JPH1156861A - 内視鏡的結紮用具 - Google Patents
内視鏡的結紮用具Info
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- JPH1156861A JPH1156861A JP9225101A JP22510197A JPH1156861A JP H1156861 A JPH1156861 A JP H1156861A JP 9225101 A JP9225101 A JP 9225101A JP 22510197 A JP22510197 A JP 22510197A JP H1156861 A JPH1156861 A JP H1156861A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 良好な内視鏡視野を獲得するとともに、簡便
な操作性と、高い治療効果を有する内視鏡用結紮用具を
提供する。 【解決手段】 内筒と、内筒の外周面上を前後に摺動可
能なスライド筒と、スライド筒の先端部外周に装着され
たＯリングと、スライド筒の前方部外周面に設けられた
第２のスライド筒を備え、スライド筒の前方への押出操
作を介してＯリングを前方に突き出し、次いで第２のス
ライド筒の前方への押出操作を介してスライド筒の先端
部に装着されたＯリングを離脱させる機能を有する内視
鏡的結紮用具において、内筒に外筒を被せ、それらを後
端部で一体化し、内筒と外筒の間に後端にオイルを塗布
したシールリングを固着したスライド筒を配し、シール
リングによって、シールリングの後方に外筒と内筒によ
り形成された環状空間を気密に保ち、環状空間の後方に
は小孔を設けて流体の通路となるチューブを接続し、チ
ューブを通じて環状空間に流体を出し入れする操作によ
りスライド筒が前後に移動可能な結紮用具。
な操作性と、高い治療効果を有する内視鏡用結紮用具を
提供する。 【解決手段】 内筒と、内筒の外周面上を前後に摺動可
能なスライド筒と、スライド筒の先端部外周に装着され
たＯリングと、スライド筒の前方部外周面に設けられた
第２のスライド筒を備え、スライド筒の前方への押出操
作を介してＯリングを前方に突き出し、次いで第２のス
ライド筒の前方への押出操作を介してスライド筒の先端
部に装着されたＯリングを離脱させる機能を有する内視
鏡的結紮用具において、内筒に外筒を被せ、それらを後
端部で一体化し、内筒と外筒の間に後端にオイルを塗布
したシールリングを固着したスライド筒を配し、シール
リングによって、シールリングの後方に外筒と内筒によ
り形成された環状空間を気密に保ち、環状空間の後方に
は小孔を設けて流体の通路となるチューブを接続し、チ
ューブを通じて環状空間に流体を出し入れする操作によ
りスライド筒が前後に移動可能な結紮用具。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、胃、食道の静脈瘤
結紮術や胃、食道の粘膜切除術あるいは大腸のポリープ
切除術などに適用される結紮術用の補助具であって、簡
便な操作により安全、確実に結紮ができる内視鏡的結紮
用具に関する。
結紮術や胃、食道の粘膜切除術あるいは大腸のポリープ
切除術などに適用される結紮術用の補助具であって、簡
便な操作により安全、確実に結紮ができる内視鏡的結紮
用具に関する。
【０００２】
【従来の技術】肝硬変等に伴う胃、食道静脈瘤の治療法
としては、血液凝固性を持つ硬化剤を静脈瘤内あるいは
静脈瘤外に注入して局所に停滞させ、血栓の形成で血行
を遮断することにより静脈瘤を荒廃させ治療する内視鏡
的硬化療法（ＥＩＳ）が主流であった。ところが、生体
にとって副作用のある薬剤を経静脈的に投与すること
は、門脈圧亢進症の複雑な血行動態と相俟って、肺塞
栓、肺不全、腎障害等の様々な合併症を引き起こす原因
となっていた。従って、１回に使用される硬化剤の量も
制限され、また患者の回復を考慮しながらの治療となる
ため、治療時間が長くなるといった問題があった。この
問題を解決するために、胃、食道静脈瘤の治療法とし
て、食道静脈瘤結紮術（以後ＥＶＬという）が実施され
るようになってきた。ＥＩＳが静脈瘤内に硬化剤を注入
するのに対し、ＥＶＬは内視鏡下で静脈瘤をＯリングで
結紮し、静脈瘤内の血流を遮断する。結紮後の静脈瘤は
虚血状態となり荒廃し、最終的に食道壁から脱落する。
としては、血液凝固性を持つ硬化剤を静脈瘤内あるいは
静脈瘤外に注入して局所に停滞させ、血栓の形成で血行
を遮断することにより静脈瘤を荒廃させ治療する内視鏡
的硬化療法（ＥＩＳ）が主流であった。ところが、生体
にとって副作用のある薬剤を経静脈的に投与すること
は、門脈圧亢進症の複雑な血行動態と相俟って、肺塞
栓、肺不全、腎障害等の様々な合併症を引き起こす原因
となっていた。従って、１回に使用される硬化剤の量も
制限され、また患者の回復を考慮しながらの治療となる
ため、治療時間が長くなるといった問題があった。この
問題を解決するために、胃、食道静脈瘤の治療法とし
て、食道静脈瘤結紮術（以後ＥＶＬという）が実施され
るようになってきた。ＥＩＳが静脈瘤内に硬化剤を注入
するのに対し、ＥＶＬは内視鏡下で静脈瘤をＯリングで
結紮し、静脈瘤内の血流を遮断する。結紮後の静脈瘤は
虚血状態となり荒廃し、最終的に食道壁から脱落する。
【０００３】ここで、図を用いてＥＶＬの術式を説明す
る。図２はＥＶＬの術式を示す図である。術者は内視鏡
（６）の先端に円筒状のデバイス（１４）を装着し、結
紮する静脈瘤の上部にデバイスを配置する。次いで内視
鏡の吸引機能を働かせてデバイス（１４）内に静脈瘤
（１３）を吸引する。静脈瘤が十分デバイス内に引き込
まれたのを確認したら、シリンジ（１０）から駆動チュ
ーブ（５）を通して流体デバイス（１４）に送り込むこ
とにより、予めデバイス（１４）の先端の外周に拡張状
態でセットしたＯリング（４）を離脱させる。この操作
で、吸引されてポリープ状になった静脈瘤（１３）の根
元にはＯリングがかかり、処置が完了する。Ｏリングを
離脱させる方法には大別して上述した流体駆動方式と、
ワイヤーを引くことによりＯリングが離脱するトリップ
ワイヤー方式の２つがあるが、後者の方式はトリップワ
イヤーを内視鏡の鉗子孔内に挿通するため、鉗子孔を使
用した処置ができない欠点があるため、前者が汎用され
ている。
る。図２はＥＶＬの術式を示す図である。術者は内視鏡
（６）の先端に円筒状のデバイス（１４）を装着し、結
紮する静脈瘤の上部にデバイスを配置する。次いで内視
鏡の吸引機能を働かせてデバイス（１４）内に静脈瘤
（１３）を吸引する。静脈瘤が十分デバイス内に引き込
まれたのを確認したら、シリンジ（１０）から駆動チュ
ーブ（５）を通して流体デバイス（１４）に送り込むこ
とにより、予めデバイス（１４）の先端の外周に拡張状
態でセットしたＯリング（４）を離脱させる。この操作
で、吸引されてポリープ状になった静脈瘤（１３）の根
元にはＯリングがかかり、処置が完了する。Ｏリングを
離脱させる方法には大別して上述した流体駆動方式と、
ワイヤーを引くことによりＯリングが離脱するトリップ
ワイヤー方式の２つがあるが、後者の方式はトリップワ
イヤーを内視鏡の鉗子孔内に挿通するため、鉗子孔を使
用した処置ができない欠点があるため、前者が汎用され
ている。
【０００４】また、デバイスの利用はＥＶＬにとどまら
ず、胃表在癌や、大腸ポリープの切除に広がっている。
胃表在癌や大腸ポリープの切除では、ＥＶＬと同様にし
て目的部位にデバイスを接触し、切除すべき組織を吸引
して結紮した後に、結紮部を高周波スネアーで切除する
方法が採られる。この方法は、結紮後に内視鏡観察下で
切除が可能なため、穿孔の危険性が極めて少ないという
特長を有している。
ず、胃表在癌や、大腸ポリープの切除に広がっている。
胃表在癌や大腸ポリープの切除では、ＥＶＬと同様にし
て目的部位にデバイスを接触し、切除すべき組織を吸引
して結紮した後に、結紮部を高周波スネアーで切除する
方法が採られる。この方法は、結紮後に内視鏡観察下で
切除が可能なため、穿孔の危険性が極めて少ないという
特長を有している。
【０００５】しかしながら、デバイスにもいくつかの問
題点が指摘されている。第１に、結紮用具を内視鏡に装
着した際に内視鏡の視野が低下することである。本件に
ついては、デバイスを前後にスライドする方式が考案さ
れ、特開平８−５２１４８号公報に開示されている。し
かし、このものは、視野を改善することは可能であった
が、トリップワイヤーによりデバイスをスライドさせる
ため、内視鏡を反転させた状態ではワイヤーを押し込め
ず、デバイスを前方に突出させることができなかった
り、ワイヤーがひっかかり、突出したデバイスを元に戻
せず、食道や胃の壁に押し当て戻さねばならないという
不具合が発生していた。
題点が指摘されている。第１に、結紮用具を内視鏡に装
着した際に内視鏡の視野が低下することである。本件に
ついては、デバイスを前後にスライドする方式が考案さ
れ、特開平８−５２１４８号公報に開示されている。し
かし、このものは、視野を改善することは可能であった
が、トリップワイヤーによりデバイスをスライドさせる
ため、内視鏡を反転させた状態ではワイヤーを押し込め
ず、デバイスを前方に突出させることができなかった
り、ワイヤーがひっかかり、突出したデバイスを元に戻
せず、食道や胃の壁に押し当て戻さねばならないという
不具合が発生していた。
【０００６】また、第２の問題として、従来のデバイス
では胃表在癌に対して、十分な範囲を切除できない問題
があった。この原因はデバイス内部の空間が充分でな
く、必要な範囲の粘膜層をデバイス内部に引き込めない
ためである。この観点から見ると、特開平８−５２１４
８号公報に開示された考案はデバイス部を突出させた時
に、デバイス内部の奥行きを大きくして、より広範囲の
粘膜を引き込むことを可能にすることはできたが、上述
したように、デバイスのスライド性が十分でないため実
用に至っていない。
では胃表在癌に対して、十分な範囲を切除できない問題
があった。この原因はデバイス内部の空間が充分でな
く、必要な範囲の粘膜層をデバイス内部に引き込めない
ためである。この観点から見ると、特開平８−５２１４
８号公報に開示された考案はデバイス部を突出させた時
に、デバイス内部の奥行きを大きくして、より広範囲の
粘膜を引き込むことを可能にすることはできたが、上述
したように、デバイスのスライド性が十分でないため実
用に至っていない。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、良好
な内視鏡視野を獲得するとともに、簡便な操作性と、高
い治療効果を有する内視鏡用結紮用具を提案することで
あり、具体的には、特開平８−５２１４８号公報に開示
されているデバイスのスライド方式を見直し、この方式
をさらに発展させ、より簡便な操作で確実にデバイスを
スライドさせる方法を具備した、食道静脈瘤、胃粘膜、
大腸ポリープの結紮に使用可能な結紮用具を提供するこ
とである。
な内視鏡視野を獲得するとともに、簡便な操作性と、高
い治療効果を有する内視鏡用結紮用具を提案することで
あり、具体的には、特開平８−５２１４８号公報に開示
されているデバイスのスライド方式を見直し、この方式
をさらに発展させ、より簡便な操作で確実にデバイスを
スライドさせる方法を具備した、食道静脈瘤、胃粘膜、
大腸ポリープの結紮に使用可能な結紮用具を提供するこ
とである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明は、内筒と、内筒
の外周面上を前後に摺動可能なスライド筒と、スライド
筒の先端部外周に装着されたＯリングと、スライド筒の
前方部外周面に設けられた第２のスライド筒を備え、ス
ライド筒の前方への押出操作を介してＯリングを前方に
突き出し、次いで第２のスライド筒の前方への押出操作
を介してスライド筒の先端部に装着されたＯリングを離
脱させる機能を有する内視鏡的結紮用具において、内筒
に外筒を被せ、それらを後端部で一体化し、内筒と外筒
の間に後端にオイルを塗布したシールリングを固着した
スライド筒を配し、シールリングによって、シールリン
グの後方に外筒と内筒により形成された環状空間を気密
に保ち、環状空間の後方には小孔を設けて流体の通路と
なるチューブを接続し、チューブを通じて環状空間に流
体を出し入れする操作によりスライド筒が前後に移動可
能であることを特徴とした結紮用具である。
の外周面上を前後に摺動可能なスライド筒と、スライド
筒の先端部外周に装着されたＯリングと、スライド筒の
前方部外周面に設けられた第２のスライド筒を備え、ス
ライド筒の前方への押出操作を介してＯリングを前方に
突き出し、次いで第２のスライド筒の前方への押出操作
を介してスライド筒の先端部に装着されたＯリングを離
脱させる機能を有する内視鏡的結紮用具において、内筒
に外筒を被せ、それらを後端部で一体化し、内筒と外筒
の間に後端にオイルを塗布したシールリングを固着した
スライド筒を配し、シールリングによって、シールリン
グの後方に外筒と内筒により形成された環状空間を気密
に保ち、環状空間の後方には小孔を設けて流体の通路と
なるチューブを接続し、チューブを通じて環状空間に流
体を出し入れする操作によりスライド筒が前後に移動可
能であることを特徴とした結紮用具である。
【０００９】本発明で使用するシールリングには機密性
を保つためにゴム製のものが好ましく使用される。使用
可能なゴムには特に制限はなく、たとえば、フッ素系、
シリコーン系のゴム、クロロプレン、ネオプレン、イソ
プレン等の合成ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、
スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、
セグメント化ポリウレタン、セグメント化ポリアミド等
のエラストマーが使用できる。ただし、本発明はこれら
に限定されない。
を保つためにゴム製のものが好ましく使用される。使用
可能なゴムには特に制限はなく、たとえば、フッ素系、
シリコーン系のゴム、クロロプレン、ネオプレン、イソ
プレン等の合成ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、
スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、
セグメント化ポリウレタン、セグメント化ポリアミド等
のエラストマーが使用できる。ただし、本発明はこれら
に限定されない。
【００１０】また、本発明では、シールリングにオイル
等の潤滑剤を塗布する。オイルに特に制限はないが、人
体に対して無害であること、長期間安定であることを考
慮すれば、シリコーンオイルが好ましい選択となる。た
だし、本発明はこれに限定されるものではない。さら
に、オイルはシールリング材質中に含まれる形態をとっ
てもよい。本発明の最も好ましい形態は、少なくとも１
０％のシリコーンオイルを含有するシリコーンゴムを用
いることで達成できる。シリコーンゴム自体がシリコー
ンオイルを含んだ状態を維持できるからである。より好
ましいシリコーンオイルの含有量は１５〜２５％であ
る。シリコーンオイルの含有量が１０％を下回ると、ス
ライド時の潤滑性が低下するので好ましくない。また少
なくとも１０％のシリコーンオイルを含有できるシリコ
ーンゴム、シリコーンオイルの組み合わせであれば、使
用するシリコーンゴム、シリコーンオイルの種類に特に
制限はない。
等の潤滑剤を塗布する。オイルに特に制限はないが、人
体に対して無害であること、長期間安定であることを考
慮すれば、シリコーンオイルが好ましい選択となる。た
だし、本発明はこれに限定されるものではない。さら
に、オイルはシールリング材質中に含まれる形態をとっ
てもよい。本発明の最も好ましい形態は、少なくとも１
０％のシリコーンオイルを含有するシリコーンゴムを用
いることで達成できる。シリコーンゴム自体がシリコー
ンオイルを含んだ状態を維持できるからである。より好
ましいシリコーンオイルの含有量は１５〜２５％であ
る。シリコーンオイルの含有量が１０％を下回ると、ス
ライド時の潤滑性が低下するので好ましくない。また少
なくとも１０％のシリコーンオイルを含有できるシリコ
ーンゴム、シリコーンオイルの組み合わせであれば、使
用するシリコーンゴム、シリコーンオイルの種類に特に
制限はない。
【００１１】本発明によれば、シールリングはスライド
筒の後端部に固着されなければならない。シールリング
が固着されていない場合、シールリングと外筒と内筒に
より形成された環状空間に、チューブを通じて流体を流
入したときにスラテド筒を前方に移動することは可能で
あるが、チューブを通して流体を環状空間から吸引、除
去する時に、スライド筒が後方に移動せず、内視鏡の視
野を低下させてしまうので好ましくない。シールリング
の固定方法に特に制限はないが、スライド筒の後方にリ
ング固定用のリブを設けてシールリングをはめ込み固定
してもよいし、接着剤により固定してもよい。
筒の後端部に固着されなければならない。シールリング
が固着されていない場合、シールリングと外筒と内筒に
より形成された環状空間に、チューブを通じて流体を流
入したときにスラテド筒を前方に移動することは可能で
あるが、チューブを通して流体を環状空間から吸引、除
去する時に、スライド筒が後方に移動せず、内視鏡の視
野を低下させてしまうので好ましくない。シールリング
の固定方法に特に制限はないが、スライド筒の後方にリ
ング固定用のリブを設けてシールリングをはめ込み固定
してもよいし、接着剤により固定してもよい。
【００１２】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明を詳細に
説明する。図１は本発明の一実施例となる結紮用具を内
視鏡に装着した状態を示す図で（ａ）はスライド筒を収
納した状態で内視鏡に装着した状態の断面図、（ｂ）は
（ａ）の状態から、スライド筒を突出した状態を示す断
面図である。本発明による結紮用具は、図１（ａ）に示
すように先端部の内周にリブを設けた外筒（１）内に後
端部に固定されたシールリング（７）を有するスライド
筒を納め、さらに、内腔に内筒（２）が挿入されてい
る。外筒（１）の後端部と内筒の後端部で両者は一体化
されており、装着部（１２）に固定される。外筒（１）
と内筒（２）は相互に固定されているのに対して、スラ
イド筒（３）は前後にスライドが可能である。
説明する。図１は本発明の一実施例となる結紮用具を内
視鏡に装着した状態を示す図で（ａ）はスライド筒を収
納した状態で内視鏡に装着した状態の断面図、（ｂ）は
（ａ）の状態から、スライド筒を突出した状態を示す断
面図である。本発明による結紮用具は、図１（ａ）に示
すように先端部の内周にリブを設けた外筒（１）内に後
端部に固定されたシールリング（７）を有するスライド
筒を納め、さらに、内腔に内筒（２）が挿入されてい
る。外筒（１）の後端部と内筒の後端部で両者は一体化
されており、装着部（１２）に固定される。外筒（１）
と内筒（２）は相互に固定されているのに対して、スラ
イド筒（３）は前後にスライドが可能である。
【００１３】スライド筒（３）の前方部には、Ｏリング
（４）と第２のスライド筒（８）を有するデバイス（１
４）が付設されている。Ｏリング（４）はスライド筒
（３）の先端部外周に装着され、スライド筒（３）の外
周に第２のスライド筒（８）を設ける。第２のスライド
筒（８）は、駆動媒体を駆動チューブ（５）を介して駆
デバイス（１４）の第２のスライド筒（８）の後方に結
成された気密区画に送り込むことにより、前方に押し出
され、Ｏリング（４）をスライド筒（８）から離脱させ
る。
（４）と第２のスライド筒（８）を有するデバイス（１
４）が付設されている。Ｏリング（４）はスライド筒
（３）の先端部外周に装着され、スライド筒（３）の外
周に第２のスライド筒（８）を設ける。第２のスライド
筒（８）は、駆動媒体を駆動チューブ（５）を介して駆
デバイス（１４）の第２のスライド筒（８）の後方に結
成された気密区画に送り込むことにより、前方に押し出
され、Ｏリング（４）をスライド筒（８）から離脱させ
る。
【００１４】スライド筒（３）の後端にはシールリング
（７）が強固に固定され、シールリング（７）の後方側
に、外筒、内筒及びシールリングで囲まれた気密状態の
環状空間を形成する。環状空間の後端部には小孔を設け
て流体の通路となるチューブ（９）を接続する。チュー
ブ（９）を通じて環状空間に流体を送り込む操作によ
り、スライド筒（３）は前方に突出し、図１（ａ）から
（ｂ）の状態に移動する。逆に、チューブ（９）を介し
て、環状空間の流体を除去する操作によりスライド筒は
図３（ｂ）から（ａ）の状態に戻る。環状空間に流体を
出し入れする手段としては、シリンジを使用する方法が
最も簡便、かつ低コストである。駆動流体に特に制限は
なく、空気等のガスや、水、オイル等の液体が使用でき
る。
（７）が強固に固定され、シールリング（７）の後方側
に、外筒、内筒及びシールリングで囲まれた気密状態の
環状空間を形成する。環状空間の後端部には小孔を設け
て流体の通路となるチューブ（９）を接続する。チュー
ブ（９）を通じて環状空間に流体を送り込む操作によ
り、スライド筒（３）は前方に突出し、図１（ａ）から
（ｂ）の状態に移動する。逆に、チューブ（９）を介し
て、環状空間の流体を除去する操作によりスライド筒は
図３（ｂ）から（ａ）の状態に戻る。環状空間に流体を
出し入れする手段としては、シリンジを使用する方法が
最も簡便、かつ低コストである。駆動流体に特に制限は
なく、空気等のガスや、水、オイル等の液体が使用でき
る。
【００１５】本発明の結紮用具は、結紮処置を実施する
時にのみ図１（ｂ）の形態をとり、それ以外の時は図１
（ａ）の形態で内視鏡を操作する。このため、結紮部位
の観察、特定の際は、内視鏡の前面に視野を低下させる
障害は発生しないので、術者は内視鏡に結紮用具がつい
ていることを意識せずに操作を実施することが可能であ
る。また、図１（ｂ）の状態にあるスライド筒（３）
は、内視鏡が屈曲した状態にあっても、手元のシリンジ
操作で容易に（ａ）の状態に戻すことができる。このた
め、デバイス（１４）を消化管壁に押し当てる必要も、
内視鏡の屈曲を解除する必要もない。
時にのみ図１（ｂ）の形態をとり、それ以外の時は図１
（ａ）の形態で内視鏡を操作する。このため、結紮部位
の観察、特定の際は、内視鏡の前面に視野を低下させる
障害は発生しないので、術者は内視鏡に結紮用具がつい
ていることを意識せずに操作を実施することが可能であ
る。また、図１（ｂ）の状態にあるスライド筒（３）
は、内視鏡が屈曲した状態にあっても、手元のシリンジ
操作で容易に（ａ）の状態に戻すことができる。このた
め、デバイス（１４）を消化管壁に押し当てる必要も、
内視鏡の屈曲を解除する必要もない。
【００１６】また、従来の結紮用具では、デバイス（１
４）の内腔の深さはｌに限定され、この深さを大きくと
ろうとすると内視鏡の視野を犠牲にしなければならなか
ったが、本発明では、スライド筒（３）を突出させるこ
とで、スライド筒（３）の先端から内視鏡（６）の先端
までの深さをスライドのストロークｍの分だけ、大きく
することが可能である。図１（ｂ）の状態における深さ
ｍは、スライド筒（３）のストローク、および外筒
（１）の長さに一致し、所望の深さに設定が可能であ
る。深さｍを大きくするほど、広範囲の組織をデバイス
の内部に引き込むことが可能となる。本発明の結紮用具
は、装着部（１２）を内視鏡（６）の先端に被せて固定
される。装着部は適度な柔軟性とシール性を持った材質
より形成されることが好ましく、たとえば、軟質プラス
チック、各種のゴムが使用可能であるが、特にこれらに
限定されるものではない。
４）の内腔の深さはｌに限定され、この深さを大きくと
ろうとすると内視鏡の視野を犠牲にしなければならなか
ったが、本発明では、スライド筒（３）を突出させるこ
とで、スライド筒（３）の先端から内視鏡（６）の先端
までの深さをスライドのストロークｍの分だけ、大きく
することが可能である。図１（ｂ）の状態における深さ
ｍは、スライド筒（３）のストローク、および外筒
（１）の長さに一致し、所望の深さに設定が可能であ
る。深さｍを大きくするほど、広範囲の組織をデバイス
の内部に引き込むことが可能となる。本発明の結紮用具
は、装着部（１２）を内視鏡（６）の先端に被せて固定
される。装着部は適度な柔軟性とシール性を持った材質
より形成されることが好ましく、たとえば、軟質プラス
チック、各種のゴムが使用可能であるが、特にこれらに
限定されるものではない。
【００１７】Ｏリング（４）の材質は、静脈瘤や粘膜を
結紮するための、結紮力の源となる高い弾力性を有して
おり、留置する上での安全性に問題がなければ、特に限
定されないが、特に好ましいＯリングは、特開平６−３
２６７５１号公報記載のＯリングである。また、特開平
６−３２６７５１号公報記載のＯリングの中でも、特
に、胃粘膜を結紮するＯリングの場合、その幅を１．５
〜１．８ｍｍにすることが好ましい。Ｏリングの幅が
１．８ｍｍより大きいと胃粘膜を結紮した時にＯリング
が粘膜に食い込んでいかず、外れてしまう可能性がある
ので好ましくなく、１．５ｍｍより小さいと、結紮のた
めの引っ張り応力が得られないので好ましくない。
結紮するための、結紮力の源となる高い弾力性を有して
おり、留置する上での安全性に問題がなければ、特に限
定されないが、特に好ましいＯリングは、特開平６−３
２６７５１号公報記載のＯリングである。また、特開平
６−３２６７５１号公報記載のＯリングの中でも、特
に、胃粘膜を結紮するＯリングの場合、その幅を１．５
〜１．８ｍｍにすることが好ましい。Ｏリングの幅が
１．８ｍｍより大きいと胃粘膜を結紮した時にＯリング
が粘膜に食い込んでいかず、外れてしまう可能性がある
ので好ましくなく、１．５ｍｍより小さいと、結紮のた
めの引っ張り応力が得られないので好ましくない。
【００１８】本発明の結紮用具を構成する内筒（２）、
外筒（１）、スライド筒（３）、デバイス（１４）は高
い寸法精度と優れた機械的強度を備えた、硬質かつ透明
な樹脂から成形され、たとえば、ポリカーボネート樹
脂、硬質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスルホン樹脂、アク
リル樹脂、ＡＢＳ樹脂が好ましいが、特に限定されるも
のではない。チューブ（９）は柔軟で尚且つ内視鏡操作
時、よれたり、折れ曲がったりしないような材質が好ま
しく、たとえば、シリコーンゴム、軟質塩化ビニル樹
脂、ポリウレタン樹脂、天然ゴムが好ましいが、これら
に限定はしない。
外筒（１）、スライド筒（３）、デバイス（１４）は高
い寸法精度と優れた機械的強度を備えた、硬質かつ透明
な樹脂から成形され、たとえば、ポリカーボネート樹
脂、硬質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスルホン樹脂、アク
リル樹脂、ＡＢＳ樹脂が好ましいが、特に限定されるも
のではない。チューブ（９）は柔軟で尚且つ内視鏡操作
時、よれたり、折れ曲がったりしないような材質が好ま
しく、たとえば、シリコーンゴム、軟質塩化ビニル樹
脂、ポリウレタン樹脂、天然ゴムが好ましいが、これら
に限定はしない。
【００１９】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明の結紮用具
は、結紮処置を実施する時にのみスライド筒を突出させ
た形態をとり、それ以外の操作時はスライド筒を収納し
た状態で内視鏡を操作するため、結紮具による内視鏡の
視野の低下が発生せず、スライド筒を突出させた状態で
は、スライド筒内に奥行きのある内腔を形成して広範囲
の組織を吸引して結紮することが可能であり、また、突
出状態にあるスライド筒は、内視鏡が屈曲した状態にあ
っても手元のシリンジ操作で容易に収納状態に戻せるた
め、内視鏡下に食道静脈瘤、胃粘膜、大腸ポリープを結
紮する用具として好適である。
は、結紮処置を実施する時にのみスライド筒を突出させ
た形態をとり、それ以外の操作時はスライド筒を収納し
た状態で内視鏡を操作するため、結紮具による内視鏡の
視野の低下が発生せず、スライド筒を突出させた状態で
は、スライド筒内に奥行きのある内腔を形成して広範囲
の組織を吸引して結紮することが可能であり、また、突
出状態にあるスライド筒は、内視鏡が屈曲した状態にあ
っても手元のシリンジ操作で容易に収納状態に戻せるた
め、内視鏡下に食道静脈瘤、胃粘膜、大腸ポリープを結
紮する用具として好適である。
【図１】本発明の一実施例となる結紮用具を内視鏡に装
着した状態を示す図で（ａ）はスライド筒を収納した状
態で内視鏡に装着した状態の断面図、（ｂ）は（ａ）の
状態から、スライド筒を突出した状態を示す断面図であ
る。
着した状態を示す図で（ａ）はスライド筒を収納した状
態で内視鏡に装着した状態の断面図、（ｂ）は（ａ）の
状態から、スライド筒を突出した状態を示す断面図であ
る。
【図２】ＥＶＬの術式を説明するための図である。
１ 外筒 ２ 内筒 ３ スライド筒 ４ Ｏリング ５ 駆動チューブ ６ 内視鏡 ７ シールリング ８ 第２のスライド筒 ９ チューブ １０ シリンジ １１ 鉗子孔 １２ 装着部 １３ 静脈瘤 １４ デバイス
Claims (1)
- 【請求項１】 内筒と、内筒の外周面上を前後に摺動可
能なスライド筒と、スライド筒の先端部外周に装着され
たＯリングと、スライド筒の前方部外周面に設けられた
第２のスライド筒を備え、スライド筒の前方への押出操
作を介してＯリングを前方に突き出し、次いで第２のス
ライド筒の前方への押出操作を介してスライド筒の先端
部に装着されたＯリングを離脱させる機能を有する内視
鏡的結紮用具において、内筒に外筒を被せ、それらを後
端部で一体化し、内筒と外筒の間に後端にオイルを塗布
したシールリングを固着したスライド筒を配し、シール
リングによって、シールリングの後方に外筒と内筒によ
り形成された環状空間を気密に保ち、環状空間の後方に
は小孔を設けて流体の通路となるチューブを接続し、チ
ューブを通じて環状空間に流体を出し入れする操作によ
りスライド筒が前後に移動可能であることを特徴とした
内視鏡的結紮用具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9225101A JPH1156861A (ja) | 1997-08-21 | 1997-08-21 | 内視鏡的結紮用具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9225101A JPH1156861A (ja) | 1997-08-21 | 1997-08-21 | 内視鏡的結紮用具 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1156861A true JPH1156861A (ja) | 1999-03-02 |
Family
ID=16824007
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9225101A Pending JPH1156861A (ja) | 1997-08-21 | 1997-08-21 | 内視鏡的結紮用具 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1156861A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007330393A (ja) * | 2006-06-13 | 2007-12-27 | Pentax Corp | 内視鏡および内視鏡の製造方法 |
| JP2008272133A (ja) * | 2007-04-27 | 2008-11-13 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 内視鏡装着フード |
-
1997
- 1997-08-21 JP JP9225101A patent/JPH1156861A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007330393A (ja) * | 2006-06-13 | 2007-12-27 | Pentax Corp | 内視鏡および内視鏡の製造方法 |
| JP2008272133A (ja) * | 2007-04-27 | 2008-11-13 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 内視鏡装着フード |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040520 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060627 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060630 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20061114 |