JP2007284546A - 熱硬化性樹脂組成物及び反射防止膜 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物及び反射防止膜 Download PDF

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健介 宮尾
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高弘 川合
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光伸 土居本
Takao Yashiro
隆郎 八代
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英明 高瀬
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Abstract

【課題】透明性が高く、屈折率が低く、しかも優れた耐擦傷性及び耐汚染性を有する硬化膜を与える熱硬化性樹脂組成物及び反射防止膜を提供する。
【解決手段】下記成分(A)〜(C):(A)水酸基を含有する単量体由来の構造単位を10モル%〜50モル%含有してなり、かつ主鎖中にポリシロキサンセグメントを有するフッ素含有オレフィン系重合体、(B)中空粒子、及び(C)架橋性化合物を含有する熱硬化性樹脂組成物。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物に関し、特に、高い透明性と低い屈折率及び良好な反射防止特性を有する硬化膜を形成する熱硬化性樹脂組成物及び反射防止膜に関する。
現在、マルチメディアの発達に伴い、各種の表示装置(ディスプレイ装置)において種々の発展が見られている。そして、各種の表示装置のうち、特に、携帯用を中心に屋外で使用されるものでは、その視認性の向上がますます重要となってきており、大型表示装置においても、より見易くすることが需要者に要求されており、この事項がそのまま技術課題となっている。
従来、表示装置の視認性を向上させるための一手段として、低屈折率材料から構成される反射防止膜を、表示装置の基板に被覆することが行われており、反射防止膜を形成する方法としては、例えば、フッ素化合物の薄膜を蒸着法により形成する方法が知られている。然るに、近年では、液晶表示装置を中心として、低いコストで、しかも大型の表示装置に対しても、反射防止膜を形成することのできる技術が求められている。しかしながら、蒸着法による場合には、大面積の基板に対して、高い効率で均一な反射防止膜を形成することが困難であり、しかも真空装置を必要とするために、コストを低くすることが困難である。
このような事情から、屈折率の低いフッ素系重合体を有機溶剤に溶解して液状の組成物を調製し、これを基板の表面に塗布することによって反射防止膜を形成する方法が検討されている。例えば、基板の表面にフッ素化アルキルシランを塗布することが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。また、特定の構造を有するフッ素系重合体を塗布する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
液晶表示パネル、冷陰極線管パネル、プラズマディスプレー等の各種表示パネルにおいては、付着した指紋、埃等を除去するため表面をエタノール等を含侵したガーゼで拭くことが多く、耐擦傷性が求められている。
さらに、より低屈折率の硬化膜を与える硬化性樹脂組成物が求められている。
特開昭61−40845号公報 特公平6−98703号公報 特開平6−115023号公報
従来のフッ素系材料による反射防止膜は、基材との密着が十分ではなく、特に、繰り返し擦過を受けた場合に、当該反射防止膜層が剥がれてしまう、加えて液晶ディスプレイ等の反射防止膜表面に空気中のゴミ、埃が付着し、視認性を低下させるという問題を有している。
本発明は、以上のような状況を背景としてなされたものであって、その目的は、透明性が高く、屈折率が低く、基材に対する密着性が大きく、しかも優れた耐擦傷性及び埃拭き取り性を有する硬化膜を形成することができる熱硬化性樹脂組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、透明性が高く、基材に対する密着性が大きく、しかも優れた耐擦傷性及び埃拭き取り性を有する反射防止膜を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を行い、特定構造を有するフッ素含有オレフィン系重合体と、中空の粒子成分を含有させた樹脂組成物を硬化させることにより、屈折率が低く、耐擦傷性に優れた硬化膜が得られることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は下記の熱硬化性樹脂組成物、硬化物及び反射防止膜を提供する。
1.下記成分(A)〜(C):
(A)水酸基を含有する単量体由来の構造単位を10モル%〜50モル%含有してなり、かつ主鎖中にポリシロキサンセグメントを有するフッ素含有オレフィン系重合体
(B)中空粒子
(C)架橋性化合物
を含有する熱硬化性樹脂組成物。
2.前記成分(A)のフッ素含量が30重量%以上であり、ポリスチレン換算による数平均分子量が5000以上である上記1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
3.前記成分(A)が、さらに反応性乳化剤由来の構造単位を0モル%〜10モル%含有する上記1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
4.前記成分(B)が、シリカを主成分とする粒子である上記1〜3のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
5.前記成分(B)の数平均粒径が1〜200nmの範囲内である上記1〜4のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
6.前記成分(B)の屈折率が1.35以下である上記1〜5のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
7.(C)架橋性化合物が、下記一般式(Cp−1)又は(Cp−2)で示される構造を有する化合物である上記1〜6のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
Figure 2007284546
[式(Cp−1)及び(Cp−2)中、R25、R27、R29はメチレン基又は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、R26、R28、R30は水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。]
8.(C)架橋性化合物がアルコキシアルキル化メラミン化合物である上記1〜7のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
9.さらに、(D)酸触媒を含有する上記1〜8のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
10.さらに、(E)有機溶剤を含有する上記1〜9のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
11.反射防止膜用材料である上記1〜10のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
12.上記1〜11のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させて得られる硬化物。
13.上記12に記載の硬化物からなる低屈折率層を有する反射防止膜。
本発明によれば、透明性が高く、屈折率が低く、基材に対する密着性が大きく、しかも優れた耐擦傷性及び埃拭き取り性を有する硬化膜を形成することができる熱硬化性樹脂組成物を提供することができる。
本発明によれば、透明性が高く、基材に対する密着性が大きく、しかも優れた耐擦傷性及び埃拭き取り性を有する反射防止膜を提供することができる。
I.硬化性樹脂組成物
本発明の熱硬化性樹脂組成物(以下、本発明の組成物という)は、下記成分(A)〜(F)を含有する。下記成分のうち、成分(A)及び(B)は必須成分であり、成分(C)〜(F)は、必要に応じて配合される任意添加成分である。
(A)水酸基を含有する単量体由来の構造単位を10モル%〜50モル%含有してなり、かつ主鎖中にポリシロキサンセグメントを有するフッ素含有オレフィン系重合体
(B)中空粒子
(C)架橋性化合物
(D)酸触媒
(E)有機溶剤
(F)添加剤
各成分について以下説明する。
(A)水酸基を含有する単量体由来の構造単位を10モル%〜50モル%含有してなり、かつ主鎖中にポリシロキサンセグメントを有するフッ素含有オレフィン系重合体
本発明で用いる成分(A)のフッ素含有オレフィン系重合体は、水酸基を含有し、かつ主鎖中にポリシロキサンセグメントを有する。成分(A)を、以下、「水酸基含有含フッ素重合体」という。
水酸基含有含フッ素重合体は、好ましくは、下記構造単位(a)と、(b−1)及び/又は(b−2)と、(c)とを含んでなる。
(a)下記式(1)で表される構造単位。
(b−1)下記式(2−1)で表される構造単位。
(b−2)下記式(2−2)で表される構造単位。
(c)下記式(3)で表される構造単位。
Figure 2007284546
[式(1)中、R1はフッ素原子、フルオロアルキル基又は−OR2で表される基(R2はアルキル基又はフルオロアルキル基を示す)を示す]
Figure 2007284546
[式(2−1)中、R3は水素原子又はメチル基を、R4はアルキル基、−(CH2)−OR5若しくは−OCOR5で表される基(R5はアルキル基又はグリシジル基を、nは0又は1の数を示す)、カルボキシル基又はアルコキシカルボニル基を示す]
Figure 2007284546
[式中、Rは式(2−1)で定義した通りであり、R24はフロロアルキル基を示し、xは0〜2の数を示す]
Figure 2007284546
[式(3)中、R6は水素原子又はメチル基を、R7は水素原子又はヒドロキシアルキル基を、vは0又は1の数を示す]
(i)構造単位(a)
上記式(1)において、R1及びR2のフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロシクロヘキシル基等の炭素数1〜6のフルオロアルキル基が挙げられる。また、R2のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
構造単位(a)は、含フッ素ビニル単量体を重合成分として用いることにより導入することができる。このような含フッ素ビニル単量体としては、少なくとも1個の重合性不飽和二重結合と、少なくとも1個のフッ素原子とを有する化合物であれば特に制限されるものではない。このような例としてはテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン等のフルオロレフィン類;アルキルパーフルオロビニルエーテル又はアルコキシアルキルパーフルオロビニルエーテル類;パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、(プロピルビニルエーテル)、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)、パーフルオロ(イソブチルビニルエーテル)等のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類;パーフルオロ(プロポキシプロピルビニルエーテル)等のパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)類の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
これらの中でも、ヘキサフルオロプロピレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)又はパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)がより好ましく、これらを組み合わせて用いることがさらに好ましい。
尚、構造単位(a)の含有率は、構造単位(a)と、(b−1)及び/又は(b−2)と、(c)との合計を100モル%としたときに、30〜65モル%である。この理由は、含有率が30モル%未満になると、本願が意図するところのフッ素含有材料の光学的特徴である、低屈折率の発現が困難となる場合があるためであり、一方、含有率が65モル%を超えると、水酸基含有含フッ素重合体の有機溶剤への溶解性、透明性、又は基材への密着性が低下する場合があるためである。
また、このような理由により、構造単位(a)の含有率を、構造単位(a)と、(b−1)及び/又は(b−2)と、(c)との合計を100モル%としたときに、35〜60モル%とするのがより好ましく、40〜55モル%とするのがさらに好ましい。
(ii)構造単位(b−1)
式(2−1)において、R4又はR5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ラウリル基等の炭素数1〜12のアルキル基が挙げられ、アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられる。
構造単位(b−1)は、上述の置換基を有するビニル単量体を重合成分として用いることにより導入することができる。このようなビニル単量体の例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル若しくはシクロアルキルビニルエーテル類;エチルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル等のアリルエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(n−プロポキシ)エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
(iii)構造単位(b−2)
また、本発明の共重合体において構造単位(b−1)と共に、又は(b−1)の代わりに構造単位(b−2)を用いることができる。構造単位(b−2)は、式(2−2)で示されるビニル単量体を重合成分として用いることにより導入することができる。このようなビニル単量体の具体例としては、以下の構造式を有するものが挙げられる。
Figure 2007284546
(式中、R20は水素原子又はメチル基であり、xは0〜2の数を表す。また、上記式中、芳香環の中にFと記した基は、5つの水素の全てがフッ素原子で置換されていることを示す。)
尚、構造単位(b−1)及び/又は(b−2)の含有率は、構造単位(a)と、(b−1)及び/又は(b−2)と、(c)との合計を100モル%としたときに、1〜50モル%である。この理由は、含有率が1モル%未満になると、水酸基含有含フッ素共重合体の有機溶剤への溶解性が低下する場合があるためであり、一方、含有率が50モル%を超えると、水酸基含有含フッ素共重合体の透明性、及び低反射率性等の光学特性が低下する場合があるためである。
また、このような理由により、構造単位(b−1)及び(b−2)の含有率を、構造単位(a)と、(b−1)及び/又は(b−2)と、(c)との合計を100モル%としたときに、1〜45モル%とすることがより好ましい。また、上記に示した(b−1)及び/又は(b−2)の含有率とは、構造単位(b−1)又は(b−2)が単独で用いられた場合には、構造単位(b−1)又は(b−2)のいずれかの含有率を意味し、構造単位(b−1)と(b−2)を併用した場合には、両者の合計の含有率を意味する。
(iv)構造単位(c)
式(3)において、R7のヒドロキシアルキル基としては、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、5−ヒドロキシペンチル基、6−ヒドロキシヘキシル基が挙げられる。
構造単位(c)は、水酸基含有ビニル単量体を重合成分として用いることにより導入することができる。このような水酸基含有ビニル単量体の例としては、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル等の水酸基含有ビニルエーテル類、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル等の水酸基含有アリルエーテル類、アリルアルコール等が挙げられる。
また、水酸基含有ビニル単量体としては、上記以外にも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等を用いることができる。
尚、構造単位(c)の含有率を、構造単位(a)と、(b−1)及び/又は(b−2)と、(c)との合計を100モル%としたときに、5〜60モル%とすることが好ましい。この理由は、含有率が5モル%未満になると、フッ素重合体の水酸基含有量が低下し、硬化塗膜の十分な硬度が得られない場合があるためであり、一方、含有率が60モル%を超えると、水酸基含有含フッ素重合体の透明性、及び低反射率性等の光学特性が低下する場合があるためである。
また、このような理由により、構造単位(c)の含有率を、構造単位(a)と、(b−1)及び/又は(b−2)と、(c)との合計を100モル%としたときに、5〜55モル%とするのがより好ましく、10〜50モル%とするのがさらに好ましい。
(v)構造単位(d)及び構造単位(e)
水酸基含有含フッ素重合体は、さらに下記構造単位(d)を含んで構成することも好ましい。
(d)下記式(4)で表される構造単位。
Figure 2007284546
[式(4)中、R8及びR9は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基又はアリール基を示す]
式(4)において、R8又はR9のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基が、ハロゲン化アルキル基としてはトリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基等の炭素数1〜4のフルオロアルキル基等が、アリール基としてはフェニル基、ベンジル基、ナフチル基等がそれぞれ挙げられる。
構造単位(d)は、前記式(4)で表されるポリシロキサンセグメントを有するアゾ基含有ポリシロキサン化合物を用いることにより導入することができる。このようなアゾ基含有ポリシロキサン化合物の例としては、下記式(5)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007284546
[式(5)中、R10〜R13は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基又はシアノ基を示し、R14〜R17は、同一でも異なっていてもよく、水素原子又はアルキル基を示し、p、qは1〜6の数、s、tは0〜6の数、yは1〜200の数、zは1〜20の数を示す。]
式(5)で表される化合物を用いた場合には、構造単位(d)は、構造単位(e)の一部として水酸基含有含フッ素重合体に含まれる。
(e)下記式(6)で表される構造単位。
Figure 2007284546
[式(6)中、R10〜R13、R14〜R17、p、q、s、t及びyは、上記式(5)と同じである。]
式(5),(6)において、R10〜R13のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜12のアルキル基が挙げられ、R14〜R17のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基が挙げられる。
本発明において、上記式(5)で表されるアゾ基含有ポリシロキサン化合物としては、下記式(7)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 2007284546
[式(7)中、y及びzは、上記式(5)と同じである。]
尚、構造単位(d)の含有率を、構造単位(a)と、(b−1)及び/又は(b−2)と、(c)との合計100モル部に対して、0.1〜10モル部とすることが好ましい。この理由は、含有率が0.1モル部未満になると、硬化後の塗膜の表面滑り性が低下し、塗膜の耐擦傷性が低下する場合があるためであり、一方、含有率が10モル部を超えると、水酸基含有含フッ素重合体の透明性に劣り、コート材として使用する際に、塗布時にハジキ等が発生し易くなる場合があるためである。
また、このような理由により、構造単位(d)の含有率を、構造単位(a)と、(b−1)及び/又は(b−2)と、(c)との合計100モル部に対して、0.1〜5モル部とするのがより好ましく、0.1〜3モル部とするのがさらに好ましい。同じ理由により、構造単位(e)の含有率は、その中に含まれる構造単位(d)の含有率を上記範囲にするよう決定することが望ましい。
(vi)構造単位(f)
水酸基含有含フッ素重合体は、さらに下記構造単位(f)を含んで構成することも好ましい。
(f)下記式(8)で表される構造単位。
Figure 2007284546
[式(8)中、R18は乳化作用を有する基を示す]
式(8)において、R18の乳化作用を有する基としては、疎水性基及び親水性基の双方を有し、かつ、親水性基がポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等のポリエーテル構造である基が好ましい。具体的には旭電化工業製アデカリアソープNE−30、ER−30等が挙げられる。
尚、構造単位(f)の含有率を、構造単位(a)と、(b−1)及び/又は(b−2)と、(c)との合計100モル部に対して、0.1〜5モル部とすることが好ましい。この理由は、含有率が0.1モル部以上になると、水酸基含有含フッ素重合体の溶剤への溶解性が向上し、一方、含有率が5モル部以内であれば、本発明の組成物の粘着性が過度に増加せず、取り扱いが容易になり、コート材等に用いても耐湿性が低下しないためである。
また、このような理由により、構造単位(f)の含有率を、構造単位(a)と、(b−1)及び/又は(b−2)と、(c)との合計100モル部に対して、0.1〜3モル部とするのがより好ましく、0.2〜3モル部とするのがさらに好ましい。
(vi)分子量
水酸基含有含フッ素重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで、テトラヒドロフランを溶剤として測定したポリスチレン換算数平均分子量が5,000〜500,000であることが好ましい。この理由は、数平均分子量が5,000未満になると、水酸基含有含フッ素重合体の機械的強度が低下する場合があるためであり、一方、数平均分子量が500,000を超えると、後述する本発明の組成物の粘度が高くなり、薄膜コーティングが困難となる場合があるためである。
また、このような理由により、水酸基含有含フッ素重合体のポリスチレン換算数平均分子量を10,000〜300,000とするのがより好ましく、10,000〜100,000とするのがさらに好ましい。
(c)成分と併用することができるラジカル重合開始剤としては、例えば、(1)アセチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;(2)メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;(3)過酸化水素、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;(4)ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類;(5)tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレート等のパーオキシエステル類;(6)アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等のアゾ系化合物類;(7)過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩類;その他を挙げることができる。
上記のラジカル重合開始剤以外の具体例としては、例えば、パーフロロエチルアイオダイド、パーフロロプロピルアイオダイド、パーフロロブチルアイオダイド、(パーフロロブチル)エチルアイオダイド、パーフロロヘキシルアイオダイド、2−(パーフロロヘキシル)エチルアイオダイド、パーフロロヘプチルアイオダイド、パーフロロオクチルアイオダイド、2−(パーフロロオクチル)エチルアイオダイド、パーフロロデシルアイオダイド、2−(パーフロロデシル)エチルアイオダイド、ヘプタフロロ−2−ヨードプロパン、パーフロロ−3−メチルブチルアイオダイド、パーフロロ−5−メチルヘキシルアイオダイド、2−(パーフロロ−5−メチルヘキシル)エチルアイオダイド、パーフロロ−7−メチルオクチルアイオダイド、2−(パーフロロ−7−メチルオクチル)エチルアイオダイド、パーフロロ−9−メチルデシルアイオダイド、2−(パーフロロ−9−メチルデシル)エチルアイオダイド、2,2,3,3−テトラフロロプロピルアイオダイド、1H,1H,5H−オクタフロロペンチルアイオダイド、1H,1H,7H−ドデカフロロヘプチルアイオダイド、テトラフロロ−1,2−ジヨードエタン、オクタフロロ−1,4−ジヨードブタン、ドデカフロロ−1,6−ジヨードヘキサン等のヨウ素含有フッ素化合物を挙げることができる。ヨウ素含有フッ素化合物は、単独で、又は上記の有機過酸化物、アゾ系化合物あるいは過硫酸塩と併用することができる。
フッ素含有オレフィン系重合体を製造するための重合様式としては、ラジカル重合開始剤を用いる、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法又は溶液重合法のいずれをも用いることができ、重合操作としても、回分式、半連続式又は連続式の操作等から適宜のものを選択することができる。
フッ素含有オレフィン系重合体を得るための重合反応は、溶剤を用いた溶剤系で行うことが好ましい。ここに、好ましい有機溶剤としては、例えば、(1)酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸セロソルブ等のエステル類;(2)アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;(3)テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類;(4)N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;(5)トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;その他を挙げることができる。さらに必要に応じて、アルコール類、脂肪族炭化水素類等を混合使用することもできる。
上記のようにして得られるフッ素含有オレフィン系重合体は、その重合反応で得られた反応溶液をそのまま本発明の組成物として使用することが可能な場合もあるが、重合反応溶液に対して適宜の後処理を行うことも自由である。この後処理としては、例えば、重合反応溶液を、アルコール等よりなる当該フッ素含有オレフィン系重合体の不溶化溶剤に滴加して当該フッ素含有オレフィン系重合体を凝固させる精製方法に代表される一般的な再沈殿処理を行うことができ、次いで、得られる固形の共重合体を溶剤に溶解させることにより、フッ素含有オレフィン系重合体の溶液を調製することができる。また、重合反応溶液から残留モノマーを除去したものを、そのままフッ素含有オレフィン系重合体の溶液として使用することもできる。
本発明の組成物中における成分(A)の含有量は、有機溶剤を除く組成物全量を100重量%として、通常5〜70重量%である。成分(A)の含有量が5重量%未満であると、
反射率や防汚性が不十分な場合があり、70重量%を超えると、過剰な(A)成分により硬化塗膜の硬度が低下する場合がある。
上記理由から、成分(A)の含有量は、10〜60重量%であることが好ましく、10〜50重量%であることがより好ましい。
(B)中空粒子
成分(B)の中空粒子は、本発明の組成物を硬化させてなる硬化物の耐擦傷性、特にスチールウール耐性を改善する目的で配合する。尚、中空であることにより、得られる硬化物の屈折率をより低くすることができる。
成分(B)の中空粒子としては、本発明の組成物を硬化させてなる硬化膜の屈折率を低くする観点から、中空のシリカを主成分とする粒子(以下、「中空シリカ粒子」又は単に「シリカ粒子」ということがある)が好ましい。
また、シリカ粒子は、表面にシラノール基を有していることにより、熱硬化成分との間で共架橋化することができ、さらに耐擦傷性を向上させることができる点でも好ましい。
尚、本発明でいう「中空粒子」とは、いわゆる粒子内部が空洞になっているもののみならず、気泡状の空洞が多数存在する多孔質のものも含む概念である。
(1)中空シリカ粒子
中空シリカ粒子の形状は、球状に限らず、不定形の粒子であってもよい。粒子の透過型電子顕微鏡で求めた数平均粒子径は、1〜200nmであることが好ましく、5〜100nmであることがより好ましい。中空シリカ粒子は市販品を用いてもよく、例えば、JX1008SIV(イソプロピルアルコールゾル、固形分濃度22%)、JX1009SIV(メチルイソブチルケトンゾル、固形分濃度22%)、JX1010SIV(イソプロピルアルコールゾル、固形分濃度22%)(いずれも触媒化成工業製)が挙げられる。
また、中空シリカ粒子の分散媒は、水あるいは有機溶媒が好ましい。有機溶媒としては、メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ブタノール、エチレングリコールモノプロピルエーテル等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエ−テル類等の有機溶剤を挙げることができ、これらの中で、アルコール類及びケトン類が好ましく、さらに好ましくはケトン類である。これら有機溶剤は、単独で、又は2種以上混合して分散媒として使用することができる。
また、中空シリカ粒子の表面に化学修飾等の表面処理を行ったものを使用することができ、例えば分子中に1以上のアルキル基を有する加水分解性ケイ素化合物又はその加水分解物を含有するもの等を反応させることができる。このような加水分解性ケイ素化合物としては、トリメチルメトキシシラン、トリブチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、1,1,1―トリメトキシ−2,2,2−トリメチル−ジシラン、ヘキサメチル−1,3−ジシロキサン、1,1,1―トリメトキシ−3,3,3−トリメチル−1,3−ジシロキサン、α−トリメチルシリル−ω−ジメチルメトキシシリル−ポリジメチルシロキサン、α−トリメチルシリル−ω−トリメトキシシリル−ポリジメチルシロキサンヘキサメチル−1,3−ジシラザン等を挙げることができる。また、分子中に1以上の反応性基を有する加水分解性ケイ素化合物を使用することもできる。分子中に1以上の反応性基を有する加水分解性ケイ素化合物は、例えば反応性基としてNH基を有するものとして、尿素プロピルトリメトキシシラン、N―(2−アミノエチル)―3―アミノプロピルトリメトキシシラン等、OH基を有するものとして、ビス(2−ヒドロキシエチル)―3アミノトリプロピルメトキシシラン等、イソシアネート基を有するものとして3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等、チオシアネート基を有するものとして3−チオシアネートプロピルトリメトキシシラン等、エポキシ基を有するものとして(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、2−(3,4―エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等、チオール基を有するものとして、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。好ましい化合物として、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。
中空シリカ粒子の表面処理方法
前記の加水分解性ケイ素化合物による中空シリカ粒子の表面処理方法としては特に制限はないが、加水分解性ケイ素化合物と中空シリカ粒子とを混合し、加熱、攪拌処理することにより製造することも可能である。従って、粒子及び加水分解性ケイ素化合物を少なくとも混合する操作を含む方法により表面処理できる。尚、加水分解性ケイ素化合物が有するシラノール基生成部位と、粒子とを効率よく結合させるため、反応は水の存在下で行われることが好ましい。
粒子と加水分解性ケイ素化合物の反応量は、粒子及び加水分解性ケイ素化合物の合計を100重量%として、好ましくは0.01重量%以上であり、さらに好ましくは0.1重量%以上、特に好ましくは1重量%以上である。0.01重量%未満であると、組成物中における粒子の分散性が十分でなく、得られる硬化物の透明性、耐擦傷性が十分でなくなる場合がある。
以下、表面処理方法をさらに詳細に説明する。
表面処理時においてアルコキシシラン化合物の加水分解で消費される水の量は、1分子中のケイ素上のアルコキシ基の少なくとも1個が加水分解される量であればよい。好ましくは加水分解の際に添加、又は存在する水の量は、ケイ素上の全アルコキシ基のモル数に対し3分の1以上であり、さらに好ましくは全アルコキシ基のモル数の2分の1以上である。
表面処理時においては、前記アルコキシシラン化合物を別途加水分解操作に付した後、これと粉体粒子又は粒子の溶剤分散ゾルを混合し、加熱、攪拌操作を行う方法;前記アルコキシシラン化合物の加水分解を粒子の存在下で行う方法;又は、他の成分、例えば、重合開始剤等の存在下、粒子の表面処理を行う方法等を選ぶことができる。この中では、前記アルコキシシラン化合物の加水分解を粒子の存在下で行う方法が好ましい。表面処理時、その温度は、好ましくは0℃以上150℃以下であり、さらに好ましくは20℃以上120℃以下である。また、処理時間は通常5分から24時間の範囲である。
表面処理時において、粉体状の中空シリカ粒子を用いる場合、前記アルコキシシラン化合物との反応を円滑にかつ均一に行わせることを目的として、有機溶剤を添加してもよい。そのような有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類を挙げることができる。中でも、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレンが好ましい。
これらの溶剤の添加量は反応を円滑、均一に行わせる目的に合う限り特に制限はない。
中空シリカ粒子として溶剤分散ゾルを用いる場合、少なくとも、溶剤分散ゾルと前記加水分解性ケイ素化合物とを混合することにより製造することができる。ここで、反応初期の均一性を確保し、反応を円滑に進行させる目的で、水と均一に相溶する有機溶剤を添加してもよい。
また、表面処理時において、反応を促進するため、触媒として酸、塩又は塩基を添加してもよい。
酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸;メタンスルフォン酸、トルエンスルホン酸、フタル酸、マロン酸、蟻酸、酢酸、蓚酸等の有機酸;メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸等の不飽和有機酸を、塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウム塩酸塩、テトラブチルアンモニウム塩酸塩等のアンモニウム塩を、また、塩基としては、例えば、アンモニア水、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジブチルアミン、シクロヘキシルアミン等の1級、2級又は3級脂肪族アミン、ピリジン等の芳香族アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウムヒドロキシド類等を挙げることができる。
これらの中で好ましい例は、酸としては、有機酸、不飽和有機酸、塩基としては3級アミン又は4級アンモニウムヒドロキシドである。これらの酸、塩又は塩基の添加量は、アルコキシシラン化合物100重量部に対して、好ましくは0.001重量部から1.0重量部、さらに好ましくは0.01重量部から0.1重量部である。
また、反応を促進するため、脱水剤を添加することも好ましい。
脱水剤としては、ゼオライト、無水シリカ、無水アルミナ等の無機化合物や、オルト蟻酸メチル、オルト蟻酸エチル、テトラエトキシメタン、テトラブトキシメタン等の有機化合物を用いることができる。中でも、有機化合物が好ましく、オルト蟻酸メチル、オルト蟻酸エチル等のオルトエステル類がさらに好ましい。
尚、粒子に結合したアルコキシシラン化合物の量は、通常、乾燥粉体を空気中で完全に燃焼させた場合の重量減少%の恒量値として、空気中で110℃から800℃までの熱重量分析により求めることができる。
本発明の組成物中における成分(B)の含有量は、有機溶剤を除く組成物全量を100重量%として、通常10〜90重量%である。成分(B)の含有量が10重量%未満であると、低屈折率な塗膜が得られない場合があり、90重量%を超えると粒子に対するバインダー量が低く粒子間の結着力が不十分な場合がある。
上記理由から、成分(B)の含有量は、20〜80重量%であることが好ましく、30〜80重量%であることがより好ましい。
(C)架橋性化合物
本発明の組成物は、実際上、硬化性を有することが必要であり、フッ素含有オレフィン系重合体それ自体が十分な硬化性を有しない場合には、架橋性化合物を配合することにより、必要な硬化性を付与することができ、また硬化特性を改善することができる。
架橋性化合物としては、例えば、各種アミノ化合物や、ペンタエリスリトール、ポリフェノール、グリコール等の各種水酸基含有化合物、その他を挙げることができる。
架橋性化合物として用いられるアミノ化合物は、フッ素含有オレフィン系重合体中に存在する水酸基と反応可能なアミノ基、例えば、ヒドロキシアルキルアミノ基及びアルコキシアルキルアミノ基のいずれか一方又は両方を合計で2個以上含有する化合物であり、具体的には、例えば、メラミン系化合物、尿素系化合物、ベンゾグアナミン系化合物、グリコールウリル系化合物等を挙げることができる。
メラミン系化合物は、一般にトリアジン環に窒素原子が結合した骨格を有する化合物として知られているものであり、具体的には、メラミン、アルキル化メラミン、メチロールメラミン、アルコキシ化メチルメラミン等を挙げることができるが、1分子中にメチロール基及びアルコキシ化メチル基のいずれか一方又は両方を合計で2個以上有するものが好ましい。具体的には、メラミンとホルムアルデヒドとを塩基性条件下で反応させて得られるメチロール化メラミン、アルコキシ化メチルメラミン、又はそれらの誘導体が好ましく、特に本発明の組成物に良好な保存安定性が得られる点、及び良好な反応性が得られる点で、アルコキシ化メチルメラミンが好ましい。架橋性化合物として用いられるメチロール化メラミン及びアルコシ化メチルメラミンには特に制約はなく、例えば、文献「プラスチック材料講座[8]ユリア・メラミン樹脂」(日刊工業新聞社)に記載されている方法で得られる各種の樹脂状物の使用も可能である。
また、尿素系化合物としては、尿素の他、ポリメチロール化尿素その誘導体であるアルコキシ化メチル尿素、ウロン環を有するメチロール化ウロン及びアルコキシ化メチルウロン等を挙げることができる。そして、尿素誘導体等の化合物についても、上記の文献に記載されている各種樹脂状物の使用が可能である。
架橋性化合物としては、下記一般式(Cp−1)又は(Cp−2)で示される構造を有する化合物が好ましい。
Figure 2007284546
式(Cp−1)及び(Cp−2)中、R25、R27、R29はメチレン基又は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、好ましくはメチレン基である。R26、R28、R30は水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、好ましくはメチル基である。
上記一般式(Cp−1)又は(Cp−2)で示される構造を有する化合物の例としては、サイメル300、301、303、350、370、771、325、327、703、712、272、202、207、212、253、254、506、508、1123、1123−10、1128、1170、1172、1141、1125−80、マイコート102、105、106、130(いずれも三井サイテック製)等が挙げられる。
本発明の組成物中における成分(C)の含有量は、有機溶剤を除く組成物全量を100重量%として、通常1〜60重量%である。成分(C)の含有量が1重量%未満では、添加した効果が得られない、即ち、得られる本発明の組成物により形成される薄膜の耐久性が不十分となる場合があり、60重量%を超えると、硬化膜が低屈折率のものとならず、硬化物が脆いものとなる場合がある。
上記の理由から、成分(C)の含有量は、5〜50重量%であることが好ましく、10〜50重量%であることがより好ましい。
また、本発明において(A)成分の水酸基含有フッ素重合体と(C)成分の架橋性化合物とを予め反応させて用いることもできる。例えば、フッ素重合体を溶解させた有機溶剤の溶液に架橋性化合物を添加し、適宜の時間加熱、攪拌等により反応系を均一化させながら行えばよい。この反応のための加熱温度は、好ましくは30〜150℃の範囲であり、さらに好ましくは50〜120℃の範囲である。この加熱温度が30℃未満では、反応の進行が極めて遅く、150℃を超えると、目的とする反応の他に、架橋性化合物中のメチロール基やアルコキシ化メチル基同士の反応による橋掛け反応が生じてゲルが生成するので、好ましくない。反応の進行は、メチロール基又はアルコキシ化メチル基を赤外分光分析等により定量する方法、あるいは溶解している重合体を再沈殿法によって回収して、その増加量を測定することにより、定量的な確認を行うことができる。
また、フッ素含有オレフィン系重合体と架橋性化合物との反応には、有機溶剤、例えば、フッ素含有オレフィン系重合体の製造において用いられる有機溶剤と同じもの用いることが好ましい。本発明においては、このようにして得られる、フッ素含有オレフィン系重合体と架橋性化合物による反応溶液を、そのまま本発明の組成物の溶液として用いることもできるし、必要に応じて各種の添加剤を配合した上で使用することもできる。
(D)酸触媒
酸触媒は、本発明の組成物から形成される硬化膜の硬度及び耐久性の改善を目的として添加される。
本発明の組成物に配合することができる酸触媒は、本発明の組成物の塗膜等を加熱して硬化させる場合に、その加熱条件を、より穏和なものに改善することができる物質である。
本発明で用いることができる酸触媒としては、加熱することによって酸を発生する熱酸発生剤及び放射線を照射することによって酸を発生する感光性酸発生剤が挙げられる。
(iv)熱酸発生剤
熱酸発生剤の具体例としては、例えば、各種脂肪族スルホン酸とその塩、クエン酸、酢酸、マレイン酸等の各種脂肪族カルボン酸とその塩、安息香酸、フタル酸等の各種芳香族カルボン酸とその塩、アルキルベンゼンスルホン酸とそのアンモニウム塩、各種金属塩、リン酸や有機酸のリン酸エステル等を挙げることができる。
(v)感光性酸発生剤
感光性酸発生剤は、本発明の組成物の塗膜に感光性を付与し、例えば、光等の放射線を照射することによって当該塗膜を光硬化させることを可能にする物質である。感光性酸発生剤としては、例えば、(1)ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩等の各種オニウム塩;(2)β−ケトエステル、β−スルホニルスルホンとこれらのα−ジアゾ化合物等のスルホン化合物;(3)アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等のスルホン酸エステル類;(4)下記一般式(11)で示されるスルホンイミド化合物類;(5)下記一般式(12)で示されるジアゾメタン化合物類;その他を挙げることができる。
Figure 2007284546
式中、Xは、アルキレン基、アリレーン基、アルコキシレン基等の2価の基を示し、R19は、アルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基、ハロゲン置換アリール基等の1価の基を示す。
Figure 2007284546
式中、R20及びR21は、互いに同一でも異なってもよく、アルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基、ハロゲン置換アリール基等の1価の基を示す。
熱酸発生剤及び感光性酸発生剤は併用することができ、さらに、それぞれ単独で、又は2種以上を併用することもできる。熱酸発生剤又は感光性酸発生剤は、形成される硬化膜の硬度及び耐久性の改善を目的でされ、特に、本発明の組成物の硬化後の透明性を低下させず、かつその溶液に均一に溶解するものを選択して用いるのが好ましい。
本発明の組成物中における成分(D)の含有量は、有機溶剤を除く組成物全量を100重量%として、通常0.01〜20重量%である。成分(D)の含有量が0.01重量%未満であると、添加した効果が得られない場合があり、20重量%を超えると、得られる硬化膜の強度が低下する場合がある。
上記理由から、成分(D)の含有量は、0.1〜15重量%であることが好ましく、1〜10重量%であることがより好ましい。
(E)有機溶剤
有機溶剤は、通常、前記(A)フッ素含有オレフィン系重合体の製造に用いた溶剤、あるいは(A)フッ素含有オレフィン系重合体と(C)架橋性化合物との反応に用いた溶剤による溶液として得られ、従って、通常は、そのままで溶剤を含有するものであるが、本発明の組成物の塗布性等を改善すること、その他の目的で、別途溶剤を添加し、配合することができる。
また、本発明の組成物に含有される好ましい溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、sec−ブタノール、t−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、クロロベンゼン、フェノール等の芳香族類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類を挙げることができる。これらの溶剤の中でケトン類、アルコール類、エステル類が特に好ましい。
本発明の組成物中における成分(E)の含有量は、有機溶剤を除く組成物全量を100重量部として、通常100〜10000重量%であり、500〜5000重量部が好ましく、1000〜5000重量部がより好ましい。
(F)添加剤
本発明の組成物には、当該組成物の塗布性及び硬化後の薄膜の物性の改善や、塗膜に対する感光性の付与等を目的として、例えば、水酸基を有する種々のポリマーやモノマー、顔料又は染料等の着色剤、老化防止剤や紫外線吸収剤等の安定化剤、界面活性剤、重合禁止剤、溶剤、シリカを主成分とする中実粒子等の各種の添加剤を含有させることができる。
(i)水酸基を有するポリマー
本発明の組成物に配合することができる水酸基を有するポリマーとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有共重合性単量体を共重合して得られるポリマー、ノボラック樹脂又はレゾール樹脂として公知のフェノール骨格を有する樹脂等を挙げることができる。
(ii)顔料又は染料等の着色剤
本発明の組成物に配合することができる着色剤としては、例えば、(1)アルミナ白、クレー、炭酸バリウム、硫酸バリウム等の体質顔料;(2)亜鉛華、鉛白、黄鉛、鉛丹、群青、紺青、酸化チタン、クロム酸亜鉛、ベンガラ、カーボンブラック等の無機顔料;(3)ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッド6B、パーマネントレッドR、ベンジジンイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の有機顔料;(4)マゼンタ、ローダミン等の塩基性染料;(5)ダイレクトスカーレット、ダイレクトオレンジ等の直接染料;(6)ローセリン、メタニルイエロー等の酸性染料;その他を挙げることができる。
(iii)老化防止剤、紫外線吸収剤等の安定化剤
本発明の組成物に配合することができる老化防止剤、紫外線吸収剤としては、公知のものを使用することができる。
老化防止剤の具体例としては、例えば、ジ−tert−ブチルフェノール、ピロガロール、ベンゾキノン、ヒドロキノン、メチレンブルー、tert−ブチルカテコール、モノベンジルエーテル、メチルヒドロキノン、アミルキノン、アミロキシヒドロキノン、n−ブチルフェノール、フェノール、ヒドロキノンモノプロピルエーテル、4,4′−[1−〔4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル〕エチリデン]ジフェノール、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、ジフェニルアミン類、フェニレンジアミン類、フェノチアジン、メルカプトベンズイミダゾール等を挙げることができる。
また、紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、フェニルサリシレートに代表されるサリチル酸系紫外線吸収剤、ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等の各種プラスチックの添加剤として使用される紫外線吸収剤を利用することができる。
(vi)界面活性剤
本発明の組成物には、当該組成物の塗布性を改善する目的で界面活性剤を配合することができる。この界面活性剤としては、公知のものを使用することができ、具体的には、例えば、各種アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤を利用することができるが、特に、硬化膜が優れた強度を有し、しかも良好な光学特性を有するものとするために、カチオン系界面活性剤を用いることが好ましい。さらには、第4級アンモニウム塩であることが好ましく、その中でも第4級ポリエーテルアンモニウム塩を用いると、埃拭き取り性がさらに改善される点で特に好ましい。第4級ポリエーテルアンモニウム塩であるカチオン系界面活性剤としては、旭電化工業社製アデカコールCC−15、CC−36、CC−42等が挙げられる。界面活性剤の使用割合は、本発明の組成物100重量部に対して、好ましくは5重量部以下である。
(v)重合禁止剤
本発明の組成物に配合することができる熱重合禁止剤としては、例えば、ピロガロール、ベンゾキノン、ヒドロキノン、メチレンブルー、tert−ブチルカテコール、モノベンジルエーテル、メチルヒドロキノン、アミルキノン、アミロキシヒドロキノン、n−ブチルフェノール、フェノール、ヒドロキノンモノプロピルエーテル、4,4′−[1−〔4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル〕エチリデン]ジフェノール、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン等を挙げることができる。この熱重合禁止剤は、本発明の組成物100重量部に対して、好ましくは5重量部以下で用いられる。
(vi)シリカを主成分とする中実粒子
本発明の組成物には、当該組成物の硬化物の耐擦傷性、特にスチールウール耐性を改善する目的で、前記成分(B)以外のシリカを主成分とする中実粒子を配合することができる。このシリカを主成分とする中実粒子としては、公知のものを使用することができ、また、その形状も、球状であれば通常のコロイダルシリカに限らずコア・シェル型粒子等であっても構わない。また、球状に限らず、不定形の粒子であってもよい。動的光散乱法で求めた数平均粒子径が1〜100nm、固形分が10〜40重量%のコロイダルシリカが好ましい。
また、分散媒は、水又は有機溶媒が好ましい。有機溶媒としては、メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ブタノール、エチレングリコールモノプロピルエーテル等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエ−テル類等の有機溶剤を挙げることができ、これらの中で、アルコール類及びケトン類が好ましい。これら有機溶剤は、単独で、又は2種以上混合して分散媒として使用することができる。
シリカを主成分とする粒子の市販品としては、例えば、日産化学工業(株)製のST−S、ST−M、ST−L、ZL、ST−UP等を挙げることができる。
また、コロイダルシリカ表面に化学修飾等の表面処理を行ったものを使用することができ、例えば分子中に1以上のアルキル基を有する加水分解性ケイ素化合物又はその加水分解物を含有するもの等を反応させることができる。このような加水分解性ケイ素化合物としては、トリメチルメトキシシラン、トリブチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、1,1,1―トリメトキシ−2,2,2−トリメチル−ジシラン、ヘキサメチル−1,3−ジシロキサン、1,1,1―トリメトキシ−3,3,3−トリメチル−1,3−ジシロキサン、α−トリメチルシリル−ω−ジメチルメトキシシリル−ポリジメチルシロキサン、α−トリメチルシリル−ω−トリメトキシシリル−ポリジメチルシロキサンヘキサメチル−1,3−ジシラザン等を挙げることができる。また、分子中に1以上の反応性基を有する加水分解性ケイ素化合物を使用することもできる。分子中に1以上の反応性基を有する加水分解性ケイ素化合物は、例えば反応性基としてNH基を有するものとして、尿素プロピルトリメトキシシラン、N―(2−アミノエチル)―3―アミノプロピルトリメトキシシラン等、OH基を有するものとして、ビス(2−ヒドロキシエチル)―3―アミノトリプロピルメトキシシラン等、イソシアネート基を有するものとして3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等、チオシアネート基を有するものとして3−チオシアネートプロピルトリメトキシシラン等、エポキシ基を有するものとして(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、2−(3,4―エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等、チオール基を有するものとして、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。好ましい化合物として、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。
II.反射防止膜
本発明の組成物は、溶液状で各種の基材に塗布することができ、得られた塗膜を硬化させることにより、例えば、基材が透明基材の場合には、優れた反射防止膜が形成される。
反射防止膜の具体的構造は、通常、図1に示す通り、基材10、ハードコート層12及び本発明の組成物を硬化させた硬化物を低屈折率膜14として積層したものである。また、基材と低屈折率膜との間には、ハードコート層以外の高屈折率層や帯電防止層を介在させてもよい。例えば、図2に示すとおり、基材10、高屈折率膜13及び本発明の組成物を硬化させた硬化物を低屈折率膜14として積層したものである。この場合、高屈折率膜がハードコートとしての機能を兼ねている。また、図3に示すように基材10、帯電防止層15及び本発明の組成物を硬化させた硬化物を低屈折率膜14として積層したものである。この場合、帯電防止層はハードコートと高屈折率層としての役割を兼ねており、得られる反射防止膜は帯電防止能を持っている。また、図1に示す層構成のハードコート層と低屈折率層との間に高屈折率層又は帯電防止層を介在させることもでき、図4にあるように基材10、ハードコート層12、帯電防止層15及び本発明の組成物を硬化させた低屈折率膜14として積層したものである。
本発明の反射防止膜に用いる基材の種類は特に制限されるものではないが、例えば、ガラス、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、トリアセチルセルロース樹脂(TAC)等からなる基材を挙げることができる。これらの基材を含む反射防止膜とすることにより、カメラのレンズ部、テレビ(CRT)の画面表示部、あるいは液晶表示装置におけるカラーフィルター等の広範な反射防止膜の利用分野において、優れた反射防止効果を得ることができる。塗布法としては、公知の塗布方法を使用することができ、特に、ディップ法、コーター法、印刷法等各種の方法を適用することができる。
塗布により形成される本発明の組成物の塗膜は、硬化させて優れた光学特性と耐久性を有する硬化膜を形成させるために、特に、加熱による熱履歴を与えることが好ましい。もちろん、常温で放置した場合にも、時間の経過と共に硬化反応が進み、目的とする硬化膜が形成されるが、実際上は、加熱して硬化させることが、所要時間を短縮する上で効果的である。また、熱酸発生剤を硬化触媒として添加しておくことにより、さらに硬化反応を促進させることができる。この硬化触媒としては、前述した通り、一般のウレア樹脂、メラミン樹脂等のための硬化剤として使用されている前述の各種酸類やその塩類を利用することができ、特に、アンモニウム塩を好ましく用いることができる。硬化反応のための加熱条件は適宜選択することができるが、加熱温度は、塗布の対象である基材の耐熱限界温度以下であることが必要である。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。また、以下の説明において「部」及び「%」は、特にことわらない限り、それぞれ重量部及び重量%を示す。
製造例1
フッ素含有オレフィン系重合体の製造
内容積2.0リットルの電磁攪拌機付きステンレス製オートクレーブを窒素ガスで十分置換した後、溶剤の酢酸エチル400g、(a)成分のパーフロロ(プロピルビニルエーテル)76.3g、(e)成分のエチルビニルエーテル(EVE)34.4gと、(b)成分のヒドロキシエチルビニルエーテル42.0g、(d)成分のノニオン性反応性乳化剤として「アデカリアソープNE−30」(旭電化工業株式会社製)20.0g、(c)成分のアゾ基含有ポリジメチルシロキサンとして「VPS−1001」(和光純薬工業株式会社製)6.0g及び重合開始剤の過酸化ラウロイル(LPO)1.0gを仕込み、ドライアイス−メタノール系寒剤により−50℃まで冷却した後、再度窒素ガスで系内の酸素を除去した。
次に、(a)成分のヘキサフロロプロピレン(HFP)100.4gを仕込み、昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が60℃に達した時点での圧力は60Paであった。その後、60℃で攪拌下に20時間反応を継続し、圧力が25Paに低下した時点で、オートクレーブを水冷して反応を停止させた。反応物が室温に達した後、未反応モノマーを放出してオートクレーブを開放し、ポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液をメタノールに投入し、ポリマーを析出させた後、メタノールにて洗浄し、50℃にて真空乾燥を行って、230gのフッ素含有重合体A1を得た。表1に、このフッ素含有重合体A1を得るための単量体の仕込み量を示す。
このフッ素含有重合体A1をテトラヒドロフラン(THF)に溶解して調製した0.5%溶液を用いて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによりポリスチレン換算による数平均分子量を求めたところ、35,000であった。さらに、示差熱分析法(DSC)によるガラス転移温度(Tg)、アリザリンコンプレクソン法によるフッ素含量、及び無水酢酸を用いたアセチル化法による水酸基価をそれぞれ測定した。また、H−NMR、13C−NMRの両NMR分析、元素分析を行い、さらにフッ素含量、水酸基価及び600℃での焼成後の残重量から無機シリカ分を測定し、これらの結果からフッ素含有重合体A1を構成する各単量体成分の割合を求めた。結果を表2に示す。
Figure 2007284546
VPS−1001:前記一般式(7)で表され、y=120〜150、z=7〜10、数平均分子量が70000〜90000、ポリシロキサンセグメントの分子量が約5000のアゾ基含有ポリジメチルシロキサン(和光純薬工業社製)
NE−30:下記一般式(9)で表され、n=9、m=1、s=30であるノニオン性反応性乳化剤「NE−30」(旭電化工業社製)
Figure 2007284546
Figure 2007284546
製造例2
シリカを主成分とする中空粒子B1の調製
平均粒径5nm、SiO2濃度20重量%のシリカゾル100gと純水1900gの混合物を80℃に加温した。この反応母液のpHは10.5であり、同母液にSiO2として1.17重量%の珪酸ナトリウム水溶液9000gとAl23として0.83重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液9000gとを同時に添加した。その間、反応液の温度を80℃に保持した。反応液のpHは添加直後、12.5に上昇し、その後、殆ど変化しなかった。添加終了後、反応液を室温まで冷却し、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20重量%のSiO2・Al23核粒子分散液を調製した。
この核粒子分散液500gに純水1,700gを加えて98℃に加温し、この温度を保持しながら、珪酸ナトリウム水溶液を陽イオン交換樹脂で脱アルカリして得られた珪酸液(SiO2濃度3.5重量%)3,000gを添加してシリカ外殻を形成した核粒子の分散液を得た。
次いで、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度13重量%になったシリカ外殻を形成した核粒子の分散液500gに純水1,125gを加え、さらに濃塩酸(35.5%)を滴下してpH1.0とし、脱アルミニウム処理を行った。次いで、pH3の塩酸水溶液10リットルと純水5リットルを加えながら限外濾過膜で溶解したアルミニウム塩を分離し、ついで限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換して、シリカ外殻からなる中空のシリカ粒子の分散液B1を調製した。得られた中空シリカ粒子ゾル溶液をアルミ皿に2g秤量後、150℃のホットプレート上で5分間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、20.0重量%であった。この中空シリカ粒子の平均粒子径は50nm、屈折率は、1.29であった。ここで、平均粒子径は透過型電子顕微鏡により測定した。
(製造例3)
ハードコート層用組成物の調製
紫外線を遮蔽した容器中において、ペンタエリスリトールヒドロキシトリアクリレート95重量部、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン5重量部、MIBK100重量部を50℃で2時間攪拌することで均一な溶液のハードコート層用組成物を得た。この組成物をアルミ皿に2g秤量後、120℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、50重量%であった。
(製造例4)
硬化性樹脂組成物塗工用基材の作製
TACフィルム(厚さ50μm)に、製造例3で調製したハードコート層用組成物をワイヤーバーコータで膜厚6μmとなるように塗工し、オーブン中、80℃で1分間乾燥し、塗膜を形成した。次いで、空気下、高圧水銀ランプを用いて、300mJ/cm2の光照射条件で紫外線を照射し、硬化性樹脂組成物塗工用基材を作製した。
(実施例1)
製造例1で得たフッ素含有重合体A1を20g((A)成分)、製造例2で得た中空シリカ粒子ゾルB1225g(中空シリカ粒子の固形分として45g、(B)成分)、メラミン樹脂30g(サイメル300、三井サイテック製、(C)成分)、酸触媒としてp−トルエンスルホン酸5g((D)成分)、及びメチルイソブチルケトン(MIBK)1550g、t−ブタノール670gを、攪拌機を付けたガラス製セパラブルフラスコに仕込み、室温にて1時間攪拌し均一な硬化性樹脂組成物を得た。また、製造例2の方法により固形分濃度を求めたところ4.0重量%であった。
実施例2〜8及び比較例1〜2
表3及び表4に示す組成に従って、フッ素含有重合体A1、中空シリカ粒子、架橋性化合物、硬化触媒を添加した以外は実施例1と同様にして硬化性樹脂組成物を製造した。
<硬化物の特性評価>
実施例1〜8及び比較例1〜2で得られた各硬化性樹脂組成物を、ワイヤーバーコータを用いて製造例4で得られた硬化性樹脂組成物塗工用基材のハードコート上に膜厚0.1μmとなるように塗工し、140℃で3分間加熱し、塗膜を形成し、反射防止膜サンプルを得た。これについて、以下に示す各種物性を測定した。
(評価例1)
外観の評価
上記のようにして得られた反射防止膜の外観を目視で確認し、下記基準に従って評価した。結果を表4及び表5に示す。
○:塗布ムラなし
△:若干塗布ムラあり
×:全面に塗布ムラあり
(評価例2)
ヘーズ
上記のようにして得られた反射防止膜について、カラーヘーズメーターでヘーズを測定し、評価した。評価基準は以下の通りである。結果を表4及び表5に示す。
○:ヘーズ0.3%以下
△:ヘーズ0.3%超、1.0%以下
×:ヘーズ1.0%超
(評価例3)
硬化膜の屈折率測定
各硬化性樹脂組成物を、スピンコーターによりシリコンウェハー上に、乾燥後の厚さが約0.1μmとなるように塗布後、140℃で3分間加熱硬化させた。得られた硬化物について、エリプソメーターを用いて25℃での波長589nmにおける屈折率(n 25)を測定した。結果を表4及び表5に示す。
(評価例4)
反射防止膜の反射率
上記のようにして得られた反射防止膜の裏面を黒色スプレーで塗装し、分光反射率測定装置(大型試料室積分球付属装置150−09090を組み込んだ自記分光光度計U−3410、日立製作所(株)製)により、波長340〜700nmの範囲で反射率を基材側から測定して評価した。具体的には、アルミの蒸着膜における反射率を基準(100%)として、各波長における反射防止用積層体(反射防止膜)の反射率を測定し、そのうち波長550nmにおける光の反射率から、反射防止性を、下記基準に従って評価した。結果を表4及び表5に示す。
◎:反射率が1.3%以下
○:反射率が1.3%超、2.0%以下
△:反射率が2.0%超、3.0%以下
×:反射率が3.0%超
(評価例5)
耐擦傷性テスト(スチールウール耐性テスト)
上記のようにして得られた硬化膜(反射防止膜)を、スチールウール(ボンスターNo.0000、日本スチールウール(株)製)を学振型摩擦堅牢度試験機(AB-301、テスター産業(株)製)に取りつけ、硬化膜の表面を荷重500gの条件で10回繰り返し擦過し、当該硬化膜の表面における傷の発生の有無を目視で確認し、下記基準に従って評価した。結果を表4及び表5に示す。
◎:硬化膜に傷が発生しない。
○:硬化膜の剥離や傷の発生がほとんど認められないか、あるいは硬化膜にわずかな細い傷が認められる。
△:硬化膜全面に筋状の傷が認められる。
×:硬化膜の剥離が生じる。
(評価例6)
耐汚染性
製造例5で得られた反射防止膜に指紋をつけ、不織布(旭化成製、商品名:ベンコットS−2)にて塗膜表面を拭き取った。耐汚染性を、下記基準に従って評価した。結果を表4及び表5に示す。
○:塗膜表面の指紋が完全に拭取れた。
×:拭き取られずに指紋跡が試料表面に残存した。
Figure 2007284546
Figure 2007284546
表3及び表4中の商品名は下記のものを表す。
サイメル300:下記式(10)で示される化合物が自己縮合して平均1.35量体となったもの
サイメル303:下記式(10)で示される化合物が自己縮合して平均1.7量体となったもの
中空シリカ粒子B2:触媒化成工業製JX1008SIV(イソプロピルアルコールゾル、固形分濃度22%、数平均粒径40nm、屈折率1.29)
中空シリカ粒子B3:触媒化成工業製JX1009SIV(メチルイソブチルケトンゾル、固形分濃度22%、数平均粒径40nm、屈折率1.29)
Figure 2007284546
表3及び表4の結果から、実施例に係る硬化性樹脂組成物によれば、外観、ヘーズ、反射率、耐擦傷性及び耐汚染性に優れ、低い屈折率を有することが明らかである。これに対し、中空シリカ粒子を含まない比較例1では、耐擦傷性が劣っていることがわかる。また、フッ素含有重合体を含まない比較例2では、屈折率、反射率以外の特性がいずれも劣っていることがわかる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、良好な熱硬化性を示し、また、本発明の熱硬化性樹脂組成物から形成される硬化物は、低い屈折率及び耐擦傷性及び耐汚染性に優れる。従って、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、特に、反射防止膜、光ファイバー鞘材等の光学材料の形成に有利に用いることができ、また、フッ素含量が高いことを利用して、耐候性が要求される基材に対する塗料用材料、耐候フィルム用材料、コーティング用材料、その他として好適に使用することができる。しかも、当該硬化膜は、基材に対する密着性に優れ、耐擦傷性が高く、良好な反射防止効果を付与することから、反射防止膜として極めて有用であり、各種の表示装置に適用することにより、その視認性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る反射防止膜の模式図である。 本発明の他の実施形態に係る反射防止膜の模式図である。 本発明の他の実施形態に係る反射防止膜の模式図である。 本発明の他の実施形態に係る反射防止膜の模式図である。
符号の説明
1 反射防止膜
10 基材
12 ハードコート層
13 高屈折率膜
14 低屈折率膜
15 帯電防止層

Claims (13)

  1. 下記成分(A)〜(C):
    (A)水酸基を含有する単量体由来の構造単位を10モル%〜50モル%含有してなり、かつ主鎖中にポリシロキサンセグメントを有するフッ素含有オレフィン系重合体
    (B)中空粒子
    (C)架橋性化合物
    を含有する熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記成分(A)のフッ素含量が30重量%以上であり、ポリスチレン換算による数平均分子量が5000以上である請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 前記成分(A)が、さらに反応性乳化剤由来の構造単位を0モル%〜10モル%含有する請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 前記成分(B)が、シリカを主成分とする粒子である請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 前記成分(B)の数平均粒径が1〜200nmの範囲内である請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 前記成分(B)の屈折率が1.35以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. (C)架橋性化合物が、下記一般式(Cp−1)又は(Cp−2)で示される構造を有する化合物である請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2007284546
    [式(Cp−1)及び(Cp−2)中、R25、R27、R29はメチレン基又は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、R26、R28、R30は水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。]
  8. (C)架橋性化合物がアルコキシアルキル化メラミン化合物である請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  9. さらに、(D)酸触媒を含有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  10. さらに、(E)有機溶剤を含有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  11. 反射防止膜用材料である請求項1〜10のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させて得られる硬化物。
  13. 請求項12に記載の硬化物からなる低屈折率層を有する反射防止膜。
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