JP2007295997A - 車両用シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】背凭フレームに一枚板形状のプレート体31をワイヤスプリング32A,32Bを介して前後移動自在に取付け、前記プレート体31には、該プレート体31に対して前後する弾力調節プレート40を設け、前記弾力調節プレート40の所定部分は該弾力調節プレート40の上縁側と下縁側との間隔を、下縁側を上動させて狭くしたとき前方に突き出る押出面部に形成し、該押出面部付近の弾力調節プレート40を前後移動させて該弾力調節プレート40の着座者の身体の支持弾力を調節しうるように構成し、前記押出面部の位置は、弾力調節プレート40の上縁側と下縁側との上下略中間より下方に位置するように構成した車両用シート。
【選択図】図5
Description
また、従来、背凭シートのフレームに四角枠形状の内部構造体を固定し、該内部構造体の左右側には横弾性屈曲部を設け、弾性屈曲部の間にはスプリング板部を設け、スプリング板部の上下側には縦弾性屈曲部を介してランバーサポート部を設けた構成は公知である(例えば、特許文献2)。
また、公知ではないが、先願の特願2004−313623号には、プレート体に前後する一枚板状の弾力調節プレートを設けた構成が提案されている。
前記公知例のうち後者は、内部構造体の四周は剛体であり、この部分のクッション性は低下するという課題がある。
即ち、四角枠形状の背凭フレームに、更に、四角枠形状の内部構造体を設ける構成のため、中央のランバーサポート部以外のクッション性は低下する。
また、前記先願は、弾力調節プレートを所定位置で湾曲させる薄肉部の位置が上下するという課題がある。
即ち、先願は、図22のように、弾力調節プレートの上縁を上下させて薄肉部Pを前後させる構成のため、薄肉部Pは弾力調節プレートの下縁を支点に「P’」との間前後し、そのため、薄肉部Pと薄肉部P’の位置が大きく上下することが判明した。
本願は、荷重を「面」で安定した状態で支持しつつ、着座者の体格や好みに応じてクッション性の弾力を調節可能とし、また、着座者の腰部を良好に支持して、着座フィーリングを向上するように工夫したものである。
本発明は、前記押出面部70と弾力調節プレート40の上縁との間隔Kよりも押出面部70と弾力調節プレート40の下縁との間隔Lの方が短くなるように構成した車両用シートとしたものである。
本発明は、前記弾力調節プレート40は、その上部をプレート体31に位置固定状態に、その下部の下部係合部55をプレート体31に上下自在に取付けて、前記下部係合部55を上動させて押出面部70を前方移動させるように構成した車両用シートとしたものである。
本発明は、前記押出面部70は、溝またはスリット71や、他の弾力調節プレート40の部分に比し若干肉厚を薄くした薄肉部72や、孔73の内の何れか一つあるいは複数を組合せて構成した車両用シートとしたものである。
本発明は、前記押出面部70は、前記弾力調節プレート40の外縁所定部分を切り欠いた切欠部74により弾力調節プレート40の上縁側と下縁側との間隔を狭くしたとき前方に突き出るように構成した車両用シートとしたものである。
請求項2の発明では、押出面部70が前後移動するときの移動半径を可及的に長くして調節する際の押出面部70の上下位置の変動を最小限にして、着座者の腰部を良好に支持でき、着座フィーリングを向上させることができる。
請求項3の発明では、弾力調節プレート40の下部係合部55を上動させて押出面部70を前方移動させるので、一層、押出面部70の上下位置の変動を減少させて、着座者の腰部を良好に支持でき、着座フィーリングを向上させることができる。
請求項4の発明では、押出面部70を簡単に構成することができ、製造コストを低くすることができる。
請求項5の発明では、押出面部70を簡単に構成することができ、製造コストを低くすることができる。
背凭シート2の上部にはヘッドレスト6を設ける。ヘッドレスト6の構成は任意であり、ヘッドレスト6は少なくとも着座者の頭部を支持する頭部支持部7と、前記背凭シート2に装着するためピラー8とを設けて構成している。
ヘッドレスト6のピラー8は左右方向のヘッドレスト取付杆10に設けたピラー支持部材11に高さ調節自在に取付ける。ピラー8とピラー支持部材11の構成は公知であり、図示は省略するが、ピラー支持部材11に設けた係合部材を所望高さに位置させたピラー8に形成した係合凹部に選択的に係合させて保持すればよい。
この場合、上側リンク杆15は、回動軸16より上側を上リンクアーム部22に形成し、回動軸16より下側を下リンクアーム部23に形成し、上リンクアーム部22と下リンクアーム部23は逆「く」の字形状に形成し、下リンクアーム部23よりも上リンクアーム部22を長く形成する。また、上側リンク杆15は、下リンクアーム部23が回動軸16を基準に下方に至るに従い前側に位置するように、傾斜させて取付ける。
着座者の後方移動により後突感知体25が後方移動すると、このエネルギーが下側リンク26と伝動部材20を介して上側リンク杆15に伝達され、上側リンク杆15は伝達された着座者の後方移動エネルギーによりヘッドレスト6を前方移動させ、着座者の頭部を支持する。
したがって、上側リンク杆15は、前記後突感知体25に移動量を増幅させてヘッドレスト6を前方移動させ、ヘッドレスト6の移動量を十分に確保でき、着座者の頭部の支持を確実にする。
しかして、前記下側リンク26および前記上側リンク杆15の各部材は、前記背凭フレーム3の左右側部フレーム17と並行方向の板状に形成すると共に、側部フレーム17に取付けているので、左右の側部フレーム17の間には前記後突感知体25が位置するだけであり、着座者に着座時の違和感あるいは不快感を与えない。
即ち、従来の上下に並設したジグザグバネ構成では、着座者の上体は荷重により後方移動する各ジグザグバネにより「線」で支持されるので、着座姿勢が安定せず、後突のとき前方移動するヘッドレスト6が頭部を支持しても、着座者の上体が後方移動してしまって、頭部と上体との位置関係がかえって不安定になるが、本願では、板状支持材30により着座者の上体全体を「面」で支持できて、前方移動するヘッドレスト6が頭部を支持しているときに、板状支持材30が着座者の上体を「面」で支持するので、頭部を含めた着座者の着座姿勢を極めて安定させる。
板状支持材30は、前記プレート体31をジグザグスプリングやフォームドワイヤスプリング等のワイヤスプリング32を介して背凭フレーム3に前後移動自在に取付けて構成し、板状支持材30は略面状態を保持したまま前後して着座者を支持する。
前記ワイヤスプリング32は、所定の弾性を有しており、プレート体31に荷重が掛かったときに、プレート体31全体が面形状を保持したまま後方移動しうるように構成するが、前記プレート体31は、該プレート体31の上縁付近が上側ワイヤスプリング32Aにより、前記プレート体31の上下中間の所定位置が下側ワイヤスプリング32Bより夫々支持されるように、背凭フレーム3に取付ける。
即ち、前記下側ワイヤスプリング32Bは着座者の荷重を支持する剛性を有して形成し、これに対して、前記下側撓み部33は着座者の荷重により撓む弾性を有するように形成する。
したがって、下側撓み部33は、着座者の荷重が掛かると下側ワイヤスプリング32Bの付近を支点に後方に撓む。
また、前記下側ワイヤスプリング32Bの左右中間部分には平面視前方に突き出る中間屈曲部32Cを形成し、該中間屈曲部32Cはプレート体31に形成した係合孔32Dに係合させる。中間屈曲部32Cと係合孔32Dは、下側ワイヤスプリング32Bとプレート体31との上下左右の位置ずれを防止すると共に、係合孔32Dによりプレート体31の剛性を低くし、中間屈曲部32Cが下側撓み部33の後方に撓む支点となる作用も期待する。
しかして、下側撓み部33の裏側にはサポートバネ34を設ける。サポートバネ34はU型形状に形成し(図6)、線経および材質等を変更して下側撓み部33の撓み荷重の設定を変更する。
即ち、サポートバネ34を硬くすると、下側撓み部33の後方撓み量を少なくし、サポートバネ34を軟らかくすると下側撓み部33の後方撓み量を大きくする。
しかして、プレート体31の上下中間所定位置の後方に、前記後突感知体25を位置させる。
したがって、板状支持材30による着座者の支持と、後突感知体25による後突の感知の確実性とを両立させられる。
弾力調節プレート40は、弾性を有する合成樹脂製の一枚板状に形成する。弾力調節プレート40の後面の上部所定位置には後側に突き出る後方突出係合部41と前方突出係合部42を左右方向に夫々複数並設する(図8)。上部突出部後方突出係合部41および前方突出係合部42はプレート体31に形成した上側係合孔43と下側係合孔44とに係合させる(図6、図9)。
後方突出係合部41は上側に後方膨出部45を形成し、後方膨出部45の下面に下向き円弧係合面46を設けて形成する。下向き円弧係合面46は上側係合孔43内の下面に下側円弧面47に係合する。前方突出係合部42は後方突出係合部41の下向き円弧係合面46より後側に膨出する前方膨出部50を形成し、前方膨出部50の下面に上向き円弧係合面51を設けて形成する。上向き円弧係合面51は下側係合孔44内の上面の上側円弧面52に係合する。
即ち、弾力調節プレート40の上部は、後方突出係合部41および前方突出係合部42を、プレート体31の上側係合孔43と下側係合孔44に、前側から挿入し(図9)、挿入後、後方突出係合部41の下向き円弧係合面46を上側係合孔43の下側円弧面47に係合させ(図10)、前方突出係合部42の上向き円弧係合面51を下側係合孔44の上側円弧面52に係合させ、次に、中心Gを軸心として弾力調節プレート40を下方回動させると、弾力調節プレート40はプレート体31の前面に重なる(図11)。
この場合、前記下部係合部55と下側開口部60は略同じ左右幅に形成し、前記下部係合部55の側縁が下側開口部60の内周に摺接しながら上下するように構成すると、下部係合部55と下側開口部60とが互いにガイドのように作用して、弾力調節プレート40の弾力調節作用を円滑・確実にでき、好適である。
プレート体31の左右中央位置にはワイヤーケーブル56のアウターチューブ62のチューブ先端63を係止するチューブ係止部65を設ける(図6)。チューブ係止部65はチューブ先端63の一部または全部がプレート体31の前後の幅内に埋没するような凹部形状に形成すればよく、実施例ではチューブ係止部65は、プレート体31に上側開口部67を形成し、上側開口部67の左右側縁に一対の腕部66を設け、上側開口部67と左右の腕部66とによりチューブ先端63が埋没するような凹部空間を形成し、上側開口部67にチューブ先端63を嵌合させる。チューブ先端63はチューブ係止部65の腕部66により左右両側から挟持されながら、上側開口部67に嵌合する。
ワイヤーケーブル56は、インナーケーブル57を牽引すると、インナーケーブル57のケーブル先端係合体61を取付けた弾力調節プレート40の下部係合部55を上方に牽引し、弾力調節プレート40の下部係合部55を上方に引き寄せ、その結果、弾力調節プレート40の上縁と弾力調節プレート40の下部係合部55の間の距離を短くして、弾力調節プレート40の前面を前方に押出す。
しかして、前記サポートバネ34は縦軸部縦軸部34Aと横軸部サポートバネ34BとによりU型形状に形成し(図6)、縦軸部縦軸部34Aは下側開口部60の左右両側に、横軸部サポートバネ34Bは下側開口部60の下縁より下側に位置するようにすると、下側撓み部33の撓み量の設定を容易および正確にできて、好適である。
即ち、単に、弾力調節プレート40を上下に撓ませても前方移動する部分が上下にばらつくと着座感を損なうので、予め所定部分が前方に湾曲するように押出面部70を設ける。
前記押出面部70の構成は任意であるが、図23は、押出面部70の部分の弾力調節プレート40に、左右方向の溝またはスリット71を上下に並設して構成し、溝またはスリット71があるため応力が集中することで湾曲する。図24は、押出面部70の部分の弾力調節プレート40を、他の弾力調節プレート40の部分に比し若干肉厚を薄くした薄肉部72に形成して構成する。また、図25は押出面部70の部分の弾力調節プレート40に所定形状の孔73を形成して構成したものである。74は、前記弾力調節プレート40の外縁所定部分を切り欠いた形成した切欠部であり、切欠部74は弾力調節プレート40の断面積を減少させてその分湾曲するようにしている。
この場合、押出面部70の位置は、弾力調節プレート40の後方突出係合部41と下部係合部55との上下中間より下方であって、後方突出係合部41と押出面部70との間隔Kよりも押出面部70と下部係合部55との間隔Lの方が短くなるように構成する。
即ち、弾力調節プレート40は、下部係合部55を上方移動させて押出面部70を前方移動させると共に、後方突出係合部41と押出面部70との間隔Kよりも押出面部70と下部係合部55との間隔Lの方が短くなるように構成することにより、押出面部70が弾力調節プレート40の上縁付近を支点として移動するときの移動半径を可及的に長くし、弾力調節プレート40の撓みによる押出面部70の前後移動の際の上下位置の変動を抑制する。
ヘッドレスト6のピラー8を支持するピラー支持部材11を、ヘッドレスト取付杆10に固定し、ヘッドレスト取付杆10の左右両側は夫々上側リンク杆15の上部に固定し、各上側リンク杆15の上下中間部は回動軸16により側部フレーム17に取付け、上側リンク杆15の下端部に伝動部材20の上部を取付け、伝動部材20の下部は上部を側部フレーム17に取付けた下側リンク26の上下中間部に軸着し、下側リンク26の下部に後突感知体25の左右両側を連結状態に取付けているから、後方から衝撃を受けて慣性で着座者が後方へ移動すると、クッション材4を後方に押し、クッション材4はプレート体31を後方に押し、プレート体31は後突感知体25を後方移動させ、後突感知体25の後方移動により下側リンク26が回動して伝動部材20を下方に牽引し、伝動部材20は上側リンク杆15を回動軸16中心に下方回動させ、上側リンク杆15の上部は回動軸16中心に前方回動し、これによりヘッドレスト6は軸21中心に前方移動する。
したがって、ヘッドレスト6は上側リンク杆15により前方回動して頭部を支持し、むち打ち症防止効果を奏する。
この場合、上側リンク杆15の下リンクアーム部23は下方に至るに従い前側に位置するように、傾斜させているから、上側リンク杆15は伝動部材20を介して後突感知体25の後方移動を前方移動に変換してヘッドレスト6を前方移動させる。
即ち、仮に、下リンクアーム部23の作動方向を前側にすると、着座者の移動方向(後方移動)と相反することになり、着座者の後方移動を妨げ、有効に作動しない。
したがって、下リンクアーム部23は回動軸16中心に後方移動するので、上側リンク杆15の作動の際、下リンクアーム部23はクッション材4や表皮部材5を前側に押す必要がなく、確実に作動する。
また、下側リンク26は、通常は下方に至るに従い前側に位置するように、傾斜させているから、後方から衝撃を受けた後突の際、下側リンク26は回動軸28中心に後方回動する。
そのため、下側リンク26も上側リンク杆15の下リンクアーム部23と同様に、作動方向が着座者の移動方向(後方移動)と一致して合理的な構成となり、作動の際、クッション材4や表皮部材5からの干渉も回避して確実に作動する。
しかして、背凭シート2の背凭フレーム3には板状支持材30を設け、板状支持材30は略四角形の一枚板状に形成したプレート体31をワイヤスプリング32を介して背凭フレーム3に前後移動自在に取付けて構成しているから、板状支持材30は、保持したまま前後移動して着座者を支持する。
そのため、従来の上下に並設して「線」で支持するジグザグバネ構成に比して格段に着座感を向上させる。
しかして、プレート体31の下側部分は、着座者の仙骨付近に位置させると、着座者の腰部付近を確実にホールドでき、好適である。
また、板状支持材30のプレート体31は略四角形の一枚板状に形成しているから、プレート体31の所定部分にのみ掛かる荷重も、プレート体31全体が後方に移動することで上下左右に荷重を分散させ、確実に支持する。
即ち、例えば、上下にプレート体31を分割して形成すると、上下のプレート体31の間の部分に荷重が掛かったとき、上下のプレート体31は夫々回転して荷重を確実に支持できないことがあるが、本願は、略四角形の一枚板状のプレート体31により板状支持材30を形成しているので、上下中間に掛かる荷重も板状支持材30全体により確実に受け止めて支持する。
また、下側リンク26および上側リンク杆15の各部材は、背凭フレーム3の左右側部フレーム17と並行方向の板状に形成して、側部フレーム17に取付けているので、プレート体31と後突感知体25の前後移動に干渉しないように設けることができ、この点でも、合理的な構成となる。
しかして、前記板状支持材30のプレート体31の表側には、弾力調節プレート40を設けており、弾力調節プレート40の上部は、後方突出係合部41および前方突出係合部42を、プレート体31の上側係合孔43および下側係合孔44の夫々に係合させ、弾力調節プレート40の下部の下部係合部55は、プレート体31の下部に設けた下側開口部下側開口部60よりプレート体31の後側に突出させ、プレート体31の後側に突出する下部係合部55のケーブル挿入溝58にインナーケーブル57を嵌合させて、インナーケーブル57の先端のケーブル先端係合体ケーブル先端係合体61を下部係合部55の下面に係合させているから、弾力調節プレート40の上縁と下縁との間の距離を短くすると、弾力調節プレート40の上下略中間部分は前側に競り出し、着座者を前方に押す圧力を強くし、反対に、弾力調節プレート40の上縁と下縁との間隔が長くなると、弾力調節プレート40の上下中間部分は後側に後退し、着座者を前方に押す圧力を弱くし、着座者に対する弾力を、体格や好みに応じて変更調節する。
したがって、弾力調節プレート40は、背凭フレーム3に対するプレート体31の全体および後突感知体25との位置関係を変えずに、前後して弾力を調節でき、弾力調節プレート40の存在は後突感知体25を含むむち打ち対策機構やプレート体31の本来の作用効果に全く影響しない。
それゆえ、後突感知体25とリンク機構により後突時ヘッドレスト6を前方に移動させうるむち打ち対策機構を設けた車両用シート1でありながら、クッション材4を前方に押出す弾力を調節しうる弾力調節プレート40との併設が可能となる。
つまり、プレート体31は背凭フレーム3にワイヤスプリング32を介して前後移動自在に取付けられているから、プレート体31に対して弾力調節プレート40は独立して前側に移動し、且つ、後方から衝撃を受けて慣性で着座者が後方へ移動したときは、この慣性力により弾力調節プレート40とプレート体31は一体となって後方移動する。この点、プレート体31に対して弾力調節機構41の弾力調節プレート40は独立して前側に移動するが、後突されたときの移動方向は一致して、弾力調節プレート40およびプレート体31の後方移動により後突感知体25が共に後方移動して、後突を感知でき、併設可能となるのである。
そして、上側係合孔43の下側円弧面47と下側係合孔44の上側円弧面52とは、側面視所定位置に設けた中心Gとする同心円と略一致する円弧面となるように形成しているから、後方突出係合部41および前方突出係合部42が係合した後に中心Gを軸心として弾力調節プレート40を下方回動させると、弾力調節プレート40はプレート体31の前面に重なる。
したがって、後方突出係合部41と前方突出係合部42は、プレート体31の下側円弧面47と上側円弧面52を前後から挟持するように位置するから、ワイヤーケーブル56が弾力調節プレート40の下部係合部55を上方に牽引すると、弾力調節プレート40の後方突出係合部41および前方突出係合部42は上方に移動するように力が作用するが、前方突出係合部42の上向き円弧係合面51が下側係合孔44の上側円弧面52に当たっているので、前方突出係合部42と下側係合孔44との係合部分が外れることはなく、弾力調節プレート40は前方移動する。
このように、弾力調節プレート40の後方突出係合部41および前方突出係合部42は、弾力調節プレート40の取付を容易にするだけでなく、弾力調節プレート40の前後移動のときも係合が外れない合理的構成となる。
また、弾力調節プレート40の下部係合部55とプレート体31の下側開口部60との接触部分は、何れも合成樹脂製であるから異音の発生が少ない。
また、弾力調節プレート40の下部係合部55はワイヤーケーブル56により上方に牽引され、弾力調節プレート40のの前面には背凭シート2のクッション材4があるので、弾力調節プレート40は前側からクッション材4により押され、後側からワイヤーケーブル56により引かれて、クッション材4とプレート体31とにより前後から挟持される。
また、下部係合部55と下側開口部60は略同じ左右幅に形成しているので、弾力調節プレート40が撓むとき、下部係合部55と下側開口部60とが互いにガイドのように作用して、弾力調節プレート40の弾力調節作用を円滑・確実にする。
また、チューブ係止部65と下部係合部55とを略同じ前後位置に配置することにより、一層、プレート体31および弾力調節プレート40並びに弾力調節プレート40の操作機構の全体の前後厚さを薄くすることが可能になって、好適である。
また、アウターチューブ62のチューブ先端63より引き出されたインナーケーブル57はプレート体31に嵌合溝68に嵌合させているから、ワイヤーケーブル56の作動を確実にするだけでなく、一層、プレート体31および弾力調節プレート40並びに弾力調節プレート40の操作機構の全体の前後厚さを薄くすることができる。
即ち、プレート体31が一枚板状の合成樹脂製のため、下側ワイヤスプリング32Bの支持部分に対して下側撓み部33に荷重が掛かると、下側撓み部33が後方に撓む。そのため、着座者の背部から腰部は、肩甲骨付近と腰部分が後方に位置しており、特に、腰部分が背凭シート2により前側に押されると、肩甲骨付近の背部は背凭シート2より浮いて着座疲労が増大するが、着座者の腰部が下側撓み部33に当たったときに、下側撓み部33が後方に撓むことで背部全体が背凭シート2に密着し、着座疲労を軽減して着座フィーリングを向上させる。
また、下側ワイヤスプリング32Bは着座者の荷重を支持する剛性を有して形成し、これに対して、下側撓み部33は着座者の荷重により撓む弾性を有するように形成しているから、着座者の荷重が掛かると下側ワイヤスプリング32Bの付近を支点に下側撓み部33は後方に撓む。
したがって、着座者の荷重の程度により撓み量は変化する。
また、下側ワイヤスプリング32Bは剛性を有して形成し、前記下側撓み部33は弾性を有するように形成しているから、プレート体31は、着座者の荷重により下側撓み部33が後方に撓むと、この状態の面形状を保持したままでプレート体31全体が後方移動する。
しかして、弾力調節プレート40の所定部分は押出面部70に形成し、弾力調節プレート40が撓むとき押出面部70が弾性変形して前方に突き出るように構成しているから、弾力調節プレート40を上下に撓ませたとき、常に、押出面部70の部分が前方に移動するので、着座者を押す弾力を調節できる位置が変わらず、着座感を良好にする。
この場合、押出面部70の位置は、弾力調節プレート40の上縁と下縁との略上下中間より下方であって、弾力調節プレート40の上縁と押出面部70との間隔Kよりも押出面部70と下縁との間隔Lの方が短くなるように構成し、該弾力調節プレート40はその上部をプレート体31に位置固定状態に、その下部の下部係合部55をプレート体31に上下自在に取付けているから、弾力調節プレート40は、下部係合部55を上動させて押出面部70を前方移動させることができ、そのため、押出面部70の回動支点は弾力調節プレート40の上縁付近となり、押出面部70が最も後側のときの高さ位置と最も前側での高さ位置との差を可及的に小さくする。
Claims (5)
- 背凭シート2の背凭フレーム3に、着座者の背部を支持しうる合成樹脂製の一枚板形状のプレート体31を、ワイヤスプリング32を介して前記背凭フレーム3に対して前後移動自在に取付け、前記プレート体31には、該プレート体31に対して前後するように弾性を有する一枚板状の弾力調節プレート40を設け、前記弾力調節プレート40の所定部分は該弾力調節プレート40の上縁側と下縁側との間隔を、下縁側を上動させて狭くしたとき前方に突き出る押出面部70に形成し、該押出面部70付近の弾力調節プレート40を前後移動させて該弾力調節プレート40の着座者の身体の支持弾力を調節しうるように構成し、前記押出面部70の位置は、弾力調節プレート40の上縁側と下縁側との上下略中間より下方に位置するように構成した車両用シート。
- 請求項1において、前記押出面部70と弾力調節プレート40の上縁との間隔Kよりも押出面部70と弾力調節プレート40の下縁との間隔Lの方が短くなるように構成した車両用シート。
- 請求項2において、前記弾力調節プレート40は、その上部をプレート体31に位置固定状態に、その下部の下部係合部55をプレート体31に上下自在に取付けて、前記下部係合部55を上動させて押出面部70を前方移動させるように構成した車両用シート。
- 請求項1または請求項2または請求項3において、前記押出面部70は、溝またはスリット71や、他の弾力調節プレート40の部分に比し若干肉厚を薄くした薄肉部72や、孔73の内の何れか一つあるいは複数を組合せて構成した車両用シート。
- 請求項1または請求項2または請求項3において、前記押出面部70は、前記弾力調節プレート40の外縁所定部分を切り欠いた切欠部74により弾力調節プレート40の上縁側と下縁側との間隔を狭くしたとき前方に突き出るように構成した車両用シート。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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