JP2007321994A - 高周波加熱装置 - Google Patents

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JP2007321994A JP2006149178A JP2006149178A JP2007321994A JP 2007321994 A JP2007321994 A JP 2007321994A JP 2006149178 A JP2006149178 A JP 2006149178A JP 2006149178 A JP2006149178 A JP 2006149178A JP 2007321994 A JP2007321994 A JP 2007321994A
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浩朗 新田
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Abstract

【課題】従来、この種の高周波加熱装置においては、水蒸気が加熱室内に充満するため、加熱後、加熱室内に大量の結露が発生し、水蒸気量が特に多い場合には、装置外の床面などに滴下するという問題があった。したがって使用者は、蒸気を使った加熱後、結露水を拭い取る作業を行っていた。
【解決手段】加熱室1内の被加熱物に供給された水蒸気を吸湿する吸湿性材料層52を設け、この吸湿性材料層52に水蒸気を吸湿させる構成としてある。よって過剰な水蒸気は吸湿性材料層に吸着保持され、使用者にお手入れの手間を強いることがなく、また吸湿性材料層に保持されている水を加熱することにより、より少ないエネルギーで水蒸気を発生させることができる高周波加熱装置を提供できる。
【選択図】図1

Description

本発明は高周波加熱装置において、加熱調理時に投入する水蒸気や被加熱物から発生する水蒸気の結露対策に関するものである。
従来、被加熱物を収容する加熱室内に高周波を出力する高周波発生手段を備えた高周波加熱装置は、加熱室内の被加熱物に対して、短時間で効率のよい加熱ができるため、食材等の加熱調理機器である電子レンジとして急速に普及した。オーブンレンジなどにおいては、よりおいしい調理を実現するために、水蒸気を加熱室内に充満し、加熱による被加熱物の乾燥を防止したり、被加熱物に水分が供給されることでマイクロ波加熱の効率を向上したり、水蒸気の潜熱により加熱室内の温度を均一にしたり、調理時間を短縮するなどの開発が行われており、これらは一般的に、蒸気発生機能付き高周波加熱装置と呼ばれている。
しかしながら、従来の高周波加熱装置にも増して、水蒸気が加熱室内に充満するため、加熱後に加熱室内の結露発生があった。したがって使用者は、蒸気を使った加熱後、毎回庫内の結露水を拭い取る作業を行っていた。また、結露水を拭かないで扉を閉めたままにしておくと、いつまでも加熱室内壁面が湿潤した状態が続くので、結露水が高周波加熱装置の前面扉の下方隙間から流れ出て、床やテーブルを汚すという問題があり、また次に扉を開けた時に不衛生であるとか、装置が傷むのではないかといった苦情があった。
このような問題を解決するものとして次のようなものが提案されている。すなわち、図5に示すようにこの高周波加熱装置は、高周波加熱装置本体の前面下部に加熱室80で発生した水蒸気が結露して、扉に付着した水滴が床に滴下するのを防止する水滴受け部81を配し、水滴受け部81には水滴を受ける凹形状の溝を設け、かつ高周波加熱装置本体より着脱可能な構成とし、水滴受け部81には長手方向に水の流速を軽減させる流速軽減手段を備え、床面に結露水が滴下するという品位を損なう課題を防止していた。この高周波加熱装置は、水滴受け部81を取り外せるため結露水及び屑を容易に取り除くことができ、また水滴受け部81を着脱し、持ち運ぶ際の水滴受け部の揺れや傾きによる水の零れを防止することができるという効果を有していた(例えば特許文献1参照)。
特開2005−127622号公報
しかしながら、特許文献1における高周波加熱装置では、発生した水蒸気は加熱室壁面に結露し、水滴が凝集して次第に大きくなってくると、表面張力や摩擦力に逆らって重力方向に流れ出す。これらの結露水は、加熱室壁面を伝って底面に溜まり、水溜りができるかあるいは、前面扉壁面を伝って流れ出した水は、扉の隙間から装置外の床面などに滴下する場合がある。さらに、底面に水が溜まってくると、扉の隙間から装置外の床面などに滴下することになる。
また、結露した水は拭き取るなどして処分する必要があり、手間がかかると同時に、熱効率の観点からも好ましいものではなかった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、使用者は、蒸気を使った加熱後、毎回庫内の結露水を拭い取る作業を行う必要がなく、また前記作業を行わなくても次に扉を開けた時に不衛生であるとか、装置が傷むといったことがなく、蒸気発生に関して熱効率を向
上させた高周波加熱装置の提供を目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の高周波加熱装置は、被加熱物を収納し加熱する加熱室と、前記加熱室に供給する水蒸気を発生する蒸気発生手段と、前記加熱室内にマイクロ波を照射するマイクロ波発生手段と、前記加熱室内の蒸気を排出する蒸気孔と、前記蒸気孔を開閉する開閉弁と、前記加熱室内の蒸気を凝縮して保持する吸湿性材料層と、前記蒸気孔が閉じている時に前記吸湿性材料層を加熱する吸湿性材料層加熱手段と、前記少なくとも吸湿性材料層加熱手段を制御する制御手段を備えたものである。
上記発明のように、加熱室内の水蒸気を凝縮して吸湿性材料層に保持することにより、従来のように結露水が加熱室内の底面に大量に溜まり、扉の隙間から装置外の床面などに滴下することを防ぐことができ、また吸湿性材料層に保持されている水を加熱することにより、より少ないエネルギーで水蒸気を発生させることができる。
よって、使用者に手間のかかる作業を強いることが無く、水蒸気の発生効率の高い高周波加熱装置を提供できるものである。
本発明の高周波加熱装置は、加熱室内の被加熱物に供給された水蒸気が、その後壁面などで結露することなく、吸湿性材料層に吸着保持されることにより、使用者にお手入れの手間を強いることがなく、また吸湿性材料層に保持されている水を加熱することにより、より少ないエネルギーで水蒸気を発生させることができる。
第1の発明は、被加熱物を収納し加熱する加熱室と、前記加熱室に供給する水蒸気を発生する蒸気発生手段と、前記加熱室内にマイクロ波を照射するマイクロ波発生手段と、前記加熱室内の蒸気を排出する蒸気孔と、前記蒸気孔を開閉する開閉弁と、前記加熱室内の蒸気を凝縮して保持する吸湿性材料層と、前記蒸気孔が閉じている時に前記吸湿性材料層を加熱する吸湿性材料層加熱手段を有し、少なくとも前記吸湿性材料層加熱手段を制御する制御手段を設けた高周波加熱装置とすることにより、加熱室内の蒸気を凝縮して吸湿性材料層に保持することで、従来のように結露水が加熱室内の底面に大量に溜まり、扉の隙間から装置外の床面などに滴下することを防ぐことができる。また、吸湿性材料層に保持されている水を加熱し水蒸気を発生させることにより、より少ないエネルギーで水蒸気を発生させることができる。
例えば、ある被加熱物をグリル調理する場合などは、最初蒸気発生手段により多くの水蒸気を被加熱物に当てて内部まで湿潤させ、その後マイクロ波やヒータで表面をこんがり焼き上げ、最後に吸湿性材料層から発生する水蒸気とを組み合わせてしっとり仕上げるといった調理が可能である。
以上のように、使用者に手間のかかる作業を強いることが無く、水蒸気の発生効率の高い高周波加熱装置を提供できるものである。
第2の発明は、特に第1の発明において、被加熱物を載置すると共に加熱室の底面より所定間隔上方に配設されて加熱室内の空間を分割する着脱自在な載置皿と、蒸気発生手段で発生させた水蒸気を前記載置皿より上方の加熱室空間内に供給する蒸気移送手段とを設けた高周波加熱装置とすることにより、加熱調理に用いる加熱室内の空間を狭め、ヒータの出力をアップするといった加熱能力を高めることなく、加熱による加熱室内の温度上昇速度を高めることができる。
第3の発明は、特に第1または2の発明において、被加熱物の種類に応じて加熱室内に投入する水蒸気の量を変化させるようにした高周波加熱装置とすることにより、被加熱物が湿潤させる必要のあるものか否かによって、加熱室内に投入する水蒸気の量を変化させるので、被加熱物の性質に合わせて最適な調理を行うことができる。水蒸気の量は、蒸気発生手段と吸湿性材料層の容積、水蒸気の投入時間によって制御できるものである。
第4の発明は、特に第2の発明の載置皿は、マイクロ波を透過するセラミック材又は耐熱樹脂材からなる高周波加熱装置とすることにより、水蒸気による加熱室内の温度上昇速度を高めることができると同時に、マイクロ波を用いて加熱調理できるため、マイクロ波により温度むらのない均一加熱を行うことで、マイクロ波による被加熱物の乾燥を最低限に抑えることができ、被加熱物を十分に加水した上でむらがなく加熱されるため、素早く仕上がり状態の良い加熱調理を行うことができる。
第5の発明は、特に第2の発明の載置皿は、マイクロ波を反射する金属からなる高周波加熱装置とすることにより、水蒸気による加熱室内の温度上昇速度を高めることができると同時に、マイクロ波を用いて加熱室内の結露水を加熱蒸発させる場合に、被加熱物にマイクロ波が及んで仕上がりに悪影響を及ぼすことなく、仕上がり状態の良い加熱調理を行うことができる。
第6の発明は、特に第4または5の発明において、マイクロ波を吸収して発熱する部材を載置皿に設けた高周波加熱装置とすることにより、被加熱物を加熱する前にあらかじめ載置皿を加熱する予熱工程を設け、加熱室内の雰囲気温度を上昇させた上で被加熱物を水蒸気により加熱することで、加熱室壁面に水蒸気が凝縮し難くなり、被加熱物の加熱効率を向上させることができ、また被加熱物を下側から熱伝導により加熱することで焦げ目をつけることができ、被加熱物の種類に応じて仕上がり状態の良い加熱調理を行うことができる。
第7の発明は、特に第2の発明における加熱室内の余熱手段として、加熱室の上方に上部加熱ヒータを設けた高周波加熱装置とすることにより、被加熱物を加熱する前にあらかじめ載置皿を加熱する予熱工程を設け、加熱室内の雰囲気温度を上昇させた上で被加熱物を水蒸気により加熱することで、加熱室壁面に水蒸気が凝縮し難くなり、被加熱物の加熱効率を上昇させることができ、また被加熱物を上下から加熱することで焦げ目をつけることができ、被加熱物の種類に応じて仕上がり状態の良い加熱調理を行うことができる。
第8の発明は、特に第1の発明の吸湿性材料層は、吸湿性繊維、吸湿性樹脂、ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナのうち少なくとも1つを有する高周波加熱装置とすることにより水分の吸脱着性能を高くすることができるものである。
第9の発明は、特に第1の発明の吸湿性材料層は、脱臭機能を有する物質が添加されてなる高周波加熱装置とすることにより、調理時に発生する調理臭を吸着除去することで、吸湿性材料層を加熱した際の臭気の発生を抑えることができる。
第10の発明は、特に第1の発明の吸湿性材料層は、吸湿材を発熱可能な基材の表面に形成してなる高周波加熱装置とすることにより、水分の脱離時に基材を直接発熱させ基材表面に形成された吸湿性材料層を直接加熱することで、吸湿材に対する熱伝導特性が向上し、水分の吸脱着量および効率を高くすることができるものである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における高周波加熱装置の断面図を示したものである。
図1に示すように、加熱室1は金属材料で形成された各壁面によって電波的に閉じられており、この加熱室1内に被加熱物を収納する被加熱物収納空間2を形成している。被加熱物収納空間2の底面は、被加熱物を載置する非導電性の材料からなる載置板3を配している。載置板3の下方にあって、加熱室1を形成する底壁面4の略中央部にマイクロ波を放射する放射アンテナ5を配している。この放射アンテナ5は、マイクロ波を伝送する導波管6の終端側に配置させ、導波管6の他端側にはマイクロ波を発生するマイクロ波発生手段であるマグネトロン7を設けている。
また、加熱室1の左奥底には蒸気発生手段8を配設している。この蒸気発生手段8は、水溜凹部9、水溜凹部9を下方から加熱する水加熱手段10および水溜凹部9の温度を検知する水溜凹部温度検知手段11を備えている。また、貯水タンク12、貯水タンク12の水を送水管13および給水口14を介して水溜凹部9に給水するポンプ15を備える。
また、加熱室1の左側面には複数の蒸気通流開孔部20、21を配置させている。複数の蒸気通流開孔部20、21は、加熱室1の外側で連結手段22を介して連結させている。複数の開孔部のうち少なくとも一つの開孔部である蒸気通流開孔部20は、蒸気発生手段8で発生した水蒸気を取り込む取込口であり、一方の蒸気通流開孔部21は、連結手段22を介して通流してきた水蒸気を加熱室1内に吹出す吹出口である。
また、蒸気発生手段8で発生した水蒸気を蒸気通流開孔部20に通流させるために、蒸気通流手段23を配設している。この蒸気通流手段23は、蒸気蓋24とその周縁に設けた弾性材料からなるパッキン25とで構成される。蒸気通流手段23は、その内部に蒸気発生手段8と蒸気通流開孔部20とを連結する空間26を有した形状とし、加熱室1内の所定位置に着脱自在に実装して水蒸気が漏洩しないようにしている。
また、加熱室1に対して着脱自在な載置皿30は、被加熱物収納空間2に収納することで載置皿30の上方に小加熱空間31を形成する。この載置皿30は、マイクロ波を透過する材質にて構成している。また、小加熱空間31に水蒸気を吹出すように蒸気通流開孔部21を配置させている。また、加熱室1の上壁面には平面形のヒータ32を備える。なお、加熱室1の側壁面には載置皿30を支持する支持部33と34とを配し、小加熱空間31として、加熱室1を1/2と1/3の容量に調節するようにしている。
なお、放射アンテナ5は、モータ40によって回転駆動される。また、被加熱物収納空間2内の温度を検出する温度検知手段41と、被加熱物の表面から発する赤外線量を、透過孔42を介して検知して表面温度を判定する赤外線検知手段43とを備える。なお、加熱制御を効果的に行うための加熱情報センシング関連の検出手段は温度検知手段41や赤外線検知手段43のほかに、加熱室1内の湿度を検出する手段などを付帯させることができる。
また、加熱室上部には、加熱室1と連通する蒸気孔51、吸湿性材料層52、加熱装置本体外と連通する蒸気孔53を有し、蒸気孔53に、上マグネット54付きの開閉弁55が設けられる。ヒータ32は、加熱室1内を輻射加熱するとともに吸湿性材料層52を伝導加熱する役割を有する。開閉弁55は、下マグネット56の極性を後述する制御手段からの信号に基づき変えることによって上下方向に動き、蒸気孔53を開閉する。吸湿性材料層52はゼオライトをセラミックハニカムに担持したものとし、ヒータ32の上部に固定されている。
また、制御手段60は、操作部(図示していない)からの操作入力信号や各検知手段からの信号に基づき、マイクロ波発生手段であるマグネトロン7、蒸気発生手段8の加熱手段である水加熱手段10、吸湿性材料層52への水蒸気の導入手段である開閉弁55、吸湿性材料層52から水蒸気を発生させる加熱手段であるヒータ32などの動作を制御して水蒸気を加熱室1内に供給する。加熱条件、制御条件などは、記憶手段(制御手段と一体)に一時的あるいは恒久的に記憶される。操作部には表示部、自動加熱操作キー、手動加熱設定キー、加熱開始キーなどが配設される。
以上のように構成された、本発明の実施の形態1における高周波加熱装置の加熱調理方法を説明する。
ユーザが、加熱を行う被加熱物と、そのメニューに合った加熱条件を、操作部からの操作により制御手段60に命令すると、被加熱物収納空間2の載置板3または、小加熱空間31の載置皿30上に載置された被加熱物の加熱が開始される。制御手段60はマイクロ波発生手段であるマグネトロン7、水加熱手段10の動作を加熱条件に従って制御を開始する。
冷めた被加熱物をあたため再加熱する場合、制御手段60は、まず水加熱手段10に通電すると同時に赤外線検知手段43の検知信号を取り込み、赤外線検知手段43の検知信号により、周囲の温度と異なる温度領域に被加熱物があると検知する。さらに、水溜凹部温度検知手段11からの信号に応じて蒸気発生手段8の水が100℃になるまで水加熱手段10に通電し続ける。蒸気発生手段8で発生した水蒸気は、空間26内に充満し、次第に蒸気圧が上昇してくると、蒸気通流開孔部20から連結手段22を通じて、蒸気通流開孔部21から小加熱空間31に吹出される。吹出した水蒸気は、被加熱物に優先的に当たるように、蒸気通流開孔部21の形状や角度などが最適設計されている。蒸気発生手段8は発生蒸気量を水加熱手段10の動作あるいはポンプ15の動作による給水量によって可変することができる。
仮に水溜凹部9内の水が全て蒸発すると、水溜凹部9の温度が所定温度を超え、水溜凹部温度検知手段11は、水溜凹部9の温度が所定温度を超えたことを検知し、水加熱手段10への通電を停止する。
被加熱物に応じて所定量の水蒸気を加熱室1内に投入するが、投入する水蒸気量が多い場合には、被加熱物収納空間2または、小加熱空間31の空気は飽和状態となり、加熱室壁面に結露することになる。よって、水蒸気を投入する空間の体積と投入時間に応じて、加熱室1内の水蒸気を外部に排出するために開閉弁54を開き、蒸気孔51から流入した水蒸気を吸湿性材料層52に凝縮保持する。一定時間経過すると吸湿性材料層52に保持できる水は飽和状態となり、それ以上は加熱装置外に排出されてしまうが、吸湿性材料層52は一般的な調理に必要な水蒸気量を保持するだけの体積を有する。万一、さらに被加熱物に対して湿潤する必要がある場合は、水加熱手段10への通電を停止し、開閉弁54を閉じると同時にヒータ32に通電し、吸湿性材料層52に保持されている水を蒸発させ水蒸気を発生させる。発生した水蒸気は蒸気孔51から加熱室1内に投入される。この時、吸湿性材料層52は吸着熱などにより畜熱効果あり、比較的温度が高い状態にある(50℃程度)ため、吸湿性材料層52からの水の蒸発は、通常より低エネルギーで可能となる。
図2は、従来例と本実施の形態における加熱装置において、チルド肉まんを水蒸気で加熱調理した際の、加熱室内の結露量を比較したものである。蒸気投入量は、従来例と本実施の形態とも同等量とした。図2に示すように、本実施の形態における加熱装置では従来
例と比較して結露量は1/7程度に減少した。
図3は、従来例と本実施の形態における加熱装置において、冷凍肉まんを蒸気発生手段8と吸湿性材料層52から発生する水蒸気で加熱調理した際の、消費電力量を比較したものである。蒸気投入量は、従来例と本実施の形態とも同等量とした。図3に示すように、本実施の形態における加熱装置では従来例と比較して消費電力量は2/3程度に低下した。
以上のように、本実施の形態における加熱装置では従来のように結露水が加熱室内の底面に大量に溜まり、扉の隙間から装置外の床面などに滴下することを防ぐことができ、また蒸気発生手段8と吸湿性材料層52からの水蒸気の発生を、交互に行うことで、より少ないエネルギーで水蒸気を発生させることができる。
また、吸湿性材料を用いることによる、水分の保持と畜熱により、被加熱物の表面からの水分蒸発を少なくし、乾燥と加熱調理時のエネルギーロスを軽減させる効果がある。本実施の形態では、ゼオライトをセラミックハニカムに担持して吸湿性材料層としたが、吸湿性繊維、吸湿性樹脂、シリカゲル、活性アルミナを用いても吸湿量を確保できるものである。例えば、吸湿量をより重視する場合には吸湿性樹脂を用い、畜熱も重視したい場合にはセラミックハニカムにゼオライトやシリカゲルなどのセラミックスを担持して用いればよい。また、両者を組み合わせて用いてもよい。
また、吸湿性材料層52に吸湿材料と脱臭作用を有する材料例えば、活性炭を添加するか、あるいは吸湿性材料自体に脱臭作用を有するもの、例えば活性炭含有化学繊維等により構成することにより、調理臭を除去することができる。
本実施の形態では、吸湿性材料層52はヒータ32の上部に固定しているが、吸湿性材料層の基材を発熱可能な金属とすることで基材を直接発熱させ、基材表面に形成された吸湿性材料層を直接加熱することにより熱伝導特性が向上し水分の吸脱着量および熱効率を高くすることができる。
また、水蒸気を被加熱物収納空間2または、小加熱空間31に吹出す前に、ヒータ32に一定時間通電しておけば、加熱室天面への水蒸気の結露を抑制/防止することができる。
なお、載置皿30は、マイクロ波を反射する金属から構成することで、水蒸気による加熱室内の温度上昇速度を高めることができると同時に、マイクロ波を用いて加熱室内の結露水を加熱蒸発させる場合に、被加熱物にマイクロ波が及んで仕上がりに悪影響を及ぼすことなく、仕上がり状態の良い加熱調理を行うことができる。
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2における高周波加熱装置の断面図を示したものである。先の実施の形態1と同一要素については同一符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態における高周波加熱装置は、載置皿の構成が実施の形態1と相違するものである。図に示すように、載置皿70は、被加熱物収納空間2に収納することで載置皿70の上方に小加熱空間31を形成する。載置皿70は、表面をフッ素樹脂コーティングしたセラミックスからなり、底面にはマイクロ波を吸収し発熱する発熱体71を成形した構成とし、発熱体71により、載置皿70に乗せた被加熱物を加熱調理することができる。発熱体71は、炭化珪素、酸化チタン、黒鉛、活性炭などを基材とした多孔質の焼結体で構成している。発熱特性としては、例えばマイクロ波電力500Wを2分間照射すること
で、約250℃以上の温度に到達するものである。
以上のように構成された本発明の実施の形態2における高周波加熱装置の動作を説明する。
被加熱物をグリル調理する場合、制御手段60は、まずマグネトロン7と水加熱手段10およびヒータ32に通電すると同時に赤外線検知手段42の検知信号を取り込み、赤外線検知手段42の検知信号により、周囲の温度と異なる温度領域に被加熱物があると検知する。さらに、水溜凹部温度検知手段11からの信号に応じて蒸気発生手段8の水が100℃になるまで水加熱手段10に通電し続ける。マイクロ波により発熱体71が加熱され載置皿70の温度は上昇し、ヒータ32により小加熱空間31の上壁面の温度が上昇する。やがて、蒸気発生手段8で発生した水蒸気は、空間26内に充満し、次第に蒸気圧が上昇してくると、蒸気通流開孔部20から連結手段22を通じて、蒸気通流開孔部21から小加熱空間31に投入される。投入された水蒸気は被加熱物を湿潤し、一定時間経過すると水加熱手段10への通電を停止し水蒸気の発生は止まる。この時、水蒸気を投入する空間の体積と投入時間に応じて、加熱室1内の水蒸気を外部に排出するために開閉弁54を開き、蒸気孔51から流入した水蒸気を吸湿性材料層52に凝縮保持する。やがて、載置皿70と小加熱空間31の上壁面の温度は200〜300℃程度に上昇し、被加熱物を上下から焼き上げていく。この時、同時に吸湿性材料層52も加熱されるため、保持されている水が蒸発し発生した水蒸気は蒸気孔51から加熱室1内に投入される。よって、被加熱物は適度に乾燥が抑えられ、表面はこんがり焼き上がることで、仕上がり状態の良い加熱調理を行うことができる。
よって、従来のように結露水が加熱室内の底面に大量に溜まり、扉の隙間から装置外の床面などに滴下することを防ぐことができ、より少ないエネルギーで水蒸気を発生させることができるとともに、従来にも増して仕上がり状態の良い加熱調理を行うことができる。
以上のように、本発明における高周波加熱装置は、加熱室内に供給された水蒸気が、壁面などで結露する前に、吸湿材に保持することで、結露水が扉の隙間から装置外の床面などに滴下することを防ぎ、使用者に余計な手間を強いることを無くすことができるとともに、吸湿材に保持された水を加熱して水蒸気を発生させることにより、少ないエネルギーで水蒸気を発生させることができるため、スチームを付加する電子レンジ、オーブンレンジ、オーブンあるいはグリラーなどと複合させた調理装置の加熱調理機器として有用である。
本発明の実施の形態1における高周波加熱装置の断面図 同実施の形態1における高周波加熱装置において水蒸気で加熱調理した際の、加熱室内の結露量を比較した結露比較図 同実施の形態1における高周波加熱装置において水蒸気で加熱調理した際の、消費電力量を比較した消費電力比較図 本発明の実施の形態2における高周波加熱装置の断面図 従来の高周波加熱装置の断面図
符号の説明
1 加熱室
2 被加熱物収納空間
3 載置板
4 底壁面
5 放射アンテナ
6 導波管
7 マグネトロン(マイクロ波発生手段)
8 蒸気発生手段
9 水溜凹部
10 水加熱手段
11 水溜凹部温度検知手段
12 貯水タンク
13 送水管
14 給水口
15 ポンプ
20 蒸気通流開孔部
21 蒸気通流開孔部
22 連結手段
23 蒸気通流手段
24 蒸気蓋
25 パッキン
26 空間
30、70 載置皿
31 小加熱空間
32 ヒータ(吸湿性材料層加熱手段)
33、34 支持部
40 モータ
41 温度検知手段
42 透過孔
43 赤外線検知手段
51 蒸気孔
52 吸湿性材料層
53 蒸気孔
54 上マグネット
55 開閉弁
56 下マグネット
60 制御手段
71 発熱体

Claims (10)

  1. 被加熱物を収納し加熱する加熱室と、前記加熱室に水蒸気を供給する蒸気発生手段と、前記加熱室内にマイクロ波を照射するマイクロ波発生手段と、前記加熱室内の蒸気を排出する蒸気孔と、前記蒸気孔を開閉する開閉弁と、前記加熱室内の蒸気を凝縮して保持する吸湿性材料層と、前記蒸気孔が閉じている時に前記吸湿性材料層を加熱する吸湿性材料層加熱手段と、前記少なくとも吸湿性材料層加熱手段を制御する制御手段を備えた高周波加熱装置。
  2. 被加熱物を載置すると共に加熱室の底面より所定間隔上方に配設されて加熱室内の空間を分割する着脱自在な載置皿と、蒸気発生手段で発生させた水蒸気を前記載置皿より上方の加熱室空間内に供給する蒸気移送手段とを設けた請求項1に記載の高周波加熱装置。
  3. 被加熱物の種類に応じて加熱室内に投入する水蒸気の量を変化させるようにした請求項1または2に記載の高周波加熱装置。
  4. 載置皿はマイクロ波を透過するセラミック材又は耐熱樹脂材からなる請求項2に記載の高周波加熱装置。
  5. 載置皿はマイクロ波を反射する金属からなる請求項2に記載の高周波加熱装置。
  6. 載置皿にマイクロ波を吸収して発熱する部材を設けた請求項4または5に記載の高周波加熱装置。
  7. 加熱室内の予熱手段として、前記加熱室の上方に上部加熱ヒータを設けた請求項2に記載の高周波加熱装置。
  8. 吸湿性材料層は、吸湿性繊維、吸湿性樹脂、ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナのうち少なくとも1つを有する請求項1に記載の高周波加熱装置。
  9. 吸湿性材料層は脱臭機能を有する物質が添加されてなる請求項1に記載の高周波加熱装置。
  10. 吸湿性材料層は吸湿材を発熱可能な基材の表面に形成してなる請求項1に記載の高周波加熱装置。
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