JP2007319409A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】SAPによる吸収量が吸収要素の部位に関係なく均一になるようにする。
【解決手段】トップシート30と液不透過性シート70との間に、高吸収性ポリマー粒子の外表面全体を水溶性被膜で被覆してなる被覆吸収粒子54bと、外表面の少なくとも一部が被覆されていない高吸収性ポリマー粒子からなる表面露出吸収粒子54aとを繊維集合体中に混合分散させてなる吸収要素50を設ける。
【選択図】図3

Description

本発明は、液の吸収性物品に関し、たとえば使い捨ておむつ、生理用ナプキンなどの使い捨て吸収性物品に関するものである。
幼児や大人のテープ式やパンツ型の使い捨ておむつ、生理用ナプキンなどの吸収性物品は、使用面側のトップシートと、背面側の液の透過を防止するバックシートと、これらのシート間に介在され、トップシートを透過した***された液を吸収する吸収要素とを基本要素としている。
この基本要素に対し、バックシートの裏面側にたとえば不織布などからなる外装シートを設け、バックシートとしてプラスチックシートを使用した場合における肌触りを改良する形態、製品の両側にいわゆるバリヤーカフスを形成する形態など、ウエスト周りや腹周りのフィット性を改良するために弾性伸縮性を付与する形態などが、適宜付加される。
使用面側のトップシートを透過した液を吸収する吸収要素としては、従来は、パルプ短繊維の積繊体が一般的に使用されている。また、液に吸収量を高めるために高吸収性ポリマー粒子(以下「SAP」ともいう。)を使用することも知られている。SAPはパルプ短繊維の積繊体上に散布する場合のほか、パルプ短繊維のSAPを分散保持させ積繊体させる場合(特許文献1)がある。
しかしながら、従来の吸収性物品では、吸収要素に吸収された液の多くがSAPに吸収されずに下降(バックシート側に移動)するため、特に***位置においては吸収要素の下部に位置するSAPのみなら上部に位置するSAPも吸収を行うが、***位置から遠い位置、例えば吸収体の前後端部や幅方向両端部)においては、下部に位置するSAPは吸収を行うが上部に位置するSAPは吸収に利用されないか、または少量しか吸収できないことがあった。つまり、従来は吸収要素の部位によってSAPの吸収量が偏ることがあった。
特開2004−65300号公報
そこで、本発明の主たる課題は、SAPによる吸収量が吸収要素の部位に関係なく均一になるようにすることにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
液を吸収し保持する吸収要素を有し、
この吸収要素は、高吸収性ポリマー粒子の外表面全体を水溶性被膜で被覆してなる被覆吸収粒子と、外表面の少なくとも一部が被覆されていない高吸収性ポリマー粒子からなる表面露出吸収粒子との混合粒子を、繊維集合体中に分散保持させたものである、ことを特徴とする吸収性物品。
(作用効果)
本発明では、表面露出吸収粒子は尿等の水分を含む***液と接触すると直ちに吸収を開始するが、被覆吸収粒子は先ず水溶性被膜が溶解し始め、高吸収性ポリマー粒子の外面が露出するまでは吸収を開始しない。よって、これらを吸収要素中に混合分散させることによって吸収速度を抑制することができ、その分だけより広範囲に***液を行き渡らせることができるようになる。その結果、SAPによる吸収量が吸収要素の部位に関係なく均一化するようになる。
<請求項2記載の発明>
液を吸収し保持する吸収要素を有し、
この吸収要素は、
高吸収性ポリマー粒子の外表面全体を水溶性被膜で被覆してなる被覆吸収粒子が繊維集合体中に分散保持されてなり、外表面の少なくとも一部が被覆されていない高吸収性ポリマー粒子からなる表面露出吸収粒子を実質的に含まない遅効層と、
前記表面露出吸収粒子を含み、前記被覆吸収粒子を実質的に含まない速効層とを有しており、
前記速効層が前記遅効層の上側に設けられている、ことを特徴とする吸収性物品。
(作用効果)
この形態では、***液は先ず表面露出吸収粒子の層に供給され、表面露出吸収粒子により吸収されるが、全てではなく、一部は吸収されずに通過して被覆吸収粒子の層に供給される。この際、被覆吸収粒子の層では、繊維集合体の繊維に沿って***液が拡散し、被覆吸収粒子に対して効率良く***液が分配され、その結果、被覆吸収粒子は被覆の溶解を開始する(ただし、吸収は開始しない)。また、被覆吸収粒子の層から表面露出吸収粒子の層へ戻る***液は、表面露出吸収粒子により吸収される。その後、所定時間が経過し、被覆吸収粒子の被覆が溶解して内部が露出すると、以降は被覆吸収粒子の層でも吸収が行われるようになる。よって、より広範囲に***液を行き渡らせることができ、SAPによる吸収量が吸収要素の部位によらず均一化するようになる。
<請求項3記載の発明>
前記繊維集合体がセルロースアセテートトウを開繊してなるものである、請求項1または2記載の吸収性物品。
(作用効果)
セルロースアセテートトウは液保持力が乏しいため、特に上部に保持されたSAPは吸収に利用され難い。よって、本発明は繊維集合体がセルロースアセテートトウである場合に好適である。
<請求項4記載の発明>
前記被覆吸収粒子が、前記高吸収性ポリマー粒子の外表面に、水溶性被膜を形成する塗料を塗布したものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
(作用効果)
塗料による水溶性被膜の形成は、被膜厚さの調整が容易であり、製造が容易であるため好ましい。
以上のとおり、本発明によれば、SAPによる吸収量が吸収要素の部位に関係なく均一化するようになる等の利点がもたらされる。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しつつ詳説する。
<パンツ型使い捨ておむつの例>
図1には、パンツ型使い捨ておむつの例が示されている。このパンツ型使い捨ておむつ10は、外面(裏面)側の外装シート12と内面(表面)側の吸収性本体20とを備え、外装シート12に吸収性本体20が固定されている。吸収性本体20は、尿や軟便などの液(後述する生理用ナプキンでは経血)を受け止めて吸収保持する部分である。外装シート12は着用者に装着するための部分である。
外装シート12はたとえば図示のように砂時計形状となり、両側が括れており、ここが着用者の脚を入れる部位となる。吸収性本体20は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。
外装シート12は、図2に示すように、吸収性本体20が所定位置に設置され固定された後、前後に折り畳まれ、外装シート12の前身頃12F及び後身頃12Bの両側部の接合領域12Aが熱融着などにより接合される。これによって、図1に示す構造の、ウエスト開口部WOと一対のレッグ開口部LOを有するパンツ型使い捨ておむつが得られる。
図示の吸収性本体20の長手方向(すなわち図2の上下方向。製品の前後方向でもある。)の中間の幅は、外装シート12の括れた部分を繋ぐ幅より短い形態が示されている。この幅の関係は逆でもよいし、同一の幅でもよい。
外装シート12は望ましくは2枚のたとえば撥水性不織布のシートからなり、これらのシート間に弾性伸縮部材を介在させて、その収縮力により着用者にフィットさせる形態が望ましい。前記弾性伸縮部材としては、糸ゴムや弾性発泡体の帯状物などを使用できるが、多数の糸ゴムを使用するのが望ましい。図示の形態では、糸ゴム12C,12C…が、ウエスト領域Wにおいては幅方向に連続して設けられ、腰下領域Uにおいては両側部分のみに設けられ、股下領域Lにおいては設けられていない。糸ゴム12C,12C…が、ウエスト領域W及び腰下領域Uの両者に設けられていることで、糸ゴム12C自体の収縮力が弱いとしても、全体としては腰下領域Uにおいても着用者に当たるので、製品が着用者に好適にフィットする。
(吸収性本体)
実施の形態の吸収性本体20は、図3に示されるように、使用面側から順に、液を透過させるたとえば不織布などからなるトップシート30と、中間シート(セカンドシート)40と吸収要素50とを備えている。また、吸収要素50の裏面側には液不透過性シート(バックシートとも呼ばれる)70が設けられている。この液不透過性シート70の裏面側には外装シート12が設けられている。さらに、両側にバリヤーカフス60、60を備えている。
(トップシート)
トップシート30は、液を透過する性質を有する。したがって、トップシート30の素材は、この液透過性を発現するものであれば足り、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
(中間シート)
トップシート30を透過した液を速やかに吸収コアへ移行させるために、トップシート30より液の透過速度が速い、通常「セカンドシート」と呼ばれる中間シート40を設けることができ、この中間シート40は、例えば図示例のように、トップシート30と包被シート58との間に介在させることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収コア56へ移行させて吸収コア56による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収コアからの「逆戻り」現象を防止し、トップシート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略可能である。
中間シート40としては、トップシート30と同様の素材や、スパンレース、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布及びスパンボンド不織布が好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収コア56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、吸収コア56の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。中間シート40の代表的な素材は液の透過性に優れる不織布である。
(液不透過性シート)
液不透過性シート70は、吸収コア56の裏面側に配されるシートであり、その素材が特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に不透液性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シートが構成される。)などを用いることができる。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この不透液性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。
液不透過性シート70を吸収コアの両側から上面側に回りこませる(図示せず)ことで、液の横漏れを防止できるが、図示形態では、横漏れについては、バリヤーカフス60を形成する二重のバリヤーシート64間に第2液不透過性シート72を介在させることにより防止している。この形態によれば、バリヤーカフス60の起立まで第2液不透過性シート72が延在しているので、トップシート30を伝わって横に拡散した液やバリヤーカフス60、60間の軟便の横漏れを防止できる利点もある。
(バリヤーカフス)
製品の両側に設けられたバリヤーカフス60、60は、トップシート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便の横漏れを防ぐために設けられているものである。図示のバリヤーカフス60は、撥水性不織布シートを二重に積層して形成したものであり、吸収体56の裏面側からトップシート30の下方への折り込み部分を覆って、表面側に突出するように形成されている。トップシート30上を伝わって横方向に移動する尿を阻止するために、特に、二重の不織布シート間に液不透過性シート70の側部が挿入され、表面側に突出するバリヤーカフス60の途中まで延在している。
また、バリヤーカフス60自体の形状は適宜に設計可能であるが、図示の例では、バリヤーカフス60,60の前後端部が折り畳まれた状態で固定され、前後方向中間部は固定されておらず、かつバリヤーカフス60の突出方向の先端部及び中間部に前後方向に沿って弾性伸縮部材、たとえば糸ゴム62が伸張下で固定されており、使用状態においてその収縮力により、バリヤーカフス60が起立するようになっている。
(吸収要素)
吸収要素50は表面露出吸収粒子54aおよび被覆吸収粒子54bを含む吸収コア56を有する。被覆吸収粒子54bは、高吸収性ポリマー粒子の外表面全体を水溶性被膜で被覆してなるものである。水溶性被膜は、所望の吸収開始時間に応じて膜厚や材質を選定するのが好ましい。吸収開始時間は一概には言えないが、通常の場合15分〜1時間、特に20〜40分とするのが好ましい。吸収開始時間が異なる複数の被覆吸収粒子54bを併用することもできる。吸収開始時間が短すぎると被膜による吸収遅延効果が乏しくなり、長すぎると吸収に利用されなくなるおそれがある。なお、「吸収開始までの時間」は、サンプル1gを100mlの生理食塩水に浸漬した後、液面が低下し始めるまでの時間として求まるものである。
水溶性被膜の膜厚は、1〜400μmとするのが好ましく、10〜100μmとするのが特に好ましい。膜厚が薄すぎると他の素材との物理的接触により被膜が剥げるおそれがあり、厚過ぎると製造が困難になる。
被覆吸収粒子54bの水溶性被膜は、図3に示されるように単層であっても、また図7に示されるように複数層重ねても良い。図7中の符号54cは高吸収性ポリマー粒子を示し、m1,m2は水溶性被膜層を示している。被膜を複数層設ける場合の被膜間、あるいは被膜と高吸収性ポリマー粒子との間には、芳香剤、抗菌剤、pH調整剤(例えば***物に添加すると弱酸性になるようなもの)、親水剤(例えば、セルロースアセテート繊維に保水性を付与するもの)等の付加機能を発揮する物質を介在させることもできる。これらの物質は被膜の溶解により外部に放出され、各々の機能が発揮される。例えばpH調整剤により尿のpHが弱酸性化されることにより肌への影響が低減する、あるいは吸収要素を構成する繊維集合体の保水性能が向上するようになる。
被覆吸収粒子54bの粒径は400μm未満であるのが好ましく、特に50〜400μmであるのが好ましい。被覆吸収粒子54bの粒径が50μm未満になると吸収要素から零れ落ちたり、製造中に飛散したりし易くなり、歩留まりが悪くなる(コスト増になる)。また被覆吸収粒子54bの粒径が400μmを超えると、製品外面を触った時にジャリジャリとした違和感を生じさせるおそれがある。
被覆吸収粒子54bの被膜は、架橋反応によりコアとなる高吸収性ポリマー粒子に対して化学的に結合していても良いが、所望の水溶性が容易に得られる点でコアとなる高吸収性ポリマー粒子の表面に物理的に付着させるだけの形態が好ましい。
被覆吸収粒子54bは、高吸収性ポリマー粒子の外表面に、水溶性被膜を形成する塗料を塗布することにより製造することができる。より具体的には、マイクロカプセル化法として知られているスプレードライング法を用いることができる。スプレードライング法は、コア粒子を液中に保持しない点や、被膜をコア粒子に対して物理的に付着させる点から特に好ましい方法である。被膜の素材としては、例えばデンプン、セルロース、ゼラチン、寒天、各種天然ゲル化剤等の天然高分子や、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸ナトリウム、グリセリン等の水溶性合成高分子を用いることができる。また、他の方法として、吸収性物品の製造ラインにおいて、繊維集合体中に高吸収性ポリマー粒子を散布等により付与した後に、これらに対して被膜形成塗料を散布等により塗布することで、高吸収性ポリマー粒子の外表面に被膜形成塗料を塗布することもできる。
被覆吸収粒子54bは、繊維集合体52の繊維52f間に分散保持させるのが好ましい。繊維集合体52の目付けは、50〜700g/m2とするのが好ましく、特に150〜500g/m2とするのが好ましい。目付けが少な過ぎると粒子保持効果に乏しくなり、目付けが多過ぎると硬く、重くなるため好ましくない。
繊維集合体52としては、図3に示すようにパルプ繊維等の短繊維52fを積繊して得られる綿状パルプを用いることができる他、図4に示すようにフィラメント52fを束状に集合させたトウを必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も用いることができる。フィラメント52は物品の長手方向、幅方向、または厚さ方向等、任意の方向に沿って延在させることができる。
フィラメント52の材質としては、例えば、多糖類又はその誘導体(セルロース、セルロースエステル、キチン、キトサンなど)、合成高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリラクタアミド、ポリビニルアセテートなど)などを用いることができるが、特に、セルロースエステルおよびセルロースが好ましい。
セルロースとしては、綿、リンター、木材パルプなど植物体由来のセルロースやバクテリアセルロースなどが使用でき、レーヨンなどの再生セルロースであってもよく、再生セルロースは紡糸されたものであってもよい。
好適に採用できるセルロースエステルとしては、例えば、セルロースアセテート、セルロースブチレート、セルロースプロピオネートなどの有機酸エステル;セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、硝酸酢酸セルロースなどの混酸エステル;およびポリカプロラクトングラフト化セルロースエステルなどのセルロースエステル誘導体などを用いることができる。これらのセルロースエステルは単独で又は二種類以上混合して使用できる。セルロースエステルの粘度平均重合度は、例えば、50〜900、好ましくは200〜800程度である。セルロースエステルの平均置換度は、例えば、1.5〜3.0(例えば、2〜3)程度である。
セルロースエステルの平均重合度は、例えば10〜1000、好ましくは50〜900、さらに好ましくは200〜800程度とすることができ、セルロースエステルの平均置換度は、例えば1〜3程度、好ましくは1〜2.15、さらに好ましくは1.1〜2.0程度とすることができる。セルロースエステルの平均置換度は、生分解性を高める等の観点から選択することができる。
セルロースエステルとしては、有機酸エステル(例えば、炭素数2〜4程度の有機酸とのエステル)、特にセルロースアセテートが好適である。ちなみに、セルロースアセテートの場合、人工尿吸収量は自重の0.1〜0.3倍程度である。セルロースアセテートの酢化度は、43〜62%程度である場合が多いが、特に30〜50%程度であると生分解性にも優れるため好ましい。特に好ましいセルロースエステルは、セルロースジアセテートである。
フィラメントは、種々の添加剤、例えば、熱安定化剤、着色剤、油剤、歩留り向上剤、白色度改善剤等を含有していても良い。
フィラメントの繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。捲縮繊維を用いると、嵩高で軽量な吸収体を製造できるとともに、繊維間の絡み合いにより一体性の高いトウを容易に製造できる。フィラメントの断面形状は、特に限定されず、例えば、円形、楕円形、異形(例えば、Y字状、X字状、I字状、R字状など)や中空状などのいずれであってもよい。フィラメントは、例えば、3,000〜1,000,000本、好ましくは5,000〜1,000,000本程度の単繊維を束ねることにより形成されたトウ(繊維束)の形で使用される。繊維束は、3,000〜1,000,000本程度のフィラメントを集束して構成するのが好ましい。
トウは、フィラメント間の絡み合いが弱いため、主に形状を維持する目的で、フィラメントの接触部分を接着または融着する作用を有するバインダーを用いることができる。バインダーとしては、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジプロピオネート、ジブチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、クエン酸トリエチルエステルなどのエステル系可塑剤の他、各種の樹脂接着剤、特に熱可塑性樹脂を用いることができる。
バインダーとして使用する熱可塑性樹脂には、溶融・固化により接着力が発現する樹脂であり、水不溶性または水難溶性樹脂、および水溶性樹脂が含まれる。水不溶性または水難溶性樹脂と水溶性樹脂とは、必要に応じて併用することもできる。
水不溶性または水難溶性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのオレフィン系の単独又は共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル系モノマーとスチレン系モノマーとの共重合体などのアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリスチレン、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル系モノマーとの共重合体などのスチレン系重合体、変性されていてもよいポリエステル、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612などのポリアミド、ロジン誘導体(例えば、ロジンエステルなど)、炭化水素樹脂(例えば、テルペン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、石油樹脂など)、水素添加炭化水素樹脂などを用いることができる。これらの熱可塑性樹脂は一種又は二種以上使用できる。
水溶性樹脂としては、種々の水溶性高分子、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、ビニル単量体と、カルボキシル基、スルホン酸基又はそれらの塩を有する共重合性単量体との共重合体などのビニル系水溶性樹脂、アクリル系水溶性樹脂、ポリアルキレンオキサイド、水溶性ポリエステル、水溶性ポリアミドなどを用いることができる。これらの水溶性樹脂は、単独で使用できるとともに二種以上組合せて使用してもよい。
熱可塑性樹脂には、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定化剤、充填剤、可塑剤、防腐剤、防黴剤などの種々の添加剤を添加してもよい。
トウは公知の方法により製造できるので詳説はしない。吸収要素50に好適に使用できるセルロースジアセテートのトウのベールは、セラニーズ社やダイセル化学工業などにより市販されている。セルロースジアセテートのトウのベールは、密度は約0.5g/cm3であり、総重量は400〜600kgである。
このベールから、トウを引き剥がし、所望のサイズ、嵩となるように広い帯状に開繊する。トウの開繊幅は任意であり、例えば、幅100〜2000mm、好ましくは製品の吸収体の幅の100〜300mm程度とすることができる。また、トウの開繊度合いを調整することにより、吸収体の密度を調整することができる。
トウの開繊方法としては、例えば、トウを複数の開繊ロールに掛け渡し、トウの進行に伴って次第にトウの幅を拡大して開繊する方法、トウの緊張(伸長)と弛緩(収縮)とを繰返して開繊する方法、圧縮エアーを用いて拡幅・開繊する方法などを用いることができる。
本発明では、被覆吸収粒子54bは単独ではなく、外表面の少なくとも一部、例えば外表面の50%以上が被覆されていない表面露出吸収粒子54aと組み合わせて用いられる。表面露出吸収粒子54aとしては、外表面全体が被覆されていない通常の高吸収性ポリマー粒子を好適に用いることができる。
被覆吸収粒子54bおよび表面露出吸収粒子54aの全使用量(表面露出吸収粒子を併用しない場合を含む)は、高吸収性ポリマー粒子の使用量で50〜400g/m2、特に120〜330g/m2とするのが好ましい。また、被覆吸収粒子54bおよび表面露出吸収粒子54aの使用比率は適宜定めれば良いが、5〜90:10〜95(重量比)とするのが好ましく、30〜50:50〜70(重量比)とするのが特に好ましい。被覆吸収粒子54bの比率が少なすぎると、吸収の持続性もしくは繰り返し吸収特性の向上が困難となり、多過ぎると、初期吸収性能が低下し、逆戻りが発生し易くなる。
被覆吸収粒子54bおよび表面露出吸収粒子54aの吸収速度は特に限定されるものではないが、表面露出吸収粒子54aの吸収速度は30〜50秒、被覆吸収粒子54bの吸収速度は200〜300秒であるのが好ましく、特に表面露出吸収粒子54aの吸収速度が被覆吸収粒子54bの吸収速度の4〜10倍であるのが好ましい。なお、この吸収速度は次の方法により測定されるものである。
高吸収性ポリマーの吸収速度の測定:回転子を入れた100ミリリットルビーカーに、0.9%塩化ナトリウム水溶液50.00±0.01gを加え、恒温水槽内で25±0.2℃一定に保持する。マグネチックスターラー及び回転体測定器を使用し、回転速度600±10rpmで攪拌する。試料2.0000±0.0002gを秤量し、ビーカー内の渦中に投入し同時にストップウォッチによる計測を開始する。渦が消えて液面が水平になるまでの時間(秒)を記録し、吸収速度とする。
被覆吸収粒子54bと表面露出吸収粒子54aとを併用する本発明では、その構造として、次の2通りの構造が提案される。すなわち、第1の構造は、図3に示すように被覆吸収粒子54bおよび表面露出吸収粒子54aの混合粒子を繊維集合体52中に分散保持させ、吸収コア56を形成するものである。この場合、図3に示すように、少なくとも液受け入れ領域において、繊維集合体52における実質的に厚み方向全体に被覆吸収粒子54bおよび表面露出吸収粒子54aが分散されているのが望ましい。繊維集合体52の上部、下部、及び中間部に被覆吸収粒子54bおよび表面露出吸収粒子54aが無い、あるいはあってもごく僅かである場合には、「厚み方向全体に分散されている」とは言えない。したがって、「厚み方向全体に分散されている」とは、繊維集合体52に対し、厚み方向全体に「均一に」分散されている形態のほか、上部、下部及び又は中間部に「偏在している」が、依然として上部、下部及び中間部の各部分に分散している形態も含まれる。また、一部の被覆吸収粒子54bおよび表面露出吸収粒子54aが繊維集合体52中に侵入しないでその表面に残存している形態や、一部の被覆吸収粒子54bおよび表面露出吸収粒子54aが繊維集合体52から抜け落ちて下にある他のシート上にある形態も排除されるものではない。
かかる構造は、短繊維、被覆吸収粒子54bおよび表面露出吸収粒子54aを予め混合した原料を、公知の積繊装置により所望の吸収コア形状に積繊することにより製造することができる。
また、第2の構造として、図4に示すように、被覆吸収粒子54bが繊維集合体52中に分散保持されてなり、表面露出吸収粒子54aを実質的に含まない遅効層56bと、表面露出吸収粒子54aを含み、被覆吸収粒子54bを実質的に含まない速効層56aとを有し、速効層56aが遅効層56bよりも上側に配されている形態も提案される。この形態において、速効層56aおよび遅効層56bのみからなる二層構造とする他、さらに別の吸収層を一層または複数層設けることができ、この別の層は、速効層56aの上側、速効層56aと遅効層56bとの間、および遅効層56bの下側の少なくとも一箇所に設けることができる。
この構造は、短繊維52fおよび被覆吸収粒子54bを予め混合した原料を、公知の積繊装置により所望の遅効層56b形状に積繊した後、その上面に表面露出吸収粒子54aを層状に散布することにより製造することができる。この場合、遅効層56bにおいては、繊維集合体52の実質的に厚み方向全体に被覆吸収粒子54bおよび表面露出吸収粒子54aが分散されるようになる。
また、速効層56bは、表面露出吸収粒子54aを繊維集合体中に分散保持させた構造とすることもできる。この場合、速効層の繊維集合体としては、前述の短繊維集合体またはフィラメント集合体を用いることができる。
また、吸収要素50は、一体的に形成された繊維集合体中に速効層および遅効層を有する構造、すなわち一体的に形成された繊維集合体の上側部分内に表面露出吸収粒子を保持させて、下側部分内に被覆吸収粒子を保持させた構造とすることもできる。
また、この第2の構造において、図8に濃淡で表したように、速効層56aでは吸収要素50の長手方向中央かつ幅方向中央の部分に近くなるほど表面露出吸収粒子54aの量を少なくし、遅効層56bでは吸収要素50の長手方向中央かつ幅方向中央の部分に近くなるほど被覆吸収粒子54bの量を多くすると、より効果的に***液を広範囲に行き渡らせることができ、SAPによる吸収量が吸収要素の部位によらず均一化するようになるため好ましい。この場合の粒子量の変化は図示のように段階的とする他、連続的とすることもできる。
(高吸収性ポリマー粒子)
被覆吸収粒子54bおよび表面露出吸収粒子54aに用いる高吸収性ポリマー粒子(「粒子」以外に「粉体」も含む)としては、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、粒径としては100〜1000μm、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材質としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が60g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
また、高吸収性ポリマー粒子の吸水速度は40秒以下であるのが好ましい。吸水速度が40秒を超えると、吸収要素50内に供給された液が外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。また、高吸収性ポリマー粒子のゲル強度は1000Pa以上であるのが好ましい。これにより、***液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
(包被シート)
図3に示すように、吸収コア56の周囲全体を包被シート58で包むのは好ましい形態である。ただし、この包被シート58は省略することもできる。
包被シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。目付けは、8〜20g/m2、特に10〜15g/m2のものが望ましい。
(保持シート)
さらに、図3に示すように、吸収コア56の裏面側、特に吸収コア56と包被シート58の裏面側部位(下側の部分)との間に保持シート80を設けるのも好ましい形態である。この保持シート80は省略することもできる。
被覆吸収粒子54bや表面露出吸収粒子54aは、消費者が使用するまでの過程で、繊維集合体から抜け落ちることがあり、この抜け落ちた粒子群の凹凸は、消費者が使用する際に手で触ったときジャリジャリした違和感を与える。保持シート80は、この違和感を軽減するものであり、包被シート58のみでは足りないコシを補強するものである。
保持シート80の素材は、特に限定されず、被覆吸収粒子および表面露出吸収粒子の保持性能を有するものであれば足りる。具体的には、例えば、不織布、捲縮パルプ、低吸収性のコットン繊維(例えば、未脱脂のコットン繊維、脱脂されたコットン繊維、レーヨン繊維を撥水剤や疎水化剤で処理したものなど。)、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維、絹、綿、麻、ナイロン、ポリウレタン、アセテート繊維等を例示することができる。また、保持シート80を複数枚重ねて使用することも可能である。
保持シート80を不織布とする場合、その保持シート80は、KES試験に基づく圧縮エネルギーが0.01〜10.00gfcm/cm2、好ましくは、0.01〜1.00gfcm/cm2で、かつ圧縮レジリエンスが10〜100%、好ましくは、70〜100%の不織布であるのが好ましい。
(その他)
なお、図示しないが、吸収性本体20の各構成部材は、ホットメルト接着剤などのベタ、ビードまたはスパイラル塗布などにより相互に固定される。
(テープ止着式使い捨ておむつの例)
一方、図5及び図6はテープ止着式使い捨ておむつの例を示している。図6は図5における6−6線矢視図であるが、吸収性本体20についてはやや誇張して図示してある。
このおむつ10Aは、おむつの背側両側端部に取り付けられたファスニング片を有し、このファスニング片の止着面にフック要素を有するとともに、おむつの裏面を構成するバックシートを不織布積層体とし、おむつの装着に当り、ファスニング片のフック要素をバックシートの表面の任意個所に係合可能となしたおむつである。
吸収性本体20は、トップシート30と、液不透過性シート70との間に、前述のパンツ型使い捨ておむつの形態で説明したものと同様の本発明に係る吸収コア56を介在させたものとなっている。この吸収コア56は、ティッシュペーパによる包被シート58により全体が包まれており、平面的に視て長方形をなしている。吸収コア56と包被シート58との間には保持シート80が設けられている。
さらに、トップシート30と吸収コア56との間には、中間シート40が介在されている。液不透過性シート70は吸収コア56より幅広の長方形をなし、その外方に砂時計形状の不織布からなるバックシート12Aが設けられている。
トップシート30は吸収コア56より幅広の長方形をなし、吸収コア56の側縁より若干外方に延在し、液不透過性シート70とホットメルト接着剤などにより固着されている。
おむつの両側部には、使用面側に突出するバリヤーカフス60Aが形成され、このバリヤーカフス60Aは、実質的に幅方向に連続した不織布からなるバリヤーシート64と、弾性伸縮部材、例えば糸ゴムからなる1本の又は複数本の脚周り用弾性伸縮部材としての糸ゴム62とにより構成されている。130は面ファスナーによるファスニング片である。
バリヤーシート64の内面は、トップシート30の側縁と離間した位置において固着始端を有し、この固着始端から液不透過性シート70の延在縁にかけて、幅方向外方部分がホットメルト接着剤などにより固着されている。バリヤーシート64の外面は、その下面においてバックシート12Aにホットメルト接着剤などにより固着されている。さらに、ガスケットカフス用弾性伸縮部材、たとえば糸ゴム66が設けられている。
バリヤーシート64の内面の、液不透過性シート70への固着始端は、バリヤーカフス60Aの起立端を形成している。脚周りにおいては、この起立端より内側は、製品本体に固定されていない自由部分であり、この自由部分が糸ゴム62の収縮力により起立するようになる。
本例では、ファスニング片130として、面ファスナーを用いることで、バックシート12Aに対して、メカニカルに止着できる。したがって、いわゆるターゲットテープを省略することもでき、かつ、ファスニング片130による止着位置を自由に選択できる。
ファスニング片130は、プラスチック、ポリラミ不織布、紙製などのファスニング基材の基部がバックシート12Aに、例えば接着剤により接合されており、先端側にフック要素130Aを有する。フック要素130Aはファスニング基材に接着剤により接合されている。フック要素130Aは、その外面側に多数の係合片を有する。フック要素130Aより先端側に仮止め接着剤部130Bを有する。製品の組立て末期において、仮止め接着剤部130Bがバリヤーシート64に接着されることによりファスニング片130の先端側の剥離を防止するようにしている。使用時には、その接着力に抗して剥離し、ファスニング片130の先端側を前身頃に持ち込むものである。仮止め接着剤部130Bより先端側はファスニング基材が露出して摘みタブ部とされている。
前身頃の開口部側には、バックシート12Aの内面側に、ファスニング片130のフック要素130Aを止着する位置の目安となるデザインが印刷された止着位置表示シート74が設けられ、その表示が外部からバックシート12Aを通して視認可能なように施されている。
おむつの、装着時には、おむつが舟形に体に装着されるので、そして糸ゴム62の収縮力が作用するので、脚周りでは、糸ゴム62の収縮力によりバリヤーカフス60Aが起立する。
起立部で囲まれる空間は、尿又は軟便の閉じ込め空間を形成する。この空間内に排尿されると、その尿はトップシート30を通って吸収コア56内に吸収されるとともに、軟便の固形分については、バリヤーカフス60Aの起立部がバリヤーとなり、その乗り越えが防止される。万一、起立部の起立遠位側縁を乗り越えて横に漏れた尿は、平面当り部によるストップ機能により横漏れが防止される。
本形態において、各起立カフスを形成するバリヤーシート64は、透液性でなく実質的に不透液性(半透液性でもよい)であるのが望ましい。また、本発明の表面シート(不織布積層体)に対してシリコン処理などにより液体をはじく性質となるようにしてもよい。いずれにしても、バリヤーシート64及びバックシート12Aは、それぞれ通気性があり、かつバリヤーシート64及びバックシート12Aは、それぞれ耐水圧が100mmH2O以上のシートであるのが好適である。これによって、製品の幅方向側部において通気性を示すものとなり、着用者のムレを防止できる。
その他の点、例えば各部の使用素材等については、前述のパンツ型紙おむつの場合と同じであるため、敢えて説明を省略する。
本発明は、紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、おむつカバーと併用する吸収パッド等の吸収性物品における吸収コアの製造に好適なものである。
パンツ型使い捨ておむつの斜視図である。 パンツ型使い捨ておむつの展開状態平面図である。 図2の3−3断面図である。 他の例の要部拡大断面図である。 テープ式使い捨ておむつの展開状態平面図である。 図5の6−6断面図である。 被覆吸収粒子の断面図である。 速効層及び遅効層における粒子量分布を示す平面図である。
符号の説明
10…パンツ型使い捨ておむつ、10A…テープ式使い捨ておむつ、12…外装シート、12A…バックシート、20…吸収性本体、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、52f…繊維、52…繊維集合体、54a…表面露出吸収粒子、54b…被覆吸収粒子、56…吸収コア、58…包被シート、60、60A…バリヤーカフス、64…バリヤーシート、70…液不透過性シート、72…第2液不透過性シート、80…保持シート。

Claims (4)

  1. 液を吸収し保持する吸収要素を有し、
    この吸収要素は、高吸収性ポリマー粒子の外表面全体を水溶性被膜で被覆してなる被覆吸収粒子と、外表面の少なくとも一部が被覆されていない高吸収性ポリマー粒子からなる表面露出吸収粒子との混合粒子を、繊維集合体中に分散保持させたものである、ことを特徴とする吸収性物品。
  2. 液を吸収し保持する吸収要素を有し、
    この吸収要素は、
    高吸収性ポリマー粒子の外表面全体を水溶性被膜で被覆してなる被覆吸収粒子が繊維集合体中に分散保持されてなり、外表面の少なくとも一部が被覆されていない高吸収性ポリマー粒子からなる表面露出吸収粒子を実質的に含まない遅効層と、
    前記表面露出吸収粒子を含み、前記被覆吸収粒子を実質的に含まない速効層とを有しており、
    前記速効層が前記遅効層の上側に設けられている、ことを特徴とする吸収性物品。
  3. 前記繊維集合体がセルロースアセテートトウを開繊してなるものである、請求項1または2記載の吸収性物品。
  4. 前記被覆吸収粒子が、前記高吸収性ポリマー粒子の外表面に、水溶性被膜を形成する塗料を塗布したものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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