JP2007297451A - メタクリル樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】メタクリル樹脂の透明性が損なわれておらず、難燃性のメタクリル樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明のメタクリル樹脂組成物は、メタクリル樹脂に、窒素吸着法による比表面積が30m2/g以上であるアルミニウム酸化物粒子および式(I)
Figure 2007297451

で示されるリン酸エステルが分散されてなることを特徴とする。例えばアルミニウム酸化物粒子は水酸化アルミニウムの粒子であり、粒子径は1〜150nmである。リン酸エステル(I)の含有量はアルミニウム酸化物粒子100質量部あたり10〜1000質量部であり、アルミニウム酸化物粒子およびリン酸エステル(I)の合計含有量は、メタクリル樹脂100質量部あたり0.1〜50質量部である。上記アルミニウム酸化物粒子、式(I)で示されるリン酸エステル、メチルメタクリレートを主成分とする単量体および重合開始剤を含む単量体組成物を、キャスト重合して製造できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、メタクリル樹脂組成物に関し、詳しくは透明で難燃性のメタクリル樹脂組成物に関する。
メタクリル樹脂は透明性に優れた熱可塑性樹脂として有用である。かかるメタクリル樹脂としては、難燃性のものが望ましい。
一般に、熱可塑性樹脂に添加して難燃性を付与するための難燃剤として、アルミニウム酸化物の粒子が知られているが〔特許文献1:特開平5―200948〕、メタクリル樹脂にアルミニウム酸化物粒子を単独で添加したメタクリル樹脂組成物は、透明性が低いという問題があった。
特開平5―200948
そこで本発明者らは、メタクリル樹脂の透明性が損なわれておらず、難燃性のメタクリル樹脂組成物を開発するべく鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち本発明は、メタクリル樹脂に、窒素吸着法による比表面積が30m2/g以上であるアルミニウム酸化物粒子および式(I)
Figure 2007297451
〔式中、R1は水素原子またはメチル基を、Mは1価のカチオン原子を、nは1または2を、Aは式(I−1)
Figure 2007297451
(式中、R2は炭素数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキレン基を、R3はオキシプロピレン基を、R4はオキシエチレン基をそれぞれ示す。aは0〜2の整数を示す。bはR3で示されるオキシプロピレン基の平均付加モル数であり、0または3〜20の整数を示す。cはR4で示されるオキシエチレン基の平均付加モル数を示し、0〜20の整数を示す。ただし、aが0のとき、bおよびcが同時に0となることはない。)
で示される2価の残基をそれぞれ示す。〕
で示されるリン酸エステルが分散されてなることを特徴とするメタクリル樹脂組成物を提供するものである。
本発明のメタクリル樹脂組成物は、メタクリル樹脂の透明性を損なうことなく、難燃性に優れている。
本発明のメタクリル樹脂組成物を構成するメタクリル樹脂としては通常、メチルメタクリレートを主成分とする単量体を重合して得られるものが挙げられる。メチルメタクリレートを主成分とする単量体とは、メチルメタクリレートを通常50質量%以上、好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上で含む単量体であり、全量、即ち100質量%がメチルメタクリレートであってもよいし、メチルメタクリレートと共重合可能な他の単量体との混合物であってもよい。
メチルメタクリレートと共重合可能な他の単量体は、一分子内にラジカル重合可能な二重結合を1つ有する単官能単量体であってもよいし、一分子内にラジカル重合可能な二重結合を2つ以上有する多官能単量体であってもよい。
かかる単官能単量体としては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートなどのような、アクリル酸と脂肪族アルコール、芳香族アルコールまたは脂環族アルコールとのエステル、
プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどのような、メタクリル酸と脂肪族アルコール、芳香族アルコールまたは脂環族アルコールとのエステル、
ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレートなどのような、アクリル酸とヒドロキシアルコールとのエステル、
ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートなどのような、メタクリル酸とヒドロキシアルコールとのエステル、
アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和酸類、
スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル,無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、酢酸ビニルなどの単官能不飽和単量体が挙げられる。
多官能不飽和単量体としては、例えばアリルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、
アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、
ジビニルベンゼン、ジアリルフタレートなどが挙げられる。
他の単量体は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。また、メチルメタクリレートを主成分とする単量体は、その一部が重合していてもよい。
アルミニウム酸化物粒子としては、例えば結晶型がギブサイト型、バイヤライト型、ベーマイト型、擬ベーマイト型、ダイアスポア型などの水酸化アルミニウム(Al23・3H2O)、結晶型がα型、γ型、擬γ型、δ型、χ型、κ型、ρ型、θ型、η型などである酸化アルミニウム(Al23・nH2O、0≦n<3)などからなる酸化アルミニウム粒子が挙げられる。アルミニウム酸化物粒子は単一の結晶型からなる単一相であってもよいし、2以上の結晶型からなる混合相であってもよい。また、2種以上のアルミニウム酸化物粒子を組み合わせて用いてもよい。好ましいアルミニウム酸化物粒子は、加熱されることにより熱分解する際に吸熱作用を示す、ギブサイト型、バイヤライト型、ベーマイト型、擬ベーマイト型などの水酸化アルミニウム粒子である。
窒素吸着法によるアルミニウム酸化物粒子の比表面積は、透明性の点で、30m2/g以上であり、通常はコストの点で600m2/g以下である。
アルミニウム酸化物粒子の粒子径は、入手の容易さの点で通常1nm以上であり、透明性の点で、通常150nm以下、好ましくは100nm以下である。アルミニウム酸化物粒子の粒子径は、動的光散乱法により測定される。
式(I)で示されるリン酸エステルにおいて、Mで示される1価のカチオンとしては、例えば水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどのアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたアンモニウムイオンなどが挙げられる。
式(I−1)で示される2価の残基において置換基R6で示される炭素数1〜18の直鎖状アルキレン基としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基などが挙げられる。炭素数1〜18の分岐状アルキレン基としては、例えばエチルエチレン基、ジメチルエチレン基、ブチルエチレン基、オクチルエチレン基、デシルエチレン基、ドデシルエチレン基、テトラデシルエチレン基、ヘキサデシルエチレン基などが挙げられる。
2で示されるアルキレン基、R3で示されるオキシプロピレン基およびR4で示されるオキシエチレン基の配列は特に限定されるものではなく、ブロック結合をしていてもよいし、ランダム結合をしていてもよい。
式(I)で示されるリン酸エステルとしては、市販されているものを使用することができ、例えばユニケミカル(株)から「ホスマーPP」として市販されているものが挙げられる。
本発明のメタクリル樹脂組成物における式(I)で示されるリン酸エステルの含有量は、アルミニウム酸化物粒子100質量部あたり通常10質量部以上、好ましくは30質量部以上であり、メタクリル樹脂組成物の機械的強度の点で、通常は1000質量部以下、好ましくは500質量部以下である。
本発明のメタクリル樹脂組成物におけるアルミニウム酸化物粒子および式(I)で示されるリン酸エステルの合計含有量は、メタクリル樹脂100質量部あたり通常0.1質量部〜50質量部である。
本発明のメタクリル樹脂組成物は、例えば上記アルミニウム酸化物粒子、式(I)で示されるリン酸エステル、メチルメタクリレートを主成分とする単量体および重合開始剤を含む単量体組成物を、キャスト重合する方法により製造することができる。
かかる単量体組成物は、上記アルミニウム酸化物粒子および式(I)で示されるリン酸エステルを含むアルミニウム酸化物組成物を、上記単量体および重合開始剤と混合することにより調製することが、透明性に優れたメタクリル樹脂組成物が容易に得られる点で、好ましい。
かかるアルミニウム酸化物組成物は、例えば水性媒体中に上記アルミニウム酸化物粒子を分散させたのち、式(I)で示されるリン酸エステルを加え、次いで固液分離により固形分として得る方法により製造することができる。
アルミニウム酸化物粒子の分散は、例えば撹拌翼による撹拌動力により分散させる方法、超音波を照射する方法、高圧ホモジナイザーなどを用いる物理的な分散処理方法、硝酸などの酸を加えて分散させる方法、分散剤などを加える方法などにより分散させることができる。
固液分離する方法は特に限定されるものではなく、例えば濾過法、遠心分離法などの通常の方法が挙げられる。
かくして得られるアルミニウム酸化物組成物における式(I)で示されるリン酸エステルの含有量は、アルミニウム酸化物粒子100質量部あたり通常10質量部以上、好ましくは30質量部以上であり、得られるメタクリル樹脂組成物の機械的強度の点で、通常は1000質量部以下、好ましくは500質量部以下である。
重合開始剤としては、例えばラジカル重合開始剤としては、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンテン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2−シアノ−2−プロピラゾホルムアミド、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシ−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−メチル−ブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−バレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4メトキシバレロニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などのアゾ化合物、
ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド系またはジアルキルパーオキサイド系開始剤、
t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシアセテート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレートなどのパーオキシエステル系開始剤、
t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどのパーカーボネイト系開始剤、
1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパ−オキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ヘキシルパ−オキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのパーオキシケタール系開始剤などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
重合開始剤の使用量は、メチルメタクリレートを主成分とする単量体100質量部に対して、重合が速やかに進行する点で通常は0.01質量部以上であり、安定して重合しうる点で通常は5質量部以下である。
単量体組成物は、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、連鎖移動剤、離型剤、染料、顔料などの添加剤を含んでいてもよい。
キャスト重合は、単量体組成物をセル内に注入し、重合させることにより行われる。重合に際して、単量体組成物は、あらかじめ酸素を除去しておくことが好ましい。酸素の除去は、例えば単量体組成物に窒素などの不活性ガスをバブリングさせる方法、単量体組成物を減圧下に保持する方法などの方法により除去することができる。
単量体組成物をセル内に注入したのち、通常は重合温度に加熱することにより、重合させる。重合温度は通常50℃〜90℃であり、重合に要する時間は通常1〜10時間である。重合後、重合を完結させる目的で、90℃〜120℃程度に昇温してもよい。
重合後、セルを解体することにより、成形体として目的のメタクリル樹脂組成物を得ることができる。かくして得られたメタクリル樹脂組成物は、用いたセルに対応した形状の成形体であり、通常は、板状に成形した成形体として製造される。
得られたメタクリル樹脂組成物は、例えば真空成形法、圧空成形法、曲げ加工法などの通常の方法により成形品に加工することができる。成形条件は成形方法により適宜選択されるが、通常は、メタクリル樹脂組成物の軟化温度以上、熱分解温度以下の温度、具体的には通常180℃〜300℃の範囲で成形される。300℃を超えると、熱分解により、黄色ないし茶色に変色するおそれがある。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例によって限定されるものではない。
なお、以下の実施例における評価方法は以下のとおりである。
(1)光線透過率
紫外・可視分光光度計〔日立製作所社製、U3310型〕を用いて波長700nmにおける光線透過率を求めた。
(2)アルミニウム酸化物粒子含有量
アルミニウム酸化物組成物を一定量(W0)秤取り、TGA〔熱重量分析装置〕により室温〔約25℃〕から10℃/分の昇温速度で600℃まで昇温し、600℃に到達したときの質量(W1)から式(1)
Figure 2007297451
により算出した。
(3)難燃性
JIS−K6911の耐燃性試験C法に従い、厚さ2mmの平板状に成形した成形品を試験片として水平燃焼試験を行い、水平燃焼速度を求めた。
(4)剛性度
JIS―K7171に従い曲げ弾性率を求めた。
(5)比表面積
比表面積測定装置〔マウンテック社製、Macsorb Model-1201〕を用いて窒素ガス吸着法により測定した。
(6)動的光散乱法による粒子径
粒度分析計〔日機装社製、Nanotrac Model UPA-EX150〕により、粒度分布曲線を求め、50質量%相当粒子径として求めた。
実施例1
アルコキシドの加水分解法により得られた比表面積490m2/gの擬ベーマイト型水酸化アルミニウム粒子を1mol/Lの硝酸に超音波分散させたのち、85℃で2時間加熱した。室温まで冷却後、遠心分離により粗粒分を除去し、高圧ホモジナイザーにて分散させて、粒子径35nmの水酸化アルミニウム粒子が水素イオン濃度pH3.5の硝酸水溶液中に分散されたゾル(固形分3.6重量%)を得た。
上記で得たゾル100質量部に、アシッドホスホキシ・ポリオキシプロピレングリコールモノメタクリレート〔「ホスマーPP」ユニケミカル社製〕11質量部を滴下して加え、60分間攪拌した後、遠心分離法により上澄み液を取り除いて、沈降物を得た。得られた沈降物を室温で1週間掛けて減圧乾燥して、粉末状のアルミニウム酸化物組成物を得た。このアルミニウム酸化物組成物のアルミナ酸化物粒子含有量は40質量%であった。また、このアルミニウム酸化物組成物をメチルメタクリレート中に超音波分散させたときの粒子径を測定したところ、50質量%相当粒子径は55nmであった。
メチルメタクリレートモノマー〔三菱レーヨン社製〕100重量部に、上記で得たアルミニウム酸化物組成物70質量部、ベンゾイルパーオキサイド〔日本油脂社製〕0.4質量部を加えて溶解させて、単量体組成物を得た。
片面にポリエチレンテレフタレート製フィルムを取り付けた2枚のアルミ板を、2mmの間隔を空けて、ポリエチレンテレフタレート製フィルムを貼り付けた面が内面となるように配置し、周囲をフッ素樹脂製型枠で囲んでセルを作製し、上記で得た単量体組成物を、このセル内に注入した。次いで、熱風乾燥炉内に80℃の温度で16時間保持し、さらに120℃に加熱した後、室温まで冷却し、次いでアルミ板を除去して、厚さ2mmのシート状のメタクリル樹脂組成物を得た。得られたメタクリル樹脂組成物の光線透過率は90%、水平燃焼速度は15.5mm/分、曲げ弾性率は3.2GPa、曲げ強度は105MPaあった。
比較例1
アルミニウム酸化物組成物を用いなかった以外は実施例1と同様に操作して単量体組成物を得、シート状のメタクリル樹脂組成物を得た。得られたメタクリル樹脂組成物の光線透過率は89.6%、水平燃焼速度は42mm/分、曲げ弾性率は3.4GPa、曲げ強度は148MPaであった。
比較例2
実施例1で得たアルミニウム酸化物組成物に代えて、実施例1で用いたと同じアルコキシドの加水分解法により得られたBET比表面積490m2/gの擬ベーマイト型水酸化アルミニウム粒子70質量部をそのまま用いた以外は実施例1と同様に操作して、シート状のメタクリル樹脂組成物を得た。得られたメタクリル樹脂組成物の光線透過率は1.4%、水平燃焼速度は36mm/分、弾性率は3.5GPa、曲げ強度は96MPaであった。

Claims (8)

  1. メタクリル樹脂に、窒素吸着法による比表面積が30m2/g以上であるアルミニウム酸化物粒子および式(I)
    Figure 2007297451
    〔式中、R1は水素原子またはメチル基を、Mは1価のカチオン原子を、nは1または2を、Aは式(I−1)
    Figure 2007297451
    (式中、R2は炭素数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキレン基を、R3はオキシプロピレン基を、R4はオキシエチレン基をそれぞれ示す。aは0〜2の整数を示す。bはR3で示されるオキシプロピレン基の平均付加モル数であり、0または3〜20の整数を示す。cはR4で示されるオキシエチレン基の平均付加モル数を示し、0〜20の整数を示す。ただし、aが0のとき、bおよびcが同時に0となることはない。)
    で示される2価の残基をそれぞれ示す。〕
    で示されるリン酸エステルが分散されてなることを特徴とするメタクリル樹脂組成物。
  2. 前記アルミニウム酸化物粒子が水酸化アルミニウム粒子である請求項1に記載のメタクリル樹脂組成物。
  3. 前記アルミニウム酸化物粒子の粒子径が1nm〜150nmである請求項1に記載のメタクリル樹脂組成物。
  4. 式(I)で示されるリン酸エステルの含有量が、前記アルミニウム酸化物粒子100質量部あたり10質量部〜1000質量部であり、
    前記アルミニウム酸化物粒子および式(I)で示されるリン酸エステルの合計含有量が、メタクリル樹脂100質量部あたり0.1質量部〜50質量部である請求項1に記載のメタクリル樹脂組成物。
  5. 上記アルミニウム酸化物粒子、式(I)で示されるリン酸エステル、メチルメタクリレートを主成分とする単量体および重合開始剤を含む単量体組成物を、キャスト重合することを特徴とする請求項1に記載のメタクリル樹脂組成物の製造方法。
  6. 窒素吸着法による比表面積が30m2/g以上であるアルミニウム酸化物粒子、前記式(I)で示されるリン酸エステル、メチルメタクリレートを主成分とする単量体および重合開始剤を含む単量体組成物。
  7. 前記アルミニウム酸化物粒子および式(I)で示されるリン酸エステルを含むアルミニウム酸化物組成物を、前記単量体および重合開始剤と混合する請求項6に記載の単量体組成物の製造方法。
  8. 窒素吸着法による比表面積が30m2/g以上であるアルミニウム酸化物粒子および式(I)で示されるリン酸エステルを含むアルミニウム酸化物組成物。
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