JP2007321651A - 内燃機関の始動制御装置 - Google Patents

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務 松木
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Abstract

【課題】エンジン始動用のスタータモータに電力を供給するバッテリの温度が低くても、エンジン始動時においてバッテリ電圧が電圧下限値を下回ることを確実に防止する。
【解決手段】エンジン始動時にバッテリ温度が所定の判定値α未満である場合、試行用クランキングトルクTgでスタータモータを実際に駆動して、エンジンのクランクシャフトが回転するか否かを判定し、クランクシャフトが回転していないときには、バッテリ電圧下降割合[ΔVB/Δt]を考慮して、試行用クランキングトルクを徐々に大きくする(ステップST1〜ST8)。これにより、エンジンの状態に見合った適切なクランキングトルクでスタータモータを駆動することが可能になるとともに、バッテリの温度が低い状況であっても、バッテリ電圧が電圧下限値を下回ることを確実に防止することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は内燃機関の始動制御装置に関する。
自動車等に搭載される内燃機関(以下、エンジンともいう)の始動の際には、イグニッションスイッチの操作(IG−ON)により、バッテリからスタータモータに電力を供給してエンジンのクランキングを行っている。また、このクランキングに伴ってエンジンの燃焼室内への燃料供給及び点火プラグの点火が行われてエンジンが始動される。
近年、環境保護の観点から、エンジンを搭載した自動車においては、燃費向上とエミッションの低減を目的として、自動車が交差点の信号待ちで停車した場合等において所定の条件が成立すると、エンジン燃焼室への燃料供給を停止(フューエルカット)してエンジンを停止するアイドリングストップ制御が採用されている。
また、このアイドリングストップによってエンジンが停止している状態から所定のエンジン始動条件が成立したときに、スタータモータ等の電動機によりクランキングを行ってエンジンを再始動させるようにしている。このようなアイドリングストップ制御を適用した自動車としては、いわゆるエコラン車や、駆動源としてエンジンとモータジェネレータ等の電動機とが搭載されたハイブリッド車がある。
ところで、自動車等に搭載されるバッテリの容量は外気温により変化する。つまり、常温時(例えば20℃)におけるバッテリの容量と比較して、低温時(例えば−20℃)におけるバッテリの容量は低下する。このため、低温時において、エンジン起動トルク(基準クランキングトルク)に応じた電力をスタータモータ等の電動機に供給すると、バッテリ電圧が低下して電圧下限値を下回ってしまい、バッテリがダメージを受けるおそれがある。
始動時のバッテリ容量とクランキングトルクとを考慮した技術として、例えば下記の特許文献1、2に記載の技術がある。特許文献1に記載の技術では、バッテリ温度に応じて始動用モータのトルク制限値を算出し、そのトルク制限値の範囲内で、始動用モータの回転数が目標回転数と一致するように始動用モータの駆動トルクを制御することで、バッテリの出力電圧の低下や早期劣化を防止している。また、特許文献2に記載の技術では、内燃機関の始動時におけるモータ(スタータモータ)の駆動トルクを、バッテリが供給可能な最大電力とクランキングの際のエネルギロスとを考慮して演算し、この演算によって求めた駆動トルクを用いてモータを駆動している。
特開2004−044522号公報 特開2005−180230号公報 特開2003−328910号公報
ところで、上記した特許文献1、2等に記載されている技術では、各種センサの検出値に基づいてバッテリ温度・電圧やエネルギロス等を推定して始動時のクランキングトルクを演算しているので、その推定・演算処理にどうしても誤差等が含まれる。このため、実際に必要なクランキングトルクを正確に反映した始動制御を行うことが困難であり、バッテリ温度が低いときの始動時に、バッテリ電圧が電圧下限値を下回る可能性が残されている。
本発明はそのような実情を考慮してなされたもので、機関始動用の電動機に電力を供給するバッテリの温度が低くても、始動時においてバッテリ電圧が電圧下限値を下回ることを確実に防止することが可能な内燃機関の始動制御装置の提供を目的とする。
本発明の始動制御装置は、内燃機関を始動する電動機と、前記電動機に電力を供給するバッテリと、前記バッテリの温度を検出するバッテリ温度検出手段と、制御手段とを備えている。そして、前記制御手段が、前記内燃機関の始動時に、前記バッテリ温度検出手段にて検出されるバッテリ温度が所定値未満である場合、基準クランキングトルクよりも低く設定した試行用クランキングトルクで前記電動機を駆動してクランキングを試み、前記内燃機関のクランクシャフトが回転しないときには、単位時間当たりのバッテリ電圧の低下割合を考慮して、前記試行用クランキングトルクを徐々に大きくしてクランキングを試みることを特徴としている。
本発明において、内燃機関の始動時にバッテリ温度が所定値未満である場合、まずは、予め設定された基準クランキングトルクよりも小さく設定した試行用クランキングトルク(例えば基準クランキングトルクの10%のトルク)で電動機(スタータモータ)を駆動してクランキングを試み、このクランキングトライで内燃機関のクランクシャフトが回転しないときには、試行用クランキングトルクを大きくして再度クランキングトライを実施するという処理を繰り返す。このようにクランキング用の電動機を実際に駆動して、内燃機関のクランクシャフトが回転するか否かを判定しながら、クランキングトルクを徐々に大きくするという処理を行うことにより、始動時の内燃機関の状態(例えばエネルギロス等)に見合った適切なクランキングトルクを見出すことが可能になる。これにより、クランキングトルクを演算にて求める場合と比較して、始動時に実際に必要なクランキングトルクを正確に反映した始動制御を行うことが可能となり、バッテリ温度が低いときの始動時であっても、バッテリ電圧が電圧下限値を下回る可能性が少なくなる。しかも、単位時間当たりのバッテリ電圧の下降割合を考慮し、そのバッテリ電圧下降割合が所定値以上でバッテリ電圧が電圧下限値を下回る可能性がある場合は、クランキングトライつまりバッテリから電動機への電力供給を禁止することで、バッテリ電圧が電圧下限値を下回ることを確実に防止することができる。
本発明において、バッテリの電圧を検出するバッテリ電圧検出手段を設け、バッテリ温度検出手段にて検出されるバッテリ温度が所定値未満で、かつバッテリ電圧検出手段にて検出されるバッテリ電圧が所定値未満である場合に限って、試行用クランキングトルクで電動機を駆動してクランキングを試みるように構成してもよい。
このような構成を採用すれば、バッテリ電圧が所定値以上で十分に大きい場合には、クランキングによってバッテリが劣化する可能性がないと判断して、試行用クランキングトルクでの電動機の駆動を行わずに、基準クランキングトルクで電動機を駆動することが可能になる。これにより、バッテリ温度が低い場合であっても、バッテリ電圧が十分に大きいときにはクランキングトライを省略することができ、始動時のクランキングトライによるタイムラグを解消することができる。
本発明において、バッテリの電圧を検出するバッテリ電圧検出手段を設け、そのバッテリ電圧検出手段にて検出されるバッテリ電圧が所定の下限値以上であるときには、単位時間当たりのバッテリ電圧の低下割合が所定値以上であっても、試行用クランキングトルクで電動機を駆動してクランキングを試みるように構成してもよい。
このような構成を採用すれば、クランキングトライの際にバッテリ電圧下降割合が所定値以上となった場合でも、バッテリ電圧が電圧下限値(バッテリ電圧瞬時下限値)以上である場合は、バッテリに、クランキングトライを実行することが可能な容量があると判断して、試行用クランキングトルクでの電動機の駆動を許容することが可能になるので、バッテリ電圧下降割合のみを考慮して始動制御を行う場合と比較して、内燃機関のクランキングトライの回数を多くすることが可能となり、内燃機関の始動制御を更に精細に行うことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の内燃機関の始動制御装置を適用するハイブリッド車の一例を示す概略構成図である。
図1のハイブリッド車は、エンジン1、モータジェネレータ2、モータジェネレータ3、動力分割機構4、インバータ5、HVバッテリ6、コンバータ7、補機バッテリ8、変速機9、及び、ECU(電子制御ユニット)100などを備えている。
エンジン1は、4気筒ガソリンエンジンであって、図2に示すように、燃焼室1aを形成するピストン1b及び出力軸であるクランクシャフト15を備えている。ピストン1bはコネクティングロッド16を介してクランクシャフト15に連結されており、ピストン1bの往復運動がコネクティングロッド16によってクランクシャフト15の回転へと変換される。
クランクシャフト15には、外周面に複数の突起(歯)17a・・17aを有するシグナルロータ17が取り付けられている。シグナルロータ17の側方近傍にはクランクポジションセンサ35が配置されている。クランクポジションセンサ35は、例えば電磁ピックアップであって、クランクシャフト15が回転する際にシグナルロータ17の突起17aに対応するパルス状の信号(出力パルス)を発生する。
エンジン1のシリンダブロック1cには、エンジン水温(冷却水温)を検出する水温センサ31が配置されている。エンジン1の燃焼室1aには点火プラグ22が配置されている。点火プラグ22の点火タイミングはイグナイタ23によって調整される。イグナイタ23はECU100によって制御される。
エンジン1の燃焼室1aには吸気通路11と排気通路12が接続されている。吸気通路11と燃焼室1aとの間に吸気バルブ13が設けられており、この吸気バルブ13を開閉駆動することにより、吸気通路11と燃焼室1aとが連通または遮断される。また、排気通路12と燃焼室1aとの間に排気バルブ14が設けられており、この排気バルブ14を開閉駆動することにより、排気通路12と燃焼室1aとが連通または遮断される。これら吸気バルブ13及び排気バルブ14の開閉駆動は、クランクシャフト15の回転が伝達される吸気カムシャフト及び排気カムシャフトの各回転によって行われる。
吸気通路11には、エアクリーナ26、熱線式のエアフローメータ32、吸気温センサ33(エアフローメータ32に内蔵)、及び、エンジン1の吸入空気量を調整するための電子制御式のスロットルバルブ24が配置されている。スロットルバルブ24はスロットルモータ25によって駆動される。スロットルバルブ24の開度はスロットルセンサ36によって検出される。エンジン1の排気通路12には、排気ガス中の酸素濃度を検出するO2センサ34及び三元触媒27などが配置されている。
そして、吸気通路11には燃料噴射用のインジェクタ(燃料噴射弁)21が配置されている。インジェクタ21には、燃料タンクから燃料ポンプによって所定圧力の燃料が供給され、吸気通路11に燃料が噴射される。この噴射燃料は吸入空気と混合されて混合気となってエンジン1の燃焼室1aに導入される。燃焼室1aに導入された混合気(燃料+空気)は点火プラグ22にて点火されて燃焼・爆発する。この混合気の燃焼室1a内での燃焼・爆発によりピストン1bが往復運動してクランクシャフト15が回転する。以上のエンジン1の運転状態はECU100によって制御される。
一方、モータジェネレータ2は、三相交流によってロータが回転することにより動力を発生する交流同期電動機である。モータジェネレータ2には、HVバッテリ6の直流電力をインバータ5にて変換した交流電力が供給されて回転する。なお、モータジェネレータ2は減速時や制動時には回生発電する。
モータジェネレータ3は、上記したモータジェネレータ2と同様に交流同期電動機であって、エンジン1が発生する動力のうち、動力分割機構4を介して分配された動力によって駆動して交流電力を発電する。モータジェネレータ3で発電された交流電力は、インバータ5にて直流電力に変換された後にHVバッテリ6に充電される。モータジェネレータ3は、エンジン1の始動時にクランキングを行うスタータモータとしても機能する。
モータジェネレータ2及びモータジェネレータ3はECU100によって駆動制御される。ECU100は、モータジェネレータ2及びモータジェネレータ3を駆動制御するために必要な信号(例えば回転数、印加電流など)をモータジェネレータ2及びモータジェネレータ3から入力してインバータ5にスイッチング制御信号を出力する。
なお、変速機9に連結されるモータジェネレータ2は主として電動機として動作するため、単に「モータ」と呼ばれることがある。また、動力分割機構4に連結されるモータジェネレータ3は概ね発電機として動作することが多いため、単に「ジェネレータ」と呼ばれることがある。
動力分割機構4は、例えば、モータジェネレータ2の回転軸に結合されたリングギヤと、モータジェネレータ3の回転軸に結合されたサンギヤと、エンジン1の出力軸に結合されたキャリアとからなるプラネタリギヤであり、エンジン1の動力をモータジェネレータ2の回転軸(駆動輪10に連結)とモータジェネレータ3の回転軸とに分割する。
HVバッテリ6は、例えばニッケル水素バッテリセルを所定数直列に接続した高電圧バッテリであって、前記したようにモータジェネレータ3の発電電力によって充電される。HVバッテリ6には、バッテリ温度を検出するバッテリ温度検出センサ37、及び、端子電圧を検出するバッテリ電圧検出センサ38が配置されている。これらバッテリ温度検出センサ37及びバッテリ電圧検出センサ38の出力信号はECU100に入力される。
インバータ5は、HVバッテリ6の直流電流とモータジェネレータ2やモータジェネレータ3の3相交流電流との変換を行う電力交換装置である。インバータ5はECU100により制御される。
補機バッテリ8は、照明、オーディオ機器、エアコン用コンプレッサ、及び、ECU100などに電力を供給する。
コンバータ7は、インバータ5の直流側に接続され、高電圧の直流を低電圧(例えば12V)に降圧して補機バッテリ8の充電を行うDC−DCコンバータである。
変速機9は、動力分割機構4の駆動輪10側への動力をディファレンシャル部9aを介して駆動輪10へ伝達する機構であり、内部に潤滑用のオートマティックトランスミッションフルード(ATF)が循環されるように構成されている。
ECU100は、CPU、ROM、RAM及びバックアップRAMなどを備えている。ROMは、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。また、RAMは、CPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMは、例えばエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
ECU100には、水温センサ31、エアフローメータ32、吸気温センサ33、O2センサ34、クランクポジションセンサ35、スロットルセンサ36、バッテリ温度検出センサ37、及び、バッテリ電圧検出センサ38が接続されており、さらに、スタータスイッチ41、シフトレバーの操作位置を検出するシフトセンサ42、アクセル開度を検出するアクセルセンサ43、ブレーキセンサ44、及び、車速センサ45などが接続されている。
そして、ECU100は、上記した各種センサの出力信号に基づいて、運転者の要求トルク、必要とされるエンジン出力、モータトルクなどを算出し、エンジン1及びモータジェネレータ2のいずれか一方もしくは双方を動力源として駆動輪10を駆動するというハイブリッド制御を行う。例えば、発進時や低速走行時のようにエンジン効率が低くなる領域では、エンジン1を停止させてモータジェネレータ2のみの動力で駆動輪10を駆動する。また、通常走行時には、エンジン1を作動させてそのエンジン1の動力で駆動輪10を駆動するという制御を行う。さらに、全開加速等の高負荷時には、エンジン1の動力に加えて、HVバッテリ6からモータジェネレータ2に電力を供給してモータジェネレータ2による動力を補助動力として追加するという制御を行う。
また、ECU100は、エンジン停止条件が成立したときに、エンジン1を自動的に停止するアイドルストップ制御を実行する。さらに、ECU100は下記の始動制御処理を実行する。
−始動制御処理−
ECU100で実行する始動制御処理ルーチンの一例を図3に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップST1において、エンジン1の起動要求があるか否かを判定し、起動要求が無い場合は、このルーチンを一旦終了する。エンジン1の起動要求があったときにはステップST2に進む。エンジン1の起動要求は、例えばスタータスイッチ41(イグニッションスイッチ)がONとなったとき、及び、自動車走行(モータジェネレータ2のみの駆動力による走行)中にエンジン1を始動する条件が成立したときなどに発生する要求である。
ステップST2では、バッテリ温度検出センサ37の出力から、現在(始動時)のHVバッテリ6の温度を読み込み、そのバッテリ温度が所定の判定値α未満であるか否かを判定する。このステップST2の判定結果が否定判定である場合(バッテリ温度が判定値α以上である場合)は、予め設定した基準クランキングトルクTbでクランキングを実施しても問題ないと判断してステップST6に進む。一方、ステップST2の判定結果が肯定判定である場合はステップST3に進む。
ステップST6では、予め設定された基準クランキングトルクTbに基づいてHVバッテリ6からモータジェネレータ3に電力を供給することにより、基準クランキングトルクTbでモータジェネレータ3を駆動してクランキングを試み、ステップST7の判定結果が肯定判定「クランキングOK」となった場合、つまり、エンジン1のクランクシャフト15が回転してクランクポジションセンサ35がエンジン1の回転を示す信号を出力した場合は、このルーチンを一旦終了する。ここで、基準クランキングトルクTbでモータジェネレータ3を駆動した場合、HVバッテリ6が劣化していない限りは、エンジン1のクランクシャフト15は必ず回転する。また、ステップST7の判定結果が肯定判定「クランキングOK」である場合、ECU100は、クランキング(クランクシャフト15の回転)に伴ってエンジン1の各燃焼室1a内への燃料供給及び点火プラグ22の点火を制御してエンジン1を始動する。
以上のステップST2の判定処理において、バッテリ温度に対して設定する判定値αは、予め設定する基準クランキングトルクTb、HVバッテリ6の温度及びHVバッテリ6の電圧低下などを考慮して経験的に求めた値を設定する。また、基準クランキングトルクTbについては、クランキング時のエネルギロスなどを考慮し、エンジン1のクランキング(クランクシャフト15の回転)が可能な起動トルクを、予め実験・計算等によって経験的に求めてECU100のROM等に設定・記憶しておく。
ステップST3では、バッテリ電圧検出センサ38の出力から、現在(始動時)のHVバッテリ6の電圧を読み込み、そのバッテリ電圧VBが所定の判定値β未満であるか否かを判定する。ステップST3は、クランキングによりバッテリ電圧VBが低下して、HVバッテリ6が劣化する可能性があるか否かを判定するステップであって、バッテリ電圧VBが判定値β以上である場合(ステップST3の判定結果が否定判定である場合)は、基準クランキングトルクTbでクランキングを実施しても問題ないと判断してステップST6に進む。
ステップST6では、予め設定された基準クランキングトルクTbに基づいてHVバッテリ6からモータジェネレータ3に電力を供給することにより、基準クランキングトルクTbでモータジェネレータ3を駆動してクランキングを試み、ステップST7の判定結果が肯定判定「クランキングOK」となった場合は、このルーチンを一旦終了する。なお、基準クランキングトルクTbでモータジェネレータ3を駆動した際には、エンジン1のクランクシャフト15は必ず回転する。
ここで、ステップST3の判定処理において、バッテリ電圧VBに対して設定する判定値βは、基準クランキングトルクTb、HVバッテリ6の温度及びHVバッテリ6の電圧低下などを考慮して、予め実験・計算等によって経験的に求めた値を設定しておく。
一方、ステップST3の判定結果が肯定判定である場合は、クランキングによりHVバッテリ6が劣化する可能性があると判断してステップST4に進む。ステップST4ではクランキングトルク上昇率γ(γ=γ+a)を求める。クランキングトルク上昇率γの初期値は「0」であり、定数aは例えば10%である。従って、エンジン1の起動要求があり、ステップST2及びステップST3の判定結果が共に肯定判定である場合の最初のγの値は、例えば10%であり、2回目以降は例えば20%、30%、・・・90%、100%の順で変化する。
ステップST5では、基準クランキングトルクTbに現在のクランキングトルク上昇率γ(例えば10%)を乗じて試行用クランキングトルクTgを求める。次に、ステップST6において、ステップST5で求めた試行用クランキングトルクTgに基づいて、HVバッテリ6からモータジェネレータ3に電力を供給することにより、試行用クランキングトルクTgでモータジェネレータ3を駆動してクランキングを試みる。このクランキングトライ(1回目)により、エンジン1のクランクシャフト15が回転してクランクポジションセンサ35がエンジン1の回転を示す信号を出力した場合(ステップST7の判定結果が肯定判定である場合)はこのルーチンを一旦終了する。一方、エンジン1のクランクシャフト15が回転しなかった場合(クランクポジションセンサ35がエンジン1の回転を示す信号を出力しなかった場合)はステップST8に進む。
ステップST8においては、バッテリ電圧検出センサ38の出力信号に基づいて、図4に示す単位時間当たりのバッテリ電圧下降割合[ΔVB/Δt]を算出し、そのバッテリ電圧下降割合[ΔVB/Δt]が所定の判定値η未満であるか否かを判定する。ステップST8は、クランキングトライによりバッテリ電圧VBが低下し、バッテリ電圧瞬時下限値ε(図4参照)を下回る可能性があるか否かを判定するステップであって、このステップST8の判定結果が肯定判定である場合、つまり、バッテリ電圧下降割合[ΔVB/Δt]が判定値η未満(ΔVB/Δt<η)である場合は、試行用クランキングトルクTgでクランキングを実施しても問題ないと判断してステップST4に戻る。
このステップST8の判定処理において、バッテリ電圧下降割合[ΔVB/Δt]に対して設定する判定値ηは、HVバッテリ6の電圧低下及びバッテリ電圧瞬時下限値εなどを考慮して、予め実験・計算等によって経験的に求めた値を設定しておく。なお、バッテリ電圧下降割合[ΔVB/Δt]の算出に用いるΔtは、例えばバッテリ電圧VBのサンプリング(読み込み)周期、もしくはECU100の演算周期の最小単位である。
ステップST8の判定結果が肯定判定である場合、ステップST4でクランキングトルク上昇率γ(γ=γ+a)を求めた後、ステップST5において、基準クランキングトルクTbに現在のクランキングトルク上昇率γ(例えば20%)を乗じて試行用クランキングトルクTgを求める。
次に、ステップST6において、ステップST5で求めた試行用クランキングトルクTgに基づいてHVバッテリ6からモータジェネレータ3に電力を供給することにより、試行用クランキングトルクTgでモータジェネレータ3を駆動してクランキングを試みる。このクランキングトライ(2回目)を行うときには、前回のクランキングトライ時においてHVバッテリ6に電流が流れているので、その電流の流れによる自己発熱によってHVバッテリ6のバッテリ温度が上昇しており、さらに、試行用クランキングトルクTgを1回目よりも大きくしているので、クランキングトライによりエンジン1のクランクシャフト15が回転する可能性が高くなり、ステップST7において「クランキングOK」となった場合(エンジン1のクランクシャフト15が回転してクランクポジションセンサ35がエンジン1の回転を示す信号を出力した場合)は、このルーチンを一旦終了する。
一方、クランキングトライ(2回目)によりエンジン1のクランクシャフト15が回転しなかった場合(ステップST7の判定結果が否定判定である場合)は、ステップST8において、バッテリ電圧下降割合[ΔVB/Δt]が判定値η未満であるか否かを判定する。その判定結果が肯定判定である場合は、再度、ステップST4に戻ってクランキングトルク上昇率γ(γ=γ+a)を求め、基準クランキングトルクTbに現在のクランキングトルク上昇率γ(例えば30%)を乗じて試行用クランキングトルクTgを求める(ステップST5)。次に、ステップST6において、ステップST5で求めた試行用クランキングトルクTgに基づいて、HVバッテリ6からモータジェネレータ3に電力を供給することにより、試行用クランキングトルクTgでモータジェネレータ3を駆動してクランキングを試みる。
このクランキングトライ(3回目)を行うときには、前回のクランキングトライ時においてHVバッテリ6に電流が流れているので、その電流の流れによる自己発熱によりHVバッテリ6のバッテリ温度が上昇しており、さらに、試行用クランキングトルクTgを2回目よりも大きくしているので、クランキングトライによりエンジン1のクランクシャフト15が回転する可能性が更に高くなり、ステップST7において「クランキングOK」となった場合(エンジン1のクランクシャフト15が回転してクランクポジションセンサ35がエンジン1の回転を示す信号を出力した場合)は、このルーチンを一旦終了する。
一方、エンジン1のクランクシャフト15が回転しなかった場合(クランクポジションセンサ35がエンジン1の回転を示す信号を出力しな場合)は、ステップST8においてバッテリ電圧下降割合[ΔVB/Δt]が判定値η未満であるか否かを判定する。その判定結果が肯定判定である場合は、再度、ステップST4に戻る。
そして、以上のようなステップST4〜ステップST8の処理つまり試行用クランキングトルクTgを徐々に大きくしたクランキングトライを、エンジン1のクランクシャフト15が回転するまで繰り返して行って、エンジン1のクランクシャフト15が回転する機会を模索する。ただし、バッテリ電圧下降割合[ΔVB/Δt]が判定値η以上となり(ステップST8の判定結果が否定判定)、バッテリ電圧VBがバッテリ電圧瞬時下限値ε未満となった場合(ステップST9の判定結果が肯定判定)には、HVバッテリ6が劣化するおそれがあるので、クランキングトライつまりHVバッテリ6からモータジェネレータ3への電力供給を行わずにこのルーチンを終了する。
以上のように、この例の始動制御処理によれば、低温始動時においてHVバッテリ6の温度が所定値未満であるときには、試行用クランキングトルクでモータジェネレータ(スタータモータ)3を実際に駆動して、エンジン1のクランクシャフト15が回転するか否かを判定し、クランクシャフト15が回転していないときには、試行用クランキングトルクを大きくして再度クランキングトライを実施するという処理を繰り返しているので、エンジン1の状態(例えばエネルギロス等)に見合った適切なクランキングトルクを見出すことが可能になる。これにより、クランキングトルクを演算にて求める場合と比較して、始動時に実際に必要なクランキングトルクを正確に反映した始動制御を行うことが可能になり、バッテリ温度が低いときの始動時であっても、バッテリ電圧が電圧下限値を下回る可能性が少なくなる。しかも、バッテリ電圧下降割合[ΔVB/Δt]及びバッテリ電圧瞬時下限値εを考慮して、試行用クランキングトルクTgを徐々に大きくしているので、バッテリ電圧が電圧下限値を下回ること(バッテリ電圧の下限割れ)を確実に防止することができる。
さらに、この例の始動制御処理では、バッテリ電圧下降割合[ΔVB/Δt]が所定の判定値η以上となった場合でも、バッテリ電圧VBがバッテリ電圧瞬時下限値ε以上である場合(ステップST9の判定結果が否定判定である場合)には、HVバッテリ6に、クランキングトライを実行することが可能な容量があると判断して、HVバッテリ6からの電力によるモータジェネレータ3の駆動を許容しているので、バッテリ電圧下降割合[ΔVB/Δt]のみを考慮して始動制御を行う場合と比較して、エンジン1のクランキングトライの回数を多くすることが可能となり、エンジン1の始動制御を更に精細に行うことができる。
また、この例の始動制御処理では、HVバッテリ6のバッテリ電圧VBが所定の判定値β以上で十分に大きい場合には、クランキングによってHVバッテリ6が劣化する可能性がないと判断して、基準クランキングトルクでモータジェネレータ3を駆動しているので、HVバッテリ6のバッテリ温度が低い場合であっても、バッテリ電圧VBが十分に大きいときには、試行用クランキングトルクTgでのクランキングトライを省略することが可能となり、始動時のクランキングトライによるタイムラグを解消することができる。
−他の実施形態−
以上の例では、モータジェネレータにてクランキングを行うハイブリッド車のエンジンの始動制御に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、クランキングを行うためのスタータモータを個別に設けたハイブリッド車のエンジンの始動制御に適用できる。
以上の例では、ハイブリッド車に搭載したエンジンの始動制御に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、アイドルストップ制御を行うエコラン車に搭載されるエンジン、あるいはアイドルストップ制御を行わない通常の自動車に搭載されるエンジンの始動制御にも適用できる。
以上の実施形態では、4気筒ガソリンエンジンの始動制御に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、例えば筒6気筒ガソリンエンジンなど他の任意の気筒数の多気筒ガソリンエンジンの始動制御にも適用できる。
さらに、ガソリンエンジンに限られることなく、例えばLPG(液化石油ガス)やLNG(液化天然ガス)などの他の燃料とする点火方式のエンジン、あるいは、ディーゼルエンジン等の始動制御にも適用可能であり、また、筒内直噴型エンジンの始動制御にも適用可能である。
本発明の内燃機関の始動制御装置を適用するハイブリッド車の一例を示す概略構成図である。 図1のハイブリッド車に搭載されるエンジン(内燃機関)の概略構成図である。 ECUが実行する始動制御処理の一例を示すフローチャートである。 クランキング時におけるバッテリ電圧の時間的な変化を模式的に示すグラフである。
符号の説明
1 エンジン
2 モータジェネレータ
3 モータジェネレータ(機関始動用の電動機)
4 動力分割機構
5 インバータ
6 HVバッテリ
7 コンバータ
15 クランクシャフト
17 シグナルロータ
35 クランクポジションセンサ
37 バッテリ温度検出センサ
38 バッテリ電圧検出センサ
41 スタータスイッチ
100 ECU

Claims (3)

  1. 内燃機関を始動する電動機と、前記電動機に電力を供給するバッテリと、前記バッテリの温度を検出するバッテリ温度検出手段と、制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記内燃機関の始動時に、前記バッテリ温度検出手段にて検出されるバッテリ温度が所定値未満である場合、基準クランキングトルクよりも低く設定した試行用クランキングトルクで前記電動機を駆動してクランキングを試み、前記内燃機関のクランクシャフトが回転しないときには、単位時間当たりのバッテリ電圧の低下割合を考慮して、前記試行用クランキングトルクを徐々に大きくしてクランキングを試みることを特徴とする内燃機関の始動制御装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の始動制御装置において、
    前記バッテリの電圧を検出するバッテリ電圧検出手段を備え、前記制御手段は、前記バッテリ温度検出手段にて検出されるバッテリ温度が所定値未満で、かつ前記バッテリ電圧検出手段にて検出されるバッテリ電圧が所定値未満である場合に、試行用クランキングトルクで前記電動機を駆動してクランキングを試みることを特徴とする内燃機関の始動制御装置。
  3. 請求項1または2記載の内燃機関の始動制御装置において、
    前記バッテリの電圧を検出するバッテリ電圧検出手段を備え、前記制御手段は、前記バッテリ電圧検出手段にて検出されるバッテリ電圧が所定の下限値以上であるときには、単位時間当たりのバッテリ電圧の低下割合が所定値以上であっても、試行用クランキングトルクで前記電動機を駆動してクランキングを試みることを特徴とする内燃機関の始動制御装置。
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