JP2007308593A - サイアロン蛍光体の製造方法、サイアロン蛍光体、照明器具 - Google Patents

サイアロン蛍光体の製造方法、サイアロン蛍光体、照明器具 Download PDF

Info

Publication number
JP2007308593A
JP2007308593A JP2006139064A JP2006139064A JP2007308593A JP 2007308593 A JP2007308593 A JP 2007308593A JP 2006139064 A JP2006139064 A JP 2006139064A JP 2006139064 A JP2006139064 A JP 2006139064A JP 2007308593 A JP2007308593 A JP 2007308593A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sialon
phosphor
particle size
light
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006139064A
Other languages
English (en)
Inventor
Taku Kawasaki
卓 川崎
Mitsuaki Saito
光明 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denki Kagaku Kogyo KK filed Critical Denki Kagaku Kogyo KK
Priority to JP2006139064A priority Critical patent/JP2007308593A/ja
Publication of JP2007308593A publication Critical patent/JP2007308593A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/01Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/42Wire connectors; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/47Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process
    • H01L2224/48Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process of an individual wire connector
    • H01L2224/4805Shape
    • H01L2224/4809Loop shape
    • H01L2224/48091Arched
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/01Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/42Wire connectors; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/47Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process
    • H01L2224/48Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process of an individual wire connector
    • H01L2224/481Disposition
    • H01L2224/48151Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive
    • H01L2224/48221Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked
    • H01L2224/48245Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being metallic
    • H01L2224/48247Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being metallic connecting the wire to a bond pad of the item
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/73Means for bonding being of different types provided for in two or more of groups H01L2224/10, H01L2224/18, H01L2224/26, H01L2224/34, H01L2224/42, H01L2224/50, H01L2224/63, H01L2224/71
    • H01L2224/732Location after the connecting process
    • H01L2224/73251Location after the connecting process on different surfaces
    • H01L2224/73265Layer and wire connectors

Landscapes

  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Led Device Packages (AREA)

Abstract

【課題】粒子径ばらつきが少なく、発光強度の低下の少ないサイアロン蛍光体を提供する。
【解決手段】窒化ケイ素粉末と、窒化アルミニウム粉末、必要に応じて酸化アルミニウム粉末と、Eu含有化合物と、必要に応じてCa含有化合物とを混合してなる原料粉末を、窒素雰囲気又は非酸化雰囲気下で加熱してなるサイアロン蛍光体の製造方法であって、前記原料粉末のかさ密度を0.1〜0.5g/cmに調整し、しかも加熱後に解砕によって粒子径を調整することを特徴とするサイアロン蛍光体の製造方法であり、その製法で得られる発光強度低下の小さなサイアロン蛍光体、それを用いた照明装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、紫外線乃至青色光で励起され、可視光線を発するサイアロン蛍光体の製造方法と、それで得られるサイアロン蛍光体、更に前記蛍光体を用いた照明器具、特に白色LEDに関する。
蛍光体として、母体材料にケイ酸塩、リン酸塩、アルミン酸塩、硫化物を用い発光中心に遷移金属もしくは希土類金属を用いたものが広く知られている。一方、白色LEDについては、紫外線乃至青色光などの高いエネルギーを有した励起源により励起されて可視光線を発するものが注目され、開発が進んでいる。しかしながら、前記した従来の蛍光体では、励起源に曝される結果として、蛍光体の輝度が低下するという問題がある。輝度低下の少ない蛍光体として、最近、結晶構造が安定で、励起光や発光を長波長側にシフトできる材料であることから、窒化物や酸窒化物蛍光体が注目されている。
窒化物、酸窒化物蛍光体として、特定の希土類元素を付活させたα型サイアロンは、有用な蛍光特性を有することが知られており、白色LED等への適用が検討されている(特許文献1〜5、非特許文献1参照)。
特開2002−363554号公報 特開2003−336059号公報 特開2003−124527号公報 特開2003−206481号公報 特開2004−186278号公報 J.W.H.van Krebel"On new rare−earth doped M−Si−Al−O−N materials",TU Eindhoven,The Netherlands,p.145−161(1998)
また、希土類元素を付活させたCa(Si,Al)、CaSiAlN又はβ型サイアロンも、同様の蛍光特性を有することが見出されている(特許文献6、非特許文献2,3参照)。
特開2004−244560号公報 第65回応用物理学会学術講演会講演予稿集(2004年9月、東北学院大学)No.3 p.1282−1284 第52回応用物理学関連連合講演会講演予稿集(2005年3月、埼玉大学)No.3 p.1615
他にも、窒化アルミニウム、窒化ケイ素マグネシウム、窒化ケイ素カルシウム、窒化ケイ素バリウム、窒化ガリウム、窒化ケイ素亜鉛、等の窒化物や酸窒化物を母体材料とした蛍光体が提案されている。
α型サイアロンは、α型窒化ケイ素の固溶体であり、結晶格子間に特定の元素(Ca、並びにLi、Mg、Y、又はLaとCeを除くランタニド金属)が侵入固溶し、電気的中性を保つために、Si−N結合が部分的にAl−N結合とAl−O結合で置換されている構造を有している。侵入固溶する元素の一部を発光中心となる希土類元素とすることにより、蛍光特性が発現する。
α型サイアロンは、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、必要に応じて酸化アルミニウム、及び侵入固溶する元素の酸化物等からなる混合粉末を窒素中の高温で焼成することにより得られる。窒化ケイ素とアルミニウム化合物の比率と、侵入固溶させる元素の種類、並びに発光中心となる元素の割合等により、多様な蛍光特性が得られる。
β型サイアロンは、β型窒化ケイ素の固溶体であり、β型窒化ケイ素のSi位置にAlが、N位置にOが置換固溶したものである。単位胞に2式量の原子があるので、一般式として、Si6−ZAl8−Zが用いられる。ここで、組成Zは0〜4.2であり、固溶範囲は非常に広く、また(Si、Al)/(N、O)のモル比は、3/4を維持する必要がある。そこで、一般的に原料としては、窒化ケイ素の他に、酸化ケイ素と窒化アルミニウムとを、或いは酸化アルミニウムと窒化アルミニウムとを加えて加熱することでβ型サイアロンが得られる。
β型サイアロンの結晶構造内にEuイオンを充分固溶させると、紫外から青色の光で励起され、500〜550nmの緑〜黄色光の発光を示す。
ところで、白色LEDの白色光は、単色光とは異なり複数の色の組み合わせが必要であり、一般的な白色LEDは、紫外LED又は青色LEDとそれらの光を励起源とし、可視光を発する蛍光体との組み合わせにより構成されている。従って蛍光体が発する光の強度にばらつきが存すると、LEDが発する白色光の強度や色調もばらついてしまう。
信号灯、標識灯に用いられる有色光とは異なり、白色光は物を明るく照らす照明用の光として用いられることが多い。白色光の強度や色調にばらつきが有ると、照らされる物の色もばらついてしまい、物の色を正しく映し出すことができなくなってしまう。従って、白色LEDを照明器具として用いる場合、強度や色調のばらつきを解消することが重要な課題になる。
白色LEDの強度や色調ばらつきの原因になるサイアロン蛍光体の蛍光強度のばらつきは、サイアロン蛍光体の粒子径のばらつきによるところが大きい。蛍光は、蛍光体に吸収された励起光が蛍光に変換されることによって発生するが、励起光の一部は吸収されず蛍光体表面で反射されて散乱光になる。蛍光体の粒子径が小さい程、蛍光体単位質量当たりの表面積が増大するので、同じ質量の蛍光体であっても粒子径が小さい程蛍光体表面で反射されて散乱光となる励起光の割合が増え、その結果蛍光体に吸収される励起光が減るために、発生する蛍光の強度も低下してしまう。
粒子径のばらつきが大きいサイアロン蛍光体は、粒子径が小さい蛍光体粒子を相対的に多く含むため、白色LED用蛍光体として用いた場合に、局所的に粒子径が小さい蛍光体粒子が多く存在して蛍光強度が低くなる場所が生じ、その結果LEDが発する白色光自体の強度が低下したり、特に励起光源が青色LEDの場合には励起光と蛍光の混合光である白色光の色調にもばらつきが生じてしまう。
この粒子径のばらつきを低減する方法として、従来は加熱、焼成して得たサイアロン蛍光体を、粉砕することによって粒子径が揃うように調整する方法が用いられてきた。粉砕とは、例えば振動ミル、ボールミル、スタンプミル等の粉砕機を用い、硬質の粉砕媒体に焼成物を衝突させる方法や、ジェットミル等の粉砕機を用い、焼成物同士を衝突させる方法などである。しかしサイアロン蛍光体は、粉砕を行うと粒子径の小さい粒子が生成しやすいため、粉砕だけで粒子径のばらつきを低減することは、事実上困難である。
そこで、粒子径ばらつき低減のため、さらに分級が行われることが多い。分級とは粒子径の峻別を行う方法であり、例えば高速の気流を用いる気流分級法や、水等の液体マトリックス中における沈降速度の違いを利用する沈降分級法などである。粉砕及び分級を組み合わせることによって、粒子径は所定の分布に調整することが可能であり、粒子径のばらつきは低減される。しかし分級を行うと、目標粒子径から外れた粒子が産生するため、これらを廃棄せざるを得ず、経済性が悪化する。また、分級を行っても粒子径の小さい粒子の一部が、粒子径の大きい粒子表面に付着してしまうため、粒子径の小さい粒子を完全に取り除くことが困難になり、効果が充分に得られない場合がある。これを防ぐために分級を繰り返すことも行われるが、工程が増えて煩雑になる上、目標粒子径から外れた粒子が多量に産生するため、さらに経済性が悪化してしまう。
本発明は、前記従来技術の課題を解決することを意図したもので、サイアロン蛍光体の粒子径調整方法を種々検討した結果、焼成用の原料粉末及び焼成後の粒子径調整方法を工夫することによって従来技術の課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、窒化ケイ素粉末と、窒化アルミニウム粉末、必要に応じて酸化アルミニウム粉末と、更に、Eu含有化合物と、必要に応じてCa含有化合物とを混合してなる原料粉末を、窒素雰囲気又は非酸化雰囲気下で加熱してなるサイアロン粉末からなる蛍光体の製造方法であって、前記原料粉末のかさ密度を0.1〜0.5g/cm以下に調整し、しかも加熱後に解砕によって粒子径を調整することを特徴とするサイアロン蛍光体の製造方法である。
本発明は、前記の製造方法で得られるサイアロン蛍光体であって、一般式:(Ca、Eu)m/2(Si)12−(m+n)(Al)m+n(O)(N)16−nで示されるα型サイアロンからなり、レーザー回折、散乱法によって測定した粒子径分布において、60%以上の粒子の径の分布がロジン・ラムラー式(式1)に従い、しかも前記式におけるnの値が1.5以上であることを特徴とする蛍光体である。
R(D)=100・exp(−b・D ) (式1)
ここで、Dは粒子径(μm)、R(D)は粒子径D以上の粒子の累積質量分率、b及びnは定数(特にnを分布定数と呼ぶ)である。
本発明は、前記の製造方法で得られるサイアロン蛍光体であって、一般式:Si6−ZAl8−Zで示されるβ型サイアロンが母体材料であり、発光中心としてEuを固溶するものであり、レーザー回折、散乱法によって測定した粒子径分布において、60%以上の粒子の径の分布がロジン・ラムラー式に従い、しかも同式におけるn(分布定数)の値が1.5以上であることを特徴とする蛍光体。
本発明は、前記のサイアロン蛍光体と発光光源とを含むことを特徴とする照明器具であり、好ましくは、発光光源として紫外線又は可視光を用いることを特徴とする前記の照明器具である。
本発明のサイアロン蛍光体の製造方法は、粒子径のばらつきの影響を受けやすいサイアロンからなる蛍光体粉末を、簡便で、従って、工程費用が掛からない方法で、粒子径分布の均一性を高くすることができるので、安価で性能低下の少ない粉末状のサイアロン蛍光体を提供することができる。
本発明のサイアロン蛍光体は、前記製造方法を適用して得られる、Euを含有するα型サイアロンからなる蛍光体であり、α型サイアロンが有する独自の結晶構造故に、Euが発光中心として機能し、紫外線又は可視光で効率良く励起されて、550〜600nmの黄色可視光領域にピークを有する発光を安定して生じる特徴があり、種々の照明器具、特に青色LEDや紫外LEDを光源とする白色LEDに好適である。
本発明のサイアロン蛍光体は、前記製造方法を適用して得られる、Euを含有するβ型サイアロンからなる蛍光体であり、β型サイアロンが有する独自の結晶構造故に、Euが発光中心として機能し、紫外線又は可視光で効率良く励起されて、500〜550nmの緑〜黄色可視光領域にピークを有する発光を安定して生じる特徴があり、種々の照明器具、特に青色LEDや紫外LEDを光源とする白色LEDに好適である。
本発明の照明器具は、前記サイアロン蛍光体を用いている。サイアロンは熱的にも化学的にも安定であるため、サイアロン蛍光体は高温で用いても輝度変化が少なく、また長寿命であるという特徴がある。α型サイアロンからなる蛍光体の場合には、波長440〜480nmの可視光を発することのできる青色LEDを発光光源に用いるときには、前記発光光源の光とα型サイアロンが発する蛍光との組み合わせにより白色光を容易に提供できるし、β型サイアロンの蛍光体の場合には、波長440〜480nmの可視光を発することのできる青色LEDや、波長350〜410nmの紫外光を発することのできる紫外LEDを発光光源に用い、前記発光光源の光とβ型サイアロン蛍光体及び必要に応じて赤色や青色の蛍光体を組み合わることにより白色光を容易に提供できる特徴があり、多様な用途に適用可能である。
本発明のサイアロン蛍光体の製造方法は、窒化ケイ素粉末と、窒化アルミニウム粉末、必要に応じて酸化アルミニウム粉末と、Eu含有化合物と、必要に応じてCa含有化合物とを混合してなる原料粉末を、窒素雰囲気又は非酸化雰囲気下で加熱してサイアロン蛍光体を製造する方法に係わり、当該製造方法によって得られるサイアロン蛍光体が粒子径分布のばらつきを反映してその発光特性が低下することを防止することを課題としている。本発明に於いては、前記原料粉末を混合した後、かさ密度を0.1〜0.5g/cmに調整し、しかも加熱・焼成後に軽度の解砕によって粒子径を調整することを特徴としている。これによって粒子径分布のばらつきを小さくし、実質的に発光特性に低下のない蛍光体粉末を安価に提供できるという効果が得られる。
原料粉末のかさ密度を0.1〜0.5g/cmに調整する具体的な方法としては、例えば原料粉末をふるいにかける方法があげられる。原料粉末は、各成分の粉末粒子が混ざり合って二次的に凝集した粒子からなるが、ふるいにかけない凝集粒子の粒子径は多様であり、大きな凝集粒子の隙間に小さな凝集粒子が入り込むため、粉末の充填性はかえって向上し、その結果かさ密度は0.5g/cmを超えてしまう。これをふるいにかけることによって、大きな凝集粒子がほぐされて粒子径が揃い、小さな凝集粒子が入り込む隙間が減少するため、粉末の充填性が低下する。その結果かさ密度は0.5g/cm以下になる。この時のふるいの目開きは、250μm以下が好ましく、150μm以下がさらに好ましい。即ち、所定の目開きのふるいを全通させることで凝集粒子のない原料粉末とし、粒子径を揃えた原料粉末とすることで、かさ密度が0.1〜0.5g/cmの原料粉末を得ることができる。尚、かさ密度の下限値については、格別の技術的な意味はないが、静止した粉末においては0.1g/cm未満の粉末が容易に達成し得ないことから、これを下限とする。
原料粉末はその後、窒素雰囲気又は非酸化雰囲気下で加熱される。この時原料粉末のかさ密度が0.5g/cmより高いと、サイアロンが形成されると同時にサイアロンの粒子同士が凝集しやすくなる。凝集が進むとサイアロンは焼結体を形成し、加熱後の粒子径調整の際、粉砕機を用いた強度の解砕が必要になるため、粒子径の小さい粒子が生じやすく、発光強度の低下を引き起こす問題が生じてしまう。
これに対し本発明で用いる原料粉末は、かさ密度が0.5g/cm 以下なので生成するサイアロン粒子同士は凝集しにくく殆ど焼結しない。このため加熱後は、軽度の解砕による粒子径調整が可能になる。軽度の解砕では、粒子径の小さい粒子が生じにくいため、前述の強度の解砕の場合とは異なり、得られるサイアロン蛍光体の発光強度がばらつく問題は生じにくい。軽度の解砕の具体的な方法は、人力で揉みほぐす、ローラー等を用いて人力で押し潰す、乳棒を用い軽く叩く又はすり潰してほぐす、石うすを用いる、らいかい機を用いる等であるが、必要に応じてこれらの後にふるいを通しても良い。
α型サイアロン蛍光体の組成は、一般式:(Ca、Eu)m/2(Si)12−(m+n)(Al)m+n(O)(N)16−nで示されるが、蛍光特性を発現させるために、Eu含有量が0.1〜0.35at%であれば発光特性が確実に得られるので好ましい。
同様に、β型サイアロン蛍光体の組成は、一般式:Si6−ZAl8−Zで示されるが、蛍光特性を発現させるために、Eu含有量が0.05〜0.3at%であれば発光特性が確実に得られるので好ましい。
本発明に於いては、αサイアロン或いはβサイアロンの所望組成に対応して、窒化ケイ素粉末と、窒化アルミニウム粉末、必要に応じて酸化アルミニウム粉末と、更に、Eu含有化合物と、必要に応じてCa含有化合物とを配合し、混合して得られる原料粉末を、前記操作をしてかさ密度を0.1〜0.5g/cmに調整した後に、不純物の混入を抑えるために、少なくとも当該原料粉末が接する面が窒化硼素(BN)からなるルツボ等の容器内に充填し、窒素雰囲気中又は非酸化雰囲気中で、α型サイアロンの場合には1600〜1800℃、β型サイアロンの場合には1820〜2200℃の温度で所定の時間加熱することによりα型サイアロン又はβ型サイアロンを得る。
原料粉末の容器内への充填は、加熱処理中における粒子間の焼結を抑制する目的で、かさ密度を0.5g/cm以下に確実にするために、250μm以下さらに好ましくは150μm以下のふるいを通しながら充填することが好ましい。
加熱処理の温度については、α型サイアロンの場合には、加熱処理の温度が1600℃未満であると未反応生成物が多く存在したり、粒子の成長が不充分であったりするし、1800℃を超えると、粒子間の焼結が顕著になる。β型サイアロンの場合には、1820℃未満ではβ型サイアロン結晶構造中にEuが固溶できないし、2200℃を超えると原料やβ型サイアロンの分解を抑制するために高い雰囲気圧力が必要となり高圧容器を有する装置を必要とし、工業的に好ましくない。
尚、加熱処理の時間については、未反応生成物が多く存在したり、Euの固溶が不十分であったり、一次粒子が成長不足であったり、あるいは粒子間の焼結が生じてしまったりといった不都合が生じない時間範囲が選択される。本発明者等の検討によれば、2〜24時間が好ましい範囲である。
上記した操作で得られるα型サイアロン並びにβ型サイアロンは、緩く凝集した塊状であるためほぐれやすく、軽度の解砕で粒子径の調整が可能である。
サイアロン蛍光体粉末の結晶構造の同定は、粉末X線回折装置(XRD)等を用いて行うことができるし、発光強度は、例えば分光蛍光光度計を用い、所定の波長及び強度の励起光照射時における、所定波長の蛍光の強度を測定することによって知ることができる。
軽度の解砕による粒径調整によって、粒子径の小さい粒子を含まず均一な粒子径分布を有する粉末が生成することは、粒子径分布を測定し、その後粒子径分布の均一性を評価することによって確認できる。
粒子径分布測定の具体的な方法としては、レーザー回折散乱法、遠心沈降光透過法、X線透過法、遮光法、電気的検知帯法などがあげられる。これらのうち再現性が良好であり操作が比較的簡便であることから、レーザー回折散乱法が多用される。粒子の一部が、他の粒子の表面に付着したままでは正確な粒子径分布が測定できない。そこで、粒子の媒体である液体中で、粒子同士の付着を無くして完全に分散させるため、通常は液体に適当な分散剤を添加し、さらに超音波を印加した後に測定が行われる。
粒子径分布の均一性を評価する具体的な方法としては、測定した粒子径分布を、理論的な分布法則に当てはめ、適合性を評価する方法があげられる。粒子径の理論的な分布法則としては、ロジン・ラムラー分布則、ゴーダン・シューマン分布則、正規分布則或いは対数正規分布則等が提案されているが、ロジン・ラムラー分布則が比較的良く用いられている。
ロジン・ラムラー分布則は、粉末(粉砕生成物)が一様な粒子径分布を有する場合、Dを粒子径(μm)、R(D)を粒子径D以上の粒子の累積質量分率、b及びnを定数とすると、式1(ロジン・ラムラー式と呼ぶ)の関係が成立するとする分布法則である。
R(D)=100・exp(−b・D ) (式1)
粒子径分布が一様でない場合、例えば分布頻度が高い粒子径の領域が2個所ある、いわゆる二山(バイモーダル)粒子径分布では、それぞれの山がロジン・ラムラー分布則に適合する場合はあるが、粒子全体では適合しない。ロジン・ラムラー式中の2つの定数、b及びnのうち、nは分布定数と呼ばれ、粒子径分布の幅に関与する。nの値が大きい程粒子径分布の幅は狭くなる。
ロジン・ラムラー式を変形すると、式2が得られる。
ln[ln{100/R(D)}]=n・ln(D)+ln(b)(式2)
これより、粒子径分布がロジン・ラムラー分布則に適合する場合、粒子径(D)の対数を横軸、粒子径D以上の粒子の累積質量分率の逆数に100を掛け、それを2回対数にしたものを縦軸にプロットした図(ロジン・ラムラー分布線図と呼ぶ)において、傾きn、切片ln(b)の直線が得られる。
従って、ロジン・ラムラー分布則への適合性は、測定値に対し上記プロットを行った後、最小自乗法にて回帰直線を作成し、測定値と回帰直線の相関係数値によって定量的に評価できる。相関係数値は1に近いほど適合性が高くなる。また、回帰直線の傾きが大きいほど粒度分布幅が小さくなる。分布則への適合性が高く、かつ分布幅が小さい粒度を有する粉末ほど、粒子径分布の均一性が高い。
本発明者らは、レーザー回折散乱法による粉末状サイアロン蛍光体の粒子径分布の測定値を、ロジン・ラムラー分布則によって評価した結果、60%以上、好ましくは70%以上の粒子の径が、ロジン・ラムラー分布線図上において回帰直線との相関係数値0.99〜1.00の高い適合性を示し、しかも回帰直線の傾き(ロジン・ラムラー式における定数n)が1.5以上、好ましくは1.8以上である場合に、発光強度等性能の低下が少ない蛍光体が得られることを新たに見出した。
α型サイアロン蛍光体は、発光光源と蛍光体から構成される照明器具に使用され、特に440〜480nmの波長を含有している可視光を励起源として照射することにより、550〜600nmの範囲の波長にピークを持つ発光特性を有するので、青色LEDとの組み合わせにより、容易に白色光が得られるという特徴がある。又α型サイアロンは、高温にさらしても劣化せず、更に耐熱性に優れており酸化雰囲気及び水分環境下における長期間の安定性にも優れているので、これらを反映して当該照明器具が高輝度で長寿命になるという特徴を有する。
また、β型サイアロン蛍光体は、発光光源と蛍光体から構成される照明器具に使用され、特に350〜500nmの波長を含有している紫外光や可視光を励起源として照射することにより、500〜550nmの範囲の波長にピークを持つ発光特性を有するので、紫外LED又は青色LED並びに必要に応じて赤色及び/又は青色蛍光体との組み合わせにより、容易に白色光が得られるという特徴がある。又β型サイアロンは、高温にさらしても劣化せず、更に耐熱性に優れており酸化雰囲気及び水分環境下における長期間の安定性にも優れているので、これらを反映して当該照明器具が高輝度で長寿命になるという特徴を有する。
白色光を発する照明器具の主な用途は、物を照らす光の発光であるので、物の色を正しく反映するために安定した色調が要求される。このため発光光源である青色LEDだけでなく蛍光体であるα型サイアロン或いはβ型サイアロンに対しても、ばらつきの少ない安定した発光強度が要求される。
本発明の照明器具は、少なくとも一つの発光光源と本発明のサイアロン蛍光体を用いて構成される。本発明の照明器具としては、LED、蛍光ランプなどが含まれ、例えば、特開平5−152609号公報、特開平7−99345号公報、特許第2927279号公報などに記載されている公知の方法により、本発明の蛍光体を用いてLEDを製造することが出来る。なお、この場合において、発光光源は350〜500nmの波長の光を発する紫外LED又は青色LED、特に好ましくは440〜480nmの波長の光を発する青色LEDを用いることが好ましく、これらの発光素子としては、GaNやInGaNなどの窒化物半導体からなるものがあり、組成を調整することにより所定の波長の光を発する発光光源となりうる。
照明器具において、本発明のα型サイアロンからなる蛍光体を単独で使用する方法以外に、他の発光特性を持つ蛍光体と併用することによって、所望の色を発する照明器具を構成することも出来る。特に青色LEDを励起源とした場合、本発明のα型サイアロンからなる蛍光体とピーク波長が500〜550nmの緑〜黄色光の発光を示す蛍光体との組み合わせる時に、幅広い色温度の白色発光が可能となる。この様な蛍光体としては、Euが固溶したβ型サイアロンが挙げられる。また、更にCaSiAlN:Eu等の赤色蛍光体と組み合わせることにより、演色性の向上が達成される。
また、照明器具において、本発明の蛍光体を単独で使用する方法以外に、他の発光特性を持つ蛍光体と併用することによって、所望の色を発する照明器具を構成することも出来る。特に青色LEDを励起源とした場合、本発明の蛍光体とCaSiAlN:Eu等の赤色蛍光体と組み合わせることにより、幅広い色温度の白色発光が可能となる。又紫外LEDを励起源とした場合、青色光の発光を示す蛍光体及び赤色蛍光体と組み合わせる時に、幅広い色温度に加えて演色性の向上が達成される。
(実施例1)
電気化学工業社製α型窒化珪素粉末(9FWグレード)75.9質量%、トクヤマ社製窒化アルミニウム粉末(Fグレード)14.1質量%、関東化学社製炭酸カルシウム粉末(特級試薬)2.7質量%、和光純薬社製フッ化カルシウム粉末(特級試薬)6.4質量%、信越化学工業社製酸化ユーロピウム粉末(RUグレード)1.0質量%を合計で1.4kgになるように配合した。尚、この場合のEu含有量は0.12at%である。
これを、ロッキングミキサー(愛知電機製 RM−10)を用いて30分間乾式で混合し、更に目開き150μmのステンレス製篩を全通させてα型サイアロン合成用の原料粉末を得た。次いで原料粉末を100mLのメスシリンダーに充填し、粉末の質量をかさ体積で割ることによってかさ密度を測定したところ、0.3g/cmであった。尚、本発明におけるかさ密度は、JIS R 1628−1997における初期かさ密度であり、試料容器にタップによる衝撃は加えない。
この原料粉末を、内寸で直径14.8cm×高さ13.8cmの蓋付きの円筒形窒化硼素製容器に520g充填し、カーボンヒーターの電気炉で大気圧の窒素雰囲気中、1750℃で24時間の加熱処理を行った。得られた生成物は、緩く凝集した塊状であり、清浄なゴム手袋を着用した人手で軽くほぐすことができた。こうして軽度の解砕を行った後、目開き45μmの篩を通した。これらの操作によって、440gの合成粉末を得た。X線回折装置を用い(マックサイエンス製 MXP3)粉末X線回折測定を行った結果、合成粉末はα型サイアロン単相であった。
また、日立ハイテクノロジーズ社製分光蛍光光度計(F4500)を用いて青色光励起(波長455nm)における蛍光スペクトルを測定し、スペクトルのピーク強度(発光強度)とピーク波長を求めた。尚、ピーク強度は測定装置や条件によって変化するため、同一条件で測定した実施例及び比較例での相対比較を行った。結果を表1に示す。
更に、コールター社製「LS−230型」粒度分布測定装置を用い、レーザー回折・散乱法による粒子径分布測定を行った。結果(平均粒子径 D50(μm))を表1に示す。尚、粒子径分布測定用試料の調製は、原則JIS R 1629−1997 解説付表1の窒化けい素の測定条件に従ったが、試料の解砕は行わなかった。
粒子径分布測定の結果、得られた粒子径値(μm)及びその粒子径値以上の粒子の累積質量分率から、粒子径値の対数を横軸、累積質量分率の逆数に100を掛けてそれを2回対数にしたものを縦軸にプロットした図(ロジン・ラムラー分布線図)を作成し、各測定点と回帰直線の相関係数が0.99以上になるよう、測定点を選択して回帰直線を引いた。この際選択した測定点に相当する粒子径の粒子がロジン・ラムラー分布則に適合すると見なし、これが粒子全体に占める割合及び回帰直線の傾き(n)を求めた。結果を表1に示す。
(実施例2)
ロッキングミキサー混合後のステンレス製篩の目開きを250μmとし、それ以外は実施例1と全く同様にして、α型サイアロン合成用の原料粉末を調製したところ、かさ密度は0.5g/cmであった。さらに実施例1と同条件にて加熱処理を行い、得られた生成物は、緩く凝集した塊状ではあったが、実施例1と比較すると凝集がやや強かったため、アルミナ製乳棒で軽く叩いて解砕した後、目開き45μmの篩を通した。これらの操作によって、420gの合成粉末を得た。その後、実施例1と同様にして粉末X線回折、蛍光スペクトル及び粒子径分布の測定、並びに粒子径分布からロジン・ラムラー分布線図を作成し、実施例1と同様にロジン・ラムラー分布則に適合する粒子の割合及び回帰直線の傾き(n)を求めた。結果を表1に示す。
(比較例1)
ロッキングミキサー混合後のふるい通しを省略し、それ以外は実施例1と全く同様にして、α型サイアロン合成用の原料粉末を調製したところ、かさ密度は0.6g/cmであった。さらに実施例1と同条件にて加熱処理を行ったところ、得られた生成物は強く凝集しており、一部は焼結していた。これをスタンプミルで粉砕した後、目開き45μmの篩を通した。これらの操作によって、390gの合成粉末を得た。その後、実施例1と同様にして粉末X線回折、蛍光スペクトル及び粒子径分布の測定、並びに粒子径分布からロジン・ラムラー分布線図を作成し、実施例1と同様にロジン・ラムラー分布則に適合する粒子の割合及び回帰直線の傾き(n)を求めた。結果を表1に示す。
(実施例3)
電気化学工業社製α型窒化珪素粉末(NP−600グレード、酸素含有量1.3質量%)95.5質量%、トクヤマ社製窒化アルミニウム粉末(Fグレード、酸素含有量0.9質量%)3.3質量%、大明化学社製酸化アルミニウム粉末(TM−DARグレード)0.3質量%、信越化学工業社製酸化ユーロピウム粉末(RUグレード)0.8質量%を合計で1.0kgになるように配合した。尚、この場合のEu含有量は0.09at%である。
これを、ロッキングミキサー(愛知電機製 RM−10)を用いて60分間乾式で混合し、更に目開き150μmのステンレス製篩を全通させてβサイアロン合成用の原料粉末を得た。次いで原料粉末を100mLのメスシリンダーに充填し、粉末の質量をかさ体積で割ることによってかさ密度を測定したところ、0.4g/cmであった。
これを、実施例1と同様の窒化硼素製容器に580g充填し、カーボンヒーターの電気炉で0.9MPaの加圧窒素雰囲気中、1950℃で12時間の加熱処理を行った。得られた生成物は、緩く凝集した塊状であり、清浄なゴム手袋を着用した人手で軽くほぐすことができた。こうして軽度の解砕を行った後、目開き45μmの篩を通した。これらの操作によって、550gの合成粉末を得た。X線回折装置を用い(マックサイエンス製 MXP3)粉末X線回折測定を行った結果、合成粉末はβ型サイアロン単相であった。
その後、実施例1と同様にして、蛍光スペクトル及び粒子径分布の測定、並びに粒子径分布からロジン・ラムラー分布線図を作成し、実施例1と同様にロジン・ラムラー分布則に適合する粒子の割合及び回帰直線の傾き(n)を求めた。結果を表2に示す。
(実施例4)
ロッキングミキサー混合後のステンレス製篩の目開きを250μmとし、それ以外は実施例3と全く同様にして、β型サイアロン合成用の原料粉末を調製したところ、かさ密度は0.5g/cmであった。さらに実施例3と同条件にて加熱処理を行い、得られた生成物は、緩く凝集した塊状ではあったが、実施例3と比較すると凝集がやや強かったため、アルミナ製乳棒で軽く叩いて解砕した後、目開き45μmの篩を通した。これらの操作によって、530gの合成粉末を得た。その後、実施例3と同様にして粉末X線回折、蛍光スペクトル及び粒子径分布の測定、並びに粒子径分布からロジン・ラムラー分布線図を作成し、実施例3と同様にロジン・ラムラー分布則に適合する粒子の割合及び回帰直線の傾き(n)を求めた。結果を表2に示す。
(比較例2)
ロッキングミキサー混合後のふるい通しを省略し、それ以外は実施例3と全く同様にして、β型サイアロン合成用の原料粉末を調製したところ、かさ密度は0.7g/cmであった。さらに実施例3と同条件にて加熱処理を行ったところ、得られた生成物は強く凝集しており、一部は焼結していた。これをスタンプミルで粉砕した後、目開き45μmの篩を通した。これらの操作によって、480gの合成粉末を得た。その後、実施例3と同様にして粉末X線回折、蛍光スペクトル及び粒子径分布の測定、並びに粒子径分布からロジン・ラムラー分布線図を作成し、実施例3と同様にロジン・ラムラー分布則に適合する粒子の割合及び回帰直線の傾き(n)を求めた。結果を表2に示す。
(実施例5〜6、比較例3)
実施例1〜2、比較例1で得られたα型サイアロン蛍光体10gを水100gにエポキシシランカップリング剤(信越シリコーン(株)社製、KBE402)1.0gと共に加え、撹拌しながら一晩放置した。その後、ろ過乾燥したシランカップリング剤で処理された上記サイアロン蛍光体の適量をエポキシ樹脂(サンユレック(株)社製NLD−SL−2101)10gに混練し、発光波長460nmの青色LED素子の上にポッティングし、真空脱気し、110℃で前記樹脂を加熱硬化し、図1に示す表面実装型LEDを作製した。これに10mAの電流を流して発生する光の発光スペクトルを測定した。ランプ効率及び平均演色評価数を表3に示す。
図1に白色LED(前記表面実装型LED)の概略構造図を示す。即ち図1に示す如く白色LEDは、青色LEDチップ1を導電性端子6に接続させて容器5の底部に設置し、青色LEDチップ1をワイヤー3で他の導電性端子7に接続した後、サイアロン蛍光体2と封止樹脂(エポキシ樹脂)4を加熱硬化して構成される。この表面実装型LEDに10mAの電流を流して発生する光の発光スペクトルを測定した。ランプ効率及び平均演色評価数を表3に示す。
(実施例7〜8、比較例4)
実施例3〜4、比較例2で得られたβ型サイアロン蛍光体3.75gと、実施例1のα型サイアロン6.25gを水100gにエポキシシランカップリング剤(信越シリコーン(株)社製、KBE402)1.0gと共に加え、撹拌しながら一晩放置した。その後、ろ過乾燥したシランカップリング剤で処理された上記サイアロン蛍光体の適量をエポキシ樹脂(サンユレック(株)社製NLD−SL−2101)10gに混練し、発光波長460nmの青色LED素子の上にポッティングし、真空脱気し、110℃で前記樹脂を加熱硬化し、図1に示す表面実装型LEDを作製した。これに10mAの電流を流して発生する光の発光スペクトルを測定した。ランプ効率及び平均演色評価数を表4に示す。
本発明のサイアロン蛍光体の製造方法は、粒子径ばらつきの影響を受けやすいサイアロンからなる蛍光体粉末を、簡便で、従って、安価に提供できるので、産業上非常に有用である。
本発明のα型サイアロンからなる蛍光体は、その特定の結晶構造及び組成に起因して、440〜480nmの励起光により550〜600nmの領域にピークを有する発光特性を安定して示すので、青色光を光源とする照明器具、特に青色LEDを発光光源とする白色LED用の蛍光体として好適であり、産業上非常に有用である。
本発明のβ型サイアロンからなる蛍光体は、その特定の結晶構造及び組成に起因して、350〜500nmの励起光により500〜550nmの領域にピークを有する発光特性を示すので、紫外光又は青色光を光源とする照明器具、特に紫外LED又は青色LEDを発光光源とする白色LED用の蛍光体として好適であり、産業上非常に有用である。
本発明の照明器具は、発光色の色調が安定しており、耐熱性に優れ、しかも発光特性の温度変化が少ないα型サイアロン或いはβ型サイアロンからなる粉末状の蛍光体を用いているので、物の色を正しく映し出すことが可能で、しかも長期に渡って高輝度な照明器具であり、産業上有用である。
本発明の実施例に係る照明器具(表面実装型LED)の概略説明図。
符号の説明
1. 青色LEDチップ
2. 蛍光体
3. ワイヤー
4. 封止樹脂
5. 容器
6.7.導電性端子

Claims (5)

  1. 窒化ケイ素粉末と、窒化アルミニウム粉末、必要に応じて酸化アルミニウム粉末と、Eu含有化合物と、必要に応じてCa含有化合物とを混合してなる原料粉末を、窒素雰囲気又は非酸化雰囲気下で加熱してなるサイアロン蛍光体の製造方法であって、前記原料粉末のかさ密度を0.1〜0.5g/cmに調整し、しかも加熱後に解砕によって粒子径を調整することを特徴とするサイアロン蛍光体の製造方法。
  2. 請求項1の製造方法で得られるサイアロン蛍光体であって、一般式:(Ca、Eu)m/2(Si)12−(m+n)(Al)m+n(O)(N)16−nで示されるα型サイアロンからなり、レーザー回折、散乱法によって測定した粒子径分布において、60%以上の粒子の径の分布がロジン・ラムラー式(式1)に従い、しかも前記式におけるnの値が1.5以上であることを特徴とする蛍光体。
    R(D)=100・exp(−b・D ) (式1)
    ここで、Dは粒子径(μm)、R(D)は粒子径D以上の粒子の累積質量分率、b及びnは定数である。
  3. 請求項1の製造方法で得られるサイアロン蛍光体であって、一般式:Si6−ZAl8−Zで示されるβ型サイアロンが母体材料であり、発光中心としてEuを固溶するものであり、レーザー回折、散乱法によって測定した粒子径分布において、60%以上の粒子の径の分布がロジン・ラムラー式に従い、しかも同式におけるn(分布定数)の値が1.5以上であることを特徴とする蛍光体。
  4. 請求項2又は請求項3記載のサイアロン蛍光体と発光光源とを含むことを特徴とする照明器具。
  5. 発光光源として紫外線又は可視光を用いることを特徴とする請求項4記載の照明器具。
JP2006139064A 2006-05-18 2006-05-18 サイアロン蛍光体の製造方法、サイアロン蛍光体、照明器具 Pending JP2007308593A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006139064A JP2007308593A (ja) 2006-05-18 2006-05-18 サイアロン蛍光体の製造方法、サイアロン蛍光体、照明器具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006139064A JP2007308593A (ja) 2006-05-18 2006-05-18 サイアロン蛍光体の製造方法、サイアロン蛍光体、照明器具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007308593A true JP2007308593A (ja) 2007-11-29

Family

ID=38841754

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006139064A Pending JP2007308593A (ja) 2006-05-18 2006-05-18 サイアロン蛍光体の製造方法、サイアロン蛍光体、照明器具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007308593A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010043242A (ja) * 2008-08-12 2010-02-25 Samsung Led Co Ltd β−サイアロン蛍光体の製造方法。
WO2010087348A1 (ja) * 2009-01-27 2010-08-05 電気化学工業株式会社 α型サイアロン蛍光体、その製造法及び発光装置
WO2011083671A1 (ja) * 2010-01-08 2011-07-14 シャープ株式会社 蛍光体、発光装置およびそれを用いた液晶表示装置
KR101197376B1 (ko) 2009-11-16 2012-11-05 서울대학교산학협력단 알파 사이알론 형광체의 제조방법
KR101331410B1 (ko) * 2011-10-31 2013-11-21 한국기계연구원 산화물 조제 첨가 베타 사이알론 형광체 및 그 제조 방법
JP2015028983A (ja) * 2013-07-30 2015-02-12 シャープ株式会社 波長変換部材及び発光装置
WO2020218109A1 (ja) * 2019-04-23 2020-10-29 デンカ株式会社 蛍光体粉末および発光装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006008948A (ja) * 2004-06-29 2006-01-12 National Institute For Materials Science 複合窒化物蛍光体の製造方法
JP2006052337A (ja) * 2004-08-12 2006-02-23 Fujikura Ltd サイアロン蛍光体およびその製造方法
JP2006257353A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Fujikura Ltd 粉末状蛍光体とその製造方法、発光デバイス及び照明装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006008948A (ja) * 2004-06-29 2006-01-12 National Institute For Materials Science 複合窒化物蛍光体の製造方法
JP2006052337A (ja) * 2004-08-12 2006-02-23 Fujikura Ltd サイアロン蛍光体およびその製造方法
JP2006257353A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Fujikura Ltd 粉末状蛍光体とその製造方法、発光デバイス及び照明装置

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010043242A (ja) * 2008-08-12 2010-02-25 Samsung Led Co Ltd β−サイアロン蛍光体の製造方法。
US8158026B2 (en) 2008-08-12 2012-04-17 Samsung Led Co., Ltd. Method for preparing B-Sialon phosphor
WO2010087348A1 (ja) * 2009-01-27 2010-08-05 電気化学工業株式会社 α型サイアロン蛍光体、その製造法及び発光装置
US8663500B2 (en) 2009-01-27 2014-03-04 Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha α-sialon phosphor, method for producing same, and light-emitting device
KR101197376B1 (ko) 2009-11-16 2012-11-05 서울대학교산학협력단 알파 사이알론 형광체의 제조방법
US8709283B2 (en) 2010-01-08 2014-04-29 Sharp Kabushiki Kaisha Phosphor, light emitting apparatus, and liquid crystal display apparatus using the same
US9496463B2 (en) 2010-01-08 2016-11-15 Ge Phosphors Technology, Llc Phosphor, light emitting apparatus, and liquid crystal display apparatus using the same
CN102656248A (zh) * 2010-01-08 2012-09-05 夏普株式会社 荧光体、发光装置及使用它的液晶显示装置
WO2011083671A1 (ja) * 2010-01-08 2011-07-14 シャープ株式会社 蛍光体、発光装置およびそれを用いた液晶表示装置
CN102656248B (zh) * 2010-01-08 2014-07-16 夏普株式会社 荧光体、发光装置及使用它的液晶显示装置
JP5589002B2 (ja) * 2010-01-08 2014-09-10 シャープ株式会社 蛍光体、発光装置およびそれを用いた液晶表示装置
KR101331410B1 (ko) * 2011-10-31 2013-11-21 한국기계연구원 산화물 조제 첨가 베타 사이알론 형광체 및 그 제조 방법
JP2015028983A (ja) * 2013-07-30 2015-02-12 シャープ株式会社 波長変換部材及び発光装置
WO2020218109A1 (ja) * 2019-04-23 2020-10-29 デンカ株式会社 蛍光体粉末および発光装置
CN113710772A (zh) * 2019-04-23 2021-11-26 电化株式会社 荧光体粉末和发光装置
TWI812859B (zh) * 2019-04-23 2023-08-21 日商電化股份有限公司 螢光體粉末及發光裝置
US11781064B2 (en) 2019-04-23 2023-10-10 Denka Company Limited Phosphor powder and light-emitting device
JP7394125B2 (ja) 2019-04-23 2023-12-07 デンカ株式会社 蛍光体粉末および発光装置
CN113710772B (zh) * 2019-04-23 2024-01-02 电化株式会社 荧光体粉末和发光装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5122765B2 (ja) 蛍光体の製造方法、蛍光体と照明器具
JP5234781B2 (ja) 蛍光体とその製造方法および発光器具
JP5367218B2 (ja) 蛍光体の製造方法および発光装置の製造方法
JP4891336B2 (ja) 蛍光体及びその製造方法、並びに発光装置
JP4565141B2 (ja) 蛍光体と発光器具
JP5025474B2 (ja) β型サイアロン蛍光体
JP5124101B2 (ja) α型サイアロン蛍光体及びその製造方法、並びに照明器具
JP4494306B2 (ja) α型サイアロン粉末の製造方法
JP4524368B2 (ja) サイアロン蛍光体とその製造方法
JP4538739B2 (ja) α型サイアロン蛍光体とそれを用いた照明器具
JP2006022286A (ja) 蛍光体及びled並びに光源
JP2010043242A (ja) β−サイアロン蛍光体の製造方法。
JP2005239985A (ja) 蛍光体および光源並びにled
JP2009096882A (ja) 蛍光体とその製造方法
JP2007308593A (ja) サイアロン蛍光体の製造方法、サイアロン蛍光体、照明器具
TWI458806B (zh) β型矽鋁氮氧化物之製造方法、β型矽鋁氮氧化物及發光裝置
WO2013105345A1 (ja) 蛍光体及び発光装置
JP4879567B2 (ja) サイアロン蛍光体の製造方法、それで得られた蛍光体を用いた照明器具
JP2009188274A (ja) 発光装置およびその製造方法
Lee et al. Effects of using MgO, CaO additives as sintering aid in pressureless sintering of M2Si5N8: Eu2+ (M= Ba, Sr) phosphor ceramics for amber LED automotive applications
JP4364189B2 (ja) α型サイアロン、α型サイアロンからなる蛍光体とそれを用いた照明器具
JPWO2012036016A1 (ja) 蛍光体および発光装置
JP2009138070A (ja) 蛍光体とその製造方法及び蛍光体を用いた発光装置
JP2018150433A (ja) 橙色蛍光体および発光装置
KR101593286B1 (ko) 형광체 및 발광 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090306

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120117

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120821