JP2007311647A - 固体撮像素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機光電変換層を一対の電極で挟んだ構成の光電変換素子を有する固体撮像素子において、低いバイアス電圧でも良好な撮像を行うことが可能な固体撮像素子を提供する。
【解決手段】半導体基板上方に形成された下部電極と、前記下部電極上方に形成された上部電極と、前記下部電極と前記上部電極との間に形成された有機光電変換層を含む中間層とを有する光電変換素子と、前記光電変換素子で発生した信号電荷に応じた信号を外部に読み出す信号読み出し部とを備える固体撮像素子であって、
前記下部電極と前記上部電極間に0.1V以上3V以下のバイアス電圧を印加して撮像を行った場合に、前記有機光電変換層で吸収する光の波長域での外部量子効率が1%以上となる固体撮像素子。
【選択図】図4

Description

本発明は、半導体基板上方に形成された下部電極と、前記下部電極上方に形成された上部電極と、前記下部電極と前記上部電極との間に形成された有機光電変換層を含む中間層とを有する光電変換素子と、前記光電変換素子で発生した信号電荷に応じた信号を外部に読み出す信号読み出し部とを備える固体撮像素子に関する。
従来の光センサは、シリコン(Si)などの半導体基板中にフォトダイオード(PD)を形成して作成した素子が一般的であり、固体撮像素子としては、半導体基板中にPDを2次元的に配列し、各PDで光電変換により発生した信号電荷に応じた信号をCCDやCMOS回路で読み出す平面型固体撮像素子が広く用いられている。カラー固体撮像素子を実現する方法としては、平面型固体撮像素子の光入射面側に、色分離用に特定の波長の光のみを透過するカラーフィルタを配した構造が一般的であり、特に、現在デジタルカメラなどに広く用いられている方式として、2次元的に配列した各PD上に、青色(B)光、緑色(G)光、赤色(R)光をそれぞれ透過するカラーフィルタを規則的に配した単板式固体撮像素子がよく知られている。
ただし、単板式固体撮像素子においては、カラーフィルタが限られた波長の光のみしか透過しないため、カラーフィルタを透過しなかった光が利用されず光利用効率が悪い。また、高集積化に伴い、PDのサイズが光の波長と同程度のサイズとなり、光がPDに導波されにくくなる。また、青色光、緑色光、赤色光を、近接するそれぞれ別々のPDで検出した後それらを演算処理することによって色再現するため、偽色が生じることがあり、この偽色を回避するために光学的ローパスフィルタを必要とし、このフィルタによる光損失も生じる。
従来、これらの欠点を解決する素子として、シリコンの吸収係数の波長依存性を利用して、シリコン基板内に3つのPDを積層し、それぞれのPDのpn接合面の深さの差によって色分離を行うカラーセンサが報告されている(特許文献1,2,3参照)。しかしながら、この方式では、積層されたPDでの分光感度の波長依存性がブロードであり、色分離が不十分であるという問題点がある。特に、青色と緑色の色分離が不十分である。
この問題点を解決するために、緑色光を検出してこれに応じた信号電荷を発生する有機光電変換素子をシリコン基板上方に設け、シリコン基板内に積層した2つのPDで青色光と赤色光を検出するというセンサが提案されている(特許文献4参照)。シリコン基板上方に設けられる有機光電変換素子は、シリコン基板上に積層された下部電極と、下部電極上に積層された有機材料からなる光電変換層と、光電変換層上に積層された上部電極とを含んで構成されており、下部電極及び上部電極間にバイアス電圧を印加することで、光電変換層内で発生した電荷が下部電極と上部電極に移動し、いずれかの電極に移動した電荷に応じた信号が、シリコン基板内に設けられたCCDやCMOS回路等で読み出される構成となっている。本明細書において、光電変換層とは、そこに入射した特定の波長の光を吸収し、吸収した光量に応じた電荷(電子及び正孔)を発生する層のことを言う。
米国特許第5965875号明細書 米国特許第6632701号明細書 特開平7−38136号公報 特開2003−332551号公報
有機光電変換素子としては、有機薄膜太陽電池等に用いられる従来の有機光電変換素子を転用することが考えられる。これらは外部バイアスの印加無く電荷を取り出す必要があるため、一般に有機光電変換層が薄く設計されている。そのため、撮像素子を想定する場合、次のような問題が生じる。
撮像素子を構成するためには、従来の有機光電変換素子とは異なり、有機光電変換層を挟む電極のうち、少なくとも上部の電極に光透過性の高い電極を用いる必要がある。このとき上部の透明電極を有機膜上に直接成膜することになる。透明性の高い電極としては透明導電性酸化物が適当であり、プロセス適性や平滑性の観点からITO(Snがドープされた酸化インジウム)電極等が候補として挙げられる。しかし、これら透明導電性酸化物は一般にスパッタ法により膜形成が行われるため、上部電極として膜形成する際、光電変換層の隙間にスパッタ粒子が潜り込む、または、プラズマにより光電変換層が損傷を受けるといった原因で、素子がショートしやすい。そのため、例えば有機薄膜太陽電池に用いられている従来の有機光電変換素子の上下両方の電極を透明電極としようとした場合、光電変換層が100nm程度と薄いためにショートが頻発し、歩留まりが大きく低下するといった重大な問題が起こる。光電変換層を厚くすることで、ショートを徐々に低減させることができるが、光電変換層が厚い場合、外部バイアス電圧を印加しないと光電変換層に生じたキャリアを十分に電極まで取り出すことができない。
一方、大きな外部バイアス電圧を印加した際にも問題が生じる。有機の光電変換層は真空加熱蒸着法等により形成されるため、有機の光電変換層表面には少なからず凹凸が見られる。このため、大きな外部バイアス電圧を印加すると、局所的に強電界が印加される箇所が生じ、多くの画素欠陥が生じる。欠陥とならない画素についても、局所的な電界が画素によって異なるため、出力信号にバラツキを生じ、ザラツキの目立つ撮像結果となる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、有機光電変換層を一対の電極で挟んだ構成の光電変換素子を有する固体撮像素子において、低いバイアス電圧でも良好な撮像を行うことが可能な固体撮像素子を提供することを目的とする。
(1)半導体基板上方に形成された下部電極と、前記下部電極上方に形成された上部電極と、前記下部電極と前記上部電極との間に形成された有機光電変換層を含む中間層とを有する光電変換素子と、前記光電変換素子で発生した信号電荷に応じた信号を外部に読み出す信号読み出し部とを備える固体撮像素子であって、
前記下部電極と前記上部電極間に0.1V以上3V以下のバイアス電圧を印加して撮像を行った場合に、前記有機光電変換層で吸収する光の波長域での外部量子効率が1%以上となる固体撮像素子。
(2)(1)記載の固体撮像素子であって、前記上部電極が透明電極である固体撮像素子。
(3)(2)記載の固体撮像素子であって、前記下部電極が透明電極である固体撮像素子。
(4)(2)又は(3)記載の固体撮像素子であって、前記透明電極の材料が透明導電性酸化物である固体撮像素子。
(5)(4)記載の固体撮像素子であって、前記透明導電性酸化物がITOである固体撮像素子。
(6)(1)〜(5)のいずれか1つに記載の固体撮像素子であって、前記有機光電変換層がキナクリドン骨格、フタロシアニン骨格、及びアントラキノン骨格のいずれかの材料を含む固体撮像素子。
(7)(1)〜(6)のいずれか1つに記載の固体撮像素子であって、前記中間層の前記上部電極側の表面の平均面粗さRaが1nm以下である固体撮像素子。
(8)(1)〜(7)のいずれか1つに記載の固体撮像素子であって、前記中間層の厚さが150nm以上である固体撮像素子。
(9)(1)〜(8)のいずれか1つに記載の固体撮像素子であって、前記上部電極及び前記下部電極のうち、前記有機光電変換層で発生した電子を取り出すための電極の仕事関数が4.5eV以下である固体撮像素子。
(10)(9)記載の固体撮像素子であって、前記電子を取り出すための電極が、透明な電極と、仕事関数が4.5eV以下の金属薄膜との2層構造であり、
前記金属薄膜は、前記中間層と前記透明な電極との間に位置する固体撮像素子。
(11)(10)記載の固体撮像素子であって、前記金属薄膜がInからなる固体撮像素子。
(12)(11)記載の固体撮像素子であって、前記Inの厚みが0.5〜10nmである固体撮像素子。
(13)(1)〜(12)のいずれか1つに記載の固体撮像素子であって、前記光電変換素子上に形成され、前記光電変換素子を封止する封止膜を備える固体撮像素子。
(14)(13)記載の固体撮像素子であって、前記封止膜が原子層堆積(ALD)法で成膜されたものである固体撮像素子。
(15)(13)又は(14)記載の固体撮像素子であって、前記封止膜の材料が金属酸化物を含む固体撮像素子。
(16)(15)記載の固体撮像素子であって、前記金属酸化物がAlである固体撮像素子。
(17)(15)又は(16)記載の固体撮像素子であって、前記封止膜が、前記金属酸化物からなる膜と、前記金属酸化物からなる膜上に形成された高分子化合物からなる膜との2層構造である固体撮像素子。
(18)(17)記載の固体撮像素子であって、前記高分子化合物がパラキシリレン系樹脂である固体撮像素子。
(19)(1)〜(18)のいずれか1つに記載の固体撮像素子であって、前記光電変換素子が不活性ガス雰囲気中でパッケージ本体内にガラス封止された固体撮像素子。
(20)(19)記載の固体撮像素子であって、前記不活性ガスに含まれる酸素の濃度が0.05%以下である固体撮像素子。
(21)(19)又は(20)記載の固体撮像素子であって、前記不活性ガスの露点が−75℃以下である固体撮像素子。
(22)(1)〜(21)のいずれか1つに記載の固体撮像素子であって、前記信号読み出し部がCMOS回路からなる固体撮像素子。
(23)(1)〜(22)のいずれか1つに記載の固体撮像素子であって、前記半導体基板内に、前記光電変換素子の前記有機光電変換層を透過した光を吸収し、該光に応じた電荷を発生してこれを蓄積する基板内光電変換部を備える固体撮像素子。
(24)(23)記載の固体撮像素子であって、前記基板内光電変換部が、前記半導体基板内に積層されたそれぞれ異なる色の光を吸収する2つのフォトダイオードである固体撮像素子。
(25)(23)記載の固体撮像素子であって、前記基板内光電変換部が、前記半導体基板内の入射光の入射方向に対して垂直な方向に配列されたそれぞれ異なる色の光を吸収する2つのフォトダイオードである固体撮像素子。
(26)(24)又は(25)記載の固体撮像素子であって、前記2つのフォトダイオードが、それぞれ、赤色、青色、及び緑色のいずれかの波長域の光を吸収する光電変換素子。
(27)(1)〜(22)のいずれか1つに記載の固体撮像素子であって、前記光電変換素子が、前記半導体基板上方に複数積層された固体撮像素子。
本発明によれば、有機光電変換層を一対の電極で挟んだ構成の光電変換素子を有する固体撮像素子において、低いバイアス電圧でも良好な撮像を行うことが可能な固体撮像素子を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態を説明するための固体撮像素子パッケージの概略構成を示す断面模式図である。
図1に示す固体撮像素子パッケージは、固体撮像素子チップ200を収容するための収容部500を有する凹状のパッケージ本体100と、パッケージ本体100の開口を塞いで収容部500内に固体撮像素子パッケージ200を封止する封止部材であるガラス板400とを含み、パッケージ本体100の開口の周縁部とガラス板400とが、図示しない樹脂等の接着剤を介して貼り合わせられた構成となっている。
図2は、図1に示す固体撮像素子チップ200の概略構成を示す平面模式図である。
固体撮像素子チップ200は、シリコン等の半導体基板1上に二次元状に配列された多数の画素200bと、多数の画素200bが形成される領域以外の部分に形成された多数の電極パッド200aとを備える。多数の電極パッド200aには、外部機器と固体撮像素子チップ200との電気的接続を行うために配線300がボンディングされている。
図3は、図2に示す1つの画素の概略構成を示す断面模式図である。図4は、図3に示す光電変換素子の拡大図である。
図3に示すように、固体撮像素子チップ200の画素200bは、p型シリコン基板1上方に形成された下部電極11と、下部電極11上に形成された有機光電変換層122を含む中間層12と、中間層12上に形成された上部電極13とからなる光電変換素子を備える。下部電極11は、電極11aと電極11a上に形成された電極11bとの2層構造となっている。下部電極11及び上部電極13間にバイアス電圧を印加することで、有機光電変換層122内で発生した電荷が下部電極11と上部電極13に移動し、いずれかの電極に移動した電荷に応じた信号が、p型シリコン基板1内に設けられたCCDやCMOS回路等の信号読み出し部(図示せず)で読み出される構成となっている。
p型シリコン基板1内には、光電変換素子で発生した信号電荷を蓄積するためのn型の高濃度不純物領域(以下、n+領域という)6が形成されている。p型シリコン基板1上には絶縁膜7が形成されており、n+領域6は、絶縁膜7に開けられた開口に形成されたアルミニウムやタングステン等の金属からなる接続部9を介して下部電極11と電気的に接続されている。n+領域6には、有機光電変換層122で発生して下部電極11に移動した電子が、接続部9を介して蓄積される。
p型シリコン基板1上の絶縁膜7内には遮光膜16が形成されており、この遮光膜16の下方に信号読み出し部が形成される。この遮光膜16により、信号読み出し部に光が入射するのを防ぐことができる。
絶縁層7の上には上述した光電変換素子が形成され、上部電極13上には、光電変換素子を封止するための透明な封止膜15が形成されている。この封止膜15は、光電変換素子の特に有機光電変換層に、酸素や水分等が浸入するのを防ぐためのものである。
図4に示すように、固体撮像素子チップ200bに含まれる光電変換素子の中間層12は、下部電極11上に形成された有機光電変換層122と、有機光電変換層122上に形成された有機光電変換層122表面の凹凸を緩和する平滑層123とを含む。
図4に示す光電変換素子は、有機光電変換層122で発生した電荷のうち、正孔を上部電極13に移動させ、電子を下部電極11に移動させるように、下部電極11及び上部電極13間にバイアス電圧が印加される。
下部電極11は、有機光電変換層122で発生した電子を取り出すための電子取り出し用の電極である。光電変換素子は、後述するが、その下方にも光を透過させる必要がある場合がある。このため、下部電極11は透明な透明電極であることが好ましい。ここで、透明とは、可視域(約420nmから約660nm)の光を全体として80%以上透過することを意味している。透明電極としては、透明導電性酸化物の薄膜が適しており、プロセス適性や平滑性の観点から、ITOを用いることが特に好ましい。又、金属を、可視域の光が透過できる程度に薄く蒸着することで、透明電極を実現することも可能である。下部電極11は、バイアス電圧を制御することで、有機光電変換層122で発生した正孔を取り出すための正孔取り出し用の電極とすることも可能である。下部電極11の材料としては、ITO、IZO、AZO、ZnO2、SnO2、TiO2、FTO、Al、Ag、及びAu等を用いることができる。下部電極11は、多数の画素200b毎に独立して信号を読み出す必要があるため、画素200b毎に分離されている。
上部電極13は、有機光電変換層122で発生した正孔を捕集するための電極である。有機光電変換層122に光を入射させる必要があるため、上部電極13は透明電極であることが好ましい。上部電極13の材料としては、ITO、IZO、AZO、ZnO2、SnO2、TiO2、FTO、Al、Ag、及びAu等を用いることができる。上部電極13は、全画素で共通して用いることができるため、1枚構成の膜であれば良く、画素毎に分離しておく必要はない。
有機光電変換層122は、特定の波長の光を吸収して、吸収した光に応じた電荷を発生する光電変換材料で構成される。有機光電変換層122は単層構造でも多層構造でも良い。光電変換性能の高さから、結晶性の高い有機材料がさらに好ましい。有機光電変換層122を構成する材料としては、キナクリドン骨格、フタロシアニン骨格、及びアントラキノン骨格の材料等が挙げられる。有機光電変換層122として以下の化学式1で示されるキナクリドンを用いた場合には、有機光電変換層122にて緑色の波長域の光を吸収してこれに応じた電荷を発生することが可能となる。有機光電変換層122として以下の化学式2で示される亜鉛フタロシアニンを用いた場合には、有機光電変換層122にて赤色の波長域の光を吸収してこれに応じた電荷を発生することが可能となる。有機光電変換層122として以下の化学式3で示されるアントラキノンAを用いた場合には、有機光電変換層122にて青色の波長域の光を吸収してこれに応じた電荷を発生することが可能となる。有機光電変換層122も、全画素で共通して用いることができるため、1枚構成の膜であれば良く、画素毎に分離しておく必要はない。
平滑層123は、その表面に凹凸の少なく且つ有機光電変換層122をショートさせない材料であれば良く、有機材料や無機材料を用いることができる。特に、アモルファス材料は、その表面に凹凸があまりないため、好ましく用いられる。平滑層123は、有機光電変換層122に光を入射させる必要があるため、透明であることが好ましい。なお、平滑層を導入したことによる効果については、特願2006−45955において詳細に説明されている。
図4に示す光電変換素子では、上部電極13を正孔取り出し用の電極としている。このため、平滑層123を構成する材料は、正孔輸送性材料であることが好ましい。平滑層123に適している正孔輸送性材料としては、トリフェニルアミン構造を有するトリフェニルアミン系の有機材料が挙げられる。トリフェニルアミン系の有機材料としては、トリフェニルアミン構造が星状に繋がっているスターバーストアミン構造を有するスターバーストアミン系の有機材料が挙げられる。トリフェニルアミン系の有機材料としては、以下の化学式4に示したm−MTDATA(4,4',4''-tris(3-methylphenylphenylamino)triphenylamine)や、以下の化学式5に示した材料(アミンAとする)等を用いることができる。スターバーストアミン系の有機材料としては、以下の化学式6に示したTDATA等を用いることができる。
尚、図4に示す光電変換素子において、上部電極13を電子取り出し用の電極とし、下部電極11を正孔取り出し用の電極とした場合、平滑層123を構成する材料は、電子輸送性材料であることが好ましい。平滑層123に適している電子輸送性材料としては、以下の化学式7に示すAlq(Alqtris(8-hydroxyquinolinato)aluminum(III))もしくはその誘導体等を用いることができる。
この平滑層123が存在することにより、上部電極13をスパッタ法によって形成する場合でも、有機光電変換層122表面の凹凸にスパッタ粒子が潜り込むことを防ぐことができる。スパッタ粒子の潜り込みを効果的に防ぐために、平滑層123の上部電極13側の表面の平均面粗さRaが1nm以下であることが好ましい。
又、この平滑層123が存在することにより、平滑層123によって有機光電変換層122がスパッタ時のプラズマに曝されるのを防ぐことができる。又、平滑層123上に上部電極13が形成されるため、上部電極13を平坦に形成することができ、有機光電変換層122内に均一にバイアス電圧を印加することができるようになる。このように、平滑層123を設けたことで、光電変換素子の性能劣化を防ぐことが可能となる。尚、有機光電変換層122の表面に凹凸が多くなるのは、有機光電変換層122が多結晶材料から構成されている場合である。このため、このような構成において平滑層123を設けることが特に効果的である。又、平滑層123は、それ自身、光電変換材料で構成しても良い。多結晶の有機材料としては、上述したキナクリドンが挙げられる。
次に、下部電極11を構成する電極11bの機能について説明する。電極11bにより、下部電極の仕事関数が調整される。なお、電極の仕事関数の調整については、特願2005−251745号において詳細に説明されている。
光電変換層を2つの電極で挟んだ構造の光電変換素子では、特に、ITO等の透明性の高い透明電極を電子取り出し用の電極とした場合、バイアス印加時の暗電流が、電圧1V印加時で10μA/cm2程度とかなり大きなものとなる。
暗電流の原因の一つとして、バイアス印加時に電子取り出し用の電極から光電変換層へと流入する電流が考えられる。ITO透明電極等の透明性の高い電極を電子取り出し用の電極とした場合は、その電極の仕事関数が比較的大きいことにより、正孔が電子取り出し用の電極から光電変換層へと移動する際の障壁が低くなり、光電変換層への正孔注入が起こりやすくなるのではないかと考えられた。実際、ITO等の透明性の高い金属酸化物系透明電極の仕事関数を調べてみると、例えばITO電極の仕事関数は4.8eV程度であり、Al(アルミニウム)電極の仕事関数が約4.3eVであるのと比べてかなり高く、また、ITO以外の他の金属酸化物系の透明電極も、最も小さいAZO(Alがドープされた酸化亜鉛)の4.5eV程度を除くと、約4.6〜5.4とその仕事関数は比較的大きいものであることが知られている(例えば、J.Vac.Sci.Technol.A17(4),Jul/Aug 1999 p.1765−1772のFig.12参照)。
このように、電子取り出し用の電極の仕事関数が大きいと、バイアス印加時に、正孔が電子取り出し用の電極から光電変換層へ移動する際の障壁が低くなり、電子取り出し用の電極から光電変換層への正孔注入が起こりやすく、その結果として暗電流が大きくなると考えられる。
そこで、図4に示す光電変換素子では、電子取り出し用の電極である下部電極11の仕事関数を4.5eV以下としている。下部電極11の仕事関数を4.5eV以下にする方法を以下に列挙する。
(A)図4に示すように、下部電極11を2層構造とし、電極11aと有機光電変換層122との間に、電極11aの仕事関数を調節する電極11bを設ける。
例えば、電極11aとしてITOを使用し、電極11bとして仕事関数4.5eV以下のInまたはAgまたはMgを含む金属薄膜を使用する。Inを用いた場合は、後述する実施例にも示されるように、その厚みは0.5〜10nmであることが好ましい。
(B)下部電極11として、仕事関数4.5eV以下の導電性透明金属酸化物薄膜を使用する。
例えば、導電性透明金属酸化物薄膜として、仕事関数4.5eVのAZO薄膜を使用する。
(C)下部電極11として、金属酸化物にドープして仕事関数を4.5eV以下とした透明電極を使用する。
例えば、導電性金属酸化物としてのITOにCsをドープして仕事関数を4.5eV以下とした電極を使用する。
(D)下部電極11として、導電性透明金属酸化物薄膜を表面処理して仕事関数を4.5eV以下とした電極を使用する。
例えば、下部電極11としてITOを用い、このITOをアルカリ性溶液に浸して表面処理し、仕事関数を4.5eV以下とした電極を使用する。または、ITOをArイオンまたはNeイオンでスパッタして表面処理し、仕事関数を4.5eV以下とした電極を使用する。
尚、上部電極13を電子取り出し用の電極とした場合には、上部電極13の仕事関数を4.5eV以下とすれば良い。上部電極13の仕事関数を4.5eV以下にする方法は、以下の(E)と、上記(B)〜(D)の説明において下部電極11を上部電極13に変更したものとが挙げられる。
(E)図4において、上部電極13と平滑層123との間に、上部電極13の仕事関数を調整する電極を設け、電極11bは削除する。例えば、上部電極13としてITOを使用し、仕事関数調節のための電極として仕事関数4.5eV以下のInまたはAgまたはMgを含む金属薄膜を使用する。
以下に、ITOからなる透明電極の仕事関数調整に関する文献例を挙げる。
また、以下に、仕事関数が4.5以下の金属をその特性とともに列挙する。
以上のような構成の固体撮像素子によれば、後述する実施例で示されるように、下部電極11及び上部電極13間に0.5V以上3V以下といった非常に低いバイアス電圧を印加して撮像を行った場合でも、有機光電変換層122で吸収する光の波長域において、1%以上の外部量子効率を得ることができる。低バイアスで駆動できるため、平滑層123表面にある多少の凹凸に起因する画素欠陥を少なくすることができ、高画質を実現することができる。又、信号読出し部としてCMOS回路を用いた場合、通常のCMOS回路の駆動電圧は3V程度であることから、CMOS回路と同じ電圧源を使用することも可能となる。
上述した中間層12の厚みは、上部電極13形成工程に起因するショート防止効果を考慮すると、後述する実施例にも示されるように、150nm以上であることが好ましい。
以下、上述したような光電変換素子を半導体基板上に積層した固体撮像素子の変形例を説明する。
(第一の変形例)
図5は、図2に示す1つの画素の概略構成を示す断面模式図であり、第一の変形例を示す図である。
図5に示す画素200bは、図4に示した構成の光電変換素子と、この光電変換素子下方のシリコン基板1に形成された2つのフォトダイオードとを有する構成である。図5において、図3と同様の符号には同一符号を付してある。
図5に示す画素200bは、p型シリコン基板1と、p型シリコン基板1上に形成された絶縁膜7と、絶縁膜7上に形成された光電変換素子とを含んで構成され、光電変換素子上には開口の設けられた遮光膜14が形成されている。また、遮光膜14及び上部電極13上には透明な封止膜15が形成されている。
図5の構成では、有機光電変換層122は、緑色光を吸収してこれに応じた電子及び正孔を発生する材料を用いる。
p型シリコン基板1内には、その浅い方からn型半導体領域(以下、n領域と略す)4と、p型半導体領域(以下、p領域と略す)3と、n領域2がこの順に形成されている。n領域4の遮光膜14によって遮光されている部分の表面部には、高濃度のn領域(n+領域という)6が形成され、n+領域6の周りはp領域5によって囲まれている。
n領域4とp領域3とのpn接合面のp型シリコン基板1表面からの深さは、青色光を吸収する深さ(約0.2μm)となっている。したがって、n領域4とp領域3は、青色光を吸収してそれに応じた電子を発生し、これを蓄積するフォトダイオード(Bフォトダイオード)を形成する。Bフォトダイオードで発生した電子は、n領域4に蓄積される。
n領域2とp型シリコン基板1とのpn接合面のp型シリコン基板1表面からの深さは、赤色光を吸収する深さ(約2μm)となっている。したがって、n領域2とp型シリコン基板1は、赤色光を吸収してそれに応じた電子を発生し、これを蓄積するフォトダイオード(Rフォトダイオード)を形成する。Rフォトダイオードで発生した電子は、n領域2に蓄積される。
n+領域6は、接続部9を介して下部電極11と電気的に接続されており、接続部9を介して、下部電極11に移動した電子を蓄積する。接続部9は、下部電極11とn+領域6以外とは絶縁膜8によって電気的に絶縁される。
n領域2に蓄積された電子は、p型シリコン基板1内に形成されたnチャネルMOSトランジスタからなるCMOS回路(不図示)によってその電荷量に応じた信号に変換され、n領域4に蓄積された電子は、p領域3内に形成されたnチャネルMOSトランジスタからなるCMOS回路(不図示)によってその電荷量に応じた信号に変換され、n+領域6に蓄積された電子は、p領域5内に形成されたnチャネルMOSトランジスタからなるCMOS回路(不図示)によってその電荷量に応じた信号に変換されて、固体撮像素子200外部へと出力される。各CMOS回路は配線10によって図示しない信号読み出しパッドに接続される。尚、n領域2、n領域4に引き出し電極を設け、所定のリセット電位をかけると、各領域が空乏化し、各pn接合部の容量は限りなく小さい値になる。これにより、接合面に生じる容量を極めて小さくすることができる。
このような構成により、有機光電変換層122でG光を光電変換し、p型シリコン基板1中のBフォトダイオードとRフォトダイオードでB光およびR光を光電変換することができる。また上部でG光がまず吸収されるため、B-G間およびG-R間の色分離は優れている。これが、シリコン基板内に3つのPDを積層し、シリコン基板内でBGR光を全て分離する形式の固体撮像素子に比べ、大きく優れた点である。以下の説明では、画素200bのp型シリコン基板1内に形成される無機材料からなる光電変換を行う部分(Bフォトダイオード及びRフォトダイオード)のことを無機層とも言う。
尚、p型シリコン基板1と下部電極膜11との間(例えば絶縁膜7とp型シリコン基板1との間)に、有機光電変換層122を透過した光を吸収して、該光に応じた電荷を発生しこれを蓄積する無機材料からなる無機光電変換部を形成することも可能である。この場合、p型シリコン基板1内に、この無機光電変換部の電荷蓄積領域に蓄積された電荷に応じた信号を読み出すためのMOS回路を設け、このCMOS回路にも配線10を接続しておけば良い。
(無機層について)
無機層は、結晶シリコン、アモルファスシリコン、GaAsなどの化合物半導体のpn接合またはpin接合が一般的に用いられる。この場合、シリコンの光進入深さで色分離を行っているため積層された各受光部で検知するスペクトル範囲はブロードとなる。しかしながら、図5に示すように中間層12を上層に用いることにより、すなわち中間層12を透過した光をシリコンの深さ方向で検出することにより色分離が顕著に改良される。特に図5に示すように、中間層12でG光を検出すると、中間層12を透過する光はB光とR光になるため、シリコンでの深さ方向での光の分別はBR光のみとなり色分離が改良される。中間層12がB光またはR光を検出する場合でも、シリコンのpn接合面の深さを適宜選択することにより顕著に色分離が改良される。
無機層の構成は、光入射側から、npn又はpnpnとなっていることが好ましい。特に、表面にp層を設け表面の電位を高くしておくことで、表面付近で発生した正孔、及び暗電流をトラップすることができ暗電流を低減できるため、pnpn接合とすることがより好ましい。
尚、図5では、図4に示す構成の光電変換素子がp型シリコン基板1上方に1つ積層される構成を示したが、p型シリコン基板1上方に、図4に示す構成の光電変換素子を複数積層した構成にすることも可能である。図4に示す構成の光電変換素子を複数積層した構成については後の第三の変形例で説明する。このようにした場合は、無機層で検出する光は一色で良く、好ましい色分離が達成できる。また、画素200bにて4色の光を検出しようとする場合には、例えば、光電変換素子にて1色を検出して無機層にて3色を検出する構成、光電変換素子を2つ積層して2色を検出し、無機層にて2色を検出する構成、光電変換素子を3つ積層して3色を検出し、無機層にて1色を検出する構成等が考えられる。
無機層についてさらに詳細に説明する。無機層の好ましい構成としては、光伝導型、p−n接合型、ショットキー接合型、PIN接合型、MSM(金属−半導体−金属)型の受光素子やフォトトランジスタ型の受光素子が挙げられる。特に、図5に示したように、単一の半導体基板内に、第1導電型の領域と、第1導電型と逆の導電型である第2導電型の領域とを交互に複数積層し、第1導電型及び第2導電型の領域の各接合面を、それぞれ異なる複数の波長帯域の光を主に光電変換するために適した深さに形成してなる無機層を用いることが好ましい。単一の半導体基板としては、単結晶シリコンが好ましく、シリコン基板の深さ方向に依存する吸収波長特性を利用して色分離を行うことができる。
無機半導体として、InGaN系、InAlN系、InAlP系、又はInGaAlP系の無機半導体を用いることもできる。nGaN系の無機半導体は、Inの含有組成を適宜変更し、青色の波長範囲内に極大吸収値を有するよう調整されたものである。すなわち、InxGa1-xN(0≦X<1)の組成となる。このような化合物半導体は、有機金属気相成長法(MOCVD法)を用いて製造される。Gaと同じ13族原料のAlを用いる窒化物半導体のInAlN系についても、InGaN系と同様に短波長受光部として利用することができる。また、GaAs基板に格子整合するInAlP、InGaAlPを用いることもできる。
無機半導体は、埋め込み構造となっていてもよい。埋め込み構造とは、短波長受光部部分の両端を短波長受光部とは異なる半導体で覆われる構成のものをいう。両端を覆う半導体としては、短波長受光部のバンドギャップ波長より短い又は同等のバンドギャップ波長を有する半導体であることが好ましい。
(第二の変形例)
第二の変形例では、第一の変形例で説明した図5に示す構成の無機層を、p型シリコン基板内で2つのフォトダイオードを積層するのではなく、入射光の入射方向に対して垂直な方向に2つのフォトダイオードを配列して、p型シリコン基板内で2色の光を検出するようにしたものである。
図6は、図2に示す1つの画素の概略構成を示す断面模式図であり、第二の変形例を示す図である。図6において図3と同じ構成には同一符号を示してある。
図6に示す画素200bは、p型シリコン基板17と、p型シリコン基板17上方に形成された図4に示した構成の光電変換素子とを含んで構成され、光電変換素子上には開口の設けられた遮光膜34が形成されている。また、遮光膜34及び上部電極13上には透明な封止膜33が形成されている。
遮光膜34の開口下方のp型シリコン基板17表面には、p領域19とn領域18からなるフォトダイオードと、p領域21とn領域20からなるフォトダイオードとが、p型シリコン基板17表面に並んで形成されている。p型シリコン基板17表面上の任意の方向が、入射光の入射方向に対して垂直な方向となる。
p領域19とn領域18からなるフォトダイオードの上方には、透明な絶縁膜24を介してB光を透過するカラーフィルタ28が形成され、その上に下部電極11が形成されている。p領域21とn領域20からなるフォトダイオードの上方には、透明な絶縁膜24を介してR光を透過するカラーフィルタ29が形成され、その上に下部電極11が形成されている。カラーフィルタ28,29の周囲は、透明な絶縁膜25で覆われている。
p領域19とn領域18からなるフォトダイオードは、カラーフィルタ28を透過したB光を吸収してそれに応じた電子を発生し、発生した電子をn領域18に蓄積する。p領域21とn領域20からなるフォトダイオードは、カラーフィルタ29を透過したR光を吸収してそれに応じた電子を発生し、発生した電子をn領域20に蓄積する。
p型シリコン基板17表面の遮光膜34によって遮光されている部分には、n+領域23が形成され、n+領域23の周りはp領域22によって囲まれている。
n+領域23は、絶縁膜24,25に開けられた開口に形成されたアルミニウムやタングステン等の金属からなる接続部27を介して下部電極11と電気的に接続されており、接続部27を介して、下部電極11に移動した電子を蓄積する。接続部27は、下部電極11とn+領域23以外とは絶縁膜26によって電気的に絶縁される。
n領域18に蓄積された電子は、p型シリコン基板17内に形成されたnチャネルMOSトランジスタからなるCMOS回路(不図示)によってその電荷量に応じた信号に変換され、n領域20に蓄積された電子は、p型シリコン基板17内に形成されたnチャネルMOSトランジスタからなるCMOS回路(不図示)によってその電荷量に応じた信号に変換され、n+領域23に蓄積された電子は、p領域22内に形成されたnチャネルMOSトランジスタからなるCMOS回路(不図示)によってその電荷量に応じた信号に変換されて、固体撮像素子300外部へと出力される。各CMOS回路は配線35によって図示しない信号読み出しパッドに接続される。
尚、信号読出し部は、CMOS回路ではなくCCDとアンプによって構成しても良い。つまり、n領域18、n領域20、及びn+領域23に蓄積された電子をp型シリコン基板17内に形成した電荷転送チャネルに読み出し、これをアンプまで転送して、アンプからその電子に応じた信号を出力させるような信号読出し部であっても良い。
このように、信号読み出し部は、CCDおよびCMOS構造が挙げられるが、消費電力、高速読出し、画素加算、部分読出し等の点から、CMOSの方が好ましい。また、CMOSの場合、取り扱うことのできる信号電荷としては、電子および正孔のいずれかが考えられるが、電荷移動度に由来する信号読み出しの高速性、製造におけるプロセス条件の完成度等の点から電子の方が優れているため、電子取り出し用の電極をn+領域に接続するのが好ましい。
尚、図6では、カラーフィルタ28,29によってR光とB光の色分離を行っているが、カラーフィルタ28,29を設けず、n領域20とp領域21のpn接合面の深さと、n領域18とp領域19のpn接合面の深さを各々調整して、それぞれのフォトダイオードでR光とB光を吸収するようにしても良い。この場合、p型シリコン基板17と下部電極11との間(例えば絶縁膜24とp型シリコン基板17との間)に、有機光電変換層122を透過した光を吸収して、該光に応じた電荷を発生しこれを蓄積する無機材料からなる無機光電変換部を形成することも可能である。この場合、p型シリコン基板17内に、この無機光電変換部の電荷蓄積領域に蓄積された電荷に応じた信号を読み出すためのCMOS回路を設け、このCMOS回路にも配線35を接続しておけば良い。
また、p型シリコン基板17内に設けるフォトダイオードを1つとし、p型シリコン基板17上方に光電変換素子を複数積層した構成としても良い。更に、p型シリコン基板17内に設けるフォトダイオードを複数とし、p型シリコン基板17上方に光電変換素子を複数積層した構成としても良い。また、カラー画像を作る必要がないのであれば、p型シリコン基板17内に設けるフォトダイオードを1つとし、光電変換素子を1つだけ積層した構成としても良い。
(第三の変形例)
第三の変形例では、第一の変形例で説明した図5に示す構成の無機層を設けず、シリコン基板上方に図4に示した構成の光電変換素子を複数(ここでは3つ)積層した構成である。
図7は、図2に示す1つの画素の概略構成を示す断面模式図であり、第三の変形例を示す図である。図7では、光電変換素子として、G光を検出する光電変換素子と、R光を検出する光電変換素子と、B光を検出する光電変換素子とを積層した構成例を示している。それぞれの光電変換素子は、図4に示した構成と同様である。図7では、3つの光電変換素子を区別するために、図4とは符号を変えてある。
図7に示す画素200bは、シリコン基板41上方に、下部電極56、下部電極56上に形成された有機光電変換層を含む中間層57、中間層57上に形成された上部電極58からなるR光電変換素子と、下部電極60、下部電極60上に形成された有機光電変換層を含む中間層61、中間層61上に形成された上部電極62からなるB光電変換素子と、下部電極64、下部電極64上に形成された有機光電変換層を含む中間層65、中間層65上に形成された上部電極66からなるG光電変換素子とが、それぞれに含まれる下部電極をシリコン基板41側に向けた状態で、この順に積層された構成となっている。
シリコン基板41上には透明な絶縁膜48が形成され、その上にR光電変換素子が形成され、その上に透明な絶縁膜59が形成され、その上にB光電変換素子が形成され、その上に透明な絶縁膜63が形成され、その上にG光電変換素子が形成され、その上に開口の設けられた遮光膜68が形成され、その上に透明な封止膜67が形成されている。
G光電変換素子に含まれる下部電極64、中間層65、及び上部電極66は、それぞれ、図4に示す下部電極11、中間層12、及び上部電極13と同じ構成である。ただし、中間層65に含まれる有機光電変換層は、緑色光を吸収してこれに応じた電子及び正孔を発生する材料を用いる。
B光電変換素子に含まれる下部電極60、中間層61、及び上部電極62は、それぞれ、図4に示す下部電極11、中間層12、及び上部電極13と同じ構成である。ただし、中間層61に含まれる有機光電変換層は、青色光を吸収してこれに応じた電子及び正孔を発生する材料を用いる。
R光電変換素子に含まれる下部電極56、中間層57、及び上部電極58は、それぞれ、図4に示す下部電極11、中間層12、及び上部電極13と同じ構成である。ただし、中間層57に含まれる有機光電変換層は、赤色光を吸収してこれに応じた電子及び正孔を発生する材料を用いる。
シリコン基板41表面の遮光膜68によって遮光されている部分には、n+領域43,45,47が形成され、それぞれの周りはp領域42,44,46によって囲まれている。
n+領域43は、絶縁膜48に開けられた開口に形成されたアルミニウムやタングステン等の金属からなる接続部54を介して下部電極56と電気的に接続されており、接続部54を介して、下部電極56に移動した電子を蓄積する。接続部54は、下部電極56とn+領域43以外とは絶縁膜51によって電気的に絶縁される。
n+領域45は、絶縁膜48、R光電変換素子、及び絶縁膜59に開けられた開口に形成されたアルミニウムやタングステン等の金属からなる接続部53を介して下部電極60と電気的に接続されており、接続部53を介して、下部電極60に移動した電子を蓄積する。接続部53は、下部電極60とn+領域45以外とは絶縁膜50によって電気的に絶縁される。
n+領域47は、絶縁膜48、R光電変換素子、絶縁膜59、B光電変換素子、及び絶縁膜63に開けられた開口に形成されたアルミニウムやタングステン等の金属からなる接続部52を介して下部電極64と電気的に接続されており、接続部52を介して、下部電極64に移動した電子を蓄積する。接続部52は、下部電極64とn+領域47以外とは絶縁膜49によって電気的に絶縁される。
n+領域43に蓄積された電子は、p領域42内に形成されたnチャネルMOSトランジスタからなるCMOS回路(不図示)によってその電荷量に応じた信号に変換され、n+領域45に蓄積された電子は、p領域44内に形成されたnチャネルMOSトランジスタからなるCMOS回路(不図示)によってその電荷量に応じた信号に変換され、n+領域47に蓄積された電子は、p領域46内に形成されたnチャネルMOSトランジスタからなるCMOS回路(不図示)によってその電荷量に応じた信号に変換されて、固体撮像素子チップ外部へと出力される。各CMOS回路は配線55によって図示しない信号読み出しパッドに接続される。尚、信号読出し部は、CMOS回路ではなくCCDとアンプによって構成しても良い。つまり、n+領域43,45,47に蓄積された電子をシリコン基板41内に形成した電荷転送チャネルに読み出し、これをアンプまで転送して、アンプからその電子に応じた信号を出力させるような信号読出し部であっても良い。
なお、シリコン基板41と下部電極56との間(例えば絶縁膜48とシリコン基板41との間)に、中間層65,61,57を透過してきた光を吸収して、該光に応じた電荷を発生しこれを蓄積する無機材料からなる無機光電変換部を形成することも可能である。この場合、シリコン基板41内に、この無機光電変換部の電荷蓄積領域に蓄積された電荷に応じた信号を読み出すためのCMOS回路を設け、このCMOS回路にも配線55を接続しておけば良い。
このように、図4に示す構成の光電変換素子をシリコン基板上に複数積層する構成は、図7のような構成によって実現できる。
以上の説明において、B光を吸収する有機光電変換層とは、少なくとも400〜500nmの光を吸収することができ、好ましくはその波長域でのピ−ク波長の吸収率が50%以上であるものを意味する。G光を吸収する有機光電変換層とは、少なくとも500〜600nmの光を吸収することができ、好ましくはその波長域でのピ−ク波長の吸収率が50%以上であることを意味する。R光を吸収する有機光電変換層とは、少なくとも600〜700nmの光を吸収することができ、好ましくはその波長域でのピ−ク波長の吸収率が50%以上であることを意味する。
第一の変形例や第三の変形例のような構成の場合は、上層からBGR、BRG、GBR、GRB、RBG、RGBという順序で色を検出するパターンが考えられる。好ましくは最上層がGである。また、第二の変形例の場合は、上層がR層の場合は下層が同一平面状にBG層、上層がB層の場合は下層が同一平面状にGR層、上層がG層の場合は下層が同一平面状にBR層といった組み合わせが可能である。好ましくは上層がG層で下層が同一平面状にBR層である図6のような構成である。
以下、実施例を説明する。
(実施例1)
図1〜図4に示した構成の固体撮像素子パッケージを作製した。CMOS回路及び高濃度不純物領域を形成したp型シリコン基板1上に酸化シリコンからなる絶縁膜7を形成し、その上に、15.6μm角、厚み100nmの下部電極11aを、マグネトロンスパッタ法およびフォトリソグラフィー法によって横160×縦120個形成した。図8に示すように、各下部電極11a間の距離は4.4μmとした。図8は実施例1で作製した固体撮像素子チップの部分断面模式図であり、図3と同じ構成には同一符号を付してある。
次に、下部電極11a上に、Inを真空加熱蒸着によって2nm成膜して電極11bを形成した。次に、キナクリドンを真空加熱蒸着によって100nm成膜して有機光電変換層122を形成し、キナクリドンの上に、m−MTDATAを真空加熱蒸着によって100nm成膜して平滑層123を形成した。次に、m−MTDATA上に、ITOをRFマグネトロンスパッタによって10nm成膜して上部電極13を形成した。次に、上部電極13にバイアス電圧を印加できるように配線を形成し、固体撮像素子チップを作製した。
このようにして作製した固体撮像素子チップを、セラミックからなるパッケージ本体100内に収容し、ワイヤーボンディングを行った後、パッケージ本体100の開口部をガラス板により塞いで固体撮像素子チップを封止した。ガラス板による封止は、不活性ガス雰囲気中で紫外線硬化樹脂を用いて行った。不活性ガスとしては窒素ガスを用い、その酸素濃度は0.03%、露点は−75℃であった。これにより、ガラス板によって封止された固体撮像素子チップの作製を完了した。
作製した固体撮像素子パッケージを用いて撮像を行った。撮像に際しては、上部電極に対して下部電極側が正バイアスとなるようバイアス電圧を印加した。
図9〜図11は、上部電極に印加するバイアス電圧を0.5V,2.5V,4.0Vとしたときの撮像結果を示す図である。図9(a)はバイアス電圧が4.0Vのときの暗時の出力結果を示す図であり、同じく図9(b)はバイアス電圧が2.5Vのとき、図9(c)はバイアス電圧が0.5Vのときの暗時の出力結果を示す図である。図10(a)はバイアス電圧が4.0Vのときの富士写真フイルム(株)のロゴマークの撮像結果を示す図であり、同じく図10(b)はバイアス電圧が2.5Vのとき、図10(c)はバイアス電圧が0.5Vのときの撮像結果を示す図である。図11(a)はバイアス電圧が4.0Vのときの日本人形の撮像結果を示す図であり、同じく図11(b)はバイアス電圧が2.5Vのとき、図11(c)はバイアス電圧が0.5Vのときの撮像結果を示す図である。
図9に示す結果から分かるように、バイアス電圧が4Vから0.5Vまで低くなるにしたがって、画素のリークを示す白点が減っていることが分かる。又、画素間の出力バラツキも低減していることが分かる。特に、バイアス電圧が3V付近を超えると白点や出力バラツキは増加する一方であり、3V付近以下だと白点や出力バラツキは減少していっていることが分かる。
図10,11に示す撮像結果は、撮像時の出力信号から暗時の出力信号を減算することで撮像結果としており、リークした欠陥画素においては撮像時の出力も暗時の出力も飽和に達しているため、撮像結果としては黒点となっている。図10,図11に示す結果から分かるように、バイアス電圧が4Vから0.5Vまで低くなるにしたがって、画素のリークを示す黒点が減っていることが分かる。又、画素間の出力バラツキも低減していることが分かる。特に、バイアス電圧が3V付近を超えると黒点や出力バラツキは増加する一方であり、3V付近以下だと黒点や出力バラツキは減少していっていることが分かる。
尚、図10および図11には示していないが、バイアス電圧を0Vにした場合には、ロゴマーク、及び日本人形のいずれの場合も、画像を得ることができなかった。
以上の結果から、実施例1の固体撮像素子チップは、バイアス電圧を0.5V〜3V程度とすることで良好な画像を撮像できることが分かる。
(実施例2)
実施例1において、固体撮像素子チップをガラス板によって封止しない固体撮像素子パッケージを作製した。作製した固体撮像素子パッケージを用いて撮像を行った。撮像に際しては、上部電極に対して下部電極側が正バイアスとなるようバイアス電圧を印加した。
図12は、実施例2の固体撮像素子チップにおいて、上部電極に印加するバイアス電圧を1.5Vにして、グレースケールチャートを撮像したときの撮像結果を示す図である。図13は、実施例1の固体撮像素子チップにおいて、上部電極に印加するバイアス電圧を0.5Vにして、グレースケールチャートを撮像したときの撮像結果を示す図である。尚、グレースケールチャートの撮像条件は実施例1の固体撮像素子チップ、実施例2の固体撮像素子チップのいずれも同一とした。
図12、図13から分かるように、実施例1の固体撮像素子チップの方が画像のざらつきが少なく、実施例2の固体撮像素子チップよりも低いバイアス電圧で且つ良好な画像を得ることができた。尚、実施例2の固体撮像素子チップにおいて、バイアス電圧を0.5Vにして撮像を行ったときは、画像を得ることができなかった。これは、有機光電変換層へ酸素および水分が侵入し、有機光電変換層内において電荷トラップが形成されたためであると考えられる。ただ、実施例2の固体撮像素子チップでも、バイアス電圧を1.5Vにした場合には、画像のざらつきは多いものの図12に示したように画像を得ることができているため、特に低いバイアス電圧で良好な撮像を可能にする際には、ガラス封止が必要であると考えられる。
さらにガラス封止による効果を定量的に調べるために、石英基板上に、実施例2および実施例1の固体撮像素子チップに用いたものと同じ構成の光電変換素子(ITO(100nm)/In(2nm)/キナクリドン(100nm)/m-MTDATA(100nm)/ITO(10nm))を、素子面積2mm×2mmの大きさで作成して評価を行った。ガラス板による封止を行わなかった光電変換素子を素子A、ガラス封止を行った光電変換素子を素子Bとして比較した。
素子A,素子Bのそれぞれの上部電極に対して下部電極側が正バイアスとなるよう電圧を印加して、光電変換性能を調べた。素子Aと素子Bから出力される光電流および暗電流の測定結果を図14に示す。光電流については、550nmのG光を50μW/cm2の強度で照射した際の電流値を示している。また、図15には、バイアス電圧0.5Vのときにおいて50μW/cm2の単色光を照射して測定した作用スペクトル(照射光の波長と外部量子効率との関係)を示した。図14および図15から、ガラス封止を行うことで0.5Vという低いバイアス電圧でもG光に応答できるようになったことが分かる。有機光電変換層中への酸素および水分の侵入を防ぐことで、有機光電変換層内における電荷トラップの形成を抑制できたためと考えられる。これにより、ガラス封止を行うことで、0.5Vという低いバイアス条件でもG光に応答させることができ、良質な画像を撮影することができた。
尚、素子Aに0.5Vのバイアスを印加した際の外部量子効率は、図15よりG光に対して0.4%程度であり、素子Aを用いた実施例2の固体撮像素子は、バイアス電圧0.5Vで撮像素子として機能しなかった。この結果と実施例1および実施例2の結果から、撮像素子として機能させるためには、有機光電変換層で吸収する光の波長域における外部量子効率が1%程度必要であることが分かる。尚、外部量子効率は、10%以上が好ましく、20%以上が更に好ましく、50%以上が更に好ましく、80%以上が理想的である。実施例1の固体撮像素子チップは、図9〜図11の結果からも分かるように、0.5〜3Vのバイアス電圧で画像を得ることができるため、0.5〜3Vのバイアス電圧を印加して撮像を行った場合の外部量子効率は1%以上となっている。
又、実施例2の固体撮像素子チップおよび素子Aは、大気中で使用するにつれ、素子性能が劣化していき、特に暗電流の増加が顕著に見られた。また、実施例2の固体撮像素子チップにおいては、残像が消えるまでの時間が著しく長くなった。特に、上下電極間のバイアス電圧を大きくして測定した際に劣化が激しくなり、大気中で10V程度バイアスを印加すると、その後バイアス電圧を下げても動作しなくなった。一方、実施例1の固体撮像素子チップおよび素子Bは、1ヶ月経過しても、素子劣化は全く見られなかった。有機光電変換層に大気中の酸素および水分を触れさせないことで、経時あるいは使用時の有機光電変換層の劣化が抑えられたことを示している。10V以上のバイアス電圧を印加すると暗電流は著しく大きくなるものの、その後バイアス電圧を下げれば、バイアス電圧を上げる前と同等の撮像性能を示した。このように、光電変換素子をガラス板で封止することにより、撮像性能が向上し、耐久性も向上することが分かった。
(実施例3)
実施例1の固体撮像素子チップの上部電極上に、光電変換素子を封止する封止膜として、原子層堆積(ALD)法により、金属酸化物の一例であるAl2O3を100nm積層した。ALD法によるAl2O3膜の成膜においては、トリメチルアルミニウムガスとオゾンガスを用いた。トリメチルアルミニウムガスの導入、パージのための窒素ガスの導入、オゾンガスの導入、パージのための窒素ガスの導入、という手順を繰り返すことで、1原子層ずつの成膜が可能となる。基板温度100℃、成膜速度0.8Å/sの条件でAl2O3を100nm成膜した。
続いて、さらに封止を強化し、かつ水分によるAl2O3膜の腐食も抑えるために、Al2O3膜上に、高分子化合物の一例である以下の化4に示した構造式のパラキシリレン系樹脂(poly-monochloro-paraxylylene)を2.0μm成膜した。パラキシリレン2量体を加熱した後に、高温の熱分解質でラジカルモノマーとし、これがAl2O3上で重合することで、水分透過性の極めて小さいパラキシリレン樹脂膜となる。これら封止膜によって光電変換素子を封止した固体撮像素子チップを、実施例1と同様にガラス板で更に封止した。この結果、封止膜を設けたことで、実施例1の固体撮像素子に比べ、耐久性をさらに向上させることができた。
尚、実施例3では、封止膜を、金属酸化物膜とパラキシリレン樹脂膜との2層構造としたが、どちらか片方だけの構成であっても、耐久性を向上させることは可能である。
次に、上記実施形態で説明した電子取り出し用の電極の仕事関数を4.5eV以下にすることによる、暗電流抑制効果について証明する。
(比較例1)
厚み250nmのITO下部電極(理研計器(株)製の大気中光電子分光装置AC−2で求めた仕事関数4.8eV;可視域光透過率約90%)が積層されたガラス基板(市販品)の上に、厚み100nmのキナクリドンおよび厚み100nmのAl上部電極(仕事関数4.3eV;可視域光透過率0%)を順次真空蒸着により積層した構造で、ITO下部電極側で電子を捕集する場合を例として挙げる。素子面積2mm×2mmとして実際に素子作製および測定を行った結果、電圧1V印加時(下部電極を正バイアスとして電子捕集、以下も同様)で暗電流が9.3μA/cm2となった。
この場合、電子取り出し用の電極であるITO下部電極の仕事関数が大きいため、バイアス電圧印加時には、ITO下部電極からキナクリドンへの正孔注入が起こりやすく、暗電流が大きくなると考えられる。
(実施例4)
一方、仕事関数が4.3eVと小さいInを2nm真空蒸着によりITO下部電極とキナクリドンの間に形成した以外は比較例1と同様の素子を作製した(2nmのInの可視域光透過率は約98%)。その結果、電圧1V印加時の暗電流が1.8nA/cm2と4桁程度大きく抑制された。このことは、電子取り出し用の電極である下部電極の仕事関数を小さくすることで電子取り出し用の電極からの正孔注入が大きく抑制されたことを示している。同じく1Vバイアス印加条件で、下部ITO側から550nmの光を照射強度50μW/cm2で入射したところ、外部量子効率(入射フォトン数に対する測定電荷数)で12%であった。また、バイアス2V印加時においては、暗電流は約100nA/cm2、外部量子効率は19%であった。
尚、比較例1と実施例4では、平滑層を設けていないが、平滑層を設けた場合にも同様の効果が得られる。
本発明の実施形態を説明するための固体撮像素子パッケージの概略構成を示す断面模式図 図1に示す固体撮像素子チップの概略構成を示す平面模式図 図2に示す1つの画素の概略構成を示す断面模式図 図3に示す光電変換素子の拡大図 図2に示す1つの画素の概略構成を示す断面模式図であり、第一の変形例を示す図 図2に示す1つの画素の概略構成を示す断面模式図であり、第二の変形例を示す図 図2に示す1つの画素の概略構成を示す断面模式図であり、第三の変形例を示す図 実施例1で作製した固体撮像素子チップの部分断面模式図 実施例1の固体撮像素子チップの上部電極に印加するバイアス電圧を0.5V,2.5V,4.0Vとしたときの暗時の出力結果を示す図 実施例1の固体撮像素子チップの上部電極に印加するバイアス電圧を0.5V,2.5V,4.0Vとしたときの撮像結果を示す図 実施例1の固体撮像素子チップの上部電極に印加するバイアス電圧を0.5V,2.5V,4.0Vとしたときの撮像結果を示す図 実施例2の固体撮像素子チップにおいて、上部電極に印加するバイアス電圧を1.5Vにして、グレースケールチャートを撮像したときの撮像結果を示す図 実施例1の固体撮像素子チップにおいて、上部電極に印加するバイアス電圧を0.5Vにして、グレースケールチャートを撮像したときの撮像結果を示す図 ガラス封止をした光電変換素子とガラス封止をしない光電変換素子からそれぞれ出力される光電流および暗電流の測定結果を示す図 ガラス封止をした光電変換素子とガラス封止をしない光電変換素子の作用スペクトルを示す図
符号の説明
100 パッケージ本体
200 固体撮像素子チップ
400 ガラス板
200b 画素
1 シリコン基板
6 高濃度不純物領域
7 絶縁層
9 接続部
11a,11b 下部電極
12 中間層
13 上部電極
15 封止膜
122 有機光電変換層
123 平滑層

Claims (27)

  1. 半導体基板上方に形成された下部電極と、前記下部電極上方に形成された上部電極と、前記下部電極と前記上部電極との間に形成された有機光電変換層を含む中間層とを有する光電変換素子と、前記光電変換素子で発生した信号電荷に応じた信号を外部に読み出す信号読み出し部とを備える固体撮像素子であって、
    前記下部電極と前記上部電極間に0.1V以上3V以下のバイアス電圧を印加して撮像を行った場合に、前記有機光電変換層で吸収する光の波長域での外部量子効率が1%以上となる固体撮像素子。
  2. 請求項1記載の固体撮像素子であって、
    前記上部電極が透明電極である固体撮像素子。
  3. 請求項2記載の固体撮像素子であって、
    前記下部電極が透明電極である固体撮像素子。
  4. 請求項2又は3記載の固体撮像素子であって、
    前記透明電極の材料が透明導電性酸化物である固体撮像素子。
  5. 請求項4記載の固体撮像素子であって、
    前記透明導電性酸化物がITOである固体撮像素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の固体撮像素子であって、
    前記有機光電変換層がキナクリドン骨格、フタロシアニン骨格、及びアントラキノン骨格のいずれかの材料を含む固体撮像素子。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の固体撮像素子であって、
    前記中間層の前記上部電極側の表面の平均面粗さRaが1nm以下である固体撮像素子。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載の固体撮像素子であって、
    前記中間層の厚さが150nm以上である固体撮像素子。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項記載の固体撮像素子であって、
    前記上部電極及び前記下部電極のうち、前記有機光電変換層で発生した電子を取り出すための電極の仕事関数が4.5eV以下である固体撮像素子。
  10. 請求項9記載の固体撮像素子であって、
    前記電子を取り出すための電極が、透明な電極と、仕事関数が4.5eV以下の金属薄膜との2層構造であり、
    前記金属薄膜は、前記中間層と前記透明な電極との間に位置する固体撮像素子。
  11. 請求項10記載の固体撮像素子であって、
    前記金属薄膜がInからなる固体撮像素子。
  12. 請求項11記載の固体撮像素子であって、
    前記Inの厚みが0.5〜10nmである固体撮像素子。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項記載の固体撮像素子であって、
    前記光電変換素子上に形成され、前記光電変換素子を封止する封止膜を備える固体撮像素子。
  14. 請求項13記載の固体撮像素子であって、
    前記封止膜が原子層堆積(ALD)法で成膜されたものである固体撮像素子。
  15. 請求項13又は14記載の固体撮像素子であって、
    前記封止膜の材料が金属酸化物を含む固体撮像素子。
  16. 請求項15記載の固体撮像素子であって、
    前記金属酸化物がAlである固体撮像素子。
  17. 請求項15又は16記載の固体撮像素子であって、
    前記封止膜が、前記金属酸化物からなる膜と、前記金属酸化物からなる膜上に形成された高分子化合物からなる膜との2層構造である固体撮像素子。
  18. 請求項17記載の固体撮像素子であって、
    前記高分子化合物がパラキシリレン系樹脂である固体撮像素子。
  19. 請求項1〜18のいずれか1項記載の固体撮像素子であって、
    前記光電変換素子が不活性ガス雰囲気中でパッケージ本体内にガラス封止された固体撮像素子。
  20. 請求項19記載の固体撮像素子であって、
    前記不活性ガスに含まれる酸素の濃度が0.05%以下である固体撮像素子。
  21. 請求項19又は20記載の固体撮像素子であって、
    前記不活性ガスの露点が−75℃以下である固体撮像素子。
  22. 請求項1〜21のいずれか1項記載の固体撮像素子であって、
    前記信号読み出し部がCMOS回路からなる固体撮像素子。
  23. 請求項1〜22のいずれか1項記載の固体撮像素子であって、
    前記半導体基板内に、前記光電変換素子の前記有機光電変換層を透過した光を吸収し、該光に応じた電荷を発生してこれを蓄積する基板内光電変換部を備える固体撮像素子。
  24. 請求項23記載の固体撮像素子であって、
    前記基板内光電変換部が、前記半導体基板内に積層されたそれぞれ異なる色の光を吸収する2つのフォトダイオードである固体撮像素子。
  25. 請求項23記載の固体撮像素子であって、
    前記基板内光電変換部が、前記半導体基板内の入射光の入射方向に対して垂直な方向に配列されたそれぞれ異なる色の光を吸収する2つのフォトダイオードである固体撮像素子。
  26. 請求項24又は25記載の固体撮像素子であって、
    前記2つのフォトダイオードが、それぞれ、赤色、青色、及び緑色のいずれかの波長域の光を吸収する光電変換素子。
  27. 請求項1〜22のいずれか1項記載の固体撮像素子であって、
    前記光電変換素子が、前記半導体基板上方に複数積層された固体撮像素子。
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