JP2021070809A - N−ビニルラクタム系共重合体の製造方法 - Google Patents

N−ビニルラクタム系共重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】組成が均一で、ガラス転移温度が高く、粉体加工性に優れたN−ビニルラクタム系共重合体を、残存モノマー量が少なく、効率良く製造することができるN−ビニルラクタム系共重合体の製造方法を提供する。【解決手段】有機溶媒を含む重合溶媒の存在下で、N−ビニルラクタム系単量体、及び、単独重合体のガラス転移温度が0℃以上であり、置換基を有してもよい、炭素数1〜25の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含む単量体成分を重合する工程を含むことを特徴とするN−ビニルラクタム系共重合体の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、N−ビニルラクタム系共重合体の製造方法に関する。より詳しくは、ガラス転移温度が高く、粉体加工性に優れたN−ビニルラクタム系共重合体を効率良く製造することができるN−ビニルラクタム系共重合体の製造方法に関する。
N−ビニルラクタム系共重合体は、N−ビニルラクタム系単量体由来の構成単位を有する重合体であり、安全な機能性ポリマーとして、化粧品、医農薬中間体、食品添加物、感光性電子材料、粘着付与剤等の各種用途や、種々の特殊工業用途(例えば、中空糸膜の製造)等の幅広い工業用途において使用されている。
N−ビニルラクタム系共重合体に種々の特性を付与するために、様々なN−ビニルラクタム系共重合体を製造するための方法が検討されている。
例えば、特許文献1には、開始剤の存在下、水溶液中で遊離基重合により、水溶性N−ビニルラクタムと疎水性モノマーからなり、水に溶解して透明な溶液を与えることのできる水溶性コポリマーを製造する方法であって、開始剤は、アゾ開始剤、H、還元剤と組み合わせたヒドロペルオキシド及び過酸塩からなる群より選ばれ、水溶液及び/又はC〜Cアルコール溶液の形で反応混合物に添加される方法が記載されている。
また、例えば、特許文献2には、有機溶媒中、開始剤の存在下で、少なくとも1種の水溶性N−ビニルラクタムと少なくとも1種の疎水性コモノマーをフリーラジカル重合させることによりN−ビニルラクタムコポリマーを製造する方法が記載されている。
特開平10−1519号公報 特開2008−138200号公報
しかしながら、N−ビニルラクタム系単量体を含む単量体成分を重合する場合、従来の重合方法では反応性が低く、残存モノマー量が多くなり、均一な組成の共重合体が効率良く得られないという問題があった。また、N−ビニルラクタム系共重合体の粉体を製造する場合、共重合体のガラス転移温度が比較的高いと室温でも粉体化しやすいといったメリットがあるが、従来の重合方法では、ガラス転移温度が充分に高いN−ビニルラクタム系共重合体を効率良く得ることはできず、未だ改善の余地があった。
本発明は、上記現状に鑑みて、組成が均一で、ガラス転移温度が高く、粉体加工性に優れたN−ビニルラクタム系共重合体を、残存モノマー量が少なく、効率良く製造することができるN−ビニルラクタム系共重合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく、N−ビニルラクタム系共重合体を製造する方法について種々検討したところ、特定の溶媒の存在下で、N−ビニルラクタム系単量体と特定の(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含む単量体成分を重合することにより、残存モノマー量が少なく、均一な組成を有し、ガラス転移温度が高いN−ビニルラクタム系共重合体を製造することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、有機溶媒を含む重合溶媒の存在下で、N−ビニルラクタム系単量体、及び、単独重合体のガラス転移温度が0℃以上であり、置換基を有してもよい、炭素数1〜25の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含む単量体成分を重合する工程を含むことを特徴とするN−ビニルラクタム系共重合体の製造方法である。
上記N−ビニルラクタム系共重合体の製造方法において、上記有機溶媒は、沸点が70〜170℃であることが好ましい。
上記N−ビニルラクタム系共重合体の製造方法において、上記重合工程は、更に、有機過酸化物及び/又はアゾ系化合物を含む重合開始剤の存在下で行うことが好ましい。
上記N−ビニルラクタム系共重合体の製造方法において、更に、上記重合工程で得られたN−ビニルラクタム系共重合体溶液を乾燥する工程を含むことが好ましい。
上記N−ビニルラクタム系共重合体の製造方法において、上記N−ビニルラクタム系単量体は、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2021070809
(式中、R、R、R、Rは、同一又は異なって、水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。xは、0〜4の整数を表す。yは、1〜3の整数を表す。)
本発明はまた、N−ビニルラクタム系単量体由来の構成単位と、単独重合体のガラス転移温度が0℃以上であり、置換基を有してもよい、炭素数1〜25の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体由来の構成単位とを有することを特徴とするN−ビニルラクタム系共重合体でもある。
上記N−ビニルラクタム系単量体は、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2021070809
(式中、R、R、R、Rは、同一又は異なって、水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。xは、0〜4の整数を表す。yは、1〜3の整数を表す。)
上記N−ビニルラクタム系共重合体は、ガラス転移温度が80℃以上であることが好ましい。
本発明によれば、残存モノマーの量が少なく、組成が均一で、ガラス転移温度が高く、粉体加工性に優れたN−ビニルラクタム系共重合体を効率良く製造することができる。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の総称であり、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」及び「メタクリレート」の総称である。
1.N−ビニルラクタム系共重合体の製造方法
本発明は、有機溶媒を含む重合溶媒の存在下で、N−ビニルラクタム系単量体、及び、単独重合体のガラス転移温度が0℃以上であり、置換基を有してもよい、炭素数1〜25の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含む単量体成分を重合する工程を含むことを特徴とするN−ビニルラクタム系共重合体の製造方法である。本発明のN−ビニルラクタム系共重合体の製造方法により、残存モノマー量が少なく、組成が均一で、ガラス転移温度の高いN−ビニルラクタム系共重合体を効率良く得ることができる。
本発明の製造方法により、組成が均一で、ガラス転移温度が高いN−ビニルラクタム系共重合体を効率良く製造することができるのは、有機溶媒を含む重合溶媒の存在下で、単独重合体のガラス転移温度が0℃以上であり、置換基を有してもよい、炭素数1〜25の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体を共重合することによると考えられる。
本発明の製造方法は、有機溶媒を含む重合溶媒の存在下で、N−ビニルラクタム系単量体、及び、単独重合体のガラス転移温度が0℃以上であり、置換基を有してもよい、炭素数1〜25の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含む単量体成分を重合する工程を含む。
上記有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール(2−プロパノール)、n−ブチルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のアルコール系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシブタノール等のグリコールモノエーテル類;アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のアルキルエステル系溶媒;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;等が挙げられる。これらは1種のみ使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記有機溶媒は、沸点が70〜170℃であることが好ましい。沸点が上述の範囲の有機溶媒を用いることにより、溶媒の除去が容易になり、粉体の共重合体を容易に得ることができる。上記有機溶媒の沸点は、重合効率が上がり、単量体の反応率が上がる点で、73℃以上であることがより好ましく、75℃以上であることが更に好ましく、重合体の乾燥の際に、(メタ)アクリル酸エステル系単量体の分解等の重合体の劣化を伴うことなく溶媒の除去が可能である点で、140℃以下であることがより好ましく、120℃以下であることが更に好ましい。
上記有機溶媒として、好ましくは、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アルキルエステル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒が挙げられ、より好ましくは、エタノール、イソプロピルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸メチル、トルエンが挙げられ、更に好ましくは、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸メチルが挙げられる。
上記有機溶媒を含む重合溶媒の使用量は、重合制御が容易で組成が均一になり、単量体の反応率も上がる点で、使用する単量体成分総量100質量部に対して、45質量部以上であることが好ましく、65質量部以上であることがより好ましく、80質量部以上であることが更に好ましく、また、900質量部以下であることが好ましく、600質量部以下であることがより好ましく、400質量部以下であることが更に好ましい。
重合溶媒中の、上記有機溶媒の含有割合は、重合溶媒100質量%中70〜100質量%であることが好ましく、80〜100質量%であることがより好ましく、85〜100質量%であることが更に好ましい。
上記重合溶媒は、上述した有機溶媒以外に、水を含んでいてもよい。上記重合溶媒は、N−ビニルラクタム系単量体の反応性が上がり、残存N−ビニルラクタム系単量体の量がより低減しやすくなる点で、水を含むことが好ましい。上記水としては、超純水、純水、イオン交換水、蒸留水等が使用できる。
上記水の含有割合は、重合溶媒100質量%中0〜30質量%であることが好ましく、0〜20質量%であることがより好ましく、0〜15質量%であることが更に好ましい。
本発明の製造方法において使用するN−ビニルラクタム系単量体としては、N−ビニルラクタム構造を有する単量体であれば特に限定されないが、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2021070809
(式中、R、R、R、Rは、同一又は異なって、水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。xは、0〜4の整数を表す。yは、1〜3の整数を表す。)
上記R〜Rで表されるアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基が更に好ましく、メチル基が特に好ましい。
上記置換基としては、例えば、エチレン性不飽和炭化水素基;カルボキシル基、スルホン酸基及びこれらのエステルや塩;アミノ基、水酸基等の架橋剤と縮合反応可能な反応性官能基;等が挙げられる。
なかでも、上記R、R、Rは、水素原子であることが好ましい。
上記Rは、水素原子又はメチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
上記一般式(1)において、xは、0〜2の整数であることが好ましく、0〜1の整数であることがより好ましく、0であることが更に好ましい。
yは、1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物の具体例としては、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−5−メチルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタム、1−(2−プロペニル)−2−ピロリドン等が挙げられる。なかでも、N−ビニルピロリドンが好ましい。
本発明の製造方法において、使用する単量体成分は、N−ビニルラクタム系単量体を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでいてもよい。
本発明の製造方法においては、更に、単独重合体(ホモポリマー)のガラス転移温度が0℃以上であり、置換基を有してもよい、炭素数1〜25の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体を使用する。
上記置換基を有してもよい、炭素数1〜25の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、下記一般式(2)で表される化合物が好ましく挙げられる。
Figure 2021070809
(式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、置換基を有してもよい、炭素数1〜25の脂肪族炭化水素基を表す。)
上記脂肪族炭化水素基は、飽和又は不飽和のいずれであってもよいが、飽和脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
上記脂肪族炭化水素基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、3〜18であることがより好ましく、6〜15であることが更に好ましい。
上記脂肪族炭化水素基が置換基を有する場合、上記炭素数は、置換基の炭素数も含めた数である。
上記置換基としては、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基等が挙げられる。
上記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。
上記アリール基としては、例えば、フェニル基、キシリル基、メシチル基、ビフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
上記アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、ナフトキシ基、ビフェニルオキシ基、ピレニルオキシ基等が挙げられる。
上記置換基の数は、特に限定されないが、3個以下が好ましく、1個以下がより好ましい。
上記置換基を有してもよい、炭素数1〜25の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、単独重合体(ホモポリマー)のガラス転移温度(Tg)が0℃以上である。
上記単独重合体のガラス転移温度(Tg)は、得られるN−ビニルラクタム系共重合体において、上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体の共重合比率を上げても粉体が取得しやすい点で、10℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがより好ましく、40℃以上であることが更に好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体の単独重合体のガラス転移温度(Tg)としては、POLYMER HANDBOOK(ポリマーハンドブック、第4版、Wily Interscience、第6章、200頁等)に記載の値を使用することができる。
これらに記載されていない単独重合体のガラス転移温度(Tg)については、J. Brandrup,E. H. Immergut, Polymer Handbook, 2nd Ed., J. Wiley, New York 1975、光硬化技術データブック(テクノネットブックス社)等に記載の値を使用することができる。
上記単独重合体のガラス転移温度が0℃以上であり、置換基を有してもよい、炭素数1〜25の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体(以下、「上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体」とも称す。)としては、具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、s−アミルメタクリレート、t−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、トリデシルアクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、2−デシルテトラデシル(メタ)アクリレート、2−デシルテトラデカニル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基を有する化合物;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等の環状の脂肪族炭化水素基を有する化合物;ベンジル(メタ)アクリレート、2−(o−フェニルフェノキシ)エチルアクリレート等の置換基を有する脂肪族炭化水素基を有する化合物;等を挙げることができる。
なかでも、N−ビニルラクタム系単量体と共重合しやすく、また、(メタ)アクリル酸エステル系単量体の共重合比率を上げやすい点で、上記環状の脂肪族炭化水素基を有する化合物及び上記置換基を有する脂肪族炭化水素基が好ましく、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートがより好ましく、イソボルニル(メタ)アクリレートが更に好ましい。
また、上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、上記N−ビニルラクタム系単量体との反応性が良好で、残存モノマー量がより一層少なくなる点で、単独重合体のガラス転移温度が0℃以上であり、炭素数1〜25の脂肪族炭化水素基を有するアクリル酸エステル系単量体であることが好ましい。
上記単量体成分は、上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでいてもよい。
上記単量体成分は、更に、上記N−ビニルラクタム系単量体と上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体以外の他の単量体を含んでいてもよい。
上記他の単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチル(メタ)アクリルアミド、N−モノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体類;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の塩基性不飽和単量体及びその塩又は第4級化物;ビニルホルムアミド、ビニルアセトアミド、ビニルオキサゾリン、イソプロペニルオキサゾリン等のビニルアミド類;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有不飽和単量体及びその塩;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和無水物類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;ビニルエチレンカーボネート及びその誘導体;(メタ)アクリル酸−2−スルホン酸エチル及びその誘導体;ビニルスルホン酸及びその誘導体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;エチレン、プロピレン、オクテン、ブタジエン等のオレフィン類等が挙げられる。これらは1種のみ使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記単量体成分において、上記N−ビニルラクタム系単量体の含有量は、全単量体成分100質量%中、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましく、また、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましく、85質量%以下であることが更に好ましく、80質量%以下であることが更により好ましい。
上記単量体成分において、上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体の含有量は、全単量体成分100質量%中、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることが更に好ましく、20質量%以上であることが更により好ましく、70質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることが更に好ましい。
上記単量体成分において、上記他の単量体成分の含有量は、全単量体成分100質量%中、0〜30質量%であることが好ましく、0〜10質量%であることがより好ましく、0〜5質量%であることが更に好ましい。
上記単量体成分を重合する方法としては、重合溶媒として有機溶媒を使用すること以外は、特に限定されず、重合開始剤等を用いてラジカル重合する等の公知の方法で行うことができる。
上記重合工程においては、上記N−ビニルラクタム系単量体と上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含む単量体成分を混合して反応させる場合、一方の成分を一括添加して混合してもよいし、逐次添加して混合して反応させてもよい。
上記重合工程において、重合温度は、特に限定されないが、30℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましく、50℃以上が更に好ましい。また、重合制御が容易であり、上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体の分解を抑制することができる点で、140℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、100℃以下が更に好ましい。
上記重合工程において、重合時間は、特に限定されないが、1時間以上が好ましく、2時間以上がより好ましく、3時間以上が更に好ましい。また、生産性が良好である点で、20時間以下が好ましく、10時間以下がより好ましく、8時間以下が更に好ましい。
上記重合工程は、大気下で行ってもよいし、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。また、重合反応は、常圧、加圧、減圧のいずれの条件下で行ってもよい。
上記重合工程においては、水が存在してもよい。
上記重合工程はまた、1種又は2種以上の重合開始剤の存在下で行うことが好ましい。上記重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤を使用することができる。
上記重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化水素; ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−アミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−アミルパーオキシイソノナノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート等のパーオキシエステル類、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、4,4−ビス[(t−ブチル)ペルオキシ]ペンタン酸ブチル等のパーオキシケタール類、t−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、メチルエチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、ジラウリルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類、等の有機過酸化物;ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩水和物、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]n水和物、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]等のアゾ系化合物;等が挙げられる。なかでも、重合反応が効率よく進行し、残存モノマーを少なくできる点で、有機過酸化物及び/又はアゾ系化合物が好ましく、アゾ系化合物がより好ましい。
上記重合開始剤の使用量としては、特に限定されないが、低不純物量で分子量の調節が可能である点で、上記単量体成分総量100質量部に対し0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましく、0.3〜3質量部が更に好ましく、0.4〜3質量部が更により好ましい。
上記重合工程では、上述した成分以外に、連鎖移動剤、触媒、pH調整剤等の、重合反応において通常使用される他の成分を使用してもよい。これらの種類や量は公知技術から適宜選択することができる。
本発明の製造方法は、更に、上記重合工程で得られたN−ビニルラクタム系共重合体溶液を乾燥する工程を含むことが好ましい。上記重合工程により、N−ビニルラクタム系共重合体を含む重合体溶液が得られる。この重合体溶液を乾燥して、必要に応じて粉砕することで、粉体のN−ビニルラクタム系共重合体を得ることができる。
上記乾燥方法としては、特に限定されず、一般に公知の方法を用いればよく、例えば、スプレードライヤー、ドラムドライヤー、(真空)乾燥機等を用いた乾燥方法等が挙げられる。乾燥の温度や時間については、N−ビニルラクタム系共重合体の量等に応じて適宜設定すればよく、例えば、80〜200℃で0.1〜480分間、好ましくは100〜150℃で0.5〜360分間乾燥する方法が挙げられる。
上記粉砕方法としては、重合体を粉砕することができる方法であれば特に限定されず、公知の方法を用いることができ、乾式粉砕、湿式粉砕あるいは凍結粉砕等のいずれでもよく、例えば、ボールミル、ビーズミル、ロールミル、ロッドミル、ハンマーミル、フリーザーミル、ジェットミル、スクリューミル、振動ミル、円筒型ミキサー等が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
上記乾燥、粉砕の後、更に分級工程を設けてもよい。分級方法は特に限定されず、JIS標準篩等の公知の分級装置を用いて行うとよい。
上記粉砕して得られる粉体のN−ビニルラクタム系共重合体の形状は、特に限定されず、粒状、顆粒状、球状、塊状、鱗片状、無定形等のいずれの形状であってもよい。
上記粉体のN−ビニルラクタム系共重合体の平均粒径は、特に限定されず、N−ビニルラクタム系共重合体の目的、用途に応じて適宜選択すればよいが、例えば、1〜500μmであることが好ましく、10〜400μmであることがより好ましく、20〜300μmであることが更に好ましい。
上記平均粒径は、乾式の粒子径分布測定装置(スペクトリス株式会社マルバーン事業部製 型式:マスターサイザー3000 乾式)等のレーザ回折・散乱法を採用した粒子径分布測定装置により求めることができる。
本発明の製造方法は、上述した工程以外に、他の工程を有していてもよい。例えば、熟成工程、中和工程、重合開始剤等の失活工程、希釈工程、濃縮工程、精製工程等が挙げられる。これらの工程は、公知の方法により行うことができる。また、これらの工程の順序も公知の方法により適宜選択することができる。
本発明の製造方法により得られるN−ビニルラクタム系共重合体のガラス転移温度(Tg)は、80℃以上であることが好ましい。ガラス転移温度が80℃以上であると、粉体のN−ビニルラクタム系共重合体を室温で製造するのが容易になる。
上記N−ビニルラクタム系共重合体のガラス転移温度(Tg)は、より好ましくは100℃以上、更に好ましくは120℃以上である。上記ガラス転移温度(Tg)の上限値は、好ましくは400℃以下、より好ましくは350℃以下である。
上記ガラス転移温度(Tg)は、日本工業規格JIS K 7121に準拠した方法により求めることができ、具体的には、後述の実施例に記載の方法で求めることができる。
上記N−ビニルラクタム系共重合体の重量平均分子量は、上記共重合体の目的、用途に応じて適宜設定すればよいが、1000以上であることが好ましく、3000以上であることがより好ましく、5000以上であることが更に好ましく、10000以上であることが更により好ましく、1500000以下であることが好ましく、1400000以下であることがより好ましく、1000000以下であることが更に好ましく、800000以下であることが更により好ましく、500000以下であることが特に好ましく、200000以下であることが最も好ましい。
上記重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により求めることができ、具体的には、後述する実施例に記載の方法で求めることができる。
上記N−ビニルラクタム系共重合体のモノマー反応率は、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。
上記モノマー反応率は、ガスクロマトグラフ、液体クロマトグラフ、ゲル浸透クロマトグラフ等の重合体の残存単量体が測定可能な方法により求めることができる。具体的には、後述する実施例に記載の方法で共重合体中の単量体の含有率を求め、(添加した単量体量)から(共重合体中の単量体量)をひいた値を(反応したモノマー量)とし、(添加した単量体量)に対する(反応したモノマー量)の割合をモノマー反応率とする。
上記N−ビニルラクタム系共重合体の副生成物量は、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましい。
例えば、上記N−ビニルラクタム系単量体として、N−ビニルピロリドンを使用する場合、副生成物として、2−ピロリドンが生成する。
上記副生成物量の測定は、生成される副生成物の種類に応じて公知の方法から適宜選択して行うことができる。例えば、2−ピロリドンの場合、ガスクロマトグラフ、液体クロマトグラフ、ゲル浸透クロマトグラフ等の重合体の副生成物が測定可能な方法により測定することができるが、具体的には、後述する実施例に記載の方法で求めることができる。
本発明の製造方法により得られるN−ビニルラクタム系共重合体は、組成が均一で、ガラス転移温度が高く、粉体加工性に優れる。そのため、高いガラス転移温度の粉体が必要とされる用途に好適に使用することができる。上記N−ビニルラクタム系共重合体の用途としては、例えば、光学材料、電子材料、繊維材料、樹脂材料、インク、家電製品、電子材料、電気部品、容器、フィルム、住宅建材等の各種用途が挙げられる。
上記N−ビニルラクタム系共重合体は、単独で、あるいは他の成分と混合して樹脂組成物として使用することができる。上記他の成分としては、例えば、樹脂;色材;分散剤;耐熱向上剤;レベリング剤;シリカ微粒子等の無機微粒子;カップリング剤;フィラー;硬化助剤;可塑剤;重合禁止剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤;艶消し剤;消泡剤;帯電防止剤;滑剤;表面改質剤;揺変化剤;揺変助剤;難燃剤;防錆剤;酸発生剤;溶剤等が挙げられる。これらは、公知のものから適宜選択して使用することができる。また、その使用量についても、樹脂組成物の目的、用途に応じて適宜設定することができる。
上記樹脂組成物を調製する方法としては、特に限定されず公知の方法を用いればよく、各成分をブレンダーやミキサー、押出機、ニーダー等の公知の各種混合機、分散機、混練機等を用いて混合する方法が挙げられる。こうして得られた樹脂組成物もまた、上述した用途に使用することができる。
2.N−ビニルラクタム系共重合体
本発明はまた、N−ビニルラクタム系単量体由来の構成単位と、単独重合体のガラス転移温度が0℃以上であり、置換基を有してもよい、炭素数1〜25の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体由来の構成単位を有することを特徴とするN−ビニルラクタム系共重合体である。本発明のN−ビニルラクタム系共重合体は、ガラス転移温度が高く、粉体加工性に優れる。
本発明のN−ビニルラクタム系共重合体が、高いガラス転移温度を有し、粉体加工性に優れるのは、N−ビニルラクタム系単量体由来の構成単位と、単独重合体のガラス転移温度が0℃以上であり、置換基を有してもよい、炭素数1〜25の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位とを有するためであると考えられる。
上記N−ビニルラクタム系単量体、及び、上記単独重合体のガラス転移温度が0℃以上であり、置換基を有してもよい、炭素数1〜25の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、上述した「1.N−ビニルラクタム系共重合体の製造方法」に記載のN−ビニルラクタム系単量体、単独重合体のガラス転移温度が0℃以上であり、置換基を有してもよい、炭素数1〜25の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体とそれぞれ同様のものが挙げられる。
上記N−ビニルラクタム系単量体由来の構成単位の含有割合は、N−ビニルラクタム系共重合体の全構成単位100質量%に対して、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましい。また、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましく、85質量%以下であることが更に好ましく、80質量%以下であることが更により好ましい。
上記単独重合体のガラス転移温度が0℃以上であり、置換基を有してもよい、炭素数1〜25の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体由来の構成単位の含有割合は、N−ビニルラクタム系共重合体の全構成単位100質量%に対して、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることが更に好ましく、20質量%以上であることが更により好ましい。また、ガラス転移温度が高く、粉体加工性に優れる点で、70質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることが更に好ましい。
本発明のN−ビニルラクタム系共重合体は、上述した構成単位以外に他の構成単位を有していてもよい。上記他の構成単位としては、上述した「1.N−ビニルラクタム系共重合体の製造方法」に記載の「他の単量体」由来の構成単位を挙げることができる。
上記他の単量体由来の構成単位の含有割合は、N−ビニルラクタム系共重合体の全構成単位100質量%に対して、ガラス転移温度が高く、粉体加工性に優れる点で、0〜30質量%であることが好ましく、0〜10質量%であることがより好ましく、0〜5質量%であることが更に好ましい。
本発明のN−ビニルラクタム系共重合体のガラス転移温度、重量平均分子量は、上述した「1.N−ビニルラクタム系共重合体の製造方法」に記載のN−ビニルラクタム系共重合体のガラス転移温度、重量平均分子量と同じであることが好ましい。
本発明のN−ビニルラクタム系共重合体は、上述した「1.N−ビニルラクタム系共重合体の製造方法」に記載の方法により好適に製造することができる。
上記N−ビニルラクタム系共重合体は、単独で、あるいは他の成分と混合して樹脂組成物として使用することができる。上記他の成分としては、上述した「1.N−ビニルラクタム系共重合体の製造方法」に記載の他の成分と同様のものが挙げられる。
また、上記N−ビニルラクタム系共重合体の用途としては、上述した「1.N−ビニルラクタム系共重合体の製造方法」に記載の用途と同様の用途が挙げられる。
以上のとおり、本発明のN−ビニルラクタム系共重合体の製造方法は、残存モノマー量が少なく、組成が均一で、ガラス転移温度の高いN−ビニルラクタム系共重合体を好適に製造することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
共重合体についての各評価を下記の方法で行った。
<共重合体の固形分の測定>
底面の直径が約5cmの秤量缶(質量W1(g))に、約1gの共重合体を量り取り(質量W2(g))、これを150℃の定温乾燥機中において1時間静置し、乾燥させた。乾燥後の秤量缶と共重合体の合計質量(W3(g))を測定し、下記式より固形分を求めた。
固形分(質量%)=[(W3−W1)/W2]×100
<共重合体の残存モノマー量、副生成物量の測定>
共重合体中の単量体(N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸エステル、アクリル酸)、及び、副生成物(2−ピロリドン)の含有率は、ガスクロマトグラフ(装置:株式会社島津製作所製 GC−2014、検出器:FID、カラム:化学物質評価研究機構製 G−300)を用いて求めた。
<共重合体の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)の測定>
共重合体の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)について、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により下記の条件A又は条件Bで測定して求めた。Mw/Mnは、Mwの値をMnの値で除することにより求めた。
(条件A)
装置:東ソー製 HLC−8320GPC
検出器:RI
カラム:昭和電工株式会社製 Shodex KD−806M(2本)、KD−G 4A
カラム温度:40℃
流速:0.8ml/min
検量線:Polystyrene Standards
溶離液:N,N−ジメチルホルムアミド(0.1%LiBr含有)
(条件B)
装置:東ソー製 HLC−8320GPC
検出器:RI
カラム:東ソー株式会社製 TSKgel SuperMultiporeHZ−M
カラム温度:40℃
流速:0.18ml/min
検量線:Polystyrene Standards
溶離液:テトラヒドロフラン(1質量%トリエチルアミン含有)
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
共重合体のTgについて、示差走査熱量計(リガク製、Thermo plus EVO DSC−8230、又は、ネッチ製、DSC−3500)を用い、窒素ガス雰囲気下、約10mgのサンプルを常温から200℃もしくは240℃まで昇温(昇温速度20℃/分)(比較例1は−100℃から200℃まで昇温(昇温速度20℃/分))して得られたDSC曲線から、始点法により評価した。リファレンスには、α−アルミナを用いた。
(実施例1)
マックスブレンド型攪拌翼(SUS304製)、温度計、還流管、ジャケットを備えた1L反応器(SUS304製)に、酢酸エチル(富士フイルム和光純薬株式会社製)615.4g仕込んだ。250rpmで撹拌しながら、反応器の内温が75℃になるように加熱した。次いで、75℃を維持しながら、N−ビニルピロリドン(株式会社日本触媒製、以下、「VP」とも称する)46.7gは30分間、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(富士フイルム和光純薬株式会社製、以下、「V−59」とも称する)の5%酢酸エチル溶液39.9gは285分間かけて、それぞれ滴下し重合を開始させた。重合発熱を確認後(VP滴下開始5分後)、アクリル酸イソボルニル(株式会社日本触媒製、ホモポリマーのTg:94℃)35gを60分間かけて滴下した。VPの30分間の滴下終了後、VP93.3gを120分間かけて滴下した。また、アクリル酸イソボルニルの60分間の滴下終了後、アクリル酸イソボルニル105gを220分間かけて滴下した。全VPに対する全アクリル酸イソボルニルの量は100%、全単量体(VP+アクリル酸イソボルニル)に対するV−59の量は0.7%であった。
V−59の滴下終了後、さらに75℃で55分間保持して、VP/アクリル酸イソボルニル重合体溶液を得た。
得られたVP/アクリル酸イソボルニル重合体溶液をエバポレーターで濃縮し、90℃真空乾燥4時間後、目開き500μmのJIS標準篩を通過するまで粉砕し、さらに粉体を150℃窒素雰囲気下で3時間乾燥して、VP/アクリル酸イソボルニル重合体(粉体)を得た。得られた重合体の構成モノマー比は、VP/アクリル酸イソボルニル=50/50(質量比)であった。
(実施例2)
マックスブレンド型攪拌翼(SUS304製)、温度計、還流管、ジャケットを備えた1L反応器(SUS304製)に、2−プロパノール(富士フイルム和光純薬株式会社製)421.5g、VP90gを仕込んだ。250rpmで撹拌しながら、反応器の内温が80℃になるように加熱した。次いで、80℃を維持しながら、V−59の5%2−プロパノール溶液30gを240分間かけて滴下し重合を開始させた。V−59滴下開始20分後、アクリル酸イソボルニル(株式会社日本触媒製、ホモポリマーのTg:94℃)150g、アクリル酸(株式会社日本触媒製)60gをそれぞれ120分間かけて滴下した。全単量体(VP+アクリル酸イソボルニル+アクリル酸)に対するV−59の量は0.5%であった。
V−59の滴下終了後、さらに80℃で60分間保持して、VP/アクリル酸イソボルニル/アクリル酸重合体溶液を得た。
得られたVP/アクリル酸イソボルニル/アクリル酸重合体溶液を90℃真空乾燥4時間後、目開き500μmのJIS標準篩を通過するまで粉砕し、さらに粉体を120℃で1時間真空乾燥して、VP/アクリル酸イソボルニル/アクリル酸重合体(粉体)を得た。得られた重合体の構成モノマー比は、VP/アクリル酸イソボルニル/アクリル酸重合体=30/50/20(質量比)であった。
(実施例3)
マックスブレンド型攪拌翼(SUS304製)、温度計、還流管、ジャケットを備えた1L反応器(SUS304製)に、酢酸エチル(富士フイルム和光純薬株式会社製)188.6g、2−プロパノール(富士フイルム和光純薬株式会社製)121.6g、脱イオン水23.2g、及びVP36.7gを仕込んだ。250rpmで撹拌しながら、反応器のジャケット温度が78℃(内温が76℃で一定)になるように加熱した。次いで、ジャケット温度78℃を維持しながら、VP183.3gを150分間、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(富士フイルム和光純薬株式会社製、以下、「V−601」とも称する)5%の2−プロパノール溶液26.4gを260分間かけて、それぞれ滴下し重合を開始させた。V−601滴下開始10分後、アクリル酸イソボルニル(株式会社日本触媒製、ホモポリマーのTg:94℃)55.0gを50分間かけて滴下した。
また、アクリル酸イソボルニルの50分間の滴下終了後、アクリル酸イソボルニル133.6gを100分間かけて滴下した。その後、更に、アクリル酸イソボルニル31.4gを80分間かけて滴下した。この間に液の粘度が高くなったため、追加で酢酸エチルを計75g、3度に分けて添加した。全VPに対する全アクリル酸イソボルニルの量は100%、全単量体(VP+アクリル酸イソボルニル)に対するV−601の量は0.3%であった。
V−601の滴下終了後、V−601の10%の2−プロパノール溶液4.4gを添加し、その20分後に、同量のV−601の10%2−プロパノール溶液を添加し、さらにジャケット温度78℃で40分間保持して、VP/アクリル酸イソボルニル重合体溶液を得た。
得られたVP/アクリル酸イソボルニル重合体溶液をエバポレーターで濃縮し、80℃真空乾燥4時間後、目開き500μmのJIS標準篩を通過するまで粉砕し、さらに粉体を130℃窒素雰囲気下で3時間乾燥して、VP/アクリル酸イソボルニル重合体(粉体)を得た。得られた重合体の構成モノマー比は、VP/アクリル酸イソボルニル=50/50(質量比)であった。
(実施例4)
マックスブレンド型攪拌翼(SUS304製)、温度計、還流管、ジャケットを備えた1L反応器(SUS304製)に、2−プロパノール(富士フイルム和光純薬株式会社製)273.0g、脱イオン水34.0g、及びVP17.0gを仕込んだ。250rpmで撹拌しながら、反応器のジャケット温度が85℃(内温が82℃で一定)になるように加熱した。次いで、ジャケット温度85℃を維持しながら、VP85.0gを150分間、V−601の3%2−プロパノール溶液34.0gを260分間かけて、それぞれ滴下し重合を開始させた。V−601滴下開始10分後、アクリル酸イソボルニル(株式会社日本触媒製、ホモポリマーのTg:94℃)59.5gを40分間かけて滴下した。
また、アクリル酸イソボルニルの40分間の滴下終了後、アクリル酸イソボルニル144.5gを90分間かけて滴下した。更に、アクリル酸イソボルニル34.0gを80分間かけて滴下した。全VPに対する全アクリル酸イソボルニルの量は233%、全単量体(VP+アクリル酸イソボルニル)に対するV−601の量は0.3%であった。
V−601の滴下終了後、V−601の10%2−プロパノール溶液3.4gを添加し、その20分後に、同量のV−601の10%2−プロパノール溶液を添加し、さらにジャケット温度85℃で60分間保持して、VP/アクリル酸イソボルニル重合体溶液を得た。
得られたVP/アクリル酸イソボルニル重合体溶液をエバポレーターで濃縮し、90℃真空乾燥2時間、次いで100℃真空乾燥2時間後、目開き500μmのJIS標準篩を通過するまで粉砕し、さらに粉体を150℃窒素雰囲気下で3時間乾燥して、VP/アクリル酸イソボルニル重合体(粉体)を得た。得られた重合体の構成モノマー比は、VP/アクリル酸イソボルニル=30/70(質量比)であった。
(実施例5)
マックスブレンド型攪拌翼(SUS304製)、温度計、還流管、ジャケットを備えた1L反応器(SUS304製)に、酢酸エチル215.4g、2−プロパノール(富士フイルム和光純薬株式会社)21.6g、脱イオン水21.1g、及びVP20.0gを仕込んだ。250rpmで撹拌しながら、反応器のジャケット温度が78℃(内温が76℃で一定)になるように加熱した。次いで、ジャケット温度78℃を維持しながら、VP100.0gを150分間、V−601の5%2−プロパノール溶液24.0gを260分間かけて、それぞれ滴下し重合を開始させた。V−601滴下開始10分後、アクリル酸イソボルニル(株式会社日本触媒製、ホモポリマーのTg:94℃)70.0gを40分間かけて滴下した。
また、アクリル酸イソボルニルの40分間の滴下終了後、アクリル酸イソボルニル170.0gを90分間かけて滴下した。その後更に、アクリル酸イソボルニル40.0gを80分間かけて滴下した。この間に液の粘度が高くなったため、追加で酢酸エチルを計100g、2度に分けて添加した。全VPに対する全アクリル酸イソボルニルの量は233%、全単量体(VP+アクリル酸イソボルニル)に対するV−601の量は0.3%であった。
V−601の滴下終了後、V−601の10%の2−プロパノール溶液6.0gを添加し、その20分後に、同量のV−601の10%の2−プロパノール溶液を添加し、更にジャケット温度78℃で40分間保持して、VP/アクリル酸イソボルニル重合体溶液を得た。
得られたVP/アクリル酸イソボルニル重合体溶液をエバポレーターで濃縮し、90℃真空乾燥4時間後、目開き500μmのJIS標準篩を通過するまで粉砕し、さらに粉体を90℃窒素雰囲気下で4時間乾燥して、VP/アクリル酸イソボルニル重合体(粉体)を得た。得られた重合体の構成モノマー比は、VP/アクリル酸イソボルニル=30/70(質量比)であった。
(実施例6)
マックスブレンド型攪拌翼(SUS304製)、温度計、還流管、ジャケットを備えた1L反応器(SUS304製)に、2−プロパノール(富士フイルム和光純薬株式会社製)348.1g、脱イオン水41.7g、及びVP41.7gを仕込んだ。250rpmで撹拌しながら、反応器のジャケット温度が85℃(内温が83℃で一定)になるように加熱した。次いで、ジャケット温度85℃を維持しながら、VP208.3gを150分間、V−601の3%2−プロパノール溶液27.8gを240分間かけて、それぞれ滴下し重合を開始させた。V−601滴下開始10分後、アクリル酸イソボルニル(株式会社日本触媒製、ホモポリマーのTg:94℃)6.9gを50分間かけて滴下した。
また、アクリル酸イソボルニルの50分間の滴下終了後、アクリル酸イソボルニル16.9gを100分間かけて滴下した。更に、アクリル酸イソボルニル4.0gを60分間かけて滴下した。全VPに対する全アクリル酸イソボルニルの量は11%、全単量体(VP+アクリル酸イソボルニル)に対するV−601の量は0.3%であった。
V−601の滴下終了後、V−601の10%の2−プロパノール溶液2.8gを添加し、その20分後に、同量のV−601の10%2−プロパノール溶液を添加し、さらにジャケット温度85℃で40分間保持して、VP/アクリル酸イソボルニル重合体溶液を得た。
得られたVP/アクリル酸イソボルニル重合体溶液を濃縮し、90℃真空乾燥2時間、100℃真空乾燥2時間後、目開き500μmのJIS標準篩を通過するまで粉砕し、VP/アクリル酸イソボルニル重合体(粉体)を得た。得られた重合体の構成モノマー比は、VP/アクリル酸イソボルニル=90/10(質量比)であった。
(実施例7)
マックスブレンド型攪拌翼(SUS304製)、温度計、還流管、ジャケットを備えた1L反応器(SUS304製)に、酢酸エチル208.3g、2−プロパノール(富士フイルム和光純薬株式会社製)187.5g、脱イオン水37.5g、及びVP25.0gを仕込んだ。250rpmで撹拌しながら、反応器のジャケット温度が78℃(内温が77℃で一定)になるように加熱した。次いで、ジャケット温度78℃を維持しながら、VP125.0gを150分間、t−ブチルペルオキシピバレート(日本油脂株式会社製 パーブチルPV、純分70%、以下、「パーブチルPV」とも称する)の5%酢酸エチル溶液18.0gを260分間かけて、それぞれ滴下し重合を開始させた。パーブチルPV滴下開始10分後、アクリル酸イソボルニル(株式会社日本触媒製、ホモポリマーのTg:94℃)37.5gを50分間かけて滴下した。
また、アクリル酸イソボルニルの50分間の滴下終了後、アクリル酸イソボルニル91.1gを100分間かけて滴下した。その後更に、アクリル酸イソボルニル21.4gを80分間かけて滴下した。全VPに対する全アクリル酸イソボルニルの量は100%、全単量体(VP+アクリル酸イソボルニル)に対するパーブチルPVの量は0.3%であった。
パーブチルPVの滴下終了後、パーブチルPVの10%の酢酸エチル溶液3.0gを添加し、その20分後に、同量のパーブチルPVの10%酢酸エチル溶液を添加し、さらにジャケット温度78℃で40分間保持して、VP/アクリル酸イソボルニル重合体溶液を得た。
得られたVP/アクリル酸イソボルニル重合体溶液を濃縮し、90℃真空乾燥2時間、100℃真空乾燥2時間後、目開き500μmのJIS標準篩を通過するまで粉砕し、VP/アクリル酸イソボルニル重合体(粉体)を得た。得られた重合体の構成モノマー比は、VP/アクリル酸イソボルニル=50/50(質量比)であった。
(実施例8)
マックスブレンド型攪拌翼(SUS304製)、温度計、還流管、ジャケットを備えた1L反応器(SUS304製)に、酢酸エチル225.0g、2−プロパノール(富士フイルム和光純薬株式会社製)165.9g、脱イオン水37.5g、及びVP25.0gを仕込んだ。250rpmで撹拌しながら、反応器のジャケット温度が78℃(内温が76℃で一定)になるように加熱した。次いで、ジャケット温度78℃を維持しながら、VP125.0gを150分間、V−601の4%2−プロパノール溶液22.5gを290分間かけて、それぞれ滴下し重合を開始させた。V−601滴下開始10分後、アクリル酸イソボルニル(株式会社日本触媒製、ホモポリマーのTg:94℃)とアクリル酸ベンジル(大阪有機化学工業製、ホモポリマーのTg:6℃)の重量比4:1混合液37.5gを60分間かけて滴下した。
また、アクリル酸イソボルニル/アクリル酸ベンジル(4:1)の60分間の滴下終了後、アクリル酸イソボルニル/アクリル酸ベンジル(4:1)91.1gを120分間かけて滴下した。その後更に、アクリル酸イソボルニル/アクリル酸ベンジル(4:1)21.4gを80分間かけて滴下した。全VPに対する全アクリル酸エステル(アクリル酸イソボルニル+アクリル酸ベンジル)の量は100%、全単量体(VP+アクリル酸イソボルニル+アクリル酸ベンジル)に対するV−601の量は0.3%であった。
V−601の滴下終了後、V−601の10%の2−プロパノール溶液3.0gを添加し、その30分後に、同量のV−601の10%2−プロパノール溶液を添加し、さらにジャケット温度78℃で40分間保持して、VP/アクリル酸イソボルニル/アクリル酸ベンジル重合体溶液を得た。
得られたVP/アクリル酸イソボルニル/アクリル酸ベンジル重合体溶液を濃縮し、90℃真空乾燥2時間、100℃真空乾燥2時間後、目開き500μmのJIS標準篩を通過するまで粉砕し、VP/アクリル酸イソボルニル/アクリル酸ベンジル重合体(粉体)を得た。得られた重合体の構成モノマー比は、VP/アクリル酸イソボルニル/アクリル酸ベンジル=50/40/10(質量比)であった。
(実施例9)
マックスブレンド型攪拌翼(SUS304製)、温度計、還流管、ジャケットを備えた1L反応器(SUS304製)に、酢酸エチル225.0g、2−プロパノール(富士フイルム和光純薬株式会社製)170.4g、脱イオン水37.5g、及びVP25.0gを仕込んだ。250rpmで撹拌しながら、反応器のジャケット温度が78℃(内温が76℃で一定)になるように加熱した。次いで、ジャケット温度78℃を維持しながら、VP125.0gを150分間、V−601の5%2−プロパノール溶液18.0gを260分間かけて、それぞれ滴下し重合を開始させた。V−601滴下開始10分後、2−(o−フェニルフェノキシ)エチルアクリレート(日触テクノファインケミカル株式会社製 HRD−01、ホモポリマーのTg:33℃、以下、「HRD」とも称する)37.5gを50分間かけて滴下した。
また、HRDの50分間の滴下終了後、HRD91.1gを100分間かけて滴下した。その後更に、HRD21.4gを80分間かけて滴下した。全VPに対する全HRDの量は100%、全単量体(VP+HRD)に対するV−601の量は0.3%であった。
V−601の滴下終了後、V−601の10%の2−プロパノール溶液3.0gを添加し、その20分後に、同量のV−601の10%の2−プロパノール溶液を添加し、さらにジャケット温度78℃で40分間保持して、VP/HRD重合体溶液を得た。
得られたVP/HRD重合体溶液を濃縮し、90℃真空乾燥2時間、100℃真空乾燥2時間後、目開き500μmのJIS標準篩を通過するまで粉砕し、VP/HRD重合体(粉体)を得た。得られた重合体の構成モノマー比は、VP/HRD=50/50(質量比)であった。
(比較例1)
マックスブレンド型攪拌翼(SUS304製)、温度計、還流管、ジャケットを備えた1L反応器(SUS304製)に、酢酸エチル(富士フイルム和光純薬株式会社製)618.8g仕込んだ。250rpmで撹拌しながら、反応器の内温が75℃になるように加熱した。次いで、75℃を維持しながら、VP46.7gは30分間、アクリル酸2−エチルヘキシル(東京化成工業株式会社製、ホモポリマーのTg:−50℃)35gは80分間、V−59の5%酢酸エチル溶液36.4gは260分間かけて、それぞれ滴下し重合を開始させた。VPの30分間の滴下終了後、VP93.3gを150分間かけて滴下した。また、アクリル酸2−エチルヘキシルの80分間の滴下終了後、アクリル酸2−エチルヘキシル105gを180分間かけて滴下した。全VPに対する全アクリル酸2−エチルヘキシルの量は100%、全単量体(VP+アクリル酸2−エチルヘキシル)に対するV−59の量は0.7%であった。
V−59の滴下終了後、さらに75℃で60分間保持して、VP/アクリル酸2−エチルヘキシル重合体溶液を得た。
得られたVP/アクリル酸2−エチルヘキシル重合体溶液について、90℃真空乾燥を4時間行って粉体化を試みたが、ゴム状態となり、VP/アクリル酸2−エチルヘキシル重合体(粉体)は得られなかった。
実施例及び比較例で得られた共重合体について、上記の方法で、残存モノマー量、副生成物量、重量平均分子量(実施例4、5、7は条件Bで、その他は条件Aで測定した。)、ガラス転移温度を評価した。得られた結果を表1に示す。
Figure 2021070809
表1より、N−ビニルラクタム系単量体であるN−ビニルピロリドンと、単独重合体のガラス転移温度が0℃以上であり、置換基を有してもよい、炭素数1〜25の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体であるアクリル酸イソボルニルとを含む単量体成分を、有機溶媒を含む重合溶媒の存在下で重合した場合(実施例)は、N−ビニルピロリドンと、上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体に該当しないアクリル酸2−エチルヘキシルとを含む単量体成分を、有機溶媒を含む重合溶媒の存在下で重合した場合(比較例1)と比べて、残存モノマー量が少なく、2−ビニルピロリドンの副生成物量も少なく、N−ビニルラクタム系共重合体を効率良く製造できることが分かった。
また、実施例で得られた共重合体は、比較例で得られた共重合体と比べて、ガラス転移温度が高く、粉体加工性も良好であることが分かった。

Claims (8)

  1. 有機溶媒を含む重合溶媒の存在下で、N−ビニルラクタム系単量体、及び、単独重合体のガラス転移温度が0℃以上であり、置換基を有してもよい、炭素数1〜25の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含む単量体成分を重合する工程を含む
    ことを特徴とするN−ビニルラクタム系共重合体の製造方法。
  2. 前記有機溶媒は、沸点が70〜170℃であることを特徴とする請求項1に記載のN−ビニルラクタム系共重合体の製造方法。
  3. 前記重合工程は、更に、有機過酸化物及び/又はアゾ系化合物を含む重合開始剤の存在下で行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のN−ビニルラクタム系共重合体の製造方法。
  4. 更に、前記重合工程で得られたN−ビニルラクタム系共重合体溶液を乾燥する工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のN−ビニルラクタム系共重合体の製造方法。
  5. 前記N−ビニルラクタム系単量体は、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のN−ビニルラクタム系共重合体の製造方法。
    Figure 2021070809
    (式中、R、R、R、Rは、同一又は異なって、水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。xは、0〜4の整数を表す。yは、1〜3の整数を表す。)
  6. N−ビニルラクタム系単量体由来の構成単位と、単独重合体のガラス転移温度が0℃以上であり、置換基を有してもよい、炭素数1〜25の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体由来の構成単位とを有することを特徴とするN−ビニルラクタム系共重合体。
  7. 前記N−ビニルラクタム系単量体は、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項6に記載のN−ビニルラクタム系共重合体。
    Figure 2021070809
    (式中、R、R、R、Rは、同一又は異なって、水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。xは、0〜4の整数を表す。yは、1〜3の整数を表す。)
  8. 前記N−ビニルラクタム系共重合体は、ガラス転移温度が80℃以上であることを特徴とする請求項6又は7に記載のN−ビニルラクタム系共重合体。
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WO2023002853A1 (ja) * 2021-07-21 2023-01-26 株式会社日本触媒 インク用アクリル系樹脂

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