JP2007320072A - モールドおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光硬化性樹脂に対して適度な濡れ性を有するとともに、優れた離型性を有し、機械的強度、形状安定性を備えた、光硬化性樹脂を成形するための微細パターンを有するモールド、および該モールドを欠陥なく製造できる方法の提供。
【解決手段】基材11と、プライマー層12と、反応性官能基を有し主鎖にペルフルオロ脂肪族環構造を有するペルフルオロポリマーを含む膜からなり、表面にパターンが形成されたパターン層13とをこの順に有するモールド10。基材11上にプライマー層12を形成する工程と、プライマー層上にペルフルオロポリマーを含む膜23を形成する工程と、ペルフルオロポリマーを含む膜23に加熱されたオリジナルモールド40を押しあてる工程と、ペルフルオロポリマーを含む膜23からオリジナルモールド40を分離しパターン層13を形成する工程とを有する、モールド10の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】基材11と、プライマー層12と、反応性官能基を有し主鎖にペルフルオロ脂肪族環構造を有するペルフルオロポリマーを含む膜からなり、表面にパターンが形成されたパターン層13とをこの順に有するモールド10。基材11上にプライマー層12を形成する工程と、プライマー層上にペルフルオロポリマーを含む膜23を形成する工程と、ペルフルオロポリマーを含む膜23に加熱されたオリジナルモールド40を押しあてる工程と、ペルフルオロポリマーを含む膜23からオリジナルモールド40を分離しパターン層13を形成する工程とを有する、モールド10の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、モールドおよびその製造方法に関する。
微細パターンを形成する方法としては、液状の光硬化性樹脂からなる膜に、所望の微細パターンを反転したパターンを有するモールドを押しあてた状態で、光硬化性樹脂に光を照射し、光硬化性樹脂を硬化させ、所望の微細パターンを形成する方法、いわゆるナノインプリント法が知られている(特許文献1参照)。
ナノインプリント法においては、一般には石英製モールドが用いられる。しかし、該モールドは離型性が低く、硬化物からモールドを剥離する際に硬化物の微細パターン精度が低下しやすい。離型性を向上させる方法として、モールドの微細パターン面に離型剤を塗布する方法が提案されている。しかし、塗布された離型剤の厚さムラによりモールドの微細パターン精度が低下しやすい。さらにモールドを連続使用する場合は、離型剤を再塗布する必要があり生産効率が低下しやすい。
特許文献2には、ペルフルオロフルオロポリマーからなるパターン層と他の基体とからなるモールドが記載されている。
しかし、ペルフルオロフルオロポリマーは非粘着性であるため、他の基体と組み合せるのは容易ではない。特に高精度な微細パターンを有するモールドと他の基体を強固に接着させて組み合せるのは容易ではない。
また、ペルフルオロフルオロポリマーからなるパターン層は光硬化性樹脂に対する濡れ性が低く、光硬化性樹脂をはじく場合がある。この場合、高精度な微細パターンが転写されない問題が生じる。
本発明は、光硬化性樹脂に対して適度な濡れ性を有するとともに、優れた離型性を有し、機械的強度、形状安定性を備えた、光硬化性樹脂を成形するための微細パターンを有するモールド、および該モールドを欠陥なく製造できる方法を提供する。
本発明のモールドは、基材と、プライマー層と、反応性官能基を有し主鎖にペルフルオロ脂肪族環構造を有するペルフルオロポリマー(F1)を含む膜からなり、表面にパターンが形成されたパターン層とをこの順に有することを特徴とする。
上記反応性官能基は、カルボキシ基、−COF、−CH2OH、−CF=CF2、水酸基、アミノ基、シアノ基、イソシアネート基からなる群から選択される1以上の反応性官能基であることが好ましい。
上記ペルフルオロポリマー(F1)を含む膜の表面の水に対する接触角が80度以上であることが好ましい。
上記ペルフルオロポリマー(F1)を含む膜の表面の水に対する接触角が80度以上であることが好ましい。
本発明のモールドの製造方法は、上記のモールドを製造する方法であって、基材上にプライマー層を形成する工程と、前記プライマー層上に、反応性官能基を有し主鎖にペルフルオロ脂肪族環構造を有するペルフルオロポリマー(F1)を含む膜を形成する工程と、前記ペルフルオロポリマー(F1)を含む膜に、前記パターン層のパターンに対応する反転パターンを有する、加熱されたオリジナルモールドを押しあてる工程と、前記ペルフルオロポリマー(F1)を含む膜から前記オリジナルモールドを分離し、パターン層を形成する工程とを有することを特徴とする。
本発明のモールドの製造方法は、上記のモールドを製造する方法であって、基材上にプライマー層を形成する工程と、前記プライマー層上に、反応性官能基を有し主鎖にペルフルオロ脂肪族環構造を有するペルフルオロポリマー(F1)を含む膜を形成する工程と、前記ペルフルオロポリマー(F1)を含む膜に、前記パターン層のパターンに対応する反転パターンを有する、加熱されたオリジナルモールドを押しあてる工程と、前記ペルフルオロポリマー(F1)を含む膜から前記オリジナルモールドを分離し、パターン層を形成する工程とを有することを特徴とする。
本発明のモールドは、光硬化性樹脂に対して適度な濡れ性を有するとともに、優れた離型性を有する。よって、本発明のモールドを用いれば、微細パターンが高精度で転写された光硬化性組成物の硬化物が得られる。また、本発明のモールドは、ペルフルオロポリマーからなるパターン層が他の基体を強固に接着されており、機械的強度、形状安定性を備える。
本発明のモールドの製造方法によれば、ペルフルオロポリマーからなるパターン層と他の基体を強固に接着させて製造できる。
本明細書においては、式(1)で表される化合物を化合物(1)と記す。他の式で表される化合物も同様に記す。
本明細書においては、(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基および/またはメタクリロイル基を意味する。
本明細書においては、(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基および/またはメタクリロイル基を意味する。
<モールド>
図1は、本発明のモールドの一例を示す断面図である。モールド10は、基材11と、プライマー層12と、反応性官能基を有し主鎖にペルフルオロ脂肪族環構造を有するペルフルオロポリマーを含み、表面にパターンが形成されたパターン層13とを有する。
図1は、本発明のモールドの一例を示す断面図である。モールド10は、基材11と、プライマー層12と、反応性官能基を有し主鎖にペルフルオロ脂肪族環構造を有するペルフルオロポリマーを含み、表面にパターンが形成されたパターン層13とを有する。
(基材)
基材の形状としては、フィルムまたはシート状、板状、円筒状、円柱状等が挙げられる。
基材の材料としては、以下の材料が挙げられる。
ガラス:石英ガラス、ホウケイ酸ガラス等。
炭素化合物:炭化珪素、黒色ガラス状炭素化合物、黒鉛。
金属:ニッケル、銅等。
セルロース素材:紙等。
樹脂:ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等。)、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、セロファン、ポリカーボネート、軟質塩化ビニル樹脂、硬質塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等。
ゴム:フッ素ゴム等。
基材の形状としては、フィルムまたはシート状、板状、円筒状、円柱状等が挙げられる。
基材の材料としては、以下の材料が挙げられる。
ガラス:石英ガラス、ホウケイ酸ガラス等。
炭素化合物:炭化珪素、黒色ガラス状炭素化合物、黒鉛。
金属:ニッケル、銅等。
セルロース素材:紙等。
樹脂:ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等。)、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、セロファン、ポリカーボネート、軟質塩化ビニル樹脂、硬質塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等。
ゴム:フッ素ゴム等。
基材の材料としては、波長365nm付近の紫外線の透過率が厚さ100μmのときに65%以上である材料が好ましく、ガラス、フッ素樹脂、PET、シリコーン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。紫外線に対して不透明な基材を用いた場合、後述の被加工側の支持基板が、紫外線に対して透明な材料に限定されてしまう。
基材の材料としては、帯電防止層またはプライマー層との密着性が良好な点から、ガラス、PET、アクリル樹脂、ポリイミドが特に好ましい。
基材の材料としては、帯電防止層またはプライマー層との密着性が良好な点から、ガラス、PET、アクリル樹脂、ポリイミドが特に好ましい。
基材の厚さは、20〜5000μmが好ましく、100〜1000μmがより好ましい。
基材として、あらかじめ帯電防止層が設けられた基材を用いてもよい。該基材としては、東洋紡社製のコスモシャインA7810、A6340、A8300、ユニチカ社製の高性能帯電防止PETフィルム等が挙げられる。
また、基材として、あらかじめプラズマ処理、コロナ放電、紫外線照射、真空紫外線照射、電子線照射、紫外線オゾン処理、イオン照射等の表面処理を施された基材を用いてもよい。
基材として、あらかじめ帯電防止層が設けられた基材を用いてもよい。該基材としては、東洋紡社製のコスモシャインA7810、A6340、A8300、ユニチカ社製の高性能帯電防止PETフィルム等が挙げられる。
また、基材として、あらかじめプラズマ処理、コロナ放電、紫外線照射、真空紫外線照射、電子線照射、紫外線オゾン処理、イオン照射等の表面処理を施された基材を用いてもよい。
(プライマー層)
プライマー層の材料としては、接着剤、シランカップリング剤、珪素原子を含む樹脂材料、帯電防止剤等が挙げられる。
プライマー層の材料としては、接着剤、シランカップリング剤、珪素原子を含む樹脂材料、帯電防止剤等が挙げられる。
接着剤としては、可視光硬化性樹脂、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤またはウレタン系接着剤が好ましく、低硬化収縮性および高透明性の点から、シアノアクリル酸エステルまたはエポキシ樹脂を含む接着剤が好ましい。
シランカップリング剤としては、以下のシランカップリング剤が挙げられる。
アミノ基を有するシランカップリング剤:3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等。
オキシラニル基を有するシランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等。
トリクロロシランのシランカップリング剤:ビニルトリクロロシラン等。
他の官能基(ビニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、エポキシ基、スチリル基、フルオロアルキル基、メルカプト基、イソシアネート基、ウレイド基等。)を有するシランカップリング剤等。
シランカップリング剤としては、アミノ基を有するシランカップリング剤、オキシラニル基を有するシランカップリング剤、トリクロロシランのシランカップリング剤が好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤:3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等。
オキシラニル基を有するシランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等。
トリクロロシランのシランカップリング剤:ビニルトリクロロシラン等。
他の官能基(ビニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、エポキシ基、スチリル基、フルオロアルキル基、メルカプト基、イソシアネート基、ウレイド基等。)を有するシランカップリング剤等。
シランカップリング剤としては、アミノ基を有するシランカップリング剤、オキシラニル基を有するシランカップリング剤、トリクロロシランのシランカップリング剤が好ましい。
珪素原子を含む樹脂材料としては、変性アクリルシリコーン樹脂、シルセスキオキサン骨格を含む樹脂等が挙げられる。
帯電防止剤としては、導電性化合物、分散剤および溶剤を含有するものが挙げられる。帯電防止剤としては、市販の帯電防止剤を用いてもよい。市販の帯電防止剤としては、インスコン・テック社製のコニソル、ムロマチテクノス社のMU−003等が挙げられる。
導電性化合物としては、金属酸化物または導電性ポリマーが好ましく、波長365nm付近の紫外線の透過率の点から、ITOまたはポリチオフェンがより好ましい。
導電性化合物としては、金属酸化物または導電性ポリマーが好ましく、波長365nm付近の紫外線の透過率の点から、ITOまたはポリチオフェンがより好ましい。
プライマー層の厚さは、0.02〜25μmが好ましく、0.03〜15μmがより好ましい。
(パターン層)
パターンとしては、凹凸構造からなる微細パターンが好ましい。
凹凸構造における凸部は、パターン層の表面に延在する長尺の凸条、またはパターン層の表面に点在する突起である。
凹凸構造における凹部は、パターン層の表面に延在する長尺の溝、またはパターン層の表面に点在する孔である。
凸条または溝の形状としては、直線、曲線、折れ曲がり形状等が挙げられる。凸条または溝は、複数が平行に存在して縞状をなしていてもよい。
凸条または溝の、長手方向に直交する方向の断面形状としては、長方形、台形、三角形、半円形等が挙げられる。
突起または孔の形状としては、三角柱、四角柱、六角柱、円柱、三角錐、四角錐、六角錐、円錐半球、多面体等が挙げられる。
パターンとしては、凹凸構造からなる微細パターンが好ましい。
凹凸構造における凸部は、パターン層の表面に延在する長尺の凸条、またはパターン層の表面に点在する突起である。
凹凸構造における凹部は、パターン層の表面に延在する長尺の溝、またはパターン層の表面に点在する孔である。
凸条または溝の形状としては、直線、曲線、折れ曲がり形状等が挙げられる。凸条または溝は、複数が平行に存在して縞状をなしていてもよい。
凸条または溝の、長手方向に直交する方向の断面形状としては、長方形、台形、三角形、半円形等が挙げられる。
突起または孔の形状としては、三角柱、四角柱、六角柱、円柱、三角錐、四角錐、六角錐、円錐半球、多面体等が挙げられる。
凸条または溝の幅は、平均で1nm〜500μmが好ましく、10nm〜300μmがより好ましく、50nm〜400nmが特に好ましい。凸条の幅とは、長手方向に直交する方向の断面における底辺の長さを意味する。溝の幅とは、長手方向に直交する方向の断面における上辺の長さを意味する。
突起または孔の幅は、平均で1nm〜500μmが好ましく、10nm〜300μmがより好ましく、50nm〜400nmが特に好ましい。突起の幅とは、底面が細長い場合、長手方向に直交する方向の断面における底辺の長さを意味し、そうでない場合、突起の底面における最大長さを意味する。孔の幅とは、開口部が細長い場合、長手方向に直交する方向の断面における上辺の長さを意味し、そうでない場合、孔の開口部における最大長さを意味する。
突起または孔の幅は、平均で1nm〜500μmが好ましく、10nm〜300μmがより好ましく、50nm〜400nmが特に好ましい。突起の幅とは、底面が細長い場合、長手方向に直交する方向の断面における底辺の長さを意味し、そうでない場合、突起の底面における最大長さを意味する。孔の幅とは、開口部が細長い場合、長手方向に直交する方向の断面における上辺の長さを意味し、そうでない場合、孔の開口部における最大長さを意味する。
凸部の高さは、平均で1nm〜500μmが好ましく、10nm〜300μmがより好ましく、10nm〜10μmが特に好ましく、50nm〜400nmが最も好ましい。
凹部の深さは、平均で1nm〜500μmが好ましく、10nm〜300μmがより好ましく、10nm〜10μmが特に好ましく、50nm〜400nmが最も好ましい。
凹凸構造が密集している領域において、隣接する凸部(または凹部)間の距離は、平均で1nm〜500μmが好ましく、10nm〜300μmが特に好ましい。隣接する凸部間の距離とは、凸部の断面の底辺の終端から、隣接する凸部の断面の底辺の始端までの距離を意味する。隣接する凹部間の距離とは、凹部の断面の上辺の終端から、隣接する凹部の断面の上辺の始端までの距離を意味する。
凹部の深さは、平均で1nm〜500μmが好ましく、10nm〜300μmがより好ましく、10nm〜10μmが特に好ましく、50nm〜400nmが最も好ましい。
凹凸構造が密集している領域において、隣接する凸部(または凹部)間の距離は、平均で1nm〜500μmが好ましく、10nm〜300μmが特に好ましい。隣接する凸部間の距離とは、凸部の断面の底辺の終端から、隣接する凸部の断面の底辺の始端までの距離を意味する。隣接する凹部間の距離とは、凹部の断面の上辺の終端から、隣接する凹部の断面の上辺の始端までの距離を意味する。
凸部の最小寸法は、1nm〜500μm以下が好ましく、50nm〜500nmがより好ましい。最小寸法とは、凸部の幅、長さおよび高さのうち最小の寸法を意味する。
凹部の最小寸法は、1nm〜500μm以下が好ましく、50nm〜500nmがより好ましい。最小寸法とは、凹部の幅、長さおよび深さのうち最小の寸法を意味する。
パターン層の厚さは、最も高い凸部の高さ以上が好ましい。
凹部の最小寸法は、1nm〜500μm以下が好ましく、50nm〜500nmがより好ましい。最小寸法とは、凹部の幅、長さおよび深さのうち最小の寸法を意味する。
パターン層の厚さは、最も高い凸部の高さ以上が好ましい。
パターン層は、反応性官能基を有し主鎖にペルフルオロ脂肪族環構造を有するペルフルオロポリマー(F1)を含む膜からなる。
ペルフルオロポリマーとは、炭素原子に結合した水素原子および炭素原子に結合したフッ素原子の合計数に対する炭素原子に結合したフッ素原子の数の割合が100%であることを意味する。このためペルフルオロポリマーは離型性に優れる。
ペルフルオロポリマーとは、炭素原子に結合した水素原子および炭素原子に結合したフッ素原子の合計数に対する炭素原子に結合したフッ素原子の数の割合が100%であることを意味する。このためペルフルオロポリマーは離型性に優れる。
ペルフルオロポリマー(F1)は、主鎖にペルフルオロ脂肪族環構造を有するため、波長200〜500nmの光に対する透過率および耐久性に優れる。主鎖にペルフルオロ脂肪族環構造を有するとは、ペルフルオロ脂肪族環の環を構成する炭素原子の1個以上がペルフルオロポリマーの主鎖を構成する炭素原子であることを意味する。主鎖の炭素原子は、該ペルフルオロポリマーを構成する環状モノマーの重合性二重結合の2個の炭素原子に由来する、または、2個の重合性二重結合を有するジエン系モノマーを環化重合させて得たペルフルオロポリマーの場合は2個の重合性二重結合の4個の炭素原子に由来する。ペルフルオロ脂肪族環の環を構成する原子として、炭素原子以外に酸素原子、窒素原子等を含んでもよい。ペルフルオロ脂肪族環としては、1〜2個の酸素原子を有するペルフルオロ脂肪族環が好ましい。ペルフルオロ脂肪族環を構成する原子の数は、4〜7個が好ましい。
重合性二重結合としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、が好ましい。
重合性二重結合としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、が好ましい。
主鎖にペルフルオロ脂肪族環構造を有するペルフルオロポリマーとしては、環状モノマーの単独重合体または共重合体、ジエン系モノマーを環化重合させて得た単独重合体または共重合体等が挙げられる。
環状モノマーは、ペルフルオロ脂肪族環を構成する炭素原子間に重合性二重結合を有するモノマー、または、ペルフルオロ脂肪族環を構成する炭素原子とペルフルオロ脂肪族環外の炭素原子との間に重合性二重結合を有するモノマーである。
ジエン系モノマーは、2個の重合性二重結合を有するモノマーである。
環状モノマーは、ペルフルオロ脂肪族環を構成する炭素原子間に重合性二重結合を有するモノマー、または、ペルフルオロ脂肪族環を構成する炭素原子とペルフルオロ脂肪族環外の炭素原子との間に重合性二重結合を有するモノマーである。
ジエン系モノマーは、2個の重合性二重結合を有するモノマーである。
環状モノマーおよびジエン系モノマーは、炭素原子に結合した水素原子のすべてがフッ素原子に置換された構造のペルフルオロモノマーである。
環状モノマーとしては、化合物(1)または化合物(2)が好ましい。
環状モノマーとしては、化合物(1)または化合物(2)が好ましい。
ただし、X11、X12、R11およびR12は、それぞれ独立に、フッ素原子、炭素数が1〜4のペルフルオロアルキル基または炭素数が1〜4のペルフルオロアルコキシ基を示す。X11としては、フッ素原子が好ましい。X12としてはフッ素原子、トリフルオロメチル基、または炭素数1〜4のペルフルオロアルコキシ基が好ましい。
X21およびX22は、それぞれ独立に、フッ素原子または炭素数1〜7のペルフルオロアルキル基を示す。X21およびX22としては、フッ素原子またはトリフルオロメチル基が好ましい。
X21およびX22は、それぞれ独立に、フッ素原子または炭素数1〜7のペルフルオロアルキル基を示す。X21およびX22としては、フッ素原子またはトリフルオロメチル基が好ましい。
化合物(1)の具体例としては、化合物(1−1)〜(1−3)が挙げられる。
化合物(2)の具体例としては、化合物(2−1)〜(2−2)が挙げられる。
環状モノマーと共重合させるモノマーとしては、CF2=CF2、CF2=CFCl、CF2=CFOCF3等が挙げられる。
ジエン系モノマーとしては、化合物(3)が好ましい。
CF2=CF−Q−CF=CF2 ・・・(3)。
ただし、Qは、エーテル性酸素原子を有していてもよい炭素数1〜3のペルフルオロアルキレン基を示す。エーテル性酸素原子を有するペルフルオロアルキレン基である場合、該ペルフルオロアルキレン基におけるエーテル性酸素原子は、該基の一方の末端に存在していてもよく、該基の両末端に存在していてもよく、該基の炭素原子間に存在していてもよい。環化重合性の点から、該基の一方の末端に存在していることが好ましい。
CF2=CF−Q−CF=CF2 ・・・(3)。
ただし、Qは、エーテル性酸素原子を有していてもよい炭素数1〜3のペルフルオロアルキレン基を示す。エーテル性酸素原子を有するペルフルオロアルキレン基である場合、該ペルフルオロアルキレン基におけるエーテル性酸素原子は、該基の一方の末端に存在していてもよく、該基の両末端に存在していてもよく、該基の炭素原子間に存在していてもよい。環化重合性の点から、該基の一方の末端に存在していることが好ましい。
化合物(3)の環化重合により、下式(3−1)〜(3−3)の繰り返し単位を有するポリマーが得られる。
ジエン系モノマーとしては、下記の化合物が挙げられる。
CF2=CFOCF2CF=CF2、
CF2=CFOCF(CF3)CF=CF2、
CF2=CFOCF2CF2CF=CF2、
CF2=CFOCF2CF(CF3)CF=CF2、
CF2=CFOCF(CF3)CF2CF=CF2、
CF2=CFOCF2OCF=CF2、
CF2=CFOC(CF3)2OCF=CF2、
CF2=CFCF2CF=CF2、
CF2=CFCF2CF2CF=CF2。
CF2=CFOCF2CF=CF2、
CF2=CFOCF(CF3)CF=CF2、
CF2=CFOCF2CF2CF=CF2、
CF2=CFOCF2CF(CF3)CF=CF2、
CF2=CFOCF(CF3)CF2CF=CF2、
CF2=CFOCF2OCF=CF2、
CF2=CFOC(CF3)2OCF=CF2、
CF2=CFCF2CF=CF2、
CF2=CFCF2CF2CF=CF2。
ジエン系モノマーと共重合させるモノマーとしては、CF2=CF2、CF2=CFCl、CF2=CFOCF3等が挙げられる。
上記ペルフルオロポリマー(F1)は、全繰り返し単位(100モル%)のうち、ペルフルオロ脂肪族環構造を有する繰り返し単位を20モル%以上含むことが好ましく、40モル%以上含むことがより好ましく、ペルフルオロ脂肪族環状構造を有する繰り返し単位のみからなることが特に好ましい。ペルフルオロ脂肪族環構造を有する繰り返し単位は、環状モノマーの重合により形成された繰り返し単位およびジエン系モノマーの環化重合により形成された繰り返し単位である。
反応性官能基を有し主鎖にペルフルオロ脂肪族環構造を有するペルフルオロポリマー(F1)における反応性官能基としては、カルボキシ基、−COF、−CH2OH、−CF=CF2、水酸基、アミノ基、シアノ基、イソシアネート基からなる群から選択される1以上の反応性官能基が挙げられ、カルボキシ基が好ましい。反応性官能基はポリマーの末端基として存在することが好ましい。たとえば、カルボキシ基を有するペルフルオロポリマー(F1)の場合、重合開始剤等に由来する反応性官能基を末端基として有するペルフルオロポリマーを酸素雰囲気下で加熱し、ついで水中に浸漬して、前記反応性官能基をカルボキシ基に変換することにより製造できる。
パターン層は、反応性官能基を有し主鎖にペルフルオロ脂肪族環構造を有するペルフルオロポリマー(F1)(以下、単にペルフルオロポリマー(F1)ともいう。)および反応性官能基を実質的に有さず主鎖にペルフルオロ脂肪族環構造を有するペルフルオロポリマー(F2)(以下、単にペルフルオロポリマー(F2)ともいう。)を含む膜から構成されていてもよい。ペルフルオロポリマー(F2)が反応性官能基を実質的に有さないとは、ペルフルオロポリマー(F2)中の反応性官能基の含有量が検出限界以下であることをいう。反応性官能基を実質的に有さず主鎖にペルフルオロ脂肪族環構造を有するペルフルオロポリマー(F2)は、ペルフルオロポリマー(F1)をフッ素ガスで処理して得られる。
ペルフルオロポリマー(F2)の、ペルフルオロポリマー(F1)およびペルフルオロポリマー(F2)に対する割合を調整することにより、パターン層の光硬化性組成物に対する濡れ性および離型性を制御することができる。該割合は、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましい。
パターン層がペルフルオロポリマー(F1)およびペルフルオロポリマー(F2)を含む膜からなる場合、図2に示すように、パターン層13は、ペルフルオロポリマー(F1)からなる膜14と、ペルフルオロポリマー(F1)およびペルフルオロポリマー(F2)の混合体からなる膜15とからなるのが好ましい。すなわち、プライマー層12と、ペルフルオロポリマー(F1)およびペルフルオロポリマー(F2)の混合体からなる膜15との間に、ペルフルオロポリマー(F1)からなる膜14を設けることにより、プライマー層12とパターン層13との接着性を向上できる。ペルフルオロポリマー(F1)からなる膜14の厚さは、0.03〜5μmが好ましく、0.06〜1μmがより好ましい。
プライマー層に、ペルフルオロポリマー(F1)からなる膜を形成し、さらに該膜の上にペルフルオロポリマー(F2)からなる膜を形成し、ついでプラズマ処理、コロナ放電、紫外線照射、真空紫外線照射、電子線照射、紫外線オゾン処理、イオン照射等の処理を施すことにより、ペルフルオロポリマー(F2)からなる膜の表面に反応性官能基を形成することもできる。反応性官能基の生成度合いにより、光硬化性組成物に対する濡れ性および離型性を制御することができる。
ペルフルオロポリマー(F1)を含む膜の表面の水に対する接触角は、光硬化性組成物に対する濡れ性および離型性の観点から、80度以上が好ましく、90度以上がより好ましく、100度以上が特に好ましく、上限は110度以下が好ましい。該接触角は、接触角計を用いて測定する。
<モールドの製造方法>
本発明のモールドの製造方法としては、以下の方法が挙げられる。
(a)パターン層をホットエンボス法によって形成する方法。
(b)パターン層をキャスト法によって形成する方法。
本発明のモールドの製造方法としては、以下の方法が挙げられる。
(a)パターン層をホットエンボス法によって形成する方法。
(b)パターン層をキャスト法によって形成する方法。
((a)の方法)
(a)の方法としては、たとえば、下記(a−1)〜(a−4)工程を有する方法が挙げられる。
(a−1)基材上にプライマー層を形成する工程。
(a−2)プライマー層上にペルフルオロポリマー(F1)を含む膜を形成する工程。
(a−3)ペルフルオロポリマー(F1)を含む膜に、パターン層のパターンに対応する反転パターンを有する、加熱されたオリジナルモールドを押しあてる工程。
(a−4)ペルフルオロポリマー(F1)を含む膜からオリジナルモールドを分離し、パターン層を形成する工程。
(a)の方法としては、たとえば、下記(a−1)〜(a−4)工程を有する方法が挙げられる。
(a−1)基材上にプライマー層を形成する工程。
(a−2)プライマー層上にペルフルオロポリマー(F1)を含む膜を形成する工程。
(a−3)ペルフルオロポリマー(F1)を含む膜に、パターン層のパターンに対応する反転パターンを有する、加熱されたオリジナルモールドを押しあてる工程。
(a−4)ペルフルオロポリマー(F1)を含む膜からオリジナルモールドを分離し、パターン層を形成する工程。
(a−1)工程:基材上に、第1のプライマー層の材料を含む溶液を塗布し、塗膜を乾燥することによってプライマー層を形成する。
塗布方法としては、キャスト法、スピンコート法、スプレーコート法、ポッティング法、バーコート法等が挙げられる。
乾燥方法としては、加熱乾燥法、温風乾燥法、真空乾燥法、気流下に放置して乾燥させる方法等が挙げられる。
塗布方法としては、キャスト法、スピンコート法、スプレーコート法、ポッティング法、バーコート法等が挙げられる。
乾燥方法としては、加熱乾燥法、温風乾燥法、真空乾燥法、気流下に放置して乾燥させる方法等が挙げられる。
(a−2)工程:図3に示すように、プライマー層12上に、ペルフルオロポリマー(F1)を溶剤に溶解した溶液を塗布し、塗膜を乾燥することによってペルフルオロポリマー(F1)を含む膜23を形成し、モールド前駆体20を得る。ペルフルオロポリマー(F1)を含む膜23の厚さは、0.05〜1000μmが好ましく、0.2〜50μmが好ましい。
溶剤としては、ペルフルオロトリブチルアミン、ペンタフルオロベンゼン、ヘキサフルオロメタキシレン、ハイドロフルオロエーテル等の含フッ素溶剤が挙げられる。
塗布方法としては、(a−1)工程と同様の方法が挙げられる。
乾燥方法としては、(a−1)工程と同様の方法が挙げられる。
乾燥温度は、40〜200℃が好ましく、70〜190℃がより好ましい。
塗布方法としては、(a−1)工程と同様の方法が挙げられる。
乾燥方法としては、(a−1)工程と同様の方法が挙げられる。
乾燥温度は、40〜200℃が好ましく、70〜190℃がより好ましい。
(a−2)工程では、下記の態様を採用してもよい。図5に示すように、プライマー層12上に、ペルフルオロポリマー(F1)からなる膜14し、さらに概膜14の上に、ペルフルオロポリマー(F1)およびペルフルオロポリマー(F2)を溶剤に溶解した溶液を塗布し、塗膜を乾燥することによってペルフルオロポリマー(F1)およびペルフルオロポリマー(F2)からなる膜25を形成し、モールド前駆体20を得る。
また、(a−2)工程では、下記の態様を採用してもよい。図6に示すように、プライマー層12上に、ペルフルオロポリマー(F1)からなる膜14を形成し、さらに概膜14の上に、ペルフルオロポリマー(F2)を溶剤に溶解した溶液を塗布し、塗膜を乾燥することによってペルフルオロポリマー(F2)からなる膜を形成する。該膜の表面を、プラズマ処理、コロナ放電、紫外線照射、真空紫外線照射、電子線照射、紫外線オゾン処理、イオン照射等の表面処理を施し、表面に反応性官能基が生成した膜26を形成し、モールド前駆体20を得る。
(a−3)工程:図4に示すように、モールド前駆体20のペルフルオロポリマー(F1)を含む膜23に、パターン層のパターンに対応する反転パターンを有する、加熱されたオリジナルモールド40を押しあてる。
オリジナルモールド40の材質としては、シリコン、ガラス、金属、樹脂等が挙げられる。
オリジナルモールド40を、ペルフルオロポリマー(F1)を含む膜32に押しあてる際のプレス圧力(ゲージ圧)は、1〜10MPa以下が好ましい。
オリジナルモールド40の温度は、90〜170℃が好ましい。
オリジナルモールド40の材質としては、シリコン、ガラス、金属、樹脂等が挙げられる。
オリジナルモールド40を、ペルフルオロポリマー(F1)を含む膜32に押しあてる際のプレス圧力(ゲージ圧)は、1〜10MPa以下が好ましい。
オリジナルモールド40の温度は、90〜170℃が好ましい。
(a−4)工程:ペルフルオロポリマー(F1)を含む膜23からオリジナルモールド40を分離し、図1に示すような、パターンを有するパターン層13を形成し、モールド10を得る。
((b)の方法)
(b)の方法としては、たとえば、下記(b−1)〜(b−4)工程を有する方法が挙げられる。
(b−1)基材上にプライマー層を形成し、第1の中間体を得る工程。
(b−2)パターン層のパターンに対応する反転パターンを有するオリジナルモールド上に、ペルフルオロポリマー(F1)を含む膜を形成し、第2の中間体を得る工程。
(b−3)第1の中間体と第2の中間体とを、基材およびオリジナルモールドが外側になるように貼り合わせる工程。
(b−4)ペルフルオロポリマー(F1)を含む膜からオリジナルモールドを分離し、パターン層を形成する工程。
(b)の方法としては、たとえば、下記(b−1)〜(b−4)工程を有する方法が挙げられる。
(b−1)基材上にプライマー層を形成し、第1の中間体を得る工程。
(b−2)パターン層のパターンに対応する反転パターンを有するオリジナルモールド上に、ペルフルオロポリマー(F1)を含む膜を形成し、第2の中間体を得る工程。
(b−3)第1の中間体と第2の中間体とを、基材およびオリジナルモールドが外側になるように貼り合わせる工程。
(b−4)ペルフルオロポリマー(F1)を含む膜からオリジナルモールドを分離し、パターン層を形成する工程。
(b−1)工程:(a−1)工程と同様に行い、基材11上にプライマー層12が形成された第1の中間体30(図8参照。)を得る。
(b−2)工程:
図7に示すように、パターン層のパターンに対応する反転パターンを有するオリジナルモールド40上に、ペルフルオロポリマー(F1)を溶剤に溶解した溶液を、該溶液と反転パターンとが接するように塗布し、塗膜を乾燥することによってペルフルオロポリマー(F1)を含む膜23を形成し、第2の中間体31を得る。
溶剤としては、(a−1)工程にて例示した溶剤等が挙げられる。
塗布方法としては、(a−1)工程と同様の方法が挙げられる。
乾燥方法としては、(a−1)工程と同様の方法が挙げられる。乾燥温度は、(a−2)工程と同様の温度である。
図7に示すように、パターン層のパターンに対応する反転パターンを有するオリジナルモールド40上に、ペルフルオロポリマー(F1)を溶剤に溶解した溶液を、該溶液と反転パターンとが接するように塗布し、塗膜を乾燥することによってペルフルオロポリマー(F1)を含む膜23を形成し、第2の中間体31を得る。
溶剤としては、(a−1)工程にて例示した溶剤等が挙げられる。
塗布方法としては、(a−1)工程と同様の方法が挙げられる。
乾燥方法としては、(a−1)工程と同様の方法が挙げられる。乾燥温度は、(a−2)工程と同様の温度である。
(b−3)工程:図8に示すように、第1の中間体30と第2の中間体31とを、基材11およびオリジナルモールド40が外側になるように貼り合わせる。
貼り合わせ方法としては、接着剤を用いて貼り合わせる方法;貼り合わせる面に溶剤を塗布し、該面を溶解させた後、貼り合わせる方法等が挙げられる。
貼り合わせ方法としては、接着剤を用いて貼り合わせる方法;貼り合わせる面に溶剤を塗布し、該面を溶解させた後、貼り合わせる方法等が挙げられる。
(b−4)工程:第1の中間体30と第2の中間体31とを貼り合わせ後、ペルフルオロポリマー(F1)を含む膜23からオリジナルモールド40を分離し、図1に示すような、パターンを有するパターン層13を形成し、モールド10を得る。
パターン層がペルフルオロポリマー(F1)およびペルフルオロポリマー(F2)の混合体を含む膜からなる場合、(b−2)工程において、オリジナルモールド上に、ペルフルオロポリマー(F1)およびペルフルオロポリマー(F2)の混合体からなる膜を形成し、該膜の上にペルフルオロポリマー(F1)からなる膜を形成して、第2の中間体を得ればよい。または、(b−1)工程において、プライマー層の上に、ペルフルオロポリマー(F1)のみからなる膜を形成して、第1の中間体を得るとともに、(b−2)工程において、オリジナルモールド上に、ペルフルオロポリマー(F1)およびペルフルオロポリマー(F2)の混合体からなる膜を形成して、第2の中間体を得ればよい。
<微細パターンの形成方法>
本発明のモールドを用いた微細パターンの形成方法としては、たとえば、以下の方法が挙げられる。
(a)支持基板上に形成された液状の光硬化性樹脂からなる膜に、本発明のモールドのパターン層を押しあてた状態で、またはモールドを光硬化性樹脂から分離した後に、光硬化性樹脂に光を照射し、光硬化性樹脂を硬化させ、所望の微細パターンを形成する方法。
(b)本発明のモールドのパターン層の表面に液状の光硬化性樹脂を供給し、該光硬化性樹脂を支持基板上に転写すると同時に、または転写した後に、光硬化性樹脂に光を照射し、光硬化性樹脂を硬化させ、所望の微細パターンを形成する方法。
本発明のモールドを用いた微細パターンの形成方法としては、たとえば、以下の方法が挙げられる。
(a)支持基板上に形成された液状の光硬化性樹脂からなる膜に、本発明のモールドのパターン層を押しあてた状態で、またはモールドを光硬化性樹脂から分離した後に、光硬化性樹脂に光を照射し、光硬化性樹脂を硬化させ、所望の微細パターンを形成する方法。
(b)本発明のモールドのパターン層の表面に液状の光硬化性樹脂を供給し、該光硬化性樹脂を支持基板上に転写すると同時に、または転写した後に、光硬化性樹脂に光を照射し、光硬化性樹脂を硬化させ、所望の微細パターンを形成する方法。
支持基板の形状としては、フィルムまたはシート状、板状、円筒状、円柱状等が挙げられる。
支持基板の材料としては、樹脂、ガラス、金属、セルロース素材等が挙げられる。
光硬化性樹脂としては、可視光線または紫外線によって硬化可能な、公知の光硬化性樹脂が挙げられる。
支持基板の材料としては、樹脂、ガラス、金属、セルロース素材等が挙げられる。
光硬化性樹脂としては、可視光線または紫外線によって硬化可能な、公知の光硬化性樹脂が挙げられる。
本発明のモールドを用いて微細パターンが形成される物品としては、以下の物品が挙げられる。
光学素子:マイクロレンズアレイ、光導波路、光スイッチング、フレネルゾーンプレート、ワイヤーグリッド、波長フィルター、偏光板、バイナリー素子、ブレーズ素子、フォトニクス結晶、反射防止フィルム、反射防止構造を具備する部材等。
チップ類:バイオチップ、μ−TAS(Micro−Total Analysis Systems)用のチップ、マイクロリアクターチップ等。
記録メディア:光ディスク等。
ディスプレイ材料:リブ等。
エネルギー関連:燃料電池、三次元電池、キャパシタ、ペルチェ素子、太陽電池等。
半導体関連:MEMS(Micro−Electoro−Mechanical−System)、半導体装置等。
その他:触媒の担持体、フィルター、センサー部材、超撥水材料等。
光学素子:マイクロレンズアレイ、光導波路、光スイッチング、フレネルゾーンプレート、ワイヤーグリッド、波長フィルター、偏光板、バイナリー素子、ブレーズ素子、フォトニクス結晶、反射防止フィルム、反射防止構造を具備する部材等。
チップ類:バイオチップ、μ−TAS(Micro−Total Analysis Systems)用のチップ、マイクロリアクターチップ等。
記録メディア:光ディスク等。
ディスプレイ材料:リブ等。
エネルギー関連:燃料電池、三次元電池、キャパシタ、ペルチェ素子、太陽電池等。
半導体関連:MEMS(Micro−Electoro−Mechanical−System)、半導体装置等。
その他:触媒の担持体、フィルター、センサー部材、超撥水材料等。
以下、実施例(例1〜3)および比較例(例4)により本発明をさらに詳しく説明する。
[合成例1]
ガラス製オートクレーブに、ジエン系モノマーであるCF2=CFOCF2CF2CF=CF2の100g、連鎖移動剤であるメタノールの0.5gおよび重合開始剤である((CH3)2CHOCOO)2の0.7gを加え、懸濁重合法にて環化重合させて、ポリマーAを得た。ポリマーAの固有粘度[η]は、30℃のペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)中で0.34dL/gであった。
ガラス製オートクレーブに、ジエン系モノマーであるCF2=CFOCF2CF2CF=CF2の100g、連鎖移動剤であるメタノールの0.5gおよび重合開始剤である((CH3)2CHOCOO)2の0.7gを加え、懸濁重合法にて環化重合させて、ポリマーAを得た。ポリマーAの固有粘度[η]は、30℃のペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)中で0.34dL/gであった。
ポリマーAを熱風循環式オーブン中で、大気雰囲気下にて300℃で1時間加熱処理した後、超純水中に110℃で1週間浸漬して分子末端の官能基を処理した後、真空乾燥機中で100℃にて24時間乾燥させて、ペルフルオロポリマー(F1)であるポリマーf1を得た。ポリマーf1のIRスペクトルにはカルボキシ基に帰属されるピークが確認された。また、波長400〜2000nmにおける光線透過率は、100μmの厚さで95%以上であった。ポリマーf1のフッ素含有率は、ポリマーf1(100質量%)中、67質量%であった。ポリマーf1からなる膜の表面の水に対する接触角は、101度であった。
[合成例2]
1Lのステンレス製のオートクレーブに、ポリマーf1の5gを加え、オートクレーブ内を3回窒素置換した後、4KPaまで減圧した。その後、オートクレーブ内に窒素で14容量%に希釈したフッ素ガスを101KPaまで導入し、230℃で6時間フッ素化処理を行い、ペルフルオロポリマー(F2)であるポリマーf2の5gを得た。ポリマーf2のIRスペクトルには、重合開始剤に由来する分子末端の炭化水素基、カルボキシ基等を示すピークは確認されなかった。ポリマーf2のフッ素含有率は、ポリマーf2(100質量%)中、68質量%であった。ポリマーf2からなる膜の表面の水に対する接触角は、116度であった。
1Lのステンレス製のオートクレーブに、ポリマーf1の5gを加え、オートクレーブ内を3回窒素置換した後、4KPaまで減圧した。その後、オートクレーブ内に窒素で14容量%に希釈したフッ素ガスを101KPaまで導入し、230℃で6時間フッ素化処理を行い、ペルフルオロポリマー(F2)であるポリマーf2の5gを得た。ポリマーf2のIRスペクトルには、重合開始剤に由来する分子末端の炭化水素基、カルボキシ基等を示すピークは確認されなかった。ポリマーf2のフッ素含有率は、ポリマーf2(100質量%)中、68質量%であった。ポリマーf2からなる膜の表面の水に対する接触角は、116度であった。
[例1]
帯電防止剤(インスコン・テック社製、コニソルF−205)を、水/イソプロパノール(1/7質量比)の混合溶剤にて5倍に希釈し、塗布用の帯電防止剤を調製した。該帯電防止剤を、A4版サイズのPETフィルム(東洋紡社製、A4100、厚さ100μm)の易接着面に、No.5のバーを用いたバーコート法にて塗布した。PETフィルムを乾燥機に入れ、100℃で30分間乾燥させ、プライマー層を形成し、第1の中間体を得た。該第1の中間体を2cm×2cmにカットした。
帯電防止剤(インスコン・テック社製、コニソルF−205)を、水/イソプロパノール(1/7質量比)の混合溶剤にて5倍に希釈し、塗布用の帯電防止剤を調製した。該帯電防止剤を、A4版サイズのPETフィルム(東洋紡社製、A4100、厚さ100μm)の易接着面に、No.5のバーを用いたバーコート法にて塗布した。PETフィルムを乾燥機に入れ、100℃で30分間乾燥させ、プライマー層を形成し、第1の中間体を得た。該第1の中間体を2cm×2cmにカットした。
1cm×1cmのシリコン製のオリジナルモールドを用意した。該オリジナルモールドの表面には、幅400nm、深さ100nm、長さ5μmの溝が形成されている。
ポリマーf1をペルフルオロトリブチルアミンに溶解し、ポリマーf1の9質量%溶液を調製し、該溶液を孔径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)メンブレンフィルタにて濾過した。該溶液を、40kPa程度減圧した雰囲気の下で、前記オリジナルモールド上にキャスト法を用いて塗布した。その後、180℃で3時間乾燥させ、オリジナルモールド上にポリマーf1からなる膜(膜厚3.0μm)を形成し、第2の中間体を得た。
ポリマーf1をペルフルオロトリブチルアミンに溶解し、ポリマーf1の9質量%溶液を調製し、該溶液を孔径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)メンブレンフィルタにて濾過した。該溶液を、40kPa程度減圧した雰囲気の下で、前記オリジナルモールド上にキャスト法を用いて塗布した。その後、180℃で3時間乾燥させ、オリジナルモールド上にポリマーf1からなる膜(膜厚3.0μm)を形成し、第2の中間体を得た。
次に、第2の中間体のポリマーf1からなる膜の表面に、前記ポリマーf1の9質量%溶液を数滴垂らした後、第1の中間体のプライマー層側と貼り合わせ、140℃に加熱して0.5MPaの圧力にてプレスすることで接着させた。その後、オリジナルモールドを含む、第1の中間体と第2の中間体との貼着体を30℃まで冷却し、ポリマーf1からなる膜からオリジナルモールドをゆっくり分離し、オリジナルモールドの溝が反転したパターンを有するパターン層を形成し、フィルム状のモールドM1を得た。
紫外光をカットしたクリーンルーム内にて、6mLのバイヤル容器にCF2=CFCF2C(CF3)(OH)CH2CH=CH2の0.14g、アクリル酸の0.12g、無水マレイン酸の0.03gおよび光ラジカル重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガキュア 651)の0.06gを加えてよく混合し、光硬化性樹脂を調製した。
該光硬化性樹脂を、3cm×3cmのPETフィルム(東洋紡社製、A4100、厚さ100μm)の易接着面に一滴垂らし、光硬化性樹脂の上からモールドM1を室温下、0.5MPaの圧力で押しあてた状態で、モールドM1側から光硬化性樹脂に光源からの紫外線(波長365nmにおける照度:63mW/cm2)を10秒間照射し、光硬化性樹脂を硬化させた。硬化膜からモールドM1をゆっくり分離し、パターン層のパターンを反転させた微細パターンをPETフィルム上に形成した。
モールドおよび微細パターンについて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(水に対する接触角)
モールドM1のパターン層を構成する膜であるポリマーf1からなる膜(膜厚3.0μm)を、ガラス板上に形成し、膜の表面の水に対する接触角を接触角計(CA−X150型、協和界面科学社製)を用いて、約20μLの水滴を着滴させて測定した。
(モールドの層間密着性)
モールドM1をアセトンに浸漬し、超音波をかけて、各層間の密着性を調べた。表中の記号は以下の意を示す。
○:超音波を5分照射しても剥れない。
×:アセトン浸漬のみで簡単に剥れる。
(溝のサイズ)
PETフィルム上に形成された微細パターン(溝)をレーザー顕微鏡(キーエンス社製、VK−9500)にて観察し、溝の幅および高さを測定した。
(水に対する接触角)
モールドM1のパターン層を構成する膜であるポリマーf1からなる膜(膜厚3.0μm)を、ガラス板上に形成し、膜の表面の水に対する接触角を接触角計(CA−X150型、協和界面科学社製)を用いて、約20μLの水滴を着滴させて測定した。
(モールドの層間密着性)
モールドM1をアセトンに浸漬し、超音波をかけて、各層間の密着性を調べた。表中の記号は以下の意を示す。
○:超音波を5分照射しても剥れない。
×:アセトン浸漬のみで簡単に剥れる。
(溝のサイズ)
PETフィルム上に形成された微細パターン(溝)をレーザー顕微鏡(キーエンス社製、VK−9500)にて観察し、溝の幅および高さを測定した。
[例2]
帯電防止剤(インスコン・テック社製、コニソルF−205)を、水/イソプロパノール(1/7質量比)の混合溶剤にて5倍に希釈し、塗布用の帯電防止剤を調製した。該帯電防止剤を、A4版サイズのPETフィルム(東洋紡社製、A4100、厚さ100μm)の易接着面に、No.5のバーを用いたバーコート法にて塗布した。PETフィルムを乾燥機に入れ、100℃で30分間乾燥させ、第1のプライマー層を形成した。
帯電防止剤(インスコン・テック社製、コニソルF−205)を、水/イソプロパノール(1/7質量比)の混合溶剤にて5倍に希釈し、塗布用の帯電防止剤を調製した。該帯電防止剤を、A4版サイズのPETフィルム(東洋紡社製、A4100、厚さ100μm)の易接着面に、No.5のバーを用いたバーコート法にて塗布した。PETフィルムを乾燥機に入れ、100℃で30分間乾燥させ、第1のプライマー層を形成した。
ポリマーf1をペルフルオロトリブチルアミンに溶解し、ポリマーf1の5質量%溶液を調製し、該溶液を孔径0.2μmのPTFEメンブレンフィルタにて濾過した。該溶液を第1のプライマー層上に、No.7のバーを用いたバーコート法にて塗布した。PETフィルムを乾燥機に入れ、140℃で2時間乾燥させ、第2のプライマー層を形成し、第1の中間体を得た。該第1の中間体を2cm×2cmにカットした。
1cm×1cmのシリコン製のオリジナルモールドを用意した。該オリジナルモールドの表面には、幅400nm、深さ100nm、長さ5μmの溝が形成されている。
ポリマーf1の0.18g、ポリマーf2の1.62gとペルフルオロトリブチルアミンの18.2gを混合した溶液を調整し、該溶液を孔径0.2μmのPTFEメンブレンフィルタにて濾過した。該溶液を、40kPa程度減圧した雰囲気の下で、前記オリジナルモールド上にキャスト法を用い塗布する。その後、180℃で3時間乾燥させ、オリジナルモールド上にポリマーf1およびポリマーf2の混合体からなる膜(膜厚3.0μm)を形成し、第2の中間体を得た。
ポリマーf1の0.18g、ポリマーf2の1.62gとペルフルオロトリブチルアミンの18.2gを混合した溶液を調整し、該溶液を孔径0.2μmのPTFEメンブレンフィルタにて濾過した。該溶液を、40kPa程度減圧した雰囲気の下で、前記オリジナルモールド上にキャスト法を用い塗布する。その後、180℃で3時間乾燥させ、オリジナルモールド上にポリマーf1およびポリマーf2の混合体からなる膜(膜厚3.0μm)を形成し、第2の中間体を得た。
次に、第2の中間体のポリマーf1およびポリマーf2の混合体からなる膜の表面に、前記ポリマーf1の5質量%溶液を数滴垂らした後、第1の中間体の第2のプライマー層側と貼り合わせ、140℃に加熱して0.5MPaの圧力にてプレスすることで接着させた。オリジナルモールドを含む、第1の中間体と第2の中間体との貼着体を30℃まで冷却し、ポリマーf1およびポリマーf2の混合体からなる膜からオリジナルモールドをゆっくり分離し、オリジナルモールドの溝が反転したパターンを有するパターン層を形成し、フィルム状のモールドM2を得た。
モールドM2を用いた以外は、例1と同様にして、パターン層のパターンを反転させた微細パターンをPETフィルム上に形成した。
モールドおよび微細パターンについて、例1と同じ評価を行った。結果を表1に示す。
モールドおよび微細パターンについて、例1と同じ評価を行った。結果を表1に示す。
[例3]
帯電防止剤(インスコン・テック社製、コニソルF−205)を、水/イソプロパノール(1/7質量比)の混合溶剤にて5倍に希釈し、塗布用の帯電防止剤を調製した。該帯電防止剤を、A4版サイズのPETフィルム(東洋紡社製、A4100、厚さ100μm)の易接着面に、No.5のバーを用いたバーコート法にて塗布した。PETフィルムを乾燥機に入れ、100℃で30分間乾燥させ、プライマー層を形成した。
帯電防止剤(インスコン・テック社製、コニソルF−205)を、水/イソプロパノール(1/7質量比)の混合溶剤にて5倍に希釈し、塗布用の帯電防止剤を調製した。該帯電防止剤を、A4版サイズのPETフィルム(東洋紡社製、A4100、厚さ100μm)の易接着面に、No.5のバーを用いたバーコート法にて塗布した。PETフィルムを乾燥機に入れ、100℃で30分間乾燥させ、プライマー層を形成した。
ポリマーf1をペルフルオロトリブチルアミンに溶解し、ポリマーf1の5質量%溶液を調製し、該溶液を孔径0.2μmのPTFEメンブレンフィルタにて濾過した。該溶液をプライマー層上に、No.7のバーを用いたバーコート法にて塗布した。PETフィルムを乾燥機に入れ、140℃で2時間乾燥させ、ポリマーf1からなる膜を形成した。
ポリマーf2をペルフルオロトリブチルアミンに溶解し、ポリマーf2の9質量%溶液を調製し、該溶液を孔径0.2μmのPTFEメンブレンフィルタにて濾過した。該溶液をポリマーf1からなる膜上に、No.7のバーを用いたバーコート法にて塗布した。PETフィルムを乾燥機に入れ、140℃で2時間乾燥させ、ポリマーf2からなる膜を形成した。
次に、このポリマーf2からなる層の表面を、リアクティブイオンエッチング装置(サムコ社製、RIE−10NR)を用いて、流量20sccmの窒素ガスを用い、4.0Pa、80Wの条件下、30秒かけて、プラズマ処理を行い、ポリマーf2からなる層の表面を親水化させ、フィルム上のモールド前駆体を得た。プライマー層、ポリマーf1からなる膜およびポリマーf2からなる膜の合計の厚さは約5μmほどである。該モールド前駆体を2cm×2cmにカットする。
1cm×1cmのシリコン製のオリジナルモールドを用意した。該オリジナルモールドの表面には、幅400nm、深さ100nm、長さ5μmの溝が形成されている。
前記オリジナルモールド上に2cm×2cmのモールド前駆体を、オリジナルモールドの溝とモールド前駆体の親水化したポリマーf2からなる膜とが接触するように重ね、オリジナルモールドおよびモールド前駆体を130℃に加熱した後に、2.0MPaの圧力でプレスした。その後、オリジナルモールドおよびモールド前駆体を30℃まで冷却し、ポリマーf2からなる膜からオリジナルモールドをゆっくり分離し、オリジナルモールドの溝が反転したパターンを有するパターン層を形成し、フィルム状のモールドM3を得た。
前記オリジナルモールド上に2cm×2cmのモールド前駆体を、オリジナルモールドの溝とモールド前駆体の親水化したポリマーf2からなる膜とが接触するように重ね、オリジナルモールドおよびモールド前駆体を130℃に加熱した後に、2.0MPaの圧力でプレスした。その後、オリジナルモールドおよびモールド前駆体を30℃まで冷却し、ポリマーf2からなる膜からオリジナルモールドをゆっくり分離し、オリジナルモールドの溝が反転したパターンを有するパターン層を形成し、フィルム状のモールドM3を得た。
モールドM3を用いた以外は、例1と同様にして、パターン層のパターンを反転させた微細パターンをPETフィルム上に形成した。
モールドおよび微細パターンについて、例1と同じ評価を行った。結果を表1に示す。
モールドおよび微細パターンについて、例1と同じ評価を行った。結果を表1に示す。
[例4]
帯電防止剤(インスコン・テック社製、コニソルF−205)を、水/イソプロパノール(1/7質量比)の混合溶剤にて5倍に希釈し、塗布用の帯電防止剤を調製した。該帯電防止剤を、A4版サイズのPETフィルム(東洋紡社製、A4100、厚さ100μm)の易接着面に、No.5のバーを用いてバーコート法にて塗布した。PETフィルムを乾燥機に入れ、100℃で30分間乾燥させ、プライマー層を形成し、第1の中間体を得た。該第1の中間体を2cm×2cmにカットした。
帯電防止剤(インスコン・テック社製、コニソルF−205)を、水/イソプロパノール(1/7質量比)の混合溶剤にて5倍に希釈し、塗布用の帯電防止剤を調製した。該帯電防止剤を、A4版サイズのPETフィルム(東洋紡社製、A4100、厚さ100μm)の易接着面に、No.5のバーを用いてバーコート法にて塗布した。PETフィルムを乾燥機に入れ、100℃で30分間乾燥させ、プライマー層を形成し、第1の中間体を得た。該第1の中間体を2cm×2cmにカットした。
1cm×1cmのシリコン製のオリジナルモールドを用意した。該オリジナルモールドの表面には、幅400nm、深さ100nm、長さ5μmの溝が形成されている。
ポリマーf2をペルフルオロトリブチルアミンに溶解し、ポリマーf2の9質量%溶液を調製し、該溶液を孔径0.2μmのPTFEメンブレンフィルタにて濾過した。該溶液を、40kPa程度に減圧した雰囲気下で、前記オリジナルモールド上にキャスト法を用いて塗布した。その後、180℃で3時間乾燥させ、オリジナルモールド上にポリマーf2からなる膜(膜厚3.0μm)を形成し、第2の中間体を得た。
ポリマーf2をペルフルオロトリブチルアミンに溶解し、ポリマーf2の9質量%溶液を調製し、該溶液を孔径0.2μmのPTFEメンブレンフィルタにて濾過した。該溶液を、40kPa程度に減圧した雰囲気下で、前記オリジナルモールド上にキャスト法を用いて塗布した。その後、180℃で3時間乾燥させ、オリジナルモールド上にポリマーf2からなる膜(膜厚3.0μm)を形成し、第2の中間体を得た。
ついで、第2の中間体のポリマーf2からなる膜の表面に、第1の中間体のプライマー層側と貼り合わせ、140℃に加熱して0.5MPaの圧力にてプレスすることで接着させた。その後、オリジナルモールドを含む、第1の中間体と第2の中間体との貼着体を30℃まで冷却し、ポリマーf2からなる膜からオリジナルモールドをゆっくり分離し、オリジナルモールドの溝が反転したパターンを有するパターン層を形成し、フィルム状のモールドM4を得た。
本発明のモールドは、ナノインプリント法に用いられるモールドとして有用である。また、光硬化性樹脂を成形加工する際に用いるモールド、スクリーン印刷、グラビア印刷等の印刷に用いるモールド、2P成形法のモールド等としても利用できる。
10:モールド
11:基材
12:プライマー層
13:パターン層
14:ペルフルオロポリマー(F1)からなる膜
15:ペルフルオロポリマー(F1)およびペルフルオロポリマー(F2)の混合体からなる膜
20:モールド前駆体
23:ペルフルオロポリマー(F1)を含む膜
25:ペルフルオロポリマー(F1)およびペルフルオロポリマー(F2)からなる膜
26:表面に反応性官能基が生成した膜
30:第1の中間体
31:第2の中間体
40:オリジナルモールド
11:基材
12:プライマー層
13:パターン層
14:ペルフルオロポリマー(F1)からなる膜
15:ペルフルオロポリマー(F1)およびペルフルオロポリマー(F2)の混合体からなる膜
20:モールド前駆体
23:ペルフルオロポリマー(F1)を含む膜
25:ペルフルオロポリマー(F1)およびペルフルオロポリマー(F2)からなる膜
26:表面に反応性官能基が生成した膜
30:第1の中間体
31:第2の中間体
40:オリジナルモールド
Claims (5)
- 基材と、プライマー層と、
反応性官能基を有し主鎖にペルフルオロ脂肪族環構造を有するペルフルオロポリマー(F1)を含む膜からなり、表面にパターンが形成されたパターン層と
をこの順に有することを特徴とするモールド。 - 前記反応性官能基は、カルボキシ基、−COF、−CH2OH、−CF=CF2、水酸基、アミノ基、シアノ基、イソシアネート基からなる群から選択される1以上の反応性官能基である、請求項1に記載のモールド。
- 前記ペルフルオロポリマー(F1)を含む膜の表面の水に対する接触角が80度以上である、請求項1または2に記載のモールド。
- 請求項1に記載のモールドを製造する方法であって、
基材上にプライマー層を形成する工程と、
前記プライマー層上に、反応性官能基を有し主鎖にペルフルオロ脂肪族環構造を有するペルフルオロポリマー(F1)を含む膜を形成する工程と、
前記ペルフルオロポリマー(F1)を含む膜に、前記パターン層のパターンに対応する反転パターンを有する、加熱されたオリジナルモールドを押しあてる工程と、
前記ペルフルオロポリマー(F1)を含む膜から前記オリジナルモールドを分離し、パターン層を形成する工程と
を有することを特徴とするモールドの製造方法。 - 請求項1に記載のモールドを製造する方法であって、
基材上にプライマー層を形成し、第1の中間体を得る工程と、
パターン層のパターンに対応する反転パターンを有するオリジナルモールド上に、反応性官能基を有し主鎖にペルフルオロ脂肪族環構造を有するペルフルオロポリマー(F1)を含む膜を形成し、第2の中間体を得る工程と、
前記第1の中間体と前記第2の中間体とを、前記基材および前記オリジナルモールドが外側になるように貼り合わせる工程と、
前記ペルフルオロポリマー(F1)を含む膜から前記オリジナルモールドを分離し、パターン層を形成する工程と
を有することを特徴とするモールドの製造方法。
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