JP2007292766A - 回転要素を有する時計 - Google Patents

Abstract

【課題】回転可能な内部ベゼルとそれを回転させる制御部材との結合を改善すること。
【解決手段】 本発明の時計は、ムーブメント用のハウジングを形成するケースとガラスと、制御部材（３６）により駆動される回転可能ベゼル（３０）とを有する。前記制御部材（３６）は、前記ケースを貫通するステム（４２）と、前記ステム（４２）の根本端に搭載される竜頭（４４）と、前記ステム（４２）の先端に回転可能に固定搭載されるピニオン（４６）とを有する。前記制御部材（３６）は、ピニオン（４６）をステム（４２）に軸方向に固定し、前記ステム（４２）の根本側に配置される着脱可能な係合部品（４８）に適合する。前記係合部品（４８）は、前記ピニオン（４６）／ステム（４２）の内の一方の要素に係合搭載される第１のスリット付きリング（６２）と、他方の要素を前記リングに軸方向に係合する係合手段（６４）とを有する。
【選択図】 図２

Description

本発明は、時計に関し、特に、時計ケースの外側から駆動可能な制御部材に適合する回転可能な内部要素を含む時計に関する。

このような時計は、既に公知であり市販されている。この種の時計は、回転する内部ベゼルを有する従来のダイバーズウォッチである。時計の文字板が回転して美的効果あるいは驚くべき効果を見出すことができる時計、あるいは文字板とガラスとの間に挿入された回転する偏光プリズムを具備した時計である。

どのようなタイプの回転要素であろうとも、時計の外側からアクセス可能な制御部材を用いて回転要素は駆動される。この種の制御部材は、通常ケースを半径方向に貫通するステム（軸）と、ステムの外側端部に固定される竜頭と、内側端部に固定されるピニオンとを具備する。この種の時計の組立部分を図１に示す。

図１に示した時計は、従来と同様に、ケース１０を有する。ケース１０は、中間部品１２と、キャップ１４と、バック・カバー１６とから構成され、それらが一体となってハウジング１８を形成する。このハウジング１８内にムーブメント２０が搭載される。ガラス２２が、防水（耐水）仕様で、ケース１０を封止する。文字板２４が、ムーブメント２０に搭載される。中間部品１２に形成された環状リセス２６は、文字板２４の高さに肩部２８を形成する。回転可能ベゼル３０が、文字板２４とガラス２２の間に挿入され、一部が環状リセス２６内に収納される。環状リセス２６は、回転可能ベゼル３０を軸方向に回転可能に配置しガイドする。回転可能ベゼル３０の底部表面は、第１平坦環状部分３２ａと、第２平坦環状部分３２ｂと、中間環状部分３２ｃとを有する。第１平坦環状部分３２ａは、文字板２４の周囲に対向に配置されて文字板２４の一部を覆う。第２平坦環状部分３２ｂは、肩部２８に当たる。中間環状部分３２ｃは、第１平坦環状部分３２ａと第２平坦環状部分３２ｂとの間に配置され、横歯３４を形成する。

制御部材３６は、回転可能ベゼル３０を駆動する。この為、孔３８が中間部品１２を半径方向に貫通する。特に洗練された最終仕上げ内側表面を有する中間管４０が、孔３８にネジ込まれる。軸AAを有するステム４２が、中間管４０の内側に搭載され、その結果、ステムの両端部は、ケース１０の内外に突出する。竜頭４４が、第１端部である根本端部に固定され、ピニオン４６が第２端部である先端部に固定される。ステム４２と竜頭４４とピニオン４６の組立体が、回転可能ベゼル３０の制御部材３６を形成する。制御部材３６は、中間部品１２内に配置され、その結果、ピニオン４６は横歯３４と噛み合う。竜頭４４が、時計の装着者により回転駆動されると、、回転可能ベゼル３０がケース１０の内側で回転する。

ピニオン４６は、ステム４２の先端部分にネジと接着手段で固定される。ピニオン４６を接着するこの方法により、ピニオン４６が、ステム４２に対し軸方向で回転可能に配置可能となる。これにより、制御部材３６の回転が回転可能ベゼル３０に伝達される。しかし、このようなネジと接着手段による固定方法は、強すぎて現実に破損することがある。メンテナンスサービスの間、ステム４２を破損することなく、制御部材３６を取り外すことは、殆ど不可能である。この問題に対する解決方法は、端部が四角の断面を有するステム４２を使用し、ピニオン４６の同じく四角の断面を有する孔内に係合することである。かくしてピニオン４６は回転がロックされる。軸方向の位置決めは、ステム４２の端部に配置され、先端側でピニオン４６のごく近傍に形成される溝内に配置されるサークリップ（circlip ）を用いて行われる。こうするために、ステム４２は、ネジと接着による固定の場合よりも、若干長くしなければならない。しかし、これは、ピニオン４６とムーブメント２０との間のスペースが無いため、できない。

本発明は上記の欠点を解決することである。本発明は、本発明の固定部品を用いることにより上記の問題点を解決する。この固定部品は、上記の従来の解決方法のようにムーブメント側に配置せずに、中間部品１２の側に配置される。この固定部品は、ステム４２とピニオン４６にアンカー止めされて、ピニオン４６を軸方向に固定する。

本発明の時計は、ムーブメント用のハウジングを一体となって形成するケースとガラスと、制御部材により駆動される回転可能ベゼルとを有する。前記制御部材は、縦軸AAを有し、前記ケースを貫通するステムと、前記ステムの根本端に搭載される竜頭と、前記ステムの先端に回転可能に固定搭載されるピニオンとを有する。前記制御部材は、ピニオンをステムに軸方向に固定し、前記ステムの根本側に配置される着脱可能な係合部品に適合する。前記係合部品は、
前記ピニオン／ステムの内の第１の要素に軸方向かつ半径方向に係合搭載される第１のスリット付きリングと、
前記ピニオン／ステムの内の第２の要素を、前記リングに軸方向に係合する係合手段とを有する。

本発明の固定部品は、ステム４２の根本側に配置されているために、回転要素の制御部材３６は、ステム４２を破損するリスク無しに、分解と再組立が可能である。

図２に示した時計は、図１に示した時計と同様に、ケース１０を有する。ケース１０は、中間部品１２と、キャップ１４と、バック・カバー１６とから構成され、それらが一体となってハウジング１８を形成する。このハウジング１８内にムーブメント２０が搭載される。ガラス２２が、防水（耐水）機能をもって、ケース１０を封止する。文字板２４が、ムーブメント２０に搭載される。横歯３４と噛み合う回転可能ベゼル３０が、文字板２４と、ガラス２２の間に挿入される。本発明の固定部品は、制御部材３６により駆動される。この制御部材３６は、ステム４２と竜頭４４とピニオン４６とを有する。

図２の時計が図１の時計と異なる点は、ピニオン４６が、ステム４２の内側端部にネジ止めも接着もされていないことである。実際に、ピニオン４６は、ステム４２に回転可能に固定して搭載される。着脱可能な係合部品４８は、ステム４２の近端（時計ケース）側に配置され、ステム４２とピニオン４６にアンカー止めされ、ピニオン４６を軸方向に固定する。係合部品４８は、中間管４０に当たる。その結果、係合部品４８は、ステム４２が中間部品１２の外側に向いて軸方向に動くのを、押さえる。

本発明により制御部材３６を時計に固定する構造体を、特にピニオン４６をステム４２に固定する方法を、図３に示す。ステム４２の先端部５０は、四角の断面を有する。溝５２が、先端部５０の近傍に形成される。ピニオン４６は、横歯３４と噛み合う歯付き部分５４と、環状溝５８が形成された短いステム５６とを有する。ピニオン４６には、四角の断面の中央孔６０が空けられる。その結果、係合部品４８がステム４２に対し半径方向に固定配置される。他の形状の断面を用いて、トルクを伝達することもできる。例えば三角形断面、六角形断面も採用できる。

係合部品４８は、リング６２とＬ字型剛性アーム６４とを有する。Ｌ字型剛性アーム６４は、リング６２に固定されその周囲から軸方向に伸びる。リング６２は、スリットを有する。このスリットにより、リング６２は、半径方向のフレキシビィリティを有し、若干半径方向外側に広がる。これらの特徴により、円筒状部品に圧力を加えることにより、環状溝５２への組立を容易にできる。リング６２は環状溝５２内に搭載され、その結果、ステム４２上に軸方向かつ半径方向に固定配置される。その際、Ｌ字型剛性アーム６４は、環状溝５８に係合する。環状溝５８は、ピニオン４６を軸方向に固定する効果を有する。かくして搭載された制御部材３６が、竜頭４４からの回転運動を回転可能ベゼル３０に伝達する機能を、分解を容易にしながら、実行する。

本発明の変形例として、第１変形例として、環状溝５８を、Ｌ字型剛性アーム６４が係合する１個の中空孔で置換することもできる。第２変形例として、固定部品は、リング６２と同一タイプで、剛性アームにより互いに結合された２個のリングで形成することもできる。第３変形例として、先端部５０と短いステム５６をステム４２の軸AAに直交する孔を空け、Ｌ字型剛性アーム６４を軸方向に伸びる剛性部分と、先端部５０と，短いステム５６に形成された孔内に半径方向に伸びるステム（軸）から形成することもできる。最後に、制御部材３６は、回転要素、例えばベゼル、文字板、偏光素子を駆動するよう構成することもできる。

以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。

従来技術の回転要素を含む時計の部分断面図。 本発明の回転要素を含む時計の部分断面図。 本発明の時計内に配置される制御部材の一実施例を表す部分展開断面図。

符号の説明

１０ ケース
１２ 中間部品
１４ キャップ
１６ バック・カバー
１８ ハウジング
２０ ムーブメント
２２ ガラス
２４ 文字板
２６ 環状リセス
２８ 肩部
３０ 回転可能ベゼル
３２ａ 第１平坦環状部分
３２ｂ 第２平坦環状部分
３２ｃ 中間環状部分
３４ 横歯
３６ 制御部材
３８ 孔
４０ 中間管
４２ ステム
４４ 竜頭
４６ ピニオン
４８ 着脱可能な係合部品
５０ 先端部
５２ 環状溝
５４ 歯付き部分
５６ 短いステム
５８ 環状溝
６０ 中央孔
６２ リング
６４ Ｌ字型剛性アーム

Claims (8)

1. （Ａ） ムーブメント（２０）用のハウジング（１８）を一体となって形成するケース（１０）とガラス（２２）と、
   （Ｂ） 制御部材（３６）により駆動される回転可能ベゼル（３０）と
   を有し
   前記制御部材（３６）は、縦軸AAを有し、
   前記ケースを貫通するステム（４２）と、
   前記ステム（４２）の根本端に搭載される竜頭（４４）と、
   前記ステム（４２）の先端に回転可能に固定搭載されるピニオン（４６）と を有し、
   前記制御部材（３６）は、ピニオン（４６）をステム（４２）に軸方向で固定し、前記ステム（４２）の先端側に配置される係合部品（４８）に適合し、
   前記係合部品（４８）は、
   （Ｘ） 前記ピニオン（４６）とステム（４２）からなる要素の内の第１要素に軸方向かつ半径方向に係合搭載される第１のスリット付きリング（６２）と、
   （Ｙ） 前記ピニオン（４６）とステム（４２）からなる要素の内の第２要素を、前記リング（６２）に軸方向に係合する係合手段（６４）と
   を有する
   ことを特徴とする時計。
2. 前記リング（６２）は、前記ピニオン（４６）とステム（４２）からなる要素の内の第１要素に形成された環状溝（５２，５８）内に搭載される。
   ことを特徴とする請求項１記載の時計。
3. 前記係合手段（６４）は、Ｌ字型剛性アーム（６４）により形成される
   ことを特徴とする請求項１又は２記載の時計。
4. 前記Ｌ字型剛性アーム（６４）は、前記ピニオン（４６）とステム（４２）からなる要素の内の第２要素に形成された環状溝（５２，５８）内に係合する
   ことを特徴とする請求項３記載の時計。
5. 前記環状溝（５２，５８）は、環状溝である
   ことを特徴とする請求項４記載の時計。
6. 前記係合手段（６４）は、前記第１のスロット付きリング（６２）に剛性アームにより結合される第２のスリット付きリングから形成される
   ことを特徴とする請求項１又は２記載の時計。
7. 前記第２のスリット付きリングは、前記ピニオン（４６）とステム（４２）からなる要素の内の第２要素に形成された環状溝（５２，５８）内に搭載される
   ことを特徴とする請求項６記載の時計。
8. 前記ステム（４２）は、先端部（５０）を有する第１端を有し、
   前記ピニオン（４６）は、前記先端部（５０）が係合する四角の断面を有する中央孔（６０）で孔が空けられる
   ことを特徴とする請求項１−７のいずれかに記載の時計。

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