JP2007284857A - ポリエステルの溶融紡糸方法および溶融紡糸装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリエステル繊維を製造するに際し、溶融紡糸された糸条の均一で、かつ安定した冷却を可能にし、さらにポリエステル繊維のタフネス向上を可能にするポリエステルの溶融紡糸方法および溶融紡糸装置を提供する。
【解決手段】紡糸口金より紡出されたポリエステル繊維糸条を冷却固化して巻き取るに際して、冷却固化する装置の冷却吹き出し部を環状とするとともに、冷却風を糸条走行方向に対して交わる方向とし、かつ糸条走行方向に対する冷却吹き出し部の冷却長(L)を100mm以上500mm以下とし、さらに糸条走行方向に対する冷却風の上部が高温であり下部が低温である温度勾配とすることを特徴とするポリエステルの溶融紡糸方法および溶融紡糸装置。
【選択図】図1
【解決手段】紡糸口金より紡出されたポリエステル繊維糸条を冷却固化して巻き取るに際して、冷却固化する装置の冷却吹き出し部を環状とするとともに、冷却風を糸条走行方向に対して交わる方向とし、かつ糸条走行方向に対する冷却吹き出し部の冷却長(L)を100mm以上500mm以下とし、さらに糸条走行方向に対する冷却風の上部が高温であり下部が低温である温度勾配とすることを特徴とするポリエステルの溶融紡糸方法および溶融紡糸装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、延伸または延伸仮撚加工が可能な紡糸配向したポリエステル繊維を安定して連続的に製造することができるポリエステルの溶融紡糸方法および溶融紡糸装置に関する。
従来、合成繊維の製造方法において、口金から吐出された糸条に対して安定した冷却を行う方法としては、口金下近傍の雰囲気を閉鎖系にし、気流の乱れを抑制し、合成繊維の冷却を安定にする方法が知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、この方法では、合成繊維を長手方向の繊度斑なく紡糸できるが、図2に示すような冷却方法が糸条を横切るクロスフロー冷却装置3bを用いたものであり、フィラメント数が多い合成繊維においてはフィラメント間で冷却風の当たり方に斑ができるため、均一冷却ができず、長手方向の繊度斑の低下、品質バラツキが大きくなるという課題が残っている。
また、極細合成繊維の製造方法として、口金下近傍の雰囲気を積極的に加熱し、かつ気流の流れを制御する円筒を設置することで、曳糸性が向上する冷却方法が(特許文献2参照)、冷却風の吹き出し速度を変更できる環状チムニーを長手方向に重ね合わせ2段階で冷却することで、多フィラメント極細合成繊維を均一に冷却する方法が(特許文献3参照)知られている。
しかしながら、この方法は、極細合成繊維を長手方向の繊度斑なく安定して紡糸できるが、単糸繊度が太くなると逆に長手方向の繊度斑を悪化させるため汎用性に劣るといった課題が残っている。
また、合成繊維を紡糸する際、環状チムニーと糸条の走行方向と同一方向に発生する随伴気流の2段階の冷却方法を利用することで、均一冷却を行い、かつ生産速度を向上する方法が知られている(特許文献4参照)。
しかしながら、この方法において効果を得るためには合成繊維を7000m/分以上で巻き取る必要があり、かつ紡糸口金より紡出された糸条を集束するまでの距離が長いため、極細合成繊維においては、紡糸張力が増大し、フィラメントが破断してしまい、安定して紡糸できないといった課題が残っている。
また、極細繊維の製造方法として、冷却装置を紡糸口金面に近づけ、かつ、冷却風を糸条走行方向の直角方向から下向きに傾斜して吹き出すことで紡糸口金面の温度低下を抑制する方法が知られている(特許文献5参照)。
しかしながら、この方法は、単一成分ポリマに比べタフネスの低い共重合ポリマを用いた場合、非常にタフネスの低い合成繊維となってしまい、脆い織編物になってしまうといった課題が残っている。
特開昭61−201006号公報
特開平6−17304号公報
特開2003−253522号公報
特開2001−81625号公報
特開2004−300614号公報
本発明の目的は、上記した問題点を解決し、ポリエステル繊維を製造するに際し、溶融紡糸された糸条が均一で、かつ安定した冷却を可能にし、さらにポリエステル繊維のタフネス向上を可能にするポリエステルの溶融紡糸方法および溶融紡糸装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を採用する。すなわち、
(1)紡糸口金より紡出されたポリエステル繊維糸条を冷却固化して巻き取るに際して、冷却固化する装置の冷却吹き出し部を環状とするとともに、冷却風を糸条走行方向に対して交わる方向とし、かつ糸条走行方向に対する冷却吹き出し部の冷却長(L)を100mm以上500mm以下とし、さらに糸条走行方向に対する冷却風の上部が高温であり下部が低温である温度勾配とすることを特徴とするポリエステルの溶融紡糸方法。
(1)紡糸口金より紡出されたポリエステル繊維糸条を冷却固化して巻き取るに際して、冷却固化する装置の冷却吹き出し部を環状とするとともに、冷却風を糸条走行方向に対して交わる方向とし、かつ糸条走行方向に対する冷却吹き出し部の冷却長(L)を100mm以上500mm以下とし、さらに糸条走行方向に対する冷却風の上部が高温であり下部が低温である温度勾配とすることを特徴とするポリエステルの溶融紡糸方法。
(2)冷却風の上部が50℃以上溶融温度(Tm)−10℃以下であり、下部が50℃以下であることを特徴とする前記(1)に記載のポリエステルの溶融紡糸方法。
(3)紡糸口金より紡出されたポリエステル繊維糸条を冷却固化するための環状冷却装置と、糸条を引き取るための引取ローラーと、糸条を巻き取るための巻取装置を備え、上記環状冷却装置は、冷却風調節装置により任意の風量に調整した冷却風を糸条の走行方向に対して交わる方向に吹き出すための冷却風吹き出し部を有するポリエステル溶融紡糸装置において、前記冷却装置に、冷却風の上部が高温であり下部が低温である温度勾配とするための糸条の走行方向に対する冷却風の温度制御が可能な加熱装置が設けられていることを特徴とするポリエステルの溶融紡糸装置。
本発明によれば、上記のように環状であり、冷却風の方向性と温度を特定したポリエステル繊維を冷却固化する装置を用いるだけで溶融紡糸された糸条の、均一で、かつ安定した冷却を行うことができ、さらにはポリエステル繊維のタフネスを向上させることができる。
また、本発明のポリエステル繊維の溶融紡糸方法は冷却装置を環状とすることで、冷却風がフィラメント数に関係なく、各糸条と冷却風の位置が一定範囲内にあり、均一に冷却でき、かつ冷却風の温度を高くすることで高分子の配向を抑制した延伸または延伸仮撚加工が可能な紡糸配向したポリエステル繊維が得られ、しかも高倍率で延伸することが可能であり、ポリエステル繊維のタフネスを向上させることができるため、高分子の配向が高く高倍率で延伸できずタフネス不足が生じる極細ポリエステル繊維やホモポリマを用いたポリエステル繊維に比べタフネスが低い共重合ポリマを用いたポリエステル繊維を紡糸する場合に特に好適である。
本発明のポリエステル繊維を均一に冷却する溶融紡糸方法は、冷却吹き出し部が環状であり、冷却風がポリエステル繊維の糸条走行方向に対して交わる方向に吹き出すようにすることが重要である。糸条走行方向に対して交わる方向とは、冷却風の吹き出し方向(A)と糸条走行方向(B)の成す角(θ)が60度以上95度以下の範囲にあることが好ましい。冷却風の吹き出し方向(A)と糸条走行方向(B)の成す角(θ)が60度より小さい場合、ポリエステル繊維の繊維群において冷却風に近い側と遠い側とで冷却斑が発生し、ポリエステル繊維の長手方向に繊度斑が生じる。また、冷却風の吹き出し方向(A)と糸条走行方向(B)の成す角(θ)が95度を超えると、吹き出された冷却風が口金面に流入し、効果が損なわれる傾向を示す。より好ましくは70度以上85度以下である。
本発明の冷却風の糸条走行方向に対する冷却吹き出し部の冷却長(L)は100mm以上500mm以下のものとする。冷却長(L)が100mmより短い場合、冷却が不十分になり、ポリエステル繊維の長手方向に繊度斑が生じる。また、冷却長(L)が500mmを超えると、紡糸口金より紡出されたポリエステル繊維糸条が冷却固化した後に発生する随伴気流が外乱となり、糸条の揺れを引き起こし、ポリエステル繊維の長手方向に繊度斑を生じる。好ましくは120mm以上450mm以下である。
また、本発明の冷却風は上部が高温であり、下部が低温である温度勾配をもつことが重要である。ここでいう、上部とは冷却風の吹き出しが紡糸口金に近い部分のことをいい、下部とは上部より下の部分をいう。上部と下部は冷却長(L)の二等分で区分することが好ましいが、等分でなくともよい。冷却風の上部が低温の場合、均一冷却は可能であるが、徐冷ができずにタフネス向上は得られず、下部が高温の場合、ポリエステル繊維の冷却が不十分となるため、長手方向の繊度斑が生じるようになってしまう。好ましくは上部の冷却風が50℃以上であり、かつポリマ溶融温度(Tm)−10℃以下であり、下部が50℃以下である。上部の冷却風がポリマ溶融温度(Tm)−10℃を超えると徐冷によるタフネス向上は得られるが、単糸間の干渉による製糸性不調や均一冷却ができず、長手方向の繊度斑が生じやすくなる。より好ましくは上部の冷却風が50℃以上240℃以下である。下部の冷却風は低すぎると上部の加熱に影響を与える傾向があるので、好ましくは20℃以上50℃以下である。
本発明の溶融紡糸装置の冷却風は整流されることが好ましい。例えば、表面に凹凸のあるリボンを螺旋状に巻いて円筒状に熱硬化形成した多孔性部材を用いることにより冷却風を整流する方法があるが、冷却風が整流されるのであれば、特に限定するものではない。
本発明の溶融紡糸装置より吹き出される冷却風の風速は、0.1m/秒から0.3m/秒程度であることが好ましく、紡糸された糸条の最外周と冷却風吹き出し部上端部との水平距離(C)は5から20mm程度とすることが好ましい。冷却風の風速が0.1m/秒未満では、糸条の冷却が不足し、製糸性が悪化し、また、0.3m/秒を超えると糸揺れが発生し、効果が損なわれる傾向を示す。また、糸条の最外周と冷却風吹き出し部上端部との水平距離(C)が5mm未満では、冷却風吹き出し部と糸条が接触し、糸切れを発生する問題があり、また、20mmを超えると、糸条の冷却が不足し効果が損なわれ、製糸性が悪化する傾向を示す。
本発明の溶融紡糸装置の紡糸口金面と冷却風吹き出し部上端部との距離Hは10mmから80mmに設定することが好ましい。紡糸口金面と冷却風吹き出し上端部との距離Hが10mm未満では、紡糸口金の温度低下が見られる場合があり、また、80mmを超えると、ポリエステル繊維の長手方向の繊度斑や製糸性の悪化が起こる場合があるが、紡糸するポリエステル繊維、単糸繊度、フィラメント数、ポリマの種類に応じて適宜選択すればよい。
本発明のポリエステル繊維は、溶融紡糸できるポリエステル繊維であれば、特に限定されるものではない。例えば、顔料、染料、艶消し剤、防汚剤、蛍光増白剤、難燃剤、安定剤、紫外線吸収剤、滑剤等を含んでもよい。
本発明で用いられるポリエステル繊維は、単一成分で構成しても、複数成分で構成してもよく、複数成分の場合には、例えば、芯鞘、サイドバイサイド等の構成が挙げられる。また、繊維の断面形状は、丸、三角、扁平等の異形状や中空であってもよい。
本発明において対象とするポリエステル繊維、単繊維繊度、フィラメント数は、目的に応じて適宜選択される。
以下、本発明の溶融紡糸装置の一実施例について、図1を参照して詳細に説明する。図1は、本発明のポリエステル繊維溶融紡糸方法の一実施態様を示す概略工程図である。図1において、溶融紡糸装置は、紡糸パック1、環状冷却装置3a、給油ガイド10、引取ローラー12、13および巻取装置14を備えている。紡糸パック1は紡糸口金2を有しており、紡糸口金2の吐出孔より紡出された糸条8は、環状冷却装置3aから吹き出される冷却風で冷却され、給油ガイド10で油剤を付与された後、インターレースノズル11で交絡を付与される。その後、引取ローラー12、13で引き取られ、巻取装置14で巻き取られる。上述装置において、本発明における環状冷却装置3aは、冷却風吹き出し部6を有しており、図示しない温調器より供給された冷却風を冷却風調節装置4で任意の風量に調整し、加熱装置9により加熱された環状冷却装置3aを通過することで冷却風を加熱し、冷却風吹き出し部6で整流して糸条8の走行方向に対して交わる方向に吹き付けるようになっている。
冷却風吹き出し部6の冷却長(L)を二等分し紡糸口金に近い方を上部とし、もう一方を下部と区分し、上部は加熱装置9により任意の温度に加熱された流路を冷却風が通過することで冷却風が加熱されるため、冷却風吹き出し部6の上端部の冷却風が最高温度となり、加熱装置9により任意の温度に加熱された流路を通過しない冷却風吹き出し部6の下端部が最低温度となるため、上部と下部で温度勾配と持たせることができ、かつ加熱装置9の温度制御により冷却風の温度制御が可能になっている。
環状冷却装置3aは冷却風をより均一に糸条8に吹き付けることを目的としたドーナツ状の板に円形の穴の開いたパンチングプレート7を上部に有し、冷却風吹き出し部6と仕切られている均圧室5を有する構造が好ましい。
ここで、使用するパンチングプレート7の開孔は、均圧性の面から、全面に均一に開孔していることが好ましく、開孔率は30〜60%が好ましい。
以下、ポリエステルマルチフィラメントを例に取り、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。実施例中に使用した各特性値は次の測定方法により求めた。
[溶融温度(Tm)]
ポリマを10mg精秤し、アルミニウム製オープンパンおよびパンカバーを用いて封入し、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製、DSC7型)を用いて、窒素気流下、20℃から285℃まで16℃/分で昇温させ、その途中で観察される吸熱ピークの温度を溶融温度(Tm)とした。
[強度・伸度・タフネス]
ORIENTEC社のTENSILON RTC−1210Aを用い、試長200mm、引張速度200mm/分で測定し、次式より求めた強伸度積を用いタフネスを評価し、冷風を用いた環状チムニーの強伸度積に対して、「+3.5以上」の差を○○、「+2.5以上+3.5未満」の差を○、「+1.0以上+2.5未満」の差を△、「+1.0以下」の差を×として評価した。
[溶融温度(Tm)]
ポリマを10mg精秤し、アルミニウム製オープンパンおよびパンカバーを用いて封入し、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製、DSC7型)を用いて、窒素気流下、20℃から285℃まで16℃/分で昇温させ、その途中で観察される吸熱ピークの温度を溶融温度(Tm)とした。
[強度・伸度・タフネス]
ORIENTEC社のTENSILON RTC−1210Aを用い、試長200mm、引張速度200mm/分で測定し、次式より求めた強伸度積を用いタフネスを評価し、冷風を用いた環状チムニーの強伸度積に対して、「+3.5以上」の差を○○、「+2.5以上+3.5未満」の差を○、「+1.0以上+2.5未満」の差を△、「+1.0以下」の差を×として評価した。
なお、実施例のタフネス評価は比較例2の強伸度積の差より評価した。
強伸度積=強度(cN/dtex)×(伸度(%))1/2
[ウスター斑(繊度斑)]
ZELLWEGER USTER社のUSTER TESTER UT−4を用い、糸速100m/分、給糸張力1/30g/dtex、S撚り、ツイスター回転数8000rpmで5分間測定し、HInertで評価し、U%(H)「0.5未満」を○○、「0.5以上1.0未満」を○、「1.0以上1.5未満」を△、「1.5以上」を×として評価した。
[製糸性]
36錘紡糸で、24時間の紡糸を行い、この間の糸切れ回数評価を実施し、「1回未満」を○○、「1回以上2回未満」を○、「2回以上3回未満」を△、「3回以上」を×として評価した。
[ウスター斑(繊度斑)]
ZELLWEGER USTER社のUSTER TESTER UT−4を用い、糸速100m/分、給糸張力1/30g/dtex、S撚り、ツイスター回転数8000rpmで5分間測定し、HInertで評価し、U%(H)「0.5未満」を○○、「0.5以上1.0未満」を○、「1.0以上1.5未満」を△、「1.5以上」を×として評価した。
[製糸性]
36錘紡糸で、24時間の紡糸を行い、この間の糸切れ回数評価を実施し、「1回未満」を○○、「1回以上2回未満」を○、「2回以上3回未満」を△、「3回以上」を×として評価した。
実施例1〜3および比較例1〜6
溶融温度(Tm)255℃のポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸し、それぞれ冷却装置、冷却長(L)、上部および下部の冷却風の温度、冷却風の成す角(θ)を異ならせるように、紡糸速度2900m/分で引き取った後、延伸倍率1.72で延伸した。得られた延伸糸特性を表1に示す。
溶融温度(Tm)255℃のポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸し、それぞれ冷却装置、冷却長(L)、上部および下部の冷却風の温度、冷却風の成す角(θ)を異ならせるように、紡糸速度2900m/分で引き取った後、延伸倍率1.72で延伸した。得られた延伸糸特性を表1に示す。
実施例1〜3は本発明に適した冷却装置、冷却長(L)、上部および下部の冷却風の温度、冷却風の成す角(θ)であり、タフネス、U%、製糸性ともに非常に優れていた。
比較例1は本冷却装置が異なるため、U%が劣るものであった。
比較例2は本発明に適した冷却装置、冷却長(L)、冷却風の成す角であったが、上部および下部の冷却風の温度勾配がないため、タフネス向上が得られないものであった。
比較例3は本発明に適した冷却装置、冷却長(L)、上部および下部の冷却風の温度であったが、冷却風の成す角(θ)が小さい過ぎるため、タフネス向上がやや劣り、U%および製糸性が劣るものであった。
比較例4は本発明に適した冷却装置、冷却長(L)、上部および下部の冷却風の温度であったが、冷却風の成す角(θ)が大き過ぎるため、タフネス、U%および製糸性が劣るものであった。
比較例5は本発明に適した冷却装置、上部および下部の冷却風の温度、冷却風の成す角(θ)であったが、冷却長(L)が短いため、タフネスが劣り、U%が劣るものであった。
比較例6は本発明に適した冷却装置、上部および下部の冷却風の温度、冷却風の成す角(θ)であったが、冷却長(L)が長いため、U%、製糸性が劣るものであった。
実施例4〜11
溶融温度(Tm)255℃のポリエチレンテレフタレートを環状冷却装置により溶融紡糸し、フィラメント数、冷却風の成す角(θ)および冷却風の温度をそれぞれ異ならせるように、紡糸速度3100m/minで引き取った後、延伸速度1.55で延伸した。得られた延伸糸特性を表2に示す。
溶融温度(Tm)255℃のポリエチレンテレフタレートを環状冷却装置により溶融紡糸し、フィラメント数、冷却風の成す角(θ)および冷却風の温度をそれぞれ異ならせるように、紡糸速度3100m/minで引き取った後、延伸速度1.55で延伸した。得られた延伸糸特性を表2に示す。
実施例4は本発明に適した冷却装置、冷却長(L)、冷却風の成す角(θ)であったが、上部の冷却風の温度がやや低いため、タフネスがやや劣るものであった。
実施例5は本発明に適した冷却装置、冷却長(L)、冷却風の成す角(θ)であったが、上部冷却風の温度がやや高いため、タフネスがやや劣るものであった。
実施例6は本発明に適した冷却装置、冷却長(L)、上部および下部の冷却風の温度であったが、冷却風の成す角(θ)がやや大きいため、タフネスがやや劣るものであった。
実施例7は本発明に適した冷却装置、冷却長(L)、上部および下部の冷却風の温度であったが、冷却風の成す角(θ)がやや小さいため、U%がやや劣るものであった。
実施例8は本発明に適した冷却装置、冷却風の成す角(θ)、上部および下部の冷却風の温度であったが、冷却長(L)がやや短いため、U%がやや劣るものであった。
実施例9は本発明に適した冷却装置、冷却風の成す角(θ)、上部および下部の冷却風の温度であったが、冷却長(L)がやや長いため、U%がやや劣るものであった。
実施例10、11は本発明に適した冷却装置、冷却長(L)、上部および下部の冷却風の温度、冷却風の成す角(θ)であったので、タフネス、U%が非常に優れ、操業性に優れているものであった。
1:紡糸パック
2:紡糸口金
3a:環状冷却装置
3b:クロスフロー冷却装置
4:冷却風調整装置
5:均圧室
6:冷却風吹き出し部
7:パンチングプレート
8:糸条
9:加熱装置
10:給油ガイド
11:インターレースノズル
12、13:引取ローラー
14:巻取装置
2:紡糸口金
3a:環状冷却装置
3b:クロスフロー冷却装置
4:冷却風調整装置
5:均圧室
6:冷却風吹き出し部
7:パンチングプレート
8:糸条
9:加熱装置
10:給油ガイド
11:インターレースノズル
12、13:引取ローラー
14:巻取装置
Claims (3)
- 紡糸口金より紡出されたポリエステル繊維糸条を冷却固化して巻き取るに際して、冷却固化する装置の冷却吹き出し部を環状とするとともに、冷却風を糸条走行方向に対して交わる方向とし、かつ糸条走行方向に対する冷却吹き出し部の冷却長(L)を100mm以上500mm以下とし、さらに糸条走行方向に対する冷却風の上部が高温であり下部が低温である温度勾配とすることを特徴とするポリエステルの溶融紡糸方法。
- 冷却風の上部が50℃以上溶融温度(Tm)−10℃以下であり、下部が50℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステルの溶融紡糸方法。
- 紡糸口金より紡出されたポリエステル繊維糸条を冷却固化するための環状冷却装置と、糸条を引き取るための引取ローラーと、糸条を巻き取るための巻取装置を備え、上記環状冷却装置は、冷却風調節装置により任意の風量に調整した冷却風を糸条の走行方向に対して交わる方向に吹き出すための冷却風吹き出し部を有するポリエステル溶融紡糸装置において、前記冷却装置に、冷却風の上部が高温であり下部が低温である温度勾配とするための糸条の走行方向に対する冷却風の温度制御が可能な加熱装置が設けられていることを特徴とするポリエステルの溶融紡糸装置。
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