JP2007316541A - 光学素子の製造方法及び光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】強誘電体の基板は焦電効果があり、マイクロパーティクルが吸着しないように取り扱う必要があった。光学素子の製造時における強誘電体の基板の取り扱いを容易にして作業性を向上させる光学素子の製造方法及びその光学素子を提供することを目的とする。
【解決手段】本願発明に係る光学素子の製造方法は、熱を加えて強誘電体の基板と光学材料の基板とを拡散接合させる工程の前に強誘電体の基板の焦電効果を小さくする工程を追加することとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、2つの基板を貼り合わせた構造の光学素子及びその製造方法に関する。
レーザ光は計測、医療及び通信等の分野で使用されている。例えば、通信分野では大容量化や高機能化が通信ネットワークに求められており、光を用いて通信することが主流となりつつある。そのため、低損失であり、制御信号に対する光応答性の高い光学素子である光変調器や光スイッチが開発されている。そのため、レーザ光は使用目的に応じて多くの波長の要求がされているが、レーザ装置が出力するレーザ光の波長は特定の波長に限定されており、容易に変更することができない。そこで、限られた波長数を有効に利用するために、光の波長を任意の波長に変換する光学素子である波長変換素子も開発されている。
例えば、レーザ光の波長を変換する波長変換素子として、非線形光学結晶を用いて、第二高調波発生、和周波発生、差周波発生、光パラメトリック発振を利用した波長変換素子が知られている。
特許文献1には、図6のような擬似位相整合による差周波発生を利用した光学素子の一つである波長変換素子の構成が示されている。同図に示すように、比較的小さな光強度を持つ信号光Aと、比較的大きな光強度を持つ制御光Bは合波器1により合波されて、周期分極反転構造をもつ非線形の光導波路2に入射される。光導波路2中で信号光Aは、別の波長を持つ差周波光Cへと変換され、制御光Bと共に光導波路2から出射される。出射された差周波光Cと制御光Bは、分波器3により分離される。
また、光学素子の一つである擬似位相整合型の波長変換素子を作製する方法もいくつか知られている。一つは、非線形光学結晶の基板に周期分極反転構造を作製した後、プロトン交換導波路を作製する方法である。一つは、非線形光学結晶の基板に周期分極反転構造を作製した後、フォトリソグラフィプロセス及びドライエッチングプロセスによってリッジ型光導波路を作製する方法である。
特にリッジ型光導波路の場合、光の閉じ込め効果を高めるため、周期分極反転構造の非線形光学結晶の第一の基板と前記第一の基板の屈折率より小さい屈折率の第二の基板とを貼り合わせて波長変換素子を作製している。例えば、特許文献1には、接着剤の劣化や温度変化によるクラックを回避するために、前記第一の基板と同種の非線形光学結晶を前記第二の基板に使用し、熱を加えて前記第一の基板と前記第二の基板とを拡散接合させることが記載されている。
特開2003−140214号公報
前記第二の基板に使用される非線形光学結晶は強誘電体であり分極を生じている。強誘電体は分極方向により研磨レートが異なるため、強誘電体の基板はその製造工程において、分極方向を一方向に揃えて研磨レートの均一性を保っている(以下、「分極方向が一方向に揃っていること」を「単一分極」と表す。)。そのため、単一分極の強誘電体の基板は大きな焦電効果を有しており、温度変化で表面電荷密度が変化して表面にマイクロパーティクル等の異物を吸着しやすいという性質を持っている。
特に、特許文献1に記載されるような、前記第一の基板と前記第二の基板とを拡散接合させる場合、前記第一の基板と前記第二の基板との接合面にマイクロパーティクルを吸着させないため、マイクロパーティクルを低減させた清浄雰囲気中で前記第一の基板と前記第二の基板とを張り合わせる処理を行うことが求められる。そのため、単一分極の強誘電体の基板は、光学素子の製造時において取り扱いが困難で作業性に課題を有していた。
本願発明は、前記課題を解決する為になされたもので、強誘電体の基板の取り扱いを容易にして作業性を向上させる光学素子の製造方法及びその光学素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本願第一発明に係る光学素子の製造方法は、強誘電体の基板と非線形光学結晶基板とを拡散接合させる工程の前に、熱を加えて強誘電体の基板の焦電効果を小さくする工程を追加することとした。
具体的に、本願第一発明は、光を透過する光学材料である第一の基板と強誘電体である第二の基板とが貼り合わされた構造を有する光学素子の製造方法であって、前記第二の基板の強誘電体のキュリー温度以上融点以下の温度で前記第二の基板を加熱する加熱工程と、前記加熱工程の後に、前記第一の基板と前記第二の基板とを貼り合わせる接合工程と、を備えることを特徴とする光学素子の製造方法である。
単一分極の強誘電体をキュリー温度以上で加熱して冷却すれば、加熱前の分極方向と異なる分極方向の結晶が生じるため、強誘電体の分極方向は一様でなくなる。分極方向が一様でない状態の強誘電体は、それぞれの分極による電場が互いに打ち消しあうため単一分極の強誘電体より焦電効果が小さくなる。そのため、強誘電体の前記第二の基板をキュリー温度以上で加熱する工程を追加することで、表面に吸着するマイクロパーティクルが減少し、前記加熱工程後の前記第二の基板の取り扱いが容易になる。
従って、本願第一発明は、強誘電体の基板の取り扱いを容易にして作業性を向上させる光学素子の製造方法を提供することができる。
本願第一発明に係る光学素子の製造方法において、前記加熱工程で加熱する前記第二の基板をLiNbO、KNbO、LiTaO、LiNb(x)Ta(1−x)(0≦x≦1)又はKTiOPO、或いは、それらにMg、Zn、Sc、Inからなる群から選ばれた少なくとも一種を添加物として含有している強誘電体であることが好ましい。
前述の組成の化合物は強誘電体のため、前述のように前記接合工程の前に前記加熱工程を行うことで、前記第二の基板の表面に吸着するパーティクルを低減できる。また、前記組成の化合物は非線形光学結晶のため前記第一の基板に使用することで、前記光学素子を波長変換素子とすることができる。前記組成の化合物を前記第一の基板とした場合、前記第二の基板は前記第一の基板と同一組成の化合物であることが望ましい。前記第二の基板を前記第一の基板と同一組成の化合物とすることで、両基板の熱膨張係数が等しくなり、前記接合工程においてボイドやクラックの発生を低減することができる。
さらに、前記組成の化合物は前記添加物を加えることで屈折率を調整することができるため、前記第一の基板と前記第二の基板の屈折率を調整して光の閉じ込め効果を高めたリッジ型導波路の波長変換素子を容易に製造することができる。
従って、本願第一発明は、前記組成の化合物の基板の取り扱いを容易にして作業性を向上させ、接合不良の少ない光学素子の製造方法を提供することができる。
上記目的を達成するために、本願第二発明に係る光学素子は、焦電効果を小さくした強誘電体の基板上に非線形光学結晶基板を配置することとした。
具体的には、本願第二発明は、光を透過する光学材料である第一の基板と、厚み方向において、前記第一の基板に隣接する強誘電体の第二の基板と、を備え、前記第二の基板の前記第一の基板側と反対側の表面における温度変動に対する表面電荷密度が−0.23×10−4C/(m・K)以上0.23×10−4C/(m・K)以下であることを特徴とする光学素子である。
前記光学素子において前記第一の基板と前記第二の基板とは接合している。前記第二の基板は、前記第一の基板側と接合していない側の表面において、温度変化による表面電荷密度の変動量が前記範囲となる強誘電体である。温度変化による表面電荷密度の変動量を前記範囲とすることで前記第二の基板に吸着するマイクロパーティクルが減少し、前記第二の基板の取り扱いが容易になる。
従って、本願第二発明は、製造時において強誘電体の基板の取り扱いが容易で作業性が向上する光学素子を提供することができる。
本願第二発明に係る光学素子の前記第一の基板は二次の非線形効果を有し且つ非線形定数が周期的又は非周期的に変調する構造を有してもよい。
前記第一の基板が二次の非線形光学効果を有した光学材料であり、前記構造とすることで、前記光学素子を擬似位相整合型の波長変換素子とすることができる。
従って、本願第二発明は、製造時において強誘電体の基板の取り扱いが容易で作業性が向上する波長変換素子を提供することができる。
本願第二発明に係る光学素子の前記第一の基板は電気光学効果を有してもよい。
前記第一の基板が電気光学効果を有した光学材料とすることで、前記光学素子を光変調器又は光スイッチとすることができる。
従って、本願第二発明は、製造時において強誘電体の基板の取り扱いが容易で作業性が向上する光変調器又は光スイッチを提供することができる。
また、本願第二発明に係る光学素子の前記第二の基板はLiNbO、KNbO、LiTaO、LiNb(x)Ta(1−x)(0≦x≦1)又はKTiOPO、或いは、それらにMg、Zn、Sc、Inからなる群から選ばれた少なくとも一種を添加物として含有している強誘電体であることが好ましい。
本願第一の発明に係る光学素子の製造方法で説明したように、前記組成の化合物を前記第一の基板に使用した場合、前記第二の基板も同一組成の化合物であることが望ましい。前記組成の化合物を前記第一の基板及び前記第二の基板に使用することで前記光学素子を波長変換素子とすることができる。
前記組成の化合物を前記第二の基板に使用することで、マイクロパーティクルの吸着を低減できるとともにボイドやクラック等の接合不良を低減できるため、本願第二発明は、製造時において前記組成の化合物の基板の取り扱いが容易で作業性が向上する光学素子を提供することができる。
さらに、本願第二発明に係る光学素子の前記第一の基板の厚さは3μm以上22μm以下であることが好ましい。
前記第一の基板の厚さが22μmより大きい場合、前記第一の基板に形成されるリッジ型光導波路において、信号光と制御光とが多モード状態となるため位相の整合が悪く、光出力の低下を招く。そこで、前記第一の基板の厚さを前記範囲にすることで、前記リッジ型光導波路に入射された制御光と信号光は光導波路の基底モードを励振するため、高い光出力が得られる。
従って、本願第二発明は、製造時において強誘電体の基板の取り扱いを容易にして作業性を向上させ、光出力の大きい光学素子を提供することができる。
本願発明は、製造時における強誘電体の基板の取り扱いを容易にして作業性を向上させる光学素子の製造方法及びその光学素子を提供することができる。
以下、本願発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本願発明は、以下に示す実施形態に限定されるものでない。
(実施の形態1)
実施の形態1に係る光学素子の製造方法は、光を透過する光学材料である第一の基板と強誘電体である第二の基板とが貼り合わされた構造を有する光学素子の製造方法であって、前記第二の基板の強誘電体のキュリー温度以上融点以下の温度で前記第二の基板を加熱する加熱工程と、前記加熱工程の後に、前記第一の基板と前記第二の基板とを貼り合わせる接合工程と、を備える。
図1は光学素子の製造方法のうち、第一の基板11と第二の基板12とから光学素子用基板13を作製する工程を示した図である。光学素子用基板13を作製する作業は加熱工程S101、接合工程S102及び研磨工程S103を含む。
まず、第一の基板11としてレーザ光を透過させる光学材料の基板を準備する。第一の基板11は二次の非線形効果又は電気光学効果を有していてもよい。第一の基板11が非線形光学効果を有している場合、光学素子用基板13は波長変換素子に利用できる。一方、第一の基板11が電気光学効果を有している場合、光学素子用基板13は光変調器や光スイッチに利用できる。なお、以下の説明では第一の基板11が非線形効果を有し、本願に係る光学素子が波長変換素子である場合について説明するが、第一の基板11が電気光学効果を有する場合でも同様に、光学素子である光変調器や光スイッチを製造することができる。
また、第一の基板11としてLiNbO、KNbO、LiTaO、LiNb(x)Ta(1−x)(0≦x≦1)又はKTiOPO、或いは、それらにMg、Zn、Sc、Inからなる群から選ばれた少なくとも一種を添加物として含有している化合物の二次の非線形光学結晶が例示できる。
第一の基板11は厚さが300μmであり両面が光学研磨されてある3インチウエハであることが例示できる。第一の基板11はあらかじめ、例えば1.5μm帯で位相整合条件が満たされるように周期分極反転構造が作製されている。さらに、第一の基板11の表面を通常の酸洗浄あるいはアルカリ洗浄によって親水性にしておく。
また、第二の基板12として強誘電体の基板を準備する。第二の基板12は厚さが500μmであり両面が光学研磨されてある3インチウエハであることが例示できる。第二の基板12の表面も第一の基板と同様に親水性にしておく。
第一の基板11と貼り合わせたときに反りやクラックの発生を抑えるために、第二の基板12は第一の基板11の熱膨張係数と一致する熱膨張係数を持つ強誘電体であることが望ましい。具体的には、第二の基板12としてLiNbO、KNbO、LiTaO、LiNb(x)Ta(1−x)(0≦x≦1)又はKTiOPO、或いは、それらにMg、Zn、Sc、Inからなる群から選ばれた少なくとも一種を添加物として含有している強誘電体が例示できる。
前記添加物は第一の基板11及び第二の基板12の屈折率の調整に用いられる。第一の基板11に作られる光導波路に光を閉じ込めるため、第一の基板11の屈折率よりも第二の基板12の屈折率のほうが小さくなるように添加物の種類を変えて調整する。
以下の説明では、第一の基板11はZn添加LiNbOの結晶をZ軸方向と垂直な面で切った基板(Zカット基板)として、第二の基板12はZカットLiTaO基板として説明する。第一の基板11はZカット基板に限らずXカット基板でもよく、第一の基板11がXカット基板であれば第二の基板12もXカット基板であることが望ましい。
加熱工程S101は、第二の基板12の強誘電体のキュリー温度以上融点以下の温度で第二の基板12を加熱する工程である。LiTaOのキュリー温度は650℃、融点は1650℃なので、例えば、第二の基板12を電気炉に入れ、窒素雰囲気中で650℃で2時間加熱する。加熱後、第二の基板12を室温まで冷却する。
加熱工程S101前後での第二の基板12の分極の状態及び表面電荷の状態を図2に模式的に示す。図2(a)は加熱工程S101前、図2(b)は加熱工程S101後を示す。黒の矢印は分極の方向を示しており、+及び−は表面の電荷を表している。第二の基板12は単一分極による焦電効果で室温においても基板表面に電荷が発生している。
例えば、LiTaOの場合、温度変化に対する表面電荷密度の変動量は2.3×10−4C/(m・K)である。強誘電体の焦電効果の大きさは温度変化による表面電荷密度の変動量で表すことができる。表面電荷密度の変動量の絶対値が大きいほど焦電効果が大きく、表面電荷密度の変動量の符号は分極方向を意味する。
ここで、加熱工程S101を行うと、第二の基板の中で分極方向が反転する結晶が生ずる。図2(b)に示すように、分極の方向が第二の基板の一の表面から他の表面へ向かう第一領域21と分極の方向が第二の基板の他の表面から一の表面へ向かう第二領域22が混在するようになる。強誘電体の基板がこのような分極の状態になると、分極による電解が互いに打ち消しあい焦電効果が小さくなり、表面の電荷密度も小さくなる。
加熱工程S101で第二の基板の焦電効果の大きさを−0.23×10−4C/(m・K)以上0.23×10−4C/(m・K)以下とすることが好ましい。より清浄な表面を保つためには第二の基板の焦電効果の大きさを−0.115×10−4C/(m・K)以上0.115×10−4C/(m・K)以下とすることがより好ましい。
なお、加熱工程S101後において、第二の基板12の分極状態をフッ硝酸でエッチングすることで簡易に確認することができる。強誘電体は分極の向きによってフッ硝酸による結晶のエッチングレートが異なる。そのため、第二の基板12をフッ硝酸に1時間浸すことで、図2の第一領域21及び第二領域22のエッチングレートの違いにより第二の基板12の表面に0.7μm程度の凹凸が生ずる。第一領域21と第二領域22とは数nm〜数百nmのサイズでランダムに存在し、エッチングで凹凸が生じた面で光が散乱するため、第二の基板12の表面は曇った状態になる。この状態は目視若しくは顕微鏡観察により確認できる。
接合工程S102では、加熱工程S101で焦電効果を低減させた第二の基板12と第一の基板11とを重ねあわせ、電気炉に入れて400℃で3時間熱処理することにより拡散接合を行う。
なお、接合工程S102の後に第二の基板12の第一の基板11側と反対側の表面における焦電効果が−0.23×10−4C/(m・K)以上0.23×10−4C/(m・K)以下となるように、第二の基板12を加熱工程S101で処理することが望ましい。
研磨工程S103では、研磨定盤の平坦度が管理された研磨装置を用いて、第一の基板11の厚さが3μm以上22μm以下になるまで研磨加工を施す。例えば、図1の第一の基板11は厚さが20μmになるように研磨する。研磨加工の後に、ポリッシング加工を行うことにより鏡面の研磨表面を得ることができ、光学素子の作製に好適な光学素子用基板13を作製することができる。
第二の基板12は焦電効果が小さくマイクロパーティクルの吸着が減少するため、本願第一の発明に係る製造方法は、強誘電体の取り扱いを清浄雰囲気中で行っていた従来の製造方法の効果と同様の効果を得ることができる。具体的には、加熱工程S101の後から接合工程S102までの間において、第二の基板12の保管や取り扱いを清浄雰囲気中で行うことが不要になる。さらに、接合工程S102を清浄雰囲気中で行わなくても、第一の基板11と第二の基板12との接合面に吸着するマイクロパーティクルが低減するため第一の基板11と第二の基板12との接合不良を低減することができる。
このようにして得られた光学素子用基板13にリッジ型光導波路を作製することで光学素子の一つである波長変換素子を作製することができる。図3を用いてリッジ型光導波路加工の概要を説明する。光学素子用基板13の第一の基板11側の表面に通常のフォトリソグラフィのプロセスによって導波路パターン35を作製する(図3(a))。次いで、ドライエッチング装置に光学素子用基板13をセットし、エッチングガスを用いて光学素子用基板13の第一の基板11側の表面をエッチングすることによりリッジ型光導波路14を作製する(図3(b))。前記エッチングガスとしてCFガスが例示できる。
例えば、図3(b)に示すように、高さ8μm、導波路幅8μmのリッジ型光導波路14を、光学素子用基板13の第一の基板11に作製することができる。ドライエッチングのプロセスにおいてはマスクと第一の基板11とのエッチング選択比が小さい場合、リッジ型光導波路14は図示されているようなメサ形状となることがある。
例えば、図4に示すように、リッジ型光導波路14は3インチウエハである光学素子用基板13に平行に複数本作製する。そして、これらのリッジ型光導波路14ごとに光学素子用基板13を短冊状に切り出し、リッジ型光導波路14の両端面14aを光学研磨することによって、例えば、長さ60mmの波長変換素子15を作製する。
第二の基板12は吸着するマイクロパーティクルを低減しているため、清浄雰囲気中でなくとも、3インチウエハの全面積にわたって光学素子用基板13の接合不良を低減できる。そのため、光学素子用基板13から製造する波長変換素子15の歩留まりを向上させることができる。
従って、本願に係る光学素子の製造方法は、強誘電体の基板の取り扱いを容易にして作業性を向上することができる。また、本願に係る光学素子は、製造時における強誘電体の基板の取り扱いが容易になり作業性が向上する。
なお、上記説明では第一の基板11に周期分極反転構造が作製されている場合を示したが、第一の基板11は非線形定数が長手方向に非周期である構造でもよく、複数の非線形定数の周期を組み合せた構造でもよい。第一の基板11の非線形定数を非周期的に変調させた波長変換素子は、非線形定数を周期的に変調させた波長変換素子より波長変換可能な領域を拡大させることができる。
(実施の形態2)
実施の形態1の説明においては、加熱工程S101で第二の基板12の焦電効果を低減しているが、焦電効果を低減させる手段としては次に説明するような工程としても良い。
リソグラフィプロセスを利用して第二の基板12の表面に図5の(a)から(d)に示すようなレジストパタンを作り、第二の基板12を電界内に置く。外部からの電界で、第二の基板12のレジストで覆われていない範囲の分極方向を反転させることができる。レジストで覆われる範囲とレジストで覆われていない範囲との比率で焦電効果を調整することができるため、例えば、レジストで覆われる範囲とレジストで覆われていない範囲との比率を50:50とすることで、第二の基板12の焦電効果を小さくすることができる。従って、本工程を利用しても実施の形態1で説明したような波長変換素子15を作製することができる。
なお、実施の形態1及び2の説明において記載したウエハサイズ、リッジの大きさ、波長変換素子15の大きさ、エッチングガスの種類等は本願の説明として用いた一例であり、これらに限定されるものではない。
第一の発明に係る光学素子の構造及び第二の発明に係る光学素子の製造方法は、光学素子に限らず、強誘電体を貼り合せた構造のデバイスにも適用することができる。
本願第一の発明に係る光学素子の製造方法の工程を示した図である。 加熱工程S101の前後における第二の基板の分極状態及び表面電荷状態を模式的に示した図である。(a)は加熱工程S101の前の状態であり、(b)は加熱工程S101の後の状態である。 光学素子用基板13上にリッジ型導波路を加工する工程を示した模式図である。(a)はフォトリソグラフィプロセスで第一の基板11上に導波路パターン35を形成した後の模式図であり、(b)はドライエッチングプロセスで導波路パターン35で覆われていない第一の基板11の部分をエッチングし、リッジ型光導波路14を形成した後の模式図である。 3インチウエハである光学素子用基板13から光学素子の一つである波長変換素子15を切り出す過程を示す図である。 実施の形態2で説明した工程で、第二の基板12の表面に作成するレジストパタンの具体例である。黒色の部分がレジストパタンである。 従来の光学素子の一つである波長変換素子の構成を示す図である。
符号の説明
1 合波器
2 光導波路
3 分波器
11 第一の基板
12 第二の基板
13 光学素子用基板
14 リッジ型光導波路
14a リッジ型光導波路14の両端面
15 波長変換素子
21 第一領域
22 第二領域
35 導波路パターン
S101 加熱工程
S102 接合工程
S103 研磨工程
A 信号光
B 制御光
C 差周波光

Claims (7)

  1. 光を透過する光学材料である第一の基板と強誘電体である第二の基板とが貼り合わされた構造を有する光学素子の製造方法であって、
    前記第二の基板の強誘電体のキュリー温度以上融点以下の温度で前記第二の基板を加熱する加熱工程と、
    前記加熱工程の後に、前記第一の基板と前記第二の基板とを貼り合わせる接合工程と、
    を備えることを特徴とする光学素子の製造方法。
  2. 前記加熱工程で加熱する前記第二の基板をLiNbO、KNbO、LiTaO、LiNb(x)Ta(1−x)(0≦x≦1)又はKTiOPO、或いは、それらにMg、Zn、Sc、Inからなる群から選ばれた少なくとも一種を添加物として含有している強誘電体とすることを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。
  3. 光を透過する光学材料である第一の基板と、
    厚み方向において、前記第一の基板に隣接する強誘電体の第二の基板と、
    を備え、前記第二の基板の前記第一の基板側と反対側の表面における温度変動に対する表面電荷密度が−0.23×10−4C/(m・K)以上0.23×10−4C/(m・K)以下であることを特徴とする光学素子。
  4. 前記第一の基板は二次の非線形効果を有し且つ非線形定数が周期的又は非周期的に変調する構造をもつことを特徴とする請求項3に記載の光学素子。
  5. 前記第一の基板は電気光学効果を有していることを特徴とする請求項3に記載の光学素子。
  6. 前記第二の基板はLiNbO、KNbO、LiTaO、LiNb(x)Ta(1−x)(0≦x≦1)又はKTiOPO、或いは、それらにMg、Zn、Sc、Inからなる群から選ばれた少なくとも一種を添加物として含有している強誘電体であることを特徴とする請求項3から5に記載のいずれかの光学素子。
  7. 前記第一の基板の厚さは3μm以上22μm以下であることを特徴とする請求項3から6に記載のいずれかの光学素子。

JP2006148672A 2006-05-29 2006-05-29 光学素子の製造方法及び光学素子 Pending JP2007316541A (ja)

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