JP2007312084A - A/d変換器のデータ補正回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】補正処理に用いる基準電圧がばらついても高精度のA/D変換値を得る。
【解決手段】基準電圧生成回路5で生成された基準電圧V1、V2、V3をIC検査工程で実際に測定し、その実測した基準電圧V1、V2、V3に対応する理想A/D変換値を求めて基準データV1D、V2D、V3Dとしてメモリ14に書き込む。補正制御回路13は、入力電圧Vinがリファレンス電圧Vref-、Vref+、基準電圧V1、V2、V3の場合に、A/D変換器4が出力するA/D変換値Vref-A、Vref+A、V1A、V2A、V3Aを補正データとしてレジスタ15に書き込み、信号電圧Vsに対しA/D変換器4が出力するA/D変換値を、補正データ、基準データおよび規定値(000H、FFFH)を用いて補正する。
【選択図】図1
【解決手段】基準電圧生成回路5で生成された基準電圧V1、V2、V3をIC検査工程で実際に測定し、その実測した基準電圧V1、V2、V3に対応する理想A/D変換値を求めて基準データV1D、V2D、V3Dとしてメモリ14に書き込む。補正制御回路13は、入力電圧Vinがリファレンス電圧Vref-、Vref+、基準電圧V1、V2、V3の場合に、A/D変換器4が出力するA/D変換値Vref-A、Vref+A、V1A、V2A、V3Aを補正データとしてレジスタ15に書き込み、信号電圧Vsに対しA/D変換器4が出力するA/D変換値を、補正データ、基準データおよび規定値(000H、FFFH)を用いて補正する。
【選択図】図1
Description
本発明は、A/D変換器から出力されるA/D変換値を補正するA/D変換器のデータ補正回路に関する。
パルス位相差符号化回路を用いたA/D変換器が提案されている(特許文献1参照)。このA/D変換器は、複数のゲートがリング状に連結されたパルス周回回路、このパルス周回回路におけるパルス信号の周回回数をカウントするカウンタ、パルス周回回路内におけるパルス信号の周回位置に応じたデータを出力する周回位置検出回路、周回位置検出回路の周回位置データとカウンタのカウントデータとを合成してA/D変換値を得るデータ合成回路、パルス周回回路の周回動作などを制御する制御回路から構成されている。
この方式のA/D変換器は、小型、高分解能であり、フィルタ作用を有するという優れた特徴があるが、その一方でパルス周回回路の温度特性、電圧特性による非直線性誤差が比較的大きく、また温度特性を持っている。これに対して、何点かの基準電圧を生成し、その基準電圧に基づいてA/D変換値の補正処理を行って非直線性誤差を低減する方法が提案されている(特許文献2、3参照)。
特開平5−259907号公報
特開2004−274157号公報
特開2005−45538号公報
基準電圧は、一般にICチップ内でリファレンス電圧を抵抗分圧することにより作られている。例えば12ビットのA/D変換器において、リファレンス電圧Vrefを抵抗分圧して作った1/2Vrefを基準電圧とした場合、上記特許文献2、3に記載のA/D変換器は、その基準電圧のA/D変換値が2048(フルスケール4095の1/2)になるという前提でA/D変換値の補正処理を行っている。
しかし、ICチップ内での抵抗分圧比は、温度変動による変化や経時変化は小さいものの、抵抗の加工(エッチング)精度に依存するばらつきを持っている。従って、このばらつきを持つ分圧抵抗により得られた基準電圧に基づいて上記A/D変換値の補正処理を行うと、補正後のA/D変換値にも上記抵抗分圧比のばらつきに応じた変換誤差が現れ、A/D変換精度が低下してしまう。
この抵抗分圧比のばらつき(誤差)を低減する技術としてトリミングがある。トリミングには、レーザーで抵抗を加工して抵抗比を理想値に近付けるもの、抵抗比を微調整できるように調整用の抵抗を追加した回路とし、メモリ等に調整値を書き込んで抵抗比を理想値に近付けるものなどがある。しかし、トリミングを用いると、加工コストやレイアウトサイズが増大してコストが高くなる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、補正処理に用いる基準電圧がばらついても高精度のA/D変換値が得られるA/D変換器のデータ補正回路を提供することにある。
請求項1に記載した手段によれば、基準電圧生成回路において第1規定電圧と第2規定電圧との差電圧を抵抗分圧して生成した基準電圧を検査工程で実際に測定し、第1規定電圧を所定の第1規定値に対応させ、第2規定電圧を所定の第2規定値に対応させた場合の上記実測された基準電圧に対応する理想A/D変換値を求め、それを基準データとして第1記憶手段に記憶する。
データ補正回路は、アナログ信号入力電圧をA/D変換器に入力してA/D変換を行うのに先立って、第1規定電圧、第2規定電圧、基準電圧をそれぞれA/D変換器に入力してA/D変換を行い、A/D変換器から出力されるA/D変換値を補正データとして第2記憶手段に記憶する。そして、アナログ信号入力電圧をA/D変換器に入力してA/D変換を行ったときに、A/D変換器から出力されるA/D変換値を、第1記憶手段に記憶されている基準データ、第1規定値、第2規定値および第2記憶手段に記憶されている補正データに基づいて補正する。
この補正によれば、A/D変換器の非直線性誤差を低減できるのみならず、抵抗分圧比のばらつきにより基準電圧に誤差が存在しても、実測した基準電圧に対して理想A/D変換値が対応付けられるので、その基準電圧を用いて補正したA/D変換値には抵抗分圧比の誤差は含まれず、高精度のA/D変換値が得られる。
請求項2に記載した手段によれば、アナログ信号を入力したときにA/D変換器から出力されるA/D変換値を挟み込むように選択された2つの補正データとこれら2つの補正データにそれぞれ対応する基準データ、第1規定値または第2規定値とに基づいて1次近似演算を行い、上記A/D変換値を補正する。具体的には、基準点(基準電圧の補正データ,基準電圧の基準データ)、規定点(第1規定電圧の補正データ,第1規定値)、規定点(第2規定電圧の補正データ,第2規定値)のうち選択された2点を結ぶ1次近似直線において、A/D変換器から出力されるA/D変換値に対応する値を求める。これにより、基準点間、基準点−規定点間ごとに1次補正がなされた高精度のA/D変換値が得られる。
請求項3に記載した手段によれば、アナログ信号を入力したときにA/D変換器から出力されるA/D変換値を挟み込むように選択された3つの補正データとこれら3つの補正データにそれぞれ対応する基準データ、第1規定値または第2規定値とに基づいて2次近似演算を行い、上記A/D変換値を補正する。具体的には、上記基準点および規定点のうち選択された3点を結ぶ2次近似曲線において、A/D変換器から出力されるA/D変換値に対応する値を求める。これにより、基準点間、基準点−規定点間ごとに2次補正がなされたより高精度のA/D変換値が得られる。
請求項4に記載した手段によれば、第1規定電圧、第2規定電圧および基準電圧を対象として所定の順序で選択した電圧とアナログ信号入力電圧とを交互にA/D変換器に入力し、第1規定電圧、第2規定電圧および基準電圧をA/D変換器に入力してA/D変換したときにA/D変換器から出力されるA/D変換値を補正データとして第2の記憶手段に記憶する。これにより、A/D変換の継続実行中に補正データが常に更新されるので、規定電圧の変動により基準電圧が変化しても、第1、第2規定電圧と第1、第2規定値との対応関係の下での基準電圧の正確な補正データが得られ、高精度のA/D変換値が得られる。
請求項5に記載した手段によれば、第1規定電圧と第2規定電圧の差電圧をほぼ等分に分圧してなる1または複数の基準電圧を生成するので、A/D変換器の入力電圧範囲においてほぼ一定電圧ごとに上記基準点による完全な補正が可能となり、データ補正後のA/D変換値の最大誤差を低減することができる。
請求項6に記載した手段によれば、基準電圧生成回路の動作温度範囲を複数の温度領域に区分し、その各温度領域ごとに求めた代表値としての基準データを第1記憶手段に記憶する。そして、第1記憶手段に記憶されている基準データのうち、温度検出手段により検出された基準電圧生成回路の温度が属する温度領域の基準データを用いてA/D変換器から出力されるA/D変換値を補正する。これにより、基準電圧生成回路において生成される基準電圧が温度に応じて変化する場合であっても、その温度特性まで含めたA/D変換値の補正が可能となる。
請求項7に記載した手段によれば、パルス周回回路におけるゲートの遅延時間がその電源電圧であるA/D変換対象の入力電圧に応じて変化し、その変化を所定のサンプリング時間におけるパルス信号の周回回数およびサンプリング時間終了時におけるパルス信号の周回位置として検出する。そして、周回位置データと周回数データ(カウントデータ)とを合成したデジタルデータをA/D変換値とする。このA/D変換器は、小型、高分解能であり、フィルタ作用を有するという優れた特徴がある。また、ゲートの遅延時間は、電源電圧に対して固有の2次関数特性を有しているが、データ補正回路により補正されるので直線性の高いA/D変換値を得られる。
請求項8に記載した手段によれば、変換制御信号に同期して、所定電圧から一定の傾きで増加または減少するランプ波形電圧が生成され、このランプ波形電圧の生成時に第1信号が出力される。そして、ランプ波形電圧とA/D変換対象の入力電圧とを比較することにより、ランプ波形電圧と入力電圧とが一致した時に第2信号が出力される。
ランプ波形電圧は一定の傾きを有しているので、第1信号と第2信号との時間間隔は、入力電圧の大きさに応じてリニアに変化し、その関係は上記ランプ波形電圧の直線性と同等の直線性を有している。そして、この時間間隔は、パルス周回回路におけるパルスの周回位置データと周回数データ(カウントデータ)として検出され、それらを合成したデジタルデータがA/D変換値となる。本A/D変換器のパルス周回回路は一定の電源電圧の下で動作するので非直線性誤差は小さく、しかもデータ補正回路によりランプ波形電圧の非直線性まで含めてA/D変換値を補正できるので、優れた直線性を持つ高精度のA/D変換値が得られる。
請求項9に記載した手段によれば、A/D変換対象の入力電圧が所定の判定しきい値以上である場合には、選択回路により第1レベルシフト回路が選択され、変換対象電圧に対し第1オフセット電圧だけ低電位側にシフトした電圧がA/D変換器に与えられる。一方、変換対象電圧が上記判定しきい値未満である場合には、選択回路により第2レベルシフト回路が選択され、変換対象電圧に対し第2オフセット電圧だけ高電位側にシフトした電圧がA/D変換器に与えられる。A/D変換器から出力されるA/D変換値は、選択回路の選択状態に応じた補正および基準データと補正データに基づいた補正により最終的なA/D変換値となる。
レベルシフト回路は、一般に、レベル変換回路としての機能とともに、高入力インピーダンス、低出力インピーダンスのインピーダンス変換回路としての機能を持っているので、容量成分(寄生容量やホールドコンデンサ)が存在するA/D変換器の入力を低出力インピーダンスで駆動することができ、A/D変換器の入力電圧の整定時間を短縮し、上記容量成分に起因する変換誤差を低減することができる。また、入力電圧範囲は、A/D変換器自体の入力電圧範囲よりも拡大するので、実質的にA/D変換器の分解能を高めたのと同等の効果が得られる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1ないし図7を参照しながら説明する。
図1は、A/D変換装置の全体構成を示しており、一部の回路部分を除いて機能ブロックにより表している。このA/D変換装置1は、MOSプロセスにより製造されたワンチップマイクロコンピュータ(半導体集積回路装置)内の周辺回路として構成されており、例えば車両のエンジン制御において各種センサから入力された信号をA/D変換するようになっている。このICは、図示しない電源用ICから電源電圧Vddの供給を受けて動作するようになっている。
以下、本発明の第1の実施形態について図1ないし図7を参照しながら説明する。
図1は、A/D変換装置の全体構成を示しており、一部の回路部分を除いて機能ブロックにより表している。このA/D変換装置1は、MOSプロセスにより製造されたワンチップマイクロコンピュータ(半導体集積回路装置)内の周辺回路として構成されており、例えば車両のエンジン制御において各種センサから入力された信号をA/D変換するようになっている。このICは、図示しない電源用ICから電源電圧Vddの供給を受けて動作するようになっている。
IC外部から信号電圧Vsが入力される入力端子2は、選択回路3のスイッチSW1を介してA/D変換器4の入力端子に接続されている。基準電圧生成回路5は、上記電源電圧Vddを有する電源線6とグランド電圧GNDを有する電源線7との間に直列接続された分圧用の抵抗R1〜R4から構成されている。本実施形態において、電源電圧Vddはリファレンス電圧Vref+(第1規定電圧に相当)として用いられており、グランド電圧はリファレンス電圧Vref-(第2規定電圧に相当)として用いられている。抵抗R1〜R4の抵抗値は全てRとなるように設計されているが、実際には製造プロセスでの加工(エッチング)精度などに依存するばらつきを持っている。
ICの出力端子8、12は、それぞれ電源線7、6に接続されており、グランド電圧GND(リファレンス電圧Vref-)、電源電圧Vdd(リファレンス電圧Vref+)を出力するようになっている。また、出力端子9、10、11は、それぞれ基準電圧生成回路5の分圧ノードN1、N2、N3に接続されており、抵抗分圧により生成された基準電圧V1、V2、V3(V1<V2<3)を出力するようになっている。これらの出力端子8〜12は、後述するICの検査工程において基準電圧V1、V2、V3を測定するために用いられる。出力端子8〜12に替えて、ICチップ上のパッドとして形成してもよい。
選択回路3は、上述したスイッチSW1の他に、電源線7、基準電圧生成回路5のノードN1、N2、N3、電源線6のそれぞれとA/D変換器4の入力端子との間に介在するスイッチSW2、SW3、SW4、SW5、SW6を有している。これらスイッチSW1〜SW6は、後述する補正制御回路13により何れか1つが選択的にオンされるようになっている。
A/D変換器4は、選択回路3を介して入力された電圧Vinをnビット(例えば15ビット)の分解能でA/D変換するもので、具体的には図2、図3に示す構成を備えている。また、補正制御回路13(補正演算手段に相当)は、メモリ14に記憶されている基準データとレジスタ15に記憶されている補正データを用いて、A/D変換器4から入力したA/D変換値を補正するもので、具体的には図4に示す構成を備えている。ここで、メモリ14は第1記憶手段に相当し例えばEEPROMなどの不揮発性メモリから構成されており、レジスタ15は第2記憶手段に相当する。これら基準電圧生成回路5、補正制御回路13、メモリ14およびレジスタ15によりA/D変換器4のデータ補正回路16が構成されている。
続いて、図2、図3を参照しながらA/D変換器4の構成を説明する。
A/D変換器4は、図2に示すようにアッテネータ17、その後に設けられたパルス位相差符号化回路18および制御回路19から構成されている。アッテネータ17は、基準電圧V2を中心として入力電圧Vinの振幅を増減する回路であり、ボルテージフォロアのオペアンプ20と、オペアンプ21および抵抗R5、R6からなる反転増幅回路22とから構成されている。
A/D変換器4は、図2に示すようにアッテネータ17、その後に設けられたパルス位相差符号化回路18および制御回路19から構成されている。アッテネータ17は、基準電圧V2を中心として入力電圧Vinの振幅を増減する回路であり、ボルテージフォロアのオペアンプ20と、オペアンプ21および抵抗R5、R6からなる反転増幅回路22とから構成されている。
制御回路19は、図3に示すように、A/D変換の開始を指示するスタート信号ADstart、クロックCLK、イネーブル信号ENを入力し、サンプリング時間に同期した信号PA、PBを生成するものである。3ビットのジョンソンカウンタ23は、クロックCLKに同期して(Q2,Q1,Q0)=(0,0,0)、(0,0,1)、(0,1,1)、(1,1,1)、(1,1,0)、(1,0,0)、(0,0,0)の順に出力を変化させるようになっている。
出力Q0、Q1、Q2は、インバータ24〜26を介してANDゲート27、28に入力されている。ANDゲート28は、Q2・/Q1・/Q0の論理からなる信号PBを出力する。ANDゲート27は/Q2・/Q1・Q0の論理信号を出力し、この論理信号がLレベルからHレベルに変化すると、Dフリップフロップ29は信号PAをLレベルからHレベルに変化させる。
Dフリップフロップ30は、ジョンソンカウンタ23とDフリップフロップ29に対しリセット信号を出力するもので、スタート信号ADstartがLレベルからHレベルに変化すると、出力信号P0がLレベルからHレベルに変化する。この出力信号P0は、ANDゲート31、32を介してジョンソンカウンタ23とDフリップフロップ29の各リセット端子に与えられている。また、上述の信号PBは奇数段のインバータからなる遅延回路33およびANDゲート34を介してDフリップフロップ30のリセット端子に与えられている。リセット端子に繋がるANDゲート31、32、34には、イネーブル信号ENが入力されている。
図2に示すパルス位相差符号化回路18は、リングディレイライン35(パルス周回回路に相当)、カウンタ36、Dフリップフロップ37、パルスセレクタ38(周回位置検出回路に相当)、エンコーダ39(周回位置検出回路に相当)および減算回路40(データ合成回路に相当)から構成されている。
リングディレイライン35は、奇数(例えば31)段の反転ゲート35a(その内1つはNANDゲート35b:ゲートに相当)をリング状に接続して構成され、制御回路19から信号PAが出力されると発振動作(パルス信号の周回動作)を開始するようになっている。反転ゲート35aとNANDゲート35bには、電源電圧としてアッテネータ17を介してA/D変換の対象となる電圧Vinが与えられている。
カウンタ36は、リングディレイライン35内でリング状に伝送されるパルス信号の周回数をカウントする10ビットカウンタである。Dフリップフロップ37は、信号PBの立ち上がりに同期してカウンタ36のカウント値を保持するようになっている。
パルスセレクタ38は、信号PBに立ち上がりが生じた時のリングディレイライン35内の周回パルス信号の位置を示す信号を出力するようになっている。また、エンコーダ39は、このパルスセレクタ38からの出力信号に対応した例えば5ビットのデジタルデータを発生するようになっている。
減算回路40は、Dフリップフロップ37からのデジタルデータ(カウント値)が上位10ビット、エンコーダ39からのデジタルデータが下位5ビットとなるように両デジタルデータを合成する。この場合、リングディレイライン35が有する反転ゲートの数は32個ではなく31個であるため、両デジタルデータを連結したデータは、カウント値が1進むごとにリングディレイライン35の分解能(反転ゲート35aの遅延時間)tdだけの誤差が生じることになる。そこで、両デジタルデータを連結した15ビットデータに対し、Dフリップフロップ37の出力データをLSB詰めで桁合わせして減算を行う。これにより、A/D変換値TDOが得られる。
図4は、補正制御回路13の構成を示している。制御ロジック41は、マルチプレクサ42、43、演算器44およびレジスタ45の動作を制御して、後述する補正演算を実行するようになっている。マルチプレクサ42は、A/D変換器4から出力されたA/D変換値、メモリ14に記憶された基準データおよびレジスタ15に記憶された補正データを入力し、1つのデータを選択して演算器44に対し出力する。マルチプレクサ43は、レジスタ45に記憶されたデータ、メモリ14に記憶された基準データおよびレジスタ15に記憶された補正データを入力し、1つのデータを選択して演算器44に対し出力する。演算器44は、マルチプレクサ42、43から入力したデータに対し演算を実行し、その結果をレジスタ45に記憶させる。補正演算に用いるデータ(A/D変換値、基準データ、補正データ)は全て15ビットの分解能を持っており、最終的なA/D変換値は下位3ビットを切り捨てて12ビットとしている。
次に、本実施形態の作用について図5ないし図7も参照しながら説明する。
図5は、A/D変換器4によるA/D変換動作の波形図であり、上から順に入力電圧Vin、イネーブル信号EN、スタート信号ADstart、クロックCLK、信号P0、信号PA、信号PB、A/D変換値TDOを示している。1回のA/D変換は、イネーブル信号ENをHレベルにした状態で、スタート信号ADstartを少なくともサンプリング時間(4・TCLK)だけHレベルにすることにより実行される。そして、Hレベルのスタート信号ADstartを一旦Lレベルにして再びHレベルにすれば、連続的にA/D変換が実行される。
図5は、A/D変換器4によるA/D変換動作の波形図であり、上から順に入力電圧Vin、イネーブル信号EN、スタート信号ADstart、クロックCLK、信号P0、信号PA、信号PB、A/D変換値TDOを示している。1回のA/D変換は、イネーブル信号ENをHレベルにした状態で、スタート信号ADstartを少なくともサンプリング時間(4・TCLK)だけHレベルにすることにより実行される。そして、Hレベルのスタート信号ADstartを一旦Lレベルにして再びHレベルにすれば、連続的にA/D変換が実行される。
図3および図5を参照すれば、イネーブル信号ENをHレベルにした状態でスタート信号ADstartをLレベルからHレベルにすると、信号P0がHレベルになりジョンソンカウンタ23とDフリップフロップ29のリセットが解除される。その直後のクロックCLKの立ち上がりに同期してジョンソンカウンタ23の出力(Q2,Q1,Q0)が(0,0,1)になり、Dフリップフロップ29の出力信号PAがHレベルになる。
クロックCLKの4周期(=4・TCLK)が経過すると、クロックCLKの立ち上がりに同期してジョンソンカウンタ23の出力(Q2,Q1,Q0)が(1,0,0)になり、信号PBがHレベルになる。この信号PBは、遅延回路32で遅延時間だけ遅れてDフリップフロップ30をリセットし、信号P0を介してジョンソンカウンタ23とDフリップフロップ29をリセットする。このため、信号P0、PA、PBが同時にLレベルになる。
図2に示すリングディレイライン35では、信号PAがHレベルとなるサンプリング期間(4・TCLK)だけパルス信号が周回し、カウンタ36はこのパルス信号の周回数をカウントする。信号PBが立ち上がると、Dフリップフロップ37はカウンタ36のカウント値を保持し、パルスセレクタ38およびエンコーダ39はパルス信号の位置を示す信号を出力する。減算回路40は、上述したようにDフリップフロップ37からのデータとエンコーダ39からのデータを合成してA/D変換値TDOを出力する。
すなわち、A/D変換器4は、リングディレイライン35におけるパルスの周回速度がその電源電圧つまり入力電圧Vinにより変化する特性を利用し、サンプリング期間(4・TCLK)におけるパルスの周回数を計測してA/D変換値を得るものである。ただし、反転ゲート35aおよびNANDゲート35bの遅延時間は、電源電圧に対して固有の2次関数特性を有しているため、A/D変換器4の入出力特性も非線形となる。
そこで、補正制御回路13は、IC外部からの信号電圧Vsに対しA/D変換器4が出力したA/D変換値を補正する。図6は、補正前と補正後のA/D変換の入出力特性を示している。横軸は、A/D変換器4への入力電圧Vinを表しており、縦軸は、上半分がA/D変換器4が出力する補正前のA/D変換値、下半分が補正制御回路13が出力する補正後のA/D変換値を表している。図中に示す一点鎖線(直線)は、理想的なA/D変換特性を表している。
A/D変換器4は、入力電圧Vinがリファレンス電圧Vref-、Vref+、基準電圧V1、V2、V3の場合に、それぞれA/D変換値Vref-A、Vref+A、V1A、V2A、V3Aを出力する。上述したように、このA/D変換器4の入出力特性は非線形となる。補正制御回路13は、選択回路3のスイッチSW1〜SW6を切り替えることにより、電圧Vref-、Vref+、V1、V2、V3を対象として所定の順序で選択した電圧と信号電圧Vsとを交互にA/D変換器4に入力してA/D変換値を得る。一例を示せば、Vref-、Vs、V1、Vs、V2、Vs、V3、Vs、Vref+、Vs、Vref-、Vs、…の順となる。A/D変換器4が出力する上記5つのA/D変換値Vref-A、Vref+A、V1A、V2A、V3Aは、それぞれ15ビットの補正データとしてレジスタ15に順次上書きされる。
補正制御回路13は、リファレンス電圧Vref-、Vref+、基準電圧V1、V2、V3に対する最終的なA/D変換値がそれぞれ000H、FFFH、V1D、V2D、V3Dとなるように、外部からの信号電圧Vsに対しA/D変換器4が出力したA/D変換値を補正する。ここで、000H、FFFHは、第1規定値、第2規定値に相当し、V1D、V2D、V3Dは基準データに相当する。規定値000H、FFFHは、A/D変換器4に与えられるリファレンス電圧Vref-、Vref+とフルスケールとの関係に基づいて決められている。
基準データV1D、V2D、V3Dは、ICの検査工程においてメモリ14に書き込まれる。ICの検査工程において、テスタからICに電源電圧Vddを供給し、その電源電圧Vddの下で出力端子8をグランドとして出力端子9、10、11に現れる基準電圧V1、V2、V3を高精度に実測する。上述したように、基準電圧生成回路5を構成する分圧用の抵抗R1〜R4には製造プロセスでの加工精度などによるばらつきがあるため、基準電圧V1、V2、V3の実測値はICごとにばらついている。
実測後、リファレンス電圧Vref-(0V)を規定値000Hに対応させ、リファレンス電圧Vref+(電源電圧Vdd)を規定値FFFHに対応させ、A/D変換装置1の入出力特性が完全に線形であるとして基準電圧V1、V2、V3に対応する理想A/D変換値を演算し、それらを基準データV1D、V2D、V3Dとする。リファレンス電圧Vref+(電源電圧Vdd)がばらつく虞がある場合には、出力端子12の電圧Vref+も実測し、その実測した電圧Vref+を規定値FFFHに対応させた上で上記基準データV1D、V2D、V3Dを求めればよい。なお、実際の補正演算は15ビットで行い、最終結果のLSB側3ビットを切り捨てて12ビットのA/D変換値を得るので、実際の規定値と基準データは15ビットである(従って、実際の第2規定値は7FFFHとなる)。
図7は、補正制御回路13が実行する補正演算の説明図であり、図7(a)は1次近似演算を用いた補正例を示している。すなわち、信号電圧Vsに対しA/D変換器4が出力したA/D変換値をADとすると、レジスタ15に記憶されている補正データのうちA/D変換値ADを挟み込む2つの補正データ(この例ではV3AとVref+A)と、これら2つの補正データにそれぞれ対応する基準データまたは規定値(この例ではV3Dと7FFFH)を読み出す。そして、(1)式の関係式の下で、補正後のA/D変換値ADF(15ビット)を(2)式により求め、最終的に下位3ビットを切り捨てる(図4も参照)。図7(a)に示す実線は近似1次直線を示し、一点鎖線は補正後のA/D変換装置1全体としてのA/D変換特性を示している。
図7(b)は、2次近似演算を用いた補正例を示している。レジスタ15に記憶されている補正データのうちA/D変換値ADを挟み込む3つの補正データ(この例ではV1AとV2AとV3A)と、これら3つの補正データにそれぞれ対応する基準データまたは規定値(この例ではV1DとV2DとV3D)を読み出す。そして、この3つの基準点(V1A,V1D)、(V2A,V2D)、(V3A,V3D)に基づいて、(3)式で示す2次式の係数a、b、cを算出し、A/D変換器4が出力したA/D変換値ADをxに代入してyつまり補正後のA/D変換値を求める。図7(b)に示す実線は近似2次曲線を示し、一点鎖線は補正後のA/D変換装置1全体としてのA/D変換特性を示している。
以上説明したように、本実施形態のA/D変換装置1は、パルス位相差符号化回路18を用いたA/D変換器4を備えているので、小型、高分解能であり、フィルタ作用が得られる。また、信号電圧Vsに対しA/D変換器4が出力するA/D変換値を、リファレンス電圧Vref-、Vref+、基準電圧V1、V2、V3に対しA/D変換器4がそれぞれ出力する補正データVref-A、Vref+A、V1A、V2A、V3A、基準電圧V1、V2、V3に対応する基準データV1D、V2D、V3D、およびリファレンス電圧Vref-、Vref+に対応する規定値000H、FFFHに基づいて補正するので、A/D変換器4の持つ非直線性誤差を低減することができる。
従来から行われている補正では、基準電圧V1、V2、V3に対する基準データを一定値としていた。これに対し、本実施形態では、基準電圧生成回路5で生成された基準電圧V1、V2、V3をIC検査工程で実際に測定し、その実測した基準電圧V1、V2、V3に対応する理想A/D変換値を求めて基準データV1D、V2D、V3Dとしてメモリ14に書き込む。そして、補正制御回路13は、信号電圧Vsに対しA/D変換器4が出力するA/D変換値を、上記補正データ、理想A/D変換値である基準データV1D、V2D、V3Dおよび上記規定値000H、FFFHを用いて補正するので、製造プロセスでの加工精度などにより抵抗分圧比にばらつきが存在しても、その抵抗分圧比の誤差を含まない高精度のA/D変換値が得られる。
基準電圧生成回路5は、リファレンス電圧Vref+とVref-の差電圧をほぼ等分に分圧してなる基準電圧V1、V2、V3を生成するので、A/D変換器4の入力電圧範囲においてほぼ一定電圧ごとに上記基準点による完全な補正が可能となり、データ補正後のA/D変換値の最大誤差を低減することができる。なお、出力端子8〜12がモールドパッケージの端子である場合には、組立工程後の検査工程で基準電圧V1、V2、V3を測定することにより、モールドによる応力が加わった状態での電圧を測定でき、より高精度のA/D変換値が得られる。
A/D変換装置1は、選択回路3のスイッチSW1〜SW6を切り替えることにより、外部からの信号電圧Vsに対するA/D変換の合間に、リファレンス電圧Vref-、Vref+および基準電圧V1、V2、V3に対するA/D変換を実行して最新の補正データVref-A、Vref+A、V1A、V2A、V3Aを得るので、リファレンス電圧Vref+が変動しても高精度のA/D変換値が得られる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図8ないし図12を参照しながら説明する。
本実施形態のA/D変換装置は、図1に示すA/D変換器4に替えてA/D変換器46を備えた点において第1の実施形態と異なっている。図1に示すその他の構成部分は第1の実施形態と同様である。A/D変換器46は、図8に示すようにパルス位相差符号化回路47を備えているが、リングディレイライン35の反転ゲート35aおよびNANDゲート35bに一定の電源電圧を与え、信号PAのパルス幅を入力電圧Vinに応じて変化させることによりA/D変換値TDOを得るようになっている。
次に、本発明の第2の実施形態について図8ないし図12を参照しながら説明する。
本実施形態のA/D変換装置は、図1に示すA/D変換器4に替えてA/D変換器46を備えた点において第1の実施形態と異なっている。図1に示すその他の構成部分は第1の実施形態と同様である。A/D変換器46は、図8に示すようにパルス位相差符号化回路47を備えているが、リングディレイライン35の反転ゲート35aおよびNANDゲート35bに一定の電源電圧を与え、信号PAのパルス幅を入力電圧Vinに応じて変化させることによりA/D変換値TDOを得るようになっている。
A/D変換器46は、パルス位相差符号化回路47、入力処理回路48、ランプ波形発生回路49、電圧−時間変換回路50および制御回路51から構成されている。これらの回路は、電源線52、53から電源電圧Vdd(本実施形態では5V)の供給を受けて動作するようになっている。以下、これらの各回路の構成について説明する。
図9は、入力処理回路48の回路構成を示している。入力処理回路48は、制御回路51から出力されるスタート信号ADstartに従って入力電圧Vinをサンプル・ホールドするサンプル・ホールド回路54と、ホールドされた入力電圧Vin(0V〜5V)をより狭い電圧範囲(1.25V〜3.75V)に変換する電圧変換回路55とから構成されている。
サンプル・ホールド回路54は、ホールド用のコンデンサC1、オペアンプ56およびアナログスイッチ57〜59を主体に構成されている。入力電圧Vinは、アナログスイッチ57とコンデンサC1とを介してオペアンプ56の反転入力端子に入力されており、コンデンサC1の両端子とオペアンプ56の出力端子との間にはそれぞれアナログスイッチ58、59が接続されている。オペアンプ56の非反転入力端子には、基準電圧生成回路5(図1参照)で生成された基準電圧V2が与えられている。アナログスイッチ57〜59の制御端子には、図に示すようにインバータ60、61を介してスタート信号ADstartが与えられている。
電圧変換回路55において、電源線52と53との間には抵抗R7とR8とが直列に接続されており、抵抗R7とR8との共通接続点と上記オペアンプ56の出力端子との間には抵抗R9が接続されている。上記共通接続点の電圧は、電圧−時間変換回路50の入力電圧Vinhとなる。抵抗R7〜R9の抵抗値(符号と同じくR7〜R9で表す)は、例えば次の(4)式の関係を有している。
R7=R8=2・R9 …(4)
R7=R8=2・R9 …(4)
図10は、ランプ波形発生回路49と電圧−時間変換回路50の回路構成を示している。ランプ波形発生回路49は、コンデンサC2を定電流で充電することにより、一定の傾きで増加するランプ波形電圧VLを生成するものである。すなわち、電源線52と53との間には、トランジスタQ1と抵抗R10並びに抵抗R11とトランジスタQ2とコンデンサC2がそれぞれ直列に接続されている。コンデンサC2には、電荷放電用のトランジスタQ3が並列に接続されており、そのゲートには後述するリセット信号CN1が与えられるようになっている。オペアンプ62は、トランジスタQ2のゲート電圧を制御して定電流を流すために設けられ、その非反転入力端子はトランジスタQ2のソースに接続され、反転入力端子はトランジスタQ1のドレインおよびゲートに接続されている。
電圧−時間変換回路50は、入力処理回路48から入力した入力電圧Vinh、ランプ波形発生回路49から入力したランプ波形電圧VLおよび制御回路51から入力したスタート信号ADstartとイネーブル信号ENに基づいて、信号PA、PBを生成し出力するようになっている。この電圧−時間変換回路50は、3つのDフリップフロップ63〜65を備えている。これらDフリップフロップ63〜65のデータ入力端子Dは全て電源線52に接続されており、各リセット入力端子/RにはそれぞれANDゲート66〜68からリセット信号が与えられるようになっている。Dフリップフロップ64のクロック入力端子CKにはスタート信号ADstartが入力されており、ANDゲート66〜68の入力端子にはイネーブル信号ENが入力されている。
Dフリップフロップ63は、入力電圧Vinhとランプ波形電圧VLとが一致した時に幅狭のパルス信号P1を出力するものである。このパルス信号P1はそのまま信号PBとして出力される。また、Dフリップフロップ64と65は、パルス信号P1(PB)のダウンエッジに同期して、トランジスタQ3に対するリセット信号CN1を生成するものである。
上述した幅狭のパルス信号P1を生成するため、Dフリップフロップ63の出力端子Qは、奇数個のインバータが直列接続されてなる遅延回路69を介してANDゲート66の入力端子に接続されている。同様に、幅狭のパルス信号P2を生成するDフリップフロップ65も遅延回路70を備えている。コンパレータ71は、入力電圧Vinhとランプ波形電圧VLとを比較するもので、その出力端子はDフリップフロップ63のクロック入力端子CKに接続されている。
Dフリップフロップ63の出力端子Qは、インバータ72を介してDフリップフロップ65のクロック入力端子CKに接続されており、そのDフリップフロップ65の出力端子Qは、インバータ73を介してANDゲート67の入力端子に接続されている。また、Dフリップフロップ64の出力端子Qは、インバータ74を介してトランジスタQ3のゲートに接続されている。インバータ74の出力信号が上記リセット信号CN1である。
次の、本実施形態の作用について図11および図12も参照しながら説明する。
図11は、A/D変換器46によるA/D変換動作の波形図であり、上から順に入力電圧Vin、イネーブル信号EN、スタート信号ADstart、ランプ波形電圧VL、信号P1、信号P2、信号PA、信号PB、A/D変換値TDOを示している。制御回路51は、イネーブル信号ENをHレベルにした状態で、周期ADtごとにスタート信号ADstart(変換制御信号に相当)をLレベルからHレベルにすることで、連続的にA/D変換を実行する。
図11は、A/D変換器46によるA/D変換動作の波形図であり、上から順に入力電圧Vin、イネーブル信号EN、スタート信号ADstart、ランプ波形電圧VL、信号P1、信号P2、信号PA、信号PB、A/D変換値TDOを示している。制御回路51は、イネーブル信号ENをHレベルにした状態で、周期ADtごとにスタート信号ADstart(変換制御信号に相当)をLレベルからHレベルにすることで、連続的にA/D変換を実行する。
スタート信号ADstartがLレベルにある時、サンプル・ホールド回路54のアナログスイッチ57、59はオン、アナログスイッチ58はオフとなっており、コンデンサC1は入力電圧Vinにより充電されている(サンプリング状態)。その後、スタート信号ADstartがLレベルからHレベルになると、サンプル・ホールド回路54のアナログスイッチ57、59がオフ、アナログスイッチ58がオンとなり、入力電圧Vinがホールドされる(ホールド状態)。ホールドされた入力電圧Vinhは、電圧変換回路55を通して電圧−時間変換回路50に与えられる。
また、スタート信号ADstartがLレベルからHレベルになると、信号PAがLレベルからHレベル、リセット信号CN1がHレベルからLレベルになり、ランプ波形発生回路49においてトランジスタQ3がオフする。これにより、コンデンサC2はVth(Q1)/R11(Vth(Q1):トランジスタQ1のしきい値電圧)なる定電流で充電され、ランプ波形電圧VLはVth(Q1)/(C・R11)なる一定の傾きで基準電圧0Vからリニアに増加する。
その後、ランプ波形電圧VLが入力電圧Vinh(図11ではVinh1、Vinh2、Vinh3、…)に等しくなると、コンパレータ71の出力信号がLレベルからHレベルに変化し、信号P1(PB)が一時的にHレベルになる。第1の実施形態で説明したように、この信号PBに同期して、Dフリップフロップ37はカウンタ36のカウント値を保持し、パルスセレクタ38およびエンコーダ39はパルス信号の位置を示す信号を出力する。そして、減算回路40は、Dフリップフロップ37からのデータとエンコーダ39からのデータを合成してA/D変換値TDOを出力する。
信号P1がHレベルからLレベルに戻ると、信号P2が一時的にHレベルとなり、Dフリップフロップ64がリセットされる。これにより、リセット信号CN1がLレベルからHレベルに変化し、ランプ波形発生回路49においてトランジスタQ3がオンとなる。その結果、ランプ波形電圧VLは、短時間のうちに0Vにまで放電される。その後、制御回路51は、スタート信号ADstartをHレベルからLレベルに戻す。ここで、信号PAの立ち上がりが第1信号に相当し、信号PAの立ち下がりが第2信号に相当する。
補正制御回路13によるA/D変換値の補正方法は第1の実施形態と同じである。図12は、図6と同様にして補正前と補正後のA/D変換の入出力特性を示したものである。A/D変換器46は、A/D変換器4とは異なりリングディレイライン35に一定の電源電圧が与えられているので、パルス位相差符号化回路47に固有の非直線性誤差が非常に小さくなる。従って、A/D変換器46の入出力特性(補正前)は、ランプ波形電圧VLの直線性と同程度の直線性を有することになり、ランプ波形電圧VLの直線性を高めることにより直線性誤差の少ない高精度のA/D変換値が得られる。
本実施形態のA/D変換装置は、このA/D変換器46が出力するA/D変換値を補正制御回路13により補正するので、図7(a)に示した1次近似演算を用いた補正であっても補正後の入出力特性は極めて直線性が高く、基準電圧生成回路5の抵抗分圧比の誤差を含まない極めて高精度のA/D変換値が得られる。その他、本実施形態によっても第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(第3の実施形態)
次に、上述した第1の実施形態に変更を加えた第3の実施形態について図13を参照しながら説明する。
メモリ14a、14b、14c(第1記憶手段に相当)には、低温用、室温用、高温用の基準データV1D、V2D、V3Dがそれぞれ記憶されている。これら3組の基準データV1D、V2D、V3Dは、A/D変換装置が内蔵されたICの動作温度範囲を低温、室温、高温の3つの温度領域に区分し、ICの検査工程において当該ICを上記各温度領域の代表温度(例えば中央値)に保った状態で実測した基準電圧V1、V2、V3に対する理想A/D変換値である。
次に、上述した第1の実施形態に変更を加えた第3の実施形態について図13を参照しながら説明する。
メモリ14a、14b、14c(第1記憶手段に相当)には、低温用、室温用、高温用の基準データV1D、V2D、V3Dがそれぞれ記憶されている。これら3組の基準データV1D、V2D、V3Dは、A/D変換装置が内蔵されたICの動作温度範囲を低温、室温、高温の3つの温度領域に区分し、ICの検査工程において当該ICを上記各温度領域の代表温度(例えば中央値)に保った状態で実測した基準電圧V1、V2、V3に対する理想A/D変換値である。
IC内には、定電流回路75とダイオードD1〜D3との直列回路からなる温度検出回路76(温度検出手段に相当)が形成されている。ダイオードD1〜D3の順方向電圧3・Vfは温度に応じて変化する。この順方向電圧をA/D変換器4(および補正制御回路13)を介して判定ロジック77に入力する。判定ロジック77は、入力した電圧に基づいて温度を検出し、その検出温度が属する温度領域の基準データV1D、V2D、V3Dを読み出し可能なようにマルチプレクサ78に対し切替信号を出力する。
例えば、検出温度が低温領域である場合、マルチプレクサ78はメモリ14a側に切り替えられ、補正制御回路13は、メモリ14aから読み出した低温用の基準データV1D、V2D、V3Dを用いてA/D変換値を補正する。検出温度が室温領域である場合、検出温度が高温領域である場合も同様である。
本実施形態によれば、基準電圧生成回路5において生成される基準電圧V1、V2、V3が温度に応じて変化する場合であっても、その温度特性まで含めたA/D変換値の補正が可能となる。なお、本実施形態の構成は、第2の実施形態についても同様に適用できる。また、ICの動作温度範囲を2つまたは4つ以上の温度領域に区分してもよい。区分数が増えるほど高精度のA/D変換値が得られる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について図14ないし図16を参照しながら説明する。
図14は、A/D変換装置の全体構成を示しており、図1と同一部分には同一符号を付している。このA/D変換装置79において、入力端子2は、選択回路3のスイッチSW1を介して2つのレベルシフト回路80、81に接続されている。レベルシフト回路80(第1レベルシフト回路に相当)は、入力電圧V0をVt1(第1オフセット電圧に相当)だけ低電位側にシフトして出力するもので、レベルシフト回路81(第2レベルシフト回路に相当)は、入力電圧V0をVt2(第2オフセット電圧に相当)だけ高電位側にシフトして出力するものである。
次に、本発明の第4の実施形態について図14ないし図16を参照しながら説明する。
図14は、A/D変換装置の全体構成を示しており、図1と同一部分には同一符号を付している。このA/D変換装置79において、入力端子2は、選択回路3のスイッチSW1を介して2つのレベルシフト回路80、81に接続されている。レベルシフト回路80(第1レベルシフト回路に相当)は、入力電圧V0をVt1(第1オフセット電圧に相当)だけ低電位側にシフトして出力するもので、レベルシフト回路81(第2レベルシフト回路に相当)は、入力電圧V0をVt2(第2オフセット電圧に相当)だけ高電位側にシフトして出力するものである。
マルチプレクサ82は、レベルシフト回路80の出力電圧Vaとレベルシフト回路81の出力電圧Vbの何れか一方を制御信号S1に従って選択し、その選択した電圧VinをA/D変換器4に対し出力するようになっている。
補正制御回路83(補正演算手段に相当)は、選択回路3のスイッチSW1〜SW6を切り替えることにより、リファレンス電圧Vref-、Vref+および基準電圧V1、V2、V3を対象として所定の順序で選択した電圧と信号電圧Vsとを交互にA/D変換器4に入力してA/D変換値を得る。レベル判定回路84は、上記マルチプレクサ82とともに選択回路85を構成し、補正制御回路83から出力される制御信号S2、S3に応じて、マルチプレクサ82に対してレベルシフト回路80、81の選択を指令する制御信号S1を出力するようになっている。
すなわち、補正制御回路83は、リファレンス電圧Vref-および基準電圧V1、V2をA/D変換する場合には、レベル判定回路84に対し制御信号(S2,S3)=(*,1)を出力する。レベル判定回路84は、マルチプレクサ82に対しレベルシフト回路81の選択を指令する制御信号S1(例えば0)を出力し、A/D変換値Vref-P、V1P、V2Pを補正データとしてレジスタ15に記憶する。ここで、0はLレベル、1はHレベル、*はLレベルまたはHレベルの何れかであることを表している。
また、補正制御回路83は、基準電圧V2、V3およびリファレンス電圧Vref+をA/D変換する場合には、レベル判定回路84に対し制御信号(S2,S3)=(1,0)を出力する。レベル判定回路84は、マルチプレクサ82に対しレベルシフト回路80の選択を指令する制御信号S1(例えば1)を出力し、A/D変換値V2N、V3N、Vref+Nを補正データとしてレジスタ15に記憶する。
さらに、補正制御回路83は、入力電圧VsをA/D変換する場合には、レベル判定回路84に対し制御信号(S2,S3)=(0,0)を出力する。レベル判定回路84は、入力電圧V0(=Vs)が基準電圧V2以上の場合には、マルチプレクサ82に対しレベルシフト回路80の選択を指令する制御信号S1(=1)を出力し、入力電圧V0(=Vs)が基準電圧V2未満の場合には、マルチプレクサ82に対しレベルシフト回路81の選択を指令する制御信号S1(=0)を出力する。
基準電圧生成回路5、補正制御回路83、メモリ14、レジスタ15、レベルシフト回路80、81および選択回路85によりA/D変換器4のデータ補正回路86が構成されている。
基準電圧生成回路5、補正制御回路83、メモリ14、レジスタ15、レベルシフト回路80、81および選択回路85によりA/D変換器4のデータ補正回路86が構成されている。
続いて、図15を参照しながら、上記レベルシフト回路80、81、マルチプレクサ82およびレベル判定回路84の具体的な回路構成を説明する。レベルシフト回路80は、トランジスタQ12を用いたソースフォロア回路であり、そのゲートとドレインとの間には、ボルテージフォロアの接続形態を持つオペアンプ87が接続されている。トランジスタQ12のソースと電源線7との間には定電流回路として動作するトランジスタQ13が接続されている。シフト電圧Vt1はトランジスタQ11のゲート・ソース間電圧に等しく、レベルシフト回路80の出力電圧VaはV0−Vt1となる。
同様に、レベルシフト回路81は、トランジスタQ14を用いたソースフォロア回路であり、そのゲートとドレインとの間には、ボルテージフォロアの接続形態を持つオペアンプ88が接続されている。トランジスタQ14のソースと電源線6との間には定電流回路として動作するトランジスタQ15が接続されている。シフト電圧Vt2はトランジスタQ14のゲート・ソース間電圧に等しく、レベルシフト回路81の出力電圧VbはV0+Vt2となる。
定電流生成回路89は、上記トランジスタQ13、Q15を定電流回路として動作させるための基準の定電流を生成するものであり、カレントミラー回路を構成するトランジスタQ16、Q17、トランジスタQ16と電源線7との間に接続された抵抗R12、およびトランジスタQ17と電源線7との間に接続されたトランジスタQ18から構成されている。
マルチプレクサ82は、レベルシフト回路80とA/D変換器4の間に設けられたアナログスイッチ90、レベルシフト回路81とA/D変換器4の間に設けられたアナログスイッチ91、およびインバータ92から構成されている。レベル判定回路84からの制御信号S1は、直接またはインバータ92を介してアナログスイッチ90、91に与えられ、制御信号S1が1のときにはアナログスイッチ90がオン、アナログスイッチ91がオフとなり、制御信号S1が0のときにはアナログスイッチ90がオフ、アナログスイッチ91がオンとなる。
レベル判定回路84は、入力電圧V0と基準電圧V2とを比較するコンパレータ93を備えている。コンパレータ93の出力信号は、ORゲート94を通してANDゲート95に入力されている。ORゲート94の他方の入力端子には制御信号S2が入力され、ANDゲート95の他方の入力端子にはインバータ96を通して制御信号S3が入力されるようになっている。
図16は、図6と同様にして補正前と補正後のA/D変換の入出力特性を示したものである。外部からの信号電圧VsをA/D変換する場合、マルチプレクサ82は、入力電圧V0がV2以上の場合にはレベルシフト回路80の出力電圧Vaを選択し、入力電圧V0がV2未満の場合にはレベルシフト回路81の出力電圧Vbを選択する。このような電圧シフト制御により、信号電圧Vsの入力電圧範囲は、A/D変換器4自体の[0V〜Vref+]から[−Vt2〜Vref++Vt1]に拡大することができる。図中に示す曲線La、Lbは、それぞれレベルシフト回路80の出力電圧Va、レベルシフト回路81の出力電圧VbをA/D変換した補正前の入出力特性を示している。
補正制御回路83は、補正データVref-Pと規定値000H、補正データV1Pと基準データV1D、補正データV2Pと基準データV2D、補正データV2Nと基準データV2D、補正データV3Nと基準データV3D、補正データVref+Nと規定値FFFHとの対応関係に基づいて、信号電圧Vsに対しA/D変換器4が出力するA/D変換値を1次補正する。図中に示す曲線Lcは、補正後のA/D変換装置全体としての入出力特性を示している。
本実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、信号電圧Vsの入力電圧範囲を−Vt2からVref++Vt1までの範囲に拡大することができる。その結果、1LSBあたりの電圧値は上記各実施形態のものと同じであるが、入力電圧範囲が拡大したことにより実質的にA/D変換器の分解能を高めたのと同等の効果が得られる。なお、補正制御回路83が実行する補正は、2次近似演算を用いた補正であってもよい。
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に示す各実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように変形または拡張が可能である。
A/D変換器は、上述した方式に限られず例えば積分型であってもよい。本発明に係るデータ補正回路は、特温度特性や非直線性誤差が大きいA/D変換器に対し適用するとより大きな効果が得られる。
なお、本発明は上記し且つ図面に示す各実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように変形または拡張が可能である。
A/D変換器は、上述した方式に限られず例えば積分型であってもよい。本発明に係るデータ補正回路は、特温度特性や非直線性誤差が大きいA/D変換器に対し適用するとより大きな効果が得られる。
第2の実施形態において、2次近似演算を用いた補正を行ってもよい。
第4の実施形態において、A/D変換器4に替えてA/D変換器46を用いてもよい。
電圧Vref-、Vref+、V1、V2、V3を対象として所定の順序で選択した電圧と信号電圧Vsとを交互にA/D変換器4、46に入力してA/D変換値を得る場合、信号電圧Vsを連続して所定回数だけA/D変換するごとに上記選択した電圧をA/D変換するようにしてもよい。
第4の実施形態において、A/D変換器4に替えてA/D変換器46を用いてもよい。
電圧Vref-、Vref+、V1、V2、V3を対象として所定の順序で選択した電圧と信号電圧Vsとを交互にA/D変換器4、46に入力してA/D変換値を得る場合、信号電圧Vsを連続して所定回数だけA/D変換するごとに上記選択した電圧をA/D変換するようにしてもよい。
4、46はA/D変換器、5は基準電圧生成回路、14、14a、14b、14cはメモリ(第1記憶手段)、15はレジスタ(第2記憶手段)、13、83は補正制御回路(補正演算手段)、16、86はデータ補正回路、19は制御回路、35はリングディレイライン(パルス周回回路)、35aは反転ゲート(ゲート)、35bはNANDゲート(ゲート)、36はカウンタ、38はパルスセレクタ(周回位置検出回路)、39はエンコーダ(周回位置検出回路)40は減算回路(データ合成回路)、49はランプ波形発生回路、50は電圧−時間変換回路、76は温度検出回路(温度検出手段)、80はレベルシフト回路(第1レベルシフト回路)、81はレベルシフト回路(第2レベルシフト回路)、85は選択回路である。
Claims (9)
- A/D変換器から出力されるA/D変換値を補正するA/D変換器のデータ補正回路において、
第1規定電圧と第2規定電圧との差電圧を抵抗分圧して基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、
前記第1規定電圧に対するA/D変換値を所定の第1規定値に対応させ、前記第2規定電圧に対するA/D変換値を所定の第2規定値に対応させた場合に、実測された前記基準電圧に対応する理想A/D変換値を基準データとして記憶する第1記憶手段と、
前記第1規定電圧、前記第2規定電圧、前記基準電圧をそれぞれ前記A/D変換器の入力電圧としたときに前記A/D変換器から出力されるA/D変換値を補正データとして記憶する第2記憶手段と、
前記A/D変換器から出力されるA/D変換値を、前記補正データ、前記基準データ、前記第1規定値および前記第2規定値に基づいて補正する補正演算手段とを備えたことを特徴とするA/D変換器のデータ補正回路。 - 前記補正演算手段は、前記補正データのうち前記A/D変換器から出力されるA/D変換値を挟み込む2つの補正データとこれら2つの補正データにそれぞれ対応する前記基準データ、前記第1規定値または前記第2規定値とに基づいて1次近似演算を行うことにより、前記A/D変換器から出力されるA/D変換値を補正することを特徴とする請求項1記載のA/D変換器のデータ補正回路。
- 前記補正演算回路は、前記補正データのうち前記A/D変換器から出力されるA/D変換値を挟み込む3つの補正データとこれら3つの補正データにそれぞれ対応する前記基準データ、前記第1規定値または前記第2規定値とに基づいて2次近似演算を行うことにより、前記A/D変換器から出力されるA/D変換値を補正することを特徴とする請求項1記載のA/D変換器のデータ補正回路。
- 前記第1規定電圧、前記第2規定電圧および前記基準電圧を対象として所定の順序で選択した電圧とアナログ信号入力電圧とを交互に前記A/D変換器に入力し、前記第1規定電圧、前記第2規定電圧および前記基準電圧を前記A/D変換器に入力してA/D変換したときに前記A/D変換器から出力されるA/D変換値を前記補正データとして前記第2記憶手段に記憶するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載のA/D変換器のデータ補正回路。
- 前記基準電圧生成回路は、前記第1規定電圧と前記第2規定電圧の差電圧をほぼ等分に分圧してなる基準電圧を生成することを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載のA/D変換器のデータ補正回路。
- 前記基準電圧生成回路の温度を検出する温度検出手段を備え、
前記第1記憶手段は、前記基準電圧生成回路の動作温度範囲を複数の温度領域に区分した場合の当該各温度領域ごとに、前記基準電圧生成回路が当該各温度領域を代表する温度にあるときに実測された前記基準電圧に対応する理想A/D変換値を基準データとして記憶し、
前記補正演算手段は、前記第1記憶手段に記憶されている基準データのうち、前記温度検出手段により検出された温度が属する温度領域の基準データを用いて前記A/D変換器から出力されるA/D変換値を補正することを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載のA/D変換器のデータ補正回路。 - 前記A/D変換器は、
パルス信号が周回するように複数のゲートがリング状に連結され、各ゲートの電源ラインにA/D変換対象の入力電圧が印加されるパルス周回回路と、
このパルス周回回路におけるパルス信号の周回回数をカウントするカウンタと、
前記パルス周回回路内におけるパルス信号の周回位置を検出し、その周回位置に応じたデータを出力する周回位置検出回路と、
この周回位置検出回路の周回位置データと前記カウンタのカウントデータとを合成したデジタルデータをA/D変換値として出力するデータ合成回路と、
前記パルス周回回路にパルス信号の周回動作を開始させた後、所定のサンプリング時間が経過した時点における前記カウンタのカウント値および前記周回位置検出回路の周回位置データが前記データ合成回路に与えられるように制御する制御回路とを備えていることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載のA/D変換器のデータ補正回路。 - 前記A/D変換器は、
一定の周期を有する変換制御信号に同期して一定の傾きで増加または減少するランプ波形電圧を発生するランプ波形発生回路と、
前記ランプ波形電圧の発生時および前記ランプ波形電圧がA/D変換対象の入力電圧に一致した時にそれぞれ第1信号および第2信号を出力する電圧−時間変換回路と、
複数のゲートがリング状に連結され、前記第1信号の出力時から前記第2信号の出力時までの期間パルス信号が周回するパルス周回回路と、
このパルス周回回路におけるパルス信号の周回回数をカウントするカウンタと、
前記第2信号が出力された時の前記パルス周回回路内におけるパルス信号の周回位置を検出し、その周回位置に応じたデータを出力する周回位置検出回路と、
この周回位置検出回路の周回位置データと前記カウンタのカウントデータとを合成したデジタルデータをA/D変換値として出力するデータ合成回路とを備えていることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載のA/D変換器のデータ補正回路。 - A/D変換対象の入力電圧を第1オフセット電圧だけ低電位側にシフトして出力する第1レベルシフト回路と、
前記A/D変換対象の入力電圧を第2オフセット電圧だけ高電位側にシフトして出力する第2レベルシフト回路と、
前記A/D変換対象の入力電圧が所定の判定しきい値以上である場合には前記第1レベルシフト回路から出力される電圧を選択し、前記A/D変換対象の入力電圧が前記判定しきい値未満である場合には前記第2レベルシフト回路から出力される電圧を選択する選択回路とを備え、
前記A/D変換器は、前記選択回路により選択された電圧を入力し所定の入力電圧範囲の下でA/D変換し、
前記補正演算手段は、前記選択回路の選択状態に応じて前記A/D変換器から出力されるA/D変換値を補正することを特徴とする請求項1ないし8の何れかに記載のA/D変換器のデータ補正回路。
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KR101681288B1 (ko) * | 2015-07-13 | 2016-11-29 | 엘에스산전 주식회사 | 전력기기의 오차보정방법 |
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JP2017118314A (ja) * | 2015-12-24 | 2017-06-29 | 株式会社デンソー | 電子制御装置 |
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