JP2007318822A - センサレスブラシレスモータの駆動装置 - Google Patents

センサレスブラシレスモータの駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ブラシレスモータを90°位相シフト法と30°位相シフト法を用いて回転制御する際に、切り換えを滑らかに行う。
【解決手段】ブラシレスモータ2を回転駆動させたときに発生する誘起電圧Uv,Vv,Wvからロータ位置検出器4でロータ位置信号Uθ,Vθ,Wθを作成し、90°位相をシフトさせた転流パターンUP90,VP90,WP90と、30°位相をシフトさせた転流パターンUP30,VP30,WP30を生成する。これら転流パターンを3相インバータ11に入力する割合をデューティ発生器9で算出したデューティ比に従ってリアルタイムに変化させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、センサレスで回転制御するブラシレスモータの駆動装置に関する。
ブラシレスモータは、永久磁石を周方向に複数配置した回転子(ロータ)と、コイルを巻装した固定子(ステータ)とを有し、コイルに印加する電圧のパターン(転流パターン)を切り替えることで回転制御を行う。転流パターンの切り替えのタイミングは、ロータの回転位置に合わせて行うため、ロータ位置を検出することが必要になる。
ここで、ロータ位置を検出する方法としては、ホールセンサなどのセンサを使用する代わりに、通電していない無通電相(開放相)に発生する誘起電圧を検出して転流タイミングを測る誘導電圧検出方式がある。この方式では、誘起電圧と仮想の中性点電位とのクロスポイントを検出して、そこから位相を30°シフトさせる方法(30°位相シフト法)や、90°シフトして反転、相入れ換えを行う方法(90°位相シフト法)のいずれかの方法で、ホールセンサで検出する方法と同等の切り替えタイミングを得ていた。
例えば、位相をシフトさせる装置として1次のCR積分回路からなるアナログ位相シフト回路を使用して90°位相シフト法を採用した場合、定格回転付近で略90°位相がシフトするようにCR積分回路の時定数を設定すれば、それ以上の回転速度でも略90°位相がシフトしたロータ位置信号が得られる。したがって、高速回転域では、90°位相シフト法による切り替えタイミングでブラシレスモータの制御ができる。しかし、このCR積分回路では、低速回転域での位相シフト量が小さくなるので、低速回転域における転流タイミングが実際のタイミングからずれてしまう。このようなずれは、回転速度が小さくなるほど大きくなる。
同様に、30°位相シフト法は、定格回転付近で30°位相がシフトするように回路が設計されるので、始動時などの低速回転域ではロータ位置に対する転流タイミングのずれが小さくなる。しかし、高速回転になるに従って位相のずれが大きくなって、トルクが出難くなる。
このことを図6を用いて説明する。横軸は回転速度を示し、縦軸に90°位相シフト法における実際のロータ位置からの位相シフト量を示す。90°位相シフトさせた場合の位相は、曲線A1に示すようになる。回転速度=0(rpm)では電気角90°進角しており、回転速度が無限大で進角がゼロになっている。また、30°位相シフトさせた場合の位相は、曲線B1に示すようになる。回転速度=0(rpm)では電気角30°進角しており、回転速度が無限大で電気角60°遅角になる。そして、基準位置となる電気角0度に対して進角側に所定の電気角θaまでと、遅角側に所定の電気角−θbまでの位相差の範囲内であれば、その転流パターンを使ってブラシレスモータを脱調させずに制御することが可能であるとする。
曲線A1に示すように90°位相シフトさせた場合、低速回転域では、電気角θaよりも進角になっている。したがって、90°位相シフトの法の転流タイミングではブラシレスモータの制御が困難になる。これに対して、曲線B1に示すように30°位相シフトさせた場合、低速回転域では、電気角θa〜−θbの間に収まるので、ブラシレスモータを正しく制御することができる。
回転速度が上昇して、高速回転モードに入ると、曲線B1に示すように30°位相シフトさせた場合は、電気角−θbよりも遅れるので、制御が困難になる。これに対して、曲線A1に示すように90°位相シフトさせた場合は、電気角θa〜−θbの間に収まるので、転流制御することができる。
そこで、従来のセンサレスブラシレスモータの駆動装置では、1次のCR積分回路を用いて電気角を90°シフトさせてロータ位置信号を生成し、始動時にはロータ位置信号から30°位相シフト法で転流パターンを生成してブラシレスモータの制御を行い、位相シフト量が電気角で60°付近になるときに、90°位相シフト法による転流パターンに切り替えるものがあった(例えば、特許文献1参照)。図6の例では、最初に曲線B1に示すような30°位相シフトさせた転流パターンで通電制御を行い、電気角が−θbに達する回転速度n1で曲線A1に示す90°位相シフトさせた転流パターンに切り替える。一方、90°位相シフトさせた転流パターンで回転制御しているときに、回転速度が減少したら、電気角が−θaに達する回転速度n2で曲線B1に示す30°位相シフトさせた転流パターンに切り替える。
特開2004−304905号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているような技術では、30°位相シフト法の転流パターンから90°位相シフト法の転流パターンに不連続に切り替えられるので、切り換え時にショックが生じ易かった。切り換えタイミングに相当する回転速度域で回転速度が変動するときには、このようなショックが頻繁に発生することになる。また、ブラシレスモータの負荷状態によっては、切り替え時に回転変動が大きくなって回転が安定しなくなることがあった。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものあり、ブラシレスモータを90°位相シフト法と30°位相シフト法を用いて回転制御する際に、切り換えを滑らかに行うことを主な目的とする。
上記の課題を解決する本発明の請求項1に係る発明は、ブラシレスモータの回転によってモータ端子に生じる電圧変化をCR積分回路によって位相をシフトさせてロータ位置信号を生成し、前記ロータ位置信号に対応して転流パターンを切り換えて前記ブラシレスモータの回転制御を行うセンサレスブラシレスモータの駆動装置であって、前記ブラシレスモータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記ロータ位置信号に対応する第一の転流パターンを所定電気角度だけ遅角させて第二の転流パターンを生成する転流パターン遅角手段を有し、前記第一の転流パターンと前記第二の転流パターンの割合を回転速度に応じて変化させることを特徴とするセンサレスブラシレスモータの駆動装置とした。
このセンサレスブラシレスモータの駆動装置は、第一の転流パターンと第二の転流パターンの割合を回転速度に応じてリアルタイムで変化させながらブラシレスモータの回転制御を行う。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のセンサレスブラシレスモータの駆動装置において、高速回転域では前記第一の転流パターンを主に使用し、低速回転域では前記第二の転流パターンを主に使用することを特徴とする。
このセンサレスブラシレスモータの駆動装置は、主に使用する転流パターンを低速回転域と高速回転域とで変えることで、広い回転速度域でブラシレスモータの回転制御を正確に行う。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載のセンサレスブラシレスモータの駆動装置において、前記第二の転流パターンは、前記第一の転流パターンに対して電気角60°遅角していることを特徴とする。
このセンサレスブラシレスモータの駆動装置は、低速回転域では第一の転流パターンに対して電気角60°遅角させた第二の転流パターンを使用する。低速回転域で第一の転流パターンを使用すると進角が大きすぎるので、一つ前の転流パターンに相当する第二の転流パターンを使用する。
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のセンサレスブラシレスモータの駆動装置において、前記CR積分回路の位相シフト量が60°に相当する回転数で前記第一の転流パターンと前記第二の転流パターンのデューティ比を50%にすることを特徴とする。
このセンサレスブラシレスモータの駆動装置は、位相シフト量が60°で第一、第二の転流パターンの割合を等しくすることで、第一の転流パターンの進角と第二の転流パターンの遅角とを打ち消すような通電制御が可能になる。
本発明によれば、位相シフト量の異なる2つの転流パターンを用い、両転流パターンの割合を回転速度に応じて適宜変更するようにしたので、位相シフト量の異なる転流パターンを不連続に切り替えた場合に生じるショックを防止できる。また、回転変動が生じ難くなって安定した運転が可能になる。
発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に本実施の形態に係るセンサレスブラシレスモータの駆動装置の概略構成を示す。駆動装置1は、U相、V相、W相の3相のセンサレスブラシレスモータ(以下、ブラシレスモータという)2が接続されており、ブラシレスモータ2の各コイルに接続されるロータ位置検出器4を有する。ロータ位置検出器4は、通電線3A,3B,3Cに発生する誘起電圧U,V,Wを検出する装置であり、図2に示すように3相の通電線3A,3B,3Cのそれぞれに対応して1次のCR積分回路21が設けられている。CR積分回路21は、コンデンサ(C)と抵抗(R)を組み合わせて構成され、その時定数が電気角90°に設定されている。CR積分回路21の出力は、等価中性点電位生成回路22に接続されている。等価中性点電位生成回路22は、3相の誘起電圧U,V,Wから等価中性点電位を生成するように構成されている。等価中性点電位生成回路22には、コンパレータ23が接続されている。コンパレータ23には、中性点電位とCR積分回路21の出力とが相ごとに入力され、パルス状のロータ位置信号Uθ、Vθ、Wθが生成される。
図1に示すように、ロータ位置検出器4の出力は、ロータ位置信号Uθ,Vθ,Wθが入力される90°位相シフト器5と、30°位相シフト器6(転流パターン遅角手段)と、電気角60°検出器7(回転速度検出手段)とに接続されている。
90°位相シフト器5と30°位相シフト器6は、それぞれが各ロータ位置信号Uθ,Vθ,Wθの入力に対してNOT回路とAND回路とを組み合わせた構成を有する。30°位相シフト器6は、90°位相シフト器5が生成する第一の転流パターンに対して電気角60°進角した第二の転流パターンを生成する。つまり、30°位相シフト器6は、第一の転流パターンの一つ前の転流パターンを生成する。
電気角60°検出器7は、ロータ位置信号Uθ,Vθ,Wθのエッジ間隔を計測するカウンタ回路を有し、電気角60°ごとの信号(電気角60°信号)を生成する。また、単位時間当たりの電気角60°信号のパルス間隔からブラシレスモータ2の回転速度を演算する。電気角60°検出器7には、位相シフト量演算器8が接続されている。
位相シフト量演算器8は、電気角60°信号を用いてロータ位置検出器4から出力されるロータ位置信号Uθ,Vθ,Wθがシフトしている量(位相シフト量)を算出し、デューティ発生器9に出力する。
デューティ発生器9は、PWM(Pulse Width Modulation)のデューティ比R(転流割合:%)を後に説明するようにして演算する。デューティ発生器9で生成したデューティ比Rと、各位相シフト器5,6で生成した転流パターンUP90,VP90,WP90,UP30,VP30,WP30は、駆動信号生成部10に入力されるようになっている。
駆動信号生成部10は、各ロータ位置信号Uθ,Vθ,WθごとにAND回路とOR回路が配列されている。90°位相シフト器5の出力に対しては、デューティ比Rが乗算される。30°位相シフト器6の出力に接続されたAND回路には、デューティ比RがNOT回路を通して入力されるので、(100−デューティ比R)(%)が乗算される。このように、駆動信号生成部10は、デューティ比Rに応じて90°位相シフトの第一の転流パターンUP90,VP90,WP90と、30°位相シフトの第二の転流パターンUP30,VP30,WP30とを選択して3相インバータ11に駆動信号として出力するように構成されている。
3相インバータ11は、通電経路と通電方向を制御する複数のスイッチング素子が各相U,V,Wごとに配設され、駆動信号に応じてブラシレスモータ2のコイルに対して通電する構成を有する。
ここで、図3に、デューティ比Rの算出結果の一例を模式的に示す。図3で横軸は回転速度であり、縦軸はデューティ比になっている。ラインL1は、90°位相シフト法による転流ロジックのデューティ比Rを示している。ラインL1は、回転速度がゼロのときは0%であり、回転速度が上昇するにつれてデューティ比Rが増加し、位相シフト量が60°のときにデューティ比Rが50%になり、やがて100%になる。また、ラインL2は、30°位相シフト法による転流ロジックのデューティ比であり、(100−R)に相当する。ラインL2は、回転速度がゼロのときは100%であり、回転速度が上昇するにつれて減少し、位相シフト量が60°のときに50%になり、やがて0%になる。
ラインL1,L2の算出方法について、ラインL1を例にして説明する。
ローパスフィルタを用いた90°位相シフト回路の場合、位相シフト量(時間)T1は、モータ端子の電圧に正弦波状の誘起電圧の基本周波数fBEMFの関数になる。1次遅れ系におけるローパスフィルタの伝達関数G(s)は、
G(s)=1/(τs+1)
であるので、ロータ位置検出信号の遅れ位相θは、
θ〔rad〕=−tan−1(ωτ)
になる。ここで、ω=2πfBEMFであるから、θはfBEMFの関数として表され、
θ〔rad〕=−tan−1(2πτ×fBEMF
になる。単位をθ[deg]にすると、
θ〔deg〕=−tan−1(2πτ×fBEMF)×360/2π
になる。
電気角60°回転するのに要する時間をT60とすると、T60×6=TBEMFなので、
BEMF=(TBEMF−1=(T60×6)−1
になる。ロータ位置検出信号の遅れ位相θは、電気角60°回転するのに要する時間T60の関数として表すことができる。
θ(T60)〔deg〕=−tan−1(2πτ/(T60×6))×360/2π
時間T60は、図2に示す3相分のコンパレータ23から出力されるロータ位置信号Uθ,Vθ,Wθのエッジ間隔を電気角60°検出器7のカウンタで測定できる。この関数を横軸を回転速度、縦機軸を位相シフト量にとって図示すると、ラインL1が得られる。ラインL2は、ラインL1の値を100から引いたラインとして得られる。
この実施の形態の作用について説明する。
ブラシレスモータ2を始動させると、通電線3A,3B,3Cに生じた誘起電圧U,V,Wがロータ位置検出器4に入力される。CR積分回路21は、PWM駆動により生じるノイズを除去すると共に、誘起電圧U,V,Wの信号の位相をシフトさせる。始動時は回転速度が小さいので、位相シフト量は小さくなる。さらに、等価中性点電位生成回路22を経てコンパレータ23に導かれてロータ位置信号Uθ,Vθ,Wθが生成される。この段階では、電気角60°検出器7で検出する回転速度が小さいので、図3に示すデューティ比Rはゼロに近い値になる。したがって、90°位相シフト器5からの第一の転流パターンUP90,VP90,WP90は殆ど3相インバータ11に入力されず、30°位相シフト器6からの第二の転流パターンUP30,VP30,WP30が主に3相インバータ11に入力されて転流制御を行う。
次に、回転速度が徐々にあがると、CR積分回路21における位相シフト量が徐々に増加し、これに従って図3に示すデューティ比Rは少しずつ大きくなり、3相インバータ11に第一の転流パターンUP90,VP90,WP90が入力される比率が少しずつ大きくなる。ここで、例えば、低速回転域で位相シフト量が電気角20°に達したときについて図1及び図4を主に用いて説明する。なお、図4は、U相、V相、W相のそれぞれに対する信号が上下に順番に分けて配置されており、横軸は電気角を示している。
モータ端子に発生した誘起電圧U,V,Wがロータ位置検出器4に入力され、CR積分回路21を経て位相が20度シフトしたロータ位置信号Uθ,Vθ,Wθが生成される。これらロータ位置信号Uθ,Vθ,Wθは、互いに位相が120度ずれた信号であり、90°位相シフト器5と、30°位相シフト器6と、電気角60°検出器7のそれぞれに入力される。90°位相シフト器5は、3相のロータ位置信号Uθ,Vθ,Wθから、90°位相をシフトさせた第一の転流パターンUP90,VP90,WP90を各相に対応して生成する。例えば、図1に示すように、第一の転流パターンUP90であれば、ロータ位置信号Uθと、ロータ位置信号Vθの反転パターンとを重畳させる。
同様に、30°位相シフト器6は、3相のロータ位置信号Uθ,Vθ,Wθから、30°位相をシフト(電気角60°遅角)させた第二の転流パターンUP30,VP30,WP30を生成する。また、電気角60°検出器7は、位相シフト量が20°に相当する回転速度(回転速度N1とする)を算出する。
ここで、前記のように算出された各転流パターンと、ホールセンサなどで転流パターンを決定する場合のような理想的の転流パターンとを対比すると、図4の下部に示すようになる。例えば、強調表示してあるように、理想的な転流パターンPではU相からV相に流す通電パターン(U→V)になるのに対して、30°位相シフト器6の転流パターン(30°シフト用パターンP30)では、僅かに進角側にずれており、そのずれは小さい。これに対して、90°位相シフト器5の転流パターン(90°シフト用パターンP90)は、主にU→Wになっていて理想の転流パターンPIから大きくずれている。
このような低速回転域では、デューティ発生器9が図3に示す回転速度N1のようにデューティ比Rとして小さい値を算出する。このため、駆動信号生成部10で第一の転流パターンUP30,VP30,WP30の割合は殆どなくなる。これに対して、(100−R)の値が大きくなるので、30°位相シフトの第二の転流パターンUP30,VP30,WP30が支配的になる。その結果、3相インバータ11には、主に第二の転流パターンUP30,VP30,WP30が入力される。したがって、実際のロータ位置に対してずれがより少ない30°位相シフトの転流パターンUP30,VP30,WP30でブラシレスモータ2が回転駆動されるようになり、脱調が防止される。
回転速度がさらに上昇してCR積分回路21における位相シフト量が電気角60°に達すると、図5に示すようになる。すなわち、U相、V相、W相のそれぞれについて60°位相がシフトしたロータ位置信号Uθ,Vθ,Wθが生成され、90°位相シフト器5と、30°位相シフト器6と、電気角60°検出器7のそれぞれに入力される。90°位相シフト器5と30°位相シフト器6は、3相のロータ位置信号Uθ,Vθ,Wθから、それぞれ90°位相をシフトさせた第一の転流パターンUP90,VP90,WP90と30°位相をシフトさせた第二の転流パターンUP30,VP30,WP30を生成する。また、電気角60°検出器7は、位相シフト量が60°に相当する回転速度(回転速度N2とする)を算出する。
回転速度N2では、図5の下部に例えば強調表示してあるように理想的な転流パターンPがU→Vであるのに対して、30°シフト用パターンP30は遅角側に略半分ずれたパターンになっている。90°シフト用パターンP90は、理想的な転流パターンPIに対して進角側に略半分ずれたパターンになっている。
図3に示すように、回転速度N2の領域でのデューティ比Rは、それぞれの位相シフトの転流パターンが50%ずつになっている。デューティ発生器9は、デューティ比Rとして50%に相当する信号を出力する。駆動信号生成部10は、両方の転流パターンUP30,VP30,WP30,UP90,VP90,WP90が等しい割合になるような駆動信号を3相インバータ11に出力する。したがって、実際のロータ位置に対してずれが少ない2つの転流パターンに基づいてブラシレスモータ2が回転駆動されるようになり、脱調が防止される。
そして、回転速度がさらに上昇して位相シフト量が90°に近付くと、30°位相シフトによる第二の転流パターンUP30,VP30,WP30は、理想的な転流パターンPIに対してさらに遅角し、理想的な転流パターンPIに一致しなくなる。これに対して90°位相シフトによる第一の転流パターンUP90,VP90,WP90は、進角量が減って理想的な転流パターンPIにさらに近付く。図3の回転速度N3に示すように、デューティ発生器9が90°位相シフトの第一の転流パターンUP90,VP90,WP90の転流割合が高くなるようにデューティ比Rを設定し、主に第一の転流パターンUP90,VP90,WP90を使用してブラシレスモータ2の回転駆動が行われるようになる。
この実施の形態によれば、低速回転域(例えば、回転速度N1)では遅角させた第二の転流パターンUP30,VP30,WP30を主に使用してブラシレスモータ2の回転制御を行い、回転速度の増加に従って徐々に第一の転流パターンUP90,VP90,WP90のデューティ比Rを増加させるようにしたので、従来のように1箇所で不連続に位相シフトを切り替える場合のように切り替え時のショックが生じない。また、中間領域で回転速度が変動する場合、従来では切り替えポイントを通過する度にショックが生じるが、この実施の形態ではリアルタイムで転流パターンの割合を変化させるので滑らかな回転制御が可能である。また、負荷変動が起きた場合でも、脱調が生じず、安定性を向上させることができる。
デューティ発生器9は、回転速度に応じてデューティ比Rを変動させるようにし、その変化の割合は信号処理によって決定することができる。したがって、駆動装置1やブラシレスモータ2の構成が異なる場合には、デューティ発生器9の設定を変更するだけで対応することができる。CR積分回路を調整をする必要がなくなり、設計変更にも容易に対応することができる。
なお、本発明は、前記した実施の形態に限定されずに広く応用することができる。
例えば、デューティ発生器9は、1次関数や、2次関数に基づいて90°位相シフトと30°位相シフトの転流パターンの転流割合を決定するように構成しても良い。
本発明の実施の形態に係るセンサレスブラシレスモータの駆動装置の構成を示すブロック図である。 ロータ位置検出器の回路構成を示す図である。 回転速度に対するデューティ比の変化の一例を示すグラフである。 20°位相がシフトしたときの転流パターンを説明する図である。 60°位相がシフトしたときの転流パターンを説明する図である。 従来の転流パターンの切り替え制御を模式的に示すグラフである。
符号の説明
1 駆動装置
2 ブラシレスモータ
6 30°位相シフト器(転流パターン遅角手段)
7 電気角60°検出器(回転速度検出手段)
21 CR積分回路
,V,W 誘起電圧
デューティ比
P30,VP30,WP30 第二の転流パターン
P90,VP90,WP90 第一の転流パターン
θ,Vθ,Wθ ロータ位置信号

Claims (4)

  1. ブラシレスモータの回転によってモータ端子に生じる電圧変化をCR積分回路によって位相をシフトさせてロータ位置信号を生成し、前記ロータ位置信号に対応して転流パターンを切り換えて前記ブラシレスモータの回転制御を行うセンサレスブラシレスモータの駆動装置であって、
    前記ブラシレスモータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、
    前記ロータ位置信号に対応する第一の転流パターンを所定電気角度だけ遅角させて第二の転流パターンを生成する転流パターン遅角手段を有し、前記第一の転流パターンと前記第二の転流パターンの割合を回転速度に応じて変化させることを特徴とするセンサレスブラシレスモータの駆動装置。
  2. 高速回転域では前記第一の転流パターンを主に使用し、低速回転域では前記第二の転流パターンを主に使用することを特徴とする請求項1に記載のセンサレスブラシレスモータの駆動装置。
  3. 前記第二の転流パターンは、前記第一の転流パターンに対して電気角60°遅角していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセンサレスブラシレスモータの駆動装置。
  4. 前記CR積分回路の位相シフト量が60°に相当する回転数で前記第一の転流パターンと前記第二の転流パターンのデューティ比を50%にすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のセンサレスブラシレスモータの駆動装置。

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