JP2007296790A - 液体噴射ヘッドの製造方法及び液体噴射ヘッド - Google Patents

液体噴射ヘッドの製造方法及び液体噴射ヘッド Download PDF

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Abstract

【課題】電極が形成された2つの部材を電極同士が重なり合うように接着されることより形成される液体の流路を、新たなプロセスを追加することなく、確実に密閉できる液体噴射ヘッドの製造方法及び液体噴射ヘッドを提供する。
【解決手段】電圧印加用電極13を表面に有し、内部に液体が供給される第1の部材1と、第1の部材1の電圧印加用電極13と対応するように配列された配線電極22を表面に有し、第1の部材1に供給される液体の流路を有する第2の部材2とを、接着することによって、第1の部材1と第2の部材2との間の液体の流路の周囲を液密状にする際、第1の部材1と第2の部材2の少なくともいずれかの部材の接着面で、電圧印加用電極13または配線電極22が形成されていない領域に、第1の部材1と第2の部材2との間で接着剤を毛管力により保持するためのダミー電極15、24を形成した後、第1の部材1と第2の部材2とを接着する。
【選択図】図5

Description

本発明は液体噴射ヘッドの製造方法及び液体噴射ヘッドに関し、詳しくは、それぞれ電圧印加用電極が配列されている2つの部材同士を接着剤を用いて接着することによって、電気的接続をすると同時に、それら部材間に形成される液体の流路を液密状に密閉するようにした液体噴射ヘッドの製造方法及び液体噴射ヘッドに関する。
液体を微小な液滴の状態で吐出可能な液体噴射ヘッドは、例えば、記録紙上にインク滴を吐出して画像等を記録するインクジェットプリンタに用いられるインクジェットヘッド等として広く普及してきている。
このような液体噴射ヘッドは、液体を吐出するための駆動素子として圧電素子を用い、複数のノズルに対応する圧電素子を選択的に駆動することにより、各圧電素子の動圧に基づいてノズルから液体を吐出させるようにしており、複数の部材同士を接着剤を用いて接着することによって形成される。
図11はこのような液体噴射ヘッドの一例を示す斜視図、図12はその背面図である。
この液体噴射ヘッドは、液体を吐出するための圧電素子を有するヘッドチップ1に多数のチャネル11が並設されている。隣接するチャネル11の間は圧電素子からなる駆動壁12とされている。各チャネル11は、ヘッドチップ1の後面のチャネル入口から前面のチャネル出口にかけてほぼストレート状に形成されており、ここでは多数が並設されることによって構成されるチャネル列が2列となるヘッドチップ1が示されている。
各チャネル11内には駆動電極が設けられており、各チャネル11内からヘッドチップ1の後面にかけて引き出され、引き出し電極13が形成されている。
ヘッドチップ1の後面には、配線基板2が接着剤を用いて接着される。配線基板2は、ヘッドチップ1の周囲から張り出す程度の大きさに形成されている。
配線基板2の表面には、ヘッドチップ1の各チャネル11内から後面にかけて引き出された引き出し電極13に対応するように、配線電極22が形成されており、引き出し電極13と配線電極22とが電気的に接続するようにして位置合わせされてヘッドチップ1の後面に接着されている。また、配線基板2のほぼ中央部には、ヘッドチップ1の後面に露呈している全てのチャネル11を含む程度の大きさの開口21が形成されている。
更に、ヘッドチップ1の前面には、ノズル31が形成されたノズルプレート3が接着剤を用いて接着される。
この液体噴射ヘッドの構造では、配線基板2の各配線電極22がヘッドチップ1との接着面から外部にはみ出して引き出されており、そのはみ出した部分の表面においてFPC(図示せず)等との電気的接続が可能となっている。また、ヘッドチップ1の後面には、配線基板2の開口21を通して全てのチャネル11が露出するので、この開口21によって液体の流路が形成され、開口21を通して各チャネル11に共通に液体を供給することができるようになっている。
ヘッドチップ1と配線基板2との接着には、一般には加熱硬化型の異方導電性接着剤等が用いられ、ヘッドチップ1と配線基板2との接着面に接着剤100を塗布した後、加熱及び加圧することにより接着剤100を硬化させる。このとき、ヘッドチップ1の各チャネル11に供給される液体の漏れをなくすようにするため、この接着剤100によって、液体の流路となる開口21の周囲を確実に密閉して液密状とする必要がある。
液体の流路の周囲を封止するには、普通、シーリング接着剤、例えば、シリコーン接着剤が使用される。これは通常、接着する部材を重ね、外側から接着剤を塗布して、隙間に染み込ませる事で行われる。しかし、電極の電気的接続、配線基板の接着、液体の流路の周囲の封止を行うには、異方導電性接着剤、エポキシ接着剤、シリコーン接着剤を使い分けねばならず、工程が長くなり不便である。これを異方導電性接着剤だけで行えれば、1回の接着ですむので極めて有用である。
ここで、ヘッドチップ1と配線基板2との間には、引き出し電極13と配線電極22とが重なり合うことで、図13に示すように、引き出し電極13の高さ(厚み)+配線電極22の高さ(厚み)にほぼ相当する隙間gが形成されているため、塗布された接着剤100は、加熱による粘度低下等によって、この隙間g内を流動する。このとき、引き出し電極13及び配線電極22が配列されている電極形成領域200では、接着剤100の一部は隙間gの外部に流れ出る場合もあるが、大部分は隣接する電極同士の重なり部分の間及びヘッドチップ1と配線基板2との間で毛管力によって保持されて残るため、この保持された接着剤100が硬化することによって確実に密閉されて液密状とされる。
ところが、電極が形成されない領域は、電極形成領域200のような毛管力が働かないため、接着剤100は隙間gの間を比較的自由に流動し得る状態にあり、塗布時は十分な接着剤量であっても、加熱による粘度低下等によって流動して十分に保持されないまま隙間gから流れ出てしまい、ヘッドチップ1と配線基板2との間に接着剤100が存在しなくなった非接着部100aが形成されてしまう場合がある。ヘッドチップ1と配線基板2との間にこのような非接着部100aが形成されてしまうと、配線基板2の開口21を流路とする液体が非接着部100aから外部に漏出してしまうおそれがあるため好ましくない。
このような問題は加熱硬化型の接着剤に限らず、常温硬化型の接着剤を使用した場合でも生じる場合がある。
このような非接着部100aの形成を防止するには、比較的多量の接着剤を塗布すればよいが、接着剤の塗布量を多くすると、隙間gから流れ出した接着剤がチャネル11内に入り込んで塞いでしまう等の別の問題が発生してしまう。
従来では、特許文献1、2に、堰を設けて接着剤の流れ出しを防止する技術や、特許文献3〜9に、接着剤の逃がし溝を設けて接着剤の流れ出しを防止する技術が提案されている。
また、特許文献10、11には、毛管力を利用して必要な部分に接着剤を流し込む技術も提案されている。
しかし、これらいずれの技術も、接着剤の流出防止のために、堰や逃がし溝等といった新規な構造を別途付加する必要があり、通常の製造プロセスに別途新たなプロセスを追加する必要がある。このため、工程の煩雑化や工数の増加によってコスト増を招く問題がある。
さらに、特許文献12には、電極同士を電気的に接続する方法であって、毛細管現象を用いて、所望の位置に導電性液滴状体を配置する方法であり、接続する電極と電極の間に隙間を設けておき、ここに接着剤を、インクジェットや他の方法により吐出して、この隙間に毛管力により、接着剤を吸収させる方法が開示されている。しかし、本発明のように電気的接続とシール接着とを同時に行う方法とは異なる。
特開平7−285223号公報 特開2000−218789号公報 特開平8−52872号公報 特開平11−348282号公報 特開2002−240272号公報 特開2003−226019号公報 特開2005−22088号公報 特開2005−59399号公報 特開2005−59410号公報 特開平11−129466号公報 特開2002−96477号公報 特開2005−158776号公報
そこで、本発明は、それぞれ電極が形成された2つの部材を電極同士が重なり合うようにして接着されることにより形成される液体の流路を、通常の製造プロセスに新たなプロセスを追加する必要なく、簡単な方法で、接着剤によって確実に密閉することができる液体噴射ヘッドの製造方法及び液体噴射ヘッドを提供することを課題とする。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかになる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
請求項1記載の発明は、多数配列された電圧印加用電極を表面に有し、内部に液体が供給される第1の部材と、前記第1の部材の前記電圧印加用電極と対応するように多数配列された電圧印加用電極を表面に有し、前記第1の部材に供給される液体の流路を有する第2の部材とを、前記第1の部材の各電圧印加用電極と前記第2の部材の各電圧印加用電極とが電気的に接続するように接着剤を用いて接着することによって、前記第1の部材と前記第2の部材との間の前記液体の流路の周囲を液密状にするようにした液体噴射ヘッドの製造方法であって、前記第1の部材と前記第2の部材の少なくともいずれかの部材の接着面で、前記電圧印加用電極が形成されていない領域に、前記第1の部材と前記第2の部材との間で接着剤を毛管力により保持するためのダミー電極を形成した後、前記第1の部材と前記第2の部材とを接着剤を用いて接着することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法である。
請求項2記載の発明は、前記ダミー電極を、前記第1の部材と前記第2の部材とにそれぞれ形成し、且つ、接着時に前記第1の部材のダミー電極と前記第2の部材のダミー電極との少なくとも一部が互いに重なり合うように形成することを特徴とする請求項1又は2記載の液体噴射ヘッドの製造方法である。
請求項3記載の発明は、前記電圧印加用電極と前記ダミー電極とを、マスクを用いて金属被膜を選択的に形成することによって、同時に形成することを特徴とする請求項1又は2記載の液体噴射ヘッドの製造方法である。
請求項4記載の発明は、多数配列された電圧印加用電極を表面に有し、内部に液体が供給される第1の部材と、前記第1の部材の前記電圧印加用電極と対応するように多数配列された電圧印加用電極を表面に有し、前記第1の部材に供給される液体の流路を有する第2の部材とを、前記第1の部材の各電圧印加用電極と前記第2の部材の各電圧印加用電極とが電気的に接続するように接着剤を用いて接着することによって、前記第1の部材と前記第2の部材との間を密閉し、前記液体の流路の周囲を液密状にするようにした液体噴射ヘッドの製造方法であって、前記第1の部材と前記第2の部材の少なくともいずれかの部材の前記電圧印加用電極のうちの端部の電圧印加用電極に、前記第1の部材と前記第2の部材との間で接着剤を毛管力により保持するように、前記液体の流路の周囲のうちの前記電圧印加用電極が形成されていない領域まで引き延ばされた電極延長部を形成した後、前記第1の部材と前記第2の部材とを接着剤を用いて接着することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法である。
請求項5記載の発明は、前記電極延長部を、前記第1の部材と前記第2の部材の両方に形成し、且つ、接着時に前記第1の部材の前記電極延長部と前記第2の部材の前記電極延長部との少なくとも一部が互いに重なり合うように形成した後、前記第1の部材と前記第2の部材とを接着剤を用いて接着することを特徴とする請求項4記載の液体噴射ヘッドの製造方法である。
請求項6記載の発明は、前記電極延長部を、マスクを用いて金属被膜を選択的に形成することによって、前記電圧印加用電極と同時に形成することを特徴とする請求項4又は5記載の液体噴射ヘッドの製造方法である。
請求項7記載の発明は、前記電極延長部を、前記第1の部材と前記第2の部材のうちの一方の部材に形成すると共に、他方の部材の接着面で、前記電圧印加用電極が形成されていない領域に、前記第1の部材と前記第2の部材との間で接着剤を毛管力により保持するためのダミー電極を形成し、且つ、接着時に前記第1の部材の前記電極延長部又は前記ダミー電極と前記第2の部材の前記ダミー電極又は前記電極延長部との少なくとも一部が互いに重なり合うように形成した後、前記第1の部材と前記第2の部材とを接着剤を用いて接着することを特徴とする請求項4記載の液体噴射ヘッドの製造方法である。
請求項8記載の発明は、前記電極延長部及び前記ダミー電極を、マスクを用いて金属被膜を選択的に形成することによって、前記電圧印加用電極と同時に形成することを特徴とする請求項7記載の液体噴射ヘッドの製造方法である。
請求項9記載の発明は、多数配列された電圧印加用電極を表面に有し、内部に液体が供給される第1の部材と、前記第1の部材の前記電圧印加用電極と対応するように多数配列された電圧印加用電極を表面に有し、前記第1の部材に供給される液体の流路を有する第2の部材とを、前記第1の部材の各電圧印加用電極と前記第2の部材の各電圧印加用電極とが電気的に接続するように接着剤を用いて接着することによって、前記第1の部材と前記第2の部材との間が密閉され、前記液体の流路の周囲が液密状とされた液体噴射ヘッドであって、前記第1の部材と前記第2の部材の少なくともいずれかの部材の接着面で、前記液体の流路の周囲のうちの前記電圧印加用電極が形成されていない領域に、前記第1の部材と前記第2の部材との間で接着剤を毛管力により保持するためのダミー電極が形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッドである。
請求項10記載の発明は、前記ダミー電極は、前記第1の部材と前記第2の部材とにそれぞれ形成され、且つ、前記第1の部材のダミー電極と前記第2の部材のダミー電極との少なくとも一部が互いに重なり合っていることを特徴とする請求項9記載の液体噴射ヘッドである。
請求項11記載の発明は、多数配列された電圧印加用電極を表面に有し、内部に液体が供給される第1の部材と、前記第1の部材の前記電圧印加用電極と対応するように多数配列された電圧印加用電極を表面に有し、前記第1の部材に供給される液体の流路を有する第2の部材とを、前記第1の部材の各電圧印加用電極と前記第2の部材の各電圧印加用電極とが電気的に接続するように接着剤を用いて接着することによって、前記第1の部材と前記第2の部材との間が密閉され、前記液体の流路の周囲が液密状とされた液体噴射ヘッドであって、前記第1の部材と前記第2の部材の少なくともいずれかの部材の前記電圧印加用電極のうちの端部の電圧印加用電極に、前記第1の部材と前記第2の部材との間で接着剤を毛管力により保持するように、前記液体の流路の周囲のうちの前記電圧印加用電極が形成されていない領域まで引き延ばされた電極延長部が形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッドである。
請求項12記載の発明は、前記電極延長部は前記第1の部材と前記第2の部材の両方に形成され、且つ、前記第1の部材の前記電極延長部と前記第2の部材の前記電極延長部との少なくとも一部が互いに重なり合っていることを特徴とする請求項11記載の液体噴射ヘッドである。
請求項13記載の発明は、前記電極延長部は、前記第1の部材と前記第2の部材のうちの一方の部材に形成されると共に、他方の部材の接着面で、前記電圧印加用電極が形成されていない領域に、前記第1の部材と前記第2の部材との間で接着剤を毛管力により保持するためのダミー電極が形成され、且つ、前記第1の部材の前記電極延長部又は前記ダミー電極と前記第2の部材の前記ダミー電極又は前記電極延長部との少なくとも一部が互いに重なり合っていることを特徴とする請求項11記載の液体噴射ヘッドである。
本発明によれば、それぞれ電極が形成された2つの部材を電極同士が重なり合うようにして接着されることにより形成される液体の流路を、通常の製造プロセスに新たなプロセスを追加する必要なく、簡単な方法で、接着剤によって確実に密閉することができる液体噴射ヘッドの製造方法及び液体噴射ヘッドを提供することができる。
更に、ダミー電極を設けることにより、接着する両部材の接着面の圧力をより均一化することができるため、両者の部材の変形を防ぎ、応力がかかった状態での接着を防止できる。
すなわち、本発明の構成をとることにより、電気的接続の信頼性をさらに高め、液体の流路の周囲の密閉を確実にし、液体噴射ヘッドとしての性能、信頼性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係る液体噴射ヘッドのヘッドチップ(第1の部材)の背面図である。
液体を吐出するための圧電素子を有するヘッドチップ1には、多数のチャネル11が並設されている。ヘッドチップ1の各チャネル11は、ヘッドチップ1の後面のチャネル入口から前面のチャネル出口にかけてほぼストレート状に形成されており、多数並設されるチャネル11、11…によってチャネル列11Aが形成され、このヘッドチップ1では図示上下2列のチャネル列11A、11Aが形成されている。
このヘッドチップ1は、各チャネル列11A、11A内において隣接するチャネル11、11の間が圧電素子からなる駆動壁12とされ、この駆動壁12の両側から電圧を印加すると、駆動壁12がくの字型にせん断変形し、チャネル11の容積を縮小させ、チャネル11内の例えばインク等の液体に吐出のための圧力を付与し、図示しないノズルから微小液滴状に吐出させる。
各チャネル11内には、駆動壁12をせん断変形させる電圧印加を行うための不図示の駆動電極が内面に密着形成されている。この駆動電極は、各チャネル11内からヘッドチップ1の後面まで引き出されており、ヘッドチップ1の後面には、このチャネル11内から引き出された引き出し電極13が形成されている。引き出し電極13は、チャネル列11Aと11Aとで互いに反対側に向けて引き出されており、それら引き出し電極13が配列されることにより、ヘッドチップ1の後面に電極形成領域14が形成される。
本発明では、このようなヘッドチップ1の後面の、電極形成領域14、14以外の引き出し電極13が形成されていない領域に、ヘッドチップ1と後述する配線基板2との間で接着剤を毛管力により保持するためのダミー電極15が、引き出し電極13と同一高さ(厚み)で形成される。ここではヘッドチップ1の図示左右両端の縁部にかけて、それぞれコの字形状のダミー電極15が、間にチャネル列11A、11Aを挟むように対向状に形成されている。これらダミー電極15は、引き出し電極13とは接触しないように形成される。
このようなダミー電極15の形成は、マスクを用いて金属被膜を選択的に形成することによって、ヘッドチップ1に引き出し電極13を形成する工程と同一工程で行うことができる。
例えば、図2に示すように、チャネル11及び各チャネル11内に駆動電極が形成されたヘッドチップ1を用意し、その後面に、引き出し電極13及びダミー電極15の配列パターンと同一パターンの開口16a、16bを有するマスク16を、各開口16a内にそれぞれチャネル11が露出するように設ける。マスク16の開口16aは引き出し電極13を形成するための開口であり、開口16bはダミー電極15を形成するための開口である。このようなマスク16には、電極形成時に通常使用されるマスクを用いることができ、例えばメタルマスク等が挙げられる。
このようにしてヘッドチップ1の後面にマスク16を設けた後、その表面から例えばNi、Al、Au等の電極形成用金属を、例えば蒸着法やスパッタリング法等によって適用し、開口16a内と開口16b内のみに選択的に金属被膜を形成する。その後、マスク16を除去することで、ヘッドチップ1の後面に、金属被膜の厚みに相当する同一高さ(厚み)の凸状の引き出し電極13とダミー電極15とを同時に形成することができる。しかも、この工程は、通常の引き出し電極13の形成工程そのままであるため、単にマスク16に形成する開口の配列パターンをダミー電極15に合わせて若干追加変更するだけで済み、工数の増加もなくダミー電極15を簡単に形成することができる。
マスクを用いてダミー電極15を引き出し電極13と同一工程で形成するには、この他、通常の電極形成に使用されるマスクを用いることもできる。例えば、ヘッドチップ1の後面にドライフィルムを貼着又はレジストを塗布し、それをガラスマスクを用いて露光、現像することにより、ネガ方式又はポジ方式によりパターニングし、蒸着法やスパッタリング法等によって選択的に金属被膜を形成した後、ドライフィルム又はレジストを除去することにより、引き出し電極13とダミー電極15とを同時に形成する方法でもよい。
また、ヘッドチップ1の後面全面に金属被膜を形成した後、ドライフィルムを貼着又はレジストを塗布し、露光、現像してエッチング液に浸漬することによってパターニングし、引き出し電極13とダミー電極15とを同時に形成する方法でもよい。
更に、予め引き出し電極13とダミー電極15の形成パターンを有する微小なメッシュ状のスクリーンマスクを用い、導電ペーストをスクリーンマスク上から適用してメッシュ状の穴を通して導電ペーストをスクリーン印刷し、加熱又は焼成して硬化させることによって引き出し電極13とダミー電極15とを同時に形成する方法でもよい。
図3は、ヘッドチップ1の後面に貼着される配線基板(第2の部材)の正面図である。
配線基板2は、ヘッドチップ1の後面の面積よりも大きな面積を有する例えばセラミックス等の平板によって形成されており、そのほぼ中央部には、ヘッドチップ1の後面に接着された際に、ヘッドチップ1の全てのチャネル11を露出させる程度の大きさを有する開口部21が形成されている。
また、開口部21から配線基板2の図示上下端部にかけて、ヘッドチップ1の後面に接着された際に、ヘッドチップ1の各チャネル列11A、11Aの引き出し電極13にそれぞれ対応するように、配線電極22が同一配列パターンで形成されることにより、電極形成領域23が形成されている。この配線電極22は、開口部21側の一端がヘッドチップ1の対応する引き出し電極13と電気的に接続されることで、他端に接続されるFPC等(図示せず)を介して駆動IC(図示せず)からの駆動電圧を各チャネル11内の駆動電極に印加する電圧印加用の電極である。
本発明では、このような配線基板2において、図3において破線で示されるヘッドチップ1の接着領域内で、電極形成領域23、23よりも外側の配線電極22が形成されていない領域に、上記ヘッドチップ1と配線基板2との間で接着剤を毛管力により保持するためのダミー電極24が、配線電極22と同一高さ(厚み)で形成される。ここでは、ヘッドチップ1の接着領域の図示左右両端に、それぞれコの字形状のダミー電極24が、開口部21と各配線電極22を間に挟むように対向状に形成されている。このダミー電極24の形状は、ヘッドチップ1に形成されたダミー電極15と重ね合わせたときに合致するように、ダミー電極15と鏡対象に形成されている。これらダミー電極24は、配線電極22とは接触しないように形成される。
このようなダミー電極24の形成は、マスクを用いて金属被膜を選択的に形成することによって、配線基板2に配線電極22を形成すると同一工程で行うことができる。
例えば、図4に示すように、開口部21が形成された配線基板2の表面に、配線電極22及びダミー電極24の配列パターンと同一パターンの開口25a、25bを有するマスク25を設ける。マスク25の開口25aは配線電極22を形成するための開口であり、開口25bはダミー電極24を形成するための開口である。マスク25には、電極形成時に通常使用されるマスクを用いることができ、例えばメタルマスク等が挙げられる。
配線基板2の表面にこのマスク25を設けた後、その表面から例えばNi、Al、Au等の電極形成用金属を、例えば蒸着法やスパッタリング法等によって適用し、開口25a内と開口25b内のみに選択的に金属被膜を形成する。その後、マスク25を除去することで、配線基板2の表面に、金属被膜の厚みに相当する同一高さ(厚み)の凸状の配線電極22とダミー電極24とを同時に形成することができる。しかも、この工程は、通常の配線電極22の形成工程そのままであるため、単にマスク25に形成する開口の配列パターンをダミー電極24に合わせて若干追加変更するだけで済み、工数の増加もなくダミー電極24を簡単に形成することができる。
マスクを用いてダミー電極24を配線電極22と同一工程で形成するには、この他、通常の電極形成に使用されるマスクを用いることもできる。例えば、配線基板2の表面にドライフィルムを貼着又はレジストを塗布し、それをガラスマスクを用いて露光、現像することにより、ネガ方式又はポジ方式によりパターニングし、蒸着法やスパッタリング法等によって選択的に金属被膜を形成した後、ドライフィルム又はレジストを除去することにより、配線電極22とダミー電極24とを同時に形成する方法でもよい。
また、配線基板2の表面全面に金属被膜を形成した後、ドライフィルムを貼着又はレジストを塗布し、露光、現像してエッチング液に浸漬することによってパターニングし、配線電極22とダミー電極24とを同時に形成する方法でもよい。
更に、予め配線電極22とダミー電極24の形成パターンを有する微小なメッシュ状のスクリーンマスクを用い、導電ペーストをスクリーンマスク上から適用してメッシュ状の穴を通して導電ペーストをスクリーン印刷し、加熱又は焼成して硬化させることによって配線電極22とダミー電極24とを同時に形成する方法でもよい。
このようにして形成されたヘッドチップ1と配線基板2は、両者の接着面にそれぞれ例えば導電性微粒子を含有する異方導電性接着剤を塗布した後、図5に示すように、ヘッドチップ1の各引き出し電極13と配線基板2の各配線電極22とを電気的に接続するように位置合わせして重ね合わせ、所定温度及び所定時間で加熱及び加圧して接着剤を硬化させる。
異方導電性接着剤は、室温における粘度が1〜2万cp程度のものを使用した。常温では流れ出しは起こらないが、硬化時、約100℃に加熱すると、粘度が1/100程度に低下して簡単に流れ出しが起きる。また、常温硬化型の接着剤でも、粘度の低いものを使用すれば同様に流れ出しは起きる。
また、異方導電性接着剤の塗布は、引き出し電極13、配線電極22及びダミー電極15、24の凸状部とその周辺に、ディスペンサーから供給する。接着剤の塗布場所に多少のばらつきがあっても、引き出し電極13、配線電極22及びダミー電極15、24の間にある狭い空隙に毛管力により保持されるので、確実に密封できる。
また、ヘッドチップ1の前面には、ノズル31が形成されたノズルプレート3を接着剤を用いて接着する。これにより液体噴射ヘッドが得られる。
図6は、ヘッドチップ1を接着した配線基板2の部分背面図、図7は、図6中の(vii)−(vii)線に沿う断面図を示している。
ヘッドチップ1と配線基板2とを接着剤を用いて接着すると、引き出し電極13と配線電極22との重なり部分及びダミー電極15とダミー電極24との重なり部分は接着剤によって密着し、更に、横方向が隣接する引き出し電極13と配線電極22との重なり部分によって囲まれると共に上下方向がヘッドチップ1と配線基板2とによって囲まれる空隙4内は、加熱時の粘度低下等によって流動した接着剤100が入り込み、それが毛管力によって保持された状態で硬化することにより密閉され液密状とされるのはもちろんのこと、横方向がダミー電極15とダミー電極24との重なり部分及び引き出し電極13と配線電極22との重なり部分によって囲まれると共に上下方向がヘッドチップ1と配線基板2とによって囲まれる空隙5内にも、加熱時の粘度低下等により流動した接着剤100が入り込み、それが毛管力によって保持された状態で硬化することによって密閉されて液密状とされる。これにより、ヘッドチップ1と配線基板2との間で液体の流路を構成する開口21の周囲は、全て接着剤100によって完全に封止される。
ここで、毛管力とは細管に液体が自発的に引き込まれる現象である。垂直に置いた毛細管に液体が吸い込まれる高さは、h=2σcosθ/ρgrで表される。h=浸透距離(m)、σ=表面張力(mN/m)、θ=接触角、ρ=液の密度(kg/m)、r=毛細管の半径(m)である。毛管力は、接着剤の表面張力と接触角のcosに比例して、液体の密度と毛細管の半径に反比例することが分かる。このように毛管力は、毛細管の半径に反比例するので、液体は広い場所から狭い隙間には自発的に浸入することができるが、狭い場所から広い場所に自発的には移動できない。接着箇所に狭い空隙5を設けておけば、接着剤はここから流れ出すことはない。また、流れ出したとしても、最終的には、この空隙5に吸い込まれる。
この空隙5の幅Dは、内部に入り込んだ接着剤100が僅かに外部に流出したとしても、確実に残余の接着剤100が毛管力によって保持され得る程度とされる。この幅Dは、使用される接着剤の種類や特性、ヘッドチップ1と配線基板2との隙間g等の諸条件に応じて適宜設定される。
本実施形態では、空間5の幅D=70μmにて実施した。また、引き出し電極13及び配線電極22の厚さはそれぞれ1〜6μmで実施した。隙間g=2〜12μmのいずれにおいても、毛管力による接着剤の保持は良好であり、ダミー電極15、24の幅もこれと同様の寸法にて形成し、良好な結果を得た。
ヘッドチップ1及び配線基板2にそれぞれ形成されるダミー電極15、24は、図示したコの字型に形成するものに限らず、マスク16、25の開口16b、25bの形状を変更することによって、引き出し電極13、配線電極22の形成と同時に様々な形態に形成することができる。また、ダミー電極の数も特に限定されない。
図8(a)〜(d)は、ヘッドチップ1に形成されるダミー電極15の他の態様をそれぞれ示している。但し、これらはあくまで例示であり、ダミー電極の態様はこれらに限定されない。なお、配線基板2のダミー電極24は、以下の(a)〜(d)に示されるダミー電極15と鏡対象に形成することができるため図示省略する。
(a)は、ヘッドチップ1の後面の引き出し電極13が形成されない領域に、端部の引き出し電極13との間に僅かな隙間を残して、ヘッドチップ1の縁部までの大きさよりも若干小さい矩形状のダミー電極15を形成した例である。
(b)は、ヘッドチップ1の後面の引き出し電極13が形成されない領域に、端部の引き出し電極13との間に僅かな隙間を残して、ヘッドチップ1の縁部に亘る矩形状のダミー電極15を形成した例である。
(c)は、ヘッドチップ1の後面の引き出し電極13が形成されない領域に、引き出し電極13と同様に、多数のダミー電極15aを配列形成している。また、ヘッドチップ1の最端部は、ヘッドチップ1の後面を横断するようにダミー電極15bを形成している。
(d)は、ヘッドチップ1の後面の引き出し電極13が形成されない領域に、引き出し電極13と同様に、多数のダミー電極15を配列形成している。このダミー電極15は、ヘッドチップ1の端部3辺の各縁部からそれぞれ櫛歯状に延びるように配列されている。
これらのダミー電極15によっても、隣接する引き出し電極13又はダミー電極15との間の隙間5aが、配線基板2と接着された際に上記空隙5を形成し、内部に毛管力によって接着剤を保持することができるため、開口21の周囲を確実に密閉して液密状とすることができる。
図9は、本発明に係る液体噴射ヘッドの別の実施形態を説明する図であり、ヘッドチップ1の背面図を示している。
この実施形態では、ダミー電極を形成することに代えて、ヘッドチップ1の端部に位置する引き出し電極13のパターンを、引き出し電極13が形成されない領域にまで引き延ばし、電極延長部13aを形成したものである。この電極延長部13aは、他の引き出し電極13、他の電極延長部13aとは接触しないように形成される。電極延長部13aは、各チャネル列11A、11Aのそれぞれの端部の引き出し電極13、13に形成してもよい。
この電極延長部13aは、引き延ばされた先端が他の端部に位置する引き出し電極13に近接するように形成され、その間の隙間5aが、配線基板2と接着された際に上記空隙5を形成し、内部に毛管力によって接着剤を保持することができるため、開口21の周囲を確実に密閉して液密状とすることができる。
このヘッドチップ1に接着される配線基板2にも、図示しないが、この電極延長部13aを有する引き出し電極13と対応する配線電極22に、同様の形状に引き延ばした電極延長部を形成すればよい。
このようなヘッドチップ1に形成される電極延長部13a及び配線基板2に形成される電極延長部も、図2、図4に示したと同様に、マスクのパターンを若干変更するだけで、引き出し電極13、配線電極22の形成と同一工程で簡単に形成することができる。
このヘッドチップ1に形成される電極延長部13a及び配線基板2に形成される電極延長部の形状も図示するものに限定されず、使用される接着剤の種類や特性等に応じて、ヘッドチップ1と配線基板2との間で接着剤を毛管力によって保持し得るような様々な形状とすることができる。
また、上記の電極延長部を引き出し電極13及び配線電極22にそれぞれ形成することに加えて、更にそれらヘッドチップ1及び配線基板2の残余のスペースに、上記ダミー電極15、24を形成するようにしてもよい。
なお、以上の説明では、ヘッドチップ1に形成されるダミー電極15、電極延長部13aと配線基板2に形成されるダミー電極24、電極延長部とをそれぞれ鏡対象となるように形成し、接着時にはそれらダミー電極同士、電極延長部同士を合致させて接着するようにする最も好ましい態様を例示した。この態様によれば、ヘッドチップ1のほぼ全幅に亘って引き出し電極13と配線電極22、ダミー電極同士、電極延長部同士がそれぞれ接触することになるので、ヘッドチップ1と配線基板2との接着時に掛けられる加圧力を、電極が形成されていない領域においても電極形成領域14、23と同様に受けることができる。従って、ヘッドチップ1のほぼ全幅に亘って加圧力を均等に受けることができ、確実な接着を行うことができる。
しかし、本発明は必ずしもこれに限定されず、ダミー電極同士や電極延長部同士は鏡対象となる形状でなくてもよい。例えば、図1に示される形状のダミー電極15を有するヘッドチップ1と、図8(c)に示されるパターンと同様のパターンを有するダミー電極24を有する配線基板2とを接着するというように、図1及び図8にそれぞれ示された各ダミー電極15や図9に示した引き出し電極13の電極延長部13aのパターンを有するヘッドチップ1に、そのダミー電極15や電極延長部13aと異なる形状のダミー電極24や電極延長部が形成された配線基板2を組み合わせ、両者を接着することにより液体噴射ヘッドを得るようにしてもよい。
この場合、ヘッドチップ1のダミー電極15や電極延長部13aと配線基板2のダミー電極24や電極延長部とは、完全には一致せず、両者の少なくとも一部同士が重なり合うように接着される。しかし、引き出し電極13や配線電極22が形成されていない領域のヘッドチップ1と配線基板2との間には、ダミー電極15、24又は両電極延長部のうちの少なくともいずれかが存在することにより、ヘッドチップ1と配線基板2との間で接着剤を毛管力によって保持することが可能である。しかも、ヘッドチップ1のほぼ全幅に亘って加圧力を均等に受けることにより確実な接着を行う効果も期待できる。
また、ヘッドチップ1のダミー電極15と配線基板2のダミー電極24は、接着剤をヘッドチップ1と配線基板2との間に毛管力によって保持できれば、図10に示すように、両者の接着時に重なり合わないように形成することもできる。ここでは、ダミー電極15と24とが交互に配置されるようにしているが、特に限定されない。この態様は、引き出し電極13と配線電極22に電極延長部を設けた場合でも同様である。
更に、使用される接着剤の種類や特性、ヘッドチップ1と配線基板2との隙間等の諸条件によって、ヘッドチップ1と配線基板2の両方にダミー電極15、24や電極延長部が形成されていなくても接着剤を毛管力によって保持できる場合には、以上説明したような形状のダミー電極15、24、電極延長部を、ヘッドチップ1又は配線基板2のいずれか一方のみに形成するようにしてもよい。
以上の説明では、ヘッドチップ1は2列のチャネル列11A、11Aを有するものとしたが、1列のみでもよく、また、3列以上であってもよい。
また、本発明は、ヘッドチップ1と配線基板2とを接着する場合に限らず、多数配列された電圧印加用電極を表面に有し、内部に液体が供給される第1の部材と、第1の部材の電圧印加用電極と対応するように多数配列された電圧印加用電極を表面に有し、第1の部材に供給される液体の流路を有する第2の部材とを、第1の部材の各電圧印加用電極と第2の部材の各電圧印加用電極とが電気的に接続するように接着剤を用いて接着することによって、第1の部材と第2の部材との間の液体の流路の周囲を液密状にするものであれば、液体噴射ヘッドにおける他の2部材同士の接着にも同様に適用可能である。
本発明に係る液体噴射ヘッドのヘッドチップ(第1の部材)の背面図 ヘッドチップの引き出し電極及びダミー電極の形成方法を示すヘッドチップの背面図 ヘッドチップの後面に貼着される配線基板(第2の部材)の正面図 配線基板の配線電極及びダミー電極の形成方法を示す配線基板の正面図 液体噴射ヘッドの製造工程を示す斜視図 ヘッドチップを接着した配線基板の部分背面図 図6中の(vii)−(vii)線に沿う断面図 (a)〜(d)はヘッドチップに形成されるダミー電極の他の態様を示す部分背面図 本発明に係る液体噴射ヘッドの別の実施形態を説明する図 ヘッドチップと配線基板との接着部分を拡大して示す図 液体噴射ヘッドを示す斜視図 従来の問題点を説明するためのヘッドチップが接着された配線基板の背面図 ヘッドチップと配線基板との電極形成領域の接着部分を拡大して示す図
符号の説明
1:ヘッドチップ(第1の部材)
11:チャネル
11A:チャネル列
12:駆動壁
13:引き出し電極
13a:電極延長部
14:電極形成領域
15、15a、15b:ダミー電極
16:マスク
16a:引き出し電極形成用の開口
16b:ダミー電極形成用の開口
2:配線基板(第2の部材)
21:開口
22:配線電極
23:電極形成領域
24:ダミー電極
25:マスク
25a:配線電極形成用の開口
25b:ダミー電極形成用の開口
3:ノズルプレート
31:ノズル
4:空隙
5:空隙
100:接着剤
100a:非接着部
200:電極形成領域

Claims (13)

  1. 多数配列された電圧印加用電極を表面に有し、内部に液体が供給される第1の部材と、前記第1の部材の前記電圧印加用電極と対応するように多数配列された電圧印加用電極を表面に有し、前記第1の部材に供給される液体の流路を有する第2の部材とを、前記第1の部材の各電圧印加用電極と前記第2の部材の各電圧印加用電極とが電気的に接続するように接着剤を用いて接着することによって、前記第1の部材と前記第2の部材との間の前記液体の流路の周囲を液密状にするようにした液体噴射ヘッドの製造方法であって、
    前記第1の部材と前記第2の部材の少なくともいずれかの部材の接着面で、前記電圧印加用電極が形成されていない領域に、前記第1の部材と前記第2の部材との間で接着剤を毛管力により保持するためのダミー電極を形成した後、前記第1の部材と前記第2の部材とを接着剤を用いて接着することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  2. 前記ダミー電極を、前記第1の部材と前記第2の部材とにそれぞれ形成し、且つ、接着時に前記第1の部材のダミー電極と前記第2の部材のダミー電極との少なくとも一部が互いに重なり合うように形成することを特徴とする請求項1又は2記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  3. 前記電圧印加用電極と前記ダミー電極とを、マスクを用いて金属被膜を選択的に形成することによって、同時に形成することを特徴とする請求項1又は2記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  4. 多数配列された電圧印加用電極を表面に有し、内部に液体が供給される第1の部材と、前記第1の部材の前記電圧印加用電極と対応するように多数配列された電圧印加用電極を表面に有し、前記第1の部材に供給される液体の流路を有する第2の部材とを、前記第1の部材の各電圧印加用電極と前記第2の部材の各電圧印加用電極とが電気的に接続するように接着剤を用いて接着することによって、前記第1の部材と前記第2の部材との間を密閉し、前記液体の流路の周囲を液密状にするようにした液体噴射ヘッドの製造方法であって、
    前記第1の部材と前記第2の部材の少なくともいずれかの部材の前記電圧印加用電極のうちの端部の電圧印加用電極に、前記第1の部材と前記第2の部材との間で接着剤を毛管力により保持するように、前記液体の流路の周囲のうちの前記電圧印加用電極が形成されていない領域まで引き延ばされた電極延長部を形成した後、前記第1の部材と前記第2の部材とを接着剤を用いて接着することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  5. 前記電極延長部を、前記第1の部材と前記第2の部材の両方に形成し、且つ、接着時に前記第1の部材の前記電極延長部と前記第2の部材の前記電極延長部との少なくとも一部が互いに重なり合うように形成した後、前記第1の部材と前記第2の部材とを接着剤を用いて接着することを特徴とする請求項4記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  6. 前記電極延長部を、マスクを用いて金属被膜を選択的に形成することによって、前記電圧印加用電極と同時に形成することを特徴とする請求項4又は5記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  7. 前記電極延長部を、前記第1の部材と前記第2の部材のうちの一方の部材に形成すると共に、他方の部材の接着面で、前記電圧印加用電極が形成されていない領域に、前記第1の部材と前記第2の部材との間で接着剤を毛管力により保持するためのダミー電極を形成し、且つ、接着時に前記第1の部材の前記電極延長部又は前記ダミー電極と前記第2の部材の前記ダミー電極又は前記電極延長部との少なくとも一部が互いに重なり合うように形成した後、前記第1の部材と前記第2の部材とを接着剤を用いて接着することを特徴とする請求項4記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  8. 前記電極延長部及び前記ダミー電極を、マスクを用いて金属被膜を選択的に形成することによって、前記電圧印加用電極と同時に形成することを特徴とする請求項7記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  9. 多数配列された電圧印加用電極を表面に有し、内部に液体が供給される第1の部材と、前記第1の部材の前記電圧印加用電極と対応するように多数配列された電圧印加用電極を表面に有し、前記第1の部材に供給される液体の流路を有する第2の部材とを、前記第1の部材の各電圧印加用電極と前記第2の部材の各電圧印加用電極とが電気的に接続するように接着剤を用いて接着することによって、前記第1の部材と前記第2の部材との間が密閉され、前記液体の流路の周囲が液密状とされた液体噴射ヘッドであって、
    前記第1の部材と前記第2の部材の少なくともいずれかの部材の接着面で、前記液体の流路の周囲のうちの前記電圧印加用電極が形成されていない領域に、前記第1の部材と前記第2の部材との間で接着剤を毛管力により保持するためのダミー電極が形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  10. 前記ダミー電極は、前記第1の部材と前記第2の部材とにそれぞれ形成され、且つ、前記第1の部材のダミー電極と前記第2の部材のダミー電極との少なくとも一部が互いに重なり合っていることを特徴とする請求項9記載の液体噴射ヘッド。
  11. 多数配列された電圧印加用電極を表面に有し、内部に液体が供給される第1の部材と、前記第1の部材の前記電圧印加用電極と対応するように多数配列された電圧印加用電極を表面に有し、前記第1の部材に供給される液体の流路を有する第2の部材とを、前記第1の部材の各電圧印加用電極と前記第2の部材の各電圧印加用電極とが電気的に接続するように接着剤を用いて接着することによって、前記第1の部材と前記第2の部材との間が密閉され、前記液体の流路の周囲が液密状とされた液体噴射ヘッドであって、
    前記第1の部材と前記第2の部材の少なくともいずれかの部材の前記電圧印加用電極のうちの端部の電圧印加用電極に、前記第1の部材と前記第2の部材との間で接着剤を毛管力により保持するように、前記液体の流路の周囲のうちの前記電圧印加用電極が形成されていない領域まで引き延ばされた電極延長部が形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  12. 前記電極延長部は前記第1の部材と前記第2の部材の両方に形成され、且つ、前記第1の部材の前記電極延長部と前記第2の部材の前記電極延長部との少なくとも一部が互いに重なり合っていることを特徴とする請求項11記載の液体噴射ヘッド。
  13. 前記電極延長部は、前記第1の部材と前記第2の部材のうちの一方の部材に形成されると共に、他方の部材の接着面で、前記電圧印加用電極が形成されていない領域に、前記第1の部材と前記第2の部材との間で接着剤を毛管力により保持するためのダミー電極が形成され、且つ、前記第1の部材の前記電極延長部又は前記ダミー電極と前記第2の部材の前記ダミー電極又は前記電極延長部との少なくとも一部が互いに重なり合っていることを特徴とする請求項11記載の液体噴射ヘッド。
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