JP2002052723A - 液滴吐出ヘッド - Google Patents

液滴吐出ヘッド

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JP2002052723A
JP2002052723A JP2000243512A JP2000243512A JP2002052723A JP 2002052723 A JP2002052723 A JP 2002052723A JP 2000243512 A JP2000243512 A JP 2000243512A JP 2000243512 A JP2000243512 A JP 2000243512A JP 2002052723 A JP2002052723 A JP 2002052723A
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flow path
thickness
substrate
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Shinichi Tsunoda
慎一 角田
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2002/14411Groove in the nozzle plate

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細構造形成部位への接着剤のはみ出しがあ
り、接合信頼性が低い。 【解決手段】 流路基板1とノズル板3とを接着層75
を介して接合し、ノズル板3の接合面側には偏肉があ
り、流体抵抗部7の形成部位ほど薄膜にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液滴吐出ヘッドに関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、プリンタ、ファクシミリ、複写
装置、プロッタ等の画像記録装置(画像形成装置)とし
て用いるインクジェット記録装置において使用する液滴
吐出ヘッドの1つであるインクジェットヘッドは、イン
ク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する液室
(加圧室、吐出室、圧力室、加圧液室等とも称され
る。)と、この液室内のインクを加圧するエネルギーを
発生するエネルギー発生手段とを備えて、エネルギー発
生手段を駆動することで液室内インクを加圧してノズル
から液滴であるインク滴を吐出させるものである。
【0003】従来、インクジェットヘッドとしては、圧
電素子を用いて液室の壁面を形成する振動板を変形させ
てインク滴を吐出させるようにしたもの(特開平2−5
1734号公報参照)、或いは、発熱抵抗体を用いて液
室内でインクを加熱して気泡を発生させることによる圧
力でインク滴を吐出させるようにしたもの(特開昭61
−59911号公報参照)、液室の壁面を形成する振動
板と電極とを平行に配置し、振動板と電極との間に発生
させる静電力によって振動板を変形させることでインク
滴を吐出させるようにしたもの(特開平6−71882
号公報等参照)などが知られている。
【0004】ところで、インクジェットヘッドは、液
室、この液室にインクを供給する流体抵抗部、流体抵抗
部を介して液室に供給するための共通インク液室、イン
ク滴を吐出するためのノズル孔或いはノズル溝などの各
種流路を形成する必要があり、例えば、特開平9−16
2314号公報に記載されているように、液室などの流
路を形成するための流路基板(液室基板)とノズル及び
インク流路である流体抵抗部を有するノズル板などの薄
層部材を接合してヘッドが形成される。
【0005】従来、インクジェットヘッドを構成する薄
層部材の接合には湿式の接着剤、フィルム接着剤などの
接着剤接合が一般的であるが、この他、シリコン基板を
薄層部材に用いた場合には直接接合や金属材料を介した
共晶接合、あるいは金属材料を薄層部材に用いた場合に
は陽極接合なども行われている。
【0006】これらの接合方法のうち、フィルム接着剤
を使用する場合には、接着剤を微細パターンに加工する
手段が重要になる。パターンの微細化に伴い、数十μm
単位での加工が必要となっており、これらの加工を行う
にはフォトリソ工程が必須となっている。例えば、特開
平5−162314号公報等には光硬化性樹脂を用いて
パターン形成し、接合する手法が記載されている。
【0007】しかしながら、光硬化性樹脂は主にアクリ
ル樹脂を主骨格に形成されており、インクに対する耐性
に乏しいという欠点がある。これを改善するため、エポ
キシ基等を導入すると、解像度が劣化して微細パターン
に加工することができなくなり、解像度と耐インク性の
両方が並び立たないという問題がある。
【0008】また、陽極接合を行う場合には、ヘッドに
数百℃の高温をかけねばならず、ヘッド部品の反りや線
膨張係数の差による剥離が発生するため、使用できるヘ
ッド部材が限定されるという問題がある。
【0009】そのため、湿式の接着剤が一般的に用いら
れることが多いが、湿式接着剤による接合の一番の課題
は、部品精度を保ち、信頼性の高い接合を実現するとい
うことである。すなわち、インクジェットヘッド部品は
高画質化、高速記録化に対応するために集積度が高くな
っており、微細な流路が形成されている。このような微
細流路を有する薄層部材の接着剤接合を行った場合に、
接着剤のはみ出しによる流路の閉塞或いは接着剤の形状
バラツキが生じると、ヘッドの噴射特性にバラツキが生
じて画像品質が低下することになる。
【0010】そこで、これらの対策としては、ギャップ
剤を混入してつぶれ量を抑えるという方法が用いられて
いたが、通常の接合にギャップ剤を用いた場合、ギャッ
プ剤径の1.5倍程度の塗布膜厚が必要であるとされて
いることから、塗布量の1/3ははみ出すことになり、
はみ出しの低減化には限界がある。
【0011】また、接着剤のはみ出しを低減するために
接着剤層の厚みそのものを薄くする方法がある。また、
特開平5−330067号公報に開示されているよう
に、流路板の溝以外の部分に接着剤の逃げ溝を形成し
て、はみ出した接着剤を逃げ溝に逃がすようにした接合
方法、或いは、特開平10−291323号公報に開示
されているように、二つの基板(薄層部材)間に均一な
隙間を形成し、この隙間に表面張力を利用して低い粘度
の接着剤を充填して接合する方法などが提案されてい
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、接着剤層を
薄くした薄膜接合を行うには、接合面の精度の向上が要
求され、Si同士といった極めて平面性の高いもの同士
の接合にしか適用できないという点が問題となる。これ
までの一般的な薄膜接合は5〜10μm程度であり、こ
の接合層(接着層)が数μm程度の薄層部材の厚みばら
つきを吸収し、接合が可能となっていた。しかしなが
ら、これが仮に1μm厚みでの接合を行うとなると、当
然、それ以下の部品の平面性が要求されることになる。
そのため、これまでは平面性の悪い部材と薄膜接合は両
立できないという課題があった。
【0013】また、前記のように接着剤の逃げ溝を形成
する方法も、逃げ溝を確保できるスペースがある場合に
は有効であるが、前述したようにインクジェットヘッド
は集積度が高くなっているため、十分な逃げ溝を同一平
面上に形成することが難しくなっているという課題があ
る。
【0014】さらに、前記のように最初に2つの薄層部
材間の接合ギャップを決めておき、その接合ギャップに
表面張力により接着剤を流し込む充填接着法は、2つの
薄層部材の凹部や孔部などがなく同一平面である場合に
は有効であるが、インクジェットヘッド部品のように接
合面に微細な流路パターンが形成されていたり、厚みば
らつきによるギャップ幅の分布があったりすると、接合
面全体に接着剤を表面張力で充填することは困難であ
り、部分的に未着領域が発生し易く、接合信頼性が低く
なるという課題がある。
【0015】このように部分的に未着領域があるインク
ジェットヘッドではインク滴吐出特性にバラツキが生じ
たり、吐出不能になるなどの課題が生じ、このようなイ
ンクジェットヘッドを搭載したインクジェット記録装置
における画像品質の低下を招くという課題も生じる。
【0016】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、接着剤のはみ出し量を低減し、接合信頼性も高
い液滴吐出ヘッドを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、接合する2つの薄
層部材の少なくとも一方の薄層部材の接合面側は偏肉が
あり、インク流路の微細構造形成部位が最大厚みより薄
くなっている構成としたものである。
【0018】ここで、微細構造形成部位が流体抵抗部を
形成する部位であることが好ましい。また、薄層部材の
偏肉量が10μmを超えないことが好ましい。さらに、
2つの薄層部材のうちの偏肉がある薄層部材をノズル板
とすることができる。この場合、ノズル板はニッケル電
鋳工法で形成することができる。また、ニッケル電鋳工
法で形成したノズル板の厚肉部に肉抜きの凹部が形成さ
れていることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1は本発明に係る液滴吐出
ヘッドの分解斜視説明図、図2は同ヘッドのノズル配列
方向と直交する方向の断面説明図、図3は図2の要部拡
大図、図4は同ヘッドのノズル配列方向の要部拡大断面
図、図5は同ヘッドの透過状態で示す要部平面説明図で
ある。
【0020】このインクジェットヘッドは、単結晶シリ
コン基板、多結晶シリコン基板、SOI基板などのシリ
コン基板等を用いた第1薄層部材である流路基板1と、
この流路基板1の下側に設けたシリコン基板、パイレッ
クス(登録商標)ガラス基板或いはセラミックス基板等
を用いた電極基板2と、流路基板1の上側に設けた第2
薄層部材であるノズル板3とを備え、複数のインク滴を
吐出するノズル4、各ノズル4が連通するインク流路で
ある加圧室6、各加圧室6にインク供給路を兼ねた流体
抵抗部7を介して連通する共通液室流路8などを形成し
ている。
【0021】流路基板1には加圧室6及びこの加圧室6
の一壁面である底部をなす振動板10(第1の電極とな
る。)を形成する凹部を形成し、ノズル板3には流体抵
抗部7を形成する溝を形成し、また流路基板1と電極基
板2には共通液室流路8を形成する貫通部を形成してい
る。
【0022】ここで、流路基板1は、例えば単結晶シリ
コン基板を用いた場合、予め振動板厚さにボロンを注入
してエッチングストップ層となる高濃度ボロン層を形成
し、電極基板2と接合した後、加圧室6となる凹部をK
OH水溶液などのエッチング液を用いて異方性エッチン
グすることにより、このとき高濃度ボロン層がエッチン
グストップ層となって振動板10が高精度に形成され
る。また、多結晶シリコン基板で振動板10を形成する
場合は、液室基板上に振動板となる多結晶シリコン薄膜
を形成する。または、Mo、Ni、Ni−Cr合金など
の金属材料、ポリシリコン膜、アモルファスシリコン膜
などを用いることもできる。
【0023】また、電極基板2には酸化膜層2aを形成
し、この酸化膜層2aの部分に凹部14を形成して、こ
の凹部14底面に振動板10に対向する電極15(第2
の電極となる。)を設け、振動板10と電極15との間
にギャップ16を形成し、これらの振動板10と電極1
5とによってアクチュエータ部を構成している。なお、
電極15表面にはSiO2膜などの酸化膜系絶縁膜、Si3
4膜などの窒化膜系絶縁膜からなる電極保護膜17を
成膜しているが、電極15に電極保護膜17を形成しな
いで、振動板10側に絶縁膜を形成することもできる。
【0024】この電極基板2として単結晶シリコン基板
を用いる場合には通常のシリコンウエハーを用いること
ができる。その厚さはシリコンウエハーの直径で異なる
が、直径4インチのシリコンウエハーであれば厚さが5
00μm程度、直径6インチのシリコンウエハーであれ
ば厚さは600μm程度であることが多い。シリコンウ
エハー以外の材料を選択する場合には、流路基板のシリ
コンと熱膨張係数の差が小さい方が振動板と接合する場
合に信頼性を向上できる。
【0025】これらの流路基板1と電極基板2との接合
は、接着剤による接合も可能であるが、より信頼性の高
い物理的な接合、例えば電極基板2がシリコンで形成さ
れる場合、酸化膜を介した直接接合法を用いることがで
きる。この直接接合は1000℃程度の高温化で実施す
る。また、電極基板2がガラスの場合、陽極接合を行う
ことができる。電極基板2をシリコンで形成して、陽極
接合を行う場合には、電極基板2と流路基板1との間に
パイレックスガラスを成膜し、この膜を介して陽極接合
を行うこともできる。さらに、流路基板1と電極基板2
にシリコン基板を使用して金等のバインダーを接合面に
介在させた共晶接合で接合することもできる。
【0026】また、電極基板2の電極15としては、通
常半導体素子の形成プロセスで一般的に用いられるA
l、Cr、Ni等の金属材料や、Ti、TiN、W等の
高融点金属、または不純物により低抵抗化した多結晶シ
リコン材料などを用いることができる。電極基板2をシ
リコンウエハで形成する場合には、電極基板2と電極1
5との間には絶縁層(上述した酸化膜層2a)を形成す
る必要がある。電極基板2にガラス基板、セラミック基
板等の絶縁性材料を用いる場合には電極15との間に絶
縁層を形成する必要はない。
【0027】また、電極基板2にシリコン基板を用いる
場合、電極15としては、不純物拡散領域を用いること
ができる。この場合、拡散に用いる不純物は基板シリコ
ンの導電型と反対の導電型を示す不純物を用い、拡散領
域周辺にpn接合を形成し、電極15と電極基板2とを
電気的に絶縁する。
【0028】ノズル板3には、多数のノズル4を形成す
るとともに、共通液室流路8と加圧室6を連通するため
の流体抵抗部7を形成する溝部を形成している。ここで
は、このノズル板3はNi電鋳工法で製作しているが、
この他、例えば、SUS、或いは樹脂と金属層の複層構
造のものなども用いることができる。このノズル板3は
流路基板1に接着剤にて接合している。
【0029】なお、ノズル板3と流路基板1との液室位
置合わせを行うために、仮接合用の紫外線硬化型接着剤
か瞬間接着剤を流路基板1の角に塗布して仮接合を行っ
た後、本接合用の接着剤を加熱硬化する。この本接合用
の接着剤としては、加熱接合する際にシリコン基板を用
いた流路基板とNiやSUS等を用いたノズル板とでは
線膨張係数の差によって反りが発生して、内部応力でア
クチュエータ部が破壊される恐れがあるので、接着剤の
硬化温度は低いほうが良く、常温〜100℃が好まし
い。また、二液混合型(常温硬化型)のエポキシ系接着
剤も使用に適している。
【0030】このインクジェットヘッドではノズル4を
二列配置し、この各ノズル4に対応して加圧室6、振動
板10、電極15なども二列配置し、各ノズル列の中央
部に共通液室流路8を配置して、左右の加圧室6にイン
クを供給する構成を採用している。これにより、簡単な
ヘッド構成で多数のノズルを有するマルチノズルヘッド
を構成することができる。
【0031】そして、インクジェットヘッドの電極15
は外部に延設して接続部(電極パッド部)15aとし、
これにヘッド駆動回路であるドライバIC20をワイヤ
ボンドによって搭載したFPCケーブル21を異方性導
電膜などを介して接続している。このとき、電極基板2
とノズル板3との間(ギャップ16入口)は図4に示す
ようにエポキシ樹脂等の接着剤を用いたギャップ封止剤
22にて気密封止し、ギャップ26内に湿気が侵入して
振動板10が変位しなくなるのを防止している。
【0032】さらに、インクジェットヘッド全体をフレ
ーム部材25上に接着剤で接合している。このフレーム
部材25にはインクジェットヘッドの共通液室流路8に
外部からインクを供給するためのインク供給穴26を形
成しており、またFPCケーブル21等はフレーム部材
25に形成した穴部27に収納される。
【0033】このフレーム部材25とノズル板3との間
は図4に示すようにエポキシ樹脂等の接着剤を用いたギ
ャップ封止剤28にて封止し、撥水性を有するノズル板
3表面のインクが電極基板2やFPCケーブル21等に
回り込むことを防止している。
【0034】そして、このヘッドのフレーム部材25に
はインクカートリッジとのジョイント部材30が連結さ
れて、フレーム部材25に熱融着したフィルタ31を介
してインクカートリッジからインク供給穴26を通じて
共通液室流路8にインクが供給される。
【0035】このインクジェットヘッドにおいては、振
動板10を共通電極とし、電極15を個別電極として、
振動板10と電極15との間に駆動電圧を印加すること
によって、振動板10と電極15との間に発生する静電
力によって振動板10が電極15側に変形変位し、この
状態から振動板10と電極15間の電荷を放電させるこ
とによって振動板10が復帰変形して、加圧室6の内容
積(体積)/圧力が変化することによって、ノズル4か
らインク滴が吐出される。
【0036】すなわち、個別電極とする電極15にパル
ス電圧を印加すると、共通電極となる振動板10との間
に電位差が生じて、個別電極15と振動板10の間に静
電力が生じる。この結果、振動板10は印加した電圧の
大きさに応じて変位する。その後、印加したパルス電圧
を立ち下げることで、振動板10の変位が復元して、そ
の復元力により加圧室6内の圧力が高くなり、ノズル4
からインク滴が吐出される。この場合、振動板10を電
極15(実際には絶縁保護膜17表面)に当接するまで
変位させる方式を当接駆動方式で駆動している。
【0037】そこで、このインクジェットヘッドの内の
薄層接合部材を構成する流路基板1とノズル板3の接合
の詳細について図6以降をも参照して説明する。なお、
以下の説明では、流体抵抗部7はノズル板3の溝部と流
路基板1とで画成されるものであるが、便宜上、ノズル
板3の溝部を流体抵抗部7と称する。
【0038】先ず、ノズル板3を電鋳で製作する場合の
製造工程の一例について図6を参照して説明する。ま
ず、同図(a)に示すように、ガラス基板面に導電膜を
形成した、或いは導体基板等からなる電鋳支持基板51
上に、1層目のドライフィルムレジスト(或いは厚膜レ
ジスト)52を成膜した後、パターン露光を行って同図
(b)に示すように流体抵抗部7に対応する部分に露光
部53を形成する。
【0039】次いで、同図(c)に示すように、2層目
のドライフィルムレジスト(或いは厚膜レジスト)54
を成膜した後、パターン露光を行って同図(d)に示す
ように1層目及び2層目のドライフィルムレジスト5
2,54を通じてノズル4に対応する部分に露光部55
を形成する。その後、同図(e)に示すように現像を行
って未露光部分を除去して露光部53,55を残す。
【0040】そして、Ni電鋳を行って、同図(f)に
示すように電鋳支持基板51上に電鋳めっき膜56を成
膜した後、電鋳めっき56を電鋳支持基板51から剥離
し、露光部53、55を除去することによって、同図
(g)に示すようにノズル4及び流体抵抗部7を有する
ノズル板3を得る。
【0041】次に、ノズル板3を電鋳で製作する場合の
製造工程の他の例について図6を参照して説明する。ま
ず、同図(a)に示すように、ガラス基板面に導電膜を
形成した、或いは導体基板等からなる電鋳支持基板61
上に、ノズル4に対応する位置にレジストパターン62
を成膜した後、同図(b)に示すように、Ni電鋳を行
って電鋳めっき膜63を成膜する。
【0042】次いで、同図(c)に示すように、電鋳め
っき膜63上にノズル4に対応する位置及び流体抵抗部
7に対応する位置にドライフィルムレジスト(或いは厚
膜レジスト)のレジストパターン64、65を形成した
後、再度Ni電鋳を行って電鋳めっき膜63上にめっき
膜を重ねて、同図(d)に示すようにノズル板3の厚み
を有する電鋳めっき膜66を形成する。
【0043】そして、同図(e)に示すように電鋳支持
基板61から剥離した後、レジストパターン62、6
4、65を剥離して、同図(f)に示すように、ノズル
4及び流体抵抗部7を有するノズル板3を得る。
【0044】次に、流路基板1とノズル板3との接着剤
接合について説明する。前述したように、流路基板1と
ノズル板3の接合面には流体抵抗部7が形成されてお
り、接着剤のはみ出しは、即、流体抵抗部7の閉塞や流
体抵抗値の変化につながり、液滴吐出特性にバラツキが
生じ、或いは吐出不能になる。
【0045】ところで、シリコン基板を用いた流路基板
1のノズル板3との接合面は半導体プロセスにて平面度
良く形成することができるが、ノズル板3をニッケル電
鋳工法で形成すると、電鋳時の電流密度の分布によりど
うしても偏肉が発生する。具体的な実測値では50μm
のノズル板3の厚みに対して約3μm程度の偏肉が確認
された。
【0046】このノズル板3に生じる偏肉は、上述した
ように電鋳時の電流密度分布に支配されているため、図
6或いは図7で説明した製造工法においては、ノズル板
3の電鋳時の遮蔽(レジスト)面積の割合が大きい部位
ほど、その遮蔽部近傍での膜厚が厚くなる。そのため、
上記インクジェットヘッドの構成では、最もはみ出しに
対して精度の要求される流体抵抗部7が最も厚くなって
おり、はみ出しを最も嫌う部位が最もはみ出しやすいと
いう、接合に対して極めて厳しい構成となっている。
【0047】このような構成でも、ノズル板3に生じる
偏肉を利用した薄膜充填接合を行うことによって、噴射
特性のバラツキの少ない液滴吐出ヘッドを製作すること
ができる。この薄膜充填接合法について、図8を参照し
て説明する。なお、同図はノズル板3と流路基板1とを
液室の部位を省略して模式的に説明する模式的説明図で
ある。
【0048】先ず、同図(a)に示すように、流路基板
1の上面に接着剤71を塗布する。この塗布方法には、
スピンコート法、スプレー法、転写法などの種々の方法
を適用できるが、これらの塗布方法のうちで転写法は、
流路基板1のように接合面に微細パターンの凹凸があ
り、実際の接合面となる凸部上面のみに接着剤71の薄
層を形成するという点で最も優れている。
【0049】この転写法について図9を参照して説明す
ると、回転する展色ロール81上に接着剤71を滴下し
てドクタブレード82を用いて薄層にのばし、この展色
ロール81上の薄層化した接着剤を、回転する塗布ロー
ル83上に設けた表面に微細な凹凸を持つ樹脂凸版84
に転写する。このとき、樹脂凸版84上の凹凸に接着剤
71が保持される。
【0050】そこで、ステージ85上に被塗布部材であ
る流路基板1を載置して矢示方向に移動させ、塗布ロー
ル83上の樹脂凸版84を回転させて、樹脂凸版84上
の凹凸に保持している接着剤71を流路基板1上に再転
写することにより、流路基板1の接合面に約1μm程度
の接着剤71の薄層を形成するものである。
【0051】この場合、接着剤71は粘度が低すぎる
と、流路基板1の加圧室6を形成する凹部に流れ込み加
圧室6を閉塞してしまうので、接着剤71は100cp
s程度以上の粘度とすることが好ましい。
【0052】図8(a)に戻って、流路基板1の凸部
(接合面)に塗布する接着剤71の厚さ(塗布厚さ)b
は、ノズル板3の偏肉量a以下(a≧b)とする。偏肉
量a以上の塗布厚さbとすれば、接合は完全に行われる
が、ノズル板3の厚肉部(流体抵抗部7)近傍はほとん
どの接着剤がはみ出しすことになり、流体抵抗部7を閉
塞し、噴射特性のバラツキ、あるいは非噴射の原因とな
る。接着剤71の塗布厚さbは、偏肉の分布等によって
も異なるが、偏肉量aの1/5〜1/2程度とすること
が好ましい。
【0053】次いで、同図(b)に示すように、接着剤
71を塗布した流路基板1にノズル板3を押し当てる
と、当然、ノズル板3の偏肉によってノズル板3と流路
基板1とのギャップ部分に未接合領域が生じる。
【0054】このときの接着剤71の粘度を低く抑える
ことにより、同図(c)に示すように、接着剤71は毛
細管現象によって、流路基板1とノズル板3との間に形
成される空隙(ギャップ)74に移動して充填され、同
図(d)に示すように流路基板1とノズル板3とは接着
剤71にて接合面全面が接合される。こうしてノズル板
3の偏肉量より薄い接着剤塗布膜厚での接着が行われ
る。したがって、このときの接合面における接着層75
の厚みはノズル板3の偏肉に沿って変化している。
【0055】ここで、接着剤71の粘度は材料との濡れ
性にも影響されるが、5000cps以下が好ましい。
5000cpsを越えると、毛細管現象による接着剤の
充填性が悪くなり、空隙を充分に埋めることができず、
接合を保つことが困難になる。この際の粘度の値は接合
時の粘度であり、接合時に加熱工程を加える場合には、
その昇温工程での粘度変化も考慮する必要がある。
【0056】この場合、流路基板1とノズル板3との接
合は、ノズル板3を押し当てることによる単純な加圧に
よって押し出された接着剤71によって接合されている
のではない。このことは、同図(e)のA部に示される
ように非接合面の接着層75の厚み(接着剤塗布非接合
部の厚み)cが接着剤71の初期塗布膜厚bよりも薄く
なっていることで確認される。
【0057】具体的には、1μm厚みで塗布した接着剤
101が非接合部では0.2μm程度の厚みになってい
ることを確認した。このことは、毛細管現象によって接
着剤71が移動したことを示している。
【0058】このように、接着剤の初期塗布厚を薄くで
きることと、流体抵抗部にはみ出すはずの接着剤が毛細
管現象により2つの薄層部材の空隙部に移動することに
よって、凹部などにはみ出す接着剤量が著しく低減する
とともに、しかも接合面全面に接着剤を行き渡らせて接
合することができ、接合信頼性も向上する。
【0059】なお、接着剤の塗布厚さbは、はみ出し低
減のためには必要最小限であることが好ましく、接合し
た状態での接着層が最薄層部で2μm以下、平均膜厚で
も3μmを越えないことが好ましい。図10(a)はノ
ズル板43の偏肉量を越える塗布膜厚で接着剤71を塗
布した場合の例を示しており、この場合には、接合は完
全に行われるが、同図(b)に示すように、接着剤塗布
非接合部である流体抵抗部7付近はほとんどの接着剤7
1がはみ出して、その部分の厚みは偏肉量aよりも大き
くなり、流体抵抗部7を閉塞し、噴射特性のバラツキが
生じたり、噴射不能になることを確認している。
【0060】次に本発明の接合の特徴について説明す
る。上述した薄膜塗布充填接合工法により、流体抵抗部
へのはみ出し量は通常の薄膜接合に比べ、著しく改善さ
れ、液体リークも発生しない液室接合を実現することが
可能となったが、前述したように電鋳工法で作成したノ
ズル板を用いると、どうしても流体抵抗部7の部位が厚
肉に形成され、加圧による排除体積のために流体抵抗部
7に若干のはみ出しが生じる。
【0061】そこで、本発明においては、ノズル板3の
接合面に偏肉を持たせ、微細構造形成部位である流体抵
抗部7を薄肉に形成して、充填により接合するようにし
ている。このようにすることで、流体抵抗部7は加圧さ
れていないため、流体抵抗部7に加圧により接着剤がは
み出すこともなく、より精密な流体抵抗部7を形成する
ことができる。なお、このように微細構造形成部位の薄
肉化による接着剤のはみ出しの抑制は、流体抵抗部に限
らず、ヘッド内の微細精密構造を要求される部位の全て
に応用できるものである。
【0062】すなわち、ノズル板3は、図11に示すよ
うに、接着層75によって流路基板1に接合している
が、このノズル板3は厚み方向に見たとき、前記図8と
は逆に、流路基板1と接合する接合面側で流体抵抗部7
側の厚みが薄く、ノズル4側が厚くなる(流体抵抗部の
厚みd<最大厚みeとなる)断面で略傾斜面となる偏肉
を有する形状に形成している。これにより、ノズル板3
の接合面と流路基板1の接合面との間に形成される空隙
(ギャップ)は厚み方向でノズル4側から流体抵抗部7
側に向かって漸次増加する断面形状をなす。この場合偏
肉量は10μmを超えないことが好ましく、この範囲で
あれば、確実に全面を接合することができて、インクの
リークも防止できる。
【0063】そこで、このノズル板3と流路基板1の接
合工程について図12を参照して説明する。先ず、同図
(a)に示すように、流路基板1の上面に接着剤71を
塗布する。この塗布方法には、前述したように、スピン
コート法、スプレー法、転写法などの種々の方法を適用
できるが、これらの塗布方法のうちで転写法は、流路基
板1のように接合面に微細パターンの凹凸があり、実際
の接合面となる凸部上面のみに接着剤71の薄層を形成
するという点で最も優れている。
【0064】このとき、前述した図8で説明したよう
に、流路基板1の凸部(接合面)に塗布する接着剤71
の厚さ(塗布厚さ)bは、ノズル板3の偏肉量a以下
(a≧b)とする。偏肉量a以上の塗布厚さbとすれ
ば、接合は完全に行われるが、ノズル板3の厚肉部(流
体抵抗部7)近傍はほとんどの接着剤がはみ出しすこと
になり、流体抵抗部7を閉塞し、噴射特性のバラツキ、
あるいは非噴射の原因となる。接着剤71の塗布厚さb
は、偏肉の分布等によっても異なるが、偏肉量aの1/
5〜1/2程度とすることが好ましい。
【0065】次いで、同図(b)に示すように、接着剤
71を塗布した流路基板1にノズル板3を押し当てる
と、当然、ノズル板3の偏肉によってノズル板3と流路
基板1とのギャップ部分に未接合領域が生じる。
【0066】このときの接着剤71の粘度を低く抑える
ことにより、同図(c)に示すように、接着剤71は毛
細管現象によって、流路基板1とノズル板3との間に形
成される空隙(ギャップ)76に移動して充填される。
このとき、流体抵抗部7は薄化しているので、流体抵抗
部7に対応する部分の接着剤71は、同図に矢印で示す
ように流体抵抗部7周囲と流路基板1との間に形成され
るギャップに向かって移動する。これにより、同図
(d)に示すように流路基板1とノズル板3とは接着剤
71による接着層75にて接合面全面が接合され、流体
抵抗部7への接着剤のはみ出しが著しく低減する。
【0067】ここで、接着剤71の粘度は材料との濡れ
性にも影響されるが、5000cps以下が好ましい。
5000cpsを越えると、毛細管現象による接着剤の
充填性が悪くなり、空隙を充分に埋めることができず、
接合を保つことが困難になる。この際の粘度の値は接合
時の粘度であり、接合時に加熱工程を加える場合には、
その昇温工程での粘度変化も考慮する必要がある。
【0068】上述したようなノズル板3を電鋳工法にて
作製する場合、図13に示すように、流体抵抗部7と反
対の部位に電鋳の抜き部100を形成する。すなわち、
電鋳時の電鋳膜厚は、前述したように電流の遮蔽面積で
決まるため、遮蔽面積を大きくした同図のようなヘッド
においては、非遮蔽部に電流が集中し、流体抵抗部7よ
りも肉抜き部100の膜厚を厚くすることができる。こ
れにより、相対的に流体抵抗部7近傍が薄肉化した所望
のノズル板3を得ることができる。
【0069】このように肉抜き部100を形成したノズ
ル板3の実際の膜厚分布は、図13に示すようになり、
遮蔽領域の少ない加圧液室6相当部が最も薄くなってお
り、ついで流体抵抗部7、肉抜き部100と厚くなって
いる。接合の際のギャップは厚肉の肉抜き部100で決
まるため、このような膜厚分布でも本発明の作用効果が
得られる。また、この偏肉量は、電鋳時の抜きパターン
の量により自由に精度良くコントロール可能であるた
め、接着剤塗布量に応じて、最適値を設定することが可
能である。
【0070】ここで、前述した図8で説明した薄膜塗布
充填接合法と図12に示した薄膜塗布充填接合法との差
異について説明する。接着剤71として、25℃での粘
度が1000cps程度のエポキシ接着剤を用い、シリ
コン流路基板1への塗布膜厚を約1μm厚に設定した。
そして、ノズル板3との接合を常温で行って、接着剤7
1が硬化した後に分解して、接合状態を調べた。
【0071】図8で説明した薄膜塗布充填接合法によれ
ば、ノズル板3(膜厚ばらつきが約3μm、流体抵抗部
7が厚肉)では、完全に全面接合されており、この際の
流体抵抗部7(幅20μm×高さ20μmの微細構造部)
へのはみ出しについては、閉塞率は断面積換算で7%程
度、流体抵抗値に換算すると3%程度に抑えて形成され
た。この際の接合層75の厚さは、ノズル板3の厚肉部
(流体抵抗部7)で約0.3μm、薄肉部で約3.1μ
mであった。
【0072】これに対して、図12で説明した本発明に
係る薄膜塗布充填接合法によれば、ノズル板3は流体抵
抗部7による肉抜き率約40%に対して、流体抵抗部7
と反対側のヘッド外周部相当域の肉抜き部100の肉抜
き率を70%に設定することにより、流体抵抗部7の肉
厚が約3μm薄い形状の形成が可能となった。
【0073】このノズル板3をシリコン流路基板1と接
合したところ、完全に全面接合されており、流体抵抗部
7(幅20μm×高さ20μmの微細構造部)へのはみ
出しについては、閉塞率は断面積換算で3%程度、流体
抵抗値に換算すると1%以下に抑えて形成されているこ
とが確認された。この際の接合層75の厚さはノズル板
3の厚肉部(最外周部)で約0.3μm、流体抵抗部7
で約2.5μmであった。
【0074】このように、薄膜塗布充填接合の工法に加
えて、微細構造形成部位を薄肉化することにより、微細
パターンがある厚みのばらついた部材であっても、全面
で均一に接合でき、よりはみ出し量を抑制した接合が可
能となる。
【0075】なお、上記実施形態においては、静電型イ
ンクジェットヘッドの振動板と電極の平面形状を矩形と
した例で説明したが、平面形状を台形、三角形とするこ
ともできる。また、上記各実施形態ではインクジェット
ヘッドは振動板と液室とを流路基板として同一部材から
形成しているが、振動板と液室形成部材とを別部材で形
成して接合することもできる。
【0076】また、本発明を適用する液滴吐出ヘッドは
流路基板中に形成したノズル、加圧室、流体抵抗部、共
通流路液室の形状、配置、形成方法は適切に変更するこ
とができる。例えば、上記実施形態においては、ノズル
は振動板の変位方向にインク滴が吐出するように形成し
たサイドシュータ方式のヘッドであるが、ノズルを振動
板の変位方向と交差する方向にインク滴が吐出するよう
に形成したエッジシュータ方式のヘッドでもよい。
【0077】さらに、上記各実施形態においては、液滴
吐出ヘッドが静電型インクジェットヘッドである例で説
明しているが、圧電素子を用いたピエゾ型インクジェッ
トヘッド、或いは発熱抵抗体を用いたバブル型インクジ
ェットヘッドなど、その他の方式のインクジェットを駆
動制御する場合にも適用することができる。液滴吐出ヘ
ッドはインク滴を吐出するものに限らず、液体レジスト
などの液滴を吐出するものなどにも適用できる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る液滴
吐出ヘッドは、接合する2つの薄層部材の少なくとも一
方の薄層部材の接合面側は偏肉があり、インク流路の微
細構造形成部位ほど薄くなっている構成としたので、微
細構造部への接着剤のはみ出しが低減し、接合信頼性も
向上する。
【0079】ここで、微細構造形成部位が流体抵抗部を
形成する部位であるで、流体抵抗部への接着剤のはみ出
しを抑えて滴吐出特性のバラツキを低減することがで
き、安定した滴吐出を行うことができる。また、薄層部
材の偏肉量が10μmを超えないことで、確実な全面接
合と液体のリークの防止を行うことができる。
【0080】さらに、2つの薄層部材のうちの偏肉があ
る薄層部材をノズル板とすることによって、ノズル板に
流体抵抗部やノズル溝を形成したときの接着剤のはみ出
しを防止できて、安定した滴吐出特性を得ることができ
る。
【0081】この場合、ノズル板はニッケル電鋳工法で
形成することにより、ノズル系、形状精度の高いノズル
が得られる。また、ニッケル電鋳工法で形成したノズル
板の厚肉部に肉抜きの凹部が形成されていることで、微
細構造形成部位の肉厚を薄くした所望の肉厚分布のノズ
ル板を形成でき、はみ出しを抑えた全面接合が可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェットヘッドの分解斜視
説明図
【図2】同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図
【図3】図2の要部拡大説明図
【図4】同ヘッドの振動板短手方向の断面説明図
【図5】同ヘッドの要部平面説明図
【図6】ノズル板の製造工程の一例を説明する説明図
【図7】ノズル板の製造工程の他の例を説明する説明図
【図8】薄膜塗布充填接合工程の説明に供する説明図
【図9】流路基板への接着剤塗布方法を説明する説明図
【図10】流路基板への接着剤塗布量の比較例を説明す
る説明図
【図11】流路基板とノズル板との接合状態の説明に供
する模式的説明図
【図12】本発明を適用したヘッドの薄膜塗布充填接合
工程の説明に供する説明図
【図13】図12の形状のノズル板の製作方法を説明す
る平面説明図
【図14】図12の方法で作製されるノズル板の断面形
状を説明する断面説明図
【符号の説明】
1…流路基板、2…電極基板、3…ノズル板、4…ノズ
ル、6…加圧室、7…流体抵抗部、8…共通流路液室、
10…振動板、15…電極、71…接着剤、76…ギャ
ップ、75…接着層。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方又は両方が凹部又は孔部を有する少
    なくとも2つの薄層部材を接着層を介して接合してイン
    ク流路を形成した液滴吐出ヘッドにおいて、接合する2
    つの薄層部材の少なくとも一方の薄層部材の接合面側は
    偏肉があり、前記インク流路の微細構造形成部位が最大
    厚みよりも薄くなっていることを特徴とする液滴吐出ヘ
    ッド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の液滴吐出ヘッドにおい
    て、前記微細構造形成部位が流体抵抗部を形成する部位
    であることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッド
    において、前記薄層部材の偏肉量が10μmを超えない
    ことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の液滴
    吐出ヘッドにおいて、前記2つの薄層部材のうちの偏肉
    がある薄層部材がノズル板であることを特徴とする液滴
    吐出ヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の液滴吐出ヘッドにおい
    て、前記ノズル板がニッケル電鋳工法で形成されている
    ことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の液滴吐出ヘッドにおい
    て、前記ノズル板の厚肉部に肉抜きの凹部が形成されて
    いることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7401897B2 (en) 2003-06-30 2008-07-22 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Inkjet head
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KR101976082B1 (ko) * 2018-01-25 2019-05-07 (주)인텍바이오 진단 칩의 제작 방법

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