外周を外皮で被覆した内視鏡用可撓管で構成されている。内視鏡用可撓管等の外皮は、例えば各種ゴム材料等の弾性材料や合成樹脂材料等で構成されている。
湾曲部22は、通常、互いに回動自在に連結された複数(多数)の節輪と、該節輪の外周に被覆された網状管と、該網状管の外周に被覆された外皮とで構成されており、湾曲可能になっている。この湾曲部22の外皮(湾曲ゴム)は、例えば各種ゴム材料等の柔軟な弾性材料で構成されている。
差込部6は、ほぼ有底筒状をなす基部61と、該基部61の底部から先端側に延びるように設置された光源用コネクタ(差込軸)62とを有している。内視鏡1の使用時には、この光源用コネクタ62を光源装置に差し込むことにより、内視鏡1と光源装置とが光学的に接続される。
そして、光源装置に内蔵された光源から発せられた光は、光源用コネクタ62内、基部61内、接続部可撓管5内、操作部3内、挿入部可撓管2内に連続して配設された光ファイバー束によるライトガイド(図示せず)を通り、挿入部可撓管2の先端部より観察部位に照射され、照明する。
前記照明光により照明された観察部位からの反射光(被写体像)は、挿入部可撓管2内および操作部3内に連続して配設された光ファイバー束によるイメージガイド(図示せず)を通り、接眼部4へ伝達される。
図3に示すように、接眼部4の内部には、その中央部にイメージガイドの基端部41が設置されている。この基端部41の基端側(図3中、上側)には、接眼レンズ42aおよび42bが設けられ、これらがほぼ円筒状の接眼枠4aの内腔部に所定位置で固定されている。
この接眼枠4aは、先端方向および基端方向に移動可能に接眼筒4bに支持され、この接眼筒4bの先端部が操作部3に固定されている。
また、接眼筒4bの先端部外周には、被せ環4dが固定され、接眼筒4bと被せ環4dとの間に、視度環4cがイメージガイドの基端部41を中心に回転可能に設けられている。
前述した反射光は、イメージガイド内を通り、基端部41まで到達し、接眼レンズ42aおよび42bを通して観察される。この際、視度環4cを回転操作することにより、イメージガイドの基端部41と接眼レンズ42aおよび42bとの距離を調整し、焦点位置を調整できるようになっている。
このような接眼部4を構成する内視鏡部品のうち、接眼枠4aが接眼筒4bに摺接(密接しつつ摺動)し、視度環4cが接眼筒4bおよび被せ環4dに摺接しており、これらの可動部品同士の間には、それぞれ、封止部材43が設けられている。
すなわち、本実施形態では、この封止部材43が、一方の可動部品に固着し、他方の可動部品と摺接(密接)している。これにより、これらの可動部品同士の間が気密的(液密的)に封止されている。
また、図1に示すように、操作部3には、その側面に、湾曲部22を遠隔操作して湾曲させるための操作機構30や、内視鏡1内に配設された吸引チャンネル7の流路を開閉するための吸引ボタン10等が設置されている。
図4に示すように、操作機構30は、操作部3に固定された軸体35と、この軸体35を中心に、いずれも回転可能に設けられた操作ノブ31、32およびロックレバー33、34とで構成されている。
操作ノブ31、32を回転操作することにより、挿入部可撓管2内に配設されたワイヤー(図示せず)が牽引されて、湾曲部22が4方向に湾曲し、その方向を変えることができる。
また、ロックレバー33、34を反時計回りに回転操作することにより、湾曲部22を所望の湾曲状態で固定することができ、一方、この状態から時計回りに回転操作することにより、湾曲状態で固定された湾曲部22の固定を解除することができるようになっている。
このような操作機構30を構成する内視鏡部品のうち、ロックレバー33が操作ノブ31に摺接し、操作ノブ31が操作ノブ32に摺接し、操作ノブ32がロックレバー34に摺接しており、これらの部品同士の間には、それぞれ、封止部材36が設けられている。
すなわち、本実施形態では、この封止部材36が、一方の可動部品に固着し、他方の可動部品と摺接(密接)している。これにより、これらの可動部品同士の間が気密的(液密的)に封止されている。
吸引ボタン10は、図2に示すように吸引チャンネル7の途中に設けられ、この流路を開閉し得るよう構成されている。
吸引チャンネル7は、その先端側から、チャンネルチューブ51、連通管17a、シリンダ12、吸引接続管14aおよび外部吸引チューブ50とを備えている。
吸引ボタン10は、図5および図6に示すように、内腔部120を備えるシリンダ12と、このシリンダ12の内腔部120内に軸線方向に沿って進退自在に設けられたピストン20と、ピストン20を外方に付勢する戻しバネ25と、操作部3外に突出するピストン20の端部に取り付けられた押圧部11とを有している。
そして、吸引ボタン10の押圧部11を押圧することにより、ピストン20の押し込み操作を行うことができる。
また、シリンダ12の側面には、吸引口14が開口している。この吸引口14には、吸引接続管14aの一端側が接続され、内腔部120に連通している。一方、吸引接続管14aの他端側には、外部吸引装置(図示せず)に連通する外部吸引チューブ50の一端側が接続されている。
また、シリンダ12の底部には、共通口17が開口しており、この共通口17には、連通管17aの一端側が接続され、内腔部120に連通している。一方、連通管17aの他端側は、チャンネルチューブ51の基端近傍に接続され、このチャンネルチューブ51の先端は、挿入部可撓管2の先端で開放している。
ピストン20の外周側には、シリンダ12からの突出部を囲むように、ピストン受け筒27が設けられている。また、ピストン20のシリンダ12と反対側の端部には、押圧部11の取り付け座24が螺合により連結されている。
この取り付け座24とピストン受け筒27の底面との間に、圧縮コイルスプリングで構成された戻しバネ25が圧縮状態で配置されている。
このようにして、ピストン20と押圧部11とが一体化され、戻しバネ25により常に外方(シリンダ12の口部から突出する方向)に付勢された状態になっている。
ピストン20には、そのシリンダ12側に、L字状をなす貫通孔26が形成されている。この貫通孔26は、ピストン20の底面と側面とにそれぞれ開口しており、ピストン20が図5に示す第1の位置にあるとき、吸引接続管14aと連通管17aとの連通を許容しない状態(以下、「待機状態」と言う。)となり、図6に示す第2の位置にあるとき、吸引接続管14aと連通管17aとが貫通孔26を介して連通する状態(以下、「操作状態」と言う。)となる。
内視鏡1の使用時には、外部吸引チューブ50の他端側には、吸引手段が接続され、吸引チャンネルが連通した状態では、挿入部可撓管2の先端から体腔内の体液や血液等を吸引することができる。
このような吸引ボタン10を構成する内視鏡部品のうち、ピストン20がシリンダ12に摺接しており、これらの可動部品同士の間には、それぞれ、封止部材28が設けられている。
すなわち、本実施形態では、この封止部材28が、一方の可動部品に固着し、他方の可動部品と摺接(密接)している。これにより、これらの可動部品同士の間が気密的(液密的)に封止されている。
このような各封止部材28、36、43の他にも、封止部材を用いて気密性(液密性)を保持した部分は、内視鏡1の各部に適用されている。
次に、図5および図6に示す吸引ボタン10を一例に、この封止部材28について詳述する。
封止部材28は、前述したように、ピストン20の下端部の外面(外周面)に固着して設けられており、シリンダ12の内面(内周面)に密接し、押圧部11の押圧操作に伴って、シリンダ12の内面に摺接しつつ移動する(相対的に変位する)。これにより、内視鏡1の内部の気密性(液密性)を保持している。
このような封止部材28は、弾性材料の成形体で構成されているのが好ましい。封止部材28が弾性材料で構成されていると、封止部材28は、その密接している内視鏡部品の接触面の形状に対する追従性に優れたものとなる。したがって、特に気密性(液密性)に優れた内視鏡1が得られる。
封止部材28を構成する弾性材料としては、例えば、フッ素ゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ヒドリンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、多硫化ゴム、ウレタンゴム、天然ゴムのような各種ゴム材料のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
この中でも、封止部材28を構成する弾性材料は、フッ素ゴムおよびシリコーンゴムの少なくとも一方を主成分とするものが好ましい。これらの弾性材料は、前述のような特性に加え、耐熱性および耐候性に特に優れているため、高温高圧蒸気滅菌処理に繰り返し曝されても、十分な弾性を維持する。したがって、このような弾性材料で構成された封止部材28を備えた内視鏡1は、高温高圧蒸気滅菌処理に対して、特に信頼性の高いものとなる。
また、封止部材28を構成する材料としては、例えば、ウレタン系、エポキシ系、フェノール系、尿素系、メラミン系、不飽和ポリエステル系、ケトン系等の各種熱硬化性樹脂材料の発泡体、または、ポリオレフィン、ポリカーボネート、アイオノマー等の各種熱可塑性樹脂材料(または熱可塑性エラストマー)の発泡体等も用いることができる。
このうち、封止部材28の構成材料は、熱硬化性樹脂材料の発泡体で構成されているのが好ましい。封止部材28は、熱硬化性樹脂に由来した特性、すなわち比較的耐熱性および耐薬品性に優れたものである。このため、高温高圧蒸気滅菌処理に繰り返し曝されても、封止部材28が変質・劣化するのを確実に防止することができる。したがって、このような封止部材28は、高温高圧蒸気滅菌処理に対する十分な耐久性を備えたものとなる。
また、このような封止部材28は、発泡体が内包する空孔が収縮・復元を繰り返すことにより、発泡体全体に弾力性を示すこととなり、特に弾性に富んだものとなる。このため、封止部材28は、前述の弾性材料で構成された封止部材28と同様に、密接している内視鏡部品の接触面の形状に対する追従性に優れたものとなる。これにより、特に気密性(液密性)に優れた内視鏡1が得られる。
さらに、熱硬化性樹脂材料は、加熱により容易に硬化するので、発泡体を容易に得ることが可能となる。
この中でも、封止部材28を構成する熱硬化性樹脂材料は、ポリウレタンを主成分とするものが好ましい。ポリウレタンは、発泡体を形成した際に、各種熱硬化性樹脂材料の中でも優れた弾力性を示す。このため、封止部材28は、密接している内視鏡部品の接触面の形状に対する追従性に特に優れたものとなり、これにより、気密性(液密性)に特に優れた内視鏡1が得られる。
また、封止部材28の発泡体が内包する空孔同士は、互いに独立しているのが好ましい。これにより、封止部材28に圧縮力を付与した際に、空孔中の気体を閉じ込め、気体が封止部材28の外部に放出されるのを防止する。このため、圧縮され収縮した状態の封止部材28から前記圧縮力を取り除くと、空孔が元の体積に確実に戻る(復元する)ことができる。その結果、封止部材28も圧縮前の体積に回復することとなり、特に優れた弾力性を得ることができる。
ここで、従来、このような可動部品同士の間を封止する手段としては、一方の部品に設けられた溝に、Oリングを嵌め込み、このOリングに他方の部品を密接させる構成が用いられていた。
ところで、内視鏡を洗浄する場合、このような可動部品を分解して洗浄するが、この際に、溝からOリングが外れてしまい、再び組み立てる際にOリングを溝に嵌め込む手間を要するという問題があった。1つの内視鏡には、Oリングが多数使用されているため、このような手間は膨大であった。
また、Oリングと溝との間の気密性(液密性)は、Oリングと溝との間の密着性によって左右されるため、溝の内側の加工精度が非常に重要となる。すなわち、表面粗さが小さく、平滑性の高い溝を設ける必要があるため、可動部品は、このような高精度の加工が可能な形状である必要がある。このため、可動部品の設計に、前述のような制約を設けることとなり、設計の自由度が低下するという問題があった。
さらに、Oリングと可動部品との間の潤滑性によっては、可動部品が動作した際に、Oリングがねじれて、Oリングと溝との間に隙間が生じ易い。このため、内視鏡に対して高温高圧蒸気滅菌を施した場合、この隙間を介して、可撓管の内部に水分が浸入するおそれがあった。それとともに、Oリングのねじれ等によって、Oリングが変質・劣化するおそれがあった。
これに対し、本発明では、前述したように、封止部材28がピストン20の下端部の外面(外周面)に固着して設けられている。
このように、封止部材28がピストン20に固定されていることにより、内視鏡を分解した際に、ピストン20に設けられた溝から封止部材28が脱落するのを確実に防止することができる。これにより、脱落した封止部材をピストンの溝に嵌め込む手間を省略することができ、内視鏡の組み立て作業を簡略化することができる。
また、封止部材28とピストン20とが固着しているため、従来のように封止部材を嵌め込む溝を形成する必要がない。このため、ピストン20の設計の制約が減少し、設計の自由度がより高くなる。
さらに、封止部材28とピストン20とが固着していると、封止部材28とピストン20との間の摺接する部分の気密性(液密性)が確実に保持される。このため、押圧部11の押圧操作に伴ってピストン20が移動しても、ピストン20の外周面から封止部材28が浮き上がったり、隙間が生じたりするおそれが極めて小さくなる。したがって、このような内視鏡は、高温高圧蒸気滅菌に対しても、十分な耐久性および信頼性を有するものとなる。
また、封止部材28の変質・劣化を抑制することができるので、封止部材28の長寿命化とそれに伴う低コスト化を図ることができる。
次に、このような内視鏡1を製造する方法(本発明の内視鏡の製造方法)について説明する。
まず、内視鏡を構成する複数の内視鏡部品を用意する。なお、以下では、内視鏡部品の一例として、ピストン20を代表に説明する。
次に、封止部材28を構成する封止部材組成物の未硬化物を、ピストン20の下端部の外周面に沿って環状に供給して成形体を得る(第1の工程)。
この第1の工程は、以下のようにして行われる。
まず、封止部材28を構成する封止部材組成物の未硬化物、すなわち、熱硬化性樹脂材料の未硬化物または弾性材料の未硬化物を用意する。
熱硬化性樹脂材料の未硬化物は、後述する硬化処理により硬化して、熱硬化性樹脂材料に変化する性質を有するものである。
例えば、熱硬化性樹脂材料がポリウレタンである場合、その未硬化物としては、ポリオール系化合物とポリイソシアネート系化合物の混合物が挙げられる。
このうち、ポリオール系化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ショ糖のような多価アルコールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドのようなアルキレンオキサイドを付加重合させたポリエーテルポリオール類、エチレングリコール、プロピレングリコールのようなオリゴグリコール類、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールのようなグリコール類、ポリカプロラクトンポリオール、ヒマシ油のようなヒドロキシル基含有高級脂肪酸エステル類、ポリエーテルポリオールまたはポリエステル類にビニルモノマーをグラフト反応させたポリマーポリオール等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、ポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、粗製TDI、ポリメチレン・ポリフェニルイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネートのほか、これらのイソシアネート化物、カルボジイミド化物、ビューレット化物等が挙げられ、これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
この未硬化物は、必要に応じて、硬化剤、触媒、発泡剤、可塑剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、接着付与剤、脱水剤、発泡調整剤、粘度粘性調整剤、充填剤、着色剤等の各種添加物を含んでいてもよい。
このうち、硬化剤としては、例えば、融点50℃以上で常時固形であるポリアミン系化合物が挙げられる。
かかるポリアミン系化合物としては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノビフェニル、2,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、2,4−ジアミノフェノール、2,5−ジアミノフェノール、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,3−トリレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,5−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、3,4−トリレンジアミンのような芳香族固形ポリアミン、1,12−ドデカンジアミン、2,10−デカンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,14−テトラデカンジアミン、1,16−ヘキサデカンジアミンのような脂肪族固形ポリアミン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレートのような有機錫系触媒、オクチル酸ビスマスのようなビスマス系触媒、第三級アミン系触媒等が挙げられる。
また、発泡剤としては、例えば、大気圧で気化する液体、常温で気化する液体、他の物質と反応してガスを発生させる物質等が挙げられる。
具体的には、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、アゾジカルボンアミド(ADCA)、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、炭酸水素ナトリウム、ヒドラゾジカルボンアミド(HDCA)等が挙げられる。
また、必要に応じて、これらの発泡剤とともに、ガスの発生を促進させる助剤を併用してもよい。かかる助剤としては、例えば、尿素系助剤等が挙げられる。
また、可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジイソオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジベンジルフタレート、トリオクチルホスフェート、各種エポキシ系可塑剤、アジピン酸エステルのようなポリエステル系可塑剤等が挙げられる。
一方、弾性材料の未硬化物は、後述する硬化処理により硬化して、前述のような弾性材料に変化する性質を有するものである。
この未硬化物は、必要に応じて、加硫剤、硬化剤、触媒、発泡剤、可塑剤、充填剤、着色剤等の添加物を含んでいてもよい。
次に、未硬化物を、ピストン20の外周面に供給する。これにより、未硬化物を封止部材28の形状に成形した成形体が得られる。
未硬化物の供給方法としては、特に限定されないが、例えば、ディスペンサー、チューブ等による射出、刷毛、ヘラ等による塗布等により行うことができる。
この際、ピストン20の封止部材28を形成すべき領域に、溝が形成されていてもよい。これにより、未硬化物の供給位置を確実に制御することができ、目的とする位置に封止部材28を確実に形成することができる。
また、ピストン20は、その外周面の少なくとも未硬化物を供給する領域、すなわち少なくとも封止部材28を固着させる領域に、封止部材28の固着力を向上させる下地処理を施されたものであるのが好ましい。これにより、ピストン20と封止部材28との固着力が増大し、ピストン20から封止部材28が脱落するのをより確実に防止することができる。
また、例えば、押圧部11の押圧操作に伴って封止部材28に過度の荷重が加わった場合でも、ピストン20の外周面から封止部材28が浮き上がったり、隙間が生じたりするのを防止して、内視鏡1の気密性(液密性)を確実に維持することができる。すなわち、高温高圧蒸気滅菌処理に対して十分な耐久性を有する内視鏡1が得られる。
このような下地処理としては、例えば、封止部材28を固着させる領域に対する粗面化処理、下地層を形成する処理等が挙げられる。
このうち、粗面化処理としては、例えば、アルカリ洗浄、酸洗浄、水洗、有機溶剤洗浄等の洗浄処理や、ブラスト処理(例えば、ショットブラスト、サンドブラスト等)、エッチング処理、ボンバード処理等が挙げられる。このような粗面化処理が施された領域に、未硬化物を供給すると、前記領域に形成された凹部に未硬化物が浸透する。その後、未硬化物が硬化して封止部材28になると、封止部材28とピストン20との間には、アンカー効果に起因する強固な固着力が生じることとなる。
一方、下地層を形成する処理としては、例えば、プライマーの付与、接着剤の付与等が挙げられる。例えば、封止部材28を固着させる領域に、封止部材28およびピストン20の双方と強固に固着し得るプライマーを付与すると、このプライマー(下地層)を介して、封止部材28とピストン20とが強固に固定されることとなる。
ここで、未硬化物が前述の発泡剤を含んでいる場合、後述の工程において、発泡剤の作用により、得られた成形体中に多数の空孔を内包することとなる。また、発泡剤を含んでいなくても、未硬化物に各種ガスを巻き込ませることにより、未硬化物中に多数の空孔を形成することができる。これらの方法により、後述する工程において、互いに独立した空孔を内包した発泡体を確実に得ることができる。
次に、得られた成形体に対して硬化処理を施して、成形体を硬化させる。これにより、ピストン20の外周面に封止部材28を得る(第2の工程)。
硬化処理としては、例えば、加熱、光照射、水分の付与、空気(大気)との接触の遮断等の方法が挙げられ、これらの中から、弾性材料の組成等に応じて適宜選択することができるが、特に、加熱による硬化処理が好ましい。これにより、簡易な設備で効率よく硬化処理を行うことができる。
以上のような方法により、複雑な形状をなす内視鏡部品に対しても、封止部材を容易に固着させることができる。
次に、封止部材28が形成されたピストン20をシリンダ12に挿入(接続)するとともに、その他の内視鏡部品を組み立てる。これにより、図5に示す吸引ボタン10を得るとともに、図1に示す内視鏡1を得る(第3の工程)。
このようにして、高温高圧蒸気滅菌に供されたときに、内部の気密を確実に維持し得る内視鏡1を容易に得ることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の内視鏡の第2実施形態について説明する。
図7は、本発明の内視鏡の第2実施形態を示す全体図、図8は、図7に示す内視鏡が備える操作部の構成を示すA−A線断面図、図9は、図7に示す内視鏡が備える操作部の蓋体が外された状態を示す側面図である。なお、以下では、図7中の下側を「先端」、上側を「基端」として説明する。
以下、本発明の内視鏡の第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態の内視鏡は、操作部と撮像手段の構成が異なる以外は、前記第1実施形態と同様である。
図7に示す内視鏡1は、撮像素子によって画像を取得する電子内視鏡(電子スコープ)である。
この内視鏡1は、挿入部可撓管2と、操作部3と、接続部可撓管5とを備えている。
挿入部可撓管2の先端部には、撮像素子(図示せず)が設けられている。この撮像素子には、挿入部可撓管2の長手方向に沿って配設された信号線(図示せず)が接続されている。
また、前記第1実施形態の接眼部が省略されている。そして、差込部(図示せず)は、その内部に、画像信号を処理する信号処理回路(図示せず)を有し、差込部の先端部に、画像信号用コネクタ(図示せず)を備えている。
操作部3は、図7に示すように吸引ボタン10を有している。
また、本実施形態の操作部3は、図8に示すように、操作部本体37と、この操作部本体37に設けられた窓部38と、この窓部38を覆うように設けられた蓋体39とを有している。
蓋体39は、その縁部に沿って設けられた封止部材391を有している。この封止部材391は、蓋体39の縁部に固着しているとともに、窓部38に密接している。これにより、窓部38と蓋体39との間が気密的(液密的)に封止されている。
また、蓋体39は、その縁部に凸部392を有しており、一方、窓部38が凹部381を有している。この凸部392と凹部381とを嵌合させることにより、窓部38に対して蓋体39を確実に固定するとともに、窓部38と蓋体39との間に封止部材391を潰すように挟み付けることができる。これにより、窓部38と蓋体39との間の気密性(液密性)をより高めることができる。
さらに、窓部38は、図8および図9に示すように、封止部材391に密接する段差部382を有している。これにより、段差部382と封止部材391とが確実に密接することができ、前述の気密性(液密性)をさらに高めることができる。
ところで、このような蓋体39は、分解修理する際に、操作部本体37から取り外される。
本実施形態では、蓋体39の縁部に封止部材391が固着しているため、蓋体39を取り外したり、取り付けたりする際に、封止部材391に負荷がかかっても、蓋体39から封止部材391が脱落するのを確実に防止することができる。これにより、脱落した封止部材391を再度取り付ける手間を省略することができ、内視鏡1の分解・組み立て作業を簡略化することができる。
以上、本発明の内視鏡を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、本発明の内視鏡の各部は、同様の機能を発揮する任意の部材と置換することができ、また、任意の部材を追加することもできる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.内視鏡の製造
(実施例1)
まず、図7に示すような内視鏡(ペンタックス社製軟性内視鏡FB−29X)の構成部品を用意した。
次に、封止部材の構成材料(ポリウレタン)の原材料として、数平均分子量2000のポリエーテルポリオール(三洋化成工業(株)製、PP2000)80重量%と、ジフェニルメタンジイソシアネート20重量%とを、温度80℃で2時間混合して反応させ、ウレタンプレポリマーを得た。
次に、得られたウレタンプレポリマー50重量%と、1,12−ドデカンジアミン(硬化剤)5重量%、炭酸カルシウム(充填剤)15重量%、カーボン(着色剤)10重量%、ジオクチルフタレート(可塑剤)20重量%とを混合し、発泡原料を得た。
次に、発泡原料に圧力を付与し、発泡原料中にガスを均一に分散させた。
次に、発泡原料を温度80℃に加熱しつつ、図7に示す蓋体39の縁部に向けて、発泡原料をノズルから供給した。これにより、発泡原料が熱硬化することにより、蓋体39の縁部に沿って発泡原料が固着する。また、発泡原料中のガスが気泡を形成し、発泡体となる。これにより、蓋体39の縁部に沿って、ポリウレタンの発泡体で構成された封止部材391が得られた。
次に、その他の液密性が必要な部分に対しても、前述と同様にして、ポリウレタンで構成された封止部材を得た。
次に、得られた構成部品を用いて、内視鏡を組み立てた。
(実施例2)
まず、シリコーンゴムコンパウンド(GE東芝シリコーン(株)製、ミラブル型シリコーンゴムTSE211−5U)100重量部に対して、加硫剤(GE東芝シリコーン(株)製、TC−1)0.5重量部を混合し、ミキシングロールで混練して、混練物を得た。
次に、得られた混練物を、図7に示す蓋体39の縁部に供給するとともに、125℃×15分、250℃×24時間で加熱して硬化させ、封止部材391を得た。
次に、その他の液密性が必要な部分に対しても、前述と同様にして、シリコーンゴムで構成された封止部材を得た。
次に、得られた構成部品を用いて、前記実施例1と同様にして内視鏡を得た。
(実施例3)
まず、図7に示す蓋体39の縁部に、下地処理としてプライマー((株)横浜高分子研究所製、モニカスVT−200)を塗布した。
次に、フッ素ゴムコンパウンド(デュポンエラストマー(株)製、バイトンE−60C)をミキシングロールで混練して、混練物を得た。
次に、得られた混練物を、蓋体39の縁部に供給するとともに、180℃×5分、240℃×24時間で加熱して硬化させ、封止部材391を得た。
次に、その他の液密性が必要な部分に対しても、前述と同様にして、フッ素ゴムで構成された封止部材を得た。
次に、得られた構成部品を用いて、前記実施例1と同様にして内視鏡を得た。
2.内視鏡の評価
次に、各内視鏡に対し、オートクレーブによる高温高圧蒸気滅菌処理を繰り返し行った。以下に、滅菌処理の条件を示す。
・滅菌処理の条件
温度 :120℃
時間 :10分
処理サイクル:3000回
次に、滅菌処理後の内視鏡を、その内圧が0.03MPaになるよう加圧した状態で水中に沈め、内視鏡の液密構造が維持されているかを確認した。
その結果、各実施例の内視鏡は、いずれも、オートクレーブによる滅菌処理を3000回繰り返しても十分な液密性を維持していた。
また、その内視鏡を分解したところ、内視鏡部品に対する封止部材の固着状態が維持されていることが確認された。
本発明の内視鏡の第1実施形態を示す全体図である。 図1に示す内視鏡における全体配管を示す概略図である。 図2に示す内視鏡が備える接眼部の構成を示す縦断面図である。 図1に示す内視鏡が備える操作ノブの構成を示す縦断面図である。 図1に示す内視鏡が備える吸引ボタンの待機状態(第1の状態)を示す縦断面図である。 図1に示す内視鏡が備える吸引ボタンの操作状態(第2の状態)を示す縦断面図である。 本発明の内視鏡の第2実施形態を示す全体図である。 図7に示す内視鏡が備える操作部の構成を示すA−A線断面図である。 図7に示す内視鏡が備える操作部の蓋体が外された状態を示す側面図である。
符号の説明
1 内視鏡
2 挿入部可撓管
3 操作部
4 接眼部
4a 接眼枠
4b 接眼筒
4c 視度環
4d 被せ環
5 接続部可撓管
6 差込部
7 吸引チャンネル
10 吸引ボタン
11 押圧部
12 シリンダ
120 内腔部
14 吸引口
14a 吸引接続管
17 共通口
17a 連通管
20 ピストン
21 可撓管部
22 湾曲部
24 取り付け座
25 戻しバネ
26 貫通孔
27 ピストン受け筒
28 封止部材
30 操作機構
31、32 操作ノブ
33、34 ロックレバー
35 軸体
36 封止部材
37 操作部本体
38 窓部
381 凹部
382 段差部
39 蓋体
391 封止部材
392 凸部
41 基端部
42a、42b 接眼レンズ
43 封止部材
50 外部吸引チューブ
51 チャンネルチューブ
61 基部
62 光源用コネクタ

Claims (12)

  1. 内視鏡を構成する複数の内視鏡部品同士が、封止部材を介して気密的に接続されて構成され、高温高圧蒸気滅菌に供されたときに内部の気密を維持し得る内視鏡であって、
    前記封止部材は、前記複数の内視鏡部品のうちの一方に固着されていることを特徴とする内視鏡。
  2. 前記封止部材は、弾性材料の成形体で構成されている請求項1に記載の内視鏡。
  3. 前記弾性材料は、フッ素ゴムおよびシリコーンゴムの少なくとも一方を主成分とするものである請求項2に記載の内視鏡。
  4. 前記封止部材は、熱硬化性樹脂材料の発泡体で構成されている請求項1に記載の内視鏡。
  5. 前記熱硬化性樹脂材料は、ポリウレタンを主成分とするものである請求項4に記載の内視鏡。
  6. 前記発泡体が内包する複数の空孔は、互いに独立している請求項4または5に記載の内視鏡。
  7. 前記封止部材は、該封止部材を構成する封止部材組成物の未硬化物を、前記一方の内視鏡部品に供給するとともに成形して成形体を得、該成形体を硬化してなるものである請求項2ないし6のいずれかに記載の内視鏡。
  8. 前記成形体の硬化は、熱処理によりなされる請求項7に記載の内視鏡。
  9. 前記一方の内視鏡部材は、その少なくとも前記封止部材が固着する領域に、前記封止部材の固着力を向上させる下地処理を施されたものである請求項1ないし8のいずれかに記載の内視鏡。
  10. 前記複数の内視鏡部品のうちの他方は、前記一方の内視鏡部品に対して相対的に変位するよう構成されており、
    前記封止部材は、前記他方の内視鏡部品と摺接する請求項1ないし9のいずれかに記載の内視鏡。
  11. 内視鏡を構成する複数の内視鏡部品同士が、封止部材を介して気密的に接続されて構成され、高温高圧蒸気滅菌に供されたときに内部の気密を維持し得る内視鏡を製造する方法であって、
    前記封止部材を構成する封止部材組成物の未硬化物を、前記複数の内視鏡部品のうちの一方に、環状に供給して成形体を得る第1の工程と、
    該成形体を硬化させ、前記一方の内視鏡部品に固着した前記封止部材を得る第2の工程と、
    前記一方の内視鏡部品に対して、前記封止部材に密接するように前記複数の内視鏡部品のうちの他方を接続する第3の工程とを有することを特徴とする内視鏡の製造方法。
  12. 前記封止部材組成物の未硬化物は、互いに独立した複数の空孔を内包したものである請求項11に記載の内視鏡の製造方法。
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