JP2007302487A - 水素吸蔵材料、及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い水素吸蔵量を維持して、水素吸収速度を向上した実用性の高い水素吸蔵材料を提供することを目的とする。
【解決手段】少なくともアルカリ金属がドープされたナノカーボン材、並びに水素吸蔵金属及び/又は合金からなり、かつ該水素吸蔵金属及び/又は合金と、該ナノカーボン材により形成される空隙を有する複合体であることを特徴とする水素吸蔵材料、並びに前記水素吸蔵材料を有する水素吸蔵手段、熱制御手段及び圧力制御手段を備えた水素貯蔵容器。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水素ガスの吸蔵材料及び該吸蔵材料を有する水素ガスの貯蔵容器、並びに該水素吸蔵材料の製造方法に関する。
水素吸蔵材料は、比較的低温または高圧雰囲気において水素を吸蔵して発熱を伴って金属水素化物を生成し、一方、比較的高温または低圧雰囲気において水素ガスを放出する。
このような水素吸蔵材料は、水素貯蔵用に利用が図られる。
これまで開発されている水素ガスの貯蔵方法は、(i)高圧ガスとしての貯蔵方法、(ii)水素ガスの液化貯蔵方法、及び(iii)水素ガスを合金材料等に吸蔵させる方法、の三つに分類することができる。
しかしながら、前記三つの従来技術にはそれぞれ問題点が存在する。(i)の貯蔵方法は、ボンベのような金属製の耐圧容器を使用する必要があり、この容器の重量が非常に重い。またその蓄積密度がせいぜい12mg/ml程度と低く、更に高圧であるために安全面での配慮が必要である。
前記(ii)の方法は、水素ガスをいったん液化して蓄えるもので、液化水素の蓄積密度は約70mg/ml程度と相対的には高い蓄積密度である。しかし、水素ガスの液化は、約−250℃以下の定温で行う必要があるために冷却装置の付加と、冷却エネルギー消費を伴う問題点がある。
前記(iii)の方法は、水素吸蔵合金等の水素吸蔵材料を用いるもので、その貯蔵密度は、合金等への吸蔵であるにもかかわらず高く、液体水素の密度以上である。また、水素の吸蔵と放出が室温付近で可能であり、取り扱いが比較的容易である。
また何らかのトラブルで水素吸蔵容器の内圧の急上昇が起こったときに、水素吸蔵体が水素を吸蔵することにより水素吸蔵容器内の内圧上昇を抑え、その間にトラブルが解決すれば容器内の水素を外部に放出せずにすみ、容器の安全性を高めることができる。
そこで近年、第三の水素貯蔵方法として水素を金属材料に貯蔵させる方法が試みられている。この方法を採用することにより大きな貯蔵密度を実現できるとともに、水素貯蔵容器の重量の軽減が図れ、また特殊な水素貯蔵条件も必要とせず、水素ガス漏れや液化水素ガスの気化に対する安全性の点からも優れた効果が期待できる(特許文献1)。
現在、水素ガスを吸蔵させるために実用化が検討されている金属材料はいくつかあるが、その中でも水素吸蔵合金(例えばMgNi合金)とナノカーボン材からなる複合体は、水素貯蔵量が3.6質量%程度と高く、質量当りの水素貯蔵密度の点から優れており、次世代の水素吸蔵材料として注目されている。しかしながら、この水素吸蔵体は、水素吸収速度が遅く、そのままでは実用レベルに達していないという問題がある。車載用途あるいはモバイル用途の燃料として用いるためには、最大水素吸蔵量の80%に到達するまでの時間が5分以内であることが必須要件であると考えられるが、この水素吸蔵体では、最大水素貯蔵量の80%に到達するまでに40分程度も必要であった。前記水素吸収速度を早くするために他の金属や合金を添加する方法も考えられるが、他の金属や合金を混ぜると水素吸蔵体としての水素吸蔵量が減少するので好ましくない。一方、水素吸収速度が早い合金(例えばLaNi合金)では、水素吸蔵量が1.6重量%程度に低下するので、実用レベルには達していない。
従って、これまで、水素吸蔵量と水素吸収速度の双方について共に実用性レベルを満たす水素吸蔵材料は見出されていない。
特開平6−158194号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたもので、水素吸蔵合金粉末とナノカーボン材からなる複合体について、高い水素吸蔵量を維持して、従来の問題点である水素吸収速度を改良して、実用性レベルを満たす水素吸蔵材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、水素吸蔵合金粉末とアルカリ金属でドープされたナノカーボン材からなる複合体を使用することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第1の態様は、(1)少なくともアルカリ金属がドープされたナノカーボン材、並びに水素吸蔵金属及び/又は合金からなり、かつ該水素吸蔵金属及び/又は合金と、該ナノカーボン材により形成される空隙を有する複合体であることを特徴とする水素吸蔵材料に関する発明である。
第1の態様においては、さらに下記(2)ないし(10)の態様とすることができる。
(2)前記ナノカーボン材が、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、及びカーボンナノホーンから選択された1種又は2種以上からなること、
(3)前記水素吸蔵金属及び/又は合金が、Mg、Ca、Sr、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Y、Zr、Nb、Pd、Ag及びLaから選択された1種又は2種以上を含むこと、
(4)前記水素吸蔵合金が、La−Ni系合金、MM−Ni系合金、II族元素−Ni系合金、Mg合金、Fe−Ti系合金、ラベス相合金及びBCC合金のいずれかであること、
(5)前記水素吸蔵金属及び/又は合金の平均粒径が50μm以下であること、
(6)前記アルカリ金属がLi、Na及びKから選択された1種又は2種以上からなること、
(7)前記アルカリ金属がドープされてナノカーボン材のグラファイト層間又はグラファイト束の隙間に分散して存在していること、
(8)前記水素吸蔵材料中において、ナノカーボン材が水素吸蔵金属及び/又は合金100質量部に対して、0.1〜10質量部含有されていること、
(9)前記水素吸蔵材料中において、前記アルカリ金属がナノカーボン材100質量部に対して、1〜50質量部含有されていること、
本発明の第2の態様は、(10)前記(1)ないし(9)のいずれかに記載の水素吸蔵材料を有する水素吸蔵手段、熱制御手段及び圧力制御手段を備えた水素貯蔵容器に関する発明である。
本発明の第3の態様は、(11)アルカリ金属がドープされたナノカーボン材料と、水素吸蔵金属及び/又は合金とを有機溶媒中で混合した後に該有機溶媒を蒸発除去し、得られた混合粉末を金型内で圧縮成形し、その後不活性ガス雰囲気下で焼結することを特徴とする水素吸蔵材料の製造方法に関する発明である。
上記第3の態様において、(12)アルカリ金属によるナノカーボン材料のドープを蒸着法により行うことができる。
本発明は、アルカリ金属がドープされたナノカーボン材料と水素吸蔵金属及び/又は合金(以下、「水素吸蔵金属及び/又は合金」を水素吸蔵金属等ということがある。)を含有する複合体とすることにより、ナノカーボン材料が水素吸蔵金属等の間に位置して、隣り合う水素吸蔵金属等同士の接触による内部応力の増加を抑制すると共に水素吸蔵による膨張の緩衝材として作用して、粉化による水素吸蔵材料の劣化を防止する。また水素吸蔵物間に位置するナノカーボン材料が水素吸蔵空間を確保すると共に水素吸収速度の向上効果をもたらし、更にナノカーボン材料がアルカリ金属でドープされていることにより、水素の吸蔵を一層促進する作用を奏し、これらのことから水素吸収速度が大幅に増加される。
[1] 第1の態様
本発明の第1の態様に係る水素吸蔵材料は、少なくともアルカリ金属でドープされたナノカーボン材、並びに水素吸蔵金属及び/又は合金からなり、かつ少なくとも該水素吸蔵金属及び/又は合金とこれらの間に位置する該ナノカーボン材により形成される空隙を有する複合体であることを特徴とする。
以下、[イ]〜[ハ]に第1の態様に係る水素吸蔵材料について詳述する。
[イ] 水素吸蔵金属及び/又は合金
本発明に使用する水素吸蔵金属及び/又は合金は、Mg、Ca、Sr、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Y、Zr、Nb、Pd、Ag及びLaから選択された1種又は2種以上を含むことが好ましい。これらの中でも特にMg、Ti、Vは、軽量であることから特に好ましく、複数種類の金属または合金を含む場合においても少なくとも、Mg、Ti、Vのうちの少なくとも1種類を同時に含むことが好ましい。
また、水素吸蔵合金には、La−Ni系合金、MM−Ni系合金、II族元素−Ni系合金、Mg合金、Fe−Ti系合金、ラベス相合金、BCC合金などが用いられる。
上記MM−Ni系合金とは、LaNiにおいて高価なLaの代わりにミッシュメタルと呼ばれるLaを含む合金を使用した合金である。ラベス(Laves)相合金とは、合金を結晶構造で定義したもので、例えばMgNiが代表的な該合金の結晶構造である。
BCC合金とは、その結晶構造が体心立方格子構造である合金の一般的な略称である。体心立方格子構造とは単位格子の四隅と中心に原子が位置する構造(body-centered cubic lattice)で、BCC合金とは前記英語標記の略である。
前記合金を使用することにより、水素吸蔵の温度・圧力条件と放出の温度・圧力条件が比較的近似するという効果を得ることができる。
尚、Mg合金、BCC合金は質量当りの水素貯蔵密度が高いことから特に好ましい。
上記水素吸蔵金属及び/又は合金(水素吸蔵金属等)としては、水素化物を形成する金属が好ましく使用される。
これらの水素吸蔵金属等は、微細化されていることが望ましく、これによって上記の可逆的な水素の吸蔵と脱離のより一層の低温動作化を図ることができ、またナノカーボン材と混合して水素吸蔵材料の前駆体である複合体が形成されるので、ナノカーボン材との均一混合性を考慮すると粉末形状のものが好ましい。これらのことから、水素吸蔵金属等の平均粒径は、50μm以下であることが好ましく、10μm以下であることが特に好ましい。平均粒径の下限範囲は特に制限を受けるものではないが、商業的に作製可能な粒径を考慮すると、1μm程度以上が実用的である。
なお、前記微細化の手段としては、機械的攪拌等などが挙げられる。また、前記平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
[ロ] ナノカーボン材
本発明におけるナノカーボンとは、ナノメートル(10のマイナス9乗メートル)サイズの炭素のみで構造される物質の総称で、その構造は図1(a)に示すように、1つの層からなるチューブ形状の単層カーボンナノチューブ(以下SWCNTと略す)、図1(b)に示す2つの層からなる2層カーボンナノチューブ(以下DWCNTと略す)、図1(c)に示す3層以上の多層構造を有する多層カーボンナノチューブ(以下MWCNTと略す)、図1(e)に示すカップスタック状カーボンナノチューブ(以下CSCNTと略す)等がある。一方、図1(d)に示す気相成長炭素繊維(以下VGCFと略す)や、図1(f)に示すカーボンナノホーン(以下CNHと略す)、及びカーボンナノファイバーなどの種類もある。
前記ナノカーボン材として、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブの少なくとも一方を含むことによってアルカリ金属がドープできる構造を持ち、キャリア密度を向上させることができるという効果を得ることができる。
なお、多層カーボンナノチューブを用いる場合には、グラファイト間を押し広げ易く、多くのアルカリ金属がドープできる点から好ましくは25層以下、さらに好ましくは10層以下の総数を有する。
これらのナノカーボン材は、アーク放電法、化学的気相合成法(DVD法)、アーク放電法、レーザーアブレーション法、炭化水素触媒合成法、シリコンカーバイト(SiC)高温処理法などで作製される。
本発明で用いられるナノカーボン材は、特に曲率を持つグラファイト面を有することで、より優れた変形能力を示し、水素ガスの吸蔵時や放出時に水素吸蔵金属等の体積変化による歪が生じても、ナノカーボン材の変形によりその歪が吸収され、水素吸蔵金属等に欠陥が発生しにくくなる。
その様子を、図2に模式的に表す。水素吸蔵金属等の粉末とナノカーボン材とからなる複合体が、水素吸蔵により、水素吸蔵金属等の粉末間のナノカーボンが歪み、収縮する様子(図2の右図)、及び水素放出により、ナノカーボンの歪が開放され元の形状に戻る様子(図2の左図)を模式的に図示したものである。
複合体に適度の割合で混合されたナノカーボンが、水素吸蔵、放出に伴い収縮、膨張することにより、水素吸蔵金属等の内部応力を減少させ、水素吸蔵金属等に欠陥が発生するのを防ぐ効果が発揮される。
ナノカーボン材は、その大きさがナノサイズであるために分散性に優れ、また繊維状であるために水素吸蔵金属等の間に位置して、水素吸蔵金属等の凝集を防止すると共に電子移動距離の長さを十分に確保することができる。従って、酸化還元反応を促進する導電助剤として効果的に機能することができる。
前記水素吸蔵材料中において、ナノカーボン材が水素吸蔵金属及び/又は合金100質量部に対して、0.1〜10質量部含有されていることが好ましく、1〜5質量部含有されているのが特に好ましい。このような配合割合とすることにより、上記効果を効果的に発揮することができる。
(ナノカーボンの層数、粒度の測定)
上記それぞれのナノカーボンをTEM(透過型電子顕微鏡、Transmission Electron Microscope)で観察し、観察できたナノカーボンから50個を無作為に抽出する。形状がチューブ状のナノカーボンは(図1(a)〜(c)など)、その軸に対して垂直方向の中心を通る長さの平均値をナノカーボンの平均直径とする。カーボンナノホーン(CNH)など形状がチューブ状でない場合は(図1(f))、その形状の最大直径となる部分を測定し、抽出した50個のカーボンナノホーンにおいて、その最大直径値の平均をそのカーボンナノホーンの平均直径(d)とする。
同様にそれぞれのナノカーボンをTEM観察し、観察できたナノカーボンから50個を無作為に抽出する。形状がチューブ状のナノカーボンは、その長軸に対して垂直方向にグラファイト層が何層あるかを数える。グラファイト層が確認できない場合は、グラファイト層の厚みを測定し、その厚みをカーボンナノチューブにおける平均的なグラファイト層間距離である0.34nmで除算することにより層数を算出する。これらの方法で得たグラファイト層数の平均値をナノカーボンの平均層数(n)とする。形状がチューブ状でないカーボンナノホーン(CNH)においては層数を1層とする。
上記測定方法により、本明細書の実施例、比較例で採用したナノカーボンの平均層数(n)は、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)は1層、多層カーボンナノチューブ(MWCNT)は36層、カーボンナノホーン(CNH)は1層、気相成長炭素繊維(VGCF)は220層であることがわかった。
それぞれのナノカーボンの平均長さは、ナノカーボンを有機溶媒に分散させ、レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装(株)製マイクロトラックMT3300EX粒度分布測定装置)を用いて測定した。本明細書の実施例、比較例で使用したナノカーボンの平均長さ(L)は上記粒度分布測定により、カーボンナノホーン(CNH)は80nm程度、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)、二層カーボンナノチューブ(DWCNT)、及び多層カーボンナノチューブ(MWCNT)はいずれも10,000nm程度、カップスタック状カーボンナノチューブ(CSCNT)と気相成長炭素繊維(VGCF)は共に15,000nm程度であることがわかった。
本発明の水素吸蔵材料中において、ナノカーボン材は、水素吸蔵金属及び/又は合金100質量部に対して、0.1〜10質量部含有されていることが好ましく、1〜5質量部含有されていることが特に好ましい。ナノカーボン材の含有量が前記10質量部を超えても水素の吸蔵量の増加効果は少ない。また前記0.1質量部未満では、水素吸蔵金属等の間に位置して、隣り合う水素吸蔵金属等同士の接触による内部応力の増加を抑制すると共に水素吸蔵による膨張の緩衝材として作用して、粉化による水素吸蔵材料の劣化を防止する効果が顕著ではない。
[ハ] アルカリ金属
本発明は、ナノカーボン材、並びに水素吸蔵金属及び/又は合金からなる複合体中のナノカーボン材がアルカリ金属でドープされていることに特に特徴がある。
尚、本発明においては、予めナノカーボン材をアルカリ金属でドープしてから水素吸蔵金属等と混合した後に複合体を形成してもよく、又ナノカーボン材と水素吸蔵金属等とを混合した後にアルカリ金属でドープしてもよい。
ナノカーボン材のドープに使用するアルカリ金属は、Li、Na及びKから選択された1種又は2種以上からなることが望ましいが、Kは、軽量であることから特に好ましく、複数種類のアルカリ金属を含む場合においてもKを同時に含むことが好ましい。
アルカリ金属は、ドープされてナノカーボン材のグラファイト層間又はグラファイト束の隙間に分散して存在して、ナノカーボンのキャリア密度を高めて、電荷の移動を容易にし、その結果電荷状態に依存する水素吸蔵等の表面での水素乖離速度を高めて、水素吸収速度が向上すると考えられる。
尚、アルカリ金属の添加量は、ナノカーボン材100質量部に対して、1〜50質量部が好ましく、10〜20質量部が特に好ましい。また、複数種類のアルカリ金属を含む場合には、全てのアルカリ金属量の合計が上記範囲に含まれるものとする。
アルカリ金属の添加量を前記50質量部以下とすることにより、ナノカーボンの変形が塑性変形になるという不都合が生じるのを抑制でき、また前記1質量部以上とすることにより、水素吸収速度が向上する効果を効果的に発揮できる。
ナノカーボン材がアルカリ金属によりドープされていることの確認は、ナノカーボン材における任意の複数箇所をTEM(透過電子顕微鏡、例えば日本電子(株)製)を使用してアルカリ金属の存在を観察し、そのうちの相当割合にアルカリ金属分散を観察することにより、ナノカーボン材がアルカリ金属でドープされていることを確認することができる。アルカリ金属によるナノカーボン材のドープは、例えば蒸着法により実施することができる。
[2] 第2の態様
本発明の第2の態様は、前記した水素吸蔵材料を有する水素吸蔵手段、熱制御手段及び圧力制御手段を備えた水素貯蔵容器に関する発明である。
本発明の水素貯蔵容器には、前記水素吸蔵材料を封入して、比較的低温または高圧雰囲気において水素を吸蔵して発熱し、一方、比較的高温または低圧雰囲気において水素を放出する。このような水素ガスの吸蔵、放出手段は、熱制御手段、圧力制御等により効率よく行うことができる。
例えば連続的な水素の吸蔵・放出を行う場合には、水素貯蔵容器を高密度セル分割型容器として、複数のセルの各々に水素吸蔵材料を封入して、各セル1内の水素吸蔵材料は、ヒーターにより、セル毎に温度制御ができるようにすることができる。熱制御手段は、水素吸蔵材料に水素を吸収、放出させるためには該材料を冷却、加熱する必要がある。このような冷却、加熱手段としては熱媒体用のパイプ、放熱用フィン等が例示できる。圧力制御手段は、圧縮機、圧力調節弁等を使用して行うことができる。
このような容器とすることにより、水素放出速度を良好に制御できる。又、水素貯蔵容器には安全性が高く軽量な高強度耐熱アルミニウム合金製容器が好適である。
このような水素貯蔵容器は、車載モジュールや携帯用モジュールに利用できる。
[5] 第3態様に係る水素吸蔵材料の製造方法は、アルカリ金属でドープされたナノカーボン材料と、水素吸蔵金属及び/又は合金とを有機溶媒中で混合した後に該有機溶媒を蒸発除去し、得られた混合粉末を金型内で圧縮成形し、その後不活性ガス雰囲気下で焼結することを特徴とする。
具体例として、例えばアルカリ金属がドープされたナノカーボン材を空気に曝さないように有機溶媒溶液中に取り出す。この溶媒溶液に水素吸蔵合金を添加する。更に必要により連結材を添加し、それぞれが均一に混ざるように十分に撹拌する。次に真空容器に移し、撹拌下に有機溶媒を蒸発除去して混合粉体を得る。得られた混合粉体を金型に入れて、加圧下で圧縮成形し、この圧縮成形体をアルゴンガス雰囲気下600℃で焼結して、ハイブリッド状態の焼結体を得る。
尚、本発明において、ハイブリッドとは合金粉末とナノカーボン材とが混合されている状態で、合金粉末の少なくとも一部がナノカーボン材に拘束されていることをいう。以下、このような状態にある焼結体、成形体をそれぞれハイブリッド焼結体、又はハイブリッド成形体ということがある。
前記第3態様において、アルカリ金属によるナノカーボン材料のドープは、蒸着法により行うのが望ましい。この蒸着法の具体例としては、例えば石英管内の両端にナノカーボンとカリウムをそれぞれは位置後、該石英管内を高真空にしてからシールする。次にマイクロコイルヒータを用いて石英管外部からナノカーボンの配置部分を400℃程度、カリウムの配置部分を250℃程度にそれぞれ8時間程度に加熱、維持する。
以下に実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下に、実施例1〜8及び比較例1を記載するが、実施例1〜8に係る表1〜5及び7〜9,並びに図3〜7及び9〜11には比較を容易にするために実施例の範囲外の評価結果も合わせて示す。
尚、本実施例と比較例に使用した試料の調製方法とその評価方法は以下の[1]ないし[3]に記載する。
[1] 水素吸蔵材料の調製
(ナノカーボン材のアルカリ金属ドープ)
内容積100mlの石英管内の両端にナノカーボン材(ナノカーボン材の種類については各実施例に記載されている)0.05gとカリウム0.5gをそれぞれ配置する。石英管内をロータリーポンプにて真空引きを行い、さらにDPポンプによる真空引きにて1×10−4torrまで真空度を上げてから真空封入する。
マイクロコイルヒータを用いて石英管外部からナノカーボンの部分を400℃、カリウムの部分を250℃まで昇温して、8時間それぞれ前記温度に維持した。
(ハイブリッド焼結体の調製)
真空封入し、加熱処理によりカリウムをドープさせたナノカーボン材を空気に曝さないように有機溶媒テトラヒドロフラン(以下THF)200ml溶液中に取り出す。その溶媒に水素吸蔵合金(金属)を4.95g添加する。さらに連結材として流動バラフィンを0.6g添加し、それぞれが均一に混ざるように30分間撹拌を行った。
次に真空容器に移し、撹拌下に有機溶媒を蒸発除去して混合粉体を作製した。
得られた混合粉体を27mmφの金型に入れて、500kgf/cmの加圧下で圧縮成形して、ハイブリッド成形体を得た。この成形体をアルゴンガス雰囲気下600℃で焼結して、ハイブリッド焼結体を得ることができる。
(測定前の活性処理)
得られたハイブリッド焼結体をステンレス製容器に挿入し、この容器中の空気を真空引きで除去する。さらにハイブリッド焼結体に水素が出入りし易くするために、真空引きを行いながら容器を80℃まで加熱して、80℃での真空引きを60分間維持する。この操作を活性化処理とする。
(安定化処理)
その後、水素ガスを5MPaでステンレス製容器に導入し30分維持させ、ハイブリッド焼結体へ水素を吸蔵させ、さらに真空引きを30分行い、水素を放出させる。この30分の水素吸蔵・放出を10回繰り返した。この処理を安定化処理とする。
[2]水素吸蔵量と水素吸収速度の測定法
(水素吸蔵量の測定法)
本発明の水素吸蔵材料についての水素吸収速度を得るために、ステンレス製水素貯蔵容器の温度を30℃、導入水素圧力を3.7MPaとし、容器を密閉し、その水素圧力と時間の推移を測定した。水素吸蔵により水素ガスが減少し、密閉容器内の水素圧が下がるため、その下がった分の圧力と容器内の体積から水素吸蔵量を求める。
(水素吸収速度の測定法)
導かれた水素吸蔵量−時間の推移において水素吸収条件としての水素圧は変化しているため、水素吸収速度としてその傾きを用いることは不適である。そこで自触式反応の速度式 ln(y/(1−y))=ktに値を代入する。
上式において、yを水素吸蔵量/最大水素吸蔵量、tを時間(sec)、kを水素吸収速度定数とし、その水素吸収速度定数kを用いて水素吸収速度を評価する。
(80%水素吸収所要時間の算出)
上記水素吸収速度定数kを用いて、自触式反応の速度式(ln(y/1−y))=ktからy=0.8のときのtを求める。これにより、同一条件で水素吸収を行った場合の80%まで水素を吸蔵するまでかかる時間、すなわち80%水素吸収所要時間tが求められる。
[3] ナノカーボン材へのアルカリ金属分散の確認
水素吸蔵材料中のナノカーボン材における任意の20箇所で測定してそのうちの8割以上にアルカリ金属が存在することをTEM(透過電子顕微鏡、日本電子(株)製)を用いて観察することにより、ナノカーボン材がアルカリ金属でドープされていることを確認した。
[実施例1]
平均粒径10μmの水素吸蔵合金MgNi100質量部に対し、Kでドープしたカーボンナノホーン(CNH 平均層数1層で平均長さは80nm)をそれぞれ0、0.1、0.2、0.5、1.0、2.0、5.0、10、20質量部となるようにハイブリッドした以外は上記[1]水素吸蔵材料の調製に記載した方法により水素吸蔵材料を作製して、水素吸蔵特性を測定した。
水素吸蔵量―時間の測定結果より自触式反応式を用いて水素吸収速度定数を求めた。更に求めた水素吸収速度定数より3.7MPa水素圧下で80%水素吸蔵までに要する時間を算出した。表1、及び図3にそれぞれサンプルと水素吸収速度定数(図3(A))と80%水素吸蔵までに要する時間(図3(B))を示す。
図3(A)より、MgNi100質量部に対し、カーボンナノホーン0.1〜10質量部の範囲で水素吸収速度の向上が見られる。
[実施例2]
平均粒径200、100、50、20、3μmの水素吸蔵合金MgNi100質量部に対し、それぞれにKをドープしたカーボンナノホーン(CNH 実施例1で使用したと同じもの)1質量部となるようにハイブリッドした以外は上記[1]水素吸蔵材料の調製に記載した方法により水素吸蔵材料を作製して、水素吸蔵特性を測定した。
水素吸蔵量―時間の測定結果より自触式反応式を用いて水素吸収速度定数を求めた。更に求めた水素吸収速度定数より3.7MPa水素圧下で80%水素吸蔵までにかかる時間を算出した。表2、及び図4にそれぞれサンプルと水素吸収速度定数(図4(A))と80%水素吸蔵までに要する時間(図4(B))を示す。
図4(A)より、水素吸蔵合金の平均粒径50μmφ以下の条件で水素吸収速度の向上が見られる。
[実施例3]
カーボンナノホーン100質量部に対し、Kを0.1、1、5、20、50、60質量部となるようにKをドープし、平均粒径10μmの水素吸蔵合金MgNi100質量部に対し、上記割合でKドープしたカーボンナノホーン(CNH 実施例1で使用したと同じもの)1質量部となるようにハイブリッドした以外は上記[1]水素吸蔵材料の調製に記載した方法により水素吸蔵材料を作製して、水素吸蔵特性を測定した。
水素吸蔵量―時間の測定結果より自触式反応式を用いて水素吸収速度定数を求めた。更に求めた水素吸収速度定数より3.7MPa水素圧下で80%水素吸蔵までにかかる時間を算出した。表3、及び図5にそれぞれサンプルと水素吸収速度定数(図5(A))と80%水素吸蔵までに要する時間(図5(B))を示す。
図5(A)より、Kドープ量が上記1〜50質量部の範囲で水素吸収速度の向上が見られる。そこで、以降の実施例においてはナノカーボン100質量部へのKドープ割合は20質量部とした。
[実施例4]
平均粒径10μmの水素吸蔵合金MgNi100質量部に対し、Kをドープした単層カーボンナノチューブ(SWCNT 平均層数1層で平均長さは10,000nm)0、0.1、0.2、0.5、1.0、2.0、5.0、10、20質量部をそれぞれハイブリッドした以外は上記[1]水素吸蔵材料の調製に記載した方法により水素吸蔵材料を作製して、水素吸収を測定した。
水素吸蔵量―時間の測定結果より自触式反応式を用いて水素吸収速度定数を求めた。求めた水素吸収速度定数より3.7MPa水素圧下で80%水素吸収までにかかる時間を算出した。表4、及び図6にそれぞれサンプルと水素吸収速度定数(図6(A))と80%水素吸蔵までに要する時間(図6(B))を示す。
図6(A)より、合金MgNi100質量部に対し、KをドープしたSWCNT重量比1〜10質量部の範囲で水素吸収速度の向上が見られる。
[実施例5]
平均粒径10μmの水素吸蔵合金MgNi100質量部に対し、Kをドープした多層カーボンナノチューブ(MWCNT 平均層数は36層で平均長さは10,000nm)0、0.1、0.2、0.5、1.0、2.0、5.0、10、20質量部をそれぞれハイブリッドした以外は上記[1]水素吸蔵材料の調製に記載した方法により水素吸蔵材料を作製して、水素吸収特性を測定した。
水素吸蔵量―時間の測定結果より自触式反応式を用いて水素吸収速度定数を求めた。求めた水素吸収速度定数より3.7MPa水素圧下で80%水素吸収までにかかる時間を算出した。表5、及び図7にそれぞれサンプルと水素吸収速度定数(図7(A))と80%水素吸蔵までに要する時間(図7(B))を示す。
図7(A)より、MgNi100質量部に対し、KをドープしたMWCNT重量比0.1〜10質量部の範囲で水素吸収速度の向上が見られる。
[比較例1]
平均粒径10μmの水素吸蔵合金MgNi100質量部に対し、Kをドープした気相成長炭素繊維(VGCF 平均層数220層で平均長さは15,000nm)0、0.1、0.2、0.5、1.0、2.0、5.0、10、20質量部をそれぞれハイブリッドした以外は上記[1]水素吸蔵材料の調製に記載した方法により水素吸蔵材料を作製して、水素吸収特性を測定した。
水素吸蔵量―時間の測定結果より自触式反応式を用いて水素吸収速度定数を求めた。求めた水素吸収速度定数より3.7MPa水素圧下で80%水素吸収までにかかる時間を算出した。表6、及び図8にそれぞれサンプルと水素吸収速度定数(図8(A))と80%水素吸蔵までに要する時間(図8(B))を示す。図8(A)より、カーボンナノチューブがVGCFでは水素吸収速度の向上が見られなかった。
[実施例6]
平均粒径が10μmの水素吸蔵合金LaNi 100質量部に対し、Kをドープしたカーボンナノホーン(CNH 実施例1で使用したと同じもの)0、0.1、0.2、0.5、1.0、2.0、5.0、10、20質量部をハイブリッドした以外は上記[1]水素吸蔵材料の調製に記載した方法により水素吸蔵材料を作製した。
それぞれの合金に対応した初期活性処理を行い、吸蔵圧が同じ程度になるように40℃の温度条件下で水素吸収特性を測定した。水素吸蔵量―時間の測定結果より自触式反応式を用いて水素吸収速度定数を求めた。求めた水素吸収速度定数より3.7MPa水素圧下で80%水素吸収までにかかる時間を算出した。表7、及び図9にそれぞれサンプルと水素吸収速度定数(図9(A))と80%水素吸蔵までに要する時間(図9(B))を示す。図9(A)より、LaNi 100質量部に対し、グラファイト層が1層であるCNH1〜10質量部の範囲で水素吸収速度の向上が見られた。
[実施例7]
平均粒径がそれぞれ200μm、100μm、50μm、20μm、10μm、3μmの水素吸蔵合金FeTi100質量部に対し、Kをドープしたカーボンナノホーン(CNH 実施例1で使用したと同じもの)を0、0.1、0.2、0.5、1.0、2.0、5.0、10、20質量部をハイブリッドした以外は上記[1]水素吸蔵材料の調製に記載した方法により水素吸蔵材料を作製した。
それぞれの合金に対応した初期活性処理を行い、吸収圧が同じ程度になるように20℃の温度条件下で水素吸収特性を測定した。水素吸蔵量―時間の測定結果より自触式反応式を用いて水素吸収速度定数を求めた。求めた水素吸収速度定数より3.7MPa水素圧下で80%水素吸蔵までにかかる時間を算出した。表8、及び図10にそれぞれサンプルと水素吸収速度定数(図10(A))と80%水素吸蔵までに要する時間(図10(B))を示す。図10(A)より、合金FeTi100質量部に対し、グラファイト層が1層であるCNH1〜10質量部の範囲で水素吸収速度の向上が見られた。
[実施例8]
平均粒径が10μmの水素吸蔵金属(V)100質量部に対し、Kをドープしたカーボンナノホーン(CNH 実施例1で使用したと同じもの)0、0.1、0.2、0.5、1.0、2.0%質量部をハイブリッドした以外は上記[1]水素吸蔵材料の調製に記載した方法により水素吸蔵材料を作製した。尚、水素吸蔵金属(V)は、BCC合金に相当する。
それぞれの水素吸蔵金属Vに対応した初期活性処理を行い、吸収圧が同じ程度になるように40℃の温度条件下で水素吸収特性を測定した。水素吸蔵量―時間の測定結果より自触式反応式を用いて水素吸収速度定数を求めた。求めた水素吸収速度定数より3.7MPa水素圧下で80%水素吸収までに要する時間を算出した。表9、及び図11にそれぞれサンプルと水素吸収速度定数(図11(A))と80%水素吸蔵までに要する時間(図11(B))を示す。図11(A)より、水素吸蔵金属(V)100質量部に対し、グラファイト層が1層であるCNH1〜10質量部の範囲で水素吸収速度の向上が見られた。
本発明の水素吸蔵材料は、水素貯蔵容器に封入して、車載モジュールや携帯用モジュール等に広く利用できる。
本発明の水素吸蔵材料の水素吸蔵時と水素放出時の状態を示す模式図である。 各種ナノカーボン材の構造を示す模式図である。 実施例1における、水素吸蔵合金(MgNi)に対するKドープナノカーボン(CNH)の配合比と水素吸収速度(A)、及び80%吸蔵所要時間(B)との関係を示すグラフである。 実施例2における水素吸蔵合金(MgNi)の平均粒径と水素吸収速度(A)、及び80%吸蔵所要時間(B)との関係を示すグラフである。 実施例3における、Kドープ量と水素吸収速度(A)、及び80%吸蔵所要時間(B)との関係を示すグラフである。 実施例4における、水素吸蔵合金(MgNi)に対するKドープナノカーボン(SWCNT)の配合比と水素吸収速度(A)、及び80%吸蔵所要時間(B)との関係を示すグラフである。 実施例5における、水素吸蔵合金(MgNi)に対するKドープナノカーボン(MWCNT)の配合比と水素吸収速度(A)、及び80%吸蔵所要時間(B)との関係を示すグラフである。 比較例1における、水素吸蔵合金(MgNi)に対するKドープナノカーボン(VGCF)の配合比と水素吸収速度(A)、及び80%吸蔵所要時間(B)との関係を示すグラフである。 実施例6における、水素吸蔵合金(LaNi)に対するKドープナノカーボン(CNH)の配合比と水素吸収速度(A)、及び80%吸蔵所要時間(B)との関係を示すグラフである。 実施例7における、水素吸蔵合金(FeTi)に対するKドープナノカーボン(CNH)の配合比と水素吸収速度(A)、及び80%吸蔵所要時間(B)との関係を示すグラフである。 実施例8における、水素吸蔵金属(V)に対するKドープナノカーボン(CNH)の配合比と水素吸収速度(A)、及び80%吸蔵所要時間(B)との関係を示すグラフである。
符合の説明
1 水素吸蔵合金
2 ナノカーボン

Claims (12)

  1. 少なくともアルカリ金属がドープされたナノカーボン材、並びに水素吸蔵金属及び/又は合金からなり、かつ該水素吸蔵金属及び/又は合金と、該ナノカーボン材により形成される空隙を有する複合体であることを特徴とする水素吸蔵材料。
  2. 前記ナノカーボン材が、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、及びカーボンナノホーンから選択された1種又は2種以上からなることを特徴とする請求項1に記載の水素吸蔵材料。
  3. 前記水素吸蔵金属及び/又は合金が、Mg、Ca、Sr、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Y、Zr、Nb、Pd、Ag及びLaから選択された1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の水素吸蔵材料。
  4. 前記水素吸蔵合金が、La−Ni系合金、MM−Ni系合金、II族元素−Ni系合金、Mg合金、Fe−Ti系合金、ラベス相合金及びBCC合金のいずれかであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水素吸蔵材料。
  5. 前記水素吸蔵金属及び/又は合金の平均粒径が50μm以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の水素吸蔵材料。
  6. 前記アルカリ金属がLi、Na及びKから選択された1種又は2種以上からなることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の水素吸蔵材料。
  7. 前記アルカリ金属がドープされてナノカーボン材のグラファイト層間又はグラファイト束の隙間に分散して存在していることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の水素吸蔵材料。
  8. 前記水素吸蔵材料中において、ナノカーボン材が水素吸蔵金属及び/又は合金100質量部に対して、0.1〜10質量部含有されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の水素吸蔵材料。
  9. 前記水素吸蔵材料中において、前記アルカリ金属がナノカーボン材100質量部に対して、1〜50質量部含有されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の水素吸蔵材料。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載の水素吸蔵材料を有する水素吸蔵手段、熱制御手段及び圧力制御手段を備えた水素貯蔵容器。
  11. アルカリ金属がドープされたナノカーボン材料と、水素吸蔵金属及び/又は合金とを有機溶媒中で混合した後に該有機溶媒を蒸発除去し、得られた混合粉末を金型内で圧縮成形し、その後不活性ガス雰囲気下で焼結することを特徴とする水素吸蔵材料の製造方法。
  12. アルカリ金属によるナノカーボン材料のドープが蒸着法であることを特徴とする、請求項11に記載の水素吸蔵材料の製造方法。




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